JP3531622B2 - 動力出力装置 - Google Patents

動力出力装置

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JP3531622B2
JP3531622B2 JP2001119666A JP2001119666A JP3531622B2 JP 3531622 B2 JP3531622 B2 JP 3531622B2 JP 2001119666 A JP2001119666 A JP 2001119666A JP 2001119666 A JP2001119666 A JP 2001119666A JP 3531622 B2 JP3531622 B2 JP 3531622B2
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electric
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置に関
し、詳しくは、駆動軸に動力を出力する動力出力装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力出力装置としては、
車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と駆動
軸とを電磁継手により電磁的に結合して原動機から出力
された動力を駆動軸に出力すると共に駆動軸に取り付け
られた電動機から駆動軸に動力を出力するものが提案さ
れている(例えば、特開昭53−133814号公報
等)。この動力出力装置では、電動機により車両の走行
を開始し、電動機の回転数が所定の回転数になったら、
電磁継手へ励磁電流を与えて原動機をクランキングする
と共に原動機への燃料供給や火花点火を行なって原動機
を始動する。原動機が始動した後は、原動機から出力さ
れる動力の一部を電磁継手による電磁的な結合を介して
駆動軸に出力して車両を走行させる。原動機から出力さ
れる動力の残余は、電磁継手の電磁的な結合の滑りに応
じた電力として回生され、走行の開始の際に用いられる
電力としてバッテリに蓄えられたり、電動機の駆動に必
要な電力として用いられる。電動機は、駆動軸に出力す
べき動力が電磁継手を介して出力される動力では不足す
るときに駆動され、この不足分を補う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た動力出力装置の電動機にインバータ回路等により駆動
制御される電動機を用いると、駆動軸が高回転で回転し
ている最中に何らかの異常により電動機の制御が行なう
ことができなくなったときには、バッテリやインバータ
回路が破損する場合を生じるという問題があった。一般
に、電動機は、必要な電流値を小さくするために逆起電
圧が大きくなるよう設計されており、高回転で回転させ
るときには、逆起電圧がバッテリの電圧より高くならな
いよう弱め界磁制御がなされる。こうした制御の最中に
制御装置等に異常が生じ、電動機の制御を行なうことが
できなくなると、電動機が生じる逆起電圧を低くするこ
とができなくなり、電動機は発電機として動作し、これ
によって得られる電力によってバッテリを充電する。こ
のときバッテリが満充電に近いと、バッテリは過充電さ
れることになり、場合によっては破損する。また、電動
機が生じる逆起電圧が高電圧となり、インバータ回路内
の平滑コンデンサ等を破損させてしまう場合もある。
【0004】こうした問題は、上述の従来例の動力出力
装置に限られず、駆動軸に電動機が取り付けられておれ
ば、同様に生じる問題である。例えば、本出願人が以前
提案した、原動機の出力軸と駆動軸と発電機の回転軸と
に結合された遊星歯車装置を介して原動機から出力され
た動力を駆動軸に出力すると共に駆動軸に取り付けられ
た電動機から駆動軸に動力を出力する装置(特開昭第5
0−30223号公報)でも同様である。
【0005】本発明の動力出力装置は、駆動軸が高回転
で回転している最中に電動機の制御を行なうことができ
なくなり、電動機が発電機として動作したときでも、電
動機を制御するインバータ回路や蓄電手段の破損を防止
することを目的の一つとする。また、本発明の動力出力
装置は、電動機の制御を行なうことができなくなったと
きに生じる駆動軸に出力される動力の変動を小さくする
ことを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置は、上述の目的の少なくとも一部を
達成するために以下の手段を採った。
【0007】本発明の動力出力装置は、駆動軸と動力の
やり取りをする電動機と、蓄電手段を有し、該電動機へ
電力の供給が可能な電力供給手段と、複数のスイッチン
グ素子と帰還ダイオードとからなり前記電動機と前記電
力供給手段との間に介在するインバータ回路を有し、該
インバータ回路のスイッチング素子のスイッチングを制
御することにより前記電動機を駆動制御する電動機制御
手段と、電気エネルギを消費可能な電気的負荷と、該電
動機制御手段による前記電動機の制御に異常が生じ前記
インバータ回路が該電動機からみて整流回路を構成する
とき、前記インバータ回路と前記蓄電手段との接続を遮
断するとともに、該インバータ回路を介して前記電動機
により回生される電気エネルギの少なくとも一部が前記
電気的負荷で消費されるよう該電気的負荷を制御する異
常時制御手段とを備えることを要旨とする。
【0008】この本発明の動力出力装置は、複数のスイ
ッチング素子と帰還ダイオードとからなるインバータ回
路を有する電動機制御手段が、インバータ回路のスイッ
チング素子のスイッチングを制御することにより電力供
給手段から電力の供給を受けて駆動軸と動力のやり取り
をする電動機を駆動制御する。異常時制御手段は、電動
機制御手段による電動機の制御に異常が生じインバータ
回路が電動機からみて整流回路を構成するときに、この
インバータ回路を介して電動機により回生される電気エ
ネルギの少なくとも一部が電気的負荷で消費されるよう
電気的負荷を制御する。
【0009】こうした本発明の動力出力装置によれば、
インバータ回路を介して電動機により回生される電気エ
ネルギの一部を電気的負荷で消費することができる。こ
の結果、電動機により回生される電気エネルギが過剰と
なったりその電圧が高電圧になることによって生じるイ
ンバータ回路を構成する素子や電動機制御手段を構成す
る素子の破損を防止することができる。
【0010】また、前記異常時制御手段は、前記インバ
ータ回路と前記蓄電手段との接続を遮断する遮断手段を
備える。従って、蓄電手段やインバータ回路,電動機の
保護を強化することができる。
【0011】本発明の動力出力装置において、前記電動
機制御手段は、該電動機制御手段による前記電動機の制
御に異常が生じたとき、前記インバータ回路が前記電動
機からみて整流回路を構成するよう前記複数のスイッチ
ング素子をスイッチングする異常時スイッチング手段を
備えるものとすることもできる。こうすれば、電動機制
御手段による電動機の制御に異常が生じたときに、イン
バータ回路を電動機からみて整流回路となるようにする
ことができる。こうした異常時スイッチング手段は、前
記駆動軸の回転数が所定値以上のとき、前記インバータ
回路が前記電動機からみて整流回路を構成するようスイ
ッチングする手段であるものとすることもできる。こう
すれば、駆動軸の回転数が所定値以上のとき、即ち電動
機から起電圧が高くインバータ回路を構成する素子や電
動機制御手段を構成する素子に破損が生じるおそれがあ
るときにのみ制御するものとすることができる。
【0012】また、本発明の動力出力装置において、前
記インバータ回路は、前記複数のスイッチング素子のス
イッチングに必要な電力の供給が停止したとき、前記帰
還ダイオードにより前記電動機からみて整流回路を構成
する回路であるものとすることができる。こうすれば、
スイッチング素子のスイッチングに必要な電力の供給が
停止したときも同様に制御することができる。
【0013】これら変形例を含めて本発明の動力出力装
置において、前記電力供給手段は、出力軸を有する原動
機と、該原動機の出力軸と前記駆動軸とに結合され該出
力軸に入出力される動力と該駆動軸に入出力される動力
とのエネルギ偏差を対応する電気エネルギの入出力によ
り調整するエネルギ調整手段と、充放電が可能で前記エ
ネルギ調整手段と前記インバータ回路とを並列に接続す
る蓄電手段とを備え、前記電気的負荷は、前記エネルギ
調整手段であり、前記異常時制御手段は、前記インバー
タ回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギ
の少なくとも一部が前記エネルギ調整手段により消費さ
れるよう該エネルギ調整手段を制御する手段であるもの
とすることもできる。
【0014】この態様の動力出力装置では、エネルギ調
整手段による原動機の出力軸と前記駆動軸とに結合さ
れ、この出力軸に入出力される動力と駆動軸に入出力さ
れる動力とのエネルギ偏差を対応して入出力される電気
エネルギか、エネルギ調整手段とインバータ回路とを並
列に接続する蓄電手段に蓄えられた電気エネルギかが、
電動機に電力として供給される。そして、エネルギ調整
手段は、電動機制御手段による電動機の制御に異常が生
じインバータ回路が電動機からみて整流回路を構成する
ときには、インバータ回路を介して電動機から回生され
る電気エネルギの少なくとも一部を消費するよう異常時
制御手段によって制御されることにより、電気的負荷と
して動作する。この態様の動力出力装置とすれば、エネ
ルギ調整手段を電気的負荷として動作させることができ
る。この結果、負荷量を調整することができる。
【0015】また、原動機とエネルギ調整手段と蓄電手
段とを備える本発明の動力出力装置において、前記異常
時制御手段は、前記駆動軸に出力される動力の変動の少
なくとも一部を打ち消すよう前記原動機および前記エネ
ルギ調整手段を制御する手段であるものとすることもで
きる。こうすれば、駆動軸に出力される動力の変動を小
さくすることができる。
【0016】この駆動軸に出力される動力の変動を打ち
消す態様の動力出力装置において、所定の指示に基づい
て駆動軸に出力すべき目標動力を設定する目標動力設定
手段を備え、異常時制御手段は、前記インバータ回路を
介して前記電動機から回生される電気エネルギが前記原
動機から出力される動力と前記目標動力設定手段により
設定された目標動力とのエネルギ偏差に相当するよう前
記原動機の運転を制御する原動機運転手段と、前記原動
機から出力される動力と前記目標動力設定手段により設
定された目標動力とのエネルギ偏差を前記インバータ回
路を介して前記電動機から回生される電気エネルギを用
いて調整するよう前記エネルギ調整手段を制御するエネ
ルギ調整制御手段とを備えるものとすることもできる。
こうすれば、電動機制御手段による電動機の制御に異常
が生じたときでも、目標動力を駆動軸に出力することが
できる。
【0017】これら原動機とエネルギ調整手段と蓄電手
段とを備える本発明の動力出力装置において、前記エネ
ルギ調整手段は、前記原動機の出力軸に結合された第1
のロータと、前記駆動軸に結合された第2のロータとを
有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介して前記原動機
の出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする電動
機を備えるものとしたり、前記エネルギ調整手段は、回
転軸を有し該回転軸と動力のやり取りをする第2の電動
機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結
合される3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力
が入出力されたとき、該入出力された動力に基づいて定
まる動力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手
段とを備えるものとすることもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例と
しての動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図2
は図1の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略構成
を示す構成図である。説明の都合上、まず図2を用い
て、車両全体の構成から説明する。
【0019】図2に示すように、この車両には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0020】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76および回転角度センサ78な
どである。なお、EFIECU70には、この他、例え
ばイグニッションキーの状態STを検出するスタータス
イッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,
スイッチなどの図示は省略した。
【0021】エンジン50のクランクシャフト56に
は、後述するクラッチモータ30およびアシストモータ
40を介して駆動軸22が結合されている。駆動軸22
は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動
力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪2
6,28に伝達される。このクラッチモータ30および
アシストモータ40は、制御装置80により制御されて
いる。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には
制御CPU90が備えられており、シフトレバー82に
設けられたシフトポジションセンサ84やアクセルペダ
ル64に設けられたアクセルペダルポジションセンサ6
4a,ブレーキペダル65に設けられたブレーキペダル
ポジションセンサ65aなども接続されている。また、
制御装置80は、上述したEFIECU70と通信によ
り、種々の情報をやり取りしている。
【0022】図1に示すように、第1実施例の動力出力
装置20は、大きくは、エンジン50と、エンジン50
のクランクシャフト56にアウタロータ32が結合され
ると共に駆動軸22にインナロータ34が結合されたク
ラッチモータ30と、駆動軸22に結合されたロータ4
2を有するアシストモータ40と、クラッチモータ30
およびアシストモータ40を駆動制御する制御装置80
とから構成されている。
【0023】クラッチモータ30は、アウタロータ32
の内周面に永久磁石35を備え、インナロータ34に形
成されたスロットに三相のコイル36を巻回する同期電
動機として構成されている。この三相コイル36への電
力は、スリップリング38を介して供給される。インナ
ロータ34において三相コイル36用のスロットおよび
ティースを形成する部分は、無方向性電磁鋼板の薄板を
積層することで構成されている。なお、クランクシャフ
ト56には、その回転角度θeを検出するレゾルバ39
が設けられているが、このレゾルバ39は、ディストリ
ビュータ60に設けられた回転角度センサ78と兼用す
ることも可能である。
【0024】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケース45に固定されたステータ43に巻回さ
れている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄
板を積層することで形成されている。ロータ42の外周
面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシ
ストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三
相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロー
タ42が回転する。ロータ42が機械的に結合された軸
は、動力出力装置20のトルクの出力軸である駆動軸2
2であり、駆動軸22には、その回転角度θdを検出す
るレゾルバ48が設けられている。また、駆動軸22
は、ケース45に設けられたベアリング49により軸支
されている。
【0025】係るクラッチモータ30とアシストモータ
40とは、クラッチモータ30のインナロータ34がア
シストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に
機械的に結合されている。したがって、エンジン50と
両モータ30,40との関係を簡略に言えば、エンジン
50からクランクシャフト56に出力された軸トルクが
クラッチモータ30のアウタロータ32およびインナロ
ータ34を介して駆動軸22に出力され、アシストモー
タ40からのトルクがこれに加減算されるということに
なる。
【0026】アシストモータ40は、通常の永久磁石型
三相同期モータとして構成されているが、クラッチモー
タ30は、永久磁石35を有するアウタロータ32も三
相コイル36を備えたインナロータ34も、共に回転す
るよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の
構成の詳細について、さらに説明する。クラッチモータ
30のアウタロータ32はクランクシャフト56に、イ
ンナロータ34は駆動軸22に結合されており、アウタ
ロータ32に永久磁石35が設けられていることは既に
説明した。この永久磁石35は、第1実施例では8個
(N極,S極が各4個)設けられており、アウタロータ
32の内周面に貼付されている。その磁化方向はクラッ
チモータ30の軸中心に向かう方向であり、一つおきに
磁極の方向は逆向きになっている。この永久磁石35と
僅かなギャップにより対向するインナロータ34の三相
コイル36は、インナロータ34に設けられた計12個
のスロット(図示せず)に巻回されており、各コイルに
通電すると、スロットを隔てるティースを通る磁束を形
成する。各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転
する。三相コイル36の各々は、スリップリング38か
ら電力の供給を受けるよう接続されている。このスリッ
プリング38は、駆動軸22に固定された回転リング3
8aとブラシ38bとから構成されている。なお、三相
(U,V,W相)の電流をやり取りするために、スリッ
プリング38には三相分の回転リング38aとブラシ3
8bとが用意されている。
【0027】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁
界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が
形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ3
2とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常
は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クラン
クシャフト56に直結されたアウタロータ32の回転数
(1秒間の回転数)とインナロータ34の回転数との偏
差の周波数としている。
【0028】次に、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40を駆動制御する制御装置80について説明す
る。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第
1の駆動回路91と、アシストモータ40を駆動する第
2の駆動回路92と、両駆動回路91,92を制御する
制御CPU90と、二次電池であるバッテリ94とから
構成されている。制御CPU90は、1チップマイクロ
プロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、
処理プログラムを記憶したROM90b、入出力ポート
(図示せず)およびEFIECU70と通信を行なうシ
リアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御CP
U90には、レゾルバ39からのエンジン50の回転角
度θe、レゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θ
d、アクセルペダルポジションセンサ64aからのアク
セルペダルポジション(アクセルペダルの踏込量)A
P、シフトポジションセンサ84からのシフトポジショ
ンSP、バッテリ94の残容量を検出する残容量検出器
99からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して入力
されている。なお、残容量検出器99は、バッテリ94
の電解液の比重またはバッテリ94の全体の重量を測定
して残容量を検出するものや、充電・放電の電流値と時
間を演算して残容量を検出するものや、バッテリの端子
間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵抗を測る
ことにより残容量を検出するものなどが知られている。
【0029】また、制御CPU90は、第1の駆動回路
91および第2の駆動回路92が備える後述するスイッ
チング用の電子制御ユニット(以下、「スイッチングC
PU」という)91a,92aと通信によりモータ制御
に必要な情報のやり取りをしている。
【0030】第1の駆動回路91は、スイッチング素子
である6個のトランジスタTr1ないしTr6と、6個
のダイオードD1ないしD6と、トランジスタTr1な
いしTr6のスイッチングを制御するスイッチングCP
U91aとから構成されている。6個のトランジスタT
r1ないしTr6は、トランジスタインバータを構成し
ており、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対し
てソース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置さ
れ、その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル
(UVW)36の各々が、スリップリング38を介して
接続されている。また、各トランジスタTr1ないしT
r6には帰還ダイオードD1ないしD6が取り付けられ
ており、トランジスタTr1ないしTr6をすべてオフ
とすると、ダイオードD1ないしD6により三相全波整
流回路が構成されるようになっている。スイッチングC
PU91aは、1チップマイクロプロセッサとして構成
されており、図示しないが、内部に、ワーク用のRA
M、クラッチモータ30の駆動制御用のプログラムを記
憶したROM、レゾルバ39からのエンジン50の回転
角度θeやレゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θ
d,2つの電流検出器95,96からのクラッチ電流値
Iuc,Ivcを入力する入力ポート、トランジスタT
r1ないしTr6をオンオフする制御信号SW1を出力
する出力ポートを備える。電源ラインL1,L2は、バ
ッテリ94のプラス側とマイナス側に、それぞれ接続さ
れているから、スイッチングCPU91aにより対をな
すトランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を
制御信号SW1により順次制御し、各コイル36に流れ
る電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にする
と、三相コイル36により回転磁界が形成される。
【0031】第2の駆動回路92も、スイッチング素子
である6個のトランジスタTr11ないしTr16と、
6個のダイオードD11ないしD16と、トランジスタ
Tr11ないしTr16のスイッチングを制御するスイ
ッチングCPU92aとから構成されている。第2の駆
動回路92の6個のトランジスタTr11ないしTr1
6もトランジスタインバータを構成しており、それぞ
れ、第1の駆動回路91と同様に配置されていて、対を
なすトランジスタの接続点は、アシストモータ40の三
相コイル44の各々に接続されている。また、各トラン
ジスタTr11ないしTr16にも帰還ダイオードD1
1ないしD16が取り付けられており、第1の駆動回路
91と同様に、トランジスタTr11ないしTr16を
すべてオフとすると、ダイオードD11ないしD16に
より三相全波整流回路が構成されるようになっている。
スイッチングCPU92aも、1チップマイクロプロセ
ッサとして構成されており、図示しないが、内部に、ワ
ーク用のRAM、アシストモータ40の駆動制御用のプ
ログラムを記憶したROM、レゾルバ39からのエンジ
ン50の回転角度θeや2つの電流検出器97,98か
らのアシスト電流値Iua,Ivaを入力する入力ポー
ト、トランジスタTr11ないしTr16をオンオフす
る制御信号SW2を出力する出力ポートを備える。した
がって、スイッチングCPU92aにより対をなすトラ
ンジスタTr11ないしTr16のオン時間の割合を制
御信号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる
電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、
三相コイル44により、回転磁界が形成される。なお、
電源ラインL1とL2との間には、電圧を平滑化するた
めのコンデンサ93が設けられている。また、バッテリ
94は、制御用の電力の供給が停止したときにはオフと
なるノーマルオープンのシステムメインリレー94a,
94bにより電源ラインL1,L2と接続されており、
このシステムメインリレー94a,94bは、制御CP
U90によって駆動制御される。
【0032】以上構成を説明した第1実施例の動力出力
装置20の動作について説明する。第1実施例の動力出
力装置20の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の
通りである。エンジン50がEFIECU70により運
転され、エンジン50の回転数Neが所定の回転数N1
で回転しているとする。このとき、スイッチングCPU
91aがスリップリング38を介してクラッチモータ3
0の三相コイル36に何等電流を流していないとすれ
ば、すなわちスイッチングCPU91aから出力される
制御信号SW1によりトランジスタTr1,3,5をオ
フとしトランジスタTr2,4,6をオンとした状態と
すれば、三相コイル36には何等の電流も流れないか
ら、クラッチモータ30のアウタロータ32とインナロ
ータ34とは電磁的に全く結合されていない状態とな
り、エンジン50のクランクシャフト56は空回りして
いる状態となる。この状態では、三相コイル36からの
回生も行なわれない。すなわち、エンジン50はアイド
ル回転をしていることになる。
【0033】スイッチングCPU91aからの制御信号
SW1によりトランジスタをオンオフ制御すると、エン
ジン50のクランクシャフト56の回転数Neと駆動軸
22の回転数Ndとの偏差(言い換えれば、クラッチモ
ータ30におけるアウタロータ32とインナロータ34
の回転数差Nc(Ne−Nd))に応じて、クラッチモ
ータ30の三相コイル36に一定の電流が流れ、クラッ
チモータ30は発電機として機能し、電流が第1の駆動
回路91を介して回生され、バッテリ94が充電され
る。このとき、アウタロータ32とインナロータ34と
は一定の滑りが存在する結合状態となり、インナロータ
34は、エンジン50の回転数Ne(クランクシャフト
56の回転数)よりは低い回転数Ndで回転する。この
状態で、回生される電気エネルギと等しいエネルギがア
シストモータ40で消費されるように、スイッチングC
PU92aが第2の駆動回路92のトランジスタTr1
1ないしTr16をオンオフ制御すると、アシストモー
タ40の三相コイル44に電流が流れ、アシストモータ
40においてトルクが発生する。
【0034】図3に照らせば、エンジン50が回転数N
1,トルクT1の運転ポイントP1で運転しているとき
に、クラッチモータ30によりトルクT1を駆動軸22
に出力すると共に領域G1で表わされるエネルギを回生
し、この回生されたエネルギを領域G2で表わされるエ
ネルギとしてアシストモータ40に供給することによ
り、駆動軸22を回転数N2,トルクT2の運転ポイン
トP2で回転させることができるのである。
【0035】次に、エンジン50が回転数Neが所定の
回転数N2でトルクTeがトルクT2で運転されてお
り、駆動軸22が回転数N2より大きな回転数N1で回
転している場合を考える。この状態では、クラッチモー
タ30のインナロータ34は、アウタロータ32に対し
て回転数差Nc(Ne−Nd)の絶対値で示される回転
数で駆動軸22の回転方向に回転するから、クラッチモ
ータ30は、通常のモータとして機能し、バッテリ94
からの電力により駆動軸22に回転エネルギを与える。
一方、スイッチングCPU92aによりアシストモータ
40によって電力が回生されるようトランジスタTr1
1ないしTr16をオンオフ制御すると、アシストモー
タ40のロータ42とステータ43との間の滑りにより
三相コイル44に回生電流が流れる。ここで、アシスト
モータ40により回生される電力がクラッチモータ30
により消費されるようスイッチングCPU91aにより
トランジスタTr1ないしTr6をオンオフ制御すれ
ば、クラッチモータ30を、バッテリ94に蓄えられた
電力を用いることなく駆動することができる。
【0036】図3に照らせば、エンジン50が回転数N
2,トルクT2で運転しているときに、領域G1と領域
G3との和として表わされるエネルギをクラッチモータ
30に供給して駆動軸22にトルクT2を出力すると共
に、クラッチモータ30に供給するエネルギを領域G2
と領域G3との和として表わされるエネルギとしてアシ
ストモータ40から回生して賄うことにより、駆動軸2
2を回転数N1,トルクT1の運転ポイントP2で回転
させることができるのである。
【0037】なお、第1実施例の動力出力装置20で
は、こうしたエンジン50から出力される動力のすべて
をトルク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エ
ンジン50から出力される動力(トルクTeと回転数N
eとの積)と、クラッチモータ30により回生または消
費される電気エネルギと、アシストモータ40により消
費または回生される電気エネルギとを調節することによ
り、余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放
電する動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ
94に蓄えられた電力により補う動作など種々の動作と
することもできる。
【0038】次に、車両が走行状態にあるときに、第2
の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16
の温度異常を検出したときやトランジスタTr11ない
しTr16に過電流が生じたときなど、通常にアシスト
モータ40の制御を行なうことができないときのトルク
制御について図4に例示する異常時トルク制御ルーチン
に基づき説明する。こうした異常時トルク制御ルーチン
は、第2の駆動回路92に設けられた図示しない温度セ
ンサからの信号や電流検出器97,98により検出され
るアシスト電流Iua,Ivaなどの信号に基づいてス
イッチングCPU92aで実行される図示しない異常判
定ルーチンにより異常が判定されたときに実行される。
【0039】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、バッテリ94を保護するた
めにシステムメインリレー94a,94bをオフとして
バッテリ94と第1の駆動回路91および第2の駆動回
路92とを遮断する(ステップS100)。そして、第
2の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr1
6のすべてをオフとする(ステップS102)。具体的
には、制御CPU90からスイッチングCPU92aに
向けてトランジスタTr11ないしTr16のすべてを
オフとする信号を出力し、これを受信したスイッチング
CPU92aが制御信号SW2を出力することによりト
ランジスタTr11ないしTr16のすべてをオフする
のである。このようにトランジスタTr11ないしTr
16のすべてをオフとすると、第2の駆動回路92は、
各トランジスタに設けられた帰還ダイオードD11ない
しD16により三相全波整流回路を構成し、これにより
同期電動機として構成されたアシストモータ40は、発
電機として動作することになる。
【0040】続いて、アクセルペダルポジションセンサ
64aにより検出されるアクセルペダル64の踏込量で
あるアクセルペダルポジションAPを読み込む処理を行
なう(ステップS104)。アクセルペダル64は運転
者が出力トルクが足りないと感じたときに踏み込まれる
ものであり、したがって、アクセルペダルポジションA
Pの値は運転者の欲している出力トルク(すなわち、駆
動軸22に出力すべきトルク)に対応するものである。
続いて、読み込まれたアクセルペダルポジションAPに
応じた出力トルクの目標値(駆動軸22に出力すべきト
ルクの目標値(以下、「トルク指令値」ともいう))T
d*を導出する処理を行なう(ステップS106)。実
施例では、各アクセルペダルポジションAPに対して対
応する出力トルク指令値Td*を定め、これを予めマッ
プとしてROM90bに記憶しておき、アクセルペダル
ポジションAPが読み込まれると、ROM90bに記憶
したマップを参照して読み込んだアクセルペダルポジシ
ョンAPに対応する出力トルク指令値Td*を導出する
ものとした。
【0041】次に、駆動軸22の回転数Ndを読み込み
(ステップS108)、読み込んだ回転数Ndを閾値N
setと比較する(ステップS110)。ここで、駆動
軸22の回転数Ndは、レゾルバ48により検出される
駆動軸22の回転角度θdから求めることができる。ま
た、閾値Nsetは、アシストモータ40の逆起電圧E
aがコンデンサ93の耐電圧となるロータ42の回転数
より若干小さな値として設定されるものである。
【0042】駆動軸22の回転数Ndが閾値Nsetよ
り大きいときには、アシストモータ40の逆起電圧Ea
がコンデンサ93の耐電圧より大きくなってコンデンサ
93を破損させるおそれがあると判断し、アシストモー
タ40により得られる電気エネルギの一部をクラッチモ
ータ30により消費するようクラッチモータ30のトル
ク指令値Tc*とエンジン50の目標回転数Ne*およ
び目標トルクTe*を設定する処理(ステップS112
ないしS116の処理)を実行する。この処理として
は、まず、駆動軸22の回転数Ndに基づいてアシスト
モータ40から回生される電力Paを計算する(ステッ
プS112)。実施例では、駆動軸22の各回転数Nd
に対してアシストモータ40から回生される電力Paを
予め実験により求めてマップとしてROM90bに記憶
しておき、回転数Ndが読み込まれると、ROM90b
に記憶したマップからこの回転数Ndに対応する電力P
aを導出するものとしたが、次式(1)により算出する
ものとしてもよい。式(1)中、Vはコンデンサ93の
耐電圧より若干高い電圧であり、RaおよびjωLaは
アシストモータ40を起電力Eaの電源としてみたとき
のアシストモータ40および第2の駆動回路92のイン
ピーダンスである。アシストモータ40を起電力Eaの
電源としてみたときの動力出力装置20の等価回路を図
5に示す。なお、アシストモータ40の逆起電圧Ea
は、式(2)により求めることができる。式(2)中、
kは巻線係数、nは一相の巻き数、fは周波数、φは一
極当たりのエアギャップ磁束基本波成分である。
【0043】 Pa=Ea・Ia=Ea・(Ea−V)/(Ra+jωLa) …(1) Ea=4.44knfφ …(2)
【0044】アシストモータ40により回生される電力
Paを導出すると、次式(3)によりクラッチモータ3
0のトルク指令値Tc*を設定する(ステップS11
4)。ここで、式(3)中、右辺第2項は、アシストモ
ータ40から駆動軸22に出力される制動トルクに相当
するものである。このようにクラッチモータ30のトル
ク指令値Tc*を設定することにより、駆動軸22に運
転者の欲するトルク(トルク指令値Td*)を出力する
ことができる。
【0045】 Tc*←Td*+Pa/Nd …(3)
【0046】次に、次式(4)および式(5)によりエ
ンジン50の目標回転数Ne*および目標トルクTe*
を設定する(ステップS116)。ここで、式(4)の
右辺第2項は、アシストモータ40により回生される電
力Paをクラッチモータ30で消費するときのクラッチ
モータ30の回転数に相当するものである。したがっ
て、式(4)で計算される値をエンジン50の目標回転
数Ne*として設定することにより、クラッチモータ3
0の回転数であるエンジン50の回転数Neと駆動軸2
2の回転数Ndとの回転数差Ncを−Pa/Tc*と
し、アシストモータ40により回生される電力Paをク
ラッチモータ30で消費することができるようになる。
また、式(5)に示すように、エンジン50の目標トル
クTe*にクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を
設定するのは、クラッチモータ30から出力されるトル
クがエンジン50の負荷トルクとなるからである。
【0047】Ne*←Nd−Pa/Nd …(4) Te*←Tc* …(5)
【0048】一方、ステップS110で駆動軸22の回
転数Ndが閾値Nset以下のときには、コンデンサ9
3を破損させるおそれはないと判断し、クラッチモータ
30をロックアップする信号を出力すると共に(ステッ
プS118)、エンジン50の目標回転数Ne*と目標
トルクTe*とに駆動軸22の回転数Ndとトルク指令
値Td*とを設定する(ステップS120)。このよう
に設定することによりエンジン50から出力される回転
数が値Ndでトルクが値Td*の動力を直接駆動軸22
に出力することができる。なお、クラッチモータ30を
ロックアップするのに必要な電力は銅損や鉄損のみであ
るから小さく、アシストモータ40によって回生される
電力で賄うことができる。
【0049】こうしてクラッチモータ30のトルク指令
値Tc*やエンジン50の目標回転数Ne*,目標トル
クTe*を設定すると、クラッチモータ30およびエン
ジン50の制御を行なう(ステップS122およびS1
24)。具体的には、制御CPU90からスイッチング
CPU91aに向けてクラッチモータ30のトルク指令
値Tc*を出力すると共にEFIECU70に向けてエ
ンジン50の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを
出力することにより、スイッチングCPU91aによっ
てクラッチモータ30から出力されるトルクが値Td*
となるようクラッチモータ30を制御すると共にEFI
ECU70によってエンジン50が回転数が値Ne*で
トルクが値Te*となるようエンジン50を制御するの
である。実施例では、図示の都合上、クラッチモータ3
0とエンジン50の制御を本ルーチンの別々のステップ
として記載したが、スイッチングCPU91aによるク
ラッチモータ30の制御とEFIECU70によるエン
ジン50の制御は、本ルーチンとは別個独立に行なわれ
る。
【0050】クラッチモータ30の制御は、図6に例示
するクラッチモータ制御ルーチンにより行なわれる。本
ルーチンが実行されると、スイッチングCPU91a
は、まず、駆動軸22の回転角度θdをレゾルバ48か
ら、エンジン50のクランクシャフト56の回転角度θ
eをレゾルバ39から入力する処理を行ない(ステップ
S130,S132)、クラッチモータ30の電気角θ
cを両軸の回転角度θe,θdから求める処理を行なう
(ステップS134)。実施例では、クラッチモータ3
0として4極対の同期電動機を用いているから、θc=
4(θe−θd)を演算することになる。
【0051】次に、電流検出器95,96により、クラ
ッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れて
いる電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステ
ップS136)。電流はU,V,Wの三相に流れている
が、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測
定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて
座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS13
8)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q
軸の電流値に変換することであり、次式(6)を演算す
ることにより行なわれる。ここで座標変換を行なうの
は、永久磁石型の同期電動機においては、d軸及びq軸
の電流が、トルクを制御する上で本質的な量だからであ
る。もとより、三相のまま制御することも可能である。
【0052】
【数1】
【0053】次に、2軸の電流値に変換した後、クラッ
チモータ30におけるトルク指令値Tc*から求められ
る各軸の電流指令値Idc*,Iqc*と実際各軸に流
れた電流Idc,Iqcと偏差を求め、各軸の電圧指令
値Vdc,Vqcを求める処理を行なう(ステップS1
40)。すなわち、まず以下の式(7)の演算を行な
い、次に次式(8)の演算を行なうのである。ここで、
Kp1,2及びKi1,2は、各々係数である。これら
の係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整さ
れる。なお、電圧指令値Vdc,Vqcは、電流指令値
I*との偏差ΔIに比例する部分(式(8)右辺第1
項)と偏差ΔIのi回分の過去の累積分(右辺第2項)
とから求められる。
【0054】
【数2】
【0055】
【数3】
【0056】その後、こうして求めた電圧指令値をステ
ップS138で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS142)、
実際に三相コイル36に印加する電圧Vuc,Vvc,
Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(9)に
より求める。
【0057】
【数4】
【0058】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91の
トランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間により
なされるから、式(9)によって求めた各電圧指令値と
なるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間
をPWM制御する(ステップS144)。
【0059】ステップS110で駆動軸22の回転数N
dが閾値Nset以下と判断され、ステップS118で
クラッチモータ30をロックアップする信号が出力され
たときには、クラッチモータ30の制御は、クラッチモ
ータ30のアウタロータ32とインナロータ34とが相
対的に回転しないようロックアップする制御となる。具
体的には、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*に
トルク指令値Td*を設定したものとして図6に例示す
るクラッチモータ制御ルーチンを実行し、各相の電流値
を求め、求めた電流値の定電流を三相コイル36に流す
ことによって行なわれる。
【0060】次に、エンジン50の制御(図4のステッ
プS120)について説明する。エンジン50は、図4
のステップS116で設定された目標回転数Ne*およ
び目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転状態され
るよう、EFIECU70によるスロットルバルブ66
の開度制御,燃料噴射弁51からの燃料噴射制御,点火
プラグ62による点火制御を受ける。なお、エンジン5
0は、その負荷トルクにより出力トルクTeと回転数N
eとが変化するから、EFIECU70による制御だけ
では目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポ
イントで運転することはできず、負荷トルクの制御、す
なわちクラッチモータ30のトルクTcの制御も必要と
なるが、このクラッチモータ30のトルクTcの制御
は、前述したクラッチモータ30の制御となる。
【0061】駆動軸22の回転数Ndが閾値Nsetよ
り大きいときの各軸へのトルクの作用状態の一例を図7
に示す。図示するように、発電機として動作するアシス
トモータ40から回生される電力Paが丁度クラッチモ
ータ30により消費されるように、かつ、クラッチモー
タ30から出力されるトルクTcがアシストモータ40
から駆動軸22に作用するトルクTaを打ち消してなお
駆動軸22にトルクTd(値Td*)が作用するようク
ラッチモータ30のトルクTcおよびエンジン50の運
転ポイント(回転数NeとトルクTe)を調整すること
により、アシストモータ40を制御できない状態となっ
ても駆動軸22に所望の動力を出力することができる。
【0062】以上説明した第1実施例の動力出力装置2
0によれば、アシストモータ40が制御できない状態と
なり発電機として動作しても、アシストモータ40によ
り回生される電力Paをクラッチモータ30によって消
費することができる。この結果、アシストモータ40の
逆起電圧がコンデンサ93の耐電圧より高くなる回転数
で回転していても、図5に示すアシストモータ40を電
源としてみたときのインピーダンス(RaとjωLa)
を流れる電流が大きくなるから、このインピーダンスに
よる電圧降下によってコンデンサ93の端子電圧を耐電
圧未満にすることができ、コンデンサ93の破損を防止
することができる。しかも、アシストモータ40の逆起
電圧がコンデンサ93の耐電圧より高くなる回転数で駆
動軸22が回転しているときには、アシストモータ40
から回生される電力Paをクラッチモータ30によって
消費すると共にクラッチモータ30から出力されるトル
クTcがアシストモータ40から駆動軸22に作用する
トルクTaを打ち消してなお駆動軸22に値Td*のト
ルクが作用するようクラッチモータ30のトルクTcお
よびエンジン50の運転ポイント(回転数Neとトルク
Te)を調整し、駆動軸22がそれ以下の回転数で回転
しているときには、クラッチモータ30をロックアップ
すると共に駆動軸22に出力すべき動力(回転数が値N
dでトルクが値Td*)がエンジン50から出力される
ようその運転ポイントに調整するから、アシストモータ
40が制御できない状態のときでも、駆動軸22に所望
の動力を出力することができる。そして、この制御は、
アシストモータ40が制御できない状態となったときに
直ちに行なわれるから、駆動軸22に出力されるトルク
の変動を小さくすることができる。
【0063】また、バッテリ94をシステムメインリレ
ー94a,94bにより第1の駆動回路91および第2
の駆動回路92から切り離すから、アシストモータ40
により回生される電力Paによるバッテリ94の過充電
を防止することができ、過充電の結果生じるバッテリ9
4の破損を防止することができる。
【0064】第1実施例の動力出力装置20では、第2
の駆動回路92のトランジスタTr11ないしTr16
の温度異常を検出したときやトランジスタTr11ない
しTr16に過電流が生じたときなど、スイッチングC
PU92aによるトランジスタTr11ないしTr16
のスイッチングがまだ可能な状態のときに図4の異常時
トルク制御ルーチンを実行するものとしたが、電源ライ
ンの切断などによりスイッチングCPU92aへの電力
の供給が停止したときや、スイッチングCPU92aの
内部ロジックに異常が生じスイッチングCPU92aが
動作できない状態となったときなどにも図4の異常時ト
ルク制御ルーチンを適用することができる。この場合、
スイッチングCPU92aの動作の停止によってトラン
ジスタTr11ないしTr16はすべてオフとなるか
ら、ステップS102の処理は不要となる。こうすれ
ば、スイッチングCPU92aが動作不能となったとき
でも、上述の効果を得ることができ、コンデンサ93や
バッテリ94の破損を防止することができる。
【0065】第1実施例の動力出力装置20では、アシ
ストモータ40の制御を行なうことができない状態のと
きでもアクセルペダル64の踏込量に応じたトルクを駆
動軸22に出力するようクラッチモータ30とエンジン
50とを制御したが、アシストモータ40により回生さ
れる電力Paをクラッチモータ30により消費するよう
クラッチモータ30を制御するものであれば、駆動軸2
2に出力するトルクは如何なるトルクとしてもよい。
【0066】第1実施例の動力出力装置20では、駆動
軸22の回転数Ndが閾値Nsetより大きいときにア
シストモータ40により回生される電力Paをクラッチ
モータ30で消費するようクラッチモータ30とエンジ
ン50とを制御したが、駆動軸22の回転数Ndが閾値
Nset以下のときにも同様に制御するものとしてもよ
い。
【0067】第1実施例の動力出力装置20では、クラ
ッチモータ30とアシストモータ40とをそれぞれ別個
に駆動軸22に取り付けたが、図8に例示する変形例で
ある動力出力装置20Bのように、クラッチモータとア
シストモータとが一体となるよう構成してもよい。この
変形例の動力出力装置20Bの構成について以下に簡単
に説明する。図示するように、変形例の動力出力装置2
0Bのクラッチモータ30Bは、クランクシャフト56
に結合したインナロータ34Bと、駆動軸22に結合し
たアウタロータ32Bとから構成され、インナロータ3
4Bには三相コイル36Bが取り付けられており、アウ
タロータ32Bには永久磁石35Bがその外周面側の磁
極と内周面側の磁極とが異なるよう嵌め込まれている。
なお、図示しないが、永久磁石35Bの外周面側の磁極
と内周面側の磁極との間には、非磁性体により構成され
た部材が嵌挿されている。一方、アシストモータ40B
は、このクラッチモータ30Bのアウタロータ32B
と、三相コイル44が取り付けられたステータ43とか
ら構成される。すなわち、クラッチモータ30Bのアウ
タロータ32Bがアシストモータ40Bのロータを兼ね
る構成となっている。なお、クランクシャフト56に結
合したインナロータ34Bに三相コイル36Bが取り付
けられているから、クラッチモータ30Bの三相コイル
36Bに電力を供給するスリップリング38は、クラン
クシャフト56に取り付けられている。
【0068】この変形例の動力出力装置20Bでは、ア
ウタロータ32Bに嵌め込まれた永久磁石35Bの内周
面側の磁極に対してインナロータ34Bの三相コイル3
6Bに印加する電圧を制御することにより、クラッチモ
ータ30とアシストモータ40とを駆動軸22に別個に
取り付けた前述の動力出力装置20のクラッチモータ3
0と同様に動作する。また、アウタロータ32Bに嵌め
込まれた永久磁石35Bの外周面側の磁極に対してステ
ータ43の三相コイル44に印加する電圧を制御するこ
とにより第1実施例の動力出力装置20のアシストモー
タ40と同様に動作する。したがって、変形例の動力出
力装置20Bは、上述した第1実施例の動力出力装置2
0のすべての動作について同様に動作する。
【0069】こうした変形例の動力出力装置20Bによ
れば、アウタロータ32Bがクラッチモータ30Bのロ
ータの一方とアシストモータ40Bのロータとを兼ねる
から、動力出力装置20Bの小型化および軽量化を図る
ことができる。
【0070】また、第1実施例の動力出力装置20は、
FR型の車両に適用する場合について説明したが、FF
型の車両に搭載する構成や4輪駆動の車両に搭載する構
成としてもよい。4輪駆動の車両に搭載する場合は、図
9に例示する変形例の動力出力装置20Cのようにな
る。この変形例の動力出力装置20Cでは、駆動軸22
に取り付けられていたアシストモータ40を駆動軸22
より分離して、車両の後輪部に独立して配置し、このア
シストモータ40によって後輪部の駆動輪27,29を
駆動する。一方、駆動軸22の先端はギヤ23を介して
ディファレンシャルギヤ24に結合されており、この駆
動軸22によって前輪部の駆動輪26,28を駆動す
る。このような構成の下においても、前述した第1実施
例を実現することは可能である。
【0071】第1実施例の動力出力装置20では、クラ
ッチモータ30に対する電力の伝達手段として回転リン
グ38aとブラシ38bとからなるスリップリング38
を用いたが、回転リング−水銀接触、磁気エネルギの半
導体カップリング、回転トランス等を用いることもでき
る。
【0072】次に、本発明の第2の実施例としての動力
出力装置110について説明する。図10は第2実施例
の動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図11は
第2実施例の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略
構成を示す構成図である。
【0073】第2実施例の動力出力装置110が組み込
まれた車両は、図11に示すように、クランクシャフト
156にクラッチモータ30とアシストモータ40とが
取り付けられている代わりにプラネタリギヤ120,モ
ータMG1およびモータMG2が取り付けられている点
を除いて第1実施例の動力出力装置20が組み込まれた
車両(図2)と同様の構成をしている。したがって、第
2実施例の動力出力装置110の構成のうち第1実施例
の動力出力装置20と同一の構成については、値100
を加えた符号を付し、その説明は省略する。なお、第2
実施例の動力出力装置110の説明でも、明示しない限
り第1実施例の動力出力装置20の説明の際に用いた符
号はそのまま同じ意味で用いる。
【0074】図10に示すように、動力出力装置110
は、大きくは、エンジン150、エンジン150のクラ
ンクシャフト156にプラネタリキャリア124が機械
的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタリギヤ
120のサンギヤ121を回転可能に取り付けられたた
モータMG1、プラネタリギヤ120のリングギヤ12
2に結合された駆動軸112に取り付けられたモータM
G2および両モータMG1,MG2を駆動制御する制御
装置180から構成されている。
【0075】プラネタリギヤ120は、クランクシャフ
ト156に軸中心を貫通された中空のサンギヤ軸125
に結合されたサンギヤ121と、クランクシャフト15
6と同軸の駆動軸112に結合されたリングギヤ122
と、サンギヤ121とリングギヤ122との間に配置さ
れサンギヤ121の外周を自転しながら公転する複数の
プラネタリピニオンギヤ123と、クランクシャフト1
56の端部に結合され各プラネタリピニオンギヤ123
の回転軸を軸支するプラネタリキャリア124とから構
成されている。このプラネタリギヤ120では、サンギ
ヤ121,リングギヤ122およびプラネタリキャリア
124にそれぞれ結合されたサンギヤ軸125,駆動軸
112およびクランクシャフト156の3軸が動力の入
出力軸とされ、3軸のうちいずれか2軸へ入出力される
動力が決定されると、残余の1軸に入出力される動力は
決定された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。
なお、このプラネタリギヤ120の3軸への動力の入出
力についての詳細は後述する。
【0076】モータMG1は、同期電動発電機として構
成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロー
タ132と、回転磁界を形成する三相コイル134が巻
回されたステータ133とを備える。ロータ132は、
プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたサ
ンギヤ軸125に結合されている。ステータ133は、
無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケ
ース113に固定されている。このモータMG1は、永
久磁石135による磁界と三相コイル134によって形
成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆
動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界
とロータ132の回転との相互作用により三相コイル1
34の両端に起電力を生じさせる発電機として動作す
る。なお、サンギヤ軸125には、その回転角度θsを
検出するレゾルバ139が設けられている。
【0077】モータMG2も、モータMG1と同様に同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する
三相コイル144が巻回されたステータ143とを備え
る。ロータ142は、プラネタリギヤ120のリングギ
ヤ122に結合された駆動軸112に結合されており、
ステータ143はケース113に固定されている。モー
タMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板の薄板を
積層して形成されている。このモータMG2もモータM
G1と同様に、電動機あるいは発電機として動作する。
駆動軸112には、その回転角度θdを検出するレゾル
バ149が設けられている。また、駆動軸112は、ケ
ース113に設けられたベアリング113aにより軸支
されている。
【0078】図10に示すように、第2実施例の動力出
力装置110が備える制御装置180は、第1実施例の
動力出力装置20の制御装置80と同様に構成されてい
る。すなわち制御装置180は、モータMG1を駆動す
る第1の駆動回路191、モータMG2を駆動する第2
の駆動回路192、両駆動回路191,192を制御す
る制御CPU190、二次電池であるバッテリ194か
ら構成されている。なお、第2実施例の制御CPU19
0の入力ポートには、第1実施例の制御CPU90の入
力ポートに入力されるクランクシャフト56の回転角度
θeに代えてレゾルバ139からのサンギヤ軸125の
回転角度θsが入力されている。
【0079】第1および第2の駆動回路191,192
も、第1実施例の第1および第2の駆動回路91,92
と同様に、トランジスタインバータを構成する6個のト
ランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16と、ト
ランジスタTr1〜Tr6,Tr11〜Tr16のすべ
てオフとすると三相全波整流回路を構成する帰還ダイオ
ードD1〜D6,D11〜D16と、トランジスタTr
1〜Tr6,Tr11〜Tr16のスイッチングを制御
するスイッチングCPU191a,192aとから構成
されている。なお、第1の駆動回路191のスイッチン
グCPU191aの入力ポートには、クランクシャフト
56の回転角度θsと駆動軸22の回転角度θdおよび
クラッチ電流値Iuc,Ivcに代えてレゾルバ139
からのサンギヤ軸125の回転角度θsと2つの電流検
出器195,196からのモータMG1の電流値Iu
1,Iv1とが入力されており、第2の駆動回路192
のスイッチングCPU192aの入力ポートには、クラ
ンクシャフト56の回転角度θsおよびアシスト電流値
Iua,Ivaに代えてレゾルバ149からの駆動軸1
12の回転角度θdと2つの電流検出器197,198
からのモータMG2の電流値Iu2,Iv2とが入力さ
れている。したがって、スイッチングCPU191a,
192aにより対をなすトランジスタTr1〜Tr6,
Tr11〜Tr16のオン時間の割合を制御信号SW
1,SW2により順次制御し、三相コイル134,14
4に流れる電流をPWM制御によって擬似的な正弦波に
すると、三相コイル134,144により、回転磁界が
形成される。
【0080】次に第2実施例の動力出力装置110の動
作について説明する。第2実施例の動力出力装置110
の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りであ
る。エンジン150を回転数Ne,トルクTeの運転ポ
イントP1で運転し、このエンジン150から出力され
るエネルギPeと同一のエネルギであるが異なる回転数
Nd,トルクTdの運転ポイントP2で駆動軸112を
運転する場合、すなわち、エンジン150から出力され
る動力をトルク変換して駆動軸112に作用させる場合
について考える。この時のエンジン150と駆動軸11
2の回転数およびトルクの関係を図12に示す。
【0081】プラネタリギヤ120のサンギヤ121,
リングギヤ122およびプラネタリキャリア124に結
合された3軸(サンギヤ軸125,駆動軸112および
クランクシャフト156)における回転数やトルクの関
係は、機構学の教えるところによれば、図13および図
14に例示する共線図と呼ばれる図として表わすことが
でき、幾何学的に解くことができる。なお、プラネタリ
ギヤ120における3軸の回転数やトルクの関係は、上
述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを計算するこ
となどにより数式的に解析することもできる。本実施例
では説明の容易のため共線図を用いて説明する。
【0082】図13における縦軸は3軸の回転数軸であ
り、横軸は3軸の座標軸の位置の比を表わす。すなわ
ち、サンギヤ軸125と駆動軸112の座標軸S,Rを
両端にとったとき、クランクシャフト156の座標軸C
は、軸Sと軸Rを1:ρに内分する軸として定められ
る。ここで、ρは、リングギヤ122の歯数に対するサ
ンギヤ121の歯数の比であり、次式(10)で表わさ
れる。
【0083】
【数5】
【0084】いま、エンジン150が回転数Neで運転
されており、駆動軸112が回転数Ndで運転されてい
る場合を考えているから、クランクシャフト156の座
標軸Cにエンジン150の回転数Neを、駆動軸112
の座標軸Rに回転数Ndをプロットすることができる。
この両点を通る直線を描けば、この直線と座標軸Sとの
交点で表わされる回転数としてサンギヤ軸125の回転
数Nsを求めることができる。以下、この直線を動作共
線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、回転数Neと回転数N
dとを用いて比例計算式(次式(11))により求める
ことができる。このようにプラネタリギヤ120では、
サンギヤ121,リングギヤ122およびプラネタリキ
ャリア124に結合された3軸のうちいずれか2つの回
転を決定すると、残余の1つの回転は、決定した2つの
回転に基づいて決定される。
【0085】
【数6】
【0086】次に、描かれた動作共線に、エンジン15
0のトルクTeをクランクシャフト156の座標軸Cを
作用線として図中下から上に作用させる。このとき動作
共線は、トルクに対してはベクトルとしての力を作用さ
せたときの剛体として取り扱うことができるから、座標
軸C上に作用させたトルクTeは、平行な2つの異なる
作用線への力の分離の手法により、座標軸S上のトルク
Tesと座標軸R上のトルクTerとに分離することが
できる。このときトルクTesおよびTerの大きさ
は、次式(12)および(13)によって表わされる。
【0087】
【数7】
【0088】動作共線がこの状態で安定であるために
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、駆動
軸112に出力すべきトルクTdと同じ大きさで向きが
反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさが同
じで向きが反対のトルクTm2を作用させるのである。
このトルクTm1はモータMG1により、トルクTm2
はモータMG2により作用させることができる。このと
き、モータMG1では回転の方向と逆向きにトルクを作
用させるから、モータMG1は発電機として動作するこ
とになり、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされ
る電気エネルギPm1をサンギヤ軸125から回生す
る。モータMG2では、回転の方向とトルクの方向とが
同じであるから、モータMG2は電動機として動作し、
トルクTm2と回転数Ndとの積で表わされる電気エネ
ルギPm2を動力として駆動軸112に出力する。
【0089】ここで、電気エネルギPm1と電気エネル
ギPm2とを等しくすれば、モータMG2で消費する電
力のすべてをモータMG1により回生して賄うことがで
きる。このためには、入力されたエネルギのすべてを出
力するものとすればよいから、エンジン150から出力
されるエネルギPeと駆動軸112に出力すべきエネル
ギPdとを等しくすればよい。すなわち、トルクTeと
回転数Neとの積で表わされるエネルギPeと、トルク
Tdと回転数Ndとの積で表わされるエネルギPdとを
等しくするのである。図12に照らせば、運転ポイント
P1で運転されているエンジン150から出力されるト
ルクTeと回転数Neとで表わされる動力を、トルク変
換して、同一のエネルギでトルクTdと回転数Ndとで
表わされる動力として駆動軸112に出力するのであ
る。
【0090】図13に示す共線図ではサンギヤ軸125
の回転数Nsは正の値であったが、エンジン150の回
転数Neと駆動軸112の回転数Ndとによっては、図
14に示す共線図のように負の値となる場合もある。こ
のときには、モータMG1では、回転の方向とトルクの
作用する方向とが同じになるから、モータMG1は電動
機として動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表
わされる電気エネルギPm1を消費する。一方、モータ
MG2では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆
になるから、モータMG2は発電機として動作し、トル
クTm2と回転数Ndとの積で表わされる電気エネルギ
Pm2を駆動軸112から回生することになる。この場
合、モータMG1で消費する電気エネルギPm1とモー
タMG2で回生する電気エネルギPm2とを等しくすれ
ば、モータMG1で消費する電気エネルギPm1をモー
タMG2で丁度賄うことができる。
【0091】以上、第2実施例の動力出力装置110に
おける基本的なトルク変換について説明したが、第2実
施例の動力出力装置110は、こうしたエンジン150
から出力される動力のすべてをトルク変換して駆動軸1
12に出力する動作の他に、エンジン150から出力さ
れる動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、モータ
MG1により回生または消費される電気エネルギPm1
と、モータMG2により消費または回生される電気エネ
ルギPm2とを調節することにより、余剰の電気エネル
ギを見い出してバッテリ194を放電する動作とした
り、不足する電気エネルギをバッテリ194に蓄えられ
た電力により補う動作など種々の動作とすることもでき
る。
【0092】こうした第2実施例の動力出力装置110
でも、車両が走行状態にあるときに、第2の駆動回路1
92のトランジスタTr11ないしTr16の温度異常
を検出したときやトランジスタTr11ないしTr16
に過電流が生じたときなど、通常にモータMG2の制御
を行なうことができないときには、第1実施例の動力出
力装置20と同様の異常時トルク制御処理を行なうこと
ができる。第2実施例の動力出力装置110における異
常時トルク制御処理は、図15に例示する異常時トルク
制御ルーチンにより行なわれる。本ルーチンのステップ
S200ないしS210の処理は、第1実施例の異常時
トルク制御ルーチン(図4)のステップS100ないし
S110の処理と同一であるから、その説明は省略す
る。
【0093】ステップS210で、駆動軸112の回転
数Ndが閾値Nsetより大きいときには、モータMG
2の逆起電圧Em2がコンデンサ193の耐電圧より大
きくなってコンデンサ193を破損させるおそれがある
と判断し、モータMG2により得られる電気エネルギの
一部をモータMG1により消費するようモータMG1の
トルク指令値Tm1*とエンジン150の目標回転数N
e*および目標トルクTe*を設定する処理(ステップ
S212ないしS216の処理)を実行する。この処理
としては、まず、駆動軸112の回転数Ndに基づいて
モータMG2から回生される電力Pm2を計算する(ス
テップS212)。この計算の手法または導出の手法は
第1実施例で説明した。
【0094】続いて、次式(14)によりモータMG1
のトルク指令値Tc*を設定する(ステップS21
4)。ここで、式(14)中、右辺括弧内第2項は、モ
ータMG2から駆動軸112に出力される制動トルクに
相当するものであるから、右辺括弧内は、モータMG2
の制動トルクを打ち消してなお駆動軸112に値Td*
のトルクが作用するようプラネタリギヤ120側から駆
動軸112に出力するトルクとなる。したがって、式
(14)により設定されるモータMG1のトルク指令値
Tm1*は、上述のトルクをプラネタリギヤ120側か
ら駆動軸112に出力するための反力としてのトルクと
なる。
【0095】 Tm1*←ρ×(Td*+Pm2/Nd) …(14)
【0096】次に、次式(15)によりサンギヤ軸12
5の目標回転数Ns*を計算する(ステップS21
5)。なお、式(15)の右辺の負符号は、モータMG
2により回生される電力Pm2をモータMG1で消費す
るために、モータMG1のロータ132が取り付けられ
たサンギヤ軸125をモータMG1から出力されるトル
クとは逆向きに回転させる必要があるために付されるも
のである。
【0097】 Ns*←−Pm2/Tm1* …(15)
【0098】そして、エンジン150の目標回転数Ne
*と目標トルクTe*とを次式(16)と式(17)と
により設定する(ステップS216)。ここで、式(1
6)は、プラネタリギヤ120を介して駆動軸112を
回転数Ndで回転させ、サンギヤ軸125を目標回転数
Ns*で回転させたときのクランクシャフト156の回
転数を算出する式であり、式(17)は、式(14)と
同様に、モータMG2の制動トルクを打ち消してなお駆
動軸112に値Td*のトルクが作用するようプラネタ
リギヤ120側から駆動軸112に出力するトルク(括
弧内)をプラネタリギヤ120側から駆動軸112に出
力するためにエンジン50から出力すべきトルクを求め
る式である。この状態の共線図を図16に示す。
【0099】
【数8】
【0100】一方、ステップS210で駆動軸112の
回転数Ndが閾値Nset以下のときには、コンデンサ
193を破損させるおそれはないと判断し、モータMG
1をロックアップする信号を出力すると共に(ステップ
S218)、次式(18)と式(19)とによりエンジ
ン150の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設
定する(ステップS220)。このように設定すること
によりプラネタリギヤ120を介して駆動軸112に値
Td*のトルクを出力することができる。なお、モータ
MG1をロックアップするのに必要な電力は銅損や鉄損
のみだから小さく、モータMG2によって回生される電
力で賄うことができる。この状態の共線図を図17に示
す。
【0101】
【数9】
【0102】こうしてモータMG1のトルク指令値Tm
1*やエンジン150の目標回転数Ne*,目標トルク
Te*を設定すると、モータMG1およびエンジン15
0の制御を行なう(ステップS222およびS22
4)。具体的には、制御CPU190からスイッチング
CPU191aに向けてモータMG1のトルク指令値T
m1*を出力すると共にEFIECU170に向けてエ
ンジン150の目標回転数Ne*と目標トルクTe*と
を出力することにより、スイッチングCPU191aに
よってモータMG1から出力されるトルクが式(14)
により計算される値となるようモータMG1を制御する
と共にEFIECU170によってエンジン150が回
転数が値Ne*でトルクが値Te*となるようエンジン
150を制御するのである。第2実施例でも、図示の都
合上、モータMG1とエンジン150の制御を本ルーチ
ンの別々のステップとして記載したが、スイッチングC
PU191aによるモータMG1の制御とEFIECU
170によるエンジン150の制御は、本ルーチンとは
別個独立に行なわれる。なお、EFIECU170によ
るエンジン150の制御は、第1実施例のEFIECU
70によるエンジン50の制御と同一であるから、その
説明は省略する。
【0103】モータMG1の制御は、図18に例示する
クラッチモータ制御ルーチンにより行なわれる。本ルー
チンが実行されると、スイッチングCPU191aは、
まず、サンギヤ軸125の回転角度θsをレゾルバ13
9から入力し(ステップS230)、入力した回転角度
θsからモータMG1の電気角θ1を求める処理を行な
う(ステップS234)。第2実施例では、モータMG
1として4極対の同期電動機を用いているから、θ1=
4θsを演算することになる。
【0104】そして、電流検出器195,196によ
り、モータMG1の三相コイル134のU相とV相に流
れている電流Iu1,Iv1を検出し(ステップS23
6)、第1実施例のクラッチモータ30の制御(図6)
と同様の座標変換(ステップS238)および電圧指令
値Vd1,Vq1の演算を行ない(ステップS24
0)、更に電圧指令値の逆座標変換(ステップS24
2)を行なって、第1の駆動回路191のトランジスタ
Tr1ないしTr6のオンオフ制御時間を求め、PWM
制御を行なう(ステップS244)。これらの処理は、
クラッチモータ30について行なったものと全く同一で
ある。
【0105】以上説明した第2実施例の動力出力装置1
10によれば、モータMG2が制御できない状態となり
発電機として動作しても、モータMG2により回生され
る電力Pm2をモータMG1によって消費することがで
きる。この結果、モータMG2の逆起電圧がコンデンサ
193の耐電圧より高くなる回転数で回転していても、
モータMG2を電源としてみたときのモータMG2や第
2の駆動回路192におけるインピーダンスを流れる電
流が大きくなるから、このインピーダンスによる電圧降
下によってコンデンサ193の端子電圧を耐電圧未満に
することができ、コンデンサ193の破損を防止するこ
とができる。しかも、モータMG2の逆起電圧がコンデ
ンサ193の耐電圧より高くなる回転数で駆動軸112
が回転しているときには、モータMG2から回生される
電力Pm2をモータMG1により消費すると共にプラネ
タリギヤ120を介して駆動軸112に出力されるトル
クがモータMG2の制動トルクを打ち消してなお駆動軸
112にトルクTd(値Td*)が作用するようモータ
MG1のトルクTm1およびエンジン150の運転ポイ
ント(回転数NeとトルクTe)を調整し、駆動軸11
2がそれ以下の回転数で回転しているときには、モータ
MG1をロックアップすると共にプラネタリギヤ120
を介して駆動軸112に出力されるトルクが値Td*と
なるようエンジン150の運転ポイントを調整するか
ら、モータMG2が制御できない状態のときでも、駆動
軸112に所望の動力を出力することができる。そし
て、この制御は、モータMG2が制御できない状態とな
ったときに直ちに行なわれるから、駆動軸112に出力
するトルクの変動を小さくすることができる。
【0106】もとより、バッテリ194をシステムメイ
ンリレー194a,194bにより第1の駆動回路91
および第2の駆動回路92から切り離すから、モータM
G2により回生される電力Pm2によるバッテリ194
の過充電を防止することができ、過充電の結果生じるバ
ッテリ194の破損を防止することができる。
【0107】第2実施例の動力出力装置110では、第
2の駆動回路192のトランジスタTr11ないしTr
16の温度異常を検出したときやトランジスタTr11
ないしTr16に過電流が生じたときなど、スイッチン
グCPU192aによるトランジスタTr11ないしT
r16のスイッチングがまだ可能な状態のときに図15
の異常時トルク制御ルーチンを実行するものとしたが、
電源ラインの切断などによりスイッチングCPU192
aへの電力の供給が停止したときや、スイッチングCP
U192aの内部ロジックに異常が生じスイッチングC
PU192aが動作できない状態となったときなどにも
図15の異常時トルク制御ルーチンを適用することがで
きる。この場合、スイッチングCPU192aの動作の
停止によってトランジスタTr11ないしTr16はす
べてオフとなるから、ステップS202の処理は不要と
なる。こうすれば、スイッチングCPU192aが動作
不能となったときでも、上述の効果を得ることができ、
コンデンサ193やバッテリ194の破損を防止するこ
とができる。
【0108】第2実施例の動力出力装置110では、モ
ータMG2が制御できない状態のときでもアクセルペダ
ル164の踏込量に応じたトルクを駆動軸112に出力
するようモータMG1とエンジン150とを制御した
が、モータMG2により回生される電力Pm2をモータ
MG1により消費するようモータMG1を制御するもの
であれば、駆動軸112に出力するトルクは如何なるト
ルクとしてもよい。たとえば、図19の共線図に示すよ
うに、エンジン150への燃料噴射を停止するものとし
てもよい。この場合、次式(20)に示すように、駆動
軸112の回転数Ndから求められるモータMG2によ
り回生される電力Pm2とサンギヤ軸125の回転数N
sとから求められる値をモータMG1のトルク指令値T
m1*に設定してモータMG1を制御すればよい。な
お、図19の共線図中の座標軸C上に作用するトルクT
eは、エンジン150を連れ回すのに必要なトルクであ
り、座標軸Sおよび座標軸R上のトルクTesおよびト
ルクTerは、座標軸C上にトルクTeが作用すること
によって座標軸Sおよび座標軸R上に作用するトルクで
ある。
【0109】 Tm1*←−Pm2/Ns …(20)
【0110】第2実施例の動力出力装置110では、駆
動軸112の回転数Ndが閾値Nsetより大きいとき
にモータMG2により回生される電力Pm2をモータM
G1で消費するようモータMG1とエンジン150とを
制御したが、駆動軸112の回転数Ndが閾値Nset
以下のときにも同様に制御するものとしてもよい。
【0111】第2実施例の動力出力装置110は、FR
型の車両に適用する場合について説明したが、FF型の
車両に搭載する構成や4輪駆動の車両に搭載する構成と
してもよい。4輪駆動の車両に搭載する場合は、図20
に例示する変形例の動力出力装置110Cのようにな
る。この変形例の動力出力装置110Cでは、駆動軸1
12に結合していたモータMG2を駆動軸112より分
離して、車両の後輪部に独立して配置し、このモータM
G2によって後輪部の駆動輪117,119を駆動す
る。一方、リングギヤ122に出力される動力はリング
ギヤ122に取り付けられた動力取出ギヤ128および
動力伝達ギヤ111を介してディファレンシャルギヤ1
14に伝達されて前輪部の駆動輪116,118を駆動
する。このような構成の下においても、前述した第2実
施例を実現することは可能である。
【0112】また、第2実施例の動力出力装置110で
は、3軸式動力入出力手段としてプラネタリギヤ120
を用いたが、一方はサンギヤと他方はリングギヤとギヤ
結合すると共に互いにギヤ結合しサンギヤの外周を自転
しながら公転する2つ1組の複数組みのプラネタリピニ
オンギヤを備えるダブルピニオンプラネタリギヤを用い
るものとしてもよい。この他、3軸式動力入出力手段と
して3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力を決定
すれば、この決定した動力に基づいて残余の1軸に入出
力される動力を決定されるものであれば如何なる装置や
ギヤユニット等、例えば、ディファレンシャルギヤ等を
用いることもできる。
【0113】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0114】例えば、上述した第1実施例の動力出力装
置20や第2実施例の動力出力装置110では、エンジ
ン50,150としてガソリンエンジンを用いたが、そ
の他に、ディーゼルエンジンや、タービンエンジンや、
ジェットエンジンなど各種の内燃あるいは外燃機関を用
いることもできる。
【0115】また、第1実施例の動力出力装置20や第
2実施例の動力出力装置110では、クラッチモータ3
0やアシストモータ40,モータMG1,モータMG2
にPM形(永久磁石形;Permanent Magnet type)同期
電動機を用いたが、回転子を回転させるだけで逆起電圧
を発生するものであれば如何なる電動機を用いてもよ
く、例えば、バーニアモータや、直流電動機や、超電導
モータや、ステップモータなどを用いることもできる。
【0116】あるいは、第1実施例の動力出力装置20
や第2実施例の動力出力装置110では、第1および第
2の駆動回路91,92,191,192としてトラン
ジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT(絶
縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulated Ga
te Bipolar mode Transistor)インバータや電圧PWM
(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)インバー
タ,方形波インバータ(電圧形インバータ,電流形イン
バータ),共振インバータなどを用いることもできる。
【0117】また、バッテリ94,194としては、P
bバッテリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用
いることができるが、バッテリ94,194に代えてキ
ャパシタを用いることもできる。
【0118】さらに、第1実施例の動力出力装置20や
第2実施例の動力出力装置110では、アシストモータ
40やモータMG2により回生された電力Pa、Pm2
をクラッチモータ30やモータMG1により消費した
が、第2の駆動回路92や第2の駆動回路192を、動
力出力装置が備える補機の電動機や車両が備えるエアー
コンディショナーのコンプレッサ,エネルギ消費用の抵
抗などの電気的負荷に接続し、アシストモータ40やモ
ータMG2により回生された電力Pa、Pm2をこの電
気的負荷により消費するものとしてもよい。
【0119】以上の各実施例では、動力出力装置を車両
に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段
や、その他各種産業機械などに搭載することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての動力出力装置2
0の概略構成を示す構成図である。
【図2】第1実施例の動力出力装置20を組み込んだ車
両の概略構成を示す構成図である。
【図3】第1実施例の動力出力装置20の動作原理を説
明するためのグラフである。
【図4】第1実施例の制御装置80により実行される異
常時トルク制御ルーチンを例示するフローチャートであ
る。
【図5】モータMG2を起電力Eaの電源としてみたと
きの動力出力装置20の等価回路である。
【図6】第1実施例の制御装置80により実行されるク
ラッチモータ制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
【図7】駆動軸22の回転数Ndが閾値Nsetより大
きいときの各軸へのトルクの作用状態の一例を示す説明
図である。
【図8】変形例の動力出力装置20Bの概略構成を示す
構成図である。
【図9】4輪駆動車に適用した変形例の動力出力装置2
0Cの概略構成を示す構成図である。
【図10】本発明の第2の実施例としての動力出力装置
110の概略構成を示す構成図である。
【図11】第2実施例の動力出力装置110を組み込ん
だ車両の概略構成を示す構成図である。
【図12】第2実施例の動力出力装置110の動作原理
を説明するためのグラフである。
【図13】第2実施例におけるプラネタリギヤ120に
結合された3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図で
ある。
【図14】第2実施例におけるプラネタリギヤ120に
結合された3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図で
ある。
【図15】第2実施例の制御装置180により実行され
る異常時トルク制御ルーチンを例示するフローチャート
である。
【図16】駆動軸112の回転数Ndが閾値Nsetよ
り大きい状態で異常時トルク制御処理を実施したときの
共線図である。
【図17】駆動軸112の回転数Ndが閾値Nset以
下の状態で異常時トルク制御処理を実施したときの共線
図である。
【図18】第2実施例の制御装置180により実行され
るモータMG1の制御ルーチンを例示するフローチャー
トである。
【図19】エンジン150への燃料噴射を停止する変形
例の共線図である。
【図20】4輪駆動車に適用した変形例の動力出力装置
110Cの概略構成を示す構成図である。
【符号の説明】
20…動力出力装置 20B,20C…動力出力装置 22…駆動軸 23…ギヤ 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 27,29…駆動輪 30…クラッチモータ 32…アウタロータ 34…インナロータ 35…永久磁石 36…三相コイル 38…スリップリング 38a…回転リング 38b…ブラシ 39…レゾルバ 40…アシストモータ 42…ロータ 43…ステータ 44…三相コイル 45…ケース 46…永久磁石 48…レゾルバ 49…ベアリング 50…エンジン 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 56…クランクシャフト 58…イグナイタ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64…アクセルペダル 64a…アクセルペダルポジションセンサ 65…ブレーキペダル 65a…ブレーキペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91…第1の駆動回路 91a…スイッチングCPU 92…第2の駆動回路 92a…スイッチングCPU 93…コンデンサ 94…バッテリ 94a,94b…システムメインリレー 95,96…電流検出器 97,98…電流検出器 99…残容量検出器 110…動力出力装置 110C…動力出力装置 111…動力伝達ギヤ 112…駆動軸 113…ケース 113a…ベアリング 114…ディファレンシャルギヤ 116,118…駆動輪 117,119…駆動輪 120…プラネタリギヤ 121…サンギヤ 122…リングギヤ 123…プラネタリピニオンギヤ 124…プラネタリキャリア 125…サンギヤ軸 128…動力取出ギヤ 132…ロータ 133…ステータ 134…三相コイル 135…永久磁石 139…レゾルバ 142…ロータ 143…ステータ 144…三相コイル 145…永久磁石 149…レゾルバ 150…エンジン 156…クランクシャフト 164…アクセルペダル 170…EFIECU 180…制御装置 190…制御CPU 191…第1の駆動回路 191a…スイッチングCPU 192…第2の駆動回路 192a…スイッチングCPU 193…コンデンサ 194…バッテリ 194a,194b…システムメインリレー 195,196…電流検出器 197,198…電流検出器 D1〜D6…ダイオード D11〜D16…ダイオード L1,L2…電源ライン MG1…モータ MG2…モータ Tr1〜Tr6…トランジスタ Tr11〜Tr16…トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 11/14 B60K 6/04 F02D 29/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 前記駆動軸と動力のやり取りをする電動機と、 蓄電手段を有し、該電動機へ電力の供給が可能な電力供
    給手段と、 複数のスイッチング素子と帰還ダイオードとからなり前
    記電動機と前記電力供給手段との間に介在するインバー
    タ回路を有し、該インバータ回路のスイッチング素子の
    スイッチングを制御することにより前記電動機を駆動制
    御する電動機制御手段と、 電気エネルギを消費可能な電気的負荷と、 該電動機制御手段による前記電動機の制御に異常が生じ
    前記インバータ回路が該電動機からみて整流回路を構成
    するとき、前記インバータ回路と前記蓄電手段との接続
    を遮断するとともに、該インバータ回路を介して前記電
    動機により回生される電気エネルギの少なくとも一部が
    前記電気的負荷で消費されるよう該電気的負荷を制御す
    る異常時制御手段とを備える動力出力装置。
  2. 【請求項2】 前記電動機制御手段は、該電動機制御手
    段による前記電動機の制御に異常が生じたとき、前記イ
    ンバータ回路が前記電動機からみて整流回路を構成する
    よう前記複数のスイッチング素子をスイッチングする異
    常時スイッチング手段を備える請求項1記載の動力出力
    装置。
  3. 【請求項3】 前記異常時スイッチング手段は、前記駆
    動軸の回転数が所定値以上のとき、前記インバータ回路
    が前記電動機からみて整流回路を構成するようスイッチ
    ングする手段である請求項2記載の動力出力装置。
  4. 【請求項4】 前記インバータ回路は、前記複数のスイ
    ッチング素子のスイッチングに必要な電力の供給が停止
    したとき、前記帰還ダイオードにより前記電動機からみ
    て整流回路を構成する回路である請求項1記載の動力出
    力装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載の動力出力装置で
    あって、 前記電力供給手段は、(a)出力軸を有する原動機と、
    (b)該原動機の出力軸と前記駆動軸とに結合され、該
    出力軸に入出力される動力と該駆動軸に入出力される動
    力とのエネルギ偏差を対応する電気エネルギの入出力に
    より調整するエネルギ調整手段と、(c)充放電が可能
    で、前記エネルギ調整手段と前記インバータ回路とを並
    列に接続する蓄電手段とを備え、前記電気的負荷は、前
    記エネルギ調整手段であり、 前記異常時制御手段は、前記インバータ回路を介して前
    記電動機から回生される電気エネルギの少なくとも一部
    が前記エネルギ調整手段により消費されるよう該エネル
    ギ調整手段を制御する手段である動力出力装置。
  6. 【請求項6】 前記異常時制御手段は、前記駆動軸に出
    力される動力の変動の少なくとも一部を打ち消すよう前
    記原動機および前記エネルギ調整手段を制御する手段で
    ある請求項5記載の動力出力装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の動力出力装置であって、 所定の指示に基づいて駆動軸に出力すべき目標動力を設
    定する目標動力設定手段を備え、 異常時制御手段は、(d)前記インバータ回路を介して
    前記電動機から回生される電気エネルギが前記原動機か
    ら出力される動力と前記目標動力設定手段により設定さ
    れた目標動力とのエネルギ偏差に相当するよう前記原動
    機の運転を制御する原動機運転手段と、(e)前記原動
    機から出力される動力と前記目標動力設定手段により設
    定された目標動力とのエネルギ偏差を、前記インバータ
    回路を介して前記電動機から回生される電気エネルギを
    用いて調整するよう前記エネルギ調整手段を制御するエ
    ネルギ調整制御手段とを備える動力出力装置。
  8. 【請求項8】 前記エネルギ調整手段は、前記原動機の
    出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に結合
    された第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な
    結合を介して前記原動機の出力軸と該駆動軸との間で動
    力のやり取りをする電動機を備える請求項5ないし7い
    ずれか記載の動力出力装置。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし7いずれか記載の動力出
    力装置であって、 前記エネルギ調整手段は、(b1)回転軸を有し、該回
    転軸と動力のやり取りをする第2の電動機と、(b2)
    前記駆動軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結合され
    る3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出
    力されたとき、該入出力された動力に基づいて定まる動
    力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手段とを
    備える動力出力装置。
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