JP2001164960A - 動力出力装置および動力出力方法 - Google Patents
動力出力装置および動力出力方法Info
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Abstract
からの騒音の発生を抑え、また無駄なエネルギ消費を抑
える。 【解決手段】 エンジンの出力軸、第1モータの回転
軸、駆動軸(第2モータの回転軸)の三軸をプラネタリ
ギヤを介して結合する。エンジン回転数は第1モータの
制御により調整する。駆動軸に結合された第2モータに
より必要に応じて動力を付加する。駆動軸に出力すべき
動力を制御するに際し、要求動力に相当する出力エネル
ギPrが増加する過渡時においては(S116)、サン
ギヤ軸の目標回転数Ns*を1次遅れ制御により徐々に
所望の値に移行するように目標回転数Ns*の応答の速
さを抑制する(S122)。この結果、出力エネルギP
rの増大に緩やかに追従して、サンギヤ軸の回転数Ns
の制御によって決まるエンジン回転数が変動することに
なる。このときの動力の不足分は第2モータにより補わ
れる。
Description
を備えて駆動軸に動力を出力する動力出力装置と動力出
力方法に関する。
原動機の燃費や排ガス浄化性能の飛躍的な向上を目的と
して、いわゆるハイブリッド車両の構成が提案されてい
る。ハイブリッド車両は大きく分けると、原動機により
発電機を駆動して発電を行ない、発電した電力で電動機
を駆動して車両の推進力を得るシリーズハイブリッド方
式のものと、駆動軸に原動機と電動機とをそれぞれ結合
し、原動機と電動機とにより車両の推進力を得るパラレ
ルハイブリッド方式のものとが知られている。
動力を、駆動軸に任意の回転速度およびトルクで出力す
ることができることから、原動機は運転効率の高い動作
点を選択して運転することが可能となる。こうした動力
出力装置の一例として、特開平10−98805号公報
に記載のものが提案されている。この動力出力装置は、
アクセル開度で定まる運転者の要求動力を取り込んで、
この要求動力に基づいて原動機の目標動力を運転効率の
高い動作点上に決め、該目標動力で原動機の運転を制御
するとともに、電動機を制御することにより、原動機か
ら出力される動力で不足する分を電動機から出力される
動力によって補うように構成されている。
運転者がアクセルペダルを操作して出力の変動を要求し
たとき、まず、その要求動力に基づいて原動機の目標動
力が決められることから、上記要求動力の増大に素早く
追従して原動機の運転状態(具体例としては回転速度)
が切り替えられる。運転者によるアクセルペダルの操作
は、微妙に変動するものであることから、原動機の運転
状態は頻繁に切り替えられることになる。このために、
原動機から煩雑に変化する騒音が発生する問題や、運転
状態を頻繁に切り替えるための無駄なエネルギ消費を必
要とするといった改善の余地が見い出された。
出力方法は、要求動力が変動する過渡時において、原動
機からの騒音の発生を抑え、また無駄なエネルギ消費を
抑えることを目的とする。
記課題を解決するために、本発明の動力出力装置は、原
動機と電動機とを備えて駆動軸に動力を出力する動力出
力装置であって、前記駆動軸に出力すべき要求動力を設
定する要求動力設定手段と、該設定された要求動力に基
づいて前記原動機の運転状態を設定する運転状態設定手
段と、該設定された運転状態で前記原動機が運転される
ように前記原動機を制御する原動機制御手段と、該原動
機制御手段による前記原動機の制御に伴って前記駆動軸
から出力される動力に基づいて前記要求動力が前記駆動
軸に出力されるように前記電動機を制御する電動機制御
手段とを備え、前記原動機制御手段は、前記要求動力が
増大する過渡時における前記原動機の制御の応答の速さ
を抑制する遅れ制御を行なう遅れ制御手段を備えること
を要旨とする。
力すべき要求動力に基づいて原動機の運転状態が設定さ
れ、その設定された運転状態で原動機が運転されるよう
に、原動機制御手段により原動機が制御されるととも
に、その原動機の制御に伴って駆動軸から出力される動
力に基づいて要求動力が駆動軸に出力されるように、電
動機制御手段により電動機が制御される。さらに、原動
機制御手段に設けられた遅れ制御手段により、要求動力
が増大する過渡時における原動機の制御の応答の速さが
抑制される。このために、要求動力が増大する過渡時に
おいては、その要求動力の増大に緩やかに追従して原動
機の制御がなされる。このとき、その緩やかに変動する
原動機の制御に伴って駆動軸から出力される動力に基づ
いて電動機の制御がなされることから、原動機の運転状
態を緩やかに変動させたことによって要求動力からみて
不足する動力分が、電動機から出力される動力で補われ
ることになる。
ば、要求動力が増大する過渡時において、駆動軸への出
力動力に不足が生じることもなしに、原動機の運転状態
の急激な変動を抑えることができる。この結果、原動機
の運転状態の変動によって原動機から発生する騒音を抑
えることができる。また、原動機の運転状態の無駄な切
り替えがなくなることから無駄なエネルギ消費を抑える
こともできる。
転状態設定手段により設定する前記原動機の運転状態
は、前記原動機の回転速度とすることができる。この構
成によれば、原動機の回転速度を制御することで、原動
機から出力される動力が制御される。
動機へ電力を供給する蓄電手段の蓄電状態を検出する蓄
電状態検出手段を備え、前記遅れ制御手段は、前記蓄電
状態検出手段により検出された前記蓄電状態に基づいて
前記遅れ制御による遅れの時定数を設定する時定数設定
手段を備える構成とすることができる。この構成によれ
ば、遅れ制御による遅れの時定数が、電動機へ電力を供
給する蓄電手段の蓄電状態に応じた大きさに設定され
る。遅れの時定数を大きくすることは、電動機による動
力の負担増を招くことになり、蓄電手段が充分に蓄電さ
れている必要がある。このため、蓄電状態に応じた大き
さに遅れの時定数を設定することで、時定数を大きくし
過ぎたことで、電動機による動力の負担が増大して蓄電
手段の蓄電状態が悪化するといった不具合を防止するこ
とができる。
定する構成の動力出力装置において、前記時定数設定手
段は、前記蓄電手段の蓄電量が大きい程に前記時定数が
大きくなるように設定を行なう手段とすることができ
る。この構成によれば、蓄電手段の蓄電量が低下してい
るとき遅れ制御による遅れの時定数を大きくして電動機
による動力の負担を増大させるようなことがなくなる。
転状態設定手段は、前記原動機の効率が高くなるように
該原動機の運転状態を設定する手段とすることができ
る。この構成によれば、原動機の燃費効率を高めること
ができる。
動機は前記駆動軸に接続される構成であるとともに、回
転軸を有し、該回転軸と動力のやり取りを行なう副電動
機と、前記駆動軸と前記原動機の出力軸と前記回転軸と
に各々結合される3軸を有し、該3軸のうちいずれか2
軸へ動力が入出力されたとき、該入出力された動力に基
づいて定まる動力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力
入出力手段とを備え、前記原動機制御手段は、前記電動
機および副電動機に対する電力のやりとりを通じて前記
原動機の運転状態を制御する手段を備える構成とするこ
とができる。この構成によれば、両電動機に対する電力
のやり取りを行なうことで、原動機を所望の運転状態に
保ちながらも要求動力を駆動軸に安定して出力すること
ができる。
とを用いて駆動軸に動力を出力する動力出力方法であっ
て、前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定し、該設定
された要求動力に基づいて前記原動機の運転状態を設定
し、該設定された運転状態で前記原動機が運転されるよ
うに前記原動機を制御するとともに、該原動機の制御に
伴って前記駆動軸から出力される動力に基づいて前記要
求動力が前記駆動軸に出力されるように前記電動機を制
御し、さらに、前記原動機の制御において、前記要求動
力が増大する過渡時における前記原動機の制御の応答の
速さを抑制する遅れ制御を行なうことを要旨とする。
動力出力装置と同様に、要求動力が増大する過渡時にお
いて、駆動軸への出力動力に不足が生じることもなし
に、原動機の運転状態の急激な変動を抑えることがで
き、この結果、原動機の運転状態の変動によって発生す
る原動機からの騒音を抑えることができる。また、原動
機の運転状態の無駄な切り替えがなくなることから無駄
なエネルギ消費を抑えることができる。
例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例として
の動力出力装置110の概略構成を示す構成図、図2は
実施例の動力出力装置110の部分拡大図、図3は実施
例の動力出力装置110を組み込んだ車両の概略構成を
示す構成図である。説明の都合上、まず図3を用いて、
車両全体の構成から説明する。
を燃料として動力を出力するエンジン150を備える。
このエンジン150は、吸気系からスロットルバルブ1
66を介して吸入した空気と燃料噴射弁151から噴射
されたガソリンとの混合気を燃焼室152に吸入し、こ
の混合気の爆発により押し下げられるピストン154の
運動をクランクシャフト156の回転運動に変換する。
ここで、スロットルバルブ166はアクチュエータ16
8により開閉駆動される。点火プラグ162は、イグナ
イタ158からディストリビュータ160を介して導か
れた高電圧によって電気火花を形成し、混合気はその電
気火花によって点火されて爆発燃焼する。
ニット(以下、EFIECUと呼ぶ)170により制御
されている。EFIECU170には、エンジン150
の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例え
ば、スロットルバルブ166の開度(ポジション)を検
出するスロットルバルブポジションセンサ167、エン
ジン150の負荷を検出する吸気管負圧センサ172、
エンジン150の水温を検出する水温センサ174、デ
ィストリビュータ160に設けられクランクシャフト1
56の回転数と回転角度を検出する回転数センサ176
及び回転角度センサ178などである。なお、EFIE
CU170には、この他、例えばイグニッションキーの
状態STを検出するスタータスイッチ179なども接続
されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は
省略した。上記回転数センサ176で検出する回転数
は、所定時間当たりの回転数であり、回転速度に相当す
る。以下、回転数と呼ぶ物理量は回転速度を示すものと
する。
は、後述するプラネタリギヤ120やモータMG1,モ
ータMG2を介して駆動軸112を回転軸とする動力伝
達ギヤ111に機械的に結合されており、この動力伝達
ギヤ111はディファレンシャルギヤ114にギヤ結合
されている。したがって、動力出力装置110から出力
された動力は、最終的に左右の駆動輪116,118に
伝達される。モータMG1およびモータMG2は、制御
装置180に電気的に接続されており、この制御装置1
80によって駆動制御される。制御装置180の構成は
後で詳述するが、内部には制御CPUが備えられてお
り、シフトレバー182に設けられたシフトポジション
センサ184やアクセルペダル164に設けられたアク
セルペダルポジションセンサ164a,ブレーキペダル
165に設けられたブレーキペダルポジションセンサ1
65aなども接続されている。また、制御装置180
は、上述したEFIECU170と通信により、種々の
情報をやり取りしている。これらの情報のやり取りを含
む制御については、後述する。
110は、大きくは、エンジン150、エンジン150
のクランクシャフト156にプラネタリキャリア124
が機械的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタ
リギヤ120のサンギヤ121に結合されたモータMG
1、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合さ
れたモータMG2およびモータMG1,MG2を駆動制
御する制御装置180から構成されている。
1,MG2の構成について、図2により説明する。プラ
ネタリギヤ120は、クランクシャフト156に軸中心
を貫通された中空のサンギヤ軸125に結合されたサン
ギヤ121と、クランクシャフト156と同軸のリング
ギヤ軸126に結合されたリングギヤ122と、サンギ
ヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ
121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリ
ピニオンギヤ123と、クランクシャフト156の端部
に結合され各プラネタリピニオンギヤ123の回転軸を
軸支するプラネタリキャリア124とから構成されてい
る。このプラネタリギヤ120では、サンギヤ121,
リングギヤ122およびプラネタリキャリア124にそ
れぞれ結合されたサンギヤ軸125,リングギヤ軸12
6およびクランクシャフト156の3軸が動力の入出力
軸とされ、3軸のうちいずれか2軸へ入出力される動力
が決定されると、残余の1軸に入出力される動力は決定
された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。な
お、このプラネタリギヤ120の3軸への動力の入出力
についての詳細は後述する。
の動力取出ギヤ128が結合されている。この動力取出
ギヤ128は、チェーンベルト129により動力伝達ギ
ヤ111に接続されており、動力取出ギヤ128と動力
伝達ギヤ111との間で動力の伝達がなされる。
成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロー
タ132と、回転磁界を形成する三相コイル134が巻
回されたステータ133とを備える。ロータ132は、
プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたサ
ンギヤ軸125に結合されている。ステータ133は、
無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケ
ース119に固定されている。このモータMG1は、永
久磁石135による磁界と三相コイル134によって形
成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆
動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界
とロータ132の回転との相互作用により三相コイル1
34の両端に起電力を生じさせる発電機として動作す
る。なお、サンギヤ軸125には、その回転角度θsを
検出するレゾルバ139が設けられている。
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する
三相コイル144が巻回されたステータ143とを備え
る。ロータ142は、プラネタリギヤ120のリングギ
ヤ122に結合されたリングギヤ軸126に結合されて
おり、ステータ143はケース119に固定されてい
る。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板
の薄板を積層して形成されている。このモータMG2も
モータMG1と同様に、電動機あるいは発電機として動
作する。なお、リングギヤ軸126には、その回転角度
θrを検出するレゾルバ149が設けられている。
る制御装置180について説明する。図1に示すよう
に、制御装置180は、モータMG1を駆動する第1の
駆動回路191、モータMG2を駆動する第2の駆動回
路192、両駆動回路191,192を制御する制御C
PU190、二次電池であるバッテリ194から構成さ
れている。制御CPU190は、1チップマイクロプロ
セッサであり、内部に、ワーク用のRAM190a、処
理プログラムを記憶したROM190b、入出力ポート
(図示せず)およびEFIECU170と通信を行なう
シリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御C
PU190には、レゾルバ139からのサンギヤ軸12
5の回転角度θs、レゾルバ149からのリングギヤ軸
126の回転角度θr、アクセルペダルポジションセン
サ164aからのアクセルペダルポジション(アクセル
ペダルの踏込量)AP、ブレーキペダルポジションセン
サ165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキ
ペダルの踏込量)BP、シフトポジションセンサ184
からのシフトポジションSP、第1の駆動回路191に
設けられた2つの電流検出器195,196からの電流
値Iu1,Iv2、第2の駆動回路192に設けられた
2つの電流検出器197,198からの電流値Iu2,
Iv2、バッテリ194の残容量(充電容量)を検出す
る充電容量検出器199からの充電容量SOC、バッテ
リ温度検出器200からのバッテリ温度Btなどが、入
力ポートを介して入力されている。
194の電解液の比重またはバッテリ194の全体の重
量を測定して充電容量を検出するものや、充電・放電の
電流値と時間を演算して充電容量を検出するものや、バ
ッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内
部抵抗を測ることにより充電容量を検出するものなどが
知られている。バッテリ温度検出器200は、バッテリ
194の外壁に固着されてバッテリ194の温度を検出
するものである。
動回路191に設けられたスイッチング素子である6個
のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号
SW1と、第2の駆動回路192に設けられたスイッチ
ング素子としての6個のトランジスタTr11ないしT
r16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。
第1の駆動回路191内の6個のトランジスタTr1な
いしTr6は、トランジスタインバータを構成してお
り、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソ
ース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、
その接続点に、モータMG1の三相コイル(UVW)3
4の各々が接続されている。電源ラインL1,L2は、
バッテリ194のプラス側とマイナス側に、それぞれ接
続されているから、制御CPU190により対をなすト
ランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を制御
信号SW1により順次制御し、三相コイル134の各コ
イルに流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦
波にすると、三相コイル134により、回転磁界が形成
される。
ンジスタTr11ないしTr16も、トランジスタイン
バータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路19
1と同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接
続点は、モータMG2の三相コイル144の各々に接続
されている。したがって、制御CPU190により対を
なすトランジスタTr11ないしTr16のオン時間を
制御信号SW2により順次制御し、各コイル144に流
れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にする
と、三相コイル144により、回転磁界が形成される。
110の動作について説明する。実施例の動力出力装置
110の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通り
である。エンジン150を回転数Ne,トルクTeの運
転ポイントP1で運転し、このエンジン150から出力
されるエネルギPeと同一のエネルギであるが異なる回
転数Nr,トルクTrの運転ポイントP2でリングギヤ
軸126を運転する場合、すなわち、エンジン150か
ら出力される動力をトルク変換してリングギヤ軸126
に作用させる場合について考える。この時のエンジン1
50とリングギヤ軸126の回転数およびトルクの関係
を図4に示す。
125,リングギヤ軸126およびプラネタリキャリア
124(クランクシャフト156))における回転数や
トルクの関係は、機構学の教えるところによれば、図5
および図6に例示する共線図と呼ばれる図として表わす
ことができ、幾何学的に解くことができる。なお、プラ
ネタリギヤ120における3軸の回転数やトルクの関係
は、上述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを計算
することなどにより数式的に解析することもできる。本
実施例では説明の容易のため共線図を用いて説明する。
り、横軸は3軸の座標軸の位置の比を表わす。すなわ
ち、サンギヤ軸125とリングギヤ軸126の座標軸
S,Rを両端にとったとき、プラネタリキャリア124
の座標軸Cは、軸Sと軸Rを1:ρに内分する軸として
定められる。ここで、ρは、リングギヤ122の歯数に
対するサンギヤ121の歯数の比であり、次式(1)で
表わされる。
されており、リングギヤ軸126が回転数Nrで運転さ
れている場合を考えているから、エンジン150のクラ
ンクシャフト156が結合されているプラネタリキャリ
ア124の座標軸Cにエンジン150の回転数Neを、
リングギヤ軸126の座標軸Rに回転数Nrをプロット
することができる。この両点を通る直線を描けば、この
直線と座標軸Sとの交点で表わされる回転数としてサン
ギヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以
下、この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、
回転数Neと回転数Nrとを用いて比例計算式(次式
(2))により求めることができる。このようにプラネ
タリギヤ120では、サンギヤ121,リングギヤ12
2およびプラネタリキャリア124のうちいずれか2つ
の回転を決定すると、残余の1つの回転は、決定した2
つの回転に基づいて決定される。
0のトルクTeをプラネタリキャリア124の座標軸C
を作用線として図中下から上に作用させる。このとき動
作共線は、トルクに対してはベクトルとしての力を作用
させたときの剛体として取り扱うことができるから、座
標軸C上に作用させたトルクTeは、平行な2つの異な
る作用線への力の分離の手法により、座標軸S上のトル
クTesと座標軸R上のトルクTerとに分離すること
ができる。このときトルクTesおよびTerの大きさ
は、次式(3)および(4)によって表わされる。
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、リン
グギヤ軸126に出力するトルクTrと同じ大きさで向
きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさ
が同じで向きが反対のトルクTm2を作用させるのであ
る。このトルクTm1はモータMG1により、トルクT
m2はモータMG2により作用させることができる。こ
のとき、モータMG1では回転の方向と逆向きにトルク
を作用させるから、モータMG1は発電機として動作す
ることになり、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わ
される電気エネルギPm1をサンギヤ軸125から回生
する。モータMG2では、回転の方向とトルクの方向と
が同じであるから、モータMG2は電動機として動作
し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気
エネルギPm2を動力としてリングギヤ軸126に出力
する。
ギPm2とを等しくすれば、モータMG2で消費する電
力のすべてをモータMG1により回生して賄うことがで
きる。このためには、入力されたエネルギのすべてを出
力するものとすればよいから、エンジン150から出力
されるエネルギPeとリングギヤ軸126に出力される
エネルギPrとを等しくすればよい。すなわち、トルク
Teと回転数Neとの積で表わされるエネルギPeと、
トルクTrと回転数Nrとの積で表わされるエネルギP
rとを等しくするのである。図4に照らせば、運転ポイ
ントP1で運転されているエンジン150から出力され
るトルクTeと回転数Neとで表わされる動力を、トル
ク変換して、同一のエネルギでトルクTrと回転数Nr
とで表わされる動力としてリングギヤ軸126に出力す
るのである。前述したように、リングギヤ軸126に出
力された動力は、動力取出ギヤ128および動力伝達ギ
ヤ111により駆動軸112に伝達され、ディファレン
シャルギヤ114を介して駆動輪116,118に伝達
される。したがって、リングギヤ軸126に出力される
動力と駆動輪116,118に伝達される動力とにはリ
ニアな関係が成立するから、駆動輪116,118に伝
達される動力は、リングギヤ軸126に出力される動力
を制御することにより制御することができる。
回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数N
eとリングギヤ軸126の回転数Nrとによっては、図
6に示す共線図のように負となる場合もある。このとき
には、モータMG1では、回転の方向とトルクの作用す
る方向とが同じになるから、モータMG1は電動機とし
て動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされ
る電気エネルギPm1を消費する。一方、モータMG2
では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になる
から、モータMG2は発電機として動作し、トルクTm
2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギPm2
をリングギヤ軸126から回生することになる。この場
合、モータMG1で消費する電気エネルギPm1とモー
タMG2で回生する電気エネルギPm2とを等しくすれ
ば、モータMG1で消費する電気エネルギPm1をモー
タMG2で丁度賄うことができる。
る基本的なトルク変換について説明したが、実施例の動
力出力装置110は、こうしたエンジン150から出力
される動力のすべてをトルク変換してリングギヤ軸12
6に出力する動作の他に、エンジン150から出力され
る動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、モータM
G1により回生または消費される電気エネルギPm1
と、モータMG2により消費または回生される電気エネ
ルギPm2とを調節することにより、余剰の電気エネル
ギを見い出してバッテリ194を放電する動作とした
り、不足する電気エネルギをバッテリ194に蓄えられ
た電力により補う動作など種々の動作とすることもでき
る。
ヤ120やモータMG1,モータMG2,トランジスタ
Tr1ないしTr16などによる動力の変換効率を値1
(100%)として説明した。実際には、値1未満であ
るから、エンジン150から出力されるエネルギPeを
リングギヤ軸126に出力するエネルギPrより若干大
きな値とするか、逆にリングギヤ軸126に出力するエ
ネルギPrをエンジン150から出力されるエネルギP
eより若干小さな値とする必要がある。例えば、エンジ
ン150から出力されるエネルギPeを、リングギヤ軸
126に出力されるエネルギPrに変換効率の逆数を乗
じて算出される値とすればよい。また、モータMG2の
トルクTm2を、図5の共線図の状態ではモータMG1
により回生される電力に両モータの効率を乗じたものか
ら算出される値とし、図6の共線図の状態ではモータM
G1により消費される電力を両モータの効率で割ったも
のから算出すればよい。なお、プラネタリギヤ120で
は機械摩擦などにより熱としてエネルギを損失するが、
その損失量は全体量からみれば極めて少なく、モータM
G1,MG2に用いた同期電動機の効率は値1に極めて
近い。また、トランジスタTr1ないしTr16のオン
抵抗もGTOなど極めて小さいものが知られている。し
たがって、動力の変換効率は値1に近いものとなるか
ら、以下の説明でも、説明の容易のため、明示しない限
り値1(100%)として取り扱う。
0におけるトルク制御の実際について図7および図8に
例示するトルク制御ルーチンに基づき説明する。本ルー
チンは、運転者が運転の開始の指示、例えばイグニッシ
ョンスイッチをオンとした後に、所定時間毎(例えば、
4msec毎)に繰り返し実行される。本ルーチンが実
行されると、制御装置180の制御CPU190は、ま
ず、サンギヤ軸125の回転数Nsとリングギヤ軸12
6の回転数Nrとを読み込む処理を実行する(ステップ
S100)。サンギヤ軸125の回転数Nsはレゾルバ
139により検出されるサンギヤ軸125の回転角度θ
sから求めることができ、リングギヤ軸126の回転数
Nrはレゾルバ149により検出される回転角度θrか
ら求めることができる。
出されるバッテリ194の充電容量SOCと、バッテリ
温度検出器200によって検出されるバッテリ温度Bt
とを検出する処理を行なう(ステップS102)。さら
に、アクセルペダルポジションセンサ164aによって
検出されるアクセルペダルポジションAPを入力する処
理を行なう(ステップS103)。アクセルペダル16
4は運転者が出力トルクが足りないと感じたときに踏み
込まれるものであるから、アクセルペダルポジションA
Pは運転者の欲している出力トルク(すなわち、駆動輪
116,118に出力すべきトルク)に対応するものと
なる。アクセルペダルポジションAPを読み込むと、読
み込んだアクセルペダルポジションAPとリングギヤ軸
126の回転数Nrとに基づいてリングギヤ軸126に
出力すべきトルクの目標値であるトルク指令値Tr*を
導出する処理を行なう(ステップS104)。ここで、
駆動輪116,118に出力すべきトルクを導出せず
に、リングギヤ軸126に出力すべきトルクを導出する
のは、リングギヤ軸126は動力取出ギヤ128,動力
伝達ギヤ111およびディファレンシャルギヤ114を
介して駆動輪116,118に機械的に結合されている
から、リングギヤ軸126に出力すべきトルクを導出す
れば、駆動輪116,118に出力すべきトルクを導出
する結果となるからである。なお、実施例では、リング
ギヤ軸126の回転数Nrとアクセルペダルポジション
APとトルク指令値Tr*との関係を示すマップを予め
ROM190bに記憶しておき、アクセルペダルポジシ
ョンAPが読み込まれると、読み込まれたアクセルペダ
ルポジションAPとリングギヤ軸126の回転数Nrと
ROM190bに記憶したマップとに基づいてトルク指
令値Tr*の値を導出するものとした。このマップの一
例を図9に示す。
グギヤ軸126の回転数Nrとから、リングギヤ軸12
6に出力すべきエネルギPrを計算(Pr=Tr*×N
r)により求め(ステップS106)、求めたエネルギ
Prに基づいてエンジン150の目標トルクTe*と目
標回転数Ne*とを設定する処理を行なう(ステップS
108)。ここで、エンジン150から出力するエネル
ギPeはそのトルクTeと回転数Neとの積に等しいか
ら、リングギヤ軸126に出力すべきエネルギPrとエ
ンジン150の目標トルクTe*および目標回転数Ne
*との関係はPr=Pe=Te*×Ne*となる。この
関係を満足するエンジン150の目標トルクTe*と目
標回転数Ne*との組み合せは無数に存在する。そこ
で、実施例では、実験などにより各エネルギPrに対し
てエンジン150ができる限り効率の高い状態で運転さ
れ、かつエネルギPrの変化に対してエンジン150の
運転状態が滑らかに変化する運転ポイントを目標トルク
Te*と目標回転数Ne*との組み合わせとして求め、
これを予めROM190bにマップとして記憶してお
き、エネルギPrに対応する目標トルクTe*と目標回
転数Ne*との組み合わせをこのマップから導出するも
のとした。このマップについて、更に説明する。
とエンジン150の効率との関係を示すグラフである。
図中曲線Bはエンジン150の運転可能な領域の境界を
示す。エンジン150の運転可能な領域には、その特性
に応じて効率が同一の運転ポイントを示す曲線α1ない
しα6のような等効率線を描くことができる。また、エ
ンジン150の運転可能な領域には、トルクTeと回転
数Neとの積で表わされるエネルギが一定の曲線、例え
ば曲線C1−C1ないしC3−C3を描くことができ
る。こうして描いたエネルギ一定の曲線C1−C1ない
しC3−C3に沿って各運転ポイントの効率をエンジン
150の回転数Neを横軸として表わすと図11のグラ
フのようになる。
でも、どの運転ポイントで運転するかによってエンジン
150の効率は大きく異なる。例えばエネルギ一定の曲
線C1−C1上では、エンジン150を運転ポイントA
1(トルクTe1,回転数Ne1)で運転することによ
り、その効率を最も高くすることができる。このような
効率が最も高い運転ポイントは、出力エネルギ一定の曲
線C2−C2およびC3−C3ではそれぞれ運転ポイン
トA2およびA3が相当するように、各エネルギ一定の
曲線上に存在する。図10中の曲線Aは、これらのこと
に基づき各エネルギPrに対してエンジン150の効率
ができる限り高くなる運転ポイントを連続する線で結ん
だものである。実施例では、この曲線A上の各運転ポイ
ント(トルクTe,回転数Ne)とエネルギPrとの関
係をマップとしたものを用いてエンジン150の目標ト
ルクTe*と目標回転数Ne*とを設定した。
は、エネルギPrの変化に対して不連続な曲線によりエ
ンジン150の運転ポイントを定めると、エネルギPr
が不連続な運転ポイントを跨いで変化するときにエンジ
ン150の運転状態が急変することになり、その変化の
程度によっては、目標の運転状態にスムースに移行でき
ずノッキングを生じたり停止してしまう場合があるから
である。したがって、このように曲線Aを連続する曲線
で結ぶと、曲線A上の各運転ポイントがエネルギ一定の
曲線上で最も効率が高い運転ポイントとならない場合も
ある。なお、図10中、トルクTeminと回転数Ne
minとにより表わされる運転ポイントAminは、エ
ンジン150から出力可能な最小エネルギの運転ポイン
トである。
回転数Ne*とを設定すると、制御CPU190は、上
述した式(2)にエンジン150の回転数Neに代えて
エンジン150の目標回転数Ne*を代入することによ
り、サンギヤ軸125の目標回転数Ns*を計算する
(ステップS110)。
102で取り込んだバッテリ194の充電容量SOCと
バッテリ温度Btとに基づいて、バッテリ194が出力
可能な最大出力容量Woutを導出する処理を行なう
(ステップS112)。具体的には、充電容量SOCと
バッテリ温度Btと最大出力容量Woutとの関係を示
す3次元マップを予めROM190bに記憶しておき、
ステップS102で取り込んだ充電容量SOCとバッテ
リ温度Btとを用いて、ROM190bに記憶した3次
元マップを参照することでバッテリ194が出力可能な
最大出力容量Woutを導出するものとした。この3次
元マップの一例を図12に示した。図12に示すよう
に、最大出力容量Woutは、充電容量SOCが大きい
程、また、バッテリ温度BTが高くも低くもない適温に
近づく程、大きな値をとるように定められている。
112で導出したバッテリ194が出力可能な最大出力
容量Wout02に基づいて、後述する1次遅れ制御に
用いる時定数T0を設定する処理を行なう(ステップS
114)。具体的には、最大出力容量Woutと時定数
T0の関係を示す2次元マップを予めROM190bに
記憶しておき、ステップS112で導出した最大出力容
量Woutを用いて、ROM190bに記憶した2次元
マップを参照することで時定数T0を導出するものとし
た。この2次元マップの一例を図13に示した。図13
に示すように、時定数T0は、最大出力容量Woutが
大きくなる程、大きな値をとるように定められている。
とステップS114の双方を用いて、バッテリ194の
充電容量SOCとバッテリ温度Btとから時定数T0を
求めているが、この構成に替えて、図12と図13の双
方を考慮した、充電容量SOCとバッテリ温度Btと時
定数t0との関係を示す3次元マップを用いて、充電容
量SOCとバッテリ温度Btとから時定数t0を直接求
める構成とすることもできる。
0が設定されると、その後、制御CPU190は、ステ
ップS106で求めたリングギヤ軸126に出力すべき
エネルギPrが増加中の状態にあるか否かを判別する。
ここで、否定判別、すなわち、エネルギPrが増加中の
状態にないと判別された場合には、ステップS114で
求めた時定数T0を値0に一旦クリアする(ステップS
118)とともに、時間カウンタ値tを値0にクリアす
る(ステップS120)。時間カウンタ値tは、エネル
ギPrが非増加中の状態から増加中の状態に切り替わっ
た時点からの経過時間を示すもので、上述したように、
エネルギPrが増加中の状態にないときに時間カウンタ
値tをクリアすることで、上記経過時間の計時開始点を
定めている。ステップS120の実行後、処理をステッ
プS122に進める。一方、ステップS116で肯定判
別、すなわち、エネルギPrが増加中の状態にあると判
別された場合には、ステップS114で求めた時定数T
0はそのままでステップS122に処理を進める。
は、ステップS110で求めたサンギヤ軸125の目標
回転数Ne*を時定数T0の1次遅れ制御によって変換
する処理を行なう。この処理は、詳細には、次式(5)
の右辺に、サンギヤ軸125の目標回転数Ne*、時間
カウンタ値tおよび時定数T0を代入することで、新た
な目標回転数Ne*を求めている。その後、制御CPU
190は、時間カウンタ値tを値1だけ更新する(ステ
ップS124)。
1次遅れ制御によって求められるサンギヤ軸125の目
標回転数Ne*が時間の経過とともにどのように変化す
るかを示すグラフである。図示するように、サンギヤ軸
125の目標回転数Ne*は、時間カウンタ値tで示さ
れる時間、すなわち、エネルギPrが増加中の状態に切
り替わってからの時間の経過に従って、最終値であるス
テップS110で計算された目標回転数Ne*の1倍の
大きさに近づく。原点における接線Ltと最終値との交
点Pまでの時間が時定数T0である。T0が小さければ
変化を示す曲線の立ち上がりは急になり応答は速く、T
0が大きければ立ち上がりは緩やかで応答は遅くなる。
なお、ステップS118で時定数T0が値0に設定され
た場合には、この1次遅れ制御によって求められる値
は、ステップS110で計算された目標回転数Ne*の
1倍の大きさ、すなわち、ステップS110で計算され
た値のままとなる。
実行後、図8のステップS126に処理を進めて、ステ
ップS122で計算したサンギヤ軸125の目標回転数
Ns*と導出したトルク指令値Tr*とを用いて次式
(6)によりモータMG1のトルク指令値Tm1*を計
算して設定する。ここで、式(6)中の右辺第1項は図
5および図6の共線図における動作共線の釣り合いから
求められ、右辺第2項は回転数Nsの目標回転数Ns*
からの偏差を打ち消す比例項であり、右辺第3項は定常
偏差をなくす積分項である。したがって、モータMG1
のトルク指令値Tm1*は、定常状態(回転数Nsの目
標回転数Ns*からの偏差が値0のとき)では、動作共
線の釣り合いから求められる右辺第1項のTr*×ρに
等しく設定されることになる。なお、式(6)中のK1
およびK2は、比例定数である。
基づいて次式(7)によりサンギヤ軸125の回転速度
の変化率である角加速度dωsを計算する(ステップS
128)。ここで、「前回Ns」は、前回このルーチン
が起動されたときにステップS100で入力されたサン
ギヤ軸125の回転数Nsであり、Δtは本ルーチンの
起動間隔時間Δtである。式(7)の右辺の分子の「2
π」は、サンギヤ軸125の角速度ωsと回転数Nsと
が、ωs=2π×Ns[rad/sec]の関係にある
ことに基づく。なお、イグニッションスイッチがオンと
されてから始めて本ルーチンが起動されたときには、本
ルーチンが実行される前に実行される図示しない初期化
ルーチンにより前回Nsには値0が入力されるから、こ
の値0が用いられる。
sを求めると、この角加速度dωsを用いて次式(8)
によりプラネタリギヤ120を介してリングギヤ軸12
6に出力されるトルクTerを計算する(ステップS1
30)。ここで、式(8)中の右辺分子第2項の「Im
e」は、プラネタリギヤ120を介して機械的に結合さ
れたモータMG1とエンジン150とからなる慣性系の
モータMG1からみたモータMG1とエンジン150の
慣性モーメントである。したがって、このモータMG1
からみた慣性モーメントImeにモータMG1のロータ
132の角加速度dωsを乗じたものは、サンギヤ軸1
25に作用するトルク(以下、慣性トルクという)とな
り、式(8)の右辺分子はサンギヤ軸125に作用する
トルクの合力となる。なお、慣性トルクは慣性の法則に
より運動の変化の方向に対して逆向きに作用するから、
エンジン150の運転ポイントを回転数Neが大きな運
転ポイントへ変更したときを考えると、慣性トルクは、
回転数Neの上昇を抑制する方向に作用することにな
り、リングギヤ軸126に作用するトルクTerの計算
式では負の符号をもつことになる。もとより、エンジン
150の運転ポイントを回転数Neが小さな運転ポイン
トに変更するときには、慣性トルクは、回転数Neの減
少を抑制する方向に作用する。また、エンジン150が
定常運転状態にあるときには、サンギヤ軸125の角加
速度dωsは値0となるから、慣性トルクも値0とな
る。
リングギヤ軸126に出力されるトルクTerを計算す
ると、モータMG2のトルク指令値Tm2*をトルク指
令値Tr*からこのトルクTerを減じて算出し設定す
る(ステップS132)。そして、設定した各設定値を
用いてモータMG1,モータMG2およびエンジン15
0の各制御を行なう(ステップS134ないしS13
8)。実施例では、図示の都合上、モータMG1,モー
タMG2およびエンジン150の各制御を別々のステッ
プとして記載したが、実際には、これらの制御は同時に
平行的にかつ総合的に行なわれる。例えば、制御CPU
190が割り込み処理を利用して、モータMG1とモー
タMG2の制御を同時に平行して実行すると共に、通信
により指示を受けたEFIECU170によりエンジン
150の制御も同時に行なわせるのである。
34)は、図15に例示するモータMG1の制御ルーチ
ンによりなされる。このルーチンが実行されると、制御
装置180の制御CPU190は、まず、サンギヤ軸1
25の回転角度θsをレゾルバ139から入力する処理
を行なう(ステップS180)。続いて、電流検出器1
95,196により、モータMG1の三相コイル134
のU相とV相に流れている電流Iu1,Iv1を検出す
る処理を行なう(ステップS182)。電流はU,V,
Wの三相に流れているが、その総和はゼロなので、二つ
の相に流れる電流を測定すれば足りる。こうして得られ
た三相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)を行
なう(ステップS184)。座標変換は、永久磁石型の
同期電動機のd軸,q軸の電流値に変換することであ
り、次式(9)を演算することにより行なわれる。ここ
で座標変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機にお
いては、d軸およびq軸の電流が、トルクを制御する上
で本質的な量だからである。もとより、三相のまま制御
することも可能である。
MG1におけるトルク指令値Tm1*から求められる各
軸の電流指令値Id1*,Iq1*と実際各軸に流れた
電流Id1,Iq1と偏差を求め、各軸の電圧指令値V
d1,Vq1を求める処理を行なう(ステップS18
6)。すなわち、まず以下の式(10)の演算を行な
い、次に次式(11)の演算を行なうのである。ここ
で、Kp1,Kp2,Ki1,Ki2は、各々係数であ
る。これらの係数は、適用するモータの特性に適合する
よう調整される。なお、電圧指令値Vd1,Vq1は、
電流指令値I*との偏差ΔIに比例する部分(式(1
1)右辺第1項)と偏差ΔIのi回分の過去の累積分
(右辺第2項)とから求められる。
ップS184で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS188)、
実際に三相コイル134に印加する電圧Vu1,Vv
1,Vw1を求める処理を行なう。各電圧は、次式(1
2)により求める。
のトランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間によ
りなされるから、式(12)によって求めた各電圧指令
値となるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン
時間をPWM制御する(ステップS189)。
1*の符号を図5や図6の共線図におけるトルクTm1
の向きを正とすれば、同じ正の値のトルク指令値Tm1
*が設定されても、図5の共線図の状態のようにトルク
指令値Tm1*の作用する向きとサンギヤ軸125の回
転の向きとが異なるときには回生制御がなされ、図6の
共線図の状態のように同じ向きのときには力行制御がな
される。しかし、モータMG1の力行制御と回生制御
は、トルク指令値Tm1*が正であれば、ロータ132
の外周面に取り付けられた永久磁石135と三相コイル
134に流れる電流により生じる回転磁界とにより正の
トルクがサンギヤ軸125に作用するよう第1の駆動回
路191のトランジスタTr1ないしTr6を制御する
ものであるから、同一のスイッチング制御となる。すな
わち、トルク指令値Tm1*の符号が同じであれば、モ
ータMG1の制御が回生制御であっても力行制御であっ
ても同じスイッチング制御となる。したがって、図15
のモータMG1の制御ルーチンで回生制御と力行制御の
いずれも行なうことができる。また、トルク指令値Tm
1*が負のときには、ステップS180で読み込むサン
ギヤ軸125の回転角度θsの変化の方向が逆になるだ
けであるから、このときの制御も図15のモータMG1
の制御ルーチンにより行なうことができる。
*に値0が設定されたときでも、図15のモータMG1
の制御ルーチンによりモータMG1を制御することは可
能であるが、このときにはトランジスタTr1ないしT
r6のすべてをオフとする制御としてもよい。
テップS136)について図16に例示するモータMG
2の制御ルーチンに基づき説明する。モータMG2の制
御処理は、モータMG1の制御処理うちトルク指令値T
m1*とサンギヤ軸125の回転角度θsに代えてトル
ク指令値Tm2*とリングギヤ軸126の回転角度θr
とを用いる点を除き、モータMG1の制御処理と全く同
一である。すなわち、リングギヤ軸126の回転角度θ
rをレゾルバ149を用いて検出し(ステップS19
0)、続いてモータMG2の各相電流を電流検出器19
7,198を用いて検出し(ステップS192)、その
後、座標変換(ステップS194)および電圧指令値V
d2,Vq2の演算を行ない(ステップS196)、更
に電圧指令値の逆座標変換(ステップS198)を行な
って、モータMG2の第2の駆動回路192のトランジ
スタTr11ないしTr16のオンオフ制御時間を求
め、PWM制御を行なう(ステップS199)。
2*の向きとリングギヤ軸126の回転の向きとにより
力行制御されたり回生制御されたりするが、モータMG
1と同様に、力行制御も回生制御も共に図16のモータ
MG2の制御処理で行なうことができる。なお、実施例
では、モータMG2のトルク指令値Tm2*の符号は、
図5の共線図の状態のときのトルクTm2の向きを正と
した。
ップS138)について説明する。エンジン150は、
その目標とする運転ポイントが目標トルクTe*と目標
回転数Ne*とによって設定されると、設定された運転
ポイントで定常運転状態となるようエンジン150のト
ルクTeと回転数Neとが制御される。具体的には、制
御CPU190から通信によりEFIECU170に指
示を送信し、燃料噴射弁151からの燃料噴射量やスロ
ットルバルブ166の開度を増減して、エンジン150
の出力トルクが目標トルクTe*に、回転数が目標回転
数Ne*になるように徐々に調整するのである。なお、
上述した式(6)に示すように、エンジン150の回転
数NeはモータMG1によるサンギヤ軸125の回転数
Nsの制御によって行なわれるから、エンジン150の
制御では、エンジン150から目標トルクTe*が出力
されるようスロットルバルブ166の制御および吸入空
気量に対する空燃比制御となる。なお、エンジン150
の運転の停止指令が制御CPU190から出力されたと
きには、スロットルバルブ166を全閉すると共に燃料
噴射の停止および点火の停止の処理となる。
によれば、エンジン150の運転ポイントを変更したと
きに運転ポイントを変更するのに必要な慣性トルクを算
出し、この慣性トルクを考慮してモータMG2のトルク
指令値Tm2*を算出し、モータMG2を駆動するか
ら、エンジン150の運転ポイントを変更する過渡時に
おいても、運転者が欲するトルクをリングギヤ軸12
6、延いては駆動輪116,118に出力することがで
きる。また、エンジン150が定常運転状態にあるとき
には、サンギヤ軸125の角加速度dωsは値0となる
から、プラネタリギヤ120を介してリングギヤ軸12
6に出力されるトルクTerは図5および図6の共線図
における動作共線の釣り合いにより求められることにな
るから、運転者が欲するトルクをリングギヤ軸126に
出力することができる。したがって、リングギヤ軸12
6にトルクショックの少ない滑らかな過渡特性を得るこ
とができる。もとより、実施例の動力出力装置110に
よれば、エンジン150から出力されるエネルギPeを
所望のトルクと回転数とからなる動力にトルク変換して
リングギヤ軸126に出力することができる。
すべき要求動力に相当する出力エネルギPrが増加する
過渡時においては、サンギヤ軸125の目標回転数Ns
*を1次遅れ制御により徐々に所望の値に移行するよう
に目標回転数Ns*の応答の速さを抑制していることか
ら、その出力エネルギPrの増大に緩やかに追従して、
サンギヤ軸125の回転数Nsの制御によって決まるエ
ンジン150の回転数Neが変動することになる。この
とき、そのモータMG1およびエンジン150の制御に
伴って駆動軸112から出力される動力に基づいてモー
タMG2の制御がなされることから、エンジン150の
回転数Neを緩やかに変動させたことによって要求動力
からみて不足する動力分が、モータMG2から出力され
る動力で補われることになる。
10によれば、要求動力に相当する出力エネルギPrが
増大する過渡時において、駆動軸112への出力動力に
不足が生じることもなしに、エンジン150の回転数N
eの急激な変動を抑えることができる。この結果、エン
ジン回転数Neの変動によって発生するエンジン150
からの発生する騒音を抑えることができる。また、エン
ジン回転数Neの無駄な切り替えがなくなることからモ
ータMG1における無駄なエネルギ消費を抑えることも
できる。さらに、アクセル踏込時のエンジン回転数の急
変を抑えながらも、モータMG2により駆動軸の出力が
向上することから、運転者にとって静かでトルク感にあ
ふれた乗り心地を提供することがができる。
とその制御CPU190によるステップS103ないし
S106により、この発明の要求動力設定手段の構成が
実現されており、制御CPU190とその制御CPU1
90によるステップS108により、この発明の運転状
態設定手段の構成が実現されており、制御CPU190
とその制御CPU190によるステップS110〜S1
30、S134により、この発明の原動機制御手段の構
成が実現されており、制御CPU190とその制御CP
U190によるステップS132およびS136によ
り、この発明の電動機制御手段の構成が実現されてお
り、制御CPU190とその制御CPU190によるス
テップS112ないしS124により、この発明の遅れ
制御手段の構成が実現されている。
ンギヤ軸125の角加速度dωsを求め、これをモータ
MG1からみたモータMG1とエンジン150とからな
る慣性系の慣性モーメントに乗じてサンギヤ軸125に
作用する慣性トルクを算出し、プラネタリギヤ120を
介してリングギヤ軸126に出力されるトルクTerを
求めたが、クランクシャフト156の角加速度dωeを
求め、これをエンジン150からみたエンジン150と
モータMG1とからなる慣性系の慣性モーメントに乗じ
てクランクシャフト156に作用する慣性トルクを求
め、これに基づいてトルクTerを算出するものとして
もよい。この場合、例えば、図7および図8に例示する
トルク制御ルーチンのステップS128およびS130
の処理に代えて、図17に例示するトルク制御ルーチン
のステップS214ないしS216の処理を実行するも
のとすればよい。この処理では、エンジン150の回転
数Neを入力し(ステップS214)、入力した回転数
Neに基づいてクランクシャフト156の角加速度dω
eを式(7)と同様な式により計算し(ステップS21
5)、この角加速度dωeを用いて次式(13)により
トルクTerを算出するのである(ステップS21
6)。式(13)中の右辺第2項の「Iem」は、プラ
ネタリギヤ120を介して機械的に結合されたエンジン
150とモータMG1とからなる慣性系のエンジン15
0からみたエンジン150とモータMG1の慣性モーメ
ントである。なお、エンジン150の回転数Neは、サ
ンギヤ軸125の回転数Nsとリングギヤ軸126の回
転数Nrとから式(2)を変形して求めるものとしても
よいし、クランクシャフト156にレゾルバを設置して
このレゾルバから検出されるクランクシャフト156の
回転角度から求めてもよい。また、ディストリビュータ
160に取り付けられた回転数センサ176により検出
される信号をEFIECU170からの通信により入力
するものとしてもよい。
ギヤ軸126に出力すべきエネルギPrに基づいてエン
ジン150の目標トルクTe*と目標回転数Ne*とを
設定し、これをエンジン150から出力されるエネルギ
Peにより賄うものとしたが、リングギヤ軸126に出
力すべきエネルギPrの一部をバッテリ194から供給
される電気エネルギにより賄うものとしたり、エネルギ
Prより過剰なエネルギPeを出力するようエンジン1
50を運転し、残余のエネルギによりバッテリ194を
充電するものとしてもよい。この場合、図7のトルク制
御ルーチンのステップS108の計算式を次式(14)
とすればよい。なお、この式(14)中のPbは、バッ
テリ194から充放電される電気エネルギであり、バッ
テリ194を充電するときには正の値で、バッテリ19
4から放電するときには負の値となる。こうすれば、バ
ッテリ194の充放電を行ないながらでも、運転者の欲
するトルクを安定してリングギヤ軸126に出力するこ
とができる。
同様に、出力エネルギPrが増加する過渡時において
は、サンギヤ軸125の目標回転数Ns*を1次遅れ制
御により徐々に所望の値に移行するように目標回転数N
s*の変化の速さを抑制する。この構成により、第1実
施例と同様の効果を奏することができる。
ン150が継続して運転され、その運転ポイントが変更
されたときについて説明したが、エンジン150の運転
を停止する際の過渡時にも図7のトルク制御ルーチンを
適用することができる。この場合、目標トルクTe*と
目標回転数Ne*とに値0を設定すればよい。なお、エ
ンジン150の運転を停止する場合には、例えば、リン
グギヤ軸126に出力すべきエネルギPrがエンジン1
50から出力可能な最小のエネルギPe(図10中、ト
ルクTeminと回転数Neminにより表わされる運
転ポイントAminにおけるエネルギPe)より小さい
ときや、環境保全等の目的のため運転者がエンジン15
0を停止する指示を与えたときなどがある。
ン150の効率が高くなるよう目標トルクTe*と目標
回転数Ne*とを設定したが、エミッションが良くなる
よう目標トルクTe*と目標回転数Ne*とを設定する
ものや、エンジン150の音が小さくなるよう目標トル
クTe*と目標回転数Ne*とを設定するものとしても
よい。
ギヤ軸126に出力された動力をリングギヤ122に結
合された動力取出ギヤ128を介してモータMG1とモ
ータMG2との間から取り出したが、図18の変形例の
動力出力装置110Aに示すように、リングギヤ軸12
6を延出してケース119から取り出すものとしてもよ
い。また、図19の変形例の動力出力装置110Bに示
すように、エンジン150側からプラネタリギヤ12
0,モータMG2,モータMG1の順になるよう配置し
てもよい。この場合、サンギヤ軸125Bは中空でなく
てもよく、リングギヤ軸126Bは中空軸とする必要が
ある。こうすれば、リングギヤ軸126Bに出力された
動力をエンジン150とモータMG2との間から取り出
すことができる。
形例であるが、図20に示すように、プラネタリギヤ1
20を用いない構成をとってもよい。図20に示す構成
では、図1におけるモータMG1およびプラネタリギヤ
120に代えて、ロータ(インナロータ)234および
ステータ(アウタロータ)232の双方が同じ軸中心に
相対的に回転可能であり電磁継手として作用し得るクラ
ッチモータMG3を用いている。クラッチモータMG3
のアウタロータ232はエンジン150のクランクシャ
フト156に機械的に結合され、クラッチモータMG3
のインナロータ234およびモータMG2のロータ14
2は駆動軸112Aに結合されている。モータMG2の
ステータ143はケース119に固定されている。
えて、クラッチモータMG3によりエネルギの分配を行
なう。クラッチモータMG3に入出力される電気的なエ
ネルギにより、インナロータ234とアウタロータ23
2の相対的な回転を制御し、エンジン150の動力を駆
動軸112Aに伝達することができる。また、モータM
G2のロータ132が駆動軸112Aに取り付けられて
いるため、モータMG2を駆動源とすることもできる。
さらに、エンジン150の動力によりモータMG3で発
電することもできる。このような構成のハイブリッド車
両でも、クラッチモータMG3によりエンジン150の
運転が制御され、モータMG2により駆動軸に出力する
動力のアシストがなされていることから、要求動力が増
大する過渡時において、エンジン150の騒音が増大す
るため、本発明を適用することができる。
ような、いわゆるシリーズ式の構成であっても構わな
い。シリーズ式のハイブリッド車両では、エンジン15
0の出力軸は発電機Gに機械的に結合されている。駆動
輪116、118には、モータMG4が動力伝達ギヤ1
11等を介して結合されているが、エンジン150は結
合されてはいない。こうした構成をとるため、シリーズ
式のハイブリッド車両では、エンジン150の動力は駆
動輪116、118に伝達されることはなく発電機Gの
運転に使われ、車両はバッテリ194の電力によりモー
タMG4を動かすことにより駆動される。
ッド車両では、制御ユニット190Bにより、要求動力
の増大の過渡時に、エンジンの運転状態を変化させる速
さを抑制するようなようなエンジンの運転制御を行なう
ことにより、本発明を適用することができる。シリーズ
式のハイブリッド車両は、エンジン150および発電機
Gのトルクが直接駆動軸312に伝達されることはない
ものの、発電機Gのトルクの急変に伴うショックは車体
を通じて乗員に体感されることになるため、本発明によ
るショックの低減効果は有効である。
は、時定数T0の1次遅れの制御を行なっていたが、こ
れに替えて、制御のゲインを切り替えたり、あるいは制
御の不感帯を増加することで、サンギヤ軸125の目標
回転数Ne* に対する応答の速さを遅くする構成とす
ることもできる。
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10では、エンジン150としてガソリンエンジンを用
いたが、その他に、ディーゼルエンジンや、タービンエ
ンジンや、ジェットエンジンなど各種の内燃あるいは外
燃機関を用いることもできる。
3軸式動力入出力手段としてプラネタリギヤ120を用
いたが、一方はサンギヤと他方はリングギヤとギヤ結合
すると共に互いにギヤ結合しサンギヤの外周を自転しな
がら公転する2つ1組の複数組みのプラネタリピニオン
ギヤを備えるダブルピニオンプラネタリギヤを用いるも
のとしてもよい。この他、3軸式動力入出力手段として
3軸のうちいずれか2軸に入出力される動力を決定すれ
ば、この決定した動力に基づいて残余の1軸に入出力さ
れる動力を決定されるものであれば如何なる装置やギヤ
ユニット等、例えば、ディファレンシャルギヤ等を用い
ることもできる。
は、モータMG1およびモータMG2にPM形(永久磁
石形;Permanent Magnet type)同期電動機を用いた
が、回生動作および力行動作の双方が可能なものであれ
ば、その他にも、VR形(可変リラクタンス形;Variab
le Reluctance type)同期電動機や、バーニアモータ
や、直流電動機や、誘導電動機や、超電導モータや、ス
テップモータなどを用いることもできる。
は、第1および第2の駆動回路191,192としてト
ランジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT
(絶縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulate
d Gate Bipolar mode Transistor)インバータや、サイ
リスタインバータや、電圧PWM(パルス幅変調;Puls
e Width Modulation)インバータや、方形波インバータ
(電圧形インバータ,電流形インバータ)や、共振イン
バータなどを用いることもできる。
テリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いるこ
とができるが、バッテリ194に代えてキャパシタを用
いることもできる。
搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段や、
その他各種産業機械などに搭載することも可能である。
の概略構成を示す構成図である。
る。
の概略の構成を例示する構成図である。
するためのグラフである。
れた3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図である。
れた3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図である。
ク制御ルーチンの前半部分を例示するフローチャートで
ある。
フローチャートである。
ダルポジションAPとトルク指令値Tr*との関係を例
示する説明図である。
を例示するグラフである。
の運転ポイントの効率とエンジン150の回転数Neと
の関係を例示するグラフである。
力容量Woutとの関係を示す3次元マップを例示する
グラフである。
示す2次元マップを例示するグラフである。
125の目標回転数Ne*が時間の経過とともにどのよ
うに変化するかを示すグラフである。
行されるモータMG1の制御の基本的な処理を例示する
フローチャートである。
行されるモータMG2の制御の基本的な処理を例示する
フローチャートである。
るフローチャートである。
示す構成図である。
示す構成図である。
す説明図である。
す説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 原動機と電動機とを備えて駆動軸に動力
を出力する動力出力装置であって、 前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定する要求動力設
定手段と、 該設定された要求動力に基づいて前記原動機の運転状態
を設定する運転状態設定手段と、 該設定された運転状態で前記原動機が運転されるように
前記原動機を制御する原動機制御手段と、 該原動機制御手段による前記原動機の制御に伴って前記
駆動軸から出力される動力に基づいて前記要求動力が前
記駆動軸に出力されるように前記電動機を制御する電動
機制御手段とを備え、 前記原動機制御手段は、 前記要求動力が増大する過渡時における前記原動機の制
御の応答の速さを抑制する遅れ制御を行なう遅れ制御手
段を備える動力出力装置。 - 【請求項2】 前記運転状態設定手段により設定する前
記原動機の運転状態は、前記原動機の回転速度である請
求項1に記載の動力出力装置。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の動力出力装置
であって、 前記電動機へ電力を供給する蓄電手段の蓄電状態を検出
する蓄電状態検出手段を備え、 前記遅れ制御手段は、 前記蓄電状態検出手段により検出された前記蓄電状態に
基づいて前記遅れ制御による遅れの時定数を設定する時
定数設定手段を備える動力出力装置。 - 【請求項4】 前記時定数設定手段は、前記蓄電手段の
蓄電量が大きい程に前記時定数が大きくなるように設定
を行なう手段である請求項3に記載の動力出力装置。 - 【請求項5】 前記運転状態設定手段は、前記原動機の
効率が高くなるように該原動機の運転状態を設定する手
段である請求項1ないし4のいずれかに記載の動力出力
装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の動
力出力装置であって、 前記電動機は前記駆動軸に接続される構成であるととも
に、 回転軸を有し、該回転軸と動力のやり取りを行なう副電
動機と、 前記駆動軸と前記原動機の出力軸と前記回転軸とに各々
結合される3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動
力が入出力されたとき、該入出力された動力に基づいて
定まる動力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力
手段とを備え、 前記原動機制御手段は、 前記電動機および副電動機に対する電力のやりとりを通
じて前記原動機の運転状態を制御する手段を備える動力
出力装置。 - 【請求項7】 原動機と電動機とを用いて駆動軸に動力
を出力する動力出力方法であって、 前記駆動軸に出力すべき要求動力を設定し、 該設定された要求動力に基づいて前記原動機の運転状態
を設定し、 該設定された運転状態で前記原動機が運転されるように
前記原動機を制御するとともに、 該原動機の制御に伴って前記駆動軸から出力される動力
に基づいて前記要求動力が前記駆動軸に出力されるよう
に前記電動機を制御し、 さらに、 前記原動機の制御において、前記要求動力が増大する過
渡時における前記原動機の制御の応答の速さを抑制する
遅れ制御を行なう動力出力方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35289899A JP3921901B2 (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | 動力出力装置および動力出力方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001164960A true JP2001164960A (ja) | 2001-06-19 |
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