JP2001054205A - 動力出力装置、ハイブリッド車輌およびそれらの制御方法 - Google Patents

動力出力装置、ハイブリッド車輌およびそれらの制御方法

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JP2001054205A
JP2001054205A JP11222253A JP22225399A JP2001054205A JP 2001054205 A JP2001054205 A JP 2001054205A JP 11222253 A JP11222253 A JP 11222253A JP 22225399 A JP22225399 A JP 22225399A JP 2001054205 A JP2001054205 A JP 2001054205A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原動機から出力される動力を所望の動力にト
ルク変換して駆動軸に出力する動力出力装置において、
駆動軸に出力すべき目標動力が変更されたときに、原動
機の運転状態を目標とする運転状態にスムーズに移行さ
せる。 【解決手段】 駆動軸回転数Ndとアクセルペダルの踏
込量APに基づいて駆動軸に出力すべきトルクTd*を
求め(S100〜S104)、トルクTd*に基づいて
エンジンの目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設
定する(S106〜S110)。バッテリ94から取り
出せる電力を計算し、その範囲で、エンジン50の回転
数の増加に用いる割合と、駆動軸22の回転数の増加に
用いる割合を逐次決定する(S110〜S120)。こ
の結果、加速の要求がなされたとき、システム全体の動
力源であるエンジン50の運動エネルギを速やかに増加
し、結果的に、加速性能を改善し、ドライバビリティを
改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置、ハ
イブリッド車輌およびそれらの制御方法に関し、詳しく
は、原動機と少なくとも補助電動機を備えて、駆動軸に
少なくともこの原動機の動力の一部を出力する動力出力
装置およびハイブリッド車輌ならびにこれらの制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、化石燃料等を消費して運転される
原動機を有する動力出力装置では、燃費の向上や排気浄
化性能の向上が強く求められており、原動機をできるだ
け効率の良い運転条件で運転しようとする試みが数多く
なされている。動力が出力される駆動軸に要求される回
転数範囲やトルクの範囲が広い場合には、原動機の動力
をそのまま駆動軸に出力したのでは、原動機の運転範囲
も広くなってしまい、効率や排気浄化性能の高い領域で
運転できるとは限らない。そこで、原動機の動力の少な
くとも一部は直接駆動軸に出力できる形態をとりなが
ら、原動機から駆動軸までの経路に少なくとも動力を付
加可能な補助電動機を設け、駆動軸に要求される動力と
原動機の出力する動力とに偏差が存在する場合に、補助
電動機からの動力でこれを補って、結果的に原動機をで
きるだけ効率や排気浄化性能の高い領域で運転しようと
する提案がなされている。
【0003】こうした動力出力装置を搭載したアプリケ
ーションとしては、例えばこれを動力源として走行する
ハイブリッド車輌を考えることができる。ガソリンやデ
ィーゼルを燃料として走行する車輌は台数が多く、一台
一台の燃費や排気浄化性能を向上すれば、全体での改善
の効果は大きい。他方、車輌の駆動軸に要求される出力
トルクと回転数の範囲はきわめて広い。そこで、こうし
た両者の要求を満たすべく、本出願人は、原動機から駆
動軸までの動力の伝達経路に動力の分配機構を設けると
共に、動力の伝達を行なう動力伝達用電動機と、動力の
一部を電気エネルギの形態でやり取りする補助電動機と
を設けたハイブリッド車輌を提案し、既に実用化してい
る。かかる構成においては、原動機を効率や排気浄化性
能の高い領域内で運転しつつ、一方の電動機で電力の回
生を、他方の電動機で動力の出力を行なって、トルクや
回転数を巧みに変換し、車輌駆動軸に要求される広い運
転範囲をカバーしているのである。
【0004】車輌駆動軸に対する要求は、運転者による
アクセルの操作量などにより変化する。駆動軸に対する
動力の要求が変化したとき、原動機や電動機を適切に制
御して、要求された動力を、できるだけ早く駆動軸に出
力するよう種々の制御が行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の動力出力装置では、駆動軸に出力される動力
の応答性が不十分な場合があるという問題があった。こ
れは次の理由によっている。動力を発生しうる機器が原
動機と補助電動機もしくはこれに加えて動力伝達用電動
機のみに限られる系を考えると、原動機から駆動軸に至
る動力伝達系におけるエネルギは、この電動機を駆動す
るための電力供給手段から供給可能なエネルギを含め
て、一定に保たれる(エネルギ保存の法則)。従って、
駆動軸に対する出力トルクの要求が増大した場合を例に
取ると、原動機からの出力が増加するまでの間は、電力
供給手段(例えばバッテリ)から持ち出される電力によ
ってのみ駆動軸のトルクを増大させることが可能にな
る。一方、電力供給手段がバッテリのように供給可能な
電力に上限が存在する場合には、駆動軸のトルクの増大
をバッテリからの電力の持ち出しに長期間に亘って依存
することはできないから、原動機が出力するエネルギも
増加させなければならない。バッテリからの持ち出しが
なければ、駆動軸に出力されるエネルギは、トルク変換
などがなされたとしても、結局原動機から出力されるエ
ネルギに等しくなるからである。他方、ガソリンエンジ
ンなどの原動機の動作ラインを考えると、効率を優先し
た場合、原動機の出力を増加するためにはその回転数を
高くしなければならない。
【0006】以上の条件を考慮すると、駆動軸に対する
出力トルクの要求が増加した場合には、バッテリの電力
を、まず原動機の回転数の増加に使い、原動機の回転数
が増加して(同時に燃料噴射量なども増加し)、原動機
から出力されるエネルギが十分高くなった時点で駆動軸
トルクを増加させる方が望ましいことが了解される。こ
のように制御すれば、駆動軸のトルクを目標トルクに、
最終的に一致させるまでの時間を最も短縮することがで
きる。しかし、この動力出力装置を車輌などに適用した
場合には、加速の要求を出してから駆動軸のトルクが増
加し始めるまでに大きなタイムラグが発生し、いわゆる
ドライバビリティは損なわれることになってしまう。そ
こで、実際の装置では、バッテリから持ち出す電力の一
部を駆動軸のトルクの増加に利用し、残りを原動機の回
転数の増加に用いることになる。エネルギ保存則が働く
限り、駆動軸トルクの増加に利用できるエネルギと原動
機の運転状態の変更に用いることができるエネルギと
は、トレードオフの関係にあるから、ドライバビリティ
と絶対的な加速性能とを両立させることはきわめて困難
であった。
【0007】出願人は、こうした問題に対する解決策の
1つとして、既に出願したにおいて、駆動軸に対する要
求トルクが変化したとき、まず原動機が出力すべき動力
Peを求め、このエネルギからエンジンの目標回転数N
e*を求め、現在の回転数Neとの偏差ΔNeの大きさ
に基づいて、原動機や電動機を制御する手法を提案して
いる(例えば、特開平10−289021号公報参
照)。かかる手法は、駆動軸出力を短期間に目標状態に
制御しようとする優れたものであるが、エンジンの回転
数の増減分が固定されており、条件によっては最適な制
御条件からはずれる場合があり得た。特にこうした動力
出力装置が、車輌や航空機などの動力源に用いられてい
る場合、そのドライバビリティには、なお改善の余地が
あった。
【0008】本発明の動力出力装置、ハイブリッド車輌
およびそれらの制御方法は、こうした問題を解決し、駆
動軸に出力すべき目標動力が変更されたときに、電力供
給手段から供給する電力をどのような割合で用いるかを
定め、原動機の運転効率や排気浄化性能を維持したま
ま、短期間に駆動軸の状態を目標とする状態に移行させ
ることを目的の一つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置およびその制御方法は、上述の目的
の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採っ
た。
【0010】駆動軸に動力を出力する本発明の動力出力
装置は、前記駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力
する原動機と、該原動機から前記駆動軸への動力の伝達
系において、少なくとも動力を加える補助電動機と、該
電動機による前記動力の付加に対応して電力を供給する
電力供給手段と、前記駆動軸の目標トルクが与えられた
とき、前記電力供給手段から出力する電力を決定すると
共に、該電力を駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合
と、前記原動機の出力の増減に用いる割合とを、前記原
動機の運転状態に応じて逐次決定する決定手段と、該決
定された割合に基づいて、前記補助電動機および前記原
動機を制御する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0011】また、この動力出力装置に対応した動力出
力装置の制御方法は、駆動軸に動力の少なくとも一部を
直接出力する原動機と、該原動機から前記駆動軸への動
力の伝達系において、少なくとも動力を加える補助電動
機と、該電動機による前記動力の付加に対応して電力を
供給する電力供給手段とを備えた動力出力装置を制御す
る方法であって、前記駆動軸の目標トルクが与えられた
とき、前記電力供給手段から出力する電力を決定すると
共に、該電力を駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合
と、前記原動機の出力の増減に用いる割合とを、該原動
機の運転状態に応じて逐次決定し、該決定された割合に
基づいて、前記補助電動機および前記原動機を制御する
ことを要旨としている。
【0012】これら動力出力装置およびその制御方法に
よれば、駆動軸の目標トルクが変化したとき、電力供給
手段から出力する電力をまず決定し、この電力を駆動軸
の出力トルクの増減に用いる割合と、原動機の出力の増
減に用いる割合とを、一律に決定するのではなく、原動
機の運転状態に応じて逐次決定する。このため、駆動軸
トルクの増減のプロファイルを所望の形態に近づけるこ
とができる。
【0013】ここで、駆動軸の出力トルクの増減に用い
る割合と原動機の出力の増減に用いる割合とは、駆動軸
の目標トルクが変更された直後には、原動機の出力の増
減に用いる割合が大きく、原動機の回転数が増加するに
従ってその割合が漸減する特性とすることが考えられ
る。このように割合を決定した方が、駆動軸トルクを目
標トルクに最終的には短期間に一致させることができる
からである。
【0014】かかる動力出力装置は、車輌や船舶、航空
機などの輸送機器に搭載することができる。また、工作
機械などにも適用することができる。こうした動力出力
装置を、例えば車輌に搭載すれば、搭載したハイブリッ
ド車輌における加減速性能を、所望の特性に制御するこ
とが可能になる。もとより、こうした適用例の一つであ
るハイブリッド車輌やその制御方法としても、本発明を
把握することができる。
【0015】こうした動力出力装置やハイブリッド車輌
において、電力供給手段として、電力の供給および蓄積
が可能な二次電池を採用することも差し支えない。この
場合には、二次電池と少なくとも補助電動機との間で、
電力のやり取りを行なう電力制御回路を備えた構成を採
用することができる。かかる構成によれば、電力供給手
段は電力を一方的に持ち出すだけでなく、例えば制動時
の回生電力などを回収することができ、装置全体の効率
を更に高くすることができる。
【0016】こうした動力出力装置やハイブリッド車輌
では、原動機の運転状態を変更する場合に、原動機を、
燃費または排気浄化性能を優先した動作特性に従って制
御する制御手段を備えることもできる。こうした制御手
段を備えれば、原動機は燃費や排気浄化性能が優先され
た状態で制御されることになり、システム全体として
は、燃費や排気浄化性能と、駆動軸の目標トルクの素早
い増減とを両立させることができる。
【0017】かかる動力出力装置やハイブリッド車輌で
は、動力伝達系として種々の態様を取りうるが、一つの
構成例としては、原動機から駆動軸への動力の伝達系
に、互いに回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動
機を備え、該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原
動機の出力軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合
したものを考えることができる。かかる構成は、動力の
分配を互いに回転可能な二つの対ロータを備えた動力伝
達用電動機により行なうので、電気分配式と呼ばれるこ
とがある。電気分配式の動力伝達系は、機械的な分配機
構を有しないので、信頼性が高いといった利点がある。
【0018】動力伝達系の他の態様としては、原動機か
ら駆動軸への動力の伝達系に、第1なし第3の回転軸を
有し、該3軸のうちの2軸に入出力する動力が決まると
残余の1軸の動力が定まる3軸式動力入出力手段を備
え、この3軸式動力入出力手段の第1の回転軸に前記原
動機の出力軸を結合し、第2の回転軸に駆動軸を結合す
ると共に、第3の回転軸には、電力供給手段との間で電
力のやりとりを行なって運転される動力分配用電動機を
結合したものを考えることができる。これは、動力の分
配を3軸式動力入出力手段により行なうものであり、そ
の形態から、機械分配式と呼ばれることがある。機械分
配式の動力伝達系は、対ロータの電動機を必要とせず、
通常の電動機をそのまま利用することができるという利
点がある。
【0019】こうした電気分配式、機械分配式のいずれ
においても、補助電動機は、原動機の出力軸に結合した
構成とすることもできるし、直接駆動軸に結合した構成
とすることもできる。補助電動機を原動機の出力軸に結
合すれば、原動機のクランキングを容易に行なうことが
できる。また、原動機の出力軸の回転数より駆動軸の回
転数が高い、いわゆるオーバドライブ状態としたときで
も、エネルギの再循環が生じることがない。他方、補助
電動機を駆動軸に結合した構成では、原動機の出力軸の
トルクより駆動軸のトルクが大きい状態を、効率よく実
現することができる。なお、オーバドライブ状態でも、
その逆のアンダドライブ状態でも、エネルギの再循環が
起きず、効率よく駆動軸を駆動するために、補助電動機
と原動機の出力軸または駆動軸との結合の状態を切り換
える結合状態切換手段を備えるものとしても良い。こう
した結合状態切換手段を設け、運転状態に応じて、補助
電動機の結合先を切り換えれば、いずれの運転状態で
も、エネルギの再循環が生じないようにすることができ
る。
【0020】なお、ここでいう「動力」は、軸に作用す
るトルクとその軸の回転数(回転角速度)との積の形態
で表わされる仕事率に相当するものであるが、特に限定
しない限り、これに時間をかけたエネルギの意味でも用
いる。したがって、単位時間内に出力されるエネルギの
大きさが同じでも、トルクと回転数とが異なる組合わせ
は複数存在する。
【0021】
【発明の実施の形態】A.装置構成:以下、本発明の実
施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の
第1の実施例としての動力出力装置20の概略構成を示
す構成図、図2は図1の第1実施例の動力出力装置20
を組み込んだ車輌の概略構成を示す構成図である。説明
の都合上、まず図2を用いて、車輌全体の構成から説明
する。
【0022】図2に示すように、この車輌には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0023】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76および回転角度センサ78な
どである。なお、EFIECU70には、この他、例え
ばイグニッションキーの状態STを検出するスタータス
イッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,
スイッチなどの図示は省略した。
【0024】エンジン50のクランクシャフト56は、
後述するクラッチモータ30およびアシストモータ40
を介して駆動軸22に結合されている。駆動軸22は、
ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動力出
力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪26,
28に伝達される。エンジン50と共に動力出力装置2
0を構成するクラッチモータ30およびアシストモータ
40は、制御装置80により制御されている。制御装置
80の構成は後で詳述するが、内部には制御CPUが備
えられており、シフトレバー82に設けられたシフトポ
ジションセンサ84やアクセルペダル64に設けられた
アクセルペダルポジションセンサ64a,ブレーキペダ
ル65に設けられたブレーキペダルポジションセンサ6
5aなども接続されている。また、制御装置80は、上
述したEFIECU70と通信により、種々の情報をや
り取りしている。これらの情報のやり取りを含む制御に
ついては、後述する。
【0025】図1に示すように、実施例の動力出力装置
20は、大きくは、エンジン50,クラッチモータ3
0、アシストモータ40および係合切換装置10とから
構成されている。クラッチモータ30は、互いに回転可
能なインナロータ34とアウタロータ32とを備える。
インナロータ34は、エンジン50のクランクシャフト
56にダンパ55を介して結合されている。他方、アウ
タロータ32は、チェーン37を介して、駆動軸22に
結合されている。
【0026】インナロータ34の外周面には永久磁石3
5が貼付されており、これに対向するアウタロータ32
の内側は、ティースが形成され、ここに三相コイル36
が巻回されている。即ち、クラッチモータ30は、永久
磁石式の同期電動機として構成されている。この三相コ
イル36への電力は、図示しないスリップリングを介し
て供給される。
【0027】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケースに固定されたステータに巻回されてい
る。ロータ42の外周面には、複数個の永久磁石46が
設けられている。アシストモータ40では、この永久磁
石46による磁界と三相コイル44が形成する磁界との
相互作用により、ロータ42が回転する。
【0028】ロータ42は、係合切換装置10に結合さ
れており、係合切換装置10を介して、このロータ42
の回転は、エンジン50の出力軸であるクランクシャフ
ト56に結合され(図1ポジションc)、あるいは動力
出力装置20のトルクの出力軸である駆動軸22に結合
され(図1ポジションa)、場合によってはいずれの軸
とも結合されない状態(図1ポジションn)とされる。
この係合切換装置10は、アクチュエータ11と切換用
のスプライン軸とを備え、アクチュエータ11を駆動す
ることにより、各軸が回転した状態で、切換を行なうこ
とができる。係合切換装置10により係合状態を切り換
えることにより、この車輌は、様々な状態で運転するこ
とができるが、係合切換装置10のポジションと動作状
態については、後でまとめて説明する。
【0029】上述した動力出力装置20には、クランク
シャフト56の回転角度θeを検出するレゾルバ39
が、一方、駆動軸22の回転角度θdを検出するレゾル
バ48が、各々設けられている。これらの信号を入力す
ることで、後述する制御装置80は、エンジン50の回
転数Neおよび駆動軸22の回転角度のみならず、時間
当たりの回転角度の変化を計算することにより、回転数
Ne,Ndを各々知ることができる。なお、クランクシ
ャフト56の回転角度θeを検出するレゾルバ39は、
ディストリビュータ60に設けられた回転角度センサ7
8と兼用することも可能である。
【0030】次に、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40を駆動制御する制御装置80について説明す
る。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第
1の駆動回路91と、アシストモータ40を駆動する第
2の駆動回路92と、両駆動回路91,92を制御する
制御CPU90と、二次電池であるバッテリ94とから
構成されている。制御CPU90は、1チップマイクロ
プロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM90a、
処理プログラムを記憶したROM90b、入出力ポート
(図示せず)およびEFIECU70と通信を行なうシ
リアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御CP
U90には、レゾルバ39からのエンジン50の回転角
度θe、レゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θ
d、アクセルペダルポジションセンサ64aからのアク
セルペダルポジション(アクセルペダル64の踏込量)
AP、ブレーキペダルポジションセンサ65aからのブ
レーキペダルポジション(ブレーキペダル65の踏込
量)BP、シフトポジションセンサ84からのシフトポ
ジションSP、第1の駆動回路91に設けられた2つの
電流検出器95,96からのクラッチ電流値Iuc,I
vc、第2の駆動回路に設けられた2つの電流検出器9
7,98からのアシスト電流値Iua,Iva、残容量
検出器99からのバッテリ94の残容量BRMなどが、入
力ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器
99は、バッテリ94の電解液の比重またはバッテリ9
4の全体の重量を測定して残容量を検出するものや、充
電・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するも
のや、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流
を流し内部抵抗を測ることにより残容量を検出するもの
などが知られている。
【0031】また、制御CPU90からは、第1の駆動
回路91に設けられたスイッチング素子である6個のト
ランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW
1と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素
子としての6個のトランジスタTr11ないしTr16
を駆動する制御信号SW2とが出力されている。第1の
駆動回路91内の6個のトランジスタTr1ないしTr
6は、トランジスタインバータを構成しており、それぞ
れ、一対の電源ラインL1,L2に対してソース側とシ
ンク側となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点
に、クラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の
各々が、スリップリング38を介して接続されている。
電源ラインL1,L2は、バッテリ94のプラス側とマ
イナス側に、それぞれ接続されているから、制御CPU
90により対をなすトランジスタTr1ないしTr6の
オン時間の割合を制御信号SW1により順次制御し、各
コイル36に流れる電流を、PWM制御によって擬似的
な正弦波にすると、三相コイル36により、回転磁界が
形成される。
【0032】他方、第2の駆動回路92の6個のトラン
ジスタTr11ないしTr16も、トランジスタインバ
ータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と
同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続
されている。従って、制御CPU90により対をなすト
ランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信
号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイル44により、回転磁界が形成される。
【0033】更に、制御CPU90からは、係合切換装
置10のアクチュエータ11を駆動する駆動信号が出力
されている。制御CPU90は、この駆動信号により係
合切換装置10の状態(ポジション)を切り換えて、ア
シストモータ40が動力をやり取りする軸を切り換える
ことができる。エンジン50を運転し、かつ動力出力装
置20により動力の変換を行なっている状態を想定する
と、係合切換装置10のポジションにより、次の運転状
態をとることができる。
【0034】(1)係合切換装置10を、ポジション
a、即ちロータ42が駆動軸22に係合した状態に切り
換えると、エンジン50からの動力(トルクTe×回転
数Ne)の一部をクラッチモータ30の二つのロータ3
4,32の回転数差ΔNとして回生し、回生した電力で
アシストモータ40を駆動することにより、駆動軸22
のトルクを増加することができる。この様子を図3に示
した。即ち、クラッチモータ30によりG1=ΔN×T
eの動力を電気的な形態で回生し、これをアシストモー
タ40に出力することで、駆動軸22のトルクを、ΔT
=Td−Te=(ΔN×Te)/Ndだけ増加するので
ある。なお、ここで、Ndは駆動軸22の回転数、Td
は駆動軸22に出力されるトルクである。また、クラッ
チモータ30やアシストモータ40における変換の効率
は、ここでは説明の便を図って、値1(=100パーセ
ント)としている。この状態では、エンジン50のクラ
ンクシャフトの回転数Neより、駆動軸22の回転数N
dの方がΔNに見合った分だけ低くなるので、この状態
を「アンダドライブ」と呼ぶ。
【0035】(2)一方、ロータ42がクランクシャフ
ト56と係合した状態(ポジションc)では、エンジン
50からの動力(トルクTe×回転数Ne)の一部を、
アシストモータ40により回生し、回生した電力でクラ
ッチモータ30を回転することができる。この場合、図
3においてそれぞれ()に入れて記載したように、クラ
ッチモータ30の二つのロータ34およびロータ32に
結合されたクランクシャフト56および駆動軸22の回
転数NeおよびNdは、Nd>Neの関係となる。この
とき、アシストモータ40により回生された動力G2
(=ΔT×Ne)がすべてクラッチモータで消費される
とすれば、駆動軸22の回転数Ndは、ΔN=Nd−N
e=(ΔT×Ne)/Tdだけ増加する。この状態で
は、エンジンの50のクランクシャフト56の回転数N
eより駆動軸22の回転数Ndの方がΔNに見合った分
だけ高くなるので、この状態を「オーバドライブ」と呼
んでいる。
【0036】なお、第1実施例の動力出力装置20で
は、こうしたエンジン50から出力される動力のすべて
をトルク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エ
ンジン50から出力される動力(トルクTeと回転数N
eとの積)を駆動軸22に要求される動力(トルクTd
と回転数Ndとの積)より大きくして余剰の電気エネル
ギを見い出し、バッテリ94の充電を伴う動作とした
り、逆にエンジン50から出力される動力を駆動軸22
に要求される動力より小さくして電気エネルギが不足す
る状態とし、バッテリ94から放電を伴う動作とするこ
ともできる。
【0037】以上の説明では、回転数という表現を用い
たが、軸周りの仕事を考える場合には、回転角速度や回
転角加速度を用いた方が理解しやすいことがある。した
がって、以下の説明では、回転数Nと角速度ωを適宜使
い分けるものとする。
【0038】B.トルク制御:次に、実施例の動力出力
装置20におけるトルク制御について図4に例示するト
ルク制御ルーチンに基づき具体的に説明する。トルク制
御ルーチンは、動力出力装置が起動されてから所定時間
毎(例えば、20msec毎)に繰り返し実行される。
本ルーチンが実行されると、制御装置80の制御CPU
90は、まず、駆動軸22の回転数Ndを読み込む処理
を実行する(ステップS100)。駆動軸22の回転数
Ndは、レゾルバ48により検出される駆動軸22の回
転角度θdから求めることができる。
【0039】続いて、アクセルペダルポジションセンサ
64aにより検出されるアクセルペダル64の踏込量で
あるアクセルペダルポジションAPを読み込む処理を行
なう(ステップS102)。アクセルペダル64は運転
者が出力トルクが足りないと感じたときに踏み込まれる
ものであり、したがって、アクセルペダルポジションA
Pの値は運転者の欲している出力トルク(すなわち、駆
動軸22に出力すべきトルク)に対応するものである。
次に、読み込んだアクセルペダルポジションAPと駆動
軸22の回転数Ndとに基づいてTd*を導出する処理
を行なう(ステップS104)。実施例では、各アクセ
ルペダルポジションAPと回転数Ndとの組み合わせに
対して対応するトルク指令値Td*を定め、これを予め
マップとしてROM90bに記憶しておき、駆動軸22
の回転数NdとアクセルペダルポジションAPが読み込
まれると、ROM90bに記憶したマップを参照して対
応するトルク指令値Td*を導出するものとした。な
お、このマップの一例を図5に示す。
【0040】こうしてトルク指令値Td*を導出する
と、導出したトルク指令値Td*と読み込まれた駆動軸
22の回転数Ndとから、駆動軸22に出力すべき目標
動力Pd*を計算(Pd*=Nd×Td*)により求め
ると共に(ステップS106)、求めた目標動力Pd*
を伝達効率ηtで割ってエンジン50から出力すべき目
標動力Pe*を算出する(ステップS108)。こうし
てエンジン50が出力すべき目標動力Pe*が求められ
たので、制御CPU90は、EFIECU70などと協
働して、最終的にはエンジン50が出力する動力を、目
標動力Pe*まで変化させることになる。
【0041】上述した車輌では、車輌を駆動する力とし
ては、最終的にはエンジン50における燃料の爆発燃焼
により発生する動力が充てられる。しかし、一時的に
は、バッテリ94に蓄えられたエネルギを持ち出して車
輌の駆動に用いることができる。そこで、次に、バッテ
リ94から持ち出す電力PBを決定する(ステップS1
110)。即ち、ステップS108で求めたエンジンの
目標動力Pe*と現在エンジン50が出力している動力
Peとの差分を求め、この差分に見合った分だけバッテ
リ94から電力を持ち出すことにするのである。なお、
こうして求めた電力PBが、バッテリ94が持ち出せる
上限値を超えていれば、バッテリの出力PBは、上限値
に制限される。
【0042】次に、その時点で用いることができる動力
のうち、エンジン50の運動エネルギの増加に用いるエ
ネルギΔEeを決定する処理を行なう(ステップS11
5)。即ち、現在のエンジン50が出力している動力P
e、エンジンの目標動力Pe*、バッテリ94からの出
力PBから、ΔEeを決定するのである。こうして得ら
れたエネルギΔEeに基づいて、エンジンの角加速度α
eを決定する(ステップS120)。エンジン50の回
転速度Neは分かっているので、これからどの程度の角
加速度でエンジン50の回転数を変化させるかを求める
のである。上述したステップS110,S115,S1
20における処理の詳細については、トルク制御ルーチ
ンの概要を説明した後で、再度詳しく説明する。
【0043】こうしてエンジン50の角加速度αeが設
定されると、この設定した値を用いてクラッチモータ3
0,アシストモータ40およびエンジン50の各制御を
行なう(ステップS126ないしS129)。各モータ
30,40などの制御は、モータの各相コイルに流れる
電流を検出し、これをd軸電流,q軸電流に3相−2相
変換し、必要なトルクが得られるようにd軸電流,q軸
電流を求めた後、2相−3相変換して各相コイルに流す
べき電流の大きさを求めることにより行なわれる。ここ
では、モータの詳しい制御についての説明は省略する。
【0044】C.バッテリ出力PBおよびエンジン角加
速度αeの算出:本実施例では、上記ステップS110
ないしS120において、バッテリ94の出力PBおよ
びエンジン50の角加速度αeは、次のようにして定め
た。図1に示した車輌で係合切換装置10がポジション
aにある場合、即ちアンダドライブの状態となっている
場合の車輌の動力系の運動方程式を考える。運動方程式
において、諸元を次のように定義する。 Ie:エンジンからクラッチモータ30までの慣性(フ
ライホイールなど図示しない要素の慣性も含まれるもの
とする)、 Ip:アシストモータ40+クラッチモータのアウタロ
ータ32+駆動軸22までの慣性、 Tc:クラッチモータ30の出力トルク、 Ta:アシストモータ40の出力トルク、 Tp:駆動軸22に出力されるトルク、 ωe:エンジン50の回転数(回転角速度)、 ωp:駆動軸22の回転数、 αe:エンジン50の回転角加速度、 αp:駆動軸22の回転角加速度。
【0045】ここで、車輌の運動方程式は、 Ie・αe=Tc+Te Ip・αp=Ta−Tc=Tp …(1) となる。アシストモータ40、クラッチモータ30,エ
ンジン50および駆動軸22の各々の仕事率Pa,P
c,Pe,Ppは、それぞれの回転数をNa,Nc,N
e,Npとすると、それぞれ次式(2)となる。 Pa=Ta・Na=Ta・ωp Pc=Tc・Nc=Tc・(ωe−ωp) Pe=Te・Ne=Te・ωe Pp=Tp・Np=(Ta−Tc)・ωp =Pa−Pc・ωp/(ωe−ωp) …(2)
【0046】これらを用いて運動方程式(1)を書き直
すと、 Ie・αe=Pe/ωe+Pc/(ωe−ωp) Ip・αp=Pa/ωp−Pc/(ωe−ωp) …(3) となる。この運動方程式を微分型に書き直すと、システ
ムのエネルギ変化量の式となり、エンジンについてのエ
ネルギの変化量ΔEeと駆動軸についてのエネルギの変
化量ΔEp、および上記式(2)を用いて、式(3)
は、次のように書き直すことができる。
【0047】
【数1】
【0048】更に、この式(4)の第2式を、PB=P
a+Pbであることを用いて変形する。PB=Pa+P
cであるとは、加速の初期においては動力は、すべてバ
ッテリ94から持ち出される電力PBによりまかなわれ
ることから、直ちに了解される。第2式の変形は、途中
Pc=Pc(ωe−ωp)/(ωe−ωp)という置き
換えを経由し、エネルギ保存則の微分型である次式
(5)を導くことができる。
【0049】
【数2】
【0050】上記式(5)は、各式の両辺を足し合わせ
ることにより、 ΔEe+ΔEp=Pe+PB …(6) となる。即ち、エンジン50から駆動軸22に至る系の
総ての運動エネルギは、エンジン50の仕事Peとバッ
テリ94から持ち出される電力によって変化することが
分かる。ここで、バッテリ94からは永続的にエネルギ
を持ち出すことはできない。バッテリ94は、一時的に
エネルギを取り出したり(放電)、一時的にエネルギを
蓄えたり(充電)するが、燃料電池のようにそれ自身で
電気的なエネルギを生成するものではない。したがっ
て、理想的には、車両の運動エネルギは、ガソリンなど
の燃料の燃焼により、つまりエンジン50により賄われ
るものと考えることができる。即ち、Pe=Ppであ
り、これを上記式(5)の第2式に当てはめた上で、第
1式に代入すると、次式(7)を得る。
【0051】
【数3】
【0052】即ち、エンジン50の回転数ωeは、バッ
テリ94の仕事率に依存して変化することが了解され
る。エンジン50の動作点(回転数およびトルク)は、
通常図6に示すように、エンジン50の運転効率が最善
となるような動作ラインELに沿って決定されるから、
エンジン50から取り出すエネルギは、その回転数に強
く依存して変化する。即ち、アクセルペダルの踏込に応
じて車速を上昇すべく車輌の運動エネルギを大きくしよ
うすれば、エンジン50の回転数を上昇させてやること
が必要となり、そのために利用できるものは、本実施例
のシステムでは、バッテリ94の電力のみである、とい
うことになる。
【0053】なお、以上の議論は、係合切換装置10が
ポジションcにあって、いわゆるオーバドライブ結合さ
れている場合でも同様である。途中の式の展開は、省略
するが、上記式(4)に相当する式(8)を、以下のよ
うに導くことができる。この場合でも、式(6)の関係
は同一となるから、上記の議論はそのまま当てはめるこ
とができる。
【0054】
【数4】
【0055】以上の議論により、車輌に対する加速の要
求があった場合、本実施例のシステムでは、最終的には
エンジン50の回転数を増加させなければならず、その
ために利用できるものは、バッテリ94に蓄えられた電
力であることが了解される。しかし、バッテリ94の電
力をすべてエンジン50の回転数の上昇に費やすと、エ
ンジン50の回転数が十分に上昇するまでは車輌を加速
できないことになり、運転者がアクセルペダルを踏み込
んでから実際に車輌が加速を開始するまでにタイムラグ
を生じてしまう。そこで、本実施例では、バッテリ94
の電力を、エンジン50の回転数の上昇に用いる割合
と、車輌の加速、即ち駆動軸22の回転数の上昇に用い
る割合とを、エンジン50の運転常体に応じて逐次定
め、両者の最適なバランスを実現する。
【0056】まず、ステップS110におけるバッテリ
94の出力PBの決定は、次のように行なう。 PB=PBmax (Pe*−Pe>PBmax ) PB=Pe*−Pe PB=PBmin (Pe*−Pe<PBmin ) 即ち、バッテリ94から出力する電力を、エンジン50
の目標動力Pe*とエンジン50の回転速度ωeに依存
する現に出力している動力との差により決定し、これ
が、バッテリ94から取り出せる最大電力より大きい場
合には、最大値PBmax に制限し、安定に取り出せる最
小電力より小さい場合には、最小値PBminに制限する
のである。なお、現在のエンジン50の出力Peは、図
6に示したように、実施例のシステムでのエンジン50
の動作特性線が分かっているので、エンジン50の回転
数ωeから直ちに求めることができる。
【0057】こうしてバッテリ94から取り出す電力P
Bを決定した後、次に、ステップS115で、エンジン
50の運動エネルギの増加分ΔEeを決定するが、これ
は、本実施例では、次の式(9)にしたがって決定して
いる。
【0058】
【数5】
【0059】エンジン50の運動エネルギの増加分ΔE
eを決定する式は、種々考えることができる。実施例で
は、{1−(Pe/Pe*)2 }の項が、エンジン50
の回転数の増加と共に値0に急速に近づいていくよう設
定している。この結果、時間と共にエンジンの運動エネ
ルギの増加量は小さくなり、その分、バッテリ94の電
力を駆動軸22の回転数の増加に振り向けることにな
る。ステップS115にて、エンジン50の運動エネル
ギの増加分ΔEeを決定したあと、この増加分ΔEeに
より、次式(10)により、エンジン50の角加速度α
eを決定する(ステップS120)。また、加速度と速
度の関係から、制御周期Δtを用いて、エンジンの目標
回転速度ωe*を、式(11)により求める。
【0060】
【数6】
【0061】クラッチモータ30,アシストモータ40
の各制御(ステップS126,S128)およびEFI
ECU70によるエンジンの制御(ステップS129)
は、この目標回転数ωe*に基づいて行なわれる。
【0062】D.制御例:上記の式に基づいて実際に各
モータ30,40およびエンジン50を制御した場合の
車輌の加速の様子を図7に示した。図7において、破線
Bは、エンジンの運動エネルギの増加分ΔEeを一定に
した場合の制御特性(以下従来例と呼ぶ)を、実線J
は、本実施例における制御特性を、それぞれ示してい
る。また、アクセルペダル64が踏み込まれた後、約
0.5秒間は、係合切換装置10により、係合状態を切
り換えている時間である。定常走行時には、車輌の負荷
が軽いことからオーバドライブ状態で走行していること
が多く、ここから加速が要求されると、駆動軸22に出
力すべきトルクが大きな値になることから、アンダドラ
イブ状態に切り換えることが多い。この間は、一定の割
合でエンジン50の目標回転数を高くしていく制御を行
なっている。
【0063】図7(C)に示したように、係合切換装置
10による切換が完了して、上記の手法によりエンジン
50のエネルギの増加分ΔEeの決定、角加速度αeの
演算が行なわれるようになると、エンジン50の回転数
Neは、従来例より素早く上昇する。エンジン50の回
転数Neが高くなってエンジン50が出力し得るエネル
ギが大きくなると、これを車輌の加速に振り向けること
が可能なる。実際、図7(A)に示したように、係合切
換装置10による係合状態の切換が完了した後の車輌の
加速度は、切換直後のわずかな期間(0.3秒以下)で
は、従来例の方が高くなっているが、その後、本実施例
による制御の方が高い加速性を示す。しかも、加速度は
滑らかに変化している。車輌加速度が高くなった結果、
車速は、図7(B)に示したように、結果的には従来例
より短時間に高くなっている。したがって、本実施例と
従来例とを比較すると、本実施例による制御の方が、加
速を要求してからの車輌の加速感が改善され、ドライバ
ビリティが改善されている。即ち、本実施例では、車載
のバッテリ94が一時的に出力できる電力PBに関し、
これをエンジン50の回転数Neの増加に用いる割合
と、駆動軸22の回転数の上昇に用いる割合とを、逐次
決定しており、限られたエネルギしか利用できない条件
の下で、加速性能を最大限に引き出すことができる。
【0064】なお、本実施例では、ドライバビリティを
重視して、加速要求に応答して早い時点で車輌が加速す
るような特性を設定したが、上記エンジンの運動エネル
ギの増加分ΔEeを決定する式(9)は、種々の設定が
可能である。本実施例のように、目標トルクが変更され
た直後には、エンジンの出力の増減に用いる割合が大き
く、エンジンの回転数が増加するに従って該割合が漸減
する特性とする場合でも、様々な手法が採用可能であ
る。例えば式(9)に代えて、 ΔEe=G1(Pe,Pe*,PB) =(1−Pe/Pe*)(Pe+PB) …(12) を用いることもできる。また、時間の関数項を加えるこ
ともできる。目標トルクが高い値に変更された場合のみ
ならず、低い値に変更された場合にも、適用することが
できる。即ち、エネルギ保存則の下で、エンジンの回転
数の増加に用いるエネルギの割合と、駆動軸22の回転
数の増加に用いるエネルギの割合とを、逐次決定する構
成であれば良く、例えば初速の立ち上がりはゆっくりし
ていても、最高速に達するまでの時間を最も短くする仕
様や、一旦車速が上昇し(使用できるエネルギの大半を
駆動軸の回転数の増加に用いる)、その後、車速の増加
は緩やかになり(使用できるエネルギの大半をエンジン
の回転数の増加に用いる)、その上で車輌が再度大きく
加速するという仕様など、所望のプロフィールを想定
し、これに近い特性を実現することが可能である。な
お、必ずしもドライバビリティの改善を目的としなくと
も良く、例えば燃費や排気浄化性能を優先した動作特性
に従って制御するものとしても良い。
【0065】E.他の構成例:以上、本発明の一つの実
施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定さ
れるものではなく、種々の態様で実施することができ
る。例えば、上記実施例の2つのモータをエンジンに対
して異なる結合の形態をとった構成(例えば特開平10
−289021号公報、図11,図12、図15ないし
図17に示された各構成)としても良い。また、エンジ
ンの出力をプラネタリギヤを用いて分配するいわゆる機
械分配式の構成(例えば特開平10−289021号公
報、図19以下に示された各構成)を採用することも可
能である。かかる構成の一例を図8に示した。図8に示
した機械分配式の動力伝達装置20Aは、制御装置18
0の構成は第1実施例の制御装置80と同一なので、第
2実施例の動力出力装置20Aの構成のうち第1実施例
の動力出力装置20と同一の構成については、値100
を加えた符号を付し、その説明は省略する。第1実施例
と異なる構成について、即ちエンジン150からデファ
レンシャルギヤ114までの構成について、以下簡単に
説明する。
【0066】図8に示すように、この動力出力装置20
Aは、大きくは、エンジン150、エンジン150のク
ランクシャフト156にプラネタリキャリア124が機
械的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタリギ
ヤ120のサンギヤ121に結合されたモータMG1、
プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合された
モータMG2、およびモータMG1,MG2を駆動制御
する制御装置180から構成されている。周知のよう
に、プラネタリギヤは、サンギヤ、プラネタリキャリ
ア、リングギヤのそれぞれに結合された3軸間におい
て、2軸に入出力される動力が決定されると、他の1軸
の回転数・トルクが決定されるという特性を有してい
る。この特性を利用して、エンジン150から出力され
る動力を、そのまま駆動軸112に出力する動力と、モ
ータMG1との間でやり取りされる動力とに分配してい
る。
【0067】プラネタリギヤ120のリングギヤ122
には、動力の取り出し用の動力取出ギヤ128が結合さ
れている。この動力取出ギヤ128は、チェーンベルト
129により動力伝達ギヤ111に接続されており、動
力取出ギヤ128と動力伝達ギヤ111との間で動力の
伝達がなされる。この動力伝達ギヤ111はディファレ
ンシャルギヤ114にギヤ結合されている。したがっ
て、動力出力装置20Aから出力された動力は、最終的
に左右の駆動輪に伝達される。
【0068】モータMG1,MG2は、同期電動発電機
として構成され、第1実施例のアシストモータと同一の
構成を備える。これらのモータMG1,MG2は、発電
機としても動作する。なお、サンギヤ軸には、その回転
角度θsを検出するレゾルバ139が、リングギヤ軸に
は、その回転角度θrを検出するレゾルバ149が、そ
れぞれ設けられている。これらの検出器は、直接には回
転角度を検出しているが、回転角度を時間で微分するこ
とにより、回転角速度を検出することができることは、
第1実施例と同様である。
【0069】かかる構成を備えた車輌でも、第1実施例
と同様、加速の要求が生じた場合には、バッテリに蓄え
られた電力を用いて、エンジン150の運動エネルギの
増加分ΔEeを逐次求め、エンジンの回転角加速度を決
定してエンジン150を制御することは、第1実施例と
同様である。したがって、機械分配式のハイブリッド車
輌においても、第1実施例と同様、加速性を高め、ドラ
イバビリティを改善することができる。もとより、加速
性能だけでなく、所望の特性で加減速を行なうことが可
能である。
【0070】以上二つの構成を説明したが、本発明は、
これらの構成に限定されるものではなく、例えば係合切
換装置10が存在しない動力出力系を採用した構成、2
つのモータのうちの一つを他の車軸に設けたいわゆる四
輪駆動車の構成、車輌以外のアプリケーション、例えば
航空機や船舶、あるいは工作機械などの動力源として用
いた構成、など、 ΔEe+ΔEp=Pe+PB なる関係を満たしている系であれば、いずれの構成であ
っても適用することができる。
【0071】また、上述した実施例では、エンジン50
として、ガソリンを噴射・爆発燃焼するタイプのいわゆ
るレシプロエンジンを用いたが、その他に、ロータリエ
ンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェ
ットエンジンなど各種の内燃あるいは外燃機関を用いる
ことができる。
【0072】また、実施例で用いたクラッチモータ30
やアシストモータ40には、PM形(永久磁石形;Perm
anent Magnet type)同期電動機を用いたが、その他に
も、VR形(可変リラクタンス形;Variable Reluctanc
e type)同期電動機や、バーニアモータや、直流電動機
や、誘導電動機や、超電導モータや、ステップモータな
どを用いることができる。
【0073】本実施例では、第1および第2の駆動回路
91,92としてトランジスタインバータを用いたが、
その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポーラモードトラ
ンジスタ;Insulated Gate Bipolar mode Transistor)
インバータや、サイリスタインバータや、電圧PWM
(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)インバータ
や、方形波インバータ(電圧形インバータ,電流形イン
バータ)や、共振インバータなどを用いることもでき
る。
【0074】また、バッテリ94としては、PBバッテ
リ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いること
ができるが、更にバッテリに代えて電気二重層コンデン
サなどの大容量キャパシタを用いることもできる。フラ
イホイールを用いたフライホイールバッテリも使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置20の
概略構成を示す構成図である。
【図2】実施例の動力出力装置20を組み込んだ車輌の
概略構成を示す構成図である。
【図3】動力出力装置20の動作原理を説明するための
グラフである。
【図4】実施例の制御装置80により実行されるトルク
制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図5】アクセルペダルポジションAPと回転数Ndと
トルク指令値Td*との関係を例示するマップである。
【図6】エンジン50の動作特性を示すグラフである。
【図7】実施例における加速特性の一例を従来例との比
較において示すグラフである。
【図8】第2実施例としての機械分配タイプの動力出力
装置20Aの概略構成図である。
【符号の説明】
10…係合切換装置 11…アクチュエータ 20…動力出力装置 22…駆動軸 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 30,40…モータ 30…クラッチモータ 32…アウタロータ 34…インナロータ 35…永久磁石 36…三相コイル 37…チェーン 38…スリップリング 39…レゾルバ 40…アシストモータ 42…ロータ 44…三相コイル 46…永久磁石 48…レゾルバ 50…エンジン 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 55…ダンパ 56…クランクシャフト 58…イグナイタ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64…アクセルペダル 64a…アクセルペダルポジションセンサ 65…ブレーキペダル 65a…ブレーキペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91…第1の駆動回路 92…第2の駆動回路 94…バッテリ 95,96…電流検出器 97,98…電流検出器 99…残容量検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D039 AA01 AA02 AA03 AA07 AB27 AC04 AC21 AD06 AD11 3D041 AA32 AA66 AB01 AC01 AC30 AD00 AD02 AD04 AD05 AD10 AD12 AD14 AD31 AD41 AE02 AE03 AE04 AE07 AE09 3G093 AA07 AA16 BA15 CB06 DA01 DA03 DA05 DA06 DA12 DB01 DB15 EA03 EA05 EA07 EA13 EB09 FA08 FA10 FB02 5H115 PG04 PI16 PI29 PO17 PU02 PU09 PU10 PU22 PU25 PV10 PV23 PV25 QE10 QI04 QN03 QN12 QN24 RB22 RB26 RE02 RE03 SE05 SJ12 SJ13 TE03 TE08 TI02 TO12 TO21 TO23 TO30

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 前記駆動軸に動力の少なくとも一部を直接出力する原動
    機と、 該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において、少
    なくとも動力を加える補助電動機と、 該電動機による前記動力の付加に対応して電力を供給す
    る電力供給手段と、 前記駆動軸の目標トルクが与えられたとき、前記電力供
    給手段から出力する電力を決定すると共に、該電力を駆
    動軸の出力トルクの増減に用いる割合と、前記原動機の
    出力の増減に用いる割合とを、前記原動機の運転状態に
    応じて逐次決定する決定手段と、 該決定された割合に基づいて、前記補助電動機および前
    記原動機を制御する制御手段とを備えた動力出力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動力出力装置であって、 前記決定手段は、前記駆動軸の目標トルクが変更された
    直後には、前記原動機の出力の増減に用いる割合が大き
    く、前記原動機の回転数が増加するに従って該割合が漸
    減する特性として定められた動力出力装置。
  3. 【請求項3】 前記原動機の運転状態を変更する場合
    に、該原動機を、燃費または排気浄化性能を優先した動
    作特性に従って制御する制御手段を備えた請求項1また
    は請求項2記載の動力出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか記載
    の動力出力装置であって、 前記電力供給手段は、電力の供給および蓄積が可能な二
    次電池であり、 前記二次電池と少なくとも前記補助電動機との間で、電
    力のやり取りを行なう電力制御回路を備えた動力出力装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の動力出力装置であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、互いに
    回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、
    該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力
    軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、 前記補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合した動力
    出力装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の動力出力装置であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、互いに
    回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、
    該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力
    軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、 前記補助電動機を、前記駆動軸に結合した動力出力装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の動力出力装置であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、互いに
    回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、
    該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力
    軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合すると共
    に、 前記補助電動機と前記原動機の出力軸または前記駆動軸
    との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えた
    動力出力装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の動力出力装置であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1な
    し第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力す
    る動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力
    入出力手段を備え、 該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動
    機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結
    合すると共に、該第3の回転軸には、前記電力供給手段
    との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配
    用電動機を結合し、 更に、前記補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合し
    た動力出力装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項4のいずれか記載
    の動力出力装置であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1な
    し第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力す
    る動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力
    入出力手段を備え、 該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動
    機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結
    合すると共に、該第3の回転軸には、前記電力供給手段
    との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配
    用電動機を結合し、 更に、前記補助電動機を、前記駆動軸に結合した動力出
    力装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項4のいずれか記
    載の動力出力装置であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1な
    し第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力す
    る動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力
    入出力手段を備え、 該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動
    機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結
    合すると共に、該第3の回転軸には、前記電力供給手段
    との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配
    用電動機を結合し、 更に、前記補助電動機と前記原動機の出力軸または前記
    駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を
    備えた動力出力装置。
  11. 【請求項11】 駆動軸に動力の少なくとも一部を直接
    出力する原動機と、該原動機から前記駆動軸への動力の
    伝達系において、少なくとも動力を加える補助電動機
    と、該電動機による前記動力の付加に対応して電力を供
    給する電力供給手段とを備えた動力出力装置を制御する
    方法であって、 前記駆動軸の目標トルクが与えられたとき、前記電力供
    給手段から出力する電力を決定すると共に、該電力を駆
    動軸の出力トルクの増減に用いる割合と、前記原動機の
    出力の増減に用いる割合とを、該原動機の運転状態に応
    じて逐次決定し、 該決定された割合に基づいて、前記補助電動機および前
    記原動機を制御する動力出力制御方法。
  12. 【請求項12】 前記駆動軸に動力の少なくとも一部を
    直接出力する原動機と、 該原動機から前記駆動軸への動力の伝達系において、少
    なくとも動力を付加可能な補助電動機と、 該電動機による前記動力の付加に対応して電力を供給す
    る電力供給手段とを備えたハイブリッド車輌であって、 少なくと前記駆動軸の回転数とアクセルの操作量とから
    該駆動軸の目標トルクを求める目標トルク決定手段と、 該求められた目標トルクと現在の駆動軸に出力されてい
    るトルクとの偏差に基づいて、前記電力供給手段から持
    ち出す電力を決定すると共に、該電力を駆動軸の出力ト
    ルクの増減に用いる割合と、前記原動機の回転数の増減
    に用いる割合とを前記原動機の運転状態に応じて逐次決
    定する決定手段と、 該決定された割合に基づいて、前記補助電動機および前
    記原動機を制御する制御手段とを備えたハイブリッド車
    輌。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の動力出力装置であっ
    て、 前記決定手段は、前記駆動軸の目標トルクが変更された
    直後には、前記原動機の回転数の増減に用いる割合が大
    きく、前記原動機の回転数が増加するに従って該割合が
    漸減する特性として定められた動力出力装置。
  14. 【請求項14】 前記原動機の運転状態を変更する場合
    に、該原動機を、燃費または排気浄化性能を優先した動
    作特性に従って制御する制御手段を備えた請求項12ま
    たは請求項13記載の動力出力装置。
  15. 【請求項15】 請求項12ないし請求項14のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記電力供給手段は、電力の供給および蓄積が可能な二
    次電池であり、更に前記二次電池と少なくとも前記補助
    電動機との間で、電力のやり取りを行なう電力制御回路
    を備えたハイブリッド車輌。
  16. 【請求項16】 請求項12ないし請求項15のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、互いに
    回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、
    該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力
    軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、 前記補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合したハイ
    ブリッド車輌。
  17. 【請求項17】 請求項12ないし請求項15のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、互いに
    回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、
    該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力
    軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合し、 前記補助電動機を、前記駆動軸に結合したハイブリッド
    車輌。
  18. 【請求項18】 請求項12ないし請求項15のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、互いに
    回転可能な対ロータを有する動力伝達用電動機を備え、
    該動力伝達用電動機の一つのロータを前記原動機の出力
    軸に結合し、他のロータを前記駆動軸に結合すると共
    に、 前記補助電動機と前記原動機の出力軸または前記駆動軸
    との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を備えた
    ハイブリッド車輌。
  19. 【請求項19】 請求項12ないし請求項15のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1な
    し第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力す
    る動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力
    入出力手段を備え、 該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動
    機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結
    合すると共に、該第3の回転軸には、前記電力供給手段
    との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配
    用電動機を結合し、 更に、前記補助電動機を、前記原動機の出力軸に結合し
    たハイブリッド車輌。
  20. 【請求項20】 請求項12ないし請求項15のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1な
    し第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力す
    る動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力
    入出力手段を備え、 該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動
    機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結
    合すると共に、該第3の回転軸には、前記電力供給手段
    との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配
    用電動機を結合し、 更に、前記補助電動機を、前記駆動軸に結合したハイブ
    リッド車輌。
  21. 【請求項21】 請求項12ないし請求項15のいずれ
    か記載のハイブリッド車輌であって、 前記原動機から前記駆動軸への動力の伝達系に、第1な
    し第3の回転軸を有し、該3軸のうちの2軸に入出力す
    る動力が決まると残余の1軸の動力が定まる3軸式動力
    入出力手段を備え、 該3軸式動力入出力手段の前記第1の回転軸に前記原動
    機の出力軸を結合し、該第2の回転軸に前記駆動軸を結
    合すると共に、該第3の回転軸には、前記電力供給手段
    との間で電力のやりとりを行なって運転される動力分配
    用電動機を結合し、 更に、前記補助電動機と前記原動機の出力軸または前記
    駆動軸との結合の状態を切り換える結合状態切換手段を
    備えたハイブリッド車輌。
  22. 【請求項22】 車輌の駆動軸に動力の少なくとも一部
    を直接出力する原動機と、該原動機から前記駆動軸への
    動力の伝達系において、少なくとも動力を加える補助電
    動機と、該電動機による前記動力の付加に対応して電力
    を供給する電力供給手段とを備えたハイブリッド車輌を
    制御する方法であって、 前記駆動軸の回転数とアクセルペダルの操作量とから目
    標トルクを求め、 該求めた目標トルクに基づいて、前記原動機から最終的
    に出力すべき動力を求め、 前記目標トルクと前記駆動軸の現在の出力トルクとの偏
    差に基づいて、前記電力供給手段から持ち出す電力を決
    定し、 該電力を駆動軸の出力トルクの増減に用いる割合と、前
    記原動機の回転数の増減に用いる割合とを、該原動機の
    現在出力されている動力と前記最終的に出力される動力
    との偏差に応じて逐次決定し、 該決定された割合に基づいて、前記補助電動機および前
    記原動機を制御するハイブリッド車輌の制御方法。
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