JP2000358303A - 動力出力装置 - Google Patents

動力出力装置

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JP2000358303A
JP2000358303A JP2000118318A JP2000118318A JP2000358303A JP 2000358303 A JP2000358303 A JP 2000358303A JP 2000118318 A JP2000118318 A JP 2000118318A JP 2000118318 A JP2000118318 A JP 2000118318A JP 2000358303 A JP2000358303 A JP 2000358303A
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motor
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torque
shaft
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JP2000118318A
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Shoichi Sasaki
正一 佐々木
Tetsuya Abe
哲也 阿部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原動機から出力される動力を用いて原動機の
出力軸の回転方向と逆向きの動力を駆動軸に出力する。 【解決手段】 動力出力装置110Dは、プラネタリギ
ヤ120と、そのプラネタリキャリアにクランクシャフ
ト156が結合されたエンジン150と、サンギヤに取
り付けられたモータMG1と、リングギヤに取り付けら
れたモータMG2とを備え、クランクシャフト156に
前後進切換ギヤユニット250を有する。エンジン15
0から出力されるトルクは、前後進切換ギヤユニット2
50により逆向きの動力に切り換えられた状態で後段の
動力取出ギヤ128に出力される。この結果、エンジン
150のクランクシャフトとは逆向きの動力をリングギ
ヤに出力することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動軸に動力を出
力する動力出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原動機から出力される動力をトル
ク変換して駆動軸に出力する動力出力装置としては、流
体を利用したトルクコンバータと変速機とを組み合わせ
てなるものが用いられていた。このトルクコンバータで
は、動力の入力軸と出力軸とが完全にロックされないた
め、両軸間に滑りが生じ、この滑りに応じたエネルギ損
失が発生していた。このエネルギ損失は、正確には、両
軸の回転数差とその時に動力の出力軸に伝達されるトル
クとの積で表わされ、熱として消費されるものである。
【0003】また、この動力出力装置では、原動機の出
力軸の回転方向とは逆向きに駆動軸を回転させる場合に
は、変速機を原動機の出力軸の回転を逆転して伝達する
リバースギヤとして機能させることにより行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、こうした
動力出力装置を動力源として搭載する車両では、発進時
や登り勾配を低速で走行するときなどのように大パワー
が要求されるときには、トルクコンバータでのエネルギ
損失が大きくなり、エネルギ効率が低いものとなってし
まう。また、定常走行時であっても、トルクコンバータ
における動力の伝達効率は100パーセントにならない
から、例えば、手動式のトランスミッションと較べて、
その燃費は低くならざるを得ない。
【0005】本発明は、上述の問題を解決し、原動機か
ら出力される動力を高効率に駆動軸に出力する動力出力
装置を提供することを目的の一つとする。
【0006】なお、出願人は、上述の問題に鑑み、流体
を用いたトルクコンバータを用いるのではなく、原動機
と遊星歯車装置と発電機と電動機とバッテリとを備え、
原動機から出力される動力やバッテリに蓄えられた電力
を用いて電動機から出力される動力を駆動軸に出力する
ものを提案している(特開昭第50−30223号公
報)。しかし、この提案の出願では、原動機から出力さ
れる動力を用いて、原動機の出力軸の回転方向と逆向き
の動力を駆動軸に出力する手法については明示されてい
なかった。
【0007】そこで、本発明の動力出力装置は、原動機
から出力される動力を用いて原動機の出力軸の回転方向
と逆向きの動力を駆動軸に出力することを目的の一つと
する。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置およびその制御方法は、上述の目的
の少なくとも一部を達成するために次の手段を採った。
本発明の動力出力装置は、駆動軸に動力を出力する動力
出力装置であって、出力軸を有する原動機と、回転軸を
有し、該回転軸に動力を入出力する第1の電動機と、前
記駆動軸に動力を入出力する第2の電動機と、前記駆動
軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結合される3軸を
有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出力された
とき、該入出力された動力に基づいて定まる動力を残余
の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手段と、前記原動
機の出力軸に設けられ、所定の逆転要求に応じて該出力
軸の回転動力を逆転させて後段に伝達する逆転伝達手段
とを備えることを要旨とする。
【0009】この本発明の動力出力装置は、3軸式動力
入出力手段が、第2の電動機により動力が入出力される
駆動軸と原動機の出力軸と第1の電動機により動力が入
出力される回転軸とに各々結合される3軸を有し、この
3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出力されたとき、入
出力された動力に基づいて定まる動力を残余の1軸へ入
出力する。原動機の出力軸に設けられた逆転伝達手段
は、所定の逆転要求に応じて原動機の出力軸の回転動力
を逆転させて後段に伝達する。
【0010】こうした本発明の動力出力装置によれば、
原動機から出力される動力を回転方向が逆向きの動力と
して後段に伝達、すなわち3軸式動力入出力手段に出力
するから、原動機の出力軸の回転方向とは逆向きの動力
を駆動軸に出力することができる。この結果、駆動軸の
回転方向を問わず同じ大きさの動力を駆動軸に出力する
ことができる。
【0011】この本発明の動力出力装置において、前記
逆転伝達手段に代えて、前記駆動軸に設けられ、所定の
逆転要求に応じて該駆動軸の回転動力を逆転させて後段
に伝達する逆転伝達手段を備えるものとすることもでき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。まず、実施例の説明に先立ち、
参考例について説明する。図1は本発明の実施例に対す
る参考例としての動力出力装置110の概略構成を示す
構成図、図2は参考例の動力出力装置110の部分拡大
図、図3は参考例の動力出力装置110を組み込んだ車
両の概略構成を示す構成図である。説明の都合上、まず
図3を用いて、車両全体の構成から説明する。
【0013】図3に示すように、この車両は、ガソリン
を燃料として動力を出力するエンジン150を備える。
このエンジン150は、吸気系からスロットルバルブ1
66を介して吸入した空気と燃料噴射弁151から噴射
されたガソリンとの混合気を燃焼室152に吸入し、こ
の混合気の爆発により押し下げられるピストン154の
運動をクランクシャフト156の回転運動に変換する。
ここで、スロットルバルブ166はアクチュエータ16
8により開閉駆動される。点火プラグ162は、イグナ
イタ158からディストリビュータ160を介して導か
れた高電圧によって電気火花を形成し、混合気はその電
気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0014】このエンジン150の運転は、電子制御ユ
ニット(以下、EFIECUと呼ぶ)170により制御
されている。EFIECU170には、エンジン150
の運転状態を示す種々のセンサが接続されている。例え
ば、スロットルバルブ166の開度(ポジション)を検
出するスロットルバルブポジションセンサ167、エン
ジン150の負荷を検出する吸気管負圧センサ172、
エンジン150の水温を検出する水温センサ174、デ
ィストリビュータ160に設けられクランクシャフト1
56の回転数と回転角度を検出する回転数センサ176
及び回転角度センサ178などである。なお、EFIE
CU170には、この他、例えばイグニッションキーの
状態STを検出するスタータスイッチ179なども接続
されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は
省略した。
【0015】エンジン150のクランクシャフト156
は、後述するプラネタリギヤ120やモータMG1,モ
ータMG2を介して駆動軸112を回転軸とする動力伝
達ギヤ111に機械的に結合されており、この動力伝達
ギヤ111はディファレンシャルギヤ114にギヤ結合
されている。したがって、動力出力装置110から出力
された動力は、最終的に左右の駆動輪116,118に
伝達される。モータMG1およびモータMG2は、制御
装置180に電気的に接続されており、この制御装置1
80によって駆動制御される。制御装置180の構成は
後で詳述するが、内部には制御CPUが備えられてお
り、シフトレバー182に設けられたシフトポジション
センサ184やアクセルペダル164に設けられたアク
セルペダルポジションセンサ164a,ブレーキペダル
165に設けられたブレーキペダルポジションセンサ1
65aなども接続されている。また、制御装置180
は、上述したEFIECU170と通信により、種々の
情報をやり取りしている。これらの情報のやり取りを含
む制御については、後述する。
【0016】図1に示すように、参考例の動力出力装置
110は、大きくは、エンジン150、エンジン150
のクランクシャフト156にプラネタリキャリア124
が機械的に結合されたプラネタリギヤ120、プラネタ
リギヤ120のサンギヤ121に結合されたモータMG
1、プラネタリギヤ120のリングギヤ122に結合さ
れたモータMG2およびモータMG1,MG2を駆動制
御する制御装置180から構成されている。
【0017】プラネタリギヤ120およびモータMG
1,MG2の構成について、図2により説明する。プラ
ネタリギヤ120は、クランクシャフト156に軸中心
を貫通された中空のサンギヤ軸125に結合されたサン
ギヤ121と、クランクシャフト156と同軸のリング
ギヤ軸126に結合されたリングギヤ122と、サンギ
ヤ121とリングギヤ122との間に配置されサンギヤ
121の外周を自転しながら公転する複数のプラネタリ
ピニオンギヤ123と、クランクシャフト156の端部
に結合され各プラネタリピニオンギヤ123の回転軸を
軸支するプラネタリキャリア124とから構成されてい
る。このプラネタリギヤ120では、サンギヤ121,
リングギヤ122およびプラネタリキャリア124にそ
れぞれ結合されたサンギヤ軸125,リングギヤ軸12
6およびクランクシャフト156の3軸が動力の入出力
軸とされ、3軸のうちいずれか2軸へ入出力される動力
が決定されると、残余の1軸に入出力される動力は決定
された2軸へ入出力される動力に基づいて定まる。な
お、このプラネタリギヤ120の3軸への動力の入出力
についての詳細は後述する。
【0018】リングギヤ122には、動力の取り出し用
の動力取出ギヤ128が結合されている。この動力取出
ギヤ128は、チェーンベルト129により動力伝達ギ
ヤ111に接続されており、動力取出ギヤ128と動力
伝達ギヤ111との間で動力の伝達がなされる。
【0019】モータMG1は、同期電動発電機として構
成され、外周面に複数個の永久磁石135を有するロー
タ132と、回転磁界を形成する三相コイル134が巻
回されたステータ133とを備える。ロータ132は、
プラネタリギヤ120のサンギヤ121に結合されたサ
ンギヤ軸125に結合されている。ステータ133は、
無方向性電磁鋼板の薄板を積層して形成されており、ケ
ース119に固定されている。このモータMG1は、永
久磁石135による磁界と三相コイル134によって形
成される磁界との相互作用によりロータ132を回転駆
動する電動機として動作し、永久磁石135による磁界
とロータ132の回転との相互作用により三相コイル1
34の両端に起電力を生じさせる発電機として動作す
る。なお、サンギヤ軸125には、その回転角度θsを
検出するレゾルバ139が設けられている。
【0020】モータMG2も、モータMG1と同様に同
期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁
石145を有するロータ142と、回転磁界を形成する
三相コイル144が巻回されたステータ143とを備え
る。ロータ142は、プラネタリギヤ120のリングギ
ヤ122に結合されたリングギヤ軸126に結合されて
おり、ステータ143はケース119に固定されてい
る。モータMG2のステータ143も無方向性電磁鋼板
の薄板を積層して形成されている。このモータMG2も
モータMG1と同様に、電動機あるいは発電機として動
作する。なお、リングギヤ軸126には、その回転角度
θrを検出するレゾルバ149が設けられている。
【0021】次に、モータMG1,MG2を駆動制御す
る制御装置180について説明する。図1に示すよう
に、制御装置180は、モータMG1を駆動する第1の
駆動回路191、モータMG2を駆動する第2の駆動回
路192、両駆動回路191,192を制御する制御C
PU190、二次電池であるバッテリ194から構成さ
れている。制御CPU190は、1チップマイクロプロ
セッサであり、内部に、ワーク用のRAM190a、処
理プログラムを記憶したROM190b、入出力ポート
(図示せず)およびEFIECU170と通信を行なう
シリアル通信ポート(図示せず)を備える。この制御C
PU190には、レゾルバ139からのサンギヤ軸12
5の回転角度θs、レゾルバ149からのリングギヤ軸
126の回転角度θr、アクセルペダルポジションセン
サ164aからのアクセルペダルポジション(アクセル
ペダルの踏込量)AP、ブレーキペダルポジションセン
サ165aからのブレーキペダルポジション(ブレーキ
ペダルの踏込量)BP、シフトポジションセンサ184
からのシフトポジションSP、第1の駆動回路191に
設けられた2つの電流検出器195,196からの電流
値Iu1,Iv2、第2の駆動回路192に設けられた
2つの電流検出器197,198からの電流値Iu2,
Iv2、バッテリ194の残容量を検出する残容量検出
器199からの残容量BRMなどが、入力ポートを介して
入力されている。なお、残容量検出器199は、バッテ
リ194の電解液の比重またはバッテリ194の全体の
重量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の
電流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッ
テリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部
抵抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知ら
れている。
【0022】また、制御CPU190からは、第1の駆
動回路191に設けられたスイッチング素子である6個
のトランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号
SW1と、第2の駆動回路192に設けられたスイッチ
ング素子としての6個のトランジスタTr11ないしT
r16を駆動する制御信号SW2とが出力されている。
第1の駆動回路191内の6個のトランジスタTr1な
いしTr6は、トランジスタインバータを構成してお
り、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソ
ース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、
その接続点に、モータMG1の三相コイル(UVW)3
4の各々が接続されている。電源ラインL1,L2は、
バッテリ194のプラス側とマイナス側に、それぞれ接
続されているから、制御CPU190により対をなすト
ランジスタTr1ないしTr6のオン時間の割合を制御
信号SW1により順次制御し、三相コイル134の各コ
イルに流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦
波にすると、三相コイル134により、回転磁界が形成
される。
【0023】他方、第2の駆動回路192の6個のトラ
ンジスタTr11ないしTr16も、トランジスタイン
バータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路19
1と同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接
続点は、モータMG2の三相コイル144の各々に接続
されている。したがって、制御CPU190により対を
なすトランジスタTr11ないしTr16のオン時間を
制御信号SW2により順次制御し、各コイル144に流
れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波にする
と、三相コイル144により、回転磁界が形成される。
【0024】以上構成を説明した参考例の動力出力装置
110の動作について説明する。参考例の動力出力装置
110の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通り
である。エンジン150を回転数Ne,トルクTeの運
転ポイントP1で運転し、このエンジン150から出力
されるエネルギPeと同一のエネルギであるが異なる回
転数Nr,トルクTrの運転ポイントP2でリングギヤ
軸126を運転する場合、すなわち、エンジン150か
ら出力される動力をトルク変換してリングギヤ軸126
に作用させる場合について考える。この時のエンジン1
50とリングギヤ軸126の回転数およびトルクの関係
を図4に示す。
【0025】プラネタリギヤ120の3軸(サンギヤ軸
125,リングギヤ軸126およびプラネタリキャリア
124(クランクシャフト156))における回転数や
トルクの関係は、機構学の教えるところによれば、図5
および図6に例示する共線図と呼ばれる図として表わす
ことができ、幾何学的に解くことができる。なお、プラ
ネタリギヤ120における3軸の回転数やトルクの関係
は、上述の共線図を用いなくても各軸のエネルギを計算
することなどにより数式的に解析することもできる。本
参考例では説明の容易のため共線図を用いて説明する。
【0026】図5における縦軸は3軸の回転数軸であ
り、横軸は3軸の座標軸の位置の比を表わす。すなわ
ち、サンギヤ軸125とリングギヤ軸126の座標軸
S,Rを両端にとったとき、プラネタリキャリア124
の座標軸Cは、軸Sと軸Rを1:ρに内分する軸として
定められる。ここで、ρは、リングギヤ122の歯数に
対するサンギヤ121の歯数の比であり、次式(1)で
表わされる。
【0027】
【数1】
【0028】いま、エンジン150が回転数Neで運転
されており、リングギヤ軸126が回転数Nrで運転さ
れている場合を考えているから、エンジン150のクラ
ンクシャフト156が結合されているプラネタリキャリ
ア124の座標軸Cにエンジン150の回転数Neを、
リングギヤ軸126の座標軸Rに回転数Nrをプロット
することができる。この両点を通る直線を描けば、この
直線と座標軸Sとの交点で表わされる回転数としてサン
ギヤ軸125の回転数Nsを求めることができる。以
下、この直線を動作共線と呼ぶ。なお、回転数Nsは、
回転数Neと回転数Nrとを用いて比例計算式(次式
(2))により求めることができる。このようにプラネ
タリギヤ120では、サンギヤ121,リングギヤ12
2およびプラネタリキャリア124のうちいずれか2つ
の回転を決定すると、残余の1つの回転は、決定した2
つの回転に基づいて決定される。
【0029】
【数2】
【0030】次に、描かれた動作共線に、エンジン15
0のトルクTeをプラネタリキャリア124の座標軸C
を作用線として図中下から上に作用させる。このとき動
作共線は、トルクに対してはベクトルとしての力を作用
させたときの剛体として取り扱うことができるから、座
標軸C上に作用させたトルクTeは、平行な2つの異な
る作用線への力の分離の手法により、座標軸S上のトル
クTesと座標軸R上のトルクTerとに分離すること
ができる。このときトルクTesおよびTerの大きさ
は、次式(3)および(4)によって表わされる。
【0031】
【数3】
【0032】動作共線がこの状態で安定であるために
は、動作共線の力の釣り合いをとればよい。すなわち、
座標軸S上には、トルクTesと大きさが同じで向きが
反対のトルクTm1を作用させ、座標軸R上には、リン
グギヤ軸126に出力するトルクTrと同じ大きさで向
きが反対のトルクとトルクTerとの合力に対し大きさ
が同じで向きが反対のトルクTm2を作用させるのであ
る。このトルクTm1はモータMG1により、トルクT
m2はモータMG2により作用させることができる。こ
のとき、モータMG1では回転の方向と逆向きにトルク
を作用させるから、モータMG1は発電機として動作す
ることになり、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わ
される電気エネルギPm1をサンギヤ軸125から回生
する。モータMG2では、回転の方向とトルクの方向と
が同じであるから、モータMG2は電動機として動作
し、トルクTm2と回転数Nrとの積で表わされる電気
エネルギPm2を動力としてリングギヤ軸126に出力
する。
【0033】ここで、電気エネルギPm1と電気エネル
ギPm2とを等しくすれば、モータMG2で消費する電
力のすべてをモータMG1により回生して賄うことがで
きる。このためには、入力されたエネルギのすべてを出
力するものとすればよいから、エンジン150から出力
されるエネルギPeとリングギヤ軸126に出力される
エネルギPrとを等しくすればよい。すなわち、トルク
Teと回転数Neとの積で表わされるエネルギPeと、
トルクTrと回転数Nrとの積で表わされるエネルギP
rとを等しくするのである。図4に照らせば、運転ポイ
ントP1で運転されているエンジン150から出力され
るトルクTeと回転数Neとで表わされる動力を、トル
ク変換して、同一のエネルギでトルクTrと回転数Nr
とで表わされる動力としてリングギヤ軸126に出力す
るのである。前述したように、リングギヤ軸126に出
力された動力は、動力取出ギヤ128および動力伝達ギ
ヤ111により駆動軸112に伝達され、ディファレン
シャルギヤ114を介して駆動輪116,118に伝達
される。したがって、リングギヤ軸126に出力される
動力と駆動輪116,118に伝達される動力とにはリ
ニアな関係が成立するから、駆動輪116,118に伝
達される動力は、リングギヤ軸126に出力される動力
を制御することにより制御することができる。
【0034】図5に示す共線図ではサンギヤ軸125の
回転数Nsは正であったが、エンジン150の回転数N
eとリングギヤ軸126の回転数Nrとによっては、図
6に示す共線図のように負となる場合もある。このとき
には、モータMG1では、回転の方向とトルクの作用す
る方向とが同じになるから、モータMG1は電動機とし
て動作し、トルクTm1と回転数Nsとの積で表わされ
る電気エネルギPm1を消費する。一方、モータMG2
では、回転の方向とトルクの作用する方向とが逆になる
から、モータMG2は発電機として動作し、トルクTm
2と回転数Nrとの積で表わされる電気エネルギPm2
をリングギヤ軸126から回生することになる。この場
合、モータMG1で消費する電気エネルギPm1とモー
タMG2で回生する電気エネルギPm2とを等しくすれ
ば、モータMG1で消費する電気エネルギPm1をモー
タMG2で丁度賄うことができる。
【0035】以上、参考例の動力出力装置110におけ
る基本的なトルク変換について説明したが、参考例の動
力出力装置110は、こうしたエンジン150から出力
される動力のすべてをトルク変換してリングギヤ軸12
6に出力する動作の他に、エンジン150から出力され
る動力(トルクTeと回転数Neとの積)と、モータM
G1により回生または消費される電気エネルギPm1
と、モータMG2により消費または回生される電気エネ
ルギPm2とを調節することにより、余剰の電気エネル
ギを見い出してバッテリ194を放電する動作とした
り、不足する電気エネルギをバッテリ194に蓄えられ
た電力により補う動作など種々の動作とすることもでき
る。
【0036】なお、以上の動作原理では、プラネタリギ
ヤ120やモータMG1,モータMG2,トランジスタ
Tr1ないしTr16などによる動力の変換効率を値1
(100%)として説明した。実際には、値1未満であ
るから、エンジン150から出力されるエネルギPeを
リングギヤ軸126に出力するエネルギPrより若干大
きな値とするか、逆にリングギヤ軸126に出力するエ
ネルギPrをエンジン150から出力されるエネルギP
eより若干小さな値とする必要がある。例えば、エンジ
ン150から出力されるエネルギPeを、リングギヤ軸
126に出力されるエネルギPrに変換効率の逆数を乗
じて算出される値とすればよい。また、モータMG2の
トルクTm2を、図5の共線図の状態ではモータMG1
により回生される電力に両モータの効率を乗じたものか
ら算出される値とし、図6の共線図の状態ではモータM
G1により消費される電力を両モータの効率で割ったも
のから算出すればよい。なお、プラネタリギヤ120で
は機械摩擦などにより熱としてエネルギを損失するが、
その損失量は全体量からみれば極めて少なく、モータM
G1,MG2に用いた同期電動機の効率は値1に極めて
近い。また、トランジスタTr1ないしTr16のオン
抵抗もGTOなど極めて小さいものが知られている。し
たがって、動力の変換効率は値1に近いものとなるか
ら、以下の説明でも、説明の容易のため、明示しない限
り値1(100%)として取り扱う。
【0037】次にこうした参考例の動力出力装置110
において、クランクシャフト156の回転方向とは逆向
きにリングギヤ軸126を回転駆動する動作、すなわち
車両を後進させる際の動作について、バッテリ194に
蓄えられた電気エネルギを用いてモータMG2により後
進させる動作と、エンジン150から出力される動力を
トルク変換することにより後進させる動作とに分けて説
明する。
【0038】バッテリ194に蓄えられた電気エネルギ
を用いてモータMG2により後進させる動作は、エンジ
ン150を停止すると共にモータMG1のトルクTm1
を値0とした状態で、モータMG2からリングギヤ軸1
26に車両が後進する方向の動力を出力することにより
行なう。このとき動作共線は、エンジン150を空回り
させるのに必要なエネルギとモータMG1を空回りさせ
るのに必要なエネルギの和の最も小さい状態に落ち着
く。参考例の動力出力装置110では、エンジン150
として4サイクルのガソリンエンジンを用いているか
ら、エンジン150を空回りさせるのに必要なエネル
ギ、すなわち、エンジン150のピストンの摩擦や圧縮
等に要するエネルギは、モータMG1のロータ132を
空回りさせるのに必要なエネルギよりも大きくなる。し
たがって、動作共線は、図7の共線図に示すように、エ
ンジン150が停止し、モータMG1が空回りする状態
となる。
【0039】エンジン150から出力される動力をトル
ク変換することにより後進させる動作は、図5および図
6の共線図を用いて説明した動作を、リングギヤ軸12
6の回転数NrとモータMG2のトルクTm2が共に負
の値のものに適用することにより行なわれる。このとき
の共線図を図8に示す。図示するように、動作共線にお
ける座標軸C上に作用するトルクと座標軸S上に作用す
るトルクは、図5および図6の共線図で説明したとおり
である。動作共線における座標軸R上には、エンジン1
50から座標軸C上に出力されたトルクTeに基づくト
ルクTerが作用するから、リングギヤ軸126に負の
トルク(クランクシャフト156の回転方向と逆向きの
トルク)を作用させるには、このトルクTerより大き
な逆向きのトルクを作用させればよい。すなわち、モー
タMG2から大きさがトルクTerより大きい負のトル
クを出力すればよい。
【0040】このとき、モータMG1は、サンギヤ軸1
25の回転に対して逆向きのトルクを作用させているか
ら発電機として動作し、モータMG2はリングギヤ軸1
26の回転に対して同じ向きのトルクを出力しているか
ら電動機として動作する。したがって、モータMG1に
より回生される電気エネルギPm1とモータMG2によ
り消費する電気エネルギPm2とを等しくすれば、エン
ジン150から出力された動力を負の回転の動力にトル
ク変換してリングギヤ軸126に出力することができ
る。また、モータMG1により回生される電気エネルギ
Pm1をモータMG2により消費する電気エネルギPm
2より大きくすれば、余剰の電気エネルギを生み出すこ
とができ、これによりバッテリ194を充電することが
できる。さらに、モータMG1により回生される電気エ
ネルギPm1をモータMG2により消費する電気エネル
ギPm2より小さくすれば、電気エネルギが不足するこ
ととなり、この不足分をバッテリ194からの放電によ
り賄うことができる。このように参考例の動力出力装置
110では、モータMG1により回生される電気エネル
ギPm1とモータMG2により消費する電気エネルギP
m2とを調整することによりバッテリ194の残容量B
RMを調整することができるのである。
【0041】次に、こうした参考例の動力出力装置11
0における後進時のトルク制御について図9に例示する
後進時トルク制御ルーチンに基づき説明する。本ルーチ
ンは、運転者がシフトレバー182をリバースの位置に
セットしたのをシフトポジションセンサ184によって
検出されたときに実行され、シフトレバー182がリバ
ースの位置にある間、所定時間毎(例えば、8msec
毎)に実行される。本ルーチンが実行されると、制御装
置180の制御CPU190は、まず、アクセルペダル
ポジションセンサ164aによって検出されるアクセル
ペダルポジションAPを入力する処理を行なう(ステッ
プS100)。アクセルペダル164は運転者が出力ト
ルクが足りないと感じたときに踏み込まれるものである
から、アクセルペダルポジションAPは運転者の欲して
いる出力トルク(すなわち、駆動輪116,118に出
力すべきトルク)に対応するものとなる。
【0042】続いて、読み込まれたアクセルペダルポジ
ションAPに基づいてリングギヤ軸126に出力すべき
トルクの目標値であるトルク指令値Tr*を導出する処
理を行なう(ステップS102)。ここで、アクセルペ
ダルポジションAPに基づいて駆動輪116,118に
出力すべきトルクを導出せずに、リングギヤ軸126に
出力すべきトルクを導出するのは、リングギヤ軸126
は動力取出ギヤ128,動力伝達ギヤ111およびディ
ファレンシャルギヤ114を介して駆動輪116,11
8に機械的に結合されているから、リングギヤ軸126
に出力すべきトルクを導出すれば、駆動輪116,11
8に出力すべきトルクを導出する結果となるからであ
る。なお、参考例では、トルク指令値Tr*とアクセル
ペダルポジションAPとの関係を示すマップを予めRO
M190bに記憶しておき、アクセルペダルポジション
APが読み込まれると、読み込まれたアクセルペダルポ
ジションAPとROM190bに記憶したマップとに基
づいてトルク指令値Tr*の値を導出するものとした。
なお、本ルーチンは、シフトレバー182がリバースの
位置に設定されるときに実行されるものであるから、ト
ルク指令値Tr*は負の値である。
【0043】次に、残容量検出器199により検出され
るバッテリ194の残容量BRMを入力し(ステップS1
04)、入力した残容量BRMを閾値Brefと比較する
(ステップS106)。ここで、閾値Brefは、バッ
テリ194に蓄えられた電気エネルギを用いて所定時間
モータMG2により後進させることができる電力量とし
て設定されるものであり、車両の重量や車両の使用目的
などによって定められる。
【0044】バッテリ194の残容量BRMが閾値Bre
fより大きいときには、バッテリ194の残容量BRMが
十分にあると判断して、エンジン150の運転を停止す
る信号を通信によりEFIECU170に出力し(ステ
ップS108)、モータMG1のトルク指令値Tm1*
に値0を設定すると共に(ステップS110)、モータ
MG2のトルク指令値Tm2*にトルク指令値Tr*の
値を設定する(ステップS112)。そして、モータM
G1,モータMG2およびエンジン150の各制御を行
なう(ステップS114ないしS118)。参考例で
は、図示の都合上、モータMG1,モータMG2および
エンジン150の各制御を別々のステップとして記載し
たが、実際には、これらの制御は平行にかつ総合的に行
なわれる。例えば、制御CPU190が割り込み処理を
利用して、モータMG1とモータMG2の制御を同時に
平行して実行すると共に、通信により指示を受けたEF
IECU170によりエンジン150の制御も同時に行
なわせるのである。
【0045】モータMG1の制御(図9のステップS1
14)は、図11に例示するモータMG1の制御ルーチ
ンによりなされる。このルーチンが実行されると、制御
装置180の制御CPU190は、まず、サンギヤ軸1
25の回転角度θsをレゾルバ139から入力する処理
を行なう(ステップS180)。続いて、電流検出器1
95,196により、モータMG1の三相コイル134
のU相とV相に流れている電流Iu1,Iv1を検出す
る処理を行なう(ステップS182)。電流はU,V,
Wの三相に流れているが、その総和はゼロなので、二つ
の相に流れる電流を測定すれば足りる。こうして得られ
た三相の電流を用いて座標変換(三相−二相変換)を行
なう(ステップS184)。座標変換は、永久磁石型の
同期電動機のd軸,q軸の電流値に変換することであ
り、次式(5)を演算することにより行なわれる。ここ
で座標変換を行なうのは、永久磁石型の同期電動機にお
いては、d軸およびq軸の電流が、トルクを制御する上
で本質的な量だからである。もとより、三相のまま制御
することも可能である。
【0046】
【数4】
【0047】次に、2軸の電流値に変換した後、モータ
MG1におけるトルク指令値Tm1*から求められる各
軸の電流指令値Id1*,Iq1*と実際各軸に流れた
電流Id1,Iq1と偏差を求め、各軸の電圧指令値V
d1,Vq1を求める処理を行なう(ステップS18
6)。すなわち、まず以下の式(6)の演算を行ない、
次に次式(7)の演算を行なうのである。ここで、Kp
1,Kp2,Ki1,Ki2は、各々係数である。これ
らの係数は、適用するモータの特性に適合するよう調整
される。なお、電圧指令値Vd1,Vq1は、電流指令
値I*との偏差ΔIに比例する部分(式(7)右辺第1
項)と偏差ΔIのi回分の過去の累積分(右辺第2項)
とから求められる。
【0048】
【数5】
【0049】その後、こうして求めた電圧指令値をステ
ップS184で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS188)、
実際に三相コイル134に印加する電圧Vu1,Vv
1,Vw1を求める処理を行なう。各電圧は、次式
(8)により求める。
【0050】
【数6】
【0051】実際の電圧制御は、第1の駆動回路191
のトランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間によ
りなされるから、式(8)によって求めた各電圧指令値
となるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時
間をPWM制御する(ステップS199)。
【0052】ここで、モータMG1のトルク指令値Tm
1*の符号を図5や図6の共線図におけるトルクTm1
の向きを正とすれば、同じ正の値のトルク指令値Tm1
*が設定されても、図5の共線図の状態のようにトルク
指令値Tm1*の作用する向きとサンギヤ軸125の回
転の向きとが異なるときには回生制御がなされ、図6の
共線図の状態のように同じ向きのときには力行制御がな
される。しかし、モータMG1の力行制御と回生制御
は、トルク指令値Tm1*が正であれば、ロータ132
の外周面に取り付けられた永久磁石135と三相コイル
134に流れる電流により生じる回転磁界とにより正の
トルクがサンギヤ軸125に作用するよう第1の駆動回
路191のトランジスタTr1ないしTr6を制御する
ものであるから、同一のスイッチング制御となる。すな
わち、トルク指令値Tm1*の符号が同じであれば、モ
ータMG1の制御が回生制御であっても力行制御であっ
ても同じスイッチング制御となる。したがって、図11
のモータMG1の制御ルーチンで回生制御と力行制御の
いずれも行なうことができる。また、トルク指令値Tm
1*が負のときには、ステップS180で読み込むサン
ギヤ軸125の回転角度θsの変化の方向が逆になるだ
けであるから、このときの制御も図11のモータMG1
の制御ルーチンにより行なうことができる。
【0053】なお、モータMG1のトルク指令値Tm1
*に値0が設定されたときでも、図11のモータMG1
の制御ルーチンによりモータMG1を制御することは可
能であるが、このときにはトランジスタTr1ないしT
r6のすべてをオフとする制御としてもよい。
【0054】次に、モータMG2の制御処理(図9のス
テップS116)について図12に例示するモータMG
2の制御ルーチンに基づき説明する。モータMG2の制
御処理は、モータMG1の制御処理うちトルク指令値T
m1*とサンギヤ軸125の回転角度θsに代えてトル
ク指令値Tm2*とリングギヤ軸126の回転角度θr
とを用いる点を除き、モータMG1の制御処理と全く同
一である。すなわち、リングギヤ軸126の回転角度θ
rをレゾルバ149を用いて検出し(ステップS19
0)、続いてモータMG2の各相電流を電流検出器19
7,198を用いて検出し(ステップS192)、その
後、座標変換(ステップS194)および電圧指令値V
d2,Vq2の演算を行ない(ステップS196)、更
に電圧指令値の逆座標変換(ステップS198)を行な
って、モータMG2の第2の駆動回路192のトランジ
スタTr11ないしTr16のオンオフ制御時間を求
め、PWM制御を行なう(ステップS199)。
【0055】ここで、モータMG2もトルク指令値Tm
2*の向きとリングギヤ軸126の回転の向きとにより
力行制御されたり回生制御されたりするが、モータMG
1と同様に、力行制御も回生制御も共に図15のモータ
MG2の制御処理で行なうことができる。なお、参考例
では、モータMG2のトルク指令値Tm2*の符号は、
図5の共線図の状態のときのトルクTm2の向きを正と
した。
【0056】次に、エンジン150の制御(図9のステ
ップS118)について説明する。エンジン150は、
その目標とする運転ポイントが目標トルクTe*と目標
回転数Ne*とによって設定されると、設定された運転
ポイントで定常運転状態となるようエンジン150のト
ルクTeと回転数Neとが制御される。具体的には、制
御CPU190から通信によりEFIECU170に指
示を送信し、燃料噴射弁151からの燃料噴射量やスロ
ットルバルブ166の開度を増減して、エンジン150
の出力トルクが目標トルクTe*に、回転数が目標回転
数Ne*になるように徐々に調整するのである。なお、
図10のステップS130の処理で後述するが、エンジ
ン150の回転数NeはモータMG1によるサンギヤ軸
125の回転数Nsの制御によって行なわれるから、エ
ンジン150の制御では、エンジン150から目標トル
クTe*が出力されるようスロットルバルブ166の制
御および吸入空気量に対する空燃比制御となる。なお、
エンジン150の運転の停止指令が制御CPU190か
ら出力されたときには、スロットルバルブ166を全閉
すると共に燃料噴射の停止および点火の停止の処理とな
る。
【0057】こうした各制御によりステップS106で
バッテリ194の残容量BRMが閾値Brefより大きい
ときには、エンジン150を停止すると共にモータMG
1のトルクTm1を値0とした状態で、モータMG2か
らリングギヤ軸126に車両が後進する方向で値がTr
のトルクTm1が出力される。このときの動作共線は、
前述したように、図7の共線図に示すとおりとなる。な
お、モータMG2により消費される電気エネルギはバッ
テリ194から放電される電力によることは勿論であ
る。
【0058】一方、ステップS106でバッテリ194
の残容量BRMが閾値Bref以下のときには、バッテリ
194の残容量BRMは十分でないと判断して、エンジン
150から出力される動力を逆向きの動力にトルク変換
してリングギヤ軸126に出力する処理としてステップ
S120ないしS132の処理を行なう。この処理で
は、制御装置180の制御CPU190は、まず、リン
グギヤ軸126の回転数Nrを読み込む処理を行なう
(ステップS120)。リングギヤ軸126の回転数N
rは、レゾルバ149により検出されるリングギヤ軸1
26の回転角度θrから求めることができる。続いて、
読み込まれたリングギヤ軸126の回転数Nrとステッ
プS102で導き出されたトルク指令値Tr*とから、
リングギヤ軸126に出力すべきエネルギPrを計算
(Pr=Tr*×Nr)により求め(ステップS12
2)、求めたエネルギPrに基づいてエンジン150の
目標トルクTe*と目標回転数Ne*とを設定する処理
を行なう(ステップS124)。ここで、エンジン15
0から出力するエネルギPeはそのトルクTeと回転数
Neとの積に等しいから、リングギヤ軸126に出力す
べきエネルギPrとエンジン150の目標トルクTe*
および目標回転数Ne*との関係はPr=Pe=Te*
×Ne*となる。この関係を満足するエンジン150の
目標トルクTe*と目標回転数Ne*との組み合せは無
数に存在する。そこで、参考例では、実験などにより各
エネルギPrに対してエンジン150ができる限り効率
の高い状態で運転される運転ポイントを目標トルクTe
*と目標回転数Ne*との組み合わせとして求め、これ
を予めROM190bにマップとして記憶しておき、エ
ネルギPrに対応する目標トルクTe*と目標回転数N
e*との組み合わせをこのマップから導出するものとし
た。
【0059】次に、レゾルバ139により検出されるサ
ンギヤ軸125の回転角度θsから求められるサンギヤ
軸125の回転数Nsを読み込み(ステップS12
6)、エンジン150の目標回転数Ne*とリングギヤ
軸126の回転数Nrとを用いて次式(9)によりサン
ギヤ軸125の回転数の目標値である目標回転数Ns*
を計算する(ステップS128)。この式(9)は、上
述した式(2)と同様の式である。
【0060】
【数7】
【0061】続いて、次式(10)により計算される値
をモータMG1のトルク指令値Tm1*として設定する
(ステップS130)。ここで、式(10)中の右辺第
1項は図8における動作共線の釣り合いから求められ、
右辺第2項は回転数Nsの目標回転数Ns*からの偏差
を打ち消す比例項であり、右辺第3項は定常偏差をなく
す積分項である。したがって、モータMG1のトルク指
令値Tm1*は、定常状態(回転数Nsの目標回転数N
s*からの偏差が値0のとき)では、動作共線の釣り合
いから求められる右辺第1項のTe*/(1+ρ)に等
しく設定されることになる。なお、式(10)中のK1
およびK2は、比例定数である。
【0062】
【数8】
【0063】そして、次式(11)により計算される値
をモータMG2のトルク指令値Tm2*に設定する(ス
テップS132)。ここで、式(11)は、動作共線が
図8の状態で定常状態となったときにリングギヤ軸12
6にトルク指令値Tr*のトルクを出力するものとして
求められる。この式(11)で設定されるモータMG2
のトルク指令値Tm2*は、エンジン150の目標トル
クTe*は正の値であり、トルク指令値Tr*は負の値
であることから、トルク指令値Tr*の絶対値と目標ト
ルクTe*の絶対値との和の値に負の符号を付したもの
となり、エンジン150から出力されるトルクTeに基
づいてリングギヤ軸126に出力されるトルクTerよ
り大きさが大きくて逆向きのトルクとなる。
【0064】
【数9】
【0065】こうした式(10)および式(11)によ
る両モータMG1,MG2のトルク指令値Tm1*,T
m2*の設定は、図8の共線図の状態で定常状態になる
と、モータMG1により回生される電気エネルギPm1
がそのままモータMG2により消費される電気エネルギ
Pm2として用いられる値となり、エンジン150から
出力されるエネルギPeをトルク変換してリングギヤ軸
126に出力することになる。
【0066】こうしてエンジン150の目標トルクTe
*と目標回転数Ne*,モータMG1,MG2のトルク
指令値Tm1*,Tm2*を設定すると、この設定値を
用いてエンジン150,モータMG1およびモータMG
2の各制御を行なう(ステップS114ないしS11
8)。
【0067】以上説明した参考例の動力出力装置110
によれば、エンジン150から出力されるエネルギPe
をトルク変換してリングギヤ軸126、延いては駆動輪
116,118に出力することができる。したがって、
バッテリ194からの放電なしに車両を後進させること
ができる。また、参考例の動力出力装置110によれ
ば、バッテリ194の残容量BRMに基づいて、バッテリ
194に蓄えられた電気エネルギをモータMG2によっ
て機械エネルギに変換してリングギヤ軸126に出力す
るか、エンジン150から出力される機械エネルギをト
ルク変換してリングギヤ軸126に出力するかを選択す
るから、バッテリ194の過放電を防止することができ
る。
【0068】参考例の動力出力装置110では、バッテ
リ194の残容量BRMが閾値Bref以下のときには、
エンジン150から出力するエネルギPeをリングギヤ
軸126に出力すべきエネルギPrに等しくしてエンジ
ン150を運転し、エンジン150から出力されるエネ
ルギPeをトルク変換してリングギヤ軸126に出力す
るものとしたが、エンジン150から出力するエネルギ
Peをリングギヤ軸126に出力すべきエネルギPrよ
り大きくしてエンジン150を運転し、モータMG1で
回生される電力の一部によりバッテリ194を充電する
ものとしてもよい。例えば、図9および図10の後進時
トルク制御ルーチンのステップS124のエンジン15
0の目標トルクTe*および目標回転数Ne*の設定処
理に代えて、図13に例示するステップS224および
S225の処理を実行すればよい。ステップS224で
は、バッテリ194の残容量BRMの状態に基づいてバッ
テリ194を充電するエネルギPbiを設定し、ステッ
プS225では、リングギヤ軸126に出力すべきエネ
ルギPrに設定した充電エネルギPbiを加えたものを
エンジン150から出力すべきエネルギPeとして目標
トルクTe*および目標回転数Ne*を設定するのであ
る。このように設定すると、モータMG1により回生さ
れる電気エネルギPm1とモータMG2により消費され
る電気エネルギPm2とに偏差が生じて、余剰の電気エ
ネルギが見出され、この余剰の電気エネルギによりバッ
テリ194が充電される。このように充電エネルギPb
iを考慮してエンジン150の目標トルクTe*および
目標回転数Ne*を設定すれば、車両を後進しながらバ
ッテリ194を充電することができる。また、こうした
バッテリ194の充電によりバッテリ194の残容量B
RMが閾値Brefより大きくなると、図9のステップS
106の判定でバッテリ194の充電は不要と判断さ
れ、ステップS108ないしS118の処理が実行され
るから、バッテリ194の残容量BRMを閾値Bref以
上の範囲内にすることができる。
【0069】参考例の動力出力装置110では、バッテ
リ194の残容量BRMが閾値Bref未満のときにはエ
ンジン150の運転を停止するものとしたが、エンジン
150の目標回転数Ne*に所定の回転数、例えばアイ
ドル回転数を設定し、エンジン150を所定の回転数で
運転するものとしてもよい。この場合にも、モータMG
1のトルク指令値Tm1*に値0を設定することによ
り、モータMG1は空回りすることになる。こうすれ
ば、エンジン150の運転を停止する場合に比して、エ
ンジン150の運転ポイントの変更を容易に行なうこと
ができる。
【0070】参考例の動力出力装置110では、リング
ギヤ軸126に出力された動力をリングギヤ122に結
合された動力取出ギヤ128を介してモータMG1とモ
ータMG2との間から取り出したが、図14の変形例の
動力出力装置110Aに示すように、リングギヤ軸12
6を延出してケース119から取り出すものとしてもよ
い。また、図15の変形例の動力出力装置110Bに示
すように、エンジン150側からプラネタリギヤ12
0,モータMG2,モータMG1の順になるよう配置し
てもよい。この場合、サンギヤ軸125Bは中空でなく
てもよく、リングギヤ軸126Bは中空軸とする必要が
ある。こうすれば、リングギヤ軸126Bに出力された
動力をエンジン150とモータMG2との間から取り出
すことができる。
【0071】参考例の動力出力装置110およびその変
形例では、FR型あるいはFF型の2輪駆動の車両に適
用するものとしたが、図16の変形例の動力出力装置1
10Cに示すように、4輪駆動の車両に適用するものと
してもよい。この構成では、リングギヤ軸126に結合
していたモータMG2をリングギヤ軸126より分離し
て、車両の後輪部に独立して配置し、このモータMG2
によって後輪部の駆動輪117,119を駆動する。一
方、リングギヤ軸126は動力取出ギヤ128および動
力伝達ギヤ111を介してディファレンシャルギヤ11
4に結合されて前輪部の駆動輪116,118を駆動す
る。このような構成の下においても、前述した後進時ト
ルク制御ルーチンを実行することは可能である。
【0072】次に本発明の実施例である動力出力装置1
10Dについて説明する。図17は、実施例の動力出力
装置110Dを組み込んだ車両の概略構成を示す構成図
である。図示するように、実施例の動力出力装置110
Dは、エンジン150のクランクシャフト156に前後
進切換ギヤユニット250が取り付けられている点を除
いて上記の参考例の動力出力装置110と同一の構成を
している。したがって、実施例の動力出力装置110D
の構成のうち参考例の動力出力装置110と同一の構成
については同一の符号を付し、その説明は省略する。な
お、明示しない限り参考例の説明の際に用いた符号はそ
のまま同じ意味で用いる。
【0073】図18は、前後進切換ギヤユニット250
の構成の概略を例示する概略構成図である。実施例の動
力出力装置110Dが備える前後進切換ギヤユニット2
50は、図示するように、クランクシャフト156のエ
ンジン150側とプラネタリギヤ120側にそれぞれ取
り付けられた出力軸動力ギヤ252a,252bと、順
方向ギヤ254および逆方向ギヤ255からなる前後進
切換ギヤ253と、出力軸動力ギヤ252bと噛合する
反転ギヤ256と、前後進切換ギヤ253を軸方向に駆
動するアクチュエータ258とを備える。前後進切換ギ
ヤ253の順方向ギヤ254は、出力軸動力ギヤ252
aと噛合しており、アクチュエータ258により前後進
切換ギヤ253が前進時の位置(図18において前後進
切換ギヤ253が右側へ移動したときの位置)とされた
ときには出力軸動力ギヤ252bと噛合し、後進時の位
置(図18における前後進切換ギヤ253の位置)とさ
れたときには出力軸動力ギヤ252bとの噛合が解除さ
れるよう、その歯が軸方向に長く形成されている。前後
進切換ギヤ253の逆方向ギヤ255は、順方向ギヤ2
54より径が若干小さく形成されており、アクチュエー
タ258により前後進切換ギヤ253が後進時の位置と
されたときには反転ギヤ256と噛合し、前進時の位置
とされたときには反転ギヤ256との噛合が解除される
ようになっている。
【0074】前後進切換ギヤ253が後進時の位置とさ
れたときの逆方向ギヤ255と反転ギヤ256および出
力軸動力ギヤ252bが噛合している状態を図19に示
す。逆方向ギヤ255の径をできる限り大きくして順方
向ギヤ254の径と略同一とするために、反転ギヤ25
6を、その回転軸が逆方向ギヤ255の回転軸とクラン
クシャフト156とを結ぶ直線上から外して設置してい
る。なお、前後進切換ギヤ253の回転軸の端部は、ア
クチュエータ258に嵌挿されており、アクチュエータ
258によりその軸方向の位置が変更されるようになっ
ている。また、アクチュエータ258は、導電ラインに
より制御装置180に接続されており、制御装置180
による駆動制御を受けるようになっている。
【0075】次に、こうして構成された実施例の動力出
力装置110Dにおける後進時のトルク制御について図
20に例示する後進時トルク制御ルーチンに基づき説明
する。本ルーチンは、シフトレバー182がリバース位
置にセットされたのをシフトポジションセンサ184に
より検出されたときに実行される。本ルーチンが実行さ
れると、制御装置180の制御CPU190は、まず、
前後進切換ギヤユニット250をリバースにセットする
(ステップS300)。即ち、前後進切換ギヤユニット
250のアクチュエータ258に駆動信号を出力して、
前後進切換ギヤ253が後進時の位置となるようアクチ
ュエータ258を動作させるのである。なお、実施例の
動力出力装置110Dでは、車両の前進状態および停止
状態では、通常、前後進切換ギヤ253の順方向ギヤ2
54が出力軸動力ギヤ252aおよび出力軸動力ギヤ2
52bに噛合している状態となっている。
【0076】続いて、アクセルペダルポジションセンサ
164aにより検出されるアクセルペダルポジションA
Pを読み込み(ステップS302)、読み込んだアクセ
ルペダルポジションAPを用いてリングギヤ軸126に
出力すべきトルク指令値Tr*を導出する処理を行なう
(ステップS304)。そして、図9および図10の後
進時トルク制御ルーチンにおけるステップS120ない
しS132の処理およびステップS114ないしS11
8の処理と同様の処理であるステップS306ないしS
324の処理を行なう。なお、ステップS314,S3
16およびS318の処理では、前後進切換ギヤユニッ
ト250がリバースにセットされているために、プラネ
タリギヤ120のプラネタリキャリア124に入力され
る動力はエンジン150から出力される動力に対してそ
の回転が逆向きとなるから、計算の必要上、エンジン1
50の目標トルクTe*および目標回転数Ne*にマイ
ナス1を乗じた。また、実施例でも、図示の都合上、モ
ータMG1,モータMG2およびエンジン150の各制
御を別々のステップとして記載したが、参考例と同様
に、これらの制御は同時に並行して総合的に行なわれ
る。
【0077】前後進切換ギヤユニット250がリバース
にセットされたときの共線図の一例を図21に示す。図
示するように、エンジン150がトルクTeおよび回転
数Neの運転ポイントP3で運転されているものとする
と、エンジン150の回転数NeとトルクTeは、クラ
ンクシャフト156に設けられた前後進切換ギヤユニッ
ト250により回転方向およびトルクの向きが逆となる
から、共線図上では横軸を鏡面とした際に運転ポイント
P3の鏡像として現われる運転ポイントP4にプロット
される。リングギヤ軸126の回転数Nrも負の値であ
るから。図21の共線図は、天地を入れ替えることによ
り図5の共線図の状態と等価なものとなり、同様に解析
することができる。
【0078】以上説明した実施例の動力出力装置110
Dによれば、前後進切換ギヤユニット250を備えるこ
とにより、車両を後進させるときにも、前進させるとき
と同様のトルクを出力することができる。
【0079】実施例の動力出力装置110では、エンジ
ン150から出力するエネルギPeをリングギヤ軸12
6に出力すべきエネルギPrに等しくしてエンジン15
0を運転し、エンジン150から出力されるエネルギP
eをトルク変換してリングギヤ軸126に出力するもの
としたが、バッテリ194の残容量BRMの状態に応じ
て、エンジン150から出力するエネルギPeをリング
ギヤ軸126に出力すべきエネルギPrより大きくした
り小さくしてエンジン150を運転し、モータMG1で
回生される電力の一部によりバッテリ194を充電した
り、モータMG2により消費される電力の一部をバッテ
リ194からの放電により賄うものとしてもよい。
【0080】また、実施例の動力出力装置110Dで
は、前後進切換ギヤユニット250をクランクシャフト
156に取り付けたが、前後進切換ギヤユニット250
をリングギヤ軸126より後段の駆動軸112などに取
り付けてもよい。例えば、図14の変形例の動力出力装
置110Aにおけるリングギヤ軸126のモータMG2
の図中左側に前後進切換ギヤユニット250を設けるも
のとすることができる。この場合の共線図の一例を図2
2に示す。図示するように、この場合の共線図は、車両
を前進させるときの図5の共線図と同一であるが、前後
進切換ギヤユニット250の後段側のリングギヤ軸12
6は、前後進切換ギヤユニット250によりその回転方
向とトルクの向きが逆にされるから、リングギヤ122
の運転ポイントP5の鏡像の位置にある運転ポイントP
6で運転されることになり、車両を後進させることがで
きる。
【0081】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0082】例えば、上述した各実施例では、エンジン
150としてガソリンエンジンを用いたが、その他に、
ディーゼルエンジンや、タービンエンジンや、ジェット
エンジンなど各種の内燃あるいは外燃機関を用いること
もできる。
【0083】また、各実施例では、3軸式動力入出力手
段としてプラネタリギヤ120を用いたが、一方はサン
ギヤと他方はリングギヤとギヤ結合すると共に互いにギ
ヤ結合しサンギヤの外周を自転しながら公転する2つ1
組の複数組みのプラネタリピニオンギヤを備えるダブル
ピニオンプラネタリギヤを用いるものとしてもよい。こ
の他、3軸式動力入出力手段として3軸のうちいずれか
2軸に入出力される動力を決定すれば、この決定した動
力に基づいて残余の1軸に入出力される動力を決定され
るものであれば如何なる装置やギヤユニット等、例え
ば、ディファレンシャルギヤ等を用いることもできる。
【0084】さらに、各実施例では、モータMG1およ
びモータMG2にPM形(永久磁石形;Permanent Magn
et type)同期電動機を用いたが、回生動作および力行
動作の双方が可能なものであれば、その他にも、VR形
(可変リラクタンス形;Variable Reluctance type)同
期電動機や、バーニアモータや、直流電動機や、誘導電
動機や、超電導モータや、ステップモータなどを用いる
こともできる。
【0085】あるいは、各実施例では、第1および第2
の駆動回路191,192としてトランジスタインバー
タを用いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポ
ーラモードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar mod
e Transistor)インバータや、サイリスタインバータ
や、電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulati
on)インバータや、方形波インバータ(電圧形インバー
タ,電流形インバータ)や、共振インバータなどを用い
ることもできる。
【0086】また、バッテリ194としては、Pbバッ
テリ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いるこ
とができるが、バッテリ194に代えてキャパシタを用
いることもできる。
【0087】以上の各実施例では、動力出力装置を車両
に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段
や、その他各種産業機械などに搭載することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に対する参考例としての動力出
力装置110の概略構成を示す構成図である。
【図2】参考例の動力出力装置110の部分拡大図であ
る。
【図3】参考例の動力出力装置110を組み込んだ車両
の概略の構成を例示する構成図である。
【図4】参考例の動力出力装置110の動作原理を説明
するためのグラフである。
【図5】参考例におけるプラネタリギヤ120に結合さ
れた3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図である。
【図6】参考例におけるプラネタリギヤ120に結合さ
れた3軸の回転数とトルクの関係を示す共線図である。
【図7】モータMG2から出力される後進方向の動力の
みをリングギヤ軸126に出力する際の共線図である。
【図8】エンジン150から出力される動力を後進方向
の動力にトルク変換してリングギヤ軸126に出力する
際の共線図である。
【図9】参考例の制御装置180により実行される後進
時トルク制御ルーチンの一部を例示するフローチャート
である。
【図10】参考例の制御装置180により実行される後
進時トルク制御ルーチンの一部を例示するフローチャー
トである。
【図11】参考例の制御装置180により実行されるモ
ータMG1の制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
【図12】参考例の制御装置180により実行されるモ
ータMG2の制御ルーチンを例示するフローチャートで
ある。
【図13】変形例の後進時トルク制御ルーチンの一部を
例示するフローチャートである。
【図14】変形例の動力出力装置110Aの概略構成を
示す構成図である。
【図15】変形例の動力出力装置110Bの概略構成を
示す構成図である。
【図16】参考例の動力出力装置110を4輪駆動車に
適用したときの具体例である動力出力装置110Cを組
み込んだ車両の概略構成を示す構成図である。
【図17】実施例の動力出力装置110Dを組み込んだ
車両の概略構成を示す構成図である。
【図18】前後進切換ギヤユニット250の構成の概略
を例示する概略構成図である。
【図19】前後進切換ギヤ253が後進時の位置とされ
たときの逆方向ギヤ255と反転ギヤ256と出力軸動
力ギヤ252bとの噛合状態を例示する説明図である。
【図20】実施例の制御装置180により実行される後
進時トルク制御ルーチンを例示するフローチャートであ
る。
【図21】実施例の後進時の動作共線の状態を例示する
共線図である。
【図22】実施例の変形例の後進時の動作共線の状態を
例示する共線図である。
【符号の説明】
110…動力出力装置 110A〜110D…動力出力装置 111…動力伝達ギヤ 112…駆動軸 114…ディファレンシャルギヤ 116,118…駆動輪 117,119…駆動輪 119…ケース 120…プラネタリギヤ 121…サンギヤ 122…リングギヤ 123…プラネタリピニオンギヤ 124…プラネタリキャリア 125…サンギヤ軸 126…リングギヤ軸 128…動力取出ギヤ 129…チェーンベルト 132…ロータ 133…ステータ 134…三相コイル 135…永久磁石 139…レゾルバ 142…ロータ 143…ステータ 144…三相コイル 145…永久磁石 149…レゾルバ 150…エンジン 151…燃料噴射弁 152…燃焼室 154…ピストン 156…クランクシャフト 158…イグナイタ 160…ディストリビュータ 162…点火プラグ 164…アクセルペダル 164a…アクセルペダルポジションセンサ 165…ブレーキペダル 165a…ブレーキペダルポジションセンサ 166…スロットルバルブ 167…スロットルバルブポジションセンサ 168…アクチュエータ 170…EFIECU 172…吸気管負圧センサ 174…水温センサ 176…回転数センサ 178…回転角度センサ 179…スタータスイッチ 180…制御装置 182…シフトレバー 184…シフトポジションセンサ 190…制御CPU 190a…RAM 190b…ROM 191…第1の駆動回路 192…第2の駆動回路 194…バッテリ 195,196…電流検出器 197,198…電流検出器 199…残容量検出器 250…前後進切換ギヤユニット 252a,252b…出力軸動力ギヤ 253…前後進切換ギヤ 254…順方向ギヤ 255…逆方向ギヤ 256…反転ギヤ 258…アクチュエータ AP…アクセルペダルポジション BRM…残容量 L1,L2…電源ライン MG1…モータ MG2…モータ Tr1〜Tr6…トランジスタ Tr11〜トルクTr16…トランジスタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有する原動機と、 回転軸を有し、該回転軸に動力を入出力する第1の電動
    機と、 前記駆動軸に動力を入出力する第2の電動機と、 前記駆動軸と前記出力軸と前記回転軸とに各々結合され
    る3軸を有し、該3軸のうちいずれか2軸へ動力が入出
    力されたとき、該入出力された動力に基づいて定まる動
    力を残余の1軸へ入出力する3軸式動力入出力手段と、 前記原動機の出力軸に設けられ、所定の逆転要求に応じ
    て該出力軸の回転動力を逆転させて後段に伝達する逆転
    伝達手段とを備える動力出力装置。
  2. 【請求項2】 前記逆転伝達手段に代えて、前記駆動軸
    に設けられ、所定の逆転要求に応じて該駆動軸の回転動
    力を逆転させて後段に伝達する逆転伝達手段を備える動
    力出力装置。
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CN101224700A (zh) * 2007-01-19 2008-07-23 福特全球技术公司 具有机械反转功能的混合动力车辆传动系统

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