JP3099700B2 - 動力伝達装置およびその制御方法 - Google Patents

動力伝達装置およびその制御方法

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  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達装置およ
びその制御方法に関し、詳しくは、原動機より得られる
動力を効率的に伝達または利用する動力伝達装置および
その制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力伝達装置としては、
車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と電動
機のロータに結合された駆動軸とを電磁継手により電磁
的に結合して原動機の動力を駆動軸に伝達するものが提
案されている(例えば、特開昭49−43311号公報
等)。この動力伝達装置の電磁継手は、電磁的な結合に
より原動機の出力の一部を駆動軸に伝達すると共に、そ
の滑りによって生じる回生電力を並列に接続された電動
機および二次電池に供給する。電動機は、電磁継手によ
り駆動軸に伝達される出力では不足するトルクを、電磁
継手による回生電力または二次電池からの電力を用いて
駆動軸に付加する。この動力伝達装置で駆動軸を制動す
るときには、電動機を発電機として動作させ、駆動軸の
回転エネルギを電気エネルギとして回生し、二次電池に
蓄える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た動力伝達装置では、駆動軸の制動力を電動機に頼って
いるから、急制動をも考慮すると、電動機の容量が大き
くなるという問題があった。電動機の容量を大きくする
と、電動機自体の大きさも大きくなるから、車両に搭載
する場合のように限られたスペースに設置することを考
慮すると好ましくない。また、電動機の容量を大きくす
れば、電動機を駆動して動力を得る際のエネルギ消費量
も大きくなるから、エネルギ効率の観点からも好ましく
ない。こうした問題に対し、電動機の容量を大きくせ
ず、急制動時には、機械的な摩擦によるブレーキ機構に
頼ることも考えられるが、駆動軸の回転エネルギを何等
回収せずに熱エネルギとして消失させてしまうから、こ
の手法も、エネルギ効率の観点から好ましくない。
【0004】また、上記の動力伝達装置では、二次電池
が満充電の状態のときには、電動機による回生電力を二
次電池に蓄えることができず、電動機による制動を行な
うことができないという問題があった。
【0005】本発明の動力伝達装置およびその制御方法
は、こうした問題を解決し、エネルギ効率が良く、急制
動をも考慮すると共に、二次電池が満充電であっても電
動機により制動が可能な動力伝達装置およびその制御方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力伝達装置は、出力軸を有し、該出力軸を回転
させる原動機と、前記原動機の出力軸に結合される第1
のロータと、該第1のロータと電磁的に結合し該第1の
ロータに対して相対的に回転可能な第2のロータとを有
し、該原動機の出力を該第2のロータに結合される回転
軸に伝達可能な伝達電動機と、該伝達電動機における前
記第1および第2のロータ間の電磁的な結合の程度を制
御すると共に、該第1のロータと該第2のロータとの間
に生じる滑り回転に応じた電力を該伝達電動機により回
生可能な伝達電動機駆動回路と、該伝達電動機駆動回路
を介して前記伝達電動機から回生した電力を蓄えると共
に該伝達電動機駆動回路を介して該伝達電動機に電力を
供給可能な二次電池とを備える動力伝達装置であって、
前記伝達電動機を力行駆動することにより前記第2のロ
ータに結合された回転軸の回転を制動する際には、前記
伝達電動機駆動回路を制御して、前記伝達電動機により
該回転軸に所望の制動トルクが加えられるよう前記伝達
電動機を駆動制御する制動時伝達電動機制御手段を備え
ることを要旨とする。
【0007】この動力伝達装置は、伝達電動機が、原動
機の出力軸に結合される第1のロータと、この第1のロ
ータと電磁的に結合し第1のロータに対して相対的に回
転可能な第2のロータとの間の電磁的な結合の程度を伝
達電動機駆動回路によって制御されることにより、原動
機の出力を第2のロータに結合される回転軸に伝達す
る。二次電池は、伝達電動機駆動回路を介して伝達電動
機から回生した電力を蓄えると共に、必要に応じて、伝
達電動機駆動回路を介して伝達電動機に電力を供給す
る。
【0008】こうした動力の伝達の際に、第2のロータ
に結合された回転軸の回転を制動する指令がなされる
と、制動時伝達電動機制御手段は、伝達電動機駆動回路
を制御して、前記伝達電動機によりこの回転軸に所望の
制動トルクが加えらるよう前記伝達電動機を力行するよ
う駆動制御する。
【0009】この動力伝達装置によれば、伝達電動機に
より第2のロータに結合された回転軸を制動することが
できる。
【0010】ここで、前記動力伝達装置において、前記
制動時伝達電動機制御手段は、前記伝達電動機の前記第
1のロータと前記第2のロータとが電磁的にロック状態
となるよう前記伝達電動機駆動回路を制御する手段であ
る態様とすることもできる。この態様とすれば、原動機
の摩擦力を用いるいわゆるエンジンブレーキとすること
ができる。
【0011】また、前記動力伝達装置において、前記制
動時伝達電動機制御手段は、前記第1のロータの回転数
と前記第2のロータの回転数との偏差に応じて前記伝達
電動機を駆動制御する手段である態様とすることもでき
る。制動時伝達電動機制御手段による制御は、第2のロ
ータに結合された回転軸に対して制動力を作用させる制
御であるから、上記の偏差が第1のロータの回転数から
第2のロータの回転数を減じたときに正の値となるとき
は偏差が大きくなるよう伝達電動機を駆動制御し、逆に
負の値となるときにはその偏差が小さくなるよう伝達電
動機を回生制御することになる。前者の態様とすれば、
第1のロータの回転数と第2のロータの回転数との偏差
に応じて、伝達電動機を力行するよう駆動制御して第2
のロータに結合される回転軸を制動することができる。
【0012】こうした前記動力伝達装置において、前記
制動時伝達電動機制御手段は、制動の間、前記伝達電動
機が駆動制御されるよう前記第1のロータの回転数を制
御する手段である態様とすることもできる。この態様と
すれば、伝達電動機でエネルギを消費しながら第2のロ
ータに結合された回転軸を制動することができる。
【0013】あるいは、前記動力伝達装置において、
次電池の充電状態に基づいて、前記伝達電動機を用いた
回生制動を行なうか、該伝達電動機の駆動制御による制
動を行なうかを判断する判断手段を設けると共に、 回生
制動を行なうと判断した場合には、制動の間、前記伝達
電動機が回生制御されるよう前記第1のロータの回転数
を制御する手段を設ける態様とすることもできる。この
態様とすれば、伝達電動機でエネルギを回生しながら、
第2のロータに結合された回転軸を制動することができ
る。
【0014】さらに、前記動力伝達装置において、前記
二次電池の状態を検出する電池状態検出手段を備え、前
記制動時伝達電動機制御手段は、前記電池状態検出手段
により検出された前記二次電池の状態が満充電に近い所
定の状態のとき、前記第1のロータの回転数が前記第2
のロータの回転数より大きな所定の回転数となるよう該
第1のロータの回転数を制御する回転数制御手段を備え
る態様とすることもできる。
【0015】この態様とすれば、二次電池の状態が満充
電に近い所定の状態のときに、伝達電動機による回生制
御の制動を駆動制御の制動に変えることができる。この
結果、二次電池が満充電でも、伝達電動機により第2の
ロータに結合された回転軸を制動することができる。
【0016】これらの前記動力伝達装置において、前記
第2のロータに結合された回転軸に結合される第3のロ
ータを有し、該第2のロータに結合された回転軸にトル
クを付加する付加電動機と、該付加電動機を駆動すると
共に該付加電動機から電力を回生可能な付加電動機駆動
回路と、前記第2のロータに結合された回転軸の回転を
制動する際、前記付加電動機により該回転軸に制動トル
クが加えられるよう前記付加電動機駆動回路を制御する
制動時付加電動機制御手段とを備え、前記二次電池は、
前記付加電動機駆動回路を介して付加電動機から回生し
た電力を蓄えると共に、該付加電動機駆動回路を介して
該付加電動機に電力を供給可能な電池である態様とする
こともできる。
【0017】この態様の動力伝達装置は、付加電動機
が、付加電動機駆動回路により制御されることによって
第2のロータに結合された回転軸にトルクを付加する。
第2のロータに結合された回転軸の回転を制動する指令
がなされると、制動時付加電動機制御手段は、付加電動
機によりこの回転軸に制動トルクが加えられるよう付加
電動機駆動回路を制御する。二次電池は、付加電動機駆
動回路を介して付加電動機から回生した電力を蓄え、必
要に応じて、付加電動機駆動回路を介して付加電動機に
電力を供給する。こうすれば、付加電動機により第2の
ロータに結合される回転軸を制動することができる。
【0018】こうした付加電動機を備える動力伝達装置
において、操作者の操作に基づいて前記第2のロータに
結合された回転軸を制動させる制動トルクを演算する制
動トルク演算手段と、該演算された制動トルクを、前記
制動時伝達電動機制御手段による制御により前記伝達電
動機から加えられる制動トルクと、前記制動時付加電動
機制御手段による制御により前記付加電動機から加えら
れる制動トルクとに分配する制動トルク分配手段とを備
える態様とすることもできる。
【0019】この態様の動力伝達装置は、制動トルク演
算手段が、操作者の操作に基づいて第2のロータに結合
された回転軸を制動させる制動トルクを演算し、制動ト
ルク分配手段が、演算された制動トルクを、制動時伝達
電動機制御手段による制御により伝達電動機から加えら
れる制動トルクと、制動時付加電動機制御手段による制
御により付加電動機から加えられる制動トルクとに分配
する。こうすれば、操作者の操作に基づく制動トルクを
分配して伝達電動機および付加電動機により第2ロータ
に結合された回転軸に加えることができる。
【0020】この制動トルク分配手段を備える動力伝達
装置において、前記制動時伝達電動機制御手段は、前記
伝達電動機を駆動制御する手段であり、前記制動トルク
分配手段は、前記制動時付加電動機制御手段による前記
付加電動機の制御により回生される電力で、前記制動時
伝達電動機制御手段による前記伝達電動機の制御により
消費される電力を賄うよう制動トルクを分配する手段で
ある態様とすることもできる。
【0021】この態様とすれば、二次電池における放電
も充電もなしに、第2のロータに結合された回転軸を制
動することができる。
【0022】また、制動トルク分配手段を備える動力伝
達装置において、前記制動時伝達電動機制御手段は、前
記伝達電動機を回生制御する手段であり、前記制動トル
ク分配手段は、前記制動時付加電動機制御手段による前
記付加電動機の制御により回生される電気エネルギと、
前記制動時伝達電動機制御手段による前記伝達電動機の
制御により回生される電気エネルギとの和が大きくなる
よう制動トルクを分配する手段である態様とすることも
できる。
【0023】この態様とすれば、エネルギ回収率が大き
くなり、エネルギ効率をより良くすることができる。
【0024】前記動力伝達装置において、前記原動機の
出力軸に結合される第3のロータを有し、該原動機の出
力軸にトルクを付加する付加電動機と、該付加電動機を
駆動すると共に該付加電動機から電力を回生可能な付加
電動機駆動回路と、前記第2のロータに結合された回転
軸の回転を制動する際、前記付加電動機により前記原動
機の出力軸に制動トルクが加えられるよう前記付加電動
機駆動回路を制御する制動時付加電動機制御手段とを備
え、前記二次電池は、前記付加電動機駆動回路を介して
付加電動機から回生した電力を蓄えると共に、該付加電
動機駆動回路を介して該付加電動機に電力を供給可能な
電池である態様とすることもできる。
【0025】この態様の動力伝達装置は、付加電動機
が、付加電動機駆動回路により制御されることによって
原動機の出力軸にトルクを付加する。第2のロータに結
合された回転軸の回転を制動する指令がなされると、制
動時付加電動機制御手段は、付加電動機により原動機の
出力軸に制動トルクが加えられるよう付加電動機駆動回
路を制御する。二次電池は、付加電動機駆動回路を介し
て付加電動機から回生した電力を蓄え、必要に応じて、
付加電動機駆動回路を介して付加電動機に電力を供給す
る。こうすれば、付加電動機により原動機の出力軸を制
動することができる。
【0026】本発明の第1の動力伝達装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1
のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対
的に回転可能な第2のロータとを有し、該原動機の出力
を該第2のロータに結合される回転軸に伝達可能な伝達
電動機と、該伝達電動機における前記第1および第2の
ロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第
1のロータと該第2のロータとの間に生じる滑り回転に
応じた電力を該伝達電動機により回生可能な伝達電動機
駆動回路と、該伝達電動機駆動回路を介して前記伝達電
動機から回生した電力を蓄えると共に該伝達電動機駆動
回路を介して該伝達電動機に電力を供給可能な二次電池
とを備える動力伝達装置の制御方法であって、前記伝達
電動機を力行駆動することにより前記第2のロータに結
合された回転軸の回転を制動する際には、前記伝達電動
機駆動回路を制御して、前記伝達電動機により該回転軸
所望の制動トルクが加えられるよう前記伝達電動機を
駆動制御することを要旨とする。
【0027】この第1の動力伝達装置の制御方法によれ
ば、前記伝達電動機を力行駆動することで、前記伝達電
動機により、第2のロータに結合される回転軸を所望の
制動トルクで制動することができる。
【0028】本発明の第2の動力伝達装置の制御方法
は、出力軸を有し、該出力軸を回転させる原動機と、前
記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第1
のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相対
的に回転可能な第2のロータとを有し、該原動機の出力
を該第2のロータに結合される回転軸に伝達可能な伝達
電動機と、該伝達電動機における前記第1および第2の
ロータ間の電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第
1のロータと該第2のロータとの間に生じる滑り回転に
応じた電力を該伝達電動機により回生可能な伝達電動機
駆動回路と、前記第2のロータに結合された回転軸に結
合される第3のロータを有し、該第2のロータに結合さ
れた回転軸にトルクを付加する付加電動機と、該付加電
動機を駆動すると共に該付加電動機から電力を回生可能
な付加電動機駆動回路と、前記伝達電動機駆動回路およ
び/または前記付加電動機駆動回路を介して対応する前
記伝達電動機,前記付加電動機から回生した電力を蓄え
ると共に、該伝達電動機駆動回路および/または該付加
電動機駆動回路を介して対応する該伝達電動機,該付加
電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動力伝達
装置の制御方法であって、前記伝達電動機を力行駆動す
ることにより前記第2のロータに結合された回転軸の回
転を制動する際には、前記伝達電動機駆動回路を制御し
て、前記伝達電動機により該回転軸に所望の制動トルク
が加えられるよう前記伝達電動機を駆動制御すると共
前記付加電動機により該回転軸に制動トルクが加え
られるよう前記付加電動機駆動回路を制御することを要
旨とする。
【0029】この第2の動力伝達装置の制御方法によれ
ば、力行駆動される伝達電動機および回生制御される
加電動機により第2のロータに結合される回転軸を制動
することができる。
【0030】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
とることも可能である。
【0031】第1の態様は、前記動力伝達装置におい
て、前記第2のロータに結合された回転軸の回転エネル
ギを機械的摩擦力により熱エネルギとして消失させて制
動するブレーキ機構を備えることを要旨とする。
【0032】こうすれば、ブレーキ機構でも第2のロー
タに結合された回転軸を制動することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例と
しての動力伝達装置20の概略構成を示す構成図、図2
は図1の動力伝達装置20を構成するクラッチモータ3
0及びアシストモータ40の構造を示す断面図、図3は
図1の動力伝達装置20を組み込んだ車両のエンジン5
0を含む概略構成を示す構成図である。説明の都合上、
まず図3を用いて、車両全体の構成から説明する。
【0034】図3に示すように、この車両には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0035】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、原動機の50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76及び回転角度センサ78など
である。なお、EFIECU70には、この他、例えば
イグニッションキーの状態STを検出するスタータスイ
ッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,ス
イッチなどの図示は省略した。
【0036】エンジン50のクランクシャフト56に
は、本実施例の動力伝達装置20が結合されている。動
力伝達装置20の駆動軸22は、ディファレンシャルギ
ヤ24に結合されており、動力伝達装置20からのトル
クは最終的に左右の駆動輪26,28に伝達される。こ
の動力伝達装置20は、制御装置80により、制御され
ている。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部に
は制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設
けられたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル
64Aに設けられたアクセルペダルポジションセンサ6
5A,ブレーキペダル64Bに設けられたブレーキペダ
ルポジションセンサ65Bなども接続されている。ま
た、制御装置80は、上述したEFIECU70と通信
により、種々の情報をやり取りしている。これらの情報
のやり取りを含む制御については、後述する。
【0037】動力伝達装置20の構成について説明す
る。図1に示すように、エンジン50のクランクシャフ
ト56の一端に取り付けられた動力伝達装置20は、大
きくは、クランクシャフト56にアウタロータ32が機
械的に結合されたクラッチモータ30、このクラッチモ
ータ30のインナロータ34に機械的に結合されたロー
タ42を有するアシストモータ40、及びクラッチモー
タ30とアシストモータ40を駆動・制御する制御装置
80から構成されている。
【0038】各モータの概略構成について、図1により
説明する。クラッチモータ30は、図1に示すように、
アウタロータ32の内周面に永久磁石35を備え、イン
ナロータ34に形成されたスロットに三相のコイル36
を巻回する同期電動機として構成されている。この三相
コイル36への電力は、回転トランス38を介して供給
される。インナロータ34において三相コイル36用の
スロット及びティースを形成する部分は、無方向性電磁
鋼板の薄板を積層することで構成されている。なお、ク
ランクシャフト56には、その回転角度θeを検出する
レゾルバ39が設けられているが、このレゾルバ39
は、ディストリビュータ60に設けられた回転角度セン
サ78と兼用することも可能である。
【0039】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケース45に固定されたステータ43に巻回さ
れている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄
板を積層することで形成されている。ロータ42の外周
面には、複数個の永久磁石46が設けられている。アシ
ストモータ40では、この永久磁石46により磁界と三
相コイル44が形成する磁界との相互作用により、ロー
タ42が回転する。ロータ42が機械的に結合された軸
は、動力伝達装置20のトルクの出力軸である駆動軸2
2であり、駆動軸22には、その回転角度θdを検出す
るレゾルバ48が設けられている。また、駆動軸22
は、ケース45に設けられたベアリング49により軸支
されている。
【0040】係るクラッチモータ30とアシストモータ
40とは、クラッチモータ30のインナロータ34がア
シストモータ40のロータ42、延いては駆動軸22に
機械的に結合されている。従って、エンジン50と両モ
ータ30,40の関係を簡略を言えば、エンジン50の
クランクシャフト56の回転及び軸トルクが、クラッチ
モータ30のアウタロータ32からインナロータ34に
伝達されたとき、アシストモータ40による回転とトル
クがこれに加減算されるということになる。
【0041】アシストモータ40は、通常の永久磁石型
三相同期モータとして構成されているが、クラッチモー
タ30は、永久磁石35を有するアウタロータ32も三
相コイル36を備えたインナロータ34も、共に回転す
るよう構成されている。そこで、クラッチモータ30の
構成の詳細について、図2を用いて補足する。クラッチ
モータ30のアウタロータ32は、クランクシャフト5
6に嵌合されたホイール57の外周端に圧入ピン59a
及びネジ59bにより取り付けられている。ホイール5
7の中心部は、軸形状に突設されており、ここにベアリ
ング37A,37Bを用いてインナロータ34が回転自
在に取り付けられている。また、インナロータ34に
は、駆動軸22の一端が固定されている。
【0042】アウタロータ32に永久磁石35が設けら
れていることは既に説明した。この永久磁石35は、実
施例では4個設けられており、アウタロータ32の内周
面に貼付されている。その磁化方向はクラッチモータ3
0の軸中心に向かう方向であり、一つおき磁極の方向は
逆向きになっている。この永久磁石35と僅かなギャッ
プにより対向するインナロータ34の三相コイル36
は、インナロータ34に設けられた計24個のスロット
(図示せず)に巻回されており、各コイルに通電する
と、スロットを隔てるティースを通る磁束を形成する。
各コイルに三相交流を流すと、この磁界は回転する。三
相コイル36の各々は、回転トランス38から電力の供
給を受けるよう接続されている。この回転トランス38
は、ケース45に固定された一次巻線38Aとインナロ
ータ34に結合された駆動軸22に取り付けられた二次
巻線38Bとからなり、電磁誘導により、一次巻線38
Aと二次巻線38Bとの間で、双方向に電力をやり取り
することができる。なお、三相(U,V,W相)の電流
をやり取りするために、回転トランス38には三相分の
巻線が用意されている。
【0043】隣接する一組の永久磁石35が形成する磁
界と、インナロータ34に設けられた三相コイル36が
形成する回転磁界との相互作用により、アウタロータ3
2とインナロータ34とは種々の振る舞いを示す。通常
は、三相コイル36に流す三相交流の周波数は、クラン
クシャフト56に直結されたアウタロータ32の回転数
(1秒間の回転数)とインナロータ34の回転数との偏
差の周波数としている。この結果、両者の回転には滑り
を生じることになる。クラッチモータ30及びアシスト
モータ40の制御の詳細については、後でフローチャー
トを用いて詳しく説明する。
【0044】次に、クラッチモータ30及びアシストモ
ータ40を駆動・制御する制御装置80について説明す
る。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第
1の駆動回路91、アシストモータ40を駆動する第2
の駆動回路92、両駆動回路91,92を制御する制御
CPU90、二次電池であるバッテリ94から構成され
ている。制御CPU90は、1チップマイクロプロセッ
サであり、内部に、ワーク用のRAM90a、処理プロ
グラムを記憶したROM90b、入出力ポート(図示せ
ず)及びEFIECU70と通信を行なうシリアル通信
ポート(図示せず)を備える。この制御CPU90に
は、レゾルバ39からのエンジン50の回転角度θe、
レゾルバ48からの駆動軸22の回転角度θd、アクセ
ルペダルポジションセンサ65Aからのアクセルペダル
ポジション(アクセルペダルの踏込量)AP、シフトポ
ジションセンサ84からのシフトポジションSP、第1
の駆動回路91に設けられた2つの電流検出器95,9
6からのクラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動回
路に設けられた2つの電流検出器97,98からのアシ
スト電流値Iua,Iva、バッテリ94の残容量を検
出する残容量検出器99からの残容量BRMなどが、入力
ポートを介して入力されている。なお、残容量検出器9
9は、バッテリ94の電解液の比重またはバッテリ94
の全体の重量を測定して残容量を検出するものや、充電
・放電の電流値と時間を演算して残容量を検出するもの
や、バッテリの端子間を瞬間的にショートさせて電流を
流し内部抵抗を測ることにより残容量を検出するものな
どが知られている。
【0045】また、制御CPU90からは、第1の駆動
回路91に設けられたスイッチング素子である6個のト
ランジスタTr1乃至Tr6を駆動する制御信号SW1
と、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素子
としての6個のトランジスタTr11乃至Tr16を駆
動する制御信号SW2とが出力されている。第1の駆動
回路91内の6個のトランジスタTr1乃至Tr6は、
トランジスタインバータを構成しており、それぞれ、一
対の電源ラインP1,P2に対してソース側とシンク側
となるよう2個ずつペアで配置され、その接続点に、ク
ラッチモータ30の三相コイル(UVW)36の各々
が、回転トランス38を介して接続されている。電源ラ
インP1,P2は、バッテリ94のプラス側とマイナス
側に、それぞれ接続されているから、制御CPU90に
より対をなすトランジスタTr1乃至Tr6のオン時間
の割合を制御信号SW1により順次制御し、各コイル3
6に流れる電流を、PWM制御によって擬似的な正弦波
にすると、三相コイル36により、回転磁界が形成され
る。
【0046】他方、第2の駆動回路92の6個のトラン
ジスタTr11乃至Tr16も、トランジスタインバー
タを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と同
様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続
されている。従って、制御CPU90により対をなすト
ランジスタTr11乃至Tr16のオン時間を制御信号
SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイル44により、回転磁界が形成される。
【0047】以上構成を説明した動力伝達装置20の動
作について説明する。動力伝達装置20の動作原理、特
にトルク変換の原理は以下の通りである。エンジン50
がEFIECU70により運転され、エンジン50の回
転数Neが所定の回転数N1で回転しているとする。こ
のとき、制御装置80が回転トランス38を介してクラ
ッチモータ30の三相コイル36に何等電流を流してい
ないとすれば、即ち第1の駆動回路91のトランジスタ
Tr1乃至Tr6が常時オフ状態であれば、三相コイル
36には何等の電流も流れないから、クラッチモータ3
0のアウタロータ32とインナロータ34とは電磁的に
全く結合されていない状態となり、エンジン50のクラ
ンクシャフト56は空回りしている状態となる。この状
態では、トランジスタTr1乃至Tr6がオフとなって
いるから、三相コイル36からの回生も行なわれない。
即ち、エンジン50はアイドル回転をしていることにな
る。
【0048】制御装置80の制御CPU90が制御信号
SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、
エンジン50のクランクシャフト56の回転数Neと駆
動軸22の回転数Ndとの偏差(言い換えれば、クラッ
チモータ30におけるアウタロータ32とインナロータ
34の回転数差Nc(Ne−Nd))に応じて、クラッ
チモータ30の三相コイル36に一定の電流が流れる。
即ち、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流
が第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94
が充電される。この時、アウタロータ32とインナロー
タ34とは一定の滑りが存在する結合状態となる。即
ち、エンジン50の回転数Ne(クランクシャフト56
の回転数)よりは低い回転数Ndでインナロータ34は
回転する。この状態で、回生された電気エネルギと等し
いエネルギがアシストモータ40で消費されるように、
制御CPU90が第2の駆動回路92を制御すると、ア
シストモータ40の三相コイル44に電流が流れ、アシ
ストモータ40においてトルクが発生する。
【0049】図4に照らせば、クランクシャフト56が
回転数N1,トルクT1で運転しているとき、領域G1
のエネルギをクラッチモータ30から回生し、これをア
シストモータ40に付与することで、駆動軸22を回転
数N2,トルクT2で回転するということになる。こう
して、クラッチモータ30における滑り(回転数差N
c)に応じたエネルギがトルクとして駆動軸22に付与
され、トルクの変換が行なわれることになる。
【0050】なお、実施例の動力伝達装置20では、こ
うしたトルク変換に加えて、エンジン50からの出力エ
ネルギ(トルクTeと回転数Ne)と、クラッチモータ
30により回生される電気エネルギと、アシストモータ
40により消費する電気エネルギとを調節することによ
り、余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放
電したり、不足する電気エネルギをバッテリ94に蓄え
られた電力により補ったりして、エンジン50からの出
力エネルギをより効率よく動力として駆動軸22に伝達
する。
【0051】次に、こうしたトルク変換によりエンジン
50の動力が伝達されて走行状態にある車両の制動につ
いて説明する。制動は、クラッチモータ30による制動
と、アシストモータ40による制動と、クラッチモータ
30およびアシストモータ40とによる制動とがある。
このうちアシストモータ40による制動は、アシストモ
ータ40を発電機として機能させて駆動軸22の回転エ
ネルギ(運動エネルギ)を電気エネルギとして取り出
し、バッテリ94に蓄えるものである。こうしたアシス
トモータ40による制動は周知であるから、これ以上の
説明は省略する。以下、クラッチモータ30による制動
について説明し、その後クラッチモータ30およびアシ
ストモータ40による制動について説明する。なお、ク
ラッチモータ30およびアシストモータ40による制動
は、以下に説明するクラッチモータ30による制動と上
述のアシストモータ40による制動とを組み合わせたも
のである。
【0052】クラッチモータ30による制動は、駆動軸
22の回転方向と逆向きのトルクをクラッチモータ30
により作用させるものである。いま、駆動軸22が車両
を前進させる方向(正方向)に回転しており、この駆動
軸22にその回転方向と逆向き(負方向)のトルクTc
をクラッチモータ30により作用させたとする。する
と、駆動軸22へ作用させたトルクTcと同じ大きさで
向きが逆の正方向のトルクTcがアウタロータ32を介
してクランクシャフト56に作用し、エンジン50が噴
き上がろうとする。エンジン50は、こうした正方向の
外力(トルクTc)に対し、燃料噴射を停止すれば、ピ
ストンの摩擦や圧縮等に要する力が外力(トルクTc)
と釣り合う回転数で回転する。例えば、燃料噴射を停止
した際の外力(トルクTc)とエンジン50の回転数N
eとの関係を例示した図5に照らせば、エンジン50
は、外力としてのトルクTcが値Tc(A)のときには
回転数Ne(A)で回転し、トルクTcが値Tc(B)
のときには回転数Ne(B)で回転する。
【0053】クラッチモータ30は、エンジン50の回
転数Neで回転するクランクシャフト56に接続されて
いるアウタロータ32に対して駆動軸22に接続されて
いるインナロータ34を相対的に回転駆動させるもので
あるから、その回転数は、エンジン50の回転数Neと
駆動軸22の回転数Ndとの回転数差Nc(Ne−N
d)となる。ここで、アウタロータ32に対してインナ
ロータ34が相対的に正方向(駆動軸22の正転方向)
に回転しているとき、即ちエンジン50の回転数Neよ
り駆動軸22の回転数Ndの方が大きいとき(回転数差
Ncは負)をクラッチモータ30の正方向の回転とすれ
ば、正方向に回転しているクラッチモータ30による負
方向のトルクTcの駆動軸22への作用は、クラッチモ
ータ30の相対的な正方向の回転数を減少させる運動と
なるから、クラッチモータ30は回生制御されることに
なる(以下、この制動を「クラッチモータ30の回生制
御による制動」という。)。
【0054】一方、クラッチモータ30が負方向に回転
しているとき、即ちエンジン50の回転数Neが駆動軸
22の回転数Ndより大きいときには、クラッチモータ
30による負方向のトルクTcの駆動軸22への作用
は、クラッチモータ30の相対的な負方向の回転数を増
加させる運動となるから、クラッチモータ30は力行制
御されることになる(この制動を「クラッチモータ30
の力行制御による制動」という。)。
【0055】クラッチモータ30に負方向のトルクTc
として値Tc(A)が設定された際の駆動軸22の回転
数Ndと時間tとの関係(直線A)およびこの間のクラ
ッチモータ30の状態を図6に示す。図中直線Aは、ク
ラッチモータ30により負方向のトルクTc(値Tc
(A))を駆動軸22に作用させたときの駆動軸22の
回転数Ndの変化を表わすものである。クラッチモータ
30に負方向のトルクTc(値Tc(A))を設定する
と、エンジン50の回転数Neは、図5を用いて説明し
たように、このトルクTc(外力)に見合う回転数Ne
(A)となる。したがって、クラッチモータ30による
負方向のトルクTcの駆動軸22への作用は、直線Aと
破線Nd=Ne(A)との交点であるポイントPNeより
左上方の範囲(時間t2より左側の範囲)では、クラッ
チモータ30は正方向に回転しているから、クラッチモ
ータ30の回生制御による制動となり、ポイントPNeよ
り右下方の範囲(時間t2より右側の範囲)では、クラ
ッチモータ30は負方向に回転しているから、クラッチ
モータ30の力行制御による制動となる。
【0056】ここで、クラッチモータ30の回生制御お
よび力行制御は、共にアウタロータ32に取り付けられ
た永久磁石35と、インナロータ34の三相コイル36
に流れる電流により生じる回転磁界とにより負方向のト
ルクTcが常に発生するよう第1の駆動回路91のトラ
ンジスタTr1ないしTr6を制御するものであるか
ら、同一のスイッチング制御となる。したがって、クラ
ッチモータ30から駆動軸22に作用させる負方向のト
ルクTcの値が変わらなければ、クラッチモータ30の
制御が回生制御から力行制御に変化しても、第1の駆動
回路91のトランジスタTr1ないしTr6のスイッチ
ング制御は変わらない。
【0057】以上の説明により、駆動軸22の回転数N
dが値Ne(A)より大きな値Nd1のときや(時間t
1(1)のとき)、値Nd2のときに(時間t1(2)
のとき)、ブレーキペダル64Bが踏み込まれてクラッ
チモータ30のトルクTcに負の値Tc(A)が設定さ
れれば、クラッチモータ30は、まず発電機として機能
するよう回生制御がなされ、駆動軸22の回転数Ndが
値Ne(A)に一致した以降(ポイントPNe以降)は力
行制御がなされることが解る。また、駆動軸22の回転
数Ndが値Ne(A)より小さな値Nd3のときに(時
間t1(3)のとき)、ブレーキペダル64Bが踏み込
まれてクラッチモータ30のトルクTcに負の値Tc
(A)が設定されれば、制動開始位置が時間t2より後
となるから、クラッチモータ30の回生制御はなされず
直ちに力行制御がなされることが解る。
【0058】なお、クラッチモータ30のトルクTcに
負の値Tc(A)より絶対値の大きな負の値Tc(B)
が設定されて制動がなされたときには、駆動軸22の回
転数Ndは、図7に示すように、直線Aより傾きの絶対
値が大きな直線B上を変化することになる。このとき、
エンジン50は、図5に示すように回転数Ne(B)で
回転するから、クラッチモータ30の回生制御から力行
制御に変化するポイントPNeは、時間t2(B)の直線
Bと破線Nd=Ne(B)との交点となる。
【0059】ここまでの説明では、クラッチモータ30
のトルクTcに負の値が設定されたときには、エンジン
50への燃料噴射を停止することにより、図5に例示す
るようにエンジン50の回転数Neがクラッチモータ3
0のトルクTcの値によって定まるものとしたが、エン
ジン50への燃料噴射を制御してクラッチモータ30の
トルクTcに応じた回転数以上の所望の回転数Neとす
ることもできる。上述したように、クラッチモータ30
のトルクTcを負の値Tc(A)とし、エンジン50へ
の燃料噴射を停止すれば、図5に示すように、エンジン
50は回転数Ne(A)で回転するが、エンジン50へ
の燃料噴射を制御すれば、所定量の燃料を噴射した際の
外力(トルクTc)とエンジン50の回転数Neとの関
係を例示する図8の曲線αに示すように、エンジン50
を回転数Ne(α)で回転させることができる。このよ
うにエンジン50の回転数Neを制御すると、駆動軸2
2とクラッチモータ30の制御との関係は、図9に示す
ように、エンジン50の回転数Neが値Ne(A)から
値Ne(α)へと高くなることから、駆動軸22の回転
数Ndがエンジン50の回転数Neと一致するポイント
PNeが左上方にずれ、クラッチモータ30の回生制御に
よる制動の範囲が小さくなり、力行制御による制動の範
囲が大きくなる。
【0060】このようにエンジン50の回転数Neを制
御すれば、エンジン50への燃料噴射を停止したときに
はクラッチモータ30の回生制御から始まる駆動軸22
の回転数Nd2(図6参照)からの制動でも、図9に示
すように、制動開始位置を時間t2より後にすることが
できるから、クラッチモータ30の回生制御による制動
を行なうことなく直ちに力行制御による制動を行なうこ
とができる。この結果、バッテリ94の残容量BRMが大
きくバッテリ94がほぼ満充電であるときでも、クラッ
チモータ30による制動を行なうことができる。
【0061】以上の説明では、制動の開始から終了まで
エンジン50の回転数Neが一定となるよう制御した
が、図10に示すように、エンジン50の回転数Ne
を、駆動軸22の回転数Ndより常に所定値△Nβだけ
小さくなるよう駆動軸22の回転数Ndに応じて制御し
てもよい。このように制御すれば、エンジン50の回転
数Neは図中破線β上の変化となり、クラッチモータ3
0は制動のほとんどの範囲で回生制御による制動がなさ
れることになる。また、逆にエンジン50の回転数Ne
を、駆動軸22の回転数Ndより常に値△Nγだけ大き
くなるよう駆動軸22の回転数Ndに応じて制御しても
よい。このように制御すれば、エンジン50の回転数N
eは図中破線γ上の変化となり、クラッチモータ30は
制動のすべての範囲で力行制御による制動となる。な
お、図10では、一定のトルクTcが駆動軸22に作用
した際の駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係であ
る直線Aを用いて表現したが、実際は、トルクTcも変
化し得るから、直線A上の変化になるとは限らない。
【0062】また、駆動軸22の回転数Ndがエンジン
50の回転数Neと一致した後は、クラッチモータ30
に定電流を流してアウタロータ32とインナロータ34
とを電磁的にロック状態とし、エンジン50の燃料噴射
を停止あるいは制限するものとしてもよい。こうすれ
ば、エンジン50による制動、即ちいわゆるエンジンブ
レーキにより駆動軸22を制動することができる。
【0063】次に、こうした制動時のクラッチモータ3
0の制御の具体的な処理について、図11に例示するク
ラッチモータ制御処理に基づき説明する。この制御処理
は、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*に負の値
がされた後に、制御装置80により所定時間毎に繰り返
し実行される。なお、トルク指令値Tc*は、例えば、
ブレーキペダルポジションセンサ65Bによりブレーキ
ペダル64BのポジションBPを検出し、このブレーキ
ペダルポジションBPに応じた値として求めることがで
きる。
【0064】クラッチモータ制御処理が実行されると、
制御装置80の制御CPU90は、まず駆動軸22の回
転角度θdをレゾルバ48から読み込む処理を行なう
(ステップS112)。次に、レゾルバ39からエンジ
ン50のクランクシャフト56の回転角度θeを入力し
(ステップS114)、両軸の相対角度θcを求める処
理を行なう(ステップS116)。即ち、θc=θe−
θdを演算するのである。
【0065】次に、電流検出器95,96により、クラ
ッチモータ30の三相コイル36のU相とV相に流れて
いる電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステ
ップS118)。電流はU,V,Wの三相に流れている
が、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測
定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて
座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS12
0)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q
軸の電流値に変換することであり、次式(1)を演算す
ることにより行なわれる。
【0066】
【数1】
【0067】ここで座標変換を行なうのは、永久磁石型
の同期電動機においては、d軸及びq軸の電流が、トル
クを制御する上で本質的な量だからである。もとより、
三相のまま制御することも可能である。次に、2軸の電
流値に変換した後、クラッチモータ30におけるトルク
指令値Tc*から求められる各軸の電流指令値Idc
*,Iqc*と実際各軸に流れた電流Idc,Iqcと
偏差を求め、各軸の電圧指令値Vdc,Vqcを求める
処理を行なう(ステップS122)。即ち、まず以下の
式(2)の演算を行ない、次に次式(3)の演算を行な
うのである。
【0068】
【数2】
【0069】
【数3】
【0070】ここで、Kp1,2及びKi1,2は、各
々係数である。これらの係数は、適用するモータの特性
に適合するよう調整される。
【0071】ここで、電圧指令値Vdc,Vqcは、電
流指令値I*との偏差△Iに比例する部分(上式(3)
右辺第1項)と偏差△Iのi回分の過去の累積分(右辺
第2項)とから求められる。その後、こうして求めた電
圧指令値をステップS142で行なった変換の逆変換に
相当する座標変換(二相−三相変換)を行ない(ステッ
プS124)、実際に三相コイル36に印加する電圧V
uc,Vvc,Vwcを求める処理を行なう。各電圧
は、次式(4)により求める。
【0072】
【数4】
【0073】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91の
トランジスタTr1乃至Tr6のオンオフ時間によりな
されるから、式(4)によって求めた各電圧指令値とな
るよう各トランジスタTr1乃至Tr6のオン時間をP
WM制御する(ステップS126)。
【0074】以上説明したように、実施例の動力伝達装
置20によれば、クラッチモータ30により駆動軸22
を制動することができる。しかも、エンジン50の回転
数Neを制御すれば、クラッチモータ30の回生制御に
よる制動と力行制御による制動とを自由に使い分けるこ
とができる。この結果、例えば、図12に例示する制動
時処理ルーチンのようにバッテリ94の状態に応じて制
動のパターンを決定することもできる。以下に、この制
動時処理ルーチンが実行されたときの処理を説明する。
【0075】このルーチンが実行されると、制御装置8
0の制御CPU90は、まず、ブレーキペダルポジショ
ンセンサ65Bにより検出されるブレーキペダルポジシ
ョンBPを読み込み(ステップS130)、読み込まれ
たブレーキペダルポジションBPに応じた制動力を発生
するクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を導出す
る処理を行なう(ステップS132)。トルク指令値T
c*は、各ブレーキペダルポジションBPに対して予め
各々設定されてROM90bに記憶されており、ブレー
キペダルポジションBPが読み込まれると、そのブレー
キペダルポジションBPに対応したトルク指令値Tc*
が読み出されるようになっている。
【0076】次に、残容量検出器99により検出される
バッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステップS13
6)、読み込んだ残容量BRMを閾値B1と比較する(ス
テップS138)。ここで、閾値B1は、これ以上の充
電はバッテリ94にとって不要であると判断される満充
電に近い値として設定されるものであり、バッテリ94
の種類や特性などによって定められるものである。
【0077】バッテリ94の残容量BRMが閾値B1以上
のときには、充電は不要と判断して、クラッチモータ3
0の力行制御による制動を行ない(ステップS14
0)、バッテリ94の残容量BRMが閾値B1未満のとき
には、充電が必要と判断して、クラッチモータ30の回
生制御による制動を行なう(ステップS142)。クラ
ッチモータ30の力行制御による制動は、具体的には、
上述したように、エンジン50の回転数Neを駆動軸2
2の回転数Ndより大きくなるよう制御することによっ
て行ない、クラッチモータ30の回生制御による制動
は、エンジン50の回転数Neを駆動軸22の回転数N
dより小さくなるよう制御することによって行なう。な
お、いずれの制御でも、制御の間、エンジン50の回転
数Neを一定値に保つものとしてもよく、またはエンジ
ン50の回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏差
を一定に保つものとしてもよい。或いはエンジン50の
回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏差を順次変
更させるものとしてもよい。
【0078】以上説明した制動時処理によれば、バッテ
リ94の状態に応じてクラッチモータ30の力行制御に
よる制動と回生制御による制動とを行なうことができ
る。この結果、バッテリ94を過充電したり、或いは完
全放電したりするのを防止することができる。
【0079】次にクラッチモータ30およびアシストモ
ータ40による制動について図13に例示する制動時ト
ルク制御処理ルーチンに基づき説明する。このルーチン
は、上述したように、クラッチモータ30による制動の
一つのパターンとアシストモータ40による制動とを組
み合わせたものであり、運転者がブレーキペダル64B
を踏み込んだときに、ブレーキペダル64Bが踏み込ま
れている間、所定時間毎に繰り返し実行されるものであ
る。
【0080】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず駆動軸22の回転数Ndを読
み込む処理を行なう(ステップS150)。駆動軸22
の回転数は、レゾルバ48から読み込んだ駆動軸22の
回転角度θdから求めることができる。次に、ブレーキ
ペダルポジションセンサ65Bからのブレーキペダルポ
ジションBPを読み込み(ステップS152)、読み込
んだブレーキペダルポジションBPに応じた出力トルク
指令値Td*を導出する処理を行なう(ステップS15
4)。出力トルク指令値Td*は、各ブレーキペダルポ
ジションBPに対して予め各々設定されてROM90b
に記憶されており、ブレーキペダルポジションBPが読
み込まれると、そのブレーキペダルポジションBPに対
応する出力トルク指令値Td*を読み込むようになって
いる。
【0081】次に、残容量検出器99により検出される
バッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステップS15
6)、読み込んだ残容量BRMを閾値B2と比較する(ス
テップS158)。ここで、閾値B2は、前述した閾値
B1と同様に、これ以上の充電はバッテリ94にとって
不要であると判断される満充電に近い値として設定され
るものであり、バッテリ94の種類や特性などによって
定められるものである。バッテリ94の残容量BRMが閾
値B2未満のときには、バッテリ94の充電が必要であ
ると判断してステップS160ないしS164の処理に
てクラッチモータ30のトルク指令値Tc*,アシスト
モータ40のトルク指令値Ta*およびエンジン50の
目標回転数Ne*を設定し、バッテリ94の残容量BRM
が閾値B2以上のときには、バッテリ94の充電は不要
と判断し、ステップS166ないしS172の処理にて
上記の各指令値を設定する。以下に、まず、バッテリ9
4の残容量BRMが閾値B2未満のときの処理について説
明し、その後にバッテリ94の残容量BRMが閾値B2以
上になったときの処理について説明する。
【0082】ステップS158で、バッテリ94の残容
量BRMが閾値B2未満のときには、制御CPU90は、
まず運転者が必要としている出力トルク指令値Td*に
駆動軸22の回転数Ndを乗じて制動エネルギPdを算
出する(ステップS160)。そして、この制動エネル
ギPdを基に、予めROM90bに記憶してある制動エ
ネルギPdとクラッチモータ30のトルク指令値Tc*
およびアシストモータ40のトルク指令値Ta*との関
係を示すマップからクラッチモータ30のトルク指令値
Tc*とアシストモータ40のトルク指令値Ta*とを
設定する(ステップS162)。ここで、実施例が備え
るマップは、制動エネルギPdが与えられたとき、この
制動エネルギPdから最も効率よく電気エネルギを回生
するクラッチモータ30のトルク指令値Tc*およびア
シストモータ40のトルク指令値Ta*との関係を実験
により求めてマップとしてROM90bに記憶させたも
のである。なお、このマップは、クラッチモータ30お
よびアシストモータ40の種類や特性,エンジン50の
特性等によって定まるものである。
【0083】クラッチモータ30およびアシストモータ
40のトルク指令値Tc*,Ta*を設定すると、次
に、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*を基に、
予めROM90bに記憶したマップ、例えば図5に例示
した燃料噴射を停止した際の外力(トルクTc)とエン
ジン50の回転数Neとの関係を例示するグラフにより
エンジン50の目標回転数Ne*を設定する(ステップ
S164)。
【0084】一方、ステップS158で残容量BRMが閾
値B2以上と判定されたとき、例えば、上述のステップ
S160ないしS164の処理を繰り返し実行すること
によりバッテリ94が充電されて残容量BRMが閾値B2
以上となったとき等には、制御CPU90は、まずエン
ジン50の目標回転数Ne*を、駆動軸22の回転数N
dに所定の偏差量△N1を加えた値として算出する(ス
テップS166)。ここで、偏差量△N1を回転数Nd
に加えて目標回転数Ne*とするのは、クラッチモータ
30の力行制御による制動を行なうためである。なお、
偏差量△N1は、エンジン50の特性やクラッチモータ
30の特性などにより定められるものである。実施例で
は、所定の偏差量△N1を回転数Ndに加えて目標回転
数Ne*としたが、偏差量△N1をステップS154で
求めた出力トルク指令値Td*を変数として定まる変量
とし、これを回転数Ndに加えて目標回転数Ne*とす
るものとしてもよい。
【0085】目標回転数Ne*を設定すると、この目標
回転数Ne*を基に、予めROM90bに記憶したマッ
プ(例えば図5のグラフ)によりクラッチモータ30の
トルク指令値Tc*を求める(ステップS168)。続
いて、こうして求めたクラッチモータ30のトルク指令
値Tc*と、ステップS154で求めた出力トルク指令
値Td*とを比較し(ステップS170)、トルク指令
値Tc*が出力トルク指令値Td*より大きいときに
は、トルク指令値Tc*に出力トルク指令値Td*を代
入して(ステップS171)、トルク指令値Tc*が運
転者が要求する出力トルク指令値Td*より大きくなら
ないようにする。
【0086】そして、出力トルク指令値Td*からトル
ク指令値Tc*を減じてアシストモータ40のトルク指
令値Ta*とする(ステップS172)。ステップS1
70でトルク指令値Tc*が出力トルク指令値Td*よ
り大きいと判定されたときには、ステップS171でト
ルク指令値Tc*には出力トルク指令値Td*が代入さ
れるから、トルク指令値Ta*は値0となるが、トルク
指令値Tc*が出力トルク指令値Td*以下のときに
は、トルク指令値Ta*は値を持つ。このため、アシス
トモータ40により回生される電気エネルギが生じる
が、この電気エネルギは、クラッチモータ30によって
消費される。なお、アシストモータ40により回生され
る電気エネルギがクラッチモータ30により消費される
電気エネルギを上回ることも有り得る。この場合、バッ
テリ94が充電されることになるが、バッテリ94は、
図14の残容量BRMと充電可能電力との関係に示すよう
に、残容量BRMが閾値B2以上でもある程度充電可能で
あるから、制動により回生される電気エネルギ(電力)
が充電可能電力以下となるようバッテリ94の容量や閾
値B2を定めればよいことになる。
【0087】こうして、ステップS160ないしS16
4の処理により、あるいはステップS166ないしS1
72の処理により、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40のトルク指令値Tc*,Ta*とエンジン5
0の目標回転数Ne*を設定すると、制御CPU90
は、クラッチモータ30の制御(ステップS174)と
アシストモータ40の制御(ステップS176)とエン
ジン50の制御(ステップS178)とを行なう。な
お、図示の都合上、クラッチモータ30の制御とアシス
トモータ40の制御とエンジン50の制御は別々のステ
ップとして記載したが、実際には、これらの制御は総合
的に行なわれる。例えば、制御CPU90が割り込み処
理を利用して、クラッチモータ30とアシストモータ4
0の制御を同時に実行すると共に、通信によりEFIE
CU70に指示を送信して、EFIECU70によりエ
ンジン50の制御も同時に行なわせる。
【0088】これらの制御のうちステップS172のク
ラッチモータ30の制御は、図11に例示したクラッチ
モータ制御処理と同一の処理によりなされる。したがっ
て、ここではその詳細な説明は省略する。ステップS1
74のアシストモータ40の制御は、図15に例示する
アシストモータ制御処理によりなされる。以下、アシス
トモータ40の制御についてこの処理に基づき説明す
る。
【0089】アシストモータ制御処理が実行されると、
制御装置80の制御CPU90は、まず、レゾルバ48
により検出される駆動軸22の回転角度θdを読み込む
処理を行なう(ステップS180)、続いて、アシスト
モータ40の各相電流を電流検出器97,98を用いて
検出する処理(ステップS182)を行なう。そして、
図11に例示したクラッチモータ制御処理のステップS
120ないしS124と同様の処理である座標変換(ス
テップS184),電圧指令値Vda,Vqaの演算
(ステップS186)および電圧指令値の逆座標変換
(ステップS188)を行なって、アシストモータ40
の第2の駆動回路92のトランジスタTr11乃至Tr
16のオンオフ制御時間を求め、PWM制御を行なう
(ステップS190)。
【0090】次に、エンジン50の制御(ステップS1
76)について説明する。エンジン50の制御は、エン
ジン50の回転数Neが目標回転数Ne*となるよう制
御CPU90から通信によりEFIECU70に指示を
送信し、燃料噴射量やスロットルバルブ開度を増減す
る。なお、ステップS164では目標回転数Ne*を、
ステップS168ではトルク指令値Tc*を図5の燃料
噴射を停止した際の外力とエンジン50の回転数Neと
の関係を例示するグラフをマップとして求めているか
ら、ステップS171でトルク指令値Tc*の設定が変
更されない限り、燃料噴射を停止すると共にスロットル
バルブ66を全閉し、更に火花点火をも停止することに
より、エンジン50の回転数Neは目標回転数Ne*と
なる。ステップS171でトルク指令値Tc*の設定に
変更がなされたときには、トルク指令値Tc*は下方修
正されるから、このトルク指令値Tc*に応じた図5の
グラフに基づくエンジン50の回転数Neは目標回転数
Ne*より小さくなり、エンジン50の制御として、燃
料噴射量やスロットルバルブ開度の調整がなされる。な
お、実施例では、トルク指令値Tc*が下方修正されて
も目標回転数Ne*はそのままの値としたが、トルク指
令値Tc*の下方修正に併せて、この下方修正されたト
ルク指令値Tc*を基に、マップ(図5)により目標回
転数Ne*を設定し直すものとしてもよい。こうすれ
ば、エンジン50の制御は、常に、燃料噴射を停止する
と共にスロットルバルブ66を全閉し、火花点火も停止
する制御となる。
【0091】以上説明した制動時トルク制御処理ルーチ
ンを実行することにより、クラッチモータ30とアシス
トモータ40とにより駆動軸22を制動することができ
る。しかも、バッテリ94の残容量BRMの状態に応じて
制動することができる。即ちバッテリ94の残容量BRM
が閾値B2未満のときには、制動エネルギPdを効率よ
く回生してバッテリ94を充電するから、エネルギ効率
をより高くすることができる。また、バッテリ94の残
容量BRMが閾値B2以上のときには、クラッチモータ3
0の力行制御による制動とするから、バッテリ94の過
充電を避けることができる。
【0092】なお、実施例では、クラッチモータ30お
よびアシストモータ40により駆動軸22を制動する処
理について説明したが、駆動軸22を機械的な摩擦力に
より制動するブレーキ機構を備え、クラッチモータ30
およびアシストモータ40による制動とブレーキ機構に
よる制動とを組み合わせるものとしてもよい。こうすれ
ば、制動のパターンが多くなると共に、急制動にも更な
る余裕を持って対応することができる。
【0093】また、実施例では、バッテリ94の残容量
BRMが閾値B2以上のときには、駆動軸22の回転数N
dに偏差量△N1を加えて目標回転数Ne*を求め、こ
の目標回転数Ne*を用いてクラッチモータ30のトル
ク指令値Tc*を設定したが、クラッチモータ30によ
り消費される電気エネルギとアシストモータ40により
回生される電気エネルギとが等しくなるクラッチモータ
30のトルク指令値Tc*,アシストモータ40のトル
ク指令値Ta*およびエンジン50の目標回転数Ne*
を出力トルク指令値Td*および駆動軸22の回転数N
dの関係として予め実験などにより求めてマップとして
ROM90bに記憶しておき、ステップS154で求め
た出力トルク指令値Td*および駆動軸22の回転数N
dに対し、このマップからクラッチモータ30のトルク
指令値Tc*,アシストモータ40のトルク指令値Ta
*およびエンジン50の目標回転数Ne*を求めて設定
するものとしてもよい。こうすれば、アシストモータ4
0により回生される電気エネルギのすべてをクラッチモ
ータ30によって消費でき、バッテリ94の過充電を防
止することができる。
【0094】次に、実施例の動力伝達装置20を搭載し
た車両が長い下り坂を走行しているときなど、連続して
駆動軸22に制動力を作用させたいときの制動について
図16に例示する連続制動処理ルーチンに基づき説明す
る。このルーチンは、車両が走行状態にあり、運転者が
アクセルペダル64Aもブレーキペダル64Bも踏み込
んでいない状態のとき、あるいは、運転者によりいわゆ
るエンジンブレーキに相当する指示がなされたときに、
所定時間毎に繰り返し実行される。
【0095】連続制動処理ルーチンが実行されると、制
御装置80の制御CPU90は、まず駆動軸22の回転
数Ndを読み込む処理を行なう(ステップS200)。
続いて、残容量検出器99により検出されるバッテリ9
4の残容量BRMを読み込み(ステップS202)、読み
込んだ残容量BRMを閾値B2と比較する(ステップS2
04)。ここで、閾値B2は、前述した図13の制動時
トルク制御処理ルーチンにおけるステップS158の閾
値B2と同一である。バッテリ94の残容量BRMが閾値
B2未満のときには、バッテリ94の充電が必要である
と判断してステップS206ないしS210の処理にて
クラッチモータ30のトルク指令値Tc*,アシストモ
ータ40のトルク指令値Ta*およびエンジン50の目
標回転数Ne*を設定し、バッテリ94の残容量BRMが
閾値B2以上のときには、バッテリ94の充電は不要と
判断してステップS212ないしS216の処理にて各
指令値を設定する。以下に、まず、バッテリ94の残容
量BRMが閾値B2未満のときの処理について説明し、そ
の後にバッテリ94の残容量BRMが閾値B2以上になっ
たときの処理について説明する。
【0096】バッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満
のときには、制御CPU90は、まず連続制動トルクT
dsに駆動軸22の回転数Ndを乗じて制動エネルギP
dを算出する(ステップS206)。ここで、連続制動
トルクTdsは、アクセルペダル64Aやブレーキペダ
ル64Bが踏み込まれていない状態のときに駆動軸22
に作用させる制動トルクとして設定されるものである。
いま、連続制動トルクTdsを一定値であるとすれば、
制動エネルギPdは、駆動軸22の回転数Ndに比例し
たものとなる。
【0097】次に、算出した制動エネルギPdを基に、
予めROM90bに記憶してある制動エネルギPdとク
ラッチモータ30のトルク指令値Tc*およびアシスト
モータ40のトルク指令値Ta*との関係を示すマップ
からクラッチモータ30のトルク指令値Tc*とアシス
トモータ40のトルク指令値Ta*と求めて設定する
(ステップS208)。ここで用いたマップは、図13
の制動時トルク制御処理ルーチンにおけるステップS1
62で説明したマップと同一のマップ、即ち制動エネル
ギPdが与えられたとき、この制動エネルギPdから最
も効率よく電気エネルギを回生するクラッチモータ30
のトルク指令値Tc*およびアシストモータ40のトル
ク指令値Ta*の関係を示すものである。次に、設定し
たクラッチモータ30のトルク指令値Tc*を基に、予
めROM90bに記憶したマップ(例えば図5のグラ
フ)によりエンジン50の目標回転数Ne*を設定する
(ステップS210)。
【0098】一方、ステップS204で残容量BRMが閾
値B2以上であると判定されたとき、例えば、上述のス
テップS206ないしS210の処理を繰り返し実行す
ることによりバッテリ94が充電されてバッテリ94の
残容量BRMが閾値B2以上となったとき等には、制御C
PU90は、まずエンジン50の目標回転数Ne*を駆
動軸22の回転数Ndに所定の偏差量△N2を加えた値
として算出する(ステップS212)。ここで、偏差量
△N2を回転数Ndに加えて目標回転数Ne*とするの
は、クラッチモータ30の力行制御による制動を行なう
ためである。偏差量△N2は、ステップS214および
ステップS216で設定されるトルク指令値Tc*とト
ルク指令値Ta*との和がステップS206の連続制動
トルクTdsと同程度の値となるよう設定されており、
エンジン50の特性やクラッチモータ30の特性などに
より定められる。なお、実施例では、所定の偏差量△N
2を回転数Ndに加えて目標回転数Ne*としたが、偏
差量△N2をステップS200で読み込んだ駆動軸22
の回転数Ndを変数として定まる変量とし、これを回転
数Ndに加えて目標回転数Ne*とするものとしてもよ
い。
【0099】目標回転数Ne*を設定すると、制御CP
U90は、この目標回転数Ne*を基に、予めROM9
0bに記憶したマップ(例えば図5のグラフ)によりク
ラッチモータ30のトルク指令値Tc*を求める処理を
行なう(ステップS168)。続いて、アシストモータ
40のトルク指令値Ta*を、 Ta*=Tc*×△N2/(Ksa×Nd) により求める(ステップS216)。ここで、Ksa
は、アシストモータ40により回生する際の効率であ
る。クラッチモータ30は、エンジン50の回転数Ne
と駆動軸22の回転数Ndとの回転数差Nc(ここでは
偏差量△N2)で回転するとみなせるから、トルク指令
値Tc*と偏差量△N2との積は、クラッチモータ30
により消費される電気エネルギである。また、トルク指
令値Ta*と駆動軸22の回転数Ndの積に効率Ksa
を乗じたものは、アシストモータ40により回生される
電気エネルギである。したがって、上式は、クラッチモ
ータ30により消費される電気エネルギとアシストモー
タ40により回生される電気エネルギとを等しいとおい
てトルク指令値Ta*について解いたものとなる。この
ことより、ステップS212ないしS216で設定した
各指令値を用いて制御すれば、アシストモータ40によ
り回生される電力によりクラッチモータ30を駆動する
から、バッテリ94を充電することなく連続して、クラ
ッチモータ30およびアシストモータ40により駆動軸
22を制動することができる。
【0100】こうして、ステップS206ないしS21
0の処理により、あるいはステップS212ないしS2
14の処理により、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40のトルク指令値Tc*,Ta*とエンジン5
0の目標回転数Ne*を設定すると、制御CPU90
は、クラッチモータ30の制御(ステップS218)と
アシストモータ40の制御(ステップS220)とエン
ジン50の制御(ステップS222)を行なう。なお、
これらの制御については、図13の制動時トルク制御処
理ルーチンにおけるステップS174ないしS178と
同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0101】以上説明した連続制動処理ルーチンを実行
することにより、車両が長い下り坂を走行しているとき
でも連続してクラッチモータ30とアシストモータ40
とにより駆動軸22を制動することができる。しかも、
バッテリ94の状態に応じて制動することができる。即
ちバッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満のときに
は、制動エネルギを効率よく回生してバッテリ94を充
電するから、エネルギ効率をより高くすることができ
る。また、バッテリ94の残容量BRMが閾値B2以上の
ときには、クラッチモータ30の力行制御による制動と
し、クラッチモータ30により消費する電気エネルギと
アシストモータ40により回生される電気エネルギとが
等しくなるようクラッチモータ30およびアシストモー
タ40を制御するから、バッテリ94の過充電を避ける
ことができる。
【0102】こうした連続制動処理ルーチンのステップ
S206の連続制動トルクTdsとステップS212の
偏差量△N2とセットとして複数用意しておき、運転者
の指示に従ってそのうちのいずれかを選択するものとす
れば、連続制動トルクの異なる複数の連続制動処理によ
る駆動軸22の制動が可能となる。この結果、下り坂の
程度に応じて連続制動トルクを選択することができ、車
両をよりスムースに運転することができる。
【0103】実施例では、バッテリ94の残容量BRMが
閾値B2以上のときには、クラッチモータ30の力行制
御による制動とアシストモータ40の回生制御による制
動との組み合わせにより駆動軸22を制動したが、クラ
ッチモータ30のアウタロータ32とインナロータ34
とを電磁的にロック状態としてもよい。この場合、例え
ば、図17に例示する連続制動処理ルーチンの変形例の
処理とすることができる。
【0104】この変形例では、図16の連続制動処理ル
ーチンのステップS212ないしS216の処理に代え
てステップS232およびS234の処理を実行する。
ステップS232では、クラッチモータ30のアウタロ
ータ32とインナロータ34とを電磁的にロック状態と
する指令を設定し、ステップS234では、アシストモ
ータ40にトルクTasを設定する。ここで、クラッチ
モータ30のロック状態は、第1の駆動回路91を介し
てクラッチモータ30に所定電圧による定電流を流すこ
とによりなされるから、ステップS218のクラッチモ
ータ30の制御は、こうした定電流を流す制御となる。
また、トルクTasは、クラッチモータ30をロック状
態とするのに必要な電気エネルギをアシストモータ40
により回生するトルクとして設定される。アシストモー
タ40により回生される電気エネルギがトルク指令値T
a*に駆動軸22の回転数Ndを乗じて算出され、クラ
ッチモータ30により消費される電気エネルギが駆動軸
22の回転数Ndに拘わらず一定となるから、トルクT
asは、駆動軸22の回転数Ndを変数として定まるも
のとなる。即ちステップS200で読み込んだ駆動軸2
2の回転数Ndに基づいて予めROM90bに記憶した
マップなどによりトルクTasを求め、これをクラッチ
モータ30のトルク指令値Ta*とするのである。
【0105】以上説明した連続制動処理ルーチンの変形
例によれば、クラッチモータ30をロック状態とするか
ら、エンジン50による制動、即ちいわゆるエンジンブ
レーキにより駆動軸22を制動することができる。しか
も、クラッチモータ30をロック状態とする電気エネル
ギをアシストモータ40により回生するから、バッテリ
94に蓄えられた電気エネルギを使用することがない。
【0106】なお、この変形例では、クラッチモータ3
0をロック状態とする電気エネルギをアシストモータ4
0により回生したが、アシストモータ40による回生を
行なわないものとしても差し支えない。
【0107】次に本発明の第2の実施例である動力伝達
装置20Bについて説明する。図18は、第2実施例の
動力伝達装置20Bの構成の概略を例示する構成図であ
る。図示するように、第2実施例の動力伝達装置20B
は、アシストモータ40Bがエンジン50とクラッチモ
ータ30Bとの間のクランクシャフト56に取り付けら
れている点を除いて第1実施例の動力伝達装置20の構
成と同一の構成をしている。したがって、第2実施例の
動力伝達装置20Bの構成のうち第1実施例の動力伝達
装置20と同一の構成については同一の符号を付し、そ
の説明は省略する。なお、明示しない限り第1実施例の
説明の際に用いた符号はそのまま同じ意味で用いる。
【0108】第2実施例の動力伝達装置20Bは次のよ
うに動作する。今、エンジン50がトルクTe,回転数
Neの運転ポイントで運転しているとする。クランクシ
ャフト56に取り付けられたアシストモータ40Bによ
りクランクシャフト56にトルクTaを付加すれば、ク
ランクシャフト56にはTe+Taのトルクが作用す
る。そこで、クラッチモータ30BのトルクTcをTe
+Taとして制御すれば、駆動軸22にこのトルクTc
(Te+Ta)が伝達される。このときクラッチモータ
30Bでは、エンジン50の回転数Neと駆動軸22の
回転数Ndとの偏差に基づく電力が回生されるから、こ
の回生電力を電源ラインP1,P2を介してり駆動回路
92に供給すれば、アシストモータ40Bは、この回生
電力により駆動する。従って、アシストモータ40Bの
トルクTaをクラッチモータ30Bにより回生される電
力により丁度賄える値に設定すれば、 Te×Ne=Tc×Nd の関係が成り立つ範囲内でエンジン50からの出力を自
由にトルク変換することができる。なお、上述の関係
は、効率が100%のときの理想状態であるから、実際
には、Tc×Ndの方が若干小さくなる。
【0109】こうした第2実施例の動力伝達装置20B
でも、アシストモータ40Bを駆動しなければ、第1実
施例の動力伝達装置20の図5ないし図12を用いて説
明したクラッチモータ30による制動はそのまま適用で
きるから、クラッチモータ30Bの力行制御によって、
あるいはクラッチモータ30Bの回生制御によって駆動
軸22を制動することができる。クラッチモータ30B
による制動は、第1実施例で詳しく説明したので、ここ
での説明は省略し、以下に、クラッチモータ30Bおよ
びアシストモータ40Bによる制動について説明する。
なお、第2実施例の動力伝達装置20Bでは、アシスト
モータ40Bのみによる駆動軸22の制動は、アシスト
モータ40Bが駆動軸22に接続されていないから行な
うことができない。
【0110】第1実施例のクラッチモータ30による制
動では、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*を設
定すると、図5または図8のグラフからエンジン50の
回転数Neの最低値も決まってしまう。したがって、エ
ンジン50の回転数Neをこの最低値より小さな値にす
ることができない。第2実施例の動力伝達装置20Bで
は、エンジン50のクランクシャフト56にアシストモ
ータ40Bが取り付けられているから、アシストモータ
40Bを回生制御することにより、エンジン50の回転
数Neをクラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*に
より定まる最低値(図5のグラフにより定まる値)より
小さな値に設定することができる。逆に、アシストモー
タ40Bを駆動制御することにより、エンジン50の燃
料噴射制御を行なわなくてもエンジン50の回転数Ne
をクラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*により定
まる最低値より大きな値にすることができる。こうした
ことから、エンジン50は、燃料噴射を停止すれば、ク
ラッチモータ30Bによる駆動軸22を制動するトルク
Tcとアシストモータ40Bによるクランクシャフト5
6を制動するトルクTaとのトルク偏差△Tca(△T
ca=Tc−Ta)に対して図5のグラフを適用して定
まる回転数で回転することになる。以下、クラッチモー
タ30およびアシストモータ40による制動について図
19に例示する制動時トルク制御処理ルーチンおよび図
20に例示する連続制動処理ルーチンに基づき説明す
る。
【0111】制動時トルク制御ルーチンは、運転者がブ
レーキペダル64Bを踏み込んだときに、ブレーキペダ
ル64Bが踏み込まれている間、所定時間毎に繰り返し
実行される。本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず駆動軸22の回転数Ndを読
み込む処理を行なう(ステップS300)。次に、ブレ
ーキペダルポジションセンサ65Bからのブレーキペダ
ルポジションBPを読み込み(ステップS302)、読
み込んだブレーキペダルポジションBPに応じたクラッ
チモータ30Bのトルク指令値Tc*を導出する処理を
行なう(ステップS304)。第1実施例では、ブレー
キペダルポジションBPに応じた出力トルク指令値Td
*を導出したが、第2実施例では、クラッチモータ30
Bのトルク指令値Tc*が出力トルク指令値Td*に等
しいとおけるから、第1実施例の出力トルク指令値Td
*を導出する処理をそのまま用いて導出した値をトルク
指令値Tc*に設定している。次に、残容量検出器99
により検出されるバッテリ94の残容量BRMを読み込み
(ステップS306)、読み込んだ残容量BRMを閾値B
2と比較する(ステップS308)。
【0112】バッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満
のときには、制御CPU90は、クラッチモータ30B
のトルク指令値Tc*と駆動軸22の回転数Ndとを基
に、クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*および
駆動軸22の回転数Ndとアシストモータ40Bのトル
ク指令値Ta*およびエンジン50の目標回転数Ne*
との関係を示すマップにより、アシストモータ40Bの
トルク指令値Ta*およびエンジン50の目標回転数N
e*とを求めて設定する(ステップS310)。ここ
で、第2実施例が備えるマップは、クラッチモータ30
Bのトルク指令値Tc*と駆動軸22の回転数Ndとが
与えられたときに、これらの積で与えられる制動エネル
ギPdから最も効率よく電気エネルギを回生するアシス
トモータ40Bのトルク指令値Ta*およびエンジン5
0の目標回転数Ne*の関係を示すものである。具体的
には、次のようになる。
【0113】クラッチモータ30Bによって回生される
電気エネルギPcとアシストモータ40Bにより回生さ
れる電気エネルギPaとの和である回生エネルギPは次
式で表わされる。ここで、Kcsはクラッチモータ30
Bにより回生する際の効率であり、Kasはアシストモ
ータ40Bにより回生する際の効率である。クラッチモ
ータ30BのトルクTcとアシストモータ40Bのトル
クTaとのトルク偏差△Tca(△Tca=Tc−T
a)と、エンジン50の回転数Neとには、エンジン5
0の燃料噴射を停止すれば、上述したように図5のグラ
フの関係があるから、目標回転数Ne*は、トルク指令
値Ta*の関数として表わすことができる。したがっ
て、回生エネルギPは、トルク指令値Tc*と回転数N
dが入力されれば、トルク指令値Ta*の関数となるか
ら、回生エネルギPを最大とするトルク指令値Ta*を
求めることができ、エンジン50の目標回転数Ne*を
求めることができる。これをマップとしてROM90b
に記憶したものが第2実施例が備えるマップである。な
お、このマップは、クラッチモータ30Bおよびアシス
トモータ40Bの種類や特性,エンジン50の特性等に
よって定まるものである。
【0114】 P=Pc+Pa ={Kcs×Tc*×(Nd−Ne*)}+{Kas×Ta*×Ne*}
【0115】一方、ステップS308で残容量BRMが閾
値B2以上と判定されたときには、制御CPU90は、
クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*を基に、予
めROM90bに記憶したマップ(例えば図5のグラ
フ)によりエンジン50の目標回転数Ne*を設定し
(ステップS312)、設定した目標回転数Ne*と駆
動軸22の回転数Ndとを比較する(ステップS31
4)。
【0116】目標回転数Ne*が回転数Ndより小さい
ときには、回転数Ndと目標回転数Ne*との偏差△N
deを基に、予めROM90bに記憶したマップにより
アシストモータ40Bのトルク指令値Ta*を設定する
(ステップS316)。ここで、第2実施例が備えるマ
ップは、偏差△Ndeと、目標回転数Ne*で回転して
いるエンジン50を回転数Ndで回転させるのに必要な
アシストモータ40Bのトルク指令値Ta*との関係を
実験などにより求めたものである。このように、アシス
トモータ40Bでエンジン50の回転数Neを回転数N
dまで上げるのは、エンジン50の回転数Neが駆動軸
22の回転数Ndより小さいと、クラッチモータ30B
の力行制御による制動が行なえないからである。アシス
トモータ40Bのトルク指令値Ta*を設定すると、続
いて、エンジン50の目標回転数Ne*に駆動軸22の
回転数Ndを設定する(ステップS318)。
【0117】目標回転数Ne*が回転数Nd以上のとき
には、アシストモータ40Bのトルク指令値Ta*に値
0を設定する(ステップS320)。目標回転数Ne*
が回転数Nd以上のときには、クラッチモータ30Bの
回生制御による制動が可能であるからである。なお、ト
ルク指令値Ta*が値0のときには、バッテリ94に蓄
えられた電力を用いてクラッチモータ30Bを力行制御
することになるから、目標回転数Ne*が回転数Nd以
上となる範囲内でアシストモータ40Bのトルク指令値
Ta*を設定し、クラッチモータ30Bで消費される電
気エネルギをアシストモータ40Bで回生してもよい。
【0118】こうして、ステップS310の処理によ
り、あるいはステップS312ないしS320の処理に
より、クラッチモータ30のトルク指令値Ta*とエン
ジン50の目標回転数Ne*が設定されると、制御CP
U90は、クラッチモータ30の制御(ステップS32
2)とアシストモータ40の制御(ステップS324)
とエンジン50の制御(ステップS326)を行なう。
なお、これらの制御については、図13の制動時トルク
制御処理ルーチンにおけるステップS174ないしS1
78と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0119】以上説明した第2実施例の動力伝達装置2
0Bにより実行される制動時トルク制御処理ルーチンに
よれば、クラッチモータ30Bとアシストモータ40B
とにより駆動軸22を制動することができる。しかも、
バッテリ94の残容量BRMの状態に応じて制動すること
ができる。即ちバッテリ94の残容量BRMが閾値B2未
満のときには、制動エネルギを効率よく回生してバッテ
リ94を充電するから、エネルギ効率をより高くするこ
とができる。また、バッテリ94の残容量BRMが閾値B
2以上のときには、クラッチモータ30の力行制御によ
る制動とするから、バッテリ94の過充電を避けること
ができる。
【0120】次に、第2実施例の動力伝達装置20Bを
搭載した車両が長い下り坂を走行しているときなど、連
続して駆動軸22に制動力を作用させたいときの制動に
ついて図20に例示する連続制動処理ルーチンに基づき
説明する。このルーチンは、車両が走行状態にあり、運
転者によりアクセルペダル64Aもブレーキペダル64
Bも踏み込まれていない状態のとき、あるいは、運転者
によりいわゆるエンジンブレーキに相当する指示がなさ
れたときに、所定時間毎に繰り返し実行される。
【0121】連続制動処理ルーチンが実行されると、制
御装置80の制御CPU90は、まず駆動軸22の回転
数Ndを読み込む処理を行なう(ステップS330)。
次にクラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*に連続
制動トルクTcsを設定する(ステップS332)。こ
こで、連続制動トルクTcsは、アクセルペダル64A
やブレーキペダル64Bが踏み込まれていない状態のと
きに駆動軸22に作用させる制動トルクとして設定され
るものである。続いて、残容量検出器99により検出さ
れるバッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステップS
334)、読み込んだ残容量BRMを閾値B2と比較する
(ステップS336)。
【0122】バッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満
のときには、制御CPU90は、駆動軸22の回転数N
dとを基に、駆動軸22の回転数Ndとアシストモータ
40Bのトルク指令値Ta*との関係を示すマップによ
り、アシストモータ40Bのトルク指令値Ta*を設定
する(ステップS338)。ここで、第2実施例が備え
るマップは、駆動軸22の回転数Ndと、回転数Ndお
よび連続制動トルクTcsの積で与えられる制動エネル
ギPdから最も効率よく電気エネルギを回生するアシス
トモータ40Bのトルク指令値Ta*との関係を示すも
のである。具体的な説明は、図19の制動時トルク制御
処理ルーチンのステップS310と同じなので、ここで
は省略する。
【0123】一方、ステップS204で残容量BRMが閾
値B2以上であると判定されたときには、制御CPU9
0は、クラッチモータ30Bのトルク指令値Tc*を基
に、予めROM90bに記憶したマップ(例えば図5の
グラフ)によりエンジン50の目標回転数Ne*を設定
し(ステップS340)、設定した目標回転数Ne*と
駆動軸22の回転数Ndとを比較する(ステップS34
2)。
【0124】目標回転数Ne*が回転数Ndより小さい
ときには、クラッチモータ30Bの回生制御による制動
となるから、エンジン50の回転数Neが回転数Ndを
上回らない範囲で、アシストモータ40Bを力行制御
し、クラッチモータ30Bにより回生される電気エネル
ギPcとアシストモータ40Bにより消費される電気エ
ネルギPaとが等しくなるようアシストモータ40Bの
トルク指令値Ta*を設定する(ステップS344)。
即ち、次式が成立するようトルク指令値Ta*を設定す
るのである。なお、この式からトルク指令値Ta*を求
める手法については図19の制動時トルク制御処理ルー
チンのステップS310で説明した。
【0125】 Pc=Kcs×Tc*×(Nd−Ne)=Ta*×Ne=Pa
【0126】目標回転数Ne*が回転数Nd以上のとき
には、クラッチモータ30Bの力行制御による制動とな
るから、エンジン50の回転数Neが回転数Ndを下回
らない範囲で、アシストモータ40Bを回生制御し、ク
ラッチモータ30Bにより消費される電気エネルギPc
とアシストモータ40Bにより回生される電気エネルギ
Paとが等しくなるようアシストモータ40Bのトルク
指令値Ta*を設定する(ステップS346)。即ち、
次式が成立するようトルク指令値Ta*を設定するので
ある。
【0127】 Pc=Tc*×(Nd−Ne)=Kas×Ta*×Ne=Pa
【0128】こうして、ステップS338の処理によ
り、あるいはステップS340ないしS346の処理に
より、アシストモータ40Bのトルク指令値Tc*,T
a*とエンジン50の目標回転数Ne*を設定すると、
制御CPU90は、クラッチモータ30Bの制御(ステ
ップS348)とアシストモータ40Bの制御(ステッ
プS350)とエンジン50の制御(ステップS35
2)を行なう。なお、これらの制御については、図13
の制動時トルク制御処理ルーチンにおけるステップS1
74ないしS178と同一であるので、その詳細な説明
は省略する。
【0129】以上説明した第2実施例の動力伝達装置2
0Bで実行する連続制動処理ルーチンによれば、車両が
長い下り坂を走行しているときでも連続してクラッチモ
ータ30Bとアシストモータ40Bとにより駆動軸22
を制動することができる。しかも、バッテリ94の状態
に応じて制動することができる。即ちバッテリ94の残
容量BRMが閾値B2未満のときには、制動エネルギを効
率よく回生してバッテリ94を充電するから、エネルギ
効率をより高くすることができる。また、バッテリ94
の残容量BRMが閾値B2以上のときには、クラッチモー
タ30Bの力行制御による制動に対してはアシストモー
タ40Bの回生制御を組み合わせ、クラッチモータ30
Bの回生制御による制動に対してはアシストモータ40
Bの力行制御を組み合わせて、それぞれ回生される電気
エネルギと消費される電気エネルギとが等しくなるよう
クラッチモータ30Bおよびアシストモータ40Bを制
御するから、バッテリ94の過充電または放電を避ける
ことができる。
【0130】こうした連続制御処理ルーチンのステップ
S332の連続制動トルクTcsを複数用意しておき、
運転者の指示に従ってそのうちのいずれかを選択するも
のとすれば、連続制動トルクの異なる複数の連続制動処
理による駆動軸22の制動が可能となる。この結果、下
り坂の程度に応じて制動トルクを選択することができ、
車両をよりスムースに運転することができる。
【0131】なお、第2実施例でも、バッテリ94の残
容量BRMが閾値B2以上のときには、第1実施例の変形
例(図17)のように、クラッチモータ30Bのアウタ
ロータ32とインナロータ34とを電磁的にロック状態
としてもよい。こうすれば、エンジン50による制御、
即ちいわゆるエンジンブレーキにより駆動軸22を制動
することができる。
【0132】第2実施例の動力伝達装置20Bでは、ア
シストモータ40Bがエンジン50とクラッチモータ3
0Bとの間のクランクシャフト56に取り付けられてい
るが、図21に例示する動力伝達装置20Cのように、
アシストモータ40Cとクラッチモータ30Cとでエン
ジン50を挟持する配置としてもよい。
【0133】第1実施例および第2実施例では、いずれ
も車両が前進しているときの制動動作について説明した
が、車両が後進しているときの制動動作に適用すること
もできる。後進時のクラッチモータ30による制動トル
クの作用状態を図22に示す。後進時のクラッチモータ
30による制動は、クラッチモータ30により駆動軸2
2の回転方向と逆向きのトルクTcを駆動軸22に作用
させることにより行なわれるが、駆動軸22がエンジン
50のクランクシャフト56の回転と逆向きに回転して
いるから、前進時と逆向きのトルクTcを作用させるこ
とになる。即ち、後進時のクラッチモータ30による制
動トルクは、車両を前進方向に加速するトルクとなる。
【0134】したがって、後進時におけるクラッチモー
タ30のトルクTcは、エンジン50の回転数Neが駆
動軸22の回転数Ndより大きいときに、クラッチモー
タ30によりエンジン50の回転方向のトルクを駆動軸
22に作用させるトルクと同じになるから、クラッチモ
ータ30では、エンジン50の回転数Neと駆動軸22
の回転数Ndとの回転数差Ncに応じた電力が回生され
ることになる。後進時のクラッチモータ30による制動
における駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係およ
びこの間のクラッチモータ30の状態を示せば図23の
ようになる。実施例では、クランクシャフト56を逆方
向に回転させないようにしているから、後進時のクラッ
チモータ30による制動は、すべて回生制御による制動
となる。ただし、クランクシャフト56を逆方向に回転
させ得る構成とすれば、駆動軸22の逆方向の回転数が
エンジン50の逆方向の回転数Neより小さい範囲でク
ラッチモータ30による力行制御による制動がなされ
る。
【0135】なお、こうした後進時のクラッチモータ3
0による制動の他、後進時のアシストモータ40による
制動や後進時のクラッチモータ30およびアシストモー
タ40による制動も可能であることは勿論であり、これ
以上の説明を要しない。
【0136】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0137】例えば、図1に示した動力伝達装置20を
4輪駆動車(4WD)に適用した場合は、図24に示す
ごとくになる。図24に示す構成では、駆動軸22に機
械的に結合していたアシストモータ40を駆動軸22よ
り分離して、車両の後輪部に独立して配置し、このアシ
ストモータ40によって後輪部の駆動輪27,29を駆
動する。一方、駆動軸22の先端はギヤ23を介してデ
ィファレンシャルギヤ24に結合されており、この駆動
軸22によって前輪部の駆動輪26,28を駆動する。
このような構成の下においても、前述した第1実施例を
実現することは可能である。
【0138】ところで、上述した各実施例では、エンジ
ン50としてガソリンにより運転されるガソリンエンジ
ンを用いたが、その他に、ディーゼルエンジンや、ター
ビンエンジンや、ジェットエンジンなど各種の内燃或い
は外燃機関を用いることもできる。
【0139】また、実施例では、クラッチモータ30及
びアシストモータ40としてPM形(永久磁石形;Perm
anent Magnet type)同期電動機を用いていたが、回生
動作及び力行動作を行なわせるのであれば、その他に
も、VR形(可変リラクタンス形;Variable Reluctanc
e type)同期電動機や、バーニアモータや、直流電動機
や、誘導電動機や、超電導モータや、ステップモータな
どを用いることもできる。
【0140】さらに、実施例では、クラッチモータ30
に対する電力の伝達手段として回転トランス38を用い
たが、その他、スリップリング−ブラシ接触、スリップ
リング−水銀接触、或いは磁気エネルギの半導体カップ
リング等を用いることもできる。
【0141】あるいは、実施例では、第1および第2の
駆動回路91,92としてトランジスタインバータを用
いたが、その他に、IGBT(絶縁ゲートバイポーラモ
ードトランジスタ;Insulated Gate Bipolar mode Tran
sistor)インバータや、サイリスタインバータや、電圧
PWM(パルス幅変調;Pulse Width Modulation)イン
バータや、方形波インバータ(電圧形インバータ,電流
形インバータ)や、共振インバータなどを用いることも
できる。
【0142】また、バッテリ94としては、Pbバッテ
リ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いること
ができるが、バッテリ94に代えてキャパシタを用いる
こともできる。
【0143】以上の各実施例では、動力伝達装置を車両
に搭載する場合について説明したが、本発明はこれに限
定されるものではなく、船舶,航空機などの交通手段
や、その他各種産業機械などに搭載することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての動力伝達装置2
0の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1の動力伝達装置20を構成するクラッチモ
ータ30及びアシストモータ40の構造を示す断面図で
ある。
【図3】図1の動力伝達装置20を組み込んだ車両の原
動機50を含む概略構成を示す構成図である。
【図4】動力伝達装置20の動作原理を説明するための
グラフである。
【図5】燃料噴射を停止した際の外力(トルクTc)と
エンジン50の回転数Neとの関係を例示するグラフで
ある。
【図6】クラッチモータ30に負方向のトルクTcが設
定された際の駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係
およびこの間のクラッチモータ30の状態を例示する説
明図である。
【図7】クラッチモータ30に負方向のトルクTcとし
てと値Tc(B)が設定された際の駆動軸22の回転数
Ndと時間tとの関係およびこの間のクラッチモータ3
0の状態を例示する説明図である。
【図8】所定量の燃料を噴射した際の外力(トルクT
c)とエンジン50の回転数Neとの関係を例示するグ
ラフである。
【図9】クラッチモータ30に負方向のトルクTcが設
定されると共に所定量の燃料が噴射された際の駆動軸2
2の回転数Ndと時間tとの関係およびこの間のクラッ
チモータ30の状態を例示する説明図である。
【図10】エンジン50の回転数Neを駆動軸22の回
転数Ndとの偏差が一定になるよう制御したときの駆動
軸22の回転数Ndと時間tとの関係を例示する説明図
である。
【図11】クラッチモータ30の制御の基本的な処理を
示すフローチャートである。
【図12】制御装置80により実行される制動時処理ル
ーチンを例示するフローチャートである。
【図13】制御装置80により実行される制動時トルク
制御処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図14】バッテリ94の残容量BRMと充電可能電力と
の関係を例示するグラフである。
【図15】アシストモータ40の制御の基本的な処理を
示すフローチャートである。
【図16】制御装置80により実行される連続制動処理
ルーチンを例示するフローチャートである。
【図17】図16の連続制動処理ルーチンの一部の変形
例を例示するフローチャートである。
【図18】本発明の第2の実施例としての動力伝達装置
20Bの概略構成を示す構成図である。
【図19】第2実施例の制御装置80により実行される
制動時トルク制御処理ルーチンを例示するフローチャー
トである。
【図20】第2実施例の制御装置80により実行される
連続制動処理ルーチンを例示するフローチャートであ
る。
【図21】第2実施例の動力伝達装置20Bの変形例で
ある動力伝達装置20Cの構成の概略を例示する構成図
である。
【図22】後進時のクラッチモータ30による制動トル
クの作用状態を説明する説明図である。
【図23】後進時のクラッチモータ30による制動にお
ける駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係およびこ
の間のクラッチモータ30の状態を例示する説明図であ
る。
【図24】図1に示した実施例の動力伝達装置20を4
輪駆動車に適用した場合の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
20…動力伝達装置 20B…動力伝達装置 20C…動力伝達装置 22…駆動軸 23…ギヤ 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 27,29…駆動輪 30…クラッチモータ 30B…クラッチモータ 30C…クラッチモータ 32…アウタロータ 34…インナロータ 35…永久磁石 36…三相コイル 37A,37B…ベアリング 38…回転トランス 38A…一次巻線 38B…二次巻線 39…レゾルバ 40…アシストモータ 40B…アシストモータ 40C…アシストモータ 42…ロータ 43…ステータ 44…三相コイル 45…ケース 46…永久磁石 48…レゾルバ 49…ベアリング 50…エンジン 50…原動機 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 56…クランクシャフト 57…ホイール 58…イグナイタ 59a…圧入ピン 59b…ネジ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64A…アクセルペダル 64B…ブレーキペダル 65A…アクセルペダルポジションセンサ 65B…ブレーキペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91,92…駆動回路 94…バッテリ 95,96…電流検出器 97,98…電流検出器 99…残容量検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮谷 孝夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−251710(JP,A) 特開 平6−144020(JP,A) 特開 平5−50865(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 15/00 B60K 6/02 B60L 11/14 H02K 7/11

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原
    動機と、 前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第
    1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相
    対的に回転可能な第2のロータとを有し、該原動機の出
    力を該第2のロータに結合される回転軸に伝達可能な伝
    達電動機と、 該伝達電動機における前記第1および第2のロータ間の
    電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第1のロータ
    と該第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力
    を該伝達電動機により回生可能な伝達電動機駆動回路
    と、 該伝達電動機駆動回路を介して前記伝達電動機から回生
    した電力を蓄えると共に該伝達電動機駆動回路を介して
    該伝達電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動
    力伝達装置であって、前記伝達電動機を力行駆動することにより 前記第2のロ
    ータに結合された回転軸の回転を制動する際には、前記
    伝達電動機駆動回路を制御して、前記伝達電動機により
    該回転軸に所望の制動トルクが加えられるよう前記伝達
    電動機を駆動制御する制動時伝達電動機制御手段を備え
    る動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる原
    動機と、 前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第
    1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相
    対的に回転可能な第2のロータとを有し、該原動機の出
    力を該第2のロータに結合される回転軸に伝達可能な伝
    達電動機と、 該伝達電動機における前記第1および第2のロータ間の
    電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第1のロータ
    と該第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力
    を該伝達電動機により回生可能な伝達電動機駆動回路
    と、 該伝達電動機駆動回路を介して前記伝達電動機から回生
    した電力を蓄えると共に該伝達電動機駆動回路を介して
    該伝達電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動
    力伝達装置であって、 前記第2のロータに結合された回転軸の回転を制動する
    際、前記伝達電動機の前記第1のロータと前記第2のロ
    ータとが電磁的にロック状態となるよう前記伝達電動機
    駆動回路を制御する手段を備えた動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記制動時伝達電動機制御手段は、前記
    伝達電動機の駆動制御を、前記第1のロータの回転数と
    前記第2のロータの回転数との偏差に応じて行なう手段
    である請求項1記載の動力伝達装置。
  4. 【請求項4】 前記制動時伝達電動機制御手段は、制動
    の間、前記伝達電動機が駆動制御されるよう前記第1の
    ロータの回転数を制御する手段である請求項3記載の動
    力伝達装置。
  5. 【請求項5】 前記二次電池の充電状態に基づいて、
    前記伝達電動機を用いた回生制動を行なうか、該伝達電
    動機の駆動制御による制動を行なうかを判断する判断手
    段を設けると共に、 回生制動を行なうと判断した場合には、 制動の間、前記
    伝達電動機が回生制御されるよう前記第1のロータの回
    転数を制御する手段を設けた請求項3記載の動力伝達装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の動力伝達装置であって、 前記二次電池の状態を検出する電池状態検出手段を備
    え、 前記制動時伝達電動機制御手段は、前記電池状態検出手
    段により検出された前記二次電池の状態が満充電に近い
    所定の状態のとき、前記第1のロータの回転数が前記第
    2のロータの回転数より大きな所定の回転数となるよう
    該第1のロータの回転数を制御する回転数制御手段を備
    える動力伝達装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか記載の動力伝
    達装置であって、 前記第2のロータに結合された回転軸に結合される第3
    のロータを有し、該第2のロータに結合された回転軸に
    トルクを付加する付加電動機と、 該付加電動機を駆動すると共に該付加電動機から電力を
    回生可能な付加電動機駆動回路と、 前記第2のロータに結合された回転軸の回転を制動する
    際、前記付加電動機により該回転軸に制動トルクが加え
    られるよう前記付加電動機駆動回路を制御する制動時付
    加電動機制御手段とを備え、 前記二次電池は、前記付加電動機駆動回路を介して付加
    電動機から回生した電力を蓄えると共に、該付加電動機
    駆動回路を介して該付加電動機に電力を供給可能な電池
    である動力伝達装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の動力伝達装置であって、 操作者の操作に基づいて前記第2のロータに結合された
    回転軸を制動させる制動トルクを演算する制動トルク演
    算手段と、 該演算された制動トルクを、前記制動時伝達電動機制御
    手段による制御により前記伝達電動機から加えられる制
    動トルクと、前記制動時付加電動機制御手段による制御
    により前記付加電動機から加えられる制動トルクとに分
    配する制動トルク分配手段とを備える動力伝達装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の動力伝達装置であって、 前記制動時伝達電動機制御手段は、前記伝達電動機を駆
    動制御する手段であり、 前記制動トルク分配手段は、前記制動時付加電動機制御
    手段による前記付加電動機の制御により回生される電力
    で、前記制動時伝達電動機制御手段による前記伝達電動
    機の制御により消費される電力を賄うよう制動トルクを
    分配する手段である動力伝達装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の動力伝達装置であっ
    て、 前記制動時伝達電動機制御手段は、前記伝達電動機を回
    生制御する手段であり、 前記制動トルク分配手段は、前記制動時付加電動機制御
    手段による前記付加電動機の制御により回生される電気
    エネルギと、前記制動時伝達電動機制御手段による前記
    伝達電動機の制御により回生される電気エネルギとの和
    が大きくなるよう制動トルクを分配する手段である動力
    伝達装置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし6いずれか記載の動力
    伝達装置であって、 前記原動機の出力軸に結合される第3のロータを有し、
    該原動機の出力軸にトルクを付加する付加電動機と、 該付加電動機を駆動すると共に該付加電動機から電力を
    回生可能な付加電動機駆動回路と、 前記第2のロータに結合された回転軸の回転を制動する
    際、前記付加電動機により前記原動機の出力軸に制動ト
    ルクが加えられるよう前記付加電動機駆動回路を制御す
    る制動時付加電動機制御手段とを備え、 前記二次電池は、前記付加電動機駆動回路を介して付加
    電動機から回生した電力を蓄えると共に、該付加電動機
    駆動回路を介して該付加電動機に電力を供給可能な電池
    である動力伝達装置。
  12. 【請求項12】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第
    1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相
    対的に回転可能な第2のロータとを有し、該原動機の出
    力を該第2のロータに結合される回転軸に伝達可能な伝
    達電動機と、 該伝達電動機における前記第1および第2のロータ間の
    電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第1のロータ
    と該第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力
    を該伝達電動機により回生可能な伝達電動機駆動回路
    と、 該伝達電動機駆動回路を介して前記伝達電動機から回生
    した電力を蓄えると共に該伝達電動機駆動回路を介して
    該伝達電動機に電力を供給可能な二次電池とを備える動
    力伝達装置の制御方法であって、前記伝達電動機を力行駆動することにより 前記第2のロ
    ータに結合された回転軸の回転を制動する際には、前記
    伝達電動機駆動回路を制御して、前記伝達電動機により
    該回転軸に所望の制動トルクが加えられるよう前記伝達
    電動機を駆動制御する動力伝達装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 出力軸を有し、該出力軸を回転させる
    原動機と、 前記原動機の出力軸に結合される第1のロータと、該第
    1のロータと電磁的に結合し該第1のロータに対して相
    対的に回転可能な第2のロータとを有し、該原動機の出
    力を該第2のロータに結合される回転軸に伝達可能な伝
    達電動機と、 該伝達電動機における前記第1および第2のロータ間の
    電磁的な結合の程度を制御すると共に、該第1のロータ
    と該第2のロータとの間に生じる滑り回転に応じた電力
    を該伝達電動機により回生可能な伝達電動機駆動回路
    と、 前記第2のロータに結合された回転軸に結合される第3
    のロータを有し、該第2のロータに結合された回転軸に
    トルクを付加する付加電動機と、 該付加電動機を駆動すると共に該付加電動機から電力を
    回生可能な付加電動機駆動回路と、 前記伝達電動機駆動回路および/または前記付加電動機
    駆動回路を介して対応する前記伝達電動機,前記付加電
    動機から回生した電力を蓄えると共に、該伝達電動機駆
    動回路および/または該付加電動機駆動回路を介して対
    応する該伝達電動機,該付加電動機に電力を供給可能な
    二次電池とを備える動力伝達装置の制御方法であって、前記伝達電動機を力行駆動することにより 前記第2のロ
    ータに結合された回転軸の回転を制動する際には、前記
    伝達電動機駆動回路を制御して、前記伝達電動機により
    該回転軸に所望の制動トルクが加えられるよう前記伝達
    電動機を駆動制御すると共に前記付加電動機により該
    回転軸に制動トルクが加えられるよう前記付加電動機駆
    動回路を制御する動力伝達装置の制御方法。
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