JP3371723B2 - 動力出力装置およびその制御方法 - Google Patents

動力出力装置およびその制御方法

Info

Publication number
JP3371723B2
JP3371723B2 JP32107396A JP32107396A JP3371723B2 JP 3371723 B2 JP3371723 B2 JP 3371723B2 JP 32107396 A JP32107396 A JP 32107396A JP 32107396 A JP32107396 A JP 32107396A JP 3371723 B2 JP3371723 B2 JP 3371723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive shaft
shaft
electric motor
power output
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32107396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10150745A (ja
Inventor
徹也 三浦
康己 川端
憲彦 赤尾
広暁 浦野
彰彦 金森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP32107396A priority Critical patent/JP3371723B2/ja
Publication of JPH10150745A publication Critical patent/JPH10150745A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3371723B2 publication Critical patent/JP3371723B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/64Electric machine technologies in electromobility
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力出力装置およ
びその制御方法に関し、詳しくは、原動機から出力され
る動力を効率的に駆動軸に出力する動力出力装置および
その制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の動力出力装置としては、
車両に搭載される装置であって、原動機の出力軸と電動
機のロータに結合された駆動軸とを電磁継手により電磁
的に結合して原動機の動力を駆動軸に出力するものが提
案されている(例えば、特開昭49−43311号公報
等)。この動力出力装置では、原動機から出力される動
力の一部を電磁継手の電磁的な結合により駆動軸に伝達
すると共に、電磁継手の滑りによって生じる回生電力を
並列に接続された電動機や二次電池に供給する。電動機
は、電磁継手によって駆動軸に伝達される出力では不足
するトルクを、電磁継手によって回生された電力や二次
電池から放電される電力を用いて駆動軸に出力する。ま
た、この動力出力装置は、電動機を発電機として動作さ
せて駆動軸に制動トルクを出力することにより駆動軸を
制動する。このときに回生される電気エネルギは、二次
電池に蓄えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の動力出力装置では、駆動軸の制動力を電動機に
頼っているから、急制動をも考慮すると、電動機の容量
が大きくなるという問題があった。電動機の容量を大き
くすると電動機自体の大きさも大きくなるから、車両に
搭載する場合のように限られたスペースに設置する場合
には、省スペース化という要請に反するものとなる。ま
た、電動機の容量を大きくすると、電動機を駆動して動
力を得る際の損失も大きくなるから、装置全体の効率の
低下を招き好ましくない。また、従来の動力出力装置で
は、電動機が故障したときには駆動軸に制動力を作用さ
せることができないといった問題もあった。
【0004】こうした問題に対し、電動機の容量を大き
くせず、急制動時には、機械的な摩擦による機械ブレー
キに頼ることも考えられるが、駆動軸の回転エネルギを
何等回収せずに熱エネルギとして消失させてしまうか
ら、この手法も、装置全体の効率の観点から好ましくな
い。また、機械ブレーキは、長時間に亘って制動力を駆
動軸に作用させると制動力が失われる場合、例えば車両
で長い下り坂を下るときに機械ブレーキを使用し続ける
と制動力が得られなくなる現象など、が生じるという問
題もある。
【0005】さらに、上述の従来の動力出力装置では、
二次電池が満充電の状態のときには、電動機による回生
電力を二次電池に蓄えることができないから、電動機に
よる制動を行なうことができないという問題もあった。
【0006】本発明の動力出力装置およびその制御方法
は、効率がよく、急制動も可能な小型の装置およびその
制御方法を提供することを目的の一つとする。また、本
発明の動力出力装置およびその制御方法は、電動機が故
障したときでも駆動軸に制動力を出力することを目的の
一つとする。さらに、本発明の動力出力装置およびその
制御方法は、長時間に亘って制動力を駆動軸に作用させ
ても制動力が低下したり失われたりしない装置およびそ
の制御方法を提供することを目的の一つとする。そのほ
か、本発明の動力出力装置およびその制御方法は、二次
電池が満充電の状態であっても駆動軸への制動が可能な
装置およびその制御方法を提供することを目的の一つと
する。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の動力出力装置およびその制御方法は、上述の目的
の少なくとも一部を達成するために、次の手段を採っ
た。
【0008】本発明の第1の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有する
原動機と、前記出力軸に結合された第1のロータと、前
記駆動軸に結合され該第1のロータに対して相対的に回
転可能な第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的
な結合を介して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり
取りをする第1の電動機と、前記出力軸および前記駆動
軸とは異なる回転軸を有し、該回転軸を介して動力のや
り取りをする第2の電動機と、前記回転軸と前記出力軸
との機械的な接続と該接続の解除とを行なう第1の接続
手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該
接続の解除とを行なう第2の接続手段と、所定の制動要
求がなされたとき、前記第1の接続手段および前記第2
の接続手段の接続状態に基づいて前記原動機,前記第1
の電動機および前記第2の電動機から出力される動力に
より前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機,該第
1の電動機および該第2の電動機を制御する制動制御手
段とを備えることを要旨とする。
【0009】この本発明の第1の動力出力装置は、原動
機の出力軸に結合された第1のロータと駆動軸に結合さ
れ第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロー
タとを有する第1の電動機が、この両ロータ間の電磁的
な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間で動力の
やり取りをし、出力軸および駆動軸とは異なる回転軸を
有する電動機が、この回転軸を介して動力のやり取りを
する。第1の接続手段は、第2の電動機の回転軸と原動
機の出力軸との機械的な接続と接続の解除とを行ない、
第2の接続手段は、第2の電動機の回転軸と駆動軸との
機械的な接続と接続の解除とを行なう。制動制御手段
は、所定の制動要求がなされたとき、第1の接続手段お
よび第2の接続手段の接続状態に基づいて原動機,第1
の電動機および第2の電動機から出力される動力により
駆動軸に制動力が作用するよう原動機,第1の電動機お
よび第2の電動機を制御する。なお、ここでいう「動
力」は、軸に作用するトルクとその軸の回転数との積の
形態で表わされるエネルギを意味し、回転方向と同じ向
きに作用する正の動力と、回転方向とは逆向きに作用す
る負の動力の双方が含まれる。したがって、エネルギの
大きさが同じでも、トルクや回転数が異なれば、動力と
しての形態は異なるから、異なる動力となる。以下「動
力」については後述する本発明の第2の動力出力装置や
第1および第2の動力出力装置の制御方法においても同
じである。
【0010】こうした本発明の第1の動力出力装置によ
れば、原動機や第1の電動機あるいは第2の電動機から
出力される動力により駆動軸に制動力を作用させること
ができる。しかも、第1の接続手段および第2の接続手
段の接続状態に基づいて原動機や第1の電動機あるいは
第2の電動機が制御されるから、駆動軸に制動力を作用
させるために第1の接続手段や第2の接続手段の接続状
態を変更することなく、直ちに駆動軸に制動力を出力す
ることができる。
【0011】こうした本発明の第1の動力出力装置にお
いて、前記制動制御手段は、前記第1の接続手段と前記
第2の接続手段のうち少なくとも一方の接続が解除され
た状態のとき、前記第1の電動機から出力される動力に
より前記駆動軸に制動力が作用するよう該第1の電動機
を制御する手段であるものとすることもできる。こうす
れば、第1の電動機から出力される動力により駆動軸に
制動力を作用させることができる。
【0012】この第1の電動機から出力される動力によ
り駆動軸に制動力を作用させる態様の動力出力装置にお
いて、更に、前記第1の電動機により回生または消費さ
れる電力の少なくとも一部を充放電により賄う蓄電手段
と、該蓄電手段の状態を検出する蓄電状態検出手段とを
備え、前記制動制御手段は、前記蓄電状態検出手段によ
り検出される前記蓄電手段の状態に基づいて前記第1の
電動機を回生制御または力行制御する手段であるものと
することもできる。こうすれば、蓄電手段の状態を所望
の範囲内の状態にすることができる。また、蓄電手段が
満充電の状態にあっても駆動軸に制動力を出力すること
ができる。
【0013】また、第1の電動機から出力される動力に
より駆動軸に制動力を作用させる態様の動力出力装置に
おいて、前記制動制御手段は、前記第1の接続手段によ
り前記回転軸と前記出力軸とが接続された状態のとき、
前記第1の電動機から前記駆動軸へ動力を出力する際に
前記出力軸に反力として出力される動力を打ち消す方向
の動力が前記第2の電動機から出力されるよう該第2の
電動機を制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、第2の電動機が反力としての動力を打ち消
すから、より大きな制動力を駆動軸に作用させることが
できる。
【0014】あるいは、第1の電動機から出力される動
力により駆動軸に制動力を作用させる態様の動力出力装
置において、前記制動制御手段は、前記第2の接続手段
により前記回転軸と前記駆動軸とが接続された状態のと
き、前記第2の電動機から出力される動力により前記駆
動軸に制動力が作用するよう該第2の電動機を制御する
手段であるものとすることもできる。こうすれば、第1
の電動機から出力される動力による制動に第2の電動機
から出力される動力による制動が加えられるから、より
大きな制動力を駆動軸に作用させることができる。
【0015】本発明の第1の動力出力装置において、前
記制動制御手段は、少なくとも前記第2の接続手段によ
り前記回転軸と前記駆動軸とが接続された状態のとき、
前記第2の電動機から出力される動力により前記駆動軸
に制動力が作用するよう該第2の電動機を制御する手段
であるものとすることもできる。こうすれば、第2の電
動機から出力される動力により駆動軸に制動力を作用さ
せることができる。
【0016】本発明の第1の動力出力装置において、前
記制動制御手段は、前記第1の接続手段により前記回転
軸と前記出力軸とが接続され、前記第2の接続手段によ
り前記回転軸と前記駆動軸とが接続された状態のとき、
前記原動機から出力される動力により前記駆動軸に制動
力が作用するよう該原動機を制御する手段であるものと
することもできる。こうすれば、原動機から出力される
動力により駆動軸に制動力を作用することができる。す
なわち、いわゆるエンジンブレーキの動作をさせること
ができる。
【0017】こうした原動機から出力される動力により
駆動軸に制動力を作用させる態様の動力出力装置におい
て、前記制動制御手段は、前記第2の電動機から出力さ
れる動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該第
2の電動機を制御する手段であるものとすることもでき
る。こうすれば、原動機から出力される動力による制動
に第2の電動機から出力される動力による制動が加えら
れるから、より大きな制動力を駆動軸に作用させること
ができる。
【0018】本発明の第2の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有する
原動機と、前記出力軸に結合された第1のロータと、前
記駆動軸に結合され該第1のロータに対して相対的に回
転可能な第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的
な結合を介して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり
取りをする第1の電動機と、前記出力軸および前記駆動
軸とは異なる回転軸を有し、該回転軸を介して動力のや
り取りをする第2の電動機と、前記回転軸と前記出力軸
との機械的な接続と該接続の解除とを行なう第1の接続
手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該
接続の解除とを行なう第2の接続手段と、所定の制動要
求がなされたとき、前記第1の接続手段および前記第2
の接続手段が所定の接続状態となるよう該第1の接続手
段および該第2の接続手段を制御すると共に、前記原動
機,前記第1の電動機および前記第2の電動機から出力
される動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該
原動機,該第1の電動機および該第2の電動機を制御す
る制動制御手段とを備えることを要旨とする
【0019】この本発明の第2の動力出力装置は、原動
機の出力軸に結合された第1のロータと駆動軸に結合さ
れ第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロー
タとを有する第1の電動機が、この両ロータ間の電磁的
な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間で動力の
やり取りをし、出力軸および駆動軸とは異なる回転軸を
有する電動機が、この回転軸を介して動力のやり取りを
する。第1の接続手段は、第2の電動機の回転軸と原動
機の出力軸との機械的な接続と接続の解除とを行ない、
第2の接続手段は、第2の電動機の回転軸と駆動軸との
機械的な接続と接続の解除とを行なう。制動制御手段
は、所定の制動要求がなされたとき、第1の接続手段お
よび第2の接続手段が所定の接続状態となるよう第1の
接続手段および第2の接続手段を制御すると共に、原動
機,第1の電動機および第2の電動機から出力される動
力により駆動軸に制動力が作用するよう原動機,第1の
電動機および第2の電動機を制御する。
【0020】こうした本発明の第2の動力出力装置によ
れば、原動機や第1の電動機あるいは第2の電動機から
出力される動力により駆動軸に制動力を作用させること
ができる。しかも、第1の接続手段および第2の接続手
段を所定の接続状態とした後に原動機や第1の電動機あ
るいは第2の電動機を制御するから、所望の制動力を駆
動軸に出力することができる。
【0021】この本発明の第2の動力出力装置におい
て、前記所定の接続手段は、前記第1の接続手段により
前記回転軸と前記出力軸とが接続され、前記第2の接続
手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続された状態
であり、前記制動制御手段は、前記原動機から出力され
る動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動
機を制御する手段であるものとすることもできる。こう
すれば、原動機から出力される動力により駆動軸に制動
力を作用することができる。すなわち、いわゆるエンジ
ンブレーキの動作をさせることができる。したがって、
第1の電動機や第2の電動機が故障したときや、二次電
池が満充電の状態のときでも駆動軸に動力を出力するこ
とができる。また、長時間に亘って駆動軸に制動力を出
力することができる。
【0022】こうした原動機から出力される動力により
駆動軸に制動力を作用させる態様の動力出力装置におい
て、前記制動制御手段は、前記第2の電動機から出力さ
れる動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該第
2の電動機を制御する手段であるものとすることもでき
る。こうすれば、原動機から出力される動力による制動
に第2の電動機から出力される動力による制動が加えら
れるから、より大きな制動力を駆動軸に作用させること
ができる。
【0023】本発明の第3の動力出力装置は、駆動軸に
動力を出力する動力出力装置であって、出力軸を有する
原動機と、前記出力軸に結合された第1のロータと、前
記駆動軸に結合され該第1のロータに対して相対的に回
転可能な第2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的
な結合を介して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり
取りをする第1の電動機と、前記出力軸および前記駆動
軸とは異なる回転軸を有し、該回転軸を介して動力のや
り取りをする第2の電動機と、前記回転軸と前記出力軸
との機械的な接続と該接続の解除とを行なう第1の接続
手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該
接続の解除とを行なう第2の接続手段と、所定の制動要
求がなされて前記原動機,前記第1の電動機および前記
第2の電動機から出力される動力により前記駆動軸に制
動力を作用させるとき、前記第1の電動機と前記第2の
電動機とによる電力の回生効率が高くなるよう前記第1
の接続手段,前記第2の接続手段,前記原動機,前記第
1の電動機および前記第2の電動機を制御する制動制御
手段とを備えることを要旨とする。
【0024】この本発明の第3の動力出力装置は、原動
機の出力軸に結合された第1のロータと駆動軸に結合さ
れ第1のロータに対して相対的に回転可能な第2のロー
タとを有する第1の電動機が、この両ロータ間の電磁的
な結合を介して原動機の出力軸と駆動軸との間で動力の
やり取りをし、出力軸および駆動軸とは異なる回転軸を
有する電動機が、この回転軸を介して動力のやり取りを
する。第1の接続手段は、第2の電動機の回転軸と原動
機の出力軸との機械的な接続と接続の解除とを行ない、
第2の接続手段は、第2の電動機の回転軸と駆動軸との
機械的な接続と接続の解除とを行なう。制動制御手段
は、所定の制動要求がなされて原動機,第1の電動機お
よび第2の電動機から出力される動力により駆動軸に制
動力を作用させるとき、第1の電動機と第2の電動機と
による電力の回生効率が高くなるよう第1の接続手段,
第2の接続手段,原動機,第1の電動機および第2の電
動機を制御する。ここで、「電力の回生効率」とは、第
1の電動機か第2の電動機のいずれか或いは双方によっ
て電力が回生される際の総合効率をいう。
【0025】この本発明の第3の動力出力装置によれ
ば、より高い効率で電力を回生しながら原動機や第1の
電動機あるいは第2の電動機から出力される動力により
駆動軸に制動力を作用させることができる。
【0026】こうした本発明の第3の動力出力装置にお
いて、前記制動制御手段は、前記駆動軸に制動力を作用
させているときに、前記第1の電動機と前記第2の電動
機とによる電力の回生効率が高くなるよう前記第1の接
続手段,前記第2の接続手段,前記原動機,前記第1の
電動機および前記第2の電動機を制御する手段であるも
のとすることもできる。こうすれば、制動中の変化する
駆動軸の状態などによって第1の電動機と第2の電動機
とによる電力の回生効率が変化しても、より高い効率で
電力を回生しながら駆動軸に制動力を作用させることが
できる。
【0027】これら変形例を含めて本発明の第3の動力
出力装置において、前記駆動軸の回転数を検出する回転
数検出手段を備え、前記制動制御手段は、前記回転数検
出手段により検出される前記駆動軸の回転数に基づいて
前記第1の接続手段および前記第2の接続手段における
前記第1の電動機と前記第2の電動機とによる電力の回
生効率が高くなる接続状態を判定する接続状態判定手段
と、該判定された接続状態となるよう前記第1の接続手
段と前記第2の接続手段とを制御する接続制御手段とを
備えるものとすることもできる。こうすれば、駆動軸の
回転数に基づいて、より高い効率で電力を回生しながら
駆動軸に制動力を作用させることができる。
【0028】こうした接続状態判定手段を備える本発明
の第3の動力出力装置において、前記接続状態判定手段
は、前記回転数検出手段により検出された前記駆動軸の
回転数が所定の回転数より大きいとき、前記第1の接続
手段により前記回転軸と前記出力軸とが接続されると共
に前記第2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸と
の接続が解除される接続状態が前記電力の回生効率が高
くなる接続状態として判定する手段であるものとするこ
ともでき、前記接続状態判定手段は、前記回転数検出手
段により検出された前記駆動軸の回転数が所定の回転数
より小さいとき、前記第1の接続手段により前記回転軸
と前記出力軸との接続が解除されると共に前記第2の接
続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続される接
続状態が前記電力の回生効率が高くなる接続状態として
判定する手段であるものとすることもできる。
【0029】これら各種の態様を含め本発明の第1ない
し第3の動力出力装置において、前記第1の接続手段お
よび前記第2の接続手段は、共にクラッチにより構成さ
れてなるものとすることができる。こうすれば、原動機
の出力軸や駆動軸が回転している状態であっても第1の
接続手段や第2の接続手段による接続およびその解除を
容易に行うことができる。
【0030】本発明の第1の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有する原動機と、前記出力軸に結合された
第1のロータと、駆動軸に結合され該第1のロータに対
して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該両ロ
ータ間の電磁的な結合を介して該出力軸と該駆動軸との
間で動力のやり取りをする第1の電動機と、前記出力軸
および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、該回転軸を
介して動力のやり取りをする第2の電動機と、前記回転
軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解除とを行
なう第1の接続手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機
械的な接続と該接続の解除とを行なう第2の接続手段と
を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制
御方法であって、(a)前記第1の接続手段および前記
第2の接続手段の接続状態を検出し、(b)該検出され
た接続状態に基づいて前記原動機,前記第1の電動機お
よび前記第2の電動機から出力される動力により前記駆
動軸に制動力が作用するよう該原動機,該第1の電動機
および該第2の電動機を制御することを要旨とする。
【0031】こうした本発明の第1の動力出力装置の制
御方法によれば、原動機や第1の電動機あるいは第2の
電動機から出力される動力により駆動軸に制動力を作用
させることができる。しかも、第1の接続手段および第
2の接続手段の接続状態に基づいて原動機や第1の電動
機あるいは第2の電動機が制御されるから、駆動軸に制
動力を作用させるために第1の接続手段や第2の接続手
段の接続状態を変更することなく、直ちに駆動軸に制動
力を出力することができる。
【0032】本発明の第1の動力出力装置の制御方法に
おいて、ステップ(b)は、前記第1の接続手段と前記
第2の接続手段のうち少なくとも一方の接続が解除され
た状態のとき、前記第1の電動機から出力される動力に
より前記駆動軸に制動力が作用するよう該第1の電動機
を制御するステップであるものとすることもできる。こ
うすれば、第1の電動機から出力される動力により駆動
軸に制動力を作用させることができる。
【0033】また、本発明の第1の動力出力装置の制御
方法において、ステップ(b)は、少なくとも前記第2
の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続され
た状態のとき、前記第2の電動機から出力される動力に
より前記駆動軸に制動力が作用するよう該第2の電動機
を制御するステップであるものとすることもできる。こ
うすれば、第2の電動機から出力される動力により駆動
軸に制動力を作用させることができる。
【0034】さらに、本発明の第1の動力出力装置の制
御方法において、ステップ(b)は、前記第1の接続手
段により前記回転軸と前記出力軸とが接続され、前記第
2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続さ
れた状態のとき、前記原動機から出力される動力により
前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機を制御する
ステップであるものとすることもできる。こうすれば、
原動機から出力される動力により駆動軸に制動力を作用
させることができる。
【0035】本発明の第2の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有する原動機と、前記出力軸に結合された
第1のロータと、駆動軸に結合され該第1のロータに対
して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該両ロ
ータ間の電磁的な結合を介して該出力軸と該駆動軸との
間で動力のやり取りをする第1の電動機と、前記出力軸
および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、該回転軸を
介して動力のやり取りをする第2の電動機と、前記回転
軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解除とを行
なう第1の接続手段と、前記回転軸と前記駆動軸との機
械的な接続と該接続の解除とを行なう第2の接続手段と
を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制
御方法であって、(a)前記回転軸と前記出力軸とが接
続されるよう前記第1の接続手段を制御し、(b)前記
回転軸と前記駆動軸とが接続されるよう前記第2の接続
手段を制御し、(c)前記原動機から出力される動力に
より前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機を制御
することを要旨とする
【0036】こうした本発明の第2の動力出力装置の制
御方法によれば、原動機や第1の電動機あるいは第2の
電動機から出力される動力により駆動軸に制動力を作用
させることができる。しかも、第1の接続手段および第
2の接続手段を所定の接続状態とした後に原動機や第1
の電動機あるいは第2の電動機を制御するから、所望の
制動力を駆動軸に出力することができる。
【0037】この本発明の第2の動力出力装置の制御方
法において、更に、(d)操作者に指示に基づいて目標
制動力を演算し、(e)該演算された目標制動力が前記
第2の電動機から出力される動力により前記駆動軸に作
用するよう該第2の電動機を制御するステップを備える
ものとすることもできる。
【0038】こうすれば、原動機から出力される動力に
より駆動軸に制動力を作用することができる。すなわ
ち、いわゆるエンジンブレーキの動作をさせることがで
きる。したがって、第1の電動機や第2の電動機が故障
したときや、二次電池が満充電の状態のときでも駆動軸
に動力を出力することができる。また、長時間に亘って
駆動軸に制動力を出力することができる。
【0039】本発明の第3の動力出力装置の制御方法
は、出力軸を有する原動機と、前記出力軸に結合された
第1のロータと、前記駆動軸に結合され該第1のロータ
に対して相対的に回転可能な第2のロータとを有し、該
両ロータ間の電磁的な結合を介して該出力軸と該駆動軸
との間で動力のやり取りをする第1の電動機と、前記出
力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、該回転
軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機と、前記
回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解除と
を行なう第1の接続手段と、前記回転軸と前記駆動軸と
の機械的な接続と該接続の解除とを行なう第2の接続手
段と、を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装
置の制御方法であって、(a)前記駆動軸の回転数を検
出し、(b)該検出された回転数に基づいて前記第1の
接続手段および前記第2の接続手段における前記第1の
電動機と前記第2の電動機とによる電力の回生効率が高
くなる接続状態を判定し、(c)該判定された接続状態
となるよう前記第1の接続手段および前記第2の接続手
段を制御し、(d)前記判定された接続状態で前記原動
機,前記第1の電動機および前記第2の電動機から出力
される動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該
原動機,該第1の電動機および該第2の電動機を制御す
ることを要旨とする。
【0040】この本発明の第3の動力出力装置の制御方
法によれば、より高い効率で電力を回生しながら原動機
や第1の電動機あるいは第2の電動機から出力される動
力により駆動軸に制動力を作用させることができる。
【0041】こうした本発明の動力出力装置の制御方法
において、ステップ(b)は、前記駆動軸の回転数が所
定の回転数より大きいときには、前記第1の接続手段に
より前記回転軸と前記出力軸とが接続されると共に前記
第2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸との接続
が解除された接続状態が前記電力の回生効率が高くなる
接続状態として判定し、前記駆動軸の回転数が所定の回
転数より小さいときには、前記第1の接続手段により前
記回転軸と前記出力軸との接続が解除されると共に前記
第2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続
された接続状態が前記電力の回生効率が高くなる接続状
態として判定するステップであるものとすることもでき
る。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例として
の動力出力装置20の概略構成を示す構成図、図2は図
1の動力出力装置20を組み込んだ車両の概略構成を示
す構成図である。説明の都合上、まず図2を用いて、車
両全体の構成から説明する。
【0043】図2に示すように、この車両には、動力源
であるエンジン50としてガソリンにより運転されるガ
ソリンエンジンが備えられている。このエンジン50
は、吸気系からスロットルバルブ66を介して吸入した
空気と燃料噴射弁51から噴射されたガソリンとの混合
気を燃焼室52に吸入し、この混合気の爆発により押し
下げられるピストン54の運動をクランクシャフト56
の回転運動に変換する。ここで、スロットルバルブ66
はアクチュエータ68により開閉駆動される。点火プラ
グ62は、イグナイタ58からディストリビュータ60
を介して導かれた高電圧によって電気火花を形成し、混
合気はその電気火花によって点火されて爆発燃焼する。
【0044】このエンジン50の運転は、電子制御ユニ
ット(以下、EFIECUと呼ぶ)70により制御され
ている。EFIECU70には、エンジン50の運転状
態を示す種々のセンサが接続されている。例えば、スロ
ットルバルブ66の開度(ポジション)を検出するスロ
ットルバルブポジションセンサ67、エンジン50の負
荷を検出する吸気管負圧センサ72、エンジン50の水
温を検出する水温センサ74、ディストリビュータ60
に設けられクランクシャフト56の回転数と回転角度を
検出する回転数センサ76および回転角度センサ78な
どである。なお、EFIECU70には、この他、例え
ばイグニッションキーの状態STを検出するスタータス
イッチ79なども接続されているが、その他のセンサ,
スイッチなどの図示は省略した。
【0045】エンジン50のクランクシャフト56に
は、後述するクラッチモータ30およびアシストモータ
40を介して駆動軸22が結合されている。駆動軸22
は、ディファレンシャルギヤ24に結合されており、動
力出力装置20からのトルクは最終的に左右の駆動輪2
6,28に伝達される。このクラッチモータ30および
アシストモータ40は、制御装置80により制御されて
いる。制御装置80の構成は後で詳述するが、内部には
制御CPUが備えられており、シフトレバー82に設け
られたシフトポジションセンサ84やアクセルペダル6
4に設けられたアクセルペダルポジションセンサ64
a,ブレーキペダル65に設けられたブレーキペダルポ
ジションセンサ65aなども接続されている。また、制
御装置80は、上述したEFIECU70と通信によ
り、種々の情報をやり取りしている。これらの情報のや
り取りを含む制御については、後述する。
【0046】図1に示すように、実施例の動力出力装置
20は、エンジン50と、エンジン50のクランクシャ
フト56にインナロータ31が結合されると共に駆動軸
22にアウタロータ33が結合されたクラッチモータ3
0と、第1クラッチ45と第2クラッチ46とによりク
ランクシャフト56または駆動軸22に機械的にロータ
41が接続されるアシストモータ40と、クラッチモー
タ30およびアシストモータ40を駆動制御する制御装
置80とから構成されている。
【0047】クラッチモータ30は、図1に示すよう
に、インナロータ31の外周面に永久磁石32を備え、
アウタロータ33に形成されたスロットに三相のコイル
34を巻回する同期電動機として構成されている。この
三相コイル34への電力は、スリップリング35を介し
て供給される。アウタロータ33において三相コイル3
4用のスロットおよびティースを形成する部分は、無方
向性電磁鋼板の薄板を積層することで構成されている。
永久磁石32は、実施例では8個(N極,S極が各4
個)設けられており、インナロータ31の内周面に貼付
されている。その磁化方向はクラッチモータ30の軸中
心に向かう方向であり、一つおきに磁極の方向は逆向き
になっている。この永久磁石32と僅かなギャップによ
り対向するアウタロータ33の三相コイル34は、アウ
タロータ33に設けられた計12個のスロット(図示せ
ず)に巻回されており、各コイルに通電すると、スロッ
トを隔てるティースを通る磁束を形成する。各コイルに
三相交流を流すと、この磁界は回転する。三相コイル3
4の各々は、スリップリング35から電力の供給を受け
るよう接続されている。このスリップリング35は、駆
動軸22に固定された回転リング35aとブラシ35b
とから構成されている。なお、三相(U,V,W相)の
電流をやり取りするために、スリップリング35には三
相分の回転リング35aとブラシ35bとが用意されて
いる。
【0048】隣接する一組の永久磁石32が形成する磁
界と、アウタロータ33に設けられた三相コイル34が
形成する回転磁界との相互作用により、インナロータ3
1とアウタロータ33とは種々の振る舞いを示す。通常
は、三相コイル34に流す三相交流の周波数は、クラン
クシャフト56に直結されたインナロータ31の回転数
とアウタロータ33の回転数との偏差の周波数としてい
る。
【0049】他方、アシストモータ40も同期電動機と
して構成されているが、回転磁界を形成する三相コイル
44は、ケース49に固定されたステータ43に巻回さ
れている。このステータ43も、無方向性電磁鋼板の薄
板を積層することで形成されている。ロータ41は、ク
ランクシャフト56と同軸の中空軸であるロータ回転軸
38に取り付けられており、ロータ41の外周面には、
複数個の永久磁石42が設けられている。アシストモー
タ40では、この永久磁石42により磁界と三相コイル
44が形成する磁界との相互作用により、ロータ41が
回転する。ロータ回転軸38は、アシストモータ40と
クラッチモータ30との間に配置された第1クラッチ4
5によりクランクシャフト56に機械的に接続されたり
その接続が解除されるようになっており、また、第2ク
ラッチ46によりクラッチモータ30のアウタロータ3
3を介して駆動軸22に機械的に接続されたりその接続
が解除されるようになっている。なお、第1クラッチ4
5および第2クラッチ46は、図示しない油圧回路によ
り動作するようになっている。
【0050】また、駆動軸22,ロータ回転軸38およ
びクランクシャフト56には、その回転角度θd,θ
r,θeを検出するレゾルバ37,47,57が設けら
れている。なお、クランクシャフト56の回転角度θe
を検出するレゾルバ57は、ディストリビュータ60に
設けられた回転角度センサ78と兼用することも可能で
ある。
【0051】クラッチモータ30とアシストモータ40
の配置は後述するようにエンジン50側からクラッチモ
ータ30,アシストモータ40とする配置も可能である
が、実施例の動力出力装置20のようにアシストモータ
40をエンジン50とクラッチモータ30とで挟持する
ように配置したのは、後述するようにアシストモータ4
0のみで車両を駆動する必要からクラッチモータ30に
比してアシストモータ40が大きくなるため、大きなア
シストモータ40をより大きなエンジン50に隣接させ
ることにより動力出力装置20をまとまりのあるものと
するためである。また、第1クラッチ45と第2クラッ
チ46の配置も後述するように種々の配置が可能である
が、実施例の動力出力装置20のようにアシストモータ
40とクラッチモータ30との間に配置したのは、これ
ら両クラッチ45,46は比較的小さいため、アシスト
モータ40とクラッチモータ30との間に生じる隙間に
入れて動力出力装置20をよりコンパクトなものとする
ためである。
【0052】次に、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40を駆動制御する制御装置80について説明す
る。制御装置80は、クラッチモータ30を駆動する第
1の駆動回路91と、アシストモータ40を駆動する第
2の駆動回路92と、両駆動回路91,92を制御する
と共に第1クラッチ45および第2クラッチ46を駆動
制御する制御CPU90と、二次電池であるバッテリ9
4とから構成されている。制御CPU90は、1チップ
マイクロプロセッサであり、内部に、ワーク用のRAM
90a、処理プログラムを記憶したROM90b、入出
力ポート(図示せず)およびEFIECU70と通信を
行なうシリアル通信ポート(図示せず)を備える。この
制御CPU90には、レゾルバ37からの駆動軸22の
回転角度θd、レゾルバ47からのロータ回転軸38の
回転角度θr、レゾルバ57からのエンジン50の回転
角度θe、アクセルペダルポジションセンサ64aから
のアクセルペダルポジション(アクセルペダルの踏込
量)AP、ブレーキペダルポジションセンサ65aから
のブレーキペダルポジション(ブレーキペダル65の踏
込量)BP、シフトポジションセンサ84からのシフト
ポジションSP、第1クラッチ45および第2クラッチ
46からの両クラッチのオン・オフ信号、第1の駆動回
路91に設けられた2つの電流検出器95,96からの
クラッチ電流値Iuc,Ivc、第2の駆動回路に設け
られた2つの電流検出器97,98からのアシスト電流
値Iua,Iva、バッテリ94の残容量を検出する残
容量検出器99からの残容量BRMなどが入力ポートを介
して入力されている。なお、残容量検出器99は、バッ
テリ94の電解液の比重またはバッテリ94の全体の重
量を測定して残容量を検出するものや、充電・放電の電
流値と時間を演算して残容量を検出するものや、バッテ
リの端子間を瞬間的にショートさせて電流を流し内部抵
抗を測ることにより残容量を検出するものなどが知られ
ている。
【0053】また、制御CPU90からは、第1の駆動
回路91に設けられたスイッチング素子である6個のト
ランジスタTr1ないしTr6を駆動する制御信号SW
1、第2の駆動回路92に設けられたスイッチング素子
としての6個のトランジスタTr11ないしTr16を
駆動する制御信号SW2、第1クラッチ45および第2
クラッチ46を駆動する駆動信号などが出力されてい
る。第1の駆動回路91内の6個のトランジスタTr1
ないしTr6は、トランジスタインバータを構成してお
り、それぞれ、一対の電源ラインL1,L2に対してソ
ース側とシンク側となるよう2個ずつペアで配置され、
その接続点に、クラッチモータ30の三相コイル(UV
W)36の各々が、スリップリング35を介して接続さ
れている。電源ラインL1,L2は、バッテリ94のプ
ラス側とマイナス側に、それぞれ接続されているから、
制御CPU90により対をなすトランジスタTr1ない
しTr6のオン時間の割合を制御信号SW1により順次
制御し、各コイル34に流れる電流を、PWM制御によ
って擬似的な正弦波にすると、三相コイル34により、
回転磁界が形成される。
【0054】他方、第2の駆動回路92の6個のトラン
ジスタTr11ないしTr16も、トランジスタインバ
ータを構成しており、それぞれ、第1の駆動回路91と
同様に配置されていて、対をなすトランジスタの接続点
は、アシストモータ40の三相コイル44の各々に接続
されている。従って、制御CPU90により対をなすト
ランジスタTr11ないしTr16のオン時間を制御信
号SW2により順次制御し、各コイル44に流れる電流
を、PWM制御によって擬似的な正弦波にすると、三相
コイル44により、回転磁界が形成される。
【0055】以上構成を説明した実施例の動力出力装置
20の動作について説明する。いま、第1クラッチ45
をオフとし第2クラッチ46をオンとした場合と、逆に
第1クラッチ45をオンとし第2クラッチ46をオフと
した場合を考える。前者は、ロータ回転軸38とクラン
クシャフト56との接続を解除すると共にロータ回転軸
38と駆動軸22とを接続する場合であり、図3の模式
図に示すように、アシストモータ40を駆動軸22に取
り付けた構成となり、後者は、ロータ回転軸38とクラ
ンクシャフト56とを接続すると共にロータ回転軸38
と駆動軸22との接続を解除する場合であり、図4の模
式図に示すように、アシストモータ40をクランクシャ
フト56に取り付けた構成となる。まず、前者(第1ク
ラッチ45をオフとし第2クラッチ46をオンとした場
合)の動作について説明し、次に後者(第1クラッチ4
5をオンとし第2クラッチ46をオフとした場合)の動
作について説明する。
【0056】実施例の動力出力装置20において第1ク
ラッチ45をオフとし第2クラッチ46をオンとした場
合の動作原理、特にトルク変換の原理は以下の通りであ
る。エンジン50がEFIECU70により運転され、
エンジン50が回転数Neで回転しており、駆動軸22
がこの回転数Neより小さな回転数Nd1で回転してい
るものとする。このとき、制御装置80がスリップリン
グ35を介してクラッチモータ30の三相コイル34に
何等電流を流していないとすれば、すなわち第1の駆動
回路91のトランジスタTr1ないしTr6が常時オフ
状態であれば、三相コイル34には何等の電流も流れな
いから、クラッチモータ30のインナロータ31とアウ
タロータ33とは電磁的に全く結合されていない状態と
なり、エンジン50のクランクシャフト56は空回りし
ている状態となる。この状態では、トランジスタTr1
ないしTr6がオフとなっているから、三相コイル34
からの回生も行なわれない。すなわち、エンジン50は
アイドル回転をしていることになる。
【0057】制御装置80の制御CPU90が制御信号
SW1を出力してトランジスタをオンオフ制御すると、
エンジン50のクランクシャフト56の回転数Neと駆
動軸22の回転数Nd1との偏差(言い換えれば、クラ
ッチモータ30におけるインナロータ31とアウタロー
タ33の回転数差Nc(Ne−Nd1))に応じて、ク
ラッチモータ30の三相コイル34に一定の電流が流
れ、クラッチモータ30は発電機として機能し、電流が
第1の駆動回路91を介して回生され、バッテリ94が
充電される。このとき、インナロータ31とアウタロー
タ33とは一定の滑りが存在する結合状態となり、クラ
ンクシャフト56からインナロータ31とアウタロータ
33との結合を介してトルクが駆動軸22に出力され
る。この状態で、クラッチモータ30により回生される
電気エネルギと等しいエネルギがアシストモータ40に
よって消費されるよう制御CPU90が第2の駆動回路
92を制御すると、アシストモータ40の三相コイル4
4に電流が流れ、アシストモータ40においてトルクが
発生する。
【0058】図5に照らせば、エンジン50が回転数N
1,トルクT1の運転ポイントP0で運転しているとき
に、クラッチモータ30でトルクTc(エンジン50か
ら出力されるトルクTe)を駆動軸22に出力すると共
にハッチングされた領域Pc1で表わされるエネルギを
回生し、この回生されたエネルギを領域Pa1で表わさ
れるエネルギとしてアシストモータ40に供給すること
により、駆動軸22を回転数Nd1,トルクTd1の運
転ポイントP1で回転させることができる。
【0059】次に、エンジン50は上述の回転数Neで
運転されているが、駆動軸22が回転数Neより大きな
回転数Nd2で回転している場合を考える。この状態で
は、クラッチモータ30のアウタロータ33は、インナ
ロータ31に対して回転数差Nc(Ne−Nd2)の絶
対値で示される回転数で駆動軸22の回転方向に回転す
るから、クラッチモータ30は、通常のモータとして機
能し、バッテリ94からの電力により駆動軸22に回転
エネルギを与える。一方、制御CPU90によりアシス
トモータ40により電力を回生するよう第2の駆動回路
92を制御すると、アシストモータ40のロータ41と
ステータ43との間の滑りにより三相コイル44に回生
電流が流れる。ここで、アシストモータ40により回生
される電力がクラッチモータ30により消費されるよう
制御CPU90により第1および第2の駆動回路91,
92を制御すれば、クラッチモータ30を、バッテリ9
4に蓄えられた電力を用いることなく駆動することがで
きる。
【0060】図6に照らせば、エンジン50が回転数N
eとトルクTeとで表わされる運転ポイントP0で運転
しているときに、ハッチングされた領域Pc2で表わさ
れるエネルギをクラッチモータ30に供給して駆動軸2
2にトルクTc(エンジン50の出力トルクTe)を出
力すると共に、クラッチモータ30に供給するエネルギ
を領域Pa2で表わされるエネルギとしてアシストモー
タ40から回生して賄うことにより、駆動軸22を回転
数Nd2,トルクTd2の運転ポイントP2で回転させ
ることができる。
【0061】なお、こうした第1クラッチ45をオフと
し第2クラッチ46をオンとした状態の動力出力装置2
0は、エンジン50から出力される動力のすべてをトル
ク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エンジン
50から出力される動力(トルクTeと回転数Neとの
積)と、クラッチモータ30により回生または消費され
る電気エネルギと、アシストモータ40により消費また
は回生される電気エネルギとを調節することにより、余
剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放電する
動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ94に
蓄えられた電力により補う動作など種々の動作とするこ
ともできる。
【0062】一方、実施例の動力出力装置20において
第1クラッチ45をオンとし第2クラッチ46をオフと
した場合(図4の模式図)の動作原理(トルク変換の原
理)は以下の通りである。いま、エンジン50が回転数
Ne,トルクTeの運転ポイントP0で運転されてお
り、駆動軸22が回転数Neより小さな回転数Nd1で
回転しているとする。クランクシャフト56に取り付け
られたアシストモータ40からクランクシャフト56に
トルクTa(Ta=Td1−Te)を出力すれば、クラ
ンクシャフト56のトルクは値Td1(Te+Ta)と
なる。一方、クラッチモータ30のトルクTcを値Td
1(Te+Ta)として制御すれば、駆動軸22にこの
トルクTc(Te+Ta)が出力されると共に、エンジ
ン50の回転数Neと駆動軸22の回転数Nd1との回
転数差Ncに基づく電力が回生される。したがって、ア
シストモータ40のトルクTaをクラッチモータ30に
より回生される電力により丁度賄えるよう設定し、この
回生電力を電源ラインL1,L2を介して第2の駆動回
路92に供給すれば、アシストモータ40は、この回生
電力により駆動する。
【0063】図7に照らせば、エンジン50が回転数N
eとトルクTeとで表わされる運転ポイントP0で運転
しているときに、ハッチングされた領域Pa3で表わさ
れるエネルギをアシストモータ40に供給してクランク
シャフト56のトルクを値Td1とし、クラッチモータ
30によりこのトルクTd1(トルクTc)を駆動軸2
2に出力すると共に、アシストモータ40に供給するエ
ネルギを領域Pc3で表わされるエネルギとして回生す
ることにより、駆動軸22を回転数Nd2,トルクTd
2の運転ポイントP2で回転させることができる。
【0064】また、エンジン50は回転数Ne,トルク
Teの運転ポイントP0で運転されているが、駆動軸2
2が回転数Neより大きな回転数Nd2で回転している
ときを考える。このとき、アシストモータ40のトルク
TaをTd2−Teで求められる値として制御すれば、
アシストモータ40は回生制御され、エネルギ(電力)
をクランクシャフト56から回生する。一方、クラッチ
モータ30は、アウタロータ33がインナロータ31に
対して回転数差Nc(Ne−Nd2)の回転数で駆動軸
22の回転方向に相対的に回転するから、通常のモータ
として機能し、回転数差Ncに応じたエネルギを駆動軸
22に回転エネルギとして与える。したがって、アシス
トモータ40のトルクTaを、アシストモータ40によ
り回生される電力でクラッチモータ30により消費され
る電力を丁度賄えるよう設定すれば、クラッチモータ3
0は、アシストモータ40により回生される電力により
駆動する。
【0065】図8に照らせば、エンジン50が回転数N
eとトルクTeとで表わされる運転ポイントP0で運転
しているときに、ハッチングされた領域Pa4で表わさ
れるエネルギをアシストモータ40により回生し、この
回生したエネルギを領域Pc4で表わされるエネルギと
してクラッチモータ30に供給することにより、クラッ
チモータ30によりトルクTc(トルクTd2)が駆動
軸22に出力され、駆動軸22を回転数Nd2,トルク
Td2の運転ポイントP2で回転させることができる。
【0066】なお、こうした第1クラッチ45をオンと
し第2クラッチ46をオフとした状態の動力出力装置2
0でも、エンジン50から出力される動力のすべてをト
ルク変換して駆動軸22に出力する動作の他に、エンジ
ン50から出力される動力(トルクTeと回転数Neと
の積)と、クラッチモータ30により回生または消費さ
れる電気エネルギと、アシストモータ40により消費ま
たは回生される電気エネルギとを調節することにより、
余剰の電気エネルギを見い出してバッテリ94を放電す
る動作としたり、不足する電気エネルギをバッテリ94
に蓄えられた電力により補う動作など種々の動作とする
ことができる。
【0067】実施例の動力出力装置20は、通常の走行
状態では、第1クラッチ45がオフで第2クラッチ46
がオンの図3の模式図の構成か、第1クラッチ45がオ
ンで第2クラッチ46がオフの図4の模式図の構成と
し、エンジン50から出力される動力をクラッチモータ
30とアシストモータ40とによりトルク変換して駆動
軸22に出力している。両モータ30,40の効率が共
に値1であれば、いずれの構成であっても装置全体の効
率は同じになるが、実際には、両モータ30,40の効
率は値1ではないから、エンジン50や駆動軸22の状
態によってその効率は変化する。通常、モータの損失
は、消費または回生するエネルギが大きくなるに従って
大きくなるから、エンジン50や駆動軸22の状態が同
じであれば、両モータ30,40によって消費または回
生されるエネルギが小さい方が両モータ30,40の損
失が小さくなり、装置全体の効率が高くなる。したがっ
て、図5のグラフと図7のグラフとを比較して解るよう
に、エンジン50の回転数Neが駆動軸22の回転数N
dより大きいときには、動力出力装置20を図3の模式
図の構成として動作させることによって装置全体の効率
を高くすることができる。また、図6のグラフと図8の
グラフとを比較して解るように、エンジン50の回転数
Neが駆動軸22の回転数Ndより小さいときには、動
力出力装置20を図4の模式図の構成として動作させる
ことによって装置全体の効率を高くすることができる。
以上の理由により装置全体の効率を高めるため、実施例
の動力出力装置20では、エンジン50の回転数Neが
駆動軸22の回転数Ndより大きいときには、図3の模
式図の構成としてエンジン50から出力される動力をト
ルク変換して駆動軸22に出力し、逆に回転数Neが回
転数Ndより小さいときには、図4の模式図の構成とし
てエンジン50から出力される動力をトルク変換して駆
動軸22に出力している。
【0068】このほか、実施例の動力出力装置20で
は、第1クラッチ45および第2クラッチ46を共にオ
ンとしたり、共にオフとしたりすることもできる。両ク
ラッチ45,46を共にオンとすれば、アシストモータ
40のロータ41が取り付けられているロータ回転軸3
8がクランクシャフト56と駆動軸22とに機械的に接
続されてクラッチモータ30が機能しない状態となり、
図9の模式図に示すように、アシストモータ40のロー
タ41にクランクシャフト56と駆動軸22とを接続し
ただけの構成と同一の状態となる。この状態では、エン
ジン50から出力される動力は、そのまま駆動軸22に
出力されることになる。そして、駆動軸22には、アシ
ストモータ40から出力される動力が加減されることに
なる。この図9の模式図の構成は、駆動軸22の回転数
Ndが効率よくエンジン50を運転できる回転数の範囲
内にあるときやクラッチモータ30に異常が生じたとき
などに用いられる。
【0069】一方、両クラッチ45,46を共にオフと
すれば、アシストモータ40のロータ41が取り付けら
れているロータ回転軸38はクランクシャフト56との
接続も駆動軸22との接続も解除された状態となり、図
10の模式図に示すように、クランクシャフト56にク
ラッチモータ30のインナロータ31が接続され駆動軸
22にクラッチモータ30のアウタロータ33が接続さ
れただけの構成と同一の状態になる。この状態では、エ
ンジン50から出力される動力は、クラッチモータ30
のインナロータ31とアウタロータ33との電磁的な結
合により駆動軸22に出力される。そして、それと同時
に、インナロータ31とアウタロータ33との回転数差
Ncに応じた電力がクラッチモータ30により回生また
は消費されることになる。この図10の模式図の構成
は、駆動軸22に出力すべきトルクTd*が効率よくエ
ンジン50を運転できるトルクの範囲内にあるときやア
シストモータ40に異常が生じたときなどに用いられ
る。
【0070】次に、こうしたトルク変換により走行状態
にある車両の制動について説明する。制動には、アシス
トモータ40による制動と、クラッチモータ30による
制動と、クラッチモータ30とアシストモータ40とに
よる制動と、エンジン50とアシストモータ40とによ
る制動とがある。このうちアシストモータ40による制
動は、第2クラッチ46をオンとして動力出力装置20
を図3の模式図の構成や図9の模式図の構成のように駆
動軸22にアシストモータ40が直接取り付けられた構
成とし、アシストモータ40を発電機として動作させて
駆動軸22にその回転方向とは逆向きのトルクを出力す
ることによってなされる。アシストモータ40により得
られる電気エネルギはバッテリ94に蓄えられる。こう
したアシストモータ40による制動の原理については周
知であるから、これ以上の説明は省略する。また、エン
ジン50とアシストモータ40とによる制動は、第1ク
ラッチ45と第2クラッチ46とを共にオンとして動力
出力装置20を図9の模式図の構成のようにクランクシ
ャフト56と駆動軸22とが機械的に結合されアシスト
モータ40が駆動軸22に直接取り付けられた構成と
し、エンジン50への燃料噴射を停止していわゆるエン
ジンブレーキの状態として駆動軸22に制動力を作用さ
せると共に、必要に応じてアシストモータ40による制
動をこれに加えるのである。クラッチモータ30とアシ
ストモータ40とによる制動は後述するクラッチモータ
30による制動にアシストモータ40による制動を組み
合わせたものである。以下、まず、クラッチモータ30
による制動を説明し、その後、各制動の制御について説
明する。
【0071】クラッチモータ30による制動は、第1ク
ラッチ45と第2クラッチ46の少なくとも一方のクラ
ッチがオフとした状態、すなわち、動力出力装置20を
図3の模式図の構成や図4の模式図の構成あるいは図1
0の模式図の構成として、クラッチモータ30から駆動
軸22にその回転方向とは逆向きのトルクを出力するこ
とにより行なうものである。いま、駆動軸22が車両を
前進させる方向(正方向)に回転しており、この駆動軸
22にその回転方向と逆向き(負方向)のトルクTcを
クラッチモータ30から作用させるものとする。する
と、駆動軸22へ作用させたトルクTcと同じ大きさで
向きが逆の正方向のトルクTcがインナロータ31を介
してクランクシャフト56に作用し、エンジン50が噴
き上がろうとする。エンジン50は、こうした正方向の
外力(トルクTc)に対し、燃料噴射を停止すれば、ピ
ストンの摩擦や圧縮等に要する力が外力(トルクTc)
と釣り合う回転数で回転する。例えば、燃料噴射を停止
した際の外力(トルクTc)とエンジン50の回転数N
eとの関係を例示した図11に照らせば、エンジン50
は、外力としてのトルクTcが値Tc(A)のときには
回転数Ne(A)で回転し、トルクTcが値Tc(B)
のときには回転数Ne(B)で回転する。
【0072】クラッチモータ30は、エンジン50の回
転数Neで回転するクランクシャフト56に接続されて
いるインナロータ31に対して駆動軸22に接続されて
いるアウタロータ33を相対的に回転駆動させるもので
あるから、その回転数は、エンジン50の回転数Neと
駆動軸22の回転数Ndとの回転数差Nc(Ne−N
d)となる。ここで、インナロータ31に対してアウタ
ロータ33が相対的に正方向(駆動軸22の正転方向)
に回転しているとき、即ちエンジン50の回転数Neよ
り駆動軸22の回転数Ndの方が大きいとき(回転数差
Ncは負)をクラッチモータ30の正方向の回転とすれ
ば、正方向に回転しているクラッチモータ30による負
方向のトルクTcの駆動軸22への作用は、クラッチモ
ータ30の相対的な正方向の回転数を減少させる運動と
なるから、クラッチモータ30は回生制御されることに
なる(以下、この制動を「クラッチモータ30の回生制
御による制動」という。)。
【0073】一方、クラッチモータ30が負方向に回転
しているとき、即ちエンジン50の回転数Neが駆動軸
22の回転数Ndより大きいときには、クラッチモータ
30による負方向のトルクTcの駆動軸22への作用
は、クラッチモータ30の相対的な負方向の回転数を増
加させる運動となるから、クラッチモータ30は力行制
御されることになる(この制動を「クラッチモータ30
の力行制御による制動」という。)。
【0074】クラッチモータ30に負方向のトルクTc
として値Tc(A)が設定された際の駆動軸22の回転
数Ndと時間tとの関係(直線A)およびこの間のクラ
ッチモータ30の状態を図12に示す。図中直線Aは、
クラッチモータ30により負方向のトルクTc(値Tc
(A))を駆動軸22に作用させたときの駆動軸22の
回転数Ndの変化を表わすものである。クラッチモータ
30に負方向のトルクTc(値Tc(A))を設定する
と、エンジン50の回転数Neは、図5を用いて説明し
たように、このトルクTc(外力)に見合う回転数Ne
(A)となる。したがって、クラッチモータ30による
負方向のトルクTcの駆動軸22への作用は、直線Aと
破線Nd=Ne(A)との交点であるポイントPNeより
左上方の範囲(時間t2より左側の範囲)では、クラッ
チモータ30は正方向に回転しているから、クラッチモ
ータ30の回生制御による制動となり、ポイントPNeよ
り右下方の範囲(時間t2より右側の範囲)では、クラ
ッチモータ30は負方向に回転しているから、クラッチ
モータ30の力行制御による制動となる。
【0075】ここで、クラッチモータ30の回生制御お
よび力行制御は、共にインナロータ31に取り付けられ
た永久磁石32と、アウタロータ33の三相コイル34
に流れる電流により生じる回転磁界とにより負方向のト
ルクTcが常に発生するよう第1の駆動回路91のトラ
ンジスタTr1ないしTr6を制御するものであるか
ら、同一のスイッチング制御となる。したがって、クラ
ッチモータ30から駆動軸22に作用させる負方向のト
ルクTcの値が変わらなければ、クラッチモータ30の
制御が回生制御から力行制御に変化しても、第1の駆動
回路91のトランジスタTr1ないしTr6のスイッチ
ング制御は変わらない。
【0076】以上の説明により、駆動軸22の回転数N
dが値Ne(A)より大きな値Nd1のときや(時間t
1(1)のとき)、値Nd2のときに(時間t1(2)
のとき)、ブレーキペダル64が踏み込まれてクラッチ
モータ30のトルクTcに負の値Tc(A)が設定され
れば、クラッチモータ30は、まず発電機として機能す
るよう回生制御がなされ、駆動軸22の回転数Ndが値
Ne(A)に一致した以降(ポイントPNe以降)は力行
制御がなされることが解る。また、駆動軸22の回転数
Ndが値Ne(A)より小さな値Nd3のときに(時間
t1(3)のとき)、ブレーキペダル64が踏み込まれ
てクラッチモータ30のトルクTcに負の値Tc(A)
が設定されれば、制動開始位置が時間t2より後となる
から、クラッチモータ30の回生制御はなされず直ちに
力行制御がなされることが解る。
【0077】なお、クラッチモータ30のトルクTcに
負の値Tc(A)より絶対値の大きな負の値Tc(B)
が設定されて制動がなされたときには、駆動軸22の回
転数Ndは、図13に示すように、直線Aより傾きの絶
対値が大きな直線B上を変化することになる。このと
き、エンジン50は、図11に示すように回転数Ne
(B)で回転するから、クラッチモータ30の回生制御
から力行制御に変化するポイントPNeは、時間t2
(B)の直線Bと破線Nd=Ne(B)との交点とな
る。
【0078】ここまでの説明では、クラッチモータ30
のトルクTcに負の値が設定されたときには、エンジン
50への燃料噴射を停止することにより、図11に例示
するようにエンジン50の回転数Neがクラッチモータ
30のトルクTcの値によって定まるものとしたが、エ
ンジン50への燃料噴射を制御してクラッチモータ30
のトルクTcに応じた回転数以上の所望の回転数Neと
することもできる。上述したように、クラッチモータ3
0のトルクTcを負の値Tc(A)とし、エンジン50
への燃料噴射を停止すれば、図11に示すように、エン
ジン50は回転数Ne(A)で回転するが、エンジン5
0への燃料噴射を制御すれば、所定量の燃料を噴射した
際の外力(トルクTc)とエンジン50の回転数Neと
の関係を例示する図14の曲線αに示すように、エンジ
ン50を回転数Ne(α)で回転させることができる。
このようにエンジン50の回転数Neを制御すると、駆
動軸22とクラッチモータ30の制御との関係は、図9
に示すように、エンジン50の回転数Neが値Ne
(A)から値Ne(α)へと高くなることから、駆動軸
22の回転数Ndがエンジン50の回転数Neと一致す
るポイントPNeが左上方にずれ、クラッチモータ30の
回生制御による制動の範囲が小さくなり、力行制御によ
る制動の範囲が大きくなる。
【0079】このようにエンジン50の回転数Neを制
御すれば、エンジン50への燃料噴射を停止したときに
はクラッチモータ30の回生制御から始まる駆動軸22
の回転数Nd2(図12参照)からの制動でも、図15
に示すように、制動開始位置を時間t2より後にするこ
とができるから、クラッチモータ30の回生制御による
制動を行なうことなく直ちに力行制御による制動を行な
うことができる。この結果、バッテリ94の残容量BRM
が大きくバッテリ94がほぼ満充電であるときでも、ク
ラッチモータ30による制動を行なうことができる。
【0080】以上の説明では、制動の開始から終了まで
エンジン50の回転数Neが一定となるよう制御した
が、図16に示すように、エンジン50の回転数Ne
を、駆動軸22の回転数Ndより常に所定値△Nβだけ
小さくなるよう駆動軸22の回転数Ndに応じて制御し
てもよい。このように制御すれば、エンジン50の回転
数Neは図中破線β上の変化となり、クラッチモータ3
0は制動のほとんどの範囲で回生制御による制動がなさ
れることになる。また、逆にエンジン50の回転数Ne
を、駆動軸22の回転数Ndより常に値△Nγだけ大き
くなるよう駆動軸22の回転数Ndに応じて制御しても
よい。このように制御すれば、エンジン50の回転数N
eは図中破線γ上の変化となり、クラッチモータ30は
制動のすべての範囲で力行制御による制動となる。な
お、図16では、一定のトルクTcが駆動軸22に作用
した際の駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係であ
る直線Aを用いて表現したが、実際は、トルクTcも変
化し得るから、直線A上の変化になるとは限らない。
【0081】次に、こうした制動時のクラッチモータ3
0の制御の具体的な処理について、図17に例示するク
ラッチモータ制御ルーチンに基づき説明する。この処理
は、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*に負の値
がされた後に、制御装置80により所定時間毎に繰り返
し実行される。なお、トルク指令値Tc*は、例えば、
ブレーキペダルポジションセンサ65aによりブレーキ
ペダル64のポジションBPを検出し、このブレーキペ
ダルポジションBPに応じた値として求めることができ
る。
【0082】クラッチモータ制御ルーチンが実行される
と、制御装置80の制御CPU90は、まず、駆動軸2
2の回転角度θdをレゾルバ37から読み込む処理を行
なう(ステップS112)。次に、レゾルバ57からエ
ンジン50のクランクシャフト56の回転角度θeを入
力し(ステップS114)、クラッチモータ30の電気
角θcを両軸の回転角度θe,θdから求める処理を行
なう(ステップS116)。実施例では、クラッチモー
タ30として4極対の同期電動機を用いているから、θ
c=4(θe−θd)を演算することになる。
【0083】次に、電流検出器95,96により、クラ
ッチモータ30の三相コイル34のU相とV相に流れて
いる電流Iuc,Ivcを検出する処理を行なう(ステ
ップS118)。電流はU,V,Wの三相に流れている
が、その総和はゼロなので、二つの相に流れる電流を測
定すれば足りる。こうして得られた三相の電流を用いて
座標変換(三相−二相変換)を行なう(ステップS12
0)。座標変換は、永久磁石型の同期電動機のd軸,q
軸の電流値に変換することであり、次式(1)を演算す
ることにより行なわれる。ここで座標変換を行なうの
は、永久磁石型の同期電動機においては、d軸及びq軸
の電流が、トルクを制御する上で本質的な量だからであ
る。もとより、三相のまま制御することも可能である。
【0084】
【数1】
【0085】次に、2軸の電流値に変換した後、クラッ
チモータ30におけるトルク指令値Tc*から求められ
る各軸の電流指令値Idc*,Iqc*と実際各軸に流
れた電流Idc,Iqcと偏差を求め、各軸の電圧指令
値Vdc,Vqcを求める処理を行なう(ステップS1
22)。即ち、まず以下の式(2)の演算を行ない、次
に次式(3)の演算を行なうのである。ここで、Kp
1,2およびKi1,2は各々係数であり、適用するモ
ータの特性に基づいて調整される。また、電圧指令値V
dc,Vqcは、電流指令値I*との偏差△Iに比例す
る部分(式(3)右辺第1項)と偏差△Iのi回分の過
去の累積分(右辺第2項)とから求められる。
【0086】
【数2】
【0087】
【数3】
【0088】その後、こうして求めた電圧指令値をステ
ップS120で行なった変換の逆変換に相当する座標変
換(二相−三相変換)を行ない(ステップS124)、
実際に三相コイル34に印加する電圧Vuc,Vvc,
Vwcを求める処理を行なう。各電圧は、次式(4)に
より求める。
【0089】
【数4】
【0090】実際の電圧制御は、第1の駆動回路91の
トランジスタTr1ないしTr6のオンオフ時間により
なされるから、式(4)によって求めた各電圧指令値と
なるよう各トランジスタTr1ないしTr6のオン時間
をPWM制御する(ステップS126)。
【0091】以上説明したように、実施例の動力出力装
置20によれば、クラッチモータ30により駆動軸22
を制動することができる。しかも、エンジン50の回転
数Neを制御すれば、クラッチモータ30の回生制御に
よる制動と力行制御による制動とを自由に使い分けるこ
とができる。この結果、例えば、図18に例示する制動
時処理ルーチンのように、バッテリ94の状態に応じて
制動のパターンを決定することもできる。以下、この制
動時処理ルーチンが実行されたときの処理を説明する。
【0092】本ルーチンは、第1クラッチ45と第2ク
ラッチ46とが共にオン(動力出力装置20が図10の
模式図の構成)とされた状態で車両が走行している最中
にブレーキペダル65が踏み込まれることによって実行
される。このルーチンが実行されると、制御装置80の
制御CPU90は、まず、ブレーキペダルポジションセ
ンサ65aにより検出されるブレーキペダルポジション
BPを読み込み(ステップS130)、読み込まれたブ
レーキペダルポジションBPに応じた制動力を発生する
クラッチモータ30のトルク指令値Tc*を導出する処
理を行なう(ステップS132)。実施例では、各ブレ
ーキペダルポジションBPに対して対応するトルク指令
値Tc*を定めてマップとして予めROM90bに記憶
しておき、ブレーキペダルポジションBPが読み込まれ
ると、そのブレーキペダルポジションBPに対応するト
ルク指令値Tc*をマップから導出するものとした。
【0093】次に、残容量検出器99により検出される
バッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステップS13
6)、読み込んだバッテリ94の残容量BRMを閾値B1
と比較する(ステップS138)。ここで、閾値B1
は、これ以上の充電はバッテリ94にとって不要である
と判断される満充電に近い値として設定されるものであ
り、バッテリ94の種類や特性などによって定められる
ものである。
【0094】バッテリ94の残容量BRMが閾値B1以上
のときには、充電は不要と判断して、クラッチモータ3
0の力行制御による制動を行ない(ステップS14
0)、バッテリ94の残容量BRMが閾値B1未満のとき
には、充電が必要と判断して、クラッチモータ30の回
生制御による制動を行なう(ステップS142)。クラ
ッチモータ30の力行制御による制動は、具体的には、
上述したように、エンジン50の回転数Neを駆動軸2
2の回転数Ndより大きくなるよう制御することによっ
て行ない、クラッチモータ30の回生制御による制動
は、エンジン50の回転数Neを駆動軸22の回転数N
dより小さくなるよう制御することによって行なう。な
お、いずれの制御でも、制御の間、エンジン50の回転
数Neを一定値に保つものとしてもよく、またはエンジ
ン50の回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏差
を一定に保つものとしてもよい。或いはエンジン50の
回転数Neと駆動軸22の回転数Ndとの偏差を順次変
更させるものとしてもよい。
【0095】以上説明した制動時処理によれば、バッテ
リ94の状態に応じてクラッチモータ30の力行制御に
よる制動と回生制御による制動とを行なうことができ
る。この結果、バッテリ94を過充電したり、或いは完
全放電したりするのを防止することができる。
【0096】次にクラッチモータ30とアシストモータ
40による制動について説明する。上述したように、実
施例の動力出力装置20では、エンジン50の回転数N
eが駆動軸22の回転数Ndより大きいときには、図3
の模式図の構成としてエンジン50から出力される動力
をトルク変換して駆動軸22に出力し、逆に、回転数N
eが回転数Ndより小さいときには、図4の模式図の構
成としてエンジン50から出力される動力をトルク変換
して駆動軸22に出力している。このため、クラッチモ
ータ30とアシストモータ40による制動は、ブレーキ
ペダル65が踏み込まれたときの動力出力装置20の状
態によって、図3の模式図の構成のときの制動と図4の
模式図の構成のときの制動とに分かれる。まず、図3の
模式図の構成のときの制動について説明し、後で図4の
模式図の構成のときの制動について説明する
【0097】図3の模式図の構成のときの制動、すなわ
ち実施例の動力出力装置20の第1クラッチ45がオフ
で第2クラッチ46がオンとされて動作している際の制
動処理は、図19に例示する制動時トルク制御処理ルー
チンによって行なわれる。このルーチンは、上述したク
ラッチモータ30による制動の一つのパターンとアシス
トモータ40による制動とを組み合わせたものである。
【0098】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず駆動軸22の回転数Ndを読
み込む処理を行なう(ステップS150)。駆動軸22
の回転数は、レゾルバ37から読み込んだ駆動軸22の
回転角度θdから求めることができる。次に、ブレーキ
ペダルポジションセンサ65aにより検出されるブレー
キペダルポジションBPを読み込み(ステップS15
2)、読み込んだブレーキペダルポジションBPに応じ
て駆動軸22に出力すべきトルク(以下、トルク指令値
という)Td*を導出する処理を行なう(ステップS1
54)。実施例では、各ブレーキペダルポジションBP
に対応するトルク指令値Td*を求めて予めマップとし
てROM90bに記憶しておき、ブレーキペダルポジシ
ョンBPが読み込まれると、マップからブレーキペダル
ポジションBPに対応するトルク指令値Td*を導出す
るものとした。
【0099】次に、残容量検出器99により検出される
バッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステップS15
6)、読み込んだバッテリ94の残容量BRMを閾値B2
と比較する(ステップS158)。ここで、閾値B2
は、前述した閾値B1と同様に、これ以上の充電はバッ
テリ94にとって不要であると判断される満充電に近い
値として設定されるものであり、バッテリ94の種類や
特性などによって定められるものである。バッテリ94
の残容量BRMが閾値B2未満のときには、バッテリ94
の充電が必要であると判断してステップS160ないし
S164の処理にてクラッチモータ30のトルク指令値
Tc*,アシストモータ40のトルク指令値Ta*およ
びエンジン50の目標回転数Ne*を設定し、バッテリ
94の残容量BRMが閾値B2以上のときには、バッテリ
94の充電は不要と判断し、ステップS166ないしS
172の処理にて上記の各指令値を設定する。
【0100】ステップS158で、バッテリ94の残容
量BRMが閾値B2未満のときには、制御CPU90は、
まず運転者が必要としているトルク指令値Td*に駆動
軸22の回転数Ndを乗じて制動エネルギPdを算出す
る(ステップS160)。そして、この制動エネルギP
dを基に、予めROM90bに記憶してある制動エネル
ギPdとクラッチモータ30のトルク指令値Tc*およ
びアシストモータ40のトルク指令値Ta*との関係を
示すマップからクラッチモータ30のトルク指令値Tc
*とアシストモータ40のトルク指令値Ta*とを設定
する(ステップS162)。ここで、実施例が備えるマ
ップは、制動エネルギPdが与えられたとき、この制動
エネルギPdから最も効率よく電気エネルギを回生する
クラッチモータ30のトルク指令値Tc*とアシストモ
ータ40のトルク指令値Ta*との関係を実験により求
めてマップとしてROM90bに記憶させたものであ
る。なお、このマップは、クラッチモータ30およびア
シストモータ40の種類や特性,エンジン50の特性等
によって定まるものである。
【0101】クラッチモータ30およびアシストモータ
40のトルク指令値Tc*,Ta*を設定すると、次
に、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*を基に、
予めROM90bに記憶したマップ、例えば図11に例
示した燃料噴射を停止した際の外力(トルクTc)とエ
ンジン50の回転数Neとの関係を例示するグラフによ
りエンジン50の目標回転数Ne*を設定する(ステッ
プS164)。
【0102】一方、ステップS158で残容量BRMが閾
値B2以上と判定されたとき、例えば、上述のステップ
S160ないしS164の処理を繰り返し実行すること
によりバッテリ94が充電されて残容量BRMが閾値B2
以上となったとき等には、制御CPU90は、まずエン
ジン50の目標回転数Ne*を、駆動軸22の回転数N
dに所定の偏差量△N1を加えた値として算出する(ス
テップS166)。ここで、偏差量△N1を回転数Nd
に加えて目標回転数Ne*とするのは、クラッチモータ
30の力行制御による制動を行なうためである。なお、
偏差量△N1は、エンジン50の特性やクラッチモータ
30の特性などにより定められるものである。実施例で
は、所定の偏差量△N1を回転数Ndに加えて目標回転
数Ne*としたが、偏差量△N1をステップS154で
求めた出力トルク指令値Td*を変数として定まる変量
とし、これを回転数Ndに加えて目標回転数Ne*とす
るものとしてもよい。
【0103】目標回転数Ne*を設定すると、この目標
回転数Ne*を基に、予めROM90bに記憶したマッ
プ(例えば図11のグラフ)によりクラッチモータ30
のトルク指令値Tc*を求める(ステップS168)。
続いて、こうして求めたクラッチモータ30のトルク指
令値Tc*と、ステップS154で求めた出力トルク指
令値Td*とを比較し(ステップS170)、トルク指
令値Tc*がトルク指令値Td*より大きいときには、
トルク指令値Tc*にトルク指令値Td*を代入して
(ステップS171)、トルク指令値Tc*が運転者が
要求するトルク指令値Td*より大きくならないように
する。
【0104】そして、トルク指令値Td*からトルク指
令値Tc*を減じてアシストモータ40のトルク指令値
Ta*とする(ステップS172)。ステップS170
でトルク指令値Tc*がトルク指令値Td*より大きい
と判定されたときには、ステップS171でトルク指令
値Tc*にはトルク指令値Td*が代入されるから、ト
ルク指令値Ta*は値0となるが、トルク指令値Tc*
がトルク指令値Td*以下のときには、トルク指令値T
a*は値を持つ。このため、アシストモータ40によっ
て電気エネルギが回生されるが、この電気エネルギは、
クラッチモータ30によって消費される。なお、アシス
トモータ40によって回生される電気エネルギがクラッ
チモータ30により消費される電気エネルギを上回るこ
とも有り得る。この場合、バッテリ94が充電されるこ
とになるが、バッテリ94は、図20の残容量BRMと充
電可能電力との関係に示すように、残容量BRMが閾値B
2以上でもある程度充電可能であるから、制動により回
生される電気エネルギ(電力)が充電可能電力以下とな
るようバッテリ94の容量や閾値B2を定めればよいこ
とになる。
【0105】こうして、ステップS160ないしS16
4の処理により、あるいはステップS166ないしS1
72の処理により、クラッチモータ30およびアシスト
モータ40のトルク指令値Tc*,Ta*とエンジン5
0の目標回転数Ne*を設定すると、制御CPU90
は、クラッチモータ30,アシストモータ40およびエ
ンジン50の各制御を行なう(ステップS174ないし
S178)。実施例では、図示の都合上、各制御を本ル
ーチンのステップとして記載したが、実際には、これら
の制御は本ルーチンとは独立に総合的に行なわれる。例
えば、制御CPU90が割り込み処理を利用して、クラ
ッチモータ30とアシストモータ40の制御を異なるタ
イミングで同時に実行すると共に、通信によりEFIE
CU70に指示を送信して、EFIECU70によりエ
ンジン50の制御を同時に行なわせるのである。
【0106】これらの制御のうちステップS172のク
ラッチモータ30の制御は、図11に例示したクラッチ
モータ制御ルーチンによりなされる。したがって、ここ
ではその詳細な説明は省略する。ステップS174のア
シストモータ40の制御は、図21に例示するアシスト
モータ制御ルーチンによりなされる。以下、アシストモ
ータ40の制御についてこの処理に基づき説明する。
【0107】アシストモータ制御ルーチンが実行される
と、制御装置80の制御CPU90は、まず、レゾルバ
47により検出されるロータ回転軸38の回転角度θr
を読み込み(ステップS180)、アシストモータ40
の電気角θaを読み込んだ回転角度θrから計算する
(ステップS181)。実施例では、アシストモータ4
0として4極対の同期電動機を用いているから、θa=
4θrを計算することになる。続いて、アシストモータ
40の各相電流を電流検出器97,98を用いて検出す
る処理(ステップS182)を行なう。そして、図17
に例示したクラッチモータ制御処理のステップS120
ないしS124と同様の処理である座標変換(ステップ
S184),電圧指令値Vda,Vqaの演算(ステッ
プS186)および電圧指令値の逆座標変換(ステップ
S188)を行なって、アシストモータ40の第2の駆
動回路92のトランジスタTr11ないしTr16のオ
ンオフ制御時間を求め、PWM制御を行なう(ステップ
S190)。
【0108】次に、エンジン50の制御(図19のステ
ップS176)について説明する。エンジン50の制御
は、制御CPU90から目標回転数Ne*を通信により
受信したEFIECU70が、エンジン50の回転数N
eが目標回転数Ne*となるよう燃料噴射量やスロット
ルバルブ開度を増減することによって行なわれる。な
お、ステップS164では目標回転数Ne*を、ステッ
プS168ではトルク指令値Tc*を図11の燃料噴射
を停止した際の外力とエンジン50の回転数Neとの関
係を例示するグラフをマップとして求めているから、ス
テップS171でトルク指令値Tc*の設定が変更され
ない限り、燃料噴射を停止すると共にスロットルバルブ
66を全閉し、更に火花点火をも停止することにより、
エンジン50の回転数Neは目標回転数Ne*となる。
ステップS171でトルク指令値Tc*の設定に変更が
なされたときには、トルク指令値Tc*は下方修正され
るから、このトルク指令値Tc*に応じた図11のグラ
フに基づくエンジン50の回転数Neは目標回転数Ne
*より小さくなり、エンジン50の制御として、燃料噴
射量やスロットルバルブ開度の調整がなされる。なお、
実施例では、トルク指令値Tc*が下方修正されても目
標回転数Ne*はそのままの値としたが、トルク指令値
Tc*の下方修正に併せて、この下方修正されたトルク
指令値Tc*を基に、マップ(図11)により目標回転
数Ne*を設定し直すものとしてもよい。こうすれば、
エンジン50の制御は、常に、燃料噴射を停止すると共
にスロットルバルブ66を全閉し、火花点火も停止する
制御となる。
【0109】以上説明した実施例の動力出力装置20を
図3の模式図の構成とした際の制動処理によれば、クラ
ッチモータ30とアシストモータ40とにより駆動軸2
2に制動力を作用させることができる。しかも、バッテ
リ94の残容量BRMの状態に応じて制動することができ
る。即ちバッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満のと
きには、制動エネルギPdを効率よく回生してバッテリ
94を充電するから、装置全体の効率をより高くするこ
とができる。また、バッテリ94の残容量BRMが閾値B
2以上のときには、クラッチモータ30の力行制御によ
る制動とするから、バッテリ94の過充電を避けること
ができる。
【0110】実施例では、バッテリ94の残容量BRMが
閾値B2以上のときには、駆動軸22の回転数Ndに偏
差量△N1を加えて目標回転数Ne*を求め、この目標
回転数Ne*を用いてクラッチモータ30のトルク指令
値Tc*を設定したが、クラッチモータ30により消費
される電気エネルギとアシストモータ40により回生さ
れる電気エネルギとが等しくなるクラッチモータ30の
トルク指令値Tc*,アシストモータ40のトルク指令
値Ta*およびエンジン50の目標回転数Ne*を出力
トルク指令値Td*および駆動軸22の回転数Ndの関
係として予め実験などにより求めてマップとしてROM
90bに記憶しておき、ステップS154で求めた出力
トルク指令値Td*および駆動軸22の回転数Ndに対
し、このマップからクラッチモータ30のトルク指令値
Tc*,アシストモータ40のトルク指令値Ta*およ
びエンジン50の目標回転数Ne*を求めて設定するも
のとしてもよい。こうすれば、アシストモータ40によ
り回生される電気エネルギのすべてをクラッチモータ3
0によって消費でき、バッテリ94の過充電を防止する
ことができる。
【0111】次に、図4の模式図の構成のときの制動、
すなわち実施例の動力出力装置20の第1クラッチ45
がオンで第2クラッチ46がオフとされて動作している
際の制動処理について説明する。上述したクラッチモー
タ30による制動では、クラッチモータ30のトルク指
令値Tc*を設定すると、図11または図14のグラフ
からエンジン50の回転数Neの最低値も決まってしま
う。したがって、エンジン50の回転数Neをこの最低
値より小さな値にすることができない。しかし、動力出
力装置20を図4の模式図の構成とすれば、エンジン5
0のクランクシャフト56にアシストモータ40が取り
付けられた構成となるから、アシストモータ40を回生
制御することにより、エンジン50の回転数Neをクラ
ッチモータ30のトルク指令値Tc*により定まる最低
値(図11のグラフにより定まる値)より小さな値に設
定することができる。逆に、アシストモータ40を駆動
制御することにより、エンジン50の燃料噴射制御を行
なわなくてもエンジン50の回転数Neをクラッチモー
タ30のトルク指令値Tc*により定まる最低値より大
きな値にすることができる。こうしたことから、エンジ
ン50は、燃料噴射を停止すれば、クラッチモータ30
による駆動軸22を制動するトルクTcとアシストモー
タ40によるクランクシャフト56を制動するトルクT
aとのトルク偏差△Tca(△Tca=Tc−Ta)に
対して図11のグラフを適用して定まる回転数で回転す
ることになる。以下、図4の模式図の構成のときの制動
について図22に例示する制動時トルク制御処理ルーチ
ンに基づき説明する。
【0112】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、駆動軸22の回転数Ndを
読み込む処理を行なう(ステップS200)。次に、ブ
レーキペダルポジションセンサ65aからのブレーキペ
ダルポジションBPを読み込み(ステップS202)、
読み込んだブレーキペダルポジションBPに応じたクラ
ッチモータ30のトルク指令値Tc*を導出する処理を
行なう(ステップS204)。図3の模式図の構成にお
ける制動時トルク制御処理(図19)では、ブレーキペ
ダルポジションBPに応じた出力トルク指令値Td*を
導出したが、本ルーチンでは、動力出力装置20が図4
の模式図の構成であるから、クラッチモータ30のトル
ク指令値Tc*がトルク指令値Td*に等しいとおけ、
図19のトルク指令値Td*を導出する処理(ステップ
S154)をそのまま用いて導出した値をトルク指令値
Tc*に設定している。次に、残容量検出器99により
検出されるバッテリ94の残容量BRMを読み込み(ステ
ップS206)、読み込んだバッテリ94の残容量BRM
を閾値B2と比較する(ステップS208)。
【0113】バッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満
のときには、制御CPU90は、クラッチモータ30の
トルク指令値Tc*と駆動軸22の回転数Ndとを基
に、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*および駆
動軸22の回転数Ndとアシストモータ40のトルク指
令値Ta*およびエンジン50の目標回転数Ne*との
関係を示すマップにより、アシストモータ40のトルク
指令値Ta*およびエンジン50の目標回転数Ne*と
を求めて設定する(ステップS210)。ここで、実施
例が備えるマップは、クラッチモータ30のトルク指令
値Tc*と駆動軸22の回転数Ndとが与えられたとき
に、これらの積で与えられる制動エネルギPdから最も
効率よく電気エネルギを回生するアシストモータ40の
トルク指令値Ta*およびエンジン50の目標回転数N
e*の関係を示すものである。具体的には、次のように
なる。
【0114】クラッチモータ30によって回生される電
気エネルギPcとアシストモータ40により回生される
電気エネルギPaとの和である回生エネルギPは次式
(5)で表わされる。ここで、Kcsはクラッチモータ
30により回生する際の効率であり、Kasはアシスト
モータ40により回生する際の効率である。クラッチモ
ータ30のトルクTcとアシストモータ40のトルクT
aとのトルク偏差△Tca(△Tca=Tc−Ta)
と、エンジン50の回転数Neとには、エンジン50の
燃料噴射を停止すれば、上述したように図11のグラフ
の関係があるから、目標回転数Ne*は、トルク指令値
Ta*の関数として表わすことができる。したがって、
回生エネルギPは、トルク指令値Tc*と回転数Ndが
入力されれば、トルク指令値Ta*の関数となるから、
回生エネルギPを最大とするトルク指令値Ta*を求め
ることができ、エンジン50の目標回転数Ne*を求め
ることができる。これをマップとしてROM90bに記
憶したものが実施例が備えるマップである。なお、この
マップは、クラッチモータ30およびアシストモータ4
0の種類や特性,エンジン50の特性等によって定まる
ものである。
【0115】 P=Pc+Pa ={Kcs×Tc*×(Nd−Ne*)}+{Kas×Ta*×Ne*} …(5)
【0116】一方、ステップS208で残容量BRMが閾
値B2以上と判定されたときには、制御CPU90は、
クラッチモータ30のトルク指令値Tc*を基に、予め
ROM90bに記憶したマップ(例えば図11のグラ
フ)によりエンジン50の目標回転数Ne*を設定し
(ステップS212)、設定した目標回転数Ne*と駆
動軸22の回転数Ndとを比較する(ステップS21
4)。
【0117】目標回転数Ne*が回転数Ndより小さい
ときには、回転数Ndと目標回転数Ne*との偏差△N
deを基に、予めROM90bに記憶したマップにより
アシストモータ40のトルク指令値Ta*を設定する
(ステップS216)。ここで、実施例が備えるマップ
は、偏差△Ndeと、目標回転数Ne*で回転している
エンジン50を回転数Ndで回転させるのに必要なアシ
ストモータ40のトルク指令値Ta*との関係を実験な
どにより求めたものである。このように、アシストモー
タ40でエンジン50の回転数Neを回転数Ndまで上
げるのは、エンジン50の回転数Neが駆動軸22の回
転数Ndより小さいと、クラッチモータ30の力行制御
による制動が行なえないからである。アシストモータ4
0のトルク指令値Ta*を設定すると、続いて、エンジ
ン50の目標回転数Ne*に駆動軸22の回転数Ndを
設定する(ステップS218)。
【0118】目標回転数Ne*が回転数Nd以上のとき
には、アシストモータ40のトルク指令値Ta*に値0
を設定する(ステップS220)。目標回転数Ne*が
回転数Nd以上のときには、クラッチモータ30の回生
制御による制動が可能であるからである。なお、トルク
指令値Ta*が値0のときには、バッテリ94に蓄えら
れた電力を用いてクラッチモータ30を力行制御するこ
とになるから、目標回転数Ne*が回転数Nd以上とな
る範囲内でアシストモータ40のトルク指令値Ta*を
設定し、クラッチモータ30で消費される電気エネルギ
をアシストモータ40で回生してもよい。
【0119】こうして、ステップS210の処理によ
り、あるいはステップS212ないしS220の処理に
より、クラッチモータ30のトルク指令値Ta*とエン
ジン50の目標回転数Ne*が設定されると、制御CP
U90は、クラッチモータ30,アシストモータ40お
よびエンジン50の各制御を行なう(ステップS222
ないしS226)。これらの各制御については、図19
の制動時トルク制御処理ルーチンにおけるステップS1
74ないしS178の制御と同一であるので、その詳細
な説明は省略する。
【0120】以上説明した実施例の動力出力装置20を
図4の模式図の構成とした際の制動処理によれば、クラ
ッチモータ30とアシストモータ40とにより駆動軸2
2を制動することができる。しかも、バッテリ94の残
容量BRMの状態に応じて制動することができる。即ちバ
ッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満のときには、制
動エネルギを効率よく回生してバッテリ94を充電する
から、エネルギ効率をより高くすることができる。ま
た、バッテリ94の残容量BRMが閾値B2以上のときに
は、クラッチモータ30の力行制御による制動とするか
ら、バッテリ94の過充電を避けることができる。
【0121】次に、エンジン50とアシストモータ40
とによる制動について図23に例示する連続トルク制御
ルーチンに基づき説明する。エンジン50とアシストモ
ータ40とによる制動は、前述したように、第1クラッ
チ45と第2クラッチ46とを共にオンとして動力出力
装置20を図9の模式図の構成のようにクランクシャフ
ト56と駆動軸22とが機械的に結合されアシストモー
タ40が駆動軸22に直接取り付けられた構成とし、エ
ンジン50への燃料噴射を停止していわゆるエンジンブ
レーキの状態として駆動軸22に制動力を作用させると
共に、ブレーキペダル65の踏込量に応じた制動力をア
シストモータ40によって駆動軸22に付加するもので
ある。本ルーチンは、駆動軸22の回転数Ndが効率よ
くエンジン50を運転できる回転数の範囲内にあるため
に動力出力装置20を図9の模式図の構成としていると
きや、クラッチモータ30に異常が生じているためい動
力出力装置20を図9の模式図の構成としているとき、
あるいは、車両が長い下り坂を走行しているときなど運
転者が連続して駆動軸22に制動力を作用させるようシ
フトレバー82をLレンジや2レンジにしたときの制動
処理として実行される。
【0122】本ルーチンが実行されると、制御装置80
の制御CPU90は、まず、駆動軸22の回転数Ndを
読み込み(ステップS230)、読み込んだ駆動軸22
の回転数Ndを所定回転数Nminと比較する(ステッ
プS232)。ここで、所定回転数Nminは、エンジ
ン50が安定して運転できる最小回転数か或いはこれよ
り若干高めの値に設定されるものである。駆動軸22の
回転数Ndが所定回転数Nmin以下のときには、エン
ジン50とアシストモータ40とによる制動は不向きで
あると判断し本ルーチンを終了する。駆動軸22の回転
数Ndが所定回転数Nmin以下でもエンジン50によ
る制動すなわちエンジンブレーキを作動させるものとす
ると、エンジン50の脈動する圧縮仕事によってクラン
クシャフト56や車両が共振振動を生じる場合があるか
らである。なお、この場合、ブレーキペダル65が踏み
込まれているときには、アシストモータ40のみによる
制動やクラッチモータ30による制動、あるいはクラッ
チモータ30とアシストモータ40とによる制動を行な
う。
【0123】駆動軸22の回転数Ndが所定回転数Nm
inより大きいときには、第1クラッチ45と第2クラ
ッチ46とを共にオンとして動力出力装置20を図9の
模式図の構成とし(ステップS234)、燃料噴射弁5
1からの燃料噴射を停止する信号をEFIECU70に
向けて出力する(ステップS236)。EFIECU7
0は、制御CPU90からの信号を受信すると、直ちに
燃料噴射弁51からの燃料噴射を停止する。こうして燃
料噴射を停止することにより、いわゆるエンジンブレー
キが作動し、駆動軸22に制動力が作用する。
【0124】続いて、ブレーキペダルポジションセンサ
65aにより検出されるブレーキペダルポジションBP
を読み込み(ステップS238)、読み込まれたブレー
キペダルポジションBPに応じた制動力を発生するアシ
ストモータ40のトルク指令値Ta*を導出する処理を
行なう(ステップS240)。この導出処理は、図18
のステップS132のクラッチモータ30のトルク指令
値Tc*の導出処理や図19のステップS154のトル
ク指令値Td*の導出処理と同様である。そして、クラ
ッチモータ30のトルク指令値Tc*に値0を設定し
(ステップS242)、クラッチモータ30とアシスト
モータ40の制御を行なう(ステップS244およびS
246)。アシストモータ40の制御は、図19のステ
ップS176と同一であり、図21のアシストモータ制
御ルーチンによって行なわれるから、これ以上の説明は
省略する。クラッチモータ30の制御も図17のクラッ
チモータ制御ルーチンにより行なってもよいが、クラッ
チモータ30のトルク指令値Tc*に値0が設定されて
おり、クラッチモータ30の回転数である回転数差Nc
が値0であるから、第1の駆動回路91のトランジスタ
Tr1ないしTr6のすべてをオフとする制御とするこ
ともできる。このようにクラッチモータ30およびアシ
ストモータ40を制御することにより、駆動軸22には
エンジンブレーキによる制動力に加えてアシストモータ
40による制動力が作用することになる。
【0125】以上説明したエンジン50とアシストモー
タ40とによる制動処理によれば、燃料噴射弁51から
の燃料噴射を停止することによりエンジン50から出力
される動力により駆動軸22に制動力を作用させること
ができる。この結果、バッテリ94が満充電でも駆動軸
22に制動力を作用させることができる。また、長時間
に亘って駆動軸22に制動力を作用させることができ
る。エンジン50とアシストモータ40とによる制動処
理によれば、こうしたエンジンブレーキに加え、アシス
トモータ40から出力される動力により駆動軸22に制
動力を作用させることができる。しかも、アシストモー
タ40から駆動軸22に出力するトルクをブレーキペダ
ル65の踏込量に応じたものとしたから、運転者は所望
の制動力を得ることができる。
【0126】エンジン50とアシストモータ40とによ
る制動処理では、駆動軸22の回転数Ndが所定回転数
Nmin以下のときには、この処理を行なわないものと
したが、エンジン50として脈動する圧縮仕事がないも
のを用いたり、若干の振動を許容する場合には、所定回
転数Nmin以下のときでもエンジン50とアシストモ
ータ40とによる処理を行なうものとしてもよい。
【0127】また、エンジン50とアシストモータ40
とによる制動処理では、ブレーキペダル65の踏込量に
応じてアシストモータ40のトルク指令値Ta*を設定
するものとしたが、アシストモータ40のトルク指令値
Ta*に値0を設定し、エンジンブレーキのみによって
駆動軸22に制動力を作用させるものとしてもよい。こ
うすれば、クラッチモータ30とアシストモータ40と
に共に異常が生じたときでも駆動軸22に制動力を作用
させることができる。
【0128】以上説明した実施例の動力出力装置20に
よれば、第1クラッチ45と第2クラッチ46の接続状
態に応じて駆動軸22に制動力を作用させることができ
る。しかも、第1クラッチ45や第2クラッチ46の接
続状態の変更を行なわずに駆動軸22に制動力を作用さ
せるから、運転者のブレーキペダル65の踏み込みと同
時に駆動軸22に制動力を作用させることができる。
【0129】実施例の動力出力装置20では、第1クラ
ッチ45と第2クラッチ46の接続状態に応じてエンジ
ン50やクラッチモータ30,アシストモータ40によ
り駆動軸22に制動力を作用させるものとしたが、駆動
軸22に制動力を作用させる際のクラッチモータ30と
アシストモータ40の回生効率が高くなるよう第1クラ
ッチ45や第2クラッチ46,エンジン50,クラッチ
モータ30,アシストモータ40を制御するものとして
もよい。以下、この回生効率を高くする制動処理につい
て図24に例示する制動時トルク制御処理ルーチンに基
づき説明する。なお、この制動時トルク制御ルーチン
は、バッテリ94の残容量BRMが閾値B2未満の状態に
あるときにブレーキペダル65が踏み込まれたときに実
行される。
【0130】図24の制動時トルク制御処理ルーチンが
実行されると、制御装置80の制御CPU90は、ま
ず、駆動軸22の回転数Ndとブレーキペダルポジショ
ンBPとを読み込む処理を実行する(ステップS250
およびS252)。そして、読み込んだブレーキペダル
ポジションBPに応じて駆動軸22に出力すべき制動ト
ルク(トルク指令値)Td*を導出すると共に(ステッ
プS254)、この導出されたトルク指令値Td*に基
づいて効率判定回転数Nηを導出する(ステップS25
6)。ここで、効率判定回転数Nηは、トルク指令値T
d*の制動トルクを駆動軸22に作用させる際に、動力
出力装置20を図3の模式図の構成としてクラッチモー
タ30とアシストモータ40とによる制動処理(以下、
「図3の模式図の構成による制動処理」という)を行な
ったときの両モータ30,40による回生の総合効率
(回生効率)ηuと、動力出力装置20を図4の模式図
の構成としてクラッチモータ30とアシストモータ40
とによる制動処理(以下、「図4の模式図の構成による
制動処理」という)を行なったときの両モータ30,4
0による回生の総合効率(回生効率)ηoとが同じにな
る駆動軸22の回転数として設定されるものである。
【0131】トルク指令値Td*が所定値(例えば、制
動トルクとして90Nm)のときに図3の模式図の構成
による制動処理を行なったときの両モータ30,40に
よる回生効率ηuと駆動軸22の回転数Ndとの関係お
よび図4の模式図の構成による制動処理を行なったとき
の両モータ30,40による回生効率ηoと駆動軸22
の回転数Ndとの関係の一例を図25に示す。なお、図
中の各制動処理の回生効率ηu,ηoは、エンジン50
への燃料噴射を停止し、エンジン50をアイドル回転数
(例えば750rpm)で回転させたときのものであ
る。図示するように、図3の模式図の構成の際の制動処
理における回生効率ηuと図4の模式図の構成の際の制
動処理における回生効率ηoの大きさは、効率判定回転
数Nηを境に逆転している。したがって、駆動軸22の
回転数Ndが効率判定回転数Nηより大きいか小さいか
によって、動力出力装置20を図3の模式図の構成とし
て制動処理を行なう方が効率がよいか図4の模式図の構
成として制動処理を行なう方が効率がよいかの判定を行
なうことができる。なお、実施例では、こうした効率判
定回転数Nηを各トルク指令値Td*に対して求めて予
めマップとしてROM90bに記憶しておき、トルク指
令値Td*が与えられると、これに対応する効率判定回
転数Nηをマップから導出するものとした。
【0132】次に、導出した効率判定回転数Nηと駆動
軸22の回転数Ndとを比較し(ステップS258)、
回転数Ndが効率判定回転数Nηより小さいときには、
図3の模式図の構成による制動処理における回生効率η
uの方が図4の模式図の構成による制動処理における回
生効率ηoより大きいと判断して、図3の模式図の構成
による制動処理を行ない(ステップS260〜S264
およびステップS272〜S276)、回転数Ndが効
率判定回転数Nηより大きいときには、逆に図4の模式
図の構成による制動処理における回生効率ηoの方が大
きいと判断して、図4の模式図の構成による制動処理を
行なう(ステップS266〜S276)。
【0133】図3の模式図の構成による制動処理では、
制御装置80の制御CPU90は、まず、第1クラッチ
45をオフとすると共に第2クラッチ46をオンとして
動力出力装置20を図3の模式図の構成とし(ステップ
S260)、図19の制動時トルク制御処理ルーチンの
ステップS162およびS164の処理と同一の処理を
行なう(ステップS262およびS264)。すなわ
ち、トルク指令値Td*と駆動軸22の回転数Ndとの
積で表わされる制動エネルギPdを基に、予めROM9
0bに記憶してある制動エネルギPdとクラッチモータ
30のトルク指令値Tc*およびアシストモータ40の
トルク指令値Ta*との関係を示すマップからクラッチ
モータ30のトルク指令値Tc*とアシストモータ40
のトルク指令値Ta*とを設定し(ステップS26
2)、設定したクラッチモータ30のトルク指令値Tc
*を基に、予めROM90bに記憶したマップ、例えば
図11に例示した燃料噴射を停止した際の外力(トルク
Tc)とエンジン50の回転数Neとの関係を例示する
グラフによりエンジン50の目標回転数Ne*を設定す
る(ステップS264)。そして、設定した値でクラッ
チモータ30,アシストモータ40およびエンジン50
が動作するようクラッチモータ30,アシストモータ4
0およびエンジン50の各制御を行なう(ステップS2
72ないしS276)。上述したように、ステップS2
62で用いるマップは、トルク指令値Td*と駆動軸2
2の回転数Ndの積としての制動エネルギPdが与えら
れたとき、この制動エネルギPdから最も効率よく電気
エネルギを回生するクラッチモータ30のトルク指令値
Tc*とアシストモータ40のトルク指令値Ta*との
関係を示すものであるから、両モータ30,40および
エンジン50を上述の値となるよう制御することによ
り、両モータ30,40により効率よく電力を回生する
ことができる。なお、クラッチモータ30,アシストモ
ータ40およびエンジン50の各制御は、図19の制動
時トルク制御処理ルーチンのステップS174ないしS
178と同一であるから、その説明は省略する。
【0134】一方、ステップS258で図4の模式図の
構成による制動処理を行なうと判断されたときには、制
御装置80の制御CPU90は、まず、第1クラッチ4
5をオンとすると共に第2クラッチ46をオフとして動
力出力装置20を図4の模式図の構成とし(ステップS
266)、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*に
トルク指令値Td*を設定する(ステップS268)。
そして、図22の制動時トルク制御処理ルーチンのステ
ップS210の処理と同一の処理を行なう(ステップS
270)。すなわち、クラッチモータ30のトルク指令
値Tc*と駆動軸22の回転数Ndとを基に、クラッチ
モータ30のトルク指令値Tc*および駆動軸22の回
転数Ndとアシストモータ40のトルク指令値Ta*お
よびエンジン50の目標回転数Ne*との関係を示すマ
ップにより、アシストモータ40のトルク指令値Ta*
およびエンジン50の目標回転数Ne*とを求めて設定
するのである。そして、設定した値でクラッチモータ3
0,アシストモータ40およびエンジン50が動作する
ようクラッチモータ30,アシストモータ40およびエ
ンジン50の各制御を行なう(ステップS272ないし
S276)。上述したように、ステップS270で用い
るマップは、クラッチモータ30のトルク指令値Tc*
と駆動軸22の回転数Ndとが与えられたときに、これ
らの積で与えられる制動エネルギPdから最も効率よく
電気エネルギを回生するアシストモータ40のトルク指
令値Ta*およびエンジン50の目標回転数Ne*の関
係を示すものであり、上式(5)における回生エネルギ
Pを最大とするトルク指令値Ta*とエンジン50の目
標回転数Ne*とを求めるものであるから、両モータ3
0,40およびエンジン50を上述の値となるよう制御
することにより、両モータ30,40により効率よく電
力を回生することができる。
【0135】以上説明した変形例の制動トルク制御処理
によれば、駆動軸22の回転数Ndとトルク指令値Td
*とに基づいて第1クラッチ45および第2クラッチ4
6を操作することにより、制動時におけるクラッチモー
タ30とアシストモータ40とによる電力の回生を高い
効率で行なうことができる。この結果、装置全体のエネ
ルギ効率を向上させることができる。
【0136】また、この変形例の制動トルク制御処理
は、ブレーキペダル65を踏み込んでいる間は繰り返し
実行されるから、トルク指令値Td*や駆動軸22の回
転数Ndの変化に応じて第1クラッチ45や第2クラッ
チ46の操作して、制動時におけるクラッチモータ30
とアシストモータ40とによる電力の回生を高い効率で
行なうことができる。
【0137】この変形例の制動トルク制御処理では、駆
動軸22の回転数Ndが効率判定回転数Nηより小さい
ときには、図3の模式図の構成による制動処理における
回生効率ηuの方が図4の模式図の構成による制動処理
における回生効率ηoより大きいと判断し、逆に回転数
Ndが効率判定回転数Nηより大きいときには、図4の
模式図の構成による制動処理における回生効率ηoの方
が大きいと判断したが、駆動軸22に出力すべきトルク
(トルク指令値Td*)の値によっては、駆動軸22の
回転数Ndが効率判定回転数Nηより小さいときに図3
の模式図の構成による制動処理における回生効率ηuの
方が図4の模式図の構成による制動処理における回生効
率ηoより小さく、逆に回転数Ndが効率判定回転数N
ηより大きいときに図4の模式図の構成による制動処理
における回生効率ηoの方が大きくなる場合もあるか
ら、逆の判定を行なう必要がある。したがって、このよ
うな場合を含むときには、図25の関係から駆動軸22
の回転数Ndのときの回生効率ηuとηoを求め、その
大きい方の構成による制動制御を行なえばよい。
【0138】実施例の動力出力装置20では、クラッチ
モータ30による制動やアシストモータ40による制
動、エンジン50とアシストモータ40とによる制動に
より駆動軸22に制動力を作用させる場合について説明
したが、駆動軸22に機械的な摩擦力により制動力を作
用させる機械ブレーキを備え、上述の各種制動と機械ブ
レーキによる制動とを組み合わせるものとしてもよい。
こうすれば、制動のパターンが更に多くなり、動力出力
装置20の状態に応じて適切な制動を行なうことができ
ると共に、急制動にも更なる余裕を持って対応すること
ができる。
【0139】実施例では、車両が前進しているときに駆
動軸22に制動力を作用させる処理について説明した
が、上述の各制動処理は車両が後進しているときに駆動
軸22に制動力を作用させる際の処理にも適用すること
もできる。後進時のクラッチモータ30による制動トル
クの作用状態を図26に示す。後進時のクラッチモータ
30による制動は、クラッチモータ30により駆動軸2
2の回転方向と逆向きのトルクTcを駆動軸22に作用
させることにより行なわれるが、駆動軸22がエンジン
50のクランクシャフト56の回転と逆向きに回転して
いるから、前進時と逆向きのトルクTcを作用させるこ
とになる。即ち、後進時のクラッチモータ30による制
動トルクは、車両を前進方向に加速するトルクとなる。
【0140】したがって、後進時におけるクラッチモー
タ30のトルクTcは、エンジン50の回転数Neが駆
動軸22の回転数Ndより大きいときに、クラッチモー
タ30によりエンジン50の回転方向のトルクを駆動軸
22に作用させるトルクと同じになるから、クラッチモ
ータ30では、エンジン50の回転数Neと駆動軸22
の回転数Ndとの回転数差Ncに応じた電力が回生され
ることになる。後進時のクラッチモータ30による制動
における駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係およ
びこの間のクラッチモータ30の状態を示せば図27の
ようになる。実施例では、クランクシャフト56を逆方
向に回転させないようにしているから、後進時のクラッ
チモータ30による制動は、すべて回生制御による制動
となる。ただし、クランクシャフト56を逆方向に回転
させ得る構成とすれば、駆動軸22の逆方向の回転数が
エンジン50の逆方向の回転数Neより小さい範囲でク
ラッチモータ30による力行制御による制動がなされ
る。
【0141】なお、こうした後進時のクラッチモータ3
0による制動の他、後進時のアシストモータ40による
制動や後進時のクラッチモータ30とアシストモータ4
0とによる制動も可能であることは勿論であり、これ以
上の説明を要しない。
【0142】実施例の動力出力装置20では、第1クラ
ッチ45および第2クラッチ46をアシストモータ40
とクラッチモータ30との間に配置したが、図28の変
形例の動力出力装置20Aに示すように、第1クラッチ
45Aと第2クラッチ46Bとをエンジン50とアシス
トモータ40との間に配置したり、図29の変形例の動
力出力装置20Bに示すように、第1クラッチ45Bは
エンジン50とアシストモータ40との間に配置し、第
2クラッチ46Bはアシストモータ40とクラッチモー
タ30との間に配置するものとしてもよい。また、実施
例の動力出力装置20では、アシストモータ40をエン
ジン50とクラッチモータ30との間に配置したが、図
30の変形例の動力出力装置20Cに示すように、クラ
ッチモータ30Cをエンジン50とアシストモータ40
との間に配置するものとしてもよい。この動力出力装置
20Cでは、クランクシャフト56にはクラッチモータ
30Cの永久磁石32Cを内周面に備えるアウタロータ
31Cが結合され、駆動軸22には三相コイル34を巻
回したインナロータ33Cが結合されている。この相違
は、第1クラッチ45Cおよび第2クラッチ46Cをク
ラッチモータ30Cとアシストモータ40との間に配置
するためである。このように、クラッチモータ30やア
シストモータ40等の配置が実施例の動力出力装置20
と異なるものとしても、実施例の動力出力装置20と同
様に動作する。なお、実施例の動力出力装置20とクラ
ッチモータ30,アシストモータ40,第1クラッチ4
5,第2クラッチ46およびスリップリング35の配置
が異なるものとしては、クラッチモータ30およびアシ
ストモータ40の配置が2通り、第1クラッチ45およ
び第2クラッチ46の配置が3通り、スリップリング3
5の配置が3通りで合計18(2×3×3)通りある。
【0143】実施例の動力出力装置20では、クラッチ
モータ30とアシストモータ40とを軸方向に並べた
が、図31の変形例の動力出力装置20Dに示すよう
に、アシストモータ40をクラッチモータ30Dの径方
向外側に配置するものとしてもよい。この構成では、ク
ラッチモータ30Dとアシストモータ40Dは、内側か
ら、クランクシャフト56に結合され永久磁石32Dが
外周面に貼り付けられたクラッチモータ30Dのインナ
ロータ31D、三相コイル34Dが巻回されたクラッチ
モータ30Dのアウタロータ33D、ロータ回転軸38
Dに結合され外周面に永久磁石42Dが貼り付けられた
アシストモータ40Dのロータ41D、ケース49に固
定され三相コイル44Dが巻回されたステータ43Dの
順に配置される。このようにアシストモータ40をクラ
ッチモータ30の径方向外側に配置することにより、装
置の軸方向の長さを大幅に短くすることができる。この
結果、装置全体をよりコンパクトなものとすることがで
きる。なお、こうしたアシストモータ40Dをクラッチ
モータ30の径方向外側に配置した構成においても、更
に、第1クラッチ45Dおよび第2クラッチ46Dの配
置の自由度およびスリップリング35の配置の自由度が
ある。
【0144】実施例の動力出力装置20では、クラッチ
モータ30とアシストモータ40とを同軸上に配置した
が、図32の変形例の動力出力装置20Eや図33の変
形例の動力出力装置20Fに示すように、クラッチモー
タとアシストモータとを異なる軸上に配置するものとし
てもよい。変形例の動力出力装置20Eでは、エンジン
50とクラッチモータ30Eとを同軸上に配置し、アシ
ストモータ40Eを異なる軸上に配置しており、クラッ
チモータ30Eのアウタロータ33Eはベルト22Eに
より駆動軸22に結合されており、クランクシャフト5
6はベルト56Eにより第1クラッチ45Eを介してロ
ータ回転軸38Eに結合されている。また、変形例の動
力出力装置20Fでは、エンジン50とアシストモータ
40Fとを同軸上に配置し、クラッチモータ30Fを異
なる軸上に配置しており、クラッチモータ30Fのアウ
タロータ33Eはベルト56Eによりクランクシャフト
56に結合されており、駆動軸22はベルト22Fによ
り第2クラッチ46Fを介してロータ回転軸38Fに結
合されている。これらの変形例のようにクラッチモータ
30とアシストモータ40とを異なる軸上に配置するも
のとすれば、装置の軸方向の長さを大幅に短くすること
ができる。この結果、装置を前輪駆動の車両に搭載する
のに有利なものとすることができる。こうしたクラッチ
モータ30とアシストモータ40とを異なる軸上に配置
するものも、第1クラッチ45および第2クラッチ46
などの配置の自由度がある。
【0145】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【0146】例えば、実施例の動力出力装置20では、
エンジン50としてガソリンにより運転されるガソリン
エンジンを用いたが、その他に、ディーゼルエンジン
や、タービンエンジンや、ジェットエンジンなど各種の
内燃或いは外燃機関を用いることもできる。
【0147】また、実施例の動力出力装置20では、ク
ラッチモータ30およびアシストモータ40としてPM
形(永久磁石形;Permanent Magnet type)同期電動機
を用いていたが、回生動作及び力行動作を行なわせるの
であれば、その他にも、VR形(可変リラクタンス形;
Variable Reluctance type)同期電動機や、バーニアモ
ータや、直流電動機や、誘導電動機や、超電導モータ
や、ステップモータなどを用いることもできる。
【0148】さらに、実施例の動力出力装置20では、
クラッチモータ30に対する電力の伝達手段として回転
リング35aとブラシ35bとからなるスリップリング
35を用いたが、回転リング−水銀接触、磁気エネルギ
の半導体カップリング、回転トランス等を用いることも
できる。
【0149】あるいは、実施例の動力出力装置20で
は、第1および第2の駆動回路91,92としてトラン
ジスタインバータを用いたが、その他に、IGBT(絶
縁ゲートバイポーラモードトランジスタ;Insulated Ga
te Bipolar mode Transistor)インバータや、サイリス
タインバータや、電圧PWM(パルス幅変調;Pulse Wi
dth Modulation)インバータや、方形波インバータ(電
圧形インバータ,電流形インバータ)や、共振インバー
タなどを用いることもできる。
【0150】また、バッテリ94としては、Pbバッテ
リ,NiMHバッテリ,Liバッテリなどを用いること
ができるが、バッテリ94に代えてキャパシタを用いる
こともできる。
【0151】さらに実施例の動力出力装置20では、動
力出力装置を車両に搭載する場合について説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、船舶,航空機
などの交通手段や、その他各種産業機械などに搭載する
ことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての動力出力装置20の
概略構成を示す構成図である。
【図2】実施例の動力出力装置20を組み込んだ車両の
概略構成を示す構成図である。
【図3】第1クラッチ45をオフ、第2クラッチ46を
オンとしたときの実施例の動力出力装置20の構成を表
わす模式図である。
【図4】第1クラッチ45をオン、第2クラッチ46を
オフとしたときの実施例の動力出力装置20の構成を表
わす模式図である。
【図5】図3の模式図の構成でNe<Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図6】図3の模式図の構成でNe>Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図7】図4の模式図の構成でNe<Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図8】図4の模式図の構成でNe>Ndのときのトル
ク変換の様子を説明する説明図である。
【図9】第1クラッチ45および第2クラッチ46を共
にオンとしたときの実施例の動力出力装置20の構成を
表わす模式図である。
【図10】第1クラッチ45および第2クラッチ46を
共にオフとしたときの実施例の動力出力装置20の構成
を表わす模式図である。
【図11】燃料噴射を停止した際の外力(トルクTc)
とエンジン50の回転数Neとの関係を例示するグラフ
である。
【図12】クラッチモータ30に負方向のトルクTcが
設定された際の駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関
係およびこの間のクラッチモータ30の状態を例示する
説明図である。
【図13】クラッチモータ30に負方向のトルクTcと
してと値Tc(B)が設定された際の駆動軸22の回転
数Ndと時間tとの関係およびこの間のクラッチモータ
30の状態を例示する説明図である。
【図14】所定量の燃料を噴射した際の外力(トルクT
c)とエンジン50の回転数Neとの関係を例示するグ
ラフである。
【図15】クラッチモータ30に負方向のトルクTcが
設定されると共に所定量の燃料が噴射された際の駆動軸
22の回転数Ndと時間tとの関係およびこの間のクラ
ッチモータ30の状態を例示する説明図である。
【図16】エンジン50の回転数Neを駆動軸22の回
転数Ndとの偏差が一定になるよう制御したときの駆動
軸22の回転数Ndと時間tとの関係を例示する説明図
である。
【図17】制御装置80により実行されるクラッチモー
タ制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図18】制御装置80により実行される制動時処理ル
ーチンを例示するフローチャートである。
【図19】制御装置80により実行される制動時トルク
制御処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図20】バッテリ94の残容量BRMと充電可能電力と
の関係を例示するグラフである。
【図21】アシストモータ40の制御の基本的な処理を
示すフローチャートである。
【図22】制御装置80により実行される制動時トルク
制御処理ルーチンを例示するフローチャートである。
【図23】制御装置80により実行される連続制動トル
ク制御ルーチンを例示するフローチャートである。
【図24】変形例の制動時トルク制御処理ルーチンを例
示するフローチャートである。
【図25】トルク指令値Td*が所定値のときの回生効
率ηuと駆動軸22の回転数Ndとの関係および回生効
率ηoと駆動軸22の回転数Ndとの関係の一例を示す
グラフである。
【図26】後進時のクラッチモータ30による制動トル
クの作用状態を説明する説明図である。
【図27】後進時のクラッチモータ30による制動にお
ける駆動軸22の回転数Ndと時間tとの関係およびこ
の間のクラッチモータ30の状態を例示する説明図であ
る。
【図28】変形例の動力出力装置20Aの概略構成を示
す構成図である。
【図29】変形例の動力出力装置20Bの概略構成を示
す構成図である。
【図30】変形例の動力出力装置20Cの概略構成を示
す構成図である。
【図31】変形例の動力出力装置20Dの概略構成を示
す構成図である。
【図32】変形例の動力出力装置20Eの概略構成を示
す構成図である。
【図33】変形例の動力出力装置20Fの概略構成を示
す構成図である。
【符号の説明】
20…動力出力装置 20A〜20F…動力出力装置 22…駆動軸 24…ディファレンシャルギヤ 26,28…駆動輪 30,40…モータ 30…クラッチモータ 31…インナロータ 32…永久磁石 33…アウタロータ 34…三相コイル 35…スリップリング 35a…回転リング 35b…ブラシ 37…レゾルバ 38…ロータ回転軸 40…アシストモータ 41…ロータ 42…永久磁石 43…ステータ 44…三相コイル 45,46…クラッチ 47…レゾルバ 49…ケース 50…エンジン 51…燃料噴射弁 52…燃焼室 54…ピストン 56…クランクシャフト 57…レゾルバ 58…イグナイタ 60…ディストリビュータ 62…点火プラグ 64…アクセルペダル 64a…アクセルペダルポジションセンサ 65…ブレーキペダル 65a…ブレーキペダルポジションセンサ 66…スロットルバルブ 67…スロットルバルブポジションセンサ 68…アクチュエータ 70…EFIECU 72…吸気管負圧センサ 74…水温センサ 76…回転数センサ 78…回転角度センサ 79…スタータスイッチ 80…制御装置 82…シフトレバー 84…シフトポジションセンサ 90…制御CPU 90a…RAM 90b…ROM 91…第1の駆動回路 92…第2の駆動回路 94…バッテリ 95,96…電流検出器 97,98…電流検出器 99…残容量検出器 L1,L2…電源ライン Tr1〜Tr6…トランジスタ Tr11〜Tr16…トランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B60L 11/14 B60L 11/14 H02K 7/10 H02K 7/10 B 7/11 ZHV 7/11 ZHV 7/14 7/14 Z 7/18 7/18 B (72)発明者 浦野 広暁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 金森 彰彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−251710(JP,A) 特開 平10−75501(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 7/00 - 7/20 B60L 11/14 B60K 6/04

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に
    結合され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第
    2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介
    して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする
    第1の電動機と、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、
    該回転軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機
    と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段と、 所定の制動要求がなされたとき、前記第1の接続手段お
    よび前記第2の接続手段の接続状態に基づいて前記原動
    機,前記第1の電動機および前記第2の電動機から出力
    される動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該
    原動機,該第1の電動機および該第2の電動機を制御す
    る制動制御手段とを備える動力出力装置。
  2. 【請求項2】 前記制動制御手段は、前記第1の接続手
    段と前記第2の接続手段のうち少なくとも一方の接続が
    解除された状態のとき、前記第1の電動機から出力され
    る動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該第1
    の電動機を制御する手段である請求項1記載の動力出力
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の動力出力装置であって、 前記第1の電動機により回生または消費される電力の少
    なくとも一部を充放電により賄う蓄電手段と、 該蓄電手段の状態を検出する蓄電状態検出手段とを備
    え、 前記制動制御手段は、前記蓄電状態検出手段により検出
    される前記蓄電手段の状態に基づいて前記第1の電動機
    を回生制御または力行制御する手段である動力出力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制動制御手段は、前記第1の接続手
    段により前記回転軸と前記出力軸とが接続された状態の
    とき、前記第1の電動機から前記駆動軸へ動力を出力す
    る際に前記出力軸に反力として出力される動力を打ち消
    す方向の動力が前記第2の電動機から出力されるよう該
    第2の電動機を制御する手段である請求項2または3記
    載の動力出力装置。
  5. 【請求項5】 前記制動制御手段は、前記第2の接続手
    段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続された状態の
    とき、前記第2の電動機から出力される動力により前記
    駆動軸に制動力が作用するよう該第2の電動機を制御す
    る手段である請求項2または3記載の動力出力装置。
  6. 【請求項6】 前記制動制御手段は、少なくとも前記第
    2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続さ
    れた状態のとき、前記第2の電動機から出力される動力
    により前記駆動軸に制動力が作用するよう該第2の電動
    機を制御する手段である請求項1記載の動力出力装置。
  7. 【請求項7】 前記制動制御手段は、前記第1の接続手
    段により前記回転軸と前記出力軸とが接続され、前記第
    2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続さ
    れた状態のとき、前記原動機から出力される動力により
    前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機を制御する
    手段である請求項1記載の動力出力装置。
  8. 【請求項8】 前記制動制御手段は、前記第2の電動機
    から出力される動力により前記駆動軸に制動力が作用す
    るよう該第2の電動機を制御する手段である請求項7記
    載の動力出力装置。
  9. 【請求項9】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置で
    あって、 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に
    結合され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第
    2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介
    して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする
    第1の電動機と、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、
    該回転軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機
    と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段と、 所定の制動要求がなされたとき、前記第1の接続手段お
    よび前記第2の接続手段が所定の接続状態となるよう該
    第1の接続手段および該第2の接続手段を制御すると共
    に、前記原動機,前記第1の電動機および前記第2の電
    動機から出力される動力により前記駆動軸に制動力が作
    用するよう該原動機,該第1の電動機および該第2の電
    動機を制御する制動制御手段とを備える動力出力装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の動力出力装置であっ
    て、 前記所定の接続手段は、前記第1の接続手段により前記
    回転軸と前記出力軸とが接続され、前記第2の接続手段
    により前記回転軸と前記駆動軸とが接続された状態であ
    り、 前記制動制御手段は、前記原動機から出力される動力に
    より前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機を制御
    する手段である動力出力装置。
  11. 【請求項11】 前記制動制御手段は、前記第2の電動
    機から出力される動力により前記駆動軸に制動力が作用
    するよう該第2の電動機を制御する手段である請求項1
    0記載の動力出力装置。
  12. 【請求項12】 駆動軸に動力を出力する動力出力装置
    であって、 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に
    結合され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第
    2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介
    して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする
    第1の電動機と、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、
    該回転軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機
    と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段と、 所定の制動要求がなされて前記原動機,前記第1の電動
    機および前記第2の電動機から出力される動力により前
    記駆動軸に制動力を作用させるとき、前記第1の電動機
    と前記第2の電動機とによる電力の回生効率が高くなる
    よう前記第1の接続手段,前記第2の接続手段,前記原
    動機,前記第1の電動機および前記第2の電動機を制御
    する制動制御手段とを備える動力出力装置。
  13. 【請求項13】 前記制動制御手段は、前記駆動軸に制
    動力を作用させているときに、前記第1の電動機と前記
    第2の電動機とによる電力の回生効率が高くなるよう前
    記第1の接続手段,前記第2の接続手段,前記原動機,
    前記第1の電動機および前記第2の電動機を制御する手
    段である請求項12記載の動力出力装置。
  14. 【請求項14】 請求項12または13記載の動力出力
    装置であって、 前記駆動軸の回転数を検出する回転数検出手段を備え、 前記制動制御手段は、 前記回転数検出手段により検出される前記駆動軸の回転
    数に基づいて、前記第1の接続手段および前記第2の接
    続手段における前記第1の電動機と前記第2の電動機と
    による電力の回生効率が高くなる接続状態を判定する接
    続状態判定手段と、 該判定された接続状態となるよう前記第1の接続手段と
    前記第2の接続手段とを制御する接続制御手段とを備え
    る動力出力装置。
  15. 【請求項15】 前記接続状態判定手段は、前記回転数
    検出手段により検出された前記駆動軸の回転数が所定の
    回転数より大きいとき、前記第1の接続手段により前記
    回転軸と前記出力軸とが接続されると共に前記第2の接
    続手段により前記回転軸と前記駆動軸との接続が解除さ
    れる接続状態が前記電力の回生効率が高くなる接続状態
    として判定する手段である請求項14記載の動力出力装
    置。
  16. 【請求項16】 前記接続状態判定手段は、前記回転数
    検出手段により検出された前記駆動軸の回転数が所定の
    回転数より小さいとき、前記第1の接続手段により前記
    回転軸と前記出力軸との接続が解除されると共に前記第
    2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続さ
    れる接続状態が前記電力の回生効率が高くなる接続状態
    として判定する手段である請求項14記載の動力出力装
    置。
  17. 【請求項17】 前記第1の接続手段および前記第2の
    接続手段は、共にクラッチにより構成されてなる請求項
    1ないし16いずれか記載の動力出力装置。
  18. 【請求項18】 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、駆動軸に結合
    され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2の
    ロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介して
    該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする第1
    の電動機と、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、
    該回転軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機
    と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段とを備え、前記駆動軸に動
    力を出力する動力出力装置の制御方法であって、 (a)前記第1の接続手段および前記第2の接続手段の
    接続状態を検出し、 (b)該検出された接続状態に基づいて前記原動機,前
    記第1の電動機および前記第2の電動機から出力される
    動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動
    機,該第1の電動機および該第2の電動機を制御する動
    力出力装置の制御方法。
  19. 【請求項19】 ステップ(b)は、前記第1の接続手
    段と前記第2の接続手段のうち少なくとも一方の接続が
    解除された状態のとき、前記第1の電動機から出力され
    る動力により前記駆動軸に制動力が作用するよう該第1
    の電動機を制御するステップである請求項18記載の動
    力出力装置の制御方法。
  20. 【請求項20】 ステップ(b)は、少なくとも前記第
    2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続さ
    れた状態のとき、前記第2の電動機から出力される動力
    により前記駆動軸に制動力が作用するよう該第2の電動
    機を制御するステップである請求項18記載の動力出力
    装置の制御方法。
  21. 【請求項21】 ステップ(b)は、前記第1の接続手
    段により前記回転軸と前記出力軸とが接続され、前記第
    2の接続手段により前記回転軸と前記駆動軸とが接続さ
    れた状態のとき、前記原動機から出力される動力により
    前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機を制御する
    ステップである請求項18記載の動力出力装置の制御方
    法。
  22. 【請求項22】 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、駆動軸に結合
    され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第2の
    ロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介して
    該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする第1
    の電動機と、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、
    該回転軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機
    と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段とを備え、前記駆動軸に動
    力を出力する動力出力装置の制御方法であって、 (a)前記回転軸と前記出力軸とが接続されるよう前記
    第1の接続手段を制御し、 (b)前記回転軸と前記駆動軸とが接続されるよう前記
    第2の接続手段を制御し、 (c)前記原動機から出力される動力により前記駆動軸
    に制動力が作用するよう該原動機を制御する動力出力装
    置の制御方法。
  23. 【請求項23】 請求項22記載の動力出力装置の制御
    方法であって、更に、 (d)操作者に指示に基づいて目標制動力を演算し、 (e)該演算された目標制動力が前記第2の電動機から
    出力される動力により前記駆動軸に作用するよう該第2
    の電動機を制御するステップを備える動力出力装置の制
    御方法。
  24. 【請求項24】 出力軸を有する原動機と、 前記出力軸に結合された第1のロータと、前記駆動軸に
    結合され該第1のロータに対して相対的に回転可能な第
    2のロータとを有し、該両ロータ間の電磁的な結合を介
    して該出力軸と該駆動軸との間で動力のやり取りをする
    第1の電動機と、 前記出力軸および前記駆動軸とは異なる回転軸を有し、
    該回転軸を介して動力のやり取りをする第2の電動機
    と、 前記回転軸と前記出力軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第1の接続手段と、 前記回転軸と前記駆動軸との機械的な接続と該接続の解
    除とを行なう第2の接続手段と、 を備え、前記駆動軸に動力を出力する動力出力装置の制
    御方法であって、 (a)前記駆動軸の回転数を検出し、 (b)該検出された回転数に基づいて前記第1の接続手
    段および前記第2の接続手段における前記第1の電動機
    と前記第2の電動機とによる電力の回生効率が高くなる
    接続状態を判定し、 (c)該判定された接続状態となるよう前記第1の接続
    手段および前記第2の接続手段を制御し、 (d)前記判定された接続状態で前記原動機,前記第1
    の電動機および前記第2の電動機から出力される動力に
    より前記駆動軸に制動力が作用するよう該原動機,該第
    1の電動機および該第2の電動機を制御する動力出力装
    置の制御方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の動力出力装置の制御
    方法であって、 ステップ(b)は、 前記駆動軸の回転数が所定の回転数より大きいときに
    は、前記第1の接続手段により前記回転軸と前記出力軸
    とが接続されると共に前記第2の接続手段により前記回
    転軸と前記駆動軸との接続が解除された接続状態が前記
    電力の回生効率が高くなる接続状態として判定し、 前記駆動軸の回転数が所定の回転数より小さいときに
    は、前記第1の接続手段により前記回転軸と前記出力軸
    との接続が解除されると共に前記第2の接続手段により
    前記回転軸と前記駆動軸とが接続された接続状態が前記
    電力の回生効率が高くなる接続状態として判定するステ
    ップである動力出力装置の制御方法。
JP32107396A 1996-11-14 1996-11-14 動力出力装置およびその制御方法 Expired - Fee Related JP3371723B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32107396A JP3371723B2 (ja) 1996-11-14 1996-11-14 動力出力装置およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32107396A JP3371723B2 (ja) 1996-11-14 1996-11-14 動力出力装置およびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10150745A JPH10150745A (ja) 1998-06-02
JP3371723B2 true JP3371723B2 (ja) 2003-01-27

Family

ID=18128512

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32107396A Expired - Fee Related JP3371723B2 (ja) 1996-11-14 1996-11-14 動力出力装置およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3371723B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103066744A (zh) * 2012-11-20 2013-04-24 西南大学 一种电机合力机构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10150745A (ja) 1998-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3099698B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
KR100310970B1 (ko) 동력출력장치및그제어방법
JP3000953B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3099699B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
JP3052802B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
JP3052803B2 (ja) 動力伝達装置およびその制御方法
JP3052804B2 (ja) 原動機の始動装置および始動方法
JP3351942B2 (ja) 動力伝達装置およびその制御方法
JP3092492B2 (ja) 動力伝達装置及びその制御方法
JP3783415B2 (ja) 動力伝達装置およびこれを用いた四輪駆動車輌
JP3099713B2 (ja) 動力伝達装置およびその制御方法
JP3494008B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JPH11332019A (ja) 動力伝達装置およびこれを用いた四輪駆動車輌
JP3173397B2 (ja) 動力出力装置
JP3740801B2 (ja) 動力出力装置
EP1630025B1 (en) Power output apparatus and method of controlling the same
JP3180671B2 (ja) 動力出力装置
JP3141815B2 (ja) 動力出力装置
JP3206444B2 (ja) 動力出力装置
JP3147030B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JP3371723B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法
JPH09222036A (ja) 車輌のエンジン制御装置およびその制御方法
JP3099700B2 (ja) 動力伝達装置およびその制御方法
EP0743217A2 (en) Hybrid vehicle power output apparatus and method of controlling the same during engine braking
JP3173396B2 (ja) 動力出力装置およびその制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees