JP3749765B2 - ゲル状芳香剤容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
この発明は、ゲル状芳香剤容器、更に詳しくは倒立状態で使用されるゲル状芳香剤容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラギーナン、ローストビーンガム等のゲル剤からなるゲル状芳香剤は公知である。かかるゲル状芳香剤は、大気中への開放面から体積を減少しつつ揮散し、揮散してもその形状が崩れず初期の形状と相似した形状を維持しつつ体積が減少するため、底面を開放した容器に収納し、倒立状態で使用するのに適している。かかるゲル状芳香剤を倒立状態で使用する芳香剤揮散容器の一例が、実開昭60−180434号公報に開示されている。
【0003】
かかるゲル状芳香剤を収納する容器は、通常底面を開放した円形若しくは非円形の横断面を有するカートリッジ形態の筒状容器からなり、前記公報第8図に見られるように開放した底面にアルミフォイル材等をラミネートした平坦なシート状のシール材を熱シールして密封し、使用開始まで芳香剤の揮散を防止して保管し、使用開始時にシール材を剥がして容器の底面を開放し、所望の芳香剤揮散容器にセットして使用される。ゲル状芳香剤は、その表面から徐々に揮散していき、体積を減少するに伴って、容器内面から離れた側面からも揮散が行われるため、安定した芳香の放散を行うことが出来ると共に、開放面が下方に向かっていることにより、ごみ等の侵入を避けることが出来、更に容器の意匠を任意の多様な形状にすることが出来る等の理由により、倒立状態で保管し、使用するのに適しており、望ましいものである。
【0004】
ところで、このような筒状容器にゲル状芳香剤を収納し、容器の開放面をシート状のシール材で密封する場合、図7に示すように容器(1)への充填作業の関係から容器の口元まで芳香剤(2)を充填することが出来ず、若干の空間(3)が残存してくるのを避けることが出来なかった。このため、芳香剤容器を倒立して保存すると、経時に伴い収納したゲル状芳香剤が下降し、図8に示すようにゲル状芳香剤の上部に空間(4)が作出されてくると共に、この空間に揮発した水分(5)が結露してくる問題があった。かかる空間の発生や、容器内面への水滴の付着は商品価値を損ない最早商品として販売することが出来なかった。
【0005】
容器を正立して保管した場合、少なくともゲル状芳香剤の下降による空間の発生は防止できるが、このような保管形態は、店頭において販売のために保管した時、シール材が上方に位置してくるため、商品の美観を損なうと共に、正立して保管するに適した形状に容器の形状を形成する必要があり、容器の意匠を制約し、例えば図7、8に示すような上面を球面状の容器とすることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、従来の充填作業を変更することなく、容器を倒立状態で保管、使用しても充填したゲル状芳香剤が下降することのない芳香剤容器を提供せんとするものである。
【0007】
【発明を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、底面を開放した芳香剤容器内にゲル状芳香剤を充填し、充填された芳香剤と芳香剤容器の開口面との間に存する空間を減少させるとともにゲル状芳香剤の下面に接触してゲル状芳香剤を支持する凸状部を備えたシール材を容器の開口面に接合して密封するようにしたことを特徴とする。
【0008】
又、シール材が、アルミシートからなることを特徴とする。
【0009】
更に、アルミシートが、30μから100μの厚みを有し、更に好ましくは60μの厚みを有していることを特徴とする。
【0010】
更に、シール材が、アルミシートに樹脂層を形成したものからなることを特徴とする。
【0011】
更に、シール材が、PP、PET、PVC等の樹脂シートからなることを特徴とする。
【0012】
更に、芳香剤容器の開口面に、ゲル状芳香剤の揮散を阻害しない支持フレームを着脱自在に取り付け、該支持フレームは、シール材の凸状部に倣った凸形状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
【実施の形態】
以下に図面を参照しつつ、この発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。図において(10)は、この発明にかかる芳香剤容器を示す。芳香剤容器(10)は、好ましくは透明、若しくは半透明の樹脂製容器からなり、底面を開放されており、ゲル状芳香剤(11)が充填され、容器の開放された底面はシート状のシール材(12)で密封されている。図示の容器(10)は、上面を球面形状とし、楕円形の非円形横断面形状を有するが、これに限られるものではない。容器に充填されるゲル状芳香剤は、例えばカラギーナンやローカストビーンガム等のゲル剤からなる従来公知のゲル状芳香剤を用いることが出来るが、かかるゲル状芳香剤に限られるものではない。又、この明細書においてゲル状芳香剤とは、芳香を発生するものに限定されるものではなく、消臭剤であっても良く、またゲル状には半固形状を含むものとして理解されるべきである。
【0014】
容器(10)の底面を密封するシール材(12)は、アルミシート若しくはアルミシートに樹脂層を形成したもの例えばアルミシートに樹脂シートをラミネートしたもの、アルミシートに樹脂シーラントをコーティングしたもの、或いはPP、PET、PVC等の樹脂シートからなり、その周縁を残して中央部を容器(10)の内方に向かって凸状に突出させた立体的な形状に形成される。凸状部(13)の突出量は、容器(10)にゲル状芳香剤(11)が充填されたとき、容器の開口部に芳香剤が充填されることなく残存する空間(15)の高さに一致する。シール材の周縁(14)には、該シール材を容器の開口縁に熱シール可能なシーラント層が形成される。シール材(12)は、前記立体的な形状に形成し、その形状を保持するために、所定の厚みを有する。シール材をアルミシートで形成する場合、アルミシートの厚みは、30μから100μ程度が好ましく、最も好ましくは60μ前後である。シール材を樹脂シートで形成する場合、真空成形手段で立体的に成形する。
【0015】
中央部を上方に突出させたシール材(12)を容器の開口部に貼着しシールすることにより、空間(15)が凸状部(13)で消失され、ゲル状芳香剤(11)の下面をシール材(12)が支持した状態となるため、開口部を下向きにした倒立状態で容器を長期間保管しても、ゲル状芳香剤(11)が下降してくるのを防止することが出来る。従って、従来の充填方法でゲル状芳香剤を充填し容器開口部に空間が残存したとしても、従来のようにゲル状芳香剤が下降してきて、容器上部に空間が作出されるようなおそれはなくなると共に、空間に水分が結露してくる現象も回避することが出来る。
【0016】
図4は、容器の開口部に支持フレーム(16)を取り付けた状態を示す。該支持フレーム(16)は、十字状に結合したフレーム材からなり、中央部をシール材の中央部の凸状部(13)に対応して容器の内方に向かって突出させると共に、周縁に容器の開口部に着脱自在に嵌合する周縁部(17)を有する。図5は、支持フレーム(16)の一変形を示し、周縁部(17)を容器の開口部にネジ(18)で螺合するようにしたものである。かかるネジ螺合式では、容器は円形の横断面形状に形成される。支持フレーム(16)は、非使用状態時には、シール材の下面に当接してシール材(12)と共にゲル状芳香剤(11)を支持し、シール材(12)を剥がした使用時にはゲル状芳香剤(11)の下面に直接接触してゲル状芳香剤を支持し、ゲル状芳香剤(11)の下降を防止している。シール材(12)を剥がす際には、支持フレーム(16)は容器(10)から取り外され、剥がした後再び取り付けられる。
【0017】
図6は、この発明にかかる芳香剤容器(10)をセットして芳香を揮散させることの出来る芳香揮散容器(19)を示し、芳香剤容器は開放された底面を下方にして、揮散容器(19)に交換自在なカートリッジ形態でセットされる。揮散容器の側面には複数の芳香放出孔(20)が形成されており、芳香剤容器(10)は、芳香放出孔(20)より高い位置に保持されており、芳香剤容器(10)の底面と揮散容器(19)の内底面との間には空間が設けられている。もし、芳香の放出を停止したいときは、芳香剤容器(10)を下降させて、その底面を揮散容器の内底面に密着させる。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、容器に収納されたゲル状芳香剤が下降するのを防止することが出来、長期の保管により芳香剤の商品価値が低下するのを防止することが出来ると共に、倒立状態で使用する芳香剤容器として最適なものを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる芳香剤容器の斜視図
【図2】同底面図
【図3】同一部の断面図
【図4】支持フレームを備えた芳香剤容器の断面図
【図5】支持フレームの一変形を示す断面図
【図6】芳香剤揮散容器にセットした状態を示す斜視図
【図7】従来の芳香剤容器の断面図
【図8】従来の芳香が下降した状態を示す断面図
【符号の説明】
(10)芳香剤容器
(11)ゲル状芳香剤
(12)シール材
(13)凸状部
(14)周縁部
(15)空間
(16)支持フレーム
(17)周縁部
(18)ネジ
(19)揮散容器
(20)芳香放出孔
Claims (7)
- 底面を開放した芳香剤容器内にゲル状芳香剤を充填し、充填された芳香剤と芳香剤容器の開口面との間に存する空間を減少させるとともにゲル状芳香剤の下面に接触してゲル状芳香剤を支持する凸状部を備えたシール材を容器の開口面に接合して密封するようにしたことを特徴とするゲル状芳香剤容器。
- シール材が、アルミシートからなることを特徴とする請求項1記載の芳香剤容器。
- アルミシートが、30μから100μの厚みを有していることを特徴とする請求項2記載の芳香剤容器。
- アルミシートが、60μの厚みを有していることを特徴とする請求項3記載の芳香剤容器。
- シール材が、アルミシートに樹脂層を形成したものからなることを特徴とする請求項1記載の芳香剤容器。
- シール材が、PP、PET、PVC等の樹脂シートからなることを特徴とする請求項1記載の芳香剤容器。
- 芳香剤容器の開口面に、ゲル状芳香剤の揮散を阻害しない支持フレームを着脱自在に取り付け、該支持フレームは、シール材の凸状部に倣った凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の芳香剤容器。
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Publications (2)
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JP18410996A Expired - Lifetime JP3749765B2 (ja) | 1996-06-25 | 1996-06-25 | ゲル状芳香剤容器 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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JP2007275344A (ja) * | 2006-04-07 | 2007-10-25 | Kamioka Seimitsu Kagaku Kk | 芳香/消臭ゲル製品 |
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1996
- 1996-06-25 JP JP18410996A patent/JP3749765B2/ja not_active Expired - Lifetime
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