JPS64933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は芳香剤容器に関するものである。

従来、芳香剤容器として、芳香剤の保管、及び
芳香発散の両方に使用できるものが一般的に用い
られている。

例えば、紙製、あるいは合成樹脂製とされた密
閉型容器内に芳香剤を収納し、使用時に容易に開
口できるよう側面にミシン目、あるいは切り取り
線を設けたもの、あるいは芳香剤収納用カツプ状
体の上面に上蓋体を回転自在に取り付け、使用時
にこの上蓋体を適宜回転させて、開口面を調節す
ることにより芳香を発散させるものなどが知られ
ているが、前者のものの場合、保管中予め密閉容
器に形成したミシン目、あるいは切り取り線部分
からの芳香の発散を防止することができず、保管
中においても芳香剤が無駄に発散されるといつた
欠点があり、又後者のものも、上蓋体の嵌合状態
が悪いと保管中芳香剤の無駄な発散が生じるた
め、保管管理がやつかいである欠点があつた。

もつとも、保管中における無駄な発散を防止す
るため、芳香剤容器を易破断性のフイルムで密閉
し、使用時にこれを破断して使用することも行な
われるが、容器が紙製など、容易に変形しやすい
ものにあつては、運搬保管中における容器の変形
に起因して破断されやすいといつた欠点が有つ
た。

この考案は上記に鑑み、保管中における芳香剤
の無駄な発散が完全に防止されると共に、簡便に
使用に供され、しかも安価に製造し得る芳香剤容
器を提供することを目的としてなされたものであ
つて、上方にのみ開口し、かつ開口縁外周に、側
壁内面に突条を有する上方へ開口する溝が一体に
形成されたカツプ状をなす底蓋体と、下方にのみ
開口し、かつ開口周縁が突条により縁取られ、前
記底蓋体の開口外周に形成された溝に着脱自在に
嵌合される、適宜開口部を備えた上蓋体とからな
り、芳香剤を収納した前記底蓋体の開口面は、容
易に破断可能なフイルムで密封されて成ることを
特徴とするものである。

次に、この考案を実施例により説明する。

第１図はこの考案の実施例の斜視図、第２図は
実施例の縦断面図である。

この考案の芳香剤容器Ａは、芳香剤１を収納す
る底蓋体２と、この底蓋体２の上面に着脱自在に
嵌合される上蓋体３とからなり、底蓋体２は上方
にのみ開口し、かつ開口縁２Ａ外周に、側壁４Ａ
内面に突条５を有する図示のように上方へ開口す
る溝４が一体に形成されたカツプ状に形成されて
おり、又、上蓋体３は下方にのみ開口し、かつ、
開口周縁が突条６により縁取られ、第２図に示す
ように、底蓋体２の外周に形成された溝４内に、
突条５を介してスナツプ状に嵌合し得るようにな
されている。

そして、底蓋体２の開口面は、内部に芳香剤１
を収納した後、望ましくは、アルミポリラミネー
トフイルムなどの通気性を有しない、かつ、容易
に破断可能なフイルム７が熱溶着などにより密着
されて構成されている。なお、上蓋体３の外周側
面には、容易に開口し得るよう舌片状に切り込み
線８を設けることにより、適宜開口部が形成され
るようにされ、上底部には、スリツト状の係止孔
９の形成された吊り下げ用補強体１０が被着され
て構成されている。

上記実施例における上蓋体３は容器自体の軽量
化及び装飾のための印刷容易性の要請上紙製とす
ることが望ましい。

又、上蓋体３外周面に形成される開口用切り込
み線８は、保管中他物との衝突などにより容易に
開口してしまわないよう、第３図に示すように要
所のみを切り残して連接部８Ａとしておくことが
望ましい。

この考案において、芳香剤１を収納した底蓋体
２は、その開口縁２Ａに上方へ開口する溝４が設
けられているため、これが、開口縁の補強メンバ
ーとして機能し、運搬、保管中における開口縁２
Ａの変形を防止する。そして、芳香剤容器Ａより
芳香を発散させるには、まず、上蓋体３を底蓋体
２から取り外し、底蓋体２上面の密封フイルム７
を破断し、次いで、再び上蓋体３を被せた後、舌
片状切り取り線８を指などで押して開口し、所定
の場所に載置するのである。

このとき、上蓋体３の脱着は、底蓋体２の外周
に形成された溝４内の突条５と、上蓋体３開口端
の突条６との係脱によるから容易に行える。

尚、吊り下げ支持する場合、上蓋体３上底に被
着された補強体１０のスリツト状係止孔９に吊り
下げ部材（図示せず）を係合させて吊り下げるの
である。

この考案は以上のように構成されているので、
上蓋体３と底蓋体２との嵌合密着性が気密に行い
得なくても、使用前においては、芳香剤１は、フ
イルム７により密封され、しかも底蓋体２の変形
も溝４により防止されているため、容器の変形に
起因して破断される事故もなく芳香が無駄に発散
されてしまうことはなく、又、芳香発散の場合
は、上蓋体３を取り外し、容易にフイルムを破断
させることによつて用いることができ、又、その
際の上蓋体の脱着は容易であり、簡単に使用で
き、又、この考案の芳香剤容器は紙などによつて
も成形可能であるから、きわめて安価に提供で
き、使い捨ても可能であるなど種々の実用的効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の斜視図、第２図は実施例の縦
断面図、第３図は実施例の要部拡大平面図であ
る。 Ａ……芳香剤容器、１……芳香剤、２……底蓋
体、２Ａ……開口縁、３……上蓋体、４……溝、
４Ａ……側壁、５……突条、６……突条、７……
フイルム、８……切り込み線、９……スリツト状
係止孔、１０……吊り下げ補強体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上方にのみ開口し、かつ開口縁外周に、側壁
   内面に突条を有する上方へ開口する溝が一体に
   形成されたカツプ状をなす底蓋体と、下方にの
   み開口し、かつ、開口周縁が突条により縁取ら
   れ、前記底蓋体の開口外周に形成された溝に着
   脱自在に嵌合される、適宜開口部を備えた上蓋
   体とからなり、芳香剤を収納した前記底蓋体の
   開口面は、容易に破断可能なフイルムで密封さ
   れてなることを特徴とする芳香剤容器。 (2) 開口部が容易に開口し得る舌片状の切り込み
   により形成されてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の芳香剤容器。 (3) 上蓋の上底部にスリツト状の係止孔の形成さ
   れた吊下げ用補強体が被着されている実用新案
   登録請求の範囲第１項又は第２項記載の芳香剤
   容器。