JPS60929Y2 - 芳香剤容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内部に芳香剤等の昇華性の薬剤を収容するの
に有利な容器に関する。

従来、この種芳香剤等の昇華性の薬剤（以下単に芳香剤
という）を収容してなる容器に於いては容器成型後、予
めその頂部に設けておいた穴から外ケースと底板とで形
成される空間へ流動性の芳香剤を流し込み、然る後その
穴に栓を施しているものであった。

このような容器を使用するに際しては外ケースの、上方
部に穴を穿ち、容器内の下部で寒天状に固化している芳
香剤からの香気を外部へと発散させている。

しかしながら上記の如くの形態の容器に於いては次に述
べるような欠点が存するのである。

即ち流動性の７４剤を容器頂部から流し、込む方式を採
っているため、芳香剤を一定の形状に固化させるのが難
かしく、また、固化した芳香剤の露出部が天面に隅、ら
れるため芳香効果もいきおい不安定となるｐである。

さらにその形態から、：芳香剤の効用が消失した時点で
容器そのものまで、廃棄しなけれはならない、いわゆる
使い捨てとならざるを得ないため、容器の有効な使用と
いう点についても問題がある。

本考案は上記問題点を解決せんとしてなされたもので、
その目的とするところは容器内への芳香剤の充填の仕方
を改良して容器の有効的な利用並びに安定した芳香効果
を得ることができるようにするものである。

次に本考案の概要について説明する。

本考案は外ケース、基台及び内ケース等よりなるもので
、外ケースと基台とが、また基台と内ケースとが取り外
し自在に組み合わされ、内ケース内部には芳香剤が充填
される。

使用に際しては内ケースを取り除き外ケース内で芳香剤
を露出させ予め外ケース上部に設けられている抜き窓か
らその香気を発散させるものである。

以下に、図面に基き本考案の一つの実施例について説明
する。

第１図は本考案の斜視図であり、第２図は第１図のＡ−
Ａ線で切断した際の断面図である。

１は円錐台状の紙製の外ケースであり、その側板２上部
には外ケサス１内外を結ぶ抜き窓６が穿たれており、同
じく側板２の上端部に、吊り下げヒモ４の鉤付きの先端
を挿し込み、これを取り付けるための穴５が１・８０°
の位置に２ケ所設けられている。

なお抜き窓６は本実施例のように装飾的な形状に形成し
ておけば、意匠的な効果をも期待できるものである。

外ケース１の上端は天板３により閉じているが、逆に下
端は開放しており、この開放下端に受け具７が取り付け
られている。

この受は具７は二重の環状壁８，９を有し、外ケース１
下端がこの環状壁８，９の間に挟み込まれる形となり、
さらに内側の環状壁９の内面にはネジ溝９−１が切られ
ている。

なお、外ケース１の材質としては本実施例で用いる紙の
他に各種プラスチックが使用可能であるが、プラスチッ
クを用いた場合には特に受は具７を取り付ける必要はな
（、外ケース１の内面下部に直接ネジを形成してもよい
。

１０は基台であり、底板１１、環状脚部１２、環状係合
壁１３等よりなりプラスチックで形成されることが好ま
しい。

底板１１の周囲から環状脚部１２が外ケース１とほぼ同
じ傾斜をもって下方に向かつて延びている。

環状脚部１２の外面にはネジ溝１４が形成されており、
このネジ溝１４と前記受は具７に設けられたネジ溝９−
１とをかみ合わせることにより、外ケース１と基台１０
とをとり外し自在に組み合わせることができる。

他方、底板１１周囲から上方に向かつて環状係合壁１３
が形成されており、その内面にネジ溝１５が形成されて
いる。

２０は内ケースであり、外ケース１と同様にカップを伏
せた形状の円錐台状であり、その内部に芳香剤３０が充
填される。

内ケース２０にはその外面下端部にネジ溝２１が形成さ
れており、前記基台１０の環状係合壁１３に形成されて
いるネジ溝１５と螺合するものである。

当然、基台１０と内ケース２０も着脱自在となる。

本考案は以上のような構造を有するものであり、次にそ
の組み立て及プ使用時に於ける取り扱い及び特徴等につ
いて述べる。

まず、組立て時に於いてであるが、内ケース２０の天地
を逆にしてカップ状とし、これに液体状の芳香剤３０を
注ぎ、この芳香剤３０が寒天状に固化した段階で内ケー
ス２０と基台１０とをネジ溝１５及び２１を利用して組
み合わせる。

次に基台１０に外ケース１をネジ溝９−１及び１４によ
り取り付ければ内部に芳香剤を有する芳香剤容器が完成
する。

このような形態を採ることにより、輸送あるいは店頭陳
列等の未使用時にむやみに香気が発散してしまうという
不備がなくなる。

また、本芳香剤容器を使用するに当っては、まずネジ溝
９−１とネジ溝１４の螺合を解いて外ケース１と基台部
１０とを分離する。

これにより内ケース２０が露出し、さらにネジ溝１５と
ネジ溝２１との螺合を解除して内ケース２０を取り除け
ば、寒天状に固化している芳香剤３０が底板１１上で全
面的に露出する。

このような状態にした後、内ケース２０を取り除いたま
まで再び基台１０と外ケース１とを結合すれば、外ケー
ス１上方部に設けられた抜き窓６から香気が周囲に発散
する仕組みになっている。

なお、芳香剤３０を充填した内ケース２０を別途用意し
ておけば、現在使用中の芳香剤の効用が消失した時点で
前記組み立てならびに使用の際の手順に従って新たな芳
香剤３０と取り換えることができる。

ここで取り換え用の内ケース２０に芳香剤３０を充填し
た後、その開口部をアルミ箔等でシールしておけば、芳
香剤は使用時まで外気に触れることなく保存可能となる
。

また、これまでの説明においては外ケース１と基台１０
、及び基台１０と内ケース２０との組み合わせをネジに
よるものとして説明してきたのであるが、とくにこれに
限るものではなく、単なる嵌め合い等着脱自在でありさ
えすればどのような手段でもよい。

本考案は以上に述べた通りであり、本考案によりもたら
される効果としては、未使用時に芳香剤を内ケース内部
に封じる形態を採ったため、使用に際して内ケースを取
り除くまでに芳香効果が損失してしまう事故が失くなり
、また使用時には芳香剤の底部を除くほぼ全面が露出し
、安定した芳香効果が得られる。

さらに別途芳香剤を充填した内ケースを用意しておけば
、現在使用中の芳香剤の効用が消失した時点で容易に新
しい芳香剤ととり変えることができ、容器自体を有効に
利用することができる。

なお、本考案にかかる容器は芳香剤以外の他の薬剤、例
えば防虫剤等のあらゆる昇華性の薬剤、或いは周囲から
吸湿、吸臭する薬剤に適用できることは当業者ならば容
易に理解できるであろう。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の１実施例を示すもので、第１図は本考案
の斜視図、第２図は第１のＡ−Ａ線で切断した断面図で
ある。 １・・・・・・外ケース、４・・・・・・吊り下げヒモ
、６・・・・・・抜き窓、７・・・・・・受は具、１０
・・・・・・基台、１１・・・・・・底板、１２・・・
・・・脚部、１３・・・・・・係合壁、２０・・・・・
・内ケース、３０・・・・・・芳香剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に抜き窓を有し、上端が天板により閉塞され、下端
   のみ開放してなる外ケースと、底板周囲から下方へ延び
   る脚部と上方へ延びる係合壁とを有する基台と、芳香剤
   を充填したカップ状の内ケースとからなり、前記内ケー
   スを開口部を下方に向けて前記基台の係合壁に着脱自在
   に取り付け、さらに前記外ケースをその下端に於いて前
   記基台脚部に着脱自在に取り付けてなる芳香剤容器。