JP4318897B2 - 揮散器、その製造方法及び使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有効成分を揮散によって揮散するゲル状の揮散剤を容器本体内に収容してなる揮散器、その製造方法及び使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の揮散器としては、実開平2−28245号公報に開示されたものが提案されている。図18に示すように、この揮散器51は、上面が開口状の容器本体52を有し、容器本体52の上面開口部は蓋板53によって閉塞され、蓋板53の上面には感圧接着部54が設けられている。また、容器本体52の底面部55には、複数の揮散口56が設けられており、揮散口56は底面部55に剥離可能に貼着された接着テープ57により閉塞されている。また、容器本体52の内部であって底面部55上には、昇華によって有効成分が揮散する固形の揮散剤58が収容されている。
【0003】
かかる構成において、使用に際しては接着テープ57を除去するとともに、揮散器51を感圧接着部54により器物の裏面や側面等の見えない部分に貼着する。これにより、揮散器51が直接外見される見苦しさを解消しつつ、揮散剤58からの有効成分を、揮散口56を介して揮散させることができるとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のように感圧接着部54により器物の裏面に貼着すると、図19(イ)に示すように、揮散器51は底面部55を下方した状態で配置されることになる。この状態において、揮散剤58が大気と接しているのは、揮散口56が設けられている部分のみであることから、揮散口56からの有効成分の揮散量は極めて少なく、使用開始直後から十分に有効成分を揮散させることができない。
【0005】
また、前述のように感圧接着部54により器物の側面に貼着すると、図19(ロ)に示すように、揮散器51は底面部55を側方した状態で配置されることになる。この状態においても、揮散剤58が大気と接しているのは、揮散口56が設けられている部分のみであることから、同様に揮散口56からの有効成分の揮散量は極めて少なく、使用開始直後から十分に有効成分を揮散させることができない。
【0006】
さらに、前記公報には開示されていないが、図20に示すように、底面部55を上方にして揮散器51を天地逆にして配置しても、充填時において揮散剤58が揮散口56の内部まで充填されていることにより、揮散剤58は蓋板53側に落下せず、底面部55と密着した状態を維持する。よって、この状態においても、揮散剤58が大気と接しているのは、揮散口56が設けられている部分のみとなり、同様に揮散口56からの有効成分の揮散量は極めて少なく、使用開始直後から十分に有効成分を揮散させることができない。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる揮散器、その製造方法及び使用方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明に係る揮散器にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され該底面部及び前記周面部に密着する固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えている。
【0009】
また、請求項2記載の発明に係る揮散器にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えている。
【0022】
この揮散器を使用するに際して、揮散器を天地逆の状態にして、底面部を開口すると、揮散剤の上面部側が大気開放状態となる。このとき、容器内において、天地逆の状態では下方となっている容器の上面部と揮散剤との間には、大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部が設けられてたことから、揮散剤は容器の天地逆の状態における底面部が大気開放状態となることにより、負圧空間部内の負圧の吸引作用により上面部側(下方)に引き寄せられて、容器の底面部から離隔する。
【0023】
また、容器は底面部側から上面部側に徐々に拡開する錐面状の周面部を有しており、揮散剤はこの容器内に充填されたものであるから、揮散剤は容器内の負圧空間部を除く底面部側の空間と同一形状である。つまり、揮散剤の周面部は、容器本体の周面部と同一の傾斜度からなる錐面状となっている。したがって、容器を天地逆にした状態で揮散剤が容器の底面部から離隔すると、揮散剤は容器の周面部との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器の上面部上(下方)に位置することとなる。
【0024】
そして、このように揮散剤が天地逆の状態にある容器の上面部上(下方)に位置したならば、揮散器を天地逆にしたまま、所望の場所に配置する。この配置状態において、揮散剤は前述のように容器の底面部側の空間と同一形状であり、揮散剤の周面部は、容器の周面部と同一の傾斜度からなる錐面状となっていることから、天地逆の状態にある容器の上面部上に落下して平行移動したことにより、当該揮散剤の周面部は容器本体の周面部と接することなく、揮散剤の周面部と容器本体の周面部との間に空間が形成されることとなる。
【0025】
したがって、揮散剤は使用開始直後から、上面部及び周面部から容器内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤の上面部及び周面部から揮散した有効成分は、天地逆の状態では上方となっている底面部の開口から周囲空間に拡散する。よって、単に揮散剤を天地逆にして、これにより上方となる容器の底面部を開口させる簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0026】
また、請求項3記載の発明に係る揮散器にあっては、前記容器は、前記上面部に開口を有する容器本体と、この開口を閉塞する上面閉塞手段とからなる。このように、容器は上面部に開口を有する容器本体の開口を上面閉塞手段により閉塞したものであってもよい。
【0027】
また、請求項4記載の発明に係る揮散器にあっては、前記容器は、前記底面部に揮散口が形成された容器本体と、この揮散口を開口可能に閉塞する底部閉塞手段とからなる。したがって、この揮散器の場合、揮散器を天地逆にした後、単に底部閉塞手段により揮散口を開口させることにより、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0028】
また、請求項5記載の発明に係る揮散器にあっては、前記底部閉塞手段は、前記底面部に剥離可能に貼着された貼着部材である。したがって、揮散器を天地逆にした後、貼着部材を剥離する極めて簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0029】
また、請求項6記載の発明に係る揮散器にあっては、前記容器の周面部の少なくとも一部が透明である。したがって、天地逆にした容器の上部から下部に内部の揮散剤が移動する様子をユーザが目視することができ、使用開始時に面白さを感じさせることができる。また、ユーザは、揮散剤が容器内において落下したことを目視ににより確認することができる。また、使用時においては、揮散剤の残存状態が目視により確認できるため、使用者は揮散剤の終期を判別することができる。
【0030】
また、請求項7記載の発明に係る揮散器にあっては、前記揮散剤がゲル状である。揮散剤がゲル状であれば、容器との密着性に優れることから、負圧空間部を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器との摩擦抵抗は少ないので、揮散器を天地逆にして底面部を開口した際には、前述した負圧空間部による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器の底面部から離隔する。
【0031】
なお、揮散剤とは、▲1▼芳香剤、殺虫剤、消臭剤等の有効成分が揮散する薬剤、▲2▼活性炭等の吸着性物質が分散しており、溶剤成分が揮散して内部より吸着剤が薬剤の表面に顕在化することにより脱臭する脱臭剤等の、内部の薬剤若しくは溶剤が揮散することより体積が減少する薬剤を含むものである。
また、ゲル状の揮散剤とは、▲1▼芳香剤、殺虫剤、消臭剤等の有効成分が揮散するゲル状の薬剤、▲2▼活性炭等の吸着性物質がゲル中に分散しており、ゲル中の溶剤成分が揮散して内部より吸着剤がゲルの表面に顕在化することにより脱臭するゲル状脱臭剤等の、内部の薬剤若しくは溶剤が揮散することより体積が減少するゲル状の薬剤を含むものである。
【0032】
また、請求項8記載の発明に係る揮散器にあっては、前記周面部は、前記底面部側から上面部側に拡開する錐面状又は球面状である。
【0041】
また、請求項9記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部に開口を有する容器本体に、充填時は流動状態であって充填後固化する揮散剤を前記容器本体の容積より少ない容量で前記開口から前記底面部側に充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記容器本体内であって前記揮散剤上に形成される空間を大気圧よりも低気圧にしつつ前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含む。
【0042】
したがって、係る工程で揮散器を製造することにより、単に揮散剤を天地逆にして、底面部を開口させる簡単な操作によって、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることが可能な揮散器を製造することができる。
【0043】
また、請求項10記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部に開口を有する容器本体に、充填時は高温流動状であって充填後常温で固化する揮散剤を前記容器本体の容積より少ない容量で前記開口から前記底面部側に充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記揮散剤が前記常温よりも高温にある状態で、前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に該揮散剤の温度低下により前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含む。
【0044】
したがって、上部閉塞工程において、揮散剤が前記常温よりも高温にある状態で開口を閉塞すると、揮散剤の温度が常温まで低下した時点で、容器内であって揮散剤と容器の上面部との間に大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部が形成されることとなる。よって、この負圧空間部を形成するための工程を必要とすることなく、負圧空間部を形成することができる。
【0045】
また、請求項11記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部に開口を有する容器本体の前記揮散口を剥離可能な底部閉塞手段により閉塞する底部閉塞工程と、この底部閉塞工程により前記揮散口が閉塞された容器本体に、充填時は流動状であって充填後固化する揮散剤を前記容器本体の容積より少ない容量で充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記容器本体内であって前記揮散剤上に形成される空間を大気圧よりも低気圧にしつつ前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含む。
【0046】
したがって、係る工程で揮散器を製造することにより、単に揮散剤を天地逆にして、底部閉塞手段を剥離して揮散口を開口させる簡単な操作によって、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることが可能な揮散器を製造することができる。
【0047】
また、請求項12記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部に開口を有する容器本体の前記揮散口を剥離可能な底部閉塞手段により閉塞する底部閉塞工程と、この底部閉塞工程により前記揮散口が閉塞された容器本体に、充填時は高温流動状であって充填後常温で固化する揮散剤を前記容器の容積より少ない容量で前記開口から充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記揮散剤が前記常温よりも高温にある状態で、前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に該揮散剤の温度低下により前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含む。
【0048】
したがって、前述と同様に上部閉塞工程において、揮散剤が前記常温よりも高温にある状態で開口を閉塞すると、揮散剤の温度が常温まで低下した時点で、容器内であって揮散剤と容器の上面部との間に大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部が形成されることとなる。よって、この負圧空間部を形成するための工程を必要とすることなく、負圧空間部を形成することができる。その結果、単に揮散剤を天地逆にして、底部閉塞手段を剥離して揮散口を開口させる簡単な操作によって、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることが可能な揮散器を、容易な工程で製造することができる。
【0050】
また、請求項13記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、前記容器又は容器本体の周面部が透明である。したがって、揮散剤の充填量を外部から認識しつつ充填を行うことができる。
【0051】
また、請求項14記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、前記揮散剤は、ゲル状に固化するものである。揮散剤がゲル状であれば、容器との密着性に優れることから、容器内であって揮散剤と他端部との間に大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部をより確実に形成することができる。
【0052】
また、請求項15記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、前記周面部は、前記底面部側から上面部側に拡開する錐面状又は球面状である。
【0062】
また、請求項27記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、前記容器は、前記一端部側から前記他端部側に徐々に拡開する錐面状の周面部を有する。すなわち、容器は一端部側から他端部側に徐々に拡開する錐面状の周面部を有しており、揮散剤はこの容器内に充填されたものであることから、容器内の負圧空間部を除く一端部側の空間と同一形状であって、周面部は同様に一端部側から他端部側に徐々に拡開する錐面状となっている。したがって、容器を天地逆にして配置する、揮散剤は容器の周面部との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器の他端部上に位置することとなる。
【0063】
この天地逆の状態にある容器の他端部上に位置した揮散剤は、前述のように容器内の一端部側の空間と同一形状であるから、径の大きい他端部上に位置した状態においては、揮散剤の周面部は容器の周面部と接することなく、揮散剤の周面部と容器の周面部との間に空間が形成されることとなる。したがって、揮散剤は使用開始直後から、天地逆の状態における他端部のみならず周面部も容器内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤の周面部及び他端部から揮散した有効成分は、天地逆の状態における上部の開口から周囲空間に拡散する。よって、一端部を開口し揮散剤を天地逆にして配置する簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0064】
また、請求項16記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され該底面部及び前記周面部に密着する固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にし、前記底面部を開口して、配置する。
また、請求項17記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にし、前記底面部を開口して、配置することを特徴とする揮散器の使用方法。
【0065】
したがって、底面部を開口すると、揮散剤の底面部側が大気開放状態となる。このとき、容器内において揮散剤と容器の上面部間には大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部が設けられていることから、揮散剤は底面部側が大気開放状態となることにより、負圧空間部内の負圧の吸引作用により上面部側に引き寄せられて、容器の底面部から離隔する。
【0066】
したがって、容器を天地逆にした状態で揮散剤が容器の底面部から離隔すると、天地逆の状態にある容器の上面部上(下方)に位置することとなる。
そして、このように揮散剤が天地逆の状態にある容器の上面部上(下方)に位置したならば、揮散器を天地逆にしたまま、所望の場所に配置する。この配置状態において、この配置状態において、揮散剤と容器本体の下面部との間に空間が形成されることとなる。
【0067】
したがって、揮散剤は使用開始直後から、揮散剤の上面部から容器内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤の上面部から揮散した有効成分は、天地逆の状態では上方となっている底面部の開口から周囲空間に拡散する。よって、単に揮散剤を天地逆にして、これにより上方となる容器の底面部を開口させる簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0068】
また、請求項18記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部に開口を有する容器本体とこの容器本体の前記開口を閉塞する上面閉塞手段とからなる容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面閉塞手段との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記底面部を開口し、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置する。
【0069】
したがって、請求項16記載の発明と同様に、底面部を開口し揮散剤を天地逆にして配置する簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0070】
また、請求項19記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部が閉塞された容器本体と、前記揮散口を開口可能に閉塞する底部閉塞手段とからなる容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記底部閉塞手段を操作して前記揮散口を開口し、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置する。
【0071】
したがって、底部閉塞手段により揮散口を開口させて、揮散器を天地逆にして配置することにより、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0072】
また、請求項20記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部に開口を有する容器本体とこの容器本体の前記揮散口を開口可能に閉塞する底部閉塞手段と、前記上面部の開口を閉塞する上面閉塞手段とからなる容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面閉塞手段との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記底部閉塞手段を操作して前記揮散口を開口し、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置する。
【0073】
したがって、請求項19記載の発明と同様に、底部閉塞手段により揮散口を開口させて、揮散器を天地逆にして配置することにより、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0074】
また、請求項21記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、前記揮散器を、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆の状態にして、前記揮散口を開口した後、同様に前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置する。
【0075】
したがって、この使用方法の場合、底面部を開口することにより揮散剤の底面部側(天地逆の状態における上部)が大気開放状態となると、揮散剤は負圧空間部内の負圧の吸引作用により上面部側(下方)に引き寄せられて、容器の底面部から離隔すると同時に、揮散剤は容器の周面部との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器の上面部上に位置することとなる。よって、即時に十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0077】
この天地逆の状態にある容器の上面部上に位置した揮散剤は、前述のように容器内の底面部側の空間と同一形状であるから、径の大きい上面部上に位置した状態においては、揮散剤の周面部は容器の周面部と接することなく、揮散剤の周面部と容器の周面部との間に空間が形成されることとなる。したがって、揮散剤は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部のみならず周面部も容器内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤の周面部及び上面部から揮散した有効成分は、天地逆の状態における上部の開口から周囲空間に拡散する。よって、底面部を開口し揮散剤を天地逆にして配置する簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0078】
また、請求項22記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、前記容器又は容器本体の周面部の少なくとも一部が透明である。したがって、天地逆にした容器の上部から下部に内部の揮散剤が移動する様子をユーザが目視することができ、使用開始時に面白さを感じさせることができる。また、ユーザは、揮散剤が容器内において落下したことを目視により確認することができる。
【0079】
また、請求項23記載の発明に係る揮散器の使用方法にあっては、前記揮散剤がゲル状である。揮散剤がゲル状であれば、容器との密着性に優れることから、負圧空間部を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器との摩擦抵抗は少ないので、揮散器を天地逆にして底面部を開口した際には、前述した負圧空間部による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器の底面部から離隔する。
また、請求項24記載の発明に係る揮散器の製造方法にあっては、前記周面部は、前記底面部側から上面部側に拡開する錐面状又は球面状である。
【0080】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に従って説明する。
【0081】
(1)第1の実施の形態
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施の形態にかかる揮散器1は、透明プラスチック製の容器本体2を有している。この容器本体2は、円形の底面部21と、この底面部21に下端部が連なる周面部22、及びこの周面部22の上端部に形成された円形の開口部23とを有している。開口部23の縁部には、外方に突出して水平状のフランジ24が全周に亙って形成されており、前記底面部21には、複数の揮散口25が形成されいる。前記底面部21は開口部23よりも小径であり、よって、この容器本体2は円錐台形であって、周面部22は底面部21から上面部の開口部23側に徐々に拡開する錐面状である。
【0082】
前記底面部21には、シール3が剥離可能に貼着されており、このシール3により前記揮散口25は開口可能に閉塞されている。また、前記フランジ24にはアルミシート4の周部が固定されており、これにより、容器本体2の開口部23も閉塞されている。
【0083】
容器本体2内には、開口部23よりもやや下方まで揮散剤5が充填されている。この揮散剤5は、芳香剤、殺虫剤、消臭剤等の有効成分が揮散するゲル状の薬剤や、活性炭等の吸着性物質がゲル中に分散しており、ゲル中の溶剤成分が揮散して内部より吸着剤がゲルの表面に顕在化することにより脱臭するゲル状脱臭剤等の、内部の薬剤若しくは溶剤が揮散することより体積が減少するゲル状の薬剤であり、容器本体2内への充填時は高温流動状であって、充填後常温で固化したものである。また、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間には、負圧空間部6が形成されている。この負圧空間部6は、大気圧よりも低気圧の空間からなり、後述するように、揮散器1を天地逆にしてシール3を除去し、揮散口25を大気開放状態にした際、揮散剤5の自重とも相俟って当該揮散剤5を底面部21から引き離すことのできる負圧を有している。
【0084】
以上の構成に係る揮散器1の製造方法について、図3に従って説明する。すなわち、成形工程(A)においては、インジェクション成形等により、底面部21、周面部22、開口部23、フランジ24及び揮散口25を有する容器本体2を成形する。次に、底部閉塞工程(B)において、成形された容器本体2の底面部21にシール3を貼着し、揮散口25を閉塞する。
【0085】
しかる後に、充填工程(C)において、シール3により揮散口25が閉塞された容器本体2の開口部23より、高温流動状の揮散剤5を容器本体2の容積よりも少ない容量で充填する。このとき、容器本体2は透明であることから、外部から揮散剤5の充填量を検出して、充填量を制御することができる。
【0086】
引き続き、上部閉塞工程(D)において、揮散剤5が常温よりも高温にある状態、好ましくはより高温にある充填工程(C)の終了後可及的速やかに、アルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。
【0087】
すると、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間に、高温の密閉空間が形成される。この密閉空間は、揮散剤5の温度低下に伴う当該密閉空間の温度低下に伴って負圧化し、これにより揮散剤5とアルミシート4との間に大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部6が形成されることとなる。
したがって、以上の成形工程(A)、底部閉塞工程(B)、充填工程(C)、上部閉塞工程(D)を経ることにより、図1及び図2に示した揮散器1が製造されることとなる。
【0088】
次に、揮散器1の使用方法について、図4に従って説明する。すなわち、この揮散器1を使用するに際しては、図4(a)に示すように、揮散器1を天地逆の状態にし、同図(b)に示すように、シール3を剥離し除去する。すると、揮散口25が開口されて、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となる。このとき、前述の(a)に示したように、容器本体2内において揮散剤5と容器本体2のアルミシート4間には大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部6が設けられていたことから、揮散剤5は容器本体2の底面部21が大気開放状態となることによって、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられて、容器本体2の底面部21から離隔する。
【0089】
また、容器本体2は底面部21側から上面部側に徐々に拡開する錐面状の周面部22を有しており、揮散剤5はこの容器本体2内に充填されたものである。したがって、揮散剤5は容器本体2内の負圧空間部6を除く底面部21側の空間と同一形状である。つまり、揮散剤5の周面部52は、容器本体2の周面部22と同一の傾斜度からなる錐面状となっている。したがって、容器本体2を天地逆にした状態で揮散剤5が容器本体2の底面部21から離隔すると、揮散剤5は容器本体2の周面部22との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器本体2のアルミシート4上に位置することとなる。
【0090】
しかも、揮散剤5はゲル状であるので、容器本体2との密着性に優れることから、負圧空間部6を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器本体2との摩擦抵抗は少ないので、前述した負圧空間部6による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0091】
このとき、ユーザは透明の容器本体2を介して、天地逆にした容器本体2の上部から下部に揮散剤5が移動する様子を目視することができ、使用開始時に面白さを感じることができる。また、ユーザは、揮散剤5が容器本体2内において落下したことを目視ににより確認することもできる。
【0092】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、図4(c)に示すように、揮散器1を天地逆にしたまま、所望の場所Pに配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように容器本体2内の底面部21側の空間と同一形状であり、揮散剤5の周面部52は、容器本体2の周面部22と同一の傾斜度からなる錐面状となっていることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の周面部52は容器本体2の周面部22と接することなく、揮散剤5の上面部51と容器本体2の底面部21との間のみならず、揮散剤5の周面部52と容器本体2の周面部22との間にも空間Sが形成されることとなる。
【0093】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部51のみならず周面部52からも容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散する。よって、単に揮散剤5を天地逆にして、シール3を剥離し除去するという極めて簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤5の有効成分を揮散させることができる。
【0094】
(2)第2の実施の形態
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る揮散器の製造方法を示すものである。この揮散器の製造方法において、成形工程(A)、底部閉塞工程(B)、及び充填工程(C)は前述した第1の実施の形態と同様である。しかし、上部閉塞工程(D)においては、揮散剤5の温度が常温に低下した後、負圧室7内に搬送し、この負圧室7内でアルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。
【0095】
前記負圧室7は、大気圧よりも低気圧の空間からなり、前述のように容器本体を天地逆にして底面部21を大気開放状態にした際に、揮散剤5が容器本体2の底面部21から離隔させ得る負圧を有している。よって、この負圧室7内でアルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、揮散剤5とアルミシート4との間に負圧空間部6を形成することができる。したがって、以上の成形工程(A)、底部閉塞工程(B)、充填工程(C)、上部閉塞工程(D)を経ることにより、図1及び図2に示した揮散器1が製造されることとなる。
【0096】
(3)第3の実施の形態
図6及び図7は、本発明の第3の実施の形態に係る揮散器11を示すものである。本実施の形態に係る揮散器11は、底面部21が無開口状であって、前記揮散口25及びシール3が設けられていない点においてのみ、前述した第1の実施の形態に係る揮散器1とは異なる。したがって、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0097】
なお、本実施の形態に係る揮散器11において、容器本体2は第1の実施の形態のものよりも薄肉状とするか、又は少なくとも底面部21は薄肉状とすることが好ましい。
【0098】
また、この実施の形態に係る揮散器11の製造方法は、図3に示した前記成形工程(A)においては、インジェクション成形等により、底面部21、周面部22、開口部23、及びフランジ24を有する容器本体2を成形する。次に、底部閉塞工程(B)を行うことなく、充填工程(C)において、容器本体2の開口部23より、高温流動状の揮散剤5を容器本体2の容積よりも少ない容量で充填する。
【0099】
引き続き、上部閉塞工程(D)において、揮散剤5が常温よりも高温にある状態、好ましくはより高温にある充填工程(C)の終了後可及的速やかに、アルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。若しくは、図5に示したように、上部閉塞工程(D)においては、揮散剤5の温度が常温に低下した後、負圧室7内に搬送し、この負圧室7内でアルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。これにより、図6及び図7に示した揮散器11が製造されることとなる。
【0100】
次に、揮散器11の使用方法について、図8に従って説明する。すなわち、この揮散器11を使用するに際しては、図8(a)に示すように、揮散器11を天地逆の状態にし、同図(b)に示すように、先の尖った適宜の開口用器具8(専用の開口用器具であってもよいし、家庭にある先の尖った器具を利用してもよい。)を用いて、底面部21に少なくとも一つの揮散口25を形成する。すると、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となり、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられて、容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0101】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、図8(c)に示すように、揮散器11を天地逆にしたまま、所望の場所Pに配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように容器本体2内の底面部21側の空間と同一形状であり、揮散剤5の周面部52は、容器本体2の周面部22と同一の傾斜度からなる錐面状となっていることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の周面部52は容器本体2の周面部22と接することなく、揮散剤5の上面部51と容器本体2の底面部21との間のみならず、揮散剤5の周面部52と容器本体2の周面部22との間にも空間Sが形成されることとなる。
【0102】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部51のみならず周面部52も容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散する。よって、単に揮散剤5を天地逆にして、底面部21を開口するという極めて簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤5の有効成分を揮散させることができる。
【0103】
(4)第4の実施の形態
図9及び図10は、本発明の第4の実施の形態に係る揮散器12を示すものである。本実施の形態に係る揮散器12は、底面部21が無開口状であって、突起26が形成され突起26の周部に底面部21を他の部分よりも薄肉状にした薄肉部27が形成されている。なお、他の部分は第1の実施の形態に係る揮散器1と同様であるので、同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0104】
また、この実施の形態に係る揮散器12の製造方法は、図3に示した前記成形工程(A)においては、インジェクション成形等により、底面部21、周面部22、開口部23、フランジ24、突起26、薄肉部27を有する容器本体2を成形する。次に、底部閉塞工程(B)を行うことなく、充填工程(C)において、容器本体2の開口部23より、高温流動状の揮散剤5を容器本体2の容積よりも少ない容量で充填する。
【0105】
引き続き、上部閉塞工程(D)において、揮散剤5が常温よりも高温にある状態、好ましくはより高温にある充填工程(C)の終了後可及的速やかに、アルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。若しくは、図5に示したように、上部閉塞工程(D)においては、揮散剤5の温度が常温に低下した後、負圧室7内に搬送し、この負圧室7内でアルミシート4をフランジ24に熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。これにより、図9及び図10に示した揮散器12が製造されることとなる。
【0106】
次に、揮散器12の使用方法について、図11に従って説明する。すなわち、この揮散器12を使用するに際しては、図11(a)に示すように、揮散器12を天地逆の状態にして突起26に横方向から力を加える。すると、同図(b)に示すように、薄肉部27が破断して突起26が底面部21から分離し、これにより揮散口25が形成される。すると、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となり、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられて、容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0107】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、図11(c)に示すように、揮散器12を天地逆にしたまま、所望の場所Pに配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように容器本体2内の底面部21側の空間と同一形状であり、揮散剤5の周面部52は、容器本体2の周面部22と同一の傾斜度からなる錐面状となっていることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の周面部52は容器本体2の周面部22と接することなく、揮散剤5の上面部51と容器本体2の底面部21との間のみならず、揮散剤5の周面部52と容器本体2の周面部22との間にも空間Sが形成されることとなる。
【0108】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部51のみならず周面部52も容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散する。よって、単に揮散剤5を天地逆にして、底面部21を開口するという極めて簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤5の有効成分を揮散させることができる。
【0109】
(5)第5の実施の形態
図12は、本発明の第5の実施の形態に係る揮散器13を示すものであり、この揮散器13は透明プラスチック製の容器本体2を有している。この容器本体2は、垂直断面が略半円形であって、半円の頂点付近で構成される底面部21と、この底面部21に連なる円曲状の両側周面部221、垂直状の前後周面部222、及びこれら周面部221、222の上端部に形成された矩形の開口部23とを有している。前記底面部21には、複数の揮散口25が形成されており、これら揮散口25は底面部21に剥離可能に貼着されたシール3により閉塞されている。また、開口部23はアルミシート4により閉塞されている。
【0110】
容器本体2内には、開口部23よりもやや下方まで前記揮散剤5が充填されている。また、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間には、負圧空間部6が形成されている。
【0111】
この実施の形態に係る揮散器13の製造方法は、図3に示した前記成形工程(A)においては、インジェクション成形等により、底面部21、周面部221、222、開口部23、を有する容器本体2を成形する。次に、底部閉塞工程(B)において、成形された容器本体2の底面部21にシール3を貼着し、揮散口25を閉塞する。
【0112】
しかる後に、充填工程(C)において、シール3により揮散口25が閉塞された容器本体2の開口部23より、高温流動状の揮散剤5を容器本体2の容積よりも少ない容量で充填する。引き続き、上部閉塞工程(D)において、揮散剤5が常温よりも高温にある状態、好ましくはより高温にある充填工程(C)の終了後可及的速やかに、アルミシート4を熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。
また、この揮散器13を使用するに際しては、揮散器13を天地逆の状態にし(図4(a)参照)、シール3を剥離し除去する(図4(b)参照)。すると、揮散口25が開口されて、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となる。このとき、容器本体2内において揮散剤5と容器本体2のアルミシート4間には大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部6が設けられていたことから、揮散剤5は容器本体2の底面部21が大気開放状態となることによって、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられて、容器本体2の底面部21から離隔する。
【0113】
また、容器本体2は前記両側周面部221及び前後周面部222を有しており、揮散剤5はこの容器本体2内に充填されたものである。したがって、揮散剤5は容器本体2内の負圧空間部6を除く底面部21側の空間と同一形状である。つまり、揮散剤5の周面部は、容器本体2の両側周面部221及び前後周面部222と同一形状となっている。したがって、容器本体2を天地逆にした状態で揮散剤5が容器本体2の底面部21から離隔すると、揮散剤5は容器本体2の周面部22との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器本体2のアルミシート4上に位置することとなる。
【0114】
しかも、揮散剤5はゲル状であるので、容器本体2との密着性に優れることから、負圧空間部6を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器本体2との摩擦抵抗は少ないので、前述した負圧空間部6による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0115】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、揮散器1を天地逆にしたまま、所望の場所に配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように、容器本体2内の負圧空間部6を除く底面部21側の空間と同一形状であることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の周面部52は容器本体2の周面部22と接することなく、揮散剤5の上面部51と容器本体2の底面部21との間のみならず、揮散剤5の周面部と容器本体2の周面部22との間にも空間が形成されることとなる。
【0116】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部のみならず周面部からも容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散することとなる。
【0117】
(6)第6の実施の形態
図13は、本発明の第6の実施の形態に係る揮散器14を示すものであり、この揮散器14は透明プラスチック製の容器本体2を有している。この容器本体2は、垂直断面が略逆台形であって、底面部21と、この底面部21に連なる斜状の両側周面部221、垂直状の前後周面部222、及びこれら周面部221、222の上端部に形成された矩形の開口部23とを有している。前記底面部21には、複数の揮散口25が形成されており、これら揮散口25は底面部21に剥離可能に貼着されたシール3により閉塞されている。また、開口部23はアルミシート4により閉塞されている。容器本体2内には、開口部23よりもやや下方まで前記揮散剤5が充填されている。また、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間には、前記負圧空間部6が形成されている。
この実施の形態に係る揮散器14の製造方法及び使用方法は、前述した第5の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0118】
(7)第7の実施の形態
図14は、本発明の第7の実施の形態に係る揮散器15を示すものである。この実施の形態においては、斜状の両側周面部221に複数の揮散口25が形成されており、これら揮散口25は両側周面部221に剥離可能に貼着されたシール3により閉塞されている。揮散口25は、使用時において揮散剤5が負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に落下した状態において、揮散剤5の上面よりも上部となる位置に設けられている。
【0119】
他の構成は、図13に示した図6の実施の形態と同様であり、製造方法及び使用方法も同様である。
【0120】
なお、揮散口25を前後周面部222に設け、あるいは前後周面部222及び両側周面部221の双方に設けるようにしてもよい。また、第5〜7の実施の形態において、前後周面部222は垂直状であってもよいし、開口部23側の端部が外方向に変位した斜状であってもよい。
【0121】
(8)第8の実施の形態
図15は、本発明の第8の実施の形態に係る揮散器16を示すものであり、この揮散器16は透明プラスチック製の容器本体2を有している。この容器本体2は、逆円錐形であって、円錐形の周面部22及びこれら周面部22の上端部に形成された円形の開口部23とを有している。周面部22の下端部側には、複数の揮散口25が形成されており、これら揮散口25は周面部22に剥離可能に貼着されたシール3により閉塞されている。また、開口部23はアルミシート4により閉塞されている。
【0122】
揮散口25は、使用時において揮散剤5が負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に落下した状態において、揮散剤5の上面よりも上部となる位置に設けられている。容器本体2内には、開口部23よりもやや下方まで前記揮散剤5が充填されている。また、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間には、負圧空間部6が形成されている。
【0123】
この実施の形態に係る揮散器16の製造方法は、図3に示した前記成形工程(A)においては、インジェクション成形等により、周面部22、開口部23を有する容器本体2を成形する。次に、底部閉塞工程(B)において、成形された容器本体2の周面部22にシール3を貼着し、揮散口25を閉塞する。
【0124】
しかる後に、充填工程(C)において、シール3により揮散口25が閉塞された容器本体2の開口部23より、高温流動状の揮散剤5を容器本体2の容積よりも少ない容量で充填する。引き続き、上部閉塞工程(D)において、揮散剤5が常温よりも高温にある状態、好ましくはより高温にある充填工程(C)の終了後可及的速やかに、アルミシート4を熱溶着することにより、開口部23を閉塞する。
また、この揮散器16を使用するに際しては、揮散器16を天地逆の状態にし(図4(a)参照)、シール3を剥離し除去する(図4(b)参照)。すると、揮散口25が開口されて、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となる。このとき、容器本体2内において揮散剤5と容器本体2のアルミシート4間には大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部6が設けられていたことから、揮散剤5は容器本体2の底面部21が大気開放状態となることによって、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられて、容器本体2の底面部21から離隔する。
【0125】
また、容器本体2は円錐形であり、揮散剤5はこの容器本体2内に充填されたものである。したがって、揮散剤5は容器本体2内の負圧空間部6を除く空間と同一形状である。したがって、容器本体2を天地逆にした状態で揮散剤5が容器本体2の底面部21から離隔すると、揮散剤5は容器本体2の周面部22との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器本体2のアルミシート4上に位置することとなる。
【0126】
しかも、揮散剤5はゲル状であるので、容器本体2との密着性に優れることから、負圧空間部6を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器本体2との摩擦抵抗は少ないので、前述した負圧空間部6による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0127】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、揮散器1を天地逆にしたまま、所望の場所に配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように、容器本体2内の負圧空間部6を除く底面部21側の空間と同一形状であることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の周面部は容器本体2の周面部22と接することなく、揮散剤5の周面部52と容器本体2の周面部22との間にも空間が形成されることとなる。
【0128】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部のみならず周面部からも容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散することとなる。
【0129】
(9)第9の実施の形態
図16は、本発明の第9の実施の形態に係る揮散器17を示すものであり、この揮散器17は透明プラスチック製の容器本体2を有している。この容器本体2は、半球面を有するドーム状であって、球面状の周面部22及びこれら周面部22の上端部に形成された円形の開口部23とを有している。周面部22の下端部側には、複数の揮散口25が形成されており、これら揮散口25は周面部22に剥離可能に貼着されたシール3により閉塞されている。また、開口部23はアルミシート4により閉塞されている。
【0130】
揮散口25は、使用時において揮散剤5が負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に落下した状態において、揮散剤5の上面よりも上部となる位置に設けられている。容器本体2内には、開口部23よりもやや下方まで前記揮散剤5が充填されている。また、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間には、負圧空間部6が形成されている。
【0131】
この実施の形態に係る揮散器17の製造方法は、前述した第8の実施の形態と同様である。
また、この揮散器17を使用するに際しては、揮散器17を天地逆の状態にし(図4(a)参照)、シール3を剥離し除去する(図4(b)参照)。すると、揮散口25が開口されて、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となる。このとき、容器本体2内において揮散剤5と容器本体2のアルミシート4間には大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部6が設けられていたことから、揮散剤5は容器本体2の底面部21が大気開放状態となることによって、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられて、容器本体2の底面部21から離隔する。
【0132】
また、容器本体2は円錐形であり、揮散剤5はこの容器本体2内に充填されたものである。したがって、揮散剤5は容器本体2内の負圧空間部6を除く空間と同一の半球形状である。したがって、容器本体2を天地逆にした状態で揮散剤5が容器本体2の底面部21から離隔すると、揮散剤5は容器本体2の周面部22との摩擦抵抗を受けることなく自由落下して、天地逆の状態にある容器本体2のアルミシート4上に位置することとなる。
【0133】
しかも、揮散剤5はゲル状であるので、容器本体2との密着性に優れることから、負圧空間部6を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器本体2との摩擦抵抗は少ないので、前述した負圧空間部6による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0134】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、揮散器1を天地逆にしたまま、所望の場所に配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように、容器本体2内の負圧空間部6を除く底面部21側の空間と同一形状であることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の周面部は容器本体2の周面部22と接することなく、揮散剤5の周面部52と容器本体2の周面部22との間にも空間が形成されることとなる。
【0135】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部のみならず周面部からも容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散することとなる。
【0136】
(10)第10の実施の形態
図17は、本発明の第10の実施の形態に係る揮散器18を示すものであり、この揮散器18は透明プラスチック製の容器本体2を有している。この容器本体2は、垂直断面が円曲状の底面部21と、この底面部21に連なる垂直状の周面部223、この周面部223の上端部に形成された矩形の開口部23とを有している。前記底面部21には、複数の揮散口25が形成されており、これら揮散口25は底面部21に剥離可能に貼着されたシール3により閉塞されている。また、開口部23はアルミシート4により閉塞されている。容器本体2内には、開口部23よりもやや下方まで前記揮散剤5が充填されている。また、容器本体2内であって揮散剤5とアルミシート4との間には、前記負圧空間部6が形成されている。
この実施の形態に係る揮散器18の製造方法及び使用方法は、前述した第5の実施の形態と同様である。
また、この揮散器18を使用するに際しては、揮散器18を天地逆の状態にし(図4(a)参照)、シール3を剥離し除去する(図4(b)参照)。すると、揮散口25が開口されて、天地逆の状態における揮散剤5の上面部51が大気開放状態となる。このとき、容器本体2内において揮散剤5と容器本体2のアルミシート4間には大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部6が設けられていたことから、揮散剤5は容器本体2の底面部21が大気開放状態となることによって、負圧空間部6内の負圧の吸引作用により、アルミシート4側(下方)に引き寄せられる。そして、容器本体2の底面部21から離隔して落下し、天地逆の状態にある容器本体2のアルミシート4上に位置することとなる。
【0137】
しかも、揮散剤5はゲル状であるので、容器本体2との密着性に優れることから、負圧空間部6を適正に負圧状態に維持し得る一方、容器本体2との摩擦抵抗は少ないので、前述した負圧空間部6による負圧の吸引作用によって、瞬時にして確実に容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下する。
【0138】
そして、このように揮散剤5がアルミシート4上に位置したならば、揮散器1を天地逆にしたまま、所望の場所に配置する。この配置状態において、揮散剤5は前述のように、容器本体2内の負圧空間部6を除く底面部21側の空間と同一形状であることから、アルミシート状に落下して平行移動したことにより、揮散剤5の上面部51と容器本体2の底面部21との間に空間が形成されることとなる。
【0139】
したがって、揮散剤5は使用開始直後から、天地逆の状態における上面部から容器本体2内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤5の上面部51及び周面部52から揮散した有効成分は、揮散口25から周囲空間に拡散することとなる。よって、単に揮散剤5を天地逆にして、シール3を剥離し除去するという極めて簡単な操作により、使用開始直後から十分に揮散剤5の有効成分を揮散させることができる。
【0140】
なお、前述の負圧空間部6は吸引作用により、前述のように容器本体2の底面部21が大気開放状態となることによって、揮散剤5が容器本体2の底面部21から離隔させ得る負圧を有することが必要である。したがって、負圧空間部6内に形成すべき負圧は、負圧空間部6の容積や、揮散剤5の体積、自重、容器本体2との密着性等に基づき、実験的に決定される。
【0141】
また、前述の実施の形態における使用方法においては、図4(a)、図8(a)、図11(a)に示したように、揮散器1を天地逆の状態にしてから、各図(b)に示したように、揮散口25を開口させることとしたが、揮散口25を開口させてから揮散器1を天地逆にするようにしてもよい。この場合であっても、前述した負圧空間部6による負圧の吸引作用によって、天地逆にした時点で瞬時にして容器本体2の底面部21から離隔し、アルミシート4上に落下することとなる。
【0142】
さらに、本実施の形態においては、ゲル状の揮散剤5を用いるようにしたが、ゲル状に限ることなく、液状以外の形態であれば、ゲル状以外の固形状であってもよい。また、実施の形態においては、周面部52が円錐面状であるものを示したが、角錐面状、楕円錐面状等他の錐面状であってもよい。また、実施の形態においては、上面部に開口部23を有する容器本体2を用い、開口部23をアルミシート4で閉塞した容器を用いるようにしたが、上面部と周面部52とを一体的に有する容器を用いるようにしてもよい。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る揮散器及び揮散器の使用方法によれば、容器を天地逆にして底面部を開口させる簡単な操作、あるいは底面部を開口させて容器を天地逆にする簡単な操作に操作により、揮散剤の上面部あるいは上面部及び周面部を容器本体から離間させて、天地逆の状態における揮散剤の上面部あるいは上面部及び周面部と容器との間に空間を形成することができる。したがって、使用開始直後から、揮散剤の上面部あるいは上面部のみならず周面部から容器内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤の上面部及び周面部から揮散した有効成分を、天地逆の状態では上方となっている容器の一端部又は底面部側から、周囲空間に拡散させることができる。よって、簡単な操作により、揮散剤に手を触れることもなく、使用開始直後から十分に揮散剤の有効成分を揮散させることができる。
【0144】
また、本発明に係る揮散器の製造方法によれば、使用開始直後から、揮散剤の上面部のみならず周面部から容器内の空間にその有効成分を揮散させることができ、これら揮散剤の上面部及び周面部から揮散した有効成分を、天地逆の状態では上方となっている容器の一端部又は底面部側から、周囲空間に拡散させることができる揮散器を、合理的、効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図2】同揮散器の図1のX−X線に相当する断面図である。
【図3】同揮散器の製造工程を示す図である。
【図4】同揮散器の使用法を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る揮散器の製造方法の工程を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図7】同揮散器の図6のX−X線に相当する断面図である。
【図8】同揮散器の使用法を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図10】同揮散器の図9のX−X線に相当する断面図である。
【図11】同揮散器の使用法を示す図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図14】本発明の第7の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図15】本発明の第8の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図16】本発明の第9の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態に係る揮散器の斜視図である。
【図18】従来の揮散器を示す断面図である。
【図19】従来の揮散器の使用方法を示す図である。
【図20】従来の揮散器を天地逆にした状態を示す図である。
【符号の説明】
1 揮散器
2 容器本体
3 シール
4 アルミシート
5 揮散剤
6 負圧空間部
7 負圧室
11 揮散器
12 揮散器
13 揮散器
14 揮散器
15 揮散器
16 揮散器
17 揮散器
18 揮散器
21 周面部
22 周面部
23 開口部
24 フランジ
25 揮散口
26 突起
27 薄肉部
51 上面部
52 周面部
221 両側周面部
222 前後周面部
S 空間
Claims (24)
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され該底面部及び前記周面部に密着する固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えたことを特徴とする揮散器。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えたことを特徴とする揮散器。
- 前記容器は、前記上面部に開口を有する容器本体と、この開口を閉塞する上面閉塞手段とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の揮散器。
- 前記容器は、前記底面部に揮散口が形成された容器本体と、この揮散口を開口可能に閉塞する底部閉塞手段とからなる特徴とする請求項1、2又は3記載の揮散器。
- 前記底部閉塞手段は、前記底面部に剥離可能に貼着された貼着部材であることを特徴とする請求項4記載の揮散器。
- 前記容器の周面部の少なくとも一部が透明であることを特徴とする請求項1から5にいずれか記載の揮散器。
- 前記揮散剤がゲル状であることを特徴とする請求項1から5にいずれか記載の揮散器。
- 前記周面部は、前記底面部側から上面部側に拡開する錐面状又は球面状であることを特徴とする請求項1から7にいずれか記載の揮散器。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部に開口を有する容器本体に、充填時は流動状態であって充填後固化する揮散剤を前記容器本体の容積より少ない容量で前記開口から前記底面部側に充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記容器本体内であって前記揮散剤上に形成される空間を大気圧よりも低気圧にしつつ前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含むことを特徴とする揮散器の製造方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部に開口を有する容器本体に、充填時は高温流動状であって充填後常温で固化する揮散剤を前記容器本体の容積より少ない容量で前記開口から前記底面部側に充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記揮散剤が前記常温よりも高温にある状態で、前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に該揮散剤の温度低下により前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含むことを特徴とする揮散器の製造方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部に開口を有する容器本体の前記揮散口を剥離可能な底部閉塞手段により閉塞する底部閉塞工程と、この底部閉塞工程により前記揮散口が閉塞された容器本体に、充填時は流動状であって充填後固化する揮散剤を前記容器本体の容積より少ない容量で充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記容器本体内であって前記揮散剤上に形成される空間を大気圧よりも低気圧にしつつ前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含むことを特徴とする揮散器の製造方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部に開口を有する容器本体の前記揮散口を剥離可能な底部閉塞手段により閉塞する底部閉塞工程と、この底部閉塞工程により前記揮散口が閉塞された容器本体に、充填時は高温流動状であって充填後常温で固化する揮散剤を前記容器の容積より少ない容量で前記開口から充填する充填工程と、この充填工程終了後、前記揮散剤が前記常温よりも高温にある状態で、前記開口を閉塞し、この閉鎖した開口と前記揮散剤との間に該揮散剤の温度低下により前記大気圧よりも低気圧の負圧空間部を形成する上部閉塞工程とを含むことを特徴とする揮散器の製造方法。
- 前記容器又は容器本体の周面部の少なくとも一部が透明であることを特徴とする請求項9から12にいずれか記載の揮散器の製造方法。
- 前記揮散剤は、ゲル状に固化するものであることを特徴とする請求項9から12にいずれか記載の揮散器の製造方法。
- 前記周面部は、前記底面部側から上面部側に拡開する錐面状又は球面状であることを特徴とする請求項9から14にいずれか記載の揮散器の製造方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され該底面部及び前記周面部に密着する固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にし、前記底面部を開口して、配置することを特徴とする揮散器の使用方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部が閉塞された容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にし、前記底面部を開口して、配置することを特徴とする揮散器の使用方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部が開口可能に形成され、上面部に開口を有する容器本体とこの容器本体の前記開口を閉塞する上面閉塞手段とからなる容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面閉塞手段との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記底面部を開口し、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置することを特徴とする揮散器の使用方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部が閉塞された容器本体と、前記揮散口を開口可能に閉塞する底部閉塞手段とからなる容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面部との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記底部閉塞手段を操作して前記揮散口を開口し、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置することを特徴とする揮散器の使用方法。
- 底面部側から上面部側に拡開する周面部を有し、底面部に揮散口が形成され、上面部に開口を有する容器本体とこの容器本体の前記揮散口を開口可能に閉塞する底部閉塞手段と、前記上面部の開口を閉塞する上面閉塞手段とからなる容器と、この容器内の前記底面部側に充填され充填時は流動状態であって充填後固化した固形状の揮散剤と、前記容器内であって前記揮散剤と前記上面閉塞手段との間に形成された大気圧よりも低気圧の空間からなる負圧空間部とを備えた揮散器の使用方法であって、前記底部閉塞手段を操作して前記揮散口を開口し、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置することを特徴とする揮散器の使用方法。
- 前記揮散器を、前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆の状態にして、前記揮散口を開口した後、同様に前記上面部を下方にし前記底面部を上方にした天地逆にして、配置することを特徴とする請求項19又は20記載の揮散器の使用方法。
- 前記容器又は容器本体の周面部の少なくとも一部が透明であることを特徴とする請求項16から21にいずれか記載の揮散器の使用方法。
- 前記揮散剤がゲル状であることを特徴とする請求項16から21にいずれか記載の揮散器の使用方法。
- 前記周面部は、前記底面部側から上面部側に拡開する錐面状又は球面状であることを特徴とする請求項9から14にいずれか記載の揮散器の製造方法。
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