JP3743164B2 - ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法に関し、詳しくは、湿式攪拌造粒方式で固体処理剤を生産するにおいて、特には、保存安定性に優れかつ溶解性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用顆粒状または錠剤状固体処理剤の連続生産安定性に優れた製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、単に感光材料ないし写真材料とも称する)は通常、露光後、発色現像、脱銀、安定化等の工程により処理される。又黒白ハロゲン化銀写真感光材料は、露光後、現像、定着処理される。現像処理には黒白現像液、カラー現像液、脱銀処理には漂白液、漂白定着液、定着処理には定着液、洗浄には水道水またはイオン交換水、無水洗洗浄には安定化液、又色素安定化処理には安定液がそれぞれ使用される。
【0003】
これら各処理工程を行うための処理機能を有する液体の事を処理液という。各処理液は、通常30〜45℃に温度調節され、感光材料はこれらの処理液中に浸漬され処理される。
【0004】
この様な処理は通常自動現像機(以下、自現機とも称する)等で上記の処理液を収納した処理槽内を順次感光材料を搬送させることにより行われる。
【0005】
ここで自動現像機という場合、現像部、定着部、脱銀部、洗浄、又は安定化部及び乾燥部を有し、各処理槽部を順次自動的に感光材料を搬送させる手段を有する現像機のことを指す。
【0006】
さて、この様な自動現像機で処理する場合、処理槽内の処理液の活性度を一定に保つために処理剤を補充する方式が一般にとられている。
【0007】
この処理剤補充方式としては処理剤を溶解した補充液を予め用意しておく方法がある。また、コニカ(株)製エコジェットシステムのように補充用錠剤を処理タンクに直結しているフィルター槽に直接投入する方法もある。
【0008】
前者の補充液を予め用意する方法には、液剤補充剤、顆粒補充剤そして錠剤補充剤がある。
【0009】
顆粒補充剤、錠剤補充剤及びエコジェット錠剤補充剤(以下、固体処理剤ともいう)は、液剤補充剤に比べそのものの安定性が非常に優れ、また使い勝手も良い事が知られている。
【0010】
しかし、これら固体処理剤は、お客様が使用するとき便利でも生産するサイドからすると生産安定性に多くの問題を抱えている。例えば、写真処理剤は素材そのものが水溶性でなくてはならない。そのため湿式撹拌造粒では、撹拌による摩擦熱が顆粒そのものの温度を上昇させ、一部溶解して造粒機の壁面に付着したり底面に付着したりして造粒が安定しない。安定しないばかりか撹拌翼を曲げてしまったり、特に連続して湿式撹拌造粒をするときはこの傾向が顕著であり、この問題を解決するために製造時にバッチとバッチの間で水洗あるいはワイピングを行わなければならなかった。即ち、生産の安定性が少なくコスト高になってしまうという大きな問題を抱えていた。また、顆粒固体処理剤を圧縮し錠剤状固体処理剤とすると、確かに微粉末の発生点では顆粒固体処理剤よりすぐれているものの、溶解性が大きく劣化してしまうという問題が発生した。また、水溶性素材が固体処理剤の50%以上を占めるので打錠時の杵のキシミ、杵付着等の問題により高速連続打錠をすることができずコストアップの原因でもあった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、湿式攪拌造粒方式で固体処理剤を生産するにおいて、連続生産安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法を提供することにあり、特には、保存安定性に優れかつ溶解性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用顆粒状または錠剤状固体処理剤の高速連続生産安定性に優れた製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0013】
1.湿式攪拌造粒にて製造されるハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤において、該湿式攪拌造粒に使用する添加水の表面張力が60dyn/cm以下であり、かつ、前記添加水が下記一般式〔I〕〜〔 VI 〕で表される化合物(界面活性剤)から選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、前記添加水が、添加される固体量に対して5wt%以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【化A】
〔式中、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和又は不飽和のアルキル基を表し、Xはスルホンアミド、
【化B】
を表し、Yはアルキレンオキサイド基、アルキレン基を表し、Rf’は少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。さらにAは−SO 3 M、−OSO 3 M、−COOM、−OPO 3 (M 1 )(M 2 )、−PO 3 (M 1 )(M 2 )を表し、M、M 1 、M 2 はH、Li、K、Na又はNH 4 を表し、mは0又は1、nは0又は1〜10の整数を表す。〕
【化C】
〔式中、R 1 はアルキル基又はアルケニル基を表し、R 2 は水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、R 3 及びR 4 は独立に水素原子、水酸基、アルキル基又は−COOM 2 (M 2 は水素原子又はアルカリ金属原子を表す)を表し、Xは−CO−又は−SO 2 −を表し、Yは−O−、−S−又は−CONR 5 −(R 5 は水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す)を表し、M 1 は水素原子又はアルカリ金属原子を表し、lは0又は1、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表す。但し、一般式〔 II 〕で表される化合物はヒドロキシルアミノ基を有することはない。〕
【化D】
〔式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 は各々アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、スチリル基、シンナミル基を表し、l1、l2、l3、l4、l5は各々0または1の整数を表し、nは2〜100の整数を表す。但し、R 3 がアルキル基でかつl3が1の場合は、l1、l2、l4、l5の少なくとも1つが1である。l1、l2、l3、l4、l5が0のときは対応するR 1 、R 2 、R 3 、R 4 及びR 5 は水素原子である。〕
【化E】
〔式中、Rは炭素数4〜25の直鎖又は分岐状の置換基を有してもよいアルキル基又は
【化F】
を表す(但し、R 11 及びR 12 はそれぞれ水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、lは0〜4の整数を表す)。n及びmはそれぞれ、0又は1〜25の整数を表すが、同時に0にはならない。A及びBはそれぞれ
【化G】
を表し、同一でもまた異ったものでもよい(但し、n1、m1及びl1はそれぞれ0、1,2又は3を表すが、A及びBにおけるm1が同時に0にはならず、n又はmが0のときはm1は0にはならない。Dは水素原子を表す。)〕
【化H】
〔式中、R 1 は1価の有機基を表わし、R 2 はエチレン基またはプロピレン基を表わし、mは4〜50の整数を表わす。X 1 は水素原子、−SO 3 Mまたは−PO 3 M 2 を表わす。ここでMは水素原子、アルカリ金属原子または−NH 4 を表わす。〕
一般式〔 VI 〕
R−(O) x S y O z M
〔式中、Rは置換又は無置換の脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表し、xは0又は1、yは1又は2、zは2〜8の整数を表し、Mはカチオンを表す。但し、一般式〔 VI 〕で表される化合物はヒドロキシルアミノ基を有することはない。〕
【0014】
即ち、該湿式撹拌造粒方法の課題は、結合水を添加する際、いかに均一に添加することが出来るかが生産の安定性のための課題であった。しかし、水溶性素材が主体の写真用処理剤を湿式造粒する場合、所詮、水溶性素材への吸収と、添加した結合水の粉体表面での拡散との競争となり、結合に必要な十分な添加水量を添加する場合、真の意味での必要添加水量よりも多くなり含水量が多い顆粒と、含水量が少ない顆粒とが結果として生成し、物性の安定しない顆粒ができるばかりか、含水量の高い顆粒はダマになったり、また、湿式撹拌造粒機の内壁に水分が過剰に存在し、造粒を続けると上記顆粒の含水率の分布がさらに広がり、湿式撹拌造粒機の内壁に顆粒が付着したり、顆粒と攪拌羽の摩擦熱が大きくなり、顆粒の温度が上がり、顆粒の水分に対する溶解性も上昇しさらに顆粒の粘性が増し摩擦熱が発生しやすくなるということが発生した。これを解決するため従来は、造粒のバッチ間で水洗洗浄し乾燥することが必要であった。ところが、添加水の表面張力を本発明(上記)のようにした場合には、添加水分が粉体に吸収されるよりも、粉体氷面の拡散が速くなると推定しているが、非常に少ない添加水量で造粒が完成するようになり、また少ない添加水量でよいので顆粒の含水量差の分布がより少なくなったためと推定するが式撹拌造粒機の内壁および攪拌羽に余分な水分が付かなく、造粒生産の連続性が非常に上がり、造粒のバッチ間で水洗洗浄し乾燥することが不必要となった。また、このようにして作製した固体処理剤の溶解速度が速くなるという驚くべき効果があることも分かった。さらに、このようにして作製した顆粒を用いロータリー打錠機等で加圧圧縮し錠剤状処理剤を作製した場合には、杵の付着および杵のキシミ音が低減されたばかりか、高速打錠しても目的の硬度、摩損度が得られるうえに、錠剤状固体処理剤の溶解時間が速くなるという驚くべき効果があることも分かった。
【0016】
即ち、また、前記添加水の量が添加される固体量に対して5wt%以下であると、本発明の効果をさらに良好に奏することが分かった。特に湿式造粒の連続性および造粒性(微粉末の量が少ない)が向上しポーラスな顆粒ができ溶解時間短縮に効果大であった。
【0017】
2.前記固体処理剤が少なくとも下記化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【0018】
炭酸カリウム、p−フェニレンジアミン誘導体、ポリアミノカルボン酸の鉄塩、チオ硫酸塩、ハイドロキノン、硫酸アルミニウム塩
即ち、また、前記固体処理剤が少なくとも上記化合物を含有すると、本発明の効果を良好に奏することが分かった。
【0019】
3.前記添加水の量が添加される固体量に対して1wt%以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【0020】
即ち、また、前記添加水の量が添加される固体量に対して1wt%以下であるとき、湿式攪拌造粒の場合必須であった乾燥工程が不要となることも分かった。特に乾燥工程なしで顆粒状固体処理剤を用い錠剤状固体処理剤が作製できることは驚くべきことであった。
【0021】
4.前記固定処理剤が顆粒剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【0022】
5.前記固体処理剤が錠剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
6.更に、造粒した固体処理剤を加熱乾燥しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明の固体処理剤は、湿式攪拌造粒工程を経て製造される。
【0025】
以下、本発明でいう造粒について説明する。
【0026】
造粒とは、粉状、塊状、溶液状の原稿からほぼ均一な形状と大きさを造る操作を言う。粒方法としては、転動造粒、押し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等の公知の方法があるが、本発明の固体処理剤の造粒方式は攪拌造粒方式である。
【0027】
攪拌造粒方式とは、粉体の凝集性を利用する方式である。一般に混合性に優れている。固定した容器に入れた粉体原料に、液体を加え攪拌羽で攪拌しながら造粒する方式である。本発明に係わる攪拌造粒方式は、造粒工程の少なくとも一部を25℃〜120℃の雰囲気下で行われる。好ましくは、40℃〜80℃である。
【0028】
攪拌造粒工程中の一部分を25℃以上の雰囲気にする方法としては、高速攪拌による攪拌熱により調整する方法も好ましいが、攪拌造粒機のミキサー容器(以下、釜とも呼ぶ)の周囲にジャケットを設け、所定の温度に調整した温水、オイル等を循環させて温度調節する手段がさらに好ましい。更に、ミキサー容器を密閉して容器の圧力を変化させて温度を調整しても良い。攪拌造粒機のミキサー内の温度は、容器内に熱伝対温度計等の温度計を設置して時系列で測定することが好ましい。
【0029】
一方、攪拌造粒工程に使用する添加水とは、水、有機溶媒を意味し、更には、水又は有機溶媒に結合(結着)剤を溶解させた溶液を意味する。
【0030】
しかし、本発明の添加水は水であることが好ましい。
【0031】
本発明でいう表面張力の調整方法について説明する。
【0032】
表面張力は、一般に言われている界面活性剤を使用して調整することができる。界面活性剤は、水溶性が高ければ高いほど良い。
【0033】
以下に、本発明で用いられる界面活性剤の例として〔I〕〜〔VI〕で表される化合物(界面活性剤)が挙げられる。
【0034】
一般式〔I〕で表される化合物(界面活性剤、フッ素系アニオン界面活性剤)について説明する。
【0035】
【化1】
【0036】
〔式中、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和又は不飽和のアルキル基を表し、Xはスルホンアミド、
【0037】
【化2】
【0038】
を表し、Yはアルキレンオキサイド基、アルキレン基を表し、Rf′は少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和又は不飽和の炭化水素基を表す。さらにAは−SO3M、−OSO3M、−COOM、−OPO3(M1)(M2)、−PO3(M1)(M2)等の親水基を表し、M、M1、M2はH、Li、K、Na又はNH4を表し、mは0又は1、nは0又は1〜10の整数を表す。〕
上記一般式〔I〕において、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和又は不飽和のアルキル基(例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基)を表し好ましくは炭素数4〜12、さらに好ましくは炭素数6〜9のアルキル基である。Aは好ましくは−SO3Mが挙げられ、M、M1、M2は好ましくはLi,K,Na最も好ましくはLiである。mは0又は1、nは0又は1〜10の整数を表すが、好ましくはm=0、n=0である。
【0039】
以下に一般式〔I〕で表される代表的な例示化合物を示すが、これに限られるものではない。
【0040】
【化3】
【0041】
【化4】
【0042】
上記化合物のうち、特に好ましいものは、(I−1)、(I−2)、(I−4)である。
【0043】
これら化合物は通常の方法で合成でき、市販品としても入手できる。
【0044】
次に、一般式〔II〕で表される化合物(界面活性剤)について説明する。
【0045】
【化5】
【0046】
〔式中、R1はアルキル基又はアルケニル基を表し、R2は水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、R3及びR4は独立に水素原子、水酸基、アルキル基又は−COOM2(M2は水素原子又はアルカリ金属原子を表す)を表し、Xは−CO−又は−SO2−を表し、Yは−O−、−S−又は−CONR5−(R5は水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す)を表し、M1は水素原子又はアルカリ金属原子を表し、lは0又は1、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表す。但し、一般式〔 II 〕で表される化合物はヒドロキシルアミノ基を有することはない。〕
上記一般式〔II〕において、R1はアルキル基又はアルケニル基を表し、R2は水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、R3及びR4は独立に水素原子、水酸基、アルキル基又は−COOM2(M2は水素原子又はアルカリ金属原子を表す)を表し、Xは−CO−又は−SO2−を表し、Yは−O−、−S−又は−CONR5−(R5は水素原子、アルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す)を表し、M1は水素原子又はアルカリ金属原子を表し、lは0又は1、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表す。
【0047】
R1は好ましくは炭素数5〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は好ましくは水素原子、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐アルキル基又はヒドロキシアルキル基である。
【0048】
次に一般式〔II〕で示される化合物の具体的な化合物例を以下に示す。
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
上記化合物の他に特開昭62−56961号第4〜6頁記載の例示化合物〔II〕−1〜55等も使用することが出来る。
【0054】
上記例示化合物は、公知化合物、又は、市販されており通常ルートで入手が可能である。
【0055】
次に、一般式〔III〕または〔IV〕で表される化合物(界面活性剤)について説明する。
【0056】
【化10】
【0057】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は各々アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、スチリル基、シンナミル基を表し、l1、l2、l3、l4、l5は各々0または1の整数を表し、nは2〜100の整数を表す。但し、R3がアルキル基でかつl3が1の場合は、l1、l2、l4、l5の少なくとも1つが1である。l1、l2、l3、l4、l5が0のときは対応するR1、R2、R3、R4及びR5は水素原子である。
【0058】
上式において、R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアルキル基は炭素数が1〜20のものであり、鎖状、環状のいずれのものであってもよく、鎖状の基としては直鎖、分岐のものを含み、具体的には例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、オクタデシル等の各基が挙げられる。R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアラルキル基は、炭素数7〜20のものであり、具体的には例えばベンジル、フェネチル、ジベンジル、2−ナフチルメチル等の各基が挙げられる。
【0059】
R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアルケニル基は、炭素数3〜20のものであり、具体的には例えばアリル、4−ヘキセニル、4−デセニル、9−オクタデセニル等の各基が挙げられる。
【0060】
アラルキル基及びスチリル基の芳香環上には、置換基を有することができ、置換基としては例えばアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、t−アミル、ノニル等の各基)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−エトキシエトキシ等の各基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、p−トリルオキシ、o−クロロフェノキシ等の各基)等が挙げられる。具体的には例えばp−メトキシベンジル、2,4−ジメチルベンジル、p−フェノキシフェネチル、p−ブチルスチレン等の各基が挙げられる。
【0061】
【化11】
【0062】
式中、Rは炭素数4〜25の直鎖又は分岐状の置換基を有してもよいアルキル基又は
【0063】
【化12】
【0064】
を表す(但し、R11及びR12はそれぞれ水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、lは0〜4の整数を表す)。n及びmはそれぞれ、0又は1〜25の整数を表すが、同時に0にはならない。A及びBはそれぞれ
【0065】
【化13】
【0066】
を表し、同一でもまた異ったものでもよい(但し、n1、m1及びl1はそれぞれ0、1,2又は3を表すが、A及びBにおけるm1が同時に0にはならず、n又はmが0のときはm1は0にはならない。Dは水素原子を表す。)
【0067】
以下に、一般式〔III〕または〔IV〕で表される化合物の例示化合物を挙げる。
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】
【化18】
【0073】
【化19】
【0074】
次に、一般式〔V〕で表される化合物(界面活性剤)について説明する。
【0075】
【化20】
【0076】
〔式中、R1は1価の有機基を表わし、R2はエチレン基またはプロピレン基を表わし、mは4〜50の整数を表わす。X1は水素原子、−SO3Mまたは−PO3M2を表わす。ここでMは水素原子、アルカリ金属原子または−NH4を表わす。〕
次に前記一般式〔V〕で表される化合物について、さらに説明すると、前記一般式〔V〕中のR1は一価の有機基、例えば炭素原子数が6〜20、好ましくは6〜12のアルキル基であり、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシル等を表わす。又は炭素原子数が3〜20のアルキル基で置換されたアリール基であり、置換基として好ましくは炭素原子数3〜12のアルキル基であり、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシル等を表わす。アリール基としてはフェニル、トリル、キシニル、ブフェニル又はナフチル等であり、好ましくはフェニル又はトリルである。アリール基にアルキル基が結合する位置としては、オルト、メタ、パラ位いずれでもよい。R2はエチレン基またはプロピレン基を表わし、mは4〜50の整数を表わす。X1は水素原子、−SO3M又は−PO3M2を示し、Mは水素原子、アルカリ金属原子(Na,K又はLi等)又は−NH4を表わす。
【0077】
以下に、一般式〔V〕で示される具体的例示化合物を示す。
【0078】
【化21】
【0079】
【化22】
【0080】
次に、一般式〔VI〕で表される化合物(界面活性剤)について説明する。
【0081】
一般式〔VI〕
R−(O)xSyOzM
〔式中、Rは置換又は無置換の脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表し、xは0又は1、yは1又は2、zは2〜8の整数を表し、Mはカチオンを表す。但し、一般式〔 VI 〕で表される化合物はヒドロキシルアミノ基を有することはない。〕
一般式〔VI〕において、Rで表される脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などがあり、アルキル基としては、例えばメチル、エチル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル等の各基が挙げられる。これらのアルキル基は、更にハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等の各基)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等の各基)、アリール基(例えばフェニル、ナフチル等の各基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル等の各基)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等の各基)、アルケニル基(例えばビニル、アリル等の各基)、複素環基(例えば2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、モルホリル、ピペリジン、ピペラジル、ピリミジン、ピラゾリン、フリル等の各基)、アルキニル基(例えばプロパルギル基等)、アミノ基(例えばアミノ、N,N−ジメチルアミノ、アニリノ等の各基)、シアノ基、スルホアミド基(例えばメチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の各基)によって置換されてもよい。
【0082】
アルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基等が挙げられ、アルキニル基としては例えばプロパルギル基が挙げられる。
【0083】
Rで表される芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0084】
Rで表される複素環基としては、例えばピリジル基(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル等の各基)、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、チェニル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペジリニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
【0085】
上記、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、複素環基は、いずれもRで表されるアルキル基及びアルキル基の置換基、置換原子として示した基、原子と同様な基、原子によって置換することができる。
【0086】
Mで表されるカチオンとしては、好ましくは金属イオン又は有機カチオンである。金属イオンとしては、例えばリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、有機カチオンとしては、例えばアンモニウムイオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の各イオン)、ホスホニウムイオン(例えばテトラフェニルホスホニウムイオン等)、グアニジルイオン等が挙げられる。
【0087】
以下に一般式〔VI〕で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】
VI−1 C2H5SO3Na
VI−2 CH3(CH2)6SO3Na
VI−3 CH3(CH2)7SO3Na
VI−4 CH3(CH2)5OSO3Na
VI−5 CH3(CH2)6OSO3Na
VI−6 CH3(CH2)7OSO3Na
VI−7 CH3O(CH2)2SO3Na
【0089】
【化23】
【0090】
本発明の固体処理剤において、造粒後の固体粒子の好ましい粒径(粒度)は総重量の60%以上が0.1μm〜1.5mmの範囲であり、更に好ましくは、総重量の70%以上が0.1μm〜1.5mmの範囲であり、特に好ましくは総重量の805以上が0.1μm〜1.5mmであることが好ましい。
【0091】
粒体粒子の粒度の測定方法は、例えば、篩い分け方法、顕微鏡法、コールカウンター法、沈降法、遠心法、風ふるい法、拡散法、吸着法等が知られており、例えば、“粉体工学(基礎編)”、川北、小石、種谷共著、槇書店(1973年発行)に記載されている。本発明でいう粒径(粒度)とは、篩い分け法により測定した値をいい、この篩い分け法により得られた粒度分布の平均粒度の値をいう。
本発明において顆粒状個体処理剤の比容積は、0.7cm3/g〜2.8cm3/gが好ましい。0.7cm3/g以下だと溶解時間が長くなり好ましくなく、2.8cm3/g以上だとハンドリング時の微粉を発生しやすく好ましくない。本発明の範囲は、溶解時間が速く微粉末発生量も少なくて好ましい。
【0092】
本発明において撹拌羽の回転数は、50〜5000rpmが良く、好ましくは100〜3000rpmであり、更に好ましくは、300〜2000rpmである。回転数が遅いと混合するまでの時間を要し、コスト的に好ましくない。また回転数が速いと錠剤状個体処理剤を作製するための顆粒としては顆粒が堅くなりすぎ目標の硬度、磨損度の錠剤状個体処理剤を作製できない。本発明の範囲はコスト的に生産性の良いそして錠剤状個体処理剤の硬度、磨損度が良い範囲である。
【0093】
本発明における発色現像剤に用いられる発色現像主薬としては、p−フェニレンジアミン誘導体(以下、p−フェニレンジアミン系化合物ともいう)、特に水溶性基を有するp−フェニレンジアミン系化合物が本発明の目的の効果を良好に奏し、かつかぶりの発生が少ないため好ましく用いられる。
【0094】
水溶性基を有するp−フェニレンジアミン系化合物は、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン等の水溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化合物に比べ、感光材料の汚染がなくかつ皮膚についても皮膚がカブレにくいという長所を有するばかりでなく、特に本発明の発色現像液に組み合わせることにより、本発明の目的をより効率的に達成することができる。
【0095】
前記水溶性基は、p−フェニレンジアミン系化合物のアミノ基またはベンゼン核上に少なくとも1つ有するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては
−(CH2)n−CH2OH、
−(CH2)m−NHSO2−(CH2)nCH3、
−(CH2)m−O−(CH2)n−CH3、
−(CH2CH2O)nCmH2m+1(m及びnはそれぞれ0以上の整数を表す。)、−COOH基、−SO3H基等が好ましいものとして挙げられる。
【0096】
本発明に好ましく用いられる発色現像主薬の具体的例示化合物としては、特願平2−203169号明細書第26〜31頁に記載されている(C−1)〜(C−16)が挙げられる。
【0097】
上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の塩のかたちで用いられる。
【0098】
また、前記発色現像主薬は単独であるいは二種以上併用して、また所望により白黒現像主薬例えばフェニドン、4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよい。
【0099】
又、本発明においては、本発明に係わる発色現像剤中に下記一般式[A]及び[B]で示される化合物を含有することが、本発明の目的の効果をより良好に奏する。
【0100】
すなわち、固形処理剤化されると他の化合物に比べ錠剤の保存性が良くなるばかりでなく錠剤強度も保てるという点で効果があり、しかも写真性能的に安定で未露光部にも生じるカブリも少ないという利点もある。
【0101】
【化24】
【0102】
一般式[A]において、R1及びR2は同時に水素原子ではないそれぞれアルキル基、アリール基、
【0103】
【化25】
【0104】
または水素原子を表すが、R1及びR2で表されるアルキル基は、同一でも異なってもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。更にこれらアルキル基はカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基、又は水酸基を有してもよい。
【0105】
R′はアルコキシ基、アルキル基又はアリール基を表す。R1、R2及びR′のアルキル基及びアリール基は置換基を有するものも含み、また、R1及びR2は結合して環を構成してもよく、例えばピペリジン、ピリジン、トリアジンやモルホリンの如き複素環を構成してもよい。
【0106】
【化26】
【0107】
式中、R11、R12、R13は水素原子、置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、R14はヒドロキシ基、ヒドロキシアミノ基、置換又は無置換の、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルバモイル基、アミノ基を表す。ヘテロ環基としては、5〜6員環であり、C、H、O、N、S及びハロゲン原子から構成され飽和でも不飽和でもよい。R15は−CO−、−SO2−または
【0108】
【化27】
【0109】
から選ばれる2価の基を表し、nは0又は1である。特にn=0の時R14はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基から選ばれる基を表し、R13とR14は共同してヘテロ環基を形成してもよい。
【0110】
前記一般式[A]で示されるヒドロキシルアミン系化合物の具体例は、米国特許3,287,125号、同33,293,034号及び同3,287,124号等に記載されているが、特に好ましい具体的例示化合物としては、特願平2−203169号明細書第36〜38頁記載の(A−1)〜(A−39)及び特開平3−33845号明細書第3〜6頁記載の(1)〜(53)及び特開平3−63646号明細書第5〜7頁記載の(1)〜(52)が挙げられる。
【0111】
次に前記一般式[B]で示される化合物の具体例は、特願平2−203169号明細書第40〜43頁記載の(B−1)〜(B−33)及び特開平3−33846号明細書第4〜6頁記載の(1)〜(56)が挙げられる。
【0112】
これら一般式[A]又は一般式[B]で示される化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の形で用いられる。
【0113】
本発明に用いられる発色現像剤及び黒白現像剤中には、保恒剤として亜硫酸塩を微量用いることができる。該亜硫酸塩としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0114】
本発明に用いられる発色現像剤及び黒白現像剤には、緩衝剤を用いることが必要で、緩衝剤としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げることができる。
【0115】
現像促進剤としては、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許3,813,247号等に表されるチオエーテル系化合物、特開昭52−49829号及び同50−15554号に表されるp−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137726号、特公昭44−30074号、特開昭56−156826号及び同52−43429号等に表される4級アンモニウム塩類、米国特許2,610,122号及び同4,119,462号記載のp−アミノフェノール類、米国特許2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088号、同42−25201号、米国特許3,128,183号、特公昭41−11431号、同42−23883号及び米国特許3,532,501号等に表されるポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドロジン類、メソイオン型化合物、イオン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加することができる。
【0116】
発色現像剤はベンジルアルコールを実質的に含有しないものが好ましい。実質的にとはカラー現像液1lに換算して2.0ml以下、更に好ましくは全く含有しないことである。実質的に含有しない方が連続処理時の写真特性の変動、特にステインの増加が小さく、より好ましい結果が得られる。
【0117】
カブリ防止等の目的で塩素イオン及び臭素イオンが処理槽のカラー現像液中に必要である。本発明においては好ましくは塩素イオンとして1.0×10-2〜1.5×10-1モル/l、より好ましくは4×10-2〜1×10-1モル/l含有する。塩素イオン濃度が1.5×10-1モル/lより多いと、現像を送らせ迅速に高い最大濃度を得るには好ましくない。また、1.0×10-2モル/l未満では、ステインが生じ、更には、連続処理に伴う写真性変動(特に最小濃度)が大きくなり好ましくない。従って固形処理剤は処理槽のカラー現像液が上記の濃度範囲になる様調整することが必要である。
【0118】
本発明において、処理槽中のカラー現像液中に臭素イオンを好ましくは3.0×10-3〜1.0×10-3モル/l含有する。より好ましくは5.0×10-3〜5×10-4モル/lである。特に好ましくは1×10-4〜3×10-4モル/lである。臭素イオン濃度が1×10-3モル/lより多い場合、現像を遅らせ、最大濃度及び感度が低下し、3.0×10-3モル/l未満である場合、ステインを生じ、また連続処理に伴う写真性変動(特に最小濃度)を生じる点で好ましくない。これも塩素イオンと同様、固形処理剤中の臭素濃度を上記の範囲になる様調整することが必要である。
【0119】
発色現像剤に直接添加される場合、塩素イオン供給物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化カルシウム、塩化カドミウムが挙げられるが、そのうち好ましいものは塩化ナトリウム、塩化カリウムである。
【0120】
また、発色現像剤及び現像剤中に添加される蛍光増白剤の対塩の形態で供給されてもよい。臭素イオンの供給物質として、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化マンガン、臭化ニッケル、臭化カドミウム、臭化セリウム、臭化タリウムが挙げられるが、そのうち好ましいものは臭化カリウム、臭化ナトリウムである。
【0121】
本発明に用いられる発色現像剤及び現像剤には、必要に応じて、塩素イオン、臭素イオンに加えて任意のカブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、沃化カリウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテロ環化合物を代表例として挙げることができる。
【0122】
本発明に用いられる発色現像剤及び現像剤にはトリアジニルスチルベン系蛍光増白剤を含有させることが本発明の目的の効果の点から好ましい。かかる蛍光増白剤としては下記一般式[E]で示される化合物が好ましい。
【0123】
【化28】
【0124】
上式において、X2,X3,Y1及びY2は各々水酸基、塩素又は臭素等のハロゲン原子、アルキル基、アリール基、
【0125】
【化29】
【0126】
または−OR25を表す。ここでR21及びR22は各々水素原子、アルキル基(置換体を含む)、又はアリール基(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキレン基(置換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル基(置換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を表し、Mはカチオンを表す。
【0127】
なお一般式[E]の各基あるいはそれらの置換基の詳細については、特願平2−240400号の63頁下から第8行〜第64頁下から第3行の記載と同義である。
【0128】
以下に一般式[E]で示される化合物の具体例を挙げる。
【0129】
【化30】
【0130】
【化31】
【0131】
【化32】
【0132】
【化33】
【0133】
【化34】
【0134】
【化35】
【0135】
上記の化合物は公知の方法で合成することができる。上記例示化合物の中で特に好ましく用いられるのはE−4、E−24、E−34、E−35、E−36、E−37、E−41である。これらの化合物の添加量は発色現像液1l当り0.2g〜10gの範囲になる様に固形処理剤を調整することが好ましく、更に好ましくは0.4g〜5gの範囲である。
【0136】
さらに、本発明に用いられる発色現像剤及び黒白現像剤組成物には、必要に応じて、メチルセロソルブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、β−シクロデキストリン、その他特公昭47−33378号、同44−9509号各公報記載の化合物を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として使用することができる。
【0137】
さらに、現像主薬とともに補助現像剤を使用することもできる。これらの補助現像剤としては、例えばメトール、フェニドン、N,N−ジエチル−p−アミノフェノール塩酸塩、N,N,N′,N′−テトラメチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩等が知られている。
【0138】
さらにまた、その他ステイン防止剤、スラッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いることができる。
【0139】
また発色現像剤及び黒白現像剤組成物には、特願平2−240400号公報第63頁下から第8行〜第64頁下から第3行に記載の下記一般式[K]で示されるキレート剤及びその例示化合物K−1〜K−22が添加されることが本発明の目的を効果的に達成する観点から好ましい。
【0140】
【化36】
【0141】
これらキレート剤の中でも、とりわけ、K−2,K−9,K−12,K−13,K−17,K−19が好ましく用いられ、とりわけ特に、K−2及びK−9が本発明の効果を良好に奏する。
【0142】
これらキレート剤の添加量は発色現像液及び黒白現像液1l当たり0.1〜20gの範囲になる様に固形処理剤に添加することが好ましく、より好ましくは0.2〜8gの範囲である。
【0143】
さらにまた上記発色現像剤及び黒白現像用固形処理剤にはアニオン、カチオン、両性、ノニオンの各界面活性剤を含有させることができる。
【0144】
また、必要に応じてアルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0145】
本発明に係る漂白剤又は漂白定着剤に好ましく用いられる漂白主剤は下記一般式[C]で表わされる有機酸の第2鉄錯塩である。
【0146】
【化37】
【0147】
[式中、A1〜A4はそれぞれ同一でも異ってもよく、−CH2OH、−COOM又は−PO3M1M2を表す。M、M1、M2はそれぞれ水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムを表す。Xは炭素数3〜6の置換、未置換のアルキレン基を表す。]
以下に一般式[C]で示される化合物について詳述する。
【0148】
なお式中、A1〜A4は特願平1−260628号12頁上から15行〜15頁上から3行記載のA1〜A4と同義であるので詳細な説明を省略する。
【0149】
一般式[C]で表わされる有機酸の第2鉄錯塩は漂白能力が高い為に固形する際の使用量が少なくても済み、軽量化、小型化の錠剤化が計れるばかりでなく錠剤化した時の錠剤の保存性が良くなるという効果があり、本発明に好ましく用いられる。
【0150】
以下に、前記一般式[C]で示される化合物の好ましい具体例を示す。
【0151】
【化38】
【0152】
【化39】
【0153】
これら(C−1)〜(C−12)の化合物の第2鉄錯塩としては、これらの第2鉄錯塩のナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩を任意に用いることができる。本発明の目的の効果及び溶解度の点からは、これらの第2鉄錯塩のアンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0154】
前記化合物例の中で、本発明において特に好ましく用いられるものは、(C−1)、(C−3)、(C−4)、(C−5)、(C−9)であり、とりわけ特に好ましいものは(C−1)である。
【0155】
本発明において漂白剤又は漂白定着剤には、漂白主剤として上記一般式[C]で示される化合物の鉄錯塩以外に下記化合物の第2鉄錯塩等を用いることができる。
【0156】
〔A′−1〕エチレンジアミン四酢酸
〔A′−2〕トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸
〔A′−3〕ジヒドロキシエチルグリシン酸
〔A′−4〕エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸
〔A′−5〕ニトリロトリスメチレンホスホン酸
〔A′−6〕ジエチレントリアミンペンタキスメチレンホスホン酸
〔A′−7〕ジエチレントリアミン五酢酸
〔A′−8〕エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸
〔A′−9〕ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸
〔A′−10〕エチレンジアミンジプロピオン酸
〔A′−11〕エチレンジアミンジ酢酸
〔A′−12〕ヒドロキシエチルイミノジ酢酸
〔A′−13〕ニトリロトリ酢酸
〔A′−14〕ニトリロ三プロピオン酸
〔A′−15〕トリエチレンテトラミン六酢酸
〔A′−16〕エチレンジアミン四プロピオン酸
〔A′−17〕β−アラニンジ酢酸
前記有機酸第2鉄錯塩の添加量は漂白液又は漂白定着液1l当り0.01モル〜2.0モルの範囲で含有することが好ましく、より好ましくは0.05〜1.5モル/lの範囲である。従って、固形処理剤は処理槽中の漂白液又は漂白定着液の有機酸第2鉄錯塩の濃度が上記範囲になる様に調整することが必要である。
【0157】
漂白剤、漂白定着剤及び定着剤には、特開昭64−295258号明細書に記載のイミダゾール及びその誘導体又は同明細書記載の一般式[I]〜[IX]で示される化合物及びこれらの例示化合物の少なくとも一種を含有することにより迅速性に対して効果を奏しうる。
【0158】
上記の促進剤の他、特開昭62−123459号明細書の第51頁から第115頁に記載の例示化合物及び特開昭63−17445号明細書の第22頁から第25頁に記載の例示化合物、特開昭53−95630号、同53−28426号公報記載の化合物等も同様に用いることができる。
【0159】
漂白剤又は漂白定着剤には、上記以外に臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物、各種の蛍光増白剤、消泡剤あるいは界面活性剤を含有せしめることもできる。
【0160】
本発明における定着剤又は漂白定着剤に用いられる定着主剤としては、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩が好ましく用いられる。チオシアン酸塩の含有量は少なくとも定着液又は漂白定着液1l当り0.1モル/l以上が好ましく、カラーネガフィルムを処理する場合、より好ましくは0.5モル/l以上であり、特に好ましくは1.0モル/l以上である。またチオ硫酸塩の含有量は少なくとも0.2モル/l以上が好ましく、カラーネガフィルムを処理する場合、より好ましくは0.5モル/l以上である。また本発明においては、チオシアン酸塩とチオ硫酸塩を併用することにより更に効果的に本発明の目的を達成できる。
【0161】
本発明に用いられる定着剤又は漂白定着剤には、これら定着主剤の他に各種の塩から成るpH緩衝剤を単独或いは2種以上含むことができる。さらにアルカリハライドまたはアンモニウムハライド、例えば臭化カリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化アンモニウム等の再ハロゲン化剤を多量に含有させることが望ましい。またアルキルアミン類、ポリエチレンオキサイド類等の通常定着剤又は漂白定着剤に添加することが知られている化合物を適宜添加することができる。
【0162】
定着剤または漂白定着剤には、特開昭64−295258号明細書第56頁に記載の下記一般式[FA]で示される化合物及びこの例示化合物を添加するのが好ましく、本発明の効果をより良好に奏するばかりか、少量の感光材料を長期間にわたって処理する際に定着能を有する処理液中に発生するスラッジも極めて少ないという別なる効果が得られる。
【0163】
【化40】
【0164】
同明細書記載の一般式[FA]で示される化合物は米国特許3,335,161号明細書及び米国特許3,260,718号明細書に記載されている如き一般的な方法で合成できる。これら、前記一般式[FA]で示される化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、また2種以上組合せて用いてもよい。
【0165】
また、これら一般式[FA]で示される化合物の添加量は定着液又は漂白定着液1l当り0.1g〜200gの範囲で好結果が得られる。
【0166】
本発明において安定液には第2鉄イオンに対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤を含有することが好ましい。ここにキレート安定度定数とは、L.G.Sillen・A.E.Martell著、”Stability Constants of Metal−ion Complexes”,TheChemical Society,London(1964)。S.Chaberek・A.E.Martell著、”Organic Sequestering Agents”,Wiley(1959)等により一般に知られた定数を意味する。
【0167】
第2鉄イオンに対するキレート安定度定数が8以上であるキレート剤としては特願平2−234776号、同1−324507号等に記載のものが挙げられる。
【0168】
上記キレート剤の使用量は安定液1l当り0.01〜50gが好ましく、より好ましくは0.05〜20gの範囲で良好な結果が得られる。
【0169】
また安定液に添加する好ましい化合物としては、アンモニウム化合物が挙げられる。これらは各種の無機化合物のアンモニウム塩によって供給される。アンモニウム化合物の添加量は安定液1l当り0.001モル〜1.0モルの範囲が好ましく、より好ましくは0.002〜2.0モルの範囲である。
【0170】
さらに安定剤には亜硫酸塩を含有させることが好ましい。
【0171】
さらにまた安定液には前記キレート剤と併用して金属塩を含有することが好ましい。かかる金属塩としては、Ba,Ca,Ce,Co,In,La,Mn,Ni,Bi,Pb,Sn,Zn,Ti,Zr,Mg,Al又はSrの金属塩があり、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等の無機塩又は水溶性キレート剤として供給できる。使用量としては安定液1l当り1×10-4〜1×10-1モルの範囲が好ましく、より好ましくは4×10-4〜2×10-2モルの範囲である。
【0172】
また安定液には、有機酸塩(クエン酸、酢酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸等)、pH調整剤(リン酸塩、ホウ酸塩、塩酸、硫酸塩等)等を添加することができる。なお本発明においては公知の防黴剤を本発明の効果を損なわない範囲で単用又は併用することができる。
【0173】
又、安定液には脱イオン水を用いることが好ましく、更に低補充化の為に逆浸透膜を用い、塩濃度の高い液を定着又は漂白定着液、安定液の最前槽に戻し、塩濃度の低い液を安定液の最終槽に戻す方法等も本発明を実施する上での好ましい態様である。
【0174】
本発明の白黒用現像錠剤に用いることができる現像主薬としては、レダクトン類、特にアスコルビン酸及び/又はエリソルビン酸(立体異性)及びそれらの塩を含有することが好ましい。
【0175】
更に以下のような現像主薬を含有しても良い。ジヒドロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロモハイドロキノン、ジクロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸カリウム、ハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウムなど)3−ピラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−アセチル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−(2−ベンゾチアゾール)−3−ピラゾリドン、3−アセトキシ−1−フェニル−3−ピラゾリドンなど)、アミノフェノール類(例えば、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−メチル−o−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノールなど)、1−アリル−3−アミノピラゾリン類(例えば、1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−メチルアミノフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−アミノ−m−メチルフェニル)−3−アミノピラゾリンなど)、ピラゾロン類(例えば、4−アミノピラゾロン)など、或いはこれらの混合物などが挙げられる。
【0176】
現像錠剤は亜硫酸塩及び/又はメタ重亜硫酸塩を含有することが好ましい。更に錠剤を溶解し現像液とした場合の液中の亜硫酸塩量は0.05モル/リットル以上0.3モル/リットル未満、更に0.1モル/リットル以上0.3モル/リットル未満が好ましい。
【0177】
その他、緩衝剤として(例えば炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカノールアミンなど)、アルカリ剤、溶解助剤(ポリエチレングリコール類、及びこれらのエステルなど)、pH調整剤(例えばクエン酸のごとき有機酸など)、増感剤(例えば四級アンモニウム塩など)、現像促進剤、硬膜剤(例えばグルタールアルデヒドなどのジアルデヒド類)、界面活性剤、更にカブリ防止剤としてアゾール系有機カブリ防止剤(例えばインダゾール系、イミダゾール系、ベンツイミダゾール系、トリアゾール系、ベンツトリアゾール系、テトラゾール系、チアジアゾール系)、処理液に用いられる水道水中に混在するカルシウムイオンを隠蔽するための隠蔽剤ヘキサメタ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸カルシウム、ポリ燐酸塩、ヂエチレントリアミン5酢酸等を含有させても良い。更に銀汚れ防止剤、例えば特開昭56−24347号記載の化合物を用いることもできる。
【0178】
現像錠剤で得られる現像液のpHは10.5以下の範囲のものが好ましく、更に好ましくは9〜10.0の範囲である。
【0179】
現像錠剤で得られる現像液には、特開昭56−106244号に記載のアルカノールアミンなどのアミノ化合物を用いることができる。
【0180】
この他、本発明の現像錠剤で得られる現像液にはL.F.A.メソン著「フォトグラフィック・プロセッシング・ケミストリー」フォーカル・プレス社刊(1966年)の22〜229頁、米国特許第2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48−64933号などに記載のものを用いてよい。
【0181】
一方、アルカリ剤としては緩衝作用を有する炭酸塩が好ましい。炭酸塩としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等が挙げられる。更に、現像処理液中の炭酸塩量は、0.3モル/リットル以上0.8モル/リットル未満が好ましい。
【0182】
次に本発明に用いられる定着液について述べる。
【0183】
本発明に用いられる定着液は、固体処理剤を調製し、溶解して調液することが好ましい。定着剤としては、定着主薬としてチオ硫酸塩を含有することが好ましい。チオ硫酸塩は、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムの塩として用いられるが、好ましくは、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウム塩として用いることにより、定着速度の速い定着液が得られる。
【0184】
その他、定着主薬として沃化物塩やチオシアン酸塩なども用いることができる。本発明に用いられる定着液は、亜硫酸塩を含有する。亜硫酸塩としては、固体リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられる。
【0185】
本発明に用いられる定着液は、水溶性クロム塩又は水溶性アルミニウム塩等を含有しても良い。水溶性クロム塩としてはクロム明ばんなどが挙げられ、水溶性アルミニウム塩としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウム、塩化アルミニウムなどを挙げることができる。
【0186】
本発明に用いられる定着液は酢酸イオンを含有する。酢酸イオンの種類は任意で、定着液中での酢酸イオンを解離する任意の化合物に対して本発明は適用できるが、酢酸や酢酸のリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましく用いられ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。
【0187】
更に、クエン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸、フェニル酢酸及びこれらの光学異性体などが含まれてもよい。
【0188】
これらの塩としては例えばクエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、りんご酸ナトリウム、りんご酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウムなどに代表されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましい物として挙げられる。
【0189】
前記化合物の中でより好ましいものとしては、クエン酸、イソクエン酸、りんご酸、フェニル酢酸及びこれらの塩である。その他の酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、硼酸のような無機酸の塩や、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、りんご酸などの有機酸類などが挙げられるが、好ましくは硼酸、アミノポリカルボン酸類などの酸及び塩である。
【0190】
キレート剤としては、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類及びこれらの塩などが挙げられる。
【0191】
界面活性剤としては、例えば硫酸エステル化物、スルホン化物などのアニオン活性剤、ポリエチレングリコール系、エステル系などのノニオン界面活性剤、両性活性剤などが挙げられる。湿潤剤としては、例えばアルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。
【0192】
定着促進剤としては、チオ尿素誘導体、分子内に三重結合を有するアルコール、チオエーテルなどが挙げられる。
【0193】
定着液はpH3.8以上、好ましくは4.2〜5.5を有する。
【0194】
更に、本発明に係わる処理中の補充量は現像液、定着液共に20ml/4ツ切以下が廃液量低減と言う意味で好ましく、更には、15ml/4ツ切が好ましい。
【0195】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0196】
実施例1
以下の操作に従い本発明の印産定着剤を作製した。ただし、添加水は添加するオクタンスルホン酸ソーダの量を変化して、表1に記載のように添加水の表面張力を調整した。
【0197】
印刷定着剤
(1)顆粒剤A1の作製
1群
チオ硫酸アンモニウム 113.43kg
重亜硫酸ソーダ 10.89kg
亜硫酸ソーダ 0.78kg
パインフロー 7.0kg
2群
無水亜硫酸ソーダ 14.0kg
3群
オクタンスルホン酸ソーダ 2.02kg
添加水
純粋 14.0kg
オクタンスルホン酸ソーダ 表1記載の添加水の表面張力になる量
《操作1》
三井ヘンシェルミキサーFM−500J(三井金属(株)製)に1群を加え、回転数440rpmで1分間プレ混合した。
【0198】
《操作2》
次に、添加水を回転数440rpmで約1.0分の速さで添加しながら練合した。
【0199】
《操作3》
次に、2群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0200】
《操作4》
次に、3群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0201】
このようにして、顆粒剤A1を作製した。
【0202】
(2)顆粒剤B1の作製
1群
コハク酸 39.6kg
酒石酸 9.0kg
硼酸 18.0kg
ソルビトール 3.45kg
マンニトール 7.5kg
2群
乾燥硫酸アルミニウム 34.5kg
無水硫酸ソーダ 30.0kg
3群
オクタンスルホン酸ソーダ 2.16kg
4群
PEG#4000 2.25kg
添加水
純粋 439.8g
オクタンスルホン酸ソーダ 表1記載の添加水の表面張力になる量
《操作1》
三井ヘンシェルミキサーFM−500J(三井金属(株)製)に1群を加え、回転数220rpmで約30秒間プレ混合した。
【0203】
《操作2》
次に、添加水を回転数220rpmで約1.5分の速さで添加しながら練合した。
【0204】
《操作3》
次に、2群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0205】
《操作4》
次に、3群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0206】
《操作5》
次に、4群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0207】
このようにして、顆粒剤B1を作製した。
【0208】
《連続バッチ数》
上記の操作を、10バッチ連続造粒し、造粒バッチ間で水洗が不必要なバッチが、どのくらい連続できたかを評価した。
【0209】
《顆粒剤の125μm以下の微粉末重量率》
作製した顆粒剤の125μm以下の重量率(微粉末量率)を測定した。
【0210】
《溶解のようす、溶解時間》
顆粒剤A1:190gをアルミニウム袋に入れ密封した。
【0211】
顆粒剤B1:48.82gをアルミニウム袋に入れ密封した。
【0212】
これらの顆粒剤を60℃10日間高温保存した後、開封し、まず顆粒剤A1、次に顆粒剤B1の順で、水約800mlに溶解し、そのときの溶解のようす及び溶解時間について測定した。
【0213】
溶解のようす
◎:アルミニウム袋開封時、粉の飛散はない。溶解もスムーズである
○:アルミニウム袋開封時、極微量の粉の飛散はあったが作業上マスクは必要ない。溶解もスムーズである
△:アルミニウム袋開封時、微量の粉の飛散があり、作業するときマスクをした方がよい。凝集した固まりも数多くあり、溶解時に固まりが底にたまっている。しかし実用上は問題なし
×:アルミニウム袋開封時、粉の飛散があり、マスクが必要である。凝集した顆粒の固まりも多く問題である
××:「×」の数が多くなると粉の飛散量が多くなる。また凝集した顆粒剤の固まりも多く溶解に時間がかかる。
【0214】
以上の結果を表1に示す。
【0215】
【表1】
【0216】
表1より明らかなように、本発明の添加水を用いた場合に、造粒直後の微粉末量、高温保存後の溶解のようす及び溶解時間が著しく改善されていることがわかる。
【0217】
実施例2
実施例1で作製した顆粒剤A1および顆粒剤B1を用いて、菊水製作所製タフプレスコレクト1527HU(錠剤製造機、打錠機)により、1錠あたりの重量がそれぞれ錠剤A1:10.5g、B剤:10.3g、いずれも直径30mmの錠剤A1、錠剤B1をそれぞれ作製した。
【0218】
《評価方法》
《打錠時の様子》
打錠時の杵付着、杵軋みの様子を観察し、「打錠時の様子」を下記のように評価した。
【0219】
◎:杵付着なく、杵軋みなく非常に良好
○:杵付着が極々微量あるが問題なし、杵軋みなく良好
△:杵付着あるが実用上問題なし、杵軋みなし
×:杵付着あり実用上問題である、また多少杵軋みあり
××:「×」の数が多くなると杵付着量が多くなり、また杵軋みもひどくなる
《保存後のクッツキ、溶解性》
また、作製した錠剤をアルミニウムバックに錠剤A1:18個、錠剤B1:5個を、それぞれ別々に入れた試料と、それぞれを混合して入れた試料とを作製し、密封し、60℃で10日間保存した。保存後、アルミニウムバックを開封して、錠剤のクッツキの数、および、まず錠剤A1、次に錠剤B1の順で、水約800mlに溶解し、そのときの溶解時間、溶解時の様子を観察し、「保存後のクッツキ、溶解性」を下記のように評価した。
【0220】
◎:クッツキなし、溶解良好
○:弱いクッツキがあるが、溶解に問題なし
△:クッツキ錠剤が2組〜5組あったが、溶解には問題なし
×:クッツキ錠剤の量が10組以上で、溶解時底部に固まり問題である
××:「×」の数が多くなると、クッツキの状態がより悪いことを示す
以上の結果を表2に示す。
【0221】
【表2】
【0222】
表2より明らかなように、本発明は、打錠時の付着および高温保存後のクッツキ、溶解性に効果を奏していることがわかる。
【0223】
実施例3
以下のように医用現像剤を作製した。
【0224】
(1)現像剤A2の作製
1群
グルタルアルデヒド重亜硫酸ソーダ 6063g
重亜硫酸ソーダ 15000g
エルビットN(イソエリソルビン酸ソーダ) 50000g
ピラゾリドン−A(フェニドン) 4500g
N−アセチル−ペニシラミン 100g
ソルビトール(粉) 2500g
添加水
純水
添加水の表面張力及び粉体に対する割合が表3記載のようになる量
オクタンスルホン酸ソーダ
添加水の表面張力及び粉体に対する割合が表3記載のようになる量
ソルビットL−70(64%水溶液) 5859g
(操作1)
岡田精工(株)製・スピードニーダNSK−750SJ型に1群を添加し、回転数150rpmで3分間プレ混合した。
【0225】
(操作2)
添加水を回転数150rpmで約2分40秒かけ添加しながら練合した。
【0226】
(操作3)
造粒した顆粒を取り出し、大河原(株)製・旋回流動乾燥機スリットフローに入れ、温度50℃の乾燥空気で含水率1.0%以下になるまで乾燥した。
【0227】
(操作4)
乾燥した顆粒を、岡田精工(株)製・スピードミルND−75Sで1mmのフィルターを付け整粒した。
【0228】
このように作製した顆粒を現像剤A2の顆粒剤A2とする。
【0229】
(2)現像剤B2の作製
1群
炭酸カリウム 64100g
DTPA−5H 1436g
MSPMT 316g
D−マンニトール 14340g
ソルビトール(粉) 3667
添加水
純水
添加水の表面張力及び粉体に対する割合が表3記載のようになる量
オクタンスルホン酸ソーダ
添加水の表面張力及び粉体に対する割合が表3記載のようになる量
ヨウ化カリウム 50.1g
B−4533 71.6g
(操作1)
岡田精工(株)製・スピードニーダNSK−750SJ型に1群を添加し、回転数150rpmで3分間プレ混合した。
【0230】
(操作2)
添加水を回転数150rpmで約2分40秒かけ添加しながら練合した。
【0231】
(操作3)
造粒した顆粒を取り出し、大河原(株)製・旋回流動乾燥機スリットフローに入れ、温度50℃の乾燥空気で含水率1.0%以下になるまで乾燥した。
【0232】
(操作4)
乾燥した顆粒を、岡田精工株製・スピードミルND−75Sで1mmのフィルターを付け整粒した。
【0233】
このように作製した顆粒を現像剤B2の顆粒剤B2とする。
【0234】
《評価方法》
《連続バッチ数》
上記の操作を10バッチ連続造粒し、造粒バッチ間で水洗が不必要なバッチがどのくらい連続できたか評価した。
【0235】
《造粒直後の125μm以下の微粉末重量率》
作製した顆粒剤の造粒直後の125μm以下の微粉末の重量率を測定した。
【0236】
《溶解のようす》
顆粒剤A2:190gをアルミニウム袋に入れ密封した。
【0237】
顆粒剤B2:48.82gをアルミニウム袋に入れ密封した。
【0238】
これらの顆粒剤を60℃10日間高温保存した後、開封し、約水800mlに顆粒剤A2、顆粒剤B2の順でそれぞれを溶解し、そのときの溶解のようす及び溶解時間について測定した。
【0239】
溶解のようす
◎:アルミニウム袋開封時、粉の飛散はない。溶解もスムーズである
○:アルミニウム袋開封時、極微量の粉の飛散はあったが作業上マスクは必要ない。溶解もスムーズである
△:アルミニウム袋開封時、微量の粉の飛散があり、作業するときマスクをした方がよい。凝集した固まりも数多くあり、溶解時に固まりが底にたまっている。しかし実用上は問題なし
×:アルミニウム袋開封時、粉の飛散があり、マスクが必要である。凝集した顆粒の固まりも多く、溶解に問題である
××:「×」の数が多くなると粉の飛散量が多くなる。また凝集した顆粒剤の固まりも多く溶解に時間がかかる。
【0240】
【表3】
【0241】
【表3】
【0242】
表3より明らかなように、本発明の添加水を用いると造粒直後の微粉末の量、高温保存後の溶解の様子及び溶解時間が著しく改善されることが分かる。
【0243】
また、添加水の粉体に対する割合が5%以下の時、連続造粒性が良好に奏する事が分かる。
【0244】
実施例4
実施例3で作製した顆粒剤A2及び顆粒剤B2を各々菊水製作所タフプレスコレクト1527HUで1錠あたりの重量が錠剤A2:10.30g、錠剤B2:12.65g、それぞれ直径30mmの錠剤をそれぞれ作製した。
【0245】
《評価方法》
《打錠時の様子》
打錠時の杵付着、杵軋みの様子を観察し、「打錠時の様子」を下記のように評価した。
【0246】
◎:杵付着なく、杵軋みなく非常に良好
○:杵付着が極々微量あるが問題なし、杵軋みなく良好
△:杵付着あるが実用上問題なし、杵軋みなし
×:杵付着あり実用上問題である、また多少杵軋みあり
××:「×」の数が多くなると杵付着量が多くなり、また杵軋みもひどくなる
《保存後のクッツキ、溶解性》
また、作製した錠剤をアルミニウムバックに錠剤A2:18個、錠剤B2:5個を、それぞれ別々に入れた試料と、それぞれを混合して入れた試料とを作製し、密封し、60℃で10日間保存した。保存後、アルミニウムバックを開封して、錠剤のクッツキの数、および、まず錠剤A2、次に錠剤B2の順で、水約800mlに溶解し、そのときの溶解時間、溶解時の様子を観察し、「保存後のクッツキ、溶解性」を下記のように評価した。
【0247】
◎:クッツキなし、溶解良好
○:弱いクッツキがあるが、溶解に問題なし
△:クッツキ錠剤が2組〜5組あったが、溶解には問題なし
×:クッツキ錠剤の量が10組以上で、溶解時底部に固まり問題である
××:「×」の数が多くなると、クッツキの状態がより悪いことを示す
以上の結果を表4、表5に示す。
【0248】
【表4】
【0249】
【表5】
【0250】
表4、表5より明らかなように、本発明は効果を良好に奏する事が分かる。
【0251】
実施例5
以下のようにカラーペーパ用現像剤を作製した。
【0252】
(1)現像剤A3の作製
1群
炭酸カリウム 50.82kg
亜硫酸ソーダ 0.54kg
DTPA−5Na 9.24kg
PTS−Na 20.02kg
DSEHA 12.47kg
Tinopal SFP 4.62kg
LiOH・H2O 5.39kg
D−Mannitol 7.7kg
PEG#4000 15.4kg
2群
CD−3 22.33kg
3群
アラノンAMP 1.49kg
添加水
純水 439.8g
オクタンスルホン酸ソーダ 表5記載の添加水の表面張力になる量
(操作1)
三井ヘンシェルミキサー FM−500J(三井金属株製)に1群を加え回転数220rpmで約30秒プレ混合した。
【0253】
(操作2)
添加水を回転数220rpmで約1.5分のスピードで添加しながら練合した。
【0254】
(操作3)
2群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0255】
(操作4)
3群を添加し、回転数220rpmで30秒間混合した。
【0256】
このようにして現像剤A3の顆粒剤A3を作製した。
【0257】
《評価方法》
《連続バッチ数》
上記の操作を10バッチ連続造粒し、造粒バッチ間で水洗が不必要なバッチがどのくらい連続できたか評価した。
【0258】
《造粒直後の125μm以下の微粉末重量率》
作製した顆粒剤の造粒直後の125μm以下の微粉末の重量率を測定した。
【0259】
《溶解のようす》
顆粒剤A3:97.42gをアルミニウム袋に入れ密封した。
【0260】
この顆粒剤を60℃10日間高温保存した後、開封し、約水800mlに顆粒剤A3をそれぞれ溶解し、そのときの溶解のようす及び溶解時間について測定した。
【0261】
溶解のようす
◎:アルミニウム袋開封時、粉の飛散はない。溶解もスムーズである
○:アルミニウム袋開封時、極微量の粉の飛散はあったが作業上マスクは必要ない。溶解もスムーズである
△:アルミニウム袋開封時、微量の粉の飛散があり、作業するときマスクをした方がよい。凝集した固まりも数多くあり、溶解時に固まりが底
にたまっている。しかし実用上は問題なし
×:アルミニウム袋開封時、粉の飛散があり、マスクが必要である。凝集した顆粒の固まりも多く、溶解に問題である
××:「×」の数が多くなると粉の飛散量が多くなる。また凝集した顆粒剤の固まりも多く溶解に時間がかかる。
【0262】
以上の結果を表6に示す。
【0263】
【表6】
【0264】
表6より明らかなように、本発明が効果を奏している事が分かる。
【0265】
実施例6
実施例5で作製した顆粒剤A3を菊水製作所タフプレスコレクト1527HUで1錠あたりの重量が:11.0g、直径30mmの錠剤A3を作製した。
【0266】
《評価方法》
《打錠時の様子》
打錠時の杵付着、杵軋みの様子を観察し、「打錠時の様子」を下記のように評価した。
【0267】
◎:杵付着なく、杵軋みなく非常に良好
○:杵付着が極々微量あるが問題なし、杵軋みなく良好
△:杵付着あるが実用上問題なし、杵軋みなし
×:杵付着あり実用上問題である、また多少杵軋みあり
××:「×」の数が多くなると杵付着量が多くなり、また杵軋みもひどくなる
《保存後のクッツキ、溶解性》
また、作製した錠剤をアルミニウムバックに錠剤A3:18個を入れ、密封し、60℃で10日間保存した。保存後、アルミニウムバックを開封して、錠剤のクッツキの数、および、錠剤A3を水約800mlに溶解し、そのときの溶解時間、溶解時の様子を観察し、「保存後のクッツキ、溶解性」を下記のように評価した。
【0268】
◎:クッツキなし、溶解良好
○:弱いクッツキがあるが、溶解に問題なし
△:クッツキ錠剤が2組〜5組あったが、溶解には問題なし
×:クッツキ錠剤の量が10組以上で、溶解時底部に固まり問題である
××:「×」の数が多くなると、クッツキの状態がより悪いことを示す
以上の結果を表7に示す。
【0269】
【表7】
【0270】
表7より明らかなように、本発明の錠剤は効果を良好に奏する事が分かる。
【0271】
【発明の効果】
本発明により、湿式攪拌造粒方式で固体処理剤を生産するにおいて、連続生産安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法を提供すること、特には、保存安定性に優れかつ溶解性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用顆粒状または錠剤状固体処理剤の高速連続生産安定性に優れた製造方法を提供することができた。
Claims (6)
- 湿式攪拌造粒にて製造されるハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤において、該湿式攪拌造粒に使用する添加水の表面張力が60dyn/cm以下であり、かつ、前記添加水が下記一般式〔I〕〜〔 VI 〕で表される化合物(界面活性剤)から選ばれる少なくとも1種を含有し、かつ、前記添加水が、添加される固体量に対して5wt%以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
一般式〔VI〕
R−(O)xSyOzM
〔式中、Rは置換又は無置換の脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表し、xは0又は1、yは1又は2、zは2〜8の整数を表し、Mはカチオンを表す。但し、一般式〔VI〕で表される化合物はヒドロキシルアミノ基を有することはない。〕 - 前記固体処理剤が少なくとも下記化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
炭酸カリウム、p−フェニレンジアミン誘導体、ポリアミノカルボン酸の鉄塩、チオ硫酸塩、ハイドロキノン、硫酸アルミニウム塩 - 前記添加水の量が添加される固体量に対して1wt%以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
- 前記固定処理剤が顆粒剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
- 前記固体処理剤が錠剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
- 更に、造粒した固体処理剤を加熱乾燥しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
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