JP2005165174A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法及びハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法及びハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、錠剤の粉落ちが改良され、錠剤投入装置適性を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法及びハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法を提供することである。
【解決手段】 粉体である原材料に対し熱を付加する手段と、該原材料を撹拌する手段とを用いて撹拌造粒を行うハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法において、該原材料を構成する成分の総質量に対して、結合剤を1.0質量%以上、15.0質量%以下含有し、JIS標準飾の115mesh(125μm)を通過する粒子比率が80質量%以上となるように調整した該結合剤を用いて撹拌造粒し、該攪拌造粒時に実質的に外部から水または溶媒を添加せず、かつ該原材料を該結合剤の融点以上の温度に加熱して製造することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法及びハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法に関するものである。
ハロゲン化銀写真感光材料は、像様に露光が施された後、発色現像、脱銀、洗浄、安定化等の各処理工程を経て処理される。この処理は、通常自動現像機で行われ、処理液の活性度を一定に保つように補充液で補充する方法が一般に広く用いられている。補充液の補充は、ハロゲン化銀写真感光材料からの溶出物の希釈、蒸発量の補正及び消費成分の補充を目的としている。このような補充処理剤は、濃縮溶液の状態で製造、輸送、保管され、使用時には一定量の水で希釈して補充液として用いられる。しかし、液体処理剤の容器として用いられているプラスチックボトルは、液体危険物の輸送に対する安全性や使用後の廃棄に対する規制が強化されてきている状況にあり、業界では、ボトルを使用しない固体処理剤の使用が普及しはじめている。
一般に、錠剤型の固体処理剤の製造方法としては、処理剤の構成成分を混合し、直接圧縮する直接打錠法や、攪拌造粒機を使用し、結合剤を添加し造粒、乾燥、整粒等の工程を経て打錠用顆粒を製造する方法、更に、近年では、流動層造粒乾燥機を使用し打錠用顆粒を製造し、圧縮打錠する間接打錠法等が知られている。
上記攪拌造粒機を使用し、原材料の1つとして結合剤を添加して、造粒・乾燥・整粒等の工程を経て打錠用顆粒を製造する攪拌造粒法としては、一般的は、混合槽内に挿入された原材料に、外部から液体(この場合は、水あるいは有機溶媒、あるいは、種々の結合剤を水、有機溶媒に溶解した溶液などを指す)を添加し、種々の形状をした撹拌羽根を回転させることにより、剪断、転動、圧密作用などを与えて目的とする造粒物を得る方法である。このような撹拌造粒では、外部より添加された液体が撹拌羽根により分散されることで凝集力を生じ、造粒が進行するものである。
ハロゲン化銀写真感光材料用の固体処理剤の製造方法としては、例えば、層内温度を20℃以上、80℃以下の温度で、特定の質量平均粒径を有する粉粒体を、気流により流動層状態に保ち結合水を用いて噴霧造粒する流動層造粒法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、水または溶媒に溶かした融点が40℃以上、80℃以下である水溶性結合剤を含有する粉体原料を、湿式攪拌造粒し、得られた造粒物を流動層により水溶性結合剤の融点以上、80℃以下の温度で乾燥する湿式攪拌造粒法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
上述のような湿式攪拌造粒法では、結合剤の溶解において多くの水または溶媒を必要とするため、余分の水または溶媒を除去する乾燥工程を必要とするため、製造コストの負荷が大きかった。また、上述の様に液体を添加して造粒する場合には、如何に液体を均一分散するかが、造粒の均一性を支配する重要な因子である。しかしながら、水溶性の原材料によって製造されるハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の場合、水あるいは溶媒を添加した後、均一分散する以前から粉体同士が凝集し造粒が始まってしまうため、外部から液体を添加する方式では、均一分散性には限界があった。このため、造粒の進行が不均一になり、造粒不足により微粉末が残ってしまったり、一方では、造粒過多により粗大粒子ができてしまったりする。具体的には、微粉末が多い顆粒は、流動性が悪く、またブロッキングを起こしやすいため、取り扱い性の悪い。また、粗大粒子が多いの顆粒は、溶解性が悪く、圧縮成型し錠剤化にする場合の成形性が悪くなる。このため、微粉末や粗大粒子を含む顆粒については、篩い分けをしなければならず、不良品歩留まりが増えるため、製造コストの負荷にもつながってしまう。
前記課題に対し、結晶水を含む発色現像主薬粉体を原材料として用意する工程、粉体原材料を加温する工程、粉体原材料を加圧する工程、各工程によって加温、加圧されて造粒された材料を冷却する工程とからなる発色現像主薬の造粒方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。この方法では、水または溶媒を添加しないため、乾燥工程を必要とはしないが、新たに加圧手段が必要となり、設備的な負荷が増え、製造工程並びにコスト負荷の低減には依然としてつながらなかった。
また、上記で提案されている方法に従って作製した顆粒を用いて圧縮成型により錠剤を作製した結果、錠剤の粉落ちの量が多く、自動現像機の錠剤投入装置において錠剤の投入詰まりや投入装置内に粉が付着し、それに起因した錠剤投入装置の故障といった別なる問題が発生することが判明した。
また、写真用固体処理剤の製造において、水または溶媒を添加しない造粒方法の提案がなされている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら特許文献4に記載の方法では、用いる結剤の粒径に関する記載は一切なく、かつ錠剤の粉落ちに関し、全く言及がなされていない。
特開平8−137057号公報 (特許請求の範囲) 特開平8−146566号公報 (特許請求の範囲) 特開2002−72423号公報 (特許請求の範囲) 特開2000−284425号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、錠剤の粉落ちが改良され、錠剤投入装置適性を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法及びハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
粉体である原材料に対し熱を付加する手段と、該原材料を撹拌する手段とを用いて撹拌造粒を行うハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法において、該原材料を構成する成分の総質量に対して、結合剤を1.0質量%以上、15.0質量%以下含有し、JIS標準飾の115mesh(125μm)を通過する粒子比率が80質量%以上となるように調整した該結合剤を用いて撹拌造粒し、該攪拌造粒時に実質的に外部から水または溶媒を添加せず、かつ該原材料を該結合剤の融点以上の温度に加熱して製造することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
(請求項2)
前記原材料を構成する前記結合剤を除く成分の少なくとも1つが、炭酸塩、チオ硫酸塩及びアミノポリカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
(請求項3)
前記結合剤が、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
(請求項4)
前記原材料に、前記結合剤の融点以上で下記一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物から選ばれる少なくとも1つを、水または溶媒に溶解せずに、直接添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
Figure 2005165174
〔式中、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和または不飽和のアルキル基を表し、X0はスルホンアミド、
Figure 2005165174
を表し、Y0はアルキレンオキサイド基、アルキレン基を表し、Rf′は少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和または不飽和の炭化水素基を表す。Aは−SO3M、−OSO3M、−COOM、−OPO3(M1)(M2)、または−PO3(M1)(M2)で表される親水基を表し、M、M1、M2は各々H、Li、K、NaまたはNH4を表し、mは0または1、nは0または1〜10の整数を表す。〕
Figure 2005165174
〔式中、R1はアルキル基またはアルケニル基を表し、R2は水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R3及びR4は、各々独立に水素原子、水酸基、アルキル基または−COOM4(M4は水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を表し、Xは−CO−または−SO2−を表し、Yは−O−、−S−または−CONR5−(R5は水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)を表し、M3は水素原子またはアルカリ金属原子を表し、pは0または1、m1は0〜2の整数、n1は1〜3の整数を表す。〕
Figure 2005165174
〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は各々アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、スチリル基またはシンナミル基を表し、p1、p2、p3、p4及びp5は各々0または1の整数を表し、n2は2〜100の整数を表す。但し、R3がアルキル基で、かつp3が1の場合は、p1、p2、p4及びp5の少なくとも1つが1である。p1〜p5が0のときは、対応するR1、R2、R3、R4及びR5は各々水素原子である。〕
Figure 2005165174
〔式中、Rは炭素数4〜25の直鎖または分岐状の置換基を有してもよいアルキル基または
Figure 2005165174
を表す(但し、R11及びR12は各々水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、p10は0〜4の整数を表す)。n3及びm3は各々0または1〜25の整数を表すが、同時に0にはならない。A3及びB3は各々
Figure 2005165174
を表し、同一でもまた異ったものでもよい。但し、n11、m11及びp11は各々0、1、2または3を表すが、A3及びB3におけるn11及びm11が同時に0にはならず、n3またはm3が0のときはm11は0にはならない。〕
Figure 2005165174
〔式中、R21は1価の有機基を表し、R22はエチレン基またはプロピレン基を表し、m21は4〜50の整数を表す。X21は水素原子、−SO321または−PO321を表す。ここでM21は水素原子、アルカリ金属原子または−NH4を表す。〕
一般式〔VI〕
6−(O)xyz6
〔式中、R6は置換または無置換の脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表し、xは0または1、yは1または2、zは2〜8の整数を表し、M6はカチオンを表す。〕
(請求項5)
前記撹拌造粒に用いる製造装置が、剪断力の有する混合装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法により作製した顆粒を、圧縮成型して錠剤化することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法。
本発明によれば、錠剤の粉落ちが改良され、錠剤投入装置適性を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法及びハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、粉落ちを起こさないハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法(以下、単に本発明の固体処理剤の製造方法ともいう)に関し鋭意検討を行った結果、粉体である原材料に対し熱を付加する手段と、該原材料を撹拌する手段とを用いて撹拌造粒を行うハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法において、該原材料を構成する成分の総質量に対して、結合剤を1.0質量%以上、15.0質量%以下含有し、JIS標準飾の115mesh(125μm)を通過する粒子比率が80質量%以上となるように調整した該結合剤を用いて撹拌造粒し、該攪拌造粒時に実質的に外部から水または溶媒を添加せず、かつ該原材料を該結合剤の融点以上の温度に加熱して製造するハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法により、粉落ちの発生を低減でき、その結果、これを用いて錠剤化を行うことにより、自動現像機等における錠剤投入不良等を防止できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、結合剤を含む原材料を顆粒化する製造方法において、結合剤の粒子径を最適化した後、結合剤の融点以上の温度に加熱して溶融造粒して顆粒化することにより、特に、それを用いて圧縮成型して作製したハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤(以下、単に錠剤ともいう)は、衝撃等に対する耐久性が向上し、粉落ち等の発生が抑制できたものである。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の固体処理剤の製造方法は、粉体である原材料に対し熱を付加する手段と、該原材料を撹拌する手段とを用いて撹拌造粒を行う方法であり、撹拌造粒過程で、実質的に外部からの水または溶媒の供給を必要とせずに、原材料を結合剤の融点以上の温度に加熱して顆粒を形成する造粒方法である。
はじめに、本発明に係る固体処理剤を構成する各原材料について説明する。
本発明に係る結合剤は、固体処理剤を構成する原材料の全質量の1.0質量%以上、15.0質量%以下含有し、JIS標準飾の115mesh(125μm)を通過する粒子比率が80質量%以上となるように調整したものである。
本発明に係る結合剤は、水溶性高分子または糖類であることが好ましく、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセテート、アクリル酸−アクリル酸エステル系共重合体、アクリル酸−アクリルアミド系共重合体、アクリル酸系ベタイン型共重合体、セルロース類、デキストリン類、デキストラン類、二糖類、単糖類などが挙げられ、具体的化合物としては、ポリビニルピロリドンK−17(例えば、BASF製ルビスコールK−17)、ソルビット、マンニット、でんぷん分解物(例えば、松谷化学製パインフロー、日殿化学製オイルQ)等が挙げられる。
本発明では、その中でも、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、糖アルコール、デキストラン及びそれらの誘導体が好ましく、特に好ましくはポリアルキレングリコールまたはその誘導体である。
本発明に好ましく用いられるポリアルキレングリコールまたはその誘導体は、下記一般式〔A〕で表される。
一般式〔A〕
HO−(A)n1−(B)n2−(C)n3−H
上記一般式〔A〕おいて、A、BおよびCは、各々−CH2CH2O−、−CH(R)CH2O−、−CH2CH2CH2O−または−CH2CH(R)CH2O−を表す。Rは置換または未置換の低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)または水酸基を表す。n1、n2およびn3は各々0または1〜500の整数を表す。一般式〔A〕で表される化合物の平均分子量は、1000〜20000の範囲が好ましい。ここでいう平均分子量は、水酸基価より算出したものである。
以下に、本発明において好ましいポリアルキレングリコールの具体的例示化合物を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2005165174
上記具体的例示化合物の中でも、A−1で表されるいわゆるポリエチレングリコールが特に好ましい。
本発明で用いられるセルロース類としては、メチルセルロース、ジメチルセルロース、トリメチルセルロース、エチルセルロース、ジエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
本発明で好ましく用いられるデキストリン類としては、アミロデキストリン、エリトロデキストリン、アクロデキストリン、マルトデキストリン、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等が挙げられる。
本発明でいう単糖類とは、単一のポリヒドロキシアルデヒド、ポリヒドロキシケトンおよびこれらの還元誘導体、酸化誘導体、デオキシ誘導体、アミノ誘導体、チオ誘導体等の広い範囲の誘導体の総称である。多くの糖は、一般式−Cn2nn−で表されるが、この一般式で表される糖骨格から誘導される化合物も含めて、ここでは単糖類と定義する。これらの単糖類のうちで好ましいものは、炭素数が3〜7のトリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトースおよびその誘導体である。
本発明に用いられる単糖類の具体的例示化合物を以下に示す。
(1)グリセルアルデヒド、(2)ジヒドロキシアセトン(二量体を含む)、(3)D−エリトロース、(4)L−エリトロース、(5)D−トレオース、(6)L−トレオース、(7)D−リボース、(8)L−リボース、(9)D−アラビノース、(10)L−アラビノース、(11)D−キシロース、(12)L−キシロース、(13)D−リキソース、(14)L−リキソース、(15)D−キシルロース、(16)L−キシルロース、(17)D−リブロース、(18)L−リブロース、(19)2−デオキシ−D−リボース、(20)D−アロース、(21)L−アロース、(22)D−アルトロース、(23)L−アルトロース、(24)D−グルコース、(25)L−グルコース、(26)D−マンノース、(27)L−マンノース、(28)D−グロース、(29)L−グロース、(30)D−イドース、(31)L−イドース、(32)D−ガラクトース、(33)L−ガラクトース、(34)D−タロース、(35)L−タロース、(36)D−キノボース、(37)ジギタロース、(38)ジギトキソース、(39)シマロース、(40)D−ソルボース、(41)L−ソルボース、(42)D−タガトース、(43)D−フコース、(44)L−フコース、(45)2−デオキシ−D−グルコース、(46)D−プシコース、(47)D−フルクトース、(48)L−フルクトース、(49)L−ラムノース、(50)D−ラムノース、(51)D−ガラクトサミン、(52)D−マンノサミン、(53)D−グリセロ−D−ガラクトヘプトース、(54)D−グリセロ−D−マンノヘプトース、(55)D−グリセロ−L−マンノヘプトース、(56)D−グリセロ−D−グロヘプトース、(57)D−グリセロ−D−イドヘプトース、(58)D−グリセロ−L−グルコヘプトース、(59)D−グリセロ−L−タロヘプトース、(60)D−アルトロヘプツロース、(61)D−マンノヘプツロース、(62)D−アルトロ−3−ヘプツロース、(63)D−グルクロン酸、(64)L−グルクロン酸等。
単糖類のカルボニル基を還元して得られる多価アルコールを糖アルコールと呼び、本発明では特に好ましく用いられる。糖アルコールの具体的例示化合物を以下に示す。
(65)トレイット、(66)エリトリット(エリスリトール)、(67)アラビット(アラビトール)、(68)リビット(リビトール)、(69)キシリット、(70)ソルビット(ソルビトール、グリシトール)、(71)マンニット(マンニトール)、(72)イジット、(73)タリット、(74)ズルシット(ガラクチトール)、(75)アリット(アロズルシット)等。
本発明でいう二糖類とは、2分子の単糖類より成るものの総称であり、具体的例示化合物を以下に示す。
(76)アガロビオース、(77)N−アセチルキトビオース、(78)N−アセチルラクトサミン、(79)イソマルトース、(80)キシロビオース、(81)ゲンチオビオース、(82)コージビオース、(83)スクロース(ショ糖)、(84)セロビオース、(85)ソホロース、(86)α,α−トレハロース、(87)マルトース(麦芽糖)、(88)メリビオース、(89)ラクトース(乳糖)、(90)ラミナリビオース、(91)ルチノース等。
本発明で用いられるベタイン構造を有するビニル重合体は、重合性ビニル重合体の1分子中に陽イオンとして四級アンモニウムとカルボン酸の陰イオンを持った分子内塩を少なくとも1種構成単位として有する重合体を意味する。ベタイン構造には、溶液中もしくは結晶状態において、水和物、例えば、
3N+CH2COO-+H2O→(OH)−R3+CH2COOH
の形で存在しているものも含まれる。
ベタイン構造を有する重合性ビニル単量体を単独で重合させたものであっても良いが別の重合性ビニル単量体と共重合させることが好ましい。本発明では、下記一般式1および2で表される重合性ビニル単量体をそれぞれ少なくとも1種含む共重合体であることが好ましい。
Figure 2005165174
この場合、一般式1および2で表される単量体以外に、他の重合性ビニル単量体を共重合させてもよい。上記一般式1において、R1は水素原子またはメチル基を表し、特にメチル基が好ましい。R2およびR5はそれぞれ炭素数1〜4のアルキレン基を表し、特に、メチレン基もしくはエチレン基が好ましい。R3およびR4はそれぞれ炭素数1〜18のアルキル基を表し、特にメチル基もしくはエチル基が好ましい。また、Aは酸素原子またはNH基を表し、特に酸素原子が好ましい。上記一般式2において、R6はR1同様、水素原子またはメチル基を表し、特にメチル基が好ましい。R7は炭素数1〜18の飽和、不飽和のアルキル基またはシクロアルキル基を表す。本発明で用いられる重合体の好ましい重合比率は、一般式Iで表される単量体20〜60質量%、一般式2で表される単量体30〜70質量%、および他の重合性ビニル単量体0〜50質量%である。
上記単量体は、特開昭55−17009号に記載の方法等により合成できる。前記重合体は、例えば、三菱化学社製(ユカフォーマー)として市販されている。
次に、一般式1および2で表される重合性ビニル単量体の好ましい具体例を以下に示す。
Figure 2005165174
Figure 2005165174
Figure 2005165174
これらの水溶性ポリマー及び糖類のうち特に好ましく用いられるのは、ポリエチレングリコール、デキストリン類、澱粉分解物及び単糖類のうちの(65)〜(75)である。
本発明に係る固体処理剤においては、上記説明した結合剤が、JIS標準篩の115mesh(125μm)を通過する粒子比率が80質量%以上であることが1つの特徴であり、好ましくは80質量%以上、100質量%以下であり、より好ましくは90質量%以上、100質量%以下である。
本発明におけるJIS標準篩とは、JIS(日本工業規格)によるものであり、115mesh、すなわち目開きが125μmのJIS標準篩を用いて篩分けを行った場合、全結合剤粒子の80質量%以上がこの篩を通過することを意味する。
次いで、本発明に係る固体処理剤を構成する原材料である主剤について説明する。本発明でいう主剤とは、現像処理に必要な構成要素であり、具体的には上記結合剤を除く他の成分を意味する。
例えば、発色現像用の固体処理剤においては、以下の各構成要素が挙げられる。
本発明に係る固体処理剤が、カラー発色現像で用いる発色現像剤である場合には、発色現像主薬を使用する。
本発明で用いることのできる発色現像主薬としては、p−フェニレンジアミン誘導体(以下、p−フェニレンジアミン系化合物ともいう)、特に水溶性基を有するp−フェニレンジアミン系化合物が好ましい。
水溶性基を有するp−フェニレンジアミン系化合物は、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン等の水溶性基を有しないパラフェニレンジアミン系化合物に比べ、ハロゲン化銀写真感光材料の汚染がなくかつ皮膚についても皮膚がカブレにくいという長所を有する。
前記水溶性基は、p−フェニレンジアミン系化合物のアミノ基またはベンゼン核上に少なくとも1つ有するものが挙げられ、具体的な水溶性基としては−(CH2n−CH2OH、−(CH2m−NHSO2−(CH2nCH3、−(CH2m−O−(CH2n−CH3、−(CH2CH2O)nm2m+1(m及びnはそれぞれ0以上の整数を表す。)、−COOH基、−SO3H基等が好ましいものとして挙げられる。
本発明に好ましく用いられる発色現像主薬の具体的例示化合物としては、特開平4−86741号公報の第26〜31頁に記載されている(C−1)〜(C−16)が挙げられる。
上記発色現像主薬は、通常、塩酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の塩の形態で用いられる。
また、前記発色現像主薬は単独であるいは二種以上併用して、また所望により黒白現像主薬、例えば、フェニドン、4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピラゾリドンやメトール等と併用して用いてもよい。
また、本発明においては、発色現像剤中に、特開2000−2974号公報の段落番号〔0099〕〜同〔0112〕に記載の一般式[A]及び[B]で示される化合物を含有することができる。上記化合物を用いることにより、固体処理剤化されると他の化合物に比べ錠剤の保存性が良くなるばかりでなく、錠剤強度も保てるという点で効果があり、しかも写真性能的に安定で未露光部にも生じるカブリも少ないという利点もある。
また、発色現像用の固体処理剤においては、アルカリ剤として炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩の他に、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸三カリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸二カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、四硼酸ナトリウム、四硼酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を用いることができ、特に上記炭酸塩を用いることが好ましい。
また、発色現像用固体処理剤においては、固体の保恒剤を共存させることが好ましく、更に、現像主薬を含む造粒物が、現像主薬と保恒剤を混合し、造粒したものであるのが好ましい。保恒剤としては、亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等)、重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等)、メタ重亜硫酸塩(メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)、ヒドロキシルアミン誘導体等が挙げられる。
また、現像促進剤として、特公昭37−16088号、同37−5987号、同38−7826号、同44−12380号、同45−9019号及び米国特許第3,813,247号等に代表されるチオエーテル系化合物、特公昭44−30074号、特開昭50−137726号、同56−156826号及び同52−43429号等に代表される4級アンモニウム塩類、米国特許2,610,122号及び同4,119,462号記載のp−アミノフェノール類、米国特許2,494,903号、同3,128,182号、同4,230,796号、同3,253,919号、特公昭41−11431号、米国特許2,482,546号、同2,596,926号及び同3,582,346号等に記載のアミン系化合物、その他1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、イオン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて含有させることができる。
本発明において、カブリ防止等の目的で塩素イオン、臭素イオン及び沃素イオンを放出する化合物を発色現像用固体処理剤中に添加できる。
また、本発明の発色現像用の固体処理剤には、特開平4−118649号公報第19頁から第20頁に記載の一般式〔K〕で示されるキレート剤を添加することが好ましい。更に又、発色現像用固体処理剤には、アニオン、カチオン、両性、ノニオンの各界面活性剤を含有させることができる。
次いで、漂白能を有する固体処理剤の構成要素について説明する。
漂白能を有する固体処理剤には、その主成分として有機酸第2鉄錯塩、好ましくはアミノポリカルボン酸の第2鉄錯塩が含むことが好ましく、特に、アミノポリカルボン酸の第2鉄錯塩を含むことが好ましい。
アミノポリカルボン酸第2鉄錯塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の形で用いることが好ましい。該アミノポリカルボン酸の具体例としては以下のものを挙げることができる。
1:1,3−プロパンジアミン4酢酸
2:2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン4酢酸
3:2,3−プロパンジアミン4酢酸
4:1,4−ブタンジアミン4酢酸
5:2−メチル−1,3−プロパンジアミン4酢酸
6:N−(2−ヒドロキシエチル)−1,3−プロパンジアミン4酢酸
7:2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン4酢酸
8:2,4−ブタンジアミン4酢酸
9:2,4−ペンタンジアミン4酢酸
10:2−メチル−2,4−ペンタンジアミン4酢酸
11:エチレンジアミン4酢酸
12:トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸
13:ジエチレントリアミン5酢酸
14:エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸
15:ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸
16:エチレンジアミンジプロピオン酸
17:エチレンジアミン2酢酸
18:トリエチレンテトラミン6酢酸
19:エチレンジアミンテトラプロピオン酸
Figure 2005165174
Figure 2005165174
本発明に係る漂白能を有する固体処理剤には、上記アミノポリカルボン酸の第2鉄錯塩の他に、特開昭62−123459号の51〜115頁に記載の例示化合物及び特開昭63−17445号の22〜25頁に記載の例示化合物、特開昭53−95630号、同53−28426号記載の化合物、再ハロゲン化剤(例えば、臭化アンモニウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム等)、各種の蛍光増白剤、消泡剤あるいは界面活性剤を含有せしめることができる。
次いで、定着能を有する固体処理剤の構成要素について説明する。
定着主剤としては、チオシアン酸塩、チオ硫酸塩が好ましく用いられ、またチオシアン酸塩とチオ硫酸塩を併用することも好ましく、特にチオ硫酸塩を用いることが好ましい。
本発明に係る定着能を有する固体処理剤には、これら定着主剤の他に、種々のキレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤などの添加剤を含有させることができる。また、酸として、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、ほう酸のごとき無機酸類や、蟻酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、りんご酸などの有機酸類を含有せしめることができ、これらのリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムなどの塩を用いても良い。
キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類及びこれらの塩などが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル化物、スルホン化物などのアニオン界面活性剤、ポリエチレングリコール系、エステル系などのノニオン界面活性剤、特開昭57−6840号公報記載の両性界面活性剤などが挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。
定着促進剤としては、例えば、特公昭45−35754号、特公昭58−122535号、同58−122536号記載のチオ尿素誘導体、分子内に三重結合を有するアルコール、米国特許第4,126,459号記載のチオエーテルなどが挙げられる。
また、本発明の固体処理剤においては、上記説明した漂白能を有する成分と定着能を有する成分とを併用した漂白定着固体処理剤としても良い。
また、本発明に係る固体処理剤が、黒白用固体処理剤である場合、黒白用固体処理剤に用いることができる現像主薬としては、レダクトン類、特にアスコルビン酸及び/またはエリソルビン酸(立体異性)及びそれらの塩を含有することが好ましい。
更に、以下のような現像主薬を含有しても良い。ジヒドロキシベンゼン類(例えば、ハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロモハイドロキノン、ジクロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸カリウム、ハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウムなど)3−ピラゾリドン類(例えば、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−エチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−2−アセチル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−(2−ベンゾチアゾール)−3−ピラゾリドン、3−アセトキシ−1−フェニル−3−ピラゾリドンなど)、アミノフェノール類(例えば、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−メチル−o−アミノフェノール、N−メチル−p−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノールなど)、1−アリル−3−アミノピラゾリン類(例えば、1−(p−ヒドロキシフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−メチルアミノフェニル)−3−アミノピラゾリン、1−(p−アミノ−m−メチルフェニル)−3−アミノピラゾリンなど)、ピラゾロン類(例えば、4−アミノピラゾロン)など、或いはこれらの混合物などが挙げられる。
黒白用固体処理剤は、亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸塩を含有することが好ましい。更に錠剤を溶解し現像液とした場合の液中の亜硫酸塩量は0.05モル/リットル以上、0.3モル/リットル未満、更に0.1モル/リットル以上、0.3モル/リットル未満が好ましい。
その他、緩衝剤として(例えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカノールアミンなど)、アルカリ剤、溶解助剤(例えば、ポリエチレングリコール類、及びこれらのエステルなど)、pH調整剤(例えば、クエン酸のごとき有機酸など)、増感剤(例えば、四級アンモニウム塩など)、現像促進剤、硬膜剤(例えば、グルタールアルデヒドなどのジアルデヒド類)、界面活性剤、更にカブリ防止剤としてアゾール系有機カブリ防止剤(例えば、インダゾール系、イミダゾール系、ベンツイミダゾール系、トリアゾール系、ベンツトリアゾール系、テトラゾール系、チアジアゾール系)、処理液に用いられる水道水中に混在するカルシウムイオンを隠蔽するための隠蔽剤としてヘキサメタ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸カルシウム、ポリ燐酸塩、ジエチレントリアミン5酢酸等を含有させても良い。更に銀汚れ防止剤、例えば、特開昭56−24347号記載の化合物を用いることもできる。
黒白用固体処理剤で得られる現像液のpHは10.5以下の範囲のものが好ましく、更に好ましくは9〜10.0の範囲である。
黒白用固体処理剤で得られる現像液には、特開昭56−106244号に記載のアルカノールアミンなどのアミノ化合物を用いることができる。
この他、本発明に係る黒白用固体処理剤で得られる現像液には、L.F.A.メソン著「フォトグラフィック・プロセッシング・ケミストリー」フォーカル・プレス社刊(1966年)の22〜229頁、米国特許第2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48−64933号などに記載のものを用いてよい。
一方、アルカリ剤としては緩衝作用を有する炭酸塩が好ましい。炭酸塩としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等が挙げられる。更に、現像処理液中の炭酸塩量は、0.3モル/リットル以上0.8モル/リットル未満が好ましい。
本発明に用いられる黒白用定着液は、固体処理剤である黒白用定着剤を調製し、溶解して調液することが好ましい。定着剤としては、定着主薬としてチオ硫酸塩を含有することが好ましい。チオ硫酸塩は、具体的には、リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムの塩として用いられるが、好ましくは、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウム塩として用いることにより、定着速度の速い定着液が得られる。
その他、定着主薬として沃化物塩やチオシアン酸塩なども用いることができる。本発明に用いられる黒白用定着液は、亜硫酸塩を含有する。亜硫酸塩としては、固体リチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩等が用いられる。
本発明に用いられる黒白用定着剤は、水溶性クロム塩または水溶性アルミニウム塩等を含有しても良い。水溶性クロム塩としてはクロム明ばんなどが挙げられ、水溶性アルミニウム塩としては硫酸アルミニウム、塩化アルミニウムカリウム、塩化アルミニウムなどを挙げることができる。
本発明に用いられる黒白用定着剤には酢酸イオンを含有することができる。酢酸イオンの種類は任意で、定着液中での酢酸イオンを解離する任意の化合物に対して本発明は適用できるが、酢酸や酢酸のリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましく用いられ、特にナトリウム塩、アンモニウム塩が好ましい。更に、クエン酸、酒石酸、りんご酸、琥珀酸、フェニル酢酸及びこれらの光学異性体などが含まれてもよい。これらの塩としては、例えば、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、酒石酸水素リチウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、りんご酸ナトリウム、りんご酸アンモニウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸アンモニウムなどに代表されるリチウム、カリウム、ナトリウム、アンモニウム塩などが好ましい物として挙げられる。
キレート剤としては、例えば、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン酸類及びこれらの塩などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル化物、スルホン化物などのアニオン活性剤、ポリエチレングリコール系、エステル系などのノニオン界面活性剤、両性活性剤などが挙げられる。湿潤剤としては、例えばアルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。
定着促進剤としては、チオ尿素誘導体、分子内に三重結合を有するアルコール、チオエーテルなどが挙げられる。
本発明の固体処理剤の製造方法においては、原材料に、前記結合剤の融点以上で前記一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物から選ばれる少なくとも1つを、水または溶媒に溶解せずに、直接添加することが好ましい。
本発明の固体処理剤の製造方法において、造粒工程中に本発明に係る前記一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物の少なくとも一種を添加することにより、攪拌翼表面、粉体粒子表面、造粒機内壁表面に該化合物が付着して摩擦係数が減少することにより、摩擦熱による顆粒の温度上昇が効果的に抑制され、その結果、顆粒の一部が溶解する現象も防止され造粒機内面の付着もなくなり、造粒の進行が加速度的に速くなり制御不能になるといったこともなく、所望の粒子径で造粒を安定に停止し終了することが可能となる。
本発明において、造粒工程中に添加する一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物は、該造粒工程中に、粉末状で添加する。添加する粉末は、微粒子が好ましく、粒子径としては、総質量の90%以上が125μm以下であることが好ましい。
次に、本発明における一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物について説明する。
前記一般式〔I〕において、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和または不飽和のアルキル基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等)を表し、好ましくは炭素数4〜12、更に好ましくは炭素数6〜9のアルキル基である。Aは好ましくは−SO3Mが挙げられ、M、M1及びM2は好ましくはLi、K、Na、最も好ましくはLiである。mは0または1、nは0または1〜10の整数を表すが、好ましくはm=0、n=0である。
以下、一般式〔I〕で表される代表的な例示化合物を示すが、これに限られるものではない。
Figure 2005165174
Figure 2005165174
上記化合物のうち、特に好ましいものは、例示化合物(I−1)、(I−2)、(I−4)である。これら化合物は通常の方法で合成でき、市販品としても入手できる。
前記一般式〔II〕において、R1は好ましくは炭素数5〜20の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基であり、R2は好ましくは水素原子、炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐アルキル基またはヒドロキシアルキル基である。
以下、一般式〔II〕で表される代表的な例示化合物を示すが、これに限られるものではない。
Figure 2005165174
Figure 2005165174
Figure 2005165174
Figure 2005165174
上記例示した各化合物の他に、特開昭62−56961号公報の第4〜6頁に記載の例示化合物〔II〕−1〜〔II〕−55等も使用することができる。
上記例示化合物は、公知化合物または市販されており、通常ルートで入手が可能である。
次いで、前記一般式〔III〕または〔IV〕で表される化合物(界面活性剤)について説明する。
前記一般式〔III〕において、R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアルキル基は炭素数が1〜20のものであり、鎖状、環状のいずれのものであってもよく、鎖状の基としては直鎖、分岐のものを含み、具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、sec−ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、オクタデシル等の各基が挙げられる。R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアラルキル基は、炭素数7〜20のものであり、具体的には、例えば、ベンジル、フェネチル、ジベンジル、2−ナフチルメチル等の各基が挙げられる。R1、R2、R3、R4及びR5で表されるアルケニル基は、炭素数3〜20のものであり、具体的には、例えば、アリル、4−ヘキセニル、4−デセニル、9−オクタデセニル等の各基が挙げられる。
アラルキル基及びスチリル基の芳香環上には、置換基を有することができ、置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−アミル、ノニル等の各基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−エトキシエトキシ等の各基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、p−トリルオキシ、o−クロロフェノキシ等の各基)等が挙げられる。具体的には、例えば、p−メトキシベンジル、2,4−ジメチルベンジル、p−フェノキシフェネチル、p−ブチルスチレン等の各基が挙げられる。
以下に、一般式〔III〕または〔IV〕で表される化合物の例示化合物を示すが、これに限られるものではない。
Figure 2005165174
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Figure 2005165174
Figure 2005165174
Figure 2005165174
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前記一般式〔V〕において、R21は一価の有機基、例えば、炭素原子数が6〜20、好ましくは6〜12のアルキル基(例えば、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシル等)、または炭素原子数が3〜20のアルキル基で置換されたアリール基であり、置換基として好ましくは炭素原子数3〜12のアルキル基であり、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシル等の各基を表す。アリール基としてはフェニル、トリル、キシニル、ビフェニルまたはナフチル等の各基であり、好ましくはフェニル基またはトリル基である。アリール基にアルキル基が結合する位置としては、オルト、メタ、パラ位いずれでもよい。R22はエチレン基またはプロピレン基を表す。
以下に、一般式〔V〕で示される化合物の例示化合物を示すが、これに限られるものではない。
Figure 2005165174
Figure 2005165174
前記一般式〔VI〕において、R6で表される脂肪族基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基などがあり、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル等の各基が挙げられる。これらのアルキル基は、更にハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、1,1−ジメチルエトキシ、ヘキシルオキシ、ドデシルオキシ等の各基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフチルオキシ等の各基)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等の各基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル等の各基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等の各基)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル等の各基)、複素環基(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、モルホリル、ピペリジン、ピペラジル、ピリミジン、ピラゾリン、フリル等の各基)、アルキニル基(例えばプロパルギル基等)、アミノ基(例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、アニリノ等の各基)、シアノ基、スルホアミド基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の各基)によって置換されてもよい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられ、アルキニル基としては例えばプロパルギル基が挙げられる。
6で表される芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
6で表される複素環基としては、例えば、ピリジル基(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル等の各基)、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、チェニル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スルホラニル基、ピペジリニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等が挙げられる。
上記アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、複素環基は、いずれもR6で表されるアルキル基及びアルキル基の置換基、置換原子として示した基、原子と同様な基、原子によって置換することができる。
6で表されるカチオンとしては、好ましくは金属イオンまたは有機カチオンである。金属イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、有機カチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の各イオン)、ホスホニウムイオン(例えば、テトラフェニルホスホニウムイオン等)、グアニジルイオン等が挙げられる。
以下に一般式〔VI〕で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
VI−1 C25SO3Na
VI−2 CH3(CH26SO3Na
VI−3 CH3(CH27SO3Na
VI−4 CH3(CH25OSO3Na
VI−5 CH3(CH26OSO3Na
VI−6 CH3(CH27OSO3Na
VI−7 CH3O(CH22SO3Na
本発明における一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物の添加量は、特に限定しないが、添加される総原料質量に対して5質量%以下にすると、顆粒の長期保存安定性、溶解速度の観点から本発明の効果をさらに良好に奏する。
次いで、上記説明した各原材料を用いた固体処理剤及び錠剤型処理剤の製造方法について説明する。
はじめに、本発明の固体処理剤の製造方法で用いられる混合装置について、その詳細を説明する。
一般に原材料を乾式混合する混合装置としては、ヘンシェルミキサー、V型混合機、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、Wコーンミキサー、バイブローミル、ターブラー等が知られており、その詳細は、例えば、粉体機器・装置ハンドブック(粉体機器・装置ハンドブック編集委員会編、日刊工業新聞社)に記載されている。
混合装置としては、(a)容器回転型混合機、(b)容器固定型混合機、(c)流体運動型混合機に大別される。
(a)容器回転型混合機とは、円筒型、V型、ダブルコーン型等の容器を水平軸の周りに回転させ粉体に転動モーションを与えて混合を行う方式である。また、混合性を向上させるため、容器内に邪魔板や撹拌羽根を有するものもある。
(b)容器固定型混合装置とは、固定された容器の中の粉体に撹拌羽根の回転、振動を与えて混合を行う。
(c)流体運動型混合機とは、ジェットポンプ等を使用し気流により粉体を流動させて撹拌を行う混合機である。
本発明の固体処理剤の製造方法における撹拌造粒は、原材料に対して熱を加える手段と原材料を撹拌する手段を備えた混合装置であり、(a)(b)(c)いずれを用いても良いが、撹拌する手段としては撹拌羽根の回転によって行うのが、粉体に対して与える剪断、転動、圧密作用が効果的であることから、(b)容器固定型混合機を用いるのが好ましく、特に、剪断力を有する混合装置が好ましい。
(b)容器固定型混合装置の具体的な装置としては、例えば、以下のような混合装置を挙げることができる。
〔I〕リボン型混合機
固定容器内で、スパイラルを形成したリボン状の撹拌羽根を低速回転させる混合機で、例えば、リボンミキサー(日和機械工業(株)製)、バッチニーダー(佐竹化学機械工業(株)製)、リボコーン((株)大順製作所製)等が挙げられる。
〔II〕パドル型混合機
混合槽内部に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う装置で、水平軸型の混合機と垂直軸型の混合機とがある。水平軸型の混合機としては、例えば、レーディゲミキサー(マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)などがあり、垂直型の混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株))、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、ニュースピードニーダー(岡田精工(株)製)等が挙げられる。
〔III〕円錐遊星スクリュー型混合機
逆円錐型容器に撹拌羽根として自転公転するスクリューを取り付けた混合機であり、例えば、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、SVミキサー(神鋼パンテック(株)製)等が挙げられる。
剪断力が得られやすく混合効率が良いという点で、〔II〕パドル型混合機がより好ましく、スケールアップ時のデッドスペースができにくい、撹拌羽根による剪断力によって発生する摩擦熱が蓄熱しにくいといった観点から、パドル型混合機の中でも水平軸型が好ましい。例えば、パドル型混合機であるレーディゲミキサー(マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株))、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、ニュースピードニーダー(岡田精工(株)製)、が好ましく、このなかでも水平軸型のレーディゲミキサー(マツボー製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)がより好ましい。
容器固定型混合機を用いる場合の撹拌羽根の回転数は、造粒が進行した粒子を剪断力による破壊を避ける観点から、速くしすぎない方が好ましい。撹拌羽根の回転数を規定する尺度として、以下に定義するフルード数が挙げられる。
フルード数=V/√(R×g)
V:撹拌羽根の先端の周速(m/s)
R:撹拌羽根の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s2
本発明の固体処理剤の製造方法における撹拌造粒では、フルード数を10以下で運転することが好ましく、4以下で運転することがより好ましい。
本発明の固体処理剤の製造方法においては、原材料を結合剤の融点以上の温度に加熱する工程を有するが、混合装置に装備する加熱装置としては、電熱ヒーターによる加熱方式、ウォータージャケットに温水を循環することによる加熱方式、温風を容器内に送り込むことによる加熱方式等が挙げられるが、本発明では、これらの方式に限定されず任意の方法を用いることができる。この中で、エネルギー費用、伝熱効率、加熱ムラが少ないといった点から、混合容器の外周壁にウォータージャケットを装備し、温水を循環する方式が好ましい。
本発明の固体処理剤の製造方法により造粒された材料は、次いで圧縮成型による錠剤化処理が施される。
錠剤化処理する方法としては、特開平4−29136号、同4−85535号、同4−85536号、同4−85533号、同4−85534号、同4−172341号、同2−109042号、同2−109043号、同3−39735号、同3−39739号、特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号、英国特許第1,213,808号等の各公報に記載の方法、すなわち、錠剤を作製する圧縮成形には、例えば、油圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッティングマシンを用いることができる。
本発明でいう錠剤型処理剤とは、粉粒体を圧縮成型した固体処理剤全般を指し、任意の形状を取ることが可能であるが、生産性、取扱い性の観点からまたはユーザーサイドで使用する場合の粉塵の問題から円筒型のいわゆる錠剤が好ましい。
本発明に係る錠剤型処理剤においては、必要に応じて滑沢剤を添加することができる。滑沢剤は、打錠機の臼杵の潤滑剤となる粉末で、打錠する前にあらかじめ原料粒子と混合しておくか、打錠時に滑沢剤を臼、杵または臼に充填された成型前の粒子に噴霧する。前者の場合、原料粒子同士(結合剤と他の構成成分)の混合操作時に同時に滑沢剤の混合を行うこともできるが、あらかじめ所定の比率で混合した原料粒子に、必要量の滑沢剤を打錠する直前に添加して混合することが好ましい。さらに好ましい方法は、打錠時に滑沢剤を臼、杵または臼に充填された成型直前の粒子に噴霧することであり、これにより滑沢剤は錠剤内部に比べ表面部により多く存在することになり、本発明の効果をより顕著に発現させることができる。
本発明に係る固体処理剤あるいは錠剤型処理剤を適用できるハロゲン化銀写真感光材料としては、特に制限はなく、多種多様の写真要素、例えば、モノクロハロゲン化銀写真感光材料(一般用モノクロフィルム、医療用フィルム、印刷用フィルム等)、カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーペーパー、並びにカラー映画フィルム等を挙げることができ、その一例として、ハロゲン化銀カラー写真感光材料に関しては、下記のリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す。)にその詳細が記載されており、参考にすることができる。
ハロゲン化銀乳剤は、例えば、リサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す。)No.17643、22〜23頁(1979年12月)の「1.乳剤製造法(Emulsion preparation and types)」、及びRDNo.18716、648頁、グラキデ著「写真の物理と化学」ポールモンテル社刊(P.Glkides,Chimie et Physique Photographique,Paul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Dauffin,Photographic Emulsion Chemistry Focal Press 1966)、ゼリクマン等著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman etal,Making and coating Photographic Emulsion, Focal Press 1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。乳剤は、米国特許3,574,628号、同3,665,394号及び英国特許1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
ハロゲン化銀乳剤には物理熟成、化学熟成及び分光増感を行うことができる。このような工程で使用される添加剤は、RDNo.17643、RDNo.18716及びRDNo.308119(それぞれ、以下、RD17643、RD18716及びRD308119と略す。)に記載されている。下記にその記載箇所を示す。なお、下記に記載の各数値は、記載されている頁を表す。
〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕〔RD18716〕
化学増感剤 996 III−A項 23 648
分光増感剤 996 IV−A−A、
B、C、D、 23〜24 648〜649
H、I、J項
強色増感剤 996 IV−A−E、J項
23〜24 648〜649
カブリ防止剤 998 VI 24〜25 649
安定剤 998 VI 24〜25 649
ハロゲン化銀カラー写真感光材料に使用できる公知の写真用添加剤も、上記RDに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
〔項目〕 〔RD308119の頁〕〔RD17643〕〔RD18716〕
色濁り防止剤 1002VII−I項 25 650
色素画像安定剤 1001VII−J項 25
増白剤 998V 24
紫外線吸収剤 1003VIII−I項、
XIII−C項 25〜26
光吸収剤 1003VIII 25〜26
光散乱剤 1003VIII
フィルター染料 1003VIII 25〜26
バインダー 1003IX 26 651
スタチック防止剤1006XIII 27 650
硬膜剤 1004X 26 651
可塑剤 1006XII 27 650
潤滑剤 1006XII 27 650
活性剤・塗布助剤1005XI 26〜27 650
マット剤 1007XVI
現像剤(ハロゲン化銀カラー写真感光材料に含有)
1001XXB項
本発明に係る感光性層には、種々のカプラーを使用することが出来、その具体例は、上記RDに記載されている。以下に関連のある記載箇所を示す。
〔項目〕 〔RD308119の頁〕 〔RD17643〕
イエローカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項
マゼンタカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項
シアンカプラー 1001VII−D項 VIIC〜G項
カラードカプラー 1002VII−G項 VIIG項
DIRカプラー 1001VII−F項 VIIF項
BARカプラー 1002VII−F項
その他の有用残基放出 1001VII−F項
カプラー
アルカリ可溶カプラー 1001VII−E項
上記各添加剤は、RD308119XIVに記載されている分散法などにより、添加することが出来る。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料には、前述RD308119VII−K項に記載されているフィルター層や中間層等の補助層を設けることも出来る。
ハロゲン化銀カラー写真感光材料は、前述RD308119VII−K項に記載されている順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成をとることが出来る。
像様露光されたハロゲン化銀カラー写真感光材料は、本発明の発色現像固体処理剤により調製された発色現像液を用いて現像処理を行い、好適な時間及び温度条件下、好適な処理装置内で、所望の銀画像及び色画像を生成する。その後、当該技術分野で公知の処理工程、例えば、現像停止工程、漂白工程、定着工程、漂白/定着工程、洗浄(もしくは、リンス)工程、安定化工程及び乾燥工程(これらに限定されない)を含む各処理工程を経て、現像処理を行うことができる。
例えば、カラーネガフィルムの処理ではプロセスC−41処理(イーストマンコダック社製)あるいはプロセスCNK−4処理(コニカ社製)、カラーペーパーを処理するプロセスRA−4処理(イーストマンコダック社製)あるいはプロセスCPK−2処理(コニカ社製)、及びカラーリバーサルフィルムを処理するプロセスE−6処理(イーストマンコダック社製)あるいはプロセスCRK−2処理(コニカ社製)を含む種々の処理工程を挙げることができる。
本発明に係る各処理工程における処理時間及び温度は、一般的に、当該技術分野で適用されている時間及び温度であり、例えば、発色現像は、一般的に、20〜60℃の温度で行われる。発色現像の好ましい時間は15〜250秒である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《定着顆粒剤の作製》
以下の順序に従って、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の定着処理用の定着顆粒剤を作製した。
(定着顆粒剤の組成)
チオ硫酸アンモニウム 4000g
亜硫酸ナトリウム 400g
結合剤(表1に記載) 490g
各結合剤は、予めホソカワミクロン社製のバンタムミルを用いて、ハンマー回転数を適宜変更することより、表1に記載の粒度(JIS標準飾の115mesh(125μm)を通過する粒子比率(質量%))に調整した。
次いで、22℃、40%RHに調湿湿調した環境下で、上記粒度を調整した各結合剤、チオ硫酸アンモニウム及ぶ亜硫酸ナトリウムを、マツボー社製レーディゲミキサー(商品名;M−20型)に投入し、ショベル回転数を250rpm、チョッパー回転数を2500rpmで30秒間プレ混合して顆粒化した。次いで、チョッパーの回転を停止し、ショベル回転数250rpmで攪拌しながら、顆粒温度が表1に記載の結合剤の溶融温度になるまで加熱し、混合造粒を行った。次いで、ウォータージャケットに20℃の水を循環させることで、レーディゲミキサーを冷却しつつ、ショベル回転数250rpmで、顆粒温度が40℃になるまで混合して、ハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用の定着顆粒剤1−1〜1−8を作製した。
なお、表1に略称で記載した各結合剤の詳細は、以下の通りである。
PEG#4000:ポリエチレングリコール#4000
PEG#6000:ポリエチレングリコール#6000
《錠剤型定着剤の作製》
上記作製した定着顆粒剤1−1〜1−8を、菊水製作所製のプレスコレクト(ロータリー式打錠機)を用いて、打錠予圧20kN、打錠本圧100kNで、1錠の質量が10g、直径30mmからなる錠剤型定着剤1−J1〜1−J8を作製した。
《錠剤型定着剤の評価》
(錠剤の粉落ち量の測定)
上記作製した錠剤型定着剤1−J1〜1−J8の粉落ちの量を、22℃、40%RHに調整した環境下で、コニカミノルタ(株)製の自動現像機NPS−858Jの錠剤投入装置を改造した装置を用いて、10錠の錠剤について、各々100回の投入試験を行い、試験前後での質量変化量を測定し、下式の従って錠剤の粉落ち量を求めた。
錠剤粉落ち量(%)=(試験前の錠剤質量−試験後の錠剤質量)/試験前の錠剤質量×100
以上により得られた錠剤粉落ち量(%)の平均値を求め、その結果を表1に記載する。なお、錠剤の粉落ち量としては、0.5%未満であれば実用上許容範囲内であると判定した。
Figure 2005165174
表1の結果より明らかな様に、115mesh Passが80質量%以上である結合剤を用いて作製した本発明の錠剤型定着剤は、比較例に対し、錠剤の粉落ち量が少なく、良好な性能を有していることが分かる。
なお、上記錠剤型定着剤1−J1〜1−J8の作製において、チオ硫酸アンモニウムに代えて、チオシアン酸アンモニウムを用いた以外は同様にして錠剤型定着剤を作製し、上記と同様の方法で錠剤の粉落ち量の測定を行った結果、チオ硫酸アンモニウムを用いた錠剤型定着剤に対し、やや劣る結果となった。
実施例2
《定着顆粒剤2−1〜2−6の作製》
実施例1に記載の定着顆粒剤1−2の作製において、結合剤であるポリエチレングリコール#4000(PEG#4000)の添加量を、全原材料成分に対し表2記載の割合になるように変化させた以外は同様にして、定着顆粒剤2−1〜2−6を作製した。
《定着顆粒剤2−7〜2−12の作製》
実施例1に記載の定着顆粒剤1−4の作製において、結合剤であるポリエチレングリコール#4000(PEG#4000)の添加量を、全原材料成分に対し表2記載の割合になるように変化させた以外は同様にして、定着顆粒剤2−7〜2−14を作製した。
《錠剤型定着剤2−J1〜2−J14の作製》
上記作製した定着顆粒剤2−1〜2−14を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして、錠剤型定着剤2−J1〜2−J14を作製した。
《錠剤型定着剤の評価》
上記作製した各錠剤型定着剤について、実施例1に記載の方法と同様にして錠剤の粉落ち量の測定と、下記の方法に従って装置内壁への付着耐性の評価を行った。
(装置内壁への付着耐性の評価)
各定着顆粒剤の作製時に、レーディゲミキサー装置の内壁への原材料の付着の状態を目視観察し、下記の基準に従って装置内壁への付着耐性の評価を行った。
○:ほとんど装置内壁への付着が認められない
△:装置内壁に付着物は認められるが、容易に除去することができる
×:装置内壁に多量の付着物が認められ、その除去に手間が掛かる
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2005165174
表2の結果より明らかな様に、115mesh Passが80質量%である結合剤を用いて作製した錠剤型定着剤2−J1、2−J2においては、結合剤の比率が15質量%を超えると錠剤の粉落ち量は良好であるが、装置内壁への顆粒剤の付着が著しい。また、115mesh Passが50質量%である結合剤を用いて作製した錠剤型定着剤2−J7〜2−J12において、結合剤の比率が15質量%以下になると、装置内壁への顆粒剤の付着は良好であるが、錠剤の粉落ち量が顕著に高くなることが分かる。
これに対し、115mesh Passが80質量%である結合剤を用い、結合剤の比率を1.0質量%以上、15質量%以下とした錠剤型定着剤2−J3〜2−J5においては、錠剤の粉落ち量が少なく、かつ装置内壁への顆粒剤の付着も良好な性能を示すことが分かる。
実施例3
《定着顆粒剤3−1〜3−12の作製》
実施例1に記載の定着顆粒剤1−2の作製において、表3に記載の本発明に係る一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物を、全原材料質量に対し1.0質量%で添加した以外は同様にして、定着顆粒剤3−1〜3−12を作製した。
《定着顆粒剤3−13〜3−24の作製》
実施例1に記載の定着顆粒剤1−6の作製において、表3に記載の本発明に係る一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物を、全原材料質量に対し1.0質量%で添加した以外は同様にして、定着顆粒剤3−13〜3−24を作製した。
なお、上記各定着顆粒剤の作製において、本発明に係る一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物の添加は、定着顆粒剤3−1〜3−12の作製に関しては、顆粒温度が55℃の時または冷却した後、顆粒温度が40℃に達した時点で添加した。また、定着顆粒剤3−13〜3−24の作製においては、顆粒温度が58℃の時または冷却した後、顆粒温度が40℃に達した時点で添加した。
《錠剤型定着剤3−J1〜3−J24の作製》
上記作製した定着顆粒剤3−1〜3−24を用いて、実施例1に記載の方法と同様にして、錠剤型定着剤3−J1〜3−J24を作製した。
《錠剤型定着剤の評価》
(錠剤の粉落ち量の測定)
上記作製した錠剤型定着剤である試料3−J1〜3−J24の粉落ちの量を、30℃、70%RHに調整した環境下で、コニカミノルタ(株)製の自動現像機NPS−858Jの錠剤投入装置を改造した装置を用いて、10錠の錠剤について、各々100回の投入試験を行い、試験前後での質量変化量を測定し、下式の従って錠剤の粉落ち量を求めた。
錠剤粉落ち量(%)=(試験前の錠剤質量−試験後の錠剤質量)/試験前の錠剤質量×100
以上により得られた錠剤粉落ち量(%)の平均値を求め、その結果を表3に記載する。なお、錠剤の粉落ち量としては、0.5%未満であれば実用上許容範囲内であると判定した。
Figure 2005165174
表3の結果より明らかな様に、本発明に係る一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物を、結合剤の融点以上で添加することにより、より過酷な条件下で使用されても、極めて良好な粉落ち耐性を有していることが分かる。
実施例4
《発色現像顆粒剤の作製》
以下の順序に従って、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の発色現像用の発色現像顆粒剤を作製した。
〔発色現像顆粒剤の組成〕
炭酸カリウム 2000g
亜硫酸ナトリウム 300g
ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム 200g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 300g
硫酸ヒドロキシルアミン 180g
結合剤(表4に記載) 400g
各結合剤は、予めホソカワミクロン社製のバンタムミルを用いて、ハンマー回転数を適宜変更することより、JIS標準篩の115mesh通過する粒子が80質量%である結合剤と、70質量%である結合剤とを調製した。
次いで、23℃、55%RHに調湿湿調した環境下で、上記の各原材料を、マツボー社製のレーディゲミキサー(商品名;M−20型)に投入し、ショベルの回転数を250rpm、チョッパー回転数を2500rpmで30秒間プレ混合して顆粒化した。次いで、チョッパーの回転を停止し、ショベル回転数250rpmで回転しながら、顆粒温度が表4に記載の結合剤の溶融温度になるまで加熱し、混合造粒を行った。次に、ウォータージャケットに20℃の水を循環させることで、レ−ディゲミキサーを冷却しつつ、ショベル回転数250rpmで、顆粒温度が40℃になるまで混合した。次に、現像主薬CD−4〔4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−[β−(ヒドロキシ)エチル]アニリン硫酸塩〕を上記混合造粒物に対し、8.5質量%添加して、ハロゲン化銀カラー写真感光材料処理用の発色現像顆粒剤4−1〜4−6を作製した。
《錠剤型発色現像剤の作製》
上記作製した発色現像顆粒剤4−1〜4−6を、菊水製作所製のプレスコレクト(ロータリー式打錠機)を用いて、打錠予圧20kN、打錠本圧100kNで、1錠の質量が10g、直径30mmからなる錠剤型発色現像剤4−J1〜4−J6を作製した。
《錠剤型発色現像剤の評価》
上記作製した各錠剤型発色現像剤について、実施例1に記載の方法と同様にして錠剤の粉落ち量の測定を行い、得られた結果を表4に示す。
Figure 2005165174
表4の結果から明らかな様に、結合剤の115mesh Passが80質量%以上で作製した本発明の錠剤型発色現像剤は、比較例に対し、錠剤の粉落ち量が少なく、良好な性能を有していることが分かる。
なお、上記錠剤型発色現像剤4−J1〜4−J6の作製において、炭酸カリウムに代えて、リン酸三カリウムを用いた以外は同様にして錠剤型発色現像剤を作製し、上記と同様の方法で錠剤の粉落ち量の測定を行った結果、炭酸カリウムを用いた錠剤型発色現像剤に対し、やや劣る結果となった。
実施例5
《漂白定着顆粒剤の作製》
以下の順序に従って、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の漂白定着用の漂白定着顆粒剤を作製した。
〔漂白定着顆粒剤の組成〕
1,3−プロピレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム 2000g
1,3−プロピレンジアミン四酢酸 50g
臭化アンモニウム 700g
マレイン酸 300g
コハク酸 500g
結合剤(表5に記載) 600g
1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム(滑沢剤) 120g
各結合剤は、予めホソカワミクロン社製のバンタムミルを用いて、ハンマー回転数を適宜変更することより、JIS標準篩の115mesh通過する粒子が80質量%である結合剤と、70質量%である結合剤とを調製した。また、滑沢剤として使用する1−ヘキサンスルホン酸ナトリウムは、質量平均粒径が5〜10μmとなるようにホソカワミクロン社製バンタムミルを用いて粉砕した。
滑沢剤である1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム以外の各成分を、マツボー社製のレーディゲミキサー(商品名;M−20型)に投入し、ショベルの回転数を250rpm、チョッパー回転数を2500rpmで30秒間プレ混合して顆粒化した。次いで、チョッパーの回転を停止し、ショベル回転数250rpmで回転しながら、顆粒温度が表5に記載の結合剤の溶融温度になるまで加熱し、混合造粒を行った。次に、ショベル回転250rpmで30秒間混合を行った後、ウォータージャケットに20℃の水を循環させることで、レ−ディゲミキサーを冷却しつつ、ショベル回転数250rpmで、顆粒温度が40℃になるまで混合した。次いで、滑沢剤である1−ヘキサンスルホン酸ナトリウムを加えて30秒間混合して、ハロゲン化銀カラー写真処理用の漂白定着顆粒剤5−1〜5−10を作製した。
《錠剤型漂白定着剤の作製》
上記作製した漂白定着顆粒剤5−1〜5−10を、菊水製作所製のプレスコレクト(ロータリー式打錠機)を用いて、打錠予圧20kN、打錠本圧100kNで、1錠の質量が10g、直径30mmからなる錠剤型漂白定着剤5−J1〜5−J10を作製した。
《錠剤型漂白定着剤の評価》
上記作製した各錠剤型漂白定着剤について、実施例1に記載の方法と同様にして錠剤の粉落ち量の測定を行い、得られた結果を表5に示す。
Figure 2005165174
表5の結果から明らかな様に、115mesh Passが80質量%である結合剤を用いて作製した本発明の錠剤型漂白定着剤は、比較例に対し、錠剤の粉落ち量が少なく、良好な性能を有していることがわかる。本発明の錠剤型漂白定着剤の中でも、結合剤としてポリエチレングリコール#4000及びポリエチレングリコール#6000のポリアルキレングリコール及びその誘導体を用いることにより、特に良好な性能を発揮することが分かる。
実施例6
実施例5に記載の漂白定着顆粒剤5−1の作製において、混合装置としてレーディゲミキサー(商品名;M−20型)に代えて、剪断力のあるヘンシェルミキサー、剪断力のないクロスロータリー型混合機及び剪断力のないV型混合機を用いて各漂白定着顆粒剤を作製し、次いで実施例5に記載の錠剤型漂白定着剤5−J1の作製と同様にして、各錠剤型漂白定着剤を作製した。
次いで、これらの錠剤型漂白定着剤について、実施例1に記載の方法と同様にして錠剤の粉落ち量の測定を行った結果、剪断力のあるヘンシェルミキサーにより造粒した漂白定着顆粒剤を用いて作製した錠剤では、漂白定着顆粒剤5−1と同等の結果が得られた。これに対し、剪断力のないクロスロータリー型混合機またはV型混合機により造粒した漂白定着顆粒剤を用いて作製した錠剤では、漂白定着顆粒剤5−1に比較しやや劣る結果となった。

Claims (6)

  1. 粉体である原材料に対し熱を付加する手段と、該原材料を撹拌する手段とを用いて撹拌造粒を行うハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法において、該原材料を構成する成分の総質量に対して、結合剤を1.0質量%以上、15.0質量%以下含有し、JIS標準飾の115mesh(125μm)を通過する粒子比率が80質量%以上となるように調整した該結合剤を用いて撹拌造粒し、該攪拌造粒時に実質的に外部から水または溶媒を添加せず、かつ該原材料を該結合剤の融点以上の温度に加熱して製造することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
  2. 前記原材料を構成する前記結合剤を除く成分の少なくとも1つが、炭酸塩、チオ硫酸塩及びアミノポリカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
  3. 前記結合剤が、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
  4. 前記原材料に、前記結合剤の融点以上で下記一般式〔I〕〜〔VI〕で表される化合物から選ばれる少なくとも1つを、水または溶媒に溶解せずに、直接添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
    Figure 2005165174
    〔式中、Rfは少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和または不飽和のアルキル基を表し、X0はスルホンアミド、
    Figure 2005165174
    を表し、Y0はアルキレンオキサイド基、アルキレン基を表し、Rf′は少なくとも1つのフッ素原子を含有する飽和または不飽和の炭化水素基を表す。Aは−SO3M、−OSO3M、−COOM、−OPO3(M1)(M2)、または−PO3(M1)(M2)で表される親水基を表し、M、M1、M2は各々H、Li、K、NaまたはNH4を表し、mは0または1、nは0または1〜10の整数を表す。〕
    Figure 2005165174
    〔式中、R1はアルキル基またはアルケニル基を表し、R2は水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表し、R3及びR4は、各々独立に水素原子、水酸基、アルキル基または−COOM4(M4は水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を表し、Xは−CO−または−SO2−を表し、Yは−O−、−S−または−CONR5−(R5は水素原子、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を表す)を表し、M3は水素原子またはアルカリ金属原子を表し、pは0または1、m1は0〜2の整数、n1は1〜3の整数を表す。〕
    Figure 2005165174
    〔式中、R1、R2、R3、R4及びR5は各々アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、スチリル基またはシンナミル基を表し、p1、p2、p3、p4及びp5は各々0または1の整数を表し、n2は2〜100の整数を表す。但し、R3がアルキル基で、かつp3が1の場合は、p1、p2、p4及びp5の少なくとも1つが1である。p1〜p5が0のときは、対応するR1、R2、R3、R4及びR5は各々水素原子である。〕
    Figure 2005165174
    〔式中、Rは炭素数4〜25の直鎖または分岐状の置換基を有してもよいアルキル基または
    Figure 2005165174
    を表す(但し、R11及びR12は各々水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基を表し、p10は0〜4の整数を表す)。n3及びm3は各々0または1〜25の整数を表すが、同時に0にはならない。A3及びB3は各々
    Figure 2005165174
    を表し、同一でもまた異ったものでもよい。但し、n11、m11及びp11は各々0、1、2または3を表すが、A3及びB3におけるn11及びm11が同時に0にはならず、n3またはm3が0のときはm11は0にはならない。〕
    Figure 2005165174
    〔式中、R21は1価の有機基を表し、R22はエチレン基またはプロピレン基を表し、m21は4〜50の整数を表す。X21は水素原子、−SO321または−PO321を表す。ここでM21は水素原子、アルカリ金属原子または−NH4を表す。〕
    一般式〔VI〕
    6−(O)xyz6
    〔式中、R6は置換または無置換の脂肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表し、xは0または1、yは1または2、zは2〜8の整数を表し、M6はカチオンを表す。〕
  5. 前記撹拌造粒に用いる製造装置が、剪断力の有する混合装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料用固体処理剤の製造方法により作製した顆粒を、圧縮成型して錠剤化することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料用錠剤型処理剤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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