JP3737853B2 - 車両用走行情報提供装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用走行情報提供装置、特に事故が発生し易いと考えられるため走行時に注意を要する箇所を報知する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ナビゲーションシステムにおける高機能化が著しく、単に経路を案内するだけでなく、事故発生の可能性がある場所ではその旨報知して運転者に注意を促すシステムも提案されている。
【0003】
例えば、特開平4−309810号公報には、過去に発生した事故データを予め記憶装置に記憶しておき、車両の現在位置前方の道路上に事故データがあるか否かを判定して事故発生に関する情報を音声で乗員に報知するシステムが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、事故発生の可能性が高いか否かの判定は、記憶装置に記憶されている過去の事故統計データに基づいて行われるので、道路の改良などが行われて過去の統計データが無意味となった場合、あるいは新設道路の場合には、記憶データを更新しない限り対応できず必要でない警報を乗員に与えてしまう、あるいは必要と考えられる警報が十分与えられない可能性もある。
【0005】
また、例えば右折の際の衝突事故のデータが記憶されている場合に、運転者がフラッシャ(ウインカ)を操作して右折の意思表示をした場合に、事故発生の可能性があると判定して警報を出力するので、運転者のフラッシャ操作が遅れた場合には警報のタイミングも遅れてしまう問題がある。
【0006】
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みなされたものであり、その目的は、過去の事故統計データに依存せずに的確な警報を適当なタイミングで乗員に報知して注意を促すことが可能な車両用走行情報提供装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、現在位置検出手段と、地図データ記憶手段と、検出された現在位置前方の分岐点における対向車両に対する注意度を、前記分岐点に関連する前記地図データの対向道路の幅員あるいは種別ランクの少なくともいずれかと所定のミスモデルにおける所定幅員あるいは所定種別ランクとを照合することにより評価する評価手段と、評価結果に応じて前記分岐点の対向車両に対する注意必要性をアドバイス音声で出力する報知手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するために、第2の発明は、現在位置検出手段と、地図データ記憶手段と、前記地図データを用いて目的地までの推奨経路を乗員に報知する経路案内手段と、検出された現在位置前方に位置する分岐点での前記推奨経路における対向車両に対する注意度を、前記地図データの対向道路の幅員あるいは種別ランクの少なくともいずれかと前記推奨経路に沿って走行した場合の所定のミスモデルにおける所定幅員あるいは所定種別ランクとを照合することにより評価する評価手段と、評価結果に応じて前記分岐点の対向車両に対する注意必要性をアドバイス音声で出力する報知手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、上記目的を達成するために、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記評価手段は前記地図データに含まれる道路の構造情報及び道路周辺の構造物情報に基き決定される車両運転者の道路の見通し度合いに応じて前記注意度を評価することを特徴とする。
【0010】
ここで、所定のミスモデルとは、道路の所定の接続関係や道路の所定の幅員、道路の所定の種別などの地図データとして記憶された情報に対応させ得る要因から算出される運転者の犯しやすいミスのモデルであり、例えば対向道路の幅員が25m以上ある交差点では右折時に対向道路からの直進車との衝突ミスを起こし易いなどである。従って、本発明においては、従来技術のように予め過去の事故統計データを記憶する必要がなく、かつ、事故統計データがない道路でもその接続関係や幅員データから注意の必要性を確実に推定することができる。
【0011】
また、例えば対向道路の見通しが良い場合には対向車両の挙動を把握し易いため見通しの悪い場合に比べて運転者に注意を促す必要性は低い等、運転者の注意の必要性は道路の見通しの度合いに応じても変化すると考えられるので、道路の見通しも考慮して注意の必要性を評価することで、より確実な警報を運転者に与えることができる。
【0012】
なお、所定のミスモデルが具体的にどのようなものであるかは、以下の実施形態を参照することにより明らかとなろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1には本実施形態のシステム概念図が示されている。GPSなどの位置センサ10で検出された位置データ及びCD−ROMなどに格納された地図データベース12からの地図データは、ナビゲーション用ECU(電子制御装置)14に供給される。ナビゲーション用ECU14は、CPUやROM、RAM、I/Oインターフェース等を含んで構成され、機能ブロックとしては、目的地までの推奨経路を探索して提示する経路案内処理部16、注意の必要性を評価するアドバイス案内処理部18、推奨経路と現在位置に基づいて提示すべき情報を決定する経路案内情報編集部20、現在位置と注意評価結果に基づいて報知すべきアドバイス(警報)を決定するアドバイス案内情報編集部22及び経路案内とアドバイスを結合してスピーカ26に出力する結合部24の各ブロックから構成される。全体構成としては、従来のナビゲーションシステムに注意の必要性をアドバイスする構成を付加したものである。
【0015】
図2には、ナビゲーションECU14の経路案内系統(経路案内処理部16と経路案内情報編集部20)とアドバイス系統(アドバイス案内処理部18とアドバイス案内情報編集部22)それぞれのフローチャートが示されている。なお、図においては、両フローチャートは併せて記載されているが、これは両処理が並列して行われることを表している。まず、位置センサ10及び地図データベース12からのデータは経路案内処理部16に供給され、車両が推奨経路上を走行しているか否かを確認する(S101)。
【0016】
次に、経路案内系統では、経路案内処理部16が現在位置と地図データに基づいて案内する交差点を決定し(S102)、案内する交差点までの距離や車両進行の方向(直進か右折か左折か)を決定する(S103)。決定されたデータは経路案内情報編集部20に出力される。経路案内情報編集部20では、交差点までの距離や方向に合致する音声データをメモリに格納されている案内テーブルから読み出す(S104)。読み出した経路案内データは結合部24に出力される。一方、アドバイス系統では、まずアドバイス案内処理部18が経路案内処理部16からの交差点での進行方向データ及び地図データに基づいて前方の交差点の注意度を評価し(S201)、注意を要すると判定された場合に、要注意交差点までの距離や注意の種類を決定する(S202)。決定されたデータはアドバイス案内情報編集部22に出力される。アドバイス案内情報編集部22では、要注意交差点までの距離や注意の種類に合致する音声データをメモリから読み出す(S203)。そして、読み出した音声データは結合部24に出力され、経路案内の音声データと結合されてスピーカ26に出力される(S105)。従って、スピーカ26からは、交差点までの距離や注意の種類に応じたアドバイス(警報)が通常の経路案内音声とともに出力されることになる。
【0017】
図3には本実施形態における音声案内の出力タイミングが示されている。図において、Iは次に通過すべき交差点を特定した地点であり、IIは交差点が見える地点、例えば交差点手前300〜700mの地点であり、III は交差点手前付近、例えば交差点手前100mの地点である。これら各地点において、経路案内音声とアドバイス音声(警報音声)が出力される。
【0018】
図4には各地点I、II、III での音声案内の具体例が示されている、比較のため、アドバイス(警報)のない通常の音声案内も同時に示してある。地点Iでは、「ポーン」という注意音の後に、「およそ**km以上道なりです。周囲にご注意下さい。」なるメッセージが出力される。前段が案内音声であり、後段がアドバイス(警報)音声である。もちろん、このアドバイス音声は、次に通過すべき交差点の注意度を評価し、注意を要すると判定されたために付加されたものであり、通常の注意力で良いと判定された場合、例えば次の交差点は道路の幅員などから判断して右折事故の可能性が高いが推奨経路は直進である場合には、このようなアドバイス音声は出力されることはない。地点IIでは、「およそ700m(または300m)で右方向です。対向車にご注意下さい。」なるメッセージが出力され、さらに地点III では、「まもなく右方向です。対向車にご注意下さい。」なるメッセージが出力される。なお、各地点における「対向車にご注意下さい。」の部分は、交差点での右折の際の直進車との衝突事故の可能性を考慮したものであり、事故の種類に応じて、「巻き込みにご注意下さい。」や「自転車にご注意下さい。」、あるいは「歩行者にご注意下さい。」などと変化することは言うまでもない。また、地点III では、特に「対向車には十分ご注意下さい。」などと出力してもよい。
【0019】
このように、本実施形態では次の交差点での運転者の運転ミスの可能性を評価し、その評価結果に応じて乗員に注意の必要性を報知するが、この際いかに正確に交差点その他の分岐点での注意の必要性を評価できるかが技術上のポイントとなる。そこで、本実施形態では、運転者が犯しやすいミスのモデルとして、以下のモデルを用いた。
【0020】
<右折時の直進車との衝突事故>
(a)対向道路の幅員が所定以上あって広いこと
(b)対向道路の種別ランクが国道以上と高いこと
(c)進入道路(交差点進入時の自車道路)の種別ランクが対向道路よりも高いこと
(d)進入道路が一般道で対向道路が狭く、かつ、脱出路(右折後に走行する道路)が広いこと(ここで対向道路とは交差点を挟んで進入道路と対向する道路であって、進入道路から見て道なりの道路を示す)
本願出願人は、これらのモデルと実際に事故が発生した交差点を照合したところ、事故が発生した14地点の交差点のうち11地点の交差点が実際に上記要因(a)〜(d)のいずれかを満たしていることを確認している。従って、ある交差点が上記要因のいずれかを満たす場合には、運転者がミスを犯す確率が非常に高いと推定できることになる。なお、これら各要因がミスを招く理由は不明であるが、各要因に対する理由として本願出願人は以下のように考察している。
【0021】
(a)交差点通過に時間がかかるため
(b)通行量が多く車速も大きい
(c)自車の優先意識が強い
(d)自車の優先意識が強い
もちろん、これらの理由は2次的なものであり、上記4つの要因を用いて注意の必要性が高い交差点や分岐点を特定でき、4つの要因は全て地図データのみに基づいて決定できる点が重要である。
【0022】
図5には、このような要因を用いて経路案内処理部16が実行する、運転者の運転ミスの形態として右折時の直進車との衝突事故(右直事故という)の注意度評価処理のフローチャートが示されている。なお、この処理は、次に通過すると特定された交差点での推奨経路が右折の場合のみに行われる。
【0023】
まず、幅員判定として対向道路の幅員が25m以上あるか否かを判定する(S301)。対向道路の幅員が25m以上ある場合には、上記の要因(a)を満たすので運転者がミスを犯しやすいとして要注意交差点であると判定し、警報音声を出力する(S306)。対向道路の幅員が25m未満である場合には、次に種別判定として対向道路の種別ランクが国道以上であるか否かを判定する(S302)。対向道路の種別ランクが国道以上である場合には、要因(b)を満たすのでミスを犯しやすい要注意交差点であるとして警報音声を出力する(S306)。対向道路の種別ランクが国道より小さい場合には、次に進入道路の種別ランクが対向道路より上であるか否かを判定する(S303)。この判定は、上記要因(c)に相当するものである。進入道路の種別ランクが対向道路より上である場合には、その交差点はミスを犯しやすく要注意として警報音声を出力する(S306)。最後に、進入道路が一般道で対向道路の幅員が13m未満、かつ脱出道路が13m以上であるか否かを判定し(S304)、これらの条件すなわち要因(d)を満たす場合には要注意交差点であるとして警報音声を出力する(S306)。上記要因のいずれにも該当しない場合には、運転者はあまりミスを犯すとは考えられない交差点であると判断し、運転時の通常の注意力で十分と判断して警報音声は出力しない(S305)。
【0024】
図6には、運転者のミスの形態として左折事故(まきこみ等)発生の可能性が高い要注意交差点を特定するためのフローチャートが示されている。まず幅員判定として対向道路の幅員が25m以上であるか否かを判定する(S401)。対向道路が広い場合には、右折時と同様に運転ミスを犯しやすいため、要注意として警報音声を出力する(S407)。対向道路の幅員が25m未満である場合には、次に種別判定として対向道路の種別ランクが国道以上であるか否かを判定し(S402)、国道以上である場合には、同様に要注意交差点と判定して警報音声を出力する(S407)。対向道路の種別ランクが国道未満である場合には、次に進入道路の種別ランクが対向道路より上であるか否かを判定し(S403)、対向道路より上である場合には右折時と同様に運転者がミスを犯しやすいとして警報音声を出力する(S407)。また、進入道路が一般道で対向道路が13m未満であり、かつ、脱出道路すなわち左折して走行すべき道路の幅員が13m以上である場合にも、同様にミスを犯しやすい、すなわち左折時に自転車やオートバイ、あるいは歩行者との事故の可能性が生じるとして警報音声を出力する(S407)。上記いずれの要因にも該当しない場合には、さらに左折時の角度が所定角度以下であるか否かを判定する(S405)。この判定は、左折角度が急峻である場合には、脱出道路上の歩行者が確認しにくい場合があることを考慮したものであり、所定角度以下である場合にはミスを犯しやすいとして警報音声を出力する(S407)。上記いずれの条件にも該当しない交差点の場合には、運転者があまりミスを犯すとは考えられず通常の注意力で十分であるとして警報音声は出力せず、通常の経路案内音声のみを出力する(S406)。
【0025】
図7は、運転者の運転ミスの形態として追突事故発生の可能性が高い交差点を特定するための処理フローチャートである。まず、経路案内処理部16は幅員判定として進入道路の幅員が25m以上であるか否かを判定し(S501)、進入道路の幅員が広い場合には追突事故の可能性有として警報音声を出力する(S504)。また、幅員判定後には種別判定を行い、進入道路の種別ランクが国道以上であるか否かを判定する(S502)。種別ランクが国道以上である場合にも、同様に追突事故の可能性が高いとして警報音声を出力する(S504)。上記要因のいずれにも該当しない場合には、追突事故発生の可能性は低いとして警報音声は出力せず、通常の経路案内音声のみを出力する(S503)。
【0026】
以上、いくつかの交差点で生じると考えられる運転ミスについてその要因を詳述したが、注意が必要な要因を特定しこの要因に基づいて注意度を評価する手法は交差点その他の分岐点のみならず他の任意の地点にも適用可能である。図8にはその一例が示されており、進行道路左側の路側にスーパーマーケットやコンビニエンスストア、あるいはガソリンスタンド等のサービス施設がある場合に反対車線を走行している対向車がこれらサービス施設を利用しようと右折した場合に生じる可能性があるミスである直進車との追突事故の注意度を評価する処理フローチャートである。すなわち、進行道路左側のサービス施設の個数が単位距離(例えば1km)当たり所定数n個以上あるか否かを判定し(S601)、所定数n個以上ある場合には、対向車がこれらのサービス施設を利用しようとして右折してくる可能性が高いため注意を要すると判定でき、サービス施設の手前で警報音声を出力する(S603)。所定数ない場合には、出力しない(S602)。
【0027】
<第2実施形態>
上述した第1実施形態では、交差点に接続する道路の幅員や種別に基づいて注意度を評価したが、例えば右直事故の警告において交差点の見通しが良く、対向道路上の対向車両が容易に確認できる場合には、運転者は警告にあまり嬉しさを感じず、むしろ煩わしいと感じる場合もある。この場合、運転者は与えられた警告を無視するようになり、警告の効果が薄れる可能性もある。
【0028】
そこで、本実施形態では、さらに交差点での見通しの度合いも考慮して警告の有無を判定し、より効果的な警告を運転者に与える場合を示す。
【0029】
図9には、本実施形態の処理フローチャートが示されており、上述した第1実施形態の図5に対応するものである。S701〜S704までの判定処理は図5のS301〜S304までの処理と同一であるのでその説明は省略する。本実施形態の特徴は、これらの判定処理でYESと判定された場合でも、直ちに警報音声を出力するのではなく、当該交差点が見通しの悪い交差点か否かを判定し(S706)、見通しの悪い場合にのみ警報を発生し(S707)、見通しの良い場合には警報を与えない(S705)ことにある。
【0030】
交差点の見通しの良否を判定するための方法としては、いくつか考えられるが、以下に3つの方法を例示する。
【0031】
[ 第1の方法 ]
本方法では、まず、見通しの悪い交差点を次のように定義する。
【0032】
「交差点手前Aメートルの車両から交差点後方Bメートルの対向車両が見えな
い場合を見通しの悪い交差点という」
このような条件を満たす交差点としては、対向道路(道なり道路)がある一定角度以上曲がっている場合がある。そこで、図10に示されるように、地図データとして格納されている交差点Cに対し、道路幅員、道路角度より交差点の構成線を求め、その構成線と運転者の視線との関係から見通しの有無を判定する。
【0033】
図11には、本方法の処理フローチャートが示されている。まず、交差点の幅員データ及び角度データから交差点の構成線L1〜L8を求める。なお、構成線L4とL5が自車の走行している進入道路の構成線であり、構成線L1及びL8が対向道路の構成線である(S801)。次に、交差点CのAm(例えば50メートル)手前の車両位置P1とBメートル(例えば50メートル)後方の車両位置P2を結ぶ線分Sを求める(S802)。この線分Sが、交差点Aメートル手前における運転者から対向道路を見たときの視線に相当することになる。そして、交差点の構成線L1〜L8と求めた線分Sが交わるか否かを判定する(S803)。線分Sが構成線のいずれかと交わる場合には、道路近傍の構造物により運転者が対向道路を直接見ることが困難と考えられるので、見通しの悪い交差点と判定する(S804)。一方、線分Sが構成線のいずれとも交わらない場合には、見通しの良い交差点と判定する(S805)。図10の場合で言えば、線分Sが構成線L6と交わっているので、交差点Cは見通しの悪い交差点と判定される。
【0034】
[ 第2の方法 ]
地図データとして、道路の勾配データを有している場合の判定方法であり、交差点Cの構成線及び車両間を結ぶ線分を3次元の空間図形として捉え、交差点の構成線Lより構成される道路面と車両位置P1、P2を結ぶ線分が交わるか否かで見通しの良否を判定する。但し、車両位置P1及びP2は道路面に対してDメートルの高さにあるとする(運転者の視線の高さに相当し、例えば1.5メートルの高さ)。
【0035】
図12には、道路の構成線が形成する交差点Cでの勾配の様子を模式的に示したものであり、2つの構成線が形成する角度θがある程度以上大きいと、線分Sが構成線と交わり見通しの悪い交差点となる。
【0036】
この方法によれば、2次元的には進入路と対面道路がまっすぐであっても、進入路と対面道路がともに交差点中心に向かって上り坂となっていて見通しの悪い場合も確実に判定できる。
【0037】
[ 第3の方法 ]
地図データとして、道路の中央分離帯データを有している場合の判定方法であり、図13に示されるように、交差点の構成線以外に中央分離帯の構成線B1〜B4を求める。そして、車両位置P1及びP2を結ぶ線分Sを求め、中央分離帯を含む構成線と交わるか否かで見通しの良否を判定する。図13では、線分Sが構成線B2と交わっているので、見通しが悪い交差点と判定される。
【0038】
この方法によれば、進入路と対面道路がまっすぐであっても、中央分離帯に対向車両が隠れて見えにくい場合も確実に判定することができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、反対車線の混雑度をセンサ等で評価し、この混雑度を考慮して警報音声の出力を制御することも考えられる。すなわち、例えば図5あるいは図9に示された右直ミス発生交差点の特定処理において、各注意発生要因が満たされている場合であっても、対向車線の通過車両が極めて少ない場合には、警報音声を出力しない構成とすることも可能であり、これにより交差点の形状からは要注意と判定されても時間帯等により対向車線を通過する車両が極めて少ない場合に不必要に警報音声が出力される事態を防ぐことができる。
【0040】
さらに、要注意交差点と判定されて警報が与えられた時点からタイマをスタートさせ、所定時間(例えば3分)経過した後に再び要注意交差点と判定された場合にのみ警報を与え、所定時間経過しない場合には、運転者は前回の警報により十分な注意力を維持していると考えられるため警報を発生しない構成とすることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両用走行情報提供装置によれば、過去の事故統計データを記憶する必要がなく、地図データのみに基づいて所定地点の要注意度を評価し、乗員に報知することができる。
【0042】
また、所定地点の注意度判定は推奨経路に基づき行われるため、警報出力が遅れることなく適当なタイミングで運転者に報知することができる。
【0043】
さらに、運転者にとり見通しが良いか否かをも考慮して警報を与えるので、無駄な警報を極力抑えて警報の効果を確かなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のシステム構成図である。
【図2】 同実施形態における全体処理フローチャートである。
【図3】 同実施形態における警報出力タイミング説明図である。
【図4】 同実施形態における音声出力の一例を示す説明図である。
【図5】 同実施形態における右折時のミス発生の高い交差点の特定処理フローチャートである。
【図6】 同実施形態における左折時のミス発生の高い交差点の特定処理フローチャートである。
【図7】 同実施形態における追突ミス発生の高い交差点の特定処理フローチャートである。
【図8】 同実施形態における直進時の非右折車両とのミス発生ポイントの特定処理フローチャートである。
【図9】 他の実施形態の全体処理フローチャートである。
【図10】 交差点の構成線と運転者の視線を表す説明図である。
【図11】 交差点の見通しの良否を判定する処理フローチャートである。
【図12】 交差点の勾配と視線との関係を示す説明図である。
【図13】 中央分離帯と視線との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 位置センサ、12 地図データベース、14 ナビゲーションECU、26 スピーカ。
Claims (3)
- 現在位置検出手段と、
地図データ記憶手段と、
検出された現在位置前方の分岐点における対向車両に対する注意度を、前記分岐点に関連する前記地図データの対向道路の幅員あるいは種別ランクの少なくともいずれかと所定のミスモデルにおける所定幅員あるいは所定種別ランクとを照合することにより評価する評価手段と、
評価結果に応じて前記分岐点の対向車両に対する注意必要性をアドバイス音声で出力する報知手段と、
を有することを特徴とする車両用走行情報提供装置。 - 現在位置検出手段と、
地図データ記憶手段と、
前記地図データを用いて目的地までの推奨経路を乗員に報知する経路案内手段と、
検出された現在位置前方に位置する分岐点での前記推奨経路における対向車両に対する注意度を、前記地図データの対向道路の幅員あるいは種別ランクの少なくともいずれかと前記推奨経路に沿って走行した場合の所定のミスモデルにおける所定幅員あるいは所定種別ランクとを照合することにより評価する評価手段と、
評価結果に応じて前記分岐点の対向車両に対する注意必要性をアドバイス音声で出力する報知手段と、
を有することを特徴とする車両用走行情報提供装置。 - 前記評価手段は、前記地図データに含まれる道路の構造情報及び道路周辺の構造物情報に基き決定される車両運転者の道路の見通し度合いを加味して前記注意度を評価することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両用走行情報提供装置。
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