JP2004302621A - 車両衝突防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】見通しがよいにもかかわらず、事故が多発するような交差点での事故を防止することができる車両衝突防止装置を提供すること。
【解決手段】自車Aと他車B1との衝突を防止する車両衝突防止装置1において、車両前方の画像61,62,63を取り込む広角ステレオカメラ11を設け、自車の走行する道路の画像71と接続する道路上の画像72にある他車の画像B2で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像61,62,63から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像処理装置12とCPU16を設けた。
【選択図】 図4
【解決手段】自車Aと他車B1との衝突を防止する車両衝突防止装置1において、車両前方の画像61,62,63を取り込む広角ステレオカメラ11を設け、自車の走行する道路の画像71と接続する道路上の画像72にある他車の画像B2で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像61,62,63から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像処理装置12とCPU16を設けた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、見通しがよいにもかかわらず交通事故が起こりやすい交差点における車両衝突防止装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両衝突防止装置は、見通しの悪い交差点に路側装置を設けて、交差点に同時に進入する車同士の衝突可能性を判断して警告している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−143197号公報(第4−6頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両衝突防止装置は、自車と前方物体とが異常接近した際に警報、自動ブレーキ等の衝突防止処理を実行して衝突回避を行うものであり、これらは比較的自車から近距離かつ自車線付近を認識範囲としたものであった。
このため、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での事故を防げるものではなかった。
【0005】
この点について詳しく説明する。
見通しがよい交差点において、自車が交差点に向かって走行しているとして、自車が走行する道路と交差する道路を交差点に向かって他車が走行し、自車と他車の走行速度が近い場合、他車が止まって見える。この場合、お互いの実際の距離は衝突コースを近づいていくが、お互いに止まって見えるため、気づかず衝突するケースが存在する。
これに対し、比較的近距離かつ自車付近を認識範囲とする従来のものでは、対応が難しく、充分に防げるものではなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、見通しがよいにもかかわらず、事故が多発するような交差点での事故を防止することができる車両衝突防止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車両と移動物体との衝突を防止する車両衝突防止装置において、車両前方の画像を取り込む画像入力手段を設け、自車の走行する道路と接続する道路上にある移動物体で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像識別手段を設けたことを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項2記載の発明では、画像の移動物体と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合に画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断することを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項3記載の発明では、画像入力手段が、自車と移動物体との距離を取り込んだ画像から検出できるステレオカメラであり、画像識別手段が、道路地図情報を得る道路情報取得手段を含むものであり、道路地図情報と移動物体までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続けているかどうかを識別するようにしたことを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項4記載の発明では、画像入力手段が横に広い画像を取り込むものであり、水平方向角度が大きい位置に移動物体が存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断することを特徴とする手段とした。
【0011】
請求項5記載の発明では、道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断することを特徴とする手段とした。
【0012】
請求項6記載の発明では、自車の走行速度を入力する車速入力手段を設け、自車の走行速度が高い場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断することを特徴とする手段とした。
【0013】
【発明の作用と効果】
請求項1記載の発明では、画像入力手段により取り込んだ前方の画像において、自車の走行する道路と接続する道路上にある移動物体で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていると識別すると、それは、自車の走行する道路との接続部分と自車と他車を頂点とする三角形が、相似形のまま徐々に小さくなる状態を表し、最後は接続部分で自車と他車が衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断する。よって、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続け、画像の移動物体と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合には、徐々に移動物体との距離が近づいているためであるので、画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断する。よって、さらに識別性高く判断して車両の衝突を防ぐことができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、ステレオカメラで画像を取り込むので、その視差により自車から移動物体までの距離を検出することができる。また、道路情報取得手段により、道路地図情報を得ることができる。よって、道路地図情報と移動物体までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続けているかどうかをより正確に識別でき、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を的確に防ぐことができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、横に広い画像を取り込むことにより、より遠い位置で衝突コースにいる移動物体を捕捉でき、より確実に衝突を防ぐことができる。また、水平方向角度を大きくすることにより、より見にくい周辺視野で他車をとらえることができ、人が他車のあることに気が付きにくい状況で確実に他車をとらえて、より確実に衝突を防ぐようにできる。
【0017】
請求項5記載の発明では、道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断する。これにより、自車の走行する道路と並行し合流する道路に移動物体があるような場合を除くようにして、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、走行速度が低い場合には、移動物体に気が付いてから実際に衝突するまでの時間が長くなるため、衝突する可能性は低くなる。よって、車速入力手段で得る自車の車速が低い場合には、衝突する可能性が低いと判断するようにして、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
なお、本請求項6の発明における走行速度の「高い」、「低い」は、移動物体に気が付いてから衝突を回避できる時間を有する速度を境界とするものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両衝突防止装置を実現する実施の形態を、請求項1〜6に係る発明に対応する実施例に基づいて説明する。
【0020】
(実施例)
【0021】
まず、構成を説明する。
図1は実施例の車両衝突防止装置のシステムブロック図である。図2は実施例の車両衝突防止装置のCPUで実行される処理の流れを示すフローチャート図である。図3は実施例の車両衝突防止装置により防止される衝突パターンの説明図である。図4は実施例の車両衝突防止装置で処理・表示する画像の説明図である。図1〜図4における主要符号を説明すると、1は車両衝突防止装置、11は広角ステレオカメラ(画像入力手段であり、横に広い画像を取り込むステレオカメラである)、12は画像処理装置、13はディスプレイ装置、14はGPS受信機、15は地図データベース(14と15で道路情報取得手段を構成する)、16はCPU(12と16で画像識別手段を構成する)、2は車両ECU、3は車速センサ、4は舵角センサ、51は自車の走行する道路、52は他車の走行する道路、53は交差点、54は自車と他車と交差点を頂点とする直角三角形、61は交差点まで遠距離の画像、62は交差点まで中距離の画像、63は交差点まで近距離の画像、71は自車の走行する道路の画像、72は他車の走行する道路の画像、73は交差点の画像、74は地平線の画像、75は画像の中心視野部分、76は画像の周辺視野部分、Aは自車、B1は他車(移動物体)、B2は他車の画像、C1は交差する道路まで遠距離の状態、C2は交差する道路まで中距離の状態、C3は交差する道路まで近距離の状態、θは自車進行方向からの水平方向角度である。
【0022】
本実施例の車両衝突防止装置1では、図1に示すように、自車Aの前方の画像を横に広く取り込むとともに、2点から画像を取り込むことで視差により距離を画像から検出可能な広角ステレオカメラ11を設け、広角ステレオカメラ11で取り込んだ画像61,62,63から物体等の認識、視差からの距離の認識、画像の再構成を行う画像処理装置12を設け、画像処理装置12で構成した画像をCPU16の制御により表示するディスプレイ装置13を設ける。
次に、衛星からの信号により自車Aの緯度・経度を検知するGPS受信機14と道路地図情報を蓄積・記憶した地図データベース15を設ける。
【0023】
また、本実施例の車両衝突防止装置1を装備する車両には、自車Aの走行速度を検出する車速センサ3、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ4を設ける。
さらに、情報を入力して所定の情報処理を行い必要に応じて信号を出力するCPU16を設け、画像処理装置12で画像処理した内容と、視差からの距離の算出結果、GPS受信機14から自車の位置情報、地図データベース15からの道路地図情報、車速センサ3からの車速情報、舵角センサ4からの操舵角情報をCPU16に入力するようにし、CPU16からディスプレイ装置13へ制御信号を出力するようにし、CPU16から車両ECU2へ制御信号を出力するようにする。
また、CPU16からディスプレイ装置13での制御信号により警報・警告を行うようにし、CPU16から車両ECU2への制御信号により車両での危険回避が行われるようにする。危険回避の内容は、エンジン回転を落とす制御やブレーキングを行う制御、運転者へディスプレイ装置13以外での警報などがあり、どのような方法を取ってもよく、確実に危険を回避するとともに、極端な走行状態の変化による2次的な危険を起こさないものが望ましい。
【0024】
次に、作用を説明する。
【0025】
[画像処理装置とCPUにおける処理]
図2は実施例の車両衝突防止装置1のCPU16で実行される処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0026】
ステップS1では、広角ステレオカメラ11で取り込んで画像処理装置12により画像処理したデータ、GPS受信機14で受信した信号から得る自車位置情報、地図データベース15からの地図道路情報から、交差する道路の有無、他車の有無を画像認識する。
【0027】
ステップS2では、ステップS1での認識結果から交差する道路を認識したかどうかを判断し、交差する道路を認識した場合にはステップS3に移行し、交差する道路を認識しない場合にはステップS1に移行する。
【0028】
ステップS3では、ステップS1での認識結果から交差する道路上に車両を認識したかどうかを判断し、車両を認識した場合にはステップS4に移行し、車両を認識しない場合にはステップS1に移行する。
【0029】
ステップS4では、車速センサ3からの車速情報から自車速度が規定値以上かどうかを判断し、規定値以上ならばステップS5に移行し、規定値以下ならばステップS1に移行する。
【0030】
ステップS5では、ステップS3で認識した他車の画像B2が周辺視野部分の画像76に存在し、衝突コースかどうか、すなわち一定の角度位置(例えば図3のθ付近)に存在し続けているかどうかを判断し、周辺視野部分の画像76で衝突コースならばステップS6に移行し、周辺視野部分の画像76でないかまたは衝突コースでないならばステップS1に移行する。
【0031】
ステップS6では、自車の道路と他車の道路が接続する交差点までの距離をGPS受信機14で受信した信号から得る自車位置情報、地図データベース15からの地図道路情報から算出する。
【0032】
ステップS7では、ステップS6で算出した自車の道路と他車の道路が接続する交差点までの距離が規定値以下かどうかを判断し、規定値以下の場合はステップS8に移行し、規定値以上の場合にはステップS1に移行する。
【0033】
ステップS8では、CPU16からディスプレイ装置13に制御信号を出力してディスプレイ装置13が運転者に対して危険を知らせる警報を表示や音声等で行い、かつ、CPU16から車両ECU2に制御信号を出力して車速を強制的に減速するなど危険を回避する処理を車両に行わせる。
【0034】
[衝突防止作用]
本実施例では、図3に示すように、直交する道路の交差点53に向かって、自車Aが進行し、他車B1が直交する道路52を交差点53に向かって進行しているとする。
自車Aは、広角ステレオカメラ11の広い画角によって、横に広い画像61,62,63を取り込む。よって、衝突コースにいる他車B1を図4(a)に示すように、より水平方向角度の大きな位置に存在する車両に対しても画像61,62,63に捕らえるようにする。このことは、衝突を回避できる距離でアクションを起こせることにつながる。
【0035】
運転者は、視界の一部の止まった車両が存在するように見えるだけであるので、衝突コースをお互いに進行しているとは、気づきにくい(図4(a),(b),(c)、C1状態〜C3状態参照)。しかし、このように広角ステレオカメラ11で画像61,62,63を取り込み、画像処理装置12で処理した画像61,62,63の右端部に、図4に示すように他車の画像B2が位置することは、自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に他車が存在することを示し、交差点、自車、他車を頂点とする三角形54が図3に示すように相似形のまま徐々に小さくなる衝突コースを進行しているとステップS3で判断するため、運転者は気がつかなくても画像認識でCPU16が識別することとなる。
さらに、このステップS3で判断される他車の画像B2の認識の際には、図4(a)〜(c)に示すように画像で認識される他車の画像B2が大きくなり続けるかどうかも判断することにより、その車両が運転者から見て止まって見える場合でも衝突に向かって進行していることをCPU16が画像識別により判断する。このように衝突する可能性が高いと判断された場合には、ステップS8によって、CPU16からディスプレイ装置13に制御信号を送って運転者に警告されるとともに、車両ECU2に制御信号を送って強制的な車速の低減などの処置により確実に衝突が回避される。
【0036】
また、ステップS3で他車B1を認識する際には、広角ステレオカメラ11で取り込む画像の視差により、他車B1までの距離を画像処理装置12での処理で検出するようにしてより確実に判断する。
【0037】
[判断の精度の向上作用]
さらに、本実施例の車両衝突防止装置1では、CPU16での処理により、判断の精度を向上させることで、衝突の可能性がない場合の誤認識をなくし、本装置の判断の信用性を増し、車両の強制的な回避行動へ応用する場合の信頼性を向上させている。
▲1▼交差する道路の判断
地図データベース15による道路地図情報をCPU16に入力してステップS2で道路が接続するように交差するかを判断することにより、例えば、上下に交わらない道路として立体交差するような場合を除くことができ、道路が接続する交差点53を有する道路であることを確実に精度よく判断する。
また、交差する道路であるかどうかは、画像処理装置12で処理した画像61,62,63から、自車の道路の画像71と他車の道路の画像72及び交差点の画像73をCPU16で認識することによっても判断される。
【0038】
▲2▼交差点までの距離の判断
GPS受信機14により、自車Aの経度、緯度を検出できるので、道路地図情報と照らし合わせることにより、ステップS6、ステップS7で交差点53までの距離をCPU16が判断する。よって、前述のように、横広な画像61,62,63で衝突コースの他車の画像B2を早い段階で検知しておき、交差点53までの距離が回避の必要な距離まで、余裕を持って待つことにより、その前に衝突コースからお互いが回避する場合を除くことができ、より確実に判断する。
また、自車Aの位置から交差点53までの距離は、画像処理装置12で処理した画像61,62,63からCPU16が交差点の画像73を認識することによっても判断される。
【0039】
▲3▼周辺視野の判断
画像処理装置12による画像処理により、図4(a)〜(c)に示すように自車Aの走行する道路の画像71が位置する中心視野部分の画像75以外の周辺視野部分76に他車を捉えることをステップS5で判断することによって、自車Aのいる道路に合流する車や対向車、先行車を除くようにして、より確実な判断を行う。
【0040】
▲4▼直交に近い道路かどうかの判断
地図データベース15から得る道路地図情報によって、交差点53で接続する他車の走行する道路が直交に近くない場合をステップS2で判断することによって、自車Aの道路に斜めに合流するなど衝突の可能性が低い場合を除くようにして、より確実に、見通しはよいが事故が多発する交差点53と同じ状況の場合との区別を判断できるようにする。
【0041】
▲5▼速度が高く所定速度以上であることの判断
車速センサ3から得る車速情報によって、自車Aと他車B1が近い速度で衝突コースを進んでいたとしても、充分に遅い速度の場合には、渋滞、作業中の作業車、お互いが認識して対応するよう減速しているとステップS4で判断することにより、より確実な判断を行う。
また、自車Aと他車B1との相対速度は、画像処理装置12で処理した画像61,62,63において、他車の画像B2の大きくなる時間に対する比率をCPU16で認識することによっても判断される。
【0042】
▲6▼進行方向の判断
舵角センサ4から得る操舵角によって、まだ、距離が遠く、衝突コースを進行中だが警報等を行っていない状態において、大きな操舵角が発生した際には、道路沿いの店舗や駐車場、または迂回路に進路を変更したとステップS5で判断することによって、より確実な判断を行う。
また、進行方向は、道路地図情報とGPS信号の組み合わせ、画像処理装置12で処理した画像61,62,63において、走行していた道路71の見え方をCPU16で認識することによっても判断される。
【0043】
このように本実施例では、より複数の情報によって状況判断が行われるので、非常に確実な判断が行える。
【0044】
次に、効果を説明する。
【0045】
実施例の車両衝突防止装置1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0046】
(1)自車Aと他車B1との衝突を防止する車両衝突防止装置1において、車両前方の画像61,62,63を取り込む広角ステレオカメラ11を設け、自車の走行する道路71と接続する道路72上にある他車B2で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像61,62,63から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像処理装置12とCPU16を設けたため、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
【0047】
(2)画像の他車B2と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合に画像処理装置12とCPU16が衝突する可能性が高いと判断するため、さらに識別性高く判断して確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0048】
(3)画像入力手段が、自車Aと他車B1との距離を取り込んだ画像61,62,63から検出できる広角ステレオカメラ11であり、CPU16に、道路地図情報を得る地図データベース15とGPS受信機14からデータを入力するようにし、道路地図情報と他車B1までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車Aの走行する道路71と接続する道路72に他車B2が存在し続けているかどうかを識別するようにしたため、より正確に識別でき、確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0049】
(4)広角ステレオカメラ11が横に広い画像61,62,63を取り込むものであり、水平方向角度が大きい位置に他車B2が存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると画像処理装置12とCPU16が衝突する可能性が高いと判断するため、より遠い位置で捕捉して余裕を持って衝突を回避可能にするとともに、中心視野75と周辺視野76を分けることにより、確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0050】
(5)道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いとCPU16が判断するため、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0051】
(6)自車Aの走行速度を入力する車速センサ3を設け、自車Aの走行速度が高い場合に衝突する可能性が高いとCPU16が判断するため、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0052】
以上、本発明の車両衝突防止装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0053】
例えば、実施例では、移動物体として、車を示したが、鉄道車両であってもよい。また、本発明を航空機の衝突回避システムに組み込むようにしてもよい。
また、実施例では車両衝突防止装置として、単独の装置構成をしめしたが、既存の衝突回避システムに組み込むようにしてよく、またナビゲーション装置に組み込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車両衝突防止装置のシステムブロック図である。
【図2】実施例の車両衝突防止装置のCPUで実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3】実施例の車両衝突防止装置により防止される衝突パターンの説明図である。
【図4】実施例の車両衝突防止装置で処理・表示する画像の説明図である。
【符号の説明】
1 車両衝突防止装置
11 広角ステレオカメラ
12 画像処理装置
13 ディスプレイ装置
14 GPS受信機
15 地図データベース
16 CPU
2 車両ECU
3 車速センサ
4 舵角センサ
51 自車の走行する道路
52 他車の走行する道路
53 交差点
54 自車と他車と交差点を頂点とする直角三角形
61 交差点まで遠距離の画像
62 交差点まで中距離の画像
63 交差点まで近距離の画像
71 自車の走行する道路の画像
72 他車の走行する道路の画像
73 交差点の画像
74 地平線の画像
75 画像の中心視野部分
76 画像の周辺視野部分
A 自車
B1 他車
B2 他車の画像
C1 交差する道路まで遠距離の状態
C2 交差する道路まで中距離の状態
C3 交差する道路まで近距離の状態
θ 自車進行方向からの水平方向角度
【発明の属する技術分野】
本発明は、見通しがよいにもかかわらず交通事故が起こりやすい交差点における車両衝突防止装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両衝突防止装置は、見通しの悪い交差点に路側装置を設けて、交差点に同時に進入する車同士の衝突可能性を判断して警告している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−143197号公報(第4−6頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両衝突防止装置は、自車と前方物体とが異常接近した際に警報、自動ブレーキ等の衝突防止処理を実行して衝突回避を行うものであり、これらは比較的自車から近距離かつ自車線付近を認識範囲としたものであった。
このため、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での事故を防げるものではなかった。
【0005】
この点について詳しく説明する。
見通しがよい交差点において、自車が交差点に向かって走行しているとして、自車が走行する道路と交差する道路を交差点に向かって他車が走行し、自車と他車の走行速度が近い場合、他車が止まって見える。この場合、お互いの実際の距離は衝突コースを近づいていくが、お互いに止まって見えるため、気づかず衝突するケースが存在する。
これに対し、比較的近距離かつ自車付近を認識範囲とする従来のものでは、対応が難しく、充分に防げるものではなかった。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、見通しがよいにもかかわらず、事故が多発するような交差点での事故を防止することができる車両衝突防止装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、車両と移動物体との衝突を防止する車両衝突防止装置において、車両前方の画像を取り込む画像入力手段を設け、自車の走行する道路と接続する道路上にある移動物体で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像識別手段を設けたことを特徴とする手段とした。
【0008】
請求項2記載の発明では、画像の移動物体と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合に画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断することを特徴とする手段とした。
【0009】
請求項3記載の発明では、画像入力手段が、自車と移動物体との距離を取り込んだ画像から検出できるステレオカメラであり、画像識別手段が、道路地図情報を得る道路情報取得手段を含むものであり、道路地図情報と移動物体までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続けているかどうかを識別するようにしたことを特徴とする手段とした。
【0010】
請求項4記載の発明では、画像入力手段が横に広い画像を取り込むものであり、水平方向角度が大きい位置に移動物体が存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断することを特徴とする手段とした。
【0011】
請求項5記載の発明では、道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断することを特徴とする手段とした。
【0012】
請求項6記載の発明では、自車の走行速度を入力する車速入力手段を設け、自車の走行速度が高い場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断することを特徴とする手段とした。
【0013】
【発明の作用と効果】
請求項1記載の発明では、画像入力手段により取り込んだ前方の画像において、自車の走行する道路と接続する道路上にある移動物体で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていると識別すると、それは、自車の走行する道路との接続部分と自車と他車を頂点とする三角形が、相似形のまま徐々に小さくなる状態を表し、最後は接続部分で自車と他車が衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断する。よって、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
【0014】
請求項2記載の発明では、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続け、画像の移動物体と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合には、徐々に移動物体との距離が近づいているためであるので、画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断する。よって、さらに識別性高く判断して車両の衝突を防ぐことができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、ステレオカメラで画像を取り込むので、その視差により自車から移動物体までの距離を検出することができる。また、道路情報取得手段により、道路地図情報を得ることができる。よって、道路地図情報と移動物体までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続けているかどうかをより正確に識別でき、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を的確に防ぐことができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、横に広い画像を取り込むことにより、より遠い位置で衝突コースにいる移動物体を捕捉でき、より確実に衝突を防ぐことができる。また、水平方向角度を大きくすることにより、より見にくい周辺視野で他車をとらえることができ、人が他車のあることに気が付きにくい状況で確実に他車をとらえて、より確実に衝突を防ぐようにできる。
【0017】
請求項5記載の発明では、道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断する。これにより、自車の走行する道路と並行し合流する道路に移動物体があるような場合を除くようにして、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、走行速度が低い場合には、移動物体に気が付いてから実際に衝突するまでの時間が長くなるため、衝突する可能性は低くなる。よって、車速入力手段で得る自車の車速が低い場合には、衝突する可能性が低いと判断するようにして、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
なお、本請求項6の発明における走行速度の「高い」、「低い」は、移動物体に気が付いてから衝突を回避できる時間を有する速度を境界とするものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両衝突防止装置を実現する実施の形態を、請求項1〜6に係る発明に対応する実施例に基づいて説明する。
【0020】
(実施例)
【0021】
まず、構成を説明する。
図1は実施例の車両衝突防止装置のシステムブロック図である。図2は実施例の車両衝突防止装置のCPUで実行される処理の流れを示すフローチャート図である。図3は実施例の車両衝突防止装置により防止される衝突パターンの説明図である。図4は実施例の車両衝突防止装置で処理・表示する画像の説明図である。図1〜図4における主要符号を説明すると、1は車両衝突防止装置、11は広角ステレオカメラ(画像入力手段であり、横に広い画像を取り込むステレオカメラである)、12は画像処理装置、13はディスプレイ装置、14はGPS受信機、15は地図データベース(14と15で道路情報取得手段を構成する)、16はCPU(12と16で画像識別手段を構成する)、2は車両ECU、3は車速センサ、4は舵角センサ、51は自車の走行する道路、52は他車の走行する道路、53は交差点、54は自車と他車と交差点を頂点とする直角三角形、61は交差点まで遠距離の画像、62は交差点まで中距離の画像、63は交差点まで近距離の画像、71は自車の走行する道路の画像、72は他車の走行する道路の画像、73は交差点の画像、74は地平線の画像、75は画像の中心視野部分、76は画像の周辺視野部分、Aは自車、B1は他車(移動物体)、B2は他車の画像、C1は交差する道路まで遠距離の状態、C2は交差する道路まで中距離の状態、C3は交差する道路まで近距離の状態、θは自車進行方向からの水平方向角度である。
【0022】
本実施例の車両衝突防止装置1では、図1に示すように、自車Aの前方の画像を横に広く取り込むとともに、2点から画像を取り込むことで視差により距離を画像から検出可能な広角ステレオカメラ11を設け、広角ステレオカメラ11で取り込んだ画像61,62,63から物体等の認識、視差からの距離の認識、画像の再構成を行う画像処理装置12を設け、画像処理装置12で構成した画像をCPU16の制御により表示するディスプレイ装置13を設ける。
次に、衛星からの信号により自車Aの緯度・経度を検知するGPS受信機14と道路地図情報を蓄積・記憶した地図データベース15を設ける。
【0023】
また、本実施例の車両衝突防止装置1を装備する車両には、自車Aの走行速度を検出する車速センサ3、ステアリングの操舵角を検出する舵角センサ4を設ける。
さらに、情報を入力して所定の情報処理を行い必要に応じて信号を出力するCPU16を設け、画像処理装置12で画像処理した内容と、視差からの距離の算出結果、GPS受信機14から自車の位置情報、地図データベース15からの道路地図情報、車速センサ3からの車速情報、舵角センサ4からの操舵角情報をCPU16に入力するようにし、CPU16からディスプレイ装置13へ制御信号を出力するようにし、CPU16から車両ECU2へ制御信号を出力するようにする。
また、CPU16からディスプレイ装置13での制御信号により警報・警告を行うようにし、CPU16から車両ECU2への制御信号により車両での危険回避が行われるようにする。危険回避の内容は、エンジン回転を落とす制御やブレーキングを行う制御、運転者へディスプレイ装置13以外での警報などがあり、どのような方法を取ってもよく、確実に危険を回避するとともに、極端な走行状態の変化による2次的な危険を起こさないものが望ましい。
【0024】
次に、作用を説明する。
【0025】
[画像処理装置とCPUにおける処理]
図2は実施例の車両衝突防止装置1のCPU16で実行される処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0026】
ステップS1では、広角ステレオカメラ11で取り込んで画像処理装置12により画像処理したデータ、GPS受信機14で受信した信号から得る自車位置情報、地図データベース15からの地図道路情報から、交差する道路の有無、他車の有無を画像認識する。
【0027】
ステップS2では、ステップS1での認識結果から交差する道路を認識したかどうかを判断し、交差する道路を認識した場合にはステップS3に移行し、交差する道路を認識しない場合にはステップS1に移行する。
【0028】
ステップS3では、ステップS1での認識結果から交差する道路上に車両を認識したかどうかを判断し、車両を認識した場合にはステップS4に移行し、車両を認識しない場合にはステップS1に移行する。
【0029】
ステップS4では、車速センサ3からの車速情報から自車速度が規定値以上かどうかを判断し、規定値以上ならばステップS5に移行し、規定値以下ならばステップS1に移行する。
【0030】
ステップS5では、ステップS3で認識した他車の画像B2が周辺視野部分の画像76に存在し、衝突コースかどうか、すなわち一定の角度位置(例えば図3のθ付近)に存在し続けているかどうかを判断し、周辺視野部分の画像76で衝突コースならばステップS6に移行し、周辺視野部分の画像76でないかまたは衝突コースでないならばステップS1に移行する。
【0031】
ステップS6では、自車の道路と他車の道路が接続する交差点までの距離をGPS受信機14で受信した信号から得る自車位置情報、地図データベース15からの地図道路情報から算出する。
【0032】
ステップS7では、ステップS6で算出した自車の道路と他車の道路が接続する交差点までの距離が規定値以下かどうかを判断し、規定値以下の場合はステップS8に移行し、規定値以上の場合にはステップS1に移行する。
【0033】
ステップS8では、CPU16からディスプレイ装置13に制御信号を出力してディスプレイ装置13が運転者に対して危険を知らせる警報を表示や音声等で行い、かつ、CPU16から車両ECU2に制御信号を出力して車速を強制的に減速するなど危険を回避する処理を車両に行わせる。
【0034】
[衝突防止作用]
本実施例では、図3に示すように、直交する道路の交差点53に向かって、自車Aが進行し、他車B1が直交する道路52を交差点53に向かって進行しているとする。
自車Aは、広角ステレオカメラ11の広い画角によって、横に広い画像61,62,63を取り込む。よって、衝突コースにいる他車B1を図4(a)に示すように、より水平方向角度の大きな位置に存在する車両に対しても画像61,62,63に捕らえるようにする。このことは、衝突を回避できる距離でアクションを起こせることにつながる。
【0035】
運転者は、視界の一部の止まった車両が存在するように見えるだけであるので、衝突コースをお互いに進行しているとは、気づきにくい(図4(a),(b),(c)、C1状態〜C3状態参照)。しかし、このように広角ステレオカメラ11で画像61,62,63を取り込み、画像処理装置12で処理した画像61,62,63の右端部に、図4に示すように他車の画像B2が位置することは、自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に他車が存在することを示し、交差点、自車、他車を頂点とする三角形54が図3に示すように相似形のまま徐々に小さくなる衝突コースを進行しているとステップS3で判断するため、運転者は気がつかなくても画像認識でCPU16が識別することとなる。
さらに、このステップS3で判断される他車の画像B2の認識の際には、図4(a)〜(c)に示すように画像で認識される他車の画像B2が大きくなり続けるかどうかも判断することにより、その車両が運転者から見て止まって見える場合でも衝突に向かって進行していることをCPU16が画像識別により判断する。このように衝突する可能性が高いと判断された場合には、ステップS8によって、CPU16からディスプレイ装置13に制御信号を送って運転者に警告されるとともに、車両ECU2に制御信号を送って強制的な車速の低減などの処置により確実に衝突が回避される。
【0036】
また、ステップS3で他車B1を認識する際には、広角ステレオカメラ11で取り込む画像の視差により、他車B1までの距離を画像処理装置12での処理で検出するようにしてより確実に判断する。
【0037】
[判断の精度の向上作用]
さらに、本実施例の車両衝突防止装置1では、CPU16での処理により、判断の精度を向上させることで、衝突の可能性がない場合の誤認識をなくし、本装置の判断の信用性を増し、車両の強制的な回避行動へ応用する場合の信頼性を向上させている。
▲1▼交差する道路の判断
地図データベース15による道路地図情報をCPU16に入力してステップS2で道路が接続するように交差するかを判断することにより、例えば、上下に交わらない道路として立体交差するような場合を除くことができ、道路が接続する交差点53を有する道路であることを確実に精度よく判断する。
また、交差する道路であるかどうかは、画像処理装置12で処理した画像61,62,63から、自車の道路の画像71と他車の道路の画像72及び交差点の画像73をCPU16で認識することによっても判断される。
【0038】
▲2▼交差点までの距離の判断
GPS受信機14により、自車Aの経度、緯度を検出できるので、道路地図情報と照らし合わせることにより、ステップS6、ステップS7で交差点53までの距離をCPU16が判断する。よって、前述のように、横広な画像61,62,63で衝突コースの他車の画像B2を早い段階で検知しておき、交差点53までの距離が回避の必要な距離まで、余裕を持って待つことにより、その前に衝突コースからお互いが回避する場合を除くことができ、より確実に判断する。
また、自車Aの位置から交差点53までの距離は、画像処理装置12で処理した画像61,62,63からCPU16が交差点の画像73を認識することによっても判断される。
【0039】
▲3▼周辺視野の判断
画像処理装置12による画像処理により、図4(a)〜(c)に示すように自車Aの走行する道路の画像71が位置する中心視野部分の画像75以外の周辺視野部分76に他車を捉えることをステップS5で判断することによって、自車Aのいる道路に合流する車や対向車、先行車を除くようにして、より確実な判断を行う。
【0040】
▲4▼直交に近い道路かどうかの判断
地図データベース15から得る道路地図情報によって、交差点53で接続する他車の走行する道路が直交に近くない場合をステップS2で判断することによって、自車Aの道路に斜めに合流するなど衝突の可能性が低い場合を除くようにして、より確実に、見通しはよいが事故が多発する交差点53と同じ状況の場合との区別を判断できるようにする。
【0041】
▲5▼速度が高く所定速度以上であることの判断
車速センサ3から得る車速情報によって、自車Aと他車B1が近い速度で衝突コースを進んでいたとしても、充分に遅い速度の場合には、渋滞、作業中の作業車、お互いが認識して対応するよう減速しているとステップS4で判断することにより、より確実な判断を行う。
また、自車Aと他車B1との相対速度は、画像処理装置12で処理した画像61,62,63において、他車の画像B2の大きくなる時間に対する比率をCPU16で認識することによっても判断される。
【0042】
▲6▼進行方向の判断
舵角センサ4から得る操舵角によって、まだ、距離が遠く、衝突コースを進行中だが警報等を行っていない状態において、大きな操舵角が発生した際には、道路沿いの店舗や駐車場、または迂回路に進路を変更したとステップS5で判断することによって、より確実な判断を行う。
また、進行方向は、道路地図情報とGPS信号の組み合わせ、画像処理装置12で処理した画像61,62,63において、走行していた道路71の見え方をCPU16で認識することによっても判断される。
【0043】
このように本実施例では、より複数の情報によって状況判断が行われるので、非常に確実な判断が行える。
【0044】
次に、効果を説明する。
【0045】
実施例の車両衝突防止装置1にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0046】
(1)自車Aと他車B1との衝突を防止する車両衝突防止装置1において、車両前方の画像61,62,63を取り込む広角ステレオカメラ11を設け、自車の走行する道路71と接続する道路72上にある他車B2で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像61,62,63から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像処理装置12とCPU16を設けたため、見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点での車両の衝突を防ぐことができる。
【0047】
(2)画像の他車B2と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合に画像処理装置12とCPU16が衝突する可能性が高いと判断するため、さらに識別性高く判断して確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0048】
(3)画像入力手段が、自車Aと他車B1との距離を取り込んだ画像61,62,63から検出できる広角ステレオカメラ11であり、CPU16に、道路地図情報を得る地図データベース15とGPS受信機14からデータを入力するようにし、道路地図情報と他車B1までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車Aの走行する道路71と接続する道路72に他車B2が存在し続けているかどうかを識別するようにしたため、より正確に識別でき、確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0049】
(4)広角ステレオカメラ11が横に広い画像61,62,63を取り込むものであり、水平方向角度が大きい位置に他車B2が存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると画像処理装置12とCPU16が衝突する可能性が高いと判断するため、より遠い位置で捕捉して余裕を持って衝突を回避可能にするとともに、中心視野75と周辺視野76を分けることにより、確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0050】
(5)道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いとCPU16が判断するため、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0051】
(6)自車Aの走行速度を入力する車速センサ3を設け、自車Aの走行速度が高い場合に衝突する可能性が高いとCPU16が判断するため、さらに確実に見通しがよいにもかかわらず事故が多発する交差点53での車両の衝突を防ぐことができる。
【0052】
以上、本発明の車両衝突防止装置を実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0053】
例えば、実施例では、移動物体として、車を示したが、鉄道車両であってもよい。また、本発明を航空機の衝突回避システムに組み込むようにしてもよい。
また、実施例では車両衝突防止装置として、単独の装置構成をしめしたが、既存の衝突回避システムに組み込むようにしてよく、またナビゲーション装置に組み込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車両衝突防止装置のシステムブロック図である。
【図2】実施例の車両衝突防止装置のCPUで実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
【図3】実施例の車両衝突防止装置により防止される衝突パターンの説明図である。
【図4】実施例の車両衝突防止装置で処理・表示する画像の説明図である。
【符号の説明】
1 車両衝突防止装置
11 広角ステレオカメラ
12 画像処理装置
13 ディスプレイ装置
14 GPS受信機
15 地図データベース
16 CPU
2 車両ECU
3 車速センサ
4 舵角センサ
51 自車の走行する道路
52 他車の走行する道路
53 交差点
54 自車と他車と交差点を頂点とする直角三角形
61 交差点まで遠距離の画像
62 交差点まで中距離の画像
63 交差点まで近距離の画像
71 自車の走行する道路の画像
72 他車の走行する道路の画像
73 交差点の画像
74 地平線の画像
75 画像の中心視野部分
76 画像の周辺視野部分
A 自車
B1 他車
B2 他車の画像
C1 交差する道路まで遠距離の状態
C2 交差する道路まで中距離の状態
C3 交差する道路まで近距離の状態
θ 自車進行方向からの水平方向角度
Claims (6)
- 車両と移動物体との衝突を防止する車両衝突防止装置において、
車両前方の画像を取り込む画像入力手段を設け、自車の走行する道路と接続する道路上にある移動物体で自車進行方向に対して水平方向一定角度位置に存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると衝突する可能性が高いと判断する画像識別手段を設けたことを特徴とする車両衝突防止装置。 - 請求項1に記載された車両衝突防止装置において、
画像の移動物体と認識した部分が徐々に大きくなり続けている場合に画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断することを特徴とする車両衝突防止装置。 - 請求項1又は請求項2に記載された車両衝突防止装置において、
画像入力手段が、自車と移動物体との距離を取り込んだ画像から検出できるステレオカメラであり、
画像識別手段が、道路地図情報を得る道路情報取得手段を含むものであり、
道路地図情報と移動物体までの距離を考慮して、取り込んだ画像から、自車の走行する道路と接続する道路に移動物体が存在し続けているかどうかを識別するようにしたことを特徴とする車両衝突防止装置。 - 請求項3に記載された車両衝突防止装置において、
画像入力手段が横に広い画像を取り込むものであり、水平方向角度が大きい位置に移動物体が存在し続けていることを取り込んだ画像から識別すると画像識別手段が衝突する可能性が高いと判断することを特徴とする車両衝突防止装置。 - 請求項3又は請求項4に記載された車両衝突防止装置において、
道路情報取得手段から得た道路地図情報から、自車の走行する道路に接続する道路が直交に近い角度で接続する場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断することを特徴とする車両衝突防止装置。 - 請求項3〜請求項5に記載された車両衝突防止装置において、
自車の走行速度を入力する車速入力手段を設け、自車の走行速度が高い場合に衝突する可能性が高いと画像識別手段が判断することを特徴とする車両衝突防止装置。
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