JP3735557B2 - 折り畳みコンテナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、底部を囲むように配設された側壁が、底部に重なるように折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、平面形状が略長方形に形成された底部の相対する長辺部に、ヒンジ部材を介して連結された長側壁と、同じく上記底部の相対する短辺部に、ヒンジ部材を介して連結された短側壁とからなり、底部に対して略垂直に長側壁と短辺部を立てることにより、箱型に組み立てられ、また、折り畳む際には、底部の上に重なるように、長側壁及び短側壁を折り畳むようにした折り畳みコンテナーが知られており、箱型に組み立てられ状態においては、長側壁或いは短側壁が、底部方向に倒れないように、互いに、ロック機構により、ロックされるように構成されており、ロック機構は、長側壁或いは短側壁に形成された、先端に凸条突起が形成された弾性を有する板状体を有し、箱型に組み立てられた状態において、板状体が形成されていない一方の側壁の内壁面に、板状体に形成された凸条突起を当接することにより、側壁が、底部方向に倒れないように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の折り畳みコンテナーにおいては、長側壁及び短側壁が、底部方向に倒れないように配設されたロック機構のロック状態を解除するためには、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーの内部に手を入れて、ロック機構のロック状態を解除しなければならず、従って、ロック機構のロック解除作業の作業性が悪く、特に、ロック機構まで、或いは、ロック機構付近まで、物品が収容されている場合には、ロック解除作業の作業性が一段と悪くなるという問題があった。
【0004】
また、ロック機構が、折り畳みコンテナーの外部に配設されている場合でも、一対のロック機構を、それぞれ、両手で移動させなければならず、ロック解除作業を迅速に行うことができないという問題があった。
【0005】
作業者は、通常、ロック機構のロック作業及びロック解除作業を、折り畳みコンテナーのロック機構が配設されていない一方の側壁側に位置し、折り畳みコンテナーを上方から見ながら行うが、従来の折り畳みコンテナーにおいては、ロック機構の操作部が、ロック機構が配設されて側壁側からかしら視認できないために、ロック機構のロック作業及びロック解除作業の作業性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来の折り畳みコンテナーが有する課題を解決することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、底部と底部にヒンジ部材を介して連結された4つの側壁を有するとともに、底部に側壁を重ねるようにして折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、第1には、折り畳み状態から最初に立てられる側壁には、後から立てられる側壁が当接可能な係止弾性片を形成するとともに、後から立てられる側壁の外壁面に形成されたロック解除部材収納領域の左右領域には、それぞれ、前記係止弾性片を押圧するロック解除本体と操作部を有するロック解除操作体とからなるロック解除部材を、前記操作部が相対するように配設し、前記ロック解除部材の操作部を、互いに、接近する方向に移動させることにより、最初に立てられる側壁と後から立てられる側壁とのロック状態を解除するようにしたものであり、第2には、ロック解除操作体の操作部の上方に位置する周辺リブを構成する上部水平部に、所定の幅の切り欠き凹部を形成したものである。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものでない。
【0009】
本発明の全体構成は、底部1と、底部1にヒンジ連結された相対する長側壁2と、同じく、底部1にヒンジ連結された相対する短側壁3とから構成されており、図1に示されている箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、短側壁3を、図2に示されているように、底部1に重なるように倒し、次いで、長側壁2を、底部1に重ねられた短側壁3に重なるように倒すことにより、図3に示されているように、折り畳みコンテナーをコンパクトに折り畳むことができるように構成されている。また、図3に示されている状態から、長側壁2を、略垂直に立て、次いで、短側壁3を略垂直に立てることにより、図1に示されているように、折り畳まれていた折り畳みコンテナーを、箱型に組み立てることができる。
【0010】
次に、図4を用いて、底部1について説明する。
【0011】
底部1は、平面形状が略長方形に形成されており、底部1の相対する長辺側には、長手方向に対して垂直な断面形状が略逆U字状の長辺側土手部1aが形成されている。長辺側土手部1aの外側上面には、長辺側土手部1aの外側面と面一な、上方に延在する外壁(以下、長辺側外壁という。)1bが形成されており、また、長辺側土手部1aの内側上面には、長辺側ヒンジ雌部H1を構成する板状部h1が上方に延在するとともに、板状部h1の上部には、その先端が長辺側外壁1b方向に湾曲したフックh2が形成されている。長辺側土手部1aには、長辺側ヒンジ雌部H1が、所定の間隔で適当数、形成されている。なお、本実施例には、7個の長辺側ヒンジ雌部H1が形成されている例が示されている。そして、長辺側ヒンジ雌部H1は、長辺側外壁1bと略同じ高さに形成されている。
【0012】
底部1の相対する短辺側には、長辺側土手部1aに形成された長辺側外壁1bより、高さの低い外壁(以下、短辺側外壁という。)1cが形成されており、短辺側外壁1cには、所定の間隔を置いて、外側及び上方が開口された一対の嵌合凹部1c1が形成されている。また、短辺側外壁1cに沿って、且つ、短辺側外壁1cに接近して、底部1には、板状部h1と、短辺側外壁1c方向に湾曲したフックh2とからなる、上述した長辺側ヒンジ雌部H1と同様の短辺側ヒンジ雌部H2が形成されている。なお、本実施例には、短辺側ヒンジ雌部H2が、3個、配設されている例が示されている。そして、短辺側ヒンジ雌部H2は、短辺側外壁1cの高さと略同じ高さに形成されている。
【0013】
底部1の4つの角部には、長辺側外壁1bを越えて上方に延在する、平面形状が略L字状の角部載置ブロック1dが形成されている。角部載置ブロック1dは、長辺側土手部1aと略同じ幅で、長辺側土手部1a方向に延在する長辺側部分1d1と、短辺側外壁1cより内側で、且つ、短辺側外壁1cに沿って延在する短辺側部分1d2とを有しており、短辺側部分1d2の外側には、段部1d3が形成されている。
【0014】
1eは、長辺側土手部1aの上面と長辺側外壁1bの内壁面とにより形成される隅部に、所定の間隔を置いて適当数形成された長辺側載置ブロックであり、長辺側載置ブロック1eは、上述した角部載置ブロック1dと同じ高さを有している。本実施例においては、角部載置ブロック1dと角部載置ブロック1dに隣接する長辺側ヒンジ雌部H1との間、及び、隣接する長辺側ヒンジ雌部H1間に形成されており、合計で、6個の長辺側載置ブロック1eが形成されている。1fは、長辺側土手部1aの上面と長辺側外壁1bの内壁面とにより形成される隅部の適当な箇所に形成された板状の補強リブであり、補強リブ1fは、長辺側外壁1bを越えて上方に延在しないように形成されている。なお、角部載置ブロック1d及び長辺側載置ブロック1eは、外側に開口を有し、内部が空洞に形成されていることが、底部1、ひいては、折り畳みコンテナーの重量の低減化の観点から好ましく、角部載置ブロック1dのように、必要に応じて、縦横にリブ1d4を形成することもできる。
【0015】
次に、図5、図6及び図14を用いて、長側壁2について説明する。
【0016】
長側壁2は、横長の略長方形状の板状部2aを有しており、板状部2aには、板状部2aの上下端辺及び左右端辺に沿って、板状部2aの面に対して垂直に延在する周辺リブ2bが延設されている。周辺リブ2bにより囲まれた板状部2aには、適宜、垂直方向及び水平方向に延在する補強リブ2cが、適当本数、形成されている。周辺リブ2bや補強リブ2cが形成されている側が、箱型に組み立てられた際の折り畳みコンテナーの外側に位置し、長側壁2の外壁面を形成するとともに、このような周辺リブ2bや補強リブ2cが形成されていない、平坦な側が、箱型に組み立てられた際の折り畳みコンテナーの内側に位置し、長側壁2の内壁面を形成することになる。
【0017】
長側壁2の両垂直端には、板状部2aに略垂直に、且つ、長側壁2の内壁面方向に延在する、縦長の係合枠2dが形成されており。係合枠2dには、上下方向に所定の間隔を置いて、板状部2aに略平行な嵌合孔2e1、2e2、2e3が、3個、形成されている。嵌合孔2e1、2e2、2e3のうち、中央に位置する嵌合孔2e2の周囲には、板状部2aと共働して、嵌合孔2e2を囲むように、且つ、板状部2aに連結された略コの字状の補強土手部2e4が形成されており、このような、補強土手部2e4を形成することにより、係合枠2dのひねり強度及び剛性を高めることができる。
【0018】
長側壁2の板状部2aの上部両端角部付近には、それぞれ、コの字状のスリット2fが形成されており、コの字状のスリット2fを形成することにより、スリット2fで囲まれた部分が、片持ち状の係止弾性片2gに形成されている。係止弾性片2gの内壁面側の先端には、係止突部2g1が突設されており、係止突部2g1の係合枠2d側の垂直面は、好ましくは、係合枠2dの内壁面側の面2d1と略平行な垂直面2g2に形成されているとともに、係止突部2g1には、垂直面2g2から内壁面に向かって傾斜面2g3が形成されている。また、係止弾性片2gの係止突部2g1は、その先端が、内壁面から、所定量、突出するように形成されており、本実施例においては、係止弾性片2gは、係合枠2dに形成された上方に位置する嵌合孔2e1と中央に位置する嵌合孔2e2との間に位置するように構成されている。
【0019】
2hは、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1の裏面に、所定の間隔を置いて形成された、横長の下部ブロックであり、下部ブロック2h間には、上述した底部1に形成された長辺側載置ブロック1eが挿入可能な凹部2iが形成されている。本実施例には、7個の下部ブロック2hが示されており、また、6個の長辺側載置ブロック1eに対応して、6個の凹部2iが形成されている。各下部ブロック2hの水平枠2h1の下面には、所定の間隔を置いて、下端が半円形状の一対の支持片h3が垂設されており、また、支持片h3間には、水平ピンh4が架橋されており、一対の支持片h3と水平ピンh4とにより、上述した底部1の長辺側ヒンジ雌部H1に対応した長側壁側ヒンジ雄部H3が形成されている。なお、下部ブロック2hの水平枠2h1の下面の長側壁側ヒンジ雄部H3が形成されていない部分には、支持片h3と同様の補強片2jが垂設されており、また、隣り合う補強片2jと支持片h3或いは隣り合う補強片2jと支持片h3とは、連結板2kにより連結されている。
【0020】
2mは、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1の両端部付近に形成された、下方が解放された凹部であり、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、上述した底部1に形成された角部載置ブロック1dの短辺側部分1d2が挿入されるように構成されている。また、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1と両側に位置する下部ブロック2hとにより、角部切り欠き部2nが形成されており、この角部切り欠き部2nには、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、上述した底部1に形成された角部載置ブロック1dの長辺側部分1d1が挿入されるように構成されている。
【0021】
次に、図7〜図12及び図14を用いて、短側壁3について説明する。
【0022】
短側壁3は、横長の略長方形状の板状部3aを有しており、板状部3aには、板状部3aの上下端辺及び左右端辺に沿って、板状部3aの面に対して垂直に延在する周辺リブ3bが延設されている。周辺リブ3bを形成する略垂直な側部3b1の外側には、板状部3aを延長することにより形成された縦長の板部3c1を有する張出枠3cが形成されている。張出枠3cの下面と周辺リブ3bを形成する略垂直な側部3b1とにより、張出枠3cの下部には、角部切り欠き部3dが形成されており、この角部切り欠き部3dには、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、上述した底部1に形成された角部載置ブロック1dの短辺側部分1d2が挿入されるように構成されている。
【0023】
張出枠3cを形成する板部3c1の垂直縁には、板部3c1に垂直で、且つ、外側方向に延在する端部垂直リブ3c2が形成されており、板部3c1及び端部垂直リブ3c2には、端部垂直リブ3c2の先端を越えて延在するとともに、その先端の高さが同じである嵌合突部3e1、3e2、3e3が形成されており、嵌合突部3e1、3e2、3e3は、上述した長側壁2の係合枠2dに形成された嵌合孔2e1、2e2、2e3に挿入されるように構成されている。中央に位置する嵌合突部3e2の上下部分には、凹部3fが形成されており、中央に位置する嵌合突部3e2は、上下に位置する嵌合突部3e1、3e3に比べて、その長さが長く形成されており、そして、上記の凹部3fには、折り畳みコンテナーを箱型に組みたてた際に、長側壁2の係合枠2dの中央に位置する嵌合孔2e2の周囲に形成された補強土手部2e4が挿入されるように構成されている。
【0024】
短側壁3の板状部3aの上部の両角部付近で、外側、即ち、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てた際に、外側に位置する部分には、後述するロック解除本体及びロック解除操作体とからなるロック解除部材が配設可能なロック解除部材収納領域3gが形成されている。ロック解除部材収納領域3gは、上部水平部3b2と、側部3b1と、側部3b1までは達していない、板状部3aの上方に形成された第1水平リブ3g1と、第1水平リブ3g1より幅が狭く、且つ、第1水平リブ3g1の上方に位置する第2水平リブ3g2と、第2水平リブ3g2の両端から、第1水平リブ3gまで延在する内側垂直リブ3g3と、第1水平リブ3g1の両端から下方に延在する外側垂直リブ3g4と、外側垂直リブ3g4の下端と側部3b1を連結する第3水平リブ3g5とにより囲まれており、ロック解部材収納領域3gの左右領域3g’、3g”には、それぞれ、ロック解除部材を構成する1個のロック解除本体及び1個のロック解除操作体が配設されるように構成されている。
【0025】
3g6’、3g6”は、上部水平部3b2と第3水平リブ3g5とから、互いに、対向して接近する方向に延在する上部垂直分枝リブ及び下部垂直分枝リブであり、上部垂直分枝リブ3g6’の先端からは、側部3b1方向に延在するとともに、側部3b1に連結された、側部3b1に向かって下方に傾斜した上部傾斜リブ3g7が延在しており、また、下部垂直分枝リブ3g6”の先端からは、側部3b1方向に延在するとともに、側部3b1に連結された、側部3b1に向かって上方に傾斜した下部傾斜リブ3g8が延在している。
【0026】
3g9は、上部傾斜リブ3g7付近に位置する上部水平部3b2に連接された略U字状のリブであり、略U字状のリブ3g9の水平部下面には、第1上部係止突起3h1が垂下されており、また、第1水平リブ3g1の両端部付近の上面には、第1上部係止突起3h1と対向するように、第1下部係止突起3h2が立設されている。また、第2水平リブ3g2の両端部付近の上面には、第2下部係止突起3h3が立設されており、上部水平部3b2の下面には、第2下部係止突起3h3と対向するように第2上部係止突起3h4が垂下されている。更に、第2水平リブ3g2の中程の上面には、第3下部係止突起3h5が立設されており、上部水平部3b2の中程の下面には、第3下部係止突起3h5と若干ずれて、第3上部係止突起3h6が垂下されている。上記の第1上部係止突起3h1、第1下部係止突起3h2、第2下部係止突起3h3、第2上部係止突起3h4、第3下部係止突起3h5及び第3上部係止突起3h6と、短側壁3の板状部3aとの間には、所定の間隙が形成されており、また、金型設計上、第1上部係止突起3h1、第1下部係止突起3h2、第2下部係止突起3h3、第2上部係止突起3h4、第3下部係止突起3h5及び第3上部係止突起3h6の背後に位置する板状部3aには透孔3a1が形成されている。3i1は、第2上部係止突起3h4と第3上部係止突起3h6との間に位置する上部水平部3b2の下面に垂下された上部規制リブであり、3i2は、第2下部係止突起3h3と第3下部係止突起3h5との間に位置する第2水平リブ3g2の上面に立設された下部規制リブである。なお、3jは、第3水平リブ3g5と周辺リブ3bの下部水平部3b3とを連結する連結垂直リブである。
【0027】
次に、長側壁2の板状部2aに形成された係止弾性片2gを、係止弾性片2gの弾性に抗して回動させるためのロック解除部材Rについて説明するが、本実施例には、ロック解除部材Rが、ロック解除本体4とロック解除操作体5とに分割されて構成されている例が示されているが、ロック解除本体4とロック解除操作体5とを一体に形成することもできる。
【0028】
4は、ロック解除本体であり、ロック解除本体4は、上下に、互いに平行なレール部4a1が形成された略方形状の基部4aを有しており、基部4aの中央部には、作業者が、指を挿入可能な引っ掛け凹部4a2が形成されている。基部4aには、正面形状が三角形状の土手部4a3が形成されており、三角形状の土手部4a3の先端部からは、基部4aの奥板4a4を延長することにより形成された横長の略長方形板状の押圧部4bが延在している。また、三角形状の土手部4a3の先端部からは、押圧部4bに連結された支持リブ4cが延設されており、更に、支持リブ4cの先端部には、上下方向に、且つ、三角形状の土手部4a3方向に傾斜した一対の弾性条片4d1からなる矢印状の弾性翼部4dが形成されている。4eは、土手部4a3に形成された垂直突条であり、このような垂直突条4eを形成したことにより、ロック解除本体4が、視覚的に確認し易くなる。なお、基部4aに奥板4a4を形成することなく、引っ掛け凹部4a2を、基部4aに形成された窓部として構成することもできる。
【0029】
上述したロック解除本体4は、ロック解除本体4のレール部4a1を、短側壁3の板状部3aと、上述した短側壁3に形成された第1上部係止突起3h1と第1下部係止突起3h2との間隙に挿入するとともに、ロック解除本体4の押圧部4bを、短側壁3に形成された上部傾斜リブ3g7と下部傾斜リブ3g8と間に位置する側部3b1に形成されたスリット3kに挿入し、更には、ロック解除本体4の一対の弾性条片4d1を、上部垂直分枝リブ3g6’と略U字状のリブ3g9の垂直部とにより形成される上部凹部3m1及び下部垂直分枝リブ3g6”と外側垂直リブ3g4とにより形成される下部凹部3m2に、それぞれ、挿入することにより、短側壁3に配設されるように構成されている。ロック解除本体4に外力が作用していない状態においては、上部凹部3m1及び下部凹部3m2に挿入された一対の弾性条片3d1の弾性力により、スリット3kに挿入されているロック解除本体4の押圧部4bは、短側壁3の張出枠3cの端部垂直リブ3c2を越えて、外側に延在しないように構成されている。
【0030】
5は、ロック解除操作体であり、ロック解除操作体5は、細長い水平基部5aと、水平基部5aの一方の先端部に形成された、平面形状が略L字状の押出枠5bと、水平基部5aのもう一方の先端に形成された板状の摘み部5cとを有しており、板状の摘み部5cの一方の先端には、押出枠5b方向に延在する水平部5c1が形成されている。また、押出枠5bの水平基部5aに沿った板部5b1には、上下の互いに平行なレール部5b2を残して、コの字状の補強枠5dが形成されている。5eは、コの字状の補強枠5dの垂直部5d1と水平基部5aとにより形成された隅部に形成された略方形状の案内板である。
【0031】
上述したロック解除操作体5のうち、図10において、ロック解除部材収納領域3gの左領域3g’に配置されるロック解除操作体5は、ロック解除操作体5のレール部5b2を、短側壁3の板状部3aと、上述した短側壁3に形成された第2下部係止突起3h3と第2上部係止突起3h4との間隙に挿入するとともに、水平基部5aの下部を、短側壁3の板状部3aと第3下部係止突起3h5との間隙に挿入することにより、短側壁3に配設されるように構成されている。そして、ロック解除操作体5の押出枠5bの水平基部5aに垂直な押出部5b3は、ロック解除本体4の基部4aの垂直部4a5に当接或いは接近して配置されるように構成されている。ロック解除部材収納領域3gの左領域3g’に配置されるロック解除操作体5は、図9や図12等に示されているように、摘み部5cの水平部5c1や案内板5eが、水平基部5aの上方に位置するように配設される。また、ロック解除操作体5の案内板5eは、第2上部係止突起3h4と第3上部係止突起3h6との間に位置する上部水平部3b2の下面に垂下された上部規制リブ3i1の下端と当接しており、ロック解除操作体5の上下方向の過度の動きを規制するように構成されている。
【0032】
また、上述したロック解除操作体5のうち、図10において、ロック解除部材収納領域3gの右領域3g”に配置されるロック解除操作体5は、上述したロック解除部材収納領域3gの左領域3g’に配置されるロック解除操作体5とは反対に、図12等に示されているように、摘み部5cの水平部5c1や案内板5eが、水平基部5aの下方に位置するように配設される。そして、ロック解除部材収納領域3gの右領域3g”に配置されるロック解除操作体5は、ロック解除操作体5のレール部5b2を、短側壁3の板状部3aと、上述した短側壁3に形成された第2下部係止突起3h3と第2上部係止突起3h4との間隙に挿入するとともに、水平基部5aの上部を、短側壁3の板状部3aと第3上部係止突起3h6との間隙に挿入することにより、短側壁3に配設されるように構成されている。そして、同様に、ロック解除操作体5の押出枠5bの水平基部5aに垂直な押出部5b3が、ロック解除本体4の基部4aの垂直部4a5に当接或いは接近して配置されるように構成されている。また、ロック解除操作体5の案内板5eは、第2下部係止突起3h3と第3下部係止突起3h5との間に位置する第2水平リブ3g2の上面に立設された下部規制リブ3i2の上端と当接しており、ロック解除操作体5の上下方向の過度の動きを規制するように構成されている。
【0033】
更に、ロック解除部材収納領域3gの左右領域3g’、3g”に配置された一対のロック解除操作体5は、平面的に見て、摘み部5c側に位置する水平基部5aが、上下方向に部分的に重なるように配置されるとともに、摘み部5cを構成する垂直部5c2が相対するように配置されるとともに、垂直部5c2の端部から水平方向に延在する水平部5c1が、互いに、接近する方向に位置するように配置されている。そして、後述するロック解除非作動時においては、一対のロック解除操作体5の摘み部5cを構成する水平部5c1の先端間には、所定の間隙w1が形成されている。
【0034】
周辺リブ3bを形成する下部水平部3b3の下面には、上述した長側壁側ヒンジ雄部H3を構成する支持片h3と同様の一対の支持片h3が垂設されており、また、支持片h3間には、同様の水平ピンh4が架橋されており、一対の支持片h3と水平ピンh4とにより、上述した底部1の短辺側ヒンジ雌部H2に対応した短側壁側ヒンジ雄部H4が形成されている。また、短側壁側ヒンジ雄部H4を構成する支持片h3に隣接して、上述した長側壁2に形成された補強片と同様の補強片3nが垂設されており、そして、隣り合う補強片3nと支持片h3とは、上述した長側壁2に形成された連結板2kと同様の連結板3pにより連結されている。なお、3qは、下部水平部3b3の下面に垂設された補強片3n間に位置する一対の間隙であり、この間隙3qには、底部1の短辺側外壁1cに形成された一対の嵌合凹部1c1を構成する膨出部1c1’が挿入されるように構成されている。
【0035】
上述した構成を有する底部1、長側壁2、短側壁3、ロック解除部材Rを構成するロック解除本体4及びロック解除操作体5は、射出成形等により、合成樹脂で、それぞれ、一体に成形することが好ましい。
【0036】
次に、底部1、長側壁2及び短側壁3を、折り畳みコンテナーに組み立てる作業について説明する。
【0037】
底部1に、長側壁2をヒンジ連結するには、底部1の長辺側土手部1aに沿って形成された長辺側ヒンジ雌部H1のフックh2と長辺側外壁1bとの間隙に、長側壁2の長側壁側ヒンジ雄部H3の水平ピンh4を嵌入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1の長辺側ヒンジ雌部H1のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と長側壁2をヒンジ連結する。この際、上述したように、長側壁2の周辺リブ2bを構成する下部水平部2b1の裏面に配設された下部ブロック2h間に形成されている凹部2iには、底部1に形成された長辺側載置ブロック1eが挿入されるように構成されている。
【0038】
また、底部1に、短側壁3を連結するには、底部1の短辺側外壁1cに沿って形成された短辺側ヒンジ雌部H2のフックh2と短辺側外壁1cとの間隙に、短側壁3の短側壁側ヒンジ雄部H4の水平ピンh4を嵌入するとともに、水平ピンh4を、上記底部1の短辺側ヒンジ雌部H2のフックh2に引っ掛けることにより、底部1と短側壁3をヒンジ連結する。
【0039】
上述したようにして、底部1と長側壁2とがヒンジ連結されるとともに、底部1と短側壁3とがヒンジ連結されて、折り畳みコンテナーが組み立てられることになる。
【0040】
図3に示されているように折り畳まれた状態から、図1に示されているように、箱型に折り畳みコンテナーを組み立てるには、先ず最初に、図2に示されているように、長側壁2を略垂直に立てる。次いで、底部1に重なるようにして折り畳まれている短側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させると、短側壁3の張出枠3cが、長側壁2に形成された係合枠2dに対向するように接近し、更に、短側壁3を、垂直方向に回動させると、短側壁3の張出枠3cの端部垂直リブ3c2が、長側壁2の内壁面から突出している係止弾性片2gの係止突部2g1を押して、係止弾性片2gを、外側面方向に、係止弾性片2gの弾性に抗して、回動させる。更に、短側壁3を、垂直方向に回動させると、短側壁3の張出部3cに突設された嵌合突部3e1、3e2、3e3が、長側壁2の係合枠2dに形成された嵌合孔2e1、2e2、2e3に挿入される。この短側壁3の張出枠3cに突設された嵌合突部3e1、3e2、3e3が、長側壁2の係合枠2dに形成された嵌合孔2e1、2e2、2e3に挿入される過程において、短側壁3の張出部3cの端部垂直リブ3c2から、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1が外れて、係止弾性片2gが、その弾性により、図14に示されているような、元の位置に戻り、係止弾性片2gの垂直面2g2が、短側壁3の張出部3cの板部3c1に当接し、従って、短側壁3が、底部1方向に回動しようとしても、短側壁3の張出部3cが、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1に当接し、底部1方向への回動が阻止されることになり、短側壁3に外側から負荷が掛かっても、底部1方向に倒れるようなことがない。同様にして、もう一方の短側壁3を、略水平状態から垂直方向に回動させて、折り畳みコンテナーを箱型に組み立てる。
【0041】
箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際には、短側壁3に配設されたロック解除部材収納領域3gの左右領域3g’、3g”に配置された一対のロック解除操作体5の操作部としての摘み部5cを構成する相対する垂直部5c2に、一方の手の親指と人指し指等を当てがい、その後、親指と人指し指等を、接近する方向に移動させて、一対のロック解除操作体5の摘み部5cを構成する相対する垂直部5c2及び水平部5c1を接近させると、ロック解除本体4の基部4aの垂直部4a5に当接或いは接近して配置されているロック解除操作体5の押出枠5bが、ロック解除本体4を、上部凹部3m1及び下部凹部3m2に挿入された一対の弾性条片3d1の弾性力に抗して、長側壁2方向に移動させる。すると、長側壁2の板状部2aの上部両端角部付近に形成されている係止弾性片2gの係止突部2g1と対峙した位置にあるロック解除本体4の押圧部4bの先端部が、短側壁3の張出枠3cの端部垂直リブ3c2を越えて外側に突出し、図15に示されているように、長側壁2に形成された係止弾性片2gの係止突部2g1を、係止突部2g1が、短側壁3の張出枠3cから外れる方向、即ち、外側方向に押して、長側壁2の係止弾性片2gを、その弾性に抗して湾曲させる。長側壁2に形成された長側壁2の係止弾性片2gの係止突部2g1が、短側壁3の張出枠3cから外れた時点で、図13に示されているように、短側壁3を、底部1方向に回動させて、一対の相対する短側壁3を、底部1上に重ねる。次いで、一対の相対する長側壁2を、底部1上に重ねられた一対の相対する短側壁3の上に重ねることにより、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳むことができる。
【0042】
上述したように、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナーを折り畳む際には、折り畳みコンテナーの外側から、短側壁3に配設されたロック解除部材収納領域3gの左右領域3g’、3g”に配置された一対のロック解除操作体5の操作部としての摘み部5cを構成する相対する垂直部5c2に、一方の手の親指と人指し指等を当てがい、その後、親指と人指し指等を、接近する方向に移動させて、一対のロック解除操作体5の摘み部5cを構成する相対する垂直部5c2及び水平部5c1を接近させることにより、所謂、一方の手のみによるワンタッチ動作により、長側壁2の係止弾性片2gと短側壁3の張出枠3cとのロック状態を解除することができ、従って、ロック機構のロック解除作業の作業性が向上することになる。
【0043】
上述したように、短側壁3に配設された一対のロック解除本体4間に、一対のロック解除操作体5を介在させることにより、一方の手のみによるワンタッチ動作により、長側壁2と短側壁3とのロック状態を解除することができるので、ロック機構のロック解除作業の作業性が向上する。
【0044】
また、図1、図7及び図8等に示されているように、短側壁3のロック解除部材収納領域3gの左右領域3g’、3g”に配置された一対のロック解除操作体5の操作部としての摘み部5cの上方に位置する、短側壁3の周辺リブ3bを構成する上部水平部3b2には、摘み部5cの上方に位置する上部水平部3b2の幅(短側壁3の板状部3aに対して直角方向の長さ)w1を、摘み部5cが位置していない上部水平部3b2の幅w2よりも狭くすることにより、所定の幅の切り欠き凹部3b4が形成されている。このように、ロック解除操作体5の操作部としての摘み部5cの上方に位置する上部水平部3b2に、所定の幅の切り欠き凹部3b4を形成することにより、作業者が、ロック解除部材Rのロック作業及びロック解除作業の際に、ロック解除部材Rが配設されていない長側壁2側に位置し、折り畳みコンテナーを上方から見ても、操作部としての摘み部5cを視認することができるので、ロック解除部材Rのロック作業及びロック解除作業の作業性が向上する。
【0045】
更に、ロック解除部材Rを構成するロック解除本体4及びロック解除操作体5を、短側壁3の該側面に配設したので、折り畳みコンテナーの内部に手を入れて、長側壁2に形成された係止弾性片2gを、短側壁3から外すことなく、単に、折り畳みコンテナーの外側から、ロック解除操作体5を作動させることにより、長側壁2と短側壁3とのロック状態を解除することができるので、ロック解除作業の作業性が向上する。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上説明した構成を有しているので、以下に記載する効果を奏するものである。
【0047】
係止弾性片を押圧するロック解除本体と操作部を有するロック解除操作体とからなるロック解除部材を、操作部が相対するように配設するとともに、ロック解除部材の操作部を、互いに、接近する方向に移動させるようにしたので、一方の手のみによるワンタッチ動作により、最初に立てられる側壁と後から立てられる側壁とのロック状態を解除することができるので、ロック機構のロック解除作業の作業性が向上する。
【0048】
ロック解除操作体の操作部の上方に位置する周辺リブを構成する上部水平部に、所定の幅の切り欠き凹部を形成したので、操作部としての摘み部の視認性が高まり、従って、ロック解除部材のロック作業及びロック解除作業の作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てられた状態の斜視図である。
【図2】図2は本発明の折り畳みコンテナーの組み立て途中の斜視図である。
【図3】図3は本発明の折り畳みコンテナーの折り畳まれた状態の斜視図である。
【図4】図4は本発明の折り畳みコンテナーの底部の斜視図である。
【図5】図5は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁の外壁面側から見た斜視図である。
【図6】図6は本発明の折り畳みコンテナーの長側壁の内壁面側から見た斜視図である。
【図7】図7は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の外壁面側から見た斜視図である。
【図8】図8は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の内壁面側から見た斜視図である。
【図9】図9は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の外壁面側から見た部分分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の外壁面側から見たロック解除部材等が省略された状態の正面図である。
【図11】図11は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の外壁面側から見たロック解除部材等が配設された状態の正面図である。
【図12】図12は図11と同様の本発明の折り畳みコンテナーの短側壁の外壁面側から見たロック解除部材等が配設された状態の正面図である。
【図13】図13は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁が回動途中の状態の折り畳みコンテナーの部分斜視図である。
【図14】図14は本発明の折り畳みコンテナーが箱型に組み立てれた状態の角部付近の部分水平断面図である。
【図15】図15は本発明の折り畳みコンテナーの短側壁が底部方向に回動される過程を説明するための図14と同様の部分水平断面図である。
【符号の説明】
R・・・・・・・・・・・・ロック解除部材
1・・・・・・・・・・・・底部
1d・・・・・・・・・・・角部載置ブロック
2・・・・・・・・・・・・長側壁
2d・・・・・・・・・・・係合枠
3・・・・・・・・・・・・短側壁
3c・・・・・・・・・・・張出枠
4・・・・・・・・・・・・ロック解除本体
5・・・・・・・・・・・・ロック解除操作体
Claims (2)
- 底部と底部にヒンジ部材を介して連結された4つの側壁を有するとともに、底部に側壁を重ねるようにして折り畳むことが可能な折り畳みコンテナーにおいて、折り畳み状態から最初に立てられる側壁には、後から立てられる側壁が当接可能な係止弾性片を形成するとともに、後から立てられる側壁の外壁面に形成されたロック解除部材収納領域の左右領域には、それぞれ、前記係止弾性片を押圧するロック解除本体と操作部を有するロック解除操作体とからなるロック解除部材を、前記操作部が相対するように配設し、前記ロック解除部材の操作部を、互いに、接近する方向に移動させることにより、最初に立てられる側壁と後から立てられる側壁とのロック状態を解除するようにしたことを特徴とする折り畳みコンテナー。
- ロック解除操作体の操作部の上方に位置する周辺リブを構成する上部水平部に、所定の幅の切り欠き凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の折り畳みコンテナー。
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