JP2604551Y2

JP2604551Y2 - 収納ケース

Info

Publication number: JP2604551Y2
Application number: JP1993038466U
Authority: JP
Inventors: 保武桜井
Original assignee: 内藤工業株式会社
Priority date: 1993-06-21
Filing date: 1993-06-21
Publication date: 2000-05-22
Anticipated expiration: 2008-06-21
Also published as: JPH0728093U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ケースを閉じた際に
上下方向の撓みを防止することのできる収納ケースの改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ケース本体と蓋体との間に一対の
ヒンジ部を介して連設後壁と連接した箱型の合成樹脂か
らなる収納ケースにおいては、ケース本体と蓋体の側壁
に凹凸係合する構造を設けて蓋体をケース本体に掛止め
ている。しかし、ケース本体に対して上下方向、即ち蓋
体を開く方向に力が加わると、上記係合部分が外れ易く
なり、収納ケースが歪んだり、蓋体が開いたりしてしま
う欠点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】この考案は上記事情
に鑑みて創案されたもので、その主たる課題は、ケース
を閉めた際に、上下方向、即ち蓋体を開く方向に負荷が
かかっても、重合する前壁間で左右方向の撓みや変位を
拘束できるように係合して、蓋体のケース本体との掛止
を高めて歪みや蓋体の開きを防止することができる収納
ケースを提供することにある。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】上記課題を解決するた
めに、この考案では、正方形または長方形からなる底壁
と、該底壁の左右側方および前方の三方の縁部を覆って
立設する左右の側壁および前壁とを有するケース本体
と、底壁に対応する頂壁と、該頂壁の少なくとも左右側
方および前方の三方の縁部を覆って立設しケース本体に
嵌合可能な左右の側壁および前壁とを有する蓋体と、上
記ケース本体の底壁の後方縁部と第１ヒンジ部を介して
連接されると共に蓋体の頂壁の後方縁部と第２ヒンジ部
を介して連設される連設後壁と、前記ケース本体の側壁
と、蓋体の側壁との重合部分に形成されて、左右方向に
凹凸係合する開閉用の係止凹部および係止突部とを有す
る合成樹脂製の収納ケースにおいて、ケース本体の前壁
の内側面に突設されて、先端がケース本体の前壁の先端
よりも短く設定された左右一対の杆状の突部を設ける、
ケース本体の前壁の中央寄りに突設されて、先端が上記
突部よりも長く設定された杆状のストッパを設ける、蓋
体の前壁で、ケースを閉じた際に前記突部の先端を嵌込
可能な長さに切り欠かれた切欠部分を設ける、該切欠部
分の縦に延びる外側の縁部で、該縁部が前記突部の左右
方向の外側と衝合可能な一対の衝合辺部を設ける、蓋体
の前壁の中央寄りで、内側へ窪んで屈曲し、ケースを閉
じた際に前記ストッパが前後方向の外側に略隙間無く嵌
め込まれる補強用の屈曲部を設ける、ケース本体の前壁
が蓋体の前壁の外側に嵌め込まれてケースが閉じられる
と、突部と衝合辺部とが同一面上で係合すると共に、ス
トッパが前記屈曲部の前方に嵌合してなる、という技術
的手段を講じている。

【０００５】

【作用】第１および第２ヒンジ部を介して蓋体を屈曲し
ケース本体を閉じると、双方の側壁が内外に重合する。
その際に、一方の側壁に設けた係止凹部に、他方の側壁
に設けた係止突部が突入し、蓋体の側壁とケース本体の
側壁とが、ケースを開閉する方向に拘束される。これと
同時に、蓋体の前壁がケース本体の前壁の内側に重なる
ように入り込み、蓋体前壁の一対の衝合辺部が、ケース
本体前壁の突部の横に左右方向外側から接する。これに
より、蓋体を開く方向に負荷がかかった場合に、蓋体は
前記突部で衝合辺部が拘束されると共に、ケース本体の
ストッパが前記蓋体前壁の屈曲部の前方に嵌合するので
前後方向にも拘束されるので、幅を狭める方向にわん曲
することがなく、前記係止突部と係止凹部との係合力を
損なうことがない。

【０００６】

【実施例】以下にこの考案を、ビデオテープを収納する
収納ケースに適用した場合の実施例について図面を参照
しながら説明する。図１および図２に示す収納ケース１
は、合成樹脂からなっており、ケース本体２と蓋体３と
を第１ヒンジ部４１、第２ヒンジ部４２で連接した連設
後壁４を介して屈曲自在とした構成からなっている。即
ち、ケース本体２は、１辺が第１ヒンジ部４１に連設さ
れた矩形の底壁２１と、残りの縁部の三方を覆うように
同一の高さで立設されて、第１ヒンジ部４１の対向側の
縁部に配置された前壁２２と、左右側方に配置された左
右の側壁２３、２４とからなっている。

【０００７】そして、前壁２２には、中央寄りに一対の
杆状のストッパ５１、５２が底壁２１から一体に垂直に
立設しており、その外側に、左右一対の杆状の突部６
１、６２が底壁２１から一体に垂直に立設している。こ
こで突部６１、６２は、底壁２１から前壁２２の中途位
置まで延びて一体に形成されているので、前壁２２を補
強する桟としても機能する。次に、左右の側壁２３、２
４には、中央寄りに一対の杆状のストッパ５６、５７が
底壁２１から一体に垂直に立設している。更に、左右の
側壁２３、２４の前方寄りの内面には、内方へ突出する
横長の断面略三角形からなる係止突部８１、８１がそれ
ぞれ突設されている。

【０００８】次に、前記蓋体３の前壁３２は、中央で内
側へ平面コ状に屈曲する補強用のコ状屈曲部３２ａを形
成している。このコ状屈曲部３２ａは、収納ケースを閉
じた際に、前記前壁２２のストッパ５１、５２が窪んだ
方向に略隙間なく嵌合して前後方向のスペーサとなるよ
うに内側に凹んでいる。

【０００９】また前壁３２はその左右両側近傍を残して
横倒略コ状に切りかかれた切欠部７が形成されている。
そして、この切欠部７を形成する左右の縦辺の縁部が基
端方向に内向きに僅かに斜めに傾斜されて左右一対の衝
合辺部７１、７２となっている。この一対の衝合辺部７
１、７２は、蓋体３をケース本体２に閉じた際に、前記
一対の突部６１、１６２の先端と外側から衝合し突部６
１、６２と密着するように斜めに設定されている。本実
施例では、１つの切欠部を設けそれを形成する縦辺に衝
合辺部を設けた形状を例示したが、例えば、各突部６
１、６２に対応し、該突部６１、６２を出没自在とする
凹部を形成し、該凹部を形成する辺を衝合辺部とするも
のであってもよい。

【００１０】なお、３３ａ、３４ａは、蓋体３のそれぞ
れの側壁３３、３４に設けられた補強用のコ状屈曲部で
あって、収納ケースを閉じた際に、前記ストッパ５５、
５６とがそれぞれコ状屈曲部３３ａ、３４ａの窪んだ方
向に略隙間なく嵌合するスペーサとなって、左右方向の
ガタつきを防止している。また３５は、側壁３３、３４
の後端と連接される後壁であって、中央に外方に突出す
るコ状屈曲部３５ａを有している。

【００１１】上記構成からなっているので、第１ヒンジ
部４１および第２ヒンジ部４２を介して蓋体３を屈曲し
ケース本体２に嵌込むと、蓋体３側の周壁（前壁３２、
左右側壁３３、３４、後壁３５）が嵌め込まれる。その
際に、蓋体の側壁３３、３４に設けた係止凹部８２、８
２に、ケース本体の側壁２３、２４に設けた係止突部８
１、８１が突入し、蓋体３の側壁３３、３４とケース本
体２の側壁２３、２４とが、ケースを開閉する方向に拘
束される。これと同時に、蓋体３の前壁３２がケース本
体２の前壁２２の内側に重なるように入り込む。

【００１２】これにより、蓋体３前壁３２の衝合辺部７
１が、ケース本体２の前壁２２の突部６１の横に外側
（図２中左側）から接し、衝合辺部７２が、突部６２の
横に外側（図２中右側）から接して嵌め込まれる。この
際に、衝合片部７１、７２は、突部６１、６２の先端と
衝合する側が突部６１、６２と密着するように斜めに設
定されているので、ことを特徴とする請求項１、２また
は３に記載のいずれかの収納ケース。

【００１３】そこで、蓋体３を開く方向に負荷がかかっ
た場合に、蓋体３は前記突部６１と６２で衝合辺部７１
と７２が拘束されるために、衝合片部７１と７２の間隔
を維持して狭める方向に変位することを防ぎ、同時に突
部６１と６２の間隔を維持して広がる方向に変位するこ
とを防ぐので、頂壁３１や底壁２１がわん曲することが
なく、前記係止突部８１と係止凹部８２との係合力を損
なうことがない。従って、開く方向に負荷がかかっても
収納ケース１の蓋体３が不用意に開く虞れがなくなる。
なお、前記ケース本体のストッパ５１〜５６は、それぞ
れが蓋体のコ状屈曲部３２ａ〜３４ａの窪み部分に嵌め
込まれ、収納ケース１の形崩れを防いでいる。

【００１４】この考案で、突部は杆状の部材を例示した
が、衝合辺部に係合して左右方向の負荷がかかった際に
拘束しうるよう衝合辺部と衝合するものであればよいの
で、その形状は円柱状その他、特に限定されるものでは
ない。また、拘束辺部は適宜形状の凹部や切欠を形成す
る縁部であればよく、本実施例のような切欠部に形成さ
れる構成に限定されるものではないこと勿論である。ま
た、係止突部と係止受部は、蓋体とケース本体とを開閉
方向に掛止める構成であればよい。また、ケース本体と
蓋体の構成はそれぞれ逆に設けてもよい。その他、この
考案の要旨を変更しない範囲で種々設計を変更しうるこ
と勿論である。

【００１５】

【考案の効果】以上この考案によれば、収納ケースを開
ける方向に負荷が加わった場合にも、衝合辺部と突部に
よる左右方向の係合と、ストッパと屈曲部による前後方
向の係合により、蓋体や収納ケースが左右方向に撓むこ
とがないので、蓋体と収納ケースとの係止突部と係止凹
部による係合部分が変形することなく、確実に掛止めら
れる。これにより、不用意に収納ケースの蓋体が開いた
り、蓋体やケース本体変形することがなく、信頼性を高
めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】収納ケースの展開状態を示す斜視図である。

【図２】収納ケースを閉じた状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１収納ケース２ケース本体３蓋体４連設後壁７切欠部２２収納ケースの前壁２３、２４収納ケースの側壁３２蓋体の前壁３３、３４蓋体の側壁６１、６２係止突部７１、７２衝合辺部８１係止突部８２係止凹部

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】正方形または長方形からなる底壁と、該
底壁の左右側方および前方の三方の縁部を覆って立設す
る左右の側壁および前壁とを有するケース本体と、底壁
に対応する頂壁と、該頂壁の少なくとも左右側方および
前方の三方の縁部を覆って立設しケース本体に嵌合可能
な左右の側壁および前壁とを有する蓋体と、上記ケース
本体の底壁の後方縁部と第１ヒンジ部を介して連接され
ると共に蓋体の頂壁の後方縁部と第２ヒンジ部を介して
連設される連設後壁と、前記ケース本体の側壁と、蓋体
の側壁との重合部分に形成されて、左右方向に凹凸係合
する開閉用の係止凹部および係止突部とを有する合成樹
脂製の収納ケースにおいて、ケース本体の前壁の内側面に突設されて、先端がケース
本体の前壁の先端よりも短く設定された左右一対の杆状
の突部と、ケース本体の前壁の中央寄りに突設されて、先端が上記
突部よりも長く設定された杆状のストッパと、蓋体の前壁で、ケースを閉じた際に前記突部の先端を嵌
込可能な長さに切り欠かれた切欠部分と、該切欠部分の縦に延びる外側の縁部で、該縁部が前記突
部の左右方向の外側と衝合可能な一対の衝合辺部と、蓋体の前壁の中央寄りで、内側へ窪んで屈曲し、ケース
を閉じた際に前記ストッパが前後方向の外側に略隙間無
く嵌め込まれる補強用の屈曲部とからなって、ケース本体の前壁が蓋体の前壁の外側に嵌め込まれてケ
ースが閉じられると、突部と衝合辺部とが同一面上で係
合すると共に、ストッパが前記屈曲部の前方に嵌合して
なることを特徴とする収納ケース。
【請求項２】突部が、ケース本体の前壁内面に突設さ
れて該前壁に沿って底壁基端から垂直に立ち上がる杆部
からなっていることを特徴とする請求項１に記載の収納
ケース。
【請求項３】衝合辺部が、蓋体の前壁で横倒略コ状に
切りかかれた切欠き部の左右の縦辺の縁部に形成されて
なることを特徴とする請求項１または２に記載のいずれ
かの収納ケース。
【請求項４】衝合片部は、突部の先端と衝合する側が
突部と密着するように斜めに設定されていることを特徴
とする請求項１、２または３に記載のいずれかの収納ケ
ース。