JP3731793B2 - ワイパ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MOS−FET等の半導体スイッチ素子を用いたワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術のワイパ制御装置として、特開平9−193748号公報に開示されているものがある。このワイパ制御装置は、図21に示すように、コンビスイッチ17が間欠モード(INT)に設定されると、駆動回路20はスイッチ阻止9をONさせて、モーター15を起動させてワイパーを1往復させる。ワイパーが1往復するとワイパースイッチ16の端子P,Qが接続し、駆動回路20はスイッチ阻止9をOFFさせてモーター15への電力供給を遮断する。ワイパースイッチ16の端子P,Qが接続すると接点端子T1とブレーキ抵抗18を経由してバッテリー電圧側端子Kと接地側端子Jが接続されてモーター15が制動され、ワイパーが速やかに停止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のワイパ制御装置は、次のような問題点がある。
(1)ワイパーモーター15が、ロックした時のような異常電流発生時に、MOS−FET19または抵抗18を通って大電流が流れ続けるため、抵抗18またはMOS−FET198が過熱し焼損するおそれがある。焼損を避けるためには、抵抗18およびMOS−FET19の電流定格を大きくして放熱器を設ける等の対策が必要となり、装置が大型化、高コスト化する。
(2)バッテリ11のプラス端子とマイナス端子を間違って逆につないだとき、MOS−FET19の寄生ダイオードおよび抵抗18を通って大電流が流れ続けるので、抵抗18およびMOS−FET19が焼損するおそれがある。
(3)MOS−FETがオンしてしばらくの間は、ワイパスイッチ16の接点PおよびQがつながっているので、バッテリ11からワイパスイッチ16→抵抗18→MOS−FET19の経路で貫通電流が流れてしまう。このため、不要な発熱やノイズの放射が発生する。
(4)間欠時間設定やウォッシャ作動後の後ふき動作時間設定を、コンデンサの充放電原理を用いてアナログ的に行っているため、時間のばらつきが大きい。
【0004】
そこで、本発明の目的は、従来のワイパ制御装置の問題点を解決し、半導体スイッチ素子とデジタル制御されるコントローラとを用いた小型で信頼性が高く動作が確実なワイパ制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的にかんがみて、請求項1記載の発明のワイパ制御装置は、
ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モードまたは連続ワイパ動作モードに設定するコンビスイッチ2と、
上記コンビスイッチ2で設定された動作モードに応じて駆動されるワイパモータ7と、
上記ワイパモータ7の回転にしたがって上記ワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力するためのオートストップ(AS)スイッチ8と、
上記ワイパモータ7への通電をオンオフする第1の半導体スイッチ素子4と、上記第1の半導体スイッチ素子4のオンオフを制御する制御信号を供給するコントローラ3とからなり、
上記コントローラ3は、上記コンビスイッチ2で設定された動作モードで動作中、上記ワイパモータ7の異常状態発生により、上記ASスイッチ8の信号レベルが予め設定された異常検出時間より長い間変化しなかった場合、上記第1の半導体素子4を強制的にオフ制御する
ことを特徴とする。
【0006】
請求項1記載の発明においては、コンビスイッチ2が、ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モードまたは連続ワイパ動作モードに設定し、ワイパモータ7を設定された動作モードで駆動する。ワイパモータ7の回転にしたがって、オートストップ(AS)スイッチ8はワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力する。第1の半導体スイッチ素子4は、コントローラ3からの制御信号で制御されてワイパモータ7への通電をオンオフする。コントローラ3は、コンビスイッチ2で設定された動作モードで動作中、ワイパモータ7の異常状態発生により、ASスイッチ8の信号レベルが予め設定された異常検出時間より長い間変化しなかった場合、第1の半導体素子4を強制的にオフ制御する。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3は、前記異常状態の解除後、前記コンビスイッチ2のポジション切り替えが行われたことを判別して前記第1の半導体素子4をオフからオンにし、上記ポジション切り替えに対応する動作モードで動作させる
ことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明においては、コントローラ3は、異常状態の解除後、コンビスイッチ2のポジション切り替えが行われたことを判別する。そして、第1の半導体素子4をオフからオンにし、ポジション切り替えに対応する動作モードで動作させる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3は、バッテリ11よりイグニッションスイッ12チを介して駆動電圧が供給されており、前記異常状態の解除後、前記イグニッションスイッチ12のオフに続く再投入を検出して前記第1の半導体素子4をオフからオンにし、異常発生時に前記コンビスイッチ2で設定されていた動作モードで動作させる
ことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明においては、コントローラ3は、異常状態の解除後、イグニッションスイッチ12を一旦オフし、再び投入すると、第1の半導体素子4をオフからオンにし、異常発生時にコンビスイッチ2で設定されていた元の動作モードに戻る。
【0011】
請求項4記載の発明のワイパ制御装置は、
ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モードまたは連続ワイパ動作モードに設定するコンビスイッチ2と、
上記コンビスイッチ2で設定された動作モードに応じて駆動されるワイパモータ7と、
上記ワイパモータ7の回転にしたがって上記ワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力するためのオートストップ(AS)スイッチ8と、
上記ワイパモータ7への通電をオンオフする第1の半導体スイッチ素子4と、上記第1の半導体スイッチ素子4のオンオフを制御する制御信号を供給するコントローラ3とからなり、
上記コントローラ3は、上記コンビスイッチ2をワイパ動作途中でOFFポジションに切り替えた場合、上記ASスイッチ8がパーク位置に対応するレベル信号を出力するまでの間、上記第1の半導体スイッチ素子4をオンに維持するように制御する
ことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明においては、コンビスイッチ2が、ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モードまたは連続ワイパ動作モードに設定し、ワイパモータ7を設定された動作モードで駆動する。ワイパモータ7の回転にしたがって、オートストップ(AS)スイッチ8はワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力する。第1の半導体スイッチ素子4は、コントローラ3からの制御信号で制御されてワイパモータ7への通電をオンオフする。コントローラ3は、コンビスイッチ2をワイパ動作途中でOFFポジションに切り替えた場合、ASスイッチ8がパーク位置に対応するレベル信号を出力するまでの間、第1の半導体スイッチ素子4をオンに維持するように制御する。
【0019】
請求項5記載の発明のワイパ制御装置は、
ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モード、連続ワイパ動作モードまたはウォッシャ動作モードに設定するコンビスイッチ2と、
上記コンビスイッチで設定されたワイパ動作モードに応じて駆動されるワイパモータ7と、
上記ワイパモータ7の回転にしたがって上記ワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力するためのオートストップ(AS)スイッチ8と、
上記ワイパモータ7への通電をオンオフする第1の半導体スイッチ素子4と、
上記コンビスイッチ2で設定されたウォッシャ動作モード時に、上記コンビスイッチ2を介して通電、駆動されるウォッシャモータ9と、
上記第1の半導体スイッチ素子4のオンオフを制御する制御信号を供給するコントローラ3とからなり、
上記コントローラ3は、上記コンビスイッチ2のウォッシャ動作モード時、上記第1の半導体素子4をオンになるように制御し、上記コンビスイッチ2のOFFポジションへの切り替え後上記ワイパが予め設定される規定回数だけ往復して後ふき動作するまで、上記第1の半導体素子4をオンに維持するように制御する
ことを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明においては、コンビスイッチ2が、ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モード、連続ワイパ動作モードまたはウォッシャ動作モードに設定し、ワイパモータ7を設定された動作モードで駆動する。ワイパモータ7の回転にしたがって、オートストップ(AS)スイッチ8はワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力する。第1の半導体スイッチ素子4は、コントローラ3からの制御信号で制御されてワイパモータ7への通電をオンオフする。コントローラ3は、コンビスイッチ2のウォッシャ動作モード時、第1の半導体素子4をオンになるように制御し、コンビスイッチ2のOFFポジションへの切り替え後ワイパが予め設定される規定回数だけ往復して後ふき動作するまで、第1の半導体素子4をオンに維持するように制御する。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3が、前記規定回数を可変設定することができる
ことを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明においては、ワイパの後ふき規定回数を、コントローラ3で可変設定することができる。
【0023】
請求項7記載の発明は、請求項5記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3は、上記コンビスイッチ2がウォッシャモードから他のモードへの切り替えを経てOFFポジションへ切り替えられたとき、前記後ふき動作の回数が規定回数に達していなかった場合は、残りの回数だけ前記ワイパが後ふき動作するまで、上記第1の半導体素子4をオンに維持するように制御する
ことを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の発明においては、コントローラ3は、コンビスイッチ2がウォッシャモードから他のモードへの切り替えを経てOFFポジションへ切り替えられたとき、後ふき動作の回数が規定回数に達していなかった場合は、残りの回数だけワイパが後ふき動作するまで、第1の半導体素子4をオンに維持するように制御する。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項1記載のワイパ制御装置において、
前記コンビスイッチ2は、間欠ワイパ動作モード時の間欠時間を調整する可変抵抗10を含み、前記コントローラ3は、前記コンビスイッチ2からの上記可変抵抗10の抵抗値を入力するVR入力端子を有し、該VR入力端子に入力された上記可変抵抗の抵抗値をA/D変換して間欠時間をデジタル的に設定する
ことを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の発明においては、コンビスイッチ3は、間欠ワイパ動作モード時の間欠時間を調整する可変抵抗10を含み、コントローラ3は、コンビスイッチからの可変抵抗10の抵抗値を入力するVR入力端子を有し、該VR入力端子に入力された可変抵抗10の抵抗値をA/D変換して間欠時間をデジタル的に設定する。
【0027】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3は、前記VR入力端子が解放された場合は、前記間欠時間を予め決められた規定値に設定する
ことを特徴とする。
【0028】
請求項9記載の発明においては、コントローラ3は、VR入力端子が解放された場合は、間欠時間を予め決められた規定値に設定する。
【0035】
請求項10記載の発明は、請求項1から9までのいずれか1項に記載のワイパ制御装置において、
前記第1の半導体スイッチ素子4は、前記ワイパモータ7の下流側または上流側に接続されている
ことを特徴とする。
【0036】
請求項10記載の発明においては、第1の半導体スイッチ素子4は、ワイパモータ7の下流側または上流側に接続されている。
【0037】
請求項11記載の発明は、請求項1から10までのいずれか1項に記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3は、前記第1の半導体スイッチ素子4のオンオフを制御する制御信号をチョッパ制御して出力し、前記ワイパモータ7を可変速駆動することを特徴とする。
【0038】
請求項11記載の発明においては、第1の半導体スイッチ素子4のオンオフを制御する制御信号をチョッパ制御して出力し、ワイパモータ7を可変速駆動する。
【0039】
請求項12記載の発明は、請求項11記載のワイパ制御装置において、
前記コントローラ3は、前記イグニッションスイッチ12の投入時にワイパがパーク位置まで戻っていない場合、前記ワイパモータ7を高速駆動して上記ワイパをパーク位置まで戻すように制御する
ことを特徴とする。
【0040】
請求項12記載の発明においては、コントローラ3は、イグニッションスイッチ12の投入時にワイパがパーク位置まで戻っていない場合、ワイパモータ7を高速駆動してワイパをパーク位置まで戻すように制御する。
【0041】
請求項13記載の発明のワイパ制御装置は、
請求項1から12のいずれか1項に記載のワイパ制御装置と、リレー式ワイパ制御装置(2B,7A,8A,9A,10A、60)とを具備し、前記コントローラ3は、上記ワイパ制御装置と上記リレー式ワイパ制御装置(2B,7A,8A,9A,10A、60)の両方の動作を制御する
ことを特徴とする。
【0042】
請求項13記載の発明においては、請求項1から12のいずれか1項に記載のワイパ制御装置と、リレー式ワイパ制御装置(2B,7A,8A,9A,10A、60)とを具備し、コントローラは、ワイパ制御装置とリレー式ワイパ制御装置(2B,7A,8A,9A,10A、60)の両方の動作を制御する。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるワイパ制御装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0044】
図1は、本発明によるワイパ制御装置の実施の形態を示すブロック図である。ワイパ制御装置は、コンビスイッチ2、コントローラ3、MOS−FET4,5およびツェナーダイオード6からなる制御部1と、ワイパモータ7と、AS(オートストップ)スイッチ8と、ウォッシャモータ9とから構成されている。
【0045】
コンビ(コンビネーション)スイッチ2は、車両の運転者が操作してワイパの種々の動作モードを設定するものであり、ON端子、INT端子、GND端子およびWASH端子の接続組み合わせにより、ワイパの動作モード、すなわちOFF(停止)モード、INT(間欠動作)モード、ON(連続動作)モードおよびWASH(洗浄)モードを選択することができる。また、コンビスイッチ2は、間欠時間設定用の可変抵抗10を接続するVR端子も備えている。
【0046】
コントローラ3は、図2にその構成例を示すように、デジタル制御部3A、5ボルトレギュレータ3B、リセット回路3C、発振回路3D、入力回路3E、レベルシフト回路3F、VR変換回路3Gおよび、MOS−FETゲートドライブ3Hからなる。
【0047】
デジタル制御部3Aは、たとえばマイクロコンピュータ等からなり、ワイパ制御装置の全体動作を制御する。
【0048】
5ボルトレギュレータ3Bは、車両の電源であるバッテリ11からIG(イグニッション)スイッチ12およびヒューズ13を介してバッテリ電源電圧(たとえば、13.5ボルト)が供給され、デジタル制御部3Aの駆動用電圧、たとえば5ボルト、を供給する。
【0049】
リセット回路3Cは、IGスイッチ12のオンによるワイパ制御装置への電源電圧投入時に、デジタル制御部3Aの動作を初期値にする。
【0050】
発振回路3Dは、デジタル制御部3A用のクロック信号を発生し、デジタル制御部3Aに供給する。
【0051】
入力回路3Eは、コンビスイッチ2のINTおよびON端子に電流を流し、各端子のオンオフを検出して、INTモードオン信号またはONモードオン信号をデジタル制御部3Aに供給する。
【0052】
レベルシフト回路3Fは、コンビスイッチ2のWASH端子およびASスイッチの共通端子aで検出されるバッテリ電源電圧(13.5ボルト)を5ボルトに変換して、検出信号をデジタル制御部3Aに供給する。
【0053】
VR変換回路3Gは、コンビスイッチ2のVR端子に接続され、INTモード時の間欠時間設定のために設けられている。VR変換回路3Gの構成例は図12に示される。
【0054】
MOS−FETゲートドライブ3Hは、デジタル制御部3Aから出力されるMOS−FET制御用デジタル出力をMOS−FETの動作レベル電圧に変換して、制御出力端子FET−aおよび制御出力端子FET−bに出力する。
【0055】
コントローラ3は、デジタル制御部3Aの制御の下で、図5から図11に示すタイミング図に基づいて後述するように、各動作モード時に優れた時間制御機能を働かせている。この時間制御機能は、特に以下に列挙するような特徴的な機能がある。
【0056】
(機能A)制御出力FET−aと制御出力FET−bに時間差tdを設けて動作を送る機能。
(機能B)コンビスイッチ2をワイパ動作途中で切った時などにおいてワイパがパーク位置に戻るまで制御出力FET−aを出し続ける機能。
(機能C)ウォッシュ操作後の後ふきを回数で正確に規定する機能。
(機能D)ウォッシュ操作後の後ふき時にコンビスイッチをONからOFFに切り替えた場合でも、後ふき回数を正確に規定する機能。
(機能E)ワイパモータ7の異常動作時に制御出力FET−a,FET−bを遮断し、異常解除後に復帰させる機能。
(機能F)可変抵抗10の抵抗値をデジタル変換して間欠時間を正確に規定する機能。
(機能G)コンビスイッチ2のVR端子解放時は、間欠時間を規定値に設定する機能。
上述の各機能の細部については後述する。
【0057】
MOS−FET4は、Nチャンネル型MOS−FETであり、そのオンオフによりワイパモータ7への駆動電圧を供給または遮断するための半導体スイッチ素子として働き、ドレインがワイパモータ7に接続され、ソースがコンビスイッチ2のGND端子と接地に接続され、ゲートがコントローラ3の制御出力端子FET−aに接続されている。
【0058】
MOS−FET5は、Pチャンネル型MOS−FETであり、そのオンオフによりワイパモータ7のブレーキ動作を行うための半導体スイッチ素子として働き、ドレインがツェナーダイオード6を介してヒューズ13に接続され、ソースがMOS−FET4のドレインに接続され、ゲートがコントローラ3の制御出力端子FET−bに接続されている。
【0059】
ツェナーダイオード6は、そのツェナー電圧Vzがバッテリ電圧(たとえば、13.5ボルト)<Vz<MOS−FET4の定格電圧VDSS なる定格を持つように選択される。これにより、ツェナーダイオード6は、後述するように、MOS−FET4が過熱遮断したときのワイパモータ7の逆起電圧を逃がす働きと、バッテリ11の接続ミスによる逆接続時の保護と、MOS−FET5のオフ時そのゲート電位を0.7ボルトシフトして確実にオフさせる働きとの3つの働きを兼ね備えている。
【0060】
ワイパモータ7は、そのプラス端子がヒューズ13に接続され、マイナス端子がMOS−FET4のドレインに接続されている。
【0061】
ASスイッチ8は、周知のように、ワイパモータ7の回転に伴って、共通接点aがワイパのパーク位置で接点bに接続されると共に、ワイパがパーク位置以外の場所にあると接点cに接続されるものである。
【0062】
ウォッシャモータ9は、そのプラス端子がヒューズ13に接続され、マイナス端子がコンビスイッチ2のWASH端子に接続されている。
【0063】
上述の構成による本発明のワイパ制御装置の通常時の動作には、間欠ワイパ動作、連続ワイパ動作およびウォッシャ後ふき動作の3つがある。以下の各々の動作について説明する。
【0064】
まず初期状態では、IGスイッチ12がオン状態で、最初はワイパがパーク位置にあるため、ASスイッチ8は、共通接点aが、ハイレベル接点bに接続されている。また、各FET4,5へのコントローラ3からの制御出力は、制御出力FET−bと制御出力FET―aが共にローであり、MOS−FET5がオン、MOS−FET4がオフとなっている。MOS−FET4は、Nチャンネル型なので、ハイレベルの制御信号がゲートに入力されるとオンとなり、ドレインとソース間に電流が流れ、ローレベルの制御信号がゲートに入力されるとオフとなる。これに対して、MOS−FET5は、Pチャンネル型なので、ローレベルの制御信号がゲートに入力されるとオンになり、ハイレベルの制御信号が入力されるとオフになる。ハイまたはローの制御信号は、それぞれのMOS−FETの動作しきい値よりも十分高いまたは低いレベルに設定される。
【0065】
(間欠ワイパ動作)
まず、間欠ワイパ動作について、図1のブロック図と、図5に示すこの動作モード(INTモード)時のコントローラ3の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0066】
初期状態から、コンビスイッチ2をINTポジションに切り換えると、コンビスイッチ2からコントローラ3にINTオン信号(ローレベル)が入力される。INTオン信号が入力されると、コントローラ3は、INTオン信号の立ち下がりで直ちに、制御出力FET−bをローレベルからハイレベルにして、MOS−FET5をオフになるように制御し、続いてデッドタイムtdの経過後に、制御出力FET−aをローレベルからハイレベルにして、MOS−FET4をオンになるように制御する。
【0067】
デッドタイムtdは、上述のコントローラ3の機能Aとして、MOS−FET5とMOS−FET4が同時にオン状態となって貫通電流が流れるのを防ぐために設けられており、FETの応答時間よりも十分に長い時間とすれば良い。
【0068】
MOS−FET4がオンになると、バッテリ11→IGスイッチ12→ヒューズ13→ワイパモータ7→MOS−FET4→グラウンド(接地)の経路で電流が流れ、ワイパモータ7は回転を始める。ワイパモータ7の回転に同期しているASスイッチ8は、ハイレベル接点bからローレベル接点cに切り替わるため、コントローラ3のAS入力は、ハイレベルからローレベルに変わる。ワイパモータ7が回転を続け、ワイパが車両のウインドシールドガラス上を1往復すると、ワイパはパーク位置に戻る。このとき、ASスイッチ8は、ローレベル接点cからハイレベル接点bに戻り、コントローラ3のAS入力にハイレベル信号が再度入力される。
【0069】
コントローラ3のAS入力にハイレベル信号が再入力されると、コントローラ3は、直ちに制御出力FET−aをハイレベルからローレベルにして、MOS−FET4をオフし、続いてデッドタイムtdの経過後制御出力FET−bをハイレベルからローレベルにして、MOS−FET5をオンする。ワイパモータ7は、MOS−FET4のオフにより通電が止められたため、逆起電力を生じるが、MOS−FET5がオンするので、ワイパモータ7のプラス端子→ツェナーダイオード6→MOS−FET5→ワイパモータのマイナス端子の閉回路が形成される。そのため、ワイパモータ7に逆電流(ブレーキ電流)が急激に流れて逆起電力を消費するので、ワイパモータ7はブレーキがかかって急速に停止し、ワイパはパーク位置からはみ出ることなく停止する。
【0070】
MOS−FET5は、MOS−FET4がオフしている間は常にオンされている。このため、サージ電圧を逃がすことができ、VDS電圧定格を低いものにすることができる。MOS−FET5のVDS電圧定格を、MOS−FET4の2/3〜1/3程度とすることにより、小型かつ低コストになっている。さらに、MOS−FET5には、ワイパモータ7の停止動作時のブレーキ電流のみが流れるように構成されている。ブレーキ電流は、数十〜数百ミリ秒の短時間流れるだけなので、MOS−FET5のRDSON定格を、MOS−FET4の2〜20倍と大きくしている。そのため、MOS−FET5は、さらに小型、低コストとなっている。
【0071】
コントローラ3は、MOS−FET4をオフにした後、可変抵抗10により設定されたINT時間(ワイパが停止している時間)をカウントした後再びMOS−FET5をオンからオフにし、以後上述と同様の動作を繰り返す。このようにして間欠ワイパ動作が行われる。
【0072】
次に、間欠ワイパ動作中、コンビスイッチ2がINTポジションからOFFポジションに切り替えられると、コントローラ3のINT入力にはオフ信号(ハイレベル)が入力される。このとき、ワイパがまだウインドシールドガラス上にあり、ASスイッチ8がローレベル接点c側であると、コントローラ3のAS入力はローレベルであるので、コントローラ3は制御出力FET−aおよびFET−bの制御信号をハイレベルのままに保つ(上述のコントローラ3の機能B)。したがって、MOS−FET4がオン、MOS−FET5がオフのままに保たれ、ワイパモータ7は回転し続ける。ワイパモータ7が回転を続けて、ワイパがパーク位置まで戻り、ASスイッチ8がハイレベル接点b側に切り替わると、コントローラ3のAS入力にハイレベル信号が供給され、コントローラ3は、直ちに制御出力FET−aをハイレベルからローレベルにして、MOS−FET4をオフし、続いてデッドタイムtdの経過後制御出力FET−bをハイレベルからローレベルにして、MOS−FET5をオンし、ワイパモータ7の回転が停止する。
【0073】
なお、コンビスイッチ2がINTポジションからOFFポジションに切り替えられたとき、ASスイッチ8がハイレベル接点b側になっていれば(したがって、ワイパがパーク位置になっていれば)、直ちにコントローラ3からのローレベルの制御信号がMOS−FET4およびMOS−FET5に供給され、MOS−FET4がオフ、MOS−FET5がオンとなり、ワイパモータ7も直ちに停止状態となる。
【0074】
このようにして、コンビスイッチ2をOFFポジションに切り替える段階で、ワイパがどの位置にあっても、IGスイッチ12がオンされている限り、ワイパは必ずパーク位置で停止する。ASスイッチ8は、単にワイパのパーク位置を検出するためだけに用いられており、ワイパモータ7の駆動電流が流れないので、その接点を小電流容量型とすることができ、小型かつ低コストにできる。さらに、接点の信頼性も高まる。
【0075】
次に、間欠ワイパ動作時の間欠(INT)時間は、コンビスイッチ2のVR端子に接続された可変抵抗10により設定される。可変抵抗10の抵抗値は、図12に構成例を示すコントローラ3のVR変換回路3Gでデジタル値に変換され、デジタル制御部3Aに送られる。それにより、間欠(INT)時間がデジタル的に正確に規定される(コントローラ3の機能F)。
【0076】
詳細には、図12のVR変換回路は、コンパレータ(COM2)50、基準電圧源50A、クロック発振器51、4ビットカウンタ52、ラダー回路網53、バッファ54、コンパレータ(COM1)55、電流源56、抵抗57,58、およびラッチ回路5からなる。図12のVR変換回路において、クロック発振器51からの一定クロック信号で、4ビットカウンタ52が常時カウントしている。4ビットカウンタ52のカウント値は、ラダー回路網53によりアナログ値に変換され、コンパレータ(COM1)55により、電流源55と可変抵抗10の接続点から得られる電圧と比較される。4ビットカウンタ52からの電圧が、可変抵抗10からの電圧を上回ったとき、コンパレータ(COM1)55の出力が反転し、その時のカウント値がラッチ回路59でラッチされる。
【0077】
このような回路動作により、図13(b)の抵抗値対A/D変換出力特性に示すように、可変抵抗10の抵抗値がデジタル値に変換される。最小デジタル値は最短間欠時間に対応し、最大デジタル値は最長間欠時間に対応している。なお、コンパレータ(COM1)54が反転しない場合は、最大デジタル値とされる。
【0078】
この例では、デジタル値を4ビットとしたが、この限りではない。また、可変抵抗10の最小値を最大間欠時間、最大値を最小間欠時間に対応させても良い。
【0079】
コンビスイッチ2のVR端子が解放された場合は、基準電圧源50Aの基準電圧と比較されて、コンパレータ(COM2)50の出力が反転し、デジタル制御部3Aにエラー出力を送る。この場合は、図13(a)に示すように、コンパレータ(COM2)50よりのハイレベルのエラー出力がデジタル制御部3Aに供給されると、デジタル制御部3Aは、間欠(INT)時間を予め決められた規定値に固定する(コントローラ3の機能G)。このように、コンビスイッチ2のVR端子が解放された場合でも、間欠(INT)時間が予め決められた規定値に固定されるので、ワイパが全く動かなくなることが避けられる。
【0080】
(連続ワイパ動作)
次に、連続ワイパ動作について、図1のブロック図と、図6に示すこの動作モード(ONモード)時のコントローラ3の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0081】
初期状態から、コンビスイッチ2をONポジションに切り替えると、コンビスイッチ2からコントローラ3のON入力にオン信号(ローレベル)が入力される。オン信号が入力されると、コントローラ3は、制御出力FET−aおよびFET−bにより、直ちにMOS−FET5をオフし、続いてデッドタイムtdの経過後MOS−FET4をオンになるように制御する。
【0082】
MOS−FET4がオンすると、ワイパモータ7が回転を始める。ワイパモータ7の回転に同期しているASスイッチ8は、ハイレベル接点b側からローレベル接点c側に切り替わるため、コントローラ3のAS入力はローレベルに変わる。ワイパモータ7が回転を続けると、ワイパは、ウインドシールドガラス上を1往復するたびにパーク位置を通過する。このとき、ASスイッチ8は一時的にハイレベル接点b側に戻り、コントローラ3のAS入力にハイレベル信号が入力されるが、コントローラ3は、MOS−FET4およびMOS−FET5の各ゲートへハイレベルの制御信号を出力し続ける。そのため、ワイパモータ7は回転を続ける。
【0083】
コンビスイッチがONポジションからOFFポジションに切り替えられると、コントローラのON入力端子にはオフ信号(ハイレベル)が入力される。このとき、ワイパがまだウインドシールドガラス上にあり、ASスイッチ8がローレベル接点c側であると、コントローラ3は、MOS−FET4およびMOS−FET5への制御信号出力をハイレベルのままに保つ。したがって、ワイパモータ7が回転を続けて、ワイパがパーク位置まで戻り、コントローラ3のAS入力にハイレベル信号が入力され、コントローラ3は、制御出力FET−aおよびFET−bにより、直ちにMOS−FET4をオフし、続いてデッドタイムtdの経過後MOS−FET5をオンになるように制御し、ワイパモータの回転を停止させる。このときのブレーキ動作は前述の通りである。
【0084】
(ウォッシャ後ふき動作)
次に、ウォッシャ後ふき動作について、図1のブロック図と、図7に示すこの動作モード(WASHモード)時のコントローラ3の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0085】
コンビスイッチ2が、OFFポジションからWASHポジションに切り替えられると、バッテリ11→IGスイッチ12→ヒューズ13→ウォッシャモータ9→コンビスイッチ2のWASH端子→GND端子→グラウンド(接地)の経路で電流が流れ、ウォッシャモータ9は回転を始める。ウォッシャモータ9は、ポンプ(図示しない)を作動させ、洗浄液タンク(図示しない)から洗浄液がウインドシールドガラス上に送出される。
【0086】
このとき、ウォッシャモータ9への通電と同時に、コントローラ3のWS入力にオン信号(ローレベル)が入力される。コントローラ3は、オン信号の立ち下がりから遅れ時間taの経過後、制御出力FET−bをローレベルからハイレベルにして、MOS−FET5をオフし、続いてデッドタイムtdの経過後制御出力FET−aをローレベルからハイレベルにして、MOS−FET4をオンする。MOS−FET4がオンすると、ワイパモータ7は回転を始め、ワイパがウインドシールドガラス上を往復運動して洗浄液によるウインドシールドガラスの洗浄を行う。コンビスイッチ2がWASHポジションにある期間中は、コントローラ3は、MOS−FET4及びMOS−FET5にハイレベルの制御信号を出し続ける。遅れ時間taは、ウォッシャモータ9が回転を始めてから洗浄液がウインドシールドガラス上に届くまでの時間遅れを想定して設けられている。
【0087】
コンビスイッチ2が、WASHポジションからOFFポジションに切り替えられると、コントローラ3のWS入力端子にはオフ信号(ハイレベル)が入力される。コントローラ3は、WS入力にオフ信号が入力された後、ASスイッチ8からのAS入力がローレベルからハイレベルに戻ったのを確認し、さらに、ワイパが規定回数、たとえば3回、往復するまで(すなわち、ASスイッチ8のローレベル接点cからハイレベル接点bへの切り替わりを3回カウントするまで)、MOS−FET4およびMOS−FET5にハイレベルの制御信号を出し続け、その後ローレベルの制御信号にすることにより、MOS−FET4をオフにして、ワイパをパーク位置で止める。
【0088】
コントローラ3は、上述の規定回数を予め設定して内部メモリ(図示しない)に格納しておき、ASスイッチ8のローレベル接点cからハイレベル接点bへの切り替わり回数をAS入力で監視し、内部メモリに格納されている規定回数と比較して一致したときに、制御出力FET−aおよびFET−bをハイレベルからローレベルにして、ワイパモータ7の通電を止める。
【0089】
したがって、このウォッシャ後ふき動作では、コンビスイッチ2のポジションをWASHポジションにしてウォッシャ動作をさせ、ウォッシャ動作を止めるためにOFFポジションにしたときは、さらに規定回数だけ後ふき作業を行った後、動作が完了するものである(コントローラ3の機能C)。
【0090】
一方、コンビスイッチ2がWASHポジションからONポジションに切り替えられた場合は、コントローラ3は、そのまま連続ワイパ動作を継続するように制御する。また、WASHポジションからONポジション、さらにOFFポジションと切り替えられたとき、まだ後ふきの規定回数(この例では3回)に達していなかった場合は、コントローラ3は、ワイパが残りの回数後ふきを行った上でパーク位置で停止するように制御する(コントローラ3の機能D)。
【0091】
次に、本発明のワイパ制御装置では、上述の各種動作モードにおいて、ワイパモータ7がロックやショートなどの異常を起こしたとき保護動作を行う。
【0092】
以下に説明する例では、ワイパの1往復動作途中にロック異常を発生し、保護動作の後ロック原因が除去され、ワイパが、残りのふき取り動作を行ってパーク位置に停止するまでを示している。
【0093】
(保護動作例1)
まず、上述のコントローラ3の機能Eとしての保護動作例1について、図1のブロック図と、保護動作例1を説明するための図8に示すワイパ制御装置の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0094】
コンビスイッチ2が、時刻t1でOFFポジションからINTポジションまたはONポジションに切り替えられると、コンビスイッチ2からのオン信号(ローレベル)がコントローラ3に入力される。それにより、コントローラ3の制御出力FET−aがローレベルからハイレベルにされ、MOS−FET4がオンとなって、ワイパモータ7に通電が始まる。
【0095】
ワイパモータ7に通電され、ワイパモータ7が回転しているとき、ワイパモータ7にロックやショート等の異常が発生すると(時刻t2)、ワイパモータ7の回転が止まり、ワイパモータ7に大きな負荷電流が流れ続ける。ワイパモータ7が途中で止まったまま回っていないので、ASスイッチ8は、ローレベル接点側になったままである。
【0096】
そこで、コントローラ3は、制御出力FET−aをハイレベルとしてからの時間経過を内部カウンタ(図示しない)でカウントし、通常ワイパが1往復してパーク位置に戻るまでにかかる時間よりも十分長い時間(以下、異常検出時間tbという)の間ASスイッチ8が変化しなかったことを検出した場合は、時刻t3で制御出力FET−aを強制的にハイレベルからローレベルに変更する。それにより、MOS−FET4がオフとなり、ワイパモータ7への通電が、異常発生から異常検出時間tb(=t3−t2)経過後遮断され、ワイパモータ7に大きな負荷電流が流れ続けるのを防止する。
【0097】
その後、ロックやショート等の異常原因が取り除かれたならば、コンビスイッチ2のポジションの切り替えを行うことにより、コントローラ3は、ポジション切り替えが行われたことを判別して、制御出力FET−aを再度ローレベルからハイレベルとし、ワイパモータ7に通電して、コンビスイッチ2のそのポジションに対応する動作モードでワイパを動作させる。(なお、図8では、コンビスイッチ2が、時刻t4でのモータロック解除後、時刻t5でONまたはINTポジションからOFFポジションに切り替えることにより、時刻t6でワイパをパーク位置に戻して停止させた場合を示している。)
【0098】
もし、時刻t3以降にコンビスイッチ2のポジションの切り替えを行った場合、まだロックが解除されていなかったならば、コントローラ3は、ポジションの切り替え時刻から上述の異常検出時間tbの経過後、再び制御出力FET−aを強制的にハイレベルからローレベルに変更して、ワイパモータ7に大きな負荷電流が流れ続けるのを防止する。
【0099】
以上の構成および動作から、次のような利点がある。
(1)ブレーキ動作用のMOS−FET5のVDS電圧定格を、ワイパモータ駆動用のMOS−FET4の2/3〜1/3と小さくし、RDSON定格をMOS−FET4の2〜20倍と大きくしていいるため、小型、低コストとなる。
(2)バッテリの逆接続時の電流阻止用ツェナーダイオード6とMOS−FET5には、ブレーキ電流しか流れないようにすることにより、ツェナーダイオード6の電流容量を小容量に出来、小型、低コストとなる。
(3)コントローラ3の制御出力FET−aとFET−bの立ち上がりおよび立ち下がりに時間差tdを設けてもMOS−FET4とMOS−FET5に供給することで、貫通電流がなくなり、不要な発熱やノイズ放射がなくなる。
(4)ワイパモータ7のASスイッチ8に信号電流のみが流れるようにして、コンビスイッチ2をワイパ動作途中で切ったときなどの場合、ワイパがパーク位置に戻るまで制御出力FET−aを出し続けるようにコントローラ3が制御することで、ASスイッチ8、MOS−FET5およびツェナーダイオード6が小型、高信頼性化できる。
(5)ウォッシュ操作後の後ふきを回数で正確に規定することにより、後ふき回数の誤差がなくなる。
(6)ウォッシュ操作後の後ふき時にコンビスイッチ2をONポジションからOFFポジションに切り替えた場合でも、後ふき回数を正確に規定することにより、後ふき回数の誤差がなくなる。
(7)ワイパモータ7の異常発生時に通電を遮断し異常解除後に通電を復帰させる制御を行うことにより、MOS−FETを必要以上に大型化する必要がなくなり、小型、低コストにできる。さらに、駆動回路やモータを含めた装置の信頼性が高まる。
(8)可変抵抗の抵抗値をデジタルに変換して、間欠時間を正確に規定することにより、間欠ワイパ動作の時間精度が向上する。
(9)コンビスイッチ2のVR端子解放時は、コントローラ3で間欠時間を予め決められた時間に正確に規定することにより、間欠動作の時間精度が向上する。
【0100】
以上のように、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず種々の変形、応用が可能である。
【0101】
たとえば、デッドタイムtdは、上述の実施の形態では、制御出力FET−bをかつそれに続いてFET−aをローレベルからハイレベルにする場合のデッドタイム(td1とする)と、制御出力FET−aをかつそれに続いてFET−bをハイレベルからローレベルにする場合のデッドタイム(td2とする)とが同一に設定されているが、それぞれ独立して最適値に設定しても良い。
【0102】
たとえば、上述の実施の形態では、コントローラ3の機能Eとして、保護動作例1について説明したが、この保護動作例1に代えて下記の保護動作例2に基づいても良い。
【0103】
(保護動作例2)
そこで保護動作例2について、図1のブロック図と、保護動作例2を説明するための図9に示すワイパ制御装置の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0104】
保護動作例2では、ASスイッチ8の変化時間を監視してワイパモータ7への通電を遮断する点は、上述の保護動作例1と同じ動作であるが。ロックやショート等の異常原因が取り除かれた後の動作が異なる。
【0105】
すなわち、コントローラ3は、異常解除後、たとえばワイパモータ7のロック解除後、保護動作例1におけるコンビスイッチ2のポジション切り替え(たとえば、図8では時刻t5でOFFポジションに切り替えている)を判別せず、一旦IGスイッチ12を時刻t7でオフし時刻t8で再投入することで(すなわち、IGスイッチ12のオフオンを検出して)、異常発生前の元の動作に戻り、時刻t9でワイパをパーク位置に戻して停止する。
【0106】
このように、コントローラ3は、ワイパモータ7のロック等の異常発生時に通電を遮断し、異常状態解除後にIGスイッチ12の再投入により通電を復帰させて、元の動作を行うことができる。
【0107】
さらに、本発明のワイパ制御装置の他の実施例として、図3に示すように、ワイパモータ7への駆動電圧を供給または遮断するための半導体スイッチ素子として働くNチャンネル型MOS−FET4のゲート回路に過熱遮断保護回路30を設けることができる。この過熱遮断保護回路30は、温度検出回路、ゲート遮断回路およびラッチ回路を含む。
【0108】
具体的には、過熱遮断保護回路30は、図4に示すように、温度検出回路として働く、抵抗40を介してコントローラ3の制御出力FET−aから制御信号が供給されるMOS−FET4のゲートに接続された電流源31と、MOS−FET4の発熱を検出する複数の直列接続されたダイオードからなる温度検出部32との接続点の電圧を、抵抗33を介してコンパレータ37のマイナス入力端子に供給し、プラス端子に抵抗35を介して供給される基準電圧源34の基準電圧と比較して、比較結果を温度検出として出力する。
【0109】
温度検出回路の温度検出出力は、ラッチ回路として働くD型FF(フリップフロップ)38のクロック入力端子に供給される。D型FFのD入力端子にはコントローラ3の制御出力FET−aからの制御信号が入力され、Q出力端子からの出力は、MOS−FET4のゲートとソース間に接続されてゲート遮断回路として働くNチャンネル型MOS−FET39に供給される。逆接続されたツェナーダイオード41および42は、MOS−FET4のゲートに過電圧が印加されるのを防止する過電圧保護手段である。尚、ラッチ回路として働くD型FF38を省略して、温度検出回路からの温度検出力で直接、ゲート遮断回路として働くNチャンネル型MOS−FET39を遮断動作させても良い。
【0110】
MOS−FET4のゲートにコントローラ3の制御出力FET−aからハイレベルの制御信号が供給され、MOS−FET4がオンとなってワイパモータ7に通電中において、ワイパモータ7のロックやショート等の異常発生時にMOS−FET4に大電流が流れた場合、MOS−FET4の発熱が温度検出部32で検出される。温度検出部32で検出された検出電圧が基準電圧源32の電圧を超えると、コンパレータ37から比較結果のハイレベル出力がD型FF38のクロック入力端子に供給される。それにより、D型FF38のQ出力端子からハイレベル出力がMOS−FET39のゲートに印加され、MOS−FET39がオンとなる。MOS−FET39がオンになると、MOS−FET4のゲート電位がローレベルに成るので、MOS−FET4はオンからオフになり、通電が遮断される。
【0111】
次に、上述の過熱遮断保護回路30による保護動作の具体例を、保護動作例3として以下に説明する。
【0112】
(保護動作例3)
保護動作例3について、図1のブロック図および図3,4の過熱遮断保護回路30と、保護動作例3を説明するための図10に示すワイパ制御装置の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0113】
コンビスイッチ2がOFFポジションからINTポジションまたはONポジションに切り替えられ、モータロックによりASスイッチ8がローレベル接点c側のまま止まっているところまでは、上述の保護動作例1と同じ動作である。ロックによる大電流が流れ続けることにより、MOS−FET4が発熱し、ある時点(図10の時刻t3)で過熱遮断保護回路30の機能により自己遮断する。その結果、MOS−FET4およびワイパモータ7への通電が止まる。その後、ロック原因が取り除かれたならば、コンビスイッチ2のポジションの切り替え(時刻t5)により、コントローラ3は、一旦制御出力FET−aをローレベルとし、その後、ワイパは、コンビスイッチ2の切り換え後の動作モードで動作する。
【0114】
このコンビスイッチ2のポジションの切り替えに伴い、時刻t5でコントローラ3の制御出力FET−aをローレベルとする時間は短いが、MOS−FET4のラッチ回路として働くD型FF38のラッチを解除するのに十分な時間であれば良い。通常の動作時でも、常にこのようなコンビスイッチ2の切り替えに伴う出力遮断は行われるが、実動作上は、動作遅れ等の不都合はない。
【0115】
このように、過熱遮断保護回路30は、MOS−FET4が過熱により破壊する前にそのゲートをオフし、通電を止める機能を持つ。異常電流が流れ続けたとき、速やかに電流を遮断し保護するので、MOS−FET4の電流定格を必要以上に大きくする必要がなくなり、小型化、低コスト化できる。さらに、駆動回路やモータを含めた装置の信頼性が高まる。
【0116】
なお、過熱遮断保護回路30を付加する場合、保護動作例3に代えて下記の保護動作例4に基づいても良い。
【0117】
(保護動作例4)
そこで保護動作例4について、図1のブロック図および図3,4の過熱遮断保護回路30と、保護動作例4を説明するための図11に示すワイパ制御装置の各部信号のタイミング図とを参照しながら説明する。
【0118】
保護動作例4では、MOS−FET4が過熱により自己遮断して出力を止める点は、上述の保護動作例3と同じ動作であるが、ロックやショート等の異常原因が取り除かれた後の動作が保護動作例3と異なり保護動作例2と同じである。
【0119】
すなわち、コントローラ3は、異常解除後、たとえばワイパモータ7のロック解除後、保護動作例1におけるコンビスイッチ2のポジション切り替え(たとえば、図8では時刻t5でOFFポジションに切り替えている)を判別せず、一旦IGスイッチ12を時刻t7でオフし時刻t8で再投入することで(すなわち、IGスイッチ12のオフオンを検出して)、異常発生前の元の動作に戻り、時刻t9でワイパをパーク位置に戻して停止する。
【0120】
このように、コントローラ3は、ワイパモータ7の駆動用のMOS−FET4の過熱時にMOS−FET4が自己遮断により通電を遮断し、異常状態解除後にIGスイッチ12の再投入により通電を復帰させて、元の動作を行うことができる。
【0121】
以上説明した各々の保護動作により、ワイパモータに異常電流が流れ続けることがなくなるので、モータや電線、コネクタの信頼性も向上する。また、上述の各保護動作例を適宜複数組み合わせて保護動作を構成しても良い。
【0122】
さらに、上述の実施の形態では、ワイパモータ駆動用の半導体スイッチ素子として働くMOS−FET4がワイパモータ7の下流側(ローサイド)に配置された構成となっているが、他の実施例として、図14に示すように、MOS−FET4をワイパモータ7の上流側(ハイサイド)に配置しても良い。
【0123】
この場合は、MOS−FET4をPチャンネル型MOS−FET、MOS−FET5をNチャンネル型MOS−FETとする。また、MOS−FET4とMOS−FET5は共に、信号のハイ、ローに対するオンオフの関係は、図1の実施の形態の場合と逆になる。さらに、MOS−FET5のソースと接地の間にツェナーダイオード6が接続される。また、コンビスイッチ2Aは、図1のコンビスイッチ2のGND端子に代えて、ヒューズ13に接続されたIG端子を有する。また、コントローラ3Aは、図1のコントローラ3の構成にGNDポートが追加されている。
【0124】
図14に示すハイサイドスイッチ型ワイパ制御装置は、図1に示すローサイドスイッチ型ワイパ制御装置と同様の動作および効果を奏する。加うるに、ワイパモータ駆動用のMOS−FET4に過熱遮断保護回路30を持たせ、ワイパモータ7の上流側に配置することにより、電線のショート等の故障に対する保護も可能となり、装置の安全性が向上する。
【0125】
さらに、本発明のワイパ制御装置の他の実施例として、リレーと組み合わせた制御装置に適用することができる。1台の車に2系統のワイパを備える場合、1系統に本発明のワイパ制御装置を用い、他系統に公知技術であるリレーを用いたリレー式ワイパ制御装置を用いることができる。
【0126】
この場合は、図15に示すように、コンビスイッチ2、コントローラ3B、MOS−FET4,5およびツェナーダイオード6からなる制御部1と、ワイパモータ7と、ASスイッチ8と、ウォッシャモータ9とから構成される本発明のワイパ制御装置と、コンビスイッチ2B(可変抵抗10Aを含む)、2スピード型のワイパモータ7Aと、ASスイッチ8Aと、ウォッシャモータ9Aと、リレー60とから構成されている従来構成のリレー式ワイパ制御装置とが組み合わされる。
【0127】
コンビスイッチ2Bは、リレー60を介してASスイッチ8Aに接続されたAS端子と、ワイパモータ7Aの低速端子に接続されたLO端子と、コントローラ3BのINT2端子に接続されたAMP_IN端子と、ワイパモータ7Aの高速端子に接続されたHI端子と、接地に接続されたGND端子と、ウォッシャモータ9Aに接続されたWASH端子とを有する。
【0128】
コントローラ3Bは、図1のコントローラ3の構成に加えて、ワイパモータ7Aに電源電圧を供給するヒューズ13Aに接続されたIG2端子と、リレー60のコイルに接続されたRLY端子と、コンビスイッチ2BのWASH端子に接続されたWS2端子と、コンビスイッチ2BのAMP_IN端子に接続されたINT2端子と、コンビスイッチ2BのVR端子に接続されたVR2端子およびGND端子を備え、MOS−FET4,5とリレー60の両方を制御する機能を有する。
【0129】
たとえば、従来構成のリレー式ワイパ制御装置のワイパモータ7Aは、フロントワイパを駆動し、本発明のワイパ制御装置のワイパモータ7は、リアワイパを駆動する。
【0130】
このように、コントローラ3Bには、MOS−FET4,5とリレー60の両方を制御する機能を盛り込むことにより、2個の機能を集約することで、コントローラが小型化、低コスト化される。また、フロントワイパとリアワイパの制御に関連性を持たせることができるようになる。
【0131】
さらに、本発明のワイパ制御装置の他の実施例として、単一スピードワイパモータで可変速駆動するワイパ制御装置に適用することができる。
【0132】
この場合は、図16に示すように、単一スピードのワイパモータ7を用いて2段階のスピードで駆動する。図16に示すワイパ制御装置は、図1に示すワイパ制御装置とほぼ同一構成になっており、構成上の相違点は、コンビスイッチ2Cが、図1のコンビスイッチ2のON端子に代えて、LO端子およびHI端子を有しており、また、コントローラ3Cが、図1のコントローラ3のON入力に代えて、LO入力およびHI入力を有しており、さらに、ワイパモータ7の両端子にダイオード61が接続されていることにある。
【0133】
図16の構成において、低速連続運転(LO)のときには、図17のタイミング図に示すように、コントローラ3Cは、制御出力FET−aの制御信号をチョッパ制御して出力することにより、ワイパモータ7の回転速度を下げることができる。高速運転の時には、制御出力FET−aからの制御信号のデューテイ比を変えることにより、3段以上の多段階のスピード可変や連続可変とすることができる。さらに、チョッパ周波数を調整することにより、車種ごとに異なる共振周波数を避けるようにすることで、チョッパ制御による騒音を抑えることができる。また、IGスイッチ12の投入時に、ワイパがウインドシールドガラス上に残っている場合、高速モードでパーク位置まで戻すことにより、運転者の視界を速やかに確保する制御が可能である。
【0134】
このように、コントローラ3の制御出力FET−aをチョッパ制御して可変速駆動することにより、装置の構成が簡単になる。
【0135】
さらに、本発明のワイパ制御装置の他の実施例として、ワイパモータブレーキ用MOS−FET5に、Pチャンネル型の代わりにNチャンネル型を用いても良い。この場合は、図18に示すように、Nチャンネル型MOS−FET5のゲート回路に、ブートストラップ回路やチャージポンプ回路等の昇圧手段61を追加する必要がある。Nチャンネル型MOS−FETは、単位チップ面積あたりのオン抵抗がPチャンネル型の半分程度と小さいので、同じオン抵抗の定格を持たせたとき、Pチャンネル型よりも小型化、低コスト化できる。
【0136】
さらに、本発明のワイパ制御装置の他の実施例として、図19に示すように、2スピードのワイパモータを駆動する制御装置に適用することができる。2スピードワイパモータは、車両のフロントガラス用ワイパに一般的に用いられている。
【0137】
図19において、ワイパ制御装置は、コンビスイッチ2D、コントローラ3D、MOS−FET4,5、ツェナーダイオード6、2スピードワイパモータ7A、ウォッシャモータ9および可変抵抗10で構成されている。
【0138】
コンビスイッチ2Dは、MOS−FET4のドレインとMOS−FET5のソースの接続点に接続されたFET端子と、ワイパモータ7Aの低速端子に接続されたLO端子と、コントローラ3BのINT2端子に接続されたAMP_IN端子と、ワイパモータ7Aの高速端子に接続されたHI端子と、接地に接続されたGND端子と、ウォッシャモータ9に接続されたWASH端子とを有する。
【0139】
コントローラ3Dは、図1のコントローラ3の構成からON入力を省略した構成を有する。
【0140】
図19の構成において、間欠動作時に、MOS−FET4によりワイパモータ7Aが駆動される。動作タイミングは図5と同じである。低速連続回転および高速回転は、コンビスイッチ2DのLO端子およびHI端子により直接オンオフされる。低速連続回転(LO)および高速連続回転(HI)動作時は、コンビスイッチ2のFET端子により、MOS−FET4はワイパモータ7Aと切り離される。ワイパがウインドシールドガラス上で止まったまま、IGスイッチ12が投入されたときなどは、コンビスイッチ2DがOFFポジションでも、ワイパがパーク位置に来るまで、MOS−FET4によりワイパモータ7Aが駆動される。
【0141】
このように、低速連続運転(LO)および高速連続回転(HI)は、コンビスイッチ2DのLO端子およびHI端子により直接オンオフされるようにすることで、MOS−FET4,5の電流定格を小さいものとすることができ、小型、低コスト化される。さらに、LOおよびHI動作時は、コンビスイッチ2DのFET端子により、MOS−FET4,5がワイパモータ7と切り離されるようにすることで、ワイパモータコイル起電力の影響を受けないようにでき、保護素子等の追加が必要なくなる。
【0142】
さらに、図19のワイパ制御装置では、ワイパモータ駆動用の半導体スイッチ素子として働くMOS−FET4がワイパモータ7の下流側(ローサイド)に配置された構成となっているが、他の実施例として、図20に示すように、MOS−FET4をワイパモータ7の上流側(ハイサイド)に配置しても良い。
【0143】
この場合は、MOS−FET4をPチャンネル型MOS−FET、MOS−FET5をNチャンネル型MOS−FETとする。また、MOS−FET4とMOS−FET5は共に、信号のハイ、ローに対するオンオフの関係は、図1の実施の形態の場合と逆になる。さらに、MOS−FET5のソースと接地の間にツェナーダイオード6が接続される。また、コンビスイッチ2Eは、図19のコンビスイッチ2DのGND端子に代えて、ヒューズ13に接続されたIG端子を有する。また、コントローラ3Eは、図19のコントローラ3Dの構成にGNDポートが追加されている。
【0144】
図20に示すハイサイドスイッチ型ワイパ制御装置は、図19に示すローサイドスイッチ型ワイパ制御装置と同様の動作および効果を奏する。
【0145】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ワイパモータの異常発生時、コントローラが異常状態の持続時間を監視して通電を遮断するので、ワイパモータ駆動用の半導体スイッチ素子を必要以上に大型化する必要がなくなり、小型、低コストにできる。さらに駆動回路やモータを含めた装置全体の信頼性が高まる。
【0146】
請求項2記載の発明によれば、ワイパモータの異常状態解除後、コンビスイッチのポジション切り替えにより、そのポジションに対応する動作モードで動作を再開させることができる。
【0147】
請求項3記載の発明によれば、ワイパモータの異常状態解除後、イグニッションスイッチのオフおよび再投入により、異常発生により中断した動作モードで動作復帰させることができる。
【0148】
請求項4記載の発明によれば、ワイパ動作途中でOFFされても、コントローラは、ワイパがパーク位置に戻るまで半導体スイッチ素子を維持するので、ワイパが途中で止まったままとなることはない。
【0152】
請求項5記載の発明によれば、ウォッシュ操作後の後ふきを回数で正確に規定することにより、後ふき回数の誤差がなくなる。
【0153】
請求項6記載の発明によれば、後ふきの規定回数を任意の回数に設定することができる。
【0154】
請求項7記載の発明によれば、ウォッシュ操作後の後ふき時にコンビスイッチ2をONポジションからOFFポジションに切り替えた場合でも、後ふき回数を正確に規定することにより、後ふき回数の誤差がなくなる。
【0155】
請求項8記載の発明によれば、可変抵抗の抵抗値をデジタルに変換して、間欠時間を正確に規定することにより、間欠ワイパ動作の時間精度が向上する。
【0156】
請求項9記載の発明によれば、コンビスイッチのVR端子解放時は、コントローラで間欠時間を予め決められた時間に正確に規定することにより、間欠動作の時間精度が向上する。
【0160】
請求項10記載の発明によれば、第1の半導体スイッチ素子は、ワイパモータの下流または上流のどちら側に配置しても良く、特に上流側に配置した場合は、電線のショート等の故障に対する保護も可能となり、装置の安全性が向上する。
【0161】
請求項11記載の発明によれば、第1の半導体スイッチ素子を制御するためのコントローラの制御信号をチョッパ制御して出力することにより、ワイパモータを可変速駆動することにより、装置の構成が簡単になる。また、制御信号のデューテイ比を変えることにより、3段以上の多段階のスピード可変や連続可変とすることができる。さらに、チョッパ周波数を調整することにより、車種ごとに異なる共振周波数を避けるようにすることで、チョッパ制御による騒音を抑えることができる。
【0162】
請求項12記載の発明によれば、ワイパがウインドシールドガラス上に残っている場合、高速モードでパーク位置まで戻すことにより、運転者の視界を速やかに確保する制御が可能である。
【0163】
請求項13記載の発明によれば、コントローラには、半導体スイッチ素子とリレーの両方を制御する機能を盛り込むことにより、2個の機能を集約することで、コントローラが小型化、低コスト化される。また、フロントワイパとリアワイパの制御に関連性を持たせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワイパ制御装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1のワイパ制御装置におけるコントローラの構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明のワイパ制御装置の他の実施例を示す回路図である。
【図4】図3における過熱遮断保護回路の具体的構成例を示す回路図である。
【図5】図1のワイパ制御装置におけるINTモード時のコントローラの各部信号のタイミング図である。
【図6】図1のワイパ制御装置におけるONモード時のコントローラの各部信号のタイミング図である。
【図7】図1のワイパ制御装置におけるWASHモード時のコントローラの各部信号のタイミング図である。
【図8】保護動作例1を説明するためのワイパ制御装置の各部信号のタイミング図である。
【図9】保護動作例2を説明するためのワイパ制御装置の各部信号のタイミング図である。
【図10】保護動作例3を説明するためのワイパ制御装置の各部信号のタイミング図である。
【図11】保護動作例4を説明するためのワイパ制御装置の各部信号のタイミング図である。
【図12】図1のワイパ制御装置におけるコントローラのVR変換回路の構成例を示すブロック図である。
【図13】図12のVR変換回路の特性を表すグラフであり、(a)はエラー出力特性、(b)は抵抗値対A/D変換出力特性を示す。
【図14】本発明によるワイパ制御装置の他の実施例を示すブロック図であり、ハイサイドスイッチ型ワイパ制御装置を示す。
【図15】本発明によるワイパ制御装置の他の実施例を示すブロック図であり、リレー式ワイパ制御装置との組み合わせ例を示す。
【図16】本発明によるワイパ制御装置の他の実施例を示すブロック図であり、単一スピードワイパモータで可変速駆動するワイパ制御装置を示す。
【図17】図16のワイパ制御装置における各部信号のタイミング図である。
【図18】本発明によるワイパ制御装置の他の実施例を示す回路図である。
【図19】本発明によるワイパ制御装置の他の実施例を示すブロック図であり、2スピードのワイパモータを駆動する制御装置を示す。
【図20】本発明によるワイパ制御装置の他の実施例を示すブロック図であり、2スピードのワイパモータを駆動するハイサイドスイッチ型ワイパ制御装置を示す。
【図21】従来のワイパ制御装置の構成例を示す回路構成図である。
【符号の説明】
2 コンビスイッチ
3 コントローラ
4 Nチャンネル型MOS−FET(第1の半導体スイッチ素子)
5 Pチャンネル型MOS−FET(第2の半導体スイッチ素子)
6 ツェナーダイオード
7 ワイパモータ
8 オートストップ(AS)スイッチ
9 ウォッシャモータ
10 可変抵抗
11 バッテリ
12 イグニッション(IG)スイッチ
13 ヒューズ
Claims (13)
- ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モードまたは連続ワイパ動作モードに設定するコンビスイッチと、
上記コンビスイッチで設定された動作モードに応じて駆動されるワイパモータと、
上記ワイパモータの回転にしたがって上記ワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力するためのオートストップ(AS)スイッチと、
上記ワイパモータへの通電をオンオフする第1の半導体スイッチ素子と、
上記第1の半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御信号を供給するコントローラとからなり、
上記コントローラは、上記コンビスイッチで設定された動作モードで動作中、上記ワイパモータの異常状態発生により、上記ASスイッチの信号レベルが予め設定された異常検出時間より長い間変化しなかった場合、上記第1の半導体素子を強制的にオフ制御する
ことを特徴とするワイパ制御装置。 - 前記コントローラは、前記異常状態の解除後、前記コンビスイッチのポジション切り替えが行われたことを判別して前記第1の半導体素子をオフからオンにし、上記ポジション切り替えに対応する動作モードで動作させる
ことを特徴とする請求項1記載のワイパ制御装置。 - 前記コントローラは、バッテリよりイグニッションスイッチを介して駆動電圧が供給されており、異常状態の解除後、前記イグニッションスイッチのオフに続く再投入を検出して前記第1の半導体素子をオフからオンにし、異常発生時に前記コンビスイッチで設定されていた動作モードによる動作を復帰させる
ことを特徴とする請求項1記載のワイパ制御装置。 - ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モードまたは連続ワイパ動作モードに設定するコンビスイッチと、
上記コンビスイッチで設定された動作モードに応じて駆動されるワイパモータと、
上記ワイパモータの回転にしたがって上記ワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力するためのオートストップ(AS)スイッチと、
上記ワイパモータへの通電をオンオフする第1の半導体スイッチ素子と、
上記第1の半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御信号を供給するコントローラとからなり、
上記コントローラは、上記コンビスイッチをワイパ動作途中でOFFポジションに切り替えた場合、上記ASスイッチがパーク位置に対応するレベル信号を出力するまでの間、上記第1の半導体スイッチ素子をオンに維持するように制御する
ことを特徴とするワイパ制御装置。 - ワイパの動作モードをポジション切り替えにより間欠ワイパ動作モード、連続ワイパ動作モードまたはウォッシャ動作モードに設定するコンビスイッチと、
上記コンビスイッチで設定されたワイパ動作モードに応じて駆動されるワイパモータと、
上記ワイパモータの回転にしたがって上記ワイパのパーク位置とパーク位置以外の位置とでレベル変化する信号を出力するためのオートストップ(AS)スイッチと、
上記ワイパモータへの通電をオンオフする第1の半導体スイッチ素子と、
上記コンビスイッチで設定されたウォッシャ動作モード時に、上記コンビスイッチを介して通電、駆動されるウォッシャモータと、
上記第1の半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御信号を供給するコントローラとからなり、
上記コントローラは、上記コンビスイッチのウォッシャ動作モード時、上記第1の半導体素子をオンになるように制御し、上記コンビスイッチのOFFポジションへの切り替え後上記ワイパが予め設定される規定回数だけ往復して後ふき動作するまで、上記第1の半導体素子をオンに維持するように制御する
ことを特徴とするワイパ制御装置。 - 前記コントローラは、前記規定回数を可変設定することができる
ことを特徴とする請求項5記載のワイパ制御装置。 - 前記コントローラは、上記コンビスイッチがウォッシャモードから他のモードへの切り替えを経てOFFポジションへ切り替えられたとき、前記後ふき動作の回数が規定回数に達していなかった場合は、残りの回数だけ前記ワイパが後ふき動作するまで、上記第1の半導体素子をオンに維持するように制御する
ことを特徴とする請求項5記載のワイパ制御装置。 - 前記コンビスイッチは、間欠ワイパ動作モード時の間欠時間を調整する可変抵抗を含み、前記コントローラは、前記コンビスイッチからの上記可変抵抗の抵抗値を入力するVR入力端子を有し、該VR入力端子に入力された上記可変抵抗の抵抗値をA/D変換して間欠時間をデジタル的に設定する
ことを特徴とする請求項1記載のワイパ制御装置。 - 前記コントローラは、前記VR入力端子が解放された場合は、前記間欠時間を予め決められた規定値に設定する
ことを特徴とする請求項11記載のワイパ制御装置。 - 前記第1の半導体スイッチ素子は、前記ワイパモータの下流側または上流側に接続されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載のワイパ制御装置。
- 前記コントローラは、前記第1の半導体スイッチ素子のオンオフを制御する制御信号をチョッパ制御して出力し、前記ワイパモータを可変速駆動する
ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載のワイパ制御装置。 - 前記コントローラは、前記イグニッションスイッチの投入時にワイパがパーク位置まで戻っていない場合、前記ワイパモータを高速駆動して上記ワイパをパーク位置まで戻すように制御する
ことを特徴とする請求項11記載のワイパ制御装置。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載のワイパ制御装置と、リレー式ワイパ制御装置とを具備し、前記コントローラは、上記ワイパ制御装置と上記リレー式ワイパ制御装置の両方の動作を制御する
ことを特徴とするワイパ制御装置。
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