JP3719178B2 - 水素ガス製造充填装置及び電気化学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素ガス製造充填装置及び電気化学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素ガスを電極活性物質とする燃料電池が、既に社会に提供されている。燃料電池は、環境負荷が少ないエネルギーとして、その今後の発達が注目されており、水素ガスを如何に発生し、貯蔵するかが、燃料電池の普及の技術面より見た一つの焦点となっている。
【0003】
将来は社会に水素ガスが広範囲に普及し、例えば、各家庭に水素ガスが直接配達され、容易に直接の入手が可能となることが予想される。現在のところ、水素ガスを発生する方法としては、水の電気分解による方法が多用されている。
【0004】
水素ガスを貯蔵する方法は、高圧ボンベに高圧の圧縮した水素ガスを蓄える方法や水素ガス吸蔵合金を用いる方法等の手法がとられている。ここで、水素ガスの貯蔵量は、高圧ボンベに蓄える場合においても、水素ガス吸蔵合金を用いた場合においても、水素ガスがより圧縮されていれば、水素ガスの貯蔵量はより増加するので、水素ガスを圧縮して貯蔵する技術が重要となる。
【0005】
水素ガスを圧縮する方法としては、従来、水素ガスを密閉空間に閉じ込め、機械的に加圧する方法が採用されている。
【0006】
しかしながら、この方法によれば、装置が大型化する等の問題点を有しており、個人が容易に水素ガスを発生して使用することができるパーソナルユースという観点からは、従来の機械的に加圧する方法を用いた装置は適当ではない。
【0007】
この問題点を改善するための水素ガスの圧縮技術として、電気化学的ガス圧縮機が米国特許明細書第4671080号や特開平5−242850号にて提案されている。
【0008】
図17は米国特許明細書第4671080号に開示された従来の電気化学的水素ガス圧縮機の断面を拡大して示す図で、同図において、201は約0.2mmの厚みを有するイオン導電性膜としての、例えばパーフルオロスルホン酸樹脂(DuPont社製のナフィオン117等。以下、ナフィオンと称する。)、202は白金等の触媒を担持した陽極のガス拡散性電極、203は陽極202と同様の触媒を担持した陰極のガス拡散性電極、204は陽極側のガス流路、205は陰極側のガス流路、206は陽極側の金属集電体、207は陰極側の金属集電体である。
【0009】
以下、この装置の動作原理について説明する。水素ガスがガス拡散性電極202側のガス流路204に供給されると、この水素ガスは、ガス拡散性電極202上で電子を失い、下記式(1)に従ってH3O+イオンを生成する。
H2+2H2O→2e-+2H3O+・・・式(1)
【0010】
次いで、上記発生したH3O+イオンは、イオン導電性膜201中の水を伴って、電圧を駆動力として、他方のガス拡散性電極203まで進み、このガス拡散性電極203上で電子を受け取り、下記式(2)に従って再び水素ガスに転化される。
2e-+2H3O+→H2+2H2O・・・式(2)
【0011】
ガス拡散性電極203上で生成した水素ガスは、イオン導電性膜201を通ることができず、また、電圧によるイオンの移動力は大きいので、ガス拡散性電極203側に水素ガスが徐々に蓄積されて水素ガスの圧力が上昇する。このとき、金属集電体206、207が各ガス拡散性電極202、203に電圧を印加すると共に、ガス拡散性電極202、203及びイオン導電性膜201を機械的に補強する旨が記載されている。
【0012】
また、特開平5−242850号に記載された発明が解決しようとする課題として、機械的な信頼性及び優れた電気的特性を有すると共に、軽量かつコンパクトであり、大きな出力を得ることができる電気化学的ガス圧縮機を提供することを目的とする旨が記載されている。
【0013】
即ち、特開平5−242850号には以下のように記載されている。
【0014】
従来の電気化学的水素ガス圧縮機は、上記のように構成されており、ガス拡散性電極202、203間にかける電圧は下記式(3)のようになる。
E=E0+(RT/2F)×ln(P2/P1)+ir・・・式(3)
(但し、上記式(3)において、E0は水素ガスのイオン化電位、Rは気体定数、Tは温度、Fはファラデー定数、P1はガス拡散性電極202側の水素ガス圧力、P2はガス拡散性電極203側の水素ガス圧力、iは電流、rは電気抵抗である。)
【0015】
ここで両極202、203にかかる電圧についての内訳を見ると、右辺第1項のイオン化電位E0は0.02V、第2項はいわゆるネルンスト加電圧であり、この加電圧は両極202、203のガス圧力で決まるが、ガス圧力を100気圧に圧縮した時でも0.06Vである。
【0016】
しかしながら、第3項の抵抗は400mA/cm2程度の電流でも0.1Vと大きく、全電圧の55%を占めている。つまり、この圧縮機の電圧効率はイオン導電性膜201の電気抵抗が大きいために非常に小さくなるという問題があった。
【0017】
イオン導電性膜201の抵抗は、その厚みが約0.2mmの時のものであり、イオン導電性膜201の電気抵抗を小さくするためにはその膜厚を薄くすればよい。また、イオン導電性膜201に十分な水分を供給することによって、イオン導電性膜201のイオン導電性を維持する方法があるが、この場合、H3O+イオンが膜中を移動する際に水分も一緒に移動するため、電流が少ない時には陰極203上の水が拡散によって膜201を逆流して陽極202に戻り、別途に水を供給しなければ大きな電流を継続して流すことが難しいという問題点があったとしている。
【0018】
そして、これを改善するために特開平5−242850号には、両ガス拡散性電極間に、イオン導電性固体電解質体とガス拡散性電極とを交互に複数積層して複数の単電池を一体構造とする発明と、各単電池間に位置するガス拡散性電極に水分を補給する水分補給路を設ける発明と、各単電池間に位置するガス拡散性電極に外部電気回路を接続し、複数の各電極にかかる電圧を可変にする発明とが開示されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平5−242850号は、各単電池間に位置するガス拡散性電極に水分を補給するための水分補給路を設ける必要があると同時に、外部にポンプを設置して、水を補給する必要があるため、装置の大型化は避けられない。
【0020】
本発明は、上述したような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、容易に水素を製造し、効率的に水素を圧縮充填することができる簡易かつ小型な水素ガス製造充填装置及び電気化学装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、電気分解によって水素ガスを発生させる電気分解装置部と、前記電気分解装置部で発生した前記水素ガスを圧縮する加圧部と、この圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部とを有する、水素ガス製造充填装置であって、
前記加圧部が、前記水素ガスを電気化学的に圧縮する電気化学圧縮部と加圧電流制御部とからなっていて、前記電気化学圧縮部が、前記水素ガスをプロトン(H+)に分解する第1極と、前記第1極で発生した前記プロトンを再び水素ガスに転化する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなり、前記加圧電流制御部によって前記加圧部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給し、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させる、水素ガス製造充填装置に係るものである(以下、本発明の第1の発明と称する。)。
【0022】
本発明によれば、電気分解によって水素ガスを発生させる前記電気分解装置部を有するので、容易に効率よく前記水素ガスを製造することができ、また、前記加圧部及び前記充填部を有するので、効率的に水素を圧縮充填することができる。
【0023】
そして、小型可搬とすることができるので、例えば、個人が容易に持ち運べ、容易に水素ガスを製造充填できる機器を実現することが可能である。また、前記水素ガスタンクを取り出して用いれば、水素ガスで稼動する種々の機器を動作させ得るという効果を奏することができる。
【0024】
本発明に基づく水素ガス製造充填装置は、前記加圧部が、前記水素ガスを電気化学的に圧縮する電気化学圧縮部と加圧電流制御部とからなっていて、前記電気化学圧縮部が、前記水素ガスをプロトン(H+)に分解する第1極と、前記第1極で発生した前記プロトンを再び前記水素ガスに転化する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなり、前記加圧電流制御部によって前記加圧部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給する。
【0025】
また、前記電気分解装置部と、前記加圧部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御されることが望ましい。
【0026】
図1は、本発明に基づく水素ガス製造充填装置の概略構成図である。
【0027】
本発明に基づく水素ガス製造充填装置100は、大きく分けて電気分解装置部1、加圧部2、システム制御部3及び充填部4から構成されている。
【0028】
電気分解装置部1は変圧・整流部7、電気分解制御部8、電解漕10及び電気分解状態検出部11よりなる。
【0029】
変圧整流部7の入力端子20は、図示しない電源に接続される。電源としては、例えば、商用電源、自然エネルギー発電等の如何なる電源であってもよく、例えば商用電源は、一般の家庭においては、AC100V、更に容量が大きくなるとAC200Vが使用される。
【0030】
変圧整流部7は、電気分解に必要な電圧の直流電力を得ることを目的とし、図示しない変圧器、整流器及び平滑コンデンサで構成される。電源として直流電源を使う場合は、スイッチングレギュレータ等で代用してもよい。また、変圧整流部7の直流電力の出力端は、電気分解制御部8の入力端に接続されている。
【0031】
電気分解制御部8は、電気分解により発生する水素ガスの生成量を制御するものであり、その制御電圧出力端22、23は、電解漕10に設けられた各々の電極24、25に直接接続されている。
【0032】
電解漕10は、電極24、25、ガス分離膜26、電解液を保持するケーシング27、電解液28、電解液の液面状態を検知する液面センサー29及び電解漕10で発生した水素ガスを加圧部2へと導く加圧部入力水素ガスパイプ30とからなる。なお、ケーシング27の中はガス分離膜26により、2つの空間に分離されており、電気分解の作用によって電極25にて発生した水素ガスが加圧部入力水素ガスパイプ30を通過して加圧部2に導かれる。
【0033】
また、加圧部入力水素ガスパイプ30には、加圧部入力水素ガスの圧力を検出する加圧部入力水素ガス圧センサー21が設けられている。加圧部入力水素ガス圧センサー21は、例えば、ダイヤフラムを使用した圧力検出装置等であってよく、圧力に応じたダイヤフラムの変位を電気信号に変換するものである。
【0034】
電気分解状態検出部11には、液面センサー29及び加圧部入力水素ガス圧センサー21からの出力信号が接続されており、更にシステム制御部3とバスライン9によって接続されている。
【0035】
加圧部2は電気化学圧縮部40と加圧電流制御部13から構成されている。
【0036】
電気化学圧縮部40は、白金等の触媒を担持した前記第1極としての陽極のガス拡散性電極32、白金等の触媒を担持した前記第2極としての陰極のガス拡散性電極33、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体31、陽極側の金属集電体36、陰極側の金属集電体37、陽極側ガス溜室38及び陰極側ガス溜室39から構成されている。即ち、陽極32と、陰極33との間に、膜状のプロトン伝導体31が挟持されている、メンブレン(薄膜)と電極の多層膜(MEA膜:Membrane & electroassembly)である。
【0037】
プロトン伝導体31は、例えば約0.03mmの厚みを有し、その両面に触媒層が設けられていることが好ましい。前記触媒層を設けることによって、水素の電気化学的な分解の効率をより良好にし、一層プロトン発生効率の向上を図ることが可能である。
【0038】
ガス拡散性電極32、33は、耐熱性を有し、出来るだけ表面積の大きいこと、また表面に担持された前記触媒を介してプロトン伝導体31と電極32、33が全面にわたって密着可能であること、プロトン伝導体31に密着できるように、ある程度の柔軟性を有すること、更に活性化電極であることが好ましい。
【0039】
従って、陽極32及び陰極33は、多孔性又はメッシュ状であることが好ましく、例えばカーボンファイバーや多孔質カーボンを材質として、これらをシート状にし、プロトン伝導体31と密着する側に、活性な触媒を担持させることによって、作製することができる。また、このようなシート状電極材には、心材として金属線を編んで作った網状体のものを入れたり、貼り付けることも可能である。金属心材を入れたり、貼り付けることにより、電極自体の導電性が向上し、全面にわたり均一な電流分布が期待できる。
【0040】
前記触媒は、例えば白金や酸化ルテニウム、酸化イリジウム等の微粒子であることが望ましく、また銀など他の電極物質でも本目的の反応が進行するものであればよく、他の電極物質でもよい。
【0041】
電極32、33への前記触媒の担持は通常の方法でよく、例えば、炭素粉末の表面に前記触媒物質又はその前駆体を担持し、それに加熱などの処理を加えて、触媒粒子を形成し、それを電極面にフッ素樹脂と共に焼き付ける方法でもよく、また前記触媒物質を担持していない電極体を予め作製し、その後に前記触媒物質の前駆体、例えば塩化白金酸と塩化ルテニウム酸の混合水溶液、又はブチルアルコール溶液を塗布液として、これを電極面に塗布した後、水素を含有する還元雰囲気中で、200から350℃で焼成することにより、白金とルテニウムの合金を電極表面に形成できる。
【0042】
また、電気化学圧縮部40は、図2に示すように、プロトン伝導体とガス拡散性電極を交互に繰返し形成したものでもよく、この場合は、より高い圧縮率を容易に得られるという効果がある。
【0043】
電気化学圧縮部40にて圧縮された前記水素ガスを、充填部4中の水素タンク保持部12に配された前記水素ガスタンクに供給する加圧部出力水素ガスパイプ41には、圧縮された前記水素ガスの圧力を検出するための加圧部出力水素ガス圧センサー42が設けられており、圧力検出器42はダイヤフラムタイプの通常のものでよい。
【0044】
陽極側ガス溜室38及び陰極側ガス溜室39には、水素ガス以外の混入ガスをパージするために、微量なガス量を常時、或いは特定の時期にのみ排出することができる図示省略したガス排出口を設けてもよい。
【0045】
充填部4は、水素ガスタンク保持部12、充填状態検出部6及びバルブ制御信号発生部5とから構成されている。また、水素ガスタンク保持部12には、水素ガスタンク50〜58が配されている。ここで、図1には9個の前記水素ガスタンクを配置した例を示したが、個数は特に制限されず、1個又は2個以上の任意の数であってよい。
【0046】
水素ガスタンク50〜58と電気化学圧縮部40は、加圧部2の加圧部出力水素ガスパイプ41、圧力検出装置60〜68及び水素ガスバルブ70〜78を経由して接続される。圧力検出装置60〜68は、例えば、従来から使用されているダイヤフラムを使用した圧力検出装置等であってよく、圧力に応じたダイヤフラムの変位を電気信号に変換するものである。
【0047】
充填状態検出部6へは、圧力検出装置60〜68から各々の圧力信号が入力されている。
【0048】
水素ガスバルブ70〜78は、加圧部出力水素ガスパイプ41からの前記水素ガスの流量を制御するもので、例えば、電磁弁を用いたバルブの開状態と閉状態の2つの状態を生じるものであってよい。
【0049】
バルブ制御信号発生部5は、水素ガスバルブ70〜78の各々に対して独立の制御信号を出力する。
【0050】
水素ガスタンク50〜58は、中空の高圧タンクであっても、水素ガス吸蔵タンクであってもよい。
【0051】
システム制御部3は、水素ガス製造充填装置100の全体の制御を行う。システム制御部3と各部との検出及び制御信号のやり取りは、例えばバスライン9を通じて双方向に行われる。システム制御部3が信号のやり取りを行うのは、変圧整流部7、電気分解制御部8、電気分解状態検出部11、加圧電流制御部13、バルブ制御信号発生部5及び充填状態検出部6との間である。また、システム制御部3には、加圧部入力水素ガスセンサー21、加圧部出力水素ガスセンサー42からの信号も入力される。
【0052】
システム制御部3は、演算機能、論理処理機能を有するハードウエアーで構成されていてもよく、CPU(Central Processor Unit)等によるソフトウエアー処理機能であってもよい。
【0053】
次に、水素ガス製造充填装置100の作用をシステム制御部3で発生する制御信号の内容を中心として、電気分解装置部1、加圧部2、充填部4の順に説明する。
【0054】
システム制御部3に設けられた図示しない操作ボタンを操作することにより、システム制御部3はバスライン9を経由して、変圧・整流部7に電源をONする信号を送出し、例えば変圧・整流部7は、商用電源からの電力を電気分解制御部8に必要な所定の電圧を得た後、それを交流から直流に整流する。
【0055】
ここで、システム制御部3がON信号を送出するタイミングの開始情報は、操作者がON信号を手動で送るのみならず、例えば、水素ガスタンク保持部12に新しいタンクが設置されたことを検出する図示しない検出手段を設け、この検出手段からの情報によりONとしてもよく、或いは、深夜の時間帯の安い電力を使用するために、システム制御部3に設けられたタイマーを用いて、所定の時刻となったことを知らせる時間情報によりONとしてもよい。
【0056】
変圧・整流部7で生じた直流電力は電気分解制御部8に印加され、電気分解制御部8にて電気分解に必要な電気量を制御する。
【0057】
加圧部入力水素ガス圧センサー21は、電解漕10にて発生する水素ガスの圧力を検出し、電気分解状態検出部11にその情報を送信する。電気分解状態検出部11は、加圧部入力水素ガス圧センサー21からの前記情報を受信すると同時に、ケーシング27内の電解液28の量が適切か否かを液面センサー29を介して監視する。
【0058】
電気分解状態検出部11は、加圧部入力水素ガス圧センサー21が検出する電気分解により発生する水素ガスの圧力及び電解液28の状態をシステム制御部3に送出する。システム制御部3は、ケーシング27中に電解液28が所定の量存在すれば電気分解を続行し、電解液28が所定の量に満たなければ電気分解を中断し、図示しないアラーム機構により、操作者に対して警告を出す。
【0059】
電気分解装置部1の電解漕10にて製造し、加圧部2に印加する水素ガスの圧力は、加圧部2が適切に動作するためには、所定の値の範囲内に保たれることが望ましい。これを実現するために、システム制御部3は、加圧部入力水素ガス圧センサー21からの信号のレベルが所定の範囲内に保たれるように、電気分解制御部8にバスライン9を経由して制御信号を出す。
【0060】
即ち、電気分解により発生する水素ガスの圧力が低い場合には、電解漕10に設けられた電極24、25の両端の電圧を増加させることによって、電極に流れる電流を増加させ、電気分解を促進する。
【0061】
一方、電気分解により発生する水素ガスの圧力が高い場合には、電解漕10に設けられた電極24、25の両端の電圧を減少させることによって、電極に流れる電流を低減させ、電気分解を抑制する。このようにして、加圧部2に入力される水素ガスの圧力を一定の値に保つことができる。
【0062】
なお、電気分解制御部8は、電極24、25に流れる電流を制御するものであるので、電流値が任意に変化可能な、可変定電流源であればどのような制御方式であってもよい。
【0063】
上述したように、加圧部2は、電気化学的に前記水素ガスを圧縮する電気化学圧縮部40と加圧電流制御部13とから構成されている。
【0064】
プロトン伝導体31に電圧を印加すると、陽極32で発生したプロトンはプロトン伝導体31内で電圧の印加方向と逆向きに移動し、移動したプロトンは陰極33側のプロトン伝導体31の表面で水素ガスに転化される。このようにして生じる水素ガス量は、プロトン伝導体31における上記式(3)で表わされる通電量によって決まるため、電解質膜における通電量を制御することによって、混合ガスから水素ガスを分離できるので、水素ガスの純度が低くても、プロトン伝導体31を経ることによって純度が高くなる。
【0065】
さらに、このようにして得られる水素ガス量を制御することにより、所望の圧力の水素ガスを得ることができる。
【0066】
以下に、前記水素ガスの圧縮処理のメカニズムについて説明する。
【0067】
加圧部入力水素ガスパイプ30を経て、陽極側ガス溜室38に送られた水素ガスは、陽極としてのガス拡散性電極32上で電子を失い、下記式(4)に従ってプロトンを生成する。
H2→2e-+2H+・・・式(4)
【0068】
陽極32にて生成したプロトンは、電圧を駆動力として、プロトン伝導体31を通過して陰極としてのガス拡散性電極33まで進み、ガス拡散性電極33上で電子を受け取ることで、下記式(5)に従って再び水素ガスに転化される。
2H++2e-→H2・・・式(5)
【0069】
陰極33上で生成した水素ガスは、プロトン伝導体31を通ることはできず、また、電圧によるイオンの移動力は大きいので、陰極33側の陰極側ガス溜室39に水素ガスが徐々に蓄積されて水素ガスの圧力が上昇する。このとき、陽極側の金属集電体36及び陰極側の金属集電体37は、陽極32及び陰極33に電圧を印加すると共に、陽極32、陰極33及びプロトン伝導体31を機械的に補強する役目を持つ。
【0070】
前記プロトン伝導体は、フラーレン分子と、炭素を主成分とするクラスターと、筒状又は線状炭素の構造体とからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって構成されている(以下に示すその他の発明も同様である。)。
【0071】
ここで、前記「プロトン解離性の基」とは、プロトンが電離により離脱し得る官能基を意味し、また「プロトンの解離」とは、電離によりプロトンが官能基から離れることを意味する。
【0072】
前記プロトン解離性の基の導入対象となる母体としてのフラーレン分子は、球状クラスター分子であれば特に限定しないが、通常はC36、C60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C86、C88、C90、C92、C94、C96などから選ばれるフラーレン分子の単体、若しくはこれらの2種類以上の混合物が好ましく用いられる。
【0073】
これらのフラーレン分子は、1985年に炭素のレーザアブレーションによるクラスタービームの質量分析スペクトル中に発見された(Kroto, H.W.; Heath, J.R.; O'Brien, S.C.; Curl, R.F.; Smalley, R.E. Nature 1985. 318, 162.)。実際にその製造方法が確立されるのは更に5年後のことで、1990年に炭素電極のアーク放電法による製造法が見出され、それ以来、フラーレンは炭素系半導体材料等として注目されてきた。
【0074】
図3に示す如く、フラーレン分子に複数の水酸基を付加した構造を持つフラレノール(Fullerenol)は、1992年にChiangらによって最初に合成例が報告された(Chiang, L.Y.; Swirczewski, J.W.; Hsu, C.S.; Chowdhury, S.K.; Cameron, S.; Creegan, K., J. Chem. Soc, Chem. Commun. 1992, 1791)。
【0075】
本発明者は、そうしたフラレノールを図4(A)に概略図示するように凝集体とし、近接し合ったフラレノール分子(図中、○はフラーレン分子を示す。)の水酸基同士に相互作用が生じるようにしたところ、この凝集体はマクロな集合体として高いプロトン伝導特性(換言すれば、フラレノール分子のフェノール性水酸基からのH+の解離性)を発揮することを初めて知見することができた。
【0076】
本実施の形態によれば、上記フラレノール以外に例えば複数の−OSO3H基をもつフラーレンの凝集体をイオン伝導体として用いることもできる。OH基がOSO3H基と置き換わった図4(B)に示すようなポリ水酸化フラーレン、すなわち硫酸水素エステル化フラレノールは、やはりChiangらによって1994年に報告されている(Chiang, L.Y.; Wang, L.Y.; Swirczewski, J.W.; Soled, S.; Cameron, S., J. Org. Chem. 1994, 59, 3960)。硫酸水素エステル化されたフラーレンには、ひとつの分子内にOSO3H基のみを含むものもあるし、或いはこの基と水酸基をそれぞれ複数、持たせることも可能である。
【0077】
上述したフラレノール及び硫酸水素エステル化フラレノールを多数凝集させた時、それがバルクとして示すプロトン伝導性は、分子内に元々含まれる大量の水酸基やOSO3H基に由来するプロトンが移動に直接関わるため、低湿度雰囲気下においても、継続的に使用することができる。
【0078】
また、これらの分子の基体となっているフラーレンは特に求電子性の性質を持ち、このことが酸性度の高いOSO3H基のみならず、水酸基等においても水素イオンの電離の促進に大きく寄与していると考えられ、優れたプロトン伝導性を示す。また、一つのフラーレン分子中にかなり多くの水酸基及びOSO3H基等を導入することができるため、伝導に関与するプロトンの、伝導体の単位体積あたりの数密度が非常に多くなるので、実質的な伝導率を発現する。
【0079】
上記フラレノール及び硫酸水素エステル化フラレノールは、その殆どが、フラーレンの炭素原子で構成されているため、重量が軽く、変質もし難く、また汚染物質も含まれていない。フラーレンの製造コストも急激に低下しつつある。資源的、環境的、経済的にみて、フラーレンは他のどの材料にもまして、理想に近い炭素系材料であると考えられている。
【0080】
更に、上記プロトン解離性の基は、前述した水酸基やOSO3H基に限定する必要はない。
【0081】
即ち、この解離性の基は式−XHで表され、Xは2価の結合手を有する任意の原子若しくは原子団であればよい。更には、この基は式−OH又は−YOHで表され、Yは2価の結合手を有する任意の原子若しくは原子団であればよい。
【0082】
具体的には、上記プロトン解離性の基としては、上記−OH、−OSO3H以外に−COOH、−SO3H、−OPO(OH)2、−C6H4−SO3Hのいずれかが好ましい。
【0083】
本発明に使用可能な上記フラレノール等を合成するには、フラーレン分子の粉末に対し、例えば酸処理や加水分解等の公知の処理を適宜組み合わせて施すことにより、フラーレン分子の構成炭素原子に所望の基を導入することができる。
【0084】
そして、得られる上記フラーレン誘導体を塗布や蒸着法により膜状に形成して、電気化学圧縮部40のプロトン伝導体31に利用することができる。
【0085】
プロトン伝導体31が実質的に上記フラーレン誘導体のみからなるか、或いは結合剤によって結着されていてもよい。
【0086】
プロトン伝導体31が、実質的にフラーレン誘導体のみからなる場合、上記フラーレン誘導体を加圧成形してなる膜状のプロトン伝導体31として用いることができる。結合剤によって決着されている上記フラーレン誘導体を、プロトン伝導体31として用いる場合、上記結合剤によって強度の十分なプロトン伝導体を形成できる。
【0087】
上記結合剤として使用可能な高分子材料としては、公知の成膜性を有するポリマーの1種又は2種以上が用いられる。このような構成のプロトン伝導体も、上記フラーレン誘導体のみからなるプロトン伝導体と同様のプロトン伝導性を発揮することができる。
【0088】
しかも、フラーレン誘導体単独の場合と違って高分子材料に由来する成膜性が付与されており、フラーレン誘導体の粉末圧縮成形品に比べ、強度が大きく、かつガス透過防止能を有する柔軟なプロトン伝導性薄膜(厚みは通常300μm以下)31として用いることができる。
【0089】
尚、上記高分子材料としては、プロトンの伝導性をできるだけ阻害(フラーレン誘導体との反応による)せず、成膜性を有するものなら、特に限定はしない。通常は電子伝導性をもたず、良好な安定性を有するものが用いられ、その具体例を挙げると、ポリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール等があり、これらは次に述べる理由からも、好ましい高分子材料である。
【0090】
まず、ポリテトラフルオロエチレンが好ましいのは、他の高分子材料に比べ、少量の配合量で強度のより大きな薄膜を容易に成膜できるからである。この場合の配合量は、3重量%以下、好ましくは0.5〜1.5重量%と少量ですみ、薄膜の厚みは通常、100μmから1μmまでと薄くできる。
【0091】
また、ポリフッ化ビニリデンやポリビニルアルコールが好ましいのは、選りすぐれたガス透過防止能を有するプロトン伝導性薄膜が得られるからである。この場合の配合量は5〜15重量%の範囲とするのがよい。
【0092】
ポリフルオロエチレンにせよ、ポリフッ化ビニリデンやポリビニルアルコールにせよ、それらの配合量が上述したそれぞれの範囲の下限値を下回ると、成膜に悪影響を及ぼすことがある。
【0093】
本実施の形態の各フラーレン誘導体が結合剤によって決着されてなるプロトン伝導体の薄膜を得るには、加圧成形や押出し成形をはじめ、公知の成膜法を用いればよい。
【0094】
なお、本発明に基づく水素ガス製造充填装置は、取り扱い、小型化の点からは、電極32、33とプロトン伝導体31としてのフラーレン誘導体とが、物理的に十分な強度を有する、フレキシブルなシート状であることが好ましい。
【0095】
電気化学圧縮部40は、大気中で良好に機能することができるため、水素圧縮時の圧力、温度、湿度等の調整を行わなくても、効率的に水素を圧縮することができる。
【0096】
また、フラレノール等のフラーレン分子を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなるフラーレン誘導体をプロトン伝導体31の構成材料として使用するので、H3O+イオン伝導体であるナフィオンを用いた場合と違い、加湿装置等がなくても、低湿度状態の大気中においても機能する。
【0097】
即ち、低湿度状態の大気中にて水素を圧縮することができるので、定常運転までに時間をかけず、水素圧縮時の初動作を早くすることができる。なお、例えば加湿装置を設け、水分を存在させて同様に水素を圧縮してもよいが、本発明はこれを要件とするものではない。
【0098】
また、H3O+イオン伝導体であるナフィオンを用いた場合、水素の圧縮と共に、水も発生してしまうため、除湿装置を必要とするのに対して、本実施の形態は、水素ガスを陽極32側に供給して電気分解し、これによって生成したプロトンを、例えばフラレノール等からなるプロトン伝導体31を通して陰極33へ移動させ、ここで水素に転化し、圧縮するので、除湿装置等がなくても、水素ガスの圧縮を可能とする。
【0099】
さらに、加湿処理を施さなくても、効率的に電気化学的圧縮作用を行うことができるので、圧縮された前記水素ガスの水分含有量が少ない。このために、後工程としての除湿工程を不用とすることができ、充填部4に、直接に前記水素ガスを送ることが可能となる。
【0100】
従って、電気化学圧縮部40は効率的に前記水素ガスを圧縮することができ、本発明に基づく水素ガス製造充填装置は、よりコンパクトで汎用性の高い装置である。
【0101】
また、本発明においては、上記のプロトン伝導体として、フラーレン誘導体に代えて、例えば炭素系電極のアーク放電法によりカーボン粉末からなるクラスターを得、このカーボン粉末の酸処理等を経て、このカーボン粉末にプロトン(H+)解離性の基を導入してなるクラスター誘導体を用いることができる。
【0102】
ここで、上記クラスターとは通常は、数個から数百個の原子が結合又は凝集して形成されている集合体のことであり、この凝集(集合)体によってプロトン伝導性能が向上すると同時に、化学的性質を保持して膜強度が十分となり、層を形成し易い。また、このクラスターは炭素を主成分とするものであって、炭素原子が、炭素−炭素間結合の種類は問わず数個から数百個結合して形成されている集合体のことである。ただし、必ずしも100%炭素クラスターのみで構成されているとは限らず、他原子の混在もあり得る。このような場合も含めて、炭素原子が多数を占める集合体を炭素クラスターと呼ぶこととする。
【0103】
上記のプロトン伝導体は、母体としての炭素クラスターにプロトン解離性の基を導入したものを主成分とするので、乾燥状態でもプロトンが解離し易く、プロトン伝導性を始め、前記したプロトン伝導体と類似した効果を奏することができる。しかも、前記炭素クラスターの範ちゅうには後述するように多種類の炭素質が含まれるので、炭素質原料の選択幅が広いという効果も奏することができる。
【0104】
この場合、母体に炭素クラスターを用いるのは、良好なプロトン伝導性を付与するためには、大量のプロトン解離性基を導入することが必要であり、これは炭素クラスターによって可能になるからである。しかし、そうすると、固体状のプロトン伝導体の酸性度が著しく大きくなるが、炭素クラスターは外の通常の炭素質と違って酸化劣化し難く、耐久性に優れており、構成原子間が密に結合し合っているために、酸性度が大であっても原子間の結合がくずれることはなく(即ち、化学的に変化しにくいため)、膜構造を維持することができる。
【0105】
このような構成のプロトン伝導体も、乾燥状態でも高いプロトン伝導性を発揮することができ、図5〜図8に示すような各種のものがあり、プロトン伝導体の原料としての選択の幅が広いものである。
【0106】
まず、図5に示すものは、炭素原子が多数個集合してなる、球体又は長球、又はこれらに類似する閉じた面構造を有する種々の炭素クラスターである(但し、分子状のフラーレンも併せて示す)。それに対して、それらの球構造の一部が欠損した炭素クラスターを図6に種々示す。この場合は、構造中に開放端を有する点が特徴的であり、このような構造体は、アーク放電によるフラーレンの製造過程で副生成物として数多く見られるものである。炭素クラスターの大部分の炭素原子がSP3結合していると、図7に示すようなダイヤモンドの構造を持つ種々のクラスターとなる。
【0107】
大部分の炭素原子がSP2結合しているクラスターは、グラファイトの平面構造を持つか、あるいはフレーレンやナノチューブの全体又は一部の構造を有する。このうち、グラファイトの構造を有するものは、クラスターに電子伝導性を持つものが多いため、プロトン伝導体の母体としては好ましくない。
【0108】
それに対し、フラーレンやナノチューブのSP2結合は、一部にSP3結合の要素を含んでいるため、電子伝導性をもたないものが多く、プロトン伝導体の母体として好ましい。
【0109】
図8は、クラスター同士が結合した場合を種々示すものであり、このような構造体でも、本発明に適用できる。
【0110】
本発明においては、前記炭素クラスターを構成する炭素原子に、上述したプロトン解離性の基を導入することが必要である。このプロトン解離性の基の導入手段としては、次の製造方法が好ましい。
【0111】
すなわち、まず炭素系電極のアーク放電によってカーボン粉末からなる炭素クラスターを製造し、続いてこの炭素クラスターを酸処理するか(硫酸などを用いる)、更に加水分解等の処理を行うか、または更にスルホン化又はリン酸エステル化等を適宜行うことによって、目的生成物である炭素クラスター誘導体を容易に得ることができる。
【0112】
この炭素クラスター誘導体はそのまま、バインダーなしで膜状やペレットなどの形状に加圧成形することができる。本発明において、母体である炭素クラスターは長軸の長さが100nm以下のもの、とくに100Å以下のものが好ましく、それに導入する前記基の数は2以上が望ましい。
【0113】
さらに前記炭素クラスターとして、籠状構造体(フラーレンなど)又は少なくとも一部に開放端をもつ構造体が好ましい。このような欠陥構造のフラーレンは、フラーレンの反応性をもつと同時に、加えて欠陥部すなわち開放部は更に高い反応性を持つ。したがって、酸処理等によって酸(プロトン)解離性の置換基導入が促進され、より高い置換基導入率が得られ、高いプロトン伝導性が得られる。また、フラーレンに比べて大量に合成することが可能となり、非常に安価に生産できる。
【0114】
他方、本発明のプロトン伝導体の母材として、筒状又は線状炭素の構造体を用いることが好ましい。前記筒状炭素の構造体としては、カーボンナノチューブであり、また、前記線状炭素の構造体としてはカーボンファイバーである。
【0115】
上記カーボンナノチューブ又は上記カーボンファイバーは、構造上電子を放出し易く、表面積を非常に大きくすることができるので、一層プロトン伝搬効率の向上を図ることができる。
【0116】
ここで好適に使用可能な上記カーボンナノチューブ又は上記カーボンファイバーは、アーク放電法又は化学的気相成長法(熱CVD法)により製造することが可能である。
【0117】
アーク放電法では、例えばFeS、Ni、Co等の金属触媒を用い、アーク放電チャンバーを用いてHe雰囲気下(例えば150Torr)で合成し、アーク放電でチャンバー内壁に布状に付着させることにより、例えば上記カーボンナノチューブを得ることができる。ここで、上記触媒を共存させた場合は、径の細い上記カーボンナノチューブを得ることができ、無触媒の条件下でアーク放電を行った場合は、径の太い多層からなる上記カーボンナノチューブを得ることができる。
【0118】
上記のように例えば無触媒の条件下でアーク放電を行うことによって生成することができる、図9(A)の斜視図及び同図(B)の一部断面図に示すような多層カーボンナノチューブのグラフェン構造(円筒状構造)は、欠陥のない高品質なカーボンナノチューブであり、これは電子放出材料として非常に高性能であることが知られている。
【0119】
上記のようにして、アーク放電法により得られたカーボンナノチューブに上述と同様の処理によって、プロトン解離性の基を導入することができ、乾燥状態でもプロトン伝導性に優れたプロトン伝導体が得られる。
【0120】
化学的気相成長法は、遷移金属微粒子とアセチレン、ベンゼン、エチレン等の炭化水素やCOとを反応させることにより、上記カーボンナノチューブ又は上記カーボンファイバーを合成する手法である。遷移金属基板又はコート基板を炭化水素やCOガスと反応させることによって、上記基板上に上記カーボンナノチューブ又は上記カーボンファイバーを堆積させる。
【0121】
例えば、700℃で加熱されたアルミナチューブ内にNi基板を配置して、トルエン/H2ガス(例えば100sccm)と反応させることにより、図13(C)の斜視図に示すような構造を有する上記カーボンファイバーを合成することが可能である。
【0122】
ここで、上記カーボンナノチューブのアスペクト比が1:1000〜1:10であることが好ましく、また上記カーボンファイバーのアスペクト比が1:5000〜1:10であることが好ましい。また、上記筒状又は線状炭素の構造体の径は0.001〜0.5μmであり、長さは1〜5μmである。
【0123】
加圧電流制御部13は、陽極側の金属集電体36及び陰極側の金属集電体37に印加する電圧を発生する。ここで、上記式(3)に示したように、加圧電流制御部13の発生する電圧が高ければ高い程、陰極側ガス溜室13における水素ガスの圧力は上昇する。
【0124】
ここで、プロトン伝導体31としての例えばフラレノールを用い、前記MEA膜の面積を12cm×12cmのサイズとした電気化学圧縮部40を作製した。陽極電極表面に、水素ガスを50ml/minの速度で供給し、加圧部出力水素ガス圧センサー42にて水素ガス圧が10atmまで上昇する時間を測定したところ、図10に示すように、100mAの電極電流における条件下の水素ガス貯蔵に対しては5時間、500mAの電極電流における条件下の水素ガス貯蔵に対しては1時間で水素ガス圧が10atmまで上昇した。この時、水素ガス圧の上昇速度は電流に比例した。
【0125】
プロトン伝導体31を通過したプロトン量の理論値は、プロトン伝導体31を流れた電流量をもとに、プロトン伝導体31を流れる電流がすべてプロトンの移動によるものとして算出できる。従って、貯蔵された水素ガスの理論モル量mはファラデーの法則から電流Iと時間tの積分で表され、下記式(6)のように示される。
m=I×t/2F・・・式(6)
(但し、Fはファラデー定数である。)
【0126】
そして、上記式(6)を用いて算出された透過水素ガス量の実測値と理論値とを比較した結果、例えばフラレノールを用いたプロトン伝導体31は、100%に近い電流効率を有することが示された。即ち、プロトン伝導体31を透過したプロトン量の実測値と、電流値から算出した透過プロトン量の理論値はほぼ一致した値となった。
【0127】
従って、加圧部出力水素ガス圧センサー42及び加圧部入力水素ガス圧センサー21の値を監視して加圧電流制御部13の発生する電圧を制御することによって、任意の水素ガス圧力まで高めることができる。
【0128】
充填部4中の前記水素ガスタンクに溜める水素ガス量は、水素ガスの圧力が高い程一般的には増加するので、加圧の割合は大きい程望ましいが、余り高すぎるとプロトン伝導膜31に大きな圧力が加わり、プロトン伝導膜31の耐圧性の面より支障が生じる。従って、望ましい加圧状態に常に管理する必要がある。前記望ましい状態とは、例えば、プロトン伝導膜31に加わる圧力が所定の値以下であり、かつ、充填部4が動作するに必要な値に管理されていることである。
【0129】
以下に、具体的な制御方法について説明する。
【0130】
加圧部出力水素ガスパイプ41は、陰極側ガス溜室39に接続されているので、加圧部出力水素ガスパイプ41中の圧力と陰極側ガス溜室39との圧力は等しく、加圧部出力水素ガス圧センサー42によってこの圧力を検出することができる。
【0131】
加圧部出力水素ガス圧センサー42が検出する圧力と加圧部入力水素ガス圧センサー21が検出する圧力の差分がプロトン伝導体31に加わる圧力であるので、プロトン伝導体31を保護するためには、プロトン伝導体31の両面に加えられる圧力を所定の値以下に保たれるように加圧電流制御部13が発生する電圧を制御する必要がある。例えば、プロトン伝導体31の両面の気圧を10気圧以下に保つことが好ましい。
【0132】
また、上述した如くプロトン伝導体31の両面の圧力を管理しつつ、さらに加圧部出力水素ガス圧センサー42の示す圧力が所定の値の範囲となるように制御する必要もあり、これらの全ての制御は、システム制御部3が行うことができる。
【0133】
システム制御部3は、バスライン9に接続された加圧部入力水素ガス圧センサー21及び加圧部出力水素ガス圧センサー42の信号を受けて、加圧部出力水素ガス圧センサー42が検出する圧力と、加圧部入力水素ガス圧センサー21が検出する圧力の差分の演算を行い、バスライン9を経由して、加圧電流制御部13を制御する。
【0134】
次に、充填部4における動作について説明する。
【0135】
充填部4には、水素ガスタンク50〜58の各々対して、圧力検出装置60〜68及び水素ガスバルブ70〜78が設けられている。水素ガスタンク50〜58は常時全てのタンクを装着しなければならないものではなく、所望の数の水素ガスタンクを保持部12に配設すればよい。
【0136】
水素ガスタンク50〜58中に圧縮された前記水素ガスを貯蔵する方法としては、前記水素ガスを一度に複数本の前記水素ガスタンクに同時に充填してもよく、或いは一本ずつ順に充填動作を行ってもよいが、水素ガスタンク毎に、特有の特性を有する場合には、水素ガスタンク毎に充填のための圧力を管理する必要がある。例えば、LaNi5系の水素ガス吸蔵合金を用いた水素ガスタンクの吸蔵特性を図11に示す。
【0137】
水素ガスタンク50〜58の制御は以下のようにして行うことができる。
【0138】
例えば、水素ガスタンク50のみに前記水素ガスを充填する場合は、水素ガスタンク50に対応する水素ガスバルブ70のみを開き、かつ71〜78までの水素ガスバルブを全て閉とする。その後、加圧電流制御部13に予め定めた所定の電流を流し、加圧部出力水素ガス圧センサー42と加圧部入力水素ガス圧センサー21が示す値の差が予め定めた所定の圧力値となる範囲で、圧力検出装置60の値が、水素ガスタンクによって異なる予め定めた所定の圧力値となるまで、加圧動作を行う。例えば、所定の圧力値を水素ガスタンクの特性との関係で、10気圧とすることができる。
【0139】
そして、圧力検出装置60が所定の圧力値に達した後、水素ガスバルブ70を閉とし、次に水素ガスを蓄える水素ガスタンクに対応するバルブを開とする。このようにして順次水素ガスタンクを充填することができる。
【0140】
また、水素ガスタンクが1個の場合は、所定の圧力に達したときに、プロトン伝導体31の破壊を防止するために、加圧部2の動作を停止すると同時に、水素ガスタンクのバルブを閉とし、充填動作を完了してもよい。
【0141】
以上の制御のための信号は、システム制御部3により演算して送信される。具体的には、まず、圧力検出装置60からのタンク圧力信号を充填状態検出部6に送り、更にバスライン9を経てタンク圧力信号をシステム制御部3に送る。次に、システム制御部3は、タンク圧力信号がタンク毎に予め定めた圧力に達したか否かを演算する。タンクの圧力が所定値に満たないときは、水素ガスバルブ70の開状態を維持する信号を、バスライン9を経由して、バルブ制御信号発生部5に送り、バルブ制御信号発生部5は開状態を維持するよう水素ガスバルブを制御する。タンクの圧力が所定値に達したときは、水素ガスバルブ70を閉状態にする信号を、バスライン9を経由して、バルブ制御信号発生部5に送り、バルブ制御信号発生部5は閉状態となるよう水素ガスバルブ70を制御する。
【0142】
図12は、システム制御部3が行う動作の流れを示す。
【0143】
本発明に基づく水素ガス製造充填装置は、電解漕10で発生した低圧の水素ガスを加圧部2で圧縮し、高圧の状態で水素ガスタンク50〜58に充填することができる。従って、電解漕10のケーシング27の耐圧力性は低くてもよいので、従来は電解液28を多量に保持するために大型とならざるを得なかった電解漕10の小型軽量化が図れる。
【0144】
また、電気分解により発生する水素ガスと同時に発生する酸素が、ガス分離膜26を透過して、水素ガスに混入したとしても、プロトン伝導膜31の作用によって水素ガスのみを分離して取出せるという効果がある。
【0145】
更に、上述したように、フラーレン分子と、炭素を主成分とするクラスターと、筒状又は線状炭素の構造体とからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によってプロトン伝導体31が構成されているので、加湿の必要がなく、加湿器が不要となると同時に、水素ガスタンクに充填する前に除湿する作業も省くことができ、また、水素ガスタンクの合金の酸化による劣化を防ぐための除湿器も不要となるので、装置の小型化が図れる。
【0146】
また、本発明は、水を水蒸気又はガス状態で供給する側に配置されて前記水からプロトンを発生する第1極と、前記プロトンを水素ガスに転化して前記水素ガスを圧縮する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなる電気化学圧縮部と;前記電気化学圧縮部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給する加圧電流制御部と;からなる水素ガス加圧部を有し、かつ、圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部を有し、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させる、水素ガス製造充填装置に係るものである(以下、本発明の第2の発明と称する。)。
【0147】
本発明によれば、前記第1極に対して水を水蒸気又はガス状態で供給し、ここでプロトンを発生させ、生成したプロトンを前記プロトン伝導体を通して前記第2極へ移動させ、ここで水素に転化し、圧縮する前記電気化学圧縮部を有するので、容易に効率よく前記水素ガスを製造圧縮することができ、効率的に多量の水素を圧縮充填することができる。
【0148】
また、小型可搬とすることができるので、例えば、個人が容易に持ち運べ、容易に水素ガスを製造充填できる機器を実現することが可能である。また、前記水素ガスタンクを取り出して用いれば、水素ガスで稼動する種々の機器を動作させ得るという効果を奏することができる。
【0149】
さらに、例えば、空気中の水分から水素ガスを得、水素ガスタンクに圧縮充填できるので、電気分解における電解液などのメンテナンス等が不要となる。また、機器の動作に必要な電源を自然エネルギーから得れば、メンテナンスなしに、半永久的に動作する水素ガス製造充填装置とすることが可能となる。
【0150】
本発明に基づく水素ガス製造充填装置は、前記第1極のうちの前記プロトン伝導体と密着していない面が水蒸気又は水蒸気含有大気に接触し、前記第2極側で前記水素ガスが発生し、圧縮されることが望ましい。
【0151】
また、前記水素ガス加圧部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御されることが望ましく、前記加圧部の水素ガス出力側の水素圧力を検出する水素圧力検出手段を有し、前記水素圧力検出手段からの信号が所定の圧力を示したときに、前記加圧部の動作を停止するか、或いは水素が充填される前記水素ガスタンクを切り換えることが望ましい。
【0152】
図13は、本発明の第2の発明に基づく水素ガス製造充填装置の概略構成図である。
【0153】
図示するように、上述した第1の発明に基づく水素ガス製造充填装置と異なり、専用の電気分解槽による電気分解工程を経ることなく、直接空気中の水分から水素ガスを取りだし、圧縮し、水素ガスタンクに充填することができる。
【0154】
以下に、図13に示す水素ガス製造充填装置200について説明する。なお、図1に示す水素ガス製造充填装置と同一の構成作用をなす部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0155】
陽極側ガス溜室38は空気に開放されており、常に湿度のある空気が対流している。必要に応じてファン等を設けて空気の対流を促進してもよい。
【0156】
電源部43は、装置全体に電力を供給する部分であり、例えば、商用電源を電力源としてもよいし、野外で使用する場合は、バッテリーであってもよく、太陽光発電素子とバッテリーの組合せであってもよい。
【0157】
以下に、本発明に基づく水素ガス製造充填装置の動作原理を実測値を交えて説明する。
【0158】
湿度70℃の雰囲気下で、陽極側電極32表面に湿度50%の空気を50ml/minの速度で供給しながら両電極32、33間に12mAの電流を流した。
【0159】
陽極32の表面で水は酸素とプロトンに分解され、プロトンは印加電圧により陰極33側に輸送される。陰極33側で電子を受け取ったプロトンは再び水素ガスに転化され、陰極側ガス溜室39に貯蔵され、内部圧力を上昇させることになる。このとき、加圧部出力水素ガスパイプ41を閉とした時の陰極側ガス溜室39の内圧変化を測定した結果を図14に示す。
【0160】
図14より明らかなように、水の分解によって製造された水素ガスの水素ガス圧は12時間で2.5atmまで上昇した。水素ガスが圧縮された陰極側密閉部39の体積は24mlであるため60mlの水素ガスが貯蔵された。ここで、加圧部出力水素ガスパイプ41が開状態であれば、水素ガスタンク(50〜58のいずれか、ここでは例えば50の水素ガスタンクとする。)に水素ガスが充填されることとなる。また、湿度が0%でなければ、湿度が高いほど、原理的には得られる水素ガスの量は多くなる。
【0161】
充填状態検出部6が、水素ガスタンク50の圧力が所定の値に達し、充填が完了したことを検出した時、充填のための電気分解及び加圧の動作を中止し、バルブ制御信号発生部5からの信号によって水素ガスタンク側に設けられた水素ガスバルブ70を閉とすると充填は完了する。
【0162】
本発明に基づく水素ガス製造充填装置は、水蒸気又は水蒸気含有大気から水素を製造することができ、電解液を使用しないため、メンテナンスが不要となる。また、制御部等の電気部の電力を、例えば、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギーから供給すれば、無人の設備で、水素ガスの供給を継続することができ、例えば、この水素ガスを燃料電池に自動的に供給する装置と組み合わせれば、燃料電池で働く装置の無人動作が可能となる。
【0163】
また、プロトン伝導体31は、上述した第1の発明と同様にして、フラーレン分子と、炭素を主成分とするクラスターと、筒状又は線状炭素の構造体とからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって構成され、このプロトン伝導体31を介して第1極32で発生したプロトンを第2極33へ移動させることができるので、大気中で良好に機能し、水素製造圧縮時の圧力、温度、湿度等の調整を行わなくても、効率的に水素を製造圧縮することができる。
【0164】
そして、H3O+イオン伝導体であるナフィオンを用いた場合と違い、加湿装置等がなくても、低湿度状態の大気中においても機能する。
【0165】
即ち、低湿度状態の大気中にて水素を製造圧縮することができるので、定常運転までに時間をかけず、水素製造圧縮時の初動作を早くすることができる。なお、例えば加湿装置を設け、水分を存在させて同様に水素を製造圧縮してもよいが、本発明はこれを要件とするものではない。
【0166】
また、H3O+イオン伝導体であるナフィオンを用いた場合、水素の製造圧縮と共に、水も発生してしまうため、除湿装置を必要とするのに対して、本実施の形態は、水を水蒸気又はガスの状態で陽極32側に供給して電気分解し、これによって生成したプロトンを、例えばフラレノール等からなるプロトン伝導体31を通して陰極33へ移動させ、ここで水素に転化し、圧縮するので、除湿装置等がなくても、効率的な水素ガスのみの製造圧縮を可能とする。
【0167】
さらに、加湿処理を施さなくても、効率的に電気化学的製造圧縮作用を行うことができるので、圧縮された前記水素ガスの水分含有量が少ない。このために、後工程としての除湿工程を不用とすることができ、充填部4に、直接に前記水素ガスを送ることが可能となる。
【0168】
また、本発明は、電気分解によって水素ガスを発生させる電気分解装置部と、前記電気分解装置部で発生した前記水素ガスを圧縮する加圧部と、この圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部とを有し、前記加圧部は、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する燃料電池部としても機能するように構成された電気化学装置であって、
前記加圧部が、前記水素ガスを電気化学的に圧縮する電気化学圧縮部と加圧電流制御部とからなっていて、前記電気化学圧縮部が、前記水素ガスをプロトンに分解する第1極と、前記第1極で発生した前記プロトンを再び水素ガスに転化する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなり、前記加圧電流制御部によって前記加圧部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給し、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させるか、或いはこの逆の動作を行わせる、電気化学装置に係るものである(以下、本発明の第3の発明と称する。)。
【0169】
本発明によれば、前記加圧部が、前記電気分解装置部で発生した前記水素ガスを圧縮するよう機能し、また、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する前記燃料電池部としても機能するように構成されているので、水素ガスの製造充填が行われる装置と同じ装置によって、水素ガスを用いた燃料電池からの電力が得られる。
【0170】
従って、一台の装置で、電力を一旦水素ガスに転化した後、任意の時間に、再び水素ガスから電力を取出せるという効果に加え、加圧作用と燃料電池作用が同一の構成であるために装置の小型化という効果も奏することができる。例えば、夜間の電力により水素ガスを製造充填した後、昼間に、この装置を屋外に持ち出し、燃料電池として使用する等の有用な用途が考えられる。
【0171】
前記加圧部が、前記水素ガスを電気化学的に圧縮する電気化学圧縮部と加圧電流制御部とからなっていて、前記電気化学圧縮部が、前記水素ガスをプロトンに分解する第1極と、前記第1極で発生した前記プロトンを再び前記水素ガスに転化する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなり、前記加圧電流制御部によって前記加圧部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給する。また、前記プロトン伝導体の両面に触媒層が設けられていることが望ましい。
【0172】
また、前記電気分解装置部と、前記加圧部又は燃料電池部と、前記充填部とかシステム制御部によって制御され、前記システム制御部によって、前記加圧部への水素ガス圧縮動作と前記燃料電池部の動作とが選択されることが望ましい。
【0173】
さらに、前記加圧部の水素ガス出力側の水素圧力を検出する水素圧力検出手段を有し、前記水素圧力検出手段からの信号が所定の圧力を示したときに、前記加圧部の動作を停止するか、或いは水素が充填される前記水素ガスタンクを切り換えることが望ましい。
【0174】
図15は、本発明に基づく電気化学装置の概略構成図である。
【0175】
図15によれば、電気分解装置部1で水素ガスを製造し、加圧部2で水素ガスを圧縮した後、圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンク50に充填するか、或いは水素ガスタンク50から前記水素ガスを取りだし、この水素ガスを用いて燃料電池部としての電気化学圧縮部40を動作させるものである。ここで、前記電気化学圧縮部が、そのまま前記燃料電池部としても機能するので、加圧部2がそのまま燃料電池として使える。
【0176】
充填供給部34は水素ガスタンクに水素ガスを充填するのみならず、前記燃料電池部に対して水素ガスタンクから水素ガスの供給も行う。
【0177】
加圧部2を前記燃料電池部として機能させる場合は、加圧部2の陰極33側に水素ガスを与え、陽極32側に空気(酸素又は酸素含有ガス)を与えればよい。このとき、加圧部入力水素ガスバルブ81を閉として空気バルブ19を開として、空気供給部15から空気を陽極側ガス溜室38に送りこむ。空気供給部15は、通常のファンであっても、単に、外気を取りこむ空気穴であってもよい。そして、換気バルブ82は開とし、空気の換気をして、十分に酸素が行き渡り窒素濃度が過剰に高くならないようにする。
【0178】
出力切替部18は、例えば、リレーから構成されており、加圧部2が燃料電池部として機能するときには加圧部2で発生する電力を出力コネクター17に供給する。
【0179】
これらの制御は全てシステム制御部3からの信号により行われる。
【0180】
水素ガス製造充填動作においては、出力切替部18は、コネクター17と加圧部2との接続を断ち、加圧部入力水素ガスバルブ81は開となり、空気バルブ19及び換気バルブ82は閉となる。
【0181】
本発明に基づく電気化学装置は、水素ガスタンク並びに燃料電池部と加圧部とを水素ガス製造充填機構と燃料電池機構で共有することができるので、小型な電気化学装置とすることができる。また、例えば、夜間に水素ガスをタンクに充填し、外出時に装置を野外に持ち出し電池として使用することもできる。また、水素ガスボンベを取り出せば、通常の水素ガス製造充填装置としても使用することができる。
【0182】
また、電気化学圧縮部40は、大気中で良好に機能することができるため、水素圧縮時、或いは燃料電池として機能する際の圧力、温度、湿度等の調整を行わなくても、効率的に水素を圧縮、或いは発電することができる。
【0183】
また、フラレノール等の炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる前記誘導体をプロトン伝導体31の構成材料として使用するので、H3O+イオン伝導体であるナフィオンを用いた場合と違い、加湿装置等がなくても、低湿度状態の大気中においても良好に機能する。
【0184】
即ち、低湿度状態の大気中にて水素を圧縮、或いは発電することができるので、定常運転までに時間をかけず、稼動時の初動作を早くすることができる。なお、例えば加湿装置を設け、水分を存在させて同様に稼動してもよいが、本発明はこれを要件とするものではない。
【0185】
また、H3O+イオン伝導体であるナフィオンを用いた場合、水素の圧縮と共に、水も発生してしまうため、除湿装置を必要とするのに対して、本実施の形態は、水素ガスを陽極32側に供給して電気分解し、これによって生成したプロトンを、例えばフラレノール等からなるプロトン伝導体31を通して陰極33へ移動させ、ここで水素に転化し、圧縮するので、除湿装置等がなくても、水素ガスの圧縮を可能とする。
【0186】
さらに、加湿処理を施さなくても、効率的に電気化学的圧縮作用を行うことができるので、圧縮された前記水素ガスの水分含有量が少ない。このために、後工程としての除湿工程を不用とすることができ、充填部4に、直接に前記水素ガスを送ることが可能となる。
【0187】
さらに、本発明は、水を水蒸気又はガス状態で供給する側に配置されて前記水からプロトンを発生する第1極と、前記プロトンを水素ガスに転化して前記水素ガスを圧縮する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなる電気化学圧縮部と;前記電気化学圧縮部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給する加圧電流制御部と;からなる水素ガス加圧部を有し、かつ、圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部を有し、前記水素ガス加圧部は、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する燃料電池部としても機能するように構成され、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させるか、或いはこの逆の動作を行わせる、電気化学装置に係るものである(以下、本発明の第4の発明と称する。)。
【0188】
本発明によれば、前記加圧部が、前記電気化学圧縮部で発生した前記水素ガスを圧縮するよう機能し、また、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する前記燃料電池部としても機能するように構成されているので、水素ガスの製造充填が行われる装置と同じ装置によって、水素ガスを用いた燃料電池からの電力が得られる。
【0189】
従って、一台の装置で、電力を一旦水素ガスに転化した後、任意の時間に、再び水素ガスから電力を取出せるという効果に加え、また、加圧作用と燃料電池作用が同一の構成であるために装置の小型化という効果も奏することができる。例えば、夜間の電力により水素ガスを製造充填した後、昼間に、この装置を屋外に持ち出し、燃料電池として使用する等の有用な用途が考えられる。
【0190】
本発明に基づく電気化学装置は、前記プロトン伝導体の両面に触媒層が設けられており、前記第1極のうちの前記プロトン伝導体と密着していない面が水蒸気又は水蒸気含有大気に接触し、前記第2極側で前記水素ガスが発生し、圧縮されることが望ましい。
【0191】
また、前記水素ガス加圧部又は燃料電池部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御され、前記システム制御部によって、前記水素ガス加圧部への水素ガス圧縮動作と前記燃料電池部の動作とが選択されることが望ましい。
【0192】
さらに、前記加圧部の水素ガス出力側の水素圧力を検出する水素圧力検出手段を有し、前記水素圧力検出手段からの信号が所定の圧力を示したときに、前記加圧部の動作を停止するか、或いは水素が充填される前記水素ガスタンクを切り換えることが望ましい。
【0193】
本発明の第3又は第4の発明に基づく電気化学装置は、前記充填部からの水素ガスと酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する第2の燃料電池部が設けられ、この第2の燃料電池部から電気化学エネルギーを取り出すことも可能である。この場合、前記充填部から前記第2の燃料電池部へ供給される水素ガスの量を制御するバルブ手段が設けられていることが好ましく、前記システム制御部によって、前記第2の燃料電池部の動作及び/又は出力の制御、或いは前記出力の検出が行われることが好ましい。
【0194】
これによれば、前記第2の燃料電池部が前記加圧部とは独立に構成されるために任意の電圧を得ることができるという効果を奏する。
【0195】
図16は、本発明の第3の発明に基づく電気化学装置に前記第2の燃料電池部を設けた場合の概略構成図である。
【0196】
図16によれば、電気分解装置部1で水素ガスを製造し、加圧部2で前記水素ガスを圧縮し、水素ガスタンクに充填するか、或いは前記水素ガスタンクから前記水素ガスを取りだし、この水素ガスにより第2の燃料電池部14を動作させるものである。ここで、第2の燃料電池部14への前記水素ガスの供給は水素ガスタンク50〜51のいずれかにより行われる。例えば、水素ガスタンク50を加圧部2からの水素ガス供給状態としながら、既に水素ガスが充填されている水素ガスタンク51から前記水素ガスを燃料電池部14へ供給して、水素製造と発電動作を同時に行う等の動作もできる。空気供給部15は第2の燃料電池部14へ空気(酸素又は酸素含有ガス)を供給するもので、例えば通常のファン等であってもよい。
【0197】
電圧変換部16は、第2の燃料電池部14からの電力を所定の電圧に変換する作用をなし、直流のみならず、交流に変換するものでもよく、例えば、スイッチングレギュレータや、インバータ等が使用される。
【0198】
また、電圧変換部16からの電力は、出力コネクター17を経て装置外部の他の装置の電力として供給される。
【0199】
この場合、水素ガスの製造充填と燃料電池の作用が同時に行えるので、上述した本発明の第3の発明に基づく水素ガス製造充填装置の用途に加えたさらに広い用途に供することができる。
【0200】
本発明に基づく種々の具体例において、電源は家庭用商用電源のみならず、自然エネルギーによる電力源、例えば風力発電、太陽光発電、地熱発電、バイオマス発電、波力(海水の潮汐力等)発電、人力発電又は自動車のバッテリー等の2次電池、乾電池等の1次電池等の如何なる発電形態による電源であってもよい。
【0201】
また、電気分解装置部1は、電極を電解液に設ける構造のもの、例えば、硫酸、水酸化アルカリ等を電解液としたものでも、固体高分子電解質膜を用い純水を陽極側に供給する構造のものでもよい。
【0202】
また、前記充填部は前記水素ガスタンクを有するが、前記水素ガスタンクの個数は任意であり、前記水素ガスタンクの種類も如何なるものであってもよく、例えば、中空の高圧タンク、水素ガス吸蔵合金、水素ガス吸蔵炭素材料、メタルハライド等を内部に充填した水素ガス吸蔵タンクであってもよい。
【0203】
前記水素ガス吸蔵合金としてはLaNi5、CaNi5、TiCo0.5Mn0.5、TiCo0.5Fe0.5、TiFe0.8Ni0.15V0.05等であってもよく、前記水素ガス吸蔵炭素材料としてはカーボンナノチューブ、カーボンファイバー、活性炭素等であってもよく、前記メタルハライドとしてはNaAlH4、LiAlH4等であってもよい。
【0204】
システム制御部3は、集中して設けても、前記電気分解装置部、前記加圧部、前記充填部に一部又は全部の機能を分散して設けてもよく、CPUで構成しても、ハードウエアーで構成してもよい。また、破線のように燃料電池部14を検出又は制御してもよい。
【0205】
【発明の効果】
本発明の第1の発明によれば、電気分解によって水素ガスを発生させる電気分解装置部を有するので、容易に効率よく前記水素ガスを製造することができ、また、前記加圧部及び前記充填部を有するので、効率的に多量の水素を圧縮充填することができる。
【0206】
そして、小型可搬とすることができるので、例えば、個人が容易に持ち運べ、容易に水素ガスを製造充填できる機器を実現することが可能である。また、前記水素ガスタンクを取り出して用いれば、水素ガスで稼動する種々の機器を動作させ得るという効果を奏することができる。
【0207】
この結果、水素ガスを活性物質とする燃料電池が手軽に、個人的利用に供することができるという効果を奏する。
【0208】
また、本発明の第2の発明によれば、前記第1極に対して水を水蒸気又はガス状態で供給し、ここでプロトンを発生させ、生成したプロトンを前記プロトン伝導体を通して前記第2極へ移動させ、ここで水素に転化し、圧縮する前記電気化学圧縮部を有するので、容易に効率よく前記水素ガスを製造圧縮することができ、効率的に多量の水素を圧縮充填することができる。
【0209】
また、小型可搬とすることができるので、例えば、個人が容易に持ち運べ、容易に水素ガスを製造充填できる機器を実現することが可能である。また、前記水素ガスタンクを取り出して用いれば、水素ガスで稼動する種々の機器を動作させ得るという効果を奏することができる。
【0210】
さらに、例えば、空気中の水分から水素ガスを得、水素ガスタンクに圧縮充填できるので、電気分解における電解液などのメンテナンス等が不要となる。また、機器の動作に必要な電源を自然エネルギーから得れば、メンテナンスなしに、半永久的に動作する水素ガス製造充填装置とすることが可能となる。
【0211】
本発明の第3の発明によれば、前記加圧部が、前記電気分解装置部で発生した前記水素ガスを圧縮するよう機能し、また、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する前記燃料電池部としても機能するように構成されているので、水素ガスの製造充填が行われる装置と同じ装置によって、水素ガスを用いた燃料電池からの電力が得られる。
【0212】
従って、一台の装置で、電力を一旦水素ガスに転化した後、任意の時間に、再び水素ガスから電力を取出せるという効果に加え、また、加圧作用と燃料電池作用が同一の構成であるために装置の小型化という効果も奏することができる。例えば、夜間の電力により水素ガスを製造充填した後、昼間に、この装置を屋外に持ち出し、燃料電池として使用する等の有用な用途が考えられる。
【0213】
本発明の第4の発明によれば、前記加圧部が、前記電気化学圧縮部で発生した前記水素ガスを圧縮するよう機能し、また、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する前記燃料電池部としても機能するように構成されているので、水素ガスの製造充填が行われる装置と同じ装置によって、水素ガスを用いた燃料電池からの電力が得られる。
【0214】
従って、一台の装置で、電力を一旦水素ガスに転化した後、任意の時間に、再び水素ガスから電力を取出せるという効果に加え、また、加圧作用と燃料電池作用が同一の構成であるために装置の小型化という効果も奏することができる。例えば、夜間の電力により水素ガスを製造充填した後、昼間に、この装置を屋外に持ち出し、燃料電池として使用する等の有用な用途が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明に基づく水素ガス製造充填装置の概略構成図である。
【図2】同、電気化学圧縮部のその他の形態を示す概略断面図である。
【図3】本実施の形態に使用可能なフラーレン誘導体の一例であるポリ水酸化フラーレンの構造図である。
【図4】同、フラーレン誘導体の例を示す模式図である。
【図5】同、プロトン伝導体において母体となるカーボンクラスターの種々の例を示す模式図である。
【図6】同、カーボンクラスターの他の例(部分フラーレン構造)を示す模式図である。
【図7】同、カーボンクラスターの他の例(ダイヤモンド構造)を示す模式図である。
【図8】同、カーボンクラスターの更に他の例(クラスター同士が結合しているもの)を示す模式図である。
【図9】同、プロトン伝導体の母体となるカーボンナノチューブ及びカーボンファイバーの概略図である。
【図10】本発明の第1の発明に基づく水素ガス製造充填装置による、水素ガス供給時間と水素ガス圧の関係を示すグラフである。
【図11】同、LaNi5系の水素ガス吸蔵合金を用いた水素ガスタンクの吸蔵特性を示すグラフである。
【図12】同、システム制御部が行う動作の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の発明に基づく水素ガス製造充填装置の概略構成図である。
【図14】同、加圧部出力水素ガスパイプを閉とした時の陰極側ガス溜室の内圧変化を示すグラフである。
【図15】本発明の第3の発明に基づく電気化学装置の概略構成図である。
【図16】同、その他の実施の形態による概略構成図である。
【図17】従来例による、電気化学的水素ガス圧縮機の概略断面図である。
【符号の説明】
1…電気分解装置部、2…加圧部、3…システム制御部、4…充填部、
5…バルブ制御信号発生部、6…充填状態検出部、7…変圧・整流部、
8…電気分解制御部、9…バスライン、10…電解漕、
11…電気分解状態検出部、12…水素ガスタンク保持部、
13…加圧電流制御部、14…燃料電池部、15…空気供給部、
16…電圧転化部、17…出力コネクター、18…出力切替部、
19…空気バルブ、21…加圧部入力水素ガス圧センサー、
22、23…制御電圧出力端、24、25…電極、26…ガス分離膜、
27…ケーシング、28…電解液、29…液面センサー、
30…加圧部入力水素ガスパイプ、31…プロトン伝導体、
32…陽極のガス拡散電極、33…陰極のガス拡散電極、
34…充填供給部、36…陽極側の金属集電体、37…陰極側の金属集電体、
38…陽極側ガス溜室、39…陰極側ガス溜室、40…電気化学圧縮部、
41…加圧部出力水素ガスパイプ、42…加圧部出力水素ガス圧センサー、
43…電源部、50〜58…水素ガスタンク、60〜68…圧力検出装置、
70〜78…水素ガスバルブ、81…加圧部入力水素ガスバルブ、
82…換気バルブ、100、200…水素ガス製造充填装置、
300、400…燃料電池装置、201…イオン導電性膜、
202…ガス拡散電極、203…ガス拡散電極、204…ガス流路、
205…ガス流路、206…金属集電体、207…金属集電体
Claims (27)
- 電気分解によって水素ガスを発生させる電気分解装置部と、前記電気分解装置部で発生した前記水素ガスを圧縮する加圧部と、この圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部とを有する、水素ガス製造充填装置であって、
前記加圧部が、前記水素ガスを電気化学的に圧縮する電気化学圧縮部と加圧電流制御部とからなっていて、前記電気化学圧縮部が、前記水素ガスをプロトンに分解する第1極と、前記第1極で発生した前記プロトンを再び水素ガスに転化する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなり、前記加圧電流制御部によって前記加圧部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給し、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させる、水素ガス製造充填装置。 - 前記電気分解装置部と、前記加圧部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御される、請求項1に記載した水素ガス製造充填装置。
- 水を水蒸気又はガス状態で供給する側に配置されて前記水からプロトンを発生する第1極と、前記プロトンを水素ガスに転化して前記水素ガスを圧縮する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなる電気化学圧縮部と;前記電気化学圧縮部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給する加圧電流制御部と;からなる水素ガス加圧部を有し、かつ、圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部を有し、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させる、水素ガス製造充填装置。 - 前記第1極のうちの前記プロトン伝導体と密着していない面が水蒸気又は水蒸気含有大気に接触し、前記第2極側で前記水素ガスが発生し、圧縮される、請求項3に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記水素ガス加圧部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御される、請求項3に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記加圧部の水素ガス出力側の水素圧力を検出する水素圧力検出手段を有し、前記水素圧力検出手段からの信号が所定の圧力を示したときに、前記加圧部の動作を停止するか、或いは水素が充填される前記水素ガスタンクを切り換える、請求項1又は3に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記プロトン伝導体の両面に触媒層が設けられている、請求項1又は3に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記プロトン解離性の基が、−XH(Xは2価の結合手を有する任意の原子若しくは原子団、Hは水素原子である。)である、請求項1又は3に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記プロトン解離性の基が、−OH又は−YOH(Yは2価の結合手を有する任意の原子若しくは原子団である。)である、請求項8に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記プロトン解離性の基が、−OH、−OSO3H、−COOH、−SO3H、−OPO(OH)2、−C6H4−SO3Hのいずれかより選ばれる基である、請求項9に記載した水素ガス製造充填装置。
- 前記フラーレン分子が、球状炭素クラスター分子Cm(m=36、60、70、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96)である、請求項1又は3に記載した水素ガス製造充填装置。
- 電気分解によって水素ガスを発生させる電気分解装置部と、前記電気分解装置部で発生した前記水素ガスを圧縮する加圧部と、この圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部とを有し、前記加圧部は、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する燃料電池部としても機能するように構成された電気化学装置であって、
前記加圧部が、前記水素ガスを電気化学的に圧縮する電気化学圧縮部と加圧電流制御部とからなっていて、前記電気化学圧縮部が、前記水素ガスをプロトンに分解する第1極と、前記第1極で発生した前記プロトンを再び水素ガスに転化する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなり、前記加圧電流制御部によって前記加圧部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給し、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させるか、或いはこの逆の動作を行わせる、電気化学装置。 - 前記電気分解装置部と、前記加圧部又は燃料電池部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御される、請求項12に記載した電気化学装置。
- 前記システム制御部によって、前記加圧部への水素ガス圧縮動作と前記燃料電池部の動作とが選択される、請求項13に記載した電気化学装置。
- 水を水蒸気又はガス状態で供給する側に配置されて前記水からプロトンを発生する第1極と、前記プロトンを水素ガスに転化して前記水素ガスを圧縮する第2極と、これらの両極間に挟持されたプロトン伝導体とからなる電気化学圧縮部と;前記電気化学圧縮部の加圧状態に応じた電流を前記第1極及び第2極間に供給する加圧電流制御部と;からなる水素ガス加圧部を有し、かつ、圧縮された前記水素ガスを水素ガスタンクに充填する充填部を有し、前記水素ガス加圧部は、前記充填部からの水素ガスと、酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する燃料電池部としても機能するように構成され、
フラーレン分子と、カーボン粉末からなるクラスターと、径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンナノチューブ、又は径が0.001〜0.5μm、長さが1〜5μmのカーボンファイバーとからなる群より選ばれた少なくとも1種からなる物質を主成分とし、この物質を構成する炭素原子にプロトン解離性の基を導入してなる誘導体によって前記プロトン伝導体が構成され、このプロトン伝導体を介して前記第1極で発生したプロトンを前記第2極へ移動させるか、或いはこの逆の動作を行わせる、電気化学装置。 - 前記第1極のうちの前記プロトン伝導体と密着していない面が水蒸気又は水蒸気含有大気に接触し、前記第2極側で前記水素ガスが発生し、圧縮される、請求項15に記載した電気化学装置。
- 前記水素ガス加圧部又は燃料電池部と、前記充填部とがシステム制御部によって制御される、請求項15に記載した電気化学装置。
- 前記システム制御部によって、前記水素ガス加圧部への水素ガス圧縮動作と前記燃料電池部の動作とが選択される、請求項17に記載した電気化学装置。
- 前記加圧部の水素ガス出力側の水素圧力を検出する水素圧力検出手段を有し、前記水素圧力検出手段からの信号が所定の圧力を示したときに、前記加圧部の動作を停止するか、或いは水素が充填される前記水素ガスタンクを切り換える、請求項12又は15に記載した電気化学装置。
- 前記プロトン伝導体の両面に触媒層が設けられている、請求項12又は15に記載した電気化学装置。
- 前記プロトン解離性の基が、−XH(Xは2価の結合手を有する任意の原子若しくは原子団、Hは水素原子である。)である、請求項12又は15に記載した電気化学装置。
- 前記プロトン解離性の基が、−OH又は−YOH(Yは2価の結合手を有する任意の原子若しくは原子団である。)である、請求項21に記載した電気化学装置。
- 前記プロトン解離性の基が、−OH、−OSO3H、−COOH、−SO3H、−OPO(OH)2、−C6H4−SO3Hのいずれかより選ばれる基である、請求項22に記載した電気化学装置。
- 前記フラーレン分子が、球状炭素クラスター分子Cm(m=36、60、70、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96)である、請求項12又は15に記載した電気化学装置。
- 前記充填部からの水素ガスと酸素又は酸素含有ガスとが供給されて可逆的に動作する第2の燃料電池部が設けられ、この第2の燃料電池部から電池化学エネルギーを取り出す、請求項12又は15に記載した電気化学装置。
- 前記充填部から前記第2の燃料電池部へ供給される水素ガスの量を制御するバルブ手段が設けられている、請求項25に記載した電気化学装置。
- 請求項13又は17に記載した前記システム制御部によって、前記第2の燃料電池部の動作及び/又は出力の制御、或いは前記出力の検出が行われる、請求項25に記載した電気化学装置。
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