JP6051386B2 - 電解装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電解装置に係り、特に、携帯型電解装置において電気分解する際に好適に利用できる循環ポンプ不要で小型の電解装置に関する。
従来の電解装置は、その一例として、イオン交換膜と、イオン交換膜の両面に密着する一対の電極板、とにより構成された電気分解板と、電気分解板により仕切られた陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽と、を有する電解槽と、電解槽への被電解液の供給及び電気分解板から発生した水素ガス及び酸素ガスの循環排出を行う給水ポンプと、陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽から溢れ出る被電解液をそれぞれ受け取る取水タンクと、を備える(特許文献1の段落0020及び図1を参照)。
特開2011−177659号公報
しかしながら、従来の電解装置を携帯するなど電解槽が傾斜する場合や、被電解液が増減した場合、電解槽に貯蔵された純水等の被電解液が陰極側ガス発生槽又は陽極側ガス発生槽の一方に偏ってしまうので、好適に電気分解ができないという問題があった。
また、従来の電解装置は、電気分解板から水素ガスを効率よく分離させるため、給水ポンプ及び取水タンク等の種々の循環装置を備えなければならず、電解装置として用いるための小型化及び携帯化が困難であるいという問題があった。
また、従来の電解装置は、イオン交換膜に電極板を固定する大きなボルトやナットが水素ガスを吸着してしまうなど、電気分解板から水素ガスを効率よく分離(排出)させることができないという問題があった。
また、電解装置として用いるためには適さない上記以外の種々の不具合も多数存在するという問題があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、電解槽が傾斜した場合や被電解液が増減した場合であっても、発生ガスの効率的な発生及び排出、小型化、携帯性の問題などの従来技術における種々の不具合を改善した新規の電解装置を提供することを本発明の目的としている。
(1)前述した目的を達成するため、本発明の電解装置は、陽極板及び陰極板からなる一対の電極板を有する電気分解板と、陽極板及び陰極板の各表面に密着する吸液部材と、吸液部材に吸液される被電解液を貯蔵する電解槽と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、吸液部材が被電解液を吸液することを利用して、被電解液が循環装置を利用することなく吸液部材と電極板との密着面に供給されるので、電解槽が傾斜した場合や被電解液が増減した場合であっても、電気分解板による電気分解から得られる電解生成物を所定量だけ発生させることができる。また、吸液部材が被電解液を吸収するので、電解槽から被電解液が漏れることを抑制又は防止することができる。
(2)また、本発明の電解装置において、電気分解板は、一対の電極板に密着すると共に液体及び気体の通過孔を有しないイオン交換膜を有しており、吸液部材は、電極板と電極板の相対位置に設けられた電解槽の内壁との間に配置されていると共に、電極板から電解槽の内壁までの距離と同等以上の厚さに構成されている、ことが好ましい。
本発明によれば、一対の電極板がイオン交換膜の両面にそれぞれ密着しているので、被電解液が純水のような電気分解が困難な液体でも容易に電気分解することができる。また、被電解液の弾性力又は吸液膨張力によって一対の電極板がイオン交換膜に密着するので、電気分解により電気分解板から発生する発生ガスの発生量を増加させることができる。
(3)また、本発明の電解装置において、電解槽は、略閉じた容器を上下方向に分割して得たような形状に形成されており、一対の電極板よりも一回り大きなイオン交換膜の周縁部をシール部材として挟むと共に、一対の電極板の周縁部をイオン交換膜に押し付ける2個の分割ケースと、2個の分割ケースを一体に締結する締結部と、を有することが好ましい。
本発明によれば、電解槽の構造を簡素化することができる。また、2個の分割ケースがイオン交換膜の周縁部をシール部材として挟むため、2個の分割ケースの周縁部にソフトガスケット等のシール部材を用いずとも、電解槽の密封性を確保することができる。また、2個の分割ケースが一対の電極板の周縁部をイオン交換膜に押し付けるため、ボルト及びナットやリベットなどの固定部材を用いずとも、一対の電極板をイオン交換膜に密着させることができる。
(4)また、本発明の電解装置において、電解槽は、電気分解板によって仕切られる陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽と、陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽にそれぞれ設けられる陰極側発生ガス排出口622及び陽極側発生ガス排出口621と、陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽の各下部を接続する接続チューブ8と、を有する、ことが好ましい。
本発明によれば、電気分解板が陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽を空間分離する電解槽の仕切板になるので、電気分解板に通電したときに陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽から別個に発生する各発生ガスを混合させることなく、それらを分離発生させることができる。また、分離発生した各発生ガスを陰極側発生ガス排出口622及び陽極側発生ガス排出口621から分離排出することができる。また、接続チューブ8により、陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽の一方に偏った被電解液を他方に移動させることができる。また、接続チューブ8を通って被電解液が移動することにより、陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽に生じた圧力差を緩衝することができる。
(5)また、本発明の電解装置において、被電解液は、純水であり、陰極側発生ガス排出口622は、陰極側発生ガスとしての水素ガスを鼻や口その他の吸引口に導くカニューレに接続されており、陽極側発生ガス排出口621は、陽極側発生ガスとしての酸素ガスを排出すると共に、被電解液の供給口として用いられる、ことが好ましい。
本発明によれば、陰極側発生ガス排出口622がカニューレに接続されていることにより、水素ガスを高効率かつ安全に吸引することができるので、活性酸素除去や成人病予防等の健康の改善及び向上を図ることができる。また、陽極側発生ガス排出口621から酸素ガスを排出することにより、陽極側ガス発生槽の圧力が大気圧になるので、陰極側ガス発生槽に貯蔵される被電解水の液位が急激に上昇することを抑制することができる。また、陽極側発生ガス排出口621が被電解液の供給口として兼用されることにより、電気泳動等により陰極側ガス発生槽側よりも消費しやすい陽極側ガス発生槽側の被電解液を、別個に供給口を設けることなく、陽極側ガス発生槽のみに供給することができる。
(6)また、本発明の電解装置において、接続チューブ8は、被電解液を排出する液体排出口801を有する、ことが好ましい。
本発明によれば、接続チューブ8により被電解水の液位が同等になった陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽のほぼ中間に排出口が位置するので、被電解液を効率よく排出することができる。
(7)また、本発明の電解装置において、吸液部材は、吸液繊維である、ことが好ましい。
本発明によれば、スポンジ等と比較して、吸液性及びガス排出性の両方を向上させることができる。
(8)また、本発明の電解装置において、一対の電極板は、その上方に内角45度以下の頂角を有する複数の通過孔をそれぞれ有する、ことが好ましい。
本発明によれば、頂角が45度以上の通過孔や上部形状が半円形又は半楕円形の通過孔と比較して電気分解板による電解効率を約10〜15%向上させることができる。これにより、電解槽に循環ポンプを取り付けなくても陰極側ガス発生槽から陰極側発生ガスを取り出すことができる。
(9)また、本発明の電解装置は、被電解液の液位が所定以下に下降したことにより被電解液の不足を警告する警告手段と、を更に備える、ことが好ましい。
本発明によれば、電解装置の外部から電解槽に貯蔵された被電解液の液位を目視することができなくても、被電解液の不足を認知することができる。
(10)また、本発明の電解装置は、電気分解板に電解電力を供給すると共に、電解装置に内蔵される携帯型バッテリと、を更に備える、ことが好ましい。
本発明によれば、電解装置を携帯することができる。
本発明の電解装置によれば、電解槽が傾斜した場合や被電解液が増減した場合であっても、発生ガスの効率的な発生及び排出、小型化、携帯性の問題などの従来技術における種々の不具合を改善した新規の電解装置を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態の電解槽の内部を示す縦断面図である。 図2は、本実施形態の電解槽を陰極側ガス発生槽側から示す側面図である。 図3は、本実施形態の直流電圧供給回路を示す回路図である。 図4は、本実施形態の電極板に形成された通過孔が円形の場合における水素ガスの発生状態を示す概念図である。 図5は、本実施形態の電極板に形成された通過孔の頂角が約120度の場合における水素ガスの発生状態を示す概念図である。 図6は、本実施形態の電極板に形成された通過孔の頂角が約30度の場合における水素ガスの発生状態を示す概念図である。 図7は、通過孔の頂角と水素ガス発生量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の電解装置をその一実施形態により説明する。
[電解装置1の概要]
本実施形態の電解装置1は、一般家庭内等における活性酸素除去や成人病予防などのための吸引用、理化学実験用、臨床実験用等を目的として、少量(平均2〜3ml/min、最大約3ml/min)かつ高純度(約99%)の水素ガスを長時間(例えば約6時間)かつ低圧(大気圧+約100Pa程度(1mm水柱≒10Paにて換算した。))で発生させるための装置である。そのため、本実施形態の電解装置1には、小型、軽量、携帯性、操作容易性、低価格など、水素ガスを吸引する患者が場所や時間を問わず、気軽かつ安全に使用できることが要求される。
本実施形態の電解装置1は、純水(13)などの被電解液13を電気分解することにより水素ガスなどの陰極側発生ガスを発生させる。
ここで、イオン交換樹脂による精製後に慮過して得た純水には電気伝導度がないため、純水を電気分解するには、一般的に、(A)硫酸などの酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリワムなどのアルカリを純水に添加した被電解液に隔膜を介して電気分解させる方法、又は、(B)イオン交換膜に陽極と陰極の通電電極を密着させた電気分解板を電解槽内の中央に配置し、循環ポンプにて純水を注入しながら電気分解を行う方法、を採用することが多い。
本実施形態の電解装置1は、上記(B)の電気分解法における電気分解板5を用いて、純水(13)に添加物を添加することなく純水(13)を直接的に電気分解する。ただし、本実施形態の電解装置1は、小型、軽量、携帯性、価格等の観点から、従来の電気分解システムに一般的に必須とされてきた、循環ポンプ、圧力センサ、水位センサ、電磁弁などを必要としない。
また、本実施形態の電解装置1は、高純度の水素ガスを得るため、発生する水素ガス及び酸素ガスを完全に分離し、かつ、他の不純物が混入しないようにする必要がある。そのため、電解装置1の内部において、水素ガス発生源と酸素ガス発生源とを完全に空間分離し、かつ、純水(13)以外の添加物が混入しないような構造が必要である。
[電解装置1の全体構成]
本実施形態の電解装置1は、小型及び軽量化により主として携帯使用を可能にするため、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明樹脂により形成された幅100mm×高さ140mm×奥行30mmの保護筐体に収納されている。また、本実施形態の電解装置1の重量は、携帯性を重視するため、約330gとなっている。
この電解装置1は、保護筐体の内部に、電気分解板5、吸液部材4と、電解槽6、直流電圧供給回路3と、を備える。
[電気分解板5]
図1は、本実施形態の電解装置1の内部を示す縦断面図である。図2は、本実施形態の電解装置1の内部の概略を示す側面図である。なお、図2においては、理解を容易にするため、吸液部材4を除いている。
電気分解板5は、図1及び図2に示すように、一対の電極板500及びイオン交換膜510を有する。一対の電極板500は、図1に示すように、イオン交換膜510の両面に配置されている。
(電極板500)
一対の電極板500は、陽極板501及び陰極板502により構成される。電気分解板5により被電解液13としての純水(13)が電気分解された場合、陽極板501側から酸素ガス(O)が発生し、陰極板502側から水素ガス(2H)が発生する。
陽極板501としては、イリジウム(Ir)メッキしたチタニウム製のエキスパンドメタルを用いることが好ましい。また、陰極板502としては、白金(Pt)メッキしたチタニウム製のエキスパンドメタルを用いることが好ましい。
陽極板501及び陰極板502として用いるエキスパンドメタルは、イオン交換膜510との密着性を高めるため、平滑処理されていることが好ましい。また、上記のエキスパンドメタルは、同一のメッシュ形状及びメッシュ寸法に設定されている。
また、本実施形態における上記のエキスパンドメタルは、高さ80mm×幅20mm×厚さ0.3〜0.5mmに設定されている。また、本実施形態における上記のメッシュの形状は上下方向を長手方向とする縦長のひし形形状であり、メッシュ開口部の総表面積は、エキスパンドメタルの表面積全体の60%以上に設定されている。
また、陽極板501及び陰極板502は、直流電圧供給回路3に接続される陽極側リード線521及び陰極側リード線522がそれぞれ溶接されている。
(電極板500の通過孔503)
次に、一対の電極板500に設けられる複数の通過孔503を説明する。
図4は、本実施形態の電極板500に形成された通過孔503が円形の場合における水素ガスの発生状態を示す概念図である。図5は、本実施形態の電極板500に形成された通過孔503の頂角504が約120度の場合における水素ガスの発生状態を示す概念図である。図6は、本実施形態の電極板500に形成された通過孔503の頂角504が約30度の場合における水素ガスの発生状態を示す概念図である。
一対の電極板500は、図1及び図2に示すように、複数の通過孔503をそれぞれ有することが好ましい。通過孔503は、図4に示す円形状、図5に示す頂角504が約120度の横長の菱形形状、図6に示す頂角504が約30度の縦長の菱形形状など、種々の形状を採用することができる。そのなかでも、通過孔503は、図6に示すように、その上方に内角45度以下の頂角504を有する形状に形成されていることが好ましい。
本実施形態における一対の電極板500は、上記したエキスパンドメタルである。そのため、本実施形態においては、エキスパンドメタルの各メッシュを複数の通過孔503として採用している。
(イオン交換膜510)
イオン交換膜510は、図1に示すように、純水(13)の吸収により膨張する平滑な弾性膜である。イオン交換膜510としては種々の市販品を利用することができる。本実施形態のイオン交換膜510は、デュポン社製イオン交換膜「Nafion N−117CS」である。この場合、イオン交換膜510は、純水(13)の吸収により約12〜15%膨張する。また、本実施形態のイオン交換膜510は、一対の電極板500よりも一回り大きく、高さ100mm×幅40mm×厚さ0.17mmに設定されている。
また、イオン交換膜510は、液体及び気体が自由に通り抜ける通過孔を有しない。
(吸液部材4)
吸液部材4は、図1に示すように陽極板501の表面及び陰極板502の表面にそれぞれ密着している。この吸液部材4は、電極板500と電極板500の相対位置に設けられた電解槽6の内壁との間に配置されていることが好ましい。また、吸液部材4は、電極板500から電解槽6の内壁までの距離と同等以上の厚さに構成されていることが好ましい。
吸液部材4は、吸液繊維やスポンジなど、吸液性がある素材である。ここで、吸液部材4としては、毛管現象による液体吸引性を有し、かつ、発生ガスの排出を妨げることがないように、吸液繊維であることが好ましい。例えば、吸水繊維としては、植物繊維、天然パルプ、ポリエステル系繊維と称する吸水性の繊維素材を加工したものが好ましい。
[電解槽6]
本実施形態の電解槽6は、図1に示すように、電気分解板5を仕切板として、陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601の2室に仕切られている。陰極側ガス発生槽602は、陰極側発生ガスとしての水素ガスが発生する陰極板502側に形成される槽である。また、陽極側ガス発生槽601は、陽極側発生ガスとしての酸素ガスが発生する陽極板501側に形成される槽である。これら陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601は、所定の水位(液位)に保たれた被電解水をそれぞれ貯蔵している。被電解液13は、導電性の有無に関係なく、液体であればよい。本実施形態においては、水素ガスを発生させるため、被電解液13として純水(13)が用いられている。
本実施形態の電解槽6は、縦長に伸びる中空直方体形状に形成されており、その寸法は、図2に示すように、電解槽6の正面から見て、高さ100mm×幅40mm×奥行き16mmに設定されている。
また、本実施形態の電解槽6における理想的な水位は、電気分解板5による電解効率の向上と純水(13)の溢出防止を考慮し、吸液部材4の上端から約5mm上方に設定されている。また、本実施形態における電解槽6の水位(陰極側ガス発生槽602の水位及び陽極側ガス発生槽601の水位)の変化は、約±5mmの範囲に設定されている。
また、本実施形態の電解槽6は、図1及び図2に示すように、2個の分割ケース611、締結部612、陰極側発生ガス排出口622、陽極側発生ガス排出口621、及び、接続チューブ8、を有することが好ましい。
(分割ケース611)
2個の分割ケース611は、図1及び図2に示すように、縦長(上下方向)に伸びる中空直方体形状の略閉じた容器を上下方向に分割して得た形状に形成されている。略閉じた容器とは、陰極側発生ガス排出口622、陽極側発生ガス排出口621、及び、接続チューブ8の接続口を除き、閉じた容器の意味である。この分割ケース611は、アクリル樹脂等の透明プラスチック製であり、電気分解板5から水素ガス及び酸素ガスの発生、電解槽6内の純水(13)の水位等が確認可能になっている。また、分割ケース611の寸法は、それぞれ、図2に示すように、電解槽6の正面から見て、高さ100mm×幅40mm×奥行き8mmに設定されている。
また、2個の分割ケース611は、図1に示すように、イオン交換膜510の周縁部をシール部材として挟むように配置されている。このイオン交換膜510は、一対の電極板500よりも一回り大きく形成されている。また、分割ケース611におけるイオン交換膜510との接触面は、平滑に形成されている。
また、2個の分割ケース611は、図1に示すように、一対の電極板500の周縁部をイオン交換膜510に押し付けるように配置されている。この2個の分割ケース611における一対の電極板500の周縁部との接触面には溝部613が形成されている。この溝部613の深さは、陽極板501又は陰極板502の厚さと同等又はそれ以下に形成されている。そのため、陽極板501及び陰極板502が溝部613にそれぞれ配置され、2個の分割ケース611が締結部612によって締結されたとき、一対の電極板500がイオン交換膜510を押し付けるようになっている。
なお、一対の電極板500及びイオン交換膜510を2個の分割ケース611で挟み、その2個の分割ケース611を締結部612で締結することにより電解槽6を形成した後、この電解槽6に純水(13)を給水し、電解槽6の漏れ実験を行った。電解槽6への給水から長時間(約50時間)経過後であっても、電解槽6から純水(13)の漏れを確認することができなかった。そのため、供給された純水(13)で膨張したイオン交換膜510の周縁部は、2個の分割ケース611の合わせ面におけるソフトガスケットの役割を十分に果たしているといえる。
(締結部612)
締結部612は、図1に示すように、2個の分割ケース611を締結する。締結部612としては、図1に示すように、陰極側ガス発生槽602又は陽極側ガス発生槽601を正面から見たときの分割ケース611の周縁において2個の分割ケース611を貫通する複数のボルト及びナットであることが好ましい。
(陰極側発生ガス排出口622)
陰極側発生ガス排出口622は、図1に示すように、陰極側ガス発生槽602の上部に設けられる。この陰極側発生ガス排出口622は、陰極側発生ガスとしての水素ガスを鼻や口その他の吸引口に導くカニューレに接続されていることが好ましい。
(陽極側発生ガス排出口621)
陽極側発生ガス排出口621は、陽極側ガス発生槽601に設けられる。この陽極側発生ガス排出口621は、陽極側発生ガスとしての酸素ガスを排出すると共に、被電解液13の供給口として用いられる。被電解液13の供給は、スポイトや注射器を用いて行われる。
(接続チューブ8)
接続チューブ8は、陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601の各下部を接続する。接続チューブ8が陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601の各下部で接続される理由は、陰極側ガス発生槽602又は陽極側ガス発生槽601の一方から他方に陰極側発生ガスとしての水素ガス又は陽極側発生ガスとしての酸素ガスを移動させないためである。
この接続チューブ8は、中間部あたりに被電解液13を排出する液体排出口801を有することが好ましい。液体排出口801には、非排出時に排出キャップ802が取り付けられている。そして、被電解液13の排出時に、その排出キャップ802を取り外すことにより、液体排出口801から被電解液13が排出される。
[直流電圧供給回路3]
直流電圧供給回路3は、図3に示すように、電源301、直流電圧調節回路306、電流計307、及び、警告手段308、を備える。
(電源301)
電源301は、電気分解をするための電力を電気分解板5に供給するものである。この電源301は、携帯型バッテリ305及び電源スイッチ303により構成されていることが好ましい。携帯型バッテリ305としては、アルカリ乾電池などの乾電池、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池など、電解装置1の保護筐体に内蔵される寸法に構成されていることが好ましい。また、携帯型バッテリ305の電源電圧はDC約3〜6Vに設定されており、その消費電流は0〜2Aに設定されている。携帯型バッテリ305の充電方法としては、携帯型バッテリ305にACアダプタを接続し、コンセントから給電することが好ましい。
また、電源スイッチ303としては、電源301から供給される電力をオン又はオフする切替スイッチであることが好ましい。
(直流電圧調節回路306)
直流電圧調節回路306は、電源301から所定の直流電圧を供給する回路である。所定の直流電圧は、電解装置1から排出される水素ガスが爆発しない程度の排出量(例:最大10ml/min程度)及び排気圧(150〜500Pa)を最大値の基準として設定されている。所定の直流電圧の値は、図2に示すように、直流電圧供給回路3に接続された設定用ボリューム302により制御することが可能である。
(電流計307)
電流計307は、発生ガスの発生量(ml/min)が電流値(A)に比例するという試験結果に基づき、電流値(A)を発生ガスの発生量(ml/min)で表示する。電流計307としては、アナログ計及びデジタル計のいずれであってもよい
(警告手段308)
警告手段308は、被電解液13の液位が所定以下に下降したことにより、被電解液13の不足を警告する。この警告手段308は、検出回路309、抵抗器310、LED311を有する。検出回路309は、電圧が大幅に降下したことを検出したときに電源301からの電力をLED311に供給する回路である。抵抗器310は、陽極側リード線521に直列に接続されていると共に、検出回路309に並列に接続されている。抵抗器310としては、低抵抗(例えば約0.1Ω)であることが好ましい。LED311は、検出回路309に接続されており、検出回路309から電力が供給されたときに発光する。
次に、本実施形態の電解装置1における作動原理を説明する。
[ガスの発生開始]
図1に示すように、電源スイッチ303をオンにすると、確認ランプ304が点灯し、図2に示すように、直流電圧供給回路3から所定の直流電圧及び電流が電気分解板5に供給される。直流電圧供給回路3から供給される所定の直流電圧及び電流の変更は、図1及び図2に示すように、設定用ボリューム302の操作によって可能になっている。
直流電圧供給回路3から供給される電流は、電気分解板5の陽極板501及び陰極板502にそれぞれ供給される。また、陽極板501及び陰極板502からなる一対の電極板500は、2個の分割ケース611及び吸液部材4によってイオン交換膜510の両面に密着している。そのため、電解槽6に供給された純水(13)に酸やアルカリなどの電解促進物を添加することなく、被電解液13としての純水(13)が電気分解される。その結果、陰極板502及びイオン交換膜510の接触面から陰極側発生ガスとしての水素ガスが発生すると共に、陽極板501及びイオン交換膜510の接触面から陽極側発生ガスとしての酸素ガスが発生する。
(水素ガスの早期離脱)
一対の電極板500は、エキスパンドメタルにより構成されている。このエキスパンドメタルは、頂角504が45度以下に設定された複数の通過孔503(メッシュ)503を有する。そのため、気泡径ナノレベルの水素ガス及び酸素ガスの気泡15が初期段階で発生し、図6に示すように、気泡径ミリレベルの気泡15に成長する前に、気泡径マイクロレベルの気泡15の状態で一対の電極板500から離脱する。
ここで、通過孔503の形状が、図6に示すように、その上方に内角45度以下の頂角504を有する形状であることが好ましい理由を説明する。
電気分解板5によって純水(13)が電気分解される場合、陰極側発生ガスとしての水素ガスは陰極板502とイオン交換膜510との接触面で発生し、陽極側発生ガスとしての酸素ガスは陽極板501とイオン交換膜510との接触面で発生する。そして、水素ガス及び酸素ガスは、それぞれ、気泡15となって発生する。
ここで、水素ガス及び酸素ガスの各気泡径は、それらの接触面付近においてナノレベルである。そのサイズの気泡15は、電極板500の通過孔503内において接触面側から各電極板500の外側に移動される際にマイクロレベルの気泡径にまで成長する。
そのため、気泡15がマイクロレベルからミリレベルの気泡径にまで成長する前に電極板500の通過孔503から気泡15を排出しないと、大きなサイズ(≧ミリレベルの気泡径)の気泡15が電極板500の通過孔503に滞留してしまい、電極板500とイオン交換膜510との間にも大きなサイズの気泡15が侵入する。気泡15は絶縁性であるため、大きな気泡15が接触面に侵入すると電極板500とイオン交換膜510との間に生じる電解電流が妨害され、電圧上昇や温度上昇を引き起こすので、電気分解板5による電解効率が低下する原因になる。
上記の電解効率の低下は、低電力で駆動する電解装置1にとって深刻な問題になる。また、本実施形態の電解装置1は、被電解液13としての純水(13)を供給する給水ポンプや、電解槽6内の純水(13)を循環させる循環ポンプなど、通過孔503内に生じる気泡15を強制的に循環させる手段を有しない。そのため、気泡15がミリレベルの気泡径にまで成長させないための通過孔503が極めて重要になる。
また、電気分解板5から排出された水素ガス及び酸素ガスの発生ガスは、吸液部材4を通過して電解槽6の外部に排出されなければならない。吸液部材4が吸液繊維のように発生ガスの通過を許容する空間を有する場合、発生ガスの気泡径は小さいほど好ましい。そのため、発生ガスが吸液部材4を通過する観点からも、気泡15がミリレベルの気泡径にまで成長させないための通過孔503が極めて重要になる。
気泡15がミリレベルの気泡径にまで成長する前に気泡15を通過孔503から排出させるために好適な通過孔503の形状を比較するため、図4に示すような円形の通過孔503、図5に示すような頂角504が約120度の通過孔503、及び、図6に示すような頂角504が約30度の通過孔503など、上部形状が異なる通過孔503に対して比較実験を行ったところ、図4〜図6に示すように、通過孔503の上部形状の違いに応じて水素ガス発生量に顕著な差を確認することができた。
以下の表1は、上記の実験結果を示している。表1内の水素ガス発生量は、電気分解板5に電流1Aが供給されたときに水素ガスが7.0ml/min発生した実測値に基づいて換算している。また、当実験においては、実験結果の解析を容易にするため、本実施形態の電解装置1において想定している水素ガス発生量の最大量よりも多くの水素ガスを発生させている。
Figure 0006051386
通過孔503が円形の場合、表1に示すように、電気分解板5に6Vの定電圧を印加すると、陰極に設けられた複数の通過孔503から約4.9ml/minの水素ガスが発生する。また、通過孔503が45〜180度の場合、電気分解板5に6Vの定電圧を印加すると、電気分解板5における複数の通過孔503から約5.6ml/minの水素ガスが発生する。また、通過孔503が30〜45度の場合、電気分解板5に6Vの定電圧を印加すると、電気分解板5における複数の通過孔503から約7.7〜8.4ml/minの水素ガスが発生する。
図7は、表1から得られた通過孔503の頂角504と水素ガス発生量との関係を示すグラフである。表1及び図7に示す通り、通過孔503の頂角504が60度から45度に変化する過程において、水素ガス発生量が急激に上昇することが明らかである。これは、通過孔503の頂角504が45度以下になると、通過孔503内の気泡15が通過孔503の上部に滞留し難くなって通過孔503から気泡15が離脱することによるものと考えられる。
上記の実験により得られたデータから上記の電気分解板5の電解効率を計算してみると、図4及び図5に示すような通過孔503が円形状又は通過孔503の頂角504が45度以上の電気分解板5の電解効率は約65〜70%であった。それに対し、図6に示すような通過孔503の頂角504が45度以下の電気分解板5の電解効率は、それらの電解効率から10〜15ポイントアップの約80%であった。
上記の結果は、気泡発生の目視確認からも明らかである。通過孔503が円形の場合や、通過孔503の頂角504が約120度の場合、図4及び図5に示すように、通過孔503から発生する気泡15はミリレベルの気泡径であることを確認することができる。それに対し、通過孔503の頂角504が約30度の場合、図6に示すように、通過孔503から発生する気泡15はマイクロレベルの気泡径であることを確認することができる。
すなわち、通過孔503の形状は、図6に示すように、その上方に内角45度以下の頂角504を有する形状であることが好ましいことがわかる。
(電極板500の厚さ)
また、気泡15は、上記の通り、電極板500の通過孔503内において電極板500とイオン交換膜510との接触面側から各電極板500の外側に移動する。そのため、電極板500の厚さが薄くなるほど、気泡15が通過孔503内に滞留し難くなるので、通過孔503から気泡15が発生しやすくなることが容易に理解できる。これは、従来の電気分解板5において、イオン交換膜510との密着性を向上させるため、厚手の電極板500を用いていた従来の考え方とは大きく異なる革新的な考え方である。
そこで、本実施形態の電極板500の厚さは、上記を考慮し、0.3〜0.5mmに設定されている。
(吸液部材4の役割)
一対の電極板500と電解槽6の内壁との間には、吸液部材4が挿入されている。
吸液部材4が挿入される主な理由は以下の(A)〜(C)である。
(A)吸液部材4が挿入される第1の主な理由としては、電解装置1を携帯型にするため、被電解液13が振動や傾斜によって漏れないようにするため、被電解液13に被電解液13を吸収させることにより、被電解液13を電解槽6内に保持するためである。
(B)吸液部材4が挿入される第2の主な理由としては、イオン導電膜に一対の電極板500を押し付けるためである。被電解液13が純水(13)の場合、純水(13)の電気伝導度が小さいので、電極だけではほとんど電流が流れない。そのため、イオン導電性を有する素材としてイオン交換膜510を利用している。そして、イオン導電膜に一対の電極板500を均一に密着させなければならない。この密着方法として、電極板500と電解槽6の内壁との間に耐食性スプリングや支持棒などを設ける方法などがある。しかし、そのような方法では構造が複雑になるだけでなく、電解槽6内の被電解液13の貯蔵量も減少する。そこで、吸液部材4が、電極板500から電解槽6の内壁までの距離と同等以上の厚さに構成されている。これにより、電解槽6に被電解液13を注入すると、吸液部材4が被電解液13を吸液することにより膨張し、均一に電極を押し付ける。これにより、吸液部材4が一対の電極板500をイオン導電膜に対して均一に密着させることができる。
(C)吸液部材4が挿入される第3の主な理由としては、吸液部材4の吸液現象(吸液部材4が吸液繊維の場合は毛管現象)によって被電解液13の液位が自動制御されることである。電気分解板5による電気分解により生じる電気泳動によって陽極板501ら陰極板502へ被電解液13が移動すると、陰極側ガス発生槽602に貯蔵された被電解液13の液位が上昇し、陰極側発生ガス排出口622から被電解液13が溢れてしまうおそれがある。そのため、吸液部材4及び接続チューブ8が配置されていない場合、電解槽6内に液位センサや圧力センサなどを配置したり、陰極側発生ガス排出口622に電磁弁などを設置しなければならなかった。
それに対し、本実施形態においては、吸液部材4及び接続チューブ8が配置されている。そのため、上記の電気泳動が生じた場合、陽極側ガス発生槽601内に貯蔵された被電解液13が不足し、陽極側ガス発生槽601内の吸液部材4が乾燥状態になる。これにより、陰極側ガス発生槽602内の被電解液13が接続チューブ8を通って陽極側ガス発生槽601内の吸液部材4に吸液されるので、陰極側ガス発生槽602内でガスが発生し、陰極側ガス発生槽602内の液位が変化しやすい状態においても、電解槽6から被電解液13が溢れることを防止することができる。なお、陽極側ガス発生槽601内の液位が上昇した場合は、上記の逆の原理により、電解槽6から被電解液13が溢れることを防止することができる。
(水素ガス(陰極側発生ガス)の供給)
水素ガス貯留部710の上方に貯留された水素ガスは、図1に示すように、カニューレを介して、人体等に供給される。
(被電解液13が不足した場合の警告方法)
被電解液13である純水(13)が不足すると(例えば液位が30%未満になった場合)、図3に示すように、陽極側リード線521に接続された抵抗器310に流れる電流が大幅に低下する(例えば、設定電流の50%以下に低下する。)。これにより、検出回路309が抵抗器310を介して大幅な電流降下を検知するので、LED311は点滅又は点滅により電解装置1の利用者に被電解液13が不足したことを警告する。
[水素ガスの発生停止]
卓上水素電解装置1からの水素ガスの発生を停止させる場合、図1に示すように、電源スイッチ303をオフにし、確認ランプ304が消灯することを確認する。
次に、本実施形態の電解装置1の効果を説明する。
(1)本実施形態の電解装置1は、陽極板501及び陰極板502からなる一対の電極板500を有する電気分解板5と、陽極板501及び陰極板502の各表面に密着する吸液部材4と、吸液部材4に吸液される被電解液13を貯蔵する電解槽6と、を備えることを特徴とする。
本実施形態によれば、吸液部材4が被電解液13を吸液することを利用して、被電解液13が循環装置を利用することなく吸液部材4と電極板500との密着面に供給されるので、電解槽6が傾斜した場合や被電解液13が増減した場合であっても、電気分解板5による電気分解から得られる水素ガス等の電解生成物を所定量だけ発生させることができる。また、吸液部材4が被電解液13を吸収するので、電解槽6から被電解液13が漏れることを抑制又は防止することができる。
(2)また、本実施形態の電解装置1において、電気分解板5は、一対の電極板500に密着すると共に液体及び気体の通過孔503を有しないイオン交換膜510を有しており、吸液部材4は、電極板500と電極板500の相対位置に設けられた電解槽6の内壁との間に配置されていると共に、電極板500から電解槽6の内壁までの距離と同等以上の厚さに構成されている、ことが好ましい。
本実施形態によれば、一対の電極板500がイオン交換膜510の両面にそれぞれ密着しているので、被電解液13が純水(13)のような電気分解が困難な液体でも容易に電気分解することができる。また、被電解液13の弾性力又は吸液膨張力によって一対の電極板500がイオン交換膜510に密着するので、電気分解により電気分解板5から発生する発生ガスの発生量を増加させることができる。
(3)また、本実施形態の電解装置1において、電解槽6は、略閉じた容器を上下方向に分割して得たような形状に形成されており、一対の電極板500よりも一回り大きなイオン交換膜510の周縁部をシール部材として挟むと共に、一対の電極板500の周縁部をイオン交換膜510に押し付ける2個の分割ケース611と、2個の分割ケース611を一体に締結する締結部612と、を有することが好ましい。
本実施形態によれば、電解槽6の構造を簡素化することができる。また、2個の分割ケース611がイオン交換膜510の周縁部をシール部材として挟むため、2個の分割ケース611の周縁部にソフトガスケット等のシール部材を用いずとも、電解槽6の密封性を確保することができる。また、2個の分割ケース611が一対の電極板500の周縁部をイオン交換膜510に押し付けるため、ボルト及びナットやリベットなどの固定部材を用いずとも、一対の電極板500をイオン交換膜510に密着させることができる。
(4)また、本実施形態の電解装置1において、電解槽6は、電気分解板5によって仕切られる陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601と、陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601にそれぞれ設けられる陰極側発生ガス排出口622及び陽極側発生ガス排出口621と、陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601の各下部を接続する接続チューブ8と、を有する、ことが好ましい。
本実施形態によれば、電気分解板5が陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601を空間分離する電解槽6の仕切板になるので、電気分解板5に通電したときに陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601から別個に発生する各発生ガスを混合させることなく、それらを分離発生させることができる。また、分離発生した各発生ガスを陰極側発生ガス排出口622及び陽極側発生ガス排出口621から分離排出することができる。また、接続チューブ8により、陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601の一方に偏った被電解液13を他方に移動させることができる。また、接続チューブ8を通って被電解液13が移動することにより、陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601に生じた圧力差を緩衝することができる。
(5)また、本実施形態の電解装置1において、被電解液13は、純水(13)であり、陰極側発生ガス排出口622は、陰極側発生ガスとしての水素ガスを鼻や口その他の吸引口に導くカニューレに接続されており、陽極側発生ガス排出口621は、陽極側発生ガスとしての酸素ガスを排出すると共に、被電解液13の供給口として用いられる、ことが好ましい。
本実施形態によれば、陰極側発生ガス排出口622がカニューレに接続されていることにより、水素ガスを高効率かつ安全に吸引することができるので、活性酸素除去や成人病予防等の健康の改善及び向上を図ることができる。また、陽極側発生ガス排出口621から酸素ガスを排出することにより、陽極側ガス発生槽601の圧力が大気圧になるので、陰極側ガス発生槽602に貯蔵される被電解水の液位が急激に上昇することを抑制することができる。また、陽極側発生ガス排出口621が被電解液13の供給口として兼用されることにより、電気泳動等により陰極側ガス発生槽602側よりも消費しやすい陽極側ガス発生槽601側の被電解液13を、別個に供給口を設けることなく、陽極側ガス発生槽601のみに供給することができる。
(6)また、本実施形態の電解装置1において、接続チューブ8は、被電解液13を排出する液体排出口801を有する、ことが好ましい。
本実施形態によれば、接続チューブ8により被電解水の液位が同等になった陰極側ガス発生槽602及び陽極側ガス発生槽601のほぼ中間に排出口が位置するので、被電解液13を効率よく排出することができる。
(7)また、本実施形態の電解装置1において、吸液部材4は、吸液繊維である、ことが好ましい。
本実施形態によれば、スポンジ等と比較して、吸液性及びガス排出性の両方を向上させることができる。
(8)また、本実施形態の電解装置1において、一対の電極板500は、その上方に内角45度以下の頂角を有する複数の通過孔503をそれぞれ有する、ことが好ましい。
本実施形態によれば、頂角が45度以上の通過孔503や上部形状が半円形又は半楕円形の通過孔503と比較して電気分解板5による電解効率を約10〜15%向上させることができる。これにより、電解槽6に循環ポンプを取り付けなくても陰極側ガス発生槽602から陰極側発生ガスを取り出すことができる。
(9)また、本実施形態の電解装置1は、被電解液13の液位が所定以下に下降したことにより被電解液13の不足を警告する警告手段308と、を更に備える、ことが好ましい。
本実施形態によれば、電解装置1の外部から電解槽6に貯蔵された被電解液13の液位を目視することができなくても、被電解液13の不足を認知することができる。
(10)また、本実施形態の電解装置1は、電気分解板5に電解電力を供給すると共に、電解装置1に内蔵される携帯型バッテリ305と、を更に備える、ことが好ましい。
本実施形態によれば、電解装置1を携帯することができる。
すなわち、本実施形態の電解装置によれば、電解槽が傾斜した場合や被電解液が増減した場合であっても、発生ガスの効率的な発生及び排出、小型化、携帯性の問題などの従来技術における種々の不具合を改善した新規の電解装置を提供することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
1 電解装置
3 直流電圧供給回路
4 吸液部材
5 電気分解板
6 電解槽
8 接続チューブ
13 純水
15 気泡
301 電源
302 設定用ボリューム
303 電源スイッチ
305 携帯型バッテリ
306 直流電圧調節回路
307 電流計
308 警告手段
309 検出手段
310 抵抗器
311 LED
500 一対の電極板
501 陽極板
502 陰極板
503 通過孔
504 頂角
506 電極板の周縁部
510 イオン交換膜
601 陽極側ガス発生槽
602 陰極側ガス発生槽
611 分割ケース
612 締結部
613 溝部
621 陽極側発生ガス排出口
622 陰極側発生ガス排出口
801 液体排出口
802 排出キャップ

Claims (8)

  1. 陽極板及び陰極板からなる一対の電極板と、前記一対の電極板に密着すると共に液体及び気体の通過孔を有しないイオン交換膜と、を有する電気分解板と、
    前記陽極板及び前記陰極板の各表面に密着する吸液部材と、
    略閉じた容器を上下方向に切断することにより横に分割して得たような形状に形成されており、前記一対の電極板よりも一回り大きな前記イオン交換膜の周縁部をシール部材として挟むと共に、前記一対の電極板の周縁部を前記イオン交換膜に押し付ける2個の分割ケースと、前記2個の分割ケースを一体に締結する締結部と、を有しており、被電解液を貯蔵する電解槽と、
    を備えることを特徴とする電解装置。
  2. 前記吸液部材は、前記電極板と前記電極板の相対位置に設けられた前記電解槽の内壁との間に配置されていると共に、前記電極板から前記電解槽の内壁までの距離と同等以上の厚さに構成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の電解装置。
  3. 前記吸液部材は、吸液繊維である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電解装置。
  4. 前記電解槽は、
    前記電気分解板によって仕切られる陰極側ガス発生槽及び陽極側ガス発生槽と、
    前記陰極側ガス発生槽及び前記陽極側ガス発生槽にそれぞれ設けられる陰極側発生ガス排出口及び陽極側発生ガス排出口と、
    前記陰極側ガス発生槽及び前記陽極側ガス発生槽の各下部を接続する接続チューブと、を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電解装置。
  5. 前記被電解液は、純水であり、
    前記陰極側発生ガス排出口は、陰極側発生ガスとしての水素ガスを鼻や口その他の吸引口に導くカニューレに接続されており、
    前記陽極側発生ガス排出口は、陽極側発生ガスとしての酸素ガスを排出すると共に、前記被電解液の供給口として用いられる
    ことを特徴とする請求項4に記載の電解装置。
  6. 前記接続チューブは、前記被電解液を排出する液体排出口を有する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電解装置。
  7. 前記被電解液の液位が所定以下に下降したことにより前記被電解液の不足を警告する警告手段と、を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電解装置。
  8. 前記電気分解板に電解電力を供給すると共に、前記電解装置に内蔵される携帯型バッテリと、を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電解装置。
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