JP3714470B2 - 歯車、給紙装置、記録装置 - Google Patents

歯車、給紙装置、記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、噛合する相手側歯車との位相合わせの為の目印部を有する歯車に関する。また、本発明は、該歯車を備えた、被記録材を給送する給紙装置および該給紙装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車輪列を有する歯車装置において、例えば、一の歯車の回動中心から偏倚した位置にクランクロッド等を取り付けてクランク機構を構成すると共に、該一の歯車と噛合する他の歯車にも同様なクランクロッド等を取り付けてクランク機構を構成する様な場合には、前記2つのクランク機構の動作を同調させるために、噛合する2つの歯車の位相合わせ、即ち、前記2つの歯車を噛合させる際に、特定の歯と歯とを正確に噛合させる必要がある。
【0003】
従来、この様な2つの歯車の位相合わせは、例えば以下の様な方法で行われていた。第1に、位相合わせ専用の工具を用いる方法があり、例えば、径寸法の大なる歯車と小なる歯車とが一体的に形成された2段歯車における前記小なる歯車と平歯車とを噛合させる場合に、前記大なる歯車および前記平歯車にピン挿通孔を設け、該ピン挿通孔にピンを挿通させながら前記平歯車に前記2段歯車を噛合させ、これによって特定の歯と歯とを噛合させて位相合わせを行う。
【0004】
また、第2に、一の歯車の歯溝を埋め、他の歯車の歯を取り去り、これによって歯形状を円周方向に一様でないものとして、これを目印に位相合わせを行う方法がある。更に、第3に、噛合すべき特定の歯と歯に識別マーク(目印)を付し、これを目印にして位相合わせを行う方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記第1の方法では、専用の工具(上述の例では、ピン)を必要とする為、コストアップとなる。また、前記第2の方法では、歯溝を埋めた部分と、歯を取り去った部分とにおける噛み合いが不安定となり、場合によっては回転負荷が生じる虞もある。更に、前記第3の方法では、特定の歯と歯に識別マークを付すことから前記第1の方法と同様にコストアップとなると共に、識別マークを付す作業において、誤った歯に識別マークを付すといった危険性もある。
加えて、前記第1の方法および第3の方法では、歯形状が円周方向に一様であることから、誤った位相で噛合させてしまった場合でも、これに気づかないといった欠点もある。
【0006】
そこで本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易にそして確実に位相合わせを行えることができ、且つ、噛み合い時に不安定とならない歯車を、低コストに得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の歯車は、噛合する相手側歯車との位相合わせの為の目印部を有する歯車であって、前記目印部が、前記相手側歯車における歯溝のうち少なくとも1つの、歯幅方向の一部に形成された凸形状と嵌合する、歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状からなることを特徴とする。
【0008】
本願請求項1記載の発明によれば、歯車は、相手側歯車の歯溝において歯幅方向の一部に形成された凸形状と嵌合する、歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状を目印として相手側歯車との位相合わせを行うので、簡易にそして確実に位相合わせを行えることができ、且つ、噛み合い時に不安定とならない歯車を、低コストに得ることができる。即ち、歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって位相合わせの為の目印部(凹形状)が形成されるので、歯を例えば樹脂成形によって形成する場合には成形時に前記目印部(凹形状)を形成することができ、従って歯車の成形後に別途識別マーク等を付す必要が無く、これによって歯車の低コスト化を計ることができると共に、誤った位置に識別マークを付すような危険性も無い。
【0009】
また、目印部(凹形状)は歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成されるので、歯が歯幅方向に全て取り去られずに残されていることにより、円周方向に沿って一様な歯形(一定ピッチ毎の歯)が維持され、従って歯車の噛み合いが不安定となる様なことも無い。
【0010】
加えて、位相合わせの為の工具等をも必要としないので、この点においても低コスト化を計ることができる。更に加えて、万一正確に位相合わせが行われなかった場合でも、歯形は、厳密には円周方向に沿って一様でない部分(前記凹形状および凸形状)があることから、歯車同士を噛合させた後に回転させると、歯車が回転しなくなるロック位置が生じ、従ってこれにより、正確に位相合わせが行われなかったことを検出することができ、以て結果として正確に位相合わせを行うことができる。
【0011】
本願請求項2記載の歯車は、請求項1において、前記凹形状が形成された歯の歯幅方向寸法が、切り欠き部分の歯幅方向寸法よりも、大なることを特徴とする。
本願請求項2記載の発明によれば、前記凹形状が形成された歯の歯幅方向寸法が、切り欠き部分の歯幅方向寸法よりも大なるので、歯の部分の比率がより一層大なることによって、より一層噛み合い時の安定性を高めることができる。
【0012】
本願請求項3記載の歯車は、噛合する相手側歯車との位相合わせの為の目印部を有する歯車であって、前記目印部が、前記相手側歯車における歯のうち少なくとも1つの歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状と嵌合する、歯溝において歯幅方向の一部に形成された凸形状からなることを特徴とする。
本願請求項3記載の発明によれば、歯車は相手側歯車において歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状と嵌合する、歯溝において歯幅方向の一部に形成された凸形状を目印として相手側歯車との位相合わせを行うので、前述した本願請求項1記載の発明と同様な理由から、簡易にそして確実に位相合わせを行えることができ、且つ、噛み合い時に不安定とならない歯車を、低コストに得ることができる。
【0013】
本願請求項4記載の歯車は、請求項3において、前記歯溝における前記凸形状の歯幅方向寸法が、残された歯溝部分の歯幅方向寸法よりも小なることを特徴とする。
本願請求項4記載の発明によれば、前記歯溝における前記凸形状の歯幅方向寸法が、残された歯溝部分の歯幅方向寸法よりも小なるので、噛み合い部分において歯の部分の比率をより一層大なるものとすることができ、従ってこれにより一層噛み合い時の安定性を高めることができる。
【0014】
本願請求項5記載の給紙装置は、被記録材を給送する給紙ローラを備えた給紙装置であって、前記給紙ローラを回動駆動する駆動モータから前記給紙ローラへ動力を伝達する歯車装置が、請求項1から4のいずれか1項に記載された前記歯車を備えていることを特徴とする。
本願請求項5記載の発明によれば、被記録材を給送する給紙ローラを備えた給紙装置において、前記給紙ローラを回動駆動する駆動モータから前記給紙ローラへ動力を伝達する歯車装置が、請求項1から4のいずれか1項に記載された前記歯車を備えているので、前述した本願請求項1から4のいずれか1項に記載した発明と同様な効果を得ることにより、正確な給紙動作を行うことができる。
【0015】
本願請求項6記載の記録装置は、被記録材に記録を行う記録装置であって、請求項5記載の前記給紙装置を備えていることを特徴とする。
本願請求項6記載の発明によれば、被記録材に記録を行う記録装置は、請求項5記載の給紙装置を備えているので、上述した本願請求項5記載の発明と同様な作用効果を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下では先ず、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)100の概略構成について図1および図2を参照しつつ説明する。ここで、図1はプリンタ100の装置本体(外観を構成するカバー部材を取り外した状態)の外観斜視図であり、図2は同側断面概略図である。尚、以下では、図1の右側(プリンタ100の後方側)を「上流側」(用紙搬送経路の上流側)と言い、図1の左側(プリンタ100の前方側)を「下流側」(用紙搬送経路の下流側)と言うこととする。
【0017】
プリンタ100は、図1に示す様に装置本体の基体を構成する、平面視略コの字形の形状をなすメインフレーム12の後方側に給紙装置1を備え、該給紙装置1から印刷用紙を装置前方側へ1枚ずつ給送する。ここで、図2に示す様に給紙装置1は、給紙ローラ3と、分離パッド7と、紙戻しレバー9と、ホッパ5とを備えている。
【0018】
図示しない駆動モータによって回動駆動される給紙ローラ3は側面視略D形の形状をなし、ローラ本体3aと、該ローラ本体3aの外周部に巻回されるゴム材3bとから構成されている。給紙ローラ3は、その円弧部分によって用紙Pを給送する一方、平坦部分によって用紙Pを通過させて、下流側の搬送ローラ17による搬送動作時に搬送負荷を与えない様になっている。
【0019】
ホッパ5は板状体からなり、図示する様に傾斜姿勢に設けられ、且つ、上部に設けられた回動軸5aを中心に図2の時計方向及び反時計方向に揺動可能に設けられている。そして、後述するカム機構によって揺動駆動されることにより、下端部が給紙ローラ3に対して圧接及び離間動作する様になっている。従って、ホッパ5が給紙ローラ3に対して圧接方向に揺動すると、ホッパ5上に堆積された用紙Pの束は給紙ローラ3に圧接し、そして当該圧接状態で給紙ローラ3が回動することにより、堆積された用紙Pの最上位のものが下流側へと給送される。
【0020】
分離パッド7は、高摩擦部材からなり、給紙ローラ3と対向する位置に設けられている。給紙ローラ3が回動すると、給紙ローラ3の円弧部分と分離パッド7とが圧接し、圧接部が形成される。給紙ローラ3の円弧部分によって繰り出された最上位の用紙Pは、前記圧接部を通過して下流側へと進むが、最上位の用紙Pにつられて下流側へと進もうとする次位以降の用紙Pは、前記圧接部により、下流側への進行が阻止され、これによって用紙Pの重送が防止される。
【0021】
紙戻しレバー9はレバー形状をなし、ホッパ5の下端部近傍に配置され、回動支点9aを中心に図示しない駆動機構によって図2の時計方向および反時計方向に回動可能に設けられている。紙戻しレバー9は、用紙Pの給紙動作時には図2に示す様に下流側に倒れた状態となっていて、用紙Pの給送を阻害しない状態となっている。そして、用紙Pの給紙が始まり、給送される用紙Pの先端が紙戻しレバー9の下流側に進むと、紙戻しレバー9は上流側に向かって起き上がり、給送される用紙Pにつられて重送されようとする次位以降の用紙Pを上流側に押し戻す。これにより、用紙Pの重送が更に確実に防止される。
【0022】
次に、給紙装置1の下流には板状体からなる紙案内15が略水平に設けられ、給紙ローラ3によって繰り出された用紙Pの先端が該紙案内15に斜めに当接し、滑らかに下流側に案内される。紙案内15から下流には回動駆動される搬送駆動ローラ17aと、該搬送駆動ローラ17aに圧接する搬送従動ローラ17bとからなる搬送ローラ17が設けられ、用紙Pは、当該搬送駆動ローラ17aと搬送従動ローラ17bとにニップされて、一定ピッチで下流側に搬送される。ここで、搬送従動ローラ17bは搬送従動ローラホルダ21の下流側に軸支されていて、当該搬送従動ローラホルダ21は、回動軸21aを中心に図2の時計方向及び反時計方向に回動可能に設けられ、且つ、図示しないねじりコイルばねによって搬送従動ローラ17bが常に搬送駆動ローラ17aに圧接する方向(図2の反時計方向)に回動付勢されている。
【0023】
次に、給紙ローラ3と搬送ローラ17との間には、用紙Pの通過を検出する、センサ本体部19bと検出レバー19aとからなる紙検出器19が配設されている。紙検出器19は、図2に示す様に用紙Pの通過に伴って検出レバー19aが上方に押し上げられるように回動すると、検出レバー19aの上側がセンサ本体部19bから外れ、これによって用紙Pの通過を検出する様になっている。
【0024】
続いて、搬送駆動ローラ17aの下流には、プラテン27及びインクジェット記録ヘッド25が上下に対向する様に配設され、搬送ローラ17によってインクジェット記録ヘッド25の下へ搬送される用紙Pは、プラテン27によって下から支持される。インクジェット記録ヘッド25はインクカートリッジ31を搭載するキャリッジ23の底部に設けられ、該キャリッジ23は、主走査方向(図2の紙面表裏方向)に延び、メインフレーム12(図1)によって支持されるキャリッジガイド軸33により、主走査方向にガイドされる。
【0025】
図1において、メインフレーム12の両側部分には自由回動可能な従動プーリ14と、図示しない駆動モータによって回動駆動される駆動プーリ13とが設けられ、駆動プーリ13と従動プーリ14とには無端ベルト15が巻回されている。そしてキャリッジ23は無端ベルト15の一部に固定され、これにより、キャリッジ23が主走査方向に往復動する様になっている。そして、キャリッジ23が主走査方向に往復動しながら記録ヘッド25(図2)によってインクカートリッジ24から供給されたインク滴が吐出されることにより、用紙Pへの印刷が実行される。
【0026】
次に、図2に戻ってインクジェット記録ヘッド25から下流は排紙部となっていて、回動駆動される排紙駆動ローラ29aと、自由回動可能な排紙従動ローラ29bとからなる排紙ローラ29が設けられている。従ってインクジェット記録ヘッド25によって印刷の行われた用紙Pは、排紙駆動ローラ29aと排紙従動ローラ29bとによってニップされた状態で排紙駆動ローラ29aが回動することにより、矢印方向に排出される。また、排紙従動ローラ29bのやや上流側には、自由回動可能な補助ローラ30が配設されている。ここで、排紙駆動ローラ29aは主走査方向にほぼ等間隔で複数個配設されていて、同様に排紙従動ローラ29bについても、これに合わせてほぼ等間隔で配設されている(図示は省略)。また、補助ローラ30は、排紙駆動ローラ29aと排紙従動ローラ29bとのほぼ中間に配設されている(図示は省略)。
【0027】
以上がプリンタ100の概略構成であり、以下、図3乃至図8を参照しつつ、給紙装置1のより詳細な構成について説明する。ここで、図3は給紙ローラ3およびホッパ5を斜め下から見た斜視図であり、図4は給紙装置1の側面側(図1において右側)に設けられる、給紙ローラ3(給紙ローラ軸2)への動力伝達のオンおよびオフを行うクラッチ装置(歯車装置)31の分解斜視図であり、図5は同組立図である。また、図6および図7はそれぞれ本発明に係る給紙ローラ歯車35および平歯車39の拡大斜視図であり、図8は給紙ローラ歯車35および平歯車39が噛合した状態を示す、両歯車の正面図である。
【0028】
先ず、図3を参照しつつ、ホッパ5を揺動駆動するカム機構について説明する。図3に示す様に、ホッパ5はその下部の両側端側に給紙ローラ3側に向かって突出する様なカムフォロア部7を有し、一方で給紙ローラ軸2の両軸端側には、給紙ローラ軸2の軸方向視において略扇形の形状をなし、カムフォロア部7と係合するカム6が、給紙ローラ軸2と一体的に形成されている。一方、ホッパ5の背面側には、ホッパ5を給紙ローラ3に向けて揺動付勢する付勢手段としてのホッパばね8(図1参照)が設けられていて、ホッパ5は、該ホッパばね8によって常に給紙ローラ3に向けて揺動付勢された状態となっている。そして、図3から明らかな様に、給紙ローラ3(給紙ローラ軸2)の回動により、カム6とカムフォロア7との係合状態および非係合状態とが切り替わり、カム6がカムフォロア7を押し下げる係合状態(図3の状態)となることにより、ホッパ5が給紙ローラ3から離間する様になっている。
【0029】
次に、図4乃至図8を参照しつつ、給紙ローラ3(給紙ローラ軸2)への動力伝達のオンおよびオフを行うクラッチ装置(歯車装置)31の構成について説明する。
先ず、図4および図5において、クラッチ装置31は図示しない駆動モータによって回動駆動される平歯車40を有し、従って該平歯車40が、クラッチ装置31への動力の入力部となっている。
【0030】
平歯車40はラチェット歯車41と一体的に形成されていて、該ラチェット歯車41には、該ラチェット歯車41の歯と噛合可能な歯部43aを円環形状の内部に有する、円環形状をなすクラッチ部材43が緩やかに嵌められる。クラッチ部材43は、その中心から偏倚した位置に軸受孔43bを有し、該軸受孔43bには、平歯車40とでクラッチ部材43を挟む様に設けられる平歯車39の、回動中心から偏倚した位置に設けられる突起軸39aが嵌合する様になっている。
【0031】
クラッチ部材43は、突起軸39aを支点に、平歯車39およびラチェット歯車41に対して揺動することにより、歯部43aがラチェット歯車41と噛合する姿勢と、歯部43aがラチェット歯車41と噛合しない姿勢とをとることができる様になっていて、ラチェット歯車41にクラッチ部材43の歯部43aが噛合した状態となると、クラッチ部材43はラチェット歯車41と共に回動し、これにより、平歯車39も回動する様になっている。従ってクラッチ部材43の上記揺動動作が、クラッチ装置31による動力伝達オンおよびオフ動作となる。
【0032】
尚、クラッチ部材43と平歯車39とには、それぞればね掛止部43c、39bが形成されていて、これらばね掛止部には、引っ張りコイルばね45が掛架されている。引っ張りコイルばね45は、歯部43aがラチェット歯車41と噛合する方向(ラチェット歯車41に圧接する方向)にクラッチ部材43を揺動付勢し、これにより、クラッチ部材43に外部から何らの力が作用していない状態では、歯部43aとラチェット歯車41とがしっかりと噛合する様になっている。
【0033】
一方、クラッチ部材43の外周部にはクラッチ係合部43dが形成されていて、クラッチ係合部43dの外側には、クラッチレバー33が揺動支点33bを支点に揺動することにより、下部に設けられたフック部33がクラッチ係合部43dと係合する姿勢と、クラッチ係合部43dと係合しない姿勢とをとることができる様になっている。そして、フック部33とクラッチ係合部43dとが係合すると、クラッチ部材43の回転が止められ、これにより、クラッチ部材43が平歯車39およびラチェット歯車41に対して揺動し、歯部43aとラチェット歯車41との噛合状態が解除され、クラッチ装置31は、平歯車40から平歯車39へ動力を伝達しないオフ状態となる。
【0034】
平歯車39には、給紙ローラ3の回動軸である給紙ローラ軸2の軸端に設けられた給紙ローラ歯車35が噛合していて、従ってクラッチ部材43の歯部43aがラチェット歯車41に噛合した状態で平歯車40が回動すると、結果的に給紙ローラ軸2に回動力が伝達され、以て給紙ローラ3が回動すると共に、図3に示したカム機構により、ホッパ5が揺動動作を行う様になっている。
【0035】
以上がクラッチ装置31の概略であり、続いて、給紙ローラ歯車35および平歯車39についてより詳しく説明する。平歯車39は給紙ローラ歯車35を介して給紙ローラ3に動力を伝達するが、給紙ローラ3への動力伝達のオンおよびオフのタイミングの観点からは、側面視略D形の形状をなす給紙ローラ3の平坦部がホッパ5と対向した状態(図2の状態)となり、また、図3を参照しつつ説明した様にカム6がカムフォロア7を押し下げ、これによってホッパ5が給紙ローラ3から離間した状態で、動力伝達がオフされなければならない。
【0036】
そして、平歯車39は、クラッチ装置31の動力伝達のオンおよびオフを行うクラッチ部材43の揺動支点となる突起軸39aを有しているので、以上から、平歯車39と、給紙ローラ歯車35とは、その組立時(噛み合わせ時)に位相を合わせる必要がある。給紙ローラ歯車35と平歯車39との位相合わせが正確に行われないと、例えば、給紙ローラ3の平坦部がホッパ5と対向しない状態であるとともに、ホッパ5が給紙ローラ3から離間しない状態で動力伝達がオフとなり、以降に行うべき給紙動作を正常に実行することができなくなる。
【0037】
そこで、本発明に係る給紙ローラ歯車35と平歯車39とは、図6乃至図9に示す様に構成され、噛み合わせ(組立)の際の位相合わせを効果的に行うことができる様になっている。先ず、給紙ローラ歯車35においては、図6に示す様に外周部に多数形成された歯の1つを構成する歯35aと、これに隣合う歯35bとの間の歯溝35cのは幅方向の一部に、該歯溝35cの一部を埋める様な凸形状35dが形成され、一方で給紙ローラ歯車35と噛合する平歯車39には、図7に示す様に、凸形状35dが形成された歯溝35cにちょうど嵌合する様に、歯を歯幅方向に一部切り欠いた歯39cが形成されている。そして、「凹形状」としての切り欠き部39dに、給紙ローラ歯車35の凸形状35dが嵌合する様な位相で給紙ローラ歯車35と平歯車39とを噛合させると、図8に示す様に給紙ローラ歯車35と平歯車39とは正常に噛み合って、以て正常な回動動作を行うことができる様になっている。
【0038】
以下、この様に形成された給紙ローラ歯車35および39の作用効果について説明すると、図7に示す平歯車39は、歯39cを歯幅方向に一部切り欠いたことによって位相合わせの為の「目印部」としたことから、平歯車39を樹脂成形する際に同時に前記目印部を形成することができ、従って平歯車39の成形後に別途識別マーク等を付す必要が無く、これによって位相合わせ用の前記目印部を、低コストに設けることができると共に、前記目印部は成形の際に同時に設けられることから、誤った位置(歯)に目印を形成する様な危険性も無い。
【0039】
これは、図6に示す給紙ローラ歯車35の側でも同様であり、即ち凸形状35dは給紙ローラ歯車35の樹脂成形時に同時に設けることができるから、従って給紙ローラ歯車35の成形後に別途識別マーク等を付す必要が無く、これによって位相合わせ用の目印部を、低コストに設けることができると共に、目印部は成形の際に同時に設けられることから、誤った位置(歯溝)に目印を形成する様な危険性も無い。
【0040】
また、図7に示す平歯車39において歯を歯幅方向(歯車の回動軸の軸方向)に一部切り欠いているが(切り欠き部39d)、切り欠き部39dは歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成され、従って歯が歯幅方向に全て取り去られずに残っている(歯39cの部分)と共に、図6に示す給紙ローラ歯車35においても、凸形状35dが歯溝において歯幅方向全てに渡って設けられてはおらず、歯溝35cが残っているので、給紙ローラ歯車35および39には、円周方向に沿って一様な歯形(一定ピッチの歯)が維持され、従って両歯車の噛み合いに際して不安定となる様なことも無い。
【0041】
加えて、この様に形成された給紙ローラ歯車35と平歯車39とによれば、位相合わせの為の工具等をも必要としないので、この点において低コスト化を計ることができる。更に加えて、万一正確に位相合わせが行われなかった場合でも、給紙ローラ歯車35と平歯車39とにおいては、厳密には円周方向に沿って一様でない部分(凸形状35dと切り欠き部39d)があることから、噛み合わせを行った後に両歯車を回動させようとすると、両歯車が回転しなくなるロック位置が発生し、従ってこれにより、正確に位相合わせが行われなかったことを検出することができ、以て結果として正確に位相合わせを行うことができる。
【0042】
更に加えて、凸形状35dの歯幅方向寸法を極力小さくすれば、歯溝35cと歯39cとの歯幅方向寸法を大きくすることができ、これによってより一層安定した噛み合いを実現させることができる。
【0043】
尚、本実施形態では、1つの歯39cに切り欠き部39dを設けるとともに、1つの歯溝35cに凸形状35dを設けたが、それぞれを複数設けても上述した作用効果を得ることができることは言うまでもない。また、歯39cは、図示する様に歯幅方向の片側に切り欠き部39dを有しているが、例えば切り欠き部39dを歯幅方向の中央部に設け、これによって歯39cを歯幅方向の両側に形成すると共に、給紙ローラ歯車35においてはこれに嵌合する様に凸形状35dを歯幅方向の中央部に設けても、上述した作用効果を得ることができる。更に、歯溝35cに設ける凸形状35dは、本実施形態においては歯溝35cを埋める様な形状としているが、これに限られないことは言うまでも無く、例えば歯溝35cにおいて、隣合う歯35a、35bと同様に径方向に突出する突起部の様なものであっても構わない。
【0044】
加えて、本実施形態では、歯溝部分に凸形状(凸形状35c)を形成し、歯の部分に凹形状(切り欠き部39d)を形成して、これを位相合わせの際の目印とすると共に両者を嵌合させる様に構成しているが、例えば、歯の部分に凸形状(例えば、突起)を形成し、歯溝部分に前記凸形状が嵌入する様な凹形状(例えば、穴部)を形成しても、同様な作用効果、即ち、簡易にそして確実に位相合わせを行えることができ、且つ、噛み合い時に不安定とならない歯車を、低コストに得ることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、歯車は、相手側歯車の歯溝において歯幅方向の一部に形成された凸形状を嵌合する、歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状を目印として相手側歯車との位相合わせを行うので、簡易にそして確実に位相合わせを行えることができ、且つ、噛み合い時に不安定とならない歯車を、低コストに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの装置本体の外観斜視図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタの側断面概略図である。
【図3】本発明に係る給紙装置における給紙ローラおよびホッパを斜め下から見た外観斜視図である。
【図4】本発明に係るクラッチ装置の分解斜視図である。
【図5】本発明に係るクラッチ装置の組立図である。
【図6】本発明に係る平歯車の拡大斜視図である。
【図7】本発明に係る平歯車の拡大斜視図である。
【図8】本発明に係る給紙ローラ歯車と平歯車とが噛合した状態を示す、両歯車の正面図である。
【符号の説明】
1 給紙装置
2 給紙ローラ軸
3 給紙ローラ
5 ホッパ
6 カム
7 カムフォロア
8 ホッパばね
31 クラッチ装置
33 クラッチレバー
33a フック部
35 給紙ローラ歯車
39 平歯車
39a 突起軸
39b ばね掛止部
40 平歯車
41 ラチェット歯車
43 クラッチ部材
43a 歯部
43b 軸受孔
43c ばね掛止部
43d クラッチ係合部
45 引っ張りコイルばね
100 インクジェットプリンタ

Claims (6)

  1. 噛合する相手側歯車との位相合わせの為の目印部を有する歯車であって、
    前記目印部が、前記相手側歯車における歯溝のうち少なくとも1つの、歯幅方向の一部に形成された凸形状と嵌合する、歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状からなることを特徴とする歯車。
  2. 請求項1において、前記凹形状が形成された歯の歯幅方向寸法が、切り欠き部分の歯幅方向寸法よりも大なることを特徴とする歯車。
  3. 噛合する相手側歯車との位相合わせの為の目印部を有する歯車であって、
    前記目印部が、前記相手側歯車における歯のうち少なくとも1つの歯を歯幅方向に一部切り欠いたことによって形成された凹形状と嵌合する、歯溝において歯幅方向の一部に形成された凸形状からなることを特徴とする歯車。
  4. 請求項3において、前記歯溝における前記凸形状の歯幅方向寸法が、残された歯溝部分の歯幅方向寸法よりも小なることを特徴とする歯車。
  5. 被記録材を給送する給紙ローラを備えた給紙装置であって、
    前記給紙ローラを回動駆動する駆動モータから前記給紙ローラへ動力を伝達する歯車装置が、請求項1から4のいずれか1項に記載された前記歯車を備えていることを特徴とする給紙装置。
  6. 被記録材に記録を行う記録装置であって、請求項5記載の前記給紙装置を備えていることを特徴とする記録装置。
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