JP3710577B2 - 外部同期方法及び外部同期回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数がディジタル入力信号の周波数と同じで位相が外部トリガ信号の位相位置と一致するディジタル信号を作り出す外部同期方法及び外部同期回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体能動素子の遮断周波数は有限であり、使用しうる最高周波数はその制約を受ける。
例えば、図13において、デジタル信号(1)と(2)の波形は繰り返し周波数fが同一のものである。しかし、信号(1)の波形は立ち上がっているHレベル区間TAと立ち下がっているLレベル区間TBとの比が1:1(デューティ50%)であるのに対し、信号(2)の波形では区間TAと区間TBの比が1:1でなくなっているため、見かけ上の周波数fが上昇している。このため、半導体能動素子であるICがデューティ50%の信号(1)の入力波形を受けて動作可能範囲の上限一杯で動作していた場合に、入力信号の波形が、デューティ50%の状態(信号(1))からそれより小さいデューティの波形(信号(2))にくずれたとすると、当該ICにはその動作可能範囲を越える周波数の信号が入力されることになり、当該ICは当該入力信号の周波数に応答した動作ができなくなる。
従って、取り扱うデジタル信号は、区間TAと区間TBとの比が1:1(デューティ50%)である波形のものが好ましい。換言すれば、取り扱うデジタル信号がデューティ50%の波形に常に整形されていれば、同じ半導体能動素子を用いてより高い周波数の信号を取り扱うことができることとなる。
【0003】
従来、カラー映像信号の書込み用クロック信号発生回路や読み込み用クロック信号発生回路などでは、水平同期信号に同期させてクロック信号を発生させる外部同期回路が必要となる。
従来、周波数が入力信号の周波数と同じで位相がトリガ信号の位相位置と一致する信号を作り出す同期信号選択回路として、図14に示すものがある(特開昭61−95606号)。即ち、必要とする同期出力信号の繰り返し周波数fのm倍(mは2以上の整数)の周波数の基準信号S0を受け、その基準信号の位相を遅延要素DL1,DL2により順次ずらせることによりn個(nは2以上の整数)の位相の異なる副基準信号SA,SB,SCをつくり、トリガ信号Gを受けたときからこれらの副基準信号を分周器23,24,25で分周し始め、それらの分周後の信号を論理回路22で論理合成し、その出力を同期出力信号として取り出す回路である。
この同期信号選択回路は、基準信号として同期出力信号の周波数fのm倍の周波数の信号を取り扱う必要があるが、位相分割数すなわち副基準信号の数nに対応してジッタが減少するものである。
このように同期信号選択回路では、基準信号S0からn個の位相の異なる副基準信号SA,SB,SCを作り出すことが重要であるが、従来は、多数の遅延要素DL1,DL2…を直列接続し、これに基準信号を通して位相を順次ずらせるという操作を行うことにより作成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の位相を順次にずらせるという技術では、高い周波数(50MHz〜100MHz程度)を取り扱うようになると、遅延要素DL1,DL2…に通す前の信号波形は、各遅延要素を通過する度に少しづつくずれて来て、位相を分割した意義がなくなって来ることがある。特に、仮に遅延要素を通す前の信号波形がデューティ50%の波形のものであっても、遅延要素に通すことにより信号波形がデューティ50%よりずれて来た場合、取り扱う周波数が実質上高くなったことになり、ICの動作可能な能力を上回る周波数限界が到来してしまうことがあるという問題がある。
また、上記の位相を順次にずらせるという技術では、位相分割数すなわち副基準信号の数nに対応してジッタが減少する。低い周波数(1MHz程度)を扱う場合には、用意すべき遅延要素の数が2000〜3000個にもなり、経済的な面でもまた素子の発熱の上でも不利となる。
従って、上記位相を順次にずらせるという技術によらないで、またできるだけ少ない数の半導体要素を用いて、トリガ信号に同期したクロック信号を取り出すことができる外部同期回路の出現が望まれている。
また、従来の外部トリガ信号が変動した場合、これに追従して自動的に出力クロックを同期させることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、入力クロック信号を外部トリガ信号に同期させることができる、構成が簡単で、しかも入力ディジタル信号がデューティ50%の波形に整形されて出力される実用的な外部同期方法及び外部同期回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、外部トリガ信号が変動しても、これに追従して自動的に出力クロックを同期させることができる外部同期方法及び外部同期回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
(1)請求項1の外部同期方法は、入力クロック信号を外部トリガ信号に同期させる外部同期方法におて、外部トリガ信号(EXT-TRIG)に同期した内部トリガ信号(INT-TRIG)を、次の外部トリガ信号(EXT-TRIG)が到来するまでの間に、入力クロック信号の周期(T)で多数作成し、これを第1のデューティ決定回路(3)と第2のデューティ決定回路(4)とに時間的に前後して分けて与え(SET−A1,SET−A2)、交互に、内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測し、内部トリガ信号(SET−A1,SET−A2)の位置で出力パルスを立ち上げ、上記計測されたデューティ50%に対応するタイミング位置(SA1,SA2)で出力パルスを立ち下げるようにしたものである。
外部トリガ信号の他に、自分自身により入力クロック信号の周期(T)で内部トリガ信号(INT-TRIG)を発生しているため、これに同期させて出力パルスを得ることが容易にできる。また、実際に内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測して割り出しているので、その位置は正確であり、デューティ50%のきれいな出力が得られる。
【0006】
(2)請求項2の外部同期方法は、上記請求項1記載の外部同期方法において、上記第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組用意し、一方の組を、外部トリガ信号間の一つの区間を処理するために用い、他方の組を隣の区間を処理するために用いるものである。従って、外部トリガ信号が一方の組の動作中に到来した場合でも、他方の組により出力波形を外部トリガ信号に同期させることができる。
【0007】
(3)請求項3の外部同期回路は、タイミング発生回路(1,11)からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号(EXT-CK)の一周期(T)における外部トリガ信号(EXT-TRIG)からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の到来した位相位置に対応する位相位置で内部トリガ信号(INT-TRIG)を作成して出力する内部トリガ作成回路(10)と、 上記内部トリガ信号(INT-TRIG)を受け、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の各区間において、内部トリガ信号(TRIG-A)を第1群の信号(SET−A1)と第2群の信号(SET−A2)とに前後に分けて出力するモード切替信号作成回路(30)と、 上記第1群の信号(SET−A1)を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)と、上記第2群の信号(SET−A2)を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)と、 上記第1のフリップフロップ(6)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記第1のフリップフロップ(6)をリセットする第1のデューティ決定回路(3)と、 上記第2のフリップフロップ(8)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記第2のフリップフロップ(8)をリセットする第2のデューティ決定回路(4)と、 上記第1群の信号(SET−A1)と第2群の信号(SET−A2)とに同期してセットされ、上記第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)からの一致信号により反転動作される出力用のフリップフロップ(54)とを設けたものである。
【0008】
外部トリガ信号(EXT-TRIG)に同期した内部トリガ信号(INT-TRIG)を、次の外部トリガ信号(EXT-TRIG)が到来するまでの間に、入力クロック信号の周期(T)で多数作成し、これを第1のデューティ決定回路(3)と第2のデューティ決定回路(4)とに時間的に前後して分けて与え、交互に、内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測し、内部トリガ信号の位置で出力パルスを立ち上げ、上記計測されたデューティ50%に対応するタイミング位置で出力パルスを立ち下げる。外部トリガ信号の他に、自分自身により入力クロック信号の周期(T)で内部トリガ信号(INT-TRIG)を発生しているため、これに同期させて出力パルスを得ることが容易にできる。しかも、到来する外部トリガ信号のパルス幅や、外部トリガ信号の到来する間隔や変則的であっても、これに同期させることができる。また、実際に内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測して割り出しているので、その位置は正確であり、デューティ50%のきれいな出力が得られる。
【0009】
(4)請求項9の外部同期回路は、タイミング発生回路(1,11)からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号(EXT-CK)の一周期(T)における外部トリガ信号(EXT-TRIG)からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の到来した位相位置に対応する位相位置で基準内部トリガ信号(INT-TRIG)を作成し、これを外部トリガ信号(EXT-TRIG)のA区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号(TRIG-A,TRIG-B)として出力する内部トリガ作成回路(10)と、 上記内部トリガ信号の一方(TRIG-A)を受け、上記A区間内において、それぞれ内部トリガ信号(TRIG-A)を第1群の信号(SET−A1)と第2群の信号(SET−A2)とに前後に分けて出力するA側のモード切替信号作成回路(30)と、 上記A側の第1群の信号SET−A1を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)及び上記第2群の信号SET−A2を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)と、 上記A側の第1のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記A側の第1のフリップフロップをリセットする第1のデューティ決定回路(3A)と、 上記A側の第2のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記A側の第2のフリップフロップをリセットする第2のデューティ決定回路(4)Aと、 上記内部トリガ信号の他方(TRIG-B)を受け、上記B区間内において、それぞれ内部トリガ信号(TRIG-Bを第1群の信号(SET−B1)と第2群の信号(SET−B2)とに前後に分けて出力するB側のモード切替信号作成回路(30)と、
上記B側の第1群の信号(SET−B1)を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)及び上記第2群の信号(SET−B2)を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)と、 上記B側の第1のフリップフロップ(6)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記B側の第1のフリップフロップ(6)をリセットする第1のデューティ決定回路(3B)と、 上記B側の第2のフリップフロップ(8)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記B側の第2のフリップフロップ(8)をリセットする第2のデューティ決定回路(4B)と、 上記A側及びB側それぞれの第1群の信号(SET−A1,SET−B1)と第2群の信号(SET−A2,SET−B2)とに同期してセットされ、上記A側及びB側それぞれの第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)からの一致信号により反転動作される出力用のフリップフロップ(54)とを設けたものである。
【0010】
請求項4の外部同期回路は、上記第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組具備しているので、外部トリガ信号が一方の組の動作中に到来した場合でも、他方の組により出力波形を外部トリガ信号に同期させることができる。
【0011】
(5)請求項4又は10の外部同期回路は、上記請求項3又は9記載の外部同期回路において、 上記各デューティ決定回路(3,4)が、それぞれ、遅延ライン発振器(41)と、その発振巡回数を計数するカウンタ(47)及びラッチ回路(48)と、その計数値の1/2の値を算出する演算回路(49)と、そして上記カウンタの値が該演算結果に合致したとき一致信号を出力する一致回路(50)とを有して構成され、 上記各デューティ決定回路(3,4)には、それぞれORゲート(7,9)が前置され、該ORゲートを通して、上記内部トリガ信号(TRIG-A,TRIG-B)の存在しない区間において入力クロック信号の1周期(T)より若干長い実際計測区間(T3)を指示する信号(WC-A1/B1,WC-A2/B2)が入力され、これにより実際計測区間(T3)だけ遅延ライン発振器が発振を行い、また、その発振中に入力クロック信号の1周期(T)に対応する長さ位置を指示する目標計測区間(T1)のタイミング信号(1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2)を上記ラッチ回路(48)に与えてカウンタ(47)の値をラッチさせる、ものである。
【0012】
入力クロック信号(CK)の1周期(T)の整数倍の間隔ごとに到来する目標計測区間(T1)のタイミング信号(1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2)を用いて、1周期の長さを計測する。この計測値を基に、演算回路(49)が、その計数値の1/2の値つまりデューティ50%のタイミング値を算出する。そして、上記整数倍の間隔内において、外部トリガ信号に同期した位置からの長さの計測が実行され、当該計測値が上記算出された値(計数値の1/2)と一致したとき一致信号(SA,SB)が一致回路(50)から出力される。この一致信号は、出力クロック信号をデューティ50%のタイミング位置で立ち下げるのに利用される。
このため、任意の周期を持つ入力クロック信号(CK)に対応することができ、また、そのクロック周期が変動する場合にも追従することができる。
【0013】
(6)請求項5又は11の外部同期回路は、請求項4又は10記載の外部同期回路において、上記遅延ライン発振器(41)が、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート(42)と、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータ(43)と、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ(44)中に挿入されたインバータ(45)とで構成されるものである。
奇数段のインバータである結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される結果、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
【0014】
(7)請求項6又は12の外部同期回路は、請求項3又は9記載の外部同期回路において、上記各デューティ決定回路(3,4)からの一致信号をフリップフロップ(54)に入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲート(51,52)を設けたものであり、安定した動作が保障される。
【0015】
(8)請求項7又は13の外部同期回路は、請求項6又は12記載の外部同期回路において、上記一致信号を禁止するANDゲートに、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の区間を示す外部トリガ区画信号(TRIG-STOPA,TRIG-STOPB)を入力したものである。これは、例えば、まだA側を処理中においてトリガが到来した場合、他のB側に処理を移したとき、前回の動作の延長として発生される一致信号により、出力パルスが新たなトリガに同期していない前回に同期した位置で立ち下がってしまうのを防止するものであり、トリガ到来時の誤動作防止に有効である。
【0016】
(9)請求項8の外部同期回路は、請求項3,4,5,6又は7記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップ(54)の代わりに、上記第1群の信号(SET−A1)を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)の出力と、上記第2群の信号(SET−A2)を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)の出力とを入力とする出力用のORゲート(56)を設けたものである。
出力用のフリップフロップ(54)を設ける場合に比べ、構成が簡単に成るという利点が得られる。
【0017】
(10)請求項14の外部同期回路は、請求項9,10,11,12又は13記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップ(54)の代わりに、上記A側及びB側の第1群の信号(SET−A1,SET−B1)を受けて動作する第1のフリップフロップの出力と、上記第2群の信号(SET−A2,SET−B2)を受けて動作する第2のフリップフロップの出力とを入力とする出力用のORゲート(56)を設けたものである。同様に、出力用のフリップフロップ(54)を設ける場合に比べ、構成が簡単に成るという利点が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に外部同期回路を左右に分けて示す。この外部同期回路は、タイミング発生回路1,2と、該タイミング発生回路1からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号EXT-CKの一周期Tにおける外部トリガ信号EXT-TRIG(第4図(1))からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、EXT-TRIGの到来した位相位置に対応する位相位置で基準内部トリガ信号INT-TRIGを作成し、これを外部トリガ信号EXT-TRIGの到来する度に区画されるA区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bとして出力する内部トリガ作成回路10と、タイミング発生回路2で作成されたタイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示する2組のデューティ決定回路3,4(添字A,Bを付して以下区別する)とを有する。
【0019】
(1)タイミング発生回路1
第1のタイミング発生回路1は、外部トリガ信号EXT-TRIG(第4図(1))を受けて、外部トリガ信号EXT-TRIGを一定のパルス幅に変換した基準外部トリガ信号TRIG-AB(第4図(8))と、そして外部トリガ信号EXT-TRIGの到来で区画される一区間(A区間)を隣の区間(B区間)と区別するための外部トリガ区画信号TRIG-STOPA,TRIG-STOPB(第4図(2)のD−FF-Q,同(3)のD−FF-QN)を作成し出力する。
【0020】
(2)内部トリガ信号作成回路10
内部トリガ信号作成回路10は、外部トリガ信号EXT-TRIGが入力される度に入れ替わる、2系統A,Bの内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-B(第5図(25)(26))を作成する回路であり、第2のタイミング信号発生回路11と、第1及び第2の位相位置付与回路12,13と、両位相位置付与回路12,13の出力をORして基準内部トリガ信号INT-TRIGを作成するORゲート(FSA1)25と、この基準内部トリガ信号INT-TRIGを外部トリガ信号EXT-TRIGの到来する度に上記A区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bとして出力する論理ゲート部(AND-A,AND-B)26とを有する。
【0021】
(a)タイミング発生回路11
タイミング発生回路11は、外部トリガ信号から数えてどのくらいの位相位置にあるのかを知ることを可能とするために、入力クロック信号EXT-CKの1周期T内で、その前縁からの位相位置計測区間を指示するタイミング信号CKFA,CKFB(位相位置計測区間信号)(第4図(10)(11))を作る。
【0022】
この位相位置計測区間信号CKFA,CKFBは、入力クロック信号EXT-CKと同期して立ち上がり、入力クロック信号EXT-CKの1周期T内で立ち下がる信号(第4図のパルス幅T2)である。これは入力クロック信号EXT-CKの1周期T内のいずれの位置で外部トリガ信号EXT-TRIGが到来しても、その位置を計測し把握可能とするために用いられる。この実施形態では、最も少ないCKFA,CKFBの二系統で1周期T内の全区間をカバーできるようにすべく、CKFA,CKFBにはできるだけデューティの広い信号(デューティが50%以上)を使用し、互いの位相を180゜ずらせている。従って、デューティが50%以上である結果、外部トリガ信号EXT-TRIGが入力クロック信号EXT-CKの1周期T内のいずれの位置で到来しても、両信号CKFA,CKFBのHレベルにある区間の必ずどこかで重なることになり、また互いの位相を180゜ずらせている結果、高精度の測定が得られることになる。
【0023】
上記の位相位置計測区間信号CKFA,CKFBは、具体的には、図11(a)に示すように、入力クロック信号EXT-CKの位相位置を少しづつDL1,DL2,DL3とずらせてCKFAはORを、CKFBはANDをとることにより作成しているが、図11(b)に示すように、入力クロック信号EXT-CKを分周してその位相位置を若干ずらせることにより、2倍以上の周期を基本単位とする位相位置計測区間信号CKFA,CKFBとすることもできる。
【0024】
(b)第1及び第2の位相位置付与回路12,13
第1及び第2の位相位置付与回路12,13は全く同じ構成であり、それぞれ、遅延ライン発振器14と、その発振巡回数を計数するカウンタ20と、そのカウンタ20の内容を基準外部トリガ信号TRIG-ABの発生したタイミング位置(図4のG1,G2,G3又はG4点)でラッチするラッチ回路21と、そのラッチされた値(x1,x2,…、y1,y2,…)にカウンタ20の出力値が一致したとき出力を発生する一致回路22と、前記ラッチ回路21でラッチした位相位置が不適切であった場合、つまりラッチした結果がオール「0」であったときに、該ラッチ回路の出力を利用して、一致停止信号を出力するORゲート(OR-AD0)23と、該ORゲート23の出力と一致回路22の出力とを2入力とするANDゲート24とを有して構成されている。
【0025】
そして、第1の位相位置付与回路12の遅延ライン発振器14には、タイミング発生回路11からの位相位置計測区間信号CKFAが入力され、また第2の位相位置付与回路13の遅延ライン発振器14には、タイミング発生回路11からの位相位置計測区間信号CKFBが入力されている。
【0026】
(i)遅延ライン発振器14
遅延ライン発振器14は、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート15と、該NANDゲート15の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のC-MOSインバータ16と、該インバータ16の出力端子から上記NANDゲート15の他方の入力端子への帰還ループ17中に挿入された反転用の単なるインバータ18とで構成されている。遅延素子としてのインバータ16には、C-MOSインバータの他に、ECLインバータ,IILインバータなどが使用できる。
【0027】
この遅延ライン発振器14は、上記タイミング発生回路11から位相位置計測区間信号CKFA,CKFB(第4図(10)(11))を受けて、その立ち上がりで計測のための発振を開始し、立ち下がりで発振を停止する。即ち、通常NANDゲート15は、その一方の入力端子が論理レベルL、出力がH、インバータ16はその出力がL、そしてインバータ18はその出力(NANDゲート15の他方の入力端子)がHの状態にあり、発振を停止している。しかし、通常NANDゲート15の一方の入力端子が論理レベルHに替わると、NANDゲート15の出力がL、インバータ16の出力がH、インバータ18の出力がL、NANDゲート15の他方の入力がH、NANDゲート15の出力がH…というように状態が変化し、発振する。そして、位相位置計測区間信号CKFA,CKFBの立ち下がりで発振を停止する。
【0028】
(ii)カウンタ20
カウンタ20は、そのクロック入力端子CKが上記遅延ライン発振器14の出力端子に接続されており、上記遅延ライン発振器14の出力DL−OSC1,DL−OSC2の変化、つまり発振の一巡回毎に1回発生する出力変化をカウントする。また、カウンタ20のクリア端子CLには上記遅延ライン発振器14と同じ入力信号、つまり位相指標信号CKFA,CKFBが入力される。
【0029】
従って、カウンタ17は、遅延ライン発振器14の発振及び停止の動作と同じく、上記タイミング信号CKFA,CKFBの立ち上がりでカウントを開始し、同タイミング信号CKFA,CKFBの立ち下がりでカウントを停止する。
【0030】
(iii)ラッチ回路21
ラッチ回路21は、上記カウンタ20の桁出力を入力としており、クロック入力端子CKには上記タイミング発生回路1で作成された基準外部トリガ信号TRIG-ABが入力されている。従って、このラッチ回路21は、基準外部トリガ信号TRIG-ABが立ち上がった時点、つまり外部トリガ信号が到来した時点(図4のG1,G2,G3又はG4点)で、カウンタ20のカウント値(発振の巡回数)x又はy(図4のx1,x2,…、y1,y2,…)をラッチする。
【0031】
従って、ラッチ回路21には、入力クロック信号CKの立ち上がりから基準外部トリガ信号TRIG-ABが到来するまでの長さを計数した発振巡回数のカウント値(外部トリガ信号が到来した位相位置x又はy)がラッチされる。
【0032】
(iv)一致回路
一致回路22は、ラッチ回路21のパラレル出力を一方の入力とし、上記カウンタ20の出力SAを他方の入力としている。そして、一致回路22は、上記カウンタ20の計数値が上記ラッチ回路21の出力値(外部トリガ信号の到来した位相位置x又はy)まで増加したとき、一致信号SAを出力する。
【0033】
一致信号SAはORゲート23の出力(第4図(17))がHの間、ANDゲート24から取り出されて信号FSA1(図5の(20)のパルスx1,x2,x3…)又はFSB1(図5の(21)のパルスy1,y2,y3…)となり、ORゲート25を通して基準内部トリガ信号INT-TRIGとして合成されて、論理ゲート部26に送られる。そして、この基準内部トリガ信号INT-TRIGは論理ゲート部26を通ることにより、内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bとして、A区間とB区間とに振り分けて取り出される(第5図(25)(26))。
【0034】
なお、ORゲート23の出力がHであるということは、CKFAがラッチ21でラッチしたときHであったということ、つまりEXT-TRIGの位相位置を測定する条件が整っていたことを示している。この場合のみOR23出力はHとなる。
【0035】
かくして、外部トリガ区画信号D−FF-Q,D−FF-QNで示されるA区間内とB区間内において、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して複数個生起される内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-B(第5図(25)(26))が得られた。
【0036】
(3)タイミング発生回路2
図6にタイミング発生回路2の回路構成を示す。この第3のタイミング発生回路2は、A系統及びB系統に共通なタイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2,WC-A1/B1,WC-A2/B2を作り、これをデューティ決定回路3A,4Aと3B,4Bとに与える。また、A系統及びB系統の各々は、それぞれ2つのデューティ決定回路3,4から成るため、A系統及びB系統の各々を構成する2つのデューティ決定回路3,4のうちの一方を二者択一的に選択するためのタイミング信号BLOCK-SELを作り、これを、各デューティ決定回路3A,4A,3B,4Bに前置したD−FF31、D−FF32にそのデータ入力として与える。なお、FFはフリップフロップを意味する。
【0037】
1/2CK-A1/B1(図7の(9)),1/2CK-A2/B2(図7の(6))は入力クロック信号CKの1周期Tの長さとして計測すべき区間(目標計測区間)T1を確定するためのタイミング信号であり、具体的には、入力クロック信号CKを1/2分周することにより得られる信号である。
【0038】
WC-A1/B1(図7の(11)),WC-A2/B2(図7の(8))は上記目標計測区間T1にわたって計測動作を持続させるための区間(実際計測区間)T3を確立するためのタイミング信号である。このWC-A1/B1,WC-A2/B2は、上記1/2CKよりも立ち下がりが若干遅れた信号、つまり入力クロック信号CKと同時に立ち上がり幅が入力クロック信号CKの1周期Tより若干長い信号である。
【0039】
このWCは、1/2CKをその1/2周期の幅内で若干遅延させた信号DL-AB1(図7の(10)),DL-AB2(図7の(7))を作り、これと1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2との論理和をとることにより得ている。
【0040】
BLOCK-SEL(図7の(12))は、タイミング発生回路2内のJK−FFの出力Qの信号、つまり入力クロック信号EXT-CKの2周期毎の立ち下がりで反転する信号であり、デューティ決定回路3,4を切り替えて使用するための動作回路切替信号として使用される。この動作回路切替信号BLOCK-SELは、出力QがHのとき、デューティ決定回路3側(A1/B1側)が測定区間(デューティ決定回路4側(A2/B2側)が発振照合区間)であることを指示し、出力QがLのとき、デューティ決定回路4側(A2/B2側)が測定区間(デューティ決定回路3側(A1/B1側)が発振照合区間)であることを指示する。
【0041】
(4)モード切替信号作成回路30
上記タイミング発生回路2の動作回路切替信号BLOCK-SELは、モード切替信号作成回路30を構成するD−FF31,32(D−FF-RA,D−FF-RB)のデータ入力端子Dに入力されており、該D−FF31,32のクロック入力端子CKには、内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bが入力されている。
【0042】
D−FF31のQN出力端子にはANDゲート33が、またQ出力端子にANDゲート34が接続されており、両ANDゲート33,34には、それぞれ更に、内部トリガ信号TRIG-Aと外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとが入力されている。
【0043】
同様に、D−FF32のQN出力端子にはANDゲート35が、またQ出力端子にANDゲート36が接続されており、両ANDゲート35,36には、それぞれ更に、内部トリガ信号TRIG-Bと外部トリガ区画信号TRIG-STOPBとが入力されている。
【0044】
上記ANDゲート33,34からは、SET-A1,SET-A2(図7の(17)(15))が、ANDゲート35,36からは、SET-B1,SET-B2(図7の(21)(20))が取り出される。
【0045】
SET-A1(図7の(17))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがLのとき、つまり動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がLのとき(A1/B1側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Aの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、A1側(デューティ決定回路3A側)のRS−FF6のセット入力となる。
【0046】
SET-A2(図7の(15))は、タイミング発生回路2からの動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がHのとき(A2/B2側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Aの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、A2側(デューティ決定回路4A側)のRS−FF8のセット入力となる。
【0047】
SET-B1(図7の(21))は、タイミング発生回路2からの動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がLのとき(A1/B1側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Bの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、B1側(デューティ決定回路3B側)のRS−FF6のセット入力となる。
【0048】
SET-B2(図7の(20))は、タイミング発生回路2からの動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がHのとき(A2/B2側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Bの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、B2側(デューティ決定回路4B側)のRS−FF8のセット入力となる。
【0049】
(5)デューティ決定回路3,4
図2に示す様に、デューティ決定回路3,4を1組とし、これを2系統A,B設けて成る計2組のデューティ決定回路3A,4A、3B,4Bは、それぞれ、遅延ライン発振器41と、その発振巡回数を計数するカウンタ47と、そのカウンタ47の内容をラッチするラッチ回路48と、その計数値の1/2の値を算出する演算回路49と、そして演算回路49に設けられた一致回路50とを有して構成されている。
【0050】
(a)遅延ライン発振器41
遅延ライン発振器41は、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート42と、該NANDゲート42の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のC-MOSインバータ43と、該インバータ43の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子への帰還ループ44中に挿入された反転用の単なるインバータ45とで構成されている。遅延素子としてのインバータ43には、C-MOSインバータの他に、ECLインバータ,IILインバータなどが使用できる。
【0051】
この遅延ライン発振器41は、上記タイミング発生回路2からタイミング信号WC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)を受けて、その立ち上がりで計測のための発振を開始し、立ち下がりで発振を停止する。即ち、通常NANDゲート42は、その一方の入力端子が論理レベルL、出力がH、インバータ43はその出力がL、そしてインバータ45はその出力(NANDゲート42の他方の入力端子)がHの状態にあり、発振を停止している。しかし、通常NANDゲート42の一方の入力端子が論理レベルHに替わると、NANDゲート42の出力がL、インバータ43の出力がH、インバータ45の出力がL、NANDゲート42の他方の入力がH、NANDゲート42の出力がH…というように状態が変化し、発振する。そして、WC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)の立ち下がりで発振を停止する。
【0052】
このWC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)の立ち上がりは、上記タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の立ち上がりと同時であり、立ち下がりは同タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2の立ち下がりより少し遅れる。要するに、この遅延ライン発振器41は、上記入力クロック信号CKを1/2分周して得たタイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2の立ち上がり(目標計測区間T1の始まり)で発振を開始し、同1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2の立ち下がり後(目標計測区間T1の終了後)に発振を停止する。
【0053】
(b)カウンタ47
カウンタ47は、そのクロック入力端子CKが上記遅延ライン発振器41の出力端子に接続されており、上記遅延ライン発振器41の出力DL−OSC-Aの変化、つまり発振の一巡回毎に1回発生する出力変化をカウントする。
【0054】
また、カウンタ47のクリア端子CLには、ライン46を通して、上記遅延ライン発振器41と同じ入力信号、つまりタイミング信号WC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)が入力される。従って、カウンタ47は、遅延ライン発振器41の発振及び停止の動作と同じく、上記タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の立ち上がった時点でカウントを開始し、同タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)が立ち下がってから後にカウントを停止する。
【0055】
よって、タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の1周期区間の間は発振の巡回数のカウントが持続する。
【0056】
(c)ラッチ回路48
ラッチ回路48は、上記カウンタ47の桁出力を入力としており、クロック入力端子CKには上記タイミング発生回路2で作成されたタイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)が入力されている。
【0057】
従って、このラッチ回路48は、タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)が立ち下がった時点、つまり目標計測区間T1が終了した時点で、カウンタ47のカウント値(発振の巡回数)をラッチする。従って、ラッチ回路48には、タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の1周期区間の長さ(入力クロック信号CKの1周期T)に対応する発振巡回数のカウント値がラッチされる。
【0058】
(d)演算回路49
演算回路49は、上記ラッチ回路48のパラレル出力を受け、ラッチされている発振巡回数のカウント値の1/2の値、つまり50%のデューティ値を算出する。この50%のデューティ値は一致回路50の一方の入力となる。
【0059】
(e)一致回路50
一致回路50は、それぞれ、上記演算回路49のパラレル出力(演算結果の1/2の値)を一方の入力とし、上記カウンタ17の出力を他方の入力としている。そして、この一致回路50は、上記カウンタ47の計数値が上記演算結果に合致する値まで増加したとき、一致信号SA,SBを出力する。正確には、デューティ決定回路3Aは一致信号SA1を、デューティ決定回路4Aは一致信号SA2を、デューティ決定回路3Bは一致信号SB1を、そしてデューティ決定回路4Bは一致信号SB2を、出力する。
【0060】
(6)前置FF及び前置ORゲート
A,B各組のデューティ決定回路3,4の前には、それぞれにRS−FF6,8が前置されており、該RS−FF6,8は、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間T6において、上記信号SET-A1,SET-A2,SET-B1,SET-B2に同期して毎回セットされ、上記一致信号SA1,SA2,SB1,SB2でリセットされる。
【0061】
即ち、A1側及びB1側(デューティ決定回路3A,3B側)のRS−FF6,6は、上記信号SET-A1,SET-B1に同期して毎回セットされ、上記一致信号SA1,SB1でリセットされる。また、A2側及びB2側のRS−FF8,8は、上記信号SET-A2,SET-B2に同期して毎回セットされ、上記一致信号SA2,SB2でリセットされる。
【0062】
また、A,B各組のデューティ決定回路3及び4毎にORゲート7,9が前置されており、該ORゲート7,9を通して、上記SR−FF6,8の出力と、上記実際計測区間T3を指示する信号WC-A1/B1,WC-A2/B2とが、所属のデューティ決定回路3及び4に入力されている。
【0063】
そして、幅作成回路5は、信号SET-A1,SET-A2,SET-B1,SET-B2に同期して毎回リセットされ、A,B各組のデューティ決定回路3及び4から得られる一致信号SA1,SA2,SB1,SB2により状態が切り替わる出力用のフリップフロップ(D−FF)54を具備する。
【0064】
(a)A系統の構成
詳述するに、A系統(A側)のデューティ決定回路3,4(3A,4A)のうち、第1のデューティ決定回路3AにはRS−FF6が前置されており、そのQ出力は、ORゲート7(OR-A1)を通してデューティ決定回路3の遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート51の一方の入力端子に入力されている。そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ50%の一致出力は、これに前置されたRS−FF6のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート51及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このD−FF54とRS−FF6は共に幅作成回路5の一部を構成する。
【0065】
このRS−FF6(RS−FF-A1-Q;図9の(10))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがLのとき、つまりA1側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Aに同期して発生される短パルスSET-A1(図9の(6))によりセットされ、上記一致信号SA1(図9の(13))によりリセットされる(図9の(10)参照)。
【0066】
従って、図9の第4周期目t4,第5周期目t5でRS−FF6(RS−FF-A1-Q;図9の(10))の出力端子Qに生じたパルスP3,P4により、一致信号SA1がANDゲート51を通過し(AND-A1;図9の(14))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図9のk,r点で生じたSET−A1により立ち上がり、q,s点で生じた一致信号SA1(AND-A1;図9の(14))により立ち下がるパルスP3′,P4′が現れる。
【0067】
かかる構成の第1のデューティ決定回路3Aと全く同一に構成された第2のデューティ決定回路4Aには、RS−FF8及びORゲート9が前置されており、そのQ出力は、ORゲート9(OR-A2)を通してデューティ決定回路4Aの遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート52の一方の入力端子に入力されている。
【0068】
そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ決定回路4Aのデューティ50%の一致出力は、これに前置されたRS−FF8のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート52及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このRS−FF8も、ORゲートD−FF54と共に幅作成回路5を構成する。
【0069】
このRS−FF8(RS−FF-A2-Q;図9の(17))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがHのとき、つまりA2側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Aに同期して発生される短パルスSET-A2(図9の(7))によりセットされ、上記一致信号SA2(図9の(19))によりリセットされる(図9の(17)参照)。
【0070】
従って、図9の第2周期目t2,第3周期目t3でRS−FF8(RS−A2-Q;図9の(17))の出力端子Qに生じるパルスP1,P2により、一致信号SA2が2個発生することになる。そして、この一致信号SA2がANDゲート52を通過し(AND-A2;図9の(20))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図9のd,f点で生じたSET−A2により立ち上がり、図9のe,g点で生じた一致信号SA2(正確には出力AND-A2;図9の(20))により立ち下がるパルスP1′,P2′が現れる。
【0071】
但し、図9の例では、第6周期目t6において第2の外部トリガ信号EXT-TRIG(図9のG2)が到来しているため、2つ目のSET-A2が発生しない(図7の(15)、図9の(7)参照)。従って、この2つ目のパルスP2(点線で示す)は発生しない。
【0072】
(b)B系統の構成
B系統(B側)のデューティ決定回路3,4(3B,4B)についての前置FF及び前置ORゲートも、上記と同様に構成されている。即ち、第1のデューティ決定回路3BにはRS−FF6が前置されており、そのQ出力は、ORゲート7(OR-B1)を通してデューティ決定回路3Bの遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート51の一方の入力端子に入力されている。
【0073】
そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ50%の一致信号SB1は、これに前置されたRS−FF6のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート51及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このD−FF54とRS−FF6は共に幅作成回路5の一部を構成する。
【0074】
このRS−FF6(RS−FF-B1-Q;図10の(22))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがLのとき、つまりB1側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Bに同期して発生される短パルスSET-B1(図10の(21))によりセットされ、上記一致信号SB1(図10の(24))によりリセットされる(図10の(22)参照)。
【0075】
従って、図10の第8周期目t8,第9周期目t9でRS−FF6(RS−FF-B1-Q;図10の(22))の出力端子Qに生じたパルスP7,P8により、一致信号SB1がANDゲート51を通過し(AND-B1;図10の(25))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。
【0076】
よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図10のk2,r2点で生じたSET−B1により立ち上がり、q2,s2点で生ずる一致信号SB1(正確にはAND-B1;図10の(25))により立ち下がるパルスP7′,P8′が現れる。
【0077】
かかる構成の第1のデューティ決定回路3Bと全く同様に、第2のデューティ決定回路4Bには、RS−FF8及びORゲート9が前置されており、そのQ出力は、ORゲート9(OR-B2)を通してデューティ決定回路4Bの遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート52の一方の入力端子に入力されている。
【0078】
そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ決定回路4Bのデューティ50%の一致出力は、これに前置されたRS−FF8のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート52及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このRS−FF8も、ORゲートD−FF54と共に幅作成回路5を構成する。
【0079】
このRS−FF8(RS−FF-B2-Q;図10の(27))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがHのとき、つまりB2側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Bに同期して発生される短パルスSET-B2(図10の(26))によりセットされ、上記一致信号SB2(図10の(29))によりリセットされる(図10の(27)参照)。
【0080】
従って、図10の第6周期目t6,第7周期目t7でRS−FF8(RS−FF-B2-Q;図10の(27))の出力端子Qに生じるパルスP5,P6により、一致信号SB2(正確にはAND-B2;図10の(30))が2個発生することになる。
【0081】
そして、この一致信号SA2がANDゲート52を通過し(AND-B2;図9の(20))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図10のd2,f2点で生じたSET−B2により立ち上がり、図10のe2,g2点で生じた一致信号SB2(正確には出力AND-B2;図10の(30))により立ち下がるパルスP5′,P6′が現れる。
【0082】
但し、図10ではパルスP5′はその前のパルスP1′と連続しているため、それだけ長くなっている。
【0083】
(7)幅作成回路5
幅作成回路5は、プリセット可能なD−FF54を有し、そのQN端子とD端子は直結されている。また、プリセット入力端子PRには、SET-A1,SET-A2,SET-B1,SET-B2の信号がORゲート55を介して入力されると共に、D−FF54のクロック入力端子CKにはORゲート53を介して、一致出力SA1,SA2,SB1,SB2が入力されている。
【0084】
各デューティ決定回路3A,4A,3B,4Bの一致回路50の一致出力端子SA1,SA2,SB1,SB2からORゲート53へのライン中には、測定期間中の一致出力u1,u2,u3…(図9及び図10)を禁止するため、ANDゲート51又は52が設けられ、RS−FF6,8からのQ出力とのANDがとられている。
【0085】
また、RS−FF6又はRS−FF8のQ出力が立ち上がった直後に外部トリガ信号EXT-TRIG(図10のトリガG3)が到来した場合、つまりRS−FF6又はRS−FF8をリセットする一致信号SA1,SA2,SB1,SB2が発生する前に、外部トリガ信号EXT-TRIGが到来した場合は、新たな外部トリガ信号EXT-TRIGから数えた正しい一致信号(図10のe3点)が発生する前に、古い方の一致信号(図10のw点)が時間的に先に発生して、D−FF54のQ出力を立ち下げてしまう。この不都合を回避するため、A系統のANDゲート51,52の入力には、外部トリガ区画信号TRIG-STOPAが加えられ、またB系統のANDゲート51,52の入力には、外部トリガ区画信号TRIG-STOPBが加えられている。
【0086】
(8)動作
(a)概要
上記各組A,Bを構成する第1のデューティ決定回路3と第2のデューティ決定回路4とは、図9及び図10に動作サイクルC1,C2として示すように、互いに入力クロック信号CKの2周期分だけずれて交互に動作する。そして、一方の組、例えばA側の組で処理していたとき、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来時期との関係で、処理が間に合わなくなったときは、自動的に他方のB側の組に処理を移す。
【0087】
但し、本実施形態では、自動的に外部トリガ信号EXT-TRIGが到来する度に、A系統とB系統とを切り替える。
【0088】
A側の第2のデューティ決定回路4Aは、図9及び図10に示すように、入力クロック信号CKの4周期(4T)づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC1)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t1)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(A2側の目標計測区間)T1を計測する。
【0089】
そして、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/2の値(デューティ50%のタイミング位置)を算出しておく。続く後半の第3周期目(t3)及び第4周期目(t4)において、それぞれ内部トリガ信号TRIG-Aに同期した信号SET−A2の発生した時点(図9のd点,f点)から、遅延ライン発振器41を発振させて、上記算出値に合致するまで、即ちデューティ50%のタイミング位置になるまでの長さT5を計測し、一致した時点でデューティ50%のタイミング位置である旨の一致信号SA2(図9のe点,g点)を出力する。
【0090】
A側の第1のデューティ決定回路3Aは、第1のデューティ決定回路3と2周期分だけずれたその動作サイクルC2を有する。即ち、第1のデューティ決定回路4は、図2にt3〜t6として示す入力クロック信号CKの4周期づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC2)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t3)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(目標計測区間)T1を計測し、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/2の値(デューティ50%のタイミング位置)を算出する。続く後半の第4周期目(t4)及び第5周期目(t5)において、それぞれ内部トリガ信号TRIG-Aに同期した信号SET−A1の発生した時点(図9のk点,r点)から、遅延ライン発振器41を発振させる。
【0091】
この発振巡回数をカウンタすることにより、上記算出値と合致する点、即ちデューティ50%のタイミング位置になるまでの長さT5を計測し、一致した時点でデューティ50%のタイミング位置である旨の一致信号SA1(図9のq点,s点)を出力する。
【0092】
(b)A側の動作(トリガG1後)
(i) 4A側 第1周期目t1
図9の例では、入力クロック信号CKの第1周期目t1で第1の外部トリガ信号G1が到来する。
【0093】
これに先立ち、図2のa点で、タイミング信号WC-A2/B2(図9の(16))がORゲート9を通してデューティ決定回路4Aと4Bの遅延ライン発振器41に入力されて、それぞれの遅延ライン発振器41が発振を開始すると共に、カウンタ47のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ47が発振の巡回数をカウント動作し始める。遅延ライン発振器41の発振が、少なくとも第2周期目t2のクロックが立ち上がりが完了するまで継続する。
【0094】
4A側(A系統の第2のデューティ決定回路4A側)の遅延ライン発振器41の発振は、WC-A2/B2の立ち下がり、つまり実際計測区間T3が終わった時点(図9のc点)で終了となる。この間に、1/2CK-A2/B2の目標計測区間T1の終わりが到来し(図9のb点)、1/2CK-A2/B2が立ち下がることで、ラッチ回路48がカウンタ47のカウント値(1周期の長さT=T1)をラッチする。
【0095】
ここで演算回路49は、ラッチ回路48の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/2の値(50%のデューティのタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路50の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0096】
(ii) 4A側 第2周期目t2
第2周期目t2に入ると、SET-A2(図9の(7))の到来によりRS−FF8がセットされる(図9のd点)。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通してデューティ決定回路4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させる。また、RS−FF8のQ出力は、ORゲート9を通して4A側のカウンタ47のクリアCLに加わってクリア解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。
【0097】
カウンタ47の出力は、一致回路50の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のe点)、一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0098】
この一致出力SA2は、RS−FF8のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。この一致出力SA2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図9の(17))は立ち下がり、パルスP1の形でANDゲート52の入力となる。このパルスP1と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート52からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA2が幅の狭いパルスAND-A2(図9の(20))となって発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0099】
出力側のフリップフロップであるD−FF54はSET-A1,SET-A2又はSET-B1,SET-B2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(図9の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その都度D−FF54のQ出力が反転(立ち下げ動作)し、出力端子OUTにパルスP1′として現れる。
【0100】
(iii) 4A側 第3周期目t3
続いて、第3周期目t3に入ると、再びSET-A2(図9の(7))が到来するので(図9のf点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のg点)、再び一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0101】
この一致出力SA2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図9の(17))は立ち下がり、パルスP2の形でANDゲート52の入力となる。従って、このパルスP1と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力とするANDゲート52からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA2(AND-A2;第9図の(20))が出力され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0102】
D−FF54はSET-A2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(第9図の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP2′として現れる。
【0103】
上記の出力パルスP1′,P2′は、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して立ち上がり、かつ、外部入力クロックCKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号であり、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに完全に同期させたものとなっている。しかも、その波形はデューティ50%のものとなっている。
【0104】
(iv) 3A側 第3周期目t3
上記4A側の動作に対し、3A側(A系統の第1のデューティ決定回路3A側)でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、第3周期目t3に入ると、実際計測区間(T3)を指示する信号WC-A1/B1(図9の(9))が立ち上がり(図9のh点)、ORゲート7を通してデューティ決定回路3Aの遅延ライン発振器41に加わり、遅延ライン発振器41の発振が開始されると共に、カウンタ47のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ47が発振巡回数のカウントを開始する。
【0105】
(v) 3A側 第4周期目t4
3A側の遅延ライン発振器41の発振は、少なくとも第4周期目t4のクロックの立ち上がりが完了するまで、継続する。
【0106】
3A側の遅延ライン発振器41の発振は、第5周期目t5のクロックが立ち上がる前までに生ずるWC-A1/B1の立ち下がりにより、つまり入力クロックCKの1周期Tを若干経過した実際計測区間T3が終わった時点(図9のj点)で終了となる。
【0107】
この間に、丁度入力クロックCKの1周期T相当分の長さを持つ1/2CK-A1/B1の目標計測区間T1の終わりが到来し(図9のi点)、ラッチ回路48のクロック入力端子CKに入力されている1/2CK-A1/B1が立ち下がることで、ラッチ回路48がカウンタ47のカウント値(1周期の長さT=T1)をラッチする。
【0108】
ここでA1側の演算回路49は、ラッチ回路48の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/2の値(デューティ50%のタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路50の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0109】
第4周期目t4に入ると、SET-A1(図9の(6))の到来によりRS−FF6がセットされる(図9のk点)。RS−FF6のQ出力(図9の(10))はANDゲート51に入力されると共に、ORゲート7を通して3A側の遅延ライン発振器41に加わりこれを発振させ、また、3A側のカウンタ47のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0110】
3A側のカウンタ47の出力は、一致回路50の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のq点)、一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0111】
この一致出力SA1は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SA1の発生した時点でRS−FF6のQ出力(図9の(10))は立ち下がり、パルスP3の形でANDゲート51の入力となる。
【0112】
従って、このパルスP3と一致出力SA1とTRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート51からは、一致出力SA1が出力AND-A1(図9の(14))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。但し、正確には、出力AND-A1は一致出力SA1の前縁にて発生される短パルスである。
【0113】
D−FF54はSET-A1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1に対応する短パルスAND-A1(図9の(14))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスP3′として現れる。
【0114】
なお、第3周期目t3で発生する一致パルスSA1(図9のu1)は、RS−FF6のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート51には出力が現れず、D−FF54が切り替わらない。従って、3A側が測定区間にあるとき発生する一致パルスu1の影響はANDゲート51で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0115】
(vi) 3A側 第5周期目t5
続いて、第5周期目t5に入ると、再びSET-A1(図9の(6))が到来するので(図9のr点)、RS−FF6がセットされる。RS−FF6のQ出力(図9の(10))はANDゲート51の入力になると共に、ORゲート7を通してA1側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0116】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のs点)、再び一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0117】
この一致出力SA1によりRS−FF6がリセットされるので、RS−FF6のQ出力(図9の(10))が立ち下がり、パルスP4の形でANDゲート51の入力となる。従って、このパルスP4と一致出力SA1とTRIG-STOPAとを3入力とするANDゲート51からは、パルスP4の幅内において、一致出力SA1が出力AND-A1(図9の(14))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0118】
D−FF54はSET-A1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1に対応する短パルスAND-A1(図9の(14))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP4′として現れる。
【0119】
かくして、D−FF54のQ出力から、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期し、かつ、外部入力クロックEXT-CKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号P1′,P2′,P3′,P4′…が得られる。しかも、その波形は必ずデューティ50%に修正されたものとなっている。この同期化とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう外部同期回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0120】
(c)B側の動作(トリガG2後)
(i) 4B側 第6周期目t6〜第7周期目t7
図9の例では、入力クロック信号CKの第6周期目t6で第2の外部トリガ信号G2が到来する。しかも、SET−A2により開始した50%デューティ位置の計測中に外部トリガ信号G2が到来したケースとなっている。
【0121】
外部トリガ信号G2が到来すると、タイミング発生回路1内部のD−FFが反転し、これにより外部トリガ区画信号TRIG-STOPAがL、TRIG-STOPBがHの状態(B側選択状態)に切り替わる。このため、A系統のD−FF31に属するANDゲート33,34(SET−A1,SET−A2)は禁止され、これに代わってB系統のD−FF32に属するANDゲート35,36(SET−B1,SET−B2)が能動となる。
【0122】
この時点で動作回路切替信号BLOCK-SELがHであったかLであったかに応じ、SET−B1,SET−B2のいずれかが発生する。本例では図7の(20)(21)に示すように、まずSET−B2(図7のd2,f2)が発生する。
【0123】
このSET-B2(図10の(26))を受けて、4B側(B系統の第2のデューティ決定回路4B)のRS−FF8がセットされる(図10のd2点)。RS−FF8のQ出力(図10の(27))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して第2のデューティ決定回路4B側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させる。
【0124】
また、RS−FF8のQ出力は、ORゲート9を通して4B側のカウンタ47のクリアCLに加わってクリアを解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。なお、1周期Tの測定は常に行われているので、演算回路49における50%デューティに相当する演算結果は、既に一致回路50に入力されている。
【0125】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図10のe2点)、一致回路50から一致出力SB2が発生される。
【0126】
この一致出力SB2により、RS−FF8がリセットされ、そのQ出力(図10の(27))が立ち下がり、パルスP5の形でANDゲート52の入力となる。このパルスP5と一致出力SB2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPBとを3入力としているANDゲート52からは、一致出力SB2が幅の狭いパルスAND-B2(図10の(30))となって発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0127】
D−FF54はSET-B2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB2に対応する短パルスAND-B2(図10の(30))がD−FF54にクロック入力として加わると、その都度D−FF54のQ出力が反転(立ち下げ動作)し、出力端子OUTにパルスP5′として現れる。なお、第8図で示す例では、第6周期目t6において、既にd1の位置ではD−FF54はプリセットされていたため、P5′はG2の位置よりも少し前から立ち上がった少し幅の広いパルスとなっている。
【0128】
(ii) 4B側 第7周期目t7〜第8周期目t8
再びSET-B2(図10の(26))が到来すると(図9のf2点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図10の(27))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して4B側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリアを解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0129】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図10のg2点)、再び一致回路50から一致出力SB2が発生される。この一致出力SB2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図10の(27))は立ち下がり、パルスP6の形でANDゲート52の入力となる。従って、このパルスP6と一致出力SB2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPBとを3入力とするANDゲート52からは、一致出力SB2(AND-B2;図10の(30))が出力され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0130】
D−FF54はSET-B2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB2に対応する短パルスAND-B2(図10の(26))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP6′として現れる。
【0131】
要するに、上記の出力パルスP5′,P6′のうち、出力パルスP5′は、第6周期目t6における前回のSET−A2(図9のd1点)に同期して立ち上がり、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来後、一致信号SB2(図9のe2点)で立ち下がる信号となる。この立ち下がり位置は、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来後と同時に入力クロック信号EXT-CKが立ち上がったとした場合に、そのデューティ50%信号の位置と一致する。
【0132】
また、上記の出力パルスP6′は、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して立ち上がり、かつ、外部入力クロックCKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号であり、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに完全に同期させたものとなっている。しかも、その波形はデューティ50%のものとなっている。
【0133】
(iii) 3B側 第8周期目t8〜第9周期目t9
上記4B側の動作に対し、3B側(B系統の第1のデューティ決定回路3B側)でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、発振、カウント、演算、一致の動作による1周期の測定が行われており、第8周期目t8において、SET-B1(図10の(21))が発生すると、RS−FF6がセットされる(図10のk2点)。
【0134】
RS−FF6のQ出力(図10の(22))はANDゲート51に入力されると共に、ORゲート7を通して3B側(デューティ決定回路3B側)の遅延ライン発振器41に加わりこれを発振させ、また、3B側のカウンタ47のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0135】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図10のq2点)、一致回路50から一致出力SB1が発生される。
【0136】
この一致出力SB1は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SB1の発生した時点でRS−FF6のQ出力(図10の(22))は立ち下がり、パルスP7の形でANDゲート51の入力となる。
【0137】
従って、このパルスP7と一致出力SB1とTRIG-STOPBとを3入力としているANDゲート51からは、一致出力SB1が出力AND-B1(図10の(25))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0138】
但し、正確には、出力AND-B1は一致出力SB1の前縁にて発生される短パルスである。
【0139】
D−FF54はSET-B1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1に対応する短パルスAND-B1(図10の(25))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスP7′として現れる。なお、第3周期目t3,第7周目t7等で発生する一致パルスSB1(図10のu3)は、RS−FF6のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート51には出力が現れず、D−FF54が切り替わらない。
【0140】
従って、3B側が測定区間にあるとき発生する一致パルスu3の影響はANDゲート51で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0141】
(iv) 3B側 第9周期目t9〜第10周期目t10
続いて、第9周期目t9においては、再びSET-B1(図10の(21))が到来するので(図10のr2点)、RS−FF6がセットされる。RS−FF6のQ出力(図10の(22))はANDゲート51の入力になると共に、ORゲート7を通して3B側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0142】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図10のs2点)、再び一致回路50から一致出力SB1が発生される。この一致出力SB1によりRS−FF6がリセットされるので、RS−FF6のQ出力(図10の(22))が立ち下がり、パルスP8の形でANDゲート51の入力となる。
【0143】
従って、このパルスP8と一致出力SB1とTRIG-STOPBとを3入力とするANDゲート51からは、一致出力SB1が出力AND-B1(図10の(25))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0144】
D−FF54はSET-B1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1に対応する短パルスAND-B1(図10の(25))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP8′として現れる。
【0145】
かくして、D−FF54のQ出力から、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期し、かつ、外部入力クロックEXT-CKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号P5′,P6′,P7′,P8′…が得られる。しかも、その波形は必ずデューティ50%に修正されたものとなっている。
【0146】
この同期化とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう外部同期回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0147】
(d)A側の動作(トリガG3後)
(i) 4A側 第10周期目t10〜第11周期目t11
図9の例では、入力クロック信号CKの第10周期目t10で第3の外部トリガ信号G2が到来する。しかも、SET−B1により開始した50%デューティ位置の計測中に外部トリガ信号G2が到来したケースとなっている。
【0148】
外部トリガ信号G3が到来すると、タイミング発生回路1内部のD−FFが反転し、これにより外部トリガ区画信号TRIG-STOPAがH、TRIG-STOPBがLの状態に切り替わる。このため、B系統のD−FF32に属するANDゲート35,36(SET−B1,SET−B2)は禁止され、これに代わってA系統のD−FF31に属するANDゲート33,34(SET−A1,SET−A2)が能動となる。
【0149】
この時点で動作回路切替信号BLOCK-SELがHであったかLであったかに応じ、SET−A1,SET−A2のいずれかが発生する。本例では図7の(15)(17)に示すように、まずSET−A2(図7のd3,f3)が発生する。
【0150】
このSET-A2(図9の(7))を受けて、RS−FF8がセットされる(図9のd3点)。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通してデューティ決定回路4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させる。また、RS−FF8のQ出力は、ORゲート9を通して4A側のカウンタ47のクリアCLに加わってクリア解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。
【0151】
なお、1周期Tの測定は常に行われているので、演算回路49における50%デューティに相当する演算結果は、既に一致回路50に入力されている。
【0152】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のe3点)、一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0153】
この一致出力SA2により、RS−FF8がリセットされ、そのセットQ出力(図9の(17))が立ち下がり、パルスP9の形でANDゲート52の入力となる。このパルスP5と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート52からは、一致出力SA2が幅の狭いパルスAND-A2(図9の(20))となって発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0154】
D−FF54はSET-A2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(図9の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その都度D−FF54のQ出力が反転(立ち下げ動作)し、出力端子OUTにパルスP9′として現れる。
【0155】
一方、上記トリガGの到来した時点では、まだB2側のSR−FF8のQ出力が、第10周期目t10における前回のSET−B2(図10のd2)により立ち上がったままであり、従ってB2側のSR−FF8がリセットされるまで50%デューティ位置を実測中である。
【0156】
このため、何も工夫しないとすると、SET−B2(図10のd2)から数えた50%デューティ位置にて、一致出力SB2(図10のw点)が現れ、これにより出力が立ち下がってしまう。即ち、新しいトリガG3に同期せず、従前のトリガG2に同期した位置で、出力OUTが立ち下がってしまうことになる。
【0157】
そこで、ANDゲート52には、TRIG-STOPAが加えられ、A側で動作している場合にはB側で発生する一致信号SB2が出力側に影響しないように、当該ANDゲートを禁止している。
【0158】
同様の理由から、A側のANDゲート51には外部トリガ区画信号TRIG-STOPAが加えられ、またB側のANDゲート51,52には外部トリガ区画信号TRIG-STOPBが加えられている。なお、トリガG2が到来した第6周期目t6の終わりでも、一致信号SA2(図9のw点)が生ずるが、これもA2側のANDゲート52により除去され、出力に影響を与えない。
【0159】
(ii) 4A側 第11周期目t11〜第12周期目t12
再びSET-A2(図9の(7))が到来すると(図9のf3点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0160】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のg3点)、再び一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0161】
この一致出力SA2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図9の(17))は立ち下がり、パルスP10の形でANDゲート52の入力となる。従って、このパルスP10と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力とするANDゲート52からは、一致出力SA2(AND-A2;図9の(20))が出力され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0162】
D−FF54はSET-A2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(図9の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP10′として現れる。
【0163】
要するに、上記の出力パルスP9′,P10′のうち、出力パルスP9′は、第10周期目t10における前回のSET−B2(図9のd2点)に同期して立ち上がり、外部トリガ信号EXT-TRIG(トリガG3)の到来後、一致信号SB2(図9のe3点)で立ち下がる信号となる。
【0164】
この立ち下がり位置は、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来後と同時に入力クロック信号EXT-CKが立ち上がったとした場合に、そのデューティ50%信号の位置と一致する。
【0165】
また、上記の出力パルスP10′は、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して立ち上がり、かつ、外部入力クロックCKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号であり、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに完全に同期させたものとなっている。しかも、その波形はデューティ50%のものとなっている。
【0166】
(iii) 3A側 第12周期目t12〜第13周期目t13
上記4A側の動作に対し、3A側(A系統の第1のデューティ決定回路3A側)でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、発振、カウント、演算、一致の動作による1周期の測定が行われており、第12周期目t12において、SET-A1(図9の(6))が発生すると、RS−FF6がセットされる(図9のk3点)。
【0167】
RS−FF6の出力Q(図9の(10))はANDゲート51に入力されると共に、ORゲート7を通して3A側(デューティ決定回路3A側)の遅延ライン発振器41に加わりこれを発振させ、また、3A側のカウンタ47のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0168】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のq3点)、一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0169】
この一致出力SA1は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SA1の発生した時点でRS−FF6の出力Q(図9の(10))は立ち下がり、パルスP11の形でANDゲート51の入力となる。
【0170】
従って、このパルスP11と一致出力SA1とTRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート51からは、一致出力SA1が出力AND-A1(図9の(14))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。但し、正確には、出力AND-A1は一致出力SA1の前縁にて発生される短パルスである。
【0171】
D−FF54はSET-A1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1に対応する短パルスAND-A1(図9の(14))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスP11′として現れる。
【0172】
なお、第9周期目t9,第11周目t11等で発生する一致パルスSA1及びSA2(図9のu1,u2)は、RS−FF6,8のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート51,52には出力が現れず、D−FF54が切り替わらない。従って、A1側又はA2側が測定区間にあるとき発生する一致パルスu1,u2の影響はANDゲート51,52で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0173】
(iv) 3A側 第13周期目t13〜第14周期目t14
続いて、第13周期目t13においては、再びSET-A1(図9の(6))が到来するので(図9のr3点)、RS−FF6がセットされる。そして、カウンタ47のカウント値が、演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のs3点)、再び一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0174】
従って、D−FF54のQ出力から、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期し、かつ、外部入力クロックEXT-CKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号P9′,P10′,P11′,P12′…が得られる。しかも、その波形は必ずデューティ50%に修正されたものとなっている。
【0175】
この同期化とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう外部同期回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0176】
但し、図9の例では、一致出力SA1の発生と同時に第4の外部トリガG4が入力されているため、P12′は前回のものとの連続した長さのものとなる。
以下同様にして、第14周期目t14以降についても外部トリガ信号EXT-TRIGが入力される度に、これに同期した位置から出力パルスを立ち上げ、入力クロック信号EXT-CKの1周期の丁度半分の位置に来た時点で出力パルスを立ち下げる動作を行い、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに同期させる。
【0177】
(9)他の実施形態
上記実施形態では、幅作成回路5にプリセット可能なD−FF54を用いたが、図12に示すように、D−FF54の代わりに出力用のORゲート56を設け、このORゲート56により、上記各デューティ決定回路3A,4A,3B,4Bに前置されたSR−FF6,8のQ出力を取り出すことにより、所望の出力(図10の(33))を得ることができる。
【0178】
この実施形態についての動作は説明を省略するが、前置フリップフロップ6,8のQ出力、つまり図9及び図10におけるRS−FF-A1-Q(P3,P4、P11,P12)、RS−FF-A2-Q(P1,P2、P9,P10),RS−FF-B1-Q(P7,P8)、RS−FF-B2-Q(P5,P6)を単純に合成したものであり、これらの前置フリップフロップ6,8のQ出力がそのまま出力として取り出される所に特徴がある。このように構成することの利点は、図2の場合よりも回路が簡単になることにある。
【0179】
また、上記実施形態では、図11(a)に示す入力クロック信号EXT-CKの1周期を単位とする波形のCKFA,CKFBを用いたが、図11(b)に示す2周期を単位とする波形のCKFA,CKFBを用いることもできる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1,2記載の外部同期方法又は請求項3〜請求項14に記載の外部同期回路によれば、外部トリガ信号の到来間隔が変動する場合でも、また、外部トリガ信号のパルス幅が変動する場合でも、これらに影響を受けずに、容易に、これに入力クロック信号を同期させた状態のクロック信号を出力することができる。しかも、入力クロック信号がいかなる周波数又は周期長さを持つ場合でも、また、入力クロック信号がそのデューティが変動している波形のものであっても、常に、デューティが50%であるパルス波形のクロック信号を出力することができる。よって、使用する半導体能動素子の周波数限界を見かけ上高めることができる。
(2)請求項2に記載の外部同期方法又は請求項9記載の外部同期回路によれば、第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組用意し、一方の組を、外部トリガ信号間の一つの区間を処理するために用い、他方の組を隣の区間を処理するために用いるため、外部トリガ信号が一方の組の動作中に到来した場合でも、他方の組により出力波形を外部トリガ信号に同期させることができる。
(3)請求項4又は請求項10記載の外部同期回路によれば、目標計測区間と実際計測区間を明確に区分し、入力クロック信号(CK)の1周期を実際に計測して求めているので、任意の周期を持つ入力クロック信号(CK)に対応することができ、また、そのクロック周期が変動する場合にも追従することができる。
(4)請求項5又は請求項11記載の外部同期回路によれば、遅延ライン発振器の出力を利用して計測する形態であるため、位相誤差も問題とならない。このため、非常に精度の高い測定を行うことができる。
また、遅延ライン発振器のループは、奇数段のインバータで構成される結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される。従って、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
(5)請求項6又は請求項12に記載の外部同期回路によれば、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けているので、安定した動作が保障される。
(6)請求項7又は請求項13に記載の外部同期回路によれば、請求項6又は請求項12記載の外部同期回路において、上記一致信号を禁止するANDゲートに、外部トリガ区画信号(TRIG-STOPA,TRIG-STOPB)を入力し、前回の動作の延長として発生される一致信号を禁止しているので、出力パルスが新たなトリガに同期せずに前回に同期した位置で立ち下がってしまう不都合が防止される。
(7)請求項8又は請求項14の外部同期回路によれば、請求項3〜7又は請求項9〜13記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップ(54)の代わりに、出力用のORゲート(56)を設けて所望の出力クロック信号を得るようにしたものであるので、出力用のフリップフロップ(54)を設ける場合に比べ、構成が簡単になるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外部同期回路の第1の実施形態を示す回路の左半分を示す図である。
【図2】本発明の外部同期回路の第1の実施形態を示す回路の右半分を示す図である。
【図3】図1,図2の回路の主要部の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図3のタイミングチャートの上半分の拡大図である。
【図5】図3のタイミングチャートの下半分の拡大図である。
【図6】図1のタイミング発生回路2の具体例を示す回路図である。
【図7】図1のタイミング発生回路2とモード切替信号作成回路の部分の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図10のデューティ決定回路と幅作成回路の部分の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図8のタイミングチャートの上半分の拡大図である。
【図10】図8のタイミングチャートの下半分の拡大図である。
【図11】図1のタイミング発生回路11が作成するCKFA,CKFBを例示した図で、(a)は入力クロックの1周期に合致させた場合を、(b)は入力クロックの2周期に合致させた場合を示す。
【図12】本発明の外部同期回路の他の実施形態を示す図である。
【図13】半導体能動素子の取り扱う周波数の変化の説明に供する図である。
【図14】従来の同期選択回路を示す図である。
【符号の説明】
1,2 タイミング発生回路
3 第1のデューティ決定回路
4 第2のデューティ決定回路
5 幅作成回路
6 RS−FF
7 ORゲート
8 RS−FF
9 ORゲート
10 内部トリガ作成回路
11 タイミング発生回路
12 第1の位相位置付与回路
13 第2の位相位置付与回路
14 遅延ライン発振器
15 NANDゲート
16 C-MOSインバータ(遅延素子)
17 帰還ループ
18 インバータ
19 ライン
20 カウンタ
21 ラッチ回路
22 一致回路
23 ORゲート
24 ANDゲート
25 ORゲート(FSA1)
26 論理ゲート部(AND-A,AND-B)
30 モード切替信号作成回路
31,32 D−FF(D−FF-RA,D−FF-RA)
33,34,35,36 ANDゲート
41 遅延ライン発振器
42 NANDゲート
43 C-MOSインバータ(遅延素子)
44 帰還ループ
45 インバータ
46 ライン
47 カウンタ
48 ラッチ回路
49 演算回路
50 一致回路
51,52 ANDゲート
54 プリセット可能なD−FF
53 ORゲート
55 ORゲート
1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2 目標計測区間T1のための信号
A,B 外部トリガ信号の区間
C1,C2 動作サイクル
CKFA,CKFB 位相位置計測区間信号(パルス幅T2)
BLOCK-SEL 動作回路切替信号(1側と2側を切替)
EXT-CK 入力クロック信号
EXT-TRIG 外部トリガ信号
INT-TRIG 基準内部トリガ信号
P1,P1′〜P11,P11′ 出力パルス
SA1,SA2 A側の一致信号
SB1,SB2 B側の一致信号
T 入力クロック信号CKの1周期
T1 目標計測区間
T2 位相位置計測区間
T5 デューティ50%の位置までの長さ
T3 実際計測区間
T6 発振照合区間
TRIG-AB 基準外部トリガ信号
TRIG-A,TRIG-B A区間とB区間に振り分けられた内部トリガ信号TRIG-STOPA,TRIG-STOPB 外部トリガ区画信号(D−FF-Q,D−FF-QNと同じ)
WC-A1/B1,WC-A2/B2 実際計測区間(T3)を指示する信号
SET−A1,SET−A2 A側の第1群の信号と第2群の信号
SET−B1,SET−B2 B側の第1群の信号と第2群の信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数がディジタル入力信号の周波数と同じで位相が外部トリガ信号の位相位置と一致するディジタル信号を作り出す外部同期方法及び外部同期回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体能動素子の遮断周波数は有限であり、使用しうる最高周波数はその制約を受ける。
例えば、図13において、デジタル信号(1)と(2)の波形は繰り返し周波数fが同一のものである。しかし、信号(1)の波形は立ち上がっているHレベル区間TAと立ち下がっているLレベル区間TBとの比が1:1(デューティ50%)であるのに対し、信号(2)の波形では区間TAと区間TBの比が1:1でなくなっているため、見かけ上の周波数fが上昇している。このため、半導体能動素子であるICがデューティ50%の信号(1)の入力波形を受けて動作可能範囲の上限一杯で動作していた場合に、入力信号の波形が、デューティ50%の状態(信号(1))からそれより小さいデューティの波形(信号(2))にくずれたとすると、当該ICにはその動作可能範囲を越える周波数の信号が入力されることになり、当該ICは当該入力信号の周波数に応答した動作ができなくなる。
従って、取り扱うデジタル信号は、区間TAと区間TBとの比が1:1(デューティ50%)である波形のものが好ましい。換言すれば、取り扱うデジタル信号がデューティ50%の波形に常に整形されていれば、同じ半導体能動素子を用いてより高い周波数の信号を取り扱うことができることとなる。
【0003】
従来、カラー映像信号の書込み用クロック信号発生回路や読み込み用クロック信号発生回路などでは、水平同期信号に同期させてクロック信号を発生させる外部同期回路が必要となる。
従来、周波数が入力信号の周波数と同じで位相がトリガ信号の位相位置と一致する信号を作り出す同期信号選択回路として、図14に示すものがある(特開昭61−95606号)。即ち、必要とする同期出力信号の繰り返し周波数fのm倍(mは2以上の整数)の周波数の基準信号S0を受け、その基準信号の位相を遅延要素DL1,DL2により順次ずらせることによりn個(nは2以上の整数)の位相の異なる副基準信号SA,SB,SCをつくり、トリガ信号Gを受けたときからこれらの副基準信号を分周器23,24,25で分周し始め、それらの分周後の信号を論理回路22で論理合成し、その出力を同期出力信号として取り出す回路である。
この同期信号選択回路は、基準信号として同期出力信号の周波数fのm倍の周波数の信号を取り扱う必要があるが、位相分割数すなわち副基準信号の数nに対応してジッタが減少するものである。
このように同期信号選択回路では、基準信号S0からn個の位相の異なる副基準信号SA,SB,SCを作り出すことが重要であるが、従来は、多数の遅延要素DL1,DL2…を直列接続し、これに基準信号を通して位相を順次ずらせるという操作を行うことにより作成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の位相を順次にずらせるという技術では、高い周波数(50MHz〜100MHz程度)を取り扱うようになると、遅延要素DL1,DL2…に通す前の信号波形は、各遅延要素を通過する度に少しづつくずれて来て、位相を分割した意義がなくなって来ることがある。特に、仮に遅延要素を通す前の信号波形がデューティ50%の波形のものであっても、遅延要素に通すことにより信号波形がデューティ50%よりずれて来た場合、取り扱う周波数が実質上高くなったことになり、ICの動作可能な能力を上回る周波数限界が到来してしまうことがあるという問題がある。
また、上記の位相を順次にずらせるという技術では、位相分割数すなわち副基準信号の数nに対応してジッタが減少する。低い周波数(1MHz程度)を扱う場合には、用意すべき遅延要素の数が2000〜3000個にもなり、経済的な面でもまた素子の発熱の上でも不利となる。
従って、上記位相を順次にずらせるという技術によらないで、またできるだけ少ない数の半導体要素を用いて、トリガ信号に同期したクロック信号を取り出すことができる外部同期回路の出現が望まれている。
また、従来の外部トリガ信号が変動した場合、これに追従して自動的に出力クロックを同期させることは困難であった。
そこで、本発明の目的は、入力クロック信号を外部トリガ信号に同期させることができる、構成が簡単で、しかも入力ディジタル信号がデューティ50%の波形に整形されて出力される実用的な外部同期方法及び外部同期回路を提供することにある。
本発明の他の目的は、外部トリガ信号が変動しても、これに追従して自動的に出力クロックを同期させることができる外部同期方法及び外部同期回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
(1)請求項1の外部同期方法は、入力クロック信号を外部トリガ信号に同期させる外部同期方法におて、外部トリガ信号(EXT-TRIG)に同期した内部トリガ信号(INT-TRIG)を、次の外部トリガ信号(EXT-TRIG)が到来するまでの間に、入力クロック信号の周期(T)で多数作成し、これを第1のデューティ決定回路(3)と第2のデューティ決定回路(4)とに時間的に前後して分けて与え(SET−A1,SET−A2)、交互に、内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測し、内部トリガ信号(SET−A1,SET−A2)の位置で出力パルスを立ち上げ、上記計測されたデューティ50%に対応するタイミング位置(SA1,SA2)で出力パルスを立ち下げるようにしたものである。
外部トリガ信号の他に、自分自身により入力クロック信号の周期(T)で内部トリガ信号(INT-TRIG)を発生しているため、これに同期させて出力パルスを得ることが容易にできる。また、実際に内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測して割り出しているので、その位置は正確であり、デューティ50%のきれいな出力が得られる。
【0006】
(2)請求項2の外部同期方法は、上記請求項1記載の外部同期方法において、上記第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組用意し、一方の組を、外部トリガ信号間の一つの区間を処理するために用い、他方の組を隣の区間を処理するために用いるものである。従って、外部トリガ信号が一方の組の動作中に到来した場合でも、他方の組により出力波形を外部トリガ信号に同期させることができる。
【0007】
(3)請求項3の外部同期回路は、タイミング発生回路(1,11)からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号(EXT-CK)の一周期(T)における外部トリガ信号(EXT-TRIG)からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の到来した位相位置に対応する位相位置で内部トリガ信号(INT-TRIG)を作成して出力する内部トリガ作成回路(10)と、 上記内部トリガ信号(INT-TRIG)を受け、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の各区間において、内部トリガ信号(TRIG-A)を第1群の信号(SET−A1)と第2群の信号(SET−A2)とに前後に分けて出力するモード切替信号作成回路(30)と、 上記第1群の信号(SET−A1)を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)と、上記第2群の信号(SET−A2)を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)と、 上記第1のフリップフロップ(6)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記第1のフリップフロップ(6)をリセットする第1のデューティ決定回路(3)と、 上記第2のフリップフロップ(8)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記第2のフリップフロップ(8)をリセットする第2のデューティ決定回路(4)と、 上記第1群の信号(SET−A1)と第2群の信号(SET−A2)とに同期してセットされ、上記第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)からの一致信号により反転動作される出力用のフリップフロップ(54)とを設けたものである。
【0008】
外部トリガ信号(EXT-TRIG)に同期した内部トリガ信号(INT-TRIG)を、次の外部トリガ信号(EXT-TRIG)が到来するまでの間に、入力クロック信号の周期(T)で多数作成し、これを第1のデューティ決定回路(3)と第2のデューティ決定回路(4)とに時間的に前後して分けて与え、交互に、内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測し、内部トリガ信号の位置で出力パルスを立ち上げ、上記計測されたデューティ50%に対応するタイミング位置で出力パルスを立ち下げる。外部トリガ信号の他に、自分自身により入力クロック信号の周期(T)で内部トリガ信号(INT-TRIG)を発生しているため、これに同期させて出力パルスを得ることが容易にできる。しかも、到来する外部トリガ信号のパルス幅や、外部トリガ信号の到来する間隔や変則的であっても、これに同期させることができる。また、実際に内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測して割り出しているので、その位置は正確であり、デューティ50%のきれいな出力が得られる。
【0009】
(4)請求項9の外部同期回路は、タイミング発生回路(1,11)からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号(EXT-CK)の一周期(T)における外部トリガ信号(EXT-TRIG)からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の到来した位相位置に対応する位相位置で基準内部トリガ信号(INT-TRIG)を作成し、これを外部トリガ信号(EXT-TRIG)のA区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号(TRIG-A,TRIG-B)として出力する内部トリガ作成回路(10)と、 上記内部トリガ信号の一方(TRIG-A)を受け、上記A区間内において、それぞれ内部トリガ信号(TRIG-A)を第1群の信号(SET−A1)と第2群の信号(SET−A2)とに前後に分けて出力するA側のモード切替信号作成回路(30)と、 上記A側の第1群の信号SET−A1を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)及び上記第2群の信号SET−A2を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)と、 上記A側の第1のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記A側の第1のフリップフロップをリセットする第1のデューティ決定回路(3A)と、 上記A側の第2のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記A側の第2のフリップフロップをリセットする第2のデューティ決定回路(4)Aと、 上記内部トリガ信号の他方(TRIG-B)を受け、上記B区間内において、それぞれ内部トリガ信号(TRIG-Bを第1群の信号(SET−B1)と第2群の信号(SET−B2)とに前後に分けて出力するB側のモード切替信号作成回路(30)と、
上記B側の第1群の信号(SET−B1)を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)及び上記第2群の信号(SET−B2)を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)と、 上記B側の第1のフリップフロップ(6)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記B側の第1のフリップフロップ(6)をリセットする第1のデューティ決定回路(3B)と、 上記B側の第2のフリップフロップ(8)の出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記B側の第2のフリップフロップ(8)をリセットする第2のデューティ決定回路(4B)と、 上記A側及びB側それぞれの第1群の信号(SET−A1,SET−B1)と第2群の信号(SET−A2,SET−B2)とに同期してセットされ、上記A側及びB側それぞれの第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)からの一致信号により反転動作される出力用のフリップフロップ(54)とを設けたものである。
【0010】
請求項4の外部同期回路は、上記第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組具備しているので、外部トリガ信号が一方の組の動作中に到来した場合でも、他方の組により出力波形を外部トリガ信号に同期させることができる。
【0011】
(5)請求項4又は10の外部同期回路は、上記請求項3又は9記載の外部同期回路において、 上記各デューティ決定回路(3,4)が、それぞれ、遅延ライン発振器(41)と、その発振巡回数を計数するカウンタ(47)及びラッチ回路(48)と、その計数値の1/2の値を算出する演算回路(49)と、そして上記カウンタの値が該演算結果に合致したとき一致信号を出力する一致回路(50)とを有して構成され、 上記各デューティ決定回路(3,4)には、それぞれORゲート(7,9)が前置され、該ORゲートを通して、上記内部トリガ信号(TRIG-A,TRIG-B)の存在しない区間において入力クロック信号の1周期(T)より若干長い実際計測区間(T3)を指示する信号(WC-A1/B1,WC-A2/B2)が入力され、これにより実際計測区間(T3)だけ遅延ライン発振器が発振を行い、また、その発振中に入力クロック信号の1周期(T)に対応する長さ位置を指示する目標計測区間(T1)のタイミング信号(1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2)を上記ラッチ回路(48)に与えてカウンタ(47)の値をラッチさせる、ものである。
【0012】
入力クロック信号(CK)の1周期(T)の整数倍の間隔ごとに到来する目標計測区間(T1)のタイミング信号(1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2)を用いて、1周期の長さを計測する。この計測値を基に、演算回路(49)が、その計数値の1/2の値つまりデューティ50%のタイミング値を算出する。そして、上記整数倍の間隔内において、外部トリガ信号に同期した位置からの長さの計測が実行され、当該計測値が上記算出された値(計数値の1/2)と一致したとき一致信号(SA,SB)が一致回路(50)から出力される。この一致信号は、出力クロック信号をデューティ50%のタイミング位置で立ち下げるのに利用される。
このため、任意の周期を持つ入力クロック信号(CK)に対応することができ、また、そのクロック周期が変動する場合にも追従することができる。
【0013】
(6)請求項5又は11の外部同期回路は、請求項4又は10記載の外部同期回路において、上記遅延ライン発振器(41)が、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート(42)と、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータ(43)と、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ(44)中に挿入されたインバータ(45)とで構成されるものである。
奇数段のインバータである結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される結果、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
【0014】
(7)請求項6又は12の外部同期回路は、請求項3又は9記載の外部同期回路において、上記各デューティ決定回路(3,4)からの一致信号をフリップフロップ(54)に入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲート(51,52)を設けたものであり、安定した動作が保障される。
【0015】
(8)請求項7又は13の外部同期回路は、請求項6又は12記載の外部同期回路において、上記一致信号を禁止するANDゲートに、外部トリガ信号(EXT-TRIG)の区間を示す外部トリガ区画信号(TRIG-STOPA,TRIG-STOPB)を入力したものである。これは、例えば、まだA側を処理中においてトリガが到来した場合、他のB側に処理を移したとき、前回の動作の延長として発生される一致信号により、出力パルスが新たなトリガに同期していない前回に同期した位置で立ち下がってしまうのを防止するものであり、トリガ到来時の誤動作防止に有効である。
【0016】
(9)請求項8の外部同期回路は、請求項3,4,5,6又は7記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップ(54)の代わりに、上記第1群の信号(SET−A1)を受けて動作する第1のフリップフロップ(6)の出力と、上記第2群の信号(SET−A2)を受けて動作する第2のフリップフロップ(8)の出力とを入力とする出力用のORゲート(56)を設けたものである。
出力用のフリップフロップ(54)を設ける場合に比べ、構成が簡単に成るという利点が得られる。
【0017】
(10)請求項14の外部同期回路は、請求項9,10,11,12又は13記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップ(54)の代わりに、上記A側及びB側の第1群の信号(SET−A1,SET−B1)を受けて動作する第1のフリップフロップの出力と、上記第2群の信号(SET−A2,SET−B2)を受けて動作する第2のフリップフロップの出力とを入力とする出力用のORゲート(56)を設けたものである。同様に、出力用のフリップフロップ(54)を設ける場合に比べ、構成が簡単に成るという利点が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に外部同期回路を左右に分けて示す。この外部同期回路は、タイミング発生回路1,2と、該タイミング発生回路1からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号EXT-CKの一周期Tにおける外部トリガ信号EXT-TRIG(第4図(1))からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、EXT-TRIGの到来した位相位置に対応する位相位置で基準内部トリガ信号INT-TRIGを作成し、これを外部トリガ信号EXT-TRIGの到来する度に区画されるA区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bとして出力する内部トリガ作成回路10と、タイミング発生回路2で作成されたタイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示する2組のデューティ決定回路3,4(添字A,Bを付して以下区別する)とを有する。
【0019】
(1)タイミング発生回路1
第1のタイミング発生回路1は、外部トリガ信号EXT-TRIG(第4図(1))を受けて、外部トリガ信号EXT-TRIGを一定のパルス幅に変換した基準外部トリガ信号TRIG-AB(第4図(8))と、そして外部トリガ信号EXT-TRIGの到来で区画される一区間(A区間)を隣の区間(B区間)と区別するための外部トリガ区画信号TRIG-STOPA,TRIG-STOPB(第4図(2)のD−FF-Q,同(3)のD−FF-QN)を作成し出力する。
【0020】
(2)内部トリガ信号作成回路10
内部トリガ信号作成回路10は、外部トリガ信号EXT-TRIGが入力される度に入れ替わる、2系統A,Bの内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-B(第5図(25)(26))を作成する回路であり、第2のタイミング信号発生回路11と、第1及び第2の位相位置付与回路12,13と、両位相位置付与回路12,13の出力をORして基準内部トリガ信号INT-TRIGを作成するORゲート(FSA1)25と、この基準内部トリガ信号INT-TRIGを外部トリガ信号EXT-TRIGの到来する度に上記A区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bとして出力する論理ゲート部(AND-A,AND-B)26とを有する。
【0021】
(a)タイミング発生回路11
タイミング発生回路11は、外部トリガ信号から数えてどのくらいの位相位置にあるのかを知ることを可能とするために、入力クロック信号EXT-CKの1周期T内で、その前縁からの位相位置計測区間を指示するタイミング信号CKFA,CKFB(位相位置計測区間信号)(第4図(10)(11))を作る。
【0022】
この位相位置計測区間信号CKFA,CKFBは、入力クロック信号EXT-CKと同期して立ち上がり、入力クロック信号EXT-CKの1周期T内で立ち下がる信号(第4図のパルス幅T2)である。これは入力クロック信号EXT-CKの1周期T内のいずれの位置で外部トリガ信号EXT-TRIGが到来しても、その位置を計測し把握可能とするために用いられる。この実施形態では、最も少ないCKFA,CKFBの二系統で1周期T内の全区間をカバーできるようにすべく、CKFA,CKFBにはできるだけデューティの広い信号(デューティが50%以上)を使用し、互いの位相を180゜ずらせている。従って、デューティが50%以上である結果、外部トリガ信号EXT-TRIGが入力クロック信号EXT-CKの1周期T内のいずれの位置で到来しても、両信号CKFA,CKFBのHレベルにある区間の必ずどこかで重なることになり、また互いの位相を180゜ずらせている結果、高精度の測定が得られることになる。
【0023】
上記の位相位置計測区間信号CKFA,CKFBは、具体的には、図11(a)に示すように、入力クロック信号EXT-CKの位相位置を少しづつDL1,DL2,DL3とずらせてCKFAはORを、CKFBはANDをとることにより作成しているが、図11(b)に示すように、入力クロック信号EXT-CKを分周してその位相位置を若干ずらせることにより、2倍以上の周期を基本単位とする位相位置計測区間信号CKFA,CKFBとすることもできる。
【0024】
(b)第1及び第2の位相位置付与回路12,13
第1及び第2の位相位置付与回路12,13は全く同じ構成であり、それぞれ、遅延ライン発振器14と、その発振巡回数を計数するカウンタ20と、そのカウンタ20の内容を基準外部トリガ信号TRIG-ABの発生したタイミング位置(図4のG1,G2,G3又はG4点)でラッチするラッチ回路21と、そのラッチされた値(x1,x2,…、y1,y2,…)にカウンタ20の出力値が一致したとき出力を発生する一致回路22と、前記ラッチ回路21でラッチした位相位置が不適切であった場合、つまりラッチした結果がオール「0」であったときに、該ラッチ回路の出力を利用して、一致停止信号を出力するORゲート(OR-AD0)23と、該ORゲート23の出力と一致回路22の出力とを2入力とするANDゲート24とを有して構成されている。
【0025】
そして、第1の位相位置付与回路12の遅延ライン発振器14には、タイミング発生回路11からの位相位置計測区間信号CKFAが入力され、また第2の位相位置付与回路13の遅延ライン発振器14には、タイミング発生回路11からの位相位置計測区間信号CKFBが入力されている。
【0026】
(i)遅延ライン発振器14
遅延ライン発振器14は、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート15と、該NANDゲート15の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のC-MOSインバータ16と、該インバータ16の出力端子から上記NANDゲート15の他方の入力端子への帰還ループ17中に挿入された反転用の単なるインバータ18とで構成されている。遅延素子としてのインバータ16には、C-MOSインバータの他に、ECLインバータ,IILインバータなどが使用できる。
【0027】
この遅延ライン発振器14は、上記タイミング発生回路11から位相位置計測区間信号CKFA,CKFB(第4図(10)(11))を受けて、その立ち上がりで計測のための発振を開始し、立ち下がりで発振を停止する。即ち、通常NANDゲート15は、その一方の入力端子が論理レベルL、出力がH、インバータ16はその出力がL、そしてインバータ18はその出力(NANDゲート15の他方の入力端子)がHの状態にあり、発振を停止している。しかし、通常NANDゲート15の一方の入力端子が論理レベルHに替わると、NANDゲート15の出力がL、インバータ16の出力がH、インバータ18の出力がL、NANDゲート15の他方の入力がH、NANDゲート15の出力がH…というように状態が変化し、発振する。そして、位相位置計測区間信号CKFA,CKFBの立ち下がりで発振を停止する。
【0028】
(ii)カウンタ20
カウンタ20は、そのクロック入力端子CKが上記遅延ライン発振器14の出力端子に接続されており、上記遅延ライン発振器14の出力DL−OSC1,DL−OSC2の変化、つまり発振の一巡回毎に1回発生する出力変化をカウントする。また、カウンタ20のクリア端子CLには上記遅延ライン発振器14と同じ入力信号、つまり位相指標信号CKFA,CKFBが入力される。
【0029】
従って、カウンタ17は、遅延ライン発振器14の発振及び停止の動作と同じく、上記タイミング信号CKFA,CKFBの立ち上がりでカウントを開始し、同タイミング信号CKFA,CKFBの立ち下がりでカウントを停止する。
【0030】
(iii)ラッチ回路21
ラッチ回路21は、上記カウンタ20の桁出力を入力としており、クロック入力端子CKには上記タイミング発生回路1で作成された基準外部トリガ信号TRIG-ABが入力されている。従って、このラッチ回路21は、基準外部トリガ信号TRIG-ABが立ち上がった時点、つまり外部トリガ信号が到来した時点(図4のG1,G2,G3又はG4点)で、カウンタ20のカウント値(発振の巡回数)x又はy(図4のx1,x2,…、y1,y2,…)をラッチする。
【0031】
従って、ラッチ回路21には、入力クロック信号CKの立ち上がりから基準外部トリガ信号TRIG-ABが到来するまでの長さを計数した発振巡回数のカウント値(外部トリガ信号が到来した位相位置x又はy)がラッチされる。
【0032】
(iv)一致回路
一致回路22は、ラッチ回路21のパラレル出力を一方の入力とし、上記カウンタ20の出力SAを他方の入力としている。そして、一致回路22は、上記カウンタ20の計数値が上記ラッチ回路21の出力値(外部トリガ信号の到来した位相位置x又はy)まで増加したとき、一致信号SAを出力する。
【0033】
一致信号SAはORゲート23の出力(第4図(17))がHの間、ANDゲート24から取り出されて信号FSA1(図5の(20)のパルスx1,x2,x3…)又はFSB1(図5の(21)のパルスy1,y2,y3…)となり、ORゲート25を通して基準内部トリガ信号INT-TRIGとして合成されて、論理ゲート部26に送られる。そして、この基準内部トリガ信号INT-TRIGは論理ゲート部26を通ることにより、内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bとして、A区間とB区間とに振り分けて取り出される(第5図(25)(26))。
【0034】
なお、ORゲート23の出力がHであるということは、CKFAがラッチ21でラッチしたときHであったということ、つまりEXT-TRIGの位相位置を測定する条件が整っていたことを示している。この場合のみOR23出力はHとなる。
【0035】
かくして、外部トリガ区画信号D−FF-Q,D−FF-QNで示されるA区間内とB区間内において、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して複数個生起される内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-B(第5図(25)(26))が得られた。
【0036】
(3)タイミング発生回路2
図6にタイミング発生回路2の回路構成を示す。この第3のタイミング発生回路2は、A系統及びB系統に共通なタイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2,WC-A1/B1,WC-A2/B2を作り、これをデューティ決定回路3A,4Aと3B,4Bとに与える。また、A系統及びB系統の各々は、それぞれ2つのデューティ決定回路3,4から成るため、A系統及びB系統の各々を構成する2つのデューティ決定回路3,4のうちの一方を二者択一的に選択するためのタイミング信号BLOCK-SELを作り、これを、各デューティ決定回路3A,4A,3B,4Bに前置したD−FF31、D−FF32にそのデータ入力として与える。なお、FFはフリップフロップを意味する。
【0037】
1/2CK-A1/B1(図7の(9)),1/2CK-A2/B2(図7の(6))は入力クロック信号CKの1周期Tの長さとして計測すべき区間(目標計測区間)T1を確定するためのタイミング信号であり、具体的には、入力クロック信号CKを1/2分周することにより得られる信号である。
【0038】
WC-A1/B1(図7の(11)),WC-A2/B2(図7の(8))は上記目標計測区間T1にわたって計測動作を持続させるための区間(実際計測区間)T3を確立するためのタイミング信号である。このWC-A1/B1,WC-A2/B2は、上記1/2CKよりも立ち下がりが若干遅れた信号、つまり入力クロック信号CKと同時に立ち上がり幅が入力クロック信号CKの1周期Tより若干長い信号である。
【0039】
このWCは、1/2CKをその1/2周期の幅内で若干遅延させた信号DL-AB1(図7の(10)),DL-AB2(図7の(7))を作り、これと1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2との論理和をとることにより得ている。
【0040】
BLOCK-SEL(図7の(12))は、タイミング発生回路2内のJK−FFの出力Qの信号、つまり入力クロック信号EXT-CKの2周期毎の立ち下がりで反転する信号であり、デューティ決定回路3,4を切り替えて使用するための動作回路切替信号として使用される。この動作回路切替信号BLOCK-SELは、出力QがHのとき、デューティ決定回路3側(A1/B1側)が測定区間(デューティ決定回路4側(A2/B2側)が発振照合区間)であることを指示し、出力QがLのとき、デューティ決定回路4側(A2/B2側)が測定区間(デューティ決定回路3側(A1/B1側)が発振照合区間)であることを指示する。
【0041】
(4)モード切替信号作成回路30
上記タイミング発生回路2の動作回路切替信号BLOCK-SELは、モード切替信号作成回路30を構成するD−FF31,32(D−FF-RA,D−FF-RB)のデータ入力端子Dに入力されており、該D−FF31,32のクロック入力端子CKには、内部トリガ信号TRIG-A,TRIG-Bが入力されている。
【0042】
D−FF31のQN出力端子にはANDゲート33が、またQ出力端子にANDゲート34が接続されており、両ANDゲート33,34には、それぞれ更に、内部トリガ信号TRIG-Aと外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとが入力されている。
【0043】
同様に、D−FF32のQN出力端子にはANDゲート35が、またQ出力端子にANDゲート36が接続されており、両ANDゲート35,36には、それぞれ更に、内部トリガ信号TRIG-Bと外部トリガ区画信号TRIG-STOPBとが入力されている。
【0044】
上記ANDゲート33,34からは、SET-A1,SET-A2(図7の(17)(15))が、ANDゲート35,36からは、SET-B1,SET-B2(図7の(21)(20))が取り出される。
【0045】
SET-A1(図7の(17))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがLのとき、つまり動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がLのとき(A1/B1側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Aの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、A1側(デューティ決定回路3A側)のRS−FF6のセット入力となる。
【0046】
SET-A2(図7の(15))は、タイミング発生回路2からの動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がHのとき(A2/B2側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Aの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、A2側(デューティ決定回路4A側)のRS−FF8のセット入力となる。
【0047】
SET-B1(図7の(21))は、タイミング発生回路2からの動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がLのとき(A1/B1側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Bの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、B1側(デューティ決定回路3B側)のRS−FF6のセット入力となる。
【0048】
SET-B2(図7の(20))は、タイミング発生回路2からの動作回路切替信号BLOCK-SEL(図7の(12))がHのとき(A2/B2側が発振照合区間T6である場合)に、内部トリガ信号TRIG-Bの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、B2側(デューティ決定回路4B側)のRS−FF8のセット入力となる。
【0049】
(5)デューティ決定回路3,4
図2に示す様に、デューティ決定回路3,4を1組とし、これを2系統A,B設けて成る計2組のデューティ決定回路3A,4A、3B,4Bは、それぞれ、遅延ライン発振器41と、その発振巡回数を計数するカウンタ47と、そのカウンタ47の内容をラッチするラッチ回路48と、その計数値の1/2の値を算出する演算回路49と、そして演算回路49に設けられた一致回路50とを有して構成されている。
【0050】
(a)遅延ライン発振器41
遅延ライン発振器41は、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート42と、該NANDゲート42の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のC-MOSインバータ43と、該インバータ43の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子への帰還ループ44中に挿入された反転用の単なるインバータ45とで構成されている。遅延素子としてのインバータ43には、C-MOSインバータの他に、ECLインバータ,IILインバータなどが使用できる。
【0051】
この遅延ライン発振器41は、上記タイミング発生回路2からタイミング信号WC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)を受けて、その立ち上がりで計測のための発振を開始し、立ち下がりで発振を停止する。即ち、通常NANDゲート42は、その一方の入力端子が論理レベルL、出力がH、インバータ43はその出力がL、そしてインバータ45はその出力(NANDゲート42の他方の入力端子)がHの状態にあり、発振を停止している。しかし、通常NANDゲート42の一方の入力端子が論理レベルHに替わると、NANDゲート42の出力がL、インバータ43の出力がH、インバータ45の出力がL、NANDゲート42の他方の入力がH、NANDゲート42の出力がH…というように状態が変化し、発振する。そして、WC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)の立ち下がりで発振を停止する。
【0052】
このWC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)の立ち上がりは、上記タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の立ち上がりと同時であり、立ち下がりは同タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2の立ち下がりより少し遅れる。要するに、この遅延ライン発振器41は、上記入力クロック信号CKを1/2分周して得たタイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2の立ち上がり(目標計測区間T1の始まり)で発振を開始し、同1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2の立ち下がり後(目標計測区間T1の終了後)に発振を停止する。
【0053】
(b)カウンタ47
カウンタ47は、そのクロック入力端子CKが上記遅延ライン発振器41の出力端子に接続されており、上記遅延ライン発振器41の出力DL−OSC-Aの変化、つまり発振の一巡回毎に1回発生する出力変化をカウントする。
【0054】
また、カウンタ47のクリア端子CLには、ライン46を通して、上記遅延ライン発振器41と同じ入力信号、つまりタイミング信号WC-A1/B1,WC-A2/B2(実際計測区間T3)が入力される。従って、カウンタ47は、遅延ライン発振器41の発振及び停止の動作と同じく、上記タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の立ち上がった時点でカウントを開始し、同タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)が立ち下がってから後にカウントを停止する。
【0055】
よって、タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の1周期区間の間は発振の巡回数のカウントが持続する。
【0056】
(c)ラッチ回路48
ラッチ回路48は、上記カウンタ47の桁出力を入力としており、クロック入力端子CKには上記タイミング発生回路2で作成されたタイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)が入力されている。
【0057】
従って、このラッチ回路48は、タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)が立ち下がった時点、つまり目標計測区間T1が終了した時点で、カウンタ47のカウント値(発振の巡回数)をラッチする。従って、ラッチ回路48には、タイミング信号1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2(目標計測区間T1)の1周期区間の長さ(入力クロック信号CKの1周期T)に対応する発振巡回数のカウント値がラッチされる。
【0058】
(d)演算回路49
演算回路49は、上記ラッチ回路48のパラレル出力を受け、ラッチされている発振巡回数のカウント値の1/2の値、つまり50%のデューティ値を算出する。この50%のデューティ値は一致回路50の一方の入力となる。
【0059】
(e)一致回路50
一致回路50は、それぞれ、上記演算回路49のパラレル出力(演算結果の1/2の値)を一方の入力とし、上記カウンタ17の出力を他方の入力としている。そして、この一致回路50は、上記カウンタ47の計数値が上記演算結果に合致する値まで増加したとき、一致信号SA,SBを出力する。正確には、デューティ決定回路3Aは一致信号SA1を、デューティ決定回路4Aは一致信号SA2を、デューティ決定回路3Bは一致信号SB1を、そしてデューティ決定回路4Bは一致信号SB2を、出力する。
【0060】
(6)前置FF及び前置ORゲート
A,B各組のデューティ決定回路3,4の前には、それぞれにRS−FF6,8が前置されており、該RS−FF6,8は、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間T6において、上記信号SET-A1,SET-A2,SET-B1,SET-B2に同期して毎回セットされ、上記一致信号SA1,SA2,SB1,SB2でリセットされる。
【0061】
即ち、A1側及びB1側(デューティ決定回路3A,3B側)のRS−FF6,6は、上記信号SET-A1,SET-B1に同期して毎回セットされ、上記一致信号SA1,SB1でリセットされる。また、A2側及びB2側のRS−FF8,8は、上記信号SET-A2,SET-B2に同期して毎回セットされ、上記一致信号SA2,SB2でリセットされる。
【0062】
また、A,B各組のデューティ決定回路3及び4毎にORゲート7,9が前置されており、該ORゲート7,9を通して、上記SR−FF6,8の出力と、上記実際計測区間T3を指示する信号WC-A1/B1,WC-A2/B2とが、所属のデューティ決定回路3及び4に入力されている。
【0063】
そして、幅作成回路5は、信号SET-A1,SET-A2,SET-B1,SET-B2に同期して毎回リセットされ、A,B各組のデューティ決定回路3及び4から得られる一致信号SA1,SA2,SB1,SB2により状態が切り替わる出力用のフリップフロップ(D−FF)54を具備する。
【0064】
(a)A系統の構成
詳述するに、A系統(A側)のデューティ決定回路3,4(3A,4A)のうち、第1のデューティ決定回路3AにはRS−FF6が前置されており、そのQ出力は、ORゲート7(OR-A1)を通してデューティ決定回路3の遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート51の一方の入力端子に入力されている。そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ50%の一致出力は、これに前置されたRS−FF6のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート51及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このD−FF54とRS−FF6は共に幅作成回路5の一部を構成する。
【0065】
このRS−FF6(RS−FF-A1-Q;図9の(10))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがLのとき、つまりA1側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Aに同期して発生される短パルスSET-A1(図9の(6))によりセットされ、上記一致信号SA1(図9の(13))によりリセットされる(図9の(10)参照)。
【0066】
従って、図9の第4周期目t4,第5周期目t5でRS−FF6(RS−FF-A1-Q;図9の(10))の出力端子Qに生じたパルスP3,P4により、一致信号SA1がANDゲート51を通過し(AND-A1;図9の(14))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図9のk,r点で生じたSET−A1により立ち上がり、q,s点で生じた一致信号SA1(AND-A1;図9の(14))により立ち下がるパルスP3′,P4′が現れる。
【0067】
かかる構成の第1のデューティ決定回路3Aと全く同一に構成された第2のデューティ決定回路4Aには、RS−FF8及びORゲート9が前置されており、そのQ出力は、ORゲート9(OR-A2)を通してデューティ決定回路4Aの遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート52の一方の入力端子に入力されている。
【0068】
そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ決定回路4Aのデューティ50%の一致出力は、これに前置されたRS−FF8のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート52及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このRS−FF8も、ORゲートD−FF54と共に幅作成回路5を構成する。
【0069】
このRS−FF8(RS−FF-A2-Q;図9の(17))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがHのとき、つまりA2側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Aに同期して発生される短パルスSET-A2(図9の(7))によりセットされ、上記一致信号SA2(図9の(19))によりリセットされる(図9の(17)参照)。
【0070】
従って、図9の第2周期目t2,第3周期目t3でRS−FF8(RS−A2-Q;図9の(17))の出力端子Qに生じるパルスP1,P2により、一致信号SA2が2個発生することになる。そして、この一致信号SA2がANDゲート52を通過し(AND-A2;図9の(20))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図9のd,f点で生じたSET−A2により立ち上がり、図9のe,g点で生じた一致信号SA2(正確には出力AND-A2;図9の(20))により立ち下がるパルスP1′,P2′が現れる。
【0071】
但し、図9の例では、第6周期目t6において第2の外部トリガ信号EXT-TRIG(図9のG2)が到来しているため、2つ目のSET-A2が発生しない(図7の(15)、図9の(7)参照)。従って、この2つ目のパルスP2(点線で示す)は発生しない。
【0072】
(b)B系統の構成
B系統(B側)のデューティ決定回路3,4(3B,4B)についての前置FF及び前置ORゲートも、上記と同様に構成されている。即ち、第1のデューティ決定回路3BにはRS−FF6が前置されており、そのQ出力は、ORゲート7(OR-B1)を通してデューティ決定回路3Bの遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート51の一方の入力端子に入力されている。
【0073】
そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ50%の一致信号SB1は、これに前置されたRS−FF6のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート51及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このD−FF54とRS−FF6は共に幅作成回路5の一部を構成する。
【0074】
このRS−FF6(RS−FF-B1-Q;図10の(22))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがLのとき、つまりB1側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Bに同期して発生される短パルスSET-B1(図10の(21))によりセットされ、上記一致信号SB1(図10の(24))によりリセットされる(図10の(22)参照)。
【0075】
従って、図10の第8周期目t8,第9周期目t9でRS−FF6(RS−FF-B1-Q;図10の(22))の出力端子Qに生じたパルスP7,P8により、一致信号SB1がANDゲート51を通過し(AND-B1;図10の(25))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。
【0076】
よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図10のk2,r2点で生じたSET−B1により立ち上がり、q2,s2点で生ずる一致信号SB1(正確にはAND-B1;図10の(25))により立ち下がるパルスP7′,P8′が現れる。
【0077】
かかる構成の第1のデューティ決定回路3Bと全く同様に、第2のデューティ決定回路4Bには、RS−FF8及びORゲート9が前置されており、そのQ出力は、ORゲート9(OR-B2)を通してデューティ決定回路4Bの遅延ライン発振器41に入力されると共に、ANDゲート52の一方の入力端子に入力されている。
【0078】
そして、上記一致回路50の出力、つまりデューティ決定回路4Bのデューティ50%の一致出力は、これに前置されたRS−FF8のリセット端子Rに入力されていると共に、上記ANDゲート52及びORゲート53を通して、D−FF54のクロック入力端子CKに入力されている。このRS−FF8も、ORゲートD−FF54と共に幅作成回路5を構成する。
【0079】
このRS−FF8(RS−FF-B2-Q;図10の(27))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQがHのとき、つまりB2側が発振照合区間である場合に内部トリガ信号TRIG-Bに同期して発生される短パルスSET-B2(図10の(26))によりセットされ、上記一致信号SB2(図10の(29))によりリセットされる(図10の(27)参照)。
【0080】
従って、図10の第6周期目t6,第7周期目t7でRS−FF8(RS−FF-B2-Q;図10の(27))の出力端子Qに生じるパルスP5,P6により、一致信号SB2(正確にはAND-B2;図10の(30))が2個発生することになる。
【0081】
そして、この一致信号SA2がANDゲート52を通過し(AND-B2;図9の(20))、ORゲート53を通して出力用のD−FF54のクロック入力となる。よって、出力用のD−FF54の出力端子(OUT)には、図10のd2,f2点で生じたSET−B2により立ち上がり、図10のe2,g2点で生じた一致信号SB2(正確には出力AND-B2;図10の(30))により立ち下がるパルスP5′,P6′が現れる。
【0082】
但し、図10ではパルスP5′はその前のパルスP1′と連続しているため、それだけ長くなっている。
【0083】
(7)幅作成回路5
幅作成回路5は、プリセット可能なD−FF54を有し、そのQN端子とD端子は直結されている。また、プリセット入力端子PRには、SET-A1,SET-A2,SET-B1,SET-B2の信号がORゲート55を介して入力されると共に、D−FF54のクロック入力端子CKにはORゲート53を介して、一致出力SA1,SA2,SB1,SB2が入力されている。
【0084】
各デューティ決定回路3A,4A,3B,4Bの一致回路50の一致出力端子SA1,SA2,SB1,SB2からORゲート53へのライン中には、測定期間中の一致出力u1,u2,u3…(図9及び図10)を禁止するため、ANDゲート51又は52が設けられ、RS−FF6,8からのQ出力とのANDがとられている。
【0085】
また、RS−FF6又はRS−FF8のQ出力が立ち上がった直後に外部トリガ信号EXT-TRIG(図10のトリガG3)が到来した場合、つまりRS−FF6又はRS−FF8をリセットする一致信号SA1,SA2,SB1,SB2が発生する前に、外部トリガ信号EXT-TRIGが到来した場合は、新たな外部トリガ信号EXT-TRIGから数えた正しい一致信号(図10のe3点)が発生する前に、古い方の一致信号(図10のw点)が時間的に先に発生して、D−FF54のQ出力を立ち下げてしまう。この不都合を回避するため、A系統のANDゲート51,52の入力には、外部トリガ区画信号TRIG-STOPAが加えられ、またB系統のANDゲート51,52の入力には、外部トリガ区画信号TRIG-STOPBが加えられている。
【0086】
(8)動作
(a)概要
上記各組A,Bを構成する第1のデューティ決定回路3と第2のデューティ決定回路4とは、図9及び図10に動作サイクルC1,C2として示すように、互いに入力クロック信号CKの2周期分だけずれて交互に動作する。そして、一方の組、例えばA側の組で処理していたとき、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来時期との関係で、処理が間に合わなくなったときは、自動的に他方のB側の組に処理を移す。
【0087】
但し、本実施形態では、自動的に外部トリガ信号EXT-TRIGが到来する度に、A系統とB系統とを切り替える。
【0088】
A側の第2のデューティ決定回路4Aは、図9及び図10に示すように、入力クロック信号CKの4周期(4T)づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC1)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t1)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(A2側の目標計測区間)T1を計測する。
【0089】
そして、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/2の値(デューティ50%のタイミング位置)を算出しておく。続く後半の第3周期目(t3)及び第4周期目(t4)において、それぞれ内部トリガ信号TRIG-Aに同期した信号SET−A2の発生した時点(図9のd点,f点)から、遅延ライン発振器41を発振させて、上記算出値に合致するまで、即ちデューティ50%のタイミング位置になるまでの長さT5を計測し、一致した時点でデューティ50%のタイミング位置である旨の一致信号SA2(図9のe点,g点)を出力する。
【0090】
A側の第1のデューティ決定回路3Aは、第1のデューティ決定回路3と2周期分だけずれたその動作サイクルC2を有する。即ち、第1のデューティ決定回路4は、図2にt3〜t6として示す入力クロック信号CKの4周期づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC2)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t3)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(目標計測区間)T1を計測し、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/2の値(デューティ50%のタイミング位置)を算出する。続く後半の第4周期目(t4)及び第5周期目(t5)において、それぞれ内部トリガ信号TRIG-Aに同期した信号SET−A1の発生した時点(図9のk点,r点)から、遅延ライン発振器41を発振させる。
【0091】
この発振巡回数をカウンタすることにより、上記算出値と合致する点、即ちデューティ50%のタイミング位置になるまでの長さT5を計測し、一致した時点でデューティ50%のタイミング位置である旨の一致信号SA1(図9のq点,s点)を出力する。
【0092】
(b)A側の動作(トリガG1後)
(i) 4A側 第1周期目t1
図9の例では、入力クロック信号CKの第1周期目t1で第1の外部トリガ信号G1が到来する。
【0093】
これに先立ち、図2のa点で、タイミング信号WC-A2/B2(図9の(16))がORゲート9を通してデューティ決定回路4Aと4Bの遅延ライン発振器41に入力されて、それぞれの遅延ライン発振器41が発振を開始すると共に、カウンタ47のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ47が発振の巡回数をカウント動作し始める。遅延ライン発振器41の発振が、少なくとも第2周期目t2のクロックが立ち上がりが完了するまで継続する。
【0094】
4A側(A系統の第2のデューティ決定回路4A側)の遅延ライン発振器41の発振は、WC-A2/B2の立ち下がり、つまり実際計測区間T3が終わった時点(図9のc点)で終了となる。この間に、1/2CK-A2/B2の目標計測区間T1の終わりが到来し(図9のb点)、1/2CK-A2/B2が立ち下がることで、ラッチ回路48がカウンタ47のカウント値(1周期の長さT=T1)をラッチする。
【0095】
ここで演算回路49は、ラッチ回路48の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/2の値(50%のデューティのタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路50の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0096】
(ii) 4A側 第2周期目t2
第2周期目t2に入ると、SET-A2(図9の(7))の到来によりRS−FF8がセットされる(図9のd点)。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通してデューティ決定回路4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させる。また、RS−FF8のQ出力は、ORゲート9を通して4A側のカウンタ47のクリアCLに加わってクリア解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。
【0097】
カウンタ47の出力は、一致回路50の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のe点)、一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0098】
この一致出力SA2は、RS−FF8のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。この一致出力SA2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図9の(17))は立ち下がり、パルスP1の形でANDゲート52の入力となる。このパルスP1と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート52からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA2が幅の狭いパルスAND-A2(図9の(20))となって発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0099】
出力側のフリップフロップであるD−FF54はSET-A1,SET-A2又はSET-B1,SET-B2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(図9の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その都度D−FF54のQ出力が反転(立ち下げ動作)し、出力端子OUTにパルスP1′として現れる。
【0100】
(iii) 4A側 第3周期目t3
続いて、第3周期目t3に入ると、再びSET-A2(図9の(7))が到来するので(図9のf点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のg点)、再び一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0101】
この一致出力SA2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図9の(17))は立ち下がり、パルスP2の形でANDゲート52の入力となる。従って、このパルスP1と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力とするANDゲート52からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA2(AND-A2;第9図の(20))が出力され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0102】
D−FF54はSET-A2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(第9図の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP2′として現れる。
【0103】
上記の出力パルスP1′,P2′は、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して立ち上がり、かつ、外部入力クロックCKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号であり、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに完全に同期させたものとなっている。しかも、その波形はデューティ50%のものとなっている。
【0104】
(iv) 3A側 第3周期目t3
上記4A側の動作に対し、3A側(A系統の第1のデューティ決定回路3A側)でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、第3周期目t3に入ると、実際計測区間(T3)を指示する信号WC-A1/B1(図9の(9))が立ち上がり(図9のh点)、ORゲート7を通してデューティ決定回路3Aの遅延ライン発振器41に加わり、遅延ライン発振器41の発振が開始されると共に、カウンタ47のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ47が発振巡回数のカウントを開始する。
【0105】
(v) 3A側 第4周期目t4
3A側の遅延ライン発振器41の発振は、少なくとも第4周期目t4のクロックの立ち上がりが完了するまで、継続する。
【0106】
3A側の遅延ライン発振器41の発振は、第5周期目t5のクロックが立ち上がる前までに生ずるWC-A1/B1の立ち下がりにより、つまり入力クロックCKの1周期Tを若干経過した実際計測区間T3が終わった時点(図9のj点)で終了となる。
【0107】
この間に、丁度入力クロックCKの1周期T相当分の長さを持つ1/2CK-A1/B1の目標計測区間T1の終わりが到来し(図9のi点)、ラッチ回路48のクロック入力端子CKに入力されている1/2CK-A1/B1が立ち下がることで、ラッチ回路48がカウンタ47のカウント値(1周期の長さT=T1)をラッチする。
【0108】
ここでA1側の演算回路49は、ラッチ回路48の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/2の値(デューティ50%のタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路50の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0109】
第4周期目t4に入ると、SET-A1(図9の(6))の到来によりRS−FF6がセットされる(図9のk点)。RS−FF6のQ出力(図9の(10))はANDゲート51に入力されると共に、ORゲート7を通して3A側の遅延ライン発振器41に加わりこれを発振させ、また、3A側のカウンタ47のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0110】
3A側のカウンタ47の出力は、一致回路50の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のq点)、一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0111】
この一致出力SA1は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SA1の発生した時点でRS−FF6のQ出力(図9の(10))は立ち下がり、パルスP3の形でANDゲート51の入力となる。
【0112】
従って、このパルスP3と一致出力SA1とTRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート51からは、一致出力SA1が出力AND-A1(図9の(14))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。但し、正確には、出力AND-A1は一致出力SA1の前縁にて発生される短パルスである。
【0113】
D−FF54はSET-A1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1に対応する短パルスAND-A1(図9の(14))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスP3′として現れる。
【0114】
なお、第3周期目t3で発生する一致パルスSA1(図9のu1)は、RS−FF6のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート51には出力が現れず、D−FF54が切り替わらない。従って、3A側が測定区間にあるとき発生する一致パルスu1の影響はANDゲート51で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0115】
(vi) 3A側 第5周期目t5
続いて、第5周期目t5に入ると、再びSET-A1(図9の(6))が到来するので(図9のr点)、RS−FF6がセットされる。RS−FF6のQ出力(図9の(10))はANDゲート51の入力になると共に、ORゲート7を通してA1側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0116】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のs点)、再び一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0117】
この一致出力SA1によりRS−FF6がリセットされるので、RS−FF6のQ出力(図9の(10))が立ち下がり、パルスP4の形でANDゲート51の入力となる。従って、このパルスP4と一致出力SA1とTRIG-STOPAとを3入力とするANDゲート51からは、パルスP4の幅内において、一致出力SA1が出力AND-A1(図9の(14))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0118】
D−FF54はSET-A1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1に対応する短パルスAND-A1(図9の(14))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP4′として現れる。
【0119】
かくして、D−FF54のQ出力から、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期し、かつ、外部入力クロックEXT-CKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号P1′,P2′,P3′,P4′…が得られる。しかも、その波形は必ずデューティ50%に修正されたものとなっている。この同期化とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう外部同期回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0120】
(c)B側の動作(トリガG2後)
(i) 4B側 第6周期目t6〜第7周期目t7
図9の例では、入力クロック信号CKの第6周期目t6で第2の外部トリガ信号G2が到来する。しかも、SET−A2により開始した50%デューティ位置の計測中に外部トリガ信号G2が到来したケースとなっている。
【0121】
外部トリガ信号G2が到来すると、タイミング発生回路1内部のD−FFが反転し、これにより外部トリガ区画信号TRIG-STOPAがL、TRIG-STOPBがHの状態(B側選択状態)に切り替わる。このため、A系統のD−FF31に属するANDゲート33,34(SET−A1,SET−A2)は禁止され、これに代わってB系統のD−FF32に属するANDゲート35,36(SET−B1,SET−B2)が能動となる。
【0122】
この時点で動作回路切替信号BLOCK-SELがHであったかLであったかに応じ、SET−B1,SET−B2のいずれかが発生する。本例では図7の(20)(21)に示すように、まずSET−B2(図7のd2,f2)が発生する。
【0123】
このSET-B2(図10の(26))を受けて、4B側(B系統の第2のデューティ決定回路4B)のRS−FF8がセットされる(図10のd2点)。RS−FF8のQ出力(図10の(27))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して第2のデューティ決定回路4B側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させる。
【0124】
また、RS−FF8のQ出力は、ORゲート9を通して4B側のカウンタ47のクリアCLに加わってクリアを解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。なお、1周期Tの測定は常に行われているので、演算回路49における50%デューティに相当する演算結果は、既に一致回路50に入力されている。
【0125】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図10のe2点)、一致回路50から一致出力SB2が発生される。
【0126】
この一致出力SB2により、RS−FF8がリセットされ、そのQ出力(図10の(27))が立ち下がり、パルスP5の形でANDゲート52の入力となる。このパルスP5と一致出力SB2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPBとを3入力としているANDゲート52からは、一致出力SB2が幅の狭いパルスAND-B2(図10の(30))となって発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0127】
D−FF54はSET-B2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB2に対応する短パルスAND-B2(図10の(30))がD−FF54にクロック入力として加わると、その都度D−FF54のQ出力が反転(立ち下げ動作)し、出力端子OUTにパルスP5′として現れる。なお、第8図で示す例では、第6周期目t6において、既にd1の位置ではD−FF54はプリセットされていたため、P5′はG2の位置よりも少し前から立ち上がった少し幅の広いパルスとなっている。
【0128】
(ii) 4B側 第7周期目t7〜第8周期目t8
再びSET-B2(図10の(26))が到来すると(図9のf2点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図10の(27))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して4B側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリアを解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0129】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図10のg2点)、再び一致回路50から一致出力SB2が発生される。この一致出力SB2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図10の(27))は立ち下がり、パルスP6の形でANDゲート52の入力となる。従って、このパルスP6と一致出力SB2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPBとを3入力とするANDゲート52からは、一致出力SB2(AND-B2;図10の(30))が出力され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0130】
D−FF54はSET-B2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB2に対応する短パルスAND-B2(図10の(26))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP6′として現れる。
【0131】
要するに、上記の出力パルスP5′,P6′のうち、出力パルスP5′は、第6周期目t6における前回のSET−A2(図9のd1点)に同期して立ち上がり、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来後、一致信号SB2(図9のe2点)で立ち下がる信号となる。この立ち下がり位置は、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来後と同時に入力クロック信号EXT-CKが立ち上がったとした場合に、そのデューティ50%信号の位置と一致する。
【0132】
また、上記の出力パルスP6′は、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して立ち上がり、かつ、外部入力クロックCKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号であり、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに完全に同期させたものとなっている。しかも、その波形はデューティ50%のものとなっている。
【0133】
(iii) 3B側 第8周期目t8〜第9周期目t9
上記4B側の動作に対し、3B側(B系統の第1のデューティ決定回路3B側)でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、発振、カウント、演算、一致の動作による1周期の測定が行われており、第8周期目t8において、SET-B1(図10の(21))が発生すると、RS−FF6がセットされる(図10のk2点)。
【0134】
RS−FF6のQ出力(図10の(22))はANDゲート51に入力されると共に、ORゲート7を通して3B側(デューティ決定回路3B側)の遅延ライン発振器41に加わりこれを発振させ、また、3B側のカウンタ47のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0135】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図10のq2点)、一致回路50から一致出力SB1が発生される。
【0136】
この一致出力SB1は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SB1の発生した時点でRS−FF6のQ出力(図10の(22))は立ち下がり、パルスP7の形でANDゲート51の入力となる。
【0137】
従って、このパルスP7と一致出力SB1とTRIG-STOPBとを3入力としているANDゲート51からは、一致出力SB1が出力AND-B1(図10の(25))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0138】
但し、正確には、出力AND-B1は一致出力SB1の前縁にて発生される短パルスである。
【0139】
D−FF54はSET-B1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1に対応する短パルスAND-B1(図10の(25))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスP7′として現れる。なお、第3周期目t3,第7周目t7等で発生する一致パルスSB1(図10のu3)は、RS−FF6のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート51には出力が現れず、D−FF54が切り替わらない。
【0140】
従って、3B側が測定区間にあるとき発生する一致パルスu3の影響はANDゲート51で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0141】
(iv) 3B側 第9周期目t9〜第10周期目t10
続いて、第9周期目t9においては、再びSET-B1(図10の(21))が到来するので(図10のr2点)、RS−FF6がセットされる。RS−FF6のQ出力(図10の(22))はANDゲート51の入力になると共に、ORゲート7を通して3B側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0142】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図10のs2点)、再び一致回路50から一致出力SB1が発生される。この一致出力SB1によりRS−FF6がリセットされるので、RS−FF6のQ出力(図10の(22))が立ち下がり、パルスP8の形でANDゲート51の入力となる。
【0143】
従って、このパルスP8と一致出力SB1とTRIG-STOPBとを3入力とするANDゲート51からは、一致出力SB1が出力AND-B1(図10の(25))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0144】
D−FF54はSET-B1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1に対応する短パルスAND-B1(図10の(25))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP8′として現れる。
【0145】
かくして、D−FF54のQ出力から、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期し、かつ、外部入力クロックEXT-CKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号P5′,P6′,P7′,P8′…が得られる。しかも、その波形は必ずデューティ50%に修正されたものとなっている。
【0146】
この同期化とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう外部同期回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0147】
(d)A側の動作(トリガG3後)
(i) 4A側 第10周期目t10〜第11周期目t11
図9の例では、入力クロック信号CKの第10周期目t10で第3の外部トリガ信号G2が到来する。しかも、SET−B1により開始した50%デューティ位置の計測中に外部トリガ信号G2が到来したケースとなっている。
【0148】
外部トリガ信号G3が到来すると、タイミング発生回路1内部のD−FFが反転し、これにより外部トリガ区画信号TRIG-STOPAがH、TRIG-STOPBがLの状態に切り替わる。このため、B系統のD−FF32に属するANDゲート35,36(SET−B1,SET−B2)は禁止され、これに代わってA系統のD−FF31に属するANDゲート33,34(SET−A1,SET−A2)が能動となる。
【0149】
この時点で動作回路切替信号BLOCK-SELがHであったかLであったかに応じ、SET−A1,SET−A2のいずれかが発生する。本例では図7の(15)(17)に示すように、まずSET−A2(図7のd3,f3)が発生する。
【0150】
このSET-A2(図9の(7))を受けて、RS−FF8がセットされる(図9のd3点)。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通してデューティ決定回路4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させる。また、RS−FF8のQ出力は、ORゲート9を通して4A側のカウンタ47のクリアCLに加わってクリア解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。
【0151】
なお、1周期Tの測定は常に行われているので、演算回路49における50%デューティに相当する演算結果は、既に一致回路50に入力されている。
【0152】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のe3点)、一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0153】
この一致出力SA2により、RS−FF8がリセットされ、そのセットQ出力(図9の(17))が立ち下がり、パルスP9の形でANDゲート52の入力となる。このパルスP5と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート52からは、一致出力SA2が幅の狭いパルスAND-A2(図9の(20))となって発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0154】
D−FF54はSET-A2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(図9の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その都度D−FF54のQ出力が反転(立ち下げ動作)し、出力端子OUTにパルスP9′として現れる。
【0155】
一方、上記トリガGの到来した時点では、まだB2側のSR−FF8のQ出力が、第10周期目t10における前回のSET−B2(図10のd2)により立ち上がったままであり、従ってB2側のSR−FF8がリセットされるまで50%デューティ位置を実測中である。
【0156】
このため、何も工夫しないとすると、SET−B2(図10のd2)から数えた50%デューティ位置にて、一致出力SB2(図10のw点)が現れ、これにより出力が立ち下がってしまう。即ち、新しいトリガG3に同期せず、従前のトリガG2に同期した位置で、出力OUTが立ち下がってしまうことになる。
【0157】
そこで、ANDゲート52には、TRIG-STOPAが加えられ、A側で動作している場合にはB側で発生する一致信号SB2が出力側に影響しないように、当該ANDゲートを禁止している。
【0158】
同様の理由から、A側のANDゲート51には外部トリガ区画信号TRIG-STOPAが加えられ、またB側のANDゲート51,52には外部トリガ区画信号TRIG-STOPBが加えられている。なお、トリガG2が到来した第6周期目t6の終わりでも、一致信号SA2(図9のw点)が生ずるが、これもA2側のANDゲート52により除去され、出力に影響を与えない。
【0159】
(ii) 4A側 第11周期目t11〜第12周期目t12
再びSET-A2(図9の(7))が到来すると(図9のf3点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図9の(17))はANDゲート52に入力されると共に、ORゲート9を通して4A側の遅延ライン発振器41に加わり、これを発振させ、また、カウンタ47をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0160】
カウンタ47のカウント値が、上記演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のg3点)、再び一致回路50から一致出力SA2が発生される。
【0161】
この一致出力SA2の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図9の(17))は立ち下がり、パルスP10の形でANDゲート52の入力となる。従って、このパルスP10と一致出力SA2と外部トリガ区画信号TRIG-STOPAとを3入力とするANDゲート52からは、一致出力SA2(AND-A2;図9の(20))が出力され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。
【0162】
D−FF54はSET-A2により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA2に対応する短パルスAND-A2(図9の(20))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスP10′として現れる。
【0163】
要するに、上記の出力パルスP9′,P10′のうち、出力パルスP9′は、第10周期目t10における前回のSET−B2(図9のd2点)に同期して立ち上がり、外部トリガ信号EXT-TRIG(トリガG3)の到来後、一致信号SB2(図9のe3点)で立ち下がる信号となる。
【0164】
この立ち下がり位置は、外部トリガ信号EXT-TRIGの到来後と同時に入力クロック信号EXT-CKが立ち上がったとした場合に、そのデューティ50%信号の位置と一致する。
【0165】
また、上記の出力パルスP10′は、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期して立ち上がり、かつ、外部入力クロックCKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号であり、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに完全に同期させたものとなっている。しかも、その波形はデューティ50%のものとなっている。
【0166】
(iii) 3A側 第12周期目t12〜第13周期目t13
上記4A側の動作に対し、3A側(A系統の第1のデューティ決定回路3A側)でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、発振、カウント、演算、一致の動作による1周期の測定が行われており、第12周期目t12において、SET-A1(図9の(6))が発生すると、RS−FF6がセットされる(図9のk3点)。
【0167】
RS−FF6の出力Q(図9の(10))はANDゲート51に入力されると共に、ORゲート7を通して3A側(デューティ決定回路3A側)の遅延ライン発振器41に加わりこれを発振させ、また、3A側のカウンタ47のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0168】
カウンタ47のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路49の出力している値(1周期の長さTの1/2の値)に一致した瞬間(図9のq3点)、一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0169】
この一致出力SA1は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SA1の発生した時点でRS−FF6の出力Q(図9の(10))は立ち下がり、パルスP11の形でANDゲート51の入力となる。
【0170】
従って、このパルスP11と一致出力SA1とTRIG-STOPAとを3入力としているANDゲート51からは、一致出力SA1が出力AND-A1(図9の(14))として発生され、ORゲート53を通してD−FF54のクロック入力となる。但し、正確には、出力AND-A1は一致出力SA1の前縁にて発生される短パルスである。
【0171】
D−FF54はSET-A1により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1に対応する短パルスAND-A1(図9の(14))がD−FF54にクロック入力として加わると、その時点でD−FF54のQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスP11′として現れる。
【0172】
なお、第9周期目t9,第11周目t11等で発生する一致パルスSA1及びSA2(図9のu1,u2)は、RS−FF6,8のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート51,52には出力が現れず、D−FF54が切り替わらない。従って、A1側又はA2側が測定区間にあるとき発生する一致パルスu1,u2の影響はANDゲート51,52で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0173】
(iv) 3A側 第13周期目t13〜第14周期目t14
続いて、第13周期目t13においては、再びSET-A1(図9の(6))が到来するので(図9のr3点)、RS−FF6がセットされる。そして、カウンタ47のカウント値が、演算回路49の出力値(1周期の長さTの1/2の値)に一致すると(図9のs3点)、再び一致回路50から一致出力SA1が発生される。
【0174】
従って、D−FF54のQ出力から、外部トリガ信号EXT-TRIGに同期し、かつ、外部入力クロックEXT-CKと同一周期Tを持つディジタルクロック信号P9′,P10′,P11′,P12′…が得られる。しかも、その波形は必ずデューティ50%に修正されたものとなっている。
【0175】
この同期化とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう外部同期回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0176】
但し、図9の例では、一致出力SA1の発生と同時に第4の外部トリガG4が入力されているため、P12′は前回のものとの連続した長さのものとなる。
以下同様にして、第14周期目t14以降についても外部トリガ信号EXT-TRIGが入力される度に、これに同期した位置から出力パルスを立ち上げ、入力クロック信号EXT-CKの1周期の丁度半分の位置に来た時点で出力パルスを立ち下げる動作を行い、結果的に入力クロック信号EXT-CKを外部トリガ信号EXT-TRIGに同期させる。
【0177】
(9)他の実施形態
上記実施形態では、幅作成回路5にプリセット可能なD−FF54を用いたが、図12に示すように、D−FF54の代わりに出力用のORゲート56を設け、このORゲート56により、上記各デューティ決定回路3A,4A,3B,4Bに前置されたSR−FF6,8のQ出力を取り出すことにより、所望の出力(図10の(33))を得ることができる。
【0178】
この実施形態についての動作は説明を省略するが、前置フリップフロップ6,8のQ出力、つまり図9及び図10におけるRS−FF-A1-Q(P3,P4、P11,P12)、RS−FF-A2-Q(P1,P2、P9,P10),RS−FF-B1-Q(P7,P8)、RS−FF-B2-Q(P5,P6)を単純に合成したものであり、これらの前置フリップフロップ6,8のQ出力がそのまま出力として取り出される所に特徴がある。このように構成することの利点は、図2の場合よりも回路が簡単になることにある。
【0179】
また、上記実施形態では、図11(a)に示す入力クロック信号EXT-CKの1周期を単位とする波形のCKFA,CKFBを用いたが、図11(b)に示す2周期を単位とする波形のCKFA,CKFBを用いることもできる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1,2記載の外部同期方法又は請求項3〜請求項14に記載の外部同期回路によれば、外部トリガ信号の到来間隔が変動する場合でも、また、外部トリガ信号のパルス幅が変動する場合でも、これらに影響を受けずに、容易に、これに入力クロック信号を同期させた状態のクロック信号を出力することができる。しかも、入力クロック信号がいかなる周波数又は周期長さを持つ場合でも、また、入力クロック信号がそのデューティが変動している波形のものであっても、常に、デューティが50%であるパルス波形のクロック信号を出力することができる。よって、使用する半導体能動素子の周波数限界を見かけ上高めることができる。
(2)請求項2に記載の外部同期方法又は請求項9記載の外部同期回路によれば、第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組用意し、一方の組を、外部トリガ信号間の一つの区間を処理するために用い、他方の組を隣の区間を処理するために用いるため、外部トリガ信号が一方の組の動作中に到来した場合でも、他方の組により出力波形を外部トリガ信号に同期させることができる。
(3)請求項4又は請求項10記載の外部同期回路によれば、目標計測区間と実際計測区間を明確に区分し、入力クロック信号(CK)の1周期を実際に計測して求めているので、任意の周期を持つ入力クロック信号(CK)に対応することができ、また、そのクロック周期が変動する場合にも追従することができる。
(4)請求項5又は請求項11記載の外部同期回路によれば、遅延ライン発振器の出力を利用して計測する形態であるため、位相誤差も問題とならない。このため、非常に精度の高い測定を行うことができる。
また、遅延ライン発振器のループは、奇数段のインバータで構成される結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される。従って、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
(5)請求項6又は請求項12に記載の外部同期回路によれば、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けているので、安定した動作が保障される。
(6)請求項7又は請求項13に記載の外部同期回路によれば、請求項6又は請求項12記載の外部同期回路において、上記一致信号を禁止するANDゲートに、外部トリガ区画信号(TRIG-STOPA,TRIG-STOPB)を入力し、前回の動作の延長として発生される一致信号を禁止しているので、出力パルスが新たなトリガに同期せずに前回に同期した位置で立ち下がってしまう不都合が防止される。
(7)請求項8又は請求項14の外部同期回路によれば、請求項3〜7又は請求項9〜13記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップ(54)の代わりに、出力用のORゲート(56)を設けて所望の出力クロック信号を得るようにしたものであるので、出力用のフリップフロップ(54)を設ける場合に比べ、構成が簡単になるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外部同期回路の第1の実施形態を示す回路の左半分を示す図である。
【図2】本発明の外部同期回路の第1の実施形態を示す回路の右半分を示す図である。
【図3】図1,図2の回路の主要部の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】図3のタイミングチャートの上半分の拡大図である。
【図5】図3のタイミングチャートの下半分の拡大図である。
【図6】図1のタイミング発生回路2の具体例を示す回路図である。
【図7】図1のタイミング発生回路2とモード切替信号作成回路の部分の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】図10のデューティ決定回路と幅作成回路の部分の動作を示すタイミングチャートである。
【図9】図8のタイミングチャートの上半分の拡大図である。
【図10】図8のタイミングチャートの下半分の拡大図である。
【図11】図1のタイミング発生回路11が作成するCKFA,CKFBを例示した図で、(a)は入力クロックの1周期に合致させた場合を、(b)は入力クロックの2周期に合致させた場合を示す。
【図12】本発明の外部同期回路の他の実施形態を示す図である。
【図13】半導体能動素子の取り扱う周波数の変化の説明に供する図である。
【図14】従来の同期選択回路を示す図である。
【符号の説明】
1,2 タイミング発生回路
3 第1のデューティ決定回路
4 第2のデューティ決定回路
5 幅作成回路
6 RS−FF
7 ORゲート
8 RS−FF
9 ORゲート
10 内部トリガ作成回路
11 タイミング発生回路
12 第1の位相位置付与回路
13 第2の位相位置付与回路
14 遅延ライン発振器
15 NANDゲート
16 C-MOSインバータ(遅延素子)
17 帰還ループ
18 インバータ
19 ライン
20 カウンタ
21 ラッチ回路
22 一致回路
23 ORゲート
24 ANDゲート
25 ORゲート(FSA1)
26 論理ゲート部(AND-A,AND-B)
30 モード切替信号作成回路
31,32 D−FF(D−FF-RA,D−FF-RA)
33,34,35,36 ANDゲート
41 遅延ライン発振器
42 NANDゲート
43 C-MOSインバータ(遅延素子)
44 帰還ループ
45 インバータ
46 ライン
47 カウンタ
48 ラッチ回路
49 演算回路
50 一致回路
51,52 ANDゲート
54 プリセット可能なD−FF
53 ORゲート
55 ORゲート
1/2CK-A1/B1,1/2CK-A2/B2 目標計測区間T1のための信号
A,B 外部トリガ信号の区間
C1,C2 動作サイクル
CKFA,CKFB 位相位置計測区間信号(パルス幅T2)
BLOCK-SEL 動作回路切替信号(1側と2側を切替)
EXT-CK 入力クロック信号
EXT-TRIG 外部トリガ信号
INT-TRIG 基準内部トリガ信号
P1,P1′〜P11,P11′ 出力パルス
SA1,SA2 A側の一致信号
SB1,SB2 B側の一致信号
T 入力クロック信号CKの1周期
T1 目標計測区間
T2 位相位置計測区間
T5 デューティ50%の位置までの長さ
T3 実際計測区間
T6 発振照合区間
TRIG-AB 基準外部トリガ信号
TRIG-A,TRIG-B A区間とB区間に振り分けられた内部トリガ信号TRIG-STOPA,TRIG-STOPB 外部トリガ区画信号(D−FF-Q,D−FF-QNと同じ)
WC-A1/B1,WC-A2/B2 実際計測区間(T3)を指示する信号
SET−A1,SET−A2 A側の第1群の信号と第2群の信号
SET−B1,SET−B2 B側の第1群の信号と第2群の信号
Claims (14)
- 入力クロック信号を外部トリガ信号に同期させる外部同期方法におて、外部トリガ信号に同期した内部トリガ信号を、次の外部トリガ信号が到来するまでの間に、入力クロック信号の周期で多数作成し、これを第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とに時間的に前後して分けて与え、交互に、内部トリガ信号の位置から入力クロック信号の周期のデューティ50%に対応するタイミング位置を計測し、内部トリガ信号の位置で出力パルスを立ち上げ、上記計測されたデューティ50%に対応するタイミング位置で出力パルスを立ち下げるようにしたことを特徴とする外部同期方法。
- 上記請求項1記載の外部同期方法において、上記第1のデューティ決定回路と第2のデューティ決定回路とをA,Bの2組用意し、一方の組を、外部トリガ信号間の一つの区間を処理するために用い、他方の組を隣の区間を処理するために用いることを特徴とする外部同期方法。
- タイミング発生回路1からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号の一周期Tにおける外部トリガ信号からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、外部トリガ信号の到来した位相位置に対応する位相位置で内部トリガ信号を作成して出力する内部トリガ作成回路と、
上記内部トリガ信号を受け、外部トリガ信号の各区間において、内部トリガ信号を第1群の信号と第2群の信号とに前後に分けて出力するモード切替信号作成回路と、
上記第1群の信号を受けて動作する第1のフリップフロップと、上記第2群の信号を受けて動作する第2のフリップフロップと、
上記第1のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記第1のフリップフロップをリセットする第1のデューティ決定回路と、
上記第2のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記第2のフリップフロップをリセットする第2のデューティ決定回路と、
上記第1群の信号と第2群の信号とに同期してセットされ、上記第1のデューティ決定回路及び第2のデューティ決定回路からの一致信号により反転動作される出力用のフリップフロップと、
を設けたことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項3記載の外部同期回路において、
上記各デューティ決定回路は、それぞれ、遅延ライン発振器と、その発振巡回数を計数するカウンタ及びラッチ回路と、その計数値の1/2の値を算出する演算回路と、そして上記カウンタの値が該演算結果に合致したとき一致信号を出力する一致回路とを有して構成され、
上記各デューティ決定回路には、それぞれORゲートが前置され、該ORゲートを通して、上記内部トリガ信号の存在しない区間において入力クロック信号の1周期Tより若干長い実際計測区間を指示する信号が入力され、これにより実際計測区間だけ遅延ライン発振器が発振を行い、また、その発振中に入力クロック信号の1周期Tに対応する長さ位置を指示する目標計測区間のタイミング信号を上記ラッチ回路に与えてカウンタの値をラッチさせる、
ことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項4記載の外部同期回路において、上記遅延ライン発振器が、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲートと、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータと、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ中に挿入されたインバータとで構成されていることを特徴とする外部同期回路。
- 上記請求項3記載の外部同期回路において、上記各デューティ決定回路からの一致信号をフリップフロップに入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けたことを特徴とする外部同期回路。
- 上記請求項6記載の外部同期回路において、上記一致信号を禁止するANDゲートに、外部トリガ信号の区間を示す外部トリガ区画信号を入力したことを特徴とする外部同期回路。
- 上記請求項3,4,5,6又は7記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップの代わりに、上記第1群の信号を受けて動作する第1のフリップフロップの出力と、上記第2群の信号を受けて動作する第2のフリップフロップの出力とを入力とする出力用のORゲートを設けたことを特徴とする外部同期回路。
- タイミング発生回路1からのタイミング信号を受けて、入力クロック信号の一周期Tにおける外部トリガ信号からの位相位置を計測し、次の一周期T毎に、外部トリガ信号の到来した位相位置に対応する位相位置で基準内部トリガ信号を作成し、これを外部トリガ信号のA区間と隣のB区間とに交互に振り分けて内部トリガ信号として出力する内部トリガ作成回路と、
上記内部トリガ信号の一方を受け、上記A区間内において、それぞれ内部トリガ信号を第1群の信号と第2群の信号とに前後に分けて出力するA側のモード切替信号作成回路と、
上記A側の第1群の信号SET−A1を受けて動作する第1のフリップフロップ及び上記第2群の信号SET−A2を受けて動作する第2のフリップフロップと、
上記A側の第1のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記A側の第1のフリップフロップをリセットする第1のデューティ決定回路と、
上記A側の第2のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記A側の第2のフリップフロップをリセットする第2のデューティ決定回路と、
上記内部トリガ信号の他方を受け、上記B区間内において、それぞれ内部トリガ信号を第1群の信号と第2群の信号とに前後に分けて出力するB側のモード切替信号作成回路と、
上記B側の第1群の信号を受けて動作する第1のフリップフロップ及び上記第2群の信号を受けて動作する第2のフリップフロップと、
上記B側の第1のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記B側の第1のフリップフロップをリセットする第1のデューティ決定回路と、
上記B側の第2のフリップフロップの出力を受けて発振動作し、その発振巡回数を計数して出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し、その旨の一致信号を出力して、上記B側の第2のフリップフロップをリセットする第2のデューティ決定回路と、
上記A側及びB側それぞれの第1群の信号と第2群の信号とに同期してセットされ、上記A側及びB側それぞれの第1のデューティ決定回路及び第2のデューティ決定回路からの一致信号により反転動作される出力用のフリップフロップと、
を設けたことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項9記載の外部同期回路において、
上記各デューティ決定回路は、それぞれ、遅延ライン発振器と、その発振巡回数を計数するカウンタ及びラッチ回路と、その計数値の1/2の値を算出する演算回路と、そして上記カウンタの値が該演算結果に合致したとき一致信号を出力する一致回路とを有して構成され、
上記各デューティ決定回路には、それぞれORゲートが前置され、該ORゲートを通して、上記内部トリガ信号の存在しない区間において入力クロック信号の1周期Tより若干長い実際計測区間を指示する信号が入力され、これにより実際計測区間だけ遅延ライン発振器が発振を行い、また、その発振中に入力クロック信号の1周期Tに対応する長さ位置を指示する目標計測区間のタイミング信号を上記ラッチ回路に与えてカウンタの値をラッチさせる、
ことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項10記載の外部同期回路において、上記遅延ライン発振器が、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲートと、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータと、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ中に挿入されたインバータとで構成されている、
ことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項9記載の外部同期回路において、上記各デューティ決定回路からの一致信号をフリップフロップに入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けた、
ことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項12記載の外部同期回路において、上記一致信号を禁止するANDゲートに、外部トリガ信号の区間を示す外部トリガ区画信号を入力した、
ことを特徴とする外部同期回路。 - 上記請求項9,10,11,12又は13記載の外部同期回路において、上記出力用のフリップフロップの代わりに、上記A側及びB側の第1群の信号を受けて動作する第1のフリップフロップの出力と、上記第2群の信号を受けて動作する第2のフリップフロップの出力とを入力とする出力用のORゲートを設けた、
ことを特徴とする外部同期回路。
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