JP3762961B2 - 周波数逓倍回路 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数逓倍回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体能動素子の遮断周波数は有限であり、使用しうる最高周波数はその制約を受ける。
例えば、図3において、デジタル信号(1)と(2)の波形は繰り返し周波数fが同一のものである。しかし、信号(1)の波形は立ち上がっているHレベル区間TAと立ち下がっているLレベル区間TBとの比が1:1(デューティ50%)であるのに対し、信号(2)の波形では区間TAと区間TBの比が1:1でなくなっているため、見かけ上の周波数fが上昇している。このため、半導体能動素子であるICがデューティ50%の信号(1)の入力波形を受けて動作可能範囲の上限一杯で動作していた場合に、入力信号の波形が、デューティ50%の状態(信号(1))からそれより小さいデューティの波形(信号(2))にくずれたとすると、当該ICにはその動作可能範囲を越える周波数の信号が入力されることになり、当該ICは当該入力信号の周波数に応答した動作ができなくなる。
従って、取り扱うデジタル信号は、区間TAと区間TBとの比が1:1(デューティ50%)である波形のものが好ましい。換言すれば、取り扱うデジタル信号がデューティ50%の波形に常に整形されていれば、同じ半導体能動素子を用いてより高い周波数の信号を取り扱うことができることとなる。
とこで、50%デューティの出力が得られる周波数逓倍器を構成する場合、一般的には、入力ディジタル信号(50%デューティからずれているもの)を1/2分周し、90度位相を遅延し、イクスクルーシブORをとって出力としている。しかし、これだけでは、得られる周波数が最初の入力クロックのものと同じになってしまう。
そこで、45度、90度、135度の位相をずらせた信号を用いることが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる位相をずらせる技術を用いた場合、周波数逓倍回路の構成が複雑となり、また、取り扱う周波数が変わると設計のやり直しとなる。このため、実際には、得ようとする周波数の2倍の周波数の発振器を用い、その周波数を分周することで、目的の周波数を得ているのが実状であった。
そこで、本発明の目的は、構成が簡単で、しかもデューティ50%の波形に整形されて出力される実用的な周波数逓倍回路を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
(1)請求項1に記載の周波数逓倍回路は、入力クロック信号(CK)から、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間(T1A,T1B)を入力クロック信号(CK)の1周期(T)の整数倍の間隔をあけて指示する信号(1/2CKA,1/2CKB)と、この目標計測区間より若干長く計測動作を持続させるための実際計測区間(T3A,T3B)を指示する信号(WC-A,WC-B)と、を含む所要のタイミング信号を作成するタイミング発生回路(2)と、
上記タイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示するデューティ決定回路(3,4)であって、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)とを設け、
その際、両デューティ決定回路(3,4)は、それぞれ、遅延ライン発振器(11)と、その発振巡回数を計数するカウンタ(17)と、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値を算出する演算回路(19,20,21)と、そして該演算回路(19,20,21)の上記3つの演算結果を一方の入力とし上記カウンタの出力を他方の入力として、上記カウンタの値が上記3つの演算結果に合致したときその都度一致信号(SA1,SA2,SA3)を出力する一致回路(22,23,24)とを有して構成され、
上記第1のデューティ決定回路(3)及び上記第2のデューティ決定回路(4)の前にそれぞれに前置されたフリップフロップであって、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間(T6A,T6B)において、入力クロック信号(CK)の1周期(T)の前縁に同期して毎回セットされ、上記一致信号の最後のものでリセットされるフリップフロップ(6,8)と、
上記第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)毎に、上記フリップフロップの出力と上記実際計測区間(T3A,T3B)を指示する信号(WC-A,WC-B)とを所属のデューティ決定回路(3,4)に入力するORゲート(7,9)と、
上記入力クロック信号(CK)の1周期(T)の前縁に同期して毎回リセットされ、上記第1のデューティ決定回路(3)及び上記第2のデューティ決定回路(4)から得られる一致信号(SA1,SA2,SA3)により状態が切り替わる出力用のフリップフロップ(5c)と、を具備するものである。
入力クロック信号(CK)の1周期(T)の整数倍の間隔ごとに到来する第1の周期において、1周期の長さを計測する。この計測値を基に、演算回路(19)が、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値つまりデューティ25%,50%,75%のタイミング値を算出する。そして、上記間隔内の第2の各周期においてその長さの計測が実行され、当該計測値が上記算出された3つの値(計数値の1/4、2/4及び3/4)と一致したとき一致信号(SA1,SA2,SA3)が一致回路(22,23,24)から出力される。この一致信号は、上記デューティ25%,50%,75%のタイミング位置を示すものである。
幅作成回路(5)において、入力クロック信号CKの前縁に同期した信号でパルスを立ち上げ、上記デューティ決定回路(3)で決定指示されたタイミング位置つまりデューティ25%,50%,75%のタイミング位置で順次に立ち下げと立ち上げを行わせることにより、周波数が2倍でかつそのデューティが50%であるパルス波形のクロック信号を作成して出力することができる。
入力クロック信号(CK)がいかなる周波数又は周期長さを持つ場合でも、また、入力クロック信号(CK)がそのデューティが変動している波形のものであっても、常に出力としてデューティ50%の波形の逓倍出力が得られる。
遅延ライン発振器の出力を利用して計測する形態であるため、位相誤差も問題とならない。このため、非常に精度の高い測定を行うことができる。
【0005】
また、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1及び第2のデューティ決定回路(3,4)が用いられ、それぞれにフリップフロップ(6,8)とORゲート(7,9)が前置されている。このため、実際測定区間の発振時は、上記前置フリップフロップ(6,8)の出力が所属のデューティ決定回路(3,4)に入力され且つ出力側に入力されるが、最後の一致信号(SA3)が発生すると、上記前置フリップフロップ(6,8)がリセットされて出力側への信号が消失し、出力側への影響が回避される。しかも、実際計測区間を指示する信号についてはORゲート(7,9)を介して所属のデューティ決定回路(3,4)に確実に入力される。即ち、一つのデューティ決定回路を構成する共通の遅延ライン発振器(11)等を、実際計測区間と発振照合区間とに確実に切り換えて動作を行わせることできる。従って、実際計測区間用と発振照合区間用の遅延ライン発振器等を2組用意する場合に比べ、構成が簡単である。
【0006】
(2)請求項2に記載の周波数逓倍回路は、請求項1において、上記各デューティ決定回路(3,4)からの一致信号をフリップフロップ(6,8)に入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲート(31,32)を設けたものであり、安定した動作が保障される。
【0007】
(3)請求項3に記載の周波数逓倍回路は、請求項1又は2において、上記遅延ライン発振器(11)を、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート(12)と、該NANDゲート(12)の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータ(13)と、該インバータ(13)の最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ(14)中に挿入されたインバータ(15)とで構成したものである。
【0008】
奇数段のインバータである結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される結果、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1の周波数逓倍回路1は、同一構成の2組のデューティ決定回路3,4を設け、両回路が、図2に動作サイクルC1,C2として示すように、互いに入力クロック信号CKの2周期分だけずれて交互に動作するようにしたものである。なお、必要に応じ、第1のデューティ決定回路3をA側、第2のデューティ決定回路4をB側と称し、参照符号に添字A,Bを付して区別する。
【0010】
即ち、周波数逓倍回路1は、入力クロック信号CKから、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間T1A,T1Bを入力クロック信号CKの1周期Tの整数倍の間隔をあけて指示する信号1/2CKA,1/2CKBと、この目標計測区間より若干長く計測動作を持続させるための実際計測区間T3A,T3Bを指示する信号WC-A,WC-Bと、を含む所要のタイミング信号を作成するタイミング発生回路2を有する。また、上記タイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示するデューティ決定回路3,4であって、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1のデューティ決定回路3及び第2のデューティ決定回路4を有する。
【0011】
(1)デューティ決定回路3,4
両デューティ決定回路3,4は、それぞれ、遅延ライン発振器11と、その発振巡回数を計数するカウンタ17と、そのカウンタ17の内容をラッチするラッチ回路18と、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値を算出する第1演算回路19,第2演算回路20及び第3演算回路21と、そして各演算回路19,20,21に1つ宛設けられた第1一致回路22,第2一致回路23及び第3一致回路24とを有して構成されている。
【0012】
(a)遅延ライン発振器11
遅延ライン発振器11は、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート12と、該NANDゲート12の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のC-MOSインバータ13と、該インバータ13の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子への帰還ループ14中に挿入された反転用の単なるインバータ15とで構成されている。
【0013】
遅延素子としてのインバータ13には、C-MOSインバータの他に、ECLインバータ,IILインバータなどが使用できる。
【0014】
この遅延ライン発振器11は、上記タイミング発生回路2からタイミング信号WC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)を受けて、その立ち上がりで計測のための発振を開始し、立ち下がりで発振を停止する。即ち、通常NANDゲート12は、その一方の入力端子が論理レベルL、出力がH、インバータ13はその出力がL、そしてインバータ15はその出力(NANDゲート12の他方の入力端子)がHの状態にあり、発振を停止している。しかし、通常NANDゲート12の一方の入力端子が論理レベルHに替わると、NANDゲート12の出力がL、インバータ13の出力がH、インバータ15の出力がL、NANDゲート12の他方の入力がH、NANDゲート12の出力がL…というように状態が変化し、発振する。そして、WC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)の立ち下がりで発振を停止する。
【0015】
このWC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)の立ち上がりは、上記タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の立ち上がりと同時であり、立ち下がりは同タイミング信号1/2CKの立ち下がりより少し遅れる。要するに、この遅延ライン発振器11は、上記入力クロック信号CKを1/2分周して得たタイミング信号1/2CKの立ち上がり(目標計測区間T1A,T1Bの始まり)で発振を開始し、同1/2CKの立ち下がり後(目標計測区間T1A,T1Bの終了後)に発振を停止する。
【0016】
よって、タイミング信号1/2CKの各奇数番目の1周期(目標計測区間T1A,T1B)の間は発振が持続する。
【0017】
(b)カウンタ17
カウンタ17は、そのクロック入力端子CKが上記遅延ライン発振器11の出力端子に接続されており、上記遅延ライン発振器11の出力DL−OSC-Aの変化、つまり発振の一巡回毎に1回発生する出力変化をカウントする。また、カウンタ17のクリア端子CLには上記遅延ライン発振器11と同じ入力信号、つまりタイミング信号WC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)等が入力される。
【0018】
従って、カウンタ17は、遅延ライン発振器11の発振及び停止の動作と同じく、上記タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の立ち上がりでカウントを開始し、同タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の立ち下がり後にカウントを停止する。よって、タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の1周期区間の間は発振の巡回数のカウントが持続する。
【0019】
(c)ラッチ回路18
ラッチ回路18は、上記カウンタ17の桁出力を入力としており、クロック入力端子CKには上記タイミング発生回路2で作成されたタイミング信号1/2CK(目標計測区間T1)が入力されている。
【0020】
従って、このラッチ回路18は、タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)が立ち下がった時点、つまり目標計測区間T1A,T1Bが終了した時点で、カウンタ17のカウント値(発振の巡回数)をラッチする。従って、ラッチ回路18には、タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の1周期区間の長さ(入力クロック信号CKの1周期T)に対応する発振巡回数のカウント値がラッチされる。
【0021】
(d)演算回路
第1演算回路19,第2演算回路20及び第3演算回路21は、それぞれ上記ラッチ回路18のパラレル出力を受け、ラッチされている発振巡回数のカウント値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値、つまり25%,50%,75%のデューティ値を算出する。このうち、25%のデューティ値は第1一致回路22の一方の入力となり、50%のデューティ値は第2一致回路23の一方の入力となり、そして75%のデューティ値は第3一致回路24の一方の入力となる。
【0022】
(e)一致回路
第1一致回路22,第2一致回路23及び第3一致回路24は、それぞれ、上記第1演算回路19,第2演算回路20及び第3演算回路21のパラレル出力(演算結果1/4の値、2/4の値及び3/4の値)のうちの一つを一方の入力とし、上記カウンタ17の出力を他方の入力としている。そして、これらの一致回路22,23,24は、上記カウンタ17の計数値が上記3つの演算結果に合致する値まで増加したとき、その都度、一致信号SA1,SA2,SA3又はSB1,SB2,SB3を出力する。
【0023】
(2)前置FF及び前置ORゲート
第1のデューティ決定回路3及び上記第2のデューティ決定回路4の前には、それぞれにSRフリップフロップ(FFと略す)6,8が前置されており、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間T6A,T6Bにおいて、入力クロック信号CKの1周期Tの前縁に同期して毎回セットされ、上記一致信号の最後のものSA3,SB3でリセットされる。
【0024】
また、第1のデューティ決定回路3及び第2のデューティ決定回路4毎にORゲート7,9が前置されており、該ORゲート7,9を通して、上記SR−FF6,8の出力と、上記実際計測区間T3A,T3Bを指示する信号WC-A,WC-Bとが、所属のデューティ決定回路3,4に入力されている。そして、入力クロック信号CKの1周期Tの前縁に同期して毎回リセットされ、第1のデューティ決定回路3及び第2のデューティ決定回路4から得られる一致信号SA1,SA2,SA3又はSB1,SB2,SB3により状態が切り替わる出力用のフリップフロップ5cを具備する。
【0025】
詳述するに、第1のデューティ決定回路3にはRS−FF6が前置されており、そのQ出力は、ORゲート7(OR-A)を通してデューティ決定回路3の遅延ライン発振器11に入力されると共に、ANDゲート31の一方の入力端子に入力されている。そして、上記一致回路24の出力、つまりデューティ75%の一致出力は、これに前置されたRS−FF6のリセット端子Rに入力されている。このRS−FF6は出力用のD−FF5cと共に幅作成回路5の一部を構成する。
【0026】
このRS−FF6は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQN(図2の(8))がHのとき、つまりA側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスSET-A(図2の(9))によりセットされ、上記一致信号の最後のものSA3(図2の(16))によりリセットされる(図2の(11)参照)。
【0027】
従って、第3周期目t3,第4周期目t4でRS−FF6の出力端子Qに生じたパルスP1,P2はANDゲート31の一方に加わり、パルスP1,P2が出力されている間、一致出力SA1,SA2,SA3はORゲート33(OR−2)を通してプリセット可能なD−FF5cのクロック入力端子CKに加わる。
【0028】
かかる構成の第1のデューティ決定回路3と全く同一に構成された第2のデューティ決定回路4には、RS−FF8及びORゲート9が前置されており、そのQ出力は、ORゲート9(OR-B)を通してデューティ決定回路4の遅延ライン発振器11に入力されると共に、ANDゲート31の一方の入力端子に入力されている。そして、上記一致回路28の出力、つまりデューティ決定回路4の出力は、これに前置されたRS−FF8のリセット端子Rに入力されている。このRS−FF8も、D−FF5cと共に幅作成回路5を構成する。
【0029】
このRS−FF8は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQ(図2の(7))がHのとき、つまりB側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスSET-B(図2の(16))によりセットされ、上記一致信号SB(図2の(23))の最後のもの(図示してないが図2の(16)のSA3と同様のパルス)によりリセットされる(図2の(18)参照)。
【0030】
従って、第5周期目t5,第6周期目t6でRS−FF8の出力端子Qに生じたパルスP3,P4は、ANDゲート32の一方に加わり、パルスP3,P4が出力されている間、一致出力SB1,SB2,SB3はORゲート33(OR−2)を通してプリセット可能なD−FF5cのクロック入力端子CKに加わる。
【0031】
(3)幅作成回路5
幅作成回路5は、プリセット可能なD−FF5cを有し、そのQN端子とD端子は直結されている。また、プリセット入力端子PRには、SET-A,SET-Bの信号(即ちSET-AB)をORゲート5dを介して入力されると共に、D−FF5cのクロック入力端子CKにはORゲート33を介して、一致出力SA1,SA2,SA3又はSB1,SB2,SB3が入力されている。
【0032】
なお、一致回路22,23,24の一致出力端子SA1,SA2,SA3からORゲート33へのライン中には、測定期間中の一致出力を禁止するためANDゲート31が設けられ、RS−FF6,8からのQ出力とのANDがとられている。
【0033】
同様に、一致回路22,23,24の一致出力端子SB1,SB2,SB3からORゲート33へのライン中には、測定期間中の一致出力を禁止するためANDゲート32が設けられ、RS−FF6,8からのQ出力とのANDがとられている。
【0034】
(4)タイミング発生回路2
タイミング発生回路2は、内部において、タイミング信号SET-AB,1/2CK,1/2CK-DL,WC,JK−FF-Q,JK−FF-QNを作り、更に、これらを用いてタイミング信号SET-A,SET-B,1/2CKA,1/2CKB,WC-A,WC-Bを作成し出力する。
【0035】
SET-AB(図2の(3))は、入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号である。
【0036】
1/2CK(図2の(4))は入力クロック信号CKの1周期Tの長さとして計測すべき区間(目標計測区間)T1を確定するためのタイミング信号であり、具体的には、入力クロック信号CKを1/2分周することにより得られる信号である。
【0037】
WC(図2の(6))は上記目標計測区間T1にわたって計測動作を持続させるための区間(実際計測区間)T3A,T3Bを確立するためのタイミング信号である。このWCは、上記1/2CKよりも立ち下がりが若干遅れた信号、つまり入力クロックCKと同時に立ち上がり幅が入力クロック信号CKの1周期Tより若干長い信号である。このWCは、1/2CKをその1/2周期の幅内で若干遅延させた信号1/2CK-DL(図2の(5))を作り、これと1/2CKとの論理和をとることにより得ている。
【0038】
JK−FF-Q(図2の(7))は、タイミング発生回路2内のJK−FFの出力Qの信号であり、出力QがHのとき、A側が測定区間(B側が発振照合区間)であることを指示し、JK−FFQN(図2の(8))は、タイミング発生回路2内のJK−FFの出力QNがHのとき、B側が測定区間(A側が発振照合区間)であることを指示する。
【0039】
SET-A(図2の(9))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQN(図2の(8))がHのとき、つまりA側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、A側のRS−FF6のセット入力となる。
【0040】
SET-B(図2の(18))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQ(図2の(7))がHのとき、つまりB側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、B側のRS−FF8のセット入力となる。
【0041】
1/2CKA(図2の(14))は、A側の目標計測区間T1Aを確立するための信号であり、タイミング発生回路2内のJK−FFのQ(図2の(7))がHのとき、つまりA側が測定区間(B側が発振照合区間)にある間に、1/2CKを取り出した信号である。
【0042】
1/2CKB(図2の(20))は、B側の目標計測区間T1Bを確立するための信号であり、タイミング発生回路2内のJK−FFのQN(図2の(8))がHのとき、つまりB側が測定区間(A側が発振照合区間)にある間に、1/2CKを取り出した信号である。
【0043】
共に、入力クロック信号CKから、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間T1A,T1Bを入力クロック信号CKの1周期Tの整数倍、ここでは3倍の間隔T6A,T6Bをあけて指示するように生起される。
【0044】
WC-A,WC-Bは実際計測区間T3A,T3Bのためのタイミング信号であり、T1より長いパルス幅を有する。
【0045】
(5)動作
第1のデューティ決定回路3は、図2に示すように、入力クロック信号CKの4周期(4T)づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC1)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t1)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(A側の目標計測区間)T1Aを計測し、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/4,2/4,3/4の値(デューティ25%,50%,75%のタイミング位置)を算出し、これに基づいて、続く後半の第3周期目(t3)及び第4周期目(t4)において、それぞれ入力クロック信号CKの前縁からこの算出値と合致するまで、即ちデューティ25%,50%,75%のタイミング位置までの長さ(図2にはその最大の75%のタイミング位置までの長さをT5Aで示してある)を計測し、一致した時点でその都度デューティ25%,50%,75%のタイミング位置である旨の一致信号SA1,SA2,SA3を出力する。
【0046】
第2のデューティ決定回路4は、第1のデューティ決定回路3と2周期分だけずれたその動作サイクルC2を有する。即ち、第2のデューティ決定回路4は、図2にt3〜t6として示す入力クロック信号CKの4周期づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC2)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t3)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(B側の目標計測区間)T1Bを計測し、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/4,2/4,3/4の値(デューティ25%,50%,75%のタイミング位置)を算出し、これに基づいて、続く後半の第3周期目(t5)及び第4周期目(t6)において、それぞれ入力クロック信号CKの前縁からこの算出値と合致するまで、即ちデューティ25%,50%,75%のタイミング位置までの長さ(図2にはその最大の75%のタイミング位置までの長さをT5Bで示してある)を計測し、一致した時点でデューティ25%,50%,75%のタイミング位置である旨の一致信号SB1,SB2,SB3を出力する。
【0047】
図2に、図1の回路の主要要素の 動作を示す。
【0048】
(i) A側 第1周期目t1
入力クロック信号CKの第1周期目t1でSET-ABが発生した時点(図2のa)で、タイミング信号WC-A(図2の(10))がORゲート7を通して遅延ライン発振器11に入力されて発振が開始されると共に、カウンタ17のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ17が発振の巡回数をカウント動作し始める。遅延ライン発振器11の発振が、少なくとも第2周期目t2のクロックが立ち上がりが完了するまで継続する。
【0049】
遅延ライン発振器11の発振は、WC-Aの立ち下がり、つまり実際計測区間T3Aが終わった時点(図2のc点)で終了となる。この間に、1/2CKAの目標計測区間T1Aの終わりが到来し(図2のb点)、1/2CKAが立ち下がることで、ラッチ回路18がカウンタ17のカウント値(1周期の長さT=T1A)をラッチする。
【0050】
ここで演算回路19,20,21は、ラッチ回路18の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/4の値,2/4の値,3/4の値(25%,50%,75%のデューティのタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路22,23,24の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0051】
(ii) A側 第3周期目t3
第3周期目t3に入ると、SET-A(図2の(9))の到来によりRS−FF6がセットされる(図2のd点)。RS−FF6のセット出力Q(図2の(11))はANDゲート31に入力されると共に、ORゲート7を通してA側の遅延ライン発振器11に加わり、これを発振させる。
【0052】
また、RS−FF6のセット出力Qは、ORゲート7を通してA側のカウンタ17のクリアCLに加わってクリア解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。
【0053】
カウンタ17の出力は、一致回路22,23,24の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ17のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路19,20,21の出力している値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致した瞬間(図2のe1,e2,e3点)、その都度、一致回路22,23,24から一致出力SA1,SA2,SA3が発生される。
【0054】
この一致出力SA1,SA2,SA3のうち最大のSA3は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。この一致出力SA3の発生した時点でRS−FF6の出力Q(図2の(11))は立ち下がり、パルスP1の形でANDゲート31の入力となる。
【0055】
一方、一致信号はこのSA3の以前にSA1,SA2が発生している。従って、このパルスP1と一致出力SA1,SA2,SA3とを2入力としているANDゲート31からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA1,SA2,SA3が出力AND-A-OUT(図2の(17))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0056】
但し、正確には、SA3は一致出力SA3の前縁にて発生される短パルスである。
【0057】
出力側のフリップフロップであるD−FF5cはSET-A又はSET-B(即ちSET-AB)により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1,SA2,SA3に対応する短パルスAND-A-OUT(図2の(17))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その都度D−FF5cのQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスx1,x2として現れる。当然、この出力パルスx1,x2は、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形は1周期の長さ(もとの1周期の半分1/2T)の丁度半分(デューティ50%)の位置つまりもとの入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0058】
なお、第1周期目t1で発生する一致パルスSA1,SA2,SA3(図2の(15))は、RS−FF6のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート31には出力が現れず、D−FF5cが切り替わらない。
【0059】
従って、A側が測定区間(JK−FFのQ端子がHレベル)にあるとき発生する一致パルスSA1の影響はANDゲート31で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0060】
(iii) A側 第4周期目t4
続いて、第4周期目t4に入ると、再びSET-A(図2の(9))が到来するので(図2のf点)、RS−FF6がセットされる。RS−FF6のセット出力Q(図2の(11))はANDゲート31に入力されると共に、ORゲート7を通してA側の遅延ライン発振器11に加わり、これを発振させ、また、カウンタ17をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0061】
カウンタ17のカウント値が、上記演算回路19,20,21の出力値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致すると(図2のg1,g2,g3点)、再び一致回路22,23,24から一致出力SA1,SA2,SA3が発生される。
【0062】
この一致出力SA3の発生した時点でRS−FF6のQ出力(図2の(11))は立ち下がり、パルスP2の形でANDゲート31の入力となる。一方、一致信号はこのSA3の以前にSA1,SA2が発生している。
【0063】
従って、このパルスP1と一致出力SAとを2入力とするANDゲート31からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA1,SA2,SA3が出力AND-A-OUT(図2の(17))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0064】
D−FF5cはSET-ABにより毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1,SA2,SA3に対応する短パルスAND-A-OUT(図2の(17))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その時点でD−FF5cのQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスx3,x4として現れる。当然、この出力パルスx3,x4も、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形はその1周期の長さの丁度半分(デューティ50%)の位置つまり元の入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0065】
(iv) B側 第3周期目t3
上記A側の動作に対し、B側でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、第3周期目t3のSET-ABが発生した時点では、JK−FFのQN出力(図2の(8))がHレベルにあり、これによりB側のデューティ決定回路4が測定動作するように選択指示される。
【0066】
従って、タイミング信号WC-B(図2の(19))が立ち上がり(図2のh点)、ORゲート9を通してB側の遅延ライン発振器11に加わり発振が開始されると共に、カウンタ17のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ17が発振巡回数のカウントを開始する。
【0067】
(v) B側 第4周期目t4
B側の遅延ライン発振器11の発振は、少なくとも第4周期目t4のクロックの立ち上がりが完了するまで、継続する。
【0068】
B側の遅延ライン発振器11の発振は、第5周期目t5のクロックが立ち上がる前までに生ずるWC-Bの立ち下がりにより、つまり入力クロックCKの1周期Tを若干経過した実際計測区間T3Bが終わった時点(図2のj点)で終了となる。この間に、丁度入力クロックCKの1周期T相当分の長さを持つ1/2CKAの目標計測区間T1Bの終わりが到来し(図2のi点)、ラッチ回路18のクロック入力端子CKに入力されている1/2CKBが立ち下がることで、ラッチ回路18がカウンタ17のカウント値(1周期の長さT=T1B)をラッチする。
【0069】
ここでB側の演算回路19,20,21は、ラッチ回路18の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/4の値,2/4の値,3/4の値(25%,50%,75%のデューティのタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路22,23,24の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0070】
(vi) B側 第5周期目t5
第5周期目t5に入ると、SET-B(図2の(18))の到来によりRS−FF8がセットされる(図2のk点)。RS−FF8のQ出力(図2の(20))はANDゲート32に入力されると共に、ORゲート9を通してB側の遅延ライン発振器11に加わりこれを発振させ、また、B側のカウンタ17のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0071】
B側のカウンタ17の出力は、一致回路22,23,24の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ17のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路19,20,21の出力している値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致した瞬間(図2のq1,q2,q3点)、一致回路28から一致出力SB1,SB2,SB3が発生される。
【0072】
この一致出力SB1,SB2,SB3のうち最大のSB3は、RS−FF8のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SB3の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図2の(20))は立ち下がり、パルスP3の形でANDゲート32の入力となる。
【0073】
一方、一致信号はこのSB3の以前にSB1,SB2が発生している。従って、このパルスP3と一致出力SB1,SB2,SB3とを2入力としているANDゲート32からは、一致出力SB1,SB2,SB3が出力AND-B-OUT(図2の(24))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0074】
但し、正確には、SB3は一致出力SB3の前縁にて発生される短パルスである。
【0075】
D−FF5cはSET-ABにより毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1,SB2,SB3に対応する短パルスAND-B-OUT(図2の(24))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その時点でD−FF5cのQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスy1,y2として現れる。当然、この出力パルスy1,y2は、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形は1周期の長さ(もとの1周期の半分1/2T)の丁度半分(デューティ50%)の位置つまりもとの入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0076】
なお、第3周期目t3で発生する一致パルスSB1,SB2,SB3(図2の(23))は、RS−FF8のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート32には出力が現れず、D−FF5cが切り替わらない。
【0077】
従って、B側が測定区間(JK−FFのQ端子がHレベル)にあるとき発生する一致パルスSB1の影響はANDゲート32で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0078】
(vii)B側 第6周期目t6
続いて、第6周期目t6に入ると、再びSET-B(図2の(18))が到来するので(図2のr点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図2の(20))はANDゲート32の入力になると共に、ORゲート9を通してB側の遅延ライン発振器11に加わり、これを発振させ、また、カウンタ17をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。カウンタ17のカウント値が、上記演算回路19,20,21の出力値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致すると(図2のs1,s2,s3点)、再び一致回路22,23,24から一致出力SB1,SB2,SB3が発生される。
【0079】
この一致出力SB1,SB2,SB3によりRS−FF8がリセットされるので、RS−FF8のQ出力(図2の(20))が立ち下がり、パルスP4の形でANDゲート32の入力となる。一方、一致信号はこのSB3の以前にSB1,SB2が発生している。
【0080】
従って、このパルスP4と一致出力SB1,SB2,SB3とを2入力とするANDゲート32からは、パルスP4の幅内においてのみ、一致出力SB1,SB2,SB3が出力AND-B-OUT(図2の(24))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0081】
D−FF5cはSET-ABにより毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1,SB2,SB3に対応する短パルスAND-B-OUT(図2の(24))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その時点でD−FF5cのQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスy3,y4として現れる。当然、この出力パルスy3,y4も、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形はその1周期の長さの丁度半分(デューティ50%)の位置つまり元の入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0082】
かくして、D−FF5cのQ出力から、入力クロックCKに同期した2倍の周波数のディジタル信号であって、その出力波形のデューティが50%である出力クロックx1,x2,x3,x4,y1,y2,y3,y4…が得られる。上記の周波数逓倍とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう周波数逓倍回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1に記載の周波数逓倍回路によれば、入力クロック信号がいかなる周波数又は周期長さを持つ場合でも、また、入力クロック信号がそのデューティが変動している波形のものであっても、常に、周波数が2倍でかつそのデューティが50%であるパルス波形のクロック信号を出力することができる。よって、使用する半導体能動素子の周波数限界を見かけ上高めることができる。
遅延ライン発振器の出力を利用して計測する形態であるため、位相誤差も問題とならない。このため、非常に精度の高い測定を行うことができる。
この周波数逓倍回路においては、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1及び第2のデューティ決定回路を用い、それぞれから、上記デューティ25%,50%,75%のタイミング位置を示す一致信号を交互に得ているので、目標計測区間と実際計測区間を明確に区分し、目標計測区間の発振の動作を1周期の幅一杯まで確実に行わせることができる。また、実際計測区間用と発振照合区間用の遅延ライン発振器等を2組用意する場合に比べ、構成が簡単である。
(2)請求項2に記載の周波数逓倍回路によれば、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けているので、安定した動作が保障される。
(3)請求項3に記載の周波数逓倍回路は、請求項1又は2において、上記遅延ライン発振器を、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲートと、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータと、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ中に挿入されたインバータとで構成したものである。従って、請求項3によれば、奇数段のインバータである結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される結果、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数逓倍回路の実施形態を示す図である。
【図2】図1の回路の主要部の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】半導体能動素子の取り扱う周波数の変化の説明に供する図である。
【符号の説明】
1 デジタル波形整形回路
2 タイミング発生回路
3 デューティ決定回路
4 第2のデューティ決定回路
5 幅作成回路
5c プリセット可能なD−FF
5d ORゲート
6 RS−FF
7 ORゲート
8 RS−FF
9 ORゲート
11 遅延ライン発振器
12 NANDゲート
13 C-MOSインバータ(遅延素子)
14 帰還ループ
15 インバータ
17 カウンタ
18 ラッチ回路
19,20,21 演算回路
22,23,24 一致回路
25 ORゲート
31,32 ANDゲート
33 ORゲート
C1,C2 動作サイクル
SA1,SA2,SA3 A側の一致信号
SB,,SB2,SB3 B側の一致信号
t1〜t6 第1周期目〜第6周期目
T 入力クロック信号CKの1周期
1/2CK 目標計測区間T1のためのタイミング信号
T1A,T1B 目標計測区間
T3A,T3B 実際計測区間
T5A,T5B デューティ75%のタイミング位置までの長さ
T6A,T6B 発振照合区間
1/2CKA,1/2CKB 目標計測区間(T1A,T1B)のためのタイミング信号
WC-A,WC-B 実際計測区間(T3A,T3B)を指示する信号
x1,x2,x3,x4 出力パルス
y1,y2,y3,y4 出力パルス
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数逓倍回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体能動素子の遮断周波数は有限であり、使用しうる最高周波数はその制約を受ける。
例えば、図3において、デジタル信号(1)と(2)の波形は繰り返し周波数fが同一のものである。しかし、信号(1)の波形は立ち上がっているHレベル区間TAと立ち下がっているLレベル区間TBとの比が1:1(デューティ50%)であるのに対し、信号(2)の波形では区間TAと区間TBの比が1:1でなくなっているため、見かけ上の周波数fが上昇している。このため、半導体能動素子であるICがデューティ50%の信号(1)の入力波形を受けて動作可能範囲の上限一杯で動作していた場合に、入力信号の波形が、デューティ50%の状態(信号(1))からそれより小さいデューティの波形(信号(2))にくずれたとすると、当該ICにはその動作可能範囲を越える周波数の信号が入力されることになり、当該ICは当該入力信号の周波数に応答した動作ができなくなる。
従って、取り扱うデジタル信号は、区間TAと区間TBとの比が1:1(デューティ50%)である波形のものが好ましい。換言すれば、取り扱うデジタル信号がデューティ50%の波形に常に整形されていれば、同じ半導体能動素子を用いてより高い周波数の信号を取り扱うことができることとなる。
とこで、50%デューティの出力が得られる周波数逓倍器を構成する場合、一般的には、入力ディジタル信号(50%デューティからずれているもの)を1/2分周し、90度位相を遅延し、イクスクルーシブORをとって出力としている。しかし、これだけでは、得られる周波数が最初の入力クロックのものと同じになってしまう。
そこで、45度、90度、135度の位相をずらせた信号を用いることが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる位相をずらせる技術を用いた場合、周波数逓倍回路の構成が複雑となり、また、取り扱う周波数が変わると設計のやり直しとなる。このため、実際には、得ようとする周波数の2倍の周波数の発振器を用い、その周波数を分周することで、目的の周波数を得ているのが実状であった。
そこで、本発明の目的は、構成が簡単で、しかもデューティ50%の波形に整形されて出力される実用的な周波数逓倍回路を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
(1)請求項1に記載の周波数逓倍回路は、入力クロック信号(CK)から、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間(T1A,T1B)を入力クロック信号(CK)の1周期(T)の整数倍の間隔をあけて指示する信号(1/2CKA,1/2CKB)と、この目標計測区間より若干長く計測動作を持続させるための実際計測区間(T3A,T3B)を指示する信号(WC-A,WC-B)と、を含む所要のタイミング信号を作成するタイミング発生回路(2)と、
上記タイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示するデューティ決定回路(3,4)であって、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)とを設け、
その際、両デューティ決定回路(3,4)は、それぞれ、遅延ライン発振器(11)と、その発振巡回数を計数するカウンタ(17)と、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値を算出する演算回路(19,20,21)と、そして該演算回路(19,20,21)の上記3つの演算結果を一方の入力とし上記カウンタの出力を他方の入力として、上記カウンタの値が上記3つの演算結果に合致したときその都度一致信号(SA1,SA2,SA3)を出力する一致回路(22,23,24)とを有して構成され、
上記第1のデューティ決定回路(3)及び上記第2のデューティ決定回路(4)の前にそれぞれに前置されたフリップフロップであって、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間(T6A,T6B)において、入力クロック信号(CK)の1周期(T)の前縁に同期して毎回セットされ、上記一致信号の最後のものでリセットされるフリップフロップ(6,8)と、
上記第1のデューティ決定回路(3)及び第2のデューティ決定回路(4)毎に、上記フリップフロップの出力と上記実際計測区間(T3A,T3B)を指示する信号(WC-A,WC-B)とを所属のデューティ決定回路(3,4)に入力するORゲート(7,9)と、
上記入力クロック信号(CK)の1周期(T)の前縁に同期して毎回リセットされ、上記第1のデューティ決定回路(3)及び上記第2のデューティ決定回路(4)から得られる一致信号(SA1,SA2,SA3)により状態が切り替わる出力用のフリップフロップ(5c)と、を具備するものである。
入力クロック信号(CK)の1周期(T)の整数倍の間隔ごとに到来する第1の周期において、1周期の長さを計測する。この計測値を基に、演算回路(19)が、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値つまりデューティ25%,50%,75%のタイミング値を算出する。そして、上記間隔内の第2の各周期においてその長さの計測が実行され、当該計測値が上記算出された3つの値(計数値の1/4、2/4及び3/4)と一致したとき一致信号(SA1,SA2,SA3)が一致回路(22,23,24)から出力される。この一致信号は、上記デューティ25%,50%,75%のタイミング位置を示すものである。
幅作成回路(5)において、入力クロック信号CKの前縁に同期した信号でパルスを立ち上げ、上記デューティ決定回路(3)で決定指示されたタイミング位置つまりデューティ25%,50%,75%のタイミング位置で順次に立ち下げと立ち上げを行わせることにより、周波数が2倍でかつそのデューティが50%であるパルス波形のクロック信号を作成して出力することができる。
入力クロック信号(CK)がいかなる周波数又は周期長さを持つ場合でも、また、入力クロック信号(CK)がそのデューティが変動している波形のものであっても、常に出力としてデューティ50%の波形の逓倍出力が得られる。
遅延ライン発振器の出力を利用して計測する形態であるため、位相誤差も問題とならない。このため、非常に精度の高い測定を行うことができる。
【0005】
また、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1及び第2のデューティ決定回路(3,4)が用いられ、それぞれにフリップフロップ(6,8)とORゲート(7,9)が前置されている。このため、実際測定区間の発振時は、上記前置フリップフロップ(6,8)の出力が所属のデューティ決定回路(3,4)に入力され且つ出力側に入力されるが、最後の一致信号(SA3)が発生すると、上記前置フリップフロップ(6,8)がリセットされて出力側への信号が消失し、出力側への影響が回避される。しかも、実際計測区間を指示する信号についてはORゲート(7,9)を介して所属のデューティ決定回路(3,4)に確実に入力される。即ち、一つのデューティ決定回路を構成する共通の遅延ライン発振器(11)等を、実際計測区間と発振照合区間とに確実に切り換えて動作を行わせることできる。従って、実際計測区間用と発振照合区間用の遅延ライン発振器等を2組用意する場合に比べ、構成が簡単である。
【0006】
(2)請求項2に記載の周波数逓倍回路は、請求項1において、上記各デューティ決定回路(3,4)からの一致信号をフリップフロップ(6,8)に入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲート(31,32)を設けたものであり、安定した動作が保障される。
【0007】
(3)請求項3に記載の周波数逓倍回路は、請求項1又は2において、上記遅延ライン発振器(11)を、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート(12)と、該NANDゲート(12)の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータ(13)と、該インバータ(13)の最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ(14)中に挿入されたインバータ(15)とで構成したものである。
【0008】
奇数段のインバータである結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される結果、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1の周波数逓倍回路1は、同一構成の2組のデューティ決定回路3,4を設け、両回路が、図2に動作サイクルC1,C2として示すように、互いに入力クロック信号CKの2周期分だけずれて交互に動作するようにしたものである。なお、必要に応じ、第1のデューティ決定回路3をA側、第2のデューティ決定回路4をB側と称し、参照符号に添字A,Bを付して区別する。
【0010】
即ち、周波数逓倍回路1は、入力クロック信号CKから、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間T1A,T1Bを入力クロック信号CKの1周期Tの整数倍の間隔をあけて指示する信号1/2CKA,1/2CKBと、この目標計測区間より若干長く計測動作を持続させるための実際計測区間T3A,T3Bを指示する信号WC-A,WC-Bと、を含む所要のタイミング信号を作成するタイミング発生回路2を有する。また、上記タイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示するデューティ決定回路3,4であって、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1のデューティ決定回路3及び第2のデューティ決定回路4を有する。
【0011】
(1)デューティ決定回路3,4
両デューティ決定回路3,4は、それぞれ、遅延ライン発振器11と、その発振巡回数を計数するカウンタ17と、そのカウンタ17の内容をラッチするラッチ回路18と、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値を算出する第1演算回路19,第2演算回路20及び第3演算回路21と、そして各演算回路19,20,21に1つ宛設けられた第1一致回路22,第2一致回路23及び第3一致回路24とを有して構成されている。
【0012】
(a)遅延ライン発振器11
遅延ライン発振器11は、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲート12と、該NANDゲート12の出力端子に遅延素子として接続された奇数段のC-MOSインバータ13と、該インバータ13の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子への帰還ループ14中に挿入された反転用の単なるインバータ15とで構成されている。
【0013】
遅延素子としてのインバータ13には、C-MOSインバータの他に、ECLインバータ,IILインバータなどが使用できる。
【0014】
この遅延ライン発振器11は、上記タイミング発生回路2からタイミング信号WC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)を受けて、その立ち上がりで計測のための発振を開始し、立ち下がりで発振を停止する。即ち、通常NANDゲート12は、その一方の入力端子が論理レベルL、出力がH、インバータ13はその出力がL、そしてインバータ15はその出力(NANDゲート12の他方の入力端子)がHの状態にあり、発振を停止している。しかし、通常NANDゲート12の一方の入力端子が論理レベルHに替わると、NANDゲート12の出力がL、インバータ13の出力がH、インバータ15の出力がL、NANDゲート12の他方の入力がH、NANDゲート12の出力がL…というように状態が変化し、発振する。そして、WC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)の立ち下がりで発振を停止する。
【0015】
このWC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)の立ち上がりは、上記タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の立ち上がりと同時であり、立ち下がりは同タイミング信号1/2CKの立ち下がりより少し遅れる。要するに、この遅延ライン発振器11は、上記入力クロック信号CKを1/2分周して得たタイミング信号1/2CKの立ち上がり(目標計測区間T1A,T1Bの始まり)で発振を開始し、同1/2CKの立ち下がり後(目標計測区間T1A,T1Bの終了後)に発振を停止する。
【0016】
よって、タイミング信号1/2CKの各奇数番目の1周期(目標計測区間T1A,T1B)の間は発振が持続する。
【0017】
(b)カウンタ17
カウンタ17は、そのクロック入力端子CKが上記遅延ライン発振器11の出力端子に接続されており、上記遅延ライン発振器11の出力DL−OSC-Aの変化、つまり発振の一巡回毎に1回発生する出力変化をカウントする。また、カウンタ17のクリア端子CLには上記遅延ライン発振器11と同じ入力信号、つまりタイミング信号WC-A,WC-B(実際計測区間T3A,T3B)等が入力される。
【0018】
従って、カウンタ17は、遅延ライン発振器11の発振及び停止の動作と同じく、上記タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の立ち上がりでカウントを開始し、同タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の立ち下がり後にカウントを停止する。よって、タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の1周期区間の間は発振の巡回数のカウントが持続する。
【0019】
(c)ラッチ回路18
ラッチ回路18は、上記カウンタ17の桁出力を入力としており、クロック入力端子CKには上記タイミング発生回路2で作成されたタイミング信号1/2CK(目標計測区間T1)が入力されている。
【0020】
従って、このラッチ回路18は、タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)が立ち下がった時点、つまり目標計測区間T1A,T1Bが終了した時点で、カウンタ17のカウント値(発振の巡回数)をラッチする。従って、ラッチ回路18には、タイミング信号1/2CK(目標計測区間T1A,T1B)の1周期区間の長さ(入力クロック信号CKの1周期T)に対応する発振巡回数のカウント値がラッチされる。
【0021】
(d)演算回路
第1演算回路19,第2演算回路20及び第3演算回路21は、それぞれ上記ラッチ回路18のパラレル出力を受け、ラッチされている発振巡回数のカウント値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値、つまり25%,50%,75%のデューティ値を算出する。このうち、25%のデューティ値は第1一致回路22の一方の入力となり、50%のデューティ値は第2一致回路23の一方の入力となり、そして75%のデューティ値は第3一致回路24の一方の入力となる。
【0022】
(e)一致回路
第1一致回路22,第2一致回路23及び第3一致回路24は、それぞれ、上記第1演算回路19,第2演算回路20及び第3演算回路21のパラレル出力(演算結果1/4の値、2/4の値及び3/4の値)のうちの一つを一方の入力とし、上記カウンタ17の出力を他方の入力としている。そして、これらの一致回路22,23,24は、上記カウンタ17の計数値が上記3つの演算結果に合致する値まで増加したとき、その都度、一致信号SA1,SA2,SA3又はSB1,SB2,SB3を出力する。
【0023】
(2)前置FF及び前置ORゲート
第1のデューティ決定回路3及び上記第2のデューティ決定回路4の前には、それぞれにSRフリップフロップ(FFと略す)6,8が前置されており、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間T6A,T6Bにおいて、入力クロック信号CKの1周期Tの前縁に同期して毎回セットされ、上記一致信号の最後のものSA3,SB3でリセットされる。
【0024】
また、第1のデューティ決定回路3及び第2のデューティ決定回路4毎にORゲート7,9が前置されており、該ORゲート7,9を通して、上記SR−FF6,8の出力と、上記実際計測区間T3A,T3Bを指示する信号WC-A,WC-Bとが、所属のデューティ決定回路3,4に入力されている。そして、入力クロック信号CKの1周期Tの前縁に同期して毎回リセットされ、第1のデューティ決定回路3及び第2のデューティ決定回路4から得られる一致信号SA1,SA2,SA3又はSB1,SB2,SB3により状態が切り替わる出力用のフリップフロップ5cを具備する。
【0025】
詳述するに、第1のデューティ決定回路3にはRS−FF6が前置されており、そのQ出力は、ORゲート7(OR-A)を通してデューティ決定回路3の遅延ライン発振器11に入力されると共に、ANDゲート31の一方の入力端子に入力されている。そして、上記一致回路24の出力、つまりデューティ75%の一致出力は、これに前置されたRS−FF6のリセット端子Rに入力されている。このRS−FF6は出力用のD−FF5cと共に幅作成回路5の一部を構成する。
【0026】
このRS−FF6は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQN(図2の(8))がHのとき、つまりA側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスSET-A(図2の(9))によりセットされ、上記一致信号の最後のものSA3(図2の(16))によりリセットされる(図2の(11)参照)。
【0027】
従って、第3周期目t3,第4周期目t4でRS−FF6の出力端子Qに生じたパルスP1,P2はANDゲート31の一方に加わり、パルスP1,P2が出力されている間、一致出力SA1,SA2,SA3はORゲート33(OR−2)を通してプリセット可能なD−FF5cのクロック入力端子CKに加わる。
【0028】
かかる構成の第1のデューティ決定回路3と全く同一に構成された第2のデューティ決定回路4には、RS−FF8及びORゲート9が前置されており、そのQ出力は、ORゲート9(OR-B)を通してデューティ決定回路4の遅延ライン発振器11に入力されると共に、ANDゲート31の一方の入力端子に入力されている。そして、上記一致回路28の出力、つまりデューティ決定回路4の出力は、これに前置されたRS−FF8のリセット端子Rに入力されている。このRS−FF8も、D−FF5cと共に幅作成回路5を構成する。
【0029】
このRS−FF8は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQ(図2の(7))がHのとき、つまりB側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスSET-B(図2の(16))によりセットされ、上記一致信号SB(図2の(23))の最後のもの(図示してないが図2の(16)のSA3と同様のパルス)によりリセットされる(図2の(18)参照)。
【0030】
従って、第5周期目t5,第6周期目t6でRS−FF8の出力端子Qに生じたパルスP3,P4は、ANDゲート32の一方に加わり、パルスP3,P4が出力されている間、一致出力SB1,SB2,SB3はORゲート33(OR−2)を通してプリセット可能なD−FF5cのクロック入力端子CKに加わる。
【0031】
(3)幅作成回路5
幅作成回路5は、プリセット可能なD−FF5cを有し、そのQN端子とD端子は直結されている。また、プリセット入力端子PRには、SET-A,SET-Bの信号(即ちSET-AB)をORゲート5dを介して入力されると共に、D−FF5cのクロック入力端子CKにはORゲート33を介して、一致出力SA1,SA2,SA3又はSB1,SB2,SB3が入力されている。
【0032】
なお、一致回路22,23,24の一致出力端子SA1,SA2,SA3からORゲート33へのライン中には、測定期間中の一致出力を禁止するためANDゲート31が設けられ、RS−FF6,8からのQ出力とのANDがとられている。
【0033】
同様に、一致回路22,23,24の一致出力端子SB1,SB2,SB3からORゲート33へのライン中には、測定期間中の一致出力を禁止するためANDゲート32が設けられ、RS−FF6,8からのQ出力とのANDがとられている。
【0034】
(4)タイミング発生回路2
タイミング発生回路2は、内部において、タイミング信号SET-AB,1/2CK,1/2CK-DL,WC,JK−FF-Q,JK−FF-QNを作り、更に、これらを用いてタイミング信号SET-A,SET-B,1/2CKA,1/2CKB,WC-A,WC-Bを作成し出力する。
【0035】
SET-AB(図2の(3))は、入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号である。
【0036】
1/2CK(図2の(4))は入力クロック信号CKの1周期Tの長さとして計測すべき区間(目標計測区間)T1を確定するためのタイミング信号であり、具体的には、入力クロック信号CKを1/2分周することにより得られる信号である。
【0037】
WC(図2の(6))は上記目標計測区間T1にわたって計測動作を持続させるための区間(実際計測区間)T3A,T3Bを確立するためのタイミング信号である。このWCは、上記1/2CKよりも立ち下がりが若干遅れた信号、つまり入力クロックCKと同時に立ち上がり幅が入力クロック信号CKの1周期Tより若干長い信号である。このWCは、1/2CKをその1/2周期の幅内で若干遅延させた信号1/2CK-DL(図2の(5))を作り、これと1/2CKとの論理和をとることにより得ている。
【0038】
JK−FF-Q(図2の(7))は、タイミング発生回路2内のJK−FFの出力Qの信号であり、出力QがHのとき、A側が測定区間(B側が発振照合区間)であることを指示し、JK−FFQN(図2の(8))は、タイミング発生回路2内のJK−FFの出力QNがHのとき、B側が測定区間(A側が発振照合区間)であることを指示する。
【0039】
SET-A(図2の(9))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQN(図2の(8))がHのとき、つまりA側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、A側のRS−FF6のセット入力となる。
【0040】
SET-B(図2の(18))は、タイミング発生回路2内のJK−FFのQ(図2の(7))がHのとき、つまりB側が発振照合区間である場合に入力クロック信号CKの前縁で発生される短パルスから成るタイミング信号であり、B側のRS−FF8のセット入力となる。
【0041】
1/2CKA(図2の(14))は、A側の目標計測区間T1Aを確立するための信号であり、タイミング発生回路2内のJK−FFのQ(図2の(7))がHのとき、つまりA側が測定区間(B側が発振照合区間)にある間に、1/2CKを取り出した信号である。
【0042】
1/2CKB(図2の(20))は、B側の目標計測区間T1Bを確立するための信号であり、タイミング発生回路2内のJK−FFのQN(図2の(8))がHのとき、つまりB側が測定区間(A側が発振照合区間)にある間に、1/2CKを取り出した信号である。
【0043】
共に、入力クロック信号CKから、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間T1A,T1Bを入力クロック信号CKの1周期Tの整数倍、ここでは3倍の間隔T6A,T6Bをあけて指示するように生起される。
【0044】
WC-A,WC-Bは実際計測区間T3A,T3Bのためのタイミング信号であり、T1より長いパルス幅を有する。
【0045】
(5)動作
第1のデューティ決定回路3は、図2に示すように、入力クロック信号CKの4周期(4T)づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC1)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t1)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(A側の目標計測区間)T1Aを計測し、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/4,2/4,3/4の値(デューティ25%,50%,75%のタイミング位置)を算出し、これに基づいて、続く後半の第3周期目(t3)及び第4周期目(t4)において、それぞれ入力クロック信号CKの前縁からこの算出値と合致するまで、即ちデューティ25%,50%,75%のタイミング位置までの長さ(図2にはその最大の75%のタイミング位置までの長さをT5Aで示してある)を計測し、一致した時点でその都度デューティ25%,50%,75%のタイミング位置である旨の一致信号SA1,SA2,SA3を出力する。
【0046】
第2のデューティ決定回路4は、第1のデューティ決定回路3と2周期分だけずれたその動作サイクルC2を有する。即ち、第2のデューティ決定回路4は、図2にt3〜t6として示す入力クロック信号CKの4周期づつを繰り返しの1単位(動作サイクルC2)として扱い、そのうちの前半の第1周期目(t3)で入力クロック信号CKの1周期の長さ(B側の目標計測区間)T1Bを計測し、この計測結果を用いて1周期の長さTの1/4,2/4,3/4の値(デューティ25%,50%,75%のタイミング位置)を算出し、これに基づいて、続く後半の第3周期目(t5)及び第4周期目(t6)において、それぞれ入力クロック信号CKの前縁からこの算出値と合致するまで、即ちデューティ25%,50%,75%のタイミング位置までの長さ(図2にはその最大の75%のタイミング位置までの長さをT5Bで示してある)を計測し、一致した時点でデューティ25%,50%,75%のタイミング位置である旨の一致信号SB1,SB2,SB3を出力する。
【0047】
図2に、図1の回路の主要要素の 動作を示す。
【0048】
(i) A側 第1周期目t1
入力クロック信号CKの第1周期目t1でSET-ABが発生した時点(図2のa)で、タイミング信号WC-A(図2の(10))がORゲート7を通して遅延ライン発振器11に入力されて発振が開始されると共に、カウンタ17のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ17が発振の巡回数をカウント動作し始める。遅延ライン発振器11の発振が、少なくとも第2周期目t2のクロックが立ち上がりが完了するまで継続する。
【0049】
遅延ライン発振器11の発振は、WC-Aの立ち下がり、つまり実際計測区間T3Aが終わった時点(図2のc点)で終了となる。この間に、1/2CKAの目標計測区間T1Aの終わりが到来し(図2のb点)、1/2CKAが立ち下がることで、ラッチ回路18がカウンタ17のカウント値(1周期の長さT=T1A)をラッチする。
【0050】
ここで演算回路19,20,21は、ラッチ回路18の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/4の値,2/4の値,3/4の値(25%,50%,75%のデューティのタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路22,23,24の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0051】
(ii) A側 第3周期目t3
第3周期目t3に入ると、SET-A(図2の(9))の到来によりRS−FF6がセットされる(図2のd点)。RS−FF6のセット出力Q(図2の(11))はANDゲート31に入力されると共に、ORゲート7を通してA側の遅延ライン発振器11に加わり、これを発振させる。
【0052】
また、RS−FF6のセット出力Qは、ORゲート7を通してA側のカウンタ17のクリアCLに加わってクリア解除するので、発振の巡回数のカウントが開始される。
【0053】
カウンタ17の出力は、一致回路22,23,24の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ17のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路19,20,21の出力している値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致した瞬間(図2のe1,e2,e3点)、その都度、一致回路22,23,24から一致出力SA1,SA2,SA3が発生される。
【0054】
この一致出力SA1,SA2,SA3のうち最大のSA3は、RS−FF6のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。この一致出力SA3の発生した時点でRS−FF6の出力Q(図2の(11))は立ち下がり、パルスP1の形でANDゲート31の入力となる。
【0055】
一方、一致信号はこのSA3の以前にSA1,SA2が発生している。従って、このパルスP1と一致出力SA1,SA2,SA3とを2入力としているANDゲート31からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA1,SA2,SA3が出力AND-A-OUT(図2の(17))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0056】
但し、正確には、SA3は一致出力SA3の前縁にて発生される短パルスである。
【0057】
出力側のフリップフロップであるD−FF5cはSET-A又はSET-B(即ちSET-AB)により毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1,SA2,SA3に対応する短パルスAND-A-OUT(図2の(17))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その都度D−FF5cのQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスx1,x2として現れる。当然、この出力パルスx1,x2は、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形は1周期の長さ(もとの1周期の半分1/2T)の丁度半分(デューティ50%)の位置つまりもとの入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0058】
なお、第1周期目t1で発生する一致パルスSA1,SA2,SA3(図2の(15))は、RS−FF6のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート31には出力が現れず、D−FF5cが切り替わらない。
【0059】
従って、A側が測定区間(JK−FFのQ端子がHレベル)にあるとき発生する一致パルスSA1の影響はANDゲート31で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0060】
(iii) A側 第4周期目t4
続いて、第4周期目t4に入ると、再びSET-A(図2の(9))が到来するので(図2のf点)、RS−FF6がセットされる。RS−FF6のセット出力Q(図2の(11))はANDゲート31に入力されると共に、ORゲート7を通してA側の遅延ライン発振器11に加わり、これを発振させ、また、カウンタ17をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。
【0061】
カウンタ17のカウント値が、上記演算回路19,20,21の出力値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致すると(図2のg1,g2,g3点)、再び一致回路22,23,24から一致出力SA1,SA2,SA3が発生される。
【0062】
この一致出力SA3の発生した時点でRS−FF6のQ出力(図2の(11))は立ち下がり、パルスP2の形でANDゲート31の入力となる。一方、一致信号はこのSA3の以前にSA1,SA2が発生している。
【0063】
従って、このパルスP1と一致出力SAとを2入力とするANDゲート31からは、パルスP1の幅内においてのみ、一致出力SA1,SA2,SA3が出力AND-A-OUT(図2の(17))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0064】
D−FF5cはSET-ABにより毎回プリセットされているので、上記一致出力SA1,SA2,SA3に対応する短パルスAND-A-OUT(図2の(17))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その時点でD−FF5cのQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスx3,x4として現れる。当然、この出力パルスx3,x4も、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形はその1周期の長さの丁度半分(デューティ50%)の位置つまり元の入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0065】
(iv) B側 第3周期目t3
上記A側の動作に対し、B側でも2周期遅れて同じ動作が行われる。即ち、第3周期目t3のSET-ABが発生した時点では、JK−FFのQN出力(図2の(8))がHレベルにあり、これによりB側のデューティ決定回路4が測定動作するように選択指示される。
【0066】
従って、タイミング信号WC-B(図2の(19))が立ち上がり(図2のh点)、ORゲート9を通してB側の遅延ライン発振器11に加わり発振が開始されると共に、カウンタ17のクリア端子CLに入力され、その立ち上がりで同カウンタ17が発振巡回数のカウントを開始する。
【0067】
(v) B側 第4周期目t4
B側の遅延ライン発振器11の発振は、少なくとも第4周期目t4のクロックの立ち上がりが完了するまで、継続する。
【0068】
B側の遅延ライン発振器11の発振は、第5周期目t5のクロックが立ち上がる前までに生ずるWC-Bの立ち下がりにより、つまり入力クロックCKの1周期Tを若干経過した実際計測区間T3Bが終わった時点(図2のj点)で終了となる。この間に、丁度入力クロックCKの1周期T相当分の長さを持つ1/2CKAの目標計測区間T1Bの終わりが到来し(図2のi点)、ラッチ回路18のクロック入力端子CKに入力されている1/2CKBが立ち下がることで、ラッチ回路18がカウンタ17のカウント値(1周期の長さT=T1B)をラッチする。
【0069】
ここでB側の演算回路19,20,21は、ラッチ回路18の出力を受けて、1周期の長さTのカウント値の1/4の値,2/4の値,3/4の値(25%,50%,75%のデューティのタイミング位置)を演算し、その演算結果を出力し、一致回路22,23,24の一方の入力端子B1〜Bnに入力する。
【0070】
(vi) B側 第5周期目t5
第5周期目t5に入ると、SET-B(図2の(18))の到来によりRS−FF8がセットされる(図2のk点)。RS−FF8のQ出力(図2の(20))はANDゲート32に入力されると共に、ORゲート9を通してB側の遅延ライン発振器11に加わりこれを発振させ、また、B側のカウンタ17のクリアCLに加わってカウント動作を開始させる。
【0071】
B側のカウンタ17の出力は、一致回路22,23,24の他方の入力端子A1〜Anに入力されており、カウンタ17のカウント値が歩進的に増加して行き、上記演算回路19,20,21の出力している値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致した瞬間(図2のq1,q2,q3点)、一致回路28から一致出力SB1,SB2,SB3が発生される。
【0072】
この一致出力SB1,SB2,SB3のうち最大のSB3は、RS−FF8のリセット入力端子Rに入力され、同フリップフロップをリセットさせる。従って、この一致出力SB3の発生した時点でRS−FF8のQ出力(図2の(20))は立ち下がり、パルスP3の形でANDゲート32の入力となる。
【0073】
一方、一致信号はこのSB3の以前にSB1,SB2が発生している。従って、このパルスP3と一致出力SB1,SB2,SB3とを2入力としているANDゲート32からは、一致出力SB1,SB2,SB3が出力AND-B-OUT(図2の(24))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0074】
但し、正確には、SB3は一致出力SB3の前縁にて発生される短パルスである。
【0075】
D−FF5cはSET-ABにより毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1,SB2,SB3に対応する短パルスAND-B-OUT(図2の(24))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その時点でD−FF5cのQ出力が立ち下がり、出力端子OUTにパルスy1,y2として現れる。当然、この出力パルスy1,y2は、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形は1周期の長さ(もとの1周期の半分1/2T)の丁度半分(デューティ50%)の位置つまりもとの入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0076】
なお、第3周期目t3で発生する一致パルスSB1,SB2,SB3(図2の(23))は、RS−FF8のQ出力がLに落ちている間に発生されるので、ANDゲート32には出力が現れず、D−FF5cが切り替わらない。
【0077】
従って、B側が測定区間(JK−FFのQ端子がHレベル)にあるとき発生する一致パルスSB1の影響はANDゲート32で除去されて、出力OUT側には現れない。
【0078】
(vii)B側 第6周期目t6
続いて、第6周期目t6に入ると、再びSET-B(図2の(18))が到来するので(図2のr点)、RS−FF8がセットされる。RS−FF8のQ出力(図2の(20))はANDゲート32の入力になると共に、ORゲート9を通してB側の遅延ライン発振器11に加わり、これを発振させ、また、カウンタ17をクリア解除して、発振巡回数のカウントを開始させる。カウンタ17のカウント値が、上記演算回路19,20,21の出力値(1周期の長さTの1/4の値,2/4の値,3/4の値)に一致すると(図2のs1,s2,s3点)、再び一致回路22,23,24から一致出力SB1,SB2,SB3が発生される。
【0079】
この一致出力SB1,SB2,SB3によりRS−FF8がリセットされるので、RS−FF8のQ出力(図2の(20))が立ち下がり、パルスP4の形でANDゲート32の入力となる。一方、一致信号はこのSB3の以前にSB1,SB2が発生している。
【0080】
従って、このパルスP4と一致出力SB1,SB2,SB3とを2入力とするANDゲート32からは、パルスP4の幅内においてのみ、一致出力SB1,SB2,SB3が出力AND-B-OUT(図2の(24))として発生され、ORゲート33を通してD−FF5cのクロック入力となる。
【0081】
D−FF5cはSET-ABにより毎回プリセットされているので、上記一致出力SB1,SB2,SB3に対応する短パルスAND-B-OUT(図2の(24))がD−FF5cにクロック入力として加わると、その時点でD−FF5cのQ出力が反転し、出力端子OUTにパルスy3,y4として現れる。当然、この出力パルスy3,y4も、1周期がTの外部入力クロックCKの前縁に同期して立ち上がりかつ周波数が2倍のディジタル信号となっており、出力波形はその1周期の長さの丁度半分(デューティ50%)の位置つまり元の入力波形の周期の1/4Tの位置で立ち下がるパルスとなっている。
【0082】
かくして、D−FF5cのQ出力から、入力クロックCKに同期した2倍の周波数のディジタル信号であって、その出力波形のデューティが50%である出力クロックx1,x2,x3,x4,y1,y2,y3,y4…が得られる。上記の周波数逓倍とデューティ修正の作用効果は、入力クロックCKのデューティが50%の前後で又はそれ以上にふらついている場合でも、得ることができる。従って、ディジタル波形の整形をもともなう周波数逓倍回路として非常に有効であり、半導体能動素子の動作可能領域を非常に高い周波数まで延ばすことができる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1に記載の周波数逓倍回路によれば、入力クロック信号がいかなる周波数又は周期長さを持つ場合でも、また、入力クロック信号がそのデューティが変動している波形のものであっても、常に、周波数が2倍でかつそのデューティが50%であるパルス波形のクロック信号を出力することができる。よって、使用する半導体能動素子の周波数限界を見かけ上高めることができる。
遅延ライン発振器の出力を利用して計測する形態であるため、位相誤差も問題とならない。このため、非常に精度の高い測定を行うことができる。
この周波数逓倍回路においては、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1及び第2のデューティ決定回路を用い、それぞれから、上記デューティ25%,50%,75%のタイミング位置を示す一致信号を交互に得ているので、目標計測区間と実際計測区間を明確に区分し、目標計測区間の発振の動作を1周期の幅一杯まで確実に行わせることができる。また、実際計測区間用と発振照合区間用の遅延ライン発振器等を2組用意する場合に比べ、構成が簡単である。
(2)請求項2に記載の周波数逓倍回路によれば、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けているので、安定した動作が保障される。
(3)請求項3に記載の周波数逓倍回路は、請求項1又は2において、上記遅延ライン発振器を、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲートと、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータと、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ中に挿入されたインバータとで構成したものである。従って、請求項3によれば、奇数段のインバータである結果、発振器の出力側に誤差が現れても、反転されて入力側に戻される結果、その誤差が相殺され、非常に精度及び安定度にすぐれた発振巡回が得られる。また、発振器の出力を利用する形態であるため、位相誤差も問題とならない結果、従来の位相分割によるタイミング位置の割り出しを行う場合に比べ、非常に少ない数の遅延素子によって精度の高い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数逓倍回路の実施形態を示す図である。
【図2】図1の回路の主要部の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】半導体能動素子の取り扱う周波数の変化の説明に供する図である。
【符号の説明】
1 デジタル波形整形回路
2 タイミング発生回路
3 デューティ決定回路
4 第2のデューティ決定回路
5 幅作成回路
5c プリセット可能なD−FF
5d ORゲート
6 RS−FF
7 ORゲート
8 RS−FF
9 ORゲート
11 遅延ライン発振器
12 NANDゲート
13 C-MOSインバータ(遅延素子)
14 帰還ループ
15 インバータ
17 カウンタ
18 ラッチ回路
19,20,21 演算回路
22,23,24 一致回路
25 ORゲート
31,32 ANDゲート
33 ORゲート
C1,C2 動作サイクル
SA1,SA2,SA3 A側の一致信号
SB,,SB2,SB3 B側の一致信号
t1〜t6 第1周期目〜第6周期目
T 入力クロック信号CKの1周期
1/2CK 目標計測区間T1のためのタイミング信号
T1A,T1B 目標計測区間
T3A,T3B 実際計測区間
T5A,T5B デューティ75%のタイミング位置までの長さ
T6A,T6B 発振照合区間
1/2CKA,1/2CKB 目標計測区間(T1A,T1B)のためのタイミング信号
WC-A,WC-B 実際計測区間(T3A,T3B)を指示する信号
x1,x2,x3,x4 出力パルス
y1,y2,y3,y4 出力パルス
Claims (3)
- 入力クロック信号から、その1周期Tの長さとして計測すべき目標計測区間を入力クロック信号の1周期の整数倍の間隔をあけて指示する信号と、この目標計測区間より若干長く計測動作を持続させるための実際計測区間を指示する信号と、を含む所要のタイミング信号を作成するタイミング発生回路と、
上記タイミング信号を受けて、出力すべきクロック信号のデューティ50%のタイミング位置を決定し指示するデューティ決定回路であって、少なくとも互いに1周期分重なり合い且つ2周期分ずれて動作する第1のデューティ決定回路及び第2のデューティ決定回路とを設け、
その際、両デューティ決定回路は、それぞれ、遅延ライン発振器と、その発振巡回数を計数するカウンタと、その計数値の1/4の値、2/4の値及び3/4の値を算出する演算回路と、そして該演算回路の上記3つの演算結果を一方の入力とし上記カウンタの出力を他方の入力として、上記カウンタの値が上記3つの演算結果に合致したときその都度一致信号を出力する一致回路とを有して構成され、
上記第1のデューティ決定回路及び上記第2のデューティ決定回路の前にそれぞれに前置されたフリップフロップであって、上記目標計測区間と次の目標計測区間との間の発振照合区間において、入力クロック信号の1周期の前縁に同期して毎回セットされ、上記一致信号の最後のものでリセットされるフリップフロップと、
上記第1のデューティ決定回路及び第2のデューティ決定回路毎に、上記フリップフロップの出力と上記実際計測区間を指示する信号とを所属のデューティ決定回路に入力するORゲートと、
上記入力クロック信号の1周期の前縁に同期して毎回リセットされ、上記第1のデューティ決定回路及び上記第2のデューティ決定回路から得られる一致信号により状態が切り替わる出力用のフリップフロップと、
を具備することを特徴とする周波数逓倍回路。 - 請求項1記載の周波数逓倍回路において、上記各デューティ決定回路からの一致信号をフリップフロップに入力する各経路中に、実際計測区間中に発生する一致信号を禁止するANDゲートを設けたことを特徴とする周波数逓倍回路。
- 請求項1又は2記載の周波数逓倍回路において、上記遅延ライン発振器が、一方の入力端子を発振器の入力端子とするNANDゲートと、該NANDゲートの出力端子に遅延素子として接続された奇数段のインバータと、該インバータの最終段の出力端子から上記NANDゲートの他方の入力端子へ戻る帰還ループ中に挿入されたインバータとで構成されていることを特徴とする周波数逓倍回路。
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