JP3708006B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数色のカラー画像を記録媒体に記録するカラー電子写真プリンタ等の画像記録装置に関し、特に各カラー画像の印刷位置精度を確保するための位置補正を行なう画像記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー電子写真プリンタ等のカラー画像記録装置では、ライン状に配列された記録素子を画像形成手段とする複数のプロセスユニットが用いられる。タンデム方式のカラー画像記録装置は、このようなプロセスユニットを4個並べて、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成手段として、搬送ベルト上に静電吸着されて搬送されてきた用紙に、順次トナー画像を転写するものである。このようなカラー画像記録装置では、1回の通紙で4色の画像を同時に印刷できることから、印刷の高速化が可能である。
【0003】
特に、小型LEDヘッド等を記録素子とするプロセスユニットでは、機械的に固定されたラインヘッドを、画像形成手段であるイメージドラムユニットと組み合わせて配置することによって、装置全体を小型化することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のカラー画像記録装置では、装置を構成するユニット部品等の加工精度や、記録ヘッドの装置への取り付け精度等の関係で、各記録ヘッドとイメージドラムユニットとの間の位置ずれを防ぐことが難しく、記録媒体に対する印刷位置が一定しない。このため、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像をライン単位で順次重ね合わせてカラー画像を転写する際に、各色間で印刷位置ずれ(色ずれ)が生じるという問題があった。
【0005】
こうした色ずれは、搬送ベルトの搬送方向と直交する左右方向に記録ヘッドの取付け位置がずれていれば、LED等の記録素子の配列方向(主走査方向)での色の重ね合わせずれとなり、前後方向に取付け位置がずれているときには主走査方向での色の重ね合わせずれとなる。また、各ラインの取付け位置が主走査方向について不均一に傾いている場合には、搬送方向に対して斜めの方向についても色の重ね合わせずれが発生する。
【0006】
このように従来のカラー画像記録装置は、主走査方向、副走査方向、或いは斜め方向で印刷機構部の取り付け位置がずれると、印刷位置にずれが生じて、それが各色間での色ずれとなる。そして、このような色ずれの大きさ(色ずれ量)は種々な原因で時間とともに変化するので、カラー画像の印刷における経時的な劣化の原因にもなっていた。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、各色間の画像の色ずれを検出して、印刷位置ずれを補正することで安定したカラー画像の印字を可能とする画像記録装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る画像記録装置は、複数色のカラー画像を記録媒体に記録する画像記録装置において、
搬送路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段が記録媒体を搬送するとき、記録媒体に対して順次に異なる色のカラー画像を形成する少なくとも2つの画像形成手段であり、前記搬送手段が記録媒体を搬送しないとき、前記少なくとも2つの画像形成手段の一方が基準色パターンを、他方が検出色パターンを、基準色パターンと検出色パターンとが重なるようにして前記搬送手段上に記録し、
基準色パターンは、前記搬送手段が記録媒体を搬送する副走査方向に整列する複数の第1のブロックを有するとともに、各第1のブロックが、前記副走査方向に対して斜めの方向に延在する縞状パターンを有し、
検出色パターンは、前記搬送手段が記録媒体を搬送する副走査方向に整列する複数の第2のブロックを有するとともに、各第2のブロックが、前記副走査方向に対して斜めの方向に延在する縞状パターンを有し、各第2のブロックの位置が、対応する第1のブロックに対して予め定めた方向に所定の変位量だけ変位するとともに、前記変位量が隣接の第2ブロックよりも大きくなるように記録する、前記少なくとも2つの画像形成手段と、
前記搬送手段の反射領域と、基準色パターンの反射領域と、検出色パターンの反射領域とからの反射光を検出することにより、前記少なくとも2つの画像形成手段の間の色ずれ量を検出する色ずれ検出手段と、
前記画像形成手段による前記記録媒体への印刷位置を、前記色ずれ量に応じて補正する印刷位置補正手段とを備えたものである。
【0009】
また、この発明に係わる画像記録装置における色ずれ検出手段では、重なったブロック毎に前記反射光を受光し、反射強度が最大となるブロックを検出することによって色ずれ量を検出するものである。
【0010】
また、この発明に係る画像記録装置では、記録媒体上に光の反射率が最も小さい色のカラー画像を形成する画像形成手段が、搬送路の最も上流側に配置されていてもよい。
【0011】
また、この発明に係る画像記録装置では、記録媒体上に光の反射率が最も小さい色のカラー画像を形成する画像形成手段が、搬送路の最も下流側に配置されていてもよい。
【0012】
前記搬送手段が、記録媒体を吸着して搬送する搬送ベルトであることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係わる画像記録装置における検出用パターンは、基準位置に配置された画像形成手段によって印刷される基準色パターンと、基準位置とは異なる位置に配置された画像形成手段によって印刷される検出色パターンとが構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係わる画像記録装置における色ずれ検出手段では、搬送手段を構成する搬送ベルトの表面に形成された基準色パターンに基づいてキャリブレーションを実施するものである。
【0015】
また、この発明に係わる画像記録装置における色ずれ検出手段では、斜め方向の基準色パターンと検出色パターンから反射強度を測定する一対の検出機構と、これら検出機構が切り替えて接続され、前記反射強度を交互に読み取る読み取り回路とを備えたものである。
【0016】
また、この発明に係わる画像記録装置では、斜め方向の基準色パターンと検出色パターンとを重ねて形成される検出用パターンを、搬送ベルトの表面上に複数形成し、
前記検出パターンは前記主走査方向における搬送ベルトの両端部に印刷され、一方の端部に印刷された隣接する検出パターンの間に、他方の端部に印刷された検出パターンが配置されるものである。
【0017】
また、この発明に係わる画像記録装置における色ずれ検出手段では、検出精度の異なる複数種類の基準色パターンと検出色用パターンとが記録され、前記印刷位置補正手段によって多段階での印刷位置の補正がなされるものである
【0018】
さらに、この発明に係わる画像記録装置における搬送手段では、記録媒体をその種類に応じて複数の印刷スピードに切り替えて搬送する切り替え手段を備え、色ずれ検出手段では、前記印刷スピード毎に検出された斜め方向の色ずれ量を記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
【0020】
実施の形態1
図1は、実施の形態1におけるカラー画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1において、カラー画像記録装置1には、4つの独立した印刷機構(イメージドラムユニット)2K,2Y,2M,2Cが記録媒体の挿入側から排出側へ向かう搬送路に沿って配置されている。これらの印刷機構2K,2Y,2M,2Cの並び順については、後に実施の形態5において説明するように、順不同であっても良いが、ここでは以下の説明を行なう便宜上、2K,2Y,2M,2Cの順序で記録媒体の挿入側から排出側に並べられているものとする。
【0022】
印刷機構2K〜2Cは、ブラックK、イエローY、マゼンタM、シアンCの画像を記録するための電子写真式LEDプリント機構である。いずれの印刷機構2K〜2Cも、画像データにしたがって感光体を露光するLEDヘッド3を備えた画像形成部2と、トナー画像を記録媒体に転写する転写ローラ4K〜4Cとからなる同一構成のものである。図1では、重複を避けるために、一部の符号の記載を省略しているが、いずれの画像形成部2も、静電潜像を形成するLEDヘッド3、帯電ローラ5、この帯電ローラ5により表面が一様に帯電される感光体6、及びトナー画像を形成するための現像部を構成する現像ローラ7、現像ブレード8、スポンジローラ9、トナーカートリッジ10等を含んで構成されている。
【0023】
まず、印刷機構2Kでのブラックトナーによる画像形成について説明する。トナーカートリッジ10Kから供給されたトナーは、スポンジローラ9Kを経て現像ブレード8Kに達し、現像ローラ7Kの円周面上に薄層化された後、感光体6Kとの接触面に達する。トナーは薄層形成時に現像ローラ7Kと現像ブレード8Kに強く擦られて摩擦帯電されている。スポンジローラ9Kはトナーを適量現像ブレード8Kに搬送させるためのものである。
【0024】
LEDヘッド3Kは、その詳細は図示していないが、LEDアレイと、このLEDアレイを駆動するドライブICと、印刷データ等を保持するレジスタ群を搭載した基板と、LEDアレイの光を集光するレンズアレイとから構成されている。このLEDヘッド3Kでは、インタフェース部から入力される画象データ信号に対応してLEDアレイを発光させることで、感光体6Kの表面を露光して、そこに静電潜像を形成することができる。感光体6Kの静電潜像には、現像ローラ7Kの円周面上から静電気力によってトナーが移動して付着し、印刷データに対応したトナー像が形成される。また、感光体6Kと転写ローラ4Kの間には、後述する搬送ベルト12が移動可能に配設されている。
【0025】
イエロー、マゼンタ、シアンの各印刷機構2Y〜2Cは、いずれもブラックの印刷機構2Kと同様な構成であって、各感光体6と転写ローラ4Y〜4Cの間には搬送ベルト12が移動可能に配設されている。そして、印刷機構2Kのトナーカートリッジ10Kにはブラック(K)のトナーが収容され、印刷機構2Yのトナーカートリッジ10Yにはイエロー(Y)のトナーが収容され、印刷機構2Mのトナーカートリッジ10Mにはマゼンタ(M)のトナーが収容され、印刷機構2Cのトナーカートリッジ10Cにはシアン(C)のトナーが収容されている。
【0026】
印刷機構2KのLEDヘッド3Kにはカラー画像信号のうちブラック画像信号が入力され、印刷機構2YのLEDヘッド3Yにはカラー画像信号のうちイエロー画像信号が入力され、印刷機構2MのLEDヘッド3Mにはカラー画像信号のうちマゼンタ画像信号が入力され、印刷機構2CのLEDヘッド3Cにはカラー画像信号のうちシアン画像信号が入力される。また、ここには感光体表面の除電を行なう除電光源11K,11Y,11M,11Cがそれぞれの印刷機構2K〜2Cの現像部と転写部の間に取り付けられている。
【0027】
搬送ベルト12は、継目なしのエンドレス状に形成されている高抵抗の半導電性プラスチックフィルムからなり、駆動ローラ13、従動ローラ14に巻き掛けられている。駆動ローラ13は図示しないベルトモータに接続され、このモータにより駆動ローラ13を矢印f方向に回転する。搬送ベルト12の上面部は各印刷機構2K〜2Cの感光体6と各転写ローラ4K〜4Cとの間に掛け渡されている。
【0028】
また、図1においてカラー画像記録装置1の右下側には、搬送路に用紙を供給するための給紙機構が設けられている。この給紙機構はホッピングローラ16とレジストローラ17と用紙収容カセット19とからなる。この用紙収容カセット19に収納されている記録媒体である用紙Sが図示しない弁別手段により1枚づつ選択され、ホッピングローラ16により取り出されて、ガイド20に案内されてレジストローラ17に達する。ここでは、用紙Sが斜め送りされた場合に、用紙Sのスキューがレジストローラ17と相対するピンチローラ18とによって修正されるようになっている。その後、用紙Sはレジストローラ17から吸着ローラ15と搬送ベルト12との間に導かれる。吸着ローラ15では、用紙Sを従動ローラ14との間で圧接するとともに帯電し、その用紙Sを搬送ベルト12の上面に静電吸着させるものである。
【0029】
21、22はそれぞれレジストローラ17の前後位置に配置され、用紙Sを検知するためのセンサである。駆動ローラ13側の搬送ベルト12の左方には、搬送ベルト12からの分離に失敗した用紙Sをチェックし、或いは用紙Sの後端位置を検出するためのセンサ23が設けてある。また、駆動ローラ13の下方であって、その所定の回転角度位置には、搬送ベルト12と対向して反射強度検出機構24が設けられている。この反射強度検出機構24は、後に詳述するような発光素子と受光素子とから構成され、受光素子で受光した光に基づいて搬送ベルト12表面、或いはそこに印刷されたカラートナーの反射強度に比例した出力を得ることができる。
【0030】
また、搬送ベルト12の下面部には、張設ローラ31とクリーニングブレード32と廃トナータンク33からなるクリーニング機構があって、張設ローラ31とクリーニングブレード32が搬送ベルト12の下半部12bを挟むように、それぞれ対向する位置に設けられている。張設ローラ31は、矢印g方向に搬送ベルト12を押し下げている。クリーニングブレード32は、可撓性のゴム材又はプラスチック材からなり、搬送ベルト12の上半部12aで表面に付着残留したトナーを廃トナータンク33に削り落とすことができる。
【0031】
図2、図3は、上述した反射強度検出機構24の取り付け位置を示す図である。図2では、LED等の記録素子の配列方向(主走査方向)、及び搬送ベルト12の搬送方向(副走査方向)での色ずれを検出するための反射強度検出機構24が取り付けられる位置を示している。また、図3は同じく主走査方向に対して斜め方向の色ずれを検出するための一組の反射強度検出機構24R,24Lの取り付け位置を示すものである。
【0032】
図において、ベルト走行方向の前後方向が副走査方向であり、ベルト走行方向に向かって左右方向が主走査方向である。反射強度検出機構24は、搬送ベルト12に対して主走査方向のほぼ中央位置に配置され、反射強度検出機構24R,24Lは、搬送ベルト12に対して主走査方向の左右端部であって、用紙の搬送方向と直交する直線上に、それぞれ配置されている。さらに、図2、図3に示すヒートローラ25は、トナー画像が転写された用紙Sにトナー画像を定着するための定着機構を構成するものである。
【0033】
この定着機構は、図1に示すように搬送ベルト12の駆動ローラ13側に設けられたセンサ23の更に左方に配置され、用紙S上のトナーを加熱するヒートローラ25と、ヒートローラ25と一体になって用紙Sを加圧する加圧ローラ26を有する。ヒートローラ25の更に左方には排出センサ27が設けられており、定着機構におけるジャムや用紙Sのヒートローラ25への巻き付きを監視している。この排出センサ27の左方には排出口が形成され、排出口の外側には排出スタッカ28が設けられている。排出スタッカ28には印刷済みの用紙Sが排出される。
【0034】
つぎに、印刷位置の補正制御について説明する。
【0035】
図4は、主走査方向及び副走査方向での印刷位置を補正するための印刷制御回路の構成を示すブロック図である。図4において、符号K,Y、M、Cはブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各印刷機構2K〜2Cにおける画像形成部2との対応を示すために付記されている。
【0036】
図4において、ホストインタフェース部50は図示しないホストコンピュータとの物理的階層のインタフェースを担う部分であり、コネクタ及び通信用のチップで構成される。コマンド/画像処理部51はホスト側からのコマンド及び画像データを解釈し、あるいはビットマップに展開する部分であって、マイクロプロセッサ、RAM、及びビットマップ展開の専用ハードウェア等から構成され、カラー画像記録装置1全体を制御する。LEDヘッドインタフェース部52はセミカスタムLSI及びRAM等から構成され、コマンド/画像処理部51でビットマップに展開された画像データをLEDヘッド3のインタフェースにあわせて加工する。
【0037】
機構制御部53はマイクロプロセッサ、プログラムROM、及び各種のインタフェースから構成され、コマンド/画像処理部51の指令に従って各種のセンサ21〜23,27、及び反射強度検出機構(以下、センサともいう。)24から入力する信号を監視しながら各種のモータ54を駆動制御し、或いはヒータ55への通電を制御して、印刷系の機構部の制御と高圧の制御を行っている。なお、モータ54には、ホッピングモータ、レジストモータ、ベルトモータ、各印刷機構2K〜2Cのドラムモータ、ヒートローラ25等を作動させるためのヒータモータ等の各種モータ、及びそれらを駆動するドライバ等が含まれる。ヒータ55はヒートローラ25の中に配置される例えばハロゲンランプであって、このヒートローラ25には図示しないサーミスタが配置され、定着温度の制御を行っている。
【0038】
高圧制御部56はマイクロプロセッサあるいはカスタムLSΙから構成され、各印刷機構2K〜2Cに対するチャージ電圧(CH)、現像バイアス(DB)、転写電圧(TR)等の生成を司っている。高圧制御部56には、CΗ発生部57、DB発生部58、及びTR発生部59が接続されていて、CΗ発生部57では各印刷機構2K〜2Cへのチャージ電圧の生成と停止を、DB発生部58では各印刷機構2K〜2Cへの現像バイアスの供給を、TR発生部59では各転写ローラ4K〜4Cに対する転写電圧を、それぞれ制御する。また、TR発生部59には図示しない電流/電圧検出回路があり、これにより定電流あるいは定電圧制御を行っている。
【0039】
このように、実施の形態1の印刷位置補正手段は、後述するパターン信号をLEDヘッドインタフェース部52から各印刷機構2K〜2Cの印刷ヘッドに転送して搬送ベルト12上に検出用パターンを印刷し、その印刷状態を上述した反射強度検出機構24で読み取って色ずれ量を検出するように構成されている。
【0040】
次に、色ずれの大きさ(色ずれ量)を検出するための検出用パターンについて説明する。
【0041】
図5は、搬送ベルト12上に印刷される検出用パターンを3ブロックだけ拡大して示す図であり、図6は、主走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンの全体構成を示す図である。
【0042】
ここで、図5(A)にはブラックのパターンが示され、同図(B)にはカラー(イエロー、マゼンタ、シアンのいずれかの色)のパターンが示されている。ここではブラックとカラーのパターンを別々のものとして示しているが、実際には最初に、搬送ベルト12上にブラックのパターンが印刷され、つぎにイエロー、マゼンタ、シアンのいずれかのカラーのパターンがその上に重ねて印刷される。図5(A)(B)では、いずれも搬送ベルト12は右方向に走行するものとし、先頭から4番目以降のブロックについては省略している。
【0043】
図5(A)に示すように、最初に印刷されるブラックのパターンは、主走査方向に垂直に5ドット幅の縞状のパターンがそれぞれ5ドット間隔で4本引かれたものである。4本の縞状のパターンを1ブロックとして、副走査方向に一定の間隔を開けて、9ブロックの縞状のパターンがベルト走行方向に直線状に配列されている(図6参照)。なお、各ブロックの4本の縞は、主走査方向に関してはいずれも同じ位置に配列される。
【0044】
また、図5(B)に示すカラーのパターンでは、各ブロック毎の構成自体はブラックのパターンの配列と同様であって、その最も前に印刷される1ブロック目の左上の位置TLを基準にして、ブラックのパターンの先頭ブロックと重なるように、副走査方向の印刷位置が設定されている。他方、カラーのパターンの主走査方向における先頭ブロックの配列位置は、ブラックのパターンに比べて左に4ドットだけ左にシフトした印刷位置に設定されている。そして、1ブロック目に続いて副走査方向の後方に印刷される2番目以降のブロックでは、それぞれ1つ手前のブロックに対して、1ドットだけ右にシフトした印刷位置が設定されている。
【0045】
図6に示すように、上述した配列に設定されたブラックの縞状のパターンとカラーのパターンとからなる検出用パターンは、先に搬送ベルト12上に印刷されたブラックのパターンが、後から印刷されるカラーのパターンによって覆われる形となり、ブラックのパターンに対するカラーのパターンの主走査方向での印刷位置ずれに対応して、それぞれ図6(A)(B)に示すように、2種類の検出用パターンの重なり合う割合がブロック毎に変化する。しかも、このように2種類の検出用パターンが重なった場合に、カラートナーと、その下敷きになっているブラックトナーは、いずれも搬送べルト12上では定着されていないため、カラーの検出用パターンに覆われたブラックの検出用パターンが透けて見えることはない。
【0046】
主走査方向の印刷位置ずれがない図6(A)の場合には、副走査方向の前から数えて5番目のブロックで2種類の検出用パターンが完全に重なっている。また、図6(B)は、カラーの検出用パターンの印刷位置がブラックに対して、主走査方向で左方向に2ドットだけずれている場合であり、副走査方向の前から数えて7番目のブロックで2種類の検出用パターンが完全に重なっている。このような9ブロックの検出用パターンによれば、印刷位置が1ドットずれるにしたがって、完全に重なり合う検出用パターンのブロック番号が変化するために、主走査方向での印刷位置ずれがあった場合に、その左右方向で4ドット以内の範囲であれば検出可能になる。
【0047】
つぎに、副走査方向での印刷位置の補正に用いる検出用パターンについて説明する。
【0048】
図7は、副走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンを3ブロックだけ拡大して示す図であり、図8は、副走査方向の検出用パターンの全体構成を示す図である。
【0049】
ここで、図7(A)にはブラックのパターンが示され、同図(B)にはカラー(イエロー、マゼンタ、シアンのいずれかの色)のパターンが示されているが、主走査方向での色ずれ検出のものと同様に、実際には、これらのパターンが重ねて搬送ベルト上に印刷される。図7(A)に示すように、最初に印刷されるブラックのパターンは、副走査方向に垂直な5ドット幅の縞状のパターンがそれぞれ5ドット間隔で4本引かれたものである。4本の縞状のパターンを1ブロックとして副走査方向に一定の間隔を開けて9ブロックの縞状のパターンがベルト走行方向に直線状に配列されている(図8参照)。なお、各ブロックの4本の縞は、主走査方向に関してはいずれも同じ位置に配列される。
【0050】
また、図7(B)に示すカラーのパターンでは、各ブロック毎の構成自体はブラックのパターンの配列と同様であって、しかも主走査方向については、いずれのブロックでも左右方向が一致して、ブラックの検出用パターンに重なるような印刷位置が設定されている。他方、先頭ブロックの副走査方向における配列位置は、ブラックのパターンに比べて副走査方向の後方に4ドットだけシフトした印刷位置に設定されている。また、2ブロック目のカラーのパターンは、ブラックのパターンに比べて副走査方向で後方に3ドットだけシフトした印刷位置に配列されている。同様に、副走査方向の後方に続いて印刷される各ブロックでは、それぞれ1つ手前のブロックに対して、1ドットずつシフト量が減少して、最後の9ブロック目では副走査方向の前方に4ドットシフトした印刷位置に配列されている。
【0051】
このように配列されたブラックとカラーの縞状のパターンを搬送ベルト12上に重ねて印刷すると、ブラックのパターンに対するカラーのパターンの副走査方向での印刷位置ずれに対応して、それぞれ図8(A)(B)に示すように、2種類の検出用パターンの重なり合う割合がブロック毎に変化する。副走査方向の印刷位置にずれのない図8(A)の場合には、副走査方向の前から数えて5番目のブロックで2種類の検出用パターンが完全に重なっている。また、図8(B)は、カラーのパターンの印刷位置がブラックに対して副走査方向で後方に2ドットだけずれている場合であり、副走査方向の前から数えて7番目のブロックで2種類の検出用パターンが重なっている。このような9ブロックの検出用パターンによれば、主走査方向での色ずれ検出の場合と同様に、副走査方向でも前後4ドット以内の範囲で印刷位置ずれが検出可能になる。
【0052】
図8では、副走査方向での色ずれ量を検出するために、縞が4本で1ブロックを構成した検出用パターンについて説明した。しかし、1ブロックにつき、縞が1本しかない検出用パターンであっても、同様に印刷位置ずれを検出することができる。図9は、副走査方向での色ずれ量を検出する、別の検出用パターンを示す図である。1本の縞で構成されたブロックであれば、検出用パターン全体の長さを短くしても、同じ大きさの色ずれが検出できるので、色ずれ検出に費やす時間を短縮できる効果がある。
【0053】
つぎに、斜め方向で印刷機構部に位置ずれがあった場合の印刷位置補正に用いる印刷制御回路と、そのような色ずれ量を検出するための検出用パターンについて説明する。
【0054】
図10は、斜め方向での印刷位置を補正するための印刷制御回路の構成を示すブロック図である。この印刷制御回路は、図4に示す主走査方向及び副走査方向での補正制御と同様に、斜め方向の色ずれ量を検出するためのパターン信号をLEDヘッドインタフェース部から各印刷機構2K〜2CのLEDヘッド3に転送して搬送ベルト12上に印刷し、その印刷状態を上述した図3の反射強度検出機構24R,24Lで読み取るように構成されている。図10に示す斜め方向での印刷位置の補正制御が、図4に示す主走査方向および副走査方向での補正制御と異なるのは、2つの反射強度検出機構24R、24Lからの色ずれ量を示す信号が機構制御部53に供給されている点である。したがって、ここでは図4のものと重複する部分には同一の符号を付けて、回路構成の詳細説明を省略する。
【0055】
図11は、斜め方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンの全体構成を示す図である。この斜め方向での色ずれ検出の特徴は、図8に示す副走査方向の色ずれ検出用パターンと同じ配列のものが、搬送ベルト12の左右方向の両端部にそれぞれ印刷されるように設定されていることである。これによって、斜め方向での補正制御では、後に詳細に説明するように、搬送ベルト12の左右側でそれぞれ副走査方向での色ずれ量の違いを検出して、ここから基準位置に配置されたブラックの印刷機構2Kに対して、カラーのパターンを印刷する印刷機構2Y〜2Cそれぞれの斜め方向での傾き量が求められる。
【0056】
図11では、ブラックの上に重ねて印刷されるカラーのパターンを、例えばイエローとする。ここで、搬送ベルト12の左側に印刷された検出用パターンでは色ずれ量がゼロ、即ち、反射強度検出機構24により5ブロック目が最もよく重なっているものとして特定され、右側のものでは副走査方向の後方に2ドットずれていて、反射強度検出機構24により7ブロック目が最もよく重なっているものとして特定される。反射強度検出機構24によってブラックのパターンとイエローのパターンが最もよく重なっているブロックを特定する方法については、後に詳述する。したがって、ブラックの印刷機構2Kに対してイエローの印刷機構2Yでは、例えばLEDヘッド3の取り付け位置(ライン位置)が相対的に2ドットだけ右上斜め方向に傾いていて、両者の斜め方向での印刷位置ずれにより色ずれが生じていることがわかる。記録媒体の搬送路に対して、画像形成手段を構成するイメージドラムユニットが傾いて取り付けられた場合にも、同様の色ずれが生じる。
【0057】
このように斜め方向の印刷位置ずれを検出する場合には、斜め方向の色ずれ量とともに、左右側での副走査方向の色ずれ量を演算するだけで、副走査方向の平均的な色ずれ量も簡単に求められる。そこで、搬送ベルト12の左右側に印刷された副走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンは、斜め方向と副走査方向の印刷位置の補正に兼用することも可能である。
【0058】
ここでは、主走査方向/副走査方向とは別に、斜め方向の印刷位置ずれを検出する手段として、2つの反射強度検出機構24R、24Lを使用している。しかし、これらの反射強度検出機構24R、24Lは、図5、或いは図7に示す検出用パターンから色ずれを検出することによって、主走査方向/副走査方向での印刷位置ずれの検出にも使用することができる。
【0059】
つぎに、実施の形態1における印刷制御動作について、図1〜図11を参照しながら説明する。はじめに、通常の印刷動作、すなわち帯電、露光、現像、転写、及び定着の各動作について説明する。
【0060】
図4、或いは図10において、カラー画像記録装置1に対して外部装置となる、例えばホストコンピュータから画像データがホストインタフェース部50を介して入力される。コマンド/画像処理部51で画像データが受信されると、コマンド/画像処理部51から機構制御部53に画像記録の指示を出す。この指示により、最初に機構制御部53からヒータ55を暖める信号が出力される。コマンド/画像処理部51では、用紙Sに印刷すべき1ページ分の画像データを、内部のメモリにおいて各色毎に記憶し、かつヒータ55が一定温度以上になると印刷動作に入る。その時点で、機構制御部53は給紙機構に印刷指令を出して、用紙収容カセット19に収納されている用紙Sを搬送路に送り出して、この用紙Sに画像データを印刷する。
【0061】
図1及び図4により、用紙Sに画像データを記録する印刷動作について簡単に説明する。機構制御部53は、各種のモータ54のうちベルトモータおよびドラムモータを駆動して、各印刷機構2K〜2Cの感光体6、帯電ローラ5、現像ローラ7、スポンジローラ9、転写ローラ4、及び駆動ローラ13と搬送ベルト12を駆動する。その後、機構制御部53はモータ54のうちホッピングモータを駆動してホッピングローラ16を回転させる。ホッピングローラ16の回転により用紙収容カセット19から用紙Sが1枚だけガイド20へ送られ、その用紙Sの先端がレジストローラ17とピンチローラ18の間に到達すると、ホッピングモータは停止する。
【0062】
つぎに、レジストローラ17およびヒートローラ25をそれぞれ回転させる。それと同時に、機構制御部53は図示しない吸着帯電用の電源をオンして、吸着ローラ15に電圧を供給する。ガイド20へ送られた用紙Sが、レジストローラ17によって吸着ローラ15と搬送ベルト12との間に達すると、用紙Sの先端は吸着ローラ15と従動ローラ14間の静電力により搬送ベルト12に吸着される。さらに、レジストローラ17が回転すると、用紙Sは搬送ベルト12に吸引されながら、図1の矢印e方向に搬送される。
【0063】
つぎに、機構制御部53は高圧制御部56に指令を出し、それを受けた高圧制御部56は、それぞれ帯電用電源、現像バイアス(DB)電源をオンし、各印刷機構2K〜2Cの帯電ローラ5および現像ローラ7に電圧を供給する。これにより、各印刷機構2K〜2Cの感光体6表面はそれぞれ帯電ローラ5を介して均一に帯電され、各印刷機構2K〜2Cの現像ローラ7には所定の高電圧が印加される。
【0064】
また、用紙Sが所定の位置に到達すると、それが機構制御部53からコマンド/画像処理部51に通知され、コマンド/画像処理部51では、画像データを記憶しているメモリから1ライン分のブラック画像信号がLEDヘッドインタフェース部52へ送信される。LEDヘッドインタフェース部52では、受信した画像データをLEDヘッド3Kに送信可能なデータ形式に変換して送信する。LEDヘッド3Kは、送られてきた画像データに対応するLEDが点灯することにより、帯電した感光体6Kの表面にブラック画像信号に応じた1ライン分の静電潜像を形成することができる。
【0065】
このようにして、ライン毎のブラック画像信号が次々に感光体6Kの表面に静電潜像化され、副走査方向の長さ分だけブラックの画像が潜像化されて露光が終了する。感光体6Kの表面に形成された静電潜像には、現像ローラ7Kからブラックトナーが付着され、静電潜像は感光体6Kが回転することによって次々に現像される。用紙Sの先端が感光体6Kと転写ローラ4Kの間に到達した時点で、機構制御部53は高圧制御部56に指令を出し、TR発生部59のブラックの転写用電源がオンにされる。この転写ローラ4Kによって、電気的に感光体6K表面のトナー画像が用紙Sに転写される。そして感光体6Kが回転することによって、トナー画像は次々に用紙S上に転写され、用紙Sには1ページ分のブラック画像が記録されることになる。以上により用紙Sへのブラックのトナー画像の転写が終了する。
【0066】
その後、用紙Sの後端が感光体6Kと転写ローラ4Kの間に到達した時点で、機構制御部53から高圧制御部56に指令を出し、印刷機構2Kの転写用電源がオフになる。これに前後して、用紙Sの先端が印刷機構2Kを抜けた後、搬送ベルト12の下流側に配置された次の印刷機構2Yに搬送されると、この印刷機構2Yによって、同様にイエローのトナー画像が転写される。すなわち、用紙Sが所定の位置に搬送されたとき、上述したブラックトナーの転写と同様に、コマンド/画像処理部51よりイエロー画像信号が出力され、感光体上に静電潜像化され、現像部で付着したイエロートナーが用紙Sに転写される。次に、用紙Sは印刷機構2Yから印刷機構2Mへ搬送され、印刷機構2Mによってマゼンタの卜ナー画像が転写される。さらに、用紙Sの先端が印刷機構2Mから印刷機構2Cへ搬送されて、シアンのトナー画像が転写される。
【0067】
このように順次に各色のトナー画像が重ねて転写された後、搬送ベルト12から分離された用紙Sは定着部へ案内される。定着部に到達した用紙Sは、既に定着可能な温度に達しているヒートローラ25と、これに圧接する加圧ローラ26により、トナー画像が定着される。用紙Sは、トナー画像の定着が終了すると排出スタッカ28へ排出される。機構制御部53では、センサ27が用紙Sの後端を検出することにより、排出スタッカ28への排出を検知することができる。用紙Sの排出が終了すると、機構制御部53は全てのモータ54を停止する。なお、転写用電源は各印刷機構2K〜2Cにおけるトナー画像の転写が終了した時点でオフにされ、帯電用電源と現像バイアス電源は、感光体の回転が停止した時にオフになる。
【0068】
カラー画像記録装置では、給紙機構19から繰り出された用紙Sを1回だけ通紙して、4つの印刷機構2K〜2Cにより4色の画像を同時に印刷できることから、印刷の高速化が可能である。しかし、前述したようなイメージドラムユニット等の加工精度や、記録ヘッドの装置への取り付け精度等から、主走査方向、副走査方向、或いは斜め方向の色ずれが発生すると、画像の色調が変わってしまったり、文字がブレてしまうといった問題が生じていた。そこで、実施の形態1では、次に述べるように印刷位置補正を行なっている。
【0069】
まず、検出用パターンによる色ずれ量の検出動作について説明する。
【0070】
図12は、搬送ベルトに印刷された検出用パターンの印刷濃度を説明する図である。同図(a)〜(d)は、それぞれ縞状のカラーのパターンと、縞状のブラックのパターンとの重なり具合が異なって印刷された4つのブロックを示している。また、図12(e)は、それぞれカラートナーの反射率Rc、ベルトの反射率Rb、ブラックトナーの反射率Rkが、Rc>Rb>Rkの関係にあるものとして、反射強度検出機構24によって検出される濃度レベルの変化を示している。ここで、横軸は搬送ベルト12に対する反射強度検出機構24の濃度検出位置に対応しており、縦軸は反射光の検出結果である反射率(濃度レベル)を示している。この濃度レベルは、図3、或いは図4に示すように、搬送ベルト12に対向する位置に設けられた反射強度検出機構24、或いは反射強度検出機構24R,24Lによって検出される。
【0071】
前述した通り、主走査方向、副走査方向、及び斜め方向での色ずれ量を検出するには、検出用パターンにおいて、カラーのパターンとブラックのパターンが最も良く重なっているブロック(例えば、図12(b)に示すブロック)の印刷位置を特定すればよい。その場合に、縞状のパターンのうち、後から上に重ねて印刷されたカラーの各パターンの面積は常に一定であって変化しないが、各ブロック毎にブラックトナーの占める面積、及び搬送ベルト12の露出面積は、縞状のパターンの重なり具合に応じて変化する。したがって、図12(e)に示すように各ブロックからの光の反射強度を測定して、図12(e)に示すようにそれぞれの濃度レベルの相対値が分かればブロックを特定でき、そこから色ずれ量が検出できることになる。
【0072】
図13は、検出用パターンの重なり具合と反射強度との関係を示す図である。上述したように、搬送ベルト12の反射率Rbとカラートナーの下敷きになっているブラックトナーの反射率Rkとの間に差があれば、各ブロックの平均反射率が変化する。また、その反射強度の変化は2種類の検出用パターンの重なり具合に依存する。
【0073】
ところで、各ブロックの平均反射率Rは、図13に示すように、カラーの縞の幅、ブラックの露出幅、搬送ベルトの露出幅をそれぞれα、β、γドットとすると、
R=(αRc+βRk+γRb)/(α+β+γ)
となる。例えば図7、図8で説明した縞状のパターンの場合、α=5、β+γ=5であるから、検出用パターンの各ブロックでの反射率Rは、
R=(1/10)×{(Rk−Rb)β+5Rc+5Rb}
のように計算される。
【0074】
いま、ある程度高い反射強度を有する搬送ベルトを採用すれば、ブラックトナーの反射率Rkは通常極めて低いので、(Rk−Rb)<0となる。そこで、ブラックの露出幅であるβが大きくなると、この平均反射率Rの値は小さくなる。このように、ブラックトナーの反射率よりも高い反射率の搬送ベルトにより搬送機構が構成されているものとすれば、図12に示したように、2種類の検出用パターンが最も大きく重なっているブロックにおいて平均反射率が最も高くなるので、各ブロックの平均反射強度を測定することで色ずれ量の相対的な大きさが検出できる。
【0075】
上述した各ブロックの平均反射強度を測定するためには、最適なトナー濃度で検出用パターンを印刷する必要がある。そこで、印刷濃度の濃度補正について説明する。
【0076】
図16は、トナー濃度と現像バイアスとの関係を示す図である。図において、横軸には現像バイアス、縦軸にはトナー濃度を示している。
【0077】
濃度補正では、最初に、トナー濃度補正用のパターンを各画像形成部により搬送べルトに転写する。トナー濃度を正確に測定するには、濃度補正用のパターンの大きさがセンサスポットに対して十分大きく形成されている必要がある。また、この濃度補正用のパターンには、例えば後に実施の形態3で説明するような粗調整用のパターンが使用できる。検出されたトナー濃度は、予め設定されたトナー濃度(所定のレベルd1)と比較され、現像バイアスが補正できる。図16に示すように、トナー濃度は現像バイアスと比例関係にあり、検出したトナー濃度が所定のレベルd1以下の場合には、現像バイアスの絶対値が大きくなる方向に補正すればよい。
【0078】
トナー濃度は、現像バイアスが低い(絶対値で低い)と薄くなる。上記グラフのように、現像バイアス(−300V)に対するトナー濃度の測定結果が表される場合、最適なトナー濃度とするためには現像バイアスを高く(絶対値で高く)するように補正する(補正後の現像バイアス−Xは、|−300|<|−X|とする)。
【0079】
つぎに、色ずれ量に応じた印刷位置の補正動作について、具体的に説明する。
【0080】
はじめに、ブラックに対するイエローの主走査方向での色ずれをなくすための補正手順を説明する。
【0081】
まず、給紙を停止した状態で搬送ベルト12のみを駆動し、印刷機構2Kによって搬送ベルト12の表面にブラックトナーによる主走査方向の検出用パターンを印刷する。続いて、このブラックの検出用パターンと重なるように、イエロートナーによる主走査方向の検出用パターンを、印刷機構2Yによって印刷する。その結果、図6に示すような検出用パターンが搬送ベルト12に印刷され、順次に反射強度検出機構24の前に送られてくる。反射強度検出機構24では、各ブロックの反射率に応じた光信号から濃度レベルに対応する電気信号として機構制御部53に出力している。機構制御部53の記憶手段では、最も高い出力が検出されたブロック位置に基づいて、ブラックに対するイエローの色ずれ量を記憶している。
【0082】
イエローの色ずれ量が測定された後は、搬送ベルト12上の検出用パターンが、図1に示す張設ローラ31とクリーニングブレード32とで構成されたクリーニング機構によって廃トナータンク33に削り落とされる。
【0083】
ブラックに対するマゼンタ、シアンの主走査方向での色ずれを補正する手順も、イエローの場合と同様に行なわれ、それぞれマゼンタ、シアンの色ずれ量が記憶される。主走査方向の印刷位置ずれは、このように検出された各色の色ずれ量に基づいて、以下のようにして補正される。
【0084】
主走査方向での色ずれは、データ転送クロックに対して画像データを送出するタイミングを変更することにより補正できる。すなわち、ブラックトナーの印刷位置に対してイエロートナーの印刷位置が、例えば主走査方向の右寄りに1ドットずれている場合、その位置ずれ信号を機構制御部53からLEDヘッドインタフェース部52に通知する。LEDヘッドインタフェース部52では、印刷機構2Yに対するイエロー画像信号の出力タイミングを1ドット分だけ早めることで、イエロー画像の印刷位置を左ヘ1ドットずらす補正が行われる。
【0085】
他のカラー画像の印刷位置についても、ブラックの印刷機構2KのLEDヘッド3Kによる印刷位置を基準にして同様の位置補正を行なえば、色ずれをなくすことができる。このようにして、すべての色の画像データについて主走査方向での印刷位置を補正することによって、主走査方向で色ずれの無い印刷が可能になる。
【0086】
副走査方向での印刷位置の補正動作でも、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの色ずれ量の検出は、副走査方向の色ずれ量を検出する検出用パターンを用いることによって、主走査方向の色ずれ量の検出と同様に行なわれる。ただし、副走査方向での色ずれをなくすための補正手順では、ブラックトナーの印刷位置に対してイエロートナーの印刷位置が、例えば副走査方向の後方に3ドットずれている場合、その位置ずれ信号を機構制御部53からLEDヘッドインタフェース部52に通知する。LEDへッドインタフェース部52では、コマンド/画像処理部51中の画像データのアドレスを3ドット分だけ前方の値に変更して出力することで、イエロー画像の印刷位置を前方に3ドットずらす補正が行われる。同様にして、すべての色の画像データについて副走査方向での印刷位置を補正することによって、副走査方向で色ずれの無い印刷が可能になる。
【0087】
斜め方向での印刷位置の補正動作では、イエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの色ずれ量が、搬送ベルト12の左右側両サイドに印刷された検出用パターンによって、副走査方向の色ずれ量の検出と同様に行なわれる。ただし、斜め方向での色ずれをなくすための補正手順では、ブラックトナーの印刷位置に対してイエロートナーの印刷位置が、例えば2ドットだけ右上に傾いている場合、その位置ずれ信号を機構制御部53からLEDヘッドインタフェース部52に通知する。LEDへッドインタフェース部52では、コマンド/画像処理部51内に蓄積された画像データのアドレスをずらすことにより、色ずれ量が修正された画像データをLEDヘッド3に転送できる。すなわち、LEDヘッド3として1ライン312バイトのものが使用されているとすると、LEDへッドインタフェース部52では、コマンド/画像処理部51中の画像データのうち、初めの104バイトの画像データを1ドットだけ後のラインデータに変換し、中間の104バイトはそのままで、終わりの104バイトの画像データを1ドットだけ前のラインデータに変換するようにアドレスをずらせばよい。
【0088】
こうして、左右に配した反射強度検出機構24R,24Lにより、ブラックのLEDヘッド2Kによる印刷位置を基準に他のLEDヘッド2Y〜2Cの傾きを求め、すべての色の画像データについて斜め方向での印刷位置を補正すれば、色ずれのない印刷が可能になる。この場合に、濃度補正用センサと色ずれ量を検出するための反射強度検出機構24R,24Lとを兼用することができ、それによってコストを押さえることができる。
【0089】
上述した主走査方向での色ずれ量の検出では、主走査方向に垂直な縞状パターンを利用していた。しかし、図14に示すように、主走査方向に対して斜め45度に傾斜する斜め縞のパターンを利用することも可能である。図14(A)〜(D)は、いずれも主走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンを示す図であって、いずれもブラックのパターンが斜めに4ビット幅の縞として5ビット間隔で、副走査方向に11ブロックだけ印刷され、その上に重ねて印刷されるカラーパターンは同様に、4ビット幅の縞として4ビット間隔で印刷されている。
【0090】
図14の検出用パターンでは、主走査方向と副走査方向の色ずれが混在して検出される。そこで、予め図7に示すような検出パターンによって副走査方向での色ずれ量を検出しておく。図14(A)では、副走査方向での色ずれがない場合であって、検出すべきブロックを矢印で示すように、中央のブロックでブラックとカラーのパターンが重なっていれば、主走査方向でも色ずれが生じていない。また、同図(B)に示すように、検出すべきブロックが−2のブロックであっても、カラー印刷がブラックのパターンに対して2ドット副走査方向の後方にずれている場合には、主走査方向での色ずれは生じていない。また、同図(C)では、副走査方向での色ずれがなければ、カラー印刷がブラックのパターンに対して2ドット主走査方向の右方にずれている。また、同図(D)は、カラー印刷がブラックのパターンに対して2ドット副走査方向の後方にずれている場合であって、かつ2ドット主走査方向の右方にずれている場合である。
【0091】
主走査方向の色ずれ検出に関して、図14に示す斜め縞の検出用パターンは、図5に示す縦縞の検出パターンと比較して、大きな色ずれの検出用として適している。何故なら、検出可能な色ずれの最大値を大きくするには、パターンを構成する縞の幅と隣接する縞と縞の間の距離を大きくする必要があり、図5に示すような主走査方向に垂直なパターンにおいて縞の幅と縞間の距離とを大きくした場合、スポット径の大きなセンサ24を用いなければならない。しかし、図14に示す斜め縞のパターンの場合は、縞の幅を4ビット幅以外、例えば10ビット幅のように大きくしてもセンサ24のスポットは次々と縞をよぎるので、センサ24のスポット径に影響されずに、各ブロックの平均反射強度の検出が可能であるという利点がある。
【0092】
図15は、検出すべきブロックでベルト露出面積が最小になるように設定した検出用パターンを示す図である。同図(A)には、主走査方向の色ずれ量を検出するためのパターン、同図(B)には、副走査方向の色ずれ量を検出するためのパターンを示している。ここで、色ずれが生じていない場合には、基準となる中央のブロック(0)でカラーパターンとブラックパターンとの縞が互いに重なることなく、互い違いに印刷されて、転写ベルトの露出面積が零となっている。いずれも、ブラックの印刷機構が用紙搬送機構の最上流位置に配置されているので、カラーパターンの縞が上に印刷されている。
【0093】
図15(A)のパターンでは、4本の縞状のカラーパターンはいずれのブロックでも同じ位置に印刷されるが、ブラックのパターンは用紙搬送機構の下流側のブロックで、色ずれ量の検出単位分のビットだけ左側にシフトした位置に印刷され、上流側のブロックでは反対に右側にシフトした位置に印刷される。したがって、中央から2ブロックだけ上流側でベルト露出面積が最小になれば、カラーパターンがブラックのパターンに対して2ドットだけ右方に色ずれを生じていると判定できる。
【0094】
また、図15(B)のパターンでは、ブラックのパターンは用紙搬送機構の下流側のブロックで、色ずれ量の検出単位分のビットだけ下流側にシフトした位置に印刷され、上流側のブロックでは反対に上流側にシフトした位置に印刷される。したがって、中央から2ブロックだけ上流側でベルト露出面積が最小になれば、カラーパターンがブラックのパターンに対して2ドットだけ上流方向に色ずれを生じていると判定できる。
【0095】
いずれのパターンでも、ブラックトナーの反射率Rkがベルトの反射率Rbより小さいとき、ベルト露出面積が最小となるブロックでの反射強度が最小になって、センサ出力が最小になるブロックを特定することにより、色ずれ量を求めることができる。反対に、RkがRbより大きいとき、ベルト露出面積が最小となるブロックでの反射強度が最大になって、センサ出力が最大になるブロックを特定することにより、色ずれ量を求めることができる。
【0096】
ブラックトナーの反射率Rkは、通常では極めて低いので、ベルトの反射率Rbより低くなって、ベルト露出面積が最小のブロックで検出用パターンの反射率が最小になる。反対に、RkがRbより高い場合には、ベルト露出面積が最小のブロックで検出用パターンの反射率が最大になる。いずれの場合も、搬送ベルトは、製造工程などによってその反射率Rbにむらが発生しやすく、もともと反射率の低いブラックトナーでは反射率Rkの変動が少ない。したがって、ベルト露出面積が最小のブロックを検出対象とする検出用パターンでは、より誤差の少ない色ずれ量の測定が可能になる利点がある。
【0097】
以上のように、実施の形態1のカラー画像記録装置によれば、複数の画像形成手段を有するカラー画像記録装置において、主走査方向、副走査方向、および斜め方向の色ずれ量を検出する検出用パターンを搬送べルトに印刷し、反射強度検出機構によってパターンの反射強度を測定することにより、各画像形成手段の主走査方向、副走査方向、および斜め方向の印刷位置を補正して、色ずれのない良好なカラー画像の記録が行なえる。
【0098】
なお、以上に説明したカラー画像記録装置では、検出用パターンを構成する縞状のパターンのドット幅、縞の間隔、或いはブロックの配列数等に応じて、実際に検出可能な色ずれの大きさが決まる。また、検出用パターンのブロック間で、その印刷位置をどのようにシフトさせて配列するかに応じて、実際に検出可能な色ずれ量の大きさの最小単位(ドット数)が決まる。したがって、上述した実施の形態における検出用パターンの配列方法や、構成方法だけに限定されるものではなく、検出用パターンから色ずれ量を読み取る検出手段の性能に応じて調節すれば良い。その場合に、検出手段の性能に応じて縞の本数や長さ、検出用パターンの大きさ等を調節でき、また、反射率が最小のブロックを検出するか、最大のブロックを検出するかについても、選択することができる。
【0099】
実施の形態2
実施の形態1では、色ずれ量を検出するために検出用パターンを搬送ベルトに印刷し、その反射強度を反射強度検出機構によって測定してカラー画像記録装置で発生する色ずれをなくすようにしている。しかし、パターンの反射強度を検出する検出機構は、カラー画像記録装置への取り付け位置や角度が一定せず、或いは検出機構自体に固有のバラツキがあったり、更には、使用環境の変化や時間の経過に伴って検出機構自体が汚れる等の原因で性能劣化などが生じた場合に、その出力が安定しなくなって、色ずれ量を確実に検出することが難しい。通常、このような反射強度検出機構ではバラツキや経時変化などの影響を除去するために、既知の反射率を持つ物体を基準とするキャリブレーションが行われる。ところが、バラツキや経時変化が生じないような基準物体をわざわざ設けてキャリブレーションを行なうと、コストがかさむといった問題もある。
【0100】
そこで、実施の形態2では、反射強度検出機構24の出力を調節するために、つぎに説明するようなキャリブレーション機能を備えた機構制御部53を構成したことを特徴とするものである。なお、この実施の形態2では、装置全体、制御回路、及び色ずれ検出用のパターンの構成は、実施の形態1において説明したものと同様なので、それらの説明は省略する。
【0101】
図17は、機構制御部と反射強度検出機構とを示す回路ブロック図である。この図17に示すように、反射強度検出機構24は発光ダイオード24aと受光素子であるフォトトランジスタ24bからなるセンサであって、発光ダイオード24aへの入力電流を調節して、その発光量の調節が可能である。また、フォトトランジスタ24bでは反射強度に比例したアナログ電圧を機構制御部53に出力するように構成されている。
【0102】
すなわち、発光ダイオード24aのアノード端子は、機構制御部53を構成する電圧電流変換回路53aと接続されている。また、発光ダイオード24aのカソード端子は抵抗24cを介して接地されており、フォトトランジスタ24bのコレクタ端子は5V電源24dと接続されている。フォトトランジスタ24bのエミッタ端子はセンサの出力端子であって、この出力端子が機構制御部53を構成する信号増幅回路53fと接続されている。
【0103】
機構制御部53では、信号増幅回路53fはADコンバータ53eと接続され、ADコンバータ53eはCPU53dと接続されている。また、CPU53dはDAコンバータ53bに接続され、DAコンバータ53bは電圧電流変換回路53aに接続されている。また、CPU53dには記憶装置53cが接続されている。なお、この実施の形態2で反射強度検出機構24を構成する発光ダイオード24aは、その入力電流によって発光量の調節が可能であり、また、ADコンバータ53eへの入力電圧は5Vが上限である。
【0104】
つぎに、反射強度検出機構24の出力を調節するキャリブレーションの方法を説明する。この実施の形態2では、搬送ベルト上に印刷したパターン(基準パターン)を基準として、反射強度検出機構24のキャリブレーションが行われる。
【0105】
図18は、キャリブレーション用の基準パターンの一例を示す図である。図18に示す基準パターンPcは、実施の形態1で説明した副走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンとともに、出力調節の基準として搬送ベルト12に印刷される。ここで、ブラックトナーの反射強度は極めて低いので、搬送ベルト12の反射強度がブラックトナーよりも高いものとすれば、基準パターンPcの反射強度をカラートナーのパターンのみの反射強度にほぼ等しくすることで、色ずれ量の検出において特定したい反射強度が最も高いブロック、即ち2種類の検出用パターンの最も重なっているブロックの特定が容易になる。したがって、基準パターンPcの具体的な形態としては、図18に示すように、副走査方向での色ずれの検出用パターンとして説明したカラートナーによるものと全く同じブロック構成とすることができる。勿論、検出用パターンと反射強度が同じとなるべた塗りパターンとして構成してもよい。
【0106】
このように、基準パターンPcの反射強度に対応させてキャリブレーションを行なえば、反射強度検出機構24の出力を希望通りに調節することができ、最も重なっているブロックの特定が容易になるという利点がある。また、基準パターンPcをカラートナー単体により構成したので、色重ねによる印刷の必要がなく、印刷機構2Y〜2Cに色ずれがあっても影響されない。
【0107】
なお、ブラックトナーの反射強度よりも搬送ベルト12の反射強度の方が低いときには、搬送べルト12が検出用パターンによって完全に覆われたブロックの反射強度が最も高くなり、特定したいブロックの反射強度が最も低くなる。このような場合の基準パターンPcとしては、ブラックトナーを全面に印刷した上に色ずれの検出用パターンと同等の面積占有率でカラーパターンを印刷して構成すれば、搬送ベルト12が完全に覆われたブロックと同じ反射強度となって、反射強度検出機構24のキャリブレーションが可能となる。
【0108】
図19、図20は、キャリブレーション用の基準パターンと色ずれ量の検出用パターンとの配置関係を示す図である。
【0109】
図19または図20に示すように、上述した図18の基準パターンPcは色ずれ検出用パターンの前方に印刷される。反射強度検出機構24では基準パターンPcの読み取り中に、信号増幅回路53fの出力が4.5V程度になるように、機構制御部53によって発光ダイオード24aの発光量を調整している。4.5Vに調節する理由は、A/Dコンバータ53eへの入力が5Vを越えないようにある程度の余裕を見ながら、かつ読取り可能な範囲内で、出力波形をなるべく拡大するためである。なお、2種類の検出用パターンの最も重なっているブロックの出力電圧を特定の値に設定することも可能である。
【0110】
次に、2種類の検出用パターンの色ずれ量を検出するための反射強度検出機構24におけるキャリブレーション動作について説明する。ここでは、通常の印刷動作、すなわち、帯電、露光、現像、転写、及び定着の動作や、色ずれの検出動作、及びその補正動作は、実施の形態1の場合と同様のものである。
【0111】
キャリブレーション用の基準パターンPcが印刷された搬送べルト12が反射強度検出機構24に到達するまでは、その発光ダイオード24aには電流は流れない。基準パターンPcが反射強度検出機構24のフォトトランジスタ24bの前まで送られてくると、発光ダイオード24aへの印加電流が記憶装置53cに記憶されている所定値に等しくなるよう、CPU53dからDAコンバータ53bにデジタル信号を出力する。DAコンバータ53bではCPU53dからのデジタル信号をうけて、電圧電流変換回路53aに所定のアナログ電圧を出力する。電圧電流変換回路53aはDAコンバータ53eからのアナログ電圧を電流に変換し、反射強度検出機構24の発光ダイオード24aに電流を流す。この時、キャリブレーション用の基準パターンPcの反射強度が反射強度検出機構24のフォトトランジスタ24bによって検出され、反射強度に比例したアナログ電圧信号が出力される。このアナログ電圧信号が反射強度検出機構24の出力信号として信号増幅回路53fで増幅されて、ADコンバータ53eに入力される。
【0112】
こうして反射強度検出機構24からの出力信号はデジタル信号に変換され、CPU53dに入力され、そこに設定されている希望する電圧より高くなったかどうか判断される。この希望する電圧とは、記憶装置53cにあらかじめ記憶された反射強度検出機構24にとっての最適電圧である。反射強度検出機構24の出力が希望する電圧より低い場合、上述した手順で同じ値だけ電流を増やしていく。希望する電圧を超えた場合は、電流値を上げていったときの上げ幅よりも小さな幅で、同様の手順で電流値を下げて行って、希望するセンサ出力電圧を下回ったところでキャリブレーション完了とする。以上のキャリブレーション動作によって、色ずれ量の検出用パターンを読取る際の出力を安定させて、色ずれ量を確実に読取れる電流値の大きさに調節できる。
【0113】
以上のように、実施の形態2のカラー画像記録装置によれば、複数の画像形成手段を有するカラー画像記録装置装置おいて、搬送べルト上に印刷したキャリブレーション用の基準パターンPcによって反射強度検出機構24のキャリブレーションを行って、反射強度検出機構24の検出精度のバラツキを押さえるようにしたので、色ずれ量の検出、及びそれに基づく印刷位置の補正を安定して確実に行うことができる。したがって、安定して色ずれのない良好なカラー画像の記録を行えるカラー画像記録装置を提供することができる。
【0114】
実施の形態3
実施の形態1において説明した発明では、色ずれ検出用パターンの反射強度を測定して、複数の画像形成手段を備えたカラー画像記録装置で発生する色ずれをなくすようにしていた。その場合に、主走査方向、副走査方向ともに前後4ドット以内の色ずれが検出可能であった。さらに大きな色ずれを高い精度で検出して補正するには、検出できる色ずれの最大値と最小値とが異なる複数の検出パターンを使用して、複数段階に分けて色ずれ量を検出し、それらの補正を行なう必要があり、これまでに述べたような微調整用パターンに加えて、粗調整のための検出用パターンから色ずれ量のデータを取り出す必要がある。
【0115】
そこで、実施の形態3では、例えば微調整用、及び粗調整用の2段階の色ずれ検出を行なうための検出用パターンを用いた色ずれ検出と、その場合の斜め方向の色ずれ検出動作を行なうための読み取り回路について説明する。なお、この実施の形態3では、装置全体、及び制御回路の構成は、実施の形態1において説明したものと同様なので、それらの説明を省略する。
【0116】
図21は、副走査方向の色ずれを検出するための粗調整用パターンを示す図である。この図に示すように、粗調整用パターンでは、縞の幅、及び縞の間隔はいずれも20ドット、カラートナーによる各ブロックは4ドット単位でシフトしている。すなわち、縞の幅、間隔、カラートナーによって印刷される各ブロックのシフト量等は、微調整用パターンと比較してすべて4倍のドット数に設定されている。
【0117】
図22(A)(B)は、それぞれ副走査方向での色ずれ量の異なる2つの粗調整用パターンを示す図である。
【0118】
図22(B)に示す粗調整用パターンでは、例えばカラーの縞の配列がブラックのものに対して副走査方向に8ドットだけずれて印刷されたときに、中央のブロックから2ブロック後ろで重なっている。また、この2種類のパターンの色ずれ量の検出精度は、もっとも平均反射率が高いブロックが正確に検出されたとしても±2ドットの誤差を含み、仮に2番目に平均反射率の高いブロックを誤って最も反射率が高いブロックと判断した場合には、±4ドットの検出誤差が発生する。しかし、粗調整用パターンを用いて印刷位置補正を行った後、あらためて実施の形態1で説明したように、微調整用パターンを用いて色ずれ量を検出すれば、最終的には大きなずれ量(ここでは、±16ドット以内)の色ずれであっても補正が可能となる。
【0119】
図23(A)(B)は、反射強度検出機構24における検出光のスポット径と検出用のパターンの大きさとの関係を示す図、図24は、反射強度についてのパターン走査出力波形を示す図である。
【0120】
図23(A)には、微調整用パターンとその1ブロックの拡大図を示しており、同図(B)には、粗調整用パターンとその1ブロックの拡大図を示している。後者は、前述したように、前者のパターンをすべて4倍のドット数に拡大した大きさに設定されている。
【0121】
ところで、微調整用パターンと同じ反射強度検出機構(以下の説明では、センサともいう。)を用いて粗調整用パターンを読み取ろうとすると、図23(A)(B)にそれぞれ拡大して示すように、同一検出光のスポット径で検出される縞の繰返し周期が、微調整用パターンと粗調整用パターンとでは大きく異なってくる。また、ここでの微調整用パターンと粗調整用パターンは副走査方向の検出用パターンであるため、図24に示すようにセンサのスポットは縞を横切る形になり、センサ出力は微調整用パターンと粗調整用パターンとで、異なった周期の振動波形となる。そこで、微調整用パターンと粗調整用パターンのセンサ出力は、異なる時定数を持つ積分回路を介して信号増幅回路と接続することによって、各ブロックに対する平均センサ出力に変換してから反射強度を読み取らなければならない。
【0122】
図25(A)(B)は、それぞれ粗調整用と微調整用とのパターン読取り回路の構成を示す図である。同図(A)に示す粗調整用読み取り回路では、積分回路の時定数がR1*C1であって、同図(B)に示す微調整用読み取り回路の時定数R4*C2と比較したとき、R1*C1>R4*C2となっている。また、特に斜め方向で微調整と粗調整との、2段階の色ずれ検出を行なうためには、図25に示すような、時定数の異なる2種類の読み取り回路がそれぞれ左右に2つずつ、合計4個の回路が必要になる。
【0123】
実施の形態3では、以下に説明するように、斜め方向色ずれ検出用のパターンを左右で互い違いに配置し、左右の反射強度検出機構を2種類の読み取り回路に切り替えて接続するようにしている。
【0124】
図26は、多段階での色ずれを補正するための検出用パターンの配置を示す図、図27は、実施の形態3の読取り回路の構成を示すブロック図である。
【0125】
図26(A)では、多段階の色ずれ検出を行なうための通常の検出用パターンを示しており、同図(B)に、この実施の形態3における検出用パターンの配置を示している。また、図27に示す読み取り回路では、反射強度検出機構24L,24Rがスイッチ60を介して粗調整用パターンの読み取り回路61と微調整用パターンの読み取り回路62とに切り替え可能に接続され、それらの読み取り回路61,62における読み取り結果が機構制御部53に入力されるように構成されている。なお、スイッチ60の切り替えは、機構制御部53によって制御している。
【0126】
最初に、色ずれの補正機能が作動すると、印刷機構2K〜2Cによって、搬送ベルト12上に各色の粗調整用パターン、微調整用パターンが交互に並んだパターンとして印刷される。搬送ベルト12が駆動されることによって、まずイエロートナーによる左側粗調整用パターン(YL)が左側に配置された反射強度検出機構24Lの前に送られてくる。このときには、図27に示すスイッチ60によって、反射強度検出機構24Lが粗調整用パターンの読み取り回路61に接続されて、最初に搬送ベルト12の左側におけるイエローの色ずれ量が検出され、その値が制御機構部53内の図示しない記憶装置に記憶される。
【0127】
つぎに、反射強度検出機構24Lでの読み取りが終わると同時に、機構制御部53からの指令を受けてスイッチ60が切り替えられ、反射強度検出機構24Rが粗調整用パターンの読み取り回路61に接続される。これにより、イエロートナーの左側粗調整用パターン(YL)とずらして配置された、同じイエロートナーによる右側粗調整用パターン(YR)が反射強度検出機構24Rで読み取られて、その色ずれ量が制御機構部53内の図示しない記憶装置に記憶される。
【0128】
同様にして、マゼンタ(M)、シアン(C)についても、それぞれの色ずれ量が検出され、制御機構部53内の図示しない記憶装置に記憶されて、これらの各色の粗調整用パターンによる左右色ずれ量をもとに、実施の形態1で説明した斜め方向での位置補正が実施される。ここで、斜め方向の位置補正はイエロー、マゼンタ、シアンそれぞれの色ずれ量が検出された直後に実施することができる。したがって、マゼンタトナーの検出用パターンを読み取っている最中にイエローの印刷位置の補正が実施され、シアントナーのパターンを読み取っている最中にマゼンタの印刷位置の補正が実施できるので、次に説明する微調整用パターンの印刷を開始するタイミングを早めることができる。
【0129】
次に、図26に示すパターンの後半部分、すなわち微調整用パターンが交互に配置された部分の印刷が行なわれ、微調整動作が開始される。この微調整用パターンを印刷し始めるタイミングは、該当する色の粗調整動作が完了した後であればいつでも良い。ただし、例えばイエローの微調整用パターンは、イエローの粗調整完了後に印刷される必要がある。また、微調整動作と粗調整動作とは、使用される調整用パターンの大きさが異なるだけで、まったく同様な手順で実行されるものである。
【0130】
以上のように実施の形態3のカラー画像記録装置では、複数の画像形成手段を有するカラー画像記録装置装置おいて、斜め方向での色ずれ量を多段階に検出して印刷位置補正を行う際、左右で互い違いに配置された検出用パターンを用いて斜め方向の色ずれ量を迅速に求め、さらに読み取り回路と左右の反射強度検出機構の接続部に取り付けられた切り替えスイッチを用いることにより、読み取り回路の数を削減したので、コストを押さえるとともに、斜め方向の位置ずれを効率良く検出して補正することによって、色ずれの無い印刷を実現できる。
【0131】
実施の形態4
実施の形態1のカラー画像記録装置によれば、検出用パターンを搬送べルトに印刷し、反射強度検出機構によってパターンの反射強度を測定することで、複数の画像形成手段を有するカラー画像記録装置で発生する色ずれを補正することが可能であった。しかしながら、記録媒体の種類等に応じて複数の印刷スピードを設定しているカラー画像記録装置では、印刷スピードが切り替えられる毎に大きさの異なる色ずれが発生するので、印刷位置補正が複雑になるという問題があった。
【0132】
図28は、実施の形態4のカラー画像記録装置を示すブロック図、図29は、実施の形態4の制御回路を示すブロック図である。
【0133】
この実施の形態4においては、記録媒体の種類、性質などに応じて複数の印刷スピードを選択して設定することができる。図28に示すカラー画像記録装置1は、実施の形態1の装置と基本的な構成は同じであるが、給紙機構を構成する用紙収容カセット19に近接して媒体判別センサ29が配置されている。また、図29に示す制御回路の機構制御部53に接続されたオペパネル30に、例えば用紙種類の切換えを手動で設定するための入力手段を備えている。それ以外の制御回路部分については、実施の形態1において説明した構成と同様なので、それらの説明は省略する。
【0134】
図30は、実施の形態4の動作フローを示す図である。ここでは印刷スピードがA、Bの2種類のみであり、これらの印刷スピードに対応する色ずれ量がおのおの記憶されているものとしている。
【0135】
まず、制御機構部53によって、カバーCLOSEもしくは電源ONが行われたかどうかが判断され(ステップS0)、カバーCLOSEもしくは電源ONが行われた場合は、ステップS1に進んで、フラグA,Bをオフしてから、制御機構部53によって現在の印刷スピードがAかBかについて判断される(ステップS2)。そして、それぞれのスピードA,Bにおいて色ずれ量の検出が行われ(ステップS3、S4)、それらの検出結果が補正値として制御機構部53内の図示しない記憶装置に保存され、対応するフラグA或いはフラグBがオンされる(ステップS5、S6)。
【0136】
こうして補正動作が終了した時点で、現在の印刷スピードがAならばフラグAが、現在の印刷スピードがBならばフラグBがそれぞれONされ、再びカバーCLOSEもしくは電源ONが行われたかどうかが、制御機構部53によって判断される(ステップS1)。カバーCLOSEもしくは電源ONが行われなかった場合、その後に印刷スピードが切り替えられたかどうかについて判断される(ステップS7)。印刷スピードが変更されていると、変更後の印刷スピードがAかBのいずれかであるかの判断がなされる(ステップS8)。変更後の印刷スピードに対応するフラグがONならば(ステップS9,S10)、保存されている色ずれ補正データを読み出す(ステップS11,S12)。その時点でフラグがOFFであれば、変更後の印刷ピードA,Bにおいて色ずれ量の検出が行われ(ステップS3、S4)、それらの検出結果が補正値として制御機構部53内の図示しない記憶装置に保存され、対応するフラグがオンされる(ステップS5、S6)。
【0137】
このようにして2通り以上の印刷スピードに対しても、色ずれの無い印刷が行われる。ただし、ここに説明した動作は、色ずれ補正動作が頻繁に起こりすぎたり、一度の補正動作に長い時間がかからないよう工夫したものである。例えば、カバーCLOSEもしくは電源ONが行われた際に、一度に複数の印刷スピードに対して色ずれ補正を行っても良いし、印刷スピードを切り替えるたびに色ずれ補正を行っても良い。
【0138】
以上のように、実施の形態4のカラー画像記録装置では、複数の画像形成手段を有するカラー画像記録装置において、複数の印刷スピードが存在する場合、それぞれの印刷スピードに対して色ずれ量を検出して印刷位置補正を行っているので、印刷スピードを変更しても色ずれのない良好な記録が行えるカラー画像記録装置装置を提供することができる。
【0139】
なお、この実施の形態4では、感光体への潜像を書き込む手段として、LEDヘッドで説明したが、これに限定されるものではなく、たとえばレーザヘッドによって書込む方式のものであっても良い。また、色数に関しても、この実施の形態4では4色としたが、複数色であれば3色、あるいは6色といった色数であってもよい。
【0140】
実施の形態5
実施の形態1では、用紙搬送方向の上流側にブラックトナーによる画像形成部を設け、その下流側にイエロー、マゼンタ、シアンの各トナーによる画像形成部を配列した。そして、図12(e)に示したように、イエロー、マゼンタ、シアンのカラートナーの反射率Rc、ベルトの反射率Rb、ブラックトナーの反射率Rkが、Rc>Rb>Rkの関係にあるときは、先に印刷されたブラックトナーによるパターンの上に、後からイエロー、マゼンタ、シアンのパターンが重ねて印刷されるので、ブラックのパターンと、イエロー、マゼンタ、シアンのパターンが最もよく重なるブロックがもっとも明るい、もしくはブラックのパターンと、イエロー、マゼンタ、シアンのパターンがちょうど互い違いになるブロックが最も暗いという性質を利用して、色ずれ量を求めるようにしていた。しかし、この構成では、RbとRcにあまり差がない場合は、ブラックのパターンと、イエロー、マゼンタ、シアンのパターンの重なり具合で反射率があまり変化せず、色ずれが検出できないという問題がある。
【0141】
図31は、実施の形態5に係わる搬送ベルトに印刷された検出用パターンの印刷濃度を説明する図である。同図(a)〜(d)は、それぞれ縞状のカラーのパターンと、縞状のブラックのパターンとの重なり具合が異なって印刷された4つのブロックを示している。また、図12(e)は、それぞれカラートナーの反射率Rc、ベルトの反射率Rb、ブラックトナーの反射率Rkが、Rc>Rb>Rkの関係にあるものとして、反射強度検出機構24によって検出される濃度レベルの変化を示している。ここで、横軸は搬送ベルト12に対する反射強度検出機構24の濃度検出位置に対応しており、縦軸は反射光の検出結果である反射率(濃度レベル)を示している。この濃度レベルは、例えば、図3、或いは図4に示すような、搬送ベルト12に対向する位置に設けられた反射強度検出機構24、或いは反射強度検出機構24R,24Lによって検出される。
【0142】
実施の形態5では、用紙搬送方向の最下流側にブラックの画像形成部を設けて、ブラックのパターンがイエロー、マゼンタ、シアンのパターンを覆い隠すように構成されている。このような場合、カラートナーの反射率Rc、ベルトの反射率Rb、ブラックトナーの反射率Rkが、例えばRc>Rb>Rkの関係にあるときは、ブラックのパターンと、イエロー、マゼンタ、シアンのパターンが最もよく重なり、カラートナーの露出率が最も低いブロックが最も暗い、もしくはブラックのパターンと、イエロー、マゼンタ、イアンのパターンがちょうど互い違いになり、カラートナーの露出率が最も高いブロックが最も明るいという性質を利用して、色ずれ量を求めることができる。
【0143】
実施の形態5においては、各ブロックにおいて、露出面積が変化するのはカラートナーとRkにあまりの差がない場合は、本実施例では色ずれを検出できないが、RbとRkに充分な差があれば、色ずれを検出できる。したがって、実施の形態1又は5を利用することによって、Rc=Rb=Rkという場合を除けば、色ずれを検出できる。
【0144】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように構成されているので、各色間の画像の色ずれを検出して、印刷位置ずれを補正することで安定したカラー画像の印字を可能とする画像記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるカラー画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 主走査方向及び副走査方向の色ずれを検出するための反射強度検出機構の取り付け位置を示す図である。
【図3】 斜め方向の色ずれを検出するための反射強度検出機構の取り付け位置を示す図である。
【図4】 実施の形態1に係る印刷制御回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 主走査方向の色ずれ量を検出するための検出用パターンの具体的な構成方法を示す図である。
【図6】 主走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンの全体構成を示す図である。
【図7】 副走査方向の色ずれ量を検出するための検出用パターンの具体的な構成方法を示す図である。
【図8】 副走査方向での色ずれ量を検出するための検出用パターンの全体構成を示す図である。
【図9】 副走査方向の色ずれ量を検出するための検出用パターンの、他の構成方法を示す図である。
【図10】 実施の形態1に係る斜め補正用の印刷制御回路の構成を示すブロック図である。
【図11】 斜め方向での色ずれを検出するための検出用パターンの全体構成を示す図である。
【図12】 搬送ベルトに印刷された検出用パターンの印刷濃度を説明する図である。
【図13】 検出パターンの重なり具合と反射強度との関係を示す図である。
【図14】 副走査方向の色ずれ量を検出するための斜め縞の検出用パターンを示す図である。
【図15】 検出すべきブロックでベルト露出面積が最小になるように設定した検出用パターンを示す図である。
【図16】 トナー濃度と現像バイアスとの関係を示す図である。
【図17】 実施の形態2のカラー画像記録装置における機構制御部と反射強度検出機構とを示す回路ブロック図である。
【図18】 反射強度検出機構によるキャリブレーション用の基準パターンの一例を示す図である。
【図19】 キャリブレーション用の基準パターンと色ずれ量の検出用パターンの配置関係を示す図である。
【図20】 キャリブレーション用の基準パターンと色ずれ量の検出用パターンの配置関係を示す図である。
【図21】 実施の形態3における副走査方向の色ずれを検出するための粗調整用パターンの具体的な構成方法を示す図である。
【図22】 (A)(B)は、それぞれ副走査方向での色ずれ量の異なる2つの粗調整用パターンを示す図である。
【図23】 反射強度検出機構における検出光のスポット径と検出用のパターンの大きさとの関係を示す図である。
【図24】 反射強度についてのパターン走査出力波形を示す図である。
【図25】 (A)(B)は、それぞれ微調整用と粗調整用のパターン読取り回路の構成を示す図である。
【図26】 実施の形態3における多段階での色ずれを補正するための検出用パターンの配置を示す図である。
【図27】 実施の形態3の読取り回路の構成を示すブロック図である。
【図28】 実施の形態4におけるカラー画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図29】 実施の形態4に係る印刷制御回路の構成を示すブロック図である。
【図30】 実施の形態4の動作フローを示す図である。
【図31】 実施の形態5に係わる搬送ベルトに印刷された検出用パターンの印刷濃度を説明する図である。
【符号の説明】
1 カラー画像記録装置、 2K,2Y,2M,2C 印刷機構、 3 LEDヘッド、 4K,4Y,4M,4C 転写ローラ、 5 帯電ローラ、 6 感光体、 7 現像ローラ、 8 現像ブレード、 9 スポンジローラ、 10 トナーカートリッジ、 11K,11Y,11M,11C 除電光源、 12 搬送ベルト、 13 駆動ローラ、 14 従動ローラ、 15 吸着ローラ、 16 ホッピングローラ、 17 レジストローラ、 18 ピンチローラ、 19 用紙収容カセット、 20 ガイド、 21〜23 センサ、 24 反射強度検出機構、 25 ヒートローラ、 26 加圧ローラ、 27 排出センサ、 28 排出スタッカ、 29 媒体判別センサ、 30 オペパネル、 31 張設ローラ、 32 クリーニングブレード、 33 廃トナータンク、 50 ホストインタフェース部、 51 コマンド/画像処理部、 52 LEDヘッドインタフェース部、 53 機構制御部、 54 モータ、55 ヒータ、 56 高圧制御部、 57 CΗ発生部、 58 DB発生部、 59 TR発生部、 60 スイッチ。

Claims (11)

  1. 複数色のカラー画像を記録媒体に記録する画像記録装置において、
    搬送路に沿って記録媒体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段が記録媒体を搬送するとき、記録媒体に対して順次に異なる色のカラー画像を形成する少なくとも2つの画像形成手段であり、前記搬送手段が記録媒体を搬送しないとき、前記少なくとも2つの画像形成手段の一方が基準色パターンを、他方が検出色パターンを、基準色パターンと検出色パターンとが重なるようにして前記搬送手段上に記録し、
    基準色パターンは、前記搬送手段が記録媒体を搬送する副走査方向に整列する複数の第1のブロックを有するとともに、各第1のブロックが、前記副走査方向に対して斜めの方向に延在する縞状パターンを有し、
    検出色パターンは、前記搬送手段が記録媒体を搬送する副走査方向に整列する複数の第2のブロックを有するとともに、各第2のブロックが、前記副走査方向に対して斜めの方向に延在する縞状パターンを有し、各第2のブロックの位置が、対応する第1のブロックに対して予め定めた方向に所定の変位量だけ変位するとともに、前記変位量が隣接の第2ブロックよりも大きくなるように記録する、前記少なくとも2つの画像形成手段と、
    前記搬送手段の反射領域と、基準色パターンの反射領域と、検出色パターンの反射領域とからの反射光を検出することにより、前記少なくとも2つの画像形成手段の間の色ずれ量を検出する色ずれ検出手段と、
    前記画像形成手段による前記記録媒体への印刷位置を、前記色ずれ量に応じて補正する印刷位置補正手段とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記色ずれ検出手段では、重なったブロック毎に前記反射光を受光し、反射強度が最大となるブロックを検出することによって色ずれ量を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記記録媒体上に光の反射率が最も小さい色のカラー画像を形成する画像形成手段が、前記搬送路の最も上流側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像記録装置。
  4. 前記記録媒体上に光の反射率が最も小さい色のカラー画像を形成する画像形成手段が、前記搬送路の最も下流側に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 前記搬送手段が、記録媒体を吸着して搬送する搬送ベルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 前記少なくとも2つの画像形成手段のうち、基準位置に配置された画像形成手段によって印刷される基準色パターンと、基準位置とは異なる位置に配置された画像形成手段によって印刷される検出色パターンとが構成されていることを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 前記色ずれ検出手段が、前記搬送手段を構成する搬送ベルトの表面に形成された基準パターンに基づいてキャリブレーションを実施することを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の画像記録装置。
  8. 前記色ずれ検出手段では、前記斜め方向の基準色パターンと検出色パターンとから反射強度を測定する一対の検出機構と、これら検出機構が切り替えて接続され、前記反射強度を交互に読み取る読み取り回路とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像記録装置。
  9. 前記斜め方向の基準色パターンと検出色パターンとを重ねて形成される検出用パターンを、搬送ベルトの表面上に複数形成し、
    前記検出パターンは前記主走査方向における搬送ベルトの両端部に印刷され、一方の端部に印刷された隣接する検出パターンの間に、他方の端部に印刷された検出パターンが配置されることを特徴とする請求項8に記載の画像記録装置。
  10. 前記画像形成手段が、検出精度の異なる複数種類の基準色パターンと検出色用パターンとを記録し、前記印刷位置補正手段によって多段階での印刷位置の補正がなされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像記録装置。
  11. 前記搬送手段では、前記記録媒体をその種類に応じて複数の印刷スピードに切り替えて搬送する切り替え手段を備え、前記色ずれ検出手段では、前記印刷スピード毎に検出された斜め方向の色ずれ量を記憶する記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像記録装置。
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