以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタ1の要部構成について説明する。本実施形態に係るプリンタ1は、入力された画像データに基づく画像を記録媒体としての用紙に印刷することが可能な画像形成装置である。
図1はプリンタ1の概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、用紙Pの搬送路12上流側から下流側にかけて順に、第1のトナーとしてのホワイトと、第2のトナーとしてのイエロー、マゼンタ、及びシアンとの4色のトナー画像形成に対応した画像形成部としての印刷機構101(ホワイト)、印刷機構102(イエロー)、印刷機構103(マゼンタ)、及び印刷機構104(シアン)を備える。印刷機構101〜104の各印刷機構は、電子写真方式LEDプリント機構であり、それぞれ同一の構成を有する。
印刷機構101〜104は、感光体ドラム201、感光体ドラム202、感光体ドラム203、及び感光体ドラム204と、感光体ドラム201〜204表面を一様均一に帯電させる帯電ローラ301、帯電ローラ302、帯電ローラ303、及び帯電ローラ304と、感光体ドラム201〜204表面に形成された静電潜像に各トナーを供給することで現像し、トナー像を形成させる現像ローラ401、現像ローラ402、現像ローラ403、及び現像ローラ404と、現像ローラ401〜404に各トナーを供給する供給ローラ501、供給ローラ502、供給ローラ503、及び供給ローラ504と、現像ローラ401〜404表面上の各トナーの層厚を規制する現像ブレード601、現像ブレード602、現像ブレード603、及び現像ブレード604と、感光体ドラム201〜204表面の除電を行う除電光源701、除電光源702、除電光源703、及び除電光源704と、供給ローラ502〜504に各トナーを供給するトナーカートリッジ801、トナーカートリッジ802、トナーカートリッジ803、及びトナーカートリッジ804とを備える。そして、後述する媒体たるベルト部材としての搬送ベルト18を介した感光体ドラム201〜204と対峙する位置には、感光体ドラム201〜204表面において形成されたトナー像を用紙Pに転写させる転写ローラ1001、転写ローラ1002、転写ローラ1003、及び転写ローラ1004が設けられている。
ここで、ホワイトの印刷機構101を代表として、その現像部の機能について説明する。なお、イエロー、マゼンタ、及びシアンの印刷機構102、印刷機構103、及び印刷機構104の現像部の機能は、ホワイトの印刷機構101と同様であるため、重複した説明は省略する。
印刷機構101のトナーカートリッジ801には、ホワイトのトナーが収容されている。トナーカートリッジ801から供給されたトナーは、供給ローラ501によって適量現像ローラ401に搬送され、現像ブレード601により現像ローラ401表面上で薄層化後、感光体ドラム201に供給される。なお、現像ブレード601による薄層形成時、トナーは、現像ブレード601、現像ローラ401、及び供給ローラ501によって強く擦られて摩擦帯電する。
入力された画像データに基づき、後述するLEDヘッド901から照射された光によって形成された感光体ドラム201表面上の静電潜像に対し、摩擦帯電したトナーが付着することによりトナー像が形成される。形成されたトナー像は、転写ローラ1001に印加された所定の転写電圧により用紙Pに転写される。トナー像が転写された後の感光体ドラム201表面は、図示せぬクリーニング機構によりクリーニングされるとともに、除電光源701から照射された光により除電され、次の画像形成に使用される。
前述したように、帯電した感光体ドラム201〜204の表面に静電潜像を形成させるLEDヘッド901、LEDヘッド902、LEDヘッド903、及びLEDヘッド904は、照射した光が各感光体ドラム201〜204の表面で結像する位置に配置されている。LEDヘッド901〜904は、それぞれ、LEDをアレイ状に配したLEDアレイと、このLEDアレイを駆動させるドライブIC、入力された画像データを保持するレジスタ群を搭載した基板と、LEDアレイの光を集光するセルフォック(登録商標)レンズアレイとを有し、後述するホストインタフェース部32から入力された画像データ信号に対応してLEDアレイを発光させる。なお、LEDヘッド901にはホワイトの画像データが、LEDヘッド902にはカラー画像データのうちイエローの画像データが、LEDヘッド903にはカラー画像データのうちマゼンタの画像データが、LEDヘッド904にはカラー画像データのうちシアンの画像データがそれぞれ入力される。なお、本発明の説明においては、LEDの配列方向を主走査方向と称し、主走査方向に対して垂直方向、すなわち、用紙Pの搬送方向(搬送ベルト18の駆動方向)を副走査方向と称する。
ところで、感光体ドラム201〜204と転写ローラ1001〜1004との間には、媒体搬送部としての駆動ローラ19及び従動ローラ20により巻掛けられた搬送ベルト18が図中矢印e方向に駆動可能に配設されている。搬送ベルト18は、高抵抗の半導電性プロスチックフィルムからなり、継目なしのエンドレス状に形成されている。このような構成を有する搬送ベルト18の抵抗値は用紙Pが搬送ベルト18に対して静電吸着でき、かつ、用紙Pが搬送ベルト18から離れたときに、搬送ベルト18に残存する静電気を自然除電できる範囲であるものとする。
駆動ローラ19はベルトモータ38に接続され、このベルトモータ38の駆動により回転する。また、従動ローラ20は、図中矢印f方向に搬送ベルト18を引っ張ることにより搬送ベルト18に所定のテンションを付与している。そして、従動ローラ20側には、可撓性のゴムやプラスチック材から構成されたクリーニングブレード29が搬送ベルト18下面部を圧接しており、この圧接箇所において、クリーニングブレード29は搬送ベルト18表面上に残留している残留トナーを廃トナータンク30に掻き落とすことができる。
そして、プリンタ1は、用紙Pの搬送路12の最上流側に、用紙Pを搬送路12に供給するための給紙機構を備える。給紙機構は、ホッピングローラ11と、レジストローラ14と、用紙収容カセット10とを備える。
用紙収容カセット10に収容された用紙Pは、ピックアップローラ等の図示せぬ分離手段により1枚ずつ選択され、ホッピングローラ11によりガイド13に案内される。ガイド13に沿って案内された用紙Pは、レジストローラ14に達する。レジストローラ14はピンチローラ15と対を成し、用紙Pがスキュー(用紙Pが斜め送りされた状態)された場合に、このスキューを矯正する。そして、用紙Pは、レジストローラ14から吸着ローラ21と搬送ベルト18との間に導かれる。なお、吸着ローラ21は、用紙Pを従動ローラ20との間で圧接させ、その用紙Pを搬送ベルト18上面に静電吸着させるものである。
搬送路12上のレジストローラ14前後には、センサ16、センサ17が設けられている。センサ16,17は用紙Pの位置を検出する。また、センサ25は駆動ローラ19よりも搬送路12下流側に設けられ、搬送ベルト18からの分離に失敗した用紙Pをチェックし、或いは、用紙Pの後端位置を検出する。
そして、印刷機構101〜104を通過することでトナー像が形成された用紙Pは、搬送ベルト18から分離され、ヒートローラ22と、加圧ローラ23とを備えた定着機構に導かれる。ヒートローラ22は、熱源として機能するハロゲンランプからなるヒータ221を内蔵し、ヒータモータ39の駆動により回転する。加圧ローラ23は、ヒートローラ22に対して所定の圧接力をもって当接しており、ヒートローラ22につれまわり回転する。定着機構は、センサ25の配設位置よりもさらに搬送路12下流側に設けられており、用紙P上に形成されたトナー像を構成するトナーか加熱、溶融させ、用紙P上のトナー像を定着させる。なお、ヒートローラ22の表面近傍には、サーミスタ24が設けられ、ヒートローラ22の温度を監視している。
排出センサ26は、定着機構の配設位置よりもさらに搬送路12下流側に設けられており、定着機構におけるジャムや用紙Pのヒートローラ22への巻き付けを監視している。排出線sな26の配設位置よりもさらに搬送路12下流側には、用紙Pをプリンタ1外筐を利用して形成されたスタッカ28に搬送するガイド27が設けられており、印刷済みの用紙Pはスタッカ28に排出される。
ところで、本実施形態に係る検出手段としての色ずれ補正センサ311、色ずれ補正センサ312は、駆動ローラ19近傍の搬送ベルト18下面に対向する位置に設けられている。色ずれ補正センサ311,312は、発光1系統、受光1系統の反射型センサである。図2に、色ずれ補正センサ311,312の概略構成図を示す。図2に示すように、色ずれ補正センサ311,312は、赤外LED3111及び赤外LED3121、赤外LED3111,3121からの発光による反射光を受光する受光部としての反射光受光用フォトトランジスタ3112及び反射光受光用フォトトランジスタ3122を備える。また、色ずれ補正センサ311,312は、搬送ベルト18の短手方向(副走査方向)両端部において、赤外LED3111,3121からの発光による反射光を反射光受光用フォトトランジスタ3112,3122で受光可能となるように設けられている。
次に、図3を参照して、本実施形態に係るプリンタ1の制御回路の構成について説明する。なお、図3において、ホストインタエース部32は、図示せぬホストコンピュータとの物理的階層のインタフェースを担う部分であり、コネクタ、通信用チップ等を有する。
コマンド/画像処理部33は、ホストコンピュータ側から送信されたコマンドを解釈するとともに、受信した画像データをビットマップに展開し処理を施す部分である。コマンド/画像処理部33は、図示せぬマイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ビットマップへの展開のための特別なハードウェア等を備え、プリンタ1全体を統括的に制御する。
LEDヘッドインタフェース部34は、図示せぬセミカスタムLSI(Large Scale Integration)やRAM等を備え、コマンド/画像処理部33によりビットマップに展開された画像データを各色毎のLEDヘッド901〜904のインタフェ0スに合わせたデータに加工する。
機構制御部35は、プリンタ1において、特に画像形成に関わる機構部の制御を行う。機構制御部35はコマンド/画像処理部33からの指示に従い、各センサからの入力を監視しながら、ホッピングモータ36、レジストモータ37、ベルトモータ38、ヒータモータ39、その他ドラムモータ40の駆動、ヒータ221の制御、及び高圧制御部41を制御することで、画像形成に関わる機構部の制御と高圧電源の制御を行う。なお、モータ36〜40は各印刷機構部101〜104、ヒートローラ22等を駆動させるための各種モータ及びこれを駆動させるドライバ等を備える。ヒータ221は、前述したように、ヒートローラ22に内蔵されるハロゲンランプであり、ヒートローラ22表面近傍には、サーミスタ24が配設され、これによりヒートローラ22の温度制御が行われる。
また、機構制御部35は、色ずれ補正センサ311,312が検出して得られたデータから記憶手段46に記憶されている各画像データのデータ取り出しアドレスを参照して、LEDヘッド901〜904の印刷位置を検出する。そして、LEDヘッドインタフェース部34は、機構制御部35による検出結果に基づき、LEDヘッド901〜904の駆動タイミングを変更する。
高圧制御部41は、図示せぬマイクロプロセッサ或いはカスタムLSIを有し、各印刷機構101〜104に対する帯電電圧(帯電ローラ301〜304への印加電圧)、供給電圧(供給ローラ501〜504)への印加電圧、現像電圧(現像ローラ401〜404への印加電圧)、及び転写電圧(転写ローラ1001〜1004)の供給、停止を制御する。すなわち、高圧制御部41は、帯電電圧を発生する帯電電圧発生部42、供給電圧を発生する供給電圧発生部43、現像電圧を発生する現像電圧発生部44及び転写電圧を発生する転写電圧発生部45を制御することにより、帯電ローラ301〜304、供給ローラ501〜504、現像ローラ401〜404、転写ローラ1001〜1004への電圧の供給、停止を制御する。
次に、色ずれ量の検出に使用される検出パターンについて説明する。本実施形態においては、以下に説明する検出パターンを印刷機構101〜104で搬送ベルト18上に印刷し、これを色ずれ補正センサ311,312にて検出することで色ずれ量を検出する。本実施形態で使用する検出パターンは、従来技術で用いられている検出パターンに比べて主走査方向の幅が狭い。図4(A)は、従来技術で使用される検出パターンの一例を示し、図4(B)は、本実施形態に係る検出パターンの一例を示したものである。用紙Pの搬送方向最上流側に位置する印刷機構がホワイトの印刷機構101であるプリンタ1の場合、図4(A)に示す従来技術で使用される検出パターンでは、この検出パターンの位置検出が困難であったり又は検出自体が不可能となることがある。したがって、本実施形態では、従来技術で使用される検出パターンに比べて主走査方向の幅が狭い検出パターンを使用する。
図5は、副走査方向における検出パターンの一例を示しており、そのうちの1周期分を表している。実際の色ずれ補正においては、この検出パターンが3周期印刷され、色ずれ補正センサ311,312は3回の検出を行っている。
ここで、第1トナーとしてのホワイトのトナーで印刷された第1トナー画像であるホワイトWの検出パターンは、主走査方向と平行な縞状の検出パターンとして、図5(A)に示した縞の幅と縞の間隔とで印刷される。一方、第2トナーとしてのカラーのトナーで印刷された第2トナー画像であるカラーCの検出パターンは、主走査方向と平行な縞状の検出パターンとして、図5(B)に示した縞の幅とホワイトWの検出パターンとは異なる縞の間隔とで印刷される。
なお、本実施形態で使用される検出パターンの縞の幅は、色ずれ補正センサ311,312が拡散反射光を検出するスポット(受光口径)よりも狭い必要がある。本実施形態においては、鏡面反射光スポット径62が1mm、拡散反射光スポット径61が3mmである色ずれ補正センサ311,312を使用しているため、検出パターンの縞の幅は1mmとした。
上述した配列のホワイトWとカラーCの検出パターンは、搬送ベルト18上に、まずホワイトWの検出パターンが印刷され、次に、カラーCの検出パターンが重ねて印刷される。ことのき、搬送ベルト18上に先に印刷されたホワイトWの検出パターンが、後から印刷されるカラーCの検出パターンで覆われ、図5(C)に示すような検出パターンとなる。すなわち、ホワイトWの検出パターンに対応するカラーCの検出パターンが印刷位置ずれに対応して、検出パターンの重なり合う割合が印刷位置のずれ毎に異なる。なお、ホワイトトナーとカラートナーとは、搬送ベルト18上で定着されないため、重なり合った検出パターンの透過による影響はない。
図6は、主走査方向における検出パターンの一例を示している。本実施形態に係る検出パターンは、従来技術で使用される検出パターンより主走査方向において幅が狭い検出パターンであり、主走査方向における幅は、検出手段が拡散反射光を検出するスポットよりも狭い必要がある。そのため、本実施形態においては、鏡面反射光スポット径62が1mm、拡散反射光スポット径61が3mmである色ずれ補正センサ311,312を使用し、検出パターンの主走査方向に対する幅1mm以内に縞状の検出パターンを5本印刷するものとする。
なお、ここで説明したこれらの検出パターンは一例であり、検出したい色ずれの範囲や精度を変えたい場合は、縞の間隔や本数、繰り返し回数を調節すればよい。また、検出手段としての補正センサの性能の応じて縞の幅を調整すればよい。
また、本実施形態の説明においては、ホワイトW、イエロー、マゼンタ、又はシアン(カラーC)の印刷機構101〜104が、用紙Pの搬送方向上流側から順に並べられた例について説明したが、これに限定されず、ホワイトWの印刷機構101が用紙Pの搬送方向最下流側に配設される場合など、4つの印刷機構の並び順は順不同であってもかわまない。また、例えば、ブラックKの印刷機構が追加されたり、このブラックKの印刷機構が印刷機構101〜104の何れかと入れ替わったとしてもかまわない。
次に、本実施形態に係るプリンタ1の印刷動作について説明する。
まず、プリンタ1の図示せぬ電源がオンにされると、コマンド/画像処理部33は所定の初期設定を実行した後、機構制御部35に指示を与え、ヒータ221を制御してヒートローラ22が所定温度になるまでウォーミングアップ動作を継続させる。機構制御部35は、ヒートローラ22が常に一定温度に保たれるように制御している。
ヒートローラ22の温度が所定温度に到達すると、機構制御部35は、ベルトモータ38を駆動させ、駆動ローラ19を回転させる。駆動ローラ19の回転に伴い搬送ベルト18は駆動を開始する。
搬送ベルト18の駆動により、該搬送ベルト18の表面上に付着している残留トナーやゴミは、クリーニングブレード29によって廃トナータンク30に掻き落とされる。以上の動作によりプリンタ1の初期動作が終了する。そして、プリンタ1は、ホストコンピュータから送信された画像データをホストインタフェース部32を介して受信するまで待機する。
そして、ホストコンピュータから送信された画像データをホストインタフェース部32を介して受信すると、コマンド/画像処理部33は、受信した1ページ分の画像データをビットマップに展開し、生成した色毎の画像データを記憶手段46に記憶させる。
コマンド/画像処理部33により各色の画像データが生成された後、機構制御部35は、ホッピングモータ36駆動させ、ホッピングローラ11を回転させる。ホッピングローラ11の回転により、用紙収容カセット10に収納された用紙Pが1枚だけ繰り出され、ガイド13に送られる。機構制御部35は、用紙Pの先端がレジストローラ14、ピンチローラ15に到達する距離よりも若干長く用紙Pを搬送させるべくホッピングモータ36を制御する。
これにより、用紙Pは、その先端がレジストローラ14、ピンチローラ15の間に押し当てられ、若干撓んだ状態となる。この撓みにより、用紙Pのスキューが修正される。
次に、機構制御部35は、レジストモータ37を駆動させることでレジストローラ14を、印刷機構101〜104の各印刷機構の感光体ドラム201〜204、帯電ローラ301〜304、現像ローラ401〜404、供給ローラ501〜504、転写ローラ1001〜1004、駆動ローラ19、及びヒートローラ22をそれぞれ回転させる。
これと同時に、機構制御部35は、印刷機構101から104の各印刷機構の帯電ローラ301〜304、現像ローラ401〜404、供給ローラ501〜504に電圧を供給するために、それぞれの帯電電圧発生部42、供給電圧発生部43、現像電圧発生部44をオンにする。
以上により、印刷機構101から04の各印刷機構の感光体ドラム201〜04の表面は帯電ローラ301から304を介して均一に帯電され、同じく印刷機構101〜104の各印刷機構の供給ローラ501〜504、及び現像ローラ401〜404は所定の高電圧に帯電される。
次に、機構制御部35は、1ライン分のホワイトの画像データを記憶手段46から読み出し、LEDヘッドインタフェース部34へ出力する。LEDヘッドインタフェース部34は、出力されたホワイトの画像データを印刷機構101のLEDヘッド901に出力可能な形式に変換し、該LEDヘッド901に出力する。
LEDヘッド901は、出力されたホワイトの画像データに対応するLEDを点灯させ、帯電した感光体ドラム201の表面に画像データに対応した1ライン分の静電潜像を形成させる。このようにして、1ライン分毎に記憶手段46から出力されるホワイトの画像データは、次々に感光体ドラム201の表面で静電潜像化され、副走査方向の長さ分のホワイトの画像データが静電潜像化されて露光が終了する。
静電潜像が形成された感光体ドラム201の表面には、現像ローラ401円周上で薄層化したイエローのトナーが供給される。感光体ドラム201の回転により、次々にホワイトのトナーが静電潜像に供給され、トナー画像が形成される。
用紙Pの先端が感光体ドラム201と転写ローラ1001との間に到達した時点で、機構制御部35は転写電圧発生部45をオンにする。これにより、感光体ドラム201の表面上のトナー画像は転写ローラ1001により電気的に用紙Pに転写される。感光体ドラム201の回転により、次々にホワイトのトナー画像が用紙Pに転写され、最終的に、1ページ分のホワイトのトナー画像が用紙Pに転写される。
以上により、印刷機構101による用紙Pへのホワイトの画像の転写が終了する。搬送ベルト18は引き続き駆動しており、用紙Pは、印刷機構101から印刷機構102、印刷機構102から印刷機構103、印刷機構103から印刷機構104と順に移動する。そして印刷機構102によりイエローのトナー画像が、印刷機構103によりマゼンタのトナー画像が、印刷機構104によりシアンのトナー画像が順次、用紙Pに重ねて転写される。
その後、用紙Pは定着機構に導かれる。定着機構において、既に定着可能温度に達しているヒートローラ22と、これに圧接する加圧ローラ23とは用紙Pに熱及び圧力を付与してトナー画像を定着させる。
トナー画像が定着されると、用紙Pはスタッカ28に排出される。排出センサ26が用紙Pの後端を検知することにより、機構制御部35は、用紙Pの排出を把握することができる。用紙Pの排出が終了すると、機構制御部35は、各モータ36〜40を停止させる。なお、各印刷機構において、トナー画像の転写が終了した時点で、機構制御部35は、各印刷機構の帯電ローラ301〜304、現像ローラ401〜404、供給ローラ501〜504に電圧を供給する帯電電圧発生部42、供給電圧発生部43、現像電圧発生部44をオフにする。以上のようにして、プリンタ1による印刷動作が実行される。
次に、本実施形態に係る色ずれ補正動作について説明する。本実施形態に係る色ずれ補正動作は、色ずれ補正センサ311,312のキャリブレーション、副走査方向調整、主走査方向調整からなる。
まず、色ずれ補正センサ311,312のキャリブレーションについて説明する。図7は、色ずれ補正センサ311,312のキャリブレーションに使用されるキャリブレーションパターンを示した図である。キャリブレーションパターンは、印刷機構104により搬送ベルト18上に印刷される。搬送ベルト18は駆動しているため、キャリブレーションパターンは、色ずれ補正センサ311,312による検出位置に到達する。色ずれ補正センサ311,312による検出結果は、機構制御部35に出力される。
図8は、色ずれ補正センサ311,312のキャリブレーション動作を説明するフローチャートである。キャリブレーション動作が開始されると、機構制御部35は、色ずれ補正センサ311,312の発光電流値を0にする(ステップS1)。
ステップS2において、機構制御部35は、色ずれ補正センサ311,312の発光電流値を0.1V刻みで増加させる。機構制御部35は、発光電流値を0.1V刻みで増加させる度に、色ずれ補正センサ311,312の出力値をチェックする。ここで、出力値が4.5Vを超えたところで(ステップS3 Yes)、機構制御部35は、発光電流値を0.01V刻みで減少させる(ステップS4)。
色ずれ補正センサ311,312の出力値が4.5Vを下回ったところで(ステップS5 Yes)、機構制御部35は発光電流値を保存し(ステップS6)、キャリブレーション動作を終了する。機構制御部35は、このとき保存した発光電流値を色ずれ補正のときの色ずれ補正センサ311,312の発光電流値とする。
続いて、副走査方向調整について説明する。まず、印刷機構101はホワイトWの検出パターンを搬送ベルト18上に印刷する。次いで、これに重なるように、印刷機構102、印刷機構103、印刷機構104の何れかは、カラーC(イエロー、マゼンタ、シアンの何れかの色)の検出パターンを印刷する。搬送ベルト18は駆動しているため、重なり合った検出パターンは、色ずれ補正センサ311,312による検出位置に到達する。色ずれ補正センサ311,312による検出結果は、機構制御部35に出力される。機構制御部35は、色ずれ補正センサ311,312が最も高い出力を検出した印刷位置を特定することで、ホワイトWに対するカラーCの色ずれ量を記憶する。
副走査方向に対する色ずれ補正は、データ転送クロックに対してデータを送出するタイミングを変更して行われる。例えば、カラーCがホワイトWに対して副走査後方に1ドットずれている場合、機構制御部35は、カラーCを1ドット副走査前方に出力するようLEDヘッドインタフェース部34に通知する。
通知を受けたLEDヘッドインタフェース部34は、記憶手段46中の画像データ取り出しアドレスを1ドット副走査前方に変更して補正を行う。以上のようにして、機構制御部35は、副走査方向の色ずれを補正し、副走査方向に色ずれの無い印刷を行う。
次に、主走査方向調整について説明する。主走査方向調整は、色ずれ補正センサ311,312がカラーCのずれ量を検出するところまでは、主走査方向における検出パターンを使用すること以外、副走査方向調整と同様に行うことができる。主走査方向の色ずれ補正は、カラーCがホワイトWに対して主走査右方向に1ドットずれている場合、カラーCの出力タイミングを1ドット分早めるようLEDヘッドインタフェース部34に通知することで行われる。
通知を受けたLEDヘッドインタフェース部34は、カラーCの出力タイミングを1ドット分早め、カラーCの画像の出力を1ドット分早めることで補正を行う。以上のようにして、機構制御部35は、主走査方向の色ずれを補正し、主走査方向に色ずれの無い印刷を行う。
このようにして、ホワイトWのLEDヘッド901を基準にし、他のLEDヘッド902〜904の傾きを、搬送ベルト18の下面に対向する位置に設けられた色ずれ補正センサ311,312で検出し、補正を施すことで、色間のLEDヘッドの傾斜による色ずれを補正することができ、良好な画像を得ることができる。
前述したように、反射率の値がブラックKよりも大きいホワイトWの上にカラーCを重ねて印刷した場合、搬送ベルト18とホワイトWとの反射率の値の差が小さくなり、検出精度が低下したり、反射率の差を検出することができない。ここで、トナーの色による反射率の値の違いについて説明する。図9は、搬送ベルト18上に印刷された検出パターンの一例を示す図である。そして、図9(A)は、ブラックKとカラーCとが最も重なり合った検出パターンの例を示し、図9(B)は、ブラックKとカラーCとが最も露出し、反射率の値が最も小さくなる印刷位置の例を示し、図9(C)は、ブラックKとカラーCとが最も重なり合い、反射率の値が最も大きくなる印刷位置を示す。また、図9(D)は、色ずれ補正センサ311,312により検出される反射率の値を示している。ここで、図9(D)の横軸は色ずれ補正センナ311,312による検出位置に対応しており、縦軸は反射率の値を示している。
搬送ベルト18の反射率の値をRb、カラーCの反射率の値をRc、ブラックKの反射率の値をRkとすると、これらには、Rb>Rc>Rkの関係が成立する。このことから、検出パターンと搬送ベルト18との位置関係について、ブラックKに対してカラーCが重なり合っている検出パターンにおいては、ブラックKがカラーCの下敷きとなっているため露出せず、代わりに搬送ベルト18が露出するため、反射率の値は大きく検出される。一方、カラーCとブラックKとが互いにずれるほど、ブラックKが露出が多くなり、搬送ベルト18の露出が少なくなるため、反射率の値は小さく検出される。
すなわち、ブラックKにカラーCを重ね合わせているため、搬送ベルト18とブラックKの露出が変化し、搬送ベルト18の反射率の値とブラックKの反射率の値との間に差があるほど、検出パターンの反射率の値は変化する。通常、ブラックKの反射率の値Rkは極めて小さいため、搬送ベルト18の反射率の値との差が大きくなり、反射率の値の変化は大きく検出される。このとき、色ずれ量を検出するために、検出パターンにおいて、カラーCの検出パターンとブラックKの検出パターンとが最も露出した印刷位置、すなわち、反射率の値が最も小さく検出される印刷位置を検出すればよい。
ホワイトWを用いた場合の色ずれ補正動作においては、上述した従来の補正動作において、ブラックKがホワイトWに変わる。ホワイトWとブラックKとが変わることにより、図10に示すように、ホワイトWの検出パターンとカラーCの検出パターンとが露出した場合の反射率の値が、ブラックKを用いた場合よりも大きくなる。ホワイトWの反射率の値をRwとしたとき、Rb>Rc≒Rwの関係が成立する。このとき、色ずれ量を検出するために、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も露出した印刷位置を検出するが、ホワイトWの反射率の値が最も小さく検出される印刷位置と反射率の値が最も大きく検出される印刷位置との反射率の値の差が小さくなるため、色ずれ検出が困難となる。
上述した問題を解決するために、本実施形態では、従来技術で使用される検出パターンに比べ主走査方向の幅が狭い検出パターンを使用する。本実施形態に係る幅の狭い検出パターン(図11(A))と従来技術で使用される検出パターン(図11(B))とを使用し、これを色ずれ補正センサ311,312で検出したときの反射率の値を図11(C)に示した。
本実施形態においては、主走査方向において、色ずれ補正センサ311,312が拡散反射光を検出するスポットよりも狭い縞の幅の検出パターンが使用されるため、全体の検出強度が弱くなる。そのため、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も露出した印刷位置(反射率の値が最も小さい)では、色ずれ補正センサ311,312の拡散反射は低下し、従来技術で使用される検出パターンよりも反射率の値の差が大きくなる。一方で、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も重なり合った印刷位置(反射率の値が最も大きい)での反射率の値も低下するが、トナーが印刷された面積が小さいため、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も露出した印刷位置に比べ、反射率の値の低下は少なくなり、反射率の値の変化の差は大きくなる。また、これにより反射率の検出強度が低下するが、色ずれ補正を行う際に、同じ縞の幅を有するキャリブレーションパターンを使用してキャリブレーションが行われるため、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も重なり合った反射率の値が最も大きく検出される印刷位置での反射率の強度は、従来技術で使用される検出パターンと、本実施形態に係る検出パターンとで同じとなる。なお、これまでに、ホワイトトナーに対してカラートナーを重ね合わせる例について説明したが、カラートナーとホワイトトナーとの反射率の値は通常同程度であるため、カラートナーに対してホワイトトナーを重ね合わせる場合や、カラートナーに対してカラートナーを重ね合わせる場合も同様である。
以上のように、第1の実施形態によれば、ブラックのトナーをホワイトのトナーに置き換え、ホワイトの検出パターンの上にカラーの検出パターンを所定のピッチずらして印刷し、色ずれ量を検出する場合においても、検出パターンの位置検出を容易に、且つ、確実に行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。また、従来技術で使用される検出パターンよりも印刷面積が小さくなるため、色ずれ補正動作におけるトナーの使用量を削減することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタの基本的な要部構成は、第1の実施形態に係るプリンタ1と略同一である。したがって、同一な箇所については同一の符号を付してその説明は省略する。また、本実施形態では、色ずれ補正における検出パターンは図4(A)で示した従来技術で使用される検出パターンを使用するものとする。
第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、検出手段たる色ずれ補正センサ311,312と検出パターンが印刷される搬送ベルト18との間にスリット部材としてのスリット51が設けられる点である。このスリット51は、検出パターンからの拡散反射光を遮る役割と、検出パターンへの光の照射を遮る役割とがある。
図12(A)は、スリット51の形状を示した図であり、図12(B)は色ずれ補正センサ311,312とスリット51と検出パターンとの位置関係を示した図である。本実施形態で使用されるスリット51のスリット幅(主走査方向幅)は、色ずれ補正センサ311,312の拡散反射光スポット径61よりも狭い必要がある。本実施形態においては、鏡面反射光スポット径62が1mm、拡散反射光スポット61が3mmである色ずれ補正センサ311,312を使用し、スリット51のスリット幅は1mmとした。また、図12(B)に示すように、スリット51は、搬送ベルト18から2mm、色ずれ補正センサ311,312側の真上に位置するように配設されている。
なお、主走査方向や、斜め方向における検出パターンについても、スリット51を検出パターンに対して垂直に配設し、スリット幅は、副走査方向における検出パターンと同様である。
本実施形態に係るプリンタの制御回路は、第1の実施形態に係るプリンタ1の制御回路と同様に構成することができる。また、本実施形態の説明においては、ホワイトW、イエロー、マゼンタ、又はシアン(カラーC)の印刷機構101〜104が、用紙Pの搬送方向上流側から順に並べられた例を想定するが、これに限定されず、ホワイトWの印刷機構101が用紙Pの搬送方向最下流側に配設される場合など、4つの印刷機構の並び順は順不同であってもかわまない。また、例えば、ブラックKの印刷機構が追加されたり、このブラックKの印刷機構が印刷機構101〜104の何れかと入れ替わったとしてもかまわない。
図13(A)は、スリット51を使用した場合の検出パターンのうち、ホワイトWとカラーCとが最も重なりあった印刷位置(反射率の値が最も大きい)の場合と、ホワイトWとカラーCとが最も露出した印刷位置(反射率の値が最も小さい)の場合の例を示し、図13(B)は、従来技術で使用される検出パターンのうち、ホワイトWとカラーCとが最も重なりあった印刷位置(反射率の値が最も大きい)の場合と、ホワイトWとカラーCとが最も露出した印刷位置(反射率の値が最も小さい)の場合の例を示す。また、図13(C)は、色ずれ補正センサ311,312により検出される反射率の値を示している。
スリット51を色ずれ補正センサ311,312と検出パターンが印刷される搬送ベルト18との間に配設することにより、色ずれ補正センサ311,312からの発光の一部が配設されたスリット51により遮られ、また、色ずれ補正センサ311,312が受光するホワイトW及びカラーCの検出パターンからの拡散反射光の一部も遮られる。
そのため、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も露光した印刷位置(反射率の値が最も小さい)では、反射率の値が低下する。一方で、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も重なりあった印刷位置(反射率の値が最も大きい)における反射率の値を低下する。しかし、検出パターンが最も重なり合った場合は、検出パターンが最も露出した場合に比べて、拡散反射をするトナーが印刷された部分が少なく搬送ベルト18の露出が多いため反射率の値の低下は少なく、反射率の値の変化の差は大きくなる。
また、スリット51を配設することにより、検出される反射率の検出強度が低下するが、色ずれ補正動作を行う直前にもスリット51を使用してのキャリブレーションが行われるため、カラーCの検出パターンとホワイトWの検出パターンとが最も重なり合った印刷位置における反射率の値の大きさは、スリット51を配設していない場合と同じになる。
なお、ここでは、ホワイトトナーに対してカラートナーを重ね合わせる例について説明したが、カラートナーとホワイトトナーとの反射率の値は通常同程度であるため、カラートナーに対してホワイトトナーを重ね合わせる場合や、カラートナーに対してカラートナーを重ね合わせる場合も同様である。
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、ブラックのトナーをホワイトのトナーに置き換え、ホワイトの検出パターンの上にカラーの検出パターンを所定のピッチずらして印刷し、色ずれ量を検出する場合においても、検出パターンの位置検出を容易に、且つ、確実に行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
本実施形態の説明においては、直接転写方式の画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、中間転写方式の画像形成装置にも適用可能である。例えば、画像形成部から中間転写媒体であるベルトに画像を形成し、さらに中間転写媒体であるベルトから用紙に画像を転写して画像形成するような中間転写方式の画像形成装置の中間転写媒体に検出パターンを形成する場合にも適用可能である。