JP3701509B2 - Dtpデータ校正システム及び校正回覧管理システム - Google Patents

Dtpデータ校正システム及び校正回覧管理システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
印刷画像が発注者の意図通りにできているかを発注者が確認する校正作業をおこなう分野に関する。特に、デジタル製版データを校正するDTPデータ校正システムと、複数の校正担当者が校正を済ませたかどうか管理する校正回覧管理システムに関する。
【0002】
【従来技術】
通常、校正とは、校正機により複数枚校正刷りを刷り、それらを発注者に渡し、発注者の各部門にてチェックを行う。直しの指示は直接校正刷に書き込む。このような従来からある校正刷り(紙)による校正方法に加えて、最近ではDTPで作成した製版データファイルを汎用的な製版データ形式に変換した上で、ネットワーク等で発注者に送付し、発注者側での社内ネットワークで校正を行う図4のようなシステムも考案されている。発注者側では通常複数の担当者が製版データの検査を行うことが多い。同時に2人以上が製版データを開いて、それぞれにコメントを記入して、製版データを閉じると、後から保存したデータが先に保存したデータを消してしまう。これを避けるために、図4では、制御ファイルを設けて、誰かが製版データファイルを開いているときは、その旨を制御ファイルに記録しておいて、製版データファイルを開くときはまず、制御ファイルを参照するようにして、誰かが製版データを検査しているときは、他の校正者は開けないように排他制御をしている。しかし、この方式では、1度に一人の担当者しか検査できず、時間がかかる。デジタルで校正を行うメリットがでない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
1度に同時並列的に複数の担当者が校正検査を行えるようなデジタル校正の仕組を作る。また校正作業がどこまで進んだか、すぐに分かるようなデジタル校正回覧の仕組みを作ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための前提として、対話処理によりDTPデータの上にコメントを付加し、前記DTPデータとコメントを併せて表示できる、DTPデータファイルの表示編集手段と、前記表示編集手段により新たに付加したコメントを元ファイルに上書きせずにコメントファイルとして元ファイルとは別に保存するコメントファイル保存手段と、元ファイルを開くときに、選択により、元ファイルに関係した全てのコメントファイルを一括して開いて前記元ファイルとともに表示する一括表示手段と、から構成されるDTPデータ校正システムを導入する
【0005】
図5はこのDTPデータ校正システムを概念的に説明する図である。DTPデータファイルの表示編集手段では、もともと付加したコメントは元データとともに保存される。その場合誰がどのコメントを記入したのか後で分からなくなる。コメントファイル保存手段により、コメントを保存すれば、新たに付加したコメントは必ずもとファイルとは別のコメントファイルとして保存されるので、校正担当者毎のコメントファイルを残すことができる。また一括表示手段によれば、あるDTPデータに関係したそのようなコメントファイルが複数ある場合に、それらを一括して開いて元データとともに表示できるので、校正時の手間が軽減されるとともに、他の校正担当者のコメントを後の校正担当者が見落とすことがない。また直し指示を受ける印刷会社も一括表示手段により、簡単に直し指示を確認することができる。
【0006】
課題を解決するための第1の発明は、複数の校正担当者の名前と、それらの担当者の校正未了・完了の状態、校正検査事項の確認状態を記憶する校正回覧データベースと、対象DTPデータに関連する全てのコメントファイル、対象DTPデータに関連する全ての校正検査事項の検査結果を記した検査票データの何れかまたは両方を検査し、前記データベースを自動更新する、校正回覧管理手段を備え、ネットワーク上のクライアント端末から、校正回覧データベース内容を随時確認することが可能な校正回覧管理システムであって、
前記検査票データには、校正担当者の部門毎に決められた必須検査項目のチェック欄が設けられていて、前記校正回覧管理手段は、参照する検査票データにより、前記校正回覧表に校正担当者毎のそれぞれの必須検査項目のチェック状況をも含めて表示することを特徴とする校正回覧管理システムである。
【0007】
コメントファイル保存手段により作成されたコメントファイルまたは検査票データには、そのファイルの作成者(検査票記入者)と、校正が本当に完了したのか、途中で保存しただけで未了なのかの状態を区別するフラグ情報が含まれており、校正回覧管理手段は各コメントファイル・検査票データの内容を検査して、前記データベースに最新の情報として更新することができる。このシステムにより、いつでも複数校正者の同時並列校正の進行状況が確認できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2に本発明の実施の形態にかかるDTPデータ校正システム10の概要図を示す。11は校正クライアントとなるコンピュータ本体である。12は外部記憶装置、13はモニタディスプレイ、14はマウス・キーボードである。コンピュータ本体11には、表示編集手段111、コメントファイル保存手段112、一括表示手段113が設けられており、制御部110がコンピュータ本体のハードウエアとこれらの各処理手段が正常に動作するよう必要な制御を行っている。校正検査すべきDTPデータはネットワーク上の記憶装置21上(図1)にあり、表示編集手段は記憶装置21上のDTPファイルを開いて校正作業を行う。校正作業終了後作成されたコメントファイルは当該DTPファイルと同一フォルダに格納する。
【0009】
本実施形態においては、DTPデータ形式としてポータブルドキュメントフォーマット(Portable Document Format、以下PDF)を、表示編集手段111としてアドビ社製Acrobat(以下AB)を用いる。コメントファイル保存手段112、一括表示手段113はABのプラグインとして実現する。
【0010】
もともとのABの機能では、コメントファイルを名前を付けて保存することはできるが、デフォルトでは元ファイルにコメントを付けた状態で保存してしまうため、1つのメニュー操作で、コメントファイルを保存し、元ファイルは保存しないでそのまま閉じるようにコメントファイル保存手段を実現する。これらの操作は既存のABでもマニュアル操作を組み合わせて行うことができるので、コメントファイル保存手段112は、これらを一括して行うプラグインメニューとして実現可能である。
【0011】
次に一括表示手段を説明する。個々のコメントファイルには、元のPDFファイルを示す情報が含まれている。あるPDFファイルを開くよう指示されたとき、ABから一括表示手段113が呼び出される。一括表示手段113は、そのPDFファイルと同じフォルダ上にあるコメントファイルを、そのPDFファイルに対するコメントファイルかどうか調べ、もしそうなら、そのコメント情報を表示する。当該PDFファイルと同一フォルダ上にある全てのコメントファイルをチェックして、当該PDFファイルとともに表示する。もともとマニュアル的にコメントファイルを開いて表示する機能がABに備わっているので、一括表示手段113を、同一フォルダのコメントファイルの内容を調べる簡単な処理モジュールを作成して、このモジュールを含んだABのプラグインとして実現することは可能である。
【0012】
次に本発明の実施の形態にかかる校正回覧管理システムについて説明する。この校正回覧管理システムは、校正回覧データベースを設け校正回覧管理手段によりイントラネット環境で校正作業の進行を簡単に管理できる仕組みを提供するものである。図1はその全体構成を示している。1はイントラネットによる校正管理システムである。10は校正クライアントで図では10aから10eとして部門別に5台存在している。20はデータベースサーバーであり、外部記憶装置21が接続されている。サーバー20において校正回覧管理手段22が動作し、外部記憶装置21上の校正回覧データベースを管理している。30はイントラネットサーバーである。ワールドワイドウエブ(World Wide Web、以下WWW)サーバー機能を有し、校正回覧管理手段22の働きにより入手した校正回覧データベースのデータをHTML(Hyper Text Markup Language)形式データに整えて、ネットワークを通じて配信する。40は印刷会社との間でデータをやりとりするための通信用のコンピュータである。バーチャルプライベートネットワーク(Virtual Private Network、以下VPN)機能を持ったルーター50を介してインターネット100と接続されている。ルーター50は印刷会社側にもあり、通信パケットを暗号化・復号化して送受信するため、インターネット100を仮想的な専用線網と考えてデータを送受信できる。2は印刷会社側の設備である。80はDTP編集装置、70はDTPデータを保存する記憶装置。60は校正すべきDTPデータを発注者に配信するためのサーバーである。
【0013】
図3は校正回覧管理手段22の動作フローを示すフローチャートである。図3を参照しながら校正回覧管理手段の動作を説明する。校正すべきDTPデータができると、印刷会社側から発注者側へメール等で知らせるとともに、PDFに変換してファイルトランスファープロトコル(File Transfer Protocol、以下FTP)で転送できるよう、印刷会社側のFTPサーバー60にデータを設定する。発注者はPDFデータを受け取り外部記憶装置21に保管するとともに、校正回覧管理手段22に当該PDFデータを校正対象データとして設定する(ステップS10)。校正回覧管理手段22は当該PDF用の校正回覧票を用意し(ステップS11)、また各担当者向けの検査票を用意する(ステップS12)。検査票は図7のような様式で、校正担当者(担当部署)毎に必ずチェックすべき事項がチェックボックス付で呈示される。次にステップS13にて、各校正担当者にメールで校正すべきデータが到着したことと当該担当者が見るべき検査票のURL(ユニフォームリソースロケイター、Uniform Resource Locator)を知らせる。担当者は各校正クライアントにて、WWWブラウザにより、まず検査票を見て必須検査項目を確認し(ステップS20)、当該PDFを開いて校正作業を開始する(ステップS21)。必須検査事項に係わる直し指示、文字の直し、意匠デザイン上の直し指示をコメントファイルに記述してゆく(ステップS22)。校正作業が終了すれば、担当者は検査票の「校了」ボタンをチェックする(ステップS23)。担当者の進行状況に応じてコメントファイルができて行く。校正回覧管理手段22は、適当な時間間隔で検査票および存在するコメントファイルを検査し(ステップS14)、未了か完了か、必須検査事項の検査結果等を校正回覧票に記入する(ステップS15)。
【0014】
尚、図7では技術部門の検査票なので、原材料名、成分表示、保存方法などの当該部門特有の必須検査項目が示されている。担当者は必須検査項目に関しては必ずチェックしなければならない。図6は校正回覧票の例を示すが、部門毎の必須検査項目は校正回覧票のチェック欄に表示されている。図6にあるように、必須検査項目の例としては他に、賞味期間記号、お役様相談室電話番号、POSコード(JANコード)、内容量、製造者住所などがある。
【0015】
関係者がイントラネットサーバー30の定められたURLにアクセスし、校正進行状況を調べたいPDFデータ(校正データ)を選択すると、校正回覧管理手段22は当該データの校正回覧票データをデータベース21から読み出して、その時点での校正回覧票がHTML形式になってイントラネットサーバー30から関係者のWebブラウザへ送られ表示される。
【0016】
そのようにして表示された校正回覧票の例が図6に示されている。図6の例の修正点補足事項欄は図7の検査票のコメント欄に記入した内容が表示されている。
また、チェック欄に表示されている各必須検査項目の頭には■○×の記号が付いているがこれはそれぞれ、未確認、確認済み、要再検査を意味し、図7の検査票のチェック結果が反映されている。
【0017】
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば図1において、印刷会社側の設備2から校正回覧管理システム1側へ、校正すべきPDFデータを転送するプロトコルはFTP以外の、例えばHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)やインターネットメールのプロトコルであってもよい。また、印刷会社側の設備2と校正回覧管理システム1を結ぶ通信路は通信事業者の提供する専用線やパケット交換網であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
従来技術と比較して、複数の校正担当者が同時並列的に校正作業を行うことができる。また校正回覧管理手段の働きにより、校正作業の進捗を簡単に把握することができる。以上より結果として多部門に渡る校正作業を迅速に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に関する全体構成図である
【図2】本実施形態に関する校正クライアントの校正図である
【図3】本実施形態に関する校正回覧管理手段の動作フローである
【図4】従来技術の説明図である
【図5】第1の発明の概念図である
【図6】校正回覧票をWebブラウザで表示した画面である。
【図7】校正検査票をWebブラウザで表示した画面である。
【符号の説明】
1 校正回覧管理システム
10 校正クライアント
20 データベースサーバー
21 外部記憶装置
22 校正回覧管理手段
30 イントラネットサーバー
40 通信用コンピュータ
50 VPNルーター
2 印刷会社側の設備
60 校正データ配信用サーバー
70 DTPデータ保存用外部記憶装置
80 DTP編集装置

Claims (1)

  1. DTPデータファイルを校正すべき複数の担当者名と、それらの各担当者の校正未了・完了の状態、を記憶する校正回覧データベースと、対象DTPデータに関するコメントファイル、対象DTPデータに関する校正検査結果を記した検査票データのいずれかまたは両方をすべて読み出し、前記データベースを自動更新する、校正回覧管理手段を備え、ネットワーク上のクライアント端末から、校正回覧データベース内容を校正回覧票の形で随時確認することが可能な校正回覧管理システムであって、
    前記検査票データには、校正担当者の部門毎に決められた必須検査項目のチェック欄が設けられていて、前記校正回覧管理手段は、参照する検査票データにより、前記校正回覧に校正担当者毎のそれぞれの必須検査項目のチェック状況をも含めて表示することを特徴とする校正回覧管理システム。
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