JP3977673B2 - 新聞紙面の制作システムおよび編集状況表示方法、ならびに編集状況表示プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に新聞社や印刷会社において使用される新聞紙面の制作システム、素材が配置された紙面を表示することによって紙面の編集状況を表示する編集状況表示方法、ならびに編集状況表示プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、新聞紙面の制作は、図9に示すようなシステム構成の新聞紙面制作システムを用いてなされている。このような新聞紙面制作システムは、記事入力/校正端末1と、記事サーバ2と、画像入力/加工端末3と、画像サーバ4と、組版端末5と、組版編集サーバ6と、紙面データ格納部7と、出力サーバ8と、プリンタ/プロッタ9とによって構成されている。
【0003】
記事入力/校正端末1は、記事の入力および校正を行うための端末であり、オペレータによって記事情報が入力されると、入力された記事情報は、この記事入力/校正端末1によって記事サーバ2に出力される。また、この記事入力/校正端末1によって、記事サーバ2に蓄積されている記事情報が取得される。この取得された記事情報は、記事入力/校正端末1を介してなされるオペレータ操作によって校正がなされ、更に校正された記事情報は、記事入力/校正端末1から記事サーバ2に再び出力される。
【0004】
記事サーバ2では、このようにして記事入力/校正端末1から入力された記事情報の他に、図示しない通信回線を経由して通信社などから入力された記事情報も送信される。この送信された記事情報もまた記事サーバ2に蓄積される。更に、記事入力/校正端末1からの校正要求に基づいて、蓄積している記事情報の中から、要求のあった記事情報は、記事サーバ2から記事入力/校正端末1へと出力される。更に、記事サーバ2に蓄積されている記事情報は、オペレータ指示に基づいて組版編集サーバ6に出力される。
【0005】
スキャナやディスプレイ等が備えられている画像入力/加工端末3では、画像データの入力および画像データの加工が行われる。入力された画像データは、画像入力/加工端末3から画像サーバ4へと出力される。また、オペレータから入力された画像データの加工操作入力に基づいて画像データの加工が行われ、加工された画像データは、この画像入力/加工端末3から画像サーバ4へと出力される。
【0006】
画像入力/加工端末3から出力された画像データは、画像サーバ4に蓄積される。また、画像サーバ4に蓄積されている画像データは、画像入力/加工端末3から要求があると、画像入力/加工端末3に出力される。また、オペレータから指示があった場合には、組版編集サーバ6に出力される。
【0007】
組版端末5は、オペレータが、記事、画像、および見出しのレイアウト編集を行うための操作入力を行う端末であり、各オペレータに対して1台ずつ備えられている。各オペレータは、自己が操作担当する組版端末5を操作することによってレイアウト編集作業を行っている。図9では、代表的に2台の組版端末5、すなわち組版端末5(#a)と、組版端末5(#b)のみを示しているが、勿論2台に限るものではない。組版端末5に操作入力されて作成された操作情報は、組版編集サーバ6に出力される。
【0008】
組版編集サーバ6では、組版端末5から出力された操作情報に基づいて、紙面データ71の編集作業が行われる。そして、このように組版編集サーバ6で編集作業がなされた紙面データ71は、紙面データ格納部7に格納される。また、一旦格納された紙面データ71が再び組版編集サーバ6へと読み出され、再び編集作業が行われた後に紙面データ格納部7に格納されることも可能である。
【0009】
図10から図20はこのような紙面S(1)の紙面データ71(1)の一例を示すデータ構成図である。
【0010】
すなわち、紙面データ71(1)は、図10に示すような管理情報と、図11から図19に示すような各素材情報と、図20に示すような実データとからなっている。
【0011】
管理情報は、図10に示すように、掲載年月日71KN(1)、面名71MN(1)、版名71HN(1)、印刷ページ番号71PG(1)、体裁情報(組方向、段数、字詰、文字サイズ、段間、行間など)71TS(1)、紙面X方向寸法71PX(1)、紙面Y方向寸法71PY(1)の各データからなっている。
【0012】
素材情報は、紙面への配置が検討されている全ての素材毎に存在するものである。したがって、例えば、記事a、記事b、記事c、画像d、画像e、小組g、記事h、記事i、画像jの各素材情報の配置が検討されている紙面S(1)の場合においては、図11から図19に示すように、これら各素材毎に素材情報が存在する。
【0013】
このような素材情報のデータ構成は、記事の場合、#1素材情報(記事a)を対象とした図11に示すように、素材種別71SB(1#1)、素材ID番号71ID(1#1)、配置情報71LT(1#1)、仮見出71KM(1#1)、記事のテキスト格納情報71AD(1#1)、記事のレイアウト済テキスト格納情報71BD(1#1)を持つ。
【0014】
一方、画像の場合、#4素材情報(画像d)を対象とした図14に示すように、記事のテキスト格納情報71ADに代えて画像の表示画の格納情報71AD(1#4)を、記事のレイアウト済テキスト格納情報71BDに代えて画像の実画像の格納情報71BD(1#4)を持つ。
【0015】
実データは、図20に示すように、#n素材情報毎の記事のテキスト71TX(1#n)、レイアウト済テキスト71LX(1#n)、画像の表示画データ71HI(1#n)、画像の実画像データ71RI(1#n)からなっている。
【0016】
出力サーバ8では、組版端末5からの大刷/版下出力指示にしたがって、組版編集サーバ6から出力された紙面データ71がドットデータに展開される。このように展開されたドットデータに基づいて、プリンタ/プロッタ9から大刷や版下が出力される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の新聞紙面制作システムには、以下のような問題がある。
【0018】
すなわち、上述したように、紙面のレイアウトの編集は、オペレータが組版端末5を操作することによってなされている。このようにして各紙面のレイアウトの編集がなされる場合、通常、各紙面はそれぞれ1人のオペレータによってなされている。したがって、各組版端末5(#a,#b,・・・)は、それぞれ別の紙面のレイアウトの編集作業を担当していることになり、2つ以上の組版端末5が同一紙面のレイアウトの編集作業を行うような場合はない。
【0019】
しかしながら、見開きページに該当する紙面や、あるいは締め切り時間が厳しい状態にある紙面については、2人以上のオペレータで共同して1つの紙面の編集作業を行わねばならない。この場合、2人以上のオペレータの操作する組版端末5は、同時に同一紙面のレイアウトの編集作業を行うことになる。図9を例に説明すると、組版端末5(#a)と、組版端末5(#b)とは同一紙面のレイアウト編集作業を行うということになる。
【0020】
しかしながら、従来技術の新聞紙面制作システムにおける組版端末5では、自己の組版端末5によってレイアウト編集作業がなされている状況を画面上に表示することができるが、他の組版端末5によってレイアウト編集作業がなされている作業の状況を表示することはできない。つまり、組版端末5(#a)と組版端末5(#b)とが同一紙面のレイアウト編集作業を分担して行っている場合であっても、組版端末5(#a)からは組版端末5(#b)によってなされているレイアウト編集作業の状況を見ることはできないし、逆に、組版端末5(#b)からは、組版端末5(#a)によってなされているレイアウト編集作業の状況を見ることをできない。
【0021】
このため、組版端末5(#a)を操作するオペレータAは、オペレータBが組版端末5(#b)を介して行っているレイアウト編集作業の状況を把握するためには、適時組版端末5(#b)の作業状況を見に行かなくてはならない。これは、自己のレイアウト作業を中断せねばならないために、作業効率の低下をもたらしているという問題がある。自己の組版端末5を離れることなく電話や口頭によってお互いの作業状況を確認しあうという方法もあるが、実際のレイアウトを見ることなくお互いの作業状況を把握するということが困難であるということは容易に想像することができる。
【0022】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、紙面のレイアウト編集作業が複数の組版端末によって共同してなされている場合であっても、この紙面の全体のレイアウト編集作業状況を、任意の組版端末から表示可能とし、もって他の組版端末と共同して同一紙面のレイアウトを編集する場合であっても、この紙面全体のレイアウト編集作業状況を把握することが可能な新聞紙面の制作システムおよび編集状況表示方法、ならびに編集状況表示プログラムを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0024】
すなわち、請求項1の発明の新聞紙面の制作システムは、複数の編集手段と、第1の登録手段と、第2の登録手段と、表示手段とを備えている。複数の編集手段は、新聞紙面に掲載する少なくとも記事、画像、写真からなる複数の素材を各紙面に割り当て、割り当てられた素材を、紙面を構成している複数の紙面領域のうちの何れかに配置して紙面の紙面データを編集する。第1の登録手段は、前記各紙面領域のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、登録要求した編集手段と、対応する紙面領域とを関連付けた第1の登録情報を格納するとともに、既に格納された第1の登録情報に含まれている紙面領域に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する。第2の登録手段は、各素材のそれぞれについて編集可能な編集手段の登録要求を複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、登録要求した編集手段と、対応する素材とを関連付けた第2の登録情報を格納するとともに、既に格納された第2の登録情報に含まれている素材に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する。
そして、各編集手段が、各登録手段に格納された登録情報にしたがって、編集可能な素材を編集可能な紙面領域に配置することによって紙面の編集を行い、同一紙面が複数の編集手段のうちの2つ以上の編集手段によって編集された場合には、この同一紙面の紙面データに基づく新聞紙面を、この紙面データを編集した各編集手段に設けられた表示手段からそれぞれ表示する。
【0025】
請求項2の発明は、新聞紙面の制作時における編集状況を表示する方法であって、編集工程と、第1の登録工程と、第2の登録工程と、第1の表示工程と、第2の表示工程とを含む。編集工程では、新聞紙面に掲載する少なくとも記事、画像、写真からなる複数の素材を、各紙面に割り当て、割り当てられた素材を、紙面を構成している複数の紙面領域のうちの何れかに配置して紙面の紙面データを編集することを複数の編集手段によって行う。第1の登録工程では、各紙面領域のそれぞれについて編集可能な編集手段の登録要求を複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、登録要求した編集手段と、対応する紙面領域とを関連付けた第1の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第1の登録情報に含まれている紙面領域に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する。第2の登録工程では、各素材のそれぞれについて編集可能な編集手段の登録要求を複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、登録要求した編集手段と、対応する素材とを関連付けた第2の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第2の登録情報に含まれている素材に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する。第1の表示工程では、前記紙面データに基づく新聞紙面を、各編集手段にそれぞれ設けられた表示手段から表示させる。第1の表示工程では、各編集手段が、各登録工程において格納された登録情報にしたがって、編集可能な素材を編集可能な紙面領域に配置することによって紙面の編集を行い、同一紙面が複数の編集手段のうちの2つ以上の編集手段によって編集された場合には、この同一紙面の紙面データに基づく新聞紙面を、この紙面データを編集した各編集手段に設けられた表示手段からそれぞれ表示させる。
【0026】
請求項3の発明は、新聞紙面の制作時における編集状況を表示するコンピュータ読取可能なプログラムであって、編集機能、第1の登録機能、第2の登録機能、第1の表示機能、及び第2の表示機能をコンピュータに実現させる。編集機能は、新聞紙面に掲載する少なくとも記事、画像、写真からなる複数の素材を、各紙面に割り当て、割り当てられた素材を、紙面を構成している複数の紙面領域のうちの何れかに配置して紙面の紙面データを編集することを複数の編集手段によって行うことを可能とする。第1の登録機能は、各紙面領域のそれぞれについて編集可能な編集手段の登録要求を複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、登録要求した編集手段と、対応する紙面領域とを関連付けた第1の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第1の登録情報に含まれている紙面領域に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する。第2の登録機能は、各素材のそれぞれについて編集可能な編集手段の登録要求を複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、登録要求した編集手段と、対応する素材とを関連付けた第2の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第2の登録情報に含まれている素材に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する。第1の表示機能は、紙面データに基づく新聞紙面を、各編集手段にそれぞれ設けられた表示手段から表示させる。第2の表示機能は、各編集手段が、各登録機能によって格納された登録情報にしたがって、編集可能な素材を編集可能な紙面領域に配置することによって紙面の編集を行い、同一紙面が複数の編集手段のうちの2つ以上の編集手段によって編集された場合には、この同一紙面の紙面データに基づく新聞紙面を、この紙面データを編集した各編集手段に設けられた表示手段からそれぞれ表示させる。
【0029】
従って、請求項1乃至3の発明では、以上のような手段を講じることにより、同一紙面が複数の編集手段または操作端末で共同して編集されている場合であっても、この紙面の全体の編集状況を表示することができる。
【0030】
その結果、同一紙面の編集を担当しているオペレータは、自己の編集状況のみならず、この紙面の全体の編集状況を把握することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
なお、以下の本発明の実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図9から図20と同一部分については同一符号を付す。
【0033】
本発明の実施の形態を図1から図8を用いて説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態に係る新聞紙面の編集状況表示方法を適用した新聞紙面制作システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【0035】
すなわち、本発明の実施の形態に係る新聞紙面の編集状況表示方法を適用した新聞紙面制作システムは、例えば磁気ディスク等の記憶媒体に記憶された編集状況表示プログラムを読み込み、この編集状況表示プログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現されるものであって、図9に示す従来技術の新聞紙面制作システムと同様、記事入力/校正端末1と、記事サーバ2と、画像入力/加工端末3と、画像サーバ4と、組版端末5と、組版編集サーバ6と、紙面データ格納部7と、出力サーバ8と、プリンタ/プロッタ9とを備えているが、組版端末5にレイアウト処理部50を付加するとともに、組版編集サーバ6が更に素材使用権登録テーブル61と紙面領域使用権登録テーブル62とを保持する構成としている。
【0036】
したがって、ここでは、図9と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0037】
組版端末5に備えられたレイアウト処理部50は、図2から図5のフローチャートに示すように動作し、紙面データ71に基づく素材使用権登録テーブル61の作成、紙面データ71に基づく紙面領域使用権登録テーブル62の作成、紙面データ71の更新、紙面領域使用権登録テーブル62に基づく紙面レイアウト状況の表示、紙面領域使用権登録テーブル62に基づく紙面レイアウト状況の定期表示を行う。
【0038】
組版編集サーバ6に保持される素材使用権登録テーブル61は、図6に示すように、各紙面S(m)毎に配置される素材情報(#n)毎に、この素材情報(#n)の使用権を持つ組版端末5の端末ID番号が書き込まれたデータテーブルである。図6は、紙面S(1)についての素材使用権登録テーブル61(1)の一例であり、各素材情報(#n)毎の素材種別61SB(1#n)、素材ID番号61ID(1#n)、使用権を持つ組版端末の端末ID番号61RV(1#n)から構成している。
【0039】
また、組版編集サーバ6に保持される紙面領域使用権登録テーブル62は、図7に示すように、各紙面S(m)毎の紙面領域(#p)毎に、この紙面領域(#p)の使用権を持つ組版端末5の端末ID番号が書き込まれたデータテーブルである。図7は、紙面S(1)についての紙面領域使用権登録テーブル62(1)の一例であり、各紙面領域(#p)毎の領域対角線始点X座標62SX(1#p)、領域対角線始点Y座標62SY(1#p)、領域対角線終点X座標62EX(1#p)、領域対角線終点Y座標62EY(1#p)、使用権を持つ組版端末の端末ID番号62RV(1#p)から構成している。
【0040】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る新聞紙面の編集状況表示方法を適用した新聞紙面制作システムの動作について、図2から図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0041】
まず、図2に示すフローチャートを用いて、レイアウト処理部50によってなされる素材使用権登録テーブル61の作成時における動作について説明する。
【0042】
素材使用権登録テーブル61が作成される場合には、組版端末5に備えられたレイアウト処理部50によって、紙面データ格納部7に格納されている紙面データ71が読み込まれる(S1)。そして、この読み込まれた紙面データ71に含まれる素材情報(#n)のうち、素材使用権登録テーブル61に未だ登録されていない素材情報(#n)のみが組版端末5の画面上に表示される(S2)。
【0043】
そして、オペレータによって、この画面表示された素材情報(#n)のうちの何れかが、このオペレータの操作する組版端末5がその使用権を有する組版端末として指定された場合(S3:Yes)には、この素材情報(#n)の「使用権をもつ組版端末の端末ID番号」61ID(1#n)の、素材使用権登録テーブル61への登録操作がなされる(S4)。
【0044】
このようにして素材使用権登録テーブル61への「使用権をもつ組版端末の端末ID番号」61ID(1#n)の登録がなされる(S5:Yes)と、紙面領域使用権登録テーブル62の作成を完了する。登録指定した素材情報(#n)が既に他の組版端末5によって使用権登録がなされている場合(S5:No)には、登録はなされずエラーメッセージによってその旨が分かるように表示される(S6)。
【0045】
次に、図3に示すフローチャートを用いて、レイアウト処理部50によってなされる紙面領域使用権登録テーブル62の作成時における動作について説明する。
【0046】
紙面領域使用権登録テーブル62が作成される場合には、組版端末5に備えられたレイアウト処理部50によって、紙面データ格納部7に格納されている紙面データ71が読み込まれる(S11)。次に、組版編集サーバ6に保持されている紙面領域使用権登録テーブル62がレイアウト処理部50に読み込まれる。なお、紙面領域使用権登録テーブル62が組版編集サーバ6に保持されていない場合には、紙面領域使用権登録テーブル62が初期化され、作成される(S12)。
【0047】
そして、ステップS12で読み込まれた、あるいは初期化された紙面領域使用権登録テーブル62がレイアウト処理部50から表示されることによって、紙面領域における使用権の設定状況がオペレータによって認識される(S13)。オペレータが紙面領域の指定を行う場合(S14:Yes)には、ステップS13において表示された内容に基づいて、所望する紙面領域の端末ID番号62RVに、自己の組版端末5の端末ID番号を入力することによって紙面領域の指定を行う(S15)。
【0048】
そして、ステップS15で指定された紙面領域が、既に他の組版端末5によって使用権登録がなされている紙面領域と重なる場合(S16:Yes)には、登録はなされずエラーメッセージによってその旨が分かるように表示される(S17)。一方、ステップS15で指定された紙面領域が、未だに何れの組版端末5からも使用権登録がなされていない場合(S16:No)には、ステップS15で入力された端末ID番号が、紙面領域使用権登録テーブル62の該当する紙面領域(#r)の「使用権を持つ端末の端末ID番号」62RV(#r)として登録される(S18)。
【0049】
次に、図4に示すフローチャートを用いて、レイアウト処理部50によってなされる素材情報の紙面への配置作業時における動作について説明する。
【0050】
オペレータがレイアウト処理部50を操作することによって行う素材の紙面上への配置操作は、先ず、オペレータがレイアウト処理部50に配置コマンドを入力する(S21:Yes)ことによって操作可能な状態となる。このようにしてレイアウト処理部50に配置コマンドが入力されると、素材使用権登録テーブル61および紙面領域使用権登録テーブル62が参照され、オペレータは、自己の組版端末5を介して、このレイアウト処理部50が属する組版端末5の端末ID番号62RVによって使用権が指定された紙面領域(#r)に、素材使用権登録テーブル61において使用権が指定されている素材を配置することが可能となる。オペレータが、自己の組版端末5を操作することによって、使用権が指定された紙面領域(#r)に、使用権が指定されている素材を配置することによって紙面のレイアウト作業を行う(S22)と、対応する紙面S(m)の紙面データ71(m)の内容が更新され(S23)、更に、当該組版端末5によって素材が配置された内容に基づいて紙面レイアウト状態が表示される(S24)。
【0051】
更に、図5に示すフローチャートを用いて、複数の組版端末5によってレイアウト処理がなされた紙面のレイアウト表示時における動作について説明する。
【0052】
複数の組版端末5によってレイアウトがなされた紙面のレイアウト表示を行う場合には、レイアウト処理部50によって、紙面データ格納部7から対応紙面の紙面データ71が(S31)、更に組版編集サーバ6から紙面領域使用権登録テーブル62が(S32)それぞれ読み込まれる。
【0053】
そして、要求元の組版端末5上からは、ステップS31において読み込まれた紙面データ71に基づいて、対応紙面のレイアウト状態が図8にその一例を示すようにして表示される(S33)。例えば、要求元の組版端末が組版端末5(#a)である場合には、紙面領域使用権登録テーブル62で指定された使用領域に基づいて、自己の組版端末5(#a)が使用権を有する紙面領域と、他の組版端末(例えば、組版端末5(#b))が使用権を有する紙面領域とが区別可能なように表示される。図8に示す例では、図中太線枠で囲まれた領域が自己の組版端末5(#a)が使用権を有する紙面領域であり、図中点線枠で囲まれた領域が他の組版端末5(#b)が使用権を有する紙面領域である。
【0054】
このようにして、複数の組版端末5によってレイアウト処理された紙面のレイアウト状態を自己の組版端末5(#a)上から表示することができるが、他の組版端末5(#b)によって編集された紙面領域については、使用権を有していないために編集操作をすることができない。
【0055】
なお、図5のフローチャートに示すような動作を、予め定めた所定周期毎にレイアウト処理部50に実行させることによって、複数の組版端末5によってレイアウト処理がなされている紙面のレイアウトは、組版端末5の表示画面から定期的に表示される。
【0056】
なお、本発明の実施の形態に係る新聞紙面の編集状況表示方法を適用した新聞紙面制作システムは、記憶媒体に格納した編集状況表示プログラムをコンピュータに読み込ませることで実現させることができる。
【0057】
ここで本発明における記憶媒体としては、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリ等、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0058】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされた編集状況表示プログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本発明の実施の形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0059】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝送された同一素材差異検出プログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0060】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本発明の実施の形態における処理が実行される場合も本発明における記憶媒体に含まれ、媒体構成は何らの構成であってもよい。
【0061】
なお、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶された編集状況表示プログラムに基づき、本発明の実施の形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
【0062】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0063】
上述したように、本発明の実施の形態に係る新聞紙面の編集状況表示方法を適用した新聞紙面制作システムにおいては、紙面領域使用権登録テーブル62に、使用権を有する組版端末5を紙面領域毎に登録しておき、この紙面領域使用権登録テーブル62と紙面データ71とに基づくことによって、同一紙面が例えば組版端末5(#a)と組版端末5(#b)とのように複数の組版端末5で共同して編集されている場合であっても、この紙面の全体の編集状況を任意の組版端末5から表示することができる。この場合、組版端末5(#a)から表示した例である図8に示すように、自己の組版端末5(#a)が使用権を有する紙面領域と、他の組版端末5(#b)が使用権を有する紙面領域とを識別可能なように表示することができる。
【0064】
したがって、オペレータは、図8に示すような表示画面を参照することによって、自己の組版端末5(#a)によって編集されたレイアウト処理のみならず、他の組版端末5(#b)によってなされたレイアウト処理をも合わせて、この紙面の全体レイアウト状況を容易に把握することが可能となる。
【0065】
この場合、他の組版端末5(#b)によって編集された紙面領域は、紙面領域使用権登録テーブル62において使用可能な組版端末として組版端末5(#b)が登録され、他の組版端末5(#a)からの操作要求は受け付けないようになっているので、組版端末5(#a)からの編集処理はできず、誤って組版端末5(#b)によって編集処理された内容を書き換えるようなことは無い。
【0066】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、紙面のレイアウト編集作業が複数の組版端末によって共同してなされている場合であっても、この紙面の全体のレイアウト編集作業状況を、任意の組版端末から表示することができる。
【0068】
以上により、他の組版端末と共同して同一紙面のレイアウトを編集する場合であっても、この紙面全体のレイアウト編集作業状況を把握することが可能な新聞紙面の制作システムおよび編集状況表示方法、ならびに編集状況表示プログラムを提供することを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る新聞紙面の編集状況表示方法を適用した新聞紙面制作システムの構成例を示す機能ブロック図
【図2】素材使用権登録テーブルの作成時における動作を示すフローチャート
【図3】紙面領域使用権登録テーブルの作成時における動作を示すフローチャート
【図4】素材情報の紙面への配置作業時における動作を示すフローチャート
【図5】複数の組版端末によってレイアウト処理がなされた紙面のレイアウト表示時における動作を示すフローチャート
【図6】素材使用権登録テーブルの一例を示すデータ構成図
【図7】紙面領域使用権登録テーブルの一例を示すデータ構成図
【図8】組版端末から表示される紙面のレイアウト状態の一例を示す模式図
【図9】従来技術による新聞紙面制作システムを示す機能構成図
【図10】紙面データの管理情報の一例を示すデータ構成図
【図11】紙面データの#1素材情報(記事aの場合)の一例を示すデータ構成図
【図12】紙面データの#2素材情報(画像bの場合)の一例を示すデータ構成図
【図13】紙面データの#3素材情報(記事cの場合)の一例を示すデータ構成図
【図14】紙面データの#4素材情報(画像dの場合)の一例を示すデータ構成図
【図15】紙面データの#5素材情報(画像eの場合)の一例を示すデータ構成図
【図16】紙面データの#6素材情報(小組gの場合)の一例を示すデータ構成図
【図17】紙面データの#7素材情報(記事hの場合)の一例を示すデータ構成図
【図18】紙面データの#8素材情報(記事iの場合)の一例を示すデータ構成図
【図19】紙面データの#9素材情報(画像jの場合)の一例を示すデータ構成図
【図20】紙面データの実データの一例を示すデータ構成図
【符号の説明】
1…記事入力/校正端末
2…記事サーバ
3…画像入力/加工端末
4…画像サーバ
5…組版端末
6…組版編集サーバ
7…紙面データ格納部
8…出力サーバ
9…プリンタ/プロッタ
50…レイアウト処理部
61…素材使用権登録テーブル
62…紙面領域使用権登録テーブル
71…紙面データ
Claims (3)
- 新聞紙面に掲載する少なくとも記事、画像、写真からなる複数の素材を各紙面に割り当て、前記割り当てられた素材を、前記紙面を構成している複数の紙面領域のうちの何れかに配置して前記紙面の紙面データを編集するための複数の編集手段と、
前記各紙面領域のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、前記登録要求した編集手段と、対応する紙面領域とを関連付けた第1の登録情報を格納するとともに、既に格納された第1の登録情報に含まれている紙面領域に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する第1の登録手段と、
前記各素材のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、前記登録要求した編集手段と、対応する素材とを関連付けた第2の登録情報を格納するとともに、既に格納された第2の登録情報に含まれている素材に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する第2の登録手段と、
前記各編集手段にそれぞれ設けられ、前記紙面データに基づく新聞紙面を表示する表示手段と、
前記各編集手段が、前記各登録手段に格納された登録情報にしたがって、編集可能な素材を編集可能な紙面領域に配置することによって前記紙面の編集を行い、同一紙面が前記複数の編集手段のうちの2つ以上の編集手段によって編集された場合には、この同一紙面の紙面データに基づく新聞紙面を、この紙面データを編集した各編集手段に設けられた表示手段からそれぞれ表示するようにした新聞紙面の制作システム。 - 新聞紙面の制作時における編集状況を表示する方法であって、
新聞紙面に掲載する少なくとも記事、画像、写真からなる複数の素材を、各紙面に割り当て、前記割り当てられた素材を、前記紙面を構成している複数の紙面領域のうちの何れかに配置して前記紙面の紙面データを編集することを複数の編集手段によって行う編集工程と、
前記各紙面領域のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、前記登録要求した編集手段と、対応する紙面領域とを関連付けた第1の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第1の登録情報に含まれている紙面領域に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する第1の登録工程と、
前記各素材のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、前記登録要求した編集手段と、対応する素材とを関連付けた第2の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第2の登録情報に含まれている素材に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する第2の登録工程と、
前記紙面データに基づく新聞紙面を、前記各編集手段にそれぞれ設けられた表示手段から表示させる第1の表示工程と、
前記各編集手段が、前記各登録工程において格納された登録情報にしたがって、編集可能な素材を編集可能な紙面領域に配置することによって前記紙面の編集を行い、同一紙面が前記複数の編集手段のうちの2つ以上の編集手段によって編集された場合には、この同一紙面の紙面データに基づく新聞紙面を、この紙面データを編集した各編集手段に設けられた表示手段からそれぞれ表示させる第2の表示工程と
を含む編集状況表示方法。 - 新聞紙面の制作時における編集状況を表示するコンピュータ読取可能なプログラムであって、
新聞紙面に掲載する少なくとも記事、画像、写真からなる複数の素材を、各紙面に割り当て、前記割り当てられた素材を、前記紙面を構成している複数の紙面領域のうちの何れかに配置して前記紙面の紙面データを編集することを複数の編集手段によって行うことを可能とする編集機能、
前記各紙面領域のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、前記登録要求した編集手段と、対応する紙面領域とを関連付けた第1の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第1の登録情報に含まれている紙面領域に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する第1の登録機能、
前記各素材のそれぞれについて編集可能な前記編集手段の登録要求を前記複数の編集手段のうちの何れかから受け付け、前記登録要求した編集手段と、対応する素材とを関連付けた第2の登録情報を記憶装置に格納するとともに、この記憶装置に既に格納された第2の登録情報に含まれている素材に対して別の編集手段から登録要求があった場合には、この登録要求を拒否する第2の登録機能、
前記紙面データに基づく新聞紙面を、前記各編集手段にそれぞれ設けられた表示手段から表示させる第1の表示機能、
前記各編集手段が、前記各登録機能によって格納された登録情報にしたがって、編集可能な素材を編集可能な紙面領域に配置することによって前記紙面の編集を行い、同一紙面が前記複数の編集手段のうちの2つ以上の編集手段によって編集された場合には、この同一紙面の紙面データに基づく新聞紙面を、この紙面データを編集した各編集手段に設けられた表示手段からそれぞれ表示させる第2の表示機能
をコンピュータに実現させるための編集状況表示プログラム。
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JP2002072883A JP3977673B2 (ja) | 2002-03-15 | 2002-03-15 | 新聞紙面の制作システムおよび編集状況表示方法、ならびに編集状況表示プログラム |
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-
2002
- 2002-03-15 JP JP2002072883A patent/JP3977673B2/ja not_active Expired - Lifetime
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