JP3698465B2 - オフセット印刷可能な複合織布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷性、抗引裂性、印字性、防水性、縫製性、光隠蔽性に優れた複合織布に関する。
本発明の複合織布は、エプロン、のれん、使い捨て衣料、屋外広告ポスター用紙、立て看板、吊し広告、旗等の織布として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
織布の印刷としては、スクリーン捺染印刷、転写紙の絵柄を織布に転写する転写印刷に限られ、かつ、印刷も片面印刷しかされていなかった。
この理由として、織布には通気性があるので、吸引パイプを用いて印刷版胴に移動させることができないのでオフセット印刷ができないこと、及び、織布の両面に印刷すると印刷の裏移り(ゴースト)が生じ、両面の印刷が互いに影響を受けて印刷の輪郭が不鮮明となるからである。
【0003】
のぼり、屋外吊り広告、のれん等においては両面図柄の存在が好まれる。
織布の両面に多色オフセット印刷を施すことができれば安価に、かつ、複雑な図柄、文字を印刷することができ、更にその需要を伸ばすことが期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スクリーン印刷、グラビア印刷は勿論のこと、オフセット印刷が可能であり、かつ反対面の印刷の隠蔽性が優れた複合織布の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クラーク剛度(S値)が縦方向8〜300、横方向8〜300、肉厚20〜300μmの非通気性の延伸樹脂フィルム(A)の両面に接着剤(S,S)を用いて40〜150デニールの経糸と40〜150デニールの緯糸とを、それぞれ2.54cm当たり、50〜140本の割合で1本おきに交差させる平織法で織った坪量が50〜200g/m2 の織布(B)を貼合した複合織布であって、この複合織布の不透明度は100%であることを特徴とする複合織布を提供するものである。
【0006】
【作用】
織布の間に挟持された非通気性の延伸樹脂フィルム(A)の存在により、吸引による印刷版胴への移動が可能となり、オフセット印刷が可能となった。又、この延伸樹脂フィルムは、剛性があるので、複合織布をロール送りすることができ、連続してオフセット印刷やグラビア印刷することが可能となった。更に、該延伸樹脂フィルムとして不透明度の高い合成紙を用いたり、織布と延伸樹脂フィルムを貼合する接着剤として隠蔽剤を配合した接着剤を用いることにより、複合織布の不透明度を100%とすることができ、両面に印刷が施されても反対面の印刷が透けて見えるゴースト現象がなくなり、印刷が鮮やかに映える。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の複合織布について、更に詳細に説明する。
ポリオレフィン樹脂からなる延伸樹脂フィルム(A)
複合織布の印刷機への供給、印刷機からの排出を容易にするための延伸樹脂フィルムとしては、非通気性であって、クラーク剛度(JIS P−8116;S値)が縦方向、横方向とも8〜300、肉厚が20〜300μmのものが使用される。
非通気性(0cc/m2 ,1気圧,日)でないと吸引による印刷機への供給が困難となる。
【0008】
クラーク剛度が8未満であると、腰強度が弱く、複合織布のグラビア印刷機やオフセット印刷機への供給や印刷機からの排出等の取り扱いが困難となる。又、保管時、複合織布にしわが付き易い。クラーク剛度が300を越えては、複合織布の保管が平板状で積み重ねて保管することに限られ、複合織布をロール状に巻いて保管することが困難となる。
【0009】
かかるポリオレフィン樹脂からなる延伸樹脂フィルムとしては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂の延伸樹脂フィルム、フィルム内部に微細なボイドを有する延伸樹脂フィルムよりなる微多孔の合成紙であって、その不透明度(JIS P−8138)が85%以上、好ましくは90%以上で、次式(1)で算出される空孔率が10〜60%、好ましくは15〜45%、肉厚が30〜300μm、好ましくは50〜150μmの合成紙が挙げられる。
【0010】
【式2】
【0011】
かかる微多孔の合成紙としては、例えば次の▲1▼〜▲3▼のものが挙げられる。
▲1▼ 無機又は有機充填剤を8〜65重量%の割合で含有する微多孔を有する熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルム(特公昭54−31032号公報、米国特許第3775521号明細書、米国特許第4191719号明細書、米国特許第4377616号明細書、米国特許第4560614号明細書等)。
【0012】
▲2▼ 二軸延伸熱可塑性フィルムを基材層とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムを紙状層とする合成紙(特公昭46−40794号公報、特開昭57−149363号公報、同57−181829号公報等)。
【0013】
この合成紙は、2層構造であっても、基材層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する3層構造(特公昭46−40794号公報)であっても、紙状層と基材層間に他の樹脂フィルム層が存在する3層〜7層の合成紙(特公昭50−29738号公報、特開昭57−149363号公報、同56−126155号公報、同57−181829号公報)であっても、裏面がプロピレン・エチレン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、塩素化ポリエチレン等の基材層樹脂よりも低融点の樹脂よりなるヒートシール層を有する3層以上の合成紙であってもよい(特公平3−13973号明細書)。
【0014】
3層構造の合成紙の製造方法は、例えば、無機微細粉末を0〜50重量%含有する熱可塑性樹脂フィルムを、該樹脂の融点より低い温度で一方向に延伸して得られる一軸方向に配向したフィルムの両面に、無機微細粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の溶融フィルムを積層し、次いで前記方向と直角の方向にこの積層フィルムを延伸することにより得られる紙状層が一軸方向に配向し、微細な空隙を多数有するフィルムであり、基材層は二軸方向に配向した積層構造物である。
【0015】
▲3▼ 上記▲2▼の合成紙の紙状層側に、更に、無機微細粉末を含有しない肉厚0.1〜20μmの透明な熱可塑性樹脂ラミネート層が設けられた構造の高い光沢の印刷が可能な合成紙(特公平4−60437号公報、同1−60411号公報、特開昭61−3748号公報)、例えば、熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを基材層(1a)とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムよりなる表面層(1b)と裏面層(1c)を有する複層フィルムを支持体とし、この支持体の表面層(1b)側に無機微細粉末を含有しない熱可塑性樹脂の透明フィルム層(2)を設け、更に帯電防止機能を有するプライマー塗布層(3)が設けられた合成紙(特開昭61−3748号公報)、あるいは、熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸フィルムを基材層(1a)とし、この基材層の少なくとも片面に、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フィルムよりなる紙状層(1b)と、熱可塑性樹脂フィルムの一軸延伸フィルムよりなる表面層(1c)とのラミネート物が備えられている合成紙であって、前記表面層の肉厚(t)は、紙状層に存在する無機微細粉末の平均粒径を(R)としたとき、次式(2)を満足することを特徴とする複層樹脂フィルムよりなる合成紙(特公平1−60411号公報)。
【0016】
【数1】
R≧t≧1/10×R ・・・ (2)
この複層構造の合成紙▲3▼も、▲2▼の合成紙と同じくヒートシール層が表裏面に設けられたものであっても良い。
【0017】
合成紙の素材の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)、また、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分加水分解物、エチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、塩化ビニリデン共重合体たとえば塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、その他、およびこれらの混合物を例示することができる。これらの中でも耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。また、基材層にポリプロピレンを用いる場合は、延伸性を良好とするためポリエチレン、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリプロピレンよりも融点が低い樹脂を3〜25重量%配合するのがよい。
【0018】
また、無機微細粉末としては炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等、粒径が0.03〜16ミクロンのものが使用される。延伸倍率は縦、横方向とも4〜10倍が好ましく、延伸温度は樹脂がホモポリプロピレン(融点164〜167℃)のときは150〜162℃、高密度ポリエチレン(融点121〜124℃)のときは110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜252℃)のときは104〜115℃である。また、延伸速度は50〜350m/分である。
【0019】
合成紙の不透明度が85%未満では、織布の隠蔽性に乏しい。また、空孔率が10%未満では、複合合成紙の軽量化に乏しく、逆に空孔率が60%を越えては、合成紙の強度(引張強度、曲げ強度)が低く、実用的ではない。
合成紙の肉厚は、20〜300μmであり、20μm未満では微多孔の合成紙を製造することが困難であり、300μmを越えては合成紙の市場への供給がA3、菊判サイズ等のシート状に裁断し、これを梱包して輸送するものに限られ、巻きロールとしての供給が困難となる。
【0020】
隠蔽層
延伸樹脂フィルム(A)の不透明度が不足する場合には、延伸樹脂フィルム(A)の片面または両面にオフセットまたはグラビア印刷により厚さ1〜5μmの黒色ベタ印刷(C)を行うことによって隠蔽層(C)を形成するか、織布(B)と延伸樹脂フィルム(A)とを接着剤(アンカーコート剤)を用いて貼合する際、接着剤の中に、酸化チタンホイスカー、酸化チタン微細粒子等の白色充填剤を多量(5〜75重量%)に含有させ、該接着剤を2〜10g/m2 塗布することにより得られる複合織布の不透明度(JIS P−8138)を100%ととし、印刷が反対面から透けて見えることを防止する。
【0021】
織布(B)
複合織布に、抗引裂性と縫製性を付与するに用いられる織布として最も好ましいものは、40〜150デニール、好ましくは50〜100デニールの経糸と緯糸とを、それぞれ2.54cm当たり、50〜140本、好ましくは60〜100本の割合で1本おきに交差させる平織法で織った坪量が50〜200g/m2 、好ましくは、50〜200g/m2 の織布(ポンジー)である。
【0022】
平織りの織布の経糸、緯糸の素材としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレート、木綿、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化エチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等が利用できる。
経糸、緯糸の径は、それぞれ40〜150デニールで、同一径であっても、異なった径であっても良いが、同一径の方が平滑性の面から好ましい。また、補強のために2.54cm幅当たり、1〜2本の割合で経糸または/および緯糸に他より太めの糸を用いてもよい。
【0023】
平織りに用いる経糸、緯糸の径が40デニール未満では、織布のコストが高くなり、経済的でない。150デニールを越えては、織布の表面がラフであり、印刷面の光沢が低下する。また、織り込み数が2.54cm当たり50本未満では、経糸、緯糸で囲まれた空隙の面積が大きく、延伸樹脂フィルムと織布との接着強度は高いものとなるが、高光沢の印刷性は得られない。逆に織り込み数が2.54cm当たり140本を越えては延伸樹脂フィルムと織布の間の接着強度が低く、図5に示す吊るし広告(6)や立て看板が強風であおられ、バタバタと旗めいたときは層間剥離を生じることがある。
【0024】
織布の坪量は、経糸、緯糸の密度、径、織り込み数に依存するが、50〜200g/m2 、好ましくは50〜100g/m2 である。
織布の織り方法には、平織りの他に、斜文織、朱子織、メリヤス織、綾織、ポロ織、レース織等種々あるが、印刷の見映えの面から平織りが最も好ましい。
【0025】
接着剤(S)
接着剤としては液状のアンカーコート剤、例えばポリウレタン系アンカーコート剤としては東洋モートン(株)のEL−150(商品名)またはBLS−2080AとBLS−2080Bの混合物が、ポリエステル系アンカーコート剤としては、同社のAD−503(商品名)が挙げられる。アンカーコート剤は坪量が0.5〜25g/m2 となるように塗布される。
【0026】
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等のホツトメルト接着剤は、延伸樹脂フィルム製造時の延伸温度より低い融点を有する熱可塑性樹脂を用いる必要があり、前記延伸温度より高い温度で該ホツトメルト接着剤を用いると延伸樹脂フィルムが収縮してしまうことがある。
【0027】
前記アンカーコート剤で接着する場合は、織布または延伸樹脂フィルムのいずれかの面または両面にアンカーコート剤を塗布し、ロールで加圧接着すればよく、ホツトメルト接着剤を用いる場合は、織布または延伸樹脂フィルム上にダイより溶融フィルム状に押し出し、ラミネートし、ついで他方の織布もしくは延伸樹脂フィルムを圧着ロールで接着させてよく、また、織布シート製造時の加熱、加圧する短繊維を絡み合わせた不織布状物に溶融した接着剤フィルムをラミネートし、これに延伸樹脂フィルムを積層し、ロールで圧着して接着してもよい。
【0028】
複合織布
本発明の複合織布(1)は、図1に示すようにポリオレフィン樹脂からなる延伸樹脂フィルム(A)の両面に接着剤(S,S)を用いて平織織布(B)を貼合したものである。
又、場合によっては、ポリオレフィン樹脂からなる延伸樹脂フィルム(A)の不透明度が低いときは、図2、図3に示すように、延伸樹脂フィルムの片面又は両面に黒べた印刷(C)を施し、これと平織織布(B)とを接着剤(S,S)で貼合したものである。
又、図4に示すように、接着剤(S)として、隠蔽剤を含有した接着剤を用いたものであってもよい。
【0029】
図において、(7)は印刷を表す。
この複合織布の肉厚は用途により異なるが、80〜700μm、好ましくは120〜320μmである。この複合織布には、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷転写紙を用いた印刷等が可能である。
また、この複合織布(1)は、縫製、穿孔が可能であり、例えば図5に示すように複合織布(1)に付け紐(5)を縫い、これを棒状物(4)に取り付けることにより、吊り広告(6)とすることができる。(7)は印刷である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細する。
延伸樹脂フィルムの製造例
(例 1)
(1)メルトフローレート(MFR)0.8g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(a)を270℃の温度に設定した押出機にて混練させた後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。
そして、このシートを150℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
【0031】
(2) MFRが4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(a)を別の押出機にて210℃で混練させた後、これをダイによりシート状に押し出し、これを上記(1)の工程で得られた5倍縦延伸フィルムの両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得た。次いで、この三層構造の積層フィルムを60℃の温度にまで冷却した後、再び約155℃の温度にまで加熱してテンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして三層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の肉厚80μm(b/a/b=20μm/40μm/20μm)の積層フィルムで、不透明度87%、空孔率31%、密度0.79g/cm3 、クラーク剛度(S値)が縦方向13、横方向23の延伸樹脂フィルムを得た。
【0032】
(例 2)
(1)メルトフローレート(MFR)0.8g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(a)を270℃の温度に設定した押出機にて混練させた後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。そして、このシートを140℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
【0033】
(2) MFRが4.0g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(b)を別の押出機にて混練させた後、これをダイによりシート状に押し出し、これを上記(1)の工程で得られた5倍縦延伸フィルムの両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得た。
【0034】
次いで、この三層構造の積層フィルムを60℃の温度にまで冷却した後、再び約160℃の温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして、密度が0.77g/cm3 、不透明度95%、破裂強さ8kg/cm2 の三層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の肉厚130μm(b/a/b=30μm/70μm/30μm)、クラーク剛度(縦方向)51、クラーク剛度(横方向)108の延伸樹脂フィルムを得た。また、各層の空孔率は(b/a/b=30%/33.7%/30%)であった。
【0035】
(例 3)
(1)メルトフローレート(MFR)4.0g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)55重量%に、高密度ポリエチレン25重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム20重量%を混合した組成物を270℃の温度に設定した押出機にて混練させた後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。
【0036】
(2) そして、このシートを150℃の温度にまで再度加熱させた後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延伸フィルムを得た。
次いで、このフィルムを再び155℃の温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして密度が0.88g/cm3 、不透明度86%、クラーク剛度(縦方向)8、横方向9の肉厚45μm、空孔率37%の二軸延伸フィルムよりなる微多孔性延伸樹脂フィルムを得た。
【0037】
織 布
織布として、東レ(株)のポリエステル糸を平織りした織布「ポンジー#6575」(商品名;経糸の径75デニール、緯糸の径75デニール、織り込み数2.54cm当たり、経糸90本、緯糸85本。坪量71g/m2 、白色度90%、不透明度80%)を用いた。
【0038】
(実施例1)
例1で得た複層延伸樹脂フィルムの両面に東洋モートン(株)のポリウレタン系アンカーコート剤「BLS−2080A」と「BLS−2080B」の混合物85重量部に、酸化チタン 15重量部を混合した接着剤を4g/m2 (固型分の割合)で塗布し、ついで東レ(株)の平織りの織布「ポンジー#6575」を圧着ロールを用いて貼着し、平織織布/隠蔽層/延伸樹脂フィルム/隠蔽層/平織織布、の複合織布を得た。このものの肉厚は252μm、不透明度は100%であった。
【0039】
この複合織布のオフセット印刷性について、東洋インキ製造(株)のオフセット印刷インキ「TSP−400」(商品名)及び小森印刷機(株)製オフセット4色印刷機を用い、表裏両面に4色(黒、青、赤、黄)平板オフセット印刷を行い、図柄の異なった印刷物を得た。このもののインキの転移性、インキの密着性を次の方法で評価した。
【0040】
インキの転移性
各々の色の網点部分を拡大鏡(30倍)で拡大し、網点再現性を目視にて判定した。
【0041】
インキの密着性
ニチバン(株)製粘着テープ「セロテープ」(商品名)を印刷面上に強く接着させ、次いで印刷面に沿って素早く粘着テープを剥離し、紙面上のインキの残留程度を目視判定した。
【0042】
層間接着強度
合成紙と、織布の層間剥離強度をT−型剥離試験機を用いて測定した。
光隠蔽性
この複合織布の両面オフセット印刷物を屋外に吊るした際、反対面の印刷が透けて見えるか否か調べた。透けて見えないものを良好(○)、透けて見えるものは不良(×)とした。
縫製性
ミシン機を用い糸縫いが可能なものを可とし、できないものを不可とした。
得られた複合織布の評価結果を表1に示す。
【0043】
(実施例2)
例1の合成紙の表裏面に、墨濃度が1.65となるように黒べたオフセット印刷(厚さ2μm)を施し、これと実施例1で用いた平織布を、ポリウレタン系アンカーコート剤(2g/m2 )で接着して、平織布/接着剤/べた印刷/合成紙/べた印刷/接着剤/平織布の複合織布を得た。このものの肉厚は312μm、不透明度は100%であった。
得られた複合織布の評価結果を表1に示す。
【0044】
(実施例3〜4)
実施例2において、用いる合成紙として、例1で得た合成紙の代わりに、例2〜例3で得た合成紙を用いる以外は、同様にして表1に示す物性の複合織布を得た。
得られた複合織布の評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】
本発明の複合織布は縫製、オフセット印刷が可能であり、層間接着強度、抗引裂力が高い利点があり、また、隠蔽層を有するので、両面に印刷されて、屋外で使用しても反対面の印刷が光で透けて見えることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合織布の断面図である。
【図2】本発明の他の複合織布の断面図である。
【図3】本発明の他の複合織布の断面図である。
【図4】本発明の他の複合織布の断面図である。
【図5】幟旗広告の斜視図である。
【符号の説明】
A :合成紙
B :織布
C :隠蔽層
S :接着層
1 :複合織布
4 :棒状物
5 :縫い部分
6 :幟旗広告
7 :印刷
Claims (2)
- クラーク剛度(S値)が縦方向8〜300、横方向8〜300、肉厚20〜300μmのポリオレフィン樹脂からなる非通気性の延伸樹脂フィルム(A)の両面に接着剤(S,S)を用いて40〜150デニールの経糸と40〜150デニールの緯糸とを、それぞれ2.54cm当たり、50〜140本の割合で1本おきに交差させる平織法で織った坪量が50〜200g/m2 の織布(B)を貼合した複合織布であって、この複合織布の不透明度は100%であることを特徴とする複合織布。
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