JP3659676B2 - 捺染用型紙およびそれを用いて布帛を染色する方法 - Google Patents

捺染用型紙およびそれを用いて布帛を染色する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、旗、幕、幟、袢天、暖簾、着物等を製造する際に、布帛に花鳥風月、幾何模様等の図柄や文字を捺染するに用いる型紙、およびそれを用いて布帛にスクリーン捺染する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
手描友禅は糊置防染法を用い、布帛のある部分に還元剤を調合したもち粉糊を塗り、色が染まらぬようにし、他の布帛部分は絵師が絵筆で描画し、ついで糊を洗い落とし、再び染色を希望しない部分に糊を塗り、他の部分に描画し、これを幾度も繰り返し、再度の水洗により糊を洗い流し、乾燥させて友禅の反物を得ている。
このような手描、糊の水洗の繰り返しでは高価なものとなるので型紙を用いる大量生産法が明治の後半から行われるようになり、旗、暖簾等の製造に利用されるようになった。この型紙を用いる方法は大きく2つの手法に分けられる。
【0003】
I)糊置防染法
模様を彫り抜いた渋油紙や不織布等の型紙の表面にもち粉を原料に製造された防染糊を塗布し、これを布帛の上に防染糊が布帛と接するように型置きし、ついで型紙の上より染料を刷毛塗りして染色する方法。
【0004】
II)スクリーン捺染法
アルミニウム製枠にテトロンのメッシュ#70〜#120を張ったものをスクリーンとして用い、別途下絵とグランド原紙(紙にニスを塗布したもの)を貼着し、これを彫り抜いたものを型紙とし、この型紙をアイロンの熱を利用してスクリーンと型紙のニスを熱粘着させ、ついで型紙の下に布帛を置き、スクリーン側から捺染するプリント方法。
【0005】
しかしながら、(I)の糊置防染法は、染色後の糊の水洗除去の手間が必要となる。又、図柄、文字、マーク、印によっては「つなぎ」が必要となるものもあり、又、「つなぎ」の多いもの、少ないものもあり、この「つなぎ」をどのように処理するかで捺染の工程数、手間、型紙の施工性、商品の仕上りが大きく依存する。
又、(II)のスクリーン捺染法においては、型紙をスクリーンにアイロンで熱接着させるにテトロンメッシュが溶解しないようにするために熟練が要り、又、捺染後はスクリーンよりグランド紙を有機溶剤を用いてニスを溶かして剥す必要があり、手間がかかる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水洗が必要なもち粉糊を用いる必要がなく、かつ、何度も再利用することができる捺染用型紙を提供することを目的とする。
又、本発明は、「つなぎ」の加工の手間が要らず、かつ、アイロンによるスクリーンと型紙の熱接着工程が不要な捺染方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1は耐水性シート(a)の片面に感圧粘着剤層(b 1 )を設け、他方の面に前記感圧粘着剤層(b1 )よりは粘着力の高い感圧粘着剤層(b2 )を設け、これら感圧粘着剤層(b1 ,b2 )の表面に剥離紙(c1 ,c2 )が貼合された構造の積層体に模様が彫り抜かれた捺染用型紙を提供するものである。
【0008】
更に本発明のは、耐水性シート(a)の両面にそれぞれ接着力の異なる感圧粘着剤層(b1 ,b2 )が設けられ、かつ模様が彫り抜かれた捺染用型紙を粘着力が低い感圧粘着剤層(b1 )側が染色する布帛側に向くように該捺染用型紙の粘着力が高い感圧粘着剤層(b2 )側をスクリーンに貼着し、ついでスクリーンを捺染することにより布帛を染色することを特徴とする捺染方法を提供するものである。
【0009】
【作用】
型紙は感圧粘着剤層を有しているので布帛またはスクリーンへの貼着が容易であり、又、これらからの剥離が容易であるので水洗は不要である。
又、スクリーン捺染(印刷)のときはスクリーンのメッシュが「つなぎ」の役目をなすので「つなぎ」の加工、処理の手間が省ける。
更に、型紙のシートは耐水性シートを用いているので何回も型紙を再利用することができる。
【0010】
【発明の概要】
耐水性シート
本発明の手刷用捺染型紙あるいはスクリーン捺染用型紙に用いられる基材の耐水性シートとしては、油含浸紙、樹脂含浸紙、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6等の熱可塑性樹脂フイルムおよびその延伸フイルム、無機微細粉末含有熱可塑性樹脂フイルムの延伸物よりなる合成紙等の肉厚が20〜1,000μm、好ましくは30〜300μmのものが挙げられる。
【0011】
中でも、ポリプロピレンや高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのような熱可塑性樹脂フイルムの延伸物である合成紙が剛性が高く、肉厚を薄くできる利点があるので好ましい。
特に、無機微細粉末含有ポリオレフィンフイルムの延伸物よりなる微多孔性合成紙はフイルム内部に微細なボイドを有し、軽量(密度0.45〜1.20g/cm3 )であり、かつ、表面に微細な亀裂を有し、感圧粘着剤層(b)との接着力も優れるし、耐溶剤性、耐水性も優れるので好ましい。
【0012】
かかるポリオレフィン系微多孔性合成紙は例えば次の▲1▼〜▲6▼の方法で製造でき、又、市場からは王子油化合成紙(株)よりのユポFPG、ユポSGE、ユポKPG、ユポGFG、ユポUES、ユポTPG、ユポPEARL、α−ユポ(合成紙と押出発泡シートとの積層品)、ユポWSF(合成紙と不織布との貼合品)、ユポWST(合成紙と織布との貼合品)の商品名で入手することができる。
【0013】
▲1▼ 無機微細粉末又は有機充填剤を8〜65重量%の割合で含有する微多孔を有するプロピレン系樹脂の二軸延伸フイルム(特公昭54−31032号公報、米国特許第3775521号明細書、米国特許第4191719号明細書、米国特許第4377616号明細書、米国特許第4560614号明細書等)。
【0014】
▲2▼ 無機微細粉末を5〜40重量%含有する二軸延伸プロピレン系樹脂フィルムを基材層(1a)とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フイルムを紙状層(1b)とする合成紙(特公昭46−40794号、特開昭57−149363号、同57−181829号各公報)。
【0015】
この合成紙は、二層構造であっても、基材層の表裏面に一軸延伸フイルムの紙状層が存在する三層構造(特公昭46−40794号公報)であっても、紙状層と基材層間に他の樹脂フイルム層が存在する三層〜七層の合成紙(特公昭50−29738号公報、特開昭57−149363号公報、同56−126155号公報、同57−181829号公報)であっても、裏面がプロピレン・エチレン共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、塩素化ポリエチレン等の基材層のプロピレン系樹脂よりも低融点の樹脂よりなるヒートシール層を有する三層以上の合成紙であってもよい(特公平3−13973号公報)。
【0016】
三層構造の合成紙の例としては、無機微細粉末を5〜40重量%含有するプロピレン系樹脂フィルムを、該樹脂の融点より低い温度で一方的に延伸して得られる一軸方向に配向したフイルムの両面に、無機微細粉末を8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の溶融フイルムを積層し、次いで前記方向と直角の方向にこの積層フイルムを延伸することにより得られる、紙状層が一軸方向に配向し、微細な空隙を多数有するフイルムであり、基材層は二軸方向に配向した積層構造物がある。
【0017】
▲3▼ 上記▲2▼の合成紙の紙状層側に、更に、無機微細粉末を含有しない肉厚0.1〜20μmの透明なプロピレン系樹脂ラミネート層が設けられた構造の高い光沢を有する合成紙(特公平4−60437号公報、同1−60411号公報、特開昭61−3748号公報)。
【0018】
例えば、熱可塑性樹脂の二軸延伸フイルムを基材層(1a)とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フイルムよりなる表面層(1b)と裏面層(1c)を有する複層フイルム(1’)を支持体とし、この支持体の表面層(1b)側に無機微細粉末を含有しないプロピレン系樹脂の透明フイルム層を設け、更に帯電防止機能を有するプライマー塗布層(1d)が設けられた合成紙(特開昭61−3748号公報)、あるいは、熱可塑性樹脂フイルムの二軸延伸フイルムを基材層(1a)とし、この基材層の少なくとも片面に、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有するプロピレン系樹脂の一軸延伸フイルムよりなる紙状層(1b)と、プロピレン系樹脂フイルムの一軸延伸フイルムよりなる表面層(1d)とのラミネート物が備えられている合成紙であって、前記表面層(1d)の肉厚(t)は、紙状層に存在する無機微細粉末の平均粒径を(R)としたとき、次式(2)を満足することを特徴とする複層樹脂フイルムよりなる合成紙(特公平1−60411号公報)がある。
【数1】
R≧t≧1/10 × R ・・・(2)
【0019】
▲4▼ (A)短繊維を絡み合わせた不織布状物を加熱加圧して得たシート、または該不織布状物に熱可塑性樹脂粉末を散布および/または熱可塑性樹脂シートを積層し、次いでこれを加熱加圧一体化した繊維補強シートと、(B)二軸延伸熱可塑性樹脂フイルムを基材層とし、無機微細粉末を8〜50重量%の割合で含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フイルムを紙状層とする複層合成紙とを、(A)のシートの不織状物側と、(B)の合成紙の紙状層側がそれぞれ表面層を形成するように貼着した複合合成紙(特公平3−74180号公報)。
【0020】
▲5▼ 織布(A)の両面に、二軸延伸熱可塑性樹脂フイルムを基材層とし、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フイルムを紙状層とする複層合成紙(B)を、(B)の合成紙の紙状層側が表面層を形成するように貼着した複合合成紙。
【0021】
▲6▼ 発泡倍率が1.05〜10倍の押出樹脂発泡シートよりなる肉厚が50μm以上の基体(A1 )の片面又は両面に、無機微細粉末を8〜55重量%含有する無延伸樹脂フイルムの非発泡フイルム(A2 )、(A3 )が積層された肉厚が70μm以上の支持体(A)の少なくとも片面に、微多孔を有する二軸延伸熱可塑性フイルムを基材層(B1 )とし、無機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸フイルムを紙状層(B2 )とする肉厚が30〜300μmの複層合成紙(B)を、前記紙状層(B2 )が表面を形成するよう一体に貼り合わせた肉厚100〜1,000μmの複合合成紙(特開平5−245962号公報)。
【0022】
これら合成紙▲1▼〜▲6▼の紙状層の表面にポリエチレンイミン、ポリ(エチレンイミン−尿素)、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物、三級ないし四級窒素含有アクリル系ポリマーからなる群より選ばれた水溶性のプライマー(塗布剤)の層を設けて帯電防止性を付与したり、オフセット印刷性をより向上させてもよい。
二軸延伸フイルムの基材層は合成紙の縦と横の強度バランスの付与に寄与し、また、紙状層の一軸フイルムは紙的風合を呈する。
【0023】
合成紙の素材の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−1)、また、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分加水分解物、エチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、塩化ビニリデン共重合体たとえば塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、その他、およびこれらの混合物を例示することができる。これらの中でも耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。また、基材層にポリプロピレンを用いる場合は、延伸性を良好とするためポリエチレン、ポリスチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリプロピレンよりも融点が低い樹脂を3〜25重量%配合してもよい。
【0024】
また、白色無機微細粉末としては炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム等、粒径が0.03〜16μmのものが使用される。
延伸倍率は縦、横方向とも4〜10倍が好ましく、延伸温度はプロピレン系樹脂の融点よりも3〜30℃低い温度である。
【0025】
更に、織布として好ましいものは、40〜150デニール、好ましくは50〜100デニールの経糸と緯糸とを、それぞれ2.54cm当たり、50〜140本、好ましくは60〜100本の割合で1本おきに交差させる平織法で編んだ坪量が50〜200g/m2 、好ましくは、50〜200g/m2 の織布(ポンジー)である。
平織りの織布の経糸、緯糸の素材としては、ナイロン6、ナイロン6、6、ポリエチレンテレフタレート、木綿、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化エチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等が利用できる。
【0026】
経糸、緯糸の径は、それぞれ20〜150デニールで、同一径であっても、異なった径であっても良いが、同一径の方が平滑性の面から好ましい。また、補強のために2.54cm幅当たり、1〜2本の割合で経糸または/および緯糸に他より太めの糸を用いてもよい。
これらの微多孔合成紙の中でも彫り抜き性からは▲4▼、▲5▼および▲6▼の複合合成紙が好ましい。
【0027】
感圧粘着剤層(b)
感圧粘着剤層は、23℃においてスクリーンや布帛に対して0.01〜250g/15mm幅、好ましくはスクリーンに対しては20〜150g/15mm幅、布帛に対しては0.01〜50g/15mm幅の接着剥離強度を有するものであり、常温で短時間(0.1〜3秒)軽い圧力を加えただけで被着材のスクリーンのメッシュや布帛に粘着するものである。
【0028】
かかる感圧粘着剤は、例えば、▲1▼ ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸n−ブチル、酸化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、天然ゴム、酢酸ビニル−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、ビニルピロリドン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンラバー、ブチルラバー、ビニルピロリドン−アクリル酸エチル共重合体等のガラス転移点が20℃以下の高分子樹脂もしくはラバーを単独で、又は二種以上の混合物で、これに、▲2▼ フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ビヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチル、安息香酸スクローズ、二安息香酸エチレングリコール、三安息香酸トリメチロールエタン、三安息香酸グリセリド、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−p−トリエンスルホンアミド、等の常温で固体の可塑剤と、▲3▼ ロジン誘導体(ロジン、重合ロジン、水添ロジン及びそれらのグリセリン、ペンタエリストール等とのエステル、樹脂酸ダイマー等)テルペン樹脂系、脂、エポキシ樹脂等をメチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解したもの、石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系、等の粘着性付与剤、を配合することにより得られるものである。
【0029】
必要により、老化防止剤やコロイダルシリカ、アルミナゾル等を配合することもある。
耐水性シート(a)に塗布する感圧粘着剤の塗布量は、耐水性シートの材質、肉厚にもよるが、8〜30g/m2 (固型分量)の範囲である。
【0030】
剥離紙(c)
剥離紙としては、パルプ紙、合成紙、樹脂フイルム等のシート基材の一方の表面にポリシリコン油やワックス等の離型剤層を設けたものが挙げられ、肉厚が60〜300μmのものが市場から容易に入手できる。
剥離紙は、型紙保存時に感圧粘着剤層の汚染を防止するとともに、文字、図柄の彫り抜きを容易とする。
剥離紙には、文字、図柄の彫り抜きが手作業の場合には文字、図柄の印刷を行う必要があり、型紙の彫り抜きが断才歯を備える抜型を用いる場合はかかる印刷は不要である。
【0031】
型紙
型紙は、例えば図3に示すように、耐水性シート(a)の片面または両面に感圧粘着剤(b1 、b2 )を塗布し、この感圧粘着剤の層を剥離紙(c)で被覆することにより得られる。
手刷捺染のときは、感圧粘着剤層は耐水性シートの片面に設けても両面に設けてもよいが、スクリーン捺染のときは両面に設けるのが好ましい。
その場合は、一方の感圧粘着剤層(b2 )の方が他方の感圧粘着剤層(b1 )の粘着力よりも高くなるように感圧粘着剤の配合を決定する。好ましくは20〜100g/15mm幅の接着強度の差があるようにする。
【0032】
捺染
捺染は、図1に示すように図柄、文字等(2)が彫り込まれた型紙(1)を剥離紙(c)を剥して被捺染材の布帛(3)に感圧粘着剤層(b)を圧着し、ついで手刷で捺染するか、図2に示すように型紙の一方の剥離紙(c)を剥した後、高い接着強度(粘着力)を有する感圧粘着剤層(b2 )側をスクリーン4のメッシュに貼着し、ついで型紙(1)側に捺染する布帛3を置き、他方の剥離紙(3)を剥した後、スクリーンを布帛に接触させスクリーン側より捺染し、布帛を染色する。
【0033】
布帛の染色が終了すると、スクリーンを上にあげ、新しく染色する布帛をスクリーンの下に供給し、再びスクリーンを下げて布帛に接しさせスクリーン側より捺染を繰り返す。
型紙の高い粘着力を示す感圧粘着剤層(b2 )側が捺染機のスクリーンのメッシュに貼着されるので、スクリーンを上げたとき、型紙は布帛(3)側には残らず、スクリーン側に貼着しており、新しい布帛への捺染の工程が容易となる。
【0034】
かかる観点から高い粘着力を示す感圧粘着剤層(b2 )のスクリーンへの接着強度は20〜250g/15mm幅、好ましくは50〜100g/15mm幅に、布帛側に貼着させる感圧粘着剤層(b1 )側の布帛への接着強度は0.01〜100g/15mm幅、好ましくは3〜50g/15mm幅となるように感圧粘着剤の配合を決めるのがよい。
【0035】
捺染は、スクリーン印刷、手刷捺染の他、染料を生麸糊、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩などの糊に混ぜて色糊とし、これを捺染機を用いて色糊をスクリーン上から布帛にプリントしてもよい。
又、亜硫酸水素ナトリウムのホルムアルデヒド複塩、ハイドロサルファイト、SnCl2 等の抜染剤を含有する糊を布帛上にプリントし、これを蒸熱処理してその部分を白く抜く抜染法でも、更に抜染剤に耐える染料をも糊に配合し、抜染部分を別の色に染色する着色抜染であってもよい。さらに顔料捺染であってもよい。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
合成紙の製造例
例1:
(1)メルトフローレート(MFR)0.8g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(A)を270℃の温度に設定した押出機にて混練した後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。
そして、このシートを150℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍延伸フィルムを得た。
【0037】
(2) MFRが4g/10分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)54重量%と、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(B)を別の押出機にて210℃で混練させた後、これをダイによりシート状に押し出し、これを上記(1)の工程で得られた5倍縦延伸フイルムの両面に積層し、三層構造の積層フイルムを得た。次いで、この三層構造の積層フイルムを60℃の温度にまで冷却した後、再び約155℃の温度にまで加熱してテンターを用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして三層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の肉厚80μm(B/A/B=20μm/40μm/20μm)の積層フイルムで、不透明度90%、空孔率33%、密度0.78g/cm3 、破壊強度7kg/cm2 よりなる三層構造の合成紙を得た。
【0038】
この三層構造の合成紙の表面をコロナ放電処理した後、次の(a)と(b)との帯電防止剤を含有する塗布剤水溶液を両表面に固形分で片面0.05g/m2 (肉厚約0.1μm)となるよう塗布し、乾燥して、巻き取った。塗布剤水溶液の組成は、下記の通りである。
(a) 三菱化学(株)製「帯電防止剤」アクリル系樹脂水溶液「ST−1100」(商品名)〔下記基(1)を分子分子鎖に含む〕 :100重量部
【0039】
【化1】
Figure 0003659676
【0040】
(b) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(ディック・ハーキュレス社製「カイメン557H」 :25重量部
得られた合成紙の塗布剤層の光沢度は15%、ベック平滑度は680秒であった。
【0041】
織布
東レ(株)のポリエステル糸を平織りした織布「ポンジ−#6575」(商品名;経糸の75デニ−ル、織り込み数2.54cm当たり、経糸90本、緯糸85本。均量71g/m2 )を用いた。
【0042】
複合合成紙
上記で得た光沢度15%、ベック平滑度680秒の複層合成紙の裏面(塗布剤が塗工されていない側)に東洋モ−トン(株)のポリウレタン系アンカ−カ−ト剤「BLS−2080A」と「BLS−2080B」の混合物;85重量部に、酸化チタン;15重量部を混合した接着剤を4g/m2 (固型分の割合)で塗布し、ついで東レ(株)の平織りの織布「ポンジ−#6575」を圧着ロ−ルを用いて貼着し、合成紙/接着層/平織織布、の複合合成紙を得た。この複合合成紙の合成紙側の塗布剤側の光沢度は22%、ベック平滑度は820秒で、合成紙側の表面層側には織布の凹凸模様は現れていなかった。この複合合成紙(I)の物性を表1に示す。
物性の評価は、以下に示す方法によって行った。
【0043】
(1) 合成紙の空孔率:
【式1】
Figure 0003659676
【0044】
(2) 表面光沢:
スガ試験機(株)製光沢計UGV−5DPを用いてJIS−P8142に準じて複合合成紙の合成紙側の表面層の光沢(75度)を測定した。
(3) 合成紙のベック平滑度:
JIS P−8119に準じて測定した。
【0045】
(4) エルメンドルフ引裂強度:
JIS P−8116に準じて測定した。
【0067】
(5) 引裂強度、引張伸度:
JIS P8113と、JIS P−8132とに準じて測定した。
【0046】
例2:
(1)メルトインデックス(MI);0.8のポリプロピレンに、平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム12重量%(ポリプロピレンとの合計重量基準)を混合し、270℃に設定した押出機にて混練後、シート状に押出し、冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。このシートを、140℃に加熱後、縦方向に5倍延伸した。
【0047】
(2)MI;4.0のポリプロピレン49重量%とマレイン酸含量0.5重量%のマレイン酸(改質単量体)変性ポリプロピレン5重量%と平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物A(充填剤100重量部当たりの改質単量体量0.05重量部)を、270℃に設定した押出機により溶融混練したものと、MI4.0のポリプロピレン55重量%と平均粒径1.5ミクロンの炭酸カルシウム45重量%とを混合した組成物Bを、270℃に設定した別の押出機で溶融混練したものとをダイ内で積層し、上記(1)にて得られた縦方向5倍延伸シートの両面に共押出しし、改質ポリプロピレンを含む層が外側となるようにした。次いで、この五層積層物を155℃に加熱したのち横方向に7.5倍の延伸を行なって、五層のフイルムを得た。
【0048】
(3)この五層積層フイルムの表面をコロナ放電処理した後、例1で用いた塗布剤水溶液を両表面に固型分で片面0.05g/m2 となるよう塗布および乾燥して、巻取った。
(4)この合成紙(肉厚110μm)と帝人(株)製の不織布シート“スパンボンド#ユニセル”とを東洋モートン(株)製のポリウレタン系プライマー“BLS−2080AとBLS−2080B”の混合物を5g/m2 (固型分)の割合で用いて表1に示す物性の複合合成紙(II)を得た。
【0049】
【表1】
Figure 0003659676
【0050】
感圧粘着剤
粘着力の高い感圧粘着剤(b2 )として、サイデン化学(株)製の感圧粘着剤“AT−14NT”(商品名)を用いた。このものの捺染機のスクリーンの#120のテフロン製メッシュへの接着強度(JIS Z−023)は85g/15mm幅であった。
粘着力の低い感圧粘着剤(b1 )として、サイデン化学(株)製の感圧粘着剤“ATR−180”(商品名)を用いた。このものの暖簾用木綿白布に対する接着強度は1g/15mm幅であった。
剥離紙
リンテック(株)製のポリシリコン油コートパルプ紙(肉厚300μm)を用いた。
【0051】
(実施例1〜3)
耐水性シートとして例1の合成紙(織布と貼着する前のもの)、例1の複合合成紙(合成紙/接着剤/平織織布)および例2の複合合成紙(合成紙/接着剤/不織布)を用い、これらの合成紙面に高い粘着力の感圧粘着剤を塗布(20g/m2 )し、乾燥し、剥離紙で感圧粘着剤層を被覆した。
ついで、反対面に粘着力の低い感圧粘着剤を塗布(18g/m2 )し、乾燥後、剥離紙を貼着して積層構造体を得た。
これを断才して花鳥風月の図柄と製造元の印を打ち抜いて型紙を得た。
【0052】
これらの型紙より粘着力の高い側の剥離紙を取り除いた後、捺染のスクリーンの#120のテフロン製メッシュに高い粘着力を有する感圧粘着剤層を手で粘着させ、ついで白地の木綿布をスクリーンの下に置いた後、型紙の粘着力の低い側の剥離紙を取り剥し、ついでスクリーンを降ろして木綿布とスクリーンを接触させ、機械捺染した。
【0053】
次いで、スクリーンを上げ、捺染された木綿布を取り除き、新たな白地の木綿布を供給し、再びスクリーンを降ろし、機械捺染をした。以下、同様の作業を100回繰り返したところ、捺染は良好で、スクリーンを上げたときは型紙はいつもスクリーン側に貼着していた。
紺青と緑の捺染が終了した後、スクリーンのメッシュを新しいものに替え、又、型紙として陰陽を逆に打ち抜いた型紙を用い、前記と同様にして朱色の捺染を行って、各々、暖簾を100枚づつ得た。
捺染の図柄、印の出来はいずれも良好なものであった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の型紙は、その型紙の打抜製造が容易であり、又、捺染機への型紙の取り付け、取り替えも容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】手刷捺染の状態を示す断面図である。
【図2】スクリーン機械捺染の状態を示す一部切次断面図である。
【図3】型紙の断面図である。
【符号の説明】
1 型紙
2 図柄、文字等
3 布帛
4 スクリーン
a 耐水性シート
b 感圧粘着剤層
c 剥離紙

Claims (3)

  1. 耐水性シート(a)の片面に感圧粘着剤層(b1 )を設け、他方の面に前記感圧粘着剤層(b1 )より粘着力の高い感圧粘着剤層(b2 )を設け、これら感圧粘着剤層(b1 、b2 )の表面に剥離紙(c1 、c2 )が貼合された構造の積層体に模様が彫り抜かれた捺染用型紙。
  2. 耐水性シート(a)が無機微細粉末含有ポリオレフィン樹脂フィルムの延伸物よりなる微多孔性合成紙、または該微多孔性合成紙に織布または不織布を貼着した複合合成紙である請求項1記載の捺染用型紙。
  3. 耐水性シート(a)の両面にそれぞれ粘着力の異なる感圧粘着剤層(b1 、b2 )が設けられ、かつ模様が彫り抜かれた捺染用型紙を粘着力が低い感圧粘着剤層(b1 )側が染色する布帛側に向くように、該捺染用型紙の粘着力が高い感圧粘着剤層(b2 )側をスクリーンに貼着し、ついでスクリーンを捺染することにより布帛を染色することを特徴とする捺染方法。
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