JP2590540B2 - 立毛構造を有する資材およびその製造方法 - Google Patents

立毛構造を有する資材およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多数の微細な立毛を資材表面に有する立毛
資材を製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 従来から、立毛布帛は、外観の審美性、光沢感、深色
性に優れていることなどから、衣料分野はむろんのこ
と、装飾分野すなわち壁装材、家具や車両などの椅子張
り材などにも幅広く利用されている。
また、近年、1デニール以下などの微細繊維特有のヌ
メリ特性、揺れ動き特性を活用し、生物付着防止性に優
れた水産資材すなわち藻類、貝類の付着防止材としても
応用展開されつつある。さらに、該微細立毛繊維と液体
あるいは気体との界面部において抵抗が小さくなる等の
特異現象を示すことなども見い出され、液体および気体
中における物体の安定走行素材もしくは、抗力低減素材
としても活用されつつある。これらはいずれも数デニー
ル以下などの細繊維を立毛として用いることにより生ず
る細繊維特有の現象、すなわちチョークマーク効果、後
述するエアーバイブレーション効果、エアーマーク効果
などによるゆらぎ、そよぎ特性に起因すると考えられる
ものである。
すなわち、エアーマーク効果や、エアーバイブレーシ
ョン効果は、通常市販されている立毛布帛、すなわちベ
ルベット、ビロード、別珍などで試験しても、ほとんど
顕著には見られないと言ってもよく特に、本発明で好ま
しく用いられる1デニール以下、より好ましくは0.4、
デニール以下などの極細繊維立毛布帛品や天然のチンチ
ラ毛皮や天然のヌートリヤ毛皮で顕著に見られるもので
ある。
しかしながら、このようなエアーマークやエアーバイ
ブレーション効果に優れる細繊維立毛布帛をそのまま、
目的とする資材基体に接着剤等を用いて付設したので
は、該接着剤や樹脂等が布帛内部側まで浸透したり、裏
通り(布帛裏側から表の立毛側にまで浸透すること)す
るため立毛根本部が強固に固定されてしまうので、自ず
と細繊維を立毛に用いた肝腎の特異現象、すなわち、そ
よぎ効果やゆらぎ効果、前述のエアーマークやエアーバ
イブレーション効果等が消失もしくは低減してしまうの
で、前述したような防藻、防具機能や抗力低減機能が得
られなくなってしまうという不都合がある。
また、接着剤や樹脂が立毛布帛内部へ浸み込むのを避
けるために、例えば両面粘着テープを用い資材基体の接
着させる方法も考えられるが、このような方法では接着
力および耐久性に自ずと問題があり好ましくない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述のような従来技術の問題点に鑑
み、細繊維立毛布帛の最大の特徴であるエアーマーク、
エアーバイブレーション効果などの特異な表面特性を有
する立毛構造を持つ資材をうまく得ること、より具体的
には、細繊維立毛布帛をうまく利用し、上述のエアーマ
ーク、エアーバイブレーション効果などを実際上損なう
ことなく、多数の細繊維立毛を表面に強固に有する立毛
資材を製造する方法を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記の発明を達成するために次の構成から
なるものである。
すなわち、立毛長が0.5mm以上で45mm以下、立毛密度
が4000本/cm2以上600万本/cm2以下である多数の細繊維
立毛を有する立毛布帛(A)の非立毛面に接着剤層
(C)を介して、厚さ10〜100μmのフィルムシート
(B)を有する積層体の該フィルムシート(B)側を資
材基体(D)に貼付けることを特徴とする立毛構造を有
する資材。
[作用] 本発明を更に詳しく説明する。
本発明の方法では、まず、立毛布帛(A)の非立毛面
とフィルムシート(B)とを接着せしめて積層体を得る
ものである。
本発明でいう立毛布帛(A)とは、布帛の一方面に立
毛を有していて他方面は非立毛面である織物、編物、不
織布等であり、特に限定されるものではなく、具体的に
例を挙げて説明すると、織物では、二重ビロード、単パ
イル二重ビロード、複パイル二重ビロード、両面ビロー
ド、プラッシュ、無線ビロード、チンチラ織、シェニー
ル糸使いで得られる織物などの各種の立毛繊維を用いる
ことができ、また、編物ではダブルトリコット立毛編
物、その他経編立毛品、さらに基布の上に立毛をタフテ
ィング、電植した立毛品織物、編物、不織布などを針布
起毛機で加工した起毛布帛などをも用いることができ、
中でも、織物では単パイル、複パイルなどの二重ビロー
ド組織のものがパイル密度、組織の緻密性などの点で好
ましく用いられるものである。
立毛長は、立毛の単繊維繊度によっても異なるが、0.
5mm〜45mmの範囲が良く、最も好ましい範囲としては1mm
〜20mmである。45mmを越えると、織編物の布帛形成が困
難になること、静電植毛方式で立毛を形成せんとする場
合には、繊維が倒れてしまい立毛となり難いなど、ま
た、さらに立毛と立毛とが絡みやすくなり、本発明で必
要な表面の滑らかさが得難くなるという不都合もあり好
ましくない。0.5mm未満の立毛は、織編物、静電植毛方
式いずれでも立毛形成が困難であること、立毛に極細繊
維を用いた場合でも立毛の腰が出て、立毛が立つ傾向に
なり、立毛表面のザラツキ感が強くなり、本発明で必要
な表面の滑らかさが得難くなり好ましくない。
また、原材料の立毛布帛の立毛本数の密度は、4,000
本/cm2程度以上は十分にあることが好ましい。特に、現
在の極細立毛布帛の製造技術では0.01デニール以下の起
極細繊維の製造も十分に可能なので、このような起極細
繊維を用いたときには500万本〜600万本/cm2もの起高立
毛密度の立毛布帛を製造することができるものである
が、このような起高立毛密度の立毛布帛も本発明の立毛
構造を有する資材を得るに際して使用できるものであ
る。ただし、本発明者らの知見によれば、実際生産上の
容易さなども加味して、一般的には、10,000〜200,000
本/cm2程度の高立毛密度程度のものを用いるのがよい。
なお、立毛繊維を構成する繊維形成性ポリマーとして
は、ポリエチレンテレフタレート、あるいはその共重合
体(例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸のごとき
共重合成分など)ポリブチレンテレフタレート、あるい
はその共重合体等のポリエステル類、ナイロン6、11、
12、66、610等に代表されるポリアミド類及びそれらの
共重合体、アクリル系重合体類、ポリウレタン、ポリエ
チレン、起高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン及び
その共重合体類、ポリビニールアルコール、レーヨン等
のあらゆる繊維形成性ポリマーが適用され、これらの中
より適宜目的に応じてポリマを選択すればよい。
本発明において、エアーマーク効果、エアーバイブレ
ーション効果などの有効利用により椅子張り材、壁装材
などの装飾材、さらに上記効果に起因する立毛のそよ
ぎ、ゆらぎ現象などによる防藻、防具性、液体及び基体
界面の抗力低減効果を得る繊維立毛の太さは、単繊維繊
度が細い方が好ましく、具体的には1デニール以下が好
ましく、より好ましくは0.4デニール以下の極細繊維で
ある。特に、エアーバイブレーションなどの立毛繊維の
動的挙動を顕著に得るには、単繊維繊度0.1デニール以
下のものを用いるのが良く、特に好ましくは0.07デニー
ル以下の起極細繊維を用いるのが良いものである。
上述のような極細繊維の製造方法としては、例えば極
細繊維発生型複合繊維から極細繊維を得る方法が好まし
い。より具体的には、剥離型、分割型複合繊維などの繊
維を用いるとともに、該繊維に適応した適宜の化学的ま
たは物理的方法等により剥離、分離極細化処理を行なっ
て極細繊維を得る方法、または複合繊維の一成分の除去
による極細化処理を行なって極細繊維を得る方法、溶出
型複合繊維を用いる方法などの各種の方法が適宜好まし
く用いられ、特に制限されるものではない。
該立毛布帛と積層するフィルムシート(B)は、ポリ
エステル、芳香族サルファイド(PPS)、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリアミド、塩化ビニル、ポリスチ
レンなど、あるいはこれらの共重合体からなるフィルム
などが好ましく用いられるものであり、更に、これらの
2軸延伸フィルムが強度、耐久性などにおいて好まし
い。該フィルムシートの厚さは、10〜100μmの範囲の
ものが好ましく、10μm未満になると、積層体の伸度が
大きくなるといった問題が生じ、逆に厚みが100μmを
越えると、積層体が硬くなって取扱いが困難になるとい
った問題が生じる。
接着剤層(C)は、前記フィルムと立毛布帛の非立毛
面とを接着可能な任意の接着剤が用いられて構成される
ものである。ただし、接着に際して立毛部への影響を及
ぼさない接着方法と接着剤の選定が重要である。すなわ
ち、接着剤としては、熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系
のものなどを使用することができ、具体的には、共重合
ポリエステル系、ポリエステルエーテル系、アクリル酸
系、メタクリル酸系、ウレタン系、エポキシ系、ポリア
ミド系、グリシジルメタクリレート共重合体系などの接
着剤である。特に、本発明のねらいとする立毛部への影
響をより及ぼさない好ましい例としては、共重合ポリエ
ステル系接着剤あるいはウレタン系接着剤であり、かか
る接着剤をフィルムシート上に塗布または/およびラミ
ネートし接着剤層を得るのが最も効果的である。
接着剤の厚みは10〜75μmとするのが好ましく、さら
に好ましくは15〜50μm、さらに好ましくは20〜30μm
である。接着剤層の厚みが75μmを越えると得られる積
層体が硬くなって取扱いがしにくくなる傾向にあり、逆
に、10μm未満では、十分な接着力が概して得られな
い。なお、接着剤層に用いられる樹脂には耐候剤、耐熱
剤、着色剤などが分離、配合されていてもよい。
上述の細繊維立毛布帛とフィルムとの積層体におい
て、立毛部への影響を及ぼさない積層方法の代表例を次
の(1)、(2)で例示するが、積層方法はこれらに限
定されるものではない。
(1) ポリエステル2軸延伸フィルム(B)の片面に
接着剤層(C)として、共重合ポリエステルを溶融押出
ラミネートして、接着剤層を設ける。この接着剤層
(C)面に多毛布帛(A)の非立毛面を重ね、加熱ロー
ルと非加熱ロールからなる一対のロール間を、フィルム
側が加熱ロール部に接触するように熱圧着し、積層体を
得る。
(2) ポリエステル2軸延伸フィルム(B)の片面に
接着剤層(C)として、ウレタン系接着剤溶液をコーテ
ィングした後、オーブンで乾燥して、接着剤層を設けた
後、前記(1)同方法にて処理し、立毛布帛とフィルム
シートとの積層体を得る。
これら方法のごとく該フィルムと立毛布帛とを接着さ
せる方法としては、加熱、加圧下で熱融着により熱接着
させる方法が最も作業性及び接着性にもすぐれているの
で好ましい。かかる加工装置としては、例えば、カレン
ダー装置、アイロンプレス装置などがあげられるが、こ
れら以外の装置も適宜使用することができる。
更に、立毛布帛とフィルムシートの積層体が貼付され
る基材基布(D)とは、次の(1)〜(4)のようなも
のを示す。
(1) 産資建装分野における壁面、椅子の基部面。
(2) 水産資材分野における、ブイ、標識などの漁業
に関する資材、その他に、船舶や船体、港湾等の設備資
材や、海、川、湖沼、港湾などにおいて配されている配
管、配水路、配水溝など各種の水まわりの設備・物品に
関連する資材全体の内、外装面。
(3) マリンレジャー設備分野における、水上滑り
台、ボート・ヨット、サーフィン板・ウィンドサーフィ
ン板、水上スキー・ジェットスキーなどの外壁面。
(4) 陸上、航空上、空中などにおいて省エネにつな
がる乗物すなわち飛行機、ハングライダー、自動車等の
外層面。
立毛布帛とフィルムの積層体を目的とする上記資材の
基体に接着させる方法は、一般的な接着剤、例えばポリ
エステル系、エポキシ系、アクリル系、ポリアミド系、
シラン系、ゴム系、尿素系、メラミン系などの各種処理
剤、樹脂コーティング剤などをフィルムシート(B)面
および/または資材基体面に塗布し接着すればよい。作
業性を考慮した場合、資材基体面に適宜これらの接着剤
を塗布し、積層体を接着させるのが一般的である。
ただし、注意しなければならないことは、接着剤中に
含まれる溶剤等によりフィルムが溶解現象を生じない接
着剤を選定しなければならないことである。仮に接着剤
の選定をあやまると、フィルムが裂けたり溶解したりす
るため、接着剤が立毛布帛の基部に浸透してしまい本発
明の所期の目的とする立毛のなびき、そよぎ現象、前述
のエアーマークやエアーバイブレーション効果等に影響
を及ぼすこととなり本発明の効果を失う結果となる。
[実施例] 以下に本発明を実施例にて詳細に説明するが、これら
の実施例によって本発明が制約、限定されるものではな
い。
なお、説明に用いた各種特性値の測定方法及び効果の
評価方法は、次のとおりである。
(1) エアーマーク効果: 資材基体に付設された立毛布帛表面に空気を吹きつ
け、空気吹付け口または布帛を相対的に移動させたと
き、その空気を吹きつけた跡が見られるか否かを肉眼で
判定した。
もちろん、手でなでれば消せる。
(2) エアーバイブレーション効果: 資材基体に付設された立毛布帛表面の立毛に向って空
気を1点に吹きつけたとき、立毛が四方八方に広がる
が、そのとき明瞭に立毛がバイブレーションの如くゆれ
てなびく現象の度合を肉眼判定した。
(3) 接着強度: 積層体の端面を酢酸エチル、クロロホルムなどの有機
溶剤に浸して、フィルムと接着剤層との界面を剥がした
サイプルを作る。また同様にして布帛と接着剤層との界
面を剥がしたサンプルを作る。これらサンプルを真空乾
燥して有機溶剤を完全に除き、接着力測定試験片を作
る。
JIS K 6854−1977で規定された方法で、布帛とフ
ィルムシートとの接着力を測定するものであり、試験片
の大きさは、幅2.5cm×長さ12cm、剥離速度は20cm/分、
剥離角は180゜とした。
強度的に問題ないと思われるものを○や、やや問題が
あると思われるものを△、まったく問題があると思われ
るものを×とした。
(4) 接着耐久性: JIS L1096記載のスコット形試験機を用い、幅2.5cm
×長さ12cmの試験片を100回揉み、これを接着力測定の
試験片として、試験片の揉み部分の接着力を測定した。
揉みを行なわない試験片における接着力値との比が80
%以上のものを接着耐久性○、80〜50%のものを△、50
%未満のものを×とした。
(5) 総合判定: 極細立毛布帛の資材基体への付設方法として優れてい
るものを○、方法として問題があるものを×とした。
実施例1 島成分がポリエチレンテレフタレート、海成分がポリ
スチレンの海島型複合繊維(島数223、島対海比率60:4
0)よりなる89デニール・24フィラメント系をパイル糸
として用い、75デニール・36フィラメント糸を地タテ
糸、150デニール・48フィラメント糸を地ヨコ糸に用
い、二重ビロード織機にて立毛長さ6mmの立毛布帛を製
造した。織密度はパイル系が46本/in、地タテ糸が92本/
in、地ヨコ糸が104本/inであった。
該布帛を180℃のピンテンタ乾燥機に通し乾燥セット
を行なった後、トリクロルエチレンで立毛糸の海成分を
除去し、単糸繊度0.01デニールの極細繊維立毛布帛とし
た。
その後、液流染色機で立毛が逆毛方向になるように投
入し、通常の条件で染色加工した。染色後、遠心脱水機
で脱水し、タンブルドライヤーにて乾燥した。
こうして得られた布帛を資材基体として別途準備した
プラスチック製平板に次のごとき方法にて付設し、接着
力、接着耐久性、エアーマーク、エアーバイブレーショ
ン特性を評価した。
すなわち、立毛布帛をプラスチック平板上に付設する
方法ととして、ポリエステル2軸延伸フィルムを片面上
に接着剤として共重合ポリエステル(テレフタル酸/イ
ソフタル酸/アジピン酸(モル比(56/44)、エチレン
グリコール/1,4ブタンジオール(モル比32/68)(融点1
12℃)80WT%とポリエチレン(密度0.923g/cm3、MI4.0g
/10min)20wt%とのブレンド物を溶融押出ラミネータに
供給し、240℃で溶融押出した。次いで、立毛布帛の非
立毛面をフィルムの該接着面に圧着した後、カレンダー
ロール装置を160℃に加熱し、フィルム面が加熱ロール
と接触するように圧着加工し、積層体を得た。次いで、
剤積層体を市販の水溶性エポキシ(“デナコール"EX31
3、長瀬産業(株)製)をプラスチック平板上に塗布
(3.8g/m2)し、その上に該積層体のフィルム面を押
圧、乾燥し、接着した。
かくして得られた積層体の特性を評価した結果は、第
1表に記載した通りであり、かかる第1表からわかるよ
うに極細繊維立毛布帛に独特の表面効果も損なわれず、
しかも接着力、接着耐久性共に良好で、積層体として優
れたものであった。
比較例1 実施例1で用いた極細繊維立毛布帛を、プラスチック
平板上に付設する方法として、市販の水溶性エポキシ
(“デナコール"EX313、長瀬産業(株))を布帛の非立
毛面に塗布し、プラスチック平板上に貼付けつけた後、
乾燥した。このときのエポキシ付着量1.5g/m2であっ
た。
こうして得られたものは、第1表に示したように接着
力、接着耐久性においては問題なかったが、立毛表面が
ザラツキ、更に極細繊維立毛特有のエアーバイブレーシ
ョン効果、エアーマーク効果に劣るものであり、立毛布
帛を資材基体へ付設する方法としては好ましいものでは
なかった。
比較例2 実施例1で用いた極細繊維立毛布帛をプラスチック平
板上に付設する方法として、両面粘着テープ(ニチバン
製)を該プラスチック平板の全面に貼り、その上に立毛
布帛を手押して接着した。
こうして得られたものは、第1表に示すように極細繊
維立毛布帛に特有の表面効果には優れていたが、接着
力、接着耐久性に劣り、立毛布帛の付設方法としては、
好ましいものではなかった。
[発明の効果] 以上述べた通りの本発明の方法によれば、フィルムに
より接着剤の布帛内部への浸透が阻止されることによ
り、付設前後において細繊維立毛のタッチ、エアーバイ
ブレーション、エアーマーク効果が損なわれることのな
い立毛構造を有する資材を得ることができる。
また、立毛布帛とフィルムとの積層体をうまく利用し
てなるものなので、布帛のシワ発生、タルミ発生などを
伴うことなく、所望の通りの立毛構造を有する資材を簡
単・容易に製造することができる。
本発明の方法により得られる立毛構造を有する資材
は、建装資材として壁装材や椅子張り材に用いられる、
あるいは、物体と液体との抗力低減効果を有する資材と
して、あるいは藻類、貝類の付着防止効果を有する資材
として、淡水、海水、汽水を問わず、これらの水の汲み
上げ、排水、配水、給水に供せられる配管類や溝の内張
りや、船舶の船体表面、ボート・ヨット、サーフィン板
・ウインドサーフィン板などの表面あるいは溝、液体を
送液するパイプや配管の内壁表面、潜水服の表面、競泳
用水着、水中でのガス・石油などの発掘用プラットホー
ムの架台表面、橋脚表面、係留ロープ・水中ケーブルの
表面などの数々の分野・物品にわたり効果的に適用がな
され得るものである。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立毛長が0.5mm以上で45mm以下、立毛密度
    が4000本/cm2以上600万本/cm2以下である多数の細繊維
    立毛を有する立毛布帛(A)の非立毛面に接着剤層
    (C)を介して、厚さ10〜100μmのフィルムシート
    (B)を有する積層体の該フィルムシート(B)側を資
    材基体(D)に貼付けることを特徴とする立毛構造を有
    する資材。
  2. 【請求項2】細繊維立毛を構成する繊維が、1.0デニー
    ル以下のものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の立毛構造を有する資材。
  3. 【請求項3】厚さ10〜100μmのフィルムシート(B)
    上に接着剤層(C)を塗布または/およびラミネート
    し、該接着剤層(C)に、立毛長が0.5mm以上で45mm以
    下、立毛密度が4000本/cm2以上600万本/cm2以下である
    多数の細繊維立毛を有する立毛布帛(A)の非立毛面を
    接着せしめて積層体とし、さらに該積層体のフィルムシ
    ート(B)側を資材基体(D)に貼付けることを特徴と
    する立毛構造を有する資材の製造方法。
  4. 【請求項4】厚さ10〜100μmのフィルムシート(B)
    上に接着剤層(C)を塗布または/およびラミネート
    し、該接着剤層(C)に、立毛長が0.5mm以下で45mm以
    下、立毛密度が400本/cm2以上600万本/cm2以下である多
    数の細繊維立毛を有する立毛布帛(A)の非立毛面を接
    着せしめて積層体を作成するに際して、該フィルムシー
    ト(B)側に加熱ロール、該立毛布帛(A)側に非加熱
    ロールを用いて熱圧着されたことを特徴とする積層体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】細繊維立毛を構成する繊維が、0.1デニー
    ル以下のものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の立毛構造を有する資材。
  6. 【請求項6】該フィルムシート(B)と該資材基体
    (D)の貼付けにポリエステル系、エポキシ系、アクリ
    ル系、ポリアミド系、シラン系、ゴム系、尿素系、又は
    /及びメラミン系の処理剤乃至は樹脂コーティング剤が
    用いられていることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の立毛構造を有する資材。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第(1)項記載の資材を用
    いたことを特徴とする産資建装用立毛構造を有する資
    材。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第(1)項記載の資材を用
    いたことを特徴とする水産用立毛構造を有する資材。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第(1)項記載の資材を用
    いたことを特徴とする漁業、船舶、港湾の設備に関連す
    る立毛構造を有する資材。
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JPS5727327U (ja) * 1980-07-21 1982-02-13
JPS60208230A (ja) * 1984-04-03 1985-10-19 帝人株式会社 立毛布帛

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