JP2855667B2 - セールクロス - Google Patents

セールクロス

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JP2855667B2 JP1173651A JP17365189A JP2855667B2 JP 2855667 B2 JP2855667 B2 JP 2855667B2 JP 1173651 A JP1173651 A JP 1173651A JP 17365189 A JP17365189 A JP 17365189A JP 2855667 B2 JP2855667 B2 JP 2855667B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐久性に優れたヨット用やウィンドサーフ
ィン用などのセールクロスに関する。
[従来の技術] 近年、セールクロス用の布帛として合成繊維フィラメ
ント織物が多く使用されており、なかで、ポリエステル
フィラメント織物が最も多く使用されている。
かかるセールクロスを大別すると、布帛に樹脂を含浸
した樹脂含浸タイプや布帛にフィルムをラミネートまた
は接着したラミネートタイプ、さらにはフィルム単独の
シートからなるモノフィルムタイプの3種のものなどが
ある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、これらの従来セールクロスはいずれも耐屈曲
性、耐揉み性に弱い欠点があった。
すなわち、樹脂を含浸するタイプでは、樹脂が屈曲や
揉みに対して剥離や脱落しやすいという欠点があり、そ
の上、このタイプでは高密度織物を使用するために重す
ぎて取扱いにくく、転覆時に引上げにくい欠点があっ
た。
また、フィルムラミネートタイプでは、布帛の両面ま
たは片面にポリウレタン系接着剤を介してポリエステル
系2軸延伸フィルムを積層したものがあるが、このタイ
プのものはフィルムが屈曲や揉みに弱く、基布とフィル
ムとの界面で剥離しやすく、さらにフィルム部分で引裂
けやすいという欠点があった。
また、モノフィルムタイプのものはフィルム自体、屈
曲や揉みなどの外力に弱く、引裂強力が弱い欠点があっ
た。
本発明はかかる従来セールクロスの欠点に鑑み、軽く
て、かつ屈曲や揉みに耐して強くで、引裂けにくい耐久
性に優れたセールクロスを提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために次のような構成
を有する。
すなわち、本発明のセールクロスは、少なくとも一方
がポリエステルであり、かつ熱溶融差を有する少なくと
も2種以上のポリマーからなる複合繊維を経糸および緯
糸の少なくとも一方の糸に用いてなる織物の片面に樹脂
被膜を有しており、かつ該複合繊維を構成するポリマー
のうち、ポリエステル成分からなる繊維成分の単糸繊度
は少なくとも1デニールであり、このポリエステルに比
して低温で溶融するポリマー成分によって該樹脂被膜が
構成されており、かつ、該樹脂被膜面の反対面の織物組
織は、該複合繊維糸条が、そのままの状態で存在してい
るか、もしくは、該複合繊維の低温で溶融するポリマー
成分が一部溶融して変形した状態で存在しているか、ま
たは、これらが混在する形のいずれかの繊維状態を維持
した構造を有することを特徴とするものである。
または、あるいは、本発明のセールクロスは、少なく
とも一方がポリエステルであり、かつ熱溶融差を有する
少なくとも2種以上のポリマーからなる複合繊維を経糸
および緯糸の少なくとも一方の糸に用いてなる織物の片
面に樹脂被膜を有しており、かつ該複合繊維を構成する
ポリマーのうち、ポリエステル成分に比して低温で溶融
するポリマー成分によって該樹脂被膜が構成されてお
り、かつ、該樹脂被膜面の反対面の織物組織は、該複合
繊維糸条が、そのままの状態で存在しているか、もしく
は、該複合繊維の低温で溶融するポリマー成分が一部溶
融して変形した状態で存在しているか、または、これら
が混在する形のいずれかの繊維状態を維持した構造を有
するシートよりなるセールクロスであり、該シートのタ
テおよびヨコ方向の引裂強力が共に1.0kg以上で、伸度
幅2.5cm当りの引張力20ポンド荷重下におけるバイアス
方向の伸度が2%以下であることを特徴とするものであ
る。
[作用] 本発明のセールクロスを形成する複合繊維は、熱によ
り溶融する温度が異なる2種以上のポリマーで構成され
た複合繊維であって、その一方の成分がポリエステルで
構成されている繊維である。
この複合繊維は、たとえば、熱溶融温度が比較的高温
であるポリエステル成分(B)と、このポリエステルよ
り低温で溶融するポリマー成分(A)のいずれか片成分
または両成分とも複数含まれているものであってもよ
い。また、溶融性の異なるポリマー成分(A)および
(B)として、複数種のものが用いられていてもよく、
それらがそれぞれ別々の複合繊維として混用されていて
もよい。
本発明は、ポリエステル(ポリマー(B))をセール
クロスの骨格たる織物組織の主体をなす成分として採用
したことによって、水に濡れたときの寸法安定性に優れ
たセールクロスを提供し得たものである。
これに対しナイロンのような水の存在で膨潤したり、
伸長するようなポリマーをポリマー(B)として採用す
ると、水濡れ時に3%以上も寸法変化をもたらし、セー
ルの形態が変化してしまう欠点があり、セールクロスと
しては望ましくない。
かかるポリエステル(ポリマー(B))としては、た
とえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートなどのホモポリエステルのような強度ならび
に非水膨潤性に優れたものが好ましいが、本発明の目的
を阻害しない範囲であれば共重合成分や混合物が存在し
ていてもよい。
本発明のセールクロスは、上述のポリエステル成分の
特性によって織物特性が左右されることがあるので、該
ポリエステル成分のスペックは慎重に決定されるべきも
のである。たとえば、複合繊維中のポリエステル成分の
繊度は、好ましくは単糸繊度1デニール程度以上、より
好ましくは1.5デニール以上であるものを用いることが
織物物性の上から望ましい。ポリエステル成分の単糸繊
度が1デニール未満の細い繊維の場合には、セールクロ
スとして要求される耐屈曲性、耐揉み性ならびに引裂強
力が不足したり、またポリマー(A)の成分を溶融させ
る際に同時に溶融する可能性もあって、繊維強度の低下
や伸度の変化を招く危険が大きくなる傾向にあり、一般
に好ましくない。したがって、本発明において、1デニ
ール未満の単糸繊度のものを用いる際には、使用繊維の
本数をより多くする等の工夫をすることが肝要である。
上述の織物は、該複合繊維糸条を経糸および緯糸の少
なくとも一方、好ましくは両方に使用した織物であっ
て、平織、朱子織、綾織などの組織のものが使用でき
る。なかでも平織組織のものが伸度特性、平面性、透明
性などセールクロスの要求特性の上から好ましい。
かかる織物を構成する織糸は、好ましくは50〜300デ
ニールの範囲で、織密度は好ましくは50〜200本/イン
チの範囲とするのがよい。
また、織物の目付は好ましくは300g/m2以下、さらに
好ましくは80〜200g/m2のものが、軽くて、取扱い性の
よりセールクロスを実現できるので好ましい。
本発明のセールクロスは、その骨格はポリエステル繊
維の織物で構成されているものであり、その片面は、織
物組織の少なくとも間隙部(目合ならびに繊維間隙)を
ポリマー(A)からなる樹脂被膜で連続化されたシート
構造を有するものである。
かかるシート構造は、上述の複合繊維を用いて一旦織
物を製織した後、片面に加熱してポリマー(A)を溶融
し被膜化して形成することができる。
本発明において、上述の被膜化は片面のみ行ない、他
面は織物組織をその状態で残存させて存在させるもので
あり、かかる織物組織は、複合繊維糸条がそのまま存在
しているか、もしくは、該複合繊維の各成分が混在する
状態、すなわち、該複合繊維の低温で溶融するポリマー
成分が溶融変形した複合繊維を含む形で構成されている
か、または、これらが混在する形のいずれかの繊維状態
を維持した構造を有するところに特徴を有するものであ
る。
これらの残存状態は、前者の複合繊維のままの状態
か、あるいは後者の複合繊維の各成分が分離されて混在
す状態の両者が共存してもよいものである。
本発明者らの知見によれば、このような表側と裏側の
構造の相違する実質的に2層の断面構造とすることによ
り、引裂強力を1.0kg以上に向上せしめることができ、
表面側と裏面側の双方ともにポリマー(A)の成分で被
膜化してしまうと、引裂強力は低いものとなってしま
う。
本発明の複合繊維においては、ポリマー(A)とポリ
エステルとが、好ましくは重量比(A/B)で10/90〜70/3
0、さらに好ましくは30/70〜50/50の範囲にあるものが
好ましい。
ポリマー(A)の複合量が少なすぎては耐久性のある
被膜が得られにくく、またポリエステルが少なすぎても
強度的に劣る傾向が出てくる。
かかるポリマー(A)としては、柔らかくて屈曲や衝
撃に強く、引裂強力の大きい性質を有するものが、膜特
性のよい樹脂被膜を提供するので好ましい。もちろんポ
リエステルとの接着性の良いものを選択するのが好まし
いことは言うまでもないことである。これに対し、たと
えばポリスチレンなどのように硬くて屈曲や衝撃に弱
く、引裂強力の小さい性質を有するものは、一般的には
好ましくないと言える。
かかるポリマー(A)としては、たとえば、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリウレタンやこれらの共重合
体、ナイロン、ナイロンにポリアルキレングリコール、
ジカルボン酸やアミン類などを共重合したもの、ポリエ
ステルの繰り返い単位を構成する酸成分にイソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸またはアジピン
酸などの脂肪族ジカルボン酸を共重合したり、アルコー
ル成分の一部にポリアルキレングリコールを共重合した
ものなどを使用することができるが、上述のポリマー
(A)として要求される性質を有するポリマーであれば
これらに限定されるものではない。
しかし、これらのポリマー(A)のなかでもポリエス
テル系のポリマーが、水膨潤性ならびに水に濡れたとき
の寸法安定性の上から好ましい。
本発明のセールクロスにおいては、外部からの受熱に
より、ポリマー(A)成分を溶融して被膜化するが、そ
のときに骨格をなすポリエステル成分(ポリマー
(B))はできるだけ熱劣化の起きない条件で被膜化処
理を行なうのが好ましい。すなわち、ポリマー(A)と
して、ポリエステル(ポリマー(B))より溶融温度差
が大きいものを選択するほど、熱により該ポリエステル
への悪影響を小さくすることができ、好ましくは溶融温
度差が20℃以上、さらに好ましくは30℃以上である複合
繊維を用いれば、織物特性、物性に優れた耐久性のある
セールクロスを提供し得るものである。
本発明で用いることのできる複合繊維の複合例として
は、熱溶融差を有するポリマーを、主として第1図のよ
うなバイメタル型または第2図のようなポリマー(B)
成分の両サイドにポリマー(A)成分を積層した3層積
層タイプ、さらに第3図のような芯鞘型などの貼り合わ
せタイプなどがあげられる。芯鞘型の複合態様としては
複数の芯が存在するものでもよいが、好ましくは第4図
のような中心または偏心的に芯成分が偏在する構造が好
ましく、特に好ましくは芯が1本で、かつ芯の繊度が1
デニール以上のものである。
なお、本発明のセールクロスは上述の複合繊維により
主として構成されるものであるが、該複合繊維糸条に加
えて別の繊維を混用してもよい。
たとえば該織物を構成する複合繊維に使用したポリマ
ー(A)成分とは異なるポリマー(A′)、たとえば、
さらに低温で溶融したり、弾性や接着性に優れた性質を
有するポリマー(A′)からなる繊維を混織、混紡した
り、またかかる繊維を混織、交織することができる。こ
のようにすれば樹脂被膜をさらに補足、補強することが
でき、所望の性質を有する被膜を適宜得ることができ
る。
また、ポリエステル成分より優れた繊維物性を有する
別の繊維を、該複合繊維に加えて混用することができ、
この場合には織物物性を適宜所望の性質に向上させたも
のとすることができる。
本発明では、かかる複合繊維糸条を用いて、まず製織
して織物を構成した後、熱処理を施すことにより、ポリ
マー(A)を溶融、被膜化して、前述したような実質的
に2層の構造体にしてセールクロスを得る。
このときの熱処理温度は、ポリマー(A)を構成する
ポリマーの種類により相違するが、ポリマー(A)が溶
融する温度以上で、かつ骨格をなすポリエステル(ポリ
マー(B))が溶融する温度未満であることは言うまで
もないことである。
ここで重要なことは、該織物の片面側においてはポリ
マー(A)を溶融して被膜化するが、他面側においては
ポリマー(A)は溶融しないように配慮することであ
る。すなわち、ポリマー(A)を表裏面共に溶融して該
織物の全面をフィルム化してしまうと、引裂強力が著し
く低下し、さらに屈曲や揉み作用により破れ易くなる傾
向が出てくる。
熱処理方法としては、上述の繊維構造からなる織物の
片面のみにおいてポリマー(A)成分を加熱溶融して被
膜化できる方法であれば方法に制限はないが、たとえ
ば、布帛を片面から受熱させてポリマー(A)を溶融さ
せると同時にこの溶融ポリマーを加圧して平面上に延ば
して被膜化する加熱プレス法が好ましく使用できる。特
に熱カレンダー法が被膜形成性ならびに膜特性の点から
好ましい。
この熱処理の際、好ましくは熱溶融面の反対面は冷却
ロールや冷却プレス盤などのように冷却させた状態で処
理する。この方法によれば、さらに適確に片面側におい
て繊維糸条のまま存在せしめることができる。
さらに、本発明の複合繊維または織物は、上述の熱処
理前の段階で、低温プラズマ処理が施されることも好ま
しいものである。かかる処理により、樹脂被膜特性なら
びに基布と該被膜との接着性をより一層向上させること
ができる。
良好に形成された本発明のセールクロスの特徴は、引
裂強力が高い点にある。
すなわち、シングルタング法により測定したときに、
タテ、ヨコ方向ともに、概して好ましくは1.0kg以上、
さらに好ましくは1.5kg以上の引裂強力を有する。
また、本発明のセールクロスは、好ましくはフラジー
ル法により測定したときの通気度が、0.36cc/cm2/秒以
下、好ましくは0〜0.1cc/cm2/秒であるという非通気性
を有する点に特徴を有する。
この非通気性は、繊維(A)樹脂からなる被膜によっ
て達成されるが、本発明のセールクロスでは、かかる被
膜としては、好ましくは厚さ10μ以上のものがよい。
本発明のセールクロスは、好ましくは伸度幅2.5cm当
りの引張力20ポンド荷重下で測定したときのバイアス方
向の伸度が2%以下と非常に低いと言う特徴を有する。
本発明のセールクロスは、さらに好ましくは、スコッ
ト型揉み試験機(大栄精器科学社製)を用いて、振幅幅
±1.0cm、押圧2kg/cm2の条件で100回揉んだ後において
も、なお上述の伸度が2%以下に保持されているもので
ある。
この伸度特性は、該セールクロスの織組織ならびに前
述の被膜との相乗効果によって達成されるものである。
本発明のセールクロスは、さらに適宜の他のシート物
を積層あるいは複合させてもよい。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1、比較例1 溶融点256℃のポリエチレンテレフタレート(ポリマ
ー(B))と、溶融点156℃のポリブチレンテレフタレ
ート/イソフタレート−ポリテトラメチレングリコール
共重合体(モル比:PBT/I−PTMG=70/30−50)(ポリマ
ー(A))とを、バイメタル型複合紡糸口金(第1図)
により、両成分の重量比をB/A=55/45として溶融紡糸、
延伸して、200デニール48フィラメント(ポリマーB成
分の単糸繊度:2.29d)糸条と、200デニール128フィラメ
ント(ポリマーB成分の単糸繊度:0.86d)糸条の2種の
第1図の断面を有する複合繊維糸条を得た。
これらの複合繊維糸条をそれぞれ経糸および緯糸に用
い、タテ糸密度70本/インチ、緯糸密度62本/インチの
平織物を2種製織した。
これらの織物を通常の方法で精練、乾燥した後、カレ
ンダー温度175℃、ニップ圧15kg/cm2の熱カレンダー
(片側ロール:水冷却ロール使用)により熱処理して、
片面に非通気性樹脂被膜を有する目付が、127g/m2の実
施例1と、130g/m2の比較例1の2種のセールクロスを
得た。
これらのクロスの評価結果を第1表に示した。
第1表から明らかなように、ポリマー(B)の単糸繊
度が0.86デニールのものは、概して引裂強力が小さく、
また揉み後の伸度が大きくなり、セールクロスとして理
想的なものとは言えないものであった。ただし、これら
のクロスは水に一昼夜浸漬した後も何らの寸法変化も形
態変化を惹起しなかった。
実施例2 溶融点256℃のポリエチレンテレフタレート(ポリマ
ー(B))と、溶融点220℃のイソフタール酸を15モル
%共重合したポリエチレンテレフタレート(ポリマー
(A))とを、複合紡糸用口金(第2図)により、両成
分の重量比をB/A=65/35として、溶融紡糸、延伸し、20
0デニール48フィラメント(ポリマーB成分の単糸繊度:
2.71d)の第2図の断面を有するバイメタル型複合繊維
を得た。
この複合繊維糸条を経糸および緯糸に用い、タテ糸密
度68本/インチ、緯糸密度63本/インチの平織物を製織
した。
この織物を通常の方法で精練、乾燥した後、カレンダ
ー温度245℃、ニップ圧20kg/cm2の熱カレンダー(片側
ロール:水冷却ロール使用)により熱処理して、片面に
非通気性樹脂被膜を有する目付131g/m2のセールクロス
を得た。
このクロスの評価結果を第2表に示した。
実施例2のものは、伸度、引裂強力ならびに通気度の
いずれも優れており、3拍子揃ったセールクロスであっ
た。また、このクロスは水に一昼夜浸漬した後も何らの
寸法変化も形態変化も惹起しなかった。
比較例2 溶融点233℃のナイロン6,6(ポリマー(B))と、溶
融点180℃のナイロン6(ポリマー(A))とを、バイ
メタル型複合紡糸用口金を用いて、ポリマー(B)とポ
リマー(A)の重量比を65/35とし、溶融紡糸、延伸
し、200デニール48フィラメントのバイメタル型複合繊
維糸条(第2図)を得た(ポリマーB成分の単糸繊度:
2.71d)。
次いでこの複合繊維糸条をタテ糸およびヨコ糸に用
い、タテ糸密度68本/インチ、ヨコ糸密度63本/インチ
の平織物を製織した。
この織物を、通常の方法で精練、乾燥した後、カレン
ダー温度200℃、ニップ圧10kg/cm2の熱カレンダー(片
側ロール:水冷却ロール使用)により熱処理して、目付
128g/m2のセールクロスを作成した。
このシートの評価結果を第2表にまとめた。
かかる比較例2のものは、初期の乾燥時には、伸度、
引裂強力ならびに通気度のいずれも良好なセールクロス
であった。しかし、このクロスを水に一昼夜浸漬したと
ころ、クロス全体にシワが入り、寸法変化が大きく形態
変化を起こしており、セールクロスとしては実用できな
いものであった。
比較例3 実施例2の生織を用い、熱処理のみ、熱風加熱式のピ
ンテンターを用いて260℃で熱処理した後、ニップ圧15k
g/cm2のでニップして、該性織の両面に非通気性樹脂被
膜を形成せしめて、目付133g/m2のセールクロスを得
た。
このクロスの評価結果を第2表に示した。
第2表から明らかなように、かかる比較例3のもの
は、引裂強力が著しく低いものであり、このクロスは、
その両面において被膜が完全な連続被膜の形で形成され
ていることが該引裂強力の著しく弱い理由と認められる
ものであった。
比較例4 実施例2の生織の両面、または片面にポリウレタン系
接着剤を介して、厚さ50μポリエステル系2軸延伸フィ
ルムを積層したクロスを2種得た。
これらのクロスについては、実施例2で得られたもの
と併せて次の耐揉みテストを行なった。
まず、試験片を沸騰水の中に2時間浸漬し、次いで1
時間室温水に浸漬し、湿潤状態のままスコット型揉み試
験機(大栄精器科学社製)を用いて、振幅幅±1.0cm、
押圧2kg/cm2の条件で100回揉んだ。
その結果、実施例2のクロスは何ら変化は生じなかっ
たが、片面フィルムラミネート品ならびに両面フィルム
ラミネート品のいずれも屈曲部から剥離が発生してい
て、耐久性に弱いことを示した。
このテスト後の試験片について引裂テストをしたとこ
ろ、両面フィルムラミネート品は、フィルムがタテ方向
0.9kg、ヨコ方向0.7kgで引裂けた。また、片面フィルム
ラミネート品も、やはりフィルムがタテ方向0.7kg、ヨ
コ方向0.5kgで引裂けた。
これに対し、実施例2のクロスは、タテ方向2.2kg、
ヨコ方向2.0kgと高い引裂強力を維持していた。
[発明の効果] 本発明は、軽量で耐屈曲性ならびに耐揉み性に優れ、
しかも引裂強力や伸度も非常に低い優れたセールクロス
を提供するものである。
かかる特徴を有する本発明のセールクロスは、軽くて
操縦性に富み、平滑性に優れているので、風の捕かく性
に富み、非常に良好な帆走性能を有するものであり、シ
ャープなセーリング感覚が得られるとともに、スポーツ
感覚、競技感覚を満喫できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明のセールクロスを構成する織物
に使用される複合繊維の断面の構造の各種形態例を示す
模式図である。 A:B成分のポリエステルより低温で溶融するポリマー成
分 B:ポリエステル成分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06C 7/02 D06M 15/00 D01F 8/04 D03D 15/00 D03D 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方がポリエステルであり、か
    つ熱溶融差を有する少なくとも2種以上のポリマーから
    なる複合繊維を経糸および緯糸の少なくとも一方の糸に
    用いてなる織物の片面に樹脂被膜を有しており、かつ該
    複合繊維を構成するポリマーのうち、ポリエステル成分
    からなる繊維成分の単糸繊度は少なくとも1デニールで
    あり、このポリエステルに比して低温で溶融するポリマ
    ー成分によって該樹脂被膜が構成されており、かつ、該
    樹脂被膜面の反対面の織物組織は、該複合繊維糸条が、
    そのままの状態で存在しているか、もしくは、該複合繊
    維の低温で溶融するポリマー成分が一部溶融して変形し
    た状態で存在しているか、または、これらが混在する形
    のいずれかの繊維状態を維持した構造を有することを特
    徴とするセールクロス。
  2. 【請求項2】少なくとも一方がポリエステルであり、か
    つ熱溶融差を有する少なくとも2種以上のポリマーから
    なる複合繊維を経糸および緯糸の少なくとも一方の糸に
    用いてなる織物の片面に樹脂被膜を有しており、かつ該
    複合繊維を構成するポリマーのうち、ポリエステル成分
    に比して低温で溶融するポリマー成分によって該樹脂被
    膜が構成されており、かつ、該樹脂被膜面の反対面の織
    物組織は、該複合繊維糸条が、そのままの状態で存在し
    ているか、もしくは、該複合繊維の低温で溶融するポリ
    マー成分が一部溶融して変形した状態で存在している
    か、または、これらが混在する形のいずれかの繊維状態
    を維持した構造を有するシートよりなるセールクロスで
    あり、該シートのタテおよびヨコ方向の引裂強力が共に
    1.0kg以上で、伸度幅2.5cm当りの引張力20ポンド荷重下
    におけるバイアス方向の伸度が2%以下であることを特
    徴とするセールクロス。
  3. 【請求項3】該複合繊維が、熱溶融差を有する複数種の
    ポリエステル系成分の組合せによるものである請求項1
    または2記載のセールクロス。
  4. 【請求項4】該織物が、300g/m2以下の目付を有する請
    求項1または2記載のセールクロス。
  5. 【請求項5】該織物が、平織組織である請求項1または
    2記載のセールクロス。
  6. 【請求項6】該織物が、プラズマ処理されている請求項
    1または2記載のセールクロス。
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