JP3535097B2 - 二重織物生地およびその製造方法 - Google Patents
二重織物生地およびその製造方法Info
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- D06C27/00—Compound processes or apparatus, for finishing or dressing textile fabrics, not otherwise provided for
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- Textile Engineering (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Treatment Of Fiber Materials (AREA)
Description
として十分な強度を有する二重織物に関する。
風合いを有し、また極細繊維による微細な毛羽を形成さ
せることによってスエード調やチンチラ調の風合いを得
ることができる。このため、衣料用途だけでなく種々の
用途を考えることができる。
維強度を高めることが困難であって、これは特に資材用
途において問題となる。すなわち、衣料用途の場合1k
g程度の引き裂き強度を有すれば十分であるが、椅子張
り等の資材用途の場合、これよりも高い2kgを十分に
超え、好ましくは4kg以上の引き裂き強度を有するこ
とが求められるためである。
強力を有した織物は少なく、従来においては、樹脂によ
るバッキングや、裏面に補強基材を積層すること等によ
って引き裂き強度を高めることが知られているに過ぎな
かった。
を行なわないものとしては、二重織物として弾性重合体
を付与しスエード調の起毛織物としたものが特開昭56
−378号公報等に記載されている。
題点がある。
する方法では、織物の屈曲等によって微細毛羽の間から
バッキング層等が露出した場合に外観上染色ムラとして
見え(所謂、目むき)、その品位を著しく低下させてし
まう。このため、バッキング層等の無い高品位の起毛織
物であって十分な引き裂き強力を有したものが求められ
ていた。
ード調起毛織物は衣料用途を主目的としたものであるた
め、前述の如く、2kg程度の引き裂き強力しか有しな
いものであり、これらに記載された単なる緯二重織物
や、経二重織物等では、十分な引き裂き強力を得ること
は困難であった。
目的は、極細繊維を用いた織物であって、バッキング層
を有しないため基材層と微細毛羽とを実質的に同色にし
て染色ムラの発生を防止し、しかもバッキング層等が無
くても資材用途として十分な引き裂き強力を有した織物
を提供することにある。
ントからなる裏織物と単糸繊度1デニール以下の極細繊
維の微細毛羽を表面に有する表織物とが接結糸によって
一体化された接結二重織物であって、極細毛羽を形成す
る繊維と裏織物を形成する繊維が実質的に同色に染色さ
れ、当該接結二重織物には弾性重合体が付与されてお
り、引裂き強力が4kg以上であることを特徴とする二
重織物生地であり、かかる織物生地は、分割後の単糸繊
度が1デニール以下となる溶解分割型複合繊維を用いた
表織物と100デニール以上の合成繊維フィラメントか
らなる裏織物とが接結糸によって一体化された接結二重
織物を製織した後、溶解分割型複合繊維を溶解分割処理
し、表織物表面にサンディング加工を施して、極細繊維
の微細毛羽を表面に有する織物となした後、当該織物を
染色して極細毛羽を形成する繊維と裏織物を形成する繊
維とを実質的に同色に染色し、更に弾性重合体を付与す
ることにより製造することができる。
る溶解分割型複合繊維の横断面形状を示す4つの模式図
である。それらの図のAはアルカリ溶解性ポリエステル
を示し、Bはポリエチレンテレフタレートを示す。
の説明図である。
ミド等の合成繊維フィラメントであるが、椅子張り等の
用途を考慮すれば、耐光性等に優れたポリエステル系繊
維が好ましい。
ール以上の太繊維と、主に表織物の微細毛羽を形成する
単糸繊度1デニール以下の細繊維との少なくとも2種の
繊維が必要である。かかる繊維のうち、太繊維は、本織
物の引裂強力の維持に寄与するため、前記範囲の繊維が
必要である。更に、後述する如く20kg以上の引裂き
強力を維持するためには200デニール以上、好ましく
は250デニール以上の総繊度を有することが好まし
い。また、かかる繊維の単糸繊度も余りに細いものは避
けるべきで2デニール以上の繊度を有するものが好まし
い。
糸繊度が1デニール以下、好ましくは0.7デニール以
下の極細繊維であって、直接紡糸することによって得ら
れたものであっても良いが、後述する如く複合繊維を溶
解分割することにより得られたものが工程通過生の点か
ら好ましい。
繊分割法によるものもあるが、かかる方法によるもの
は、分割後に複数種類の繊維が発生する場合が多く、同
色に染色することが困難となるため、細繊維は単一種類
の繊維から構成することが好ましく、溶解分割型複合繊
維を使用することが好ましい。
が接結二重織物である点にある。接結二重織物は、二重
織物の一種ではあるが、二種類の組織の緯糸が経糸を共
通として組織された緯二重織物や、二種類の組織の経糸
が緯糸を共通として組織された経二重織物とは異なり、
二種の独立した組織の生地が一方の生地の経糸又は緯糸
を他方の生地に交錯させて接結したもので、その厚みの
点や完全に二種の組織からなるものである点で緯二重織
物や経二重織物とは異なる。
種々のものが挙げられるが、表織物については緯糸の経
糸に対する浮き数が3〜10、好ましくは3〜7である
経朱子織物等のドビー組織が好ましい。これは、微細毛
羽を得るためであって、浮き数が3未満のものは、起毛
性に劣り十分な微細毛羽を形成し難く、また7を超える
ものは鱗片状の外観となって品位が低下するおそれがあ
るためである。尚、裏織物については十分な引裂強力を
得るために平織物であることが好ましい。
の交絡点の1〜10%であることが好ましい。接結点の
比率がかかる範囲より少ないと表織物と裏織物との接結
が十分に行なわれず、その結果、加工中に表生地と裏生
地の分離が生じ易く、後述するサンディング加工等を施
すことが困難となり勝ちである。一方、接結点の比率が
多過ぎると表生地で接結点が目立ち過ぎ品位を損なうお
それがある。
れば良いが、表織物は、微細毛羽を形成有するため、若
干高密度とすることが好ましく、表地の微細毛羽を形成
する繊維の繊度(デニール)0.5×本/インチで示され
るカバーファクターの値を1500〜2500程度とす
ることが好ましい。一方、裏織物は、太繊維からなるた
め適度な密度とすることが好ましく、経緯カバーファク
ターの合計値を1100〜1800程度とすることが好
ましい。
を有するものである。微細毛羽は、カットパイルである
ことが好ましく、パイル長は0.5〜1mm程度である
ことが好ましい。また、パイルの密度は、10〜65万
本/cm2以上であることが好ましい。
細毛羽を形成する繊維と裏織物を形成する繊維とが実質
的に同色に染色されていることが必要である。このよう
に染色されることによって織物が屈曲を受け裏織物が極
細毛羽の間から露出してもこれが目立つことがなく、目
むき現象を抑制することができるからである。
維から形成するのが最も容易であり、従って、前述の如
く両繊維をポリエステル系繊維から形成することが好ま
しい。
かかる弾性重合体とは、天然ゴム、アクリル樹脂、シリ
コーン樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂
等を挙げることができ、特にウレタン樹脂が好ましい。
また、ウレタン樹脂には、水溶系ウレタン樹脂及び溶剤
系ウレタン樹脂があるが、溶剤系ウレタン樹脂が特に好
ましい。また、ポリエステル系、カーボネート系、エー
テル系の何れであっても良いが、耐磨耗性の点からポリ
エステル系ウレタン樹脂が好ましい。
等に付着して、本織物の磨耗強度を高める作用を有す
る。すなわち、微細毛羽に付着した樹脂は各微細毛羽間
を接着して、その脱落を防止する。
とにある。前述の如く、衣料用途に用いる場合1kg程
度の値を有すれば十分であるが、本発明が目的とする椅
子張り等の資材用途の場合、これよりも遙かに高い4k
g以上の引裂き強力を有することが求められる。このた
め、前記の如き繊維の使用や、織物設計が必要となる。
尚、引裂き強力はJIS L1096 D法にて測定し
たものである。
度な厚みを有することが要求され、その厚みは、一般に
は0.8〜2.0mm程度となる。
しい。ここでチンチラ調の外観とは、微細毛羽の各立毛
方向がある程度のエリア内では実質的に同方向を向いて
おり、かかるエリアが表織物表面に散在している状態を
いう。このような立毛構造を有する場合、立毛方向の相
違部で外観上濃淡が現れ、これが散在することによっ
て、濃淡模様が生じて、所謂チンチラ調の外観となる。
法について説明する。
かる際に前述の如く、二種の繊維を用いる。すなわち、
一方は裏織物を形成する100デニール以上、好ましく
は150デニール以上、更に好ましくは200デニール
以上、特に好ましくは250デニール以上の総繊度を有
する太繊維であり、他方は1デニール以下の細繊維を生
ずる溶解分割型複合繊維である。
の成分を接合したもので、苛性ソーダ等のアルカリ成分
を溶剤として用いる場合は、アルカリ易溶解性の共重合
ポリエステル、例えばポリアルキレングリコールや金属
スルホネート基を有するジカルボン酸の1種又は2種を
共重合したポリエチレンテレフタレートを易溶解成分と
し、これをポリエチレンテレフタレート等と複合するこ
とによって溶解分割型複合繊維とすることが挙げられ
る。かかる異種成分の接合形状としては、図1に示す如
く、サイドバイサイド型、放射状型、海島型等、種々の
ものがあるが、1デニール以下の極細繊維を安定して得
られるという点では放射状型、すなわち4〜8個の難溶
解成分からなる放射状部とその間を補完する易溶解成分
とからなるもの、或いはこれに中空部を有したり、難溶
解成分からなる芯成分を有するもの等が好ましい。
水収縮率を有する高熱収縮繊維と混繊した、所謂異収縮
混繊糸として用いることによって、より顕著に微細毛羽
を形成することができるため好ましく、かかる際の両糸
の沸水収縮差としては、25〜45%程度であることが
好ましい。
デニール以上の総繊度を有した合成繊維フィラメントと
を交織して、前記の如き接結二重織物、すなわち表織物
については朱子織組織等、裏織物については平織物組織
等からなる接結二重織物を、レピア織機、エアージェッ
ト織機等の織機を用いて製織する。また、本織物は、表
裏で使用糸の繊度、組織が大きく異なるため、製織は二
重ビームを用いて、表織物と裏織物とで織張力を夫々調
整しつつ行なうことが、表面品位の高い製品を得る点で
好ましい。
解成分を除去し極細繊維に分割する。かかる溶解処理
は、前記の如くアルカリ成分を溶剤として用いる場合
は、減量加工に準じて処理を行なえば良い。
が主として極細繊維により形成されたものとなるので、
かかる面に起毛処理施して極細繊維を形成せしめる。か
かる起毛処理としては、一般には種々のものが存在する
が、特にサンディング加工により極細繊維を一部切断し
つつ起毛して、表面に微細毛羽を形成せしめる方法を用
い、#180〜#240を用いて、2回掛け以上行なう
ことが好ましい。
く、織物強度の低下を抑制するためには、このような加
工を施すことは避けるべきである。
二重織物に染色を施し、微細毛羽と裏織物とを実質的に
同色に染色する。かかる染色処理は、前述の如く、両糸
として同種の繊維を用いれば、液流染色機等を用いて通
常の染色を行なうことによって達成する。
て乱れた毛羽方向を揃えた後、弾性重合体を付与する。
が、ウレタン樹脂を用いて湿式再生させることにより付
与することが好ましく、特にジメチルホルムアミド等の
溶剤系ウレタン樹脂を、織物に含浸せしめ、再生させた
ものが好ましい。かかる際の樹脂付与量は、二重織物に
対し1.3〜3.0重量%が好ましく、特に1.5重量
%以上とすることが好ましい。
ましいが、かかる外観は前述の如く、立毛方向の揃った
エリアが散在した状態を形成することにより得られる。
而して、このような立毛構造を形成するためには、樹脂
付与前に二重織物に対しブラッシングを施して立毛方向
を一方向に揃え、次いで第2図に示す如く、織物の走行
方向に当該立毛方向を合わせ、樹脂付与のためのマング
ルに対し立毛方向が向かうようにして樹脂加工を行なう
ことが好ましい。
ポリエチレングリコールとを共重合したアルカリ溶解性
ポリエステル(A)と、ポリエチレンテレフタレート
(B)とを第1図(d)に示す形状に接合した溶解分割
型複合繊維(75d/25f)の仮撚加工糸と、イソフ
タル酸共重合ポリエステルからなる高収縮ポリエステル
(30d/6f)とからなる異収縮混繊糸(105d/
31f)を経糸に、300d/96fのポリエステル糸
に200T/Mの甘撚を付与したものを緯糸に用いて、
経180本/インチ×緯80本/インチ(カバファクタ
ー1844×1385)の5枚経朱子組織を表織物と
し、300d/96fのポリエステル仮撚糸に200T
/Mの甘撚を付与したものを経緯糸に用いた経緯40本
/インチの平織組織を裏織物とした接結二重織物をレピ
ア織機にて製織した。かかる接結二重織物の表裏の織物
を接結する接結点は、組織の経緯糸の交絡点の3.3%
であった。
で3〜5分間のスチーミングを行い連続アルカリ溶解処
理を施して溶解分割型複合糸を0.2デニールのポリエ
ステル極細繊維に分割した後、#180のサンドペーパ
を用いてサンディング加工を2回表織物にのみ施した。
この結果、表織物の表面はカットパイルからなる微細毛
羽で覆われ、パイル長は0.8mm程度、パイル密度1
5万本/cm2であった。
て微細毛羽及び裏織物を含む全体を黒色に染色し、乾燥
後、ブラッシングを施し、微細毛羽の向きを一方向に揃
えた後、第2図に示す方向でマングルに供給し、4%の
DMF系ウレタン樹脂を含浸せしめて湿式再生し、織物
重量に対し1.9重量%のウレタン樹脂を付与した。
gの引裂き強力を有し、マーチンデール法による磨耗強
度が10000回以上であった。
観を有するものであって、十分な引裂き強力を有する。
このため、椅子張り、鞄、靴、袋物として適しており、
極細繊維織物の資材用途への適用を実用化する点で極め
て有用である。
製造するものであって、その有用性は明らかである。
Claims (2)
- 【請求項1】100デニール以上の合成繊維フィラメン
トからなる裏織物と単糸繊度1デニール以下の極細繊維
の微細毛羽を表面に有する表織物とが接結糸によって一
体化された接結二重織物であって、極細毛羽を形成する
繊維と裏織物を形成する繊維が実質的に同色に染色さ
れ、当該接結二重織物には弾性重合体が付与されてお
り、引裂き強力が4kg以上であることを特徴とする二
重織物生地。 - 【請求項2】分割後の単糸繊度が1デニール以下となる
溶解分割型複合繊維を用いた表織物と100デニール以
上の合成繊維フィラメントからなる裏織物とが接結糸に
よって一体化された接結二重織物を製織した後、溶解分
割型複合繊維を溶解分割処理し、表織物表面にサンディ
ング加工を施して、極細繊維の微細毛羽を表面に有する
織物となした後、当該織物を染色して極細毛羽を形成す
る繊維と裏織物を形成する繊維とを実質的に同色に染色
し、更に弾性重合体を付与することを特徴とする二重織
物生地の製造方法。
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-
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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