JP2003127258A - 離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革 - Google Patents

離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革

Info

Publication number
JP2003127258A
JP2003127258A JP2001322348A JP2001322348A JP2003127258A JP 2003127258 A JP2003127258 A JP 2003127258A JP 2001322348 A JP2001322348 A JP 2001322348A JP 2001322348 A JP2001322348 A JP 2001322348A JP 2003127258 A JP2003127258 A JP 2003127258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release sheet
resin
synthetic leather
layer
release
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001322348A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3868791B2 (ja
Inventor
Kenichiro Sudo
健一郎 須藤
Koichiro Matsudaira
耕市郎 松平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2001322348A priority Critical patent/JP3868791B2/ja
Publication of JP2003127258A publication Critical patent/JP2003127258A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3868791B2 publication Critical patent/JP3868791B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成皮革の製造に用いる離型シートであっ
て、合成皮革の表面にマット調またはピーチスキン調の
外観と触感を付与でき、且つ異なる色の合成皮革でも色
移りなく繰り返し製造できる離型シートと、それを用い
て製造された表面がマット調又はピーチスキン調に優れ
た合成皮革を提供する。 【解決手段】 基材シート1の上に、少なくとも表面に
微細な凹凸が形成された離型性樹脂層2を設け、その微
細な凹凸の凹部の底部に離型性を有する透明な合成樹脂
を残存するように設けて離型シート10を構成する。前記
微細な凹凸は、特にピーチスキン調の表面を形成する場
合、その算術平均粗さRaを 0.5〜15μm、平均間隔Smを
0.5〜10μm、平均傾斜θa を45°以上、90°未満とす
ることが好ましい。このような離型紙10を用いることに
より、表面がマット調又はピーチスキン調に優れた合成
皮革を異なる色でも安全に繰り返し製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離型シート及びそ
れを用いて製造された合成皮革に関し、更に詳しくは、
合成皮革の製造に好適に用いられる離型シートであっ
て、合成皮革の表皮層の表面に、マット調などの微細な
凹凸やピーチスキン感と呼ばれるピーチスキンに似た外
観と触感を付与できる離型シートと、それを用いて製造
されたマット調、或いはピーチスキン調の繊細な外観と
触感を備えた合成皮革に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から製造されている合成皮革には、
ポリウレタンレザー、セミ合皮、塩化ビニルレザー(P
VCレザーともよばれる)などがある。ポリウレタンレ
ザーの製造方法としては、例えば、離型シート上にペー
スト状の表皮層用ポリウレタン樹脂を塗布し、乾燥、固
化させた後、例えば2液反応型ポリウレタン系接着剤な
どで基布と貼り合わせて、50〜70℃の熟成室内で2
〜3日反応させた後で、離型シートを剥がしてポリウレ
タンレザー(以下、PUレザーと略記する)を製造する
方法がある。
【0003】また、セミ合皮の製造方法としては、離型
シート上にペースト状の表皮層用ポリウレタン樹脂を塗
布し、乾燥、固化させた後、ポリ塩化ビニル発泡層を形
成して基布と貼り合わせ、その後、離型シートを剥がし
てセミ合皮を製造する方法がある。そして、PVCレザ
ーの製造方法としては、離型シート上にポリ塩化ビニル
ゾルを塗布し、加熱、ゲル化させた後、ポリ塩化ビニル
発泡層を形成して基布と貼り合わせ、その後、離型シー
トを剥がしてPVCレザーを製造する方法がある。
【0004】このような合成皮革の製造方法で使用され
る離型シートとしては、例えば、PUレザーの製造用に
は、基材紙に離型層としてポリプロピレンを厚さ20〜
50μm程度に積層して形成した離型シートが使用され
ている。また、セミ合皮、またはPVCレザーの製造用
には、基材紙に離型層としてメチルペンテン系樹脂を厚
さ20〜50μm程度に積層して形成した離型シート、
または基材紙に離型層としてアクリル系樹脂を厚さ20
〜120μm程度に積層して形成した離型シートが使用
されている。更に、基材シートに離型層としてシリコー
ン樹脂を積層した離型シートも使用されている。このよ
うな離型シートには、必要に応じて凹凸模様の型付け加
工が施され、合成皮革の表面にその凹凸による模様付け
が行われている。また、このような離型シートは、合成
皮革を製造する際、経済性の面から複数回繰り返し使用
することが行われている。
【0005】上記のような離型シートを用いて合成皮革
を製造する場合、特に、合成皮革の表面に高度のマット
感やピーチスキン感を付与したい場合には、離型シート
の表面に微細な凹凸を形成する必要があり、このような
微細な凹凸を表面に形成した離型シートを用いて合成皮
革を製造すると、最終工程で離型シートを剥がした時、
微細な凹凸の凹部に入り込んだ表皮層の樹脂が途中で引
きちぎられて、その一部が離型シートの凹部の底部に残
存するようになる。そして、この引きちぎられた樹脂の
破断面は、合成皮革側も離型シートに残存する側も不規
則な凹凸形状となり、この形状は合成皮革の表面に優れ
たマット感やピーチスキン感を付与するためにはむしろ
好ましい形状であり、これにより合成皮革の表面に優れ
たマット感やピーチスキン感を付与することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、離型シ
ートは、複数回繰り返し使用するものであり、離型シー
トの凹部の底部に残存する樹脂も100%確実に固定さ
れている訳ではないので、繰り返し使用するうちには、
極一部であっても、後から製造する合成皮革の表皮層の
樹脂と入れ替わることがある。従って、同一色の合成皮
革を続けて製造する場合は問題ないが、異なる色の合成
皮革を製造する場合には、前に製造した合成皮革の表皮
層の樹脂が、後から製造する合成皮革の表面に転移して
色調が損なわれる問題があった。
【0007】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、合成
皮革の製造に好適に使用できる離型シートであって、合
成皮革の表面に、優れたマット感、或いはピーチスキン
感を付与できると共に、異なる色の合成皮革を繰り返し
製造しても、前に製造した合成皮革の色の影響を受ける
ことがなく、安全に繰り返し使用することのできる離型
シートと、それを用いて製造されたマット感、或いはピ
ーチスキン感に優れた合成皮革を生産性よく提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。即ち、請求項1に記
載した発明は、少なくとも基材シートと該基材シートの
一方の面に設けられた離型性樹脂層とで形成される離型
シートであって、該離型性樹脂層が表面に微細な凹凸を
備えると共に、該微細な凹凸の凹部の底部に離型性を有
する透明な合成樹脂が残存するように設けられているこ
とを特徴とする離型シートからなる。
【0009】上記において、離型性樹脂層の表面に形成
された微細な凹凸の凹部の底部に離型性を有する透明な
合成樹脂を残存するように設ける方法は、特に限定はさ
れないが、例えば、離型性を有する透明な合成樹脂の
塗布液を、離型性樹脂層表面の微細な凹凸面に塗布し、
乾燥して皮膜を形成させた後、それを剥がす方法で、微
細な凹凸の凹部に入り込んだ前記合成樹脂が、部分的に
破断され、その一部が凹部の底部に残存するようにして
設けてもよく、また、離型性を有する透明な合成樹脂
の塗布液を、離型性樹脂層表面の微細な凹凸面に塗布
し、ワイピングロールなどで表面の塗布液を拭き取り、
凹部の底部に塗布液を残存させて乾燥する方法で設けて
もよい。更に、合成皮革の表面の表皮層を、着色樹脂
層とその外側に設けられた離型性を有する透明な合成樹
脂層とで形成する場合は、離型シートの離型性樹脂層表
面の微細な凹凸面に、先ず、離型性を有する透明な合成
樹脂層用の塗布液を塗布、乾燥し、次いで、着色樹脂層
用の塗布液を塗布し、乾燥、固化させた後、常法に従っ
て、その上に基布を貼り合わせ、その後、離型シートを
剥がす方法で、前記の方法と同様に、微細な凹凸の凹
部に入り込んだ離型性を有する透明な合成樹脂を部分的
に破断させ、その一部を凹部の底部に残存させることが
できる。これらの中から、合成皮革の表面に形成する微
細な凹凸の形状、即ち、ピーチスキン調の繊細な凹凸を
形成するか、或いは通常のマット調の凹凸を形成するか
により、また、表皮層の構成に応じて、適する方法を選
択して使用することができる。
【0010】従って、前記のような構成を採ることによ
り、合成皮革の表皮層に優れたマット調、或いはピーチ
スキン調の外観と触感を付与することができると共に、
微細な凹凸の凹部の底部に、離型性を有する透明な合成
樹脂が残存するように設けられているので、異なる色の
合成皮革を繰り返し製造しても色調が損なわれることが
なく、安全に繰り返し使用することのできる離型シート
を提供することができる。
【0011】請求項2に記載した発明は、前記微細な凹
凸が、その算術平均粗さ(Ra)が0.5〜15μm
で、凹凸の平均間隔(Sm)が0.5〜10μmで、凹
凸の平均傾斜(θa)が45°以上、90°未満となる
ように設けられていることを特徴とする請求項1記載の
離型シートからなる。
【0012】上記微細な凹凸の算術平均粗さ(Ra)、
及び凹凸の平均間隔(Sm)は、JIS B 0601
−1994「表面粗さ−定義及び表示」に基づいて測定
したものである。 (測定条件) 触針の先端半径:5μm 荷重:4mN カットオフ値:表1に記載されている標準値を選択す
る。 基準長さ:表2に記載されている標準値を選択する。 測定機器:表面粗さ測定装置Suftest−201
〔(株)ミツトヨ製〕を使用。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】このような微細な凹凸の形状は、合成皮革
の表面にピーチスキン調の外観と触感を付与するために
適した形状であり、また、このような形状の微細な凹凸
面に離型性を有する透明な合成樹脂の塗布液を塗布、乾
燥して、その塗膜を剥がすことにより、微細な凹凸の凹
部の底部、即ち、細部に入り込んだ前記樹脂が一層確実
に途中で破断され、離型性を有する透明な合成樹脂を凹
部の底部に残存させることができる。
【0016】従って、前記のような構成を採ることによ
り、請求項1に記載した発明の作用効果に加えて、合成
皮革の表面に優れたピーチスキン調の外観と触感を一層
確実に付与することができると共に、異なる色の合成皮
革を繰り返し製造しても、微細な凹凸の凹部の底部には
離型性を有する透明な合成樹脂が残存しているので離型
性がよく、安全に繰り返し使用することのできる離型シ
ートを提供することができる。
【0017】請求項3に記載した発明は、前記離型性樹
脂層が、無機及び/又は有機の微粒子を含有する樹脂の
塗膜層で形成されていることを特徴とする請求項1また
は2に記載の離型シートである。
【0018】離型シートの表面に微細な凹凸を備えた離
型性樹脂層を形成する方法としては、金型を作製して離
型性樹脂層に型付けする方法で形成することもできる
が、離型性樹脂層の樹脂溶液に、適宜に選定した無機及
び/又は有機の微粒子を分散させて塗布液を作製し、コ
ーティングによる塗膜層で適する形状の微細な凹凸を備
えた離型性樹脂層を形成することができる。従って、前
記のような構成を採ることにより、請求項1または2に
記載した発明の作用効果に加えて、表面に微細な凹凸を
備えた離型性樹脂層を形成する際、作製に手間と時間、
および費用のかかる金型などを必要とせず、コーティン
グ方式で形成できるので、低コストで生産性よく離型シ
ートを製造することができる。
【0019】請求項4に記載した発明は、前記基材シー
トと離型性樹脂層の間に平滑性向上層が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の離
型シートである。
【0020】上記平滑性向上層は、基材シートの平滑性
を向上させるために設けるものであり、基材シートの表
面にコートされたクレーコート層でもよく、また、充填
剤などを適宜に分散させた樹脂液を基材シートの表面に
コーティングして形成したコート層であってもよい。こ
のような構成を採ることにより、前記請求項1乃至3の
いずれかに記載した発明の作用効果に加えて、基材シー
トの表面の平滑性が向上するので、その上に形成する離
型性樹脂層の表面の微細な凹凸を離型シートの全面で略
一定に形成することができる。従って、このような離型
シートを用いることにより、全面が均一なマット調、或
いはピーチスキン調の合成皮革を製造することができ
る。また、平滑性向上層を設けることにより、基材シー
トに目止め性も付与することができるので、離型性樹脂
層の厚さを薄くできる効果も得られる。
【0021】そして、請求項5に記載した発明は、前記
請求項1乃至4のいずれかに記載の離型シートを用いて
製造された合成皮革である。
【0022】このような構成を採ることにより、前記請
求項1乃至4のいずれかに記載した発明の離型シートの
離型性樹脂層の表面に形成された微細な凹凸を利用し
て、合成皮革の表皮層を形成できるので、その色調が損
なわれることがなく、優れたマット調、或いはピーチス
キン調の外観と触感を有する合成皮革を生産性よく提供
することができる。
【0023】請求項6に記載した発明は、前記合成皮革
の表皮層の最外層が、透明樹脂層で形成されていること
を特徴とする請求項5に記載の合成皮革である。
【0024】このような構成の合成皮革は、その表皮層
を形成する際、離型シート表面の微細な凹凸面に、先ず
透明な表皮層用の樹脂液を塗布、乾燥し、次いで着色し
た表皮層用の樹脂液を塗布、乾燥して表皮層を形成し、
その上に接着剤を用いて基布を貼り合わせた後、離型シ
ートを剥がす方法で容易に製造することができる。従っ
て、このような構成を採ることにより、請求項5に記載
した発明の作用効果に加えて、合成皮革の表皮層の最外
層が透明樹脂であるため、その製造工程で離型シートを
剥がした際、万一表皮層の樹脂の一部が離型シート側に
取られるようなことがあっても透明樹脂であり、離型シ
ートを着色樹脂で汚すことはなく、離型シートの繰り返
し使用性を損なうことはない。また、合成皮革は、表皮
層の最外層が透明樹脂で形成されているため、下層の着
色樹脂層の色調に深みが付与され、独特の意匠効果を得
ることができる。
【0025】請求項7に記載した発明は、前記透明樹脂
層が、離型性を有することを特徴とする請求項6に記載
の合成皮革である。
【0026】このような構成を採ることにより、請求項
6に記載した発明の作用効果に加えて、合成皮革の表面
が離型性を有するため、汚れにくく、また、汚れた場合
でも汚れを取りやすくすることができる。更に、本発明
の離型シートの製造の際、表面の離型性樹脂層の微細な
凹凸の凹部の底部に予め離型性を有する透明な合成樹脂
を残存するように設ける必要がなく、離型性樹脂層の表
面に微細な凹凸を形成した離型シートをそのまま用いて
前記合成皮革を製造することにより、自動的に微細な凹
凸の凹部の底部に離型性を有する透明な合成樹脂が残存
するように設けられ、異なる色の合成皮革を続けて製造
しても色調が損なわれることがなく、安全に繰り返し使
用することができるようになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例の図面を参照して説明する。但し、本発明
は、その要旨を超えない限り、以下の図面に限定される
ものではない。図1、図2は、それぞれ本発明の離型シ
ートの一実施例の構成を示す模式断面図である。
【0028】図1に示した離型シート10は、基材シー
ト1の上に、その表面に微細な凹凸4が設けられた離型
性樹脂層2が積層されると共に、その微細な凹凸4の凹
部の底部に、離型性を有する透明な合成樹脂5を残存さ
せるように設けて構成したものである。このような離型
性を有する透明な合成樹脂5を微細な凹凸の凹部の底部
に設ける方法は、前述したように、例えば、離型性を有
する透明な合成樹脂の塗布液を微細な凹凸面に塗布し、
乾燥した後、形成された皮膜を剥がすことにより、微細
な凹凸4の凹部に入り込んだ合成樹脂の一部が破断され
て、凹部の底部に離型性を有する透明な合成樹脂5が残
存するように設けられる。この離型性を有する透明な合
成樹脂5の破断面は、不規則で微細な凹凸形状となるた
め、離型性樹脂層2の表面全体が大小微細な凹凸形状と
なり、合成皮革の表面に、高度のマット調やピーチスキ
ン調の表面を形成するのに好適な形状となる。従って、
この離型シート10を用いて合成皮革を製造することに
より、その表面に優れたマット感、或いはピーチスキン
感、即ち、ピーチスキンのような外観と触感を付与する
ことができる。
【0029】図2に示した離型シート20は、前記図1
に示した離型シート10の構成において、基材シート1
と離型性樹脂層2の間に、平滑性向上層3を追加して積
層して構成したものであり、その他の構成は、総て前記
図1に示した離型シート10と同様に形成して構成した
ものである。上記平滑性向上層3は、基材シート1が、
表面平滑性に劣る場合、或いは、基材シート1に目止め
を必要とする場合などに、必要に応じて基材シート1の
表面に設けるものである。
【0030】本発明において、基材シート1には、各種
コート紙、キャストコート紙、或いは、クラフト紙、上
質紙などの紙のほか、紙以外にも、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステ
ルフィルム、各種ナイロンなどのポリアミドフィルム、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂フィルム、そ
して、価格は高いがポリイミドフィルム、ポリフェニレ
ンスルフィドフィルム、ポリエーテルスルホン系フィル
ム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテ
ルイミドフィルム、ポリアリレートフィルムなどのエン
ジニアリングプラスチックフィルムも使用することがで
きる。更に、合成紙、金属箔、織布、不織布なども使用
することができ、これらは単独、または適宜積層して使
用することができる。
【0031】基材シート1に紙、或いは不織布など表面
が比較的ラフな材料を使用する場合は、図2に示したよ
うに、その離型性樹脂層2の形成面に平滑性向上層3を
設けることが好ましい。平滑性向上層3は、特に限定は
されず、例えば、樹脂、または樹脂に無機充填剤、レベ
リング剤などを分散または溶解させた塗布液を塗布、乾
燥して形成することができる。特に、基材シート1に紙
を使用する場合、平滑性向上層はクレーコート層でもよ
く、その場合、厚さは20〜40μm程度が好ましく、
20〜30μmが更に好ましい。このようなクレーコー
ト層を設けることにより、紙の表面の平滑性を向上させ
ることができるので、その上に離型性樹脂層を均一に形
成することができる。
【0032】尚、基材シート1に前記プラスチックフィ
ルムや金属箔を用いる場合は、通常、その表面が平滑で
あるため、平滑性向上層3を必要としないが、離型性樹
脂層2との接着性が不足することがあり、その場合は、
コロナ放電処理、オゾン処理などの易接着性処理やプラ
イマーコートなどを施すことができる。
【0033】離型性樹脂層2には、シリコーン系樹脂、
アルキッド系樹脂、メラミン系樹脂などの熱硬化性樹
脂、電離放射線硬化型または熱可塑性などのアクリル系
樹脂、ウレタン系樹脂、そして、ポリプロピレン、メチ
ルペンテン系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン
系樹脂などを、離型性樹脂層とその表面の微細な凹凸の
形成方法に応じて適宜選定して使用することができる。
これらの樹脂には、必要に応じてシリコーンなどの離型
剤を添加することができる。
【0034】このような樹脂で形成される離型性樹脂層
2の表面に、微細な凹凸を形成する方法としては、微細
な凹凸を設けた金型を用いて賦型してもよいが、前記シ
リコーン系樹脂、アルキッド系樹脂、メラミン系樹脂な
どの熱硬化性樹脂や、電離放射線硬化型または熱可塑性
などのアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などの塗布液
に、無機及び/又は有機の微粒子を分散させ、これを塗
布、乾燥、硬化させる方法で、微粒子により離型性樹脂
層の表面に目的とする微細な凹凸を形成することができ
る。
【0035】このような塗布方式で、表面に微細な凹凸
を有する離型性樹脂層2を形成する場合、前記微粒子と
しては、無機の微粒子では、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、クレー、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、
アルミナ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムな
どの微粒子を使用することができ、また、有機の微粒子
では、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、フッ化エチレン系樹脂、シリコーン樹脂、澱粉など
の微粒子を使用することができる。これらの微粒子は、
形成する微細な凹凸の形状に応じて、その粒径や形状を
加味し、適宜選定して使用することができる。
【0036】尚、合成皮革の製造に用いる離型シート
は、通常、高温度の条件で使用されるため、前記無機、
有機の微粒子では、無機の微粒子が耐熱性に優れる点で
適しており、なかでもシリカ、炭酸カルシウム、タルク
の微粒子は、前記離型性樹脂層表面の微細な凹凸を、そ
の算術平均粗さ(Ra)を0.5〜15μm、凹凸の平
均間隔(Sm)を0.5〜10μm、凹凸の平均傾斜
(θa)を45°以上、90°未満となるように形成す
る場合も、その形成が比較的容易であるため特に好まし
く使用することができる。
【0037】このような微粒子の粒径は、形成する微細
な凹凸の形状により異なるため一律ではないが、平均粒
径で0.5〜15μm程度の範囲が適当である。また、
離型性樹脂層の樹脂に含有させる微粒子の量は、樹脂1
00重量部に対して、微粒子が10〜85重量部の範囲
が好ましい。微粒子の量が10重量部未満の場合は、離
型性樹脂層の表面に均一なマット調や、ピーチスキン調
の表面を形成することが難しくなるため好ましくない。
また、微粒子の量が85重量部を超える場合は、コーテ
ィング適性が低下し、均一な離型面を得にくくなるため
好ましくない。
【0038】上記微粒子を含有させた離型性樹脂の塗布
量は、乾燥時の塗布量で1.0〜20g/m2 の範囲が
好ましい。塗布量が1.0g/m2 未満の場合は、均一
な凹凸面の形成が難しくなると共に、離型性自体も不充
分となる場合があるため好ましくない。また、20g/
2 を超える塗布量は、凹凸形成能及び離型性能は既に
充分であり、その必要性がなく、製造コストを上昇させ
ることになるので好ましくない。尚、前記離型性樹脂層
2の塗布液の調合に際しては、離型性樹脂、微粒子、希
釈溶剤などのほか、分散剤、レベリング剤、粘度調節
剤、帯電防止剤、着色剤などの各種助剤を適宜配合する
ことができる。
【0039】上記離型性樹脂層2の塗布液の塗布方法
は、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グ
ラビアコート、ナイフコート、バーコート、マイクロバ
ーコートなど公知のコーティング手段を用いて塗布する
ことができ、また、必要な乾燥、硬化手段(加熱、紫外
線照射、電子線照射など)を用いて、乾燥、硬化させて
離型性樹脂層を形成することができる。このような離型
性樹脂層2は、多層にして形成してもよく、その場合、
加熱などの温度条件、各層の厚さを調整することによ
り、幅方向のカールを抑えることもできる。
【0040】また、離型シートの離型性樹脂層2の表面
に形成された微細な凹凸4の凹部の底部に設ける離型性
を有する透明な合成樹脂5は、樹脂自体が合成皮革の表
皮層の樹脂に対して離型性を有するか、或いは離型剤の
添加により離型性を付与できる透明な合成樹脂であっ
て、塗布などにより微細な凹部の底部に充填できる樹脂
であれば何でもよいが、例えば、合成皮革の表皮層用樹
脂組成物から着色剤を除き、シリコーンなどの離型剤を
添加した透明な樹脂組成物などを好適に使用することが
できる。 具体例として、ポリウレタンレザー(以下、
PUレザーと略記する)に用いるペースト状のポリウレ
タン組成物から着色剤を取り除き、シリコーンなどの離
型剤を添加したポリウレタン組成物や、PVCレザーに
用いるポリ塩化ビニル組成物(通常、PVCゾルを使
用)から着色剤を取り除き、シリコーンなどの離型剤を
添加したポリ塩化ビニル組成物(可塑剤、安定剤などの
添加剤は含有してもよい)などが挙げられる。このよう
な合成樹脂組成物の塗布には、ナイフコート、バーコー
ト、ロールコート、グラビアコートなどの公知のコーテ
ィング方法を用いることができる。
【0041】
〔実施例1〕
(離型シートの作製)図2に示した構成でマットタイプ
の離型シートを作製し、また、それを用いて表面に薄い
離型性透明樹脂層と着色樹脂層による2層構成の表皮層
を有する合成皮革を作製することとし、先ず、離型シー
トを以下のように作製した。基材シート1として、米坪
155g/m2 のキャストコート紙〔王子製紙(株)
製〕を使用し、そのキャストコート面に下記の組成の平
滑性向上層用塗布液を、乾燥時の塗布量が5g/m2
なるようにロールコーターで塗布し、160℃、1分以
上の条件で加熱乾燥して平滑性向上層3を形成した。
【0042】 (平滑性向上層用塗布液の組成) メラミン樹脂〔メラン28 日立化成(株)製〕 220重量部 アルキッド樹脂〔フタルキッド133-60 日立化成(株) 100重量部 酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 8.4重量部 レベリング剤〔有機高分子型レベリング剤、 「シャリーヌ」日信化学工業(株)製〕 0.3重量部 溶剤(トルエン/n−ブチルアルコール 重量比1/1) 980重量部
【0043】次いで、前記平滑性向上層3の上に、下記
の組成の離型性樹脂層用塗布液を乾燥時の塗布量が10
g/m2 となるようにロールコーターで塗布し、180
℃、1分以上の条件で加熱乾燥して、表面に微細な凹凸
4を有する離型性樹脂層2を形成した。 (離型性樹脂層用塗布液の組成) メチロール化メラミン樹脂 50重量部 シリコーン変性アルキド樹脂 50重量部 酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 4.2重量部 無機微粒子〔平均粒径2.5μmの未処理シリカ、 サイリシア430 富士シリシア(株)製〕 10重量部 無機微粒子〔平均粒径2.5μmの処理シリカ、 サイシリア436 富士シリシア(株)製〕 10重量部 溶剤(トルエン/n−ブチルアルコール 重量比1/1) 500重量部 上記離型性樹脂層用塗布液の塗布は、はじきの発生もな
く均一に塗布することができ、加熱硬化後の平滑性向上
層3と離型性樹脂層2との接着性も良好であった。ま
た、形成された離型性樹脂層表面の微細な凹凸4の算術
平均粗さ(Ra )は1.3μmであった。
【0044】尚、以上のように作製した離型シートの表
面の微細な凹凸4の凹部の底部に離型性を有する透明な
合成樹脂5を設ける方法は、この離型シートを用いて作
製する合成皮革の表皮層を、着色樹脂層とその外側に設
けられた離型性を有する透明な合成樹脂層との2層構成
で形成するため、この離型シートをそのまま用いて合成
皮革を作製し、離型シートを剥がした際、離型シート表
面の微細な凹凸に入り込んだ合成皮革の最外層の離型性
を有する透明な合成樹脂の一部が、破断されて凹部の底
部に残存するように設ける方法とし、以下のように合成
皮革(この場合PVCレザー)の作製を行った。
【0045】(合成皮革の作製)前記離型シートの離型
性樹脂層2の表面に、合成皮革の表皮層として、先ず、
PVC(分子量1000)を100重量部、可塑剤(D
OP)を60重量部、水分散型シリコーン系離型剤(ア
ミノ変性シリコーン)1重量部の割合で混合してなるP
VC組成物(ペースト)をグラビアコート法で乾燥時の
塗布量が2g/m 2 となるように塗布、乾燥させ、次い
でその上にPVC(分子量1000)を100重量部、
DOPを60重量部、発泡剤を5重量部、安定剤を2.
5重量部、着色剤〔セイカセブンNET−5794ブラ
ック 大日精化工業(株)製〕を15重量部の割合で混
合してなるPVCレザー表皮層用のPVC組成物(黒着
色ペースト)を、ナイフコート法で乾燥時の塗布量が1
50g/m2 となるように塗布し、190〜200℃、
2分の条件で加熱乾燥した後、その上に接着剤を用いて
基布を貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型シートを剥がし
て表面に微細な凹凸を有する実施例1の合成皮革(PV
Cレザー)を作製した。
【0046】上記実施例1のPVCレザーは、表面に離
型性を有する透明なPVC樹脂層が薄く設けられ、深み
のある黒色で優れたマット調の表面を有していた。ま
た、剥離した離型シート表面の微細な凹凸の凹部の底部
には表皮層の離型性を有する透明なPVC樹脂が残存し
ており、着色PVC樹脂の残存は全く認められなかっ
た。この離型シートを用いて異なる色のPVCレザーを
同様な方法で繰り返し5回作製したが、離型シートの剥
離の際の抵抗力も小さく容易に剥離することができると
共に、表皮層の着色PVC樹脂の転移もなく、いずれも
優れたマット調のPVCレザーを生産性よく作製するこ
とができた。
【0047】〔実施例2〕前記実施例1の離型シートと
それを用いて製造された合成皮革(PVCレザー)の構
成において、合成皮革をPUレザーに変更して作製する
こととし、離型シートは実施例1と同様に作製し、その
表面の微細な凹凸4の凹部の底部に残存させる離型性を
有する透明な合成樹脂5の材質と、合成皮革の2層構成
の表皮層に用いた樹脂組成物を、以下のようなポリウレ
タン組成物に変更して、実施例2の離型シートおよび合
成皮革(PUレザー)を作製した。
【0048】即ち、実施例1で作製した離型シートと同
じ構成で離型シートを作製し、その離型性樹脂層2の微
細な凹凸面に、先ず、ポリウレタン組成物〔レザミンN
E−8811 大日精化工業(株)製〕を100重量
部、シリコーン系離型剤としてアミノ変性シリコーンを
0.5重量部とエポキシ変性シリコーンを0.5重量
部、それに溶剤としてトルエンを25重量部、イソプロ
ピルアルコール(以下、IPA)を25重量部の割合で
混合した塗布液を、グラビアコート法で乾燥時の塗布量
が1.5g/m2 となるように塗布、乾燥させ、次いで
その上にポリウレタン組成物〔レザミンNE−8811
大日精化工業(株)製〕を100重量部、着色剤〔セ
イカセブンNET−5794ブラック〕を15重量部、
トルエンを25重量部、IPAを25重量部の割合で混
合したPUレザーの表皮層用ポリウレタン組成物(黒着
色ペースト)を、ナイフコート法で乾燥時の塗布量が1
50g/m2 となるように塗布し、100〜120℃、
2分の条件で乾燥した後、その上に接着剤を用いて基布
を貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型シートを剥がして表
面に微細な凹凸を有する実施例2の合成皮革(PUレザ
ー)を作製した。
【0049】上記実施例2のPUレザーは、表面に離型
性を有する透明なポリウレタン樹脂層が薄く設けられ、
前記実施例1で作製したPVCレザーと同様、深みのあ
る黒色で優れたマット調の表面を有していた。また、剥
離した離型シート表面の微細な凹凸の凹部の底部には表
皮層の離型性を有する透明なポリウレタン樹脂が残存し
ており、着色ポリウレタン樹脂の残存は全く認められな
かった。そして、この離型シートを用いて異なる色のP
Uレザーを同様な方法で繰り返し5回作製したが、前記
PVCレザーの場合と同様、離型シートの剥離の際の抵
抗力が小さく容易に剥離することができると共に、表皮
層の着色ポリウレタン樹脂の転移もなく、初回と同様な
優れたマット調の表面を有するPUレザーを生産性よく
作製することができた。上記離型シートは、5回使用後
も損傷が殆どなく、更に繰り返し使用が可能な状態であ
った。
【0050】〔実施例3〕図2に示した構成で合成皮革
の表面にピーチスキン調の表面を形成できる離型シート
とそれを用いて製造されたピーチスキン調の外観と触感
を有する合成皮革を作製することとし、以下のように離
型シートの作製と、合成皮革の作製を行った。
【0051】離型シートの作製は、実施例1の離型シー
トの作製において、平滑性向上層3の上に設けた離型性
樹脂層2の塗布液の組成を下記の組成に変更したほか
は、総て実施例1の離型シートと同様に作製して実施例
3の離型シートを作製した。 (離型性樹脂層用塗布液の組成) メチロール化メラミン樹脂 50重量部 シリコーン変性アルキド樹脂 50重量部 無機微粒子〔平均粒径2.5μmの未処理シリカ、 サイリシア430 富士シリシア(株)製〕 40重量部 酸触媒(パラトルエンスルホン酸) 4.2重量部 溶剤(トルエン/n−ブチルアルコール 重量比1/1) 550重量部 尚、上記離型シートの離型性樹脂層2の表面に形成され
た微細な凹凸面の算術平均粗さ(Ra )は0.54μ
m、凹凸の平均間隔(Sm)は9μm、凹凸の平均傾斜
(θa)は47°であり、合成皮革の表面にピーチスキ
ン調の外観と触感を付与するための微細な凹凸形状とし
て良好であった。
【0052】上記の離型シートを用いて、その表皮層
が、外側の薄くて離型性を有する透明な合成樹脂層と着
色樹脂層との2層で形成されるPUレザーを作製するた
め、離型シートの離型性樹脂層2の微細な凹凸面に、先
ず、ポリウレタン組成物〔レザミンNE−8811 大
日精化工業(株)製〕を100重量部、シリコーン系離
型剤としてアミノ変性シリコーンを0.5重量部とエポ
キシ変性シリコーンを0.5重量部、それに溶剤として
トルエンを25重量部、イソプロピルアルコール(以
下、IPA)を25重量部の割合で混合した塗布液を、
グラビアコート法で乾燥時の塗布量が2g/m2 となる
ように塗布、乾燥させ、次いでその上にポリウレタン組
成物〔レザミンNE−8811 大日精化工業(株)
製〕を100重量部、着色剤〔セイカセブンNET−5
194レッド 大日精化工業(株)製〕を5重量部、ト
ルエンを25重量部、IPAを25重量部の割合で混合
したPUレザーの表皮層用ポリウレタン組成物(赤着色
ペースト)を、ナイフコート法で乾燥時の塗布量が15
0g/m2 となるように塗布し、100〜120℃、2
分の条件で乾燥した後、その上に接着剤を用いて基布を
貼り合わせ、乾燥、熟成後、離型シートを剥がして表面
に微細な凹凸を有する実施例3の合成皮革(PUレザ
ー)を作製した。
【0053】上記実施例3のPUレザーの表面は、表皮
層が着色ポリウレタン樹脂層の外側に離型性を有する透
明なポリウレタン樹脂層が薄く形成された構成であり、
独特のソフトな色感を呈し、良好なピーチスキン調の外
観と触感を有していた。また、剥離した離型シート表面
の微細な凹凸の凹部の底部には表皮層の離型性を有する
透明なポリウレタン樹脂が残存しており、着色ポリウレ
タン樹脂の残存は認められなかった。そして、この離型
シートを用いて異なる色のPUレザーを同様な方法で繰
り返し5回作製したが、離型シートの剥離の際の抵抗力
は比較的小さく容易に剥離することができ、また、作製
したPUレザーの表面に他の色の着色ポリウレタン樹脂
が転移することもなく、初回と同様な優れたピーチスキ
ン調の外観と触感をを有するPUレザーを生産性よく作
製することができた。
【0054】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明に
よれば、合成皮革の製造に好適に用いられる離型シート
であって、その離型性樹脂層の表面に、合成皮革の表面
に優れたマット調、或いはピーチスキン調の外観と触感
を付与することのできる微細な凹凸を備えると共に、そ
の微細な凹凸の凹部の底部に離型性を有する透明な合成
樹脂が残存するように設けられているので、合成皮革の
表面に優れたマット調、或いはピーチスキン調の外観と
触感を付与できると同時に、離型シートの合成皮革の表
皮層に対する離型性が向上されており、合成皮革の製造
に際して、離型シートを軽い力で剥離することができ、
離型シートを傷めることがなく離型シートの繰り返し使
用回数を増すことができ、生産性も向上させることがで
きる。また、異なる色の合成皮革を繰り返し製造した場
合でも、色移りが防止され、合成皮革の色調を損なうこ
とがなく安全に繰り返し使用することのできる離型シー
トを提供できる効果を奏する。また、このような離型シ
ートを用いて合成皮革を製造することにより、優れたマ
ット調、或いはピーチスキン調の表面を備えた合成皮革
を低コストで生産性よく提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の離型シートの一実施例の構成を示す模
式断面図である。
【図2】本発明の離型シートの別の一実施例の構成を示
す模式断面図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 離型性樹脂層 3 平滑性向上層 4 微細な凹凸 5 離型性を有する透明な合成樹脂 10、20 離型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA01 BA13 DA02 FA08 GA13 4F100 AA00B AA20B AH00B AK01B AK01D AK36B AK36C AL06B AT00A BA02 BA03 BA04 BA10A BA10B CC00C DD07B DD20B DE01B DG10A EH46 GB90 JK15C JL02 JL11 JL14B JN01B JN01D

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基材シートと該基材シートの一
    方の面に設けられた離型性樹脂層とで形成される離型シ
    ートであって、該離型性樹脂層が表面に微細な凹凸を備
    えると共に、該微細な凹凸の凹部の底部に離型性を有す
    る透明な合成樹脂が残存するように設けられていること
    を特徴とする離型シート。
  2. 【請求項2】前記微細な凹凸が、その算術平均粗さ(R
    a)が0.5〜15μmで、凹凸の平均間隔(Sm)が
    0.5〜10μmで、凹凸の平均傾斜(θa)が45°
    以上、90°未満となるように設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の離型シート。
  3. 【請求項3】前記離型性樹脂層が、無機及び/又は有機
    の微粒子を含有する樹脂の塗膜層で形成されていること
    を特徴とする請求項1または2に記載の離型シート。
  4. 【請求項4】前記基材シートと離型性樹脂層の間に平滑
    性向上層が設けられていることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の離型シート。
  5. 【請求項5】前記請求項1乃至4のいずれかに記載の離
    型シートを用いて製造された合成皮革。
  6. 【請求項6】前記合成皮革の表皮層の最外層が、透明樹
    脂層で形成されていることを特徴とする請求項5に記載
    の合成皮革。
  7. 【請求項7】前記透明樹脂層が、離型性を有することを
    特徴とする請求項6に記載の合成皮革。
JP2001322348A 2001-10-19 2001-10-19 離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革 Expired - Fee Related JP3868791B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001322348A JP3868791B2 (ja) 2001-10-19 2001-10-19 離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001322348A JP3868791B2 (ja) 2001-10-19 2001-10-19 離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003127258A true JP2003127258A (ja) 2003-05-08
JP3868791B2 JP3868791B2 (ja) 2007-01-17

Family

ID=19139413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001322348A Expired - Fee Related JP3868791B2 (ja) 2001-10-19 2001-10-19 離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3868791B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006713A1 (ja) * 2004-07-13 2006-01-19 Lintec Corporation 離型シート及びその離型シートを用いて得られる成形品
WO2007091593A1 (ja) * 2006-02-07 2007-08-16 Dai Nippon Printing Co., Ltd. エンボス離型シートの原反、エンボス離型シート、エンボス離型シートの原反の製造方法、エンボス離型シートの製造方法、エンボス離型シートの製造装置、合成皮革、及び合成皮革の製造方法
JP2008137295A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Nagoya Oil Chem Co Ltd 内装材の製造方法
JP2016040852A (ja) * 2015-12-24 2016-03-24 タツタ電線株式会社 シールドフィルム、シールドプリント配線板及びシールドプリント配線板の製造方法
JP2019171707A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 大日本印刷株式会社 離型紙、離型紙の製造方法、被賦形体および合成皮革
JP2021037724A (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 大日本印刷株式会社 離型シートおよび物品
JPWO2021070335A1 (ja) * 2019-10-10 2021-04-15

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04361670A (ja) * 1991-06-07 1992-12-15 Dainippon Printing Co Ltd 工程離型紙及びその製造方法
JPH0544171A (ja) * 1991-07-31 1993-02-23 Achilles Corp 合成皮革の製造方法
JPH05269935A (ja) * 1992-03-27 1993-10-19 Mitsubishi Paper Mills Ltd マット面工程用剥離シート
JP2002086622A (ja) * 2000-09-11 2002-03-26 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2002155475A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2002155476A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04361670A (ja) * 1991-06-07 1992-12-15 Dainippon Printing Co Ltd 工程離型紙及びその製造方法
JPH0544171A (ja) * 1991-07-31 1993-02-23 Achilles Corp 合成皮革の製造方法
JPH05269935A (ja) * 1992-03-27 1993-10-19 Mitsubishi Paper Mills Ltd マット面工程用剥離シート
JP2002086622A (ja) * 2000-09-11 2002-03-26 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2002155475A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP2002155476A (ja) * 2000-11-17 2002-05-31 Dainippon Printing Co Ltd 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006006713A1 (ja) * 2004-07-13 2006-01-19 Lintec Corporation 離型シート及びその離型シートを用いて得られる成形品
JPWO2006006713A1 (ja) * 2004-07-13 2008-05-01 リンテック株式会社 離型シート及びその離型シートを用いて得られる成形品
US8790767B2 (en) 2004-07-13 2014-07-29 Lintec Corporation Release sheet and formed article obtained by using such release sheet
WO2007091593A1 (ja) * 2006-02-07 2007-08-16 Dai Nippon Printing Co., Ltd. エンボス離型シートの原反、エンボス離型シート、エンボス離型シートの原反の製造方法、エンボス離型シートの製造方法、エンボス離型シートの製造装置、合成皮革、及び合成皮革の製造方法
JP5277635B2 (ja) * 2006-02-07 2013-08-28 大日本印刷株式会社 エンボス離型シートの原反、エンボス離型シート、エンボス離型シートの原反の製造方法、エンボス離型シートの製造方法、及び合成皮革の製造方法
JP2008137295A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Nagoya Oil Chem Co Ltd 内装材の製造方法
JP2016040852A (ja) * 2015-12-24 2016-03-24 タツタ電線株式会社 シールドフィルム、シールドプリント配線板及びシールドプリント配線板の製造方法
JP2019171707A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 大日本印刷株式会社 離型紙、離型紙の製造方法、被賦形体および合成皮革
JP7040214B2 (ja) 2018-03-29 2022-03-23 大日本印刷株式会社 離型紙、離型紙の製造方法、被賦形体および合成皮革
JP2021037724A (ja) * 2019-09-05 2021-03-11 大日本印刷株式会社 離型シートおよび物品
JP7363222B2 (ja) 2019-09-05 2023-10-18 大日本印刷株式会社 離型シートおよび物品
JPWO2021070335A1 (ja) * 2019-10-10 2021-04-15
WO2021070335A1 (ja) * 2019-10-10 2021-04-15 リンテック株式会社 剥離ライナー、粘着シート、および粘着シートの作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3868791B2 (ja) 2007-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3954157B2 (ja) 装飾シート及びその製造方法
JPH04223193A (ja) 熱転写紙用原紙およびそれを用いた熱転写紙
JP2004115972A (ja) マット層形成用組成物およびそれを用いた離型シート
US20070158259A1 (en) Interlayer support
JP6922214B2 (ja) 離型紙、合成皮革、および離型紙の製造方法
JP2003127258A (ja) 離型シート及びそれを用いて製造された合成皮革
JP3419886B2 (ja) 転写シート
US20030098906A1 (en) Ink jet transfer printing process
JP4686057B2 (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JPH04301491A (ja) 離型シート及び転写シート
KR20000070060A (ko) 공정박리지 및 합성피혁의 제조방법
JP4531243B2 (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP4580541B2 (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP4712998B2 (ja) 離型紙
JP4569998B2 (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JPH10250294A (ja) 転写シート及びそれを用いた化粧材の製造方法
JP2002292641A (ja) 離型紙及びそれを用いて製造された合成皮革
JP4005011B2 (ja) 身体貼着用装飾体付きシートの製造法
JPH0976448A (ja) 化粧シート及びその製造方法
WO2004037545A1 (en) Wall paper having 3-dimensional exterior view and method for preparing the same
JP3758746B2 (ja) 剥離シート、それを用いた粘着製品及びその製造方法
JPH05131797A (ja) 部分艶消し転写シート及び部分艶消し化粧材
JP2697091B2 (ja) 汚し凹凸模様を有する複合シート
JPH11311016A (ja) 床材シート
JPH0132791B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060609

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101020

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131020

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees