JP2004151708A - スクリーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 全光線透過率が30%未満、全光線反射率が70%を超えて100%以下、光沢度が60%以下の熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(A)に、その厚さ方向に貫通する開口径0.1〜8mmの貫通孔が、孔と孔の間の最短距離0.1〜5mmの間隔で該フィルムの平面方向に連続的に分布していることを特徴とするスクリーン。
【選択図】 なし
Description
最近こうした投影装置はその低価格化に伴い、家庭用の映像視聴などにも使われるようになり、市場を拡大している。この際、画像が投影されたスクリーンの背面の状況を確認することは、従来のスクリーンでは不可能である。
すなわち本発明は、全光線透過率が30%未満、全光線反射率が70%を超えて100%以下、光沢度が60%以下の熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(A)に、その厚さ方向に貫通する開口径0.1〜8mmの貫通孔が、孔と孔の間の最短距離0.1〜5mmの間隔で該フィルムの平面方向に連続的に分布していることを特徴とするスクリーンを提供する。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値が下限値及び上限値を意味する。
本発明のスクリーンの実施形態は、施工の場所や目的、施工方法によって様々な様態を取ることが可能である。そのため本明細書では下記のような形態で詳細に説明をするが、これらは本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができるものである。
・タペストリー :垂れ幕のような形状で、中空または壁面へ吊り下げて映像投影に使用できるもの。
・ショウウィンドウ:少なくとも片面に粘着剤層または再剥離層を設けた形状で、壁面やガラス面等に直接貼着して映像投影に使用できるもの。
・ロールスクリーン:タペストリーのように吊り下げて映像投影に使用するが、スクリーンを巻き取り収納が可能な形状に加工したもので、未使用時は上部の巻き取りチューブ等に巻き取り収納可能であるもの。
全光線透過率が30%以上もしくは全光線反射率が70%以下の場合は、スクリーン背面側に映像光が透過してしまい、投影面上の映像の輝度が低下し見えにくい傾向となり好ましくない。
なお、本明細書でいう全光線透過率及び全光線反射率は、JIS−Z−8722記載の方法に準拠して、波長400nm〜700nmの範囲で測定した各波長の透過率及び反射率の平均値を意味する。
光沢度が60%を超える場合は、鏡面のようにスクリーン表面がハレーションを起こし、映像が見にくくなる傾向となり好ましくない。
本明細書でいう光沢度は、JIS−P−8142に記載の方法により測定したものである。
本発明のスクリーンでは、厚さ方向に貫通する開口径が0.1〜8mm、好ましくは0.2〜8mmの貫通孔を、孔と孔の間の最短距離が0.1〜5mm、好ましくは0.2〜5mmの間隔で、平面方向に連続的に分布させて設ける。
本発明のスクリーンに貫通孔を分布させて設けることで、不透明なスクリーンの背面の状況を確認することや、スクリーン背面の風景を視認することが可能となる。
・ 形状が真円の場合:直径
・ 形状が楕円の場合:短径および長径
・ 形状が三角形の場合:最短および最長の垂線
・ 形状が台形以外の四角形以上の多角形の場合:最短および最長の対角線
・ 形状が台形の場合:高さ(垂線)
・ 形状が不定形の場合:円相当径、および孔周の任意の1点と1点を結ぶ直径のうち最長のもの
スクリーンの投影面上における開孔形状が上記に記載の範囲を逸脱しない限り、開孔形状が厚さ方向で変化しても構わない。
開口径が0.1mm未満もしくは孔と孔の間の最短距離が5mmを超えると、スクリーン背面の風景が見えにくくなる傾向があり、貫通孔を設ける発明の趣旨に沿わない。逆に、開口径が8mmを超えるかもしくは孔と孔の間の最短距離が0.1mmに満たないと、投影映像が見えにくくなる傾向がある。
貫通孔はスクリーン背面の風景をどの程度の面積で視認したいかにより、スクリーン全面、もしくは一定面積部分に形成することを選択できる。平面上に設ける貫通孔の配列は上記の範囲を満たす限り、特に制限はされない。
また、隠蔽層を積層する場合、スクリーンへの貫通孔の形成は、この積層後に行わなければ、発明の趣旨に沿わない。
本発明の熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(A)の全光線透過率、全光線反射率、光沢度、密度、不透明度、厚さ、空孔率は、いずれも穿孔を施す前のフィルムにおいて測定したものとする。
密度が0.5g/cm3 未満の場合は、フィルム層(A)の機械的強度が低下するとともに、加工時にシワやタルミを生じ易くなる傾向がある。1.2g/cm3 を超える場合は、坪量、ひいては全体重量も過大になりやすい。
本明細書でいう密度は、JIS−P−8124に記載の方法により測定したものである。
不透明度が75%以下の場合は、スクリーン背面側に映像光が透過してしまい、投影面上の映像の輝度が低下し映像が見にくくなる傾向がある。
本発明でいう不透明度は、JIS−P−8138に記載の方法に準拠し、試料背面に黒色板を当てて測定した値を、同試料背面に白色板を当てて測定した値で徐した数値を百分率で表示したものである。
厚さが20μm未満ではスクリーンそのものの機械的強度が弱くなり、大きなスクリーンを形成することが困難になり、500μmより厚いとスクリーンそのものの重量が過大となり、取扱いが困難となる傾向がある。
本発明のスクリーン全体の厚さは、上記と同様の理由により20〜2000μmであることが好ましく、30〜1000μmであることがより好ましく、50〜800μmであることが特に好ましい。
本発明でいう厚さは、JIS−P−8118に記載の方法により測定したものである。
空孔率が20%未満ではスクリーンの全光線反射率や不透明度が低下し、スクリーン背面側に映像光が透過してしまい、投影面上の映像の輝度が低下し映像が見にくくなる傾向がある。空孔率が75%を超える場合、熱可塑性樹脂を含有するフィルム層の成形時に破断や穴開き等のトラブルが発生しやすくなる傾向があり、安定成形が困難である。
本発明における空孔率とは、該フィルム層の断面を切り出して電子顕微鏡で観察し、その領域で空孔が占める面積割合を求めた数値を、百分率で表示したものである。
熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらは2種以上を混合して用いることもできる。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましく、特にポリオレフィン系樹脂の中でもポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
また共重合体は2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
有機フィラーとしては、フィルム層(A)が主として含有する熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。
例えば、熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂の場合、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン6、ナイロン6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンなどとの共重合体(COC)等で、融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃を有するものが挙げられる。また熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂の場合、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリメチル−1−ペンテン、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンなどとの共重合体(COC)等で、融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃を有するものを挙げられる。
無機微細粉末及び/又は有機フィラーの含有量は、1〜70重量%であることが好ましく、3〜65重量%であることがより好ましい。含有量が1重量%未満では全光線透過率、全光線反射率、不透明度のバランスが取れなくなる傾向があり、70重量%より多いと、成形時に破断や穴開き等のトラブルを発生しやすい傾向があり、安定した成形が困難である。
延伸する場合の延伸温度は使用する熱可塑性樹脂の融点より2〜60℃低い温度であり、樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)のときは152〜164℃、高密度ポリエチレン(融点121〜134℃)のときは110〜120℃が好ましい。また延伸速度は20〜350m/minが好ましい。
単層構造の場合、フィルムは無延伸、1軸延伸、2軸延伸のいずれであっても差し支えない。2層構造の場合、無延伸/無延伸、無延伸/1軸延伸、無延伸/2軸延伸、1軸延伸/1軸延伸、1軸延伸/2軸延伸、2軸延伸/2軸延伸のいずれの構造であっても差し支えない。3層以上の構造の場合は、上記単層構造と2層構造を組み合わせればよく、いずれの組み合わせでも差し支えない。
また積層法としては、共押出しやラミネーション等公知の方法で行うことができる。
本発明のスクリーンは、大型化等に対応してその機械的強度を補うために、熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(A)の少なくとも片面に、必要に応じて熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(B)、織布または不織布を、単独に、または組み合わせて設けることができる。
本発明のスクリーンを構成するフィルム層(B)の厚さは、10〜1000μmであることが好ましく、20〜800μmであることがより好ましく、30〜500μmであることが特に好ましい。
厚さが10μm未満では機械的強度が不充分であり発明の趣旨に沿わない。一方、1000μmより厚いとスクリーン全体の重さが過大となり取扱いが困難となる。
平織りの織布の経糸、緯糸の素材としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリエチレンテレフタレート、木綿、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化エチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等が利用できる。
この抄造の際、水分散液中にパルプ状粒子を10〜90重量%の割合で配合させてもよい。パルプ状粒子の原料としては、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール繊維状バインダーやポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂粉末を短繊維結合剤として5〜30重量%配合してもよい。更に顔料、可塑剤、粘着調整剤、分散剤等を配合してもよい。
この不織布シートの坪量は、強度向上、ハンドリングとコスト面のバランスから12〜80g/m2 が好ましい。
かかる不織布合成紙は、ウェブの全体の温度を均一に保ちながら、フィラメントの収縮を20%以内に抑え、かつフィラメントの複屈折の低下を50%以内に抑えながら自己接合を行い、後にフィラメントの収縮を防ぐのに十分な温度まで低下させて製造できる。
本発明のスクリーンを構成するフィルム層(A)と、フィルム層(B)、織布、不織布との積層は、種々の接着剤を用いた一般的なドライラミネーション、ウェットラミネーション、押し出し(サンド)ラミネーション、熱ラミネーション、EB硬化型ラミネーションや、後述する粘着剤層と同様の粘着剤を設けて接着層とし、これを介して感圧接着する方法が用いられる。
粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤が代表的である。ゴム系粘着剤としては、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴムとこれらの混合物、或いはこれらゴム系粘着剤にアビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体、テルペン・インデン共重合体等の粘着付与剤を配合したものが挙げられる。アクリル系粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル共重合体等のガラス転移温度が−20℃以下のものが挙げられる。形態としては、溶剤型、エマルジョン型、ホットメルト型等が使用でき、一般的には溶剤型、エマルジョン型のものを公知の塗工法により塗工することにより積層できる。
再剥離層は、被貼付体への繰り返し貼り付け・剥離を可能とするものであり、例えばゴム、塩化ビニール、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、エラストマー等を発泡加工して形成することができる吸着層を例示できる。吸着層とは発泡による表面および内部の微細孔(凹部)により吸着作用を有するものである。
更に再剥離層は吸着層、弱粘着層の他に、例えば誘電材料を主成分とし、帯電しやすく減衰しにくい組成物および構造からなる静電気吸着層も例示できる。
これらの再剥離層は本発明の趣旨を逸脱しないように調整される。
粘着剤層または再剥離層の形成は、フィルム層(A)とフィルム層(B)または織布または不織布との積層の前でも後でも構わない。
剥離物は粘着剤層または再剥離層との剥離性を良好にするため、粘着剤層または再剥離層に接触する面にシリコーン処理が施されるのが一般的である。剥離物は、通常一般的なものが使用でき、上質紙やクラフト紙をそのまま、あるいはカレンダー処理したり樹脂を塗工したりフィルムラミネートしたもの、グラシン紙、コート紙、プラスチックフィルムなどにシリコーン処理を施したものが使用できる。
そのため隠蔽層は、前述のフィルム層、織布、不織布、コート層、接着層、粘着剤層と兼ねる場合もあり得る。
隠蔽層は本発明の必須要件である低い全光線透過率をさらに助長するためのものであり、例えばフィルム層(A)を比較的薄手のものを使用した場合でも、映像投影光または自然光による厚み方向の光の透けを効果的に防止することが可能となる。
本発明におけるカール値とは、カールの大きい方向を長手方向としてスクリーンをA4サイズ(210×297mm)に断裁し、凹状になるようにカール面を上向きに平置きした時、スクリーンの平面方向から見た見かけ上の、前記長手方向の辺の長さ(投影長さ)である。
本発明のスクリーンをロールスクリーンとして加工した場合、巻き上げ収納作業時に、このカールによって巻き径がコンパクトになり、また無理な力を要せず、シワの発生を防止できる。
カール値が250mmを超える場合は、巻き上げ作業時に無理な力が掛かり、スクリーンに折れシワ等が発生する。
本発明のスクリーンに付与するカールの方向は特に制限されないが、未使用時に映像投影面を保護する観点から、映像投影面となるフィルム層(A)を内側に巻き上げるように、カールの方向を付与することが好ましい。
また、特定の温度に設定した熱ロール、熱ヘッド、特定電磁波を発生しスクリーン上で熱変換するヘッド等に、本スクリーンを接触もしくは近接して通過させた後、巻き取ることでも実現できる。
さらに、本発明のスクリーンを構成するフィルム層(A)およびフィルム層(B)とを積層する場合に、工程上でそれぞれの層の張力に差が付くように調整して積層した後、巻き取ることでも実現できる。
処理時間は用いる上記方法により1m秒から7日程度まで様々な設定をとることが出来るが、好ましくは3m秒〜5日間であり、より好ましくは5m秒〜3日間である。
本発明のスクリーンはフィルム層(A)単独でも形成できるが、上記のカールを容易に成形、保持するためには、フィルム層(A)と熱収縮等の挙動の異なるフィルム層(B)との積層構造をとるのがより効果的である。
このようなフィルムを用いれば、予めバックグラウンドとなる情報や画像を印刷したスクリーンを得ることができる。
(製造例1)
プロピレン単独重合体(PP2)74重量%、高密度ポリエチレン(HDPE)10重量%、及び炭酸カルシウム16重量%を押出機にて250℃で溶融混練した後、250℃に設定したダイに供給し、フィルム状に押し出し、冷却ロールで冷却して無延伸フィルムを得た。この無延伸フィルムを135℃に加熱して縦方向に4倍の倍率で延伸し一軸延伸フィルムを得た。このフィルムを基材層(b)とした。
プロピレン単独重合体(PP1)52重量%、HDPE3重量%、及び炭酸カルシウム45重量%からなる混合物を別々の押出機にて250℃で溶融混練した後、250℃に設定したダイに供給しフィルム状に押し出し、表面層(a)、裏面層(c)として上記4倍延伸フィルムの両側に積層し、60℃まで冷却し三層構造の積層フィルム(a/b/c)を得た。
次いでこの積層フィルムを、150℃まで再加熱してテンターで横方向に9倍の倍率で延伸した。次いで、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして厚さ250μm(a/b/c=50μm/150μm/50μm)の多層延伸樹脂フィルム層(A)を得た。
樹脂の押し出し量を変更した以外は、製造例1と同じ方法により厚さ80μm(a/b/c=17μm/46μm/17μm)の多層延伸樹脂フィルム層(A)を得た。
(製造例3)
樹脂の押し出し量を変更した以外は、製造例1と同じ方法により厚さ96μm(a/b/c=16μm/64μm/16μm)の多層延伸樹脂フィルム層(A)を得た。
(製造例4)
表面層(a)の配合をPP2=100%とし、樹脂の押し出し量を変更した以外は、製造例1と同じ方法により厚さ96μm(a/b/c=19μm/58μm/19μm)の多層延伸樹脂フィルム層(A)を得た。
上記製造例1〜4で得られた各熱可塑性樹脂を含有する多層延伸樹脂フィルム層(A)について、前述の方法で全光線透過率、全光線反射率、光沢度、密度、不透明度、空孔率を測定した。結果を表2にまとめて示す。
製造例2で得たフィルム層(A)の表面層(a)側に、下記の組成を有するインクジェット用コート剤を乾燥後の塗工層厚さが40μmとなるように塗工し、乾燥させてコート層を設けたフィルム層(A)を得た。
微粒子シリカ(平均粒径0.3μm)(固形分量18%) 76重量%
ポリビニルアルコール(固形分量10%) 20重量%
メラミンホルマリン樹脂(固形分量30%) 2重量%
カチオン性アクリルポリマー(固形分量30%) 2重量%
更にこのコート層側には、大判IJ用プリンター(商品名:MC−9000、セイコーエプソン(株)製)を用いてフィルム下端部に「ロゴマーク」の印刷を施した。
製造例3で得たフィルム層(A)の裏面層(c)側に、乾燥後の塗工量が3g/m2 となるようにポリウレタン系接着剤(商品名:BPS−2080A、BPS−2080B、東洋モートン(株)製)を塗布乾燥し、坪量15.5g/m2 の不織布(商品名:スパンボンド#ユニセル、帝人(株)製)をドライラミネートして、不織布を積層貼合したフィルム層(A)を得た。
(製造例7)
上記ポリウレタン系接着剤に隠蔽性を付与するため、酸化チタンウィスカーを30重量%練り込んだ点を変更した以外は、製造例6と同じ方法により不織布を積層貼合したフィルム層(A)を得た。
剥離物として上質紙の両面にポリエチレンフィルムをラミネートし、その片面にシリコーン処理を施した剥離紙のシリコーン処理面に、アクリル系粘着剤(商品名:オリバインBPS−1109、東洋インキ化学工業(株)製)を固形分量で25g/m2 となるように塗工した後、乾燥させて粘着剤層を形成した。この剥離紙上の粘着剤層を、製造例1で得られたフィルム層(A)の裏面層(c)上に積層させて、粘着剤層及び剥離物を有するフィルム層(A)を得た。
製造例3で得られたフィルム層(A)の裏面層(c)側に、乾燥後の塗工量が3g/m2 となるようにポリウレタン系接着剤(商品名:BPS−2080A、BPS−2080B、東洋モートン(株)製)を塗布乾燥し、熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(B)として透明なポリエステルフィルム(商品名:ダイアホイルT600、厚さ100μm、全光線透過率90%、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)をドライラミネートして積層貼合した複合フィルムを得た。
この複合フィルムを、表面温度を210℃に設定した直径30mmの加熱ロールの間を6m/minの速度で通過させ、巻き上げてカールを付与し、フィルム層(B)を積層貼合し、カールを付与したフィルム層(A)とした。得られたスクリーンのカール値は40mmであった。
製造例1、5で得たフィルム層(A)およびその加工物に精密な抜き型を用いて直径1.0mmの真円状の貫通孔を、孔と孔の間の最短距離が1mmの間隔(貫通孔中心基準でピッチが2mm)で網目状に全面に設けスクリーンを得た。
〔実施例3〜6、比較例1〕
製造例6〜9、4で得たフィルム層(A)およびその加工物にレーザー光穿孔法を用いて直径0.5mmの真円状の貫通孔を、孔と孔の間の最短距離が1mmの間隔(貫通孔中心基準でピッチが1.5mm)で網目状に全面に設け、スクリーンを得た。
〔比較例2〕
製造例1で得たフィルム層(A)にレーザー光穿孔法を用いて直径0.05mmの真円状の貫通孔を、孔と孔の間の最短距離が1mmの間隔(貫通孔中心基準でピッチが1.05mm)で網目状に全面に設け、スクリーンを得た。
各実施例、比較例における構成を表3にまとめて示す。
実施例1〜4、および比較例1、2で得た各スクリーンを1.8m×1.8mサイズのタペストリーとして施工した。また、実施例5で得た粘着剤層を有するスクリーンはガラス窓に貼着して1.5m×2.0mサイズのショウウィンドウとして施工した。さらに、実施例6で得たカールを付与したスクリーンは0.6m×0.9mサイズの巻き上げ式ロールスクリーンとして施工した。
液晶プロジェクターより各スクリーン表面であるフィルム層(A)面側に映像を投影し、その画像の鮮明さと、ハレーションの有無を以下の基準により評価した。
・画像の鮮明さ ○ 鮮明
× 不鮮明(結像がずれる、ぼやける、見えにくい)
・ハレーション ○ なし
× あり(鏡面反射により見えにくい)
さらに、スクリーン背面の風景の視認性を以下の基準により評価した。
・視認性 ○ 視認可能(背景にある物の輪郭や動きが判る)
× 視認不可(背景にある物の輪郭や動きが判らない)
結果は表4にまとめて示す。
また、実施例6において、ロールスクリーンとする為にカールを付与したスクリーンの、巻き上げ操作時の巻き上げの容易さを以下の基準により評価した。
○ 巻き上げが抵抗なくスムーズである
× 巻き上げに抵抗があり、うまく丸まらない
結果は表5に示す通りであった。
Claims (20)
- 全光線透過率が30%未満、全光線反射率が70%を超えて100%以下、光沢度が60%以下の熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(A)に、その厚さ方向に貫通する開口径0.1〜8mmの貫通孔が、孔と孔の間の最短距離0.1〜5mmの間隔で該フィルムの平面方向に連続的に分布していることを特徴とするスクリーン。
- 貫通孔形成前の前記フィルム層(A)の密度が0.5〜1.2g/cm3であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
- 貫通孔形成前の前記フィルム層(A)の不透明度が75%を超えて100%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
- 貫通孔形成前の前記フィルム層(A)の厚さが20〜500μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 貫通孔形成前の前記フィルム層(A)の空孔率が20〜75%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記フィルム層(A)が、多層構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記フィルム層(A)が、少なくとも一軸に延伸された層を含む多層構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記フィルム層(A)の少なくとも片面にコート層を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記フィルム層(A)の片面に、熱可塑性樹脂を含有するフィルム層(B)を積層したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 請求項1〜8に記載のフィルム層(A)の少なくとも片面に、または請求項9に記載のフィルム層(B)に、織布、不織布のいずれかを積層したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 請求項1〜8に記載のフィルム層(A)の少なくとも片面に、または請求項9に記載のフィルム層(B)または請求項10に記載の織布、不織布のいずれか積層した層に更に、粘着剤層を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 請求項1〜8に記載のフィルム層(A)の少なくとも片面に、または請求項9に記載のフィルム層(B)または請求項10に記載の織布、不織布のいずれか積層した層に更に、繰り返し貼り付け・剥離の可能な再剥離層を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記再剥離層が吸着層または弱粘着層または静電気吸着層であることを特徴とする請求項12に記載のスクリーン。
- 前記粘着剤層または再剥離層の表面に剥離可能な剥離物を積層したことを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記フィルム層(A)の非映像投影面側に隠蔽層を設けたことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 下記に示すカール値が250mm以下であることを特徴とする請求項1〜10、15のいずれか1項に記載のスクリーン。
カール値:カールの大きい方向を長手方向として、スクリーンをA4サイズ(210×297mm)に断裁し、凹状になるようにカール面を上向きに平置きした時、スクリーンの平面方向から見た見かけ上の、前記長手方向の辺の長さ(投影長さ)。 - 前記フィルム層(A)の少なくとも片面または請求項8に記載のコート層、及び/又は請求項9に記載のフィルム層(B)、または請求項10に記載の織布または不織布に印刷を施したことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂またはポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のスクリーン。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項18に記載のスクリーン。
- 前記フィルム層(A)が、無機微細粉末及び有機フィラーのうち少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のスクリーン。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017194613A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-10-26 | 株式会社Wonder Wall | 投映システムおよびこれを用いた投映方法 |
-
2003
- 2003-10-10 JP JP2003352732A patent/JP2004151708A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006051792A (ja) * | 2004-07-13 | 2006-02-23 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボード |
JP4606133B2 (ja) * | 2004-07-13 | 2011-01-05 | 三菱樹脂株式会社 | 筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボード |
JP2017194613A (ja) * | 2016-04-22 | 2017-10-26 | 株式会社Wonder Wall | 投映システムおよびこれを用いた投映方法 |
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