JP2006051792A - 筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、筆記ボード表面材として用いたときに筆記性および消去性に優れ、また反射型スクリーンとして用いたときに、防眩性に優れホットスポットがなく、光反射性が高く投影画像を鮮明に見ることができる、筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボードを提供することにある。
【解決手段】微粉状充填剤を含有し、かつ、内部に空隙率が50%以下となるように空隙を有する脂肪族ポリエステル系樹脂からなる反射フィルムの表層に、筆記ボード用マーカーによって筆記および消去が可能な光拡散透過層を設ける。光拡散透過層は、光散乱性粒子を含有するフッ素系樹脂を主体とすることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ホワイトボード等の白色の筆記ボードの表面材として、またOHP、スライド、映写機等のプロジェクター用反射型スクリーンとして、さらに筆記ボードおよび反射型スクリーンの兼用ボードの表面材として利用することができる、筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボードに関するものである。
反射型スクリーン及び黒板或いはホワイトボードの設置場所の省スペース化やプレゼンテーションの効率化等の要請から、両者の機能を備えたボードが提案されている(例えば特開平10−287091号公報参照)。一般にホワイトボードのような筆記ボードは、水性ペン等の筆記ボード用マーカーによる筆記と消去が可能であるために、その表面は平滑であることが求められる。一方反射型スクリーンは光を反射し、しかも反射された光が像として見やすいように防眩性を備えていることが要求される。特に最近の光強度の大きいプロジェクター用の反射型スクリーンでは、光の当たる中心が光って画像が見えにくくなる現象(いわゆるホットスポット)が問題となっている。
前記の特開平10−287091号公報には、筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート透明フィルムからなる基材の表面にアルミ蒸着を施して光反射層とし、この反射使用面側に光拡散剤を含有させたフッ素樹脂系フィルムからなる光拡散透過層を積層したものが提案されている。しかし、このフィルムは筆記ボード用マーカーによる筆記/消去性と防眩性を備えているものの、光反射性としては不十分なものである。そのため光強度が不十分なプロジェクターで投影した場合には、反射される光の強度も小さくなり投影された画像が見えにくくなるという問題がある。
特開平10−287091号公報
本発明の目的は、反射型スクリーンとしても筆記ボードの表面材としても優れた性能を有する筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを提供することにある。即ち、筆記ボード表面材として用いたときに筆記性および消去性に優れ、また反射型スクリーンとして用いたときに、防眩性に優れホットスポットがなく、光反射性が高く投影画像を鮮明に見ることができる、筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボードを提供することにある。
本発明の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムは、微粉状充填剤を含有し、かつ、内部に空隙率が50%以下となるように空隙を有する脂肪族ポリエステル系樹脂からなる反射フィルムの表層に、筆記ボード用マーカーによって筆記および消去が可能な光拡散透過層を設けたことを特徴とする。
ここで、光拡散透過層は、光散乱性粒子を含有するフッ素系樹脂を主体とすることが好ましい。
また、微粉状充填剤が、少なくとも酸化チタンを含むことが好ましい。
さらに、微粉状充填剤の含有量が、微粉状充填剤及び脂肪族ポリエステル系樹脂を含む脂肪族ポリエステル系樹脂組成物100質量部に対して10質量部以上、60質量部以下であることが好ましい。
また、脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率が1.52未満であることが好ましく、さらには脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率と、微粉状充填剤の屈折率との差が0.15以上であることが好ましい。
さらに、脂肪族ポリエステル系樹脂が乳酸系重合体であることが好ましい。
本発明の筆記ボード/反射型スクリーンの兼用ボードは、前記の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを表面材に用いてなるものである。
本発明によれば、投影された画像がより鮮明に見え、ホワイトボード等の白色の筆記ボードの表面材として、またOHP、スライド、映写機等のプロジェクター用反射型スクリーンとして、さらに筆記ボードおよび反射型スクリーンの兼用ボードの表面材として好適な筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムおよびこれを用いた兼用ボードを得ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、内部に微粉状充填剤を有する。微粉状充填剤としては、有機質微粉体、無機質微粉体等が挙げられる。
有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも1種が用いられることが好ましい。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも1種が用いられることが好ましい。得られるフィルムの光反射性を勘案すれば、フィルムを構成するベース樹脂との屈折率差が大きいものが好ましく、すなわち、無機質微粉体としては屈折率が大きいものが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることが更に好ましく、これらの中でも酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンを用いることにより、より少ない充填量でフィルムに高い反射性能を付与することができ、また、薄肉でも高い反射性能のフィルムを得ることができる。
本発明においては、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いることが特に好ましい。本発明において高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタンであり、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないものをいう。本発明においては、酸化チタンに含まれるバナジウムの含有量が5ppm以下である酸化チタンを高純度酸化チタンと称すことにする。高純度酸化チタンは、光吸収能を小さくするという観点からは、酸化チタンに含まれる、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素も少なくすることが好ましい。
本発明に用いられる酸化チタンとしては、例えば、アナタース型酸化チタン及びルチル型酸化チタンのような結晶形の酸化チタンが挙げられる。ベース樹脂との屈折率差を大きくするという観点からは、屈折率が2.7以上の酸化チタンであることが好ましく、例えば、ルチル型酸化チタンの結晶形のものを用いることが好ましい。
バナジウムの含有量が5ppm以下の酸化チタンとしては、例えば塩素法プロセスにより製造されるものが挙げられる。塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1,000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、まず、四塩化チタンを生成させる。次いで、この四塩化チタンを酸素で燃焼することにより、高純度酸化チタンを得ることができる。なお、酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。したがって、硫酸法プロセスでは高純度酸化チタンは得られ難い。
本発明においては、微粉状充填剤として、無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて使用してもよい。また、微粉状充填剤同士を併用することができ、例えば、酸化チタンと他の微粉状充填剤、高純度酸化チタンと他の微粉状充填剤とを併用してもよい。
また、微粉状充填剤の樹脂への分散性を向上させるために、微粉状充填剤の表面に、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用してもよい。例えば、酸化チタンの脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性を向上させるために、及び、酸化チタンの光触媒活性を抑制するために、酸化チタンの表面に表面処理を施しても良い。
表面処理剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア等からなる群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物、シロキサン化合物、シランカップリング剤、ポリオール及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の有機化合物等を用いることができる。また、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる微粉状充填剤は、粒径が0.05μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは粒径が0.1μm以上、10μm以下である。微粉状充填剤の粒径が0.05μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が低下することがないので、均質なフィルムが得られる。また粒径が15μm以下であれば、形成される空隙が粗くなることはなく、高い反射率のフィルムが得られる。
本発明に用いられる高純度酸化チタンは、粒径が0.1μm以上、1μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、0.5μm以下であることが更に好ましい。高純度酸化チタンの粒径が0.1μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が良好であり、均質なフィルムを得ることができる。また、高純度酸化チタンの粒径が1μm以下であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの界面が緻密に形成されるので、反射フィルムに高い光反射性を付与することができる。
微粉状充填剤は脂肪族ポリエステル系樹脂に分散配合されることが好ましい。本発明の反射フィルムに含まれる微粉状充填剤の含有量は、フィルムの光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、反射フィルムを形成するための脂肪族ポリエステル系樹脂組成物中、10質量%以上、60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上、55質量%未満であることが更に好ましく、20質量%以上、50質量%以下であることが特に好ましい。微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができて、フィルムに高い光反射性を付与することができる。また、微粉状充填剤の含有量が60質量%以下であれば、フィルムに必要な機械的性質を確保することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、内部に、空隙率(空隙がフィルム中に占める割合)が50%以下となるように空隙を有する。本発明においてはフィルム内部に効果的に分散状態で微粉状充填剤を含むことによって、優れた反射率を実現することができる。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムが、フィルム内に空隙を有する場合には、その空隙がフィルム中に占める割合(空隙率)が5%以上、50%以下の範囲内であることが好ましい。また、空隙率は20%以上であることが更に好ましく、特に好ましくは30%以上である。空隙率が50%を超えると、フィルムの機械的強度が低下してフィルム製造中にフィルムが破断したり、使用時に耐熱性等の耐久性が不足することがある。例えば微粉状充填剤を添加して延伸することにより、フィルム中に空隙を形成することができる。
微粉状充填剤として酸化チタンを用いれば、フィルム内部に存在する空隙率が少なくても高い光反射性を達成することができるので、例えば、15%以下の空隙率でも充分に高い光反射性を達成することができる。これは、酸化チタンの屈折率が高く、隠蔽力が高いことに起因すると推察される。また、充填剤の使用量を少なくすることができるならば、延伸により形成される空隙の数も少なくなるので、高い反射性能を維持しつつフィルムの機械的性質を向上させることができる。さらに、充填剤の使用量が多くても、延伸量を少なくして空隙を少なくすることにより、同様に機械的性質を向上させることができる。これらはフィルムの寸法安定性の向上の点においても有利な点である。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、内部に空隙を有していなくても、フィルム内にバナジウム含量が5ppm以下の高純度酸化チタンを有していれば、高い光反射性を実現することができる。また、高純度酸化チタンを含有させ、かつ、空隙を有していれば、特に高い反射性が実現できる。
本発明の反射フィルムを構成するベース樹脂は、屈折率(n)が1.52未満であることが好ましく、本発明においては、屈折率(n)が1.52未満の脂肪族ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
屈折率(n)が1.52未満である樹脂は、芳香環を含まない脂肪族系樹脂であることが好ましく、ポリ乳酸系重合体であることが更に好ましい。芳香環を含むもの、例えば芳香族系樹脂は、屈折率が約1.55以上である。フィルム内に微粉状充填剤を含有する反射フィルムは、フィルム内での界面における屈折散乱を利用して光反射性を付与している。そのため、フィルムを構成する樹脂と微粉状充填剤との屈折率の差が大きいほうが、高い光反射性を容易に付与することができる。本発明においては、この屈折率の差が0.15以上であることが好ましく、0.20以上であることが更に好ましい。フィルムを構成する樹脂の屈折率が1.52未満であれば、微粉状充填剤の屈折率との差が0.15以上の条件を確保することが容易になる。例えば、乳酸系重合体は屈折率が1.45程度であるので、微粉状充填剤等との差が0.15以上の条件を容易に達成することができ、組み合わせられる微粉状充填剤の種類も豊富になる。ところが、芳香環を含む樹脂は屈折率が約1.55以上であるので、微粉状充填剤との屈折率の差が小さくなってしまうことが多い。
脂肪族ポリエステル系樹脂は、分子鎖中に芳香環を含まないので紫外線吸収を起こさない。したがって、紫外線によってフィルムが劣化、黄変することがなく、光反射性が低下することがない。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、化学合成されたもの、微生物により発酵合成されたもの、及び、これらの混合物を用いることができる。化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ラクトンを開環重合して得られるポリε−カプロラクタム等、二塩基酸とジオールとを重合して得られるポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等、ヒドロキシカルボン酸を重合して得られるポリ乳酸、ポリグリコール等や、上記した脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部、例えば50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル等が挙げられる。また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等が挙げられる。
本発明において、乳酸系重合体とは、D−乳酸またはL−乳酸の単独重合体またはそれらの共重合体をいい、具体的には、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、更にはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、またこれらの混合体も含まれる。
乳酸系重合体をはじめとする脂肪族ポリエステル系樹脂は、分子鎖中に芳香環を含まないので紫外線吸収を起こさない。したがって、紫外線に晒されて反射フィルムが劣化したり、黄変したりすることがないので、フィルムの反射率が低下することがない。
乳酸系重合体は、縮合重合法、開環重合法等の公知の方法で製造することが出来る。例えば、縮合重合法では、D−乳酸、L−乳酸、または、これらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合することにより任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。上記ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸の二量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系重合体を得ることができる。
本発明に用いられる乳酸系重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比が、D−乳酸:L−乳酸=100:0〜85:15であるか、またはD−乳酸:L−乳酸=0:100〜15:85であることが好ましく、さらに好ましくは、D−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5、または、D−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95である。D−乳酸とL−乳酸との構成比が100:0もしくは0:100である乳酸系重合体は非常に高い結晶性を示し、融点が高く、耐熱性および機械的物性に優れる傾向がある。すなわち、フィルムを延伸したり熱処理したりする際に、樹脂が結晶化して耐熱性及び機械的物性が向上するので好ましい。一方、D−乳酸とL−乳酸とで構成された乳酸系重合体は、柔軟性が付与され、フィルムの成形安定性及び延伸安定性が向上するので好ましい。したがって、得られる反射フィルムの耐熱性と、成形安定性及び延伸安定性とのバランスを勘案すると、本発明に用いられる乳酸系重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比が、D−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5、又は、D−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95であることが、より好ましい。
本発明においては、D−乳酸とL−乳酸との共重合比が異なる乳酸系重合体をブレンドしてもよい。この場合には、複数の乳酸系重合体のD−乳酸とL−乳酸との共重合比を平均した値が上記範囲内に入るようにすればよい。D−乳酸とL−乳酸のホモポリマーと、共重合体とをブレンドすることにより、ブリードのし難さと耐熱性の発現とのバランスをとることができる。
本発明に用いられる乳酸系重合体は高分子量であることが好ましく、例えば、重量平均分子量が5万以上であることが好ましく、6万以上、40万以下であることが更に好ましく、10万以上、30万以下であることが特に好ましい。乳酸系重合体の重量平均分子量が5万以下であると、得られたフィルムが機械的物性に劣る場合がある。
ところで、本発明の反射フィルムに加水分解防止剤を添加して、高温度、高湿度に耐えるような耐久性を付与しておくと、該反射フィルムを利用したホワイトボード、プロジェクター用反射型スクリーン、さらに筆記ボードおよび反射型スクリーンの兼用ボードの使用環境、場所を選ぶ必要がなくなり好ましい。本発明に好ましく用いられる加水分解防止剤としては、カルボジイミド化合物等が挙げられる。カルボジイミド化合物としては、例えば、下記一般式の基本構造を有するものが好ましいものとして挙げられる。

―(N=C=N−R−)

式中、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間で適当な整数が選択される。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、および、これらの単量体が、カルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、あるいは、2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、フィルムを構成する脂肪族ポリエステル系樹脂100質量部に対してカルボジイミド化合物を0.1〜3.0質量部添加することが好ましい。カルボジイミド化合物の添加量が0.1質量部以上であれば、得られるフィルムに耐加水分解性の改良効果が十分に発現される。また、カルボジイミド化合物の添加量が3.0質量部以下であれば、得られるフィルムの着色が少なく、高い光反射性が得られる。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤、および、その他の添加剤を添加することができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、420nm〜700nmの光の波長域において、90%以上であることが好ましく、95%以上であることが更に好ましい。フィルム表面の平均反射率が90%以上であれば、良好な反射特性を示し、反射型スクリーンの画面も十分な明るさを実現することができる。このようにして得られた反射フィルムは、反射型スクリーンとして十分機能する所定の反射率を有するものとなる。
また、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは、波長が550nmの光に対する表面の平均反射率が95%以上であることが好ましく、98%以上であることが更に好ましい。かかる平均反射率が95%以上であれば、良好な反射特性を示し、反射型スクリーンの画面に充分な明るさを与えることができる。
なお、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは紫外線に晒された後でも優れた平均反射率を保持することができる。
本発明の光拡散透過層は、筆記ボード用マーカーによる記入に対する消去性と視野角を広げるための光拡散性とを付与するために、最表面に設けられるものであって、光拡散性を発現する曇価を有し、表面張力が低く耐汚染性に優れた材質が好適である。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコン系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等に、シリカ、アルミナ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の光散乱性粒子を添加し、さらに必要に応じて滑剤、離型剤、界面活性剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜選択して添加したもの等が使用できる。
前記光拡散透過層としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂を主体としたものが好ましく採用できる。これらは、通常の樹脂と比較して表面張力が著しく低いので消去性や耐汚染性に優れるほか、耐水性、耐湿性、耐擦傷性、耐侯性、耐光性等の点でも優れており好ましい。
なお、前記光散乱性粒子の添加量が多すぎると、光透過率が低下して映像が暗くなったり、表面が粗すぎて消去性が悪化する等の不具合が発生するので、光散乱性粒子の添加量は、前記光拡散透過層が外光の反射や光源の映り込み等を防止して、十分な視野角が得られる程度の適度の光拡散透過性を有し、また筆記ボード用マーカーで記入する際にそのインキが表面で撥かれることのない程度の僅かな表面祖度を有する程度とすることが好ましい。具体的には、前記光拡散透過層の曇価は10〜50%の範囲とすることが好ましい。
また、前記光拡散透過層の厚みは、5μm以上が好ましく、生産性、ハンドリング性より10〜100μmがさらに好ましい。
以下に、本発明の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、下記製造法に何等限定されるものではない。
まず、脂肪族ポリエステル系樹脂に、微粉状充填剤及び/又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤、その他の添加剤等を必要に応じて配合した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を作製する。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤等を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えばポリ乳酸の場合には170℃〜230℃)で混練することにより脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を得ることができる。または、脂肪族ポリエステル系樹脂、微粉状充填剤又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤等を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を得ることができる。あるいは、予め、微粉状充填剤又は高純度酸化チタン、加水分解防止剤等を脂肪族ポリエステル系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと脂肪族ポリエステル系樹脂とを混合して所望の濃度の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物とすることもできる。
次に、このようにして得られた脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を溶融し、フィルム状に形成する。例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を乾燥した後、押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。あるいは、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物を乾燥させずに押出機に供給しても良いが、乾燥させない場合には溶融押出する際に真空ベントを用いることが好ましい。押出温度等の条件は、分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定されることが必要であるが、例えば、押出し温度はポリ乳酸の場合であれば170℃〜230℃の範囲が好ましい。その後、溶融した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムは少なくとも1軸方向に延伸されていることが好ましく、2軸方向に延伸されていることが更に好ましい。延伸条件によっては反射フィルムの機能を付与することが困難となる場合があり、また十分な耐熱性を付与できなくなることがあるので、延伸条件は重要である。
本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムが空隙を有する場合には、得られたキャストシートを面積倍率において5倍以上に延伸することが好ましく、7倍以上に延伸することが更に好ましい。面積倍率において5倍以上に延伸することにより5%以上の空隙率を実現することができ、7倍以上に延伸することにより20%以上の空隙率を実現することができ、7.5倍以上に延伸することにより、30%以上の空隙率も実現することができる。例えば微粉状充填剤として酸化チタンを使用し、面積倍率において5倍以上に延伸することにより5%以上の空隙率を有するフィルムを得ることができ、フィルムの白化が進行して十分なフィルム反射率が得られる。なお、微粉状充填剤として酸化チタン以外の充填剤を使用する場合には、空隙率が20%以上となるようにすることが好ましい。
1軸延伸のみで5倍以上の面積倍率を実現することが困難な場合には、2軸延伸することにより、容易に5倍以上の面積倍率を達成することができる。すなわち、2軸延伸することにより、より高い空隙率を有するフィルムが安定して得られ、その結果、フィルムの反射率を向上させることができる。また、フィルムを2軸延伸させることによりフィルムの機械的強度を増加させることができるので、フィルムの機械物性の面からも、2軸延伸することが好ましい。また、反射フィルムに耐熱性が要求される場合には、2軸延伸するとフィルムの収縮方向に異方性がなくなるので好ましい。
ところで、高純度酸化チタンを使用する場合には、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸することが好ましく、二軸方向に延伸することが更に好ましい。但し空隙の存在は必須ではないので、空隙を形成しても、形成しなくても良い。
キャストシートを延伸する際の延伸温度は、例えばポリ乳酸の場合には50℃以上、90℃以下であることが好ましい。延伸温度が50℃以上であれば、延伸時にフィルムが破断することがなく、90℃以下であれば延伸配向が低くなって空隙率が小さくなることもない。
例えば、延伸倍率等を適宜選択し、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂フィルムを延伸することによって、フィルム内部に空隙が形成されるが、これは、延伸時に脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤の延伸挙動が異なるからである。つまり脂肪族ポリエステル系樹脂に適した延伸温度で延伸を行えば、マトリックスとなる脂肪族ポリエステル系樹脂は延伸されるが、微粉状充填剤はそのままの状態でとどまろうとするため、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との界面が剥離して、空隙が形成される。フィルムを1軸延伸したのみでは、形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、2軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされたものとなり円盤状形態になる。換言すれば、2軸延伸することによって、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉末状充填剤との界面の剥離面積が増大し、フィルムの白化が進行し、その結果、反射フィルムとして良好な反射率が得られるのである。
2軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時2軸延伸でも逐次延伸でも構わない。延伸設備を用いて、溶融製膜した後、ロール延伸によってMDに延伸した後、テンター延伸によってTDに延伸しても良いし、チューブラー延伸等によって2軸延伸を行ってもよい。
本発明においては、脂肪族ポリエステル系樹脂反射フィルムに耐熱性および寸法安定性を付与するために、延伸後に熱固定を行うことが好ましい。
フィルムを熱固定するための処理温度は90〜160℃であることが好ましく、110〜140℃であることが更に好ましい。熱固定に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが好ましい。
また本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物からなるフィルムは、単層構成でもよいが、上述した脂肪族ポリエステル系樹脂と、10質量%以上60質量%以下の微粉状充填剤とを含有する樹脂組成物から形成された層を2層以上積層した多層構成としてもよい。
そして、微粉状充填剤を含有し、かつ、内部に空隙を有する脂肪族ポリエステル系樹脂からなる反射フィルムの表面に、光拡散透過層を設けるには、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂からなる反射フィルムと、フッ素系樹脂を主体としたフィルムからなる光拡散透過層を、重ね合わせて部分的に接着したり、全面を接着したりすることによって得ることができる。接着方法としては、各種接着剤を用いて公知の方法で接着するか、公知の熱接着方法で接着することが可能であるが、熱のかからない接着方法もしくは210℃以下で熱接着する方法が、脂肪族ポリエステル系樹脂からなるフィルムに含まれる空隙が保持されて、高い光反射性が維持されるので好ましい。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、実施例に示す測定値および評価は以下に示すようにして行った。ここで、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(測定および評価法)
(1)微粉状充填剤の平均粒径
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過の時間より算出した。
(2)反射フィルムの空隙率(%)
延伸前のフィルムの密度(「未延伸フィルム密度」と表記する)と、延伸後のフィルムの密度(「延伸フィルム密度」と表記する)を測定し、下記式に代入してフィルムの空隙率を求めた。

空隙率(%)=
{(未延伸フィルム密度−延伸フィルム密度)/未延伸フィルム密度}×100
(3)筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムの平均反射率(%)
分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を420〜700nmにわたって2nm間隔で測定する。得られた測定値の平均値を計算し、この値を平均反射率とした。
(4)光拡散透過層の曇価(%)
JIS K 7105に準じて測定した。
(5)筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムの筆記性
筆記ボード用マーカー黒(PM92D、太字、コクヨ(株)製)を用いて、フィルム表面の一辺3cmの正方形内に文字を書いた。その文字に滲み、あるいはあるかを観察して、次の通り評価した。
○:滲み、撥きがない。
×:滲みまたは撥きがある。
(6)筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムの消去性
筆記ボード用マーカー黒(PM92D、太字、コクヨ(株)製)を用いて、フィルム表面の一辺3cmの正方形内に文字を書いた。その文字をマーカー字消しで消去し、その文字が消去可能か観察して、次の通り評価した。
○:マーカー字消しで1回拭き取るだけで、マーカーの残りがなくなる。
×:マーカー字消しで3回〜5回拭き取ると、マーカーの残りがなくなる。
(7)筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムの防眩性
液晶プロジェクター(ELP−3500、エプソン(株)製)を用いて投影して、ホットスポットを観察して防眩性を評価した。
○:ホットスポットが見えなかったもの。
×:ホットスポットが見えたもの。
実施例で用いられる乳酸系重合体は以下のようにして製造された。
<乳酸系重合体(PLA)の製造:L体含量99.5%>
ピューラックジャパン社製のL−ラクチド(商品名:PURASORB L)100kgに、オクチル酸スズを15ppm添加したものを、攪拌機と加熱装置とを備えた500Lのバッチ式重合槽に入れた。次いで、窒素置換を行い、温度185℃、攪拌速度100rpmの条件下で60分間重合を行い、溶融物を得た。得られた溶融物を、真空ベントを3段備えた三菱重工(株)製の40mmφ同方向2軸押出機に供し、ベント圧4Torrで脱揮しながら200℃でストランド状に押し出して、ペレット形状の乳酸系重合体を得た。
得られた乳酸系重合体の重量平均分子量は20万であり、L体含有量は99.5%、D体含有量は0.5%であった。
(実施例1)
上記で得られた重量平均分子量20万の乳酸系重合体(D体含有量0.5%)のペレットと平均粒径0.25μmのルチル型酸化チタンとを80質量%/20質量%の割合で混合して混合物を形成した。この混合物100質量部に対して、加水分解防止剤(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)を2質量部加えて混合した後、二軸押出機を用いて樹脂組成物を作製した。その後、樹脂組成物を一軸押出機を用いて、220℃でTダイより押し出し、冷却固化してフィルムを形成した。得られたフィルムを、温度65℃で、MDに3倍、TDに3倍の二軸延伸した後、140℃で熱処理し、厚さ60μmの反射フィルムを得た。
一方、光拡散透過層として、マイカ配合エチレン−テトラフロロエチレン共重合体フィルム(東京ガスフロロマテリアル(株)製、商品名「21GNS−P」、曇度20%、厚さ20μm)を準備した。
前記反射フィルムの反射使用面側に光拡散透過層を重ね合わせて、全面を接着して厚さ80μmの筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを得た。接着は、プライマー(旭硝子(製)、商品名「AG9014S」)を光拡散透過層に塗布して、その塗布面と反射フィルムとを重ね合わせて、120℃に加熱したロール間に通して行った。
得られたフィルムについて、上記に示す物性について評価した結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ルチル型酸化チタンの代わりに平均粒径0.7μmの硫酸バリウムを30wt%混合して、実施例1と同様の手法で厚さ80μmの筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを得た。得られたフィルムについて、上記に示す物性について評価した結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ルチル型酸化チタンの代わりに平均粒径0.15μmの炭酸カルシウムを20wt%混合して、実施例1と同様の手法で厚さ80μmの筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを得た。得られたフィルムについて、上記に示す物性について評価した結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面に厚さ100nmにアルミニウム蒸着を施したものを反射フィルムとして用いた以外は、実施例1と同様の手法で厚さ70μmの筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを得た。得られたフィルムについて、上記に示す物性について評価した結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの表面に厚さ100nmの白色塗料塗布層を設けたものを反射フィルムとして用いた以外は、実施例1と同様の手法で厚さ70μmの筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを得た。得られたフィルムについて、上記に示す物性について評価した結果を表1に示す。
Figure 2006051792
表1から明らかなように、実施例1〜3の本発明の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムは、比較例1、2のフィルムに対して、平均反射率で10%以上上回り光反射性が高いので、投影された画像はより鮮明に見える。例えば光強度が不十分なプロジェクターで投影した場合でも、反射される光の強度がより大きくなり、画像も鮮明に見える。また、筆記ボード用マーカーによる筆記、消去性および防眩性も良好で、筆記ボードおよび反射型スクリーンの兼用ボードの表面材として好適であることがわかる。


Claims (8)

  1. 微粉状充填剤を含有し、かつ、内部に空隙率が50%以下となるように空隙を有する脂肪族ポリエステル系樹脂からなる反射フィルムの表層に、筆記ボード用マーカーによって筆記および消去が可能な光拡散透過層を設けたことを特徴とする筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  2. 前記光拡散透過層が、光散乱性粒子を含有するフッ素系樹脂を主体とすることを特徴とする請求項1に記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  3. 前記微粉状充填剤が、少なくとも酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  4. 前記微粉状充填剤の含有量が、微粉状充填剤及び前記脂肪族ポリエステル系樹脂を含む脂肪族ポリエステル系樹脂組成物100質量部に対して10質量部以上、60質量部以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  5. 前記脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率が1.52未満であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  6. 前記脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率と、前記微粉状充填剤の屈折率との差が0.15以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  7. 前記脂肪族ポリエステル系樹脂が乳酸系重合体であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルム。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の筆記ボード/反射型スクリーン両用フィルムを表面材に用いてなる筆記ボード/反射型スクリーンの兼用ボード。
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