JP4777638B2 - 反射フィルム - Google Patents
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Description
よって、本発明の反射フィルムは、パソコンやテレビ等のディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板等に用いる反射フィルムとして好適であるばかりか、大型液晶テレビ等の特に優れた耐熱性が要求される用途の反射フィルムとしても好適に用いることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、化学合成されたもの、微生物により発酵合成されたもの、及び、これらの混合物を用いることができる。
化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリε−カプロラクタム等、ラクトンを開環重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等、二塩基酸とジオールとを重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール等ヒドロキシカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、前記脂肪族ポリエステルのエステル結合の一部、例えば全エステル結合の50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル等を挙げることができる。
また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体等を挙げることができる。
脂肪族ポリエステル系樹脂は、分子鎖中に芳香環を含まないので紫外線吸収を起こさない。従って、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によってフィルムが劣化、黄変することがなく、光反射性が経時的に低下することが少ない。
脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率の差は、0.15以上であることが好ましく、0.20以上であれば更に好ましい。
脂肪族ポリエステル系樹脂の屈折率が1.52未満であれば、微粉状充填剤の屈折率との差が0.15以上の条件を確保することが容易であり、組み合わせられる微粉状充填剤の種類も豊富になる。
次に、本実施形態で用いるアクリル系樹脂について説明する。
本実施形態に用いるアクリル系樹脂として、主成分がメチルメタクリル酸より重合されるメチルメタクリル樹脂(PMMA:ポリメチルメタ(ア)クリレートともいう)を好適に用いることができる。メチルメタクリル樹脂は、乳酸系重合体と同様に屈折率が1.49と低く、アクリル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率の差が大きくなり、高い反射性能を得ることができる。
また、アクリル系樹脂は、芳香族基をもたないので、紫外線に晒されることによる反射フィルムの劣化に起因する黄変がほとんど無いことから、反射フィルムの反射率が経時的に低下することもほとんどない。また、アクリル系樹脂は屈折率が小さいことから、微粉状充填剤との屈折率の差が大きくなり高い反射性能を得ることができる。
なお、本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、粘弾性測定における損失弾性率(E”)のピーク温度によって定義される温度である。粘弾性測定における損失弾性率(E”)のピーク温度は、例えば、粘弾性スペクトロメーターを用い、所定の条件下で測定される損失弾性率の温度依存曲線の傾きを求め、この傾きが零(一次微分が零)となる温度である。
製造時の熱による劣化を鑑みると、脂肪族ポリエステルの押出温度は220℃以下が好ましいことから、アクリル系樹脂も同温度での押出が可能であることが好ましく、アクリル系樹脂のMFRはなるべく高い方が好ましい。従って、MFRが5以上であれば、樹脂混合物の押出温度を低く抑えることができるため樹脂混合物の熱劣化や劣化による反射率低下が生じることない。また、35以下であれば、反射フィルムの耐破断性を保つことができる。
なお、MFRの値は、JIS K−7210(又はASTM D−1238)に準じ、230℃、荷重37.3N、10分の条件で測定した値である。
アクリル系ゴムの一例として、二重結合を含まないアルキル(メタ)アクリレートと架橋剤とからなる架橋アルキル(メタ)アクリレートゴム重合体にメチルメタクリレート、或いはスチレンやアクリルニトリル等をグラフト重合したアクリル系ゴムを挙げることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のアルキルアクリレート、及びヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートを挙げることができる。
また、(軟質性)エラストマー成分としての脂肪族ポリエステルは、特にガラス転移温度が0℃未満、さらに好ましくは−20℃未満の脂肪族ポリエステルであるのがよい。ガラス転移温度が0℃未満の脂肪族ポリエステルは、(軟質系)エラストマー性の機能を有し、好適に耐破断性を付与することができる。
ガラス転移温度が0℃未満の脂肪族ポリエステルは、昭和高分子(株)社製:ビオノーレ3000シリーズや三菱化学(株)社製GS−Pla等を例示することができる。
本実施形態で用いる微粉状充填剤としては、有機質微粉体、無機質微粉体等を挙げることができる。
有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも一種が好ましい。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも一種が好ましい。得られる反射フィルムの光反射性を勘案すれば、脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差が大きいものが好ましく、すなわち、無機質微粉体としては屈折率が大きいもの、基準としては1.6以上が好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、又は酸化亜鉛を用いることがさらに好ましく、これらの中でも酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンを用いることにより、より少ない充填量でフィルムに高い反射性能を付与することができ、また、薄肉でも高い反射性能のフィルムを得ることができる。
ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないものの意である。本発明では、酸化チタンに含まれるバナジウムの含有量が5ppm以下である酸化チタンを高純度酸化チタンと称すことにする。
表面処理剤としては、例えば、酸化チタンの表面をシロキサン化合物、シランカップリング剤等から選ばれた少なくとも一種類の無機化合物を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。さらに、シロキサン化合物、シランカップリング剤、ポリオール及びポリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも一種の有機化合物等を用いることができる。また、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る反射フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内で上記以外の樹脂を含有していてもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲内で、加水分解防止剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、紫外線吸収剤、白色顔料、蛍光増白剤、及びその他の添加剤を含有していてもよい。
―(N=C=N−R−)n―
式中、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間で適当な整数が選択される。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体が、カルボジイミド化合物として挙げることができる。これらのカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、あるいは、二種以上組み合わせて使用してもよい。
ガラス転移温度(Tg)が0℃以上の脂肪族ポリエステル系樹脂を用いる場合、脂肪族ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂との混合割合を、質量比で脂肪族ポリエステル系樹脂:アクリル系樹脂=80:20〜40:60、特に80:20〜50:50とするのが好ましい。
ガラス転移温度(Tg)が0℃以上の脂肪族ポリエステル系樹脂、(例えば、乳酸系重合体)とアクリル系樹脂とは相溶系であるため、混合比率を調整することによって耐熱性を調整することができる。
ガラス転移温度が0℃未満の脂肪族ポリエステル系樹脂を用いると、該脂肪族系ポリエステル系樹脂は主に軟質系樹脂としての機能を発揮する。すなわち、脂肪族ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂との混合割合が、前記範囲であれば、反射フィルムの機械的強度や耐熱性を付与することができる。
なお、ガラス転移温度が0℃未満の脂肪族ポリエステルとしては、昭和高分子(株)社製:ビオノーレ3000シリーズ、三菱化学(株)社製:GS−Pla等が挙げることができ、これらは本実施形態において好適に用いることができる。
本実施形態に係る反射フィルムは、内部に空隙を有していてもよい。空隙を有していれば、樹脂成分(脂肪族ポリエステル系及びアクリル系樹脂)と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱のほか、樹脂成分と空隙(空気)、微粉状充填剤と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱からも反射性能を得ることができる。
例えば、反射フィルムが空隙を有さない場合(すなわち、空隙率=0%)であっても、微粉状充填剤として酸化チタンを用いれば、高い光反射性を得ることができる。これは、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの屈折率差による屈折散乱が大きいことと共に、酸化チタンの隠蔽力が高いことに起因すると推察される。
本実施形態に係る反射フィルム全体の厚さは、特に限定されないが、通常は30μm〜500μmであり、実用面における取り扱い性を考慮すると50μm〜500μm程度の範囲内であることが好ましい。特に、小型、薄型の反射板用途の反射フィルムとしては、厚さが30μm〜100μmであることが好ましい。かかる厚さの反射フィルムを用いれば、例えばノート型パソコンや携帯電話等の小型、薄型の液晶ディスプレイ等にも使用することができる。
本実施形態に係る反射フィルムは、反射使用面側から測定した波長550nmの光に対する反射率が95%以上であることが好ましく、97%以上であることがさらに好ましい。反射率が95%以上であれば、良好な反射特性を示し、液晶ディスプレイ等の画面に充分な明るさを与えることができる。
例えば、大型液晶テレビ等の反射板として組み込まれる場合には、光源に晒された状態で長時間使用されるので、その期間において波打やシワの発生を抑える必要がある。すなわち、耐熱性、加熱環境下での寸法安定性が要求される。従って、前記の如く、80℃で180分間加熱した後の熱収縮率が縦方向(MD)及び横方向(TD)ともに−0.1%より大きく且つ0.7%未満であれば、反射フィルムの平面性を維持し得る寸法安定性を有する。
本実施形態に係る反射フィルムは、以上のように高度な反射性能と高い耐熱性を兼ね備えていることから、パソコンやテレビ等のディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板等に用いる反射フィルムとして好適であるばかりか、大型液晶テレビ等の特に優れた耐熱性が要求される反射板に用いる反射フィルムとしても好適に用いることができる。
例えば、金属板もしくは樹脂板の反射フィルムを貼り合わせる側の面に、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射フィルムを貼り合わせることができる。この方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射フィルムを貼り合わせる金属板等の表面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。次いで、赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、板の表面を所定の温度に保持しつつ、直にロールラミネーターを用いて、反射フィルムを被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。この場合、金属板等の表面を210℃以下に保持すると、反射板の光反射性を高く維持できて好ましい。
以下に、本実施形態に係る反射フィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、下記製造法に何等限定されるものではない。
なお、脂肪族ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂、微粉状充填剤、加水分解防止剤等を別々のフィーダー等により所定量を添加することによって混合樹脂組成物を得るようにしてもよい。また、予め、微粉状充填剤、加水分解防止剤等を脂肪族ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチに、脂肪族ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂を混合して所望の濃度の混合樹脂組成物としてもよい。
押出温度等の条件は、分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定されることが必要であるが、例えば、押出し温度は、脂肪族ポリエステル系樹脂として乳酸系重合体を用い、アクリル系樹脂としてメチルメタクリル樹脂を用いた場合であれば、170℃〜230℃の範囲が好ましい。
次いで、溶融した混合樹脂組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシート(未延伸状態)を形成し、反射フィルムを得ることができる。
さらに、得られた未延伸状態の反射フィルムは、一軸方向若しくは二軸方向に延伸してもよい。延伸することにより、フィルム中に空隙をつくることができ、反射率をさらに向上させることができる。また耐衝撃性も向上させることができる。
また、延伸倍率は、面積倍率で2倍以上であることが好ましい。面積倍率が2倍以上であれば、延伸による耐衝撃性もしくは反射率の向上効果を期待することができる。
得られた反射フィルムに、耐熱性及び寸法安定性をさらに付与するため、熱処理するのが好ましい。
反射フィルムの熱処理温度は90℃〜160℃であることが好ましく、110℃〜140℃であることがさらに好ましい。熱処理に要する処理時間は、好ましくは1秒〜5分である。また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが好ましい。
(1)屈折率
使用した樹脂及び作製した反射フィルムの屈折率は、JIS K−7142のA法に基づいて測定した。
粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用い、振動周波数10Hz、昇温速度3℃/分、測定温度−120℃から200℃の範囲で測定した損失弾性率の温度依存曲線の傾きが零(一次微分が零)となる温度(損失弾性率のピーク温度)を求め、この温度をガラス転移温度とした。
なお、測定フィルムは構成する樹脂を0.2〜1.0mm程度の厚さ範囲で作成し、ほぼ無配向の方向を測定した。
(株)島津製作所製の型式「SS−100」の粉体比表面測定器(透過法)を用い、断面積2cm2、高さ1cmの試料筒に試料3gを充填して、500mm水柱で20ccの空気透過の時間より算出した。
酸化チタン0.6gに硝酸10mLを加えて、マイクロウェーブ式灰化装置内で80分間分解させて、得られた溶液について、ICP発光分光分析装置を用いて測定を行った。
分光光度計(「U―4000」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、波長400nm、550及び700nmの光に対する反射率を測定した。その際、本反射フィルムの反射使用面側から光を照射した。なお、測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように光度計を設定した。
フィルムのMD及びTDのそれぞれに200mm幅の標線を入れ、サンプルとして切り出した。この切り出したサンプルフィルムを、温度80℃の熱風循環オーブンの中に入れて3時間保持した後、フィルムが収縮した収縮量を測定した。オーブンに入れる前のサンプルフィルムの原寸(200mm)に対する収縮量の比率を%値で表示し、これを熱収縮率(%)とした。
サンシャインウェザーメーター試験器(水の間欠噴霧なし)内でフィルムに紫外線を1,000時間照射したフィルムを、上記(5)の測定方法に従って反射率(%)を求め、黄変の評価を行った。
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW4032D:カーギルダウポリマー社製、L体:D体=98.5:1.5、Tg=61℃、屈折率n=1.46)40質量部に、重量平均分子量8万のポリメチルメタクリレート系重合体(SUMIPEX LG21:住友化学社製、Tg=102℃、MFR=21、屈折率n=1.49)30質量部と、平均粒径0.25μmの酸化チタン(タイペークPF740:石原産業社製、バナジウム含有量1ppm、アルミナ、シリカ、ジルコニアによる表面処理済)30質量部とを混合した後、二軸押出機にて210℃にて混練し、210℃でTダイより押し出し、冷却固化して厚さ250μmの反射フィルムを得た。
重量平均分子量16万の脂肪族ポリエステル系樹脂(GS−Pla AZ91T:三菱化学社製、Tg=−28℃、屈折率n=1.51)20質量部に、重量平均分子量9万のポリメチルメタクリレート系重合体(SUMIPEX MGSS:住友化学社製、Tg=110℃、MFR=10、屈折率n=1.49)40質量部と実施例1と同じ酸化チタン40質量部とを混合した後、二軸押出機にて210℃にて混練し、210℃でTダイより押し出し、冷却固化して、厚さ250μmの反射フィルムを得た。
実施例1と同じ乳酸系重合体80質量部に、実施例1と同じ酸化チタン20質量部を混合した後、二軸押出機にて210℃にて混練し、210℃でTダイより押し出し、冷却固化してフィルムを得た。得られたフィルムを、温度62℃でMD2.5倍、温度70℃でTD3.2倍の条件で二軸延伸した後に、140℃で熱処理し、厚さ250μmの反射フィルムを得た。
実施例1と同じ乳酸系重合体70質量部に、実施例1と同じ酸化チタン30質量部を混合した後、二軸押出機にて210℃にて混練し、210℃でTダイより押し出し、冷却固化して厚さ250μmの反射フィルムを得た。
一方、比較例1及び2の反射フィルムは、MD又はTDで0.7%を超えてしまい、熱収縮を起こすことが分かった。
Claims (13)
- 屈折率が1.52未満である脂肪族ポリエステル系樹脂と、屈折率が1.52未満であるアクリル系樹脂と、屈折率が1.6以上の微粉状充填剤とを主成分として含有してなる反射フィルムであって、芳香環を有する樹脂を含有しない反射フィルム。
- 前記脂肪族ポリエステル系樹脂は芳香環を含まない脂肪族ポリエステル系樹脂であり、前記アクリル系樹脂も芳香環を含まないアクリル系樹脂であり、含有する樹脂は芳香環を含まない樹脂であることを特徴とする請求項1記載の反射フィルム。
- アクリル樹脂系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、90℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射フィルム。
- アクリル系樹脂のメルトフローレート(MFR)(JIS K−7210、ASTM D−1238、230℃、荷重37.3N)は、5g/10分〜35g/10分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルム。
- 脂肪族ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が0℃以上であって、かつ脂肪族ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂との混合割合が、質量比で脂肪族ポリエステル系樹脂:アクリル系樹脂=80:20〜40:60であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射フィルム。
- 脂肪族ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)が0℃未満であって、かつ脂肪族ポリエステル系樹脂とアクリル系樹脂との混合割合が、質量比で脂肪族ポリエステル系樹脂:アクリル系樹脂=50:50〜10:90であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、フィルム全質量の10質量%〜60質量%で含有されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、バナジウム含量5ppm以下の酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の反射フィルム。
- 微粉状充填剤は、酸化チタンの表面が、アルミナ、シリカ、ジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一種の不活性無機酸化物で被覆されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の反射フィルム。
- 80℃で180分間加熱した後の熱収縮率が、縦方向(MD)及び横方向(TD)ともに−0.1%より大きく且つ0.7%未満であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の反射フィルム。
- 550nmの波長域における反射率が95%以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の反射フィルム。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の反射フィルムを備えた反射板。
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