JP2659298B2 - 接着剤用ポリビニルアセタール樹脂及び該ポリビニルアセタール樹脂を用いた接着剤組成物 - Google Patents

接着剤用ポリビニルアセタール樹脂及び該ポリビニルアセタール樹脂を用いた接着剤組成物

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JP2659298B2 JP3256486A JP25648691A JP2659298B2 JP 2659298 B2 JP2659298 B2 JP 2659298B2 JP 3256486 A JP3256486 A JP 3256486A JP 25648691 A JP25648691 A JP 25648691A JP 2659298 B2 JP2659298 B2 JP 2659298B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/386Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by the use of an organic polymeric bonding layer, e.g. adhesive

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着剤用ポリビニルア
セタール樹脂及び該ポリビニルアセタール樹脂を用いた
接着剤組成物に関し、より詳細には、例えば印刷回路基
板を構成するのに適した耐熱性に優れた接着剤用ポリビ
ニルアセタール樹脂及び接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルブチラール樹脂に代表される
ポリビニルアセタール樹脂と、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂またはメラミン樹脂に代表される熱硬化性樹脂と
を主成分とする接着剤組成物は、プリント回路基板用接
着剤として従来より広く用いられている。プリント回路
基板は、通常、銅箔、フェノール含浸紙及びこれらを接
着する接着剤とから構成された積層板を用いて構成され
ており、上記銅張り積層板の表面の銅をエッチングする
ことにより所望の印刷回路が形成されたプリント回路基
板が得られている。近年、各種の電子・電気機器におけ
る軽量化及び小型化に伴って、プリント回路基板では小
型化及び印刷回路の高密度化が進展している。その結
果、プリント回路基板に部品を実装する際のはんだ浴浸
漬時間が長くなってきている。そのため、プリント回路
基板を構成するための接着剤としては、従来より優れた
耐熱性を示すものが要求されており、特に、高温下にお
ける銅箔の密着強度の向上すなわち銅箔のひき剥がし強
度の向上が強く望まれている。
【0003】上記のような要望を満たすために、ポリビ
ニルアセタール樹脂を混合アセタール化し、ポリビニル
アセタール樹脂自身の耐熱性を高めたもの(特開昭5
−3802号公報)、混合アセタール中に無水マレイン
酸もしくはマレイン酸を導入することにより接着強度及
び耐熱性を高めたもの(特開昭58−98307号公
報)、及び全アセタール化部分の約85〜100重量%
をガラス転移点の高いアセトアルデヒドによるアセター
ル化部分とすることにより耐熱性を高めたポリビニルア
セタール樹脂(特開昭63−301208号)等が提案
されている。しかしながら、はんだ浴浸漬時間の長時間
化が著しいため、上記各先行技術に記載のポリビニルア
セタール樹脂では上述した要望を十分に満たすことがで
きなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記先行技
術の問題点を解消するものであり、その目的とするとこ
ろは、耐熱性、特にはんだ耐熱性及び高温下における金
属箔の「ひき剥がし」強度に優れた接着剤用ポリビニル
アセタール樹脂及び該ポリビニルアセタール樹脂を用い
た接着剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明は、アセトアルデヒドとそれ以外のアルデヒドとに
よりアセタール化され、樹脂中の全アセタール化部分の
割合が60モル%以上であり、該アセタール化部分のう
ちアセトアルデヒドによるアセタール化部分の割合が
アセタール化部分の85重量%以上〜100重量%未満
を占め、かつ−COOM、−SO3 M、−OSO3 M及
び−PO(OM)2 (但し、Mは、H、Li、Naまた
はKを示す。)からなる群から選択した少なくとも1つ
の親水性基団を含む部分の割合が樹脂全体の0.01〜
5モル%であることを特徴とする、接着剤用ポリビニル
アセタール樹脂である。また、本願の請求項2に記載の
発明は、上記請求項1に記載の接着剤用ポリビニルアセ
タール樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤組成
物である。
【0006】本願の請求項3に記載の発明は、樹脂中の
全アセタール化部分の割合が60モル%以上であり、該
アセタール化部分のうちアセトアルデヒドによるアセタ
ール化部分の割合が85重量%〜100重量%であり、
かつ−SO 3 M、−OSO 3 M及び−PO(OM)
2 (但し、Mは、H、Li、NaまたはKを示す。)か
らなる群から選択した少なくとも1つの親水性基団を含
む部分の割合が樹脂全体の0.01〜5モル%であるこ
とを特徴とする接着剤用ポリビニルアセタール樹脂であ
る。 また、本願の請求項4に記載の発明は、上記請求項
3に記載の接着剤用ポリビニルアセタール樹脂及び熱硬
化性樹脂を主成分とする接着剤組成物である。
【0007】以下、本願の接着剤用ポリビニルアセター
ル樹脂及び接着剤組成物の構成の詳細につき説明する。
上記接着剤用ポリビニルアセタール樹脂は、上記親水性
基団を含む部分の割合が0.01〜5モル%であり、重
合度が1000〜3000、好ましくは1500〜25
00の変性ポリビニルアルコールをアセトアルデヒドに
よって、あるいはアセトアルデヒドとそれ以外のアルデ
ヒドによってアセタール化することによって得られる
ものである。上記変性ポリビニルアセタールを得る方法
としては、特開平2−220221号に開示されている
ように、予め親水性基団を有するユニットを主鎖の形成
位置に共存させておく方法、及び主鎖の形成後にアルコ
ール型ユニットの水酸基を利用して親水性基団を導入す
る方法が考えられる。
【0008】予め親水性基団を有するユニットを主鎖の
形成時に共存させる方法 ポリビニルアセタール樹脂は、通常、ポリ酢酸ビニルを
加水分解することにより得られたポリビニルアルコール
を、アルデヒドと縮合させることにより合成される。従
って、ポリビニルアセタール樹脂に親水性基団を有する
ユニットを導入するには、ポリ酢酸ビニル合成時に、該
親水性基団によるエチレンのモノ置換体或いはジ置換体
を付加重合させておけばよい。もっとも、導入される親
水性基団は、後で行われる加水分解及びアセタール化に
関与しないことが必要である。上記のような親水性基団
としては、上述した−COOM、SO3 M、−OSO3
Mまたは−PO(OM)2 (但し、Mは、H、Li、N
aまたはKを示す。)が挙げられる。上記親水性基団に
よるエチレンのジ置換体としては、種々のものが考えら
れるが、例えば親水性基団が−COOMの場合を例にと
ると、下記の化合物(1),(2)が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】(1)の化合物を付加重合した変性ポリビ
ニルアルコールとしては、クラレ社製、商品名;KM−
118及びKM−618等が市販されている。また、
(2)の化合物を付加重合した変性ポリビニルアルコー
ルとしては、クラレ社製、商品名;KL−118、KL
−318及びKL−506等が市販されている。−SO
3 Mを含む親水性基団によるエチレンのモノ置換体とし
ては、下記の化合物(3)〜(10)が挙げられる。
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】主鎖の形成後にアルコール型ユニットの水
酸基を利用して親水性基団を導入する方法 この方法の代表例としては、ハロゲン置換体を縮合する
方法、及び2官能イソシアネートを使用する方法挙げ
られる。ハロゲン置換体を使用する方法としては、例え
ば下記の化合物(11)〜(14)をアルコール型ユニ
ットの水酸基と反応させることにより、ハロゲンXの離
脱に伴って親水性基団が導入される。
【0017】
【化7】
【0018】上記反応は、ジメチルホルムアルデヒドま
たはジメチルスルホキシド等の溶媒中で行われ、副生す
るハロゲンを中和するためにピリジン、ピコリンもしく
はトリエチルアミン等のアミン類またはエチレンオキサ
イドもしくはプロピレンオキサイド等のエポキシ化合物
を共存させておけばよい。2官能イソシアネートを使用
する方法は、加水分解後に残存する水酸基と、下記の化
合物(15)〜(18)の末端の水酸基とを、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソ
シアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネート等の
2官能イソシアネートを介して架橋させるものである。
【0019】
【化8】
【0020】上記架橋を行うには、ジメチルホルムアミ
ドまたはジメチルスルホキシド中で上記化合物(15)
〜(18)と2官能イソシアネートとを等モル反応さ
せ、上記化合物の水酸基と2官能イソシアネートの一方
の−N=C=O基との間でウレタン結合を生成させ、し
かる後2官能イソシアネートの他方の−N=C−O基と
アセタール樹脂中の水酸基との間でウレタン結合を生成
させればよい。請求項1,2に記載の発明におけるポリ
ビニルアセタール樹脂において、上記親水性基団は、
COOM、−SO 3 M、−OSO 3 M及び−PO(O
M) 2 (但し、Mは、H、Li、NaまたはKを示
す。)からなる群から選択した少なくとも1つの親水性
基団である。また、請求項3,4に記載の発明における
ポリビニルアセタール樹脂において、上記親水性基団
は、−SO 3 M、−OSO 3 M及び−PO(OM)
2 (但し、Mは、H、Li、NaまたはKを示す。)か
らなる群から選択した少なくとも1つの親水性基団であ
る。そして、いずれの発明においても親水性基団は、合
計で0.01〜5モル%の割合で含まれ、それによって
耐熱接着性が高められる。上記変性ポリビニルアルコー
ルを使用する場合、変性度が0.01〜5モル%の範囲
であれば、上記変性ポリビニルアルコールを単独で使用
してもよく、あるいは変性ポリビニルアルコール及び未
変性ポリビニルアルコールを混合して使用し、最終的に
得られたポリビニルアセタール樹脂中の親水性基団の含
有割合が0.01〜5モル%となるようにしてもよい。
【0021】ポリビニルアセタール樹脂中において上記
親水性基団を含む部分の割合が5モル%を超えると、接
着強度の改善効果が飽和するだけでなく、アセタール化
後の溶剤に対する溶解性が低下する。他方、0.01モ
ル%未満では、上記親水性基団を導入した効果が得られ
ない。本発明におけるポリビニルアセタール樹脂の重合
度は、上述したように、1000〜3000、好ましく
は1500〜2500である。重合度が1000未満で
は、接着性及び耐熱性の双方において不十分となり、重
合度が3000を超えると、熱硬化性樹脂等と共に溶剤
に溶解して接着剤組成物を構成した場合、粘度が高くな
り過ぎ、実用性が低下するからである。
【0022】請求項1,2に記載の発明におけるポリビ
ニルアセタール樹脂では、特開昭63−301208号
に開示されているポリビニルアセタール樹脂と同様に、
全アセタール化部分のうち、アセトアルデヒドによるア
セタール化部分の割合が85重量%以上〜100重量%
未満と非常に高くされている。また、請求項3,4に記
載の発明におけるポリビニルアセタール樹脂では、アセ
タール化部分のうちアセトアルデヒドによるアセタール
化部分の割合が85重量%〜100重量%と非常に高く
されている。これは、ガラス転移温度の高いポリビニル
アセトアセタールの割合を高めることにより耐熱性を高
めるためである。アセトアルデヒドによるアセタール化
部分の割合が、前記アセタール化部分の割合の85重量
%未満の場合には耐熱性、特に得られた接着剤組成物の
はんだ耐熱性が不十分となる。
【0023】本発明のポリビニルアセタール樹脂では、
アセタール化反応に供するアルデヒドとして、アセトア
ルデヒドと共に、アセトアルデヒド以外のポリビニルア
セタールを得るのに用いられる従来公知のアルデヒド類
が使用され得る。このようなアセトアルデヒド以外のア
ルデヒドの好ましい例としては、ホルムアルデヒド、プ
ロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、2−エチルヘ
キシルアルデヒド等の炭素数1〜8のアルキルアルデヒ
ドや、シクロヘキシルアルデヒド、グリオキザール、グ
ルタールアルデヒドまたはフルフラール等が挙げられ、
これらは、アセトアルデヒドと共に用いられて、混合ポ
リビニルアセタール樹脂を与える。本発明のポリビニル
アセタール樹脂では、全樹脂中の全アセタール化部分の
割合は60モル%以上とされる。全アセタール化部分の
割合が60モル%未満の場合には、耐熱性、特に得られ
た接着剤組成物とプリント回路基板を構成するために用
いられている銅箔との密着性が不十分となり、ひき剥が
し強度が低下するからである。従って、全アセタール化
部分の樹脂中に占める割合は、60モル%以上、好まし
くは65モル%以上とされる。
【0024】また、本発明の接着剤用ポリビニルアセタ
ール樹脂では、全樹脂中の全アセタール化部分の割合が
60モル%以上とされるが、残存しているビニルアセテ
ート部分については、該ビニルアセテート部分が少ない
ほど熱安定性が高められる。通常は、残存しているビニ
ルアセテート部分は、全樹脂中、10モル%以下、好ま
しくは、5モル%以下とされる。なお、アセトアルデヒ
ドと共に、アセトアルデヒドより炭素数の少ないアルデ
ヒド、例えばホルムアルデヒドを併用した場合には、本
発明のポリビニルアセタール樹脂の耐熱性はより一層高
められるが、溶剤に対する溶解性が若干低下する傾向が
ある。他方、アセトアルデヒドよりも炭素数の多いアル
デヒド、例えばブチルアルデヒドをアセトアルデヒドと
併用した場合には、溶剤に対する溶解性は高められる
が、耐熱性が若干低下する。すなわち、アセトアルデヒ
ド以外のアルデヒドをアセトアルデヒドと併用する場合
には、アセトアルデヒド以外の他のアルデヒドの特性が
付与された樹脂が得られる。従って、目的とする溶剤溶
解性や耐熱性に応じて、アセトアルデヒド以外のアルデ
ヒドを適宜の割合でアセトアルデヒドと併用することに
より、種々の特性のポリビニルアセタール樹脂を得るこ
とができる。
【0025】上記アセタール化は、従来より汎用されて
いるアセタール化反応を用いて実施することができ、例
えば、ポリビニルアルコール水溶液に酸触媒を添加
し、これにアルデヒド化合物を加えて反応させつつ、生
成したポリビニルアセタールを沈澱させる沈澱法、ポ
リビニルアルコールを有機溶媒に分散させ、酸触媒とア
ルデヒド化合物とを添加して反応させる溶解法等を採用
することができる。上記酸触媒としては、塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸または臭化水素酸等の無機酸や、有機スル
ホン酸等の有機酸を使用することができる。上記沈澱法
について、より具体的に説明する。通常、まず、ポリビ
ニルアルコールを温水に溶解させ、しかる後冷却する。
冷却により所定の温度に達した後に、ポリビニルアルコ
ール水溶液に適宜の酸触媒及びアルデヒドを投入する。
投入終了後、約30分以上恒温に維持したまま、アセタ
ール化物を析出させ、しかる後昇温熟成工程を経ること
により酸触媒を中和させ、常法により精製する。
【0026】請求項1に記載の接着剤用ポリビニルアセ
タール樹脂は、請求項2に記載の接着剤組成物の主成分
として用いられ、請求項3に記載の接着剤用ポリビニル
アセタール樹脂は、請求項4に記載の接着剤組成物の主
成分として用いられるが、接着剤組成物を構成する場合
には、通常、上記ポリビニルアセタール樹脂と共に、熱
硬化性樹脂が第2の主成分として添加される。使用し得
る熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂またはウレタン樹脂等が挙
げられる。また、ポリビニルアセタール樹脂と上記熱硬
化性樹脂との配合比は、重量比で、1:4〜4:1の範
囲が好ましく、特に、2:3〜3:2の範囲が好まし
い。接着剤組成物を調製するのに用いられる溶剤として
は、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタ
ノール、エタノールもしくはブタノール等のアルコール
類、及びトルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素
類等が適宜用いられる。なお、上記ポリビニルアセター
ル樹脂を用いた接着剤組成物では、耐熱性の向上その他
の理由に応じて、酸化防止剤、消泡剤または添加剤等が
適宜配合され得る。
【0027】
【作用】請求項1に記載の接着剤用ポリビニルアセター
ル樹脂及び請求項2に記載の上記ポリビニルアセタール
樹脂を用いた接着剤組成物では、アセタール化部分の8
5重量%以上〜100重量%未満がアセトアルデヒドに
よるアセタール化部分とされており、従って、ガラス転
移点の高いポリビニルアセトアセタール含有率が非常に
高くなっているため、耐熱性が高められている。また、
上記特定の親水性基団を含む部分の割合が全樹脂中0.
01〜5モル%の範囲とされており、該親水性基団の導
入により、上記接着剤の耐熱性がより一層高められてい
る。
【0028】また、請求項3に記載の接着剤用ポリビニ
ルアセタール樹脂及び請求項4に記載の上記ポリビニル
アセタール樹脂を用いた接着剤組成物では、アセタール
化部分の85重量%〜100重量%がアセトアルデヒド
によるアセタール化部分とされており、従って、ガラス
転移点の高いポリビニルアセトアセタール含有率が非常
に高くなっているため、耐熱性が高められている。
た、上記特定の親水性基団を含む部分の割合が全樹脂中
0.01〜5モル%の範囲とされており、該親水性基団
の導入により、上記接着剤の耐熱性がより一層高められ
ている。
【0029】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を説明することにより本発明を明らかにする。 実施例1 ポリビニルアセタール樹脂の調製: 5リットルのセパラブルフラスコに水2790gを入
れ、これに、変性ポリビニルアルコール(重合度200
0、ケン化度98.5モル%、イタコン酸変性度2モル
%)を220g加えて完全に溶解させた。次に、得られ
た水溶液の液温を20℃に保持し、これに35重量%濃
度の塩酸650gを加えた後、液温を11℃まで下げ、
アセトアルデヒド110g及びブチルアルデヒド20g
を適宜加えた後、無色粉末を析出させた。このとき、ア
セトアルデヒドを加えてから析出までの時間は、2時間
であった。次に、反応系を30℃に昇温し、5時間恒温
保持した後、水洗により中和し、触媒及び未反応アルデ
ヒドを除去し、ポリビニルアセタール樹脂を得た。得ら
れたポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、7
4モル%であった。
【0030】接着剤組成物の調製及び適用 上記のようにして得たポリビニルアセタール樹脂40
g、フェノール樹脂(群栄化学社製、商品名;PL−2
205)62g及びエポキシ樹脂(シェル化学社製、商
品名;エピコート828)4gを、アセトン/メチルエ
チルケトン/トルエン(重量比=2:2:1)の混合溶
剤258gに溶解させ、接着剤組成物を調製した。次
に、得られた接着剤組成物を、プリント回路基板用銅箔
に固形分として、33μm厚となるように塗布し、14
0℃で4分間乾燥して、接着剤層付銅箔を得た。上記接
着剤層付銅箔とフェノール含浸紙とを、150℃で30
分間、120kg/cm2 の圧力で加圧成形し、銅箔積
層板を積層した。
【0031】評価: 上記のようにして得られた銅箔積層板について、JIS
C−6485に準拠して「はんだ耐熱性」及び「ひき
剥がし強度」を測定した。また、ポリビニルアセタール
樹脂のガラス転移温度を、理学電機工業社製、示差熱分
析計 DSC−8230を使用して測定した。なお、試
験温度は、「はんだ耐熱性」については260℃、「ひ
き剥がし強度」については20℃及び150℃とした。
また、ポリビニルアセタール樹脂の溶剤に対する溶解性
を、メチルエチルケトン/トルエン=1/1(重量比)
の混合溶剤を使用し、樹脂濃度を5重量%として評価し
た。溶剤溶解性の評価については、溶剤に樹脂を投入
後、2時間振とう機にて振とう後、静置し、肉眼により
溶解性を判定した。さらに、樹脂をDMSO−d6 に溶
解し、13C−NMRを用いてアセタール化度を測定し
た。
【0032】実施例2〜 下記の表1及び表2に示すように、アセトアルデヒドの
量と他のアルデヒドの量及び種類、並びに変性度の程度
や種類を変更したこと以外は、実施例1と同様にして実
施例2〜の接着剤組成物を得、実施例1と同様にして
評価した。なお、混合ポリビニルアセタール樹脂のアセ
タール化度の算出は、13C−NMRを用いて行った。
【0033】比較例1〜4 下記の表1,表2に示すように、アセトアルデヒドの量
及びアセトアルデヒド以外のアルデヒドの量及び種類あ
るいは変性部分の種類等を変更したこと以外は、実施例
1と同様にして比較例1〜4の接着剤組成物を調製し
実施例1と同様にして評価した。上記のようにして得た
実施例1〜及び比較例1〜4の各ポリビニルアセター
ル樹脂の構成を下記の表1及び表2に、評価結果を下記
の表3に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】表3から明らかなように、比較例1〜4
ポリビニルアセタール樹脂では、はんだ耐熱性が20
以下と低く、かつひき剥がし強度についても、20℃で
1.85kg/cm2 以下、150℃において0.21
kg/cm2 以下と低いのに対し、実施例1〜のポリ
ビニルアセタール樹脂では、はんだ耐熱性が25℃以
上、20℃引き剥がし強度が2.10kg/cm2
上、150℃引き剥がし強度も0.31kg/cm2
上と、はんだ耐熱性及び引き剥がし強度のいずれにおい
ても比較例1〜4に比べて大幅に改善されることがわか
った。
【0038】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の接着剤
用ポリビニルアセタール樹脂及び請求項2に記載の接着
剤組成物では、アセトアルデヒドとそれ以外のアルデヒ
ドとに よりアセタール化され、樹脂中の全アセタール化
部分の割合が60モル%以上とされており、しかも全ア
セタール化部分の85重量%以上〜100重量%未満
占めるように高い比率で導入されたポリビニルアセトア
セタール樹脂のガラス転移点が高いため、さらに−CO
OM、−SO 3 M、−OSO 3 M及び−PO(OM) 2
(但し、Mは、H、Li、NaまたはKを示す。)から
なる群から選択した少なくとも1つの親水性基団が全樹
脂中0.1モル%〜5モル%の割合で導入されているた
め、接着強度、特に耐熱接着強度が効果的に高められ
る。従って、例えばプリント回路基板の積層板の接着剤
として上記ポリビニルアセタール樹脂を主成分とする接
着剤を用いた場合、耐熱性、特に「はんだ耐熱性」及び
「ひき剥がし強度」を大幅に改善することが可能とな
る。
【0039】また、請求項3に記載の接着剤用ポリビニ
ルアセタール樹脂及び請求項4に記載の接着剤組成物で
は、樹脂中の全アセタール化部分の割合が60モル%以
上とされており、しかも全アセタール化部分の85重量
%〜100重量%であるように高い比率で導入されたポ
リビニルアセトアセタール樹脂のガラス転移点が高いた
め、さらに−SO 3 M、−OSO 3 M及び−PO(O
M) 2 (但し、Mは、H、Li、NaまたはKを示
す。)からなる群から選択した少なくとも1つの親水性
基団が全樹脂中0.1モル%〜5モル%の割合で導入さ
れているため、接着強度、特に耐熱接着強度が効果的に
高められる。 従って、例えばプリント回路基板の積層板
の接着剤として上記ポリビニルアセタール樹脂を主成分
とする接着剤を用いた場合、耐熱性、特に「はんだ耐熱
性」及び「ひき剥がし強度」を大幅に改善することが可
能となる。
【0040】また、上記ポリビニルアセタール樹脂は、
いずれも溶剤溶解性が良好であり、ゲル化を引き起こす
こともないため、接着剤として使用する場合の作業性に
ついても良好である。請求項1,3に記載の接着剤用ポ
リビニルアセタール樹脂は、請求項2,4に記載の発明
のように、通常、熱硬化性樹脂と共に配合することによ
り、耐熱性に優れた接着剤組成物を構成し得るが、この
他、アセタール環の有するアルキル基及び/または親水
性基団により、有機物や無機物等の分散性に優れている
ため、セラミックバインダーやフェライト粉のような磁
気記録媒体用バインダーあるいはマーカー用インク等に
も好適に用いることができることを指摘しておく。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアルデヒドとそれ以外のアルデヒ
    ドとによりアセタール化され、樹脂中の全アセタール化
    部分の割合が60モル%以上であり、該アセタール化部
    分のうちアセトアルデヒドによるアセタール化部分の割
    合が全アセタール化部分の85重量%以上〜100重量
    %未満を占め、かつ−COOM、−SO3 M、−OSO
    3 M及び−PO(OM)2 (但し、Mは、H、Li、N
    aまたはKを示す。)からなる群から選択した少なくと
    も1つの親水性基団を含む部分の割合が樹脂全体の0.
    01〜5モル%であることを特徴とする、接着剤用ポリ
    ビニルアセタール樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の接着剤用ポリビニルア
    セタール樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 樹脂中の全アセタール化部分の割合が6
    0モル%以上であり、該アセタール化部分のうちアセト
    アルデヒドによるアセタール化部分の割合が85重量%
    〜100重量%であり、かつ−SO 3 M、−OSO 3
    及び−PO(OM) 2 (但し、Mは、H、Li、Naま
    たはKを示す。)からなる群から選択した少なくとも1
    つの親水性基団を含む部分の割合が樹脂全体の0.01
    〜5モル%であることを特徴とする、接着剤用ポリビニ
    ルアセタール樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の接着剤用ポリビニルア
    セタール樹脂及び熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤組
    成物。
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