JP2000109516A - 接着剤用ポリビニルアセタール樹脂及び接着剤組成物 - Google Patents

接着剤用ポリビニルアセタール樹脂及び接着剤組成物

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JP2000109516A
JP2000109516A JP10334416A JP33441698A JP2000109516A JP 2000109516 A JP2000109516 A JP 2000109516A JP 10334416 A JP10334416 A JP 10334416A JP 33441698 A JP33441698 A JP 33441698A JP 2000109516 A JP2000109516 A JP 2000109516A
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mol
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Kiyokazu Suzuki
喜予和 鈴木
Tomoyuki Kori
悌之 郡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 はんだ耐熱性、引き剥がし強度を従来以上の
ものとし、かつ接着剤のハイソリッド化に対応し得る低
粘度のポリビニルアセタール樹脂及び該ポリビニルアセ
タール樹脂を用いた接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールとアルテヒドとの
アセタール化反応により合成される接着剤用ポリビニル
アセタール樹脂であって、重合度、アセチル基の割合、
水酸基の割合、アセトアルデヒドによるアセトアセター
ル化部分、及び、側鎖として結合しているカルボキシル
基の割合が特定の範囲にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤用ポリビニ
ルアセタール樹脂及び該ポリビニルアセタール樹脂を用
いた接着剤組成物に関し、例えば、プリント回路基板に
用いるのに適した耐熱性、銅箔などの金属箔の剥離強
度、並びに導体に接着剤を塗布加工する際の加工性、低
溶剤化に優れた接着剤用ポリビニルアセタール樹脂及び
接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント回路基板は、通常、銅箔などの
金属箔を、フェノール含浸紙などの基材に接着剤を用い
て貼り合わせることにより構成されている。上記接着剤
としては、従来、ポリビニルブチラール樹脂に代表され
るポリビニルアセタール樹脂と、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂もしくはメラミン樹脂に代表される熱硬化性樹
脂とを主成分とする接着剤組成物が広く用いられてい
る。
【0003】上記プリント回路基板の製造に際しては、
まず、基材に上記接着剤を用いて銅箔などの金属箔を貼
り合わせて積層板を得る。次に、上記金属箔をエッチン
グすることにより、金属箔からなる所望の印刷回路を形
成する。
【0004】近年、各種の電子・電気機器の軽量化及び
小型化に伴い、プリント回路基板においても小型化及び
印刷回路の高密度化が進展している。上記高密度化に伴
って、プリント回路基板上に多数の電子部品を実装する
際のはんだ浴浸漬時間が長くなってきている。その結
果、上記プリント回路基板を構成するための接着剤とし
て、従来より優れた特性を示すものが要求されている。
具体的には、はんだ浴260℃における金属箔または接
着剤層の耐熱強度及び引き剥がし強度の向上が強く望ま
れている。
【0005】上記のような要望を満たすために、種々の
ポリビニルアセタール樹脂及びその接着剤組成物が提案
されている。特開昭55−27342号公報には、重合
度が2500より高く、3000以下であるポリビニル
アルコールとアルデヒドとを反応させることにより得ら
れたポリビニルアセタール樹脂が提案されている。ま
た、特開昭57−3802号公報には、ポリビニルアセ
タール樹脂自身の耐熱性を高める方法が提案されてい
る。また、更には特開平4−309509号公報には硬
化後の接着剤の耐熱性を向上させるために、カルボキシ
ル変性混合ポリビニルアセタール樹脂を使用し、かつ接
着剤粘度を低下させるために、脂肪酸ビニルエステルの
量を増加させる方法が試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法において、いまだ耐熱性は十分なものでなく、需
要家の要望を満足するものとはなっていない。
【0007】また、プリント回路基板の実際の製造に際
しては、通常、銅箔に接着剤層を塗工して接着剤層付き
銅箔を用意し、他方、別途プリプレグを製造しておく。
しかる後、最終的に接着剤層付き銅箔を、基材すなわち
プリプレグに積層し、加熱圧着することにより、プリン
ト回路基板が得られている。
【0008】ここで、接着剤層付き銅箔を得るために用
いられる接着剤としては、所望のはんだ耐熱性と金属と
の引き剥がし強度とを確保するために、重合度が170
0〜2500のポリビニルアセタール樹脂が用いられ、
最終の接着剤としては、一般には8〜15pa・sの粘
度となるように調整して用いられる。
【0009】しかしながら、近年の環境問題や低コスト
化対応等の点から、使用溶剤量の減少、すなわちハイソ
リッド化がますます求められ、従来のポリビニルアセタ
ール樹脂では、接着剤粘度が依然として高かった。ま
た、低粘度化のために、重合度の低減及び脂肪酸エステ
ル量の増加等を試みたとしても、従来の接着剤と同等以
上のはんだ耐熱性や引き剥がし強度を確保し得るポリビ
ニルアセタール樹脂はなかった。
【0010】一方、従来よりプリント回路基板接着剤用
のポリビニルアセタール樹脂では、耐熱性を向上させる
ために、アセトアセタールにより一部もしくは全量分を
アセタール化させたものが利用されているが、アセトア
セタール化量の増加に伴ってポリビニルアセタール自体
の溶液粘度が上昇し、接着剤粘度も増加するという不具
合も生じていた。
【0011】本発明の目的は、上述した先行技術の問題
点を解消し、すなわち、はんだ耐熱性、引き剥がし強度
を従来以上のものとし、かつ接着剤のハイソリッド化に
対応し得る低粘度のポリビニルアセタール樹脂及び該ポ
リビニルアセタール樹脂を用いた接着剤組成物を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、ポリビニルアルコールとアルテヒドとのアセター
ル化反応により合成される接着剤用ポリビニルアセター
ル樹脂であって、重合度が1000〜2500の範囲に
あり、アセチル基の割合が5〜20モル%、水酸基の割
合が20〜30モル%、全アセタール化部分に対して7
0モル%より多い部分がアセトアルデヒドによるアセト
アセタール化部分であり、側鎖として結合しているカル
ボキシル基の含有割合が0.1〜5モル%の範囲にある
ことを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明に係る接着剤用ポリビニルアセタール樹脂のアル
カリ金属及びアルカリ土類金属の含有量の合計が100
ppm以下であり、かつアニオンの含有量が100pp
m以下であることを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の発明に係る接着剤用ポリビニルアセタール樹脂
と、熱硬化性樹脂と、溶剤とを含むことを特徴とする接
着剤組成物である。
【0015】本発明に係る接着剤組成物は、請求項4に
記載のように、金属箔用接着剤として好適に用いられる
ものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明において、上記ポリビニルアセター
ル樹脂とは、アルキルアセタール化ポリビニルアルコー
ル樹脂であり、例えば(パラ)ホルムアルデヒド(ホル
マリン)、(パラ)アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、ブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒドなどの
アルデヒド類の内少なくとも1種以上により、ポリビニ
ルアルコールをアセタール化することにより得られたも
のである。
【0017】上記ポリビニルアセタール樹脂は、重合度
が1000〜2500の範囲にあることが必要であり、
好ましくは、重合度は1400〜2000の範囲とされ
る。重合度が1000未満の場合には、接着剤の硬化後
の耐熱性及び引き剥がし強度が著しく低下し、2500
を超えると、粘度が高くなりすぎ、均一に塗布すること
が困難となる。また、上記ポリビニルアセタール樹脂に
おけるアセチル基含有割合が5モル%未満の場合には粘
度が低下せず、均一に塗布することが困難となり、20
モル%を超えると、樹脂の合成自体が困難となり、かつ
溶剤溶解性が不良となる。
【0018】また、水酸基の割合は、好ましくは20〜
30モル%であり、20モル%未満の場合は接着剤の硬
化後の耐熱性が著しく低下することがあり、30モル%
を超えると熱硬化性樹脂との相溶性が低下し、ゲル化す
ることがある。
【0019】更に、上記ポリビニルアセタール樹脂にお
けるアセトアセタールによるアセタール化部分の全アセ
タール化部分に対する割合が70モル%より少ないと、
樹脂自体の耐熱性、接着剤の硬化後の耐熱性及び引き剥
がし強度が低下する。好ましくは、アセトアセタール化
部分は、全アセタール化部分の80モル%以上であり、
さらに、耐熱性を要求される用途には、アセトアセター
ル化部分は90モル%以上であることが望ましい。
【0020】また、上記ポリビニルアセタール樹脂で、
側鎖として結合しているカルボキシル基の含有割合は、
0.1〜5モル%の範囲であることが必要である。上記
カルボキシル基の含有割合が0.1モル%未満の場合に
は熱硬化後の接着剤層の耐熱性及び接着力が低下し、逆
に5モル%を超えた場合も、引き剥がし強度及びはんだ
耐熱性が低下する。さらには接着剤として保存した場合
のポットライフが短くなる。
【0021】なお、上記ポリビニルアセタール樹脂で側
鎖としてカルボキシル基を導入する方法は、側鎖として
カルボキシル基を有するカルボキシ変性ポリビニルアル
コールを用いるか、アセタール化反応を行う際に触媒酸
によりカルボキシル基に変わる側鎖を有する変性ポリビ
ニルアルコールを用いてもよく、それらカルボキシ変性
ポリビニルアルコールは酸、塩、酸アミド、アルキルエ
ステルなどのどのような状態であってもよい。
【0022】具体的には、1種または2種以上の不飽和
モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸など)、不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸など)、不飽和ジカルボン酸無水物(無
水マレイン酸)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ロニトリルなどを共重合した変性ポリビニルアルコール
を用いることができる。
【0023】上記接着剤用ポリビニルアセタール樹脂
は、不純物としてアルカリ金属及びアルカリ土類金属を
含有する。上記アルカリ金属としては、例えば、Li、
Na、K、Rb、Cs等が挙げられ、上記アルカリ土類
金属としては、例えば、Be、Mg、Ca、Sr、B
a、Ra等が挙げられる。
【0024】上記アルカリ金属及びアルカリ土類金属の
含有量の合計は、多くなると導入されたカルボン酸と反
応して塩を形成し、後述の熱硬化性樹脂との反応性が低
下すると共に、絶縁性不良や耐トラッキング性の低下を
引き起こす原因となることがあるので、100ppm以
下が好ましく、より好ましくは50ppm以下である。
特に、Na、Kを含有する場合は、このような傾向が
著しくなる。
【0025】上記アルカリ金属及びアルカリ土類金属の
含有量の合計を100ppm以下にするためには、アン
モニア等の非金属アルカリを用いて中和するのが好まし
いが、やむをえずNa、Kの水酸化物又は炭酸化物等の
強アルカリを用いてポリビニルアセタール樹脂を中和す
る場合は、カルボン酸塩を作りやすく、しかもアルカリ
塩を吸着しやすいので、中和洗浄後に再度弱酸性水溶液
で洗浄し、さらに純水で再度水洗処理することが好まし
い。
【0026】上記接着剤用ポリビニルアセタール樹脂に
おける、F- 、Cl- 、Br- 、I - 等のアニオンの含
有量は、多くなると樹脂の熱劣化が起こりやすくなり、
樹脂自体の熱安定性や接着剤のポットライフが低下する
ことがあるので、100ppm以下が好ましく、より好
ましくは50ppm以下である。
【0027】請求項3,4に記載の発明に係る接着剤組
成物は、上記請求項1又は2に記載の発明に係る接着剤
用ポリビニルアセタール樹脂と、熱硬化性樹脂と、溶剤
とを含む。上記熱硬化性樹脂としては、プリント回路基
板用接着剤に常用されているものであれば任意のものを
用いることができるが、一般には、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂な
どが好適に用いられ、単独でまたはこれらのいくつかを
組み合わせて使用される。また、熱硬化性をさらに向上
させるために、各種多官能イソシアネート化合物を同時
に使用しても構わない。
【0028】また、ポリビニルアセタール樹脂と熱硬化
性樹脂との配合比率は、通常、重量比で1:4〜4:1
が好ましい。これは、ポリビニルアセタール樹脂が少な
いと接着剤層の可撓性が減少して引き剥がし強度が低下
し、逆に多過ぎると接着剤層の硬化度が減少してはんだ
耐熱性が低下するためである。
【0029】ポリビニルアセタール樹脂と熱硬化性樹脂
の配合量の合計は接着剤全体に対して通常15〜35重
量%の割合である。従来よりも低粘度の接着剤組成物を
得る場合は従来通りの割合でよく、従来と同等の接着剤
粘度になるように配合すれば固形分は25〜60重量%
となり、従来の2倍程度の高固形分の接着剤組成物を得
ることができる。
【0030】接着剤組成物に使用される溶剤としては、
例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類;メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコ
ール類及びトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素など
任意の溶剤を用いることができ、これらの1種を単独溶
剤として、または2種以上を混合溶剤として用いること
ができる。
【0031】なお、請求項3に記載の接着剤組成物に
は、接着剤の耐熱性を高めるために、必要に応じて、プ
リント回路基板用接着剤で慣用されている適宜の安定
剤、酸化防止剤、架橋剤、硬化触媒、難燃剤等の添加剤
を配合してもよい。
【0032】(作用)請求項1に記載の発明に係る接着
剤用ポリビニルアセタール樹脂では、上記のように重合
度が1000〜2500の範囲にあり、アセチル基の含
有割合が5〜20モル%であるため、カルボキシ変性ポ
リビニルアルコールを多量のアセトアルデヒドでアセタ
ール化する際の分子間アセタールまたは水酸基のブロッ
ク化が抑えられ、低粘度のポリビニルアセタール樹脂が
合成でき、かつ該ポリビニルアセタールを含む接着剤組
成物もハイソリッド化に適した低粘度の接着剤組成物が
得られる。
【0033】また、水酸基の割合が20〜30モル%で
かつ全アセタール化部分のうちの70モル%より多い部
分がアセトアセタールであるために、良好な溶剤溶解性
と良好な耐熱性を示し、さらに、側鎖として0.1〜5
モル%のカルボキシル基を含有することにより適度な熱
硬化性を有する。
【0034】従って、耐熱性に優れ、低粘度であり、接
着剤としてのハイソリッド化に適したポリビニルアセタ
ール樹脂を提供することができる。請求項3に記載の発
明に係る接着剤組成物は、請求項1に記載の発明に係る
ポリビニルアセタール樹脂と、熱硬化性樹脂と、溶剤と
からなり、接着剤の粘度が低いかまたは、ハイソリッド
化されたものであり、かつはんだ耐熱性に優れた接着剤
層を容易に形成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を説明することにより、本発明をより詳細に説明する。
【0036】(実施例1) ポリビニルアセタール樹脂の調製:5リットルのセパ
ラブルフラスコに純水3200gを入れ、これに重合度
1800のイタコン酸変性ポリビニルアルコール(ケン
化度87.7モル%、イタコン酸変性量1モル%)25
0gを加え、完全に溶解させた。次に、この溶液を40
℃まで冷却し、35重量%の塩酸350gを加えた。し
かる後、液温を35℃まで下げ、フラスコ内にアセトア
ルデヒド60gを投入した。次に、液温を12℃まで低
下させ、アセトアルデヒド73gを投入し、白色の粉末
を沈澱させた。
【0037】次に、液温を40℃まで昇温し、5時間保
った後、冷却・水洗した。分離した樹脂を再び水に分散
し、分散液のpHが6〜7となるように水酸化ナトリウ
ムで中和し、樹脂の200倍(体積比)量の純水で水洗
し、濾過し、得られた樹脂を乾燥した。
【0038】上記のようにして得た樹脂の重合度、アセ
チル基含有量(モル%)、全アセタール化部分の内のア
セトアセタール化部分の割合(モル%)、側鎖として結
合しているカルボキシル基の含有割合、エタノール:ト
ルエン=1:1(重量比)の混合溶液に上記樹脂を5重
量%となるように溶解した場合の粘度(mPa・s、2
0℃)、Na、K及びCl(アニオン)の含有量を下記
の表1に示す。尚、粘度については、B型回転粘度計を
用い、20℃で測定した値である。
【0039】接着剤の調製及び接着:上記のようにし
て得た樹脂44gと、ブチル化メラミン樹脂、商品名:
スーパーベッカミン(大日本インキ化学工業社製)48
g(固形分)と、エポキシ樹脂、商品名:エピコート1
001(油化シェルエポキシ社製)4.4g(固形分)
とをメタノール/メチルエチルケトン/トルエン(重量
比で2:2:1)の混合溶剤284gに溶解し、パラト
ルエンスルホン酸0.2gを加えて接着剤組成物を調製
した。
【0040】接着剤の粘度はB型回転粘度計により、ロ
ータNo.3を用いて20℃で測定した。次に、上記の
ようにして得た接着剤組成物を厚み35μm銅箔(福田
金属社製)に樹脂量30g/m2 の割合になるように塗
布し、120℃で4分間乾燥して接着剤層付き銅箔を得
た。
【0041】上記接着剤層付き銅箔とフェノール含浸紙
とを、150℃の温度で30分間、120kg/cm2
の圧力で圧着し、銅箔積層板を作製した。また、上記の
ようにして得られた銅箔積層板について、JIS C
6485に準じて、「はんだ耐熱性」及び「引き剥がし
強度」を測定した。なお、試験温度は、「はんだ耐熱
性」については、260℃、「引き剥がし強度」につい
ては、20℃とした。結果を下記の表3に示す。
【0042】(実施例2〜15)実施例1と同様にし
て、ただし、重合度、アセチル基含有割合、ブチラール
基含有割合、アセトアセタール化部分の含有割合、側鎖
として結合しているカルボキシル基の含有割合及びエタ
ノール/トルエン溶液に溶解した際の粘度が下記の表1
に示す値となるように変更したことを除いては、実施例
1と同様にして、下記の表1に示す各ポリビニルアセタ
ール樹脂を得た。
【0043】実施例6〜8についてはアセトアルデヒド
にブチルアルデヒドを加え、表1に示した組成となるよ
うに合成した。また、上記のようにして得た各ポリビニ
ルアセタール樹脂を用い、実施例1と同様にして、接着
剤組成物及び銅箔積層板を得、かつ同様に評価した。結
果を下記の表3に示す。
【0044】(比較例1〜9)下記の表2に示す、重合
度、アセチル基の含有割合、ブチラール基の含有割合、
アセトアセタール化部分の含有割合、側鎖として結合し
ているカルボキシル基の含有割合及びエタノール/トル
エン溶液の粘度となるようにしたことを除いては、実施
例1と同様にして接着剤組成物及び銅箔積層板を得、評
価した。結果を下記の表4に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】上表から明らかなように、比較例1では、
ポリビニルアセタール樹脂のアセトアセタール化部分の
含有割合が低いため、はんだ耐熱性が28秒と悪く、引
き剥がし強度も1.80kg/cm2 と低い。
【0050】比較例2においても、アセチル基含有割合
が低いため、はんだ耐熱性及び引き剥がし強度が低い。
比較例3では、はんだ耐熱性及び引き剥がし強度は高い
ものの、残存酢酸ビニル含有割合が少ないため、樹脂粘
度及び接着剤粘度が高い。
【0051】比較例4では、カルボキシル基を含有して
いないため、はんだ耐熱性及び引き剥がし強度が低く、
アセチル基の含有量が少ないため、接着剤粘度も高い。
比較例5では、カルボキシル基を含有していないため、
はんだ耐熱性及び引き剥がし強度が低い。
【0052】比較例6では、アセトアセタール化部分の
含有割合が低いため、はんだ耐熱性及び引き剥がし強度
が低く、残存アセチル基の量が少ないため、接着剤粘度
も高い。
【0053】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る接着剤用ポ
リビニルアセタール樹脂では、重合度が1000〜25
00、アセチル基が5〜20モル%、全アセタール化部
分に対して70モル%より多い部分がアセトアルデヒド
によるアセトアセタール化部分であり、側鎖として結合
しているカルボキシル基の含有割合が0.1〜5モル%
の範囲であるため、接着剤として用いた場合のはんだ耐
熱性及び引き剥がし強度に優れている。従って、請求項
1に記載の発明に係る接着剤用ポリビニルアセタール樹
脂は、例えば低粘度または高固形分濃度のプリント回路
基板構成用接着剤として用いるのに適しており、はんだ
耐熱性に優れ、かつ引き剥がし強度に優れた接着剤層を
有するプリント回路基板を提供することが可能となる。
【0054】請求項2に記載の発明に係る接着剤組成物
では、請求項1に記載の発明に係る接着剤用ポリビニル
アセタール樹脂と、熱硬化性樹脂と、溶剤とを含むた
め、該接着剤組成物を接着剤として用いた場合、粘度が
低いので均一に塗工することができ、かつ硬化後には、
はんだ耐熱性や引き剥がし強度が効果的に高められる。
従って、請求項1に記載の発明と同様に、例えば、はん
だ耐熱性に優れ、引き剥がし強度に優れた接着剤層を有
するプリント回路基板を提供することが可能となる。
【0055】従って、請求項3に記載の発明のように、
金属箔の接着に適した金属箔用接着剤を提供することが
可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールとアルテヒドとの
    アセタール化反応により合成されるポリビニルアセター
    ル樹脂であって、 重合度が1000〜2500の範囲にあり、アセチル基
    の割合が5〜20モル%、全アセタール化部分の70モ
    ル%より多い部分がアセトアルデヒドによるアセトアセ
    タール化部分であり、側鎖として結合しているカルボキ
    シル基の含有割合が0.1〜5モル%の範囲にあること
    を特徴とする接着剤用ポリビニルアセタール樹脂。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属及びアルカリ土類金属の含
    有量の合計が100ppm以下であり、かつアニオンの
    含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の接着剤用ポリビニルアセタール樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の接着剤用ポリビ
    ニルアセタール樹脂と、熱硬化性樹脂と、溶剤とを含む
    ことを特徴とする接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 金属箔用接着剤であることを特徴とする
    請求項3に記載の接着剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006513285A (ja) * 2003-01-09 2006-04-20 クラレイ スペシャリティーズ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 架橋したポリビニルアセタール
JP2011052091A (ja) * 2009-09-01 2011-03-17 Jsr Corp 接着剤用組成物
JP2011148926A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Jsr Corp 加工対象物の加工方法
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JP2017137389A (ja) * 2016-02-02 2017-08-10 積水化学工業株式会社 エポキシ系接着剤組成物

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