JP5000440B2 - 光源カバー用の成形体及びこの成形体を備えた照明器具 - Google Patents

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本発明は、光源カバー用の成形体及びこの成形体を備えた照明器具に関する。
近年の照明器具は、意匠性を高めるために薄型化が求められ、光源と光源カバーとの距離が近くなる設計がなされる傾向にある。このような照明器具では、光源の形状が光源カバーに裏映りする、いわゆるランプイメージが顕著に現れ易い。このランプイメージは、照明器具の発光面の見栄えを悪くする要因となる。
特に、光源に環状蛍光ランプを用いた住宅照明シーリングライト用のグローブや、直管型蛍光ランプを複数灯使用した施設用ベースライト用の下面パネル等では、光源からの光束を極力減衰せずに、光の利用効率が良く、ランプの輝度ムラが少なく、輝度均斉度の良い発光面を有することが望ましい。また、液晶TV用直下型バックライトにおいても、冷陰極ランプ等から光束を効率良く前面に透過させると共に、発光面の輝度均斉度が高くなることが望ましい。
この種の照明器具等においては、一般に、透明性を有する樹脂材料に光拡散剤を分散させて形成された光拡散性成形体が用いられる(例えば、特許文献1参照)。また、光源カバーに櫛歯状の縞模様等のパターンを形成することにより、光拡散剤を用いることなく光源カバーの拡散透過率を任意に変化させて、輝度均斉度が良く、光を均一に照射できるようにした照明器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、光源カバーの蛍光ランプに対向する面に、不透過白色の模様をドット印刷により付着させ、透過光を減衰又は拡散させて、ランプイメージが現れ難くすることにより、発光面の輝度均斉度を向上させた照明器具が知られている(例えば、特許文献3参照)。
更に、非結晶状態にあるプラスチック部材の一部にレーザー光を照射して、その一部を結晶化させてこれを外層とし、レーザー光を照射せずに非結晶状態とした部分を内層とすることにより、屈折率の異なる2層から成る発光部材を製造する方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。これら屈折率の異なる2層を適宜に組み合わせることにより、光拡散剤を用いることなく輝度均斉度の高い光源カバーを形成することができる。
特開平10−87941号公報 特開2004−111283号公報 特開2002−75030号公報 特開2006−225570号公報
しかしながら、特許文献1に示される光拡散性成形体では、樹脂材料に光拡散剤を分散させる際に、光拡散剤の濃度を高くすれば、輝度均斉度が向上するが、光拡散材が光を吸収するので、光利用効率が低下して輝度が低くなってしまう。また、輝度低下を抑制するため、光拡散剤の濃度を低くすると、光源の直近又は直上の輝度が他の部位よりも大きくなって、輝度ムラが生じて輝度均斉度が低下する。更に、近年の照明器具は、リモコンから送信される赤外線信号等によって調光制御されるものが多く、このような照明器具の光源カバーに光拡散剤が用いられると、リモコンからの赤外線等が光拡散剤によって吸収又は乱反射され、照明器具の信号受信感度が低下することがあった。
また、特許文献2又は特許文献3に示される照明器具では、光源カバーに形成された縞状のパターンや、シルク印刷により形成されたドット状のパターンが、長期間の使用により光源からの紫外線や熱により劣化し、輝度均斉度が低下することがあった。また、これらのパターンが、褐色や黒色等に変色することもあり、光源カバーとしての美観を損ねてしまうことがあった。しかも、これらの劣化は、光源カバーが光源と近接して設けられると、より顕著になって現れる。
また、特許文献4に示される発光部材は、その製造工程において、照射エリアの小さいレーザーを用いて樹脂を結晶化させるため、照明器具の光源カバーのような、大きな面積を結晶化するには多大な処理時間を要し、製造効率が悪い。更に、レーザーの照射ムラによって光源カバー面内で結晶化度のバラツキが生じ、この結晶化度のバラツキが輝度ムラとなって輝度均斉度を低下させることがある。そのため、例えば、長手形状の発光部材の外層といった比較的面積の小さい光源用形成体には適用できるが、照明器具やバックライト装置等の光源カバーのような、比較的大きな面積を有する光源用成形体には適用できないという、成形体の形状制限があった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、光拡散剤を用いることなく光拡散性を有し、しかも光源と近接して設けられても、光源からの光を効果的に拡散して発光面の輝度を均一化することができ、また、劣化にも強く、成形体の形状制限も少ない光源カバー用の成形体及びこれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、光源の前面に設けられ、結晶化度が比較的高い第1の部材と、前記第1の部材と同じ組成の材料から成り、前記第1の部材よりも結晶化度が低い第2の部材を備える光源カバー用の成形体であって、前記第1の部材及び前記第2の部材は加熱処理により結晶化する結晶性プラスチック樹脂から成り、前記第1の部材は、前記光源との距離が近い領域に形成され、前記第2の部材は、前記第1の部材の周辺に形成され、前記第1の部材から前記第2の部材にかけて結晶化度が緩やかに漸減しているものである。
請求項の発明は、請求項1に記載の光源カバー用の成形体において、前記第1の部材及び第2の部材は、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂から成るものである。
請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載の光源カバー用の成形体において、前記第1の部材の結晶化度が10〜40%であり、前記第2の部材の結晶化度がロとなるよう形成されているものである。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体を備えた照明器具である。
請求項1の発明によれば、第1の部材が結晶化されることにより光拡散性が得られるので、リモコン等から送信された赤外線信号等を吸収又は乱反射させたり、光源からの光の利用効率を低下させる光拡散材の添加量を抑制することができる。そのため、従来の光拡散材のみによって光拡散性を持たせた光源カバーに比して、照明器具の信号受信感度を低下させることなく、しかも発光面を高輝度にすることができる。更に、光源との距離が近い領域に、結晶化度が比較的高い第1の部材が光源2からの光を効果的に拡散させるので、光源2の形状が裏映りする、いわゆるランプイメージが現れ難くなり、光源と近接して設けられたときに、発光面の輝度均斉度を向上させることができる。
また、第1の部材及び第2の部材は、同一の組成から成る材料から形成されるので、互いに分離することなく劣化に強いものとすることができる。更に、第1の部材の結晶化は、例えば、ヒータ加熱処理といった手段で行われるので、大きな面積を有する成形体にも適用でき、成形体の形状制限が少なく、様々な照明器具に利用できる光源カバー用の成形体が得られる。
また、ランプシルエット(輝度)のコントラスト比が急激に変化することが無いので、光源カバー用の成形体の表面全体の輝度が均一化され、意匠性が更に向上する。
請求項の発明によれば、照明器具分野において多量に使用される透光性の樹脂成形体に、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂を利用することにより、化石資源消費量の削減、及び二酸化炭素排出量の削減することができる。また、PLAといった脂肪族ポリエステル類は、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい光源カバー用の成形体を提供することができる。
請求項の発明によれば、輝度ムラが少なく輝度均斉度に優れると共に、輝度の高い光源カバー用の成形を実現することができる。
請求項の発明によれば、光源との距離が短い配置であっても輝度均斉度が良い光源カバー用の成形体を備えたことにより、光源からの光を効率的に拡散し、光を均一に照射することができ、見栄えの良い薄型の照明器具を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る光源カバー用の成形体及びそれを備えた照明器具について、図面を参照して説明する。本実施形態の照明器具1は、光源2と、この光源2を固定する器具本体3と、器具本体3に装着される光源カバー用の成形体4とを備える。照明器具1は、図1(a)乃至(d)に示すように、光源2に複数の直管型蛍光ランプ等が用いられるタイプであってもよいし、図2(a)乃至(d)に示すように、光源2に環状蛍光ランプ等が用いられるタイプであってもよく、その形状やタイプは特に限定されない。器具本体3及び光源カバー用の成形体4は、光源2の形状や種類に応じた適宜の形状に形成される。光源カバー用の成形体4は、光源2から出射される光を任意に拡散配光させると共に、ユーザが光源2を直接見ることによって不快に感じるグレアを低減する照明器具カバーとして用いられる。また、光源カバー用の成形体4は、照明器具カバーに限らず、パネル又はブラケット等、照明器具に用いられる様々な透光性樹脂成形体に適用可能である。
光源カバー用の成形体4は、結晶化度が比較的高い第1の部材41と、この第1の部材41と同じ組成の材料から成り、第1の部材41よりも結晶化度が低い第2の部材42とを備える。また、第1の部材41は、光源2との距離が近い領域に形成され、第2の部材42は、第1の部材41の周辺に形成される。
第1の部材41及び第2の部材42を構成する樹脂材料には、非晶状態にあるプラスチック樹脂であって、加熱処理(アニール)によって結晶化する結晶性プラスチック樹脂が用いられる。光源カバーとして必要な光透過性を有する結晶性材料であれば、特に限定されることなく公知の種々の結晶性プラスチック樹脂が使用され、例えば、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンを含む)、ポリプロピレン、ポリアミド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフロロエチレン、ポリエーテルニトリル又はフッ素樹脂等が挙げられる。
(光源カバーの成形方法)
光源カバー用の成形体4の成形方法は、樹脂材料を所望の形状に成形できれば特に限定されるものではなく、射出成形方法、押出成形方法等、公知の成形方法で所望の形状に加工することができる。また、押出成形方法で得られたシート状の板状物を真空成形や圧空成形、プレス成形、ブロー成形等により任意の形状に加工することができ、様々な照明器具用カバーとして適用することができる。光源カバー用の成形体4の厚さは1.0mm以上が望ましい。極端に肉厚が薄いと結晶化しても光の拡散効果が無く、光源カバーの役目を果たさない。
(光源カバーの結晶化)
光源カバー用の成形体4の結晶化は、加熱処理により行われ、所望の形状に賦形された成形体を、液体加熱ヒータ、電気ヒータ、遠赤外線ヒータ又はニクロム線ヒータ等の加熱手段を用いて、直接接触又は一定間隔を設けて加熱する方法等、少なくとも光源カバー用の成形体4のうち、結晶化させたい部分を選択的に加熱することができる公知の手法により行われる。また、加熱時間は、成形体を構成する材料に応じて適宜に変化させられ、材料の結晶化度により制御されるものとする。加熱処理により、結晶化度が比較的高くなるように形成された第1の部材41は、結晶化度の低い第2の部材42とは異なる結晶の方向性を有すため、第1の部材41と第2の部材42との界面において、結晶の方向性が不揃いとなる結晶粒界が生じ、これにより光拡散効果が得られる。
本実施形態の光源カバー用の成形体4は、上記の結晶粒界によって、光拡散効果が得られ、第1の部材41の結晶化度を制御することにより光拡散率を調整することができる。近年の照明器具は、リモコンから送信される赤外線信号等によって調光制御されるものが多く、このような照明器具の光源カバーに光拡散剤が多量に用いられると、リモコンからの赤外線等が光拡散剤によって吸収又は乱反射され、照明器具の信号受信感度が低下することがある。また、光拡散剤は、光源からの光を吸収し、光利用効率を低下させることがあった。しかし、本実施形態の光源カバー用の成形体4によれば、第1の部材41が結晶化されることにより光拡散性が得られるので、光拡散材の添加量を抑制することができる。そのため、従来の光拡散材のみによって光拡散性を持たせた光源カバーに比して、リモコンからの信号受信感度を低下させることがなく、また、光拡散剤によって光源からの光が吸収されることも抑制されるので、光利用効率が高くなり、発光面を高輝度にすることができる。
また、光源2との距離が近い領域に、結晶化度が比較的高い第1の部材41が形成されているので、この部分の透光性を抑えて光拡散性が高まり、光源2からの光が効果的に拡散される。そのため、光源2の形状が裏映りする、いわゆるランプイメージが現れ難くなり、光源カバー用の成形体4の輝度均斉度を向上させることができる。
また、第1の部材41及び第2の部材42は、同一の組成から成る材料から形成されるので、互いに分離することなく劣化に強いものとすることができる。更に、第1の部材41及び第2の部材42の結晶化は、例えば、ヒータ加熱処理といった手段で行われるので、大きな面積を有する成形体にも適用でき、成形体の形状制限が少なく、様々な照明器具に利用できる光源カバー用の成形体4が得られる。また、輝度均斉度に優れた光源カバーの成形体4を備えたことにより、本実施形態の照明器具1は、光源2からの光を効率よく拡散し、光を均一に照射することができる。
本実施形態の光源カバー用の成形体4は、好ましくは、図1(c)(d)及び図2(c)(d)に示したように、第1の部材41から第2の部材42にかけて結晶化度が緩やかに漸減するように形成される。これは、加熱条件を制御する、すなわち、ヒータ等の熱源を、成形体4の一部に近接させ、熱源の近くの部分の結晶化度を高くし、熱源から離れるほどに結晶化度を低くすることにより、結晶化度を連続的に可変とすることができ、それにより、グラデーション的に光拡散率に変化を付けることができる。こうすれば、ランプシルエット(輝度)のコントラスト比が急激に変化することが無いので、光源カバー用の成形体4の表面全体の輝度が均一化され、意匠性が更に向上する。また、複数の材料を接着剤等で接着するのではなく、光拡散性の高い第1の部材41及び光拡散性が第1の部材41より小さい第2の部材42が一体的に形成されるので、簡便で安価な方法で、しかも機械的強度の高い光源カバー用の成形体4を得ることができる。
また、光源カバー用の成形体4は、第1の部材41の結晶化度が10〜40%であり、第2の部材42の結晶化度が略ゼロとなるよう形成されることが望ましい。第1の部材41の結晶化度が高く、光拡散性が高くなるように形成されると、光透過性が低下し、発光面における輝度が低下する。一方、結晶化度が低く、光拡散性が低くなるように形成されると、光透過性は向上するが、輝度ムラを生じ易くなり、光源カバーとしての役割を果たすことができなくなる。しかし、光源カバー用の成形体4が上記のように構成されると、輝度ムラが少なく輝度均斉度に優れると共に、輝度の高い発光面を実現することができる。
本実施形態の第1の部材41及び第2の部材42を構成する樹脂材料には、好ましくは、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂が使用される。植物由来樹脂としては、特に限定されるものではなく公知の脂肪族ポリエステル系樹脂が使用される。例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ-β-ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ-ε-カプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)又はポリエチレンサクシネート(PES)等が挙げられる。
一般に、照明器具分野では、照明器具カバー、シーリング用グローブ、パネル又はブラケット等といった透光性の樹脂成形体に石油由来のプラスチックが多量に用いられている。そのため、これらに植物由来のプラスチックである脂肪族ポリエステル類を利用することにより、化石資源消費量の削減、及び二酸化炭素排出量の削減することができる。また、PLAといった脂肪族ポリエステル類は、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい光源カバー用の成形体を提供することができる。
上述した各種の樹脂材料は、単独で使用されてもよく、また、複数の材料を適宜にポリマーブレンド又は相溶化剤等を用いてポリマーアロイ化して使用されてもよく、その配合比率等は、使用される樹脂の性質等に応じて適宜に定められる。更に、これらの材料に、光源カバーの用途等に応じて適宜の添加剤が添加及び分散されてもよい。樹脂材料中に添加される添加剤としては、例えば、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤、抗菌剤等が用いられ、光源カバー用の成形体4の光透過性や耐久性を低下させない範囲において、その種類や添加量等は特に限定されない。また、結晶化度の高い第1の部材41を形成する部位を構成する材料に、結晶化を促進させるために結晶核剤を添加してもよい。特に、樹脂材料として脂肪酸ポリエステル類が用いられるときには結晶核剤を添加することが好ましい。
本実施形態の光源カバー用の成形体4において、光拡散剤は必要とされないが、輝度バラツキを抑制するために、適宜に光拡散剤が添加されてもよい。添加される光拡散剤としては、例えば、ポリスチレン系重合体、ポリシロキサン系重合体又はこれらの架橋物から成る微粒子、フッ素系樹脂、ベンゾグアナミン樹脂架橋物、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ及びタルク等があり、特に、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ等の無機系粒子を使用することが好ましい。光拡散剤の添加量は、樹脂組成物100重量部に対して0.05〜1重量部程度であるが、光源カバー用の成形体4の光透過性を低下させなければ特に制限されない。
以下に、本実施形態の光源カバー用の成形体4について、具体的な構成材料、作成方法及び作成された各種実施例の効果について、比較例と対比して説明する。
<実施例1>
PLA樹脂(LACEA H−400/三井化学製)100重量部に対し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326/チバスペシャルティケミカルズ製)0.2部、光拡散剤として硫酸バリウム0.5部を添加したものを、ヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出成形機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを樹脂組成物とした。得られた樹脂成形物を、押出成形機を用いて、板厚2.0mm、1200×400mmのシートに成形し、このシートを40W直管型蛍光ランプ4灯配置ベースライトのランプ位置に正対する部分を遠赤外線ヒータで110℃、3分加熱して、図1(a)に示すような成形体を作成し、これを実施例1とした。
<実施例2>
実施例1と同様の手法で作成された樹脂組成物を、射出成形により、φ350、肉厚t2.0mm、30W丸管蛍光灯シーリングライトリエント状のグローブを成形し、そのグローブの30W丸管蛍光灯ランプと正対する部分を、ニクロム線ヒータにより120℃×3分、加熱して、図2(a)に示すような成形体を作成し、これを実施例2とした。
<比較例1>
実施例1と同様の手法で作成された樹脂成形物を、押出成形機を用いて、板厚2.0mm、1200×400mmのシートを成形し、加熱処理を行わずに、図1(a)に示すような、40W直管蛍光ランプ4灯配置ベースライトに適合する形状として、これを比較例1とした。
<比較例2>
ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul/BASF製)を0.2部、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を2.5部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物を、押出成形機を用いて、板厚3.0mm、450×450mmのシートに成形し、このシートを遠赤外線ヒータ炉で150℃×60秒加熱した後、圧空真空成形機を用いて、図2(a)に示すような、φ350、肉厚t2.0mm、30W丸管蛍光灯シーリングライトリエント状のグローブを成形し、これを比較例2とした。
<比較例3>
比較例2と同様の手法で作成された樹脂組成物を、押出成形機を用いて、板厚2.0mm、1200×400mmのシートに成形し、実施例1と同様に、図1(a)に示すような40W直管蛍光ランプ4灯配置ベースライトに適合する成形体を作成し、これを比較例3とした。
作成された実施例及び比較例の夫々について、結晶化度、光透過率及び光拡散率が測定された。結晶化度の測定は、X線回折法(XRD)により得られたピーク面積を算出することにより行われた。また、光透過率は、自記分光光度計(U4100、日立ハイテクノロジーズ)により、380〜780nm可視光領域の分光透過特性が測定され、そのうちの555nmの値を光透過率とした。
光拡散率は、DIN5036に規定された方法に準じて測定された。これは、光源から照射され試験体(光源カバー)で光が拡散される際に、試験体透過面の角度毎の輝度を測定し下記算出式にて求めるものであり、光拡散率は下記の式により求められる。
(数1)
光拡散率D%=〔〔(20度の輝度)+(70度の輝度)〕/(5度の輝度)×2〕×100
更に、室温0℃内に光源及び住宅用丸型蛍光灯シーリングライトを用いて、近線赤外線リモコンにより点灯後、調光制御が作動する時間を測定することにより、光源カバー用の成形体4のリモコン特性を判定した。これらの結果を、表1に示す。
リモコン特性の判定は、作動時間が15秒以内であるものを◎、30秒以内を○、60秒以内を△、60秒以上を×とした。また、各光源の連続点灯試験後の外観(ランプイメージ)を評価した。ランプイメージが顕著であるものを×、目立つものを△、やや目立つものを○、ほとんど目立たないものを◎とした。
実施例1,2は、比較例1〜3に較べて、ランプイメージが目立たなくなった。これらの結果は、本実施形態の光源カバー用の成形体4は、光源2から近い領域に形成された第1の部材41が、光を効果的に拡散することにより、発光面全体として輝度均斉度に優れていることを示すものである。すなわち、本実施形態の光源カバー用の成形体4は、光源との距離が近い薄型の照明器具に適用されたときにも、照明器具の見栄えを良くすることができる。また、実施例1,2は、赤外線リモコンが用いられたときの作動時間も、比較例2,3に比べて早く、ユーザにとって使い勝手の良い照明器具とすることができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。同一の材料を用いて、その結晶化度を適宜に制御することにより、光拡散性を有するように構成された樹脂成形体であれば、上述した照明器具カバーに限られず、例えば、液晶ディスプレイの保護膜等にも適用できる。
(a)は本発明の一実施形態に係る光源カバー用の成形体を備え、光源に直管型蛍光ランプを用いた照明器具の外観を示す斜視図、(b)は同照明器具の側断面図、(c)は同光源カバー用の成形体の正面図、(d)は同光源カバー用の成形体の側断面図。 (a)は本発明の一実施形態に係る光源カバー用の成形体を備え、光源に環状蛍光ランプを用いた照明器具の外観を示す斜視図、(b)は同照明器具の側断面図、(c)は同光源カバー用の成形体の正面図、(d)は同光源カバー用の成形体の側断面図。
符号の説明
1 照明器具
2 光源
3 器具本体
4 光源カバー用の形成体(照明器具カバー)
41 第1の部材
42 第2の部材

Claims (4)

  1. 光源の前面に設けられ、結晶化度が比較的高い第1の部材と、前記第1の部材と同じ組成の材料から成り、前記第1の部材よりも結晶化度が低い第2の部材を備える光源カバー用の成形体であって、
    前記第1の部材及び前記第2の部材は加熱処理により結晶化する結晶性プラスチック樹脂から成り、
    前記第1の部材は、前記光源との距離が近い領域に形成され、
    前記第2の部材は、前記第1の部材の周辺に形成され
    前記第1の部材から前記第2の部材にかけて結晶化度が緩やかに漸減していることを特徴とする光源カバー用の成形体。
  2. 前記第1の部材及び第2の部材は、脂肪族ポリエステル類を含む植物由来樹脂から成ることを特徴とする請求項1に記載の光源カバー用の成形体。
  3. 前記第1の部材の結晶化度が10〜40%であり、前記第2の部材の結晶化度がゼロとなるよう形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源カバー用の成形体。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の光源カバー用の成形体を備えた照明器具
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