JP2008238477A - 透光性樹脂成形体及びそれを用いた照明器具 - Google Patents

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【課題】照明器具に用いられる光透性樹脂成形体において、ポリ乳酸樹脂(PLA)を用い、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加による樹脂の黄変を抑制する。
【解決手段】透光性樹脂成形体1は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21を含有する樹脂層2と、加水分解防止剤31を含有するポリ乳酸樹脂層3と、を積層して成る。この構成により、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21と加水分解防止剤31との会合が防止されるので、樹脂の黄変を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、透光性樹脂成形体及びそれを用いた照明器具に関する。
従来から、照明器具には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)をはじめとする様々な石油由来のプラスチック材料が用いられている。これら石油由来のプラスチック材料は強度や光学特性に優れているが、限りある化石資源を消費するので、地球環境に対する負荷が大きい。また、石油由来のプラスチックは、その廃却処分に際して、固定化されていた二酸化炭素を大気中に放出するため、地球温暖化現象に悪影響を及ぼす。
そのため、近年では、石油由来のプラスチックに替えて、植物由来のプラスチックを製品筐体等に利用することが注目されている。特に、ポリ乳酸樹脂(PLA)は、トウモロコシやサトウキビといった再生可能資源である植物を原料とするため、石油等の化石資源の消費量を削減することができ、また、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい。更に、PLAは、他の植物由来プラスチックと比較して、コスト面や、加工性、強度といった樹脂特性に優れ、例えば、特許文献1に示されるように、PLAを用いた熱可塑性樹脂組成物及びその成形品が開発されている。
プラスチック材料は、照明器具の様々な部品に用いられるが、照明カバー、シーリング用グローブ、パネル又はブラケット等といった透光性樹脂成形体に最も多く使用される。そのため、これらの透光性樹脂成形体にPLAを用いることができれば、化石資源消費量の削減、及び二酸化炭素排出量の削減に対する寄与が大きい。なお、照明器具に用いられる透光性樹脂成形体は、蛍光灯等の放電灯から出射される紫外線によって樹脂が劣化して、ブリードアウトを生じたり、成形体の強度が低下することがある。そのため、例えば、特許文献2に示されるように、樹脂中にベンゾフェノン系紫外線吸収剤を添加することにより、紫外線による樹脂の劣化を抑制することが知られている。
特開2006−348246号公報 特開2000−67619号公報
しかしながら、上記のように、PLAを用いた樹脂成形体において、樹脂中にベンゾフェノン系紫外線吸収剤を添加すると、樹脂が黄変するという現象が発生する。これは、PLAの耐加水分解性を向上させるために添加される加水分解防止剤がベンゾフェノン系紫外線吸収剤と会合することにより、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の紫外線吸収領域を長波側にシフトさせ、その吸収帯が青色光領域に及ぶことに起因すると考えられる。そのため、PLAは、種々の工業的用途に対して利用されることが期待されるにも拘わらず、照明カバーやシーリング用グローブ等に適用するのは困難であった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、地球環境に対する負荷が小さい植物由来プラスチックであるPLAを用い、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の添加による樹脂の黄変を抑制した照明器具用の樹脂成形体と、それを用いた照明器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、透光性樹脂成形体において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含有する樹脂層と、加水分解防止剤を含有するポリ乳酸樹脂層と、を積層して成るものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の透光性樹脂成形体において、前記樹脂層又はポリ乳酸樹脂層は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の透光性樹脂成形体において、前記樹脂層とポリ乳酸樹脂層との間に、前記樹脂層とポリ乳酸樹脂層との接触を防止する遮断層を設けたものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の透光性樹脂成形体により形成された照明カバーを備えた照明器具である。
請求項1の発明によれば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含む樹脂層と加水分解防止剤を含むPLA層とを積層することにより、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤と加水分解防止剤との会合が防止されるので、樹脂の黄変を抑制することができる。
請求項2の発明によれば、樹脂層又はPLA層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が添加されるので、耐紫外線劣化性能がより向上する。また、形成された樹脂形成体の紫外線吸収カーブが、波長略390nmから短波長側へシャープに立ち上がるようになるので、紫外線に誘引される正の走光性昆虫を誘引しないようにすると共に、樹脂の黄味がかりを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、樹脂層2とPLA層3の間に遮断層5を設けたことにより、より確実にベンゾフェノン系紫外線吸収剤と加水分解防止剤との会合を防ぎ、樹脂の黄変がかりをより効果的に抑制することができる。
請求項4の発明によれば、PLAを照明器具用の透光性樹脂成形体としての用途が広がり、照明器具に使用される化石資源の消費量を削減し、大気中への二酸化炭素の放出量を抑制して、地球温暖化の防止に貢献することができる。
本発明の一実施形態に係る照明器具用の透光性樹脂成形体について、図1乃至図6を参照して説明する。本実施形態の透光性樹脂成形体(以下、樹脂成形体)1は、例えば、図1に示されるように、汎用のシーリングライト10のカバー11に用いられ、光源12に対向して設置されて、光源12から出射される光を任意に拡散配光させると共に、ユーザーが光源12を直接見ることによって不快に感じるグレアを低減するものである。なお、樹脂成形体1は、上記のカバー11に限らず、パネル又はブラケット等といった照明器具に用いられる様々な透光性樹脂成形体に適用可能である。
樹脂成形体1は、図2に示されるように、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21を含有する樹脂層2と、加水分解防止剤31を含有するポリ乳酸樹脂層(以下、PLA層)3とが、積層されて成る。
樹脂層2は、無色透明又は乳白色を呈するベース樹脂20に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21を添加することにより成る。ベース樹脂20には、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)樹脂、メタクリル−スチレン共重合体等が好適に用いられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21は、下記の一般式により表され、例えば、2―ヒドロキシ―4―n―オクトオキシベンゾフェノン、2―ヒドロキシ―4―n―ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2´―ジヒドロキシ―4,4´―ジメトキシベンゾフェノン、ビス(5―ベンゾイル―4―ヒドロキシ―2―メトキシフェニル)メタン等が知られている。
Figure 2008238477
PLA層3は、L−乳酸を重合して得られる樹脂又はL−乳酸及びD−乳酸のステレオコンプレックス体樹脂(以下、PLA)30をベースとする。一般に、PLA30は加水分解しやすいため、本実施形態のPLA層3では、100部のPLA30に対して加水分解防止剤31が0.1〜5重量部添加される。この加水分解防止剤31は、PLAの末端のカルボン酸を封鎖するために添加されるものであり、例えばポリカルボジイミドが好適に用いられる。
樹脂成形体1の積層方法としては、シート状に成形する場合は、共押出成形、又は別々にシート成形した後に熱融着される。また、射出成形法を用いて成形する場合には、二色成形、サンドイッチ成形等の方法が用いられる。
積層の形態としては、例えば、図2乃至図4に示されるような2種2層構成、又は図5及び図6に示されるような2種3層構成のように、用途に応じて適宜の形態が採用される。好ましくは、図5及び図6に示されるように、PLA層3を樹脂層2でサンドイッチすることにより、PLA層3を紫外線又は湿度等の外的環境要因から保護することができる。
上記のように、樹脂成形体1では、樹脂層2とPLA層3とを積層することにより、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21と加水分解防止剤31との会合が防止されるので、樹脂の黄変が抑制される。
樹脂層2又はPLA層3には、適宜に光拡散剤微粒子を添加してもよい。光拡散剤微粒子の成分の種類に特に制限はなく、公知の有機微粒子や無機微粒子を使用条件等に応じて適宜選択すればよい。有機微粒子としては、例えば、架橋スチレン系微粒子、架橋又は高分子量アクリル系微粒子、架橋スチレン−アクリル系微粒子、架橋スチレン−ブタジエン系微粒子、架橋シリコン微粒子、架橋シロキサン系微粒子、架橋ウレタン系微粒子、メラミン系重合体等が挙げられる。
また、無機微粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化カリウム、リン酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マイカ、酸化セリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、結晶形シリカ、不定形シリカ、ガラスフレーク、ガラス繊維、ガラスビーズ、クレー等が挙げられ、これらの無機微粒子に表面処理を施したものが用いられる。樹脂層2又はPLA層3を透過性光拡散体として形成するには、可視光線の透過性を損なわずに適度な光拡散性を付与することができる硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋シリコン微粒子、架橋シロキサン系微粒子等が好ましい。なお、本実施形態の樹脂成形体1において、使用されうる市販の光拡散剤の例としては、MSP−S20(日興リカ製)又はAD硫酸バリウム(日本化学株式会社製)等が挙げられる。
また、図3乃至図6に示されるように、樹脂層2又はPLA層3の何れか、又はそれらの両方にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤41を添加してもよい。ここでいうベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤41は、下記の一般式で表され、例えば、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2―(2’―ヒドロキシ―5’―メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2―(2’―ヒドロキシ―3’,5’―ジ―tert―アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2―(2’―ヒドロキシ―3’,5’―ビス(α,α’―ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4―(1,1,3,3―テトラメチルブチル)―6―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)フェノール]、メチル―3―[3―tert―ブチル―5―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―4―ヒドロキシフェニルプロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物等が用いられる。なお、図中、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤41を含まない樹脂層2及びPLA層3の構成材料を、夫々材料2A,3Aと記載し、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤41を含む樹脂層2及びPLA層3の構成材料を、夫々材料2B,3Bと記載している。
Figure 2008238477
このように、樹脂層2又はPLA層3にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤41を添加することにより、樹脂成形体1の耐紫外線劣化性能が向上する。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤41を添加した樹脂成形体1では、紫外線吸収カーブが波長略390nmから短波長側にシャープに立ち上がるようになるので、この樹脂成形体1から成るシーリング用カバーを備えた照明器具では、樹脂の黄味がかりが抑制され、かつ、正の走光性昆虫の誘引を抑制する低誘虫性能が付与される。
また、本実施形態の樹脂成形体1の変形例として、上述の樹脂層2とPLA層3との間に、樹脂層2とPLA層3との接触を防止する遮断層5が設けられてもよい(図7参照)。この変形例によると、遮断層5によって樹脂層2に含まれるベンゾフェノン系紫外線吸収剤21とPLA層3に含まれる加水分解防止剤31との会合が確実に防止されるので、より効果的に樹脂成形体1の黄変が抑制される。
遮断層5には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21を含まない透明樹脂が用いられ、例えば、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)樹脂、メタクリル−スチレン共重合体等が好適に用いられる。好ましくは、樹脂層2と同じベース樹脂が用いられることにより、樹脂層2との密着性が確保される。また、透明性を損なわない範囲において、上記の透明樹脂とPLA30とをアロイ化することも可能である。アロイ化することによって、樹脂層2及びPLA層3との密着性が更に確保される。
本実施形態の樹脂成形体1の実施例において、具体的な構成材料、作成方法及び作成された樹脂成形体1から成るカバー11の効果について、比較例と対比して説明する。
<実施例1>
実施例1の樹脂成形体1の作成において、樹脂層2の構成材料2Aには、ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul/BASF製)を0.23部、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部添加したものを、ヘンシェルミキサーで攪拌し、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレット状にカットしたものを用いた。
PLA層3の構成材料2Aには、PLA樹脂(U’z S−09/トヨタ自動車製)100重量部に対して、加水分解防止剤(カルボジライト/日清紡製)を2部添加したものを、ヘンシェルミキサーで攪拌し、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレット状にカットしたものを用いた。
上記の樹脂層2の構成材料2A及びPLA層3の構成材料3Aを、多層シート押出機を用いて、2種2層押出を行ってシート状に形成し、図2に示されるように、実施例1の樹脂成形体1を作成した。なお、樹脂層2の厚みは0.9mm、PLA層3の厚みは0.9mm、合計シート厚は1.8mmとした。
<実施例2>
実施例2の樹脂成形体1の作成において、樹脂層2の構成材料2Bには、ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul/BASF製)を0.23部、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部、更にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin326/チバスペシャリティケミカルズ製)を1.90部添加し、上記の実施例1の樹脂層2と同様の方法で作成したものを用いた。また、PLA層3には、上記の実施例1におけるPLA層3の構成材料3Aを用いた。そして、上記実施例1の樹脂成形体1と同様の方法により、図3に示されるように、樹脂層2の構成材料2B及びPLA層3の構成材料3Aから成る実施例2の樹脂成形体1が作成された。
<実施例3>
実施例3の樹脂成形体1の作成において、PLA層3の構成材料3Bには、PLA樹脂(U’z S−09/トヨタ自動車製)100重量部に対して、加水分解防止剤(カルボジライト/日清紡製)を2部、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部、更にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin326/チバスペシャリティケミカルズ製)を1.90部添加し、上記の実施例1のPLA層3と同様の方法で作成したものを用いた。また、樹脂層2には、上記の実施例1の樹脂層2の構成材料2Aを用いた。そして、上記実施例1の樹脂成形体1と同様の方法により、図4に示されるように、樹脂層2の構成材料2A及びPLA層3の構成材料3Bから成る実施例3の樹脂成形体1が作成された。
<実施例4>
実施例4の樹脂成形体1は、上述の実施例2の樹脂成形体1で用いた樹脂層2の構成材料2B及びPLA層3の構成材料3Aを用い、図5に示されるように、樹脂層2/PLA層3/樹脂層2の2種3層となるようシート押出により作成された。なお、樹脂層2の厚みを各0.45mm、PLA層3の厚みを0.9mm、合計シート厚を1.8mmとした。
<実施例5>
実施例5の樹脂成形体1は、上述の実施例3の樹脂成形体1で用いた樹脂層2の構成材料2A及びPLA層3の構成材料3Bを用い、図6に示されるように、樹脂層2/PLA層3/樹脂層2の2種3層となるようシート押出より作成された。なお、樹脂層2の厚みを各0.45mm、PLA層3の厚みを0.9mm、合計シート厚を1.8mmとした。
<実施例6>
実施例6の樹脂成形体1は、上述の実施例2の樹脂成形体1で用いた樹脂層2の構成材料2B及びPLA層3の構成材料3Aを用い、更に、ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン)を遮断層5として、図7に示されるように、樹脂層2/遮断層5/PLA層3の3種3層となるようシート押出により作成された。なお、樹脂層2の厚みを0.6mm、遮断層5の厚みを0.3mm、PLA層3の厚みを0.9mm、合計シート厚を1.8mmとした。
<比較例>
比較例の樹脂成形体は、ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン)50重量部、及びPLA樹脂(U’z S−09/トヨタ自動車)50重量部の、計100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21(Uvinul/BASF)を0.23部、シリコーン樹脂ビーズ61(MSP−S020/日興リカ)を5部添加したものをベース材料6とした。また、上記のベース材料6に加水分解防止剤31(カルボジライト/日清紡)を2部添加して攪拌した後、短軸押出機にて溶融混練し、ストランド状に押出してペレット状にカットしたものを、シート押出機を用いて、シート厚1.8mmになるように単層押出を行い、図8に示されるような比較例の樹脂成形体が作成された。
上記のようにして得られた実施例1乃至実施例6及び比較例の樹脂成形体は、400mm×400mm×1.8mmのサイズに裁断され、圧空成形機を用いて、図1に示されるようなシーリング形状の照明カバー11に成形された。また、これらの照明カバー11について、外観評価を行い、その結果を下記の表1に示す。
Figure 2008238477
表1から明らかなように、比較例の樹脂成形体から成る照明カバーは黄色く変色したのに対して、実施例1乃至実施例6の樹脂成形体1から成る照明カバーは何れも変色が見られなかった。すなわち、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21を含む樹脂層2と加水分解防止剤31を含むPLA層3とを積層することにより、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤21と加水分解防止剤31との会合が防止され、樹脂成形体1の黄変が抑制されたものである。
上述のようにして作成された樹脂成形体1は、樹脂の黄変が抑制されるので、照明カバーといった照明器具に用いられる種々の透光性樹脂成形体に適用できる。また、PLAの照明器具用樹脂としての用途が広がるので、照明器具に使用される化石資源の消費量を削減し、大気中への二酸化炭素の放出量を抑制して、地球温暖化の防止に貢献することができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、PLA層をメインフレームとして、このPLA層を、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含む薄い樹脂フィルムでコーティングすることにより、照明器具用の透光性樹脂成形体において、PLAの使用量を増やし、石油由来のプラスチック使用量を可能な限り削減することができる。
本発明の一実施形態に係る透光性樹脂形成体から成る照明カバーを備えた照明器具の半裁側面図。 同透光性樹脂形成体の実施例1における断面図。 同透光性樹脂形成体の実施例2における断面図。 同透光性樹脂形成体の実施例3における断面図。 同透光性樹脂形成体の実施例4における断面図。 同透光性樹脂形成体の実施例5における断面図。 同透光性樹脂形成体の実施例6における断面図。 同透光性樹脂形成体の比較例における断面図。
符号の説明
1 透光性樹脂形成体
10 透光性樹脂形成体から成る照明カバーを備えた照明器具
11 照明カバー
2 樹脂層
20 ベース樹脂
21 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤
3 ポリ乳酸樹脂層(PLA層)
30 ポリ乳酸樹脂(PLA)
31 加水分解防止剤
41 ベンゾトリアゾール系外線吸収剤
5 遮断層

Claims (4)

  1. ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含有する樹脂層と、加水分解防止剤を含有するポリ乳酸樹脂層と、を積層して成ることを特徴とする透光性樹脂成形体。
  2. 前記樹脂層又はポリ乳酸樹脂層は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の透光性樹脂成形体。
  3. 前記樹脂層とポリ乳酸樹脂層との間に、前記樹脂層とポリ乳酸樹脂層との接触を防止する遮断層を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透光性樹脂成形体。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の透光性樹脂成形体により形成された照明カバーを備えたことを特徴とする照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101212422B1 (ko) 2012-10-04 2012-12-13 주식회사 유환 Pla 복합플라스틱 소재를 이용한 led 조명 장치
KR101212441B1 (ko) 2012-10-08 2012-12-13 주식회사 유환 Pla를 이용한 복합플라스틱 led 램프 방열판 생성방법, 그리고 이에 의해 생산된 pla를 이용한 복합플라스틱 led 램프 방열판

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