JP2009054429A - 照明器具カバー及びそれを用いた照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】照明器具カバーにおいて、地球環境に対する負荷が小さい脂肪族ポリエステル類を利用し、光源からの熱による劣化が抑制され、デザイン上の制約も少ないものとする。
【解決手段】照明器具カバー4は、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aと、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bと、が複数層積層された透光性カバー41から成り、熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aが光源2側に配置されている。熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aが、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bを光源2からの熱から保護し、脂肪族ポリエステル類の変形や変色を抑制するので、脂肪族ポリエステル類を照明器具カバーに利用することができる。照明器具カバー4は、光源2からの熱を照明器具外へ放出するための構造を設ける必要がなく、デザイン上の制約も少ない。
【選択図】図1
【解決手段】照明器具カバー4は、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aと、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bと、が複数層積層された透光性カバー41から成り、熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aが光源2側に配置されている。熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aが、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bを光源2からの熱から保護し、脂肪族ポリエステル類の変形や変色を抑制するので、脂肪族ポリエステル類を照明器具カバーに利用することができる。照明器具カバー4は、光源2からの熱を照明器具外へ放出するための構造を設ける必要がなく、デザイン上の制約も少ない。
【選択図】図1
Description
本発明は、照明器具カバー及びそれを用いた照明器具に関する。
従来から、照明器具カバーには、ポリメチルメタクリレート(PMMA)をはじめとする様々な石油由来のプラスチックが用いられている。これらの石油由来のプラスチックは、強度や光学特性に優れているが、限りある化石資源を消費するので、地球環境に対する負荷が大きい。また、石油由来のプラスチックは、その廃却処分に際して、固定化されていた二酸化炭素を大気中に放出するため、地球温暖化現象に悪影響を及ぼす。
そのため、近年では、石油由来のプラスチックに替えて、植物由来のプラスチックを製品筐体等に利用することが注目されている。特に、ポリ乳酸樹脂(PLA)といった脂肪族ポリエステル類は、トウモロコシやサトウキビといった再生可能資源を原料とするため、石油等の化石資源の消費量を削減することができ、また、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい。
このような環境に優しい性質を持つ脂肪族ポリエステル類は、シート材をはじめとする種々の樹脂組成物に利用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。照明器具分野では、照明器具カバー、シーリング用グローブ、パネル又はブラケット等といった、特に使用量が多い透光性樹脂成形体に脂肪族ポリエステル類を利用できれば、化石資源消費量の削減、及び二酸化炭素排出量の削減に対する寄与が大きいものと期待される。
特開2006−335878号公報
特開2007−106943号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示されるような脂肪族ポリエステル類を用いたシート材又は樹脂組成物は、上述したPMMA等の石油由来のプラスチックに比べると、一般的に耐熱性に劣る。そのため、例えば、光源から高熱が放射されるような照明器具のカバーに脂肪族ポリエステル類が用いられると、カバーに変形又は変色を生じることがあった。このような変形や変色を抑制するために、例えば、照明器具カバーの一部に放熱口を設ける等、照明器具に放熱用の構造を設けて、光源からの熱を照明器具外へ放出できるようにしてもよい。しかし、このような放熱用の構造を設けることは、照明器具のデザイン上の制約となる。そのため、現状では、脂肪族ポリエステル類を用いた照明器具カバーにおいて、デザイン性の高いものが提供されているとはいえない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、地球環境に対する負荷が小さい脂肪族ポリエステル類を利用し、光源からの熱による劣化が抑制され、しかもデザイン上の制約も少ない照明器具カバーと、それを用いた照明器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、光源及びこの光源を固定する器具本体とを有する照明器具に用いられる透光性カバーから成る照明器具カバーであって、前記透光性カバーは、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物と、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物とが複数層積層されて成り、前記熱可塑性プラスチック樹脂組成物が光源側に配置されるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の照明器具カバーにおいて、少なくとも前記器具本体に固定するために接触させる部位を、前記熱可塑性プラスチック樹脂組成物で構成したものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の照明器具カバーにおいて、前記脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物と、前記熱可塑性プラスチック樹脂組成物とは熱融着されているものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明器具カバーを備えた照明器具である。
請求項1の発明によれば、光源側に配置された透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物が、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物を光源からの熱から保護するので、地球環境に対する負荷が小さい脂肪族ポリエステル類を利用し、しかも熱による変形や変色を抑制できる照明器具カバーが得られる。また、光源からの熱を照明器具外へ放出しなくても、光源の熱による劣化を抑制できるので、例えば、照明器具カバーの一部に放熱用の構造を設けるといった必要がなく、照明器具のデザイン上の制約も少ない。
請求項2の発明によれば、照明器具カバーのうち、光源の点灯時に高温になる器具本体と接触する部位に熱可塑性プラスチック樹脂組成物が用いられることにより、照明器具カバー全体を器具本体に安定的に固定することができる。
請求項3の発明によれば、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物から成る層と、熱可塑性プラスチック樹脂組成物から成る層とを隙間なく接着することができるので、害虫や埃等が外部から器具内に侵入することを防ぐことができる。
請求項4の発明によれば、地球環境に対する負荷が小さい脂肪族ポリエステル類を利用し、デザイン上の制約が少ない照明器具カバーを備えているので、地球に優しく、しかもデザイン性の高い照明器具を実現できる。
本発明の一実施形態に係る照明器具カバー及びそれを備えた照明器具について、図面を参照して説明する。本実施形態の照明器具1は、図1に示すように、光源2と、この光源2を固定する器具本体3と、器具本体3に装着される照明器具カバー4とを備える。照明器具カバー4は、光源2に対向するよう配置されて光源2からの光を透過させる透光性カバー41と、この透光性カバー41を器具本体3に固定するためのカバー保持部42とから成る。
透光性カバー41は、その断面を図2に示すように、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aから成る層(A層)と、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bから成る層(B層)とが複数層(ここでは2層)積層されて成り、熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aから成るA層が光源2側に配置される。カバー保持部42は、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aから成る。なお、図2の上方向が光源2側である。
透光性カバー41と、カバー保持部42とは、夫々個別に作成された後に、夫々を接着することにより作成することができる。これらの接着部の断面を図3に示している。また、熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aを材料として、カバー保持部42及び透光性カバー41に相当する部分の両方が一体的に形成された後、上記の透光性カバー41に相当する部分に脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bから成る層を製膜されてもよい。この場合の透光性カバー41とカバー保持部42との境界部の断面は図4に示すようになる。
ここに、カバー保持部42(器具本体3に固定するために接触させる部位)は、光源2の点灯時に高温になる器具本体3と接触している。従って、カバー保持部42には耐熱性及び耐衝撃性に優れた材料を用いることが要求される。上記のように、カバー保持部42が構成されることにより、上記要求を満たして、照明器具カバー4全体を器具本体3に安定的に固定することができる。
次に、透光性カバー41の材料の詳細を説明する。透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aの材料としては、耐熱性、耐湿性及び耐衝撃性に優れた公知の樹脂が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、メチルメタクリレート−スチレン共重合樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂又はシクロオレフィン樹脂等が挙げられるが、特に制限は無く、使用条件などに応じて適宜の樹脂が選択的に用いられる。また、上記の熱可塑性プラスチック樹脂組成物を単独で使用してもよく、複数の熱可塑性樹脂をポリマーブレンド又は相溶化剤等を用いてポリマーアロイ化して用いてもよい。
脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bの材料としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等が用いられる。
透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物A及び脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bは、射出成形法等の公知の成形法により、夫々任意の形状に加工され、成形加工したものを組み合わせて、最終形状物である照明器具カバー4に仕上げられる。また、2色成形法やサンドイッチ成形法等により、複数の異なる樹脂組成物を金型内で一体成形する方法を用いて成形加工してもよい。
好ましくは、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物B(B層)と、熱可塑性プラスチック樹脂組成物A(A層)との界面は熱融着される。これらA層及びB層が熱融着されることにより、隙間のない透光性カバー41及びこれを含む照明器具カバー4を作成することができ、害虫や埃等が外部から器具内に侵入することを防ぐことができる。
また、押出成形で得られた、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物A又は脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bから成るシート状の板状物を、真空成形、圧空成形、プレス成形又はブロー成形等により、任意の形状に加工して、図1に示したような形状以外の様々な照明器具カバーを作成することもできる。なお、上記シート状の板状物から、照明器具カバー形状に成形する際には、前述の方法により加工した成形体を夫々組み合わせてもよい。また、予め複数の樹脂組成物から成る積層シートを押出成形により作製し、この積層シートを熱加工により最終形状に照明器具カバー4として加工してもよい。
次に、上記A層及びB層の膜厚構成について説明する。これら膜厚は、照明器具1の用途に応じて適宜に決定され、図2に示したように、各層の厚さが同じになるように形成されてもよいし、図5に示す変形例のように、A層又はB層のいずれか一方が薄く、他方が厚くなるように形成されてもよい。
また、透光性カバー41は、図6に示す変形例のように、B層の外側に更にA層が積層されていてもよい。一般に、脂肪族ポリエステル類は、水分存在下で加水分解し易い性質を有する。そのため、脂肪族ポリエステル類を含むB層が外側に形成された透光性カバー41(照明器具カバー4)は、例えば、浴室のような水気の多い環境で用いるには適していない。しかし、B層の外側に耐湿性に優れたA層が更に積層されると、A層がB層の保護層となって、B層に含まれる脂肪族ポリエステル類の加水分解を抑制するので、透光性カバー41(照明器具カバー4)が水気の多い環境で使用されても、その耐久性を維持することができる。なお、光源2が、例えば、LED等のように、あまり熱を放射しないものであれば、図7の変形例に示すように、耐湿性に劣るB層を光源2側に、耐湿性に優れたA層を外側に形成してもよい。
上述のように、光源2側に耐熱性に優れた熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aから成るA層が形成されると、このA層が光源2からの熱からB層を保護する保護層となり、B層を構成する脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bの変形や変色を抑制する。この構成によれば、地球環境に対する負荷が小さい脂肪族ポリエステル類を利用でき、しかも、光源2の熱による劣化の少ない照明器具カバー4を実現することができる。また、照明器具カバー4は、例えば、光源2からの熱を照明器具1外へ放出しなくても、光源の熱による劣化が少ないので、照明器具カバーの一部に放熱用の構造を設ける必要がなく、デザイン上の制約も少ない。このような放熱用の構造がなければ、器具内に害虫や埃等が侵入することもないので、メンテナンス性も向上する。
また、図8に示す変形例のように、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aには、照明器具カバー4(透光性カバー41)の用途等に応じて、光拡散剤等の添加剤Cが適宜に添加されてもよい。また、添加剤Cは、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物Bに添加されてもよい(図示せず)。添加される光拡散剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の無機系微粒子が好ましい。光拡散剤の添加量は、通常、樹脂組成物100重量部に対して、0.05〜1質量部程度であるが、特に添加量は限定されるものではない。また、上記の光拡散剤以外に、顔料、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、帯電防止剤又は抗菌剤等が添加されてもよい。なお、本実施形態の照明器具カバー4(透光性カバー41)においては、上記のような添加剤Cは必ずしも必須ではない。
以下に、本実施形態の照明器具カバー4について、具体的な構成材料、作成方法及び作成された各種実施例の効果について、比較例と対比して説明する。
<実施例1>
ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul/BASF製)を0.2部、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aとした。
ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)100重量部に対して、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(Uvinul/BASF製)を0.2部、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aとした。
また、PLA樹脂(U’z S−09/トヨタ自動車製)100重量部に対し、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326/チバスペシャルケミカルズ製)を0.2部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを脂肪族ポリエステル樹脂組成物Bとした。
上記2種類の樹脂組成物A及びBを、夫々シート押出機を用いて単層押出することによりシート(A層及びB層)を作製した。作製されるシートの厚さは、夫々1.5mmとした(図2参照)。これらのシートを、夫々400mm×400mmサイズに裁断し、圧空成形機を用いて成形体を作製した。得られた成形体を組合せて、図1に示したような形状の照明器具カバー4を作成し、これを実施例1とした。
<実施例2>
多層シート押出機を用いて、2種2層押出を行った。A層の厚みを0.5mm、B層の厚みを1.0mm、合計のシート厚を1.5mmとした(図5参照)。この多層シートから、上記実施例1と同様の手法により照明器具カバー4を作成し、これを実施例2とした。
多層シート押出機を用いて、2種2層押出を行った。A層の厚みを0.5mm、B層の厚みを1.0mm、合計のシート厚を1.5mmとした(図5参照)。この多層シートから、上記実施例1と同様の手法により照明器具カバー4を作成し、これを実施例2とした。
<実施例3>
多層シート押出機を用いて、2種2層押出を行った。A層の厚みを1.0mm、B層の厚みを0.5mm、合計のシート厚を1.5mmとした。なお、この実施例3は、B層を光源2側に形成した(図7参照)。この多層シートから、上記実施例1及び実施例2と同様の手法により照明器具カバー4を作成し、これを実施例3とした。
多層シート押出機を用いて、2種2層押出を行った。A層の厚みを1.0mm、B層の厚みを0.5mm、合計のシート厚を1.5mmとした。なお、この実施例3は、B層を光源2側に形成した(図7参照)。この多層シートから、上記実施例1及び実施例2と同様の手法により照明器具カバー4を作成し、これを実施例3とした。
<比較例>
PLA樹脂(U’z S−09/トヨタ自動車製)100重量部に対し、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326/チバスペシャルケミカルズ製)を0.2部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレット状にカットしたものを、シート押出機を用いて、シート厚が1.5mmになるように単層押出を行った。得られたシートを400mm×400mmサイズに裁断し、圧空成形機を用いて、図1に示したような形状の照明器具カバーを作成し、これを比較例とした。
PLA樹脂(U’z S−09/トヨタ自動車製)100重量部に対し、シリコーン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326/チバスペシャルケミカルズ製)を0.2部添加したものをヘンシェルミキサーで攪拌した。その後、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレット状にカットしたものを、シート押出機を用いて、シート厚が1.5mmになるように単層押出を行った。得られたシートを400mm×400mmサイズに裁断し、圧空成形機を用いて、図1に示したような形状の照明器具カバーを作成し、これを比較例とした。
上述した実施例1乃至3、比較例の照明器具カバーは、照明器具に取り付けられ、室温40℃、湿度80%に保持された室内において、光源を10,000hr連続点灯させ、照明器具カバーの外観等について、目視にて評価を行った。この連続点灯試験後の外観評価結果を、表1に示す。
比較例は、照明器具カバーとしての形状を十分に確保することができず、点灯試験に供することができなかった。これに対して、実施例1乃至3は、夫々、照明器具カバーに成形する際の成形性においては特に問題なく、上述した点灯試験後の外観も、実用使用上は問題なかった。なお、実施例2は、熱可塑性プラスチック樹脂組成物Aの厚みが薄いので、脂肪族ポリエステル樹脂組成物Bが光源からの熱から十分保護されず、カバー外面に僅かにクラックと変色が生じたものと考えられる。また、実施例3は、脂肪族ポリエステル樹脂組成物Bが光源に近いので、カバー内面に僅かにクラックと変色が生じたものと考えられる。
脂肪族ポリエステル類は、トウモロコシやサトウキビといった再生可能資源を原料とするため、石油等の化石資源の消費量を削減することができ、また、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい。このような脂肪族ポリエステル類を利用し、デザイン上の制約が少ない照明器具カバー4を備えることにより、照明器具1は、地球に優しく、しかもデザイン性の高いものとすることができる。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物と、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物と、を複数層積層され、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物が、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物の変形や変色を抑制する構成であれば、上述した照明器具カバーに限られず、例えば、液晶ディスプレイの保護膜等にも適用できる。
1 照明器具
2 光源
3 器具本体
4 照明器具カバー
41 透光性カバー
42 カバー保持部(器具本体に固定するために接触させる部位)
A 透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物
B 脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物
2 光源
3 器具本体
4 照明器具カバー
41 透光性カバー
42 カバー保持部(器具本体に固定するために接触させる部位)
A 透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物
B 脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物
Claims (4)
- 光源及びこの光源を固定する器具本体を有する照明器具に用いられる透光性カバーから成る照明器具カバーであって、
前記透光性カバーは、透光性を有する熱可塑性プラスチック樹脂組成物と、脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物とが複数層積層されて成り、
前記熱可塑性プラスチック樹脂組成物が光源側に配置されることを特徴とする照明器具カバー。 - 少なくとも前記器具本体に固定するために接触させる部位を、前記熱可塑性プラスチック樹脂組成物で構成したことを特徴とする請求項1に記載の照明器具カバー。
- 前記脂肪族ポリエステル類を含む樹脂組成物と、前記熱可塑性プラスチック樹脂組成物とは熱融着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具カバー。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の照明器具カバーを備えた照明器具。
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JP2007220384A JP2009054429A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 照明器具カバー及びそれを用いた照明器具 |
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US20110084308A1 (en) * | 2007-08-08 | 2011-04-14 | Ter-Hoe Loh | Semiconductor arrangement and a method for manufacturing the same |
ITCZ20100006A1 (it) * | 2010-06-14 | 2011-12-15 | Comera Srl | Copertura antinquinamento per luce, in particolare copertura per lampioni a sfera, a forma di calotta. |
JP2019197704A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | コイズミ照明株式会社 | 発光ユニットおよび照明器具 |
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2007
- 2007-08-27 JP JP2007220384A patent/JP2009054429A/ja not_active Withdrawn
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JP7105605B2 (ja) | 2018-05-11 | 2022-07-25 | コイズミ照明株式会社 | 発光ユニットおよび照明器具 |
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