JP2006272835A - ポリエステル系積層体、その製造方法及び積層体用熱接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のポリエステル系樹脂フィルムを熱接着剤層を介して接合してなる積層体であって、前記熱接着剤層として、厚さが20〜200μmで、ガラス転移温度が60〜100℃である共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムを用いてなるポリエステル系積層体、このものを、165〜210℃の温度にて熱プレス法、押出しラミネート法又は熱ラミネート法により製造する方法、及びガラス転移温度が60〜100℃の共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなる積層体用熱接着剤である。
【選択図】なし
Description
これらの基材に貼り合わせる化粧シートとしては、Vカット加工性、ラッピング加工性などを付与するために、これまで一般に塩化ビニル樹脂シートが用いられていた。しかしながら、この塩化ビニル樹脂シートは、Vカット加工性やラッピング加工性が良好であるものの、製品が最終的に廃棄物となった場合、塩化ビニル樹脂からの有害物の発生が懸念されることから、塩化ビニル樹脂を使用しない化粧シートの開発が試みられ、例えばポリエステル系樹脂シートが上市されている。このポリエステル系樹脂シートとしては、例えば複数のポリエステル系樹脂フィルムをラミネートしてなる積層化粧シート(例えば、特許文献1参照)などが提案されている。
一方、窓ガラス用フィルムとして、種々の機能を有するフィルムが開発され上市されている。例えば、地震などの災害で破損した際に、ガラス破片が飛散するのを防止するガラス用飛散防止フィルム、外部から内部が見えにくくする内部防視フィルム、太陽光に含まれる紫外線や赤外線を遮断する紫外線遮蔽フィルム、赤外線遮蔽フィルム、及びこれらの機能2種以上を兼備するガラス用複合機能性フィルム、あるいはこれらの機能と装飾性を有するガラス用フィルムなどが上市されている。
これらの中で、ガラス用飛散防止装飾フィルムは、これまで、主としてポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂を素材とするものが用いられてきたが、近年、環境問題から、非PVC化が要望されるようになってきた。
非PVC素材を用いたガラス用飛散防止フィルムとしては、例えば二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いたもの、あるいはグリコール変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂(ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール40〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜60モル%である共重合ポリエステル系樹脂:PETG)フィルムを上地とし、二軸延伸PETフィルムを下地とする積層フィルムを用いたものなどがある。
また、前記二軸延伸PETフィルムよりも、機械的強度が高い二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムを用い、破損の際のガラスの飛散をさらに良好に防止し得る積層フィルムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このようなポリエステル系の積層シートや積層フィルムにおいては、ポリエステル系樹脂フィルムやシートなどからなる基材同士の貼り合わせに、通常粘着剤やホットメルトフィルムなどが用いられている。しかしながら、粘着剤を使用した場合には、揮発性有機化合物の発生や残留溶剤などにより、耐環境性に劣るという問題がある。
また、ホットメルトフィルム、特に一般に多用されているエチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルトフィルムを使用した場合には、酢酸臭による臭気の問題がある。さらに、前記粘着剤やホットメルトフィルムなどでは、接着強度についても、十分に大きいとはいえない。
すなわち、本発明は、
(1)複数のポリエステル系樹脂フィルムを熱接着剤層を介して接合してなる積層体であって、前記熱接着剤層として、厚さが20〜200μmで、ガラス転移温度が60〜100℃である共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムを用いたことを特徴とするポリエステル系積層体、
(2)複数のポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも1つが、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである上記(1)項に記載のポリエステル系積層体、
(3)熱接着剤層に用いる共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムが、テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコール60〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%との組合わせを含む混合ジオールをジオール成分とする共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する材料からなるフィルムである上記(1)又は(2)項に記載のポリエステル系積層体、
(4)複数のポリエステル系樹脂フィルムを、厚さが20〜200μmで、ガラス転移温度が60〜100℃である共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなる熱接着剤層を介して接合し、積層体を製造する方法であって、前記接合を、165〜210℃の温度にて熱プレス法、押出しラミネート法又は熱ラミネート法により行うことを特徴とするポリエステル系積層体の製造方法、
(5)ガラス転移温度が60〜100℃の共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなる積層体用熱接着剤、及び
(6)被接着体が、ポリエステル系樹脂材、ポリカーボネート系樹脂材及び塩化ビニル系樹脂材の中から選ばれる少なくとも1種である上記(5)項に記載の積層体用熱接着剤、
を提供するものである。
また、前記ポリエステル系積層体を効率よく製造する方法、及びポリエステル系樹脂材、ポリカーボネート系樹脂材、塩化ビニル系樹脂材などの接着剤として好適な積層体用熱接着剤を提供することができる。
本発明のポリエステル系積層体は、複数のポリエステル系樹脂フィルムを熱接着剤層を介して接合してなる積層体であって、前記熱接着剤層として、以下に示す共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムが用いられる。
前記共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムは、ガラス転移温度が60〜100℃のものである。このガラス転移温度が上記範囲にあれば、ポリエステル系樹脂フィルムに対する熱接着シートとして、作業性及び接着強度などに関し、良好な性能を発揮することができる。好ましいガラス転移温度は、70〜90℃である。
当該共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムとしては、ガラス転移温度が前記範囲にあればよく特に制限されず、様々なフィルム、例えば(1)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールとの組合わせを含むものである共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコールとネオペンチルグリコールとの組合わせを含むものであるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び(3)酸成分がイソフタル酸とテレフタル酸の組合わせを含むものであるイソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂などを含有する材料からなるフィルムを用いることができる。
これらの共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムの中で、(1)の共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する材料からなるフィルムが好ましく、特にテレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコール60〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%との組合わせを含む混合ジオールをジオール成分とする共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する材料からなるフィルムが好ましい。
前記フィルムの形成材料には、所望により、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤を含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、難燃剤、離型剤、耐候性安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、着色剤、界面活性剤、補強剤、充填剤などを挙げることができる。
当該共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムの作製方法については特に制限はなく、当該フィルムの形成材料を、従来公知の製膜方法、例えばキャスティング法(溶液流延法)、エキストルージョン法(溶融押出法;Tダイ法、インフレーション法など)、カレンダー法などにより製膜することができる。
このようにして得られたフィルムの厚さは、本発明においては、接着強度及び作業性などの面から、20〜200μmの範囲、好ましくは40〜160μmの範囲で選定される。
このようなポリエステル系樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、イソフタル酸共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有する材料からなるフィルムを挙げることができる。
当該ポリエステル系樹脂フィルムの形成材料には、所望により、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤を含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、難燃剤、離型剤、耐候性安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、着色剤、界面活性剤、補強剤、充填剤などを挙げることができる。
当該ポリエステル系樹脂フィルムの作製方法については特に制限はなく、当該フィルムの形成材料を、従来公知の製膜方法、例えばキャスティング法(溶液流延法)、エキストルージョン法(溶融押出法;Tダイ法、インフレーション法など)、カレンダー法などにより製膜することができる。このようにして製膜されたフィルムは、必要に応じ、一軸延伸処理又は二軸延伸処理することができる。
本発明のポリエステル系積層体においては、複数のポリエステル系樹脂フィルムは、その少なくとも1つが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を主体とし、グリコール成分としてエチレングリコールを主体とするポリエチレンテレフタレート樹脂と、必要に応じて用いられる各種添加剤、例えば酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、着色剤、界面活性剤、充填剤などを含む樹脂組成物をテンター法及びチューブ法などにより製膜することにより作製される。
前記テンター法においては、該樹脂組成物を押出機に入れ、加熱溶融し、ダイよりシート状に押出し、キャスティングドラム上で冷却固化して、まず厚目のフィルムを作製し、その後、縦横軸同時二軸延伸や、縦延伸後横延伸の二段階逐次延伸などが施されるが、後者の二段階逐次延伸が好ましい。この場合、まず遅(前)駆動ロールと速(後)駆動ロールの間の加熱ロール群で縦方向に延伸され、引きつづきテンターに導入され、フィルム両端を保持したまま加熱され、横方向に延伸される。この後、面配向を固定させるためにテンター後室で熱固定される。
一方、チューブ法においては、押出しインフレーション法と同じであり、溶融ポリマーはリングダイ(環状口金)より押出され、冷却後圧縮空気により同時二軸延伸され、チューブ状になったフィルムを加熱して、結晶化および分子配向を固定させる。
巻取りはチューブ状のまま巻取るか、あるいは二つに切断して2枚のフィルムとする。
これらの方法においては、製膜条件は、押出温度が、通常250〜300℃程度であり、また延伸処理は、通常80〜130℃程度で、縦横それぞれ2〜5倍程度で行われ、熱固定温度は、通常150〜240℃程度である。
本発明のポリエステル系積層体を製造する方法については特に制限はないが、以下に示す本発明の方法によれば、所望の積層体を効率よく、製造することができる。
本発明の方法は、複数のポリエステル系樹脂フィルムを、厚さが20〜200μmで、ガラス転移温度が60〜100℃である共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなる熱接着剤層を介して接合し、積層体を製造する方法であって、前記接合を、165〜210℃の温度にて熱プレス法、押出しラミネート法又は熱ラミネート法により行い、ポリエステル系積層体を製造する。
前記の熱接着剤層として用いるガラス転移温度が60〜100℃の共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムとしては、前述したように、テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコール60〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%との組合わせを含む混合ジオールをジオール成分とする共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する材料からなるフィルムが好ましく用いられる。
前記熱プレス法においては、複数のポリエステル系樹脂フィルムとポリエステル系樹脂フィルムとの間に、それぞれ当該熱接着性フィルムを介挿し、全体を熱プレスして、各ポリエステル系樹脂フィルムを接合し、一体化することにより、所望のポリエステル系積層体が得られる。
また、押出しラミネート法においては、上層と下層のポリエステル系樹脂フィルムを繰出すための繰出し装置と、当該熱接着性フィルムを形成する材料を押出すための押出機を用い、上層と下層のポリエステル系樹脂フィルムと当該熱接着性フィルムを押出しラミネートすることにより、所望のポリエステル系積層体が得られる。
一方、熱ラミネート法においては、複数のポリエステル系樹脂フィルムと、各樹脂フィルム間に介在させる当該熱接着性フィルムを用い、加熱ドラム上において圧着することにより、所望のポリエステル系積層体が得られる。
これらの方法の中で、積層数が多い場合は、熱プレス法が生産面で有利である。
次に、本発明の積層体用熱接着剤について説明する。
本発明の積層体用熱接着剤は、ガラス転移温度が60〜100℃の共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなるものである。
前記のガラス転移温度が60〜100℃の共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムとしては、前述の本発明のポリエステル系積層体において、熱接着剤層として用いられる共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムと同じものを挙げることができる。好ましい共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムは、テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコール60〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%との組合わせを含む混合ジオールをジオール成分とする共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する材料からなるフィルムである。
本発明の積層体用熱接着剤が適用される、積層体を構成する樹脂材としては、例えばポリエステル系樹脂材、ポリカーボネート系樹脂材及び塩化ビニル系樹脂材などを挙げることができる。
前記ポリエステル系樹脂材としては、前述の本発明のポリエステル系積層体における複数のポリエステル系樹脂フィルムについて説明した各種のポリエステル系樹脂からなるものを挙げることができる。
また、加工温度としては、ポリエステル系樹脂材同士の積層の場合は、165〜210℃程度、ポリカーボネート系樹脂材同士の積層の場合は、170〜210℃程度、塩化ビニル系樹脂材同士の積層の場合は、130〜190℃程度である。さらに、ポリエステル系樹脂材とポリカーボネート系樹脂材との積層の場合は、170〜210℃程度、ポリエステル系樹脂材と塩化ビニル系樹脂材との積層の場合は、160〜190℃程度、ポリカーボネート系樹脂材と塩化ビニル系樹脂材との積層の場合は、160〜190℃程度である。
積層方法としては、前述の本発明のポリエステル系積層体の製造方法において説明した、熱プレス法、押出しラミネート法又は熱ラミネート法を用いることができる。
なお、各例で得られた積層シートの性能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)ピーリング強度
JIS Z 0237に従い、引張試験機[島津製作所、「オートグラフAG−100A」]を用い、引張速度100m/minで、180°ピーリング強度を測定する。
(2)全光線透過率
JIS K 7361−1に従い、ヘーズコンピューター[スガ試験機(株)、「HZ−1」]を用いて測定する。
(3)ヘイズ
JIS K 7136に従い、ヘーズコンピューター[スガ試験機(株)、「HZ−1」]を用いて測定する。
(4)耐環境性
得られた積層体、及び積層体製造時の環境への影響について、次の評価基準に従って評価した。
○:揮発性化学物質が計測できない。残留溶剤が計測できない。
×:揮発性化学物質が計測される。残留溶剤が計測される。
(5)臭気
積層体製造時の臭気について、5名の被験者によって次の評価基準に従って評価した。
○:5名の被験者全員が臭気を感じなかった。
×:1名以上の被験者が臭気を感じた。
また、使用した原料は、以下のとおりである。
・二軸PET:二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、東レ(株)製、商品名「U426」
・PETG:シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、[イーストマン・ケミカル社製、商品名「PETG6763」、ガラス転移温度81℃]をTダイ押出機を用いて表に記載の厚さに製膜したフィルム
・ネオペンチルPET:ネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、[東洋紡績(株)製、商品名「SR173CA」、ガラス転移温度79℃]をTダイ押出機を用いて厚さ100μmに製膜したフィルム
・ホモ−PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(ホモ)、[ユニチカ(株)製、商品名「NEH−2050」ガラス転移温度78℃]をTダイ押出機を用いて厚み100μmに製膜したフィルム
・PBT:ポリブチレンテレフタレート樹脂、[東レ(株)製、商品名「トレコン1200S」、ガラス転移温度40℃]をTダイ押出機を用いて厚さ100μmに製膜したフィルム
・HMフィルム(EVA系):EVA系接着フィルム、東ソー(株)製、商品名「メルセンフィルムMX106」、(融点83℃)
・HMフィルム(ポリエステル系):結晶性ポリエステル系樹脂、[東亜合成(株)製、商品名「PES111」ガラス転移温度−5℃]をTダイ押出機を用いて厚さ35μmに製膜したポリエステル系HMフィルム
・粘着剤:アクリル系粘着剤、綜研化学(株)製、商品名「SKダイン1429DT」
・ネオペンチルPET(着色):ネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)製、商品名「SR173CA」]100質量部と着色剤[住化カラー(株)製、「EPM7A1441」]30質量部を混合し、Tダイ押出機を用いて厚さ80μmに製膜した着色基材フィルム
・PC:ポリカーボネートフィルム、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、商品名「ユーピロンフィルムFE2000」ガラス転移温度145℃
・PVC:ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、リケンテクノス(株)製、商品名「SA−S、FC025」
以下に示す方法に従って、2層構造の積層シートを作製した。
シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社製、「PETG6763」]を用い、Tダイ押出機にて、厚さ100μmの接着剤層用クリアーフィルムを製膜した。上層の基材フィルムAとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]を、また下層の基材フィルムBとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]をまた中間層の接着剤層として、上記のように製膜した厚さ100μmのPETGクリアーフィルムを繰り出し、ダブリングエンボス装置[(株)川上鉄工所製]の加熱ドラムに密着させて積層して、2層構造の積層シートを作製した。ダブリングエンボス装置の加工条件は、加熱ドラム温度170℃、加熱時間(加熱ドラムに密着している時間)60秒で行った。
この積層シートの性能評価結果を第1表に示す。
実施例2及び比較例1〜5
第1表に示す基材フィルムA、接着剤層及び基材フィルムBを用い、第1表に示す加工法を採用し、実施例1と同様にして2層構造の積層シートを作製した。
なお、比較例5の粘着剤塗工は、以下に示す方法に従って行った。
<比較例5>
上層の基材フィルムAとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]を、また下層の基材フィルムBとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]をまた中間層の接着剤層として、アクリル系粘着剤[綜研化学(株)製、商品名「SKダイン1429DT」]を用いて厚さ25μmの粘着剤層を形成し、2層構造の積層シートを作製した。
各積層シートの性能評価結果を第1表に示す。
第2表に示す基材フィルムA、接着剤層及び基材フィルムBを用い、第2表に示す加工法を採用し、実施例1と同様にして2層構造の積層シートを作製した。
なお、実施例4の熱プレスは、以下に示す方法に従って行った。
<実施例4>
シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社製、「PETG6763」]をTダイ押出機を用いて、厚さ80μmの接着剤層用クリアーフィルムを製膜した。上層の基材フィルムAとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、100μm厚]を、また下層の基材フィルムBとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、U426、100μm厚]をまた中間層の接着剤層として、上記のように製膜した厚さ80μmのPETGクリアーフィルムを2枚のフェロタイプではさみ、プレス機[関西ロール製、タイプ「PEF−5035」]を用いて熱プレスして、2層構造の積層シートを作製した。熱プレスの加工条件は、プレス温度170℃、プレス時間5分で行なった。
各積層シートの性能評価結果を第2表に示す。
以下に示す方法に従って、トップコート層を有するガラス用の3層構造の積層シートを作製した。
シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社製、「PETG6763」]をTダイ押出機を用いて、厚さ100μmの接着剤層用クリアーフィルムを製膜した。上層の基材フィルムA、中間層の基材フィルムB、及び下層の基材フィルムCとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]を使用し、また接着剤層I、接着剤層IIして、上記のように製膜した厚さ100μmのPETGクリアーフィルムを使用し、上から基材フィルムA、接着剤層I、基材フィルムB、接着剤層II、基材フィルムCの順で2枚のフェロタイプではさみ、プレス機[関西ロール社製、タイプ「PEF−5035」]を用いて熱プレスして、3層構造の積層シートを作製した。熱プレスの加工条件は、プレス温度170℃、プレス時間10分で行なった。作製した3層構造の積層シートの表面に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所製、「T−UV−1」]を塗布し、硬化させることによりトップコート層を形成した。
この積層シートの性能評価結果を第3表に示す。
実施例6
以下に示す方法に従って、トップコート層を有する建材用の2層構造の積層シートを作製した。
シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社製、「PETG6763」]をTダイ押出機を用いて、厚さ60μmの接着剤層用クリアーフィルムを製膜した。上層の基材フィルムAとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、50μm厚]を、また下層の基材フィルムBとしてネオペンチルPET(着色)[ネオペンチルグリコール共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂、東洋紡績(株)製、商品名「SR173CA」100質量部と着色剤[住化カラー(株)、「EPM7A1441」]30質量部を混合し、Tダイ押出機を用いて厚さ80μmに製膜した着色基材フィルム]をまた中間層の接着剤層として、上記のように製膜した厚さ60μmのPETGクリアーフィルムを繰り出し、ダブリングエンボス装置[(株)川上鉄工所製]の加熱ドラムに密着させて積層して、2層構造の積層シートを作製した。ダブリングエンボス装置の加工条件は、加熱ドラム温度170℃、加熱時間(加熱ドラムに密着している時間)60秒で行なった。作製した2層構造の積層シートの表面に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所製、「T−UV−1」]を塗布し、硬化させることによりトップコート層を形成した。
この積層シートの性能評価結果を第3表に示す。
比較例8
以下に示す方法に従って、トップコート層を有するガラス用の3層構造の積層シートを作製した。
上層の基材フィルムAとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]を、また下層の基材フィルムBとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]をまた中間層の接着剤層Iとして、アクリル系粘着剤[綜研化学(株)製、商品名「SKダイン1429DT」]を用いて厚さ25μmの粘着剤層を形成し、2層構造の積層シートを作製した。さらに、上記で作製した2層構造の積層シートを上層として、下層の基材フィルムCとして、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、「U426」、125μm厚]をまた中間層の接着剤層IIとして、アクリル系粘着剤[綜研化学(株)製、商品名「SKダイン1429DT」]を用いて厚さ25μmの粘着剤層を形成し、3層構造の積層シートを作製した。作製した3層構造の積層シートの表面に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所製、「T−UV−1」]を塗布し、硬化させることによりトップコート層を形成した。
この積層シートの性能評価結果を第3表に示す。
第4表に示す基材フィルムA、接着剤層及び基材フィルムBを用い、第4表に示す加工法を採用し、実施例1と同様にして2層構造の積層シートを作製した。
各積層シートの性能評価結果を第4表に示す。
Claims (6)
- 複数のポリエステル系樹脂フィルムを熱接着剤層を介して接合してなる積層体であって、前記熱接着剤層として、厚さが20〜200μmで、ガラス転移温度が60〜100℃である共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムを用いたことを特徴とするポリエステル系積層体。
- 複数のポリエステル系樹脂フィルムの少なくとも1つが、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1に記載のポリエステル系積層体。
- 熱接着剤層に用いる共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムが、テレフタル酸をカルボン酸成分とし、エチレングリコール60〜80モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%との組合わせを含む混合ジオールをジオール成分とする共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を含有する材料からなるフィルムである請求項1又は2に記載のポリエステル系積層体。
- 複数のポリエステル系樹脂フィルムを、厚さが20〜200μmで、ガラス転移温度が60〜100℃である共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなる熱接着剤層を介して接合し、積層体を製造する方法であって、前記接合を、165〜210℃の温度にて熱プレス法、押出しラミネート法又は熱ラミネート法により行うことを特徴とするポリエステル系積層体の製造方法。
- ガラス転移温度が60〜100℃の共重合非晶性ポリエステル系樹脂フィルムからなる積層体用熱接着剤。
- 被接着体が、ポリエステル系樹脂材、ポリカーボネート系樹脂材及び塩化ビニル系樹脂材の中から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の積層体用熱接着剤。
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