JP2010085585A - 反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】
白色顔料と、フィルム構成樹脂とは非相溶な熱可塑性樹脂を混合することにより、フィルム中に微小な気泡を形成する方法によるフィルムでは、優れた光反射性を持つ一方で、熱伝導率が低いためLED液晶バックライトの反射フィルムとして使用する場合に、放熱性が課題であった。
【解決手段】
樹脂組成物Aから形成される樹脂層Aと、厚みが50μm以下である金属薄膜層とを有する積層体であることを特徴とする反射フィルムであって、樹脂組成物Aは脂肪族ポリエステル系樹脂と、該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂と、SEBS系化合物もしくはグリシジルメタクリレートエチレン系共重合体、またはこれらの混合物である相溶化剤と、微粉状充填剤とを含有する脂肪族ポリエステル系樹脂組成物であることを特徴とする反射フィルムを提供することである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、LED液晶ディスプレイ構成部材として使用することができる反射フィルムに関する。
液晶表示装置をはじめ、照明器具、照明看板など、多くの分野で反射板が使用されている。最近では、特に液晶表示装置の分野において装置の薄型化及び表示性能の高度化が進み、光源として冷陰極管ではなく、LEDを使用したバックライトユニットが多くなっている。LEDは、消費する電力のうち可視光線に変換されるのは、数%から数10%程度であり、その他は熱となって発散されるため、放熱構造が不可欠である。一方で、液晶ディスプレイの性能を向上させことが求められ、そのために反射板、特に反射板を構成する反射フィルムに対して、より一層優れた光反射性(単に「反射性」ともいう)が求められるようになってきている。
フィルムに優れた光反射性を発現させる方法としては、フィルムに白色顔料と、フィルム構成樹脂とは非相溶な熱可塑性樹脂を混合することにより、フィルム中に微小な気泡を形成する方法が知られている。(特許文献1参照)
特開2004−123784号公報
上記の方法によるフィルムは、優れた光反射性を持つ一方で、熱伝導率が低いためLED液晶バックライトの反射フィルムとして使用する場合に、放熱性が課題であった。つまり、一般的にプラスチックは、軽量で耐錆性、形状の自由度等の特徴を生かして、電気電子部品分野でも広く使用されているが、熱伝導はが約0.1〜0.3W/m・Kと低く、LEDチップの放熱がうまく行われず、LEDが高温になり寿命が短くなったり、寿命を優先させると輝度が低下したりする課題を抱えていた。
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明は、優れた反射性能を実現するとともに放熱性を付与した反射フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、樹脂組成物Aから形成される樹脂層Aと、厚みが50μm以下である金属薄膜層(B層)とを有する積層体であって、樹脂組成物Aは脂肪族ポリエステル系樹脂と、該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂と、SEBS系化合物もしくはグリシジルメタクリレートエチレン系共重合体、またはこれらの混合物である相溶化剤と、微粉状充填剤とを含有する脂肪族ポリエステル系樹脂組成物であることを特徴とする反射フィルムを提供することである。
また、前記積層体に、さらに、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有し、かつ該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂及び相溶化剤を含有しない脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Cから形成された樹脂層Cを有する積層体であることを特徴とする反射フィルムを提案することである。
なお、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明によれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱のほか、該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱、さらには脂肪族ポリエステル系樹脂と該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂の周囲に形成される空隙との屈折率差による屈折散乱などからも光反射性を得ることができるから、薄肉でも優れた反射性を得ることができる。
また、相溶化剤としてのSEBS系化合物や、グリシジルメタクリレート−エチレン系共重合体、及びこれらの混合物は、脂肪族ポリエステル系樹脂中における該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂の分散性を効果的に高めることができる。特に乳酸系重合体のように比較的低温で加熱溶融する脂肪族ポリエステル系樹脂中における該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂の分散性を極めて効果的に分散させることができるから、延伸製膜時に破断を起こすことなく安定して製品外観が良好なフィルムを製造することができる。
また、放熱性に優れた金属薄膜層(B層)に樹脂層Aを積層することによって、LEDへの放熱が効率的に行われ、LEDに熱がこもらず優れた放熱性を発揮し、長寿命で優れた光反射性を発揮する。さらには、よって、本発明が提案する反射フィルムは、例えばLEDを光源とした液晶ディスプレイ、照明器具等の構成部材として使用される反射フィルムとして好適に利用することができる。
以下、本発明の実施形態の一例として、LED液晶ディスプレイ、照明器具等の構成部材として使用される反射フィルムについて説明するが、本発明の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物並びに脂肪族ポリエステル系フィルムの用途がこのような反射フィルムに限定されるものではない。
本明細書において「主成分」と表現した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるのが通常である。
また、本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
本実施形態に係る反射フィルム(以下、「本反射フィルム」という)は、樹脂組成物Aから形成される樹脂層Aと、厚みが50μm以下である金属薄膜層(B層)とを有する積層体であって、樹脂組成物Aは脂肪族ポリエステル系樹脂と、該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂と、SEBS系化合物もしくはグリシジルメタクリレートエチレン系共重合体、またはこれらの混合物である相溶化剤と、微粉状充填剤とを含有する脂肪族ポリエステル系樹脂組成物である。
[樹脂層A]
(脂肪族ポリエステル系樹脂)
樹脂層Aで用いる脂肪族ポリエステル系樹脂としては、化学合成されたもの、微生物により発酵合成されたもの、及び、これらの混合物を用いることができる。
化学合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリテトラメチレンサクシネート、シクロヘキサンジカルボン酸/シクロヘキサンジメタノール縮合体等の、二塩基酸とジオールとを重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール等のヒドロキシカルボン酸を重合して得られる脂肪族ポリエステル系樹脂、前記脂肪族ポリエステル系樹脂のエステル結合の一部、例えば全エステル結合の50%以下がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合等に置き換えられた脂肪族ポリエステル系樹脂等を挙げることができる。
また、微生物により発酵合成された脂肪族ポリエステル系樹脂としては、ポリヒドロキシブチレート、ヒドロキシブチレートとヒドロキシバリレートとの共重合体などを挙げることができる。
樹脂層Aに用いる脂肪族ポリエステル系樹脂は、芳香環を含まない脂肪族ポリエステル系樹脂であるのが好ましい。分子鎖中に芳香環を含まない脂肪族ポリエステル系樹脂であれば、紫外線吸収を起こさないから、紫外線に晒されることによって、或いは、液晶表示装置等の光源から発せられた紫外線を受けることによってフィルムが劣化したり、黄変したりすることがなく、フィルムの光反射性が経時的に低下するのを抑えることができる。
樹脂層Aにおいては、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤等との界面における屈折散乱によって光反射性を得ることができる。この屈折散乱は、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率の差が大きくなるに従って大きくなるため、脂肪族ポリエステル系樹脂としては、微粉状充填剤との屈折率差が大きくなるように、屈折率の小さい樹脂を用いるのが好ましい。
かかる観点から、上記脂肪族ポリエステル系樹脂の中でも、屈折率が1.52未満の脂肪族ポリエステル系樹脂を用いるのが好ましく、特に脂肪族ポリエステル系樹脂の中でも屈折率の小さい乳酸系重合体(屈折率が1.46未満)を用いるのがより好ましい。また、乳酸系重合体は、分子鎖中に芳香環を含まないので紫外線吸収を起こさない。したがって、紫外線に晒されても、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によっても、反射フィルムが劣化したり、黄変したりすることがない点でも好ましい。
乳酸系重合体とは、D−乳酸またはL−乳酸の単独重合体またはそれらの共重合体をいう。具体的には、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、またこれらの混合体も含まれる。
乳酸系重合体は、縮合重合法、開環重合法等の公知の方法で製造することができる。例えば、縮合重合法では、D−乳酸、L−乳酸、または、これらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状二量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤等を用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合することにより任意の組成を有する乳酸系重合体を得ることができる。
上記ラクチドには、L−乳酸の二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸の二量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有する乳酸系重合体を得ることができる。
上記乳酸系重合体の中でも、D−乳酸とL−乳酸との含有比率が、D−乳酸:L−乳酸=100:0〜85:15、または、D−乳酸:L−乳酸=0:100〜15:85であるのものが好ましく、中でも特にD−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5、または、D−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95であるものが好ましい。
D−乳酸とL−乳酸との含有比率が100:0または0:100である乳酸系重合体は非常に高い結晶性を示し、融点が高く、耐熱性および機械的物性に優れる傾向がある。すなわち、フィルムを延伸したり熱処理したりする際に、樹脂が結晶化して耐熱性及び機械的物性が向上するので、その点で好ましい。その一方、D−乳酸とL−乳酸とで構成される乳酸系重合体は、柔軟性が付与され、フィルムの成形安定性及び延伸安定性が向上するので、その点で好ましい。
得られる反射フィルムの耐熱性と成形安定性及び延伸安定性とのバランスを勘案すると、樹脂層Aに用いる乳酸系重合体としては、D−乳酸とL−乳酸との構成比は、D−乳酸:L−乳酸=99.5:0.5〜95:5またはD−乳酸:L−乳酸=0.5:99.5〜5:95であるのがより好ましい。
D−乳酸とL−乳酸との含有比率が異なる複数種類の乳酸系重合体を混合(ブレンド)してもよい。例えば、D−乳酸またはL−乳酸のホモポリマーと、これらの共重合体とをブレンドすることにより、ブリードのし難さと耐熱性の発現とのバランスをとることができる。
このように複数種類の乳酸系重合体を混合する場合には、複数の乳酸系重合体のD−乳酸とL−乳酸との含有比率を平均した値が上記範囲内に入るようにすればよい。
乳酸系重合体の分子量は高分子量であるのが好ましい。例えば重量平均分子量が5万以上であるのが好ましく、6万〜40万であるのがさらに好ましく、10万〜30万であるのが特に好ましい。乳酸系重合体の重量平均分子量が5万未満であると、得られたフィルムは機械的性質に劣る場合がある。
脂肪族ポリエステル系樹脂として市販製品を用いることもできる。例えば、昭和高分子社のビオノーレ3000シリーズ、三菱化学社のGS−Pla等を挙げることができる。
また、乳酸系重合体として、三井化学社のレイシアシリーズ、NatureWorks社のNatureWorksシリーズ等を挙げることができる。
(脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂)
脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂(以下、「非相溶樹脂」という)としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、中でも反射性能の観点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の中でも、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のモノオレフィン重合体、或いはこれらの共重合体などが好ましい。
具体的には、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(例えばエチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂には、チーグラー触媒のようなマルチサイト触媒を用いて製造されたものも、メタロセン触媒のようなシングルサイト触媒を用いて製造されたものも含まれる。
また、これらのポリオレフィン系樹脂に、エチレン・プロピレンゴム等を分散複合化させたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
シート状に成形する際の成形性、並びにシート状に成形した際の耐熱性等を勘案すると、上記ポリオレフィン系樹脂の中でも、エチレン−α−オレフィン共重合体等の線形低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレンーブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体等のポリプロピレン系樹脂などが好ましく、その中でもポリプロピレン系樹脂、特にポリプロピレンや、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のエチレン−プロピレン共重合体が好ましい。
また、反射率向上の観点からすると、屈折率の小さなポリオレフィンが好ましく、屈折率が1.52未満であるポリオレフィン系樹脂を用いるのが特に好ましい。例えば、ポリプロピレン系樹脂、低密度ポリエチレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、ポリメチルペンテン、及び、これらの混合物や共重合体などを挙げることができ、中でも屈折率が1.50以下であるポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンゴムなどを挙げることができる。ポリプロピレン系樹脂を得るための重合法としては、例えば、溶媒重合法、バルク重合法、気相重合法等の公知の方法を採用することができる。また、重合触媒としては、例えば、三塩化チタン型触媒、塩化マグネシウム担持型触媒、メタロセン系触媒等の公知の触媒を採用することができる。
ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性を考慮すると、MFR(温度:190℃、荷重:2.16kg)が、ポリエチレン系樹脂の場合、0.2〜40g/10min程度(190℃、荷重2.16kg)、特に1〜20g/10min、中でも特に3〜10g/10minであるのが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の場合、1〜50g/10min(230℃、荷重2.16kg)、特に3〜25g/10min、中でも特に5〜15g/10minであるのが好ましい。
なお、本発明において、MFRは、ASTMD−1238に規定される方法に基づいて測定したものである。ただし、測定は、かっこ内に示した各条件で測定することを意味している。
ポリオレフィン系樹脂のMFRが小さ過ぎると、溶融成形時に押出温度を高くする必要があり、その結果、ポリオレフィン系樹脂自体の酸化による黄変や、微粒充填剤、特に酸化チタンの熱劣化によって反射率が低下する可能性がある。一方、ポリオレフィン系樹脂のMFRが大き過ぎると、溶融成形によるシート作製が不安定になる可能性がある。
非相溶樹脂の含有割合は、フィルムの光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、樹脂層Aの全体質量に対して1〜30質量%であるのが好ましく、3〜20質量%であるのがより好ましい。非相溶樹脂の含有割合が1質量%以上であれば、高い光反射性とフィルムの軽量化を同時に実現することができて好ましい。また、非相溶樹脂の含有割合が30質量%以下であれば、フィルムに優れた成形性を付与することができる。
(相溶化剤)
本反射フィルムにおいて、相溶化剤とは、脂肪族ポリエステル系樹脂に対する非相溶樹脂の分散性を高めることができる化合物の意であり、このような相溶化剤を添加することにより、非相溶樹脂からなる分散相の大きさを適度に制御することができる。
本反射フィルムに用いる相溶化剤としては、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)系化合物もしくはグリシジルメタクリレート−エチレン系共重合体、またはこれらの混合物を用いることが重要である。これらの相溶化剤は、脂肪族ポリエステル系樹脂中における非相溶樹脂の分散性を効果的に高めることができる。特に乳酸系重合体のように比較的低温で加熱溶融する脂肪族ポリエステル系樹脂における非相溶樹脂の分散性を特に効果的に高めることができる。
SEBS系化合物としては、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー、水添−スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー、さらに官能基導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマーが挙げられる。官能基導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマーにおいて、導入される該官能基としては、例えばアセトキシ基、カルボキシル基、水酸基、ジヒドロキシル基、メタクリロイル基、エポキシ基、さらにはエポキシ基を含有するグリシジルメタクリレート基、または無水マレイン酸成分、ブタジエン成分、スチレン系、アクリル系、アクリロニトリル−スチレン系のビニル系モノマーおよびポリマー等が挙げられる。これらの官能基は、単独あるいは2種類以上を組み合わせて導入することができる。中でも、ブタジエン成分導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマーや、グリシジルメタクリレート基導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマーが特に好ましい。
グリシジルメタクリレート−エチレン系共重合体としては、例えば少なくともエポキシ基を含有するグリシジルメタクリレートとエチレンとからなるコポリマーおよびターポリマーが挙げられる。
ここで、ターポリマーとしては、例えばエポキシ基を含有するグリシジルメタクリレートとエチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸メチル等との三元共重合体が挙げられる。中でも、エポキシ基を含有するグリシジルメタクリレートとエチレンとアクリル酸メチルとからなるターポリマーが好ましい。
相溶化剤の含有割合は、フィルムの光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、樹脂層Aの全体質量に対して0.1〜7質量%であるのが好ましく、1〜5質量%であるのがより好ましい。
相溶化剤の含有割合が0.1質量%以上であれば、非相溶樹脂の分散相の大きさを適度に制御するのに効果的であり、延伸製膜時に破断を起こすことがないので好ましい。また、相溶化剤の含有割合が7質量%以下であれば、フィルムに優れた光反射性を付与することができる。また、押出し、製膜工程全般にわたって悪影響を及ぼさないので好ましい。
(樹脂層Aの微粉状充填剤)
樹脂層Aに用いる微粉状充填剤としては、有機質微粉体、無機質微粉体等を挙げることができる。
有機質微粉体としては、木粉、パルプ粉等のセルロース系粉末や、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等から選ばれた少なくとも一種を挙げることができる。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等から選ばれた少なくとも一種を挙げることができ、中でも炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム及び酸化チタンの群より選ばれる1種または2種以上の組合せからなる混合物が好ましい。
得られる反射フィルムの光反射性を勘案すれば、脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差が大きいものが好ましい。すなわち、無機質微粉体としては屈折率が大きいもの、基準としては1.6以上のものが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛または酸化チタンを用いることが好ましく、中でも屈折率が高い酸化チタンが特に好ましい。但し、長期耐久性を勘案すると、酸やアルカリに対して安定な硫酸バリウムも特に好ましいものである。
なお、微粉状充填剤として、前記の如く例示した無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて使用してもよい。また、異なる微粉状充填剤同士を併用することもでき、例えば、酸化チタンと他の微粉状充填剤とを併用してもよい。
酸化チタンは、他の無機質微粉体に比べて屈折率が顕著に高く、脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差を顕著に大きくすることができるため、他の充填剤を使用した場合よりも少ない配合量で優れた反射性を得ることができる。また、酸化チタンを用いることにより、フィルムの厚みが薄くても高い反射性を有する反射フィルムを得ることができる。
従って、少なくとも酸化チタンを含む微粉状充填剤を用いるのが好ましく、この場合、酸化チタンの量は、該微粉状充填剤の合計質量の30%以上とするのが好ましい。
樹脂層Aに用いる酸化チタンとしては、アナターゼ型やルチル型のような結晶型の酸化チタンが好ましく、その中でも脂肪族ポリエステル系樹脂との屈折率差が大きいという観点から、屈折率が2.7以上の酸化チタンが好ましい。この点で、ルチル型酸化チタンが好ましい。
また、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いるのが特に好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ない酸化チタンの意であり、本発明では、ニオブ含有量が500ppm以下であり、かつバナジウム含有量が5ppm以下である酸化チタンを高純度酸化チタンと称する。
高純度酸化チタンにおいて、ニオブ含有量は500ppm以下であることが重要であり、好ましくは400ppm以下である。また、バナジウム含有量は5ppm以下であることが重要であり、好ましくは4ppm以下である。
高純度酸化チタンとしては、例えば塩素法プロセスにより製造されるものを挙げることができる。
塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、先ず四塩化チタンを生成させ、次いでこの四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、高純度酸化チタンを得ることができる。
酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。従って、硫酸法プロセスでは高純度酸化チタンは得られ難い。
微粉状充填剤、特に酸化チタンとしては、不活性無機酸化物から形成された不活性無機酸化物層を表面に備えたものが好ましい。酸化チタンの表面を不活性無機酸化物で被覆処理することにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、酸化チタンの光触媒作用によってフィルムが劣化するのを防ぐことができる。
不活性無機酸化物としては、シリカ、アルミナ、及びジルコニアからなる群から選ばれる少なくとも1種類を用いるのが好ましい。これらの不活性無機酸化物を用いれば、酸化チタンを用いた場合に発揮する高い光反射性を損なうことなくフィルムの耐光性を高めることができる。また、2種類以上の不活性無機酸化物を併用することがさらに好ましく、中でもシリカを必須とする組み合わせが特に好ましい。
不活性無機酸化物層は、酸化チタン全体質量の0.5〜7質量%、特に1〜3質量%を占めるのが好ましい。不活性無機酸化物層が0.5質量%以上であれば、高い反射性を維持するのが容易となるので好ましい。また、不活性無機酸化物層が7質量%以下であれば、ポリエステル系樹脂への分散性が良好となり、均質なフィルムが得られるので好ましい。
なお、不活性無機酸化物層が酸化チタン全体質量に占める割合は、表面処理後の酸化チタンの全質量中に占める、表面処理に使用した不活性無機酸化物の全質量の割合(百分率で示す)で求められる。
さらに、無機質微粉体、特に酸化チタンは、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性を向上させるために、有機化合物から形成された有機化合物層を表面に備えているものが好ましい。
当該有機化合物層は、例えば、シロキサン化合物、シランカップリング剤、多価アルコール、チタンカップリング剤、アルカノールアミンまたはその誘導体、及び高級脂肪酸またはその金属塩等の有機化合物などで、酸化チタンの表面或いは上記不活性無機酸化物層の表面を被覆処理するようにして形成することができる。特にシロキサン化合物、多価アルコール、およびシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で被覆処理表するのが好ましく、中でも特に、多価アルコール及びシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種類の有機化合物で被覆処理するのが好ましい。これら2種類以上の化合物を組合せて使用してもよい。
これらの有機化合物は、酸化チタン表面の水酸基と物理的吸着または化学的に反応することにより、酸化チタンの疎水性、分散性および樹脂との親和性を向上させることができる。
ここで、上記のシロキサン化合物としては、例えばジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、アルキル変性シリコーンなどを挙げることができ、これらを単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記のシランカップリング剤としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アミノ基、アリール基、エポキシ基等を有するアルコキシシラン類、クロロシラン類、ポリアルコキシアルキルシロキサン類が好ましく、さらに好ましくはアミノシランカップリング剤である。具体的には、例えばn−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、n−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、n−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−フェニルーγ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジエトキシシラン等のアルキルシランカップリング剤を挙げることができ、これらを単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記の多価アルコールとしては、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリプロパノールエタン、ペンタエリスリトール、およびペンタエリトリット等を挙げることができ、中でもトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンがさらに好ましい。これら多価アルコール化合物は、これらを単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
有機化合物層は、酸化チタン全体質量の0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%、中でも特に0.1〜2質量%を占めるのが好ましい。
有機化合物層が酸化チタン全体の0.01質量%以上を占めれば、酸化チタンの水分吸着を防いで酸化チタン粒子の凝集を妨げることができるので、酸化チタンの分散性を向上させることができる。酸化チタンの分散性が向上すれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの界面の面積が充分に確保されるので、フィルムに高い光反射性を付与することができる。一方、有機化合物層が酸化チタン全体の5質量%以下であれば、酸化チタン粒子の滑性が適切になり、安定した押出し及び製膜が可能になる。
有機化合物層が酸化チタン全体質量に占める割合は、表面処理後の酸化チタンの全質量中に占める、表面処理に使用した有機化合物の全質量の割合(百分率で示す)で求められる。
なお、酸化チタン以外の微粉状充填剤を用いる場合には、この微粉状充填剤は、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性を向上させるために、微粉状充填剤の表面が、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理が施されたものを使用するのが好ましい。
微粉状充填剤の粒径は、0.05μm〜15μmであるのが好ましく、より好ましくは0.1μm〜10μm、中でも0.3μm〜10μmがより好ましい。微粉状充填剤の粒径が0.05μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が良好で、均質なフィルムを得ることができる。さらに、0.3μm以上であれば、フィルムの粗表面化に伴い光散乱反射が生じて、得られるフィルムの反射指向性が小さくなり好ましい。また、粒径が15μm以下であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との界面が緻密に形成されて、高い反射性のフィルムを得ることができる。
微粉状充填剤として酸化チタンを用いる場合には、その粒径は0.1μm〜1.0μmであるのが好ましく、0.2μm〜0.5μmであるのがさらに好ましい。酸化チタンの粒径が0.1μm以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂への分散性が良好で、均質なフィルムを得ることができる。また、酸化チタンの粒径が1.0μm以下であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と酸化チタンとの界面が緻密に形成されて、反射フィルムに高い光反射性を付与することができる。
微粉状充填剤の含有量は、フィルムの光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、樹脂層A全体の質量に対して10〜50質量%であるのが好ましく、20〜40質量%であるのがさらに好ましい。
微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができ、フィルムに対して高い光反射性を付与することができる。また、微粉状充填剤の含有量が50質量%以下であれば、フィルムに必要な機械的性質を確保することができる。
(他の成分)
樹脂層Aは、脂肪族ポリエステル系樹脂、非相溶樹脂、相溶化剤及び微粉状充填剤の効果を損なわない範囲内で、これら以外の他の成分を含有してもよい。また、前記効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、及びその他の添加剤を含有してもよい。
上記の他の成分としては、例えば脂肪族ポリエステル系樹脂として乳酸系重合体等を用いる場合には、より高温度で高湿度な環境に対する耐久性を付与する目的で、加水分解防止剤であるカルボジイミド化合物等を添加することが考えられる。特に近年、液晶ディスプレイはパソコン用ディスプレイの他、自動車用カーナビゲーションシステムや車載用小型テレビ等にも使用されるようになり、高温度、高湿度に耐えるものが必要となってきているため、耐久性を付与する目的で、加水分解防止剤を添加することが好ましい。
カルボジイミド化合物としては、例えば、下記一般式(1)の基本構造を有するものが好ましいものとして挙げられる。
―(N=C=N−R−)n― ・・・ (1)
式(1)において、nは1以上の整数を示し、Rは有機系結合単位を示す。例えば、Rは脂肪族、脂環族、芳香族のいずれかであることができる。また、nは、通常、1〜50の間で適当な整数が選択される。
具体的には、例えば、ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、及び、これらの単量体が、カルボジイミド化合物として挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、単独で使用しても、或いは、二種以上組み合わせて使用してもよい。
カルボジイミド化合物の添加量は、脂肪族ポリエステル系樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部であるのが好ましい。カルボジイミド化合物の添加量が0.1質量部以上であれば、耐加水分解性の改良効果を十分に発現させることができる。また、カルボジイミド化合物の添加量が3.0質量部以下であれば、得られるフィルムの着色が少なく、光反射性を損なうことがない。
(空隙率)
より高い反射性能を得るためには、樹脂層A内部に空隙を有することが好ましい。樹脂層A内部に空隙を有していれば、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱、非相溶樹脂と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱のほか、脂肪族ポリエステル系樹脂と空隙(空気)、非相溶樹脂と空隙(空気)、微粉状充填剤と空隙(空気)との屈折率差による屈折散乱からも反射性を得ることができる。
樹脂層Aの空隙率、すなわち樹脂層A中に占める空隙の体積部分の割合は30〜60%、中でも反射率向上の観点から35%以上であるのが好ましい。樹脂層Aの空隙率が30%以上であれば十分に反射性能を高めることができ、また、空隙率が60%以下であれば、フィルムの機械的強度が確保され、フィルム製造中にフィルムが破断したり、使用時に耐熱性等の耐久性が不足したりすることがない。
なお、フィルムを延伸した場合の空隙率は、下記式(2)に代入してフィルムの空隙率を求めることができる。
空隙率(%)={(延伸前のフィルムの密度−延伸後のフィルムの密度)/延伸前のフィルムの密度}×100 ・・・ (2)
樹脂層Aの空隙は、例えば樹脂組成物Aを溶融し製膜して得られたフィルムを延伸することにより形成することができる。これは、延伸した時に脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤及び非相溶樹脂との延伸挙動が異なるからである。すなわち、脂肪族ポリエステル系樹脂に適した延伸温度で延伸を行えば、マトリックスとなる脂肪族ポリエステル系樹脂は延伸されるが、微粉状充填剤及び非相溶樹脂はそのままの状態でとどまろうとするため、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤との界面、並びに脂肪族ポリエステル系樹脂と非相溶樹脂との界面が剥離して、空隙が形成される。従って、微粉状充填剤及び非相溶樹脂の種類と量、並びに延伸倍率などを調整することによって、樹脂層Aの空隙率を制御することができる。
また、樹脂組成物Aに発泡剤を添加して発泡させることよっても樹脂層A中に空隙を形成することができるから、この場合は、発泡剤の種類と量などを調整することによって、樹脂層Aの空隙率を制御することができる。
(分散相)
樹脂層Aにおいては、脂肪族ポリエステル系樹脂からなる母相(マトリックス)中に、非相溶樹脂からなる分散相が散在した状態になり、その際、当該分散相の平均径が、0.1μm〜5μmの範囲であるのが好ましく、特に0.5μm〜3μmの範囲であるのがさらに好ましい。
分散相の大きさが0.1μm以上であれば、延伸により形成される空隙の大きさが可視光領域の光を反射するのに十分なものとなる。また、分散相の大きさが5μm以下であれば、延伸により形成される空隙と脂肪族ポリエステル系樹脂との界面の面積を充分に確保できるので、フィルムに高い光反射性を付与することができて好ましい。さらに、分散相の大きさが5μm以下であれば、その周囲に形成される気泡が緻密になり、機械的強度とともに延伸製膜性が向上するので好ましい。
分散相の大きさは、相溶化剤の種類と量により制御することができるほか、樹脂組成物を溶融製膜する際の押出機の押出温度や押出機のスクリュー回転数を調整することによっても制御することができる。
(樹脂層Aの形態)
樹脂層Aは、フィルムからなる層であっても、溶融樹脂組成物を押出或いは塗布などによって(フィルムを形成することなく)薄膜形成してなる層であってもよい。また、フィルムからなる場合、そのフィルムは未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルムが好ましく、二軸延伸フィルムであるのがより好ましい。
[金属薄膜層(B層)]
本発明の反射フィルムは、金属薄膜層(B層)を有することによって、反射フィルム放熱性を付与することができる。また、脂肪族ポリエステル系樹脂では不足する場合のある耐熱性、寸法安定性を補い、組込み時および使用時におけるしわや波打ちの発生を抑制することもできる。
以下、B層を構成する金属薄膜層について説明する。
本発明に使用される金属としては、熱伝導率が高く、反射率が高い材料であれば特に制限されることなく、具体的には銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル、錫等が挙げられる。その中でも反射性能の観点から、銀、アルミニウム等がより好ましい。
金属薄膜層(B層)の厚みは、50μm以下であることが重要であり、好ましくは30μm以下で、より好ましくは20μm以下である。金属薄膜層(B層)の厚みを50μm以下とすることで、LED液晶ディスプレイの構成部材として用いられる上で、十分な熱伝導性と成形性を満たすものを得ることができる。一方で、下限については特に限定しないが、十分な熱伝導性を得るためには1μm以上が好ましい。
(B層の形態)
金属薄膜層(B層)は、上記の金属を用いて予め薄膜層を形成したフィルム形状と、樹脂層Aに直接上記の金属を蒸着する方法がある。
予め金属薄膜層(B層)を形成したフィルムを用いる場合には、このフィルムを樹脂層Aと積層させる必要がある。積層の手段として、樹脂層Aと作製したフィルムの金属薄膜層とを単に重ね合わせることにより、または、重ね合わせて部分的もしくは全面的に接着させることにより積層することができる。接着方法としては、各種接着剤を用いて公知の方法により接着する方法、公知の熱接着方法等を使用することができる。本発明においては、熱のかからない接着方法、または、200℃以下の温度で熱接着する方法等を採用することが、脂肪族ポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる基材層内の空隙が保持され、高い反射率が維持されるので好ましい。
また、樹脂層Aの裏面側に、すなわち、樹脂層Aの反射使用面とは反対側の面に、上記金属を蒸着することにより金属薄膜層(B層)を形成することもできる。蒸着の方法としては、例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。
[樹脂層C]
上記の樹脂層Cは、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有し、かつ、非相溶樹脂及び相溶化剤を含有しない樹脂組成物Cから形成することができる。このような樹脂層Cを樹脂層Aに積層することにより、本反射フィルムの反射性能をさらに高めることができる。
樹脂層Cに用いることができる脂肪族ポリエステル系樹脂は、樹脂層Aに用いることができる脂肪族ポリエステル系樹脂と同様であり、好ましい種類も同様である。
また、樹脂層Cに用いることができる微粉状充填剤は、樹脂層Aに用いることができる微粉状充填剤と同様である。例えば微粉状充填剤として、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム及び酸化チタンの群より選ばれる1種または2種以上の組合せからなる混合物を挙げることができる。好ましい微粉状充填剤の種類は、樹脂層Aの微粉状充填剤と同様である。なお、フィルムの耐久性の観点からは、酸やアルカリに対して安定である硫酸バリウムが好ましく、フィルムの外観の観点からは、シリカや酸化チタンが好ましい。
樹脂層Cにおける微粉状充填剤の含有量は、フィルムの光反射性、機械的物性、生産性等を考慮すると、樹脂層C全体の質量に対して0.1〜5質量%であるのが好ましく、0.1〜3質量%、中でも0.1〜1質量%であるのがさらに好ましい。
反射フィルムを液晶表示装置等に組み込む場合、樹脂層Cにおける微粉状充填剤の含有量が5質量%より大きくなると、輝度が顕著に低下する傾向が認められる。この理由は、樹脂層Cを少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸した場合、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粒状充填剤との界面が剥離して樹脂層C内部に空隙が形成されて、光沢度が低くなるためであると推察される。また、反射フィルムの最外層として樹脂層Cを備えている場合、最外層に微粉状充填剤が含まれていないと、フィルム表面が平坦過ぎて、製造時或いは運搬時などにフィルム同士が擦れて所謂巻きズレによって傷が付き易くなるため、この点からも、樹脂層C中の微粉状充填剤の量は0.1〜5質量%であるのが好ましい。
さらにまた、最外層に微粉状充填剤が含まれていないと、樹脂層A、樹脂層C間で剥離し易くなるため、この点からも樹脂層C中の微粉状充填剤の量は0.1〜5質量%であるのが好ましい。
(他の成分)
樹脂層Cは、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤の効果を損なわない範囲内で、上記のような脂肪族ポリエステル系樹脂以外の樹脂を含有してもよい。また、前記効果を損なわない範囲内で、加水分解防止剤(例えば上記のカルボジイミド)、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、及びその他の添加剤を含有してもよい。
(樹脂層Cの形態)
樹脂層Cは、フィルムからなる層であっても、溶融樹脂組成物を押出或いは塗布などによって(フィルムを形成することなく)薄膜形成してなる層であってもよい。また、フィルムからなる場合、そのフィルムは未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであるのが好ましい。
なお、樹脂層Cを設ける場合、樹脂層Aと樹脂層Cの厚み比率は20:1〜1:1、特に15:1〜5:1、中でも特に12:1〜7:1であるのが好ましい。樹脂層Aと樹脂層Cの厚み比率が20:1よりも樹脂層Cの厚み比率が大きければ、光沢度が十分となるため良好な光反射特性が得られやすくなり好ましい。また樹脂層Aと樹脂層Cの厚み比率が1:1よりも樹脂層Cの厚み比率が小さければ、反射特性に悪影響を及ぼすことがないので好ましい。
[積層体]
本発明の反射フィルムは、樹脂層A及びB層が積層された構造を有する。高い反射性能を有する樹脂層Aと放熱性を有するB層とを積層した反射フィルムは、両者の特徴を併せ持つようになり、例えばLED液晶テレビ等に用いる反射フィルムに要求される反射性能と放熱性、さらには、耐熱性を満たすことができる。
本発明の反射フィルムの積層構成及び積層比は、特に限定されるものではないが、好ましい積層構成を例示すると、光が照射される側(反射使用面側)から順に積層されてなる層構成が、樹脂層A/B層の二種二層構成、または、樹脂層A/B層/樹脂層Aの二種三層構成であることが好ましい。なお、本発明においては、樹脂層A及びB層以外の層(異なる層の場合も含む)を1層以上更に含んでいてもよく、また、2層以上の樹脂層A及び/または2層以上のB層を含んでいてもよい。
前記樹脂層A及びB層以外の樹脂層Cを更に含む場合の好ましい積層構成を例示すると、光が照射される側(反射使用面側)から、樹脂層A/樹脂層C/B層、樹脂層C/樹脂層A/B層の順に積層する三種三層構成、または樹脂層A/樹脂層C/B層/樹脂層C/樹脂層A、樹脂層C/樹脂層A/B層/樹脂層A/樹脂層Cの三種五層構成が考えられるが、光が照射される側(反射使用面側)から樹脂層C/樹脂層A/B層/樹脂層A/樹脂層Cの順に積層するのが好ましい。
また、樹脂層A、樹脂層CおよびB層以外に他の層を備えてもよいし、樹脂層A、樹脂層CおよびB層の各層間に他の層が介在してもよい。例えば、樹脂層A、樹脂層CおよびB層の各層間に接着層が介在してもよい。
(反射率)
本反射フィルムの反射率は、反射使用面側から測定した、波長550nmの光に対する表面の反射率は95.0%以上が好ましく、99.0%以上がより好ましい。かかる反射率が95.0%以上であれば、反射フィルムは良好な反射特性を示し、この反射フィルムを組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が黄色味を帯びることなく、精彩性が良好になる。
(厚み)
本反射フィルム全体の厚みは、200μm以下であることが好ましく、150μm以下がより好ましい。本反射フィルム全体の厚みが200μm以下にすることによって、LED液晶ディスプレイの構成部材として用いるにあたり、十分な成形性を得られるために好ましい。
本実施形態に係る反射フィルムにおいて、樹脂層Aが占める割合は、反射フィルム全体の厚みに対する比率で、20%以上90%以下、好ましくは40%以上80%以下、さらに好ましくは50%以上70%以下の範囲が好適である。20%以上であれば、光反射性を十分に付与することができ、90%以下であれば、耐熱性を十分に得ることができる。
(熱伝導率)
放熱性に優れた金属薄膜層(B層)に樹脂層を積層することによって、LEDへの放熱が効率的に行われ、LEDに熱がこもらず優れた放熱性を発揮し、長寿命で優れた光反射性を発揮するためには、熱伝導率が0.5〜500W/m・Kが好ましく、より好ましくは0.7〜300W/m・K、さらに好ましくは0.8〜250W/m・Kであることが必要である。
[製造方法]
次に、本反射フィルムの製造方法について一例を挙げて説明するが、下記製造法に何等限定されるものではない。
(樹脂層Aの製造方法)
まず、脂肪族ポリエステル系樹脂に、微粉状充填剤、非相溶樹脂、相溶化剤、及びその他の添加剤等を必要に応じて配合して脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Aを作製する。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤、非相溶樹脂、相溶化剤を加え、さらに酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度で混練することにより樹脂組成物Aを得ることができる。但し、微粉状充填剤、非相溶樹脂、相溶化剤、及び添加剤等を、別々のフィーダー等により所定量を脂肪族ポリエステル系樹脂に添加することにより樹脂組成物Aを得ることもできる。また、微粉状充填剤、非相溶樹脂、相溶化剤、添加剤等を予め脂肪族ポリエステル系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと脂肪族ポリエステル系樹脂とを混合して所望の濃度の樹脂組成物Aとすることもできる。
次に、このようにして得られた樹脂組成物Aを溶融し、フィルム状に形成する。例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Aを押出機に供給し、樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融する。押出温度等の条件は、分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定されることが必要であるが、例えば乳酸系重合体の場合は、押出し温度は170℃〜230℃の範囲が好ましい。その後、溶融した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物をTダイのスリット状の吐出口から押し出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。この際、押出機の押出温度や押出機のスクリュー回転数を調整することによって分散相の大きさを制御することができる。
得られたキャストシートは、少なくとも1軸方向に1.1倍以上延伸するのが好ましい。延伸することにより、微粉状充填剤及び非相溶樹脂を核とした空隙がフィルム内部に形成され、フィルムの光反射性をさらに高めることができて好ましい。これは新たに脂肪族ポリエステル系樹脂と空隙、空隙と酸化チタン、および空隙と非相溶樹脂との界面が形成されるため、これらの界面で生じる屈折散乱の効果が増えるためと考えられる。
さらに2軸方向に延伸するのが好ましい。2軸延伸することにより、空隙率は高くなり、フィルムの光反射性を高めることができるからである。また、フィルムを1軸延伸したのみでは、形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、2軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされたものとなり円盤状形態になる。すなわち、2軸延伸することによって、脂肪族ポリエステル系樹脂と微粉状充填剤、および脂肪族ポリエステル系樹脂と非相溶樹脂との界面の剥離面積が増大し、フィルムの白化が進行し、その結果、フィルムの光反射性を高めることができる。さらにまた、2軸延伸するとフィルムの収縮方向に異方性がなくなるので、反射フィルムに耐熱性を向上させることができ、また、フィルムの機械的強度を増加させることもできる。
2軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時2軸延伸でも逐次延伸でも構わない。延伸設備を用いて、溶融製膜した後、ロール延伸によってMDに延伸した後、テンター延伸によってTDに延伸しても良いし、チューブラー延伸等によって2軸延伸を行ってもよい。
上記の場合の延伸倍率は、面積倍率として5倍以上に延伸することが好ましく、7倍以上に延伸することが更に好ましい。面積倍率において5倍以上に延伸することにより10%以上の空隙率を実現することができ、7倍以上に延伸することにより20%以上の空隙率を実現することができ、7.5倍以上に延伸することにより、30%以上の空隙率も実現することができる。
キャストシートを延伸する際の延伸温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)程度から(Tg+50℃)の範囲内の温度であることが好ましく、例えば乳酸系重合体の場合には50〜90℃であることが好ましい。延伸温度がこの範囲であれば、延伸時にフィルムが破断することがなく、製膜安定性の高いフィルムを得ることができる。また延伸配向が高く、空隙率を大きくできるので、高い反射率を有するフィルムを得ることができる。
上記延伸後、必要に応じて適宜な方法及び条件で熱処理してもよい。
(樹脂層Aと樹脂層Cとを備えた積層フィルムの製造方法)
次に、樹脂層Aと樹脂層Cとを備えた積層フィルムの製造方法について説明する。
上記と同様に脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Aを作製する。他方、脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Cは、脂肪族ポリエステル系樹脂に、微粉状充填剤、その他の添加剤等を必要に応じて配合した脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Cを作製する。具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂に微粉状充填剤を加え、さらに酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、1軸または2軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度で混練することにより樹脂組成物Cを得ることができる。但し、微粉状充填剤及び添加剤等を、別々のフィーダー等により所定量を脂肪族ポリエステル系樹脂に添加することにより樹脂組成物Cを得ることもできる。また、微粉状充填剤、添加剤等を予め脂肪族ポリエステル系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチと脂肪族ポリエステル系樹脂とを混合して所望の濃度の樹脂組成物Cとすることもできる。
そして、上記の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物A及び上記の脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Cを、それぞれ別々の押出機に供給し、各樹脂の融点以上の温度に加熱して溶融して2種2層用のTダイに合流させ、Tダイのスリット状の吐出口から積層状に押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストフィルムを形成すればよい。この際、押出機の押出温度や押出機のスクリュー回転数を調整することによって分散相の大きさを制御することができる。なお、押出条件等は単層フィルムの場合と同様である。そして、得られた積層フィルムの延伸及び熱処理についても、樹脂層Aの場合と同様である。
(樹脂層AとB層または樹脂層A/樹脂層CとB層のラミ)
次に、前記の如く作製した樹脂層Aまたは樹脂層A/樹脂層Cと、B層を積層して反射フィルムを製造する。
積層方法としては、例えば、前記樹脂層Aまたは樹脂層A/樹脂層Cのいずれかと、B層との間に接着剤(接着性シートを含む)を介在させる方法、前記樹脂層Aまたは樹脂層A/樹脂層Cのいずれかと、B層とを接着剤を使用せずに熱融着する方法等があるが特に限定されるものではない。
接着剤を使用する方法の例としては、B層の接着面にポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、フィルムを貼り合わせることができる。この方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、樹脂層Aを貼り合わせるB層の表面に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。ついで赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行いB層の表面を所定の温度に保持しつつ、直にロールラミネーターを用いて前記樹脂層Aまたは樹脂層A/樹脂層Cのいずれかを、B層の接着剤を塗布した面に被覆し、冷却することにより反射フィルムを得ることができる。
また、ポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメルト接着剤をカーテンスプレーコーターによって前記樹脂層Aもしくは樹脂層A/樹脂層C、またはB層の表面に吹き付けてロールラミネーターを用いて、樹脂層とB層を貼り合わせ、反射フィルムを得ることもできる。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、実施例に示す測定値および評価は以下に示すようにして行った。ここで、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(測定および評価方法)
(1)反射率
分光光度計(U―4000、日立製作所社製)に積分球を取付け、波長550nmの光に対する反射率を測定した。なお、測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように分光光度計を設定した。
(2)熱伝導率
Kemtherm熱量計(KemthermQTM−D3、京都電子工業社製)を用いて、サンプルと断熱材の間にヒーターを設置し、ヒーターの温度上昇から、下記式(3)により熱伝導率λ(単位:W/m・K)を測定した。
λ=Φd/A(T1 −T2 ) ・・・ (3)
上記式(3)において、Φは加熱板の主熱板に供給される平均電力(単位:W)、T1はサンプルの高温側平均温度(単位:K)、T2 はサンプルの低温側平均温度(単位:K)、Aは測定面積(単位:m2 )、dはサンプルの平均厚さ(単位:m)を示す。
(3)熱収縮率
サンプルを適当な大きさに切断し、そのMD及びTDのそれぞれに200mm幅の標線を入れて評価用サンプルとした。この評価用サンプルを温度80℃の熱風循環オーブンの中に入れて3時間保持した後、標線間でのサンプルの収縮量を測定した。オーブンに入れる前のサンプル標線間原寸(200mm)に対する収縮量の比率を熱収縮率(%)とした。
[実施例1]
(樹脂組成物Aの作製)
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW3001D:Nature Works社製、L体含有量98.5%、D体含有量1.5%)のペレットと、塩素法プロセスによるルチル型酸化チタン(Ti−Pure R−105:デュポン社製)と、ポリプロピレンのペレット(ノバテックPP FY−4:日本ポリプロ社製:MFR=5g/10min)とを、33:50:17の質量割合で混合して混合物を形成した。この混合物100質量部に対して、加水分解防止剤(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)を2.5質量部、さらにSEBS系化合物としてブタジエン成分導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー(ダイナロン8630P:JSR社製、ブタジエン/スチレン/エチレン/ブチレン=1/14/30/55質量%)を3.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと上記乳酸系重合体とを60:40の質量割合で混合し、樹脂組成物Aを作製した。
(樹脂層Aの作製)
得られた樹脂組成物Aを、200℃に加熱された押出機に供給し、この押出機を用いて200℃で混練し、次いで、溶融状態の樹脂組成物をTダイよりシート状に押出し、冷却固化して樹脂層Aを得た。
得られた樹脂層Aを、68℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに68℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、さらに140℃で熱処理し、厚み100μmの樹脂層Aを得た。
次いで、B層として、厚み50μmのアルミ箔を用いて、B層の両面に、市販されているポリウレタン系接着剤を、乾燥後の接着剤膜厚が3μm程度になるように塗布し、次いで赤外線ヒーター及び熱風加熱炉により塗布面の乾燥及び加熱を行い、直ちにロールラミネーターを用いて、B層の片面に、作製した樹脂層Aを重ねて接着した後、冷却することにより、厚み150μmの反射フィルムを得た。
得られた反射フィルムについて、反射率、熱伝導率、収縮率の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
(樹脂組成物Aの作製)
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW3001D:Nature Works社製、L体含有量98.5%、D体含有量1.5%)のペレットと、塩素法プロセスによるルチル型酸化チタン(Ti−Pure R−105:デュポン社製)と、ポリプロピレンのペレット(ノバテックPP FY−4:日本ポリプロ社製:MFR=5g/10min)とを、33:50:17の質量割合で混合して混合物を形成した。この混合物100質量部に対して、加水分解防止剤(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)を2.5質量部、さらにSEBS系化合物としてブタジエン成分導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー(ダイナロン8630P:JSR社製:ブタジエン/スチレン/エチレン/ブチレン=1/14/30/55質量%)を3.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと乳酸系重合体とを60:40の質量割合で混合し、樹脂組成物Aを作製した。
(樹脂組成物Cの作製)
得られた乳酸系重合体(NW3001D)のペレットと、上記のルチル型酸化チタン(Ti−Pure R−105)とを99:1の質量割合で混合して混合物を形成した。この混合物100質量部に対して、上記の加水分解防止剤を3.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと乳酸系重合体とを60:40の質量割合で混合し、樹脂組成物Cを作製した。
(積層体の作製)
樹脂組成物A、Cを別々の200℃に加熱された押出機A、Cに供給し、各押出機において200℃で溶融混練した後、2種2層用のTダイに合流させ、樹脂層A/樹脂層Cの2層構成となるようにシート状に押出し、冷却固化して樹脂層A/樹脂層Cの樹脂層を形成した。得られた樹脂層を、温度70℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに70℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、さらに140℃で熱処理して、厚み75μm(樹脂層A:68μm、樹脂層C:7μm)の樹脂層を得た。
次いで、実施例1と同様のB層を用い、実施例1と同様に貼り合わせ、厚み150μm、三層構造(樹脂層C/樹脂層A/B層)の反射フィルムを得た。
得られた反射フィルムについて、反射率、熱伝導率、収縮率の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたB層のアルミ箔を単体で実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同様に樹脂組成物Aを作製し、得られた樹脂組成物Aを、200℃に加熱された押出機に供給し、この押出機を用いて200℃で混練し、次いで、溶融状態の樹脂組成物をTダイよりシート状に押出し、冷却固化して樹脂層Aを得た。
得られた樹脂層Aを、68℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに68℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、さらに140℃で熱処理し、厚み75μmの樹脂層Aを得た。この得られた樹脂層Aについて実施例1と同様の測定および評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
(樹脂組成物Aの作製)
重量平均分子量20万の乳酸系重合体(NW3001D:Nature Works社製、L体含有量98.5%、D体含有量1.5%)のペレットと、塩素法プロセスによるルチル型酸化チタン(Ti−Pure R−105:デュポン社製)と、ポリプロピレンのペレット(ノバテックPP FY−4:日本ポリプロ社製:MFR=5g/10min)とを、33:50:17の質量割合で混合して混合物を形成した。この混合物100質量部に対して、加水分解防止剤(ビス(ジプロピルフェニル)カルボジイミド)を2.5質量部、さらにSEBS系化合物としてブタジエン成分導入型のスチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロックコポリマー(ダイナロン8630P:JSR社製:ブタジエン/スチレン/エチレン/ブチレン=1/14/30/55質量%)を3.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと乳酸系重合体とを60:40の質量割合で混合し、樹脂組成物Aを作製した。
(樹脂組成物Cの作製)
得られた乳酸系重合体(NW3001D)のペレットと、上記のルチル型酸化チタン(Ti−Pure R−105)とを99:1の質量割合で混合して混合物を形成した。この混合物100質量部に対して、上記の加水分解防止剤を3.5質量部添加して混合した後、二軸押出機を用いてペレット化して、いわゆるマスターバッチを作製した。このマスターバッチと乳酸系重合体とを60:40の質量割合で混合し、樹脂組成物Cを作製した。
(フィルムの作製)
樹脂組成物A、Cを別々の200℃に加熱された押出機A、Cに供給し、各押出機において200℃で溶融混練した後、2種2層用のTダイに合流させ、樹脂層A/樹脂層Cの2層構成となるようにシート状に押出し、冷却固化して積層体を形成した。得られた樹脂層を、温度70℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに70℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、さらに140℃で熱処理して、厚み75μm(樹脂層A:68μm、樹脂層C:7μm)の反射フィルムを得た。この得られた反射フィルムについて、実施例1と同様の測定及び評価を行った。
Figure 2010085585
実施例1,2のように樹脂層Aまたは樹脂層A/樹脂層CにB層として金属薄膜層を積層させることで、反射率、熱伝導率、収縮率のすべてが実用レベルを満たす反射フィルムを作成することができた。
一方、比較例1のように金属薄膜層のみでは、反射率が低かった。更に、比較例2や3のように樹脂層Aのみの単層フィルムや樹脂層A/樹脂層Cの積層フィルムにB層を積層しないと、熱伝導率が低く、収縮率が大きくなり、反射フィルムとして不向きであった。
本実施形態に係る反射フィルムは、以上のように高度な反射性能と高い放熱性と耐熱性を兼ね備えていることから、パソコンやテレビなどのディスプレイ、照明器具、照明看板等の反射板等に用いる反射フィルムとして好適であり、特に光源にLEDを用いた液晶パネルの反射フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. 樹脂組成物Aから形成される樹脂層Aと、厚みが50μm以下である金属薄膜層(B層)とを有する積層体であって、樹脂組成物Aは脂肪族ポリエステル系樹脂と、該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂と、SEBS系化合物もしくはグリシジルメタクリレート−エチレン系共重合体、またはこれらの混合物である相溶化剤と、微粉状充填剤とを含有する脂肪族ポリエステル系樹脂組成物であることを特徴とする反射フィルム。
  2. 前記脂肪族ポリエステル系樹脂が、乳酸系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の反射フィルム。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射フィルム。
  4. 前記微粉状充填剤が、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、もしくは酸化チタンの群より選ばれる1種または2種以上の組合せからなる混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射フィルム。
  5. 前記樹脂組成物Aに加水分解防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射フィルム。
  6. 前記樹脂組成物Aが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射フィルム。
  7. 前記積層体に、さらに、脂肪族ポリエステル系樹脂及び微粉状充填剤を含有し、かつ該脂肪族ポリエステル系樹脂に非相溶な熱可塑性樹脂及び相溶化剤を含有しない脂肪族ポリエステル系樹脂組成物Cから形成された樹脂層Cを有する積層体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射フィルム。
  8. 前記樹脂層Aにおける微粉状充填剤の含有量は、前記樹脂層Aの全体質量に対して10〜50質量%であり、かつ、前記樹脂層Cにおける微粉状充填剤の含有量は、前記樹脂層Cの全体質量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項7に記載の反射フィルム。
  9. 前記樹脂層Cの脂肪族ポリエステル系樹脂が、乳酸系重合体であることを特徴とする請求項7または8に記載の反射フィルム。
  10. 前記樹脂層A及び前記樹脂層Cが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の反射フィルム。
  11. 前記B層を構成する金属薄膜層が、銀、アルミニウム、または銀もしくはアルミニウムとそれ以外の金属との合金からなる薄膜であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の反射フィルム。
  12. 550nmの波長域における反射使用面側の反射率が95%以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の反射フィルム。
  13. 前記積層体の厚みが200μm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の反射フィルム。
  14. 熱伝導率が0.5〜500W/m・Kであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の反射フィルム。
  15. LED液晶ディスプレイの構成部材として用いられる請求項1〜14に記載の反射フィルム。
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