JP2003154621A - 光反射材の製造方法及び光反射材 - Google Patents

光反射材の製造方法及び光反射材

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JP2003154621A
JP2003154621A JP2001356329A JP2001356329A JP2003154621A JP 2003154621 A JP2003154621 A JP 2003154621A JP 2001356329 A JP2001356329 A JP 2001356329A JP 2001356329 A JP2001356329 A JP 2001356329A JP 2003154621 A JP2003154621 A JP 2003154621A
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Satoshi Iwasaki
聡 岩崎
Kazuhiko Morita
和彦 森田
Shinpei Arita
新平 有田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃剤及び白
色系顔料を添加し、芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融
する温度で混練して押出成形するにあたり、長期間にわ
たって製品汚れのない光反射材の製造方法を提供する。 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂、難燃剤及
び白色系顔料からなる樹脂組成物層の両面に芳香族ポリ
カーボネート樹脂層を配して共押出しする方法であっ
て、前記芳香族ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一
方を透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層とし、該透明
な芳香族ポリカーボネート樹脂層面を光反射面とする光
反射材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光反射材の製造方
法及び光反射材に関し、詳しくは、長期生産に対応でき
る光反射材の製造方法及び安価に剛性を高め得る構造の
光反射材に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃剤及
び白色系顔料を添加して芳香族ポリカーボネート樹脂を
溶融混練して得られた樹脂シートを光反射材として使用
することは公知である(特開2000−264979
号)。この公知の光反射材は、耐衝撃性、耐熱性、難燃
性、軽量性及び加工性に優れる上に、光に対する全反射
率及び拡散反射率を高くすることができるので、省エネ
ルギータイプの電飾看板の中に使用される光反射材等と
して好適である。
【0003】しかしながら、芳香族ポリカーボネート樹
脂に難燃剤及び白色系顔料を添加して芳香族ポリカーボ
ネート樹脂を溶融混練し、次いで押出成形する方法を採
用すると、わずか15分も押出成形を行なうだけでダイ
ス出口周辺に粘性の高い白色の粘性体が発生し始め付着
し始める。その白色の粘性体は、時間がたつにつれ徐々
に増えていく一方で、茶色、茶褐色、黒色へと変化して
粘性が低下していく。そのようにして形成された着色粘
性体(以下メヤニと称する)は、押出し開始から数時間
で押出成形物の表面に付着し始める。そのために得られ
る光反射材の表面が汚れてしまい、商品価値の低いもの
となってしまっていた。
【0004】また、従来の芳香族ポリカーボネート樹脂
に難燃剤及び白色系顔料を添加して芳香族ポリカーボネ
ート樹脂を溶融混練して得られた樹脂成形物からなる光
反射材では、剛性を高めるには厚みを厚くすればよい
が、厚みの増加に伴い高価な白色系顔料や難燃剤等の使
用量が増えてしまうため、安価に剛性を高められないと
いう欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の課題
は、芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃剤及び白色系顔
料を添加し、芳香族ポリカーボネート樹脂の溶融する温
度で混練して押出成形するにあたり、長期間にわたって
製品汚れのない光反射材の製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の第二の課題は、光反射性能を低下さ
れることなく安価に剛性を高めることのできる構造の光
反射材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂に添加される難燃剤又は/及び白色系顔
料がそのメヤニの原因になっていることを見出した。そ
こで本発明者等は、試行錯誤の結果、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂、難燃剤及び白色系顔料からなる樹脂組成物
を押出成形するにあたって、その両面に芳香族ポリカー
ボネート樹脂層を配して共押出しすると、長時間押出し
を続けても、上記白色粘性体がダイス出口周辺に発生し
ていたの発生が見られなくなり、その結果、メヤニの発
生がなくなることを見出した。また、両面に共押出しさ
れる芳香族ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方を
透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層とし、該透明な芳
香族ポリカーボネート樹脂層面を光反射面とした場合
に、光反射性能の実質的な低下がないことを確認し、本
発明(光反射材の製造方法に係る発明)を完成させるに
至った。
【0007】また、本発明者等は、鋭意研究した結果、
芳香族ポリカーボネート樹脂に難燃剤及び白色系顔料を
添加して芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融混練して得
られた樹脂成形物からなる光反射層の両面に芳香族ポリ
カーボネート樹脂層を設け、両面に積層される前記芳香
族ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方を透明な芳
香族ポリカーボネート樹脂層として、その透明な芳香族
ポリカーボネート樹脂層面を光反射面とすれば、難燃剤
及び白色系顔料を増加させなくても剛性を高めることが
でき、しかも光反射面は光反射性能の低下がないことを
見出し、本発明(光反射材に係る発明)を完成させるに
至った。
【0008】即ち、本発明によれば、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂、難燃剤及び白色系顔料からなる樹脂組成物
層の両面に芳香族ポリカーボネート樹脂層を配して共押
出しする方法であって、前記芳香族ポリカーボネート樹
脂層の少なくとも一方を透明な芳香族ポリカーボネート
樹脂層とし、該透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層面
を光反射面とする光反射材の製造方法が提供される。
【0009】また、本発明によれば、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂に、難燃剤及び白色系顔料を混合してなる光
反射層となる樹脂組成物層の両面に芳香族ポリカーボネ
ート樹脂層を積層一体化してなり、前記芳香族ポリカー
ボネート樹脂層の少なくとも一方を透明な芳香族ポリカ
ーボネート樹脂層とし、該透明な芳香族ポリカーボネー
ト樹脂層面を光反射面とすることを特徴とする光反射材
が提供される。さらに、本発明によれば、該光反射材の
光反射面となる透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層中
に帯電防止剤を添加させてなる光反射材が提供される。
さらにまた、本発明によれば、該光反射材の該光反射面
側から測定される光の全反射率が80%以上及び拡散反
射率が75%以上である光反射材が提供される。さらに
また、本発明によれば、該光反射材の該光反射面側から
測定される光の全反射率が90%以上及び拡散反射率が
85%以上である光反射材が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の光反射材の製造方法は、
芳香族ポリカーボネート樹脂、難燃剤及び白色系顔料か
らなる樹脂組成物層(以下、光反射層という)の両面に
芳香族ポリカーボネート樹脂層(以下、PC層という)
を配して共押出成形するに際し、前記PC層の少なくと
も一方を透明なPC層とし、該透明なPC層面側を光反
射面側とするものである。
【0011】前記光反射層及びPC層を形成する芳香族
ポリカーボネート樹脂としては、いずれも、(i)ホス
ゲン等のカルボニルハライド成分又はジフェニルカーボ
ネート等のカーボネート成分と、(ii)ビスフェノール
系化合物等の芳香族ジオール成分単独または芳香族ジオ
ール成分50モル%以上と他のジオール成分50モル%
以下からなる混合ジオール成分から形成されるポリカー
ボネート樹脂が好ましく使用される。特に、分子鎖にジ
フェニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネート樹脂
であって、且つASTM D−648に基づく、18.
24MPa(18.6kgf/cm2)荷重の条件で測
定された熱変形温度が120℃以上のもの、好ましくは
125℃以上のもの、より好ましくは130〜170℃
の芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、
加工性及び耐割れ性に優れる上、耐候性及び耐酸性に優
れている点から好適である。このような分子鎖にジフェ
ニルアルカンを有する芳香族ポリカーボネート樹脂とし
ては、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパン
(別名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−オキシ
フェニル)ブタン、1,1−ビス(4−オキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−オキシフェニ
ル)イソブタン、或いは1,1−ビス(4−オキシフェ
ニル)エタン等のビスフェノール系化合物から形成され
る芳香族ポリカーボネート樹脂が例示される。
【0012】本発明の光反射材は、蛍光灯或いは電灯に
近接して設けられることが多いので、より高い難燃性能
が付与される。前記光反射層中に混合される難燃剤は、
光反射層の難燃性を高め、それによって光反射材の難燃
性を高めるためのものである。本発明で使用される難燃
剤は、溶融状態の芳香族ポリカーボネート樹脂と混練し
たときに分解量が少ないもの(皆無のものも含む)が好
ましく、その目安としては、熱天秤を使用し、難燃剤に
対して熱重量測定(TG)を行なったとき(難燃剤を窒
素ガス雰囲気下で25℃から350℃まで昇温速度20
℃/分の条件で加熱したとき)に、難燃剤の重量減少率
が5%以下のものが好ましい。上記分解量が少ない難燃
剤の具体例としては、テトラブロモビスフェノールAの
カーボネートオリゴマーや燐酸エステルのオリゴマー、
パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げら
れ、これらに三酸化アンチモンやメラミンシアヌレート
等を難燃助剤として添加しても良い。また、燃焼時のド
リップ防止剤としてホウ酸亜鉛等も添加する事ができ
る。いずれにしても、難燃剤及び難燃助剤は白色系のも
のが好ましい。また、難燃剤及び難燃助剤は、溶融状態
の芳香族ポリカーボネート樹脂と混練したときに、白色
以外の色に着色しないものが好ましい。上記難燃剤の添
加量は、要求される難燃性能との関係で決定されるが、
芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部当たり、通常
は3〜50重量部であり、好ましくは5〜20重量部で
ある。
【0013】芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常、透
明性に優れ、光の大部分が透過してしまうため、可視光
に対する全反射率と拡散反射率に劣る。従って、芳香族
ポリカーボネート樹脂単独では可視光に対する全反射率
と拡散反射率に優れた樹脂成形体を提供することはでき
ない。そこで上記白色系顔料が、光反射層の光に対する
全反射率と拡散反射率を高めるために前記光反射層を形
成する芳香族ポリカーボネート樹脂中に添加されるので
ある。上記白色系顔料としては、白色を有する無機化合
物であることが好ましく、このような無機化合物として
は、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ等が例示さ
れ、特に二酸化チタンは少量の添加で樹脂成形体及び光
反射体に高い全反射率と拡散反射率を付与できるので好
ましい。また、上記二酸化チタンは、結晶形によりルチ
ル型、アナタ−ス型、ブルカイト型が存在するが、特に
ルチル型は安定型である為に芳香族ポリカーボネート樹
脂に含有させる際に好適である。また、二酸化チタンに
よる芳香族ポリカーボネート樹脂の加水分解を抑制する
為に、二酸化チタンに対して表面処理を施して表面のp
H(ペーハー)を酸性若しくは中性に調整しておくこと
が好ましい。上記白色系顔料の添加量は、要求される光
反射性能との関係で決定されるが、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂100重量部当たり、通常は3〜30重量部で
あり、好ましくは5〜15重量部である。一般に、その
添加量が多くなるほど光反射性能は高まる。
【0014】本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂
と難燃剤と白色系顔料とを押出機内にて、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂が溶融する温度で(通常は230〜30
0℃で)混練し、次いでダイス内に移送して溶融状態の
上記光反射層を形成する。その一方で芳香族ポリカーボ
ネート樹脂を別な押出機内で溶融し(通常は230〜3
00℃で)、次いでダイス内に移送して溶融状態の上記
PC層を形成する。次いで、ダイス内で溶融状態の上記
光反射層の両面に溶融状態の上記PC層を合流させ、そ
の後Tダイスよりシート状に共押出されるか又は環状ダ
イスより環状に共押出した後に切り開いてシート化され
る。本発明においては、光反射層の両面に設けられる上
記PC層は光反射層からのメヤニの発生を防止する。従
って、上記PC層中には、押出成形時にメヤニの発生原
因となるような添加剤の添加は避ける必要がある。ただ
し、本発明の目的を阻害しない範囲内であれば、帯電防
止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、滑剤等
の各種添加剤を添加することは可能である。
【0015】上記光反射層は、厚みが薄すぎると、上記
白色系顔料の使用量をかなり多量に使用しないと、光に
対する全反射率と拡散反射率を高くすることが難しく、
上記白色系顔料の多量の使用はコスト増につながる虞が
ある。また、上記光反射層は、厚みの増加に伴って光に
対する全反射率と拡散反射率が高まるが、ある程度の厚
みがあればそれ以上厚みを増加させてももはや光に対す
る全反射率と拡散反射率はそれ以上に高くならないし、
材料費の無駄につながるし、折り曲げ加工性や熱成形性
も低下してしまう。そのような観点から、上記光反射層
の厚みは、0.05〜5mmが好ましく、0.2〜3m
mがより好ましく、0.3〜2mmが最も好ましい。
【0016】本発明においては、上記PC層の少なくと
も一方を透明なPC層とし、得られるシートの透明なP
C層側を光反射側とする。透明なPC層は、上記光反射
層の光反射性能を低下させないように透明なPC層が設
けられる。従って、上記光反射層のもう一方の面に設け
られるPC層は透明である必要はない。ただし、上記光
反射層のもう一方の面に設けられるPC層も透明である
と、両面を光反射面とすることができるので、光反射面
を間違えることがなくなると共に、一方の面を仮に汚し
たり、傷付けたりしてももう一方の面を光反射面とする
ことができるので好ましい。
【0017】上記PC層はメヤニが防止できれば構わな
いので必要以上に厚みが厚すぎてもコスト増につなが
る。また、上記PC層の厚みが薄すぎると共押出時の製
膜が不安定になりやすく、上記PC層に覆われない箇所
が発生しやすくなってしまう。このような観点から、上
記PC層の各層の厚みは10〜120μmであることが
好ましく、20〜100μmであることがより好まし
い。また、光反射層の厚みをさほど増加させないで、得
られる光反射材の剛性を高める場合には、上記PC層の
各層の厚みは10〜500μmであることが好ましく、
15〜300μmであることがより好ましく、20〜1
00μmであることが更に好ましい。尚、光反射層の厚
みをさほど増加させないで、得られる光反射材の剛性を
高める場合には、光反射層の厚みは0.2〜3mmが好
ましく、0.3〜2mmがより好ましい。
【0018】上記PC層は芳香族ポリカーボネート樹脂
により形成されているため自己消火性に優れる。そのた
め、光反射材の難燃性をほとんど低下させないで済むの
で好ましい。また、上記PC層は芳香族ポリカーボネー
ト樹脂により形成されているため故意に着色しなければ
そのままで透明性に優れるので好ましい。そのため、光
反射材の光反射面側から測定される光の全反射率及び拡
散反射率を実質的に低下させないようにできる。上記P
C層中に添加される添加剤によっては多少着色する場合
もありえるが、いずれにしても本発明では、光反射材の
光反射面側から測定される光の全反射率が80%を下回
らないような(好ましくは90%を下回らないような、
より好ましくは93%を下回らないような)及び拡散反
射率が75%を下回らないような(好ましくは85%を
下回らないような、より好ましくは90%を下回らない
ような)透明度が要求される。また、上記PC層は芳香
族ポリカーボネート樹脂により形成されているため光反
射層とダイレクトに熱接着することができ、接着剤層を
省略できるので好ましい。更に、上記PC層は芳香族ポ
リカーボネート樹脂により形成されているため剛性に優
れるので得られる光反射材の剛性向上を容易に実現でき
る。
【0019】上記透明なPC層は、本発明の光反射材の
光反射面となる。厳密には、光が上記透明なPC層を透
過し、透明なPC層の下に位置する光反射層に至り、そ
こで光は反射される。本発明の光反射材は、光反射面側
から測定される光の全反射率が80%以上及び拡散反射
率が75%以上であることが好ましく、全反射率が90
%以上及び拡散反射率が85%以上であることがより好
ましく、全反射率が93%以上及び拡散反射率が90%
以上であることが最も好ましい。上記全反射率及び拡散
反射率が高いほど省エネルギーへの貢献度が大きい。具
体的には、上記全反射率及び拡散反射率がより高い光反
射材ほど、電飾看板内又は電飾表示器具内又はディスプ
レイ用のショーケース内に配置して表示部に向けて光を
反射するための光反射部として使用した場合、あるいは
照明器具として用いられる反射がさや反射ざら等として
使用した場合、蛍光灯や電球等の電気発光体の数を減ら
さないときにはそれら発光体の出力を小さくすることが
でき、或いは電気発光体の出力を小さくしないときには
発光体の数を減らすことができる。結果として電気の使
用量を最小限にとどめることが可能となり、地球温暖化
の抑制にも貢献しうる。又、この光反射材を電飾看板等
の反射体として使用する場合には、看板の厚みを薄くで
きる効果を奏する。よって、省スペース型の看板の作製
が可能となる。上記高い全反射率と拡散反射率は、通常
は、光反射層中の白色系顔料の含有量を増加させること
により達成される。
【0020】上記全反射率及び拡散反射率は、具体的に
は、株式会社島津製作所製の自記分光光度計、商品名
「島津自己分光光度計UV−2200」に同社製の積分
球付属装置、商品名「ISR−2200」を装着して5
50nmの波長で測定した値である。全反射率は入射角
8度、拡散反射率は入射角0度の測定条件にてそれぞれ
測定した。なお、これら測定値は、硫酸バリウムの微粉
末を固めた白板の全反射率と拡散反射率をそれぞれ10
0%とした場合の相対値で表わされたものである。ま
た、その白板としては、「ISR−2200」の取扱説
明書に記載された方法に従って、和光純薬工業株式会社
製の硫酸バリウム微粉末試薬(和光一級、製品番号02
2−00425、ロット番号 PAR 2142)を、
「ISR−2200」に付属された粉末試料ホルダの所
定の箇所に充填して押し固めたものが使用された。この
測定において550nmの波長の光を採用したのは、こ
の波長付近の光は人間の視感度が最も大きいからであ
る。
【0021】本発明においては、上記透明なPC層側
は、上記の通り、光反射面側となる。上記透明なPC層
側表面に埃等が付着すると光の反射性能が低下してしま
う。そのような埃等の付着を防止して長期にわたって高
い光の反射性能を維持するために、上記透明なPC層中
に帯電防止剤を含有させることは本発明では好ましい態
様である。本発明では、透明なPC層中にだけ帯電防止
剤を含有させればよいことから、光反射材全体に添加さ
せるよりも少量で済むためコスト低減が可能となる。同
様に、帯電防止以外の添加剤、例えば紫外線吸収剤等を
添加する場合も透明なPC層中にのみ添加すればよいの
で添加量の削減が可能である。
【0022】上記帯電防止剤としては界面活性剤が一般
的であるが、カチオン系や両性のものは加水分解を起こ
すため適当ではないので、アニオン系やノニオン系若し
くはこれらの混合物が使用されることが好ましい。その
好ましい具体例としては、例えば、脂肪族スルホン酸ま
たは芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩とグリセリン脂
肪酸エステルの混合物や燐酸ジエステル、硫酸エステル
のアルカリ金属塩、グリセリン脂肪酸モノエステル、ス
ルホン酸ホスニウム塩とホウ酸またはホウ酸エステルの
混合物が挙げられる。また、界面活性剤以外の帯電防止
剤も本発明の目的を阻害しない範囲内で使用可能であ
る。界面活性剤以外の帯電防止剤としては、ポリマータ
イプの帯電防止剤が例示される。ポリマータイプの帯電
防止剤の具体例としては、ポリエーテル、ポリエステル
アミド、又はポリエーテルエステルアミド等の分子鎖に
極性基を有するポリマーに、無機塩又は低分子量有機プ
ロトン酸塩を錯体形成又は溶媒和せしめたものが例示さ
れる。また、本発明では、透明PC層表面における表面
固有抵抗値は1×1013Ω以下であることが好ましく、
1×108Ω〜1×1012Ωであることがより好まし
い。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。
【0024】<実施例1>光反射層を形成する為に、芳
香族ポリカーボネート樹脂81重量%、テトラブロモビ
スフェノールAのカーボネートオリゴマー(難燃剤)9
重量%及び二酸化チタン10重量%の混合樹脂組成物
(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製の商
品名:ユーピロンHR3001NR)を第1の押出機に
投入して255℃に加熱して溶融混合物Aを製造した。
それと同時に、透明PC層を形成する為に、芳香族ポリ
カーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック
ス株式会社製の商品名:ユーピロンH−3000)及び
帯電防止剤(花王株式会社製の商品名:エレクトロスト
リッパーPC−3)を、混合物中の帯電防止剤量が1w
t%となるように第2の押出機に投入して245℃に加
熱して溶融混合物Bを製造した。続いて、T型フラット
ダイスと押出機との間で溶融混合物B/溶融混合物A/
溶融混合物Bの順に合流させ、その合流物をT型フラッ
トダイスより押出した後、シーティングを行い、ロール
状に巻取り厚さ560μmのシート状の光反射材を得
た。得られた3層構造からなる光反射材の各層の厚み
は、透明PC層30μm/光反射層500μm/透明P
C層30μmであった。得られた光反射材の透明PC層
側からの光の全反射率及び拡散反射率を測定した。その
測定値を製造条件と共に表1に示す。この際、3時間の
製造中にはT型フラットダイス出口にはメヤニ原因物質
の付着は見られなかった。
【0025】<実施例2>透明PC層の厚みを60μm
に変更し、第1の押出機における溶融混合物Aの加熱温
度を285℃に変更し、更に第2の押出機における溶融
混合物Bの加熱温度を260℃に変更して実施例1の操
作を繰り返して厚さ620μmのシート状の光反射材を
得た。得られた3層構造からなる光反射材の各層の厚み
は、透明PC層60μm/光反射層500μm/透明P
C層60μmであった。得られた光反射材の透明PC層
側からの光の全反射率及び拡散反射率を測定した。その
測定値を製造条件と共に表1に示す。この際、3時間の
製造中にはT型フラットダイス出口にはメヤニ原因物質
の付着は見られなかった。
【0026】<実施例3>透明PC層の厚みを15μm
に変更して実施例1の操作を繰り返して厚さ530μm
のシート状の光反射材を得た。得られた3層構造からな
る光反射材の各層の厚みは、透明PC層15μm/光反
射層500μm/透明PC層15μmであった。得られ
た光反射材の透明PC層側からの光の全反射率及び拡散
反射率を測定した。その測定値を製造条件と共に表1に
示す。この際、3時間の製造中にはT型フラットダイス
出口にはメヤニ原因物質の付着は見られなかった。
【0027】<比較例1>光反射層を形成する為に、芳
香族ポリカーボネート樹脂81重量%、テトラブロモビ
スフェノールAのカーボネートオリゴマー(難燃剤)9
重量%及び二酸化チタン10重量%の混合樹脂組成物
(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製の商
品名:ユーピロンHR3001NR)を第一の押出機に
投入して285℃に加熱して溶融混合物Aを製造し、続
いて、T型フラットダイスより押出した後、シーティン
グを行い、ロール状に巻取り厚さ0.5mmのシート状
の光反射層の単層からなる光反射材を得た。得られた光
反射材(メヤニ付着前のもの)の光の全反射率及び拡散
反射率を測定した。その測定値を製造条件と共に表1に
示す。この際、製造開始10分後にはT型フラットダイ
ス出口に白色のメヤニ原因物質の付着が確認された。更
に2時間製造を続けたところ、茶褐色化したメヤニがシ
ート表面に付着しシートを汚してしまった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の光反射材の製造方法では、芳香
族ポリカーボネート樹脂、難燃剤及び白色系顔料からな
る樹脂組成物層の両面に芳香族ポリカーボネート樹脂層
を配して共押出しするに際し、前記芳香族ポリカーボネ
ート樹脂層の少なくとも一方を透明な芳香族ポリカーボ
ネート樹脂層とし、該透明な芳香族ポリカーボネート樹
脂層面を光反射面とする方法を採用したので、長時間連
続生産してもメヤニの発生が認められない。よって、長
時間連続生産しても得られる光反射材表面を汚すことが
ない優れた製造方法である。
【0030】本発明の光反射材は、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂に、難燃剤及び白色系顔料を混合してなる光反
射層となる樹脂組成物層の両面に芳香族ポリカーボネー
ト樹脂層を積層一体化してなり、前記芳香族ポリカーボ
ネート樹脂層の少なくとも一方を透明な芳香族ポリカー
ボネート樹脂層とし、該透明な芳香族ポリカーボネート
樹脂層面を光反射面とするので、難燃性及び光反射性能
を実質的に低下させることなく、安価に剛性を高めるこ
とができる。
【0031】また、上記該透明な芳香族ポリカーボネー
ト樹脂層に帯電防止剤を添加した場合には、光反射面に
埃等が付きにくくなるので長期にわたってその光反射性
能を維持できる。また、帯電防止剤は上記該透明な芳香
族ポリカーボネート樹脂層にだけ添加すれば、光反射層
には添加する必要がないので従来よりも少量の使用で済
む。
【0032】さらに、上記光反射面側から測定される光
の全反射率が80%以上及び拡散反射率が75%以上で
ある場合、好ましくは、全反射率が90%以上及び拡散
反射率が85%以上である場合には、光の反射能に特に
優れるので、電飾看板内又は電飾表示器具内又はディス
プレイ用のショーウィンドウ内に配置して表示部に向け
て光を反射するための光反射部、あるいは照明器具とし
て用いられる反射がさや反射ざら等として好適に使用可
能である。全反射率及び拡散反射率が高いほど、反射さ
れた光の照度が高くかつその照度が均一化されるので好
ましく、更に電気発光体とより近接させることができる
ので省エネルギー化及び装置(看板、表示器具、照明器
具等)全体のコンパクト化に寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 新平 栃木県鹿沼市さつき町10−3 株式会社ジ ェイエスピー鹿沼研究所内 Fターム(参考) 4F100 AK45A AK45B AK45C BA03 BA06 BA10B BA10C BA16 CA08A CA13A CA22B CA22C EH20 GB71 GB90 HB00A JK01 JL02 JL06 JL10A JN01B JN01C JN06 YY00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート樹脂、難燃剤及
    び白色系顔料からなる樹脂組成物層の両面に芳香族ポリ
    カーボネート樹脂層を配して共押出しする方法であっ
    て、前記芳香族ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一
    方を透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層とし、該透明
    な芳香族ポリカーボネート樹脂層面を光反射面とする光
    反射材の製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリカーボネート樹脂に、難燃剤
    及び白色系顔料を混合してなる光反射層となる樹脂組成
    物層の両面に芳香族ポリカーボネート樹脂層を積層一体
    化してなり、前記芳香族ポリカーボネート樹脂層の少な
    くとも一方を透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層と
    し、該透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層面を光反射
    面とすることを特徴とする光反射材。
  3. 【請求項3】 該透明な芳香族ポリカーボネート樹脂層
    に帯電防止剤を添加してなることを特徴とする請求項2
    記載の光反射材。
  4. 【請求項4】 該光反射面側から測定される光の全反射
    率が80%以上及び拡散反射率が75%以上であること
    を特徴とする請求項3又は4記載の光反射材。
  5. 【請求項5】 該光反射面側から測定される光の全反射
    率が90%以上及び拡散反射率が85%以上であること
    を特徴とする請求項3又は4記載の光反射材。
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