JP2011008269A - 光反射体およびそれを用いた面光源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂とフィラーを含有し、少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が1.3〜80倍である基材層(A)と熱可塑性樹脂を含む層(B)よりなる積層フィルムを有し、全光線反射率が95%以上、表面強度が250g以上、かつ散乱係数Sが0.5以上であることを特徴とする光反射体。
【選択図】なし
Description
また表示物の大型化に伴い輝度向上の要望が高まり、従来の白色ポリエステルフィルムや白色ポリオレフィンフィルムでは十分ではなく、より高輝度な光反射体が求められている。
すなわち、本発明は熱可塑性樹脂とフィラーを含有し、少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が1.3〜80倍である基材層(A)と熱可塑性樹脂を含む層(B)よりなる積層フィルムを有し、全光線反射率が95%以上、表面強度が250g以上、かつ式(1)で表される散乱係数Sが0.5以上であることを特徴とする光反射体である。
100 × R1
散乱係数S = ――――――――――――――――― 式(1)
(100−R1) × TA × P
(上式において、R1は波長550nmでの反射率、TAは基材層(A)の肉厚[単位μm]、Pは式(2)で表される空孔率[単位%]である)
ρ0−ρ
空孔率P = ―――――――― × 100 式(2)
ρ0
(上式において、ρ0は積層フィルムの真密度であり、ρは積層フィルムの密度である)
熱可塑性樹脂
本発明の基材層(A)に用いられる熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。基材フィルムに使用する熱可塑性樹脂(A)としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
これらの中でも、耐薬品性や生産コスト等の観点より、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、プロピレン系樹脂を用いることがより好ましい。
本発明の基材層(A)に熱可塑性樹脂とともに用いられるフィラーとしては、各種無機フィラーまたは有機フィラーを使用することができる。
無機フィラーとしては、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土等を例示することができる。また、上記無機フィラーの種々の表面処理剤による表面処理品も例示できる。中でも重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム及びそれらの表面処理品、クレー、珪藻土を使用すれば安価で延伸時の空孔形成性がよいために好ましい。さらに好ましいのは、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウムの種々の表面処理剤による表面処理品である。表面処理剤としては、例えば樹脂酸、脂肪酸、有機酸、硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、スルホン酸型陰イオン界面活性剤、石油樹脂酸、これらのナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩、または、これらの脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ワックス、パラフィン等が好ましく、非イオン系界面活性剤、ジエン系ポリマー、チタネート系カップリング剤、シラン系カップリング剤、燐酸系カップリング剤等も好ましい。硫酸エステル型陰イオン界面活性剤としては、例えば長鎖アルコール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、硫酸化油等あるいはそれらのナトリウム、カリウム等の塩が挙げられ、スルホン酸型陰イオン界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸等あるいはそれらのナトリウム、カリウム等の塩が挙げられる。また、脂肪酸としては、例えばカプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヘベン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が挙げられ、有機酸としては、例えばマレイン酸、ソルビン酸等が挙げられ、ジエン系ポリマーとしては、例えばポリブタジエン、イソプレンなどが挙げられ、非イオン系界面活性剤としてはポリエチレングリコールエステル型界面活性剤等が挙げられる。これらの表面処理剤は1種類または2種類以上組み合わせて使用することができる。これらの表面処理剤を用いた無機フィラーの表面処理方法としては、例えば、特開平5−43815号公報、特開平5−139728号公報、特開平7−300568号公報、特開平10−176079号公報、特開平11−256144号公報、特開平11−349846号公報、特開2001−158863号公報、特開2002−220547号公報、特開2002−363443号公報などに記載の方法が使用できる。
基材層(A)には、無機フィラーまたは有機フィラーの中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、有機フィラーと無機フィラーを混合して使用してもよい。
後述する積層フィルムの延伸成形により発生させる空孔サイズの調整のため、上記無機フィラーの平均粒径、または有機フィラーの平均分散粒径は好ましくはそれぞれが0.05〜1.5μmの範囲、より好ましくはそれぞれが0.1〜1μmの範囲のものを使用する。平均粒径または平均分散粒径が1.5μm以下のフィラーを用いれば、空孔がより均一になる傾向がある。また、平均粒径または平均分散粒径が0.05μm以上のフィラーを用いれば、所定の空孔がより得られやすくなる傾向がある。
基材層(A)を構成する主要な樹脂がプロピレン系樹脂の場合、延伸性を改良するために、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル等のプロピレン系樹脂より低融点の樹脂を3〜25重量%配合してもよい。
熱可塑性樹脂を含む層(B)は、基材層(A)の片面に形成しても両面に形成してもよい。
層(B)の形成方法としては、上記基材層(A)の延伸成形前に多層TダイやIダイを使用して層(B)の溶融原料を共押出し、得られた積層体を延伸成形して設ける方法、上記基材層(A)が2軸延伸の場合、1軸方向の延伸が終了したのち、層(B)の溶融原料を押し出し貼合し、この積層体を1軸延伸成形して設ける方法、上記基材層(A)を延伸成形して得た後に層(B)の原料樹脂を直接または易接着層を介して押し出し貼合して設ける方法等が挙げられる。
層(B)がフィラーを含有しない場合、プロピレン系樹脂40〜60重量%、高密度ポリエチレン60〜40重量%を含有するものが、積層フィルムの光沢度が70〜86%に制御され、明度に優れた光反射体を得ることができるため好ましい。
添加剤
本発明の積層フィルムには、必要により、蛍光増白剤、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を配合してもよい。安定剤としては、立体障害フェノール系やリン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤としては、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機フィラーの分散剤としては、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸ないしはそれらの塩等を0.01〜4重量%配合してもよい。
積層フィルムの成形方法としては、一般的な1軸延伸や2軸延伸方法が使用できる。具体例としてはスクリュー型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出した後、ロール群の周速差を利用した縦延伸で1軸延伸する方法、さらにこの後にテンターオーブンを使用した横延伸を組み合わせた2軸延伸方法や、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸などが挙げられる。
得られた積層フィルムは、必要により熱処理(アニーリング処理)を行い、結晶化の促進や、積層フィルムの熱収縮率低減などを図ることもできる。
本発明の光反射体は、上記の積層フィルムを有する点に特徴がある。本発明の光反射体は、上記の積層フィルムのみからなっていてもよいし、上記の積層フィルムにさらに適当な材料が付加されたものであってもよい。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した組成物(A)を、押出機を用いて250℃に溶融混練した。その後、シート状に押し出し、冷却ロールで約60℃まで冷却することによってシートを得た。このシートを145℃に再加熱した後、多数のロール群の周速差を利用して縦方向に延伸した。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した組成物(B)を2つの押出機で溶融混練し、上で得られた延伸シートの両面に(B)が外側になるようにダイ内で押し出しして積層し、(B)/(A)/(B)の積層物を得た。ついでこの積層物を160℃に再加熱してテンターで横方向に延伸した。
その後、160℃でアニーリング処理した後、60℃まで冷却し、耳部をスリットして三層構造の積層フィルムを得た。縦、横の延伸倍率および各層の肉厚は表2に記載の通りである。この積層フィルムを光反射体とした。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した組成物(A)、(B)とを用い、実施例1と同様にして光反射体を得た。
表1に記載の材料を表2に記載の配合で混合した組成物(A)、(B)とを用い、実施例1と同様にして光反射体を得た。
特開2002−31704号公報の実施例5で得られた積層物を光反射体とした。
特開2002−31704号公報の実施例6で得られた積層物を光反射体とした。
WO 03/014778号公報の実施例3で得られた3層フィルムを光反射体とした。
実施例1〜3および比較例1〜3の光反射体を用いて、以下の試験を行った。
JIS−Z8722条件d記載の方法に従って波長400〜700nmの範囲で測定した各波長の反射率の平均値を全光線反射率Rとした。
JIS−Z8722条件d記載の方法に従って測定した波長550nmの反射率をR1、450nmの反射率をR2とした。
JIS−Z8722条件d記載の方法に従い、光トラップを用い、正反射成分をカットし、波長400〜700nmの反射率測定を行った。その平均値を拡散反射率Rdとした。
図2に例示する14インチサイズの面光源装置の11の位置に各光反射体をセットし、冷陰極ランプ15にハリソン社(製)インバーターユニットを接続して、冷陰極ランプに12V,6mAの管電流を流し点灯、照射して、3時間後に以下の評価を行った。
輝度は(株)トプコン社製輝度計(商品名:BM−7)を用い、面光源装置の法線方向に対して、輝度計測部と面光源装置の距離を50cmとし、計9点の輝度を測定してその平均値を求めた。
表面強度は以下の手順で測定した。幅18mmの粘着テープ(ニチバン製、商品名:セロテープ(登録商標))を光反射体の測定面に空気が入らないように100mm以上の長さを貼り付け、最後の10mm以上は貼り付けずに残した。その試料を20mm幅に切り取った。引張試験機((株)オリエンテック製、商品名:RTM−250)で荷重5kg用のロードセルを用い、チャック間隔を1cmにし、貼り付けずに残した粘着テープの部分と粘着テープを貼り付けなかった光反射体の部分をそれぞれ上下のチャックに挟んだ。300mm/minのスピードで引っ張り、チャートの安定している部分の荷重を読みとった。3回測定し、その平均値を算出することによって表面強度を求めた。
実施例および比較例で得られた光反射体を、ステンレス板(SUS#5052、厚さ0.6mm)に接着剤(東洋モートン社製、商品名:TM590)と硬化剤(東洋モートン社製、商品名:CAT56)を用いてドライラミネーションし、試料とした。本試料の光反射体側に保護フィルム(積水化学工業(株)製、商品番号:#6312B)を貼り合わせ、光反射体側が山および谷になるようにプレス機で互いに逆向きに90°の角度で2カ所を曲げ加工し、保護フィルムを剥がして以下の評価を行った。
○ ステンレス板からの浮きや剥がれ、反射体表面の剥がれがない。
× ステンレス板からの浮きや剥がれ、反射体表面の剥がれが見られる。
12 反射用白色網点印刷
13 アクリル板(導光板)
14 拡散板
15 冷陰極ランプ
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂とフィラーを含有し、少なくとも1軸方向に延伸され、かつ面積延伸倍率が1.3〜80倍である基材層(A)と熱可塑性樹脂を含む層(B)よりなる積層フィルムを有し、全光線反射率が95%以上、表面強度が250g以上、かつ式(1)で表される散乱係数Sが0.5以上であることを特徴とする光反射体。
100 × R1
散乱係数S = ――――――――――――――――― 式(1)
(100−R1) × TA × P
(上式において、R1は波長550nmでの反射率、TAは基材層(A)の肉厚[単位μm]、Pは式(2)で表される空孔率[単位%]である)
ρ0−ρ
空孔率P = ―――――――― × 100 式(2)
ρ0
(上式において、ρ0は積層フィルムの真密度であり、ρは積層フィルムの密度である) - 輝度が1380cd/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載の光反射体。
- 波長450nmでの反射率R2が98%以上、拡散反射率Rdが93%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光反射体。
- 熱可塑性樹脂を含む層(B)の肉厚が2μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光反射体。
- 基材層(A)のフィラー濃度が5〜75重量%であり、該フィラーが平均粒径0.05〜1.5μmの無機フィラー及び/又は平均分散粒径0.05〜1.5μmの有機フィラーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光反射体。
- フィラーが表面処理された無機フィラーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光反射体。
- 積層フィルムの空孔率Pが15〜60%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光反射体。
- 熱可塑性樹脂を含む層(B)が少なくとも1軸方向に延伸されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光反射体。
- 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光反射体。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光反射体を用いた面光源装置。
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