JP5078524B2 - 光拡散性樹脂成形体及びこれから成る照明カバーを備えた照明器具 - Google Patents

光拡散性樹脂成形体及びこれから成る照明カバーを備えた照明器具 Download PDF

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Description

本発明は、環境負荷が少ない光拡散性樹脂成形体及びこれから成る照明カバーを備えた照明器具に関する。
従来から、照明器具カバーには、ポリメチルメタクリレート(PMMA)をはじめとする様々な石油由来のプラスチックが用いられている。これらの石油由来のプラスチックは、強度や光学特性に優れているが、限りある化石資源を消費するので、地球環境に対する負荷が大きい。また、石油由来のプラスチックは、その廃却処分に際して、固定化されていた二酸化炭素を大気中に放出するため、地球温暖化現象に悪影響を及ぼす。
そのため、石油由来のプラスチックに替えて、植物由来のプラスチック樹脂を製品筐体等に利用することが注目されている。これらは、トウモロコシやサトウキビといった再生可能資源を原料とするため、石油等の化石資源の消費量を削減することができ、また、生分解性を有するため、廃棄処分される際の環境に対する負荷が小さい。
照明器具分野では、照明器具カバー、シーリング用グローブ、パネル又はブラケット等といった光透過性樹脂成形体に最も多くのプラスチックが用いられるので、これらに植物由来プラスチック樹脂を利用できれば、化石資源消費量の削減、及び二酸化炭素排出量の削減に対する寄与が大きいものと期待される。
例えば、特許文献1又は特許文献2に示されるように、植物由来プラスチック樹脂である脂肪族ポリエステル系樹脂、及び微粉状の充填剤を含有して成るA層と、アクリル系樹脂又はポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を含有して成るB層とが積層された反射フィルムが知られている。
特開2006−145913号公報 特開2006−145914号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示される反射フィルムでは、その製造において、樹脂材料中に光拡散剤を充填材として含有させるとき、光拡散剤の濃度が高ければ、光拡散材が光を吸収するので、光利用効率が低下して発光面における輝度が低くなる。しかし、輝度低下を抑制するため、充填材の濃度を低くすると、光源の直近又は直上の輝度が他の部位よりも大きくなり、ランプの形状が裏映りする、いわゆるランプイメージが見え易くなり、輝度均斉度が悪くなってしまう。
また、植物由来樹脂成形体は、一般に石油由来のプラスチックに比べて耐熱性に劣る。特許文献1及び特許文献2に示される反射フィルムでは、耐熱性の低い脂肪族ポリエステル系樹脂から成るA層に、比較的耐熱性の高いアクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂等から成るB層を積層させているが、これらの層は単に積層させているだけなので相溶性が低く、耐熱性の向上はそれ程には期待できない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、地球環境に対する負荷が小さい植物由来原料を利用し、光拡散剤を用いることなく適度な光透過性と光拡散性とを実現し、しかも耐熱性が高い光拡散性樹脂成形体及びこれから成る照明カバーを備えた照明器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、加熱処理により結晶性を帯びる植物由来樹脂を主成分とする第1の材料から成る第1層と、前記第1の材料と、前記第1の材料が結晶性を帯びる加熱処理によっては結晶性を帯びない樹脂を主成分とする第2の材料とが重量比で1:1となるよう混合された混合物から成る第2層と、を積層して成る光拡散性樹脂成形体であって、前記第1の材料が結晶性を帯びる加熱処理により、前記第1層が結晶性を帯び、前記第2層が前記第1層よりも結晶性を帯びないように形成されるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光拡散性樹脂成形体から成る照明カバーを備えた照明器具である。
請求項1の発明によれば、少なくとも第1の材料に環境負荷の小さい植物由来樹脂を利用し、第1の材料を結晶化させることにより、光拡散剤を用いることなく適度な光透過性と光拡散性とを実現した光拡散性樹脂成形体が得られる。また、第1の材料から成る第1層に、第1の材料及び第2の材料の混合物から成る第2層を積層させることによって、第2層が第1層を保護し、また、第1層の結晶化によっても光拡散性樹脂成形体の耐熱性が向上する。また、第1の材料及び第2の材料のブレンドにより第2層が形成されることにより、第2層と第1層との密着性に優れた樹脂成形体を作製することができる。
請求項2の発明によれば、暗すぎず、眩しすぎず、ランプイメージを見え難くする等、光透過性及び光拡散性のバランスが良く、耐熱性にも優れた光拡散性樹脂成形体から成る照明カバー及びこれを備えた照明器具が得られる。
本発明の一実施形態に係る光拡散性樹脂成形体及びこれから成る照明カバーを備えた照明器具について、図面を参照して説明する。本実施形態の照明器具1は、図1に示すように、光源2と、この光源2を固定する器具本体3と、器具本体3に装着される、光拡散性樹脂成形体40から成る照明カバー4とを備える。照明カバー4は、光源2から出射される光を任意に拡散配光させると共に、ユーザーが光源2を直接見ることによって不快に感じるグレアを低減する。なお、光拡散性樹脂成形体は、図示したような照明カバー4に限らず、パネル又はブラケット等、照明器具に用いられる様々な光透過性樹脂成形体に適用可能である。
本実施形態の光拡散性樹脂成形体40は、その断面を図2に示すように、加熱処理により結晶性を帯びる植物由来樹脂を主成分とする第1の材料41から成る第1層(以下、A層と記す)と、第1の材料41が結晶性を帯びる加熱処理によっては結晶性を帯びない樹脂を主成分とする第2の材料42から成る第2層(以下、B層と記す)と、が積層されて成る。本実施形態においては、図3に示すように、B層は、第1の材料41及び第2の材料42の混合物を主成分としてもよい。また、光拡散性樹脂成形体40は、第1の材料41が結晶性を帯びる加熱処理により、A層が結晶性を帯び、B層が結晶性を帯びていないように形成される。
A層の主成分である第1の材料41には、例えば、ポリシュウ酸、ポリコハク酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリジグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン又はポリ乳酸系脂肪族系ポリエステル等が用いられる。これらの中でも、特に、ポリ乳酸(PLA)系脂肪族系ポリエステルが好ましい。ポリ乳酸系脂肪族系ポリエステルとしては、例えば、乳酸、リンゴ酸、グルコール酸等のオキシ酸の重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、中でもヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステルを用いることが好ましく、また、ヒドロキシカルボン酸系脂肪族ポリエステルの中でも、植物等の再生可能資源由来の乳酸を原料とした乳酸系樹脂が好ましい。乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸単独、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのコポリマー、ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのブレンド、又はポリマーアロイをいう。
B層の主成分である第2の材料42には、その一形態として光透過性を有する非晶性樹脂材料が用いられ、その例として、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン−メタクリル共重合体(MS)、ポリメタクリルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)等が挙げられる。
また、第2の材料42の別の一形態として、光透過性を有し、結晶化温度が第一の材料よりも高い結晶性材料が用いられてもよく、その例として、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
更に、第2の材料42が、第1の材料41との相溶性に優れ、かつ光透過性を損なわない樹脂であれば、第2の材料42と第1の材料41とのドライブレンド又はポリマーアロイ化された混合物がB層の主要構成材料として用いられてもよい。例えば、第1の材料41がポリ乳酸である場合には、第2の材料42としてポリメチルメタクリレートが用いられ、これら第1の材料41及び第2の材料42のブレンドによりB層が形成されることにより、高い光透過性を有し、かつA層との密着性に優れた樹脂成形体を作製することができる。
積層方法としては、シート状に成形する場合は、共押出成形、別々にシート成形した後に熱融着してもよい。また、射出成形法を用いて成形する場合には、二色成形、サンドイッチ成形等の方法を用いることができる。
光拡散性樹脂成形体40の積層の形態としては、その用途に応じて図2又は図4に示したように、2種3層構成が用いられ、適宜に植物由来樹脂を主成分とした第1の材料41から成るA層を、第2の材料42を含むB層でサンドイッチすることにより、A層が紫外線や湿度等の外的環境から保護され、より耐候性に優れた樹脂成形体とすることができる。
本実施形態においては、加熱処理によってA層の第1の部材41のみを結晶化させ、適度な光拡散性と光透過性を実現するものであるから、本来的には光拡散剤は不要であるが、光透過性が損なわれない限りにおいては、補完的にA層又はB層に光拡散剤微粒子が微量添加されてもよい。光拡散剤微粒子としては、例えば、有機微粒子や無機微粒子等が、使用条件等に応じて適宜に用いられる。有機微粒子としては、例えば、架橋スチレン系微粒子、架橋又は高分子量アクリル系微粒子、架橋スチレン−アクリル系微粒子、架橋スチレン−ブタジエン系微粒子、架橋シリコン微粒子、架橋シロキサン系微粒子、架橋ウレタン系微粒子、メラミン系重合体等が挙げられる。無機微粒子としては、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、フッ化カリウム、リン酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マイカ、酸化セリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、結晶形シリカ、不定形シリカ、ガラスフレーク、ガラス繊維、ガラスビーズ、クレー等があり、これらの無機微粒子に表面処理を施したものもある。透過性光拡散体の材料として使用される際には、可視光線の透過性を損なわずに適度な光拡散性を付与できる硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、架橋シリコン微粒子、架橋シロキサン系微粒子が好ましい。
第1の部材41を結晶化させる加熱処理は、グローブ形状付与後に金型内でA層の結晶化温度(Tc)において一定時間保持する方法や、金型から取り出した後に結晶化温度に保持した恒温層内でアニール処理を行う方法等が用いられる。結晶化温度(Tc)は、一般的にはガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)の中間となる温度が望ましく、(Tg+Tm)/2−30℃<Tc<(Tg+Tm)/2+30℃の範囲内であることが望ましい。処理時間は、光拡散性樹脂成形体の機能が損なわれない範囲においてTcに応じて適宜に調整される。また、結晶化温度と処理時間とを調整することによって、シート表面から内部のB層との界面に向かって傾斜的に結晶化度を変化させることもできる。
上記加熱処理により、結晶化された第1の部材41は、結晶化されていない第2の部材42とは異なる結晶の方向性を有する。そのため、第1の部材41と第2の部材42との界面において、結晶の方向性が不揃いとなる結晶粒界が生じ、これにより光拡散効果が得られる。本実施形態の光拡散性樹脂成形体40は、上記の結晶粒界によって光拡散効果が得られ、また、第1の部材41の結晶化させることにより、光拡散剤を用いることなく適度な光透過性と光拡散性とを実現することができる。
また、第1の材料41から成るA層に、第1の材料41又は第1の材料41及び第2の材料42の混合物から成るB層を積層させることにより、B層がA層を保護するのみならず、A層の結晶化によって光拡散性樹脂成形体40の耐熱性が向上する。また、B層に、第1の部材41と第2の部材42との混合物を用いることにより、A層とB層との相溶性が高く成り、耐熱性が更に向上する。
本実施形態の照明器具1は、上記のように形成された光拡散性樹脂成形体40から成る照明カバー4を備えることにより、暗すぎず、眩しすぎず、ランプイメージを見え難くする等、光透過性及び光拡散性のバランスが良い光を照射でき、しかも耐熱性にも優れたものとなる。
次に、本実施形態の変形例を図4に示す。この変形例においては、第1の材料41及び第2の材料42材料に、樹脂成形体としての機能を減退させない範囲において、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤、結晶核剤等の添加剤43が適宜添加される。
添加剤43として用いられる紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とは、一般的に下記の式1で表
される。
式1
Figure 0005078524
このベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、例えば、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2―(2’―ヒドロキシ―5’―メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2―(2’―ヒドロキシ―3’,5’―ジ―tert―アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2―(2’―ヒドロキシ―3’,5’―ビス(α,α´―ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4―(1,1,3,3―テトラメチルブチル)―6―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)フェノール]、メチル―3―[3―tert―ブチル―5―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―4―ヒドロキシフェニルプロピオネート―ポリエチレングリコールとの縮合物等に代表される。
また、加水分解防止剤は、植物由来樹脂、特に脂肪族ポリエステルの末端のカルボン酸を封鎖するために添加されるものであり、例えば、ポリカルボジイミドが好適に用いられる。
結晶核剤は、第1の材料41の結晶化を促進するために用いられ、例えば、滑石(タルク)、アミノ酸類、ソルビトール系物質、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族カルボン酸エステルから成る化合物、芳香族カルボン酸アミド、芳香族カルボン酸塩、芳香族アルコール及び芳香族カルボン酸エステル、ウラシル、又はウラシル誘導体等が用いられる。
以下に、本実施形態の光拡散性樹脂成形体40及びこれから成る照明カバー4について、具体的な構成材料、作製方法及び作製された各種実施例の効果について、比較例と対比して説明する。
参考例1
第1の部材41には、PLA樹脂(H400/三井化学製)100重量部に対して、加水分解防止剤(カルボジライト/日清紡製)を2部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin326/チバスペシャリティケミカルズ製)を1.90部添加したものを、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌した。その後、短軸押出機にて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを用いた。第2の部材42には、ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)ペレットを用いた。
A層の構成材料として第1の材料41を、B層の構成材料として第2の材料42を夫々別のホッパーに投入し、多層シート押出機を用いてB層/A層/B層の2種3層となるよう共押出を行った(図2参照)。B層の厚みは各0.45mm、A層の厚みは0.9mm、合計シート厚は1.8mmとされた。得られたシートを400mm×400mm×1.8mmのサイズに裁断し、圧空成形機を用いて、図1に示したようなシーリングライトグローブ形状に成形した。形状付与後、成形機金型内で110℃、10分間保持した後冷却して、光拡散性樹脂成形体40から成る照明カバー4を作製し、これを参考例1とした。
<実施例
A層の構成材料として第1の材料41を、B層の構成材料として第1の材料41と第2の材料42とを重量比で1:1となるように各ペレットをブレンドした混合物を用い(図3参照)、それ以外は上記の参考例1と同様の方法により、光拡散性樹脂成形体40から成る照明カバー4を作製し、これを実施例とした。
<実施例
第1の部材41には、PAL樹脂(H400/三井化学製)100重量部に対して、加水分解防止剤(カルボジライト/日清紡製)を2部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin326/チバスペシャリティケミカルズ製)を1.90部、シリコン樹脂ビーズ(MSP−S020/日興リカ製)を1部添加したものを、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌した。その後、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出し、ペレット状にカットしたもの用いた(図4参照)。その他は上記の実施例と同様の方法により、光拡散性樹脂成形体40から成る照明カバー4を作製し、これを実施例とした。
<比較例1>
第1の材料41には、PAL樹脂(H400/三井化学製)100重量部に対して、加水分解防止剤(カルボジライト/日清紡製)を2部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin326/チバスペシャリティケミカルズ製)を1.90部添加したものを、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌した。その後、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを用いた。また、第2の材料42には、ポリメタクリル酸メチル樹脂(VH−001/三菱レイヨン製)のペレットを用いた。これら第1の材料41と第2の材料42を重量比1:1となるようドライブレンドした後、シート押出機にてシート厚1.8mmになるように単層押出を行った(図5参照)。得られたシートを400mm×400mm×1.8mmのサイズに裁断し、圧空成形機を用いて図1のようなシーリングライトグローブ形状に成形した。形状付与後、成形機金型内で110℃、10分間保持した後冷却して光源カバーを作製し、これを比較例1とした。
<比較例2>
第1の材料41には、PAL樹脂(H400/三井化学製)100重量部に対して、加水分解防止剤(カルボジライト/日清紡製)を2部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(Tinuvin326/チバスペシャリティケミカルズ製)を1.90部添加したものを、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌した。その後、短軸押出機を用いて溶融混練した後、ストランド状に押出しペレット状にカットしたものを用いた。その後、第1の材料41を、シート押出機を用いてシート厚1.8mmになるように単層押出を行った(図6参照)。得られたシートを400mm×400mm×1.8mmのサイズに裁断し、圧空成形機を用いて図1のようなシーリングライトグローブ形状に成形した。形状付与後、成形機金型内で110℃、10分間保持した後冷却して光源カバーを作製し、これを比較例2とした。
参考例1、実施例1,2〜3、比較例1,2で得られた照明カバーから40mm×40mmのサンプル片を切断し、全光線透過率及び光拡散率を測定した。また、これらをシーリングライトに組み込み、ランプを点灯してランプイメージを評価した。更に、参考例1、実施例1,2、比較例1,2で得られた材料を4mm×10mm×80mmの形状に射出成形し、金型内で110℃×10分間保持した後に冷却し、その際の耐熱性を荷重たわみ温度(HDT)をJIS K7191に基づき、試験応力0.45MPaで測定した。それらの結果を表1に示す。
Figure 0005078524
比較例1は全光線透過率が高いが、光拡散性がないので、ランプイメージが見え易く、照明カバーとしては不適であった。これに対して、参考例1、実施例1,2は、いずれも適度の光拡散性と光透過性を有しているので、ランプイメージが見え難く、ランプからの光を拡散、照射する照明カバーとして適していた。
比較例2は、その全体が加熱処理により結晶化する植物由来樹脂から成るため、全光線透過率が低く、照明カバーとしては不適であった。これに対して、参考例1、実施例1,2〜3は、第1の部材41を結晶化させ、第2の部材42を結晶化させないことにより、適度な光透過性と光拡散性とを示した。
比較例1,2は、B層を有していないので、荷重たわみ温度が低く、照明カバーとしても耐熱性に劣るものであった。これに対して、参考例1、実施例1,2は、いずれも荷重たわみ温度が85℃以上であり、照明カバーとして要求される耐熱性を有するものであった。
本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。植物由来樹脂を用いて、その結晶化度を適宜に制御することにより、適度な光透過性と光拡散性とを実現し、また、他の材料を混合させた層を形成して耐熱性を向上させた樹脂成形体であれば、上述した照明器具カバーに限られない。
本発明の一実施形態に係る光拡散性樹脂成形体から成る照明カバーを備えた照明器具の側断面図。 同光拡散性樹脂成形体の断面構成図。 同光拡散性樹脂成形体の他の例を示す断面構成図。 同光拡散性樹脂成形体の変形例を示す断面構成図。 比較例における樹脂成形体の断面構成図。 比較例における樹脂成形体の断面構成図。
符号の説明
1 照明器具
2 光源
3 器具本体
4 照明カバー
40 光拡散性樹脂成形体
41 第1の材料
42 第2の材料
A 第1層(A層)
B 第2層(B層)

Claims (2)

  1. 加熱処理により結晶性を帯びる植物由来樹脂を主成分とする第1の材料から成る第1層と、
    前記第1の材料と、前記第1の材料が結晶性を帯びる加熱処理によっては結晶性を帯びない樹脂を主成分とする第2の材料とが重量比で1:1となるよう混合された混合物から成る第2層と、を積層して成る光拡散性樹脂成形体であって、
    前記第1の材料が結晶性を帯びる加熱処理により、前記第1層が結晶性を帯び、前記第2層が前記第1層よりも結晶性を帯びないように形成されることを特徴とする光拡散性樹脂成形体。
  2. 請求項1に記載の光拡散性樹脂成形体から成る照明カバーを備えた照明器具。
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