JP3697636B2 - 含フッ素光硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートを含有し、得られる硬化物の表面特性、光学特性、力学特性、耐加水分解性に優れ、光学材料やコーティング材料等として好適に用いることが出来る含フッ素光硬化性組成物に関する。
従来、光学レンズ等の光学材料として、屈折率を低下させる等の光学特性と架橋反応による力学特性(強度)を兼備させるために、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートを単独で用いること、或いはこれを含む硬化性組成物を用いることは有用であり種々の該化合物、その製造方法及びそれを含有する組成物が提案されている。更にフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートは、化合物中のフッ素原子固有の電気陰性度の高さ、ひいては分極率の低さに由来し、撥水撥油性、滑り性、耐薬品性、防汚性等の表面特性を発現させる界面活性剤、表面改質剤、及びそれらの原料化合物としても有用である。
多官能のフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパン、パーフルオロアルキルカルボン酸及び(メタ)アクリル酸との縮合反応で得られる(メタ)アクリレートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、前記特許文献1記載の該(メタ)アクリレートは、パーフルオロアルキル基が直接エステル結合中のカルボニル炭素と結合しているために該炭素原子の電子密度低下を招き、加水分解の影響を受けやすく、得られる硬化物の長期にわたる光学特性、力学特性等の性能維持に問題がある。また、原料、或いは加水分解後の生成物であるパーフルオロアルキルカルボン酸(C2n+1COOH)は、米国を中心として環境における蓄積性や生体内における蓄積性が問題視されており、安全面からも回避されるべき化合物である。
また、多官能のフッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートとしては、例えば、水酸基含有多官能アクリレートモノマー、フッ素化アルキル基含有モノ或いはジアルコール、及びイソホロンジイソシアネートの重縮合反応物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。前記特許文献2に提案された化合物は、パーフルオロアルキル基とカルボニル炭素が直接結合していないために、硬化物の加水分解による劣化は起こりにくいものの、アクリレート部位(架橋点)とフッ素化アルキル基とがイソホロンジイソシアネートを介在して結合する構造上、一分子の分子量が大きく、(メタ)アクリロイル基の官能基濃度が低下し、硬化物の力学特性が不足する。
更に、多官能のフッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートとしては、フッ素化アルキル基含有ジエポキシド或いはフッ素化アルキル基含有ジオールを原料として用いる方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)が、何れの場合もフッ素化アルキレン鎖の両末端に、エポキシ基或いは水酸基の残基を介してアクリロイル基(架橋点)があることから、フッ素化アルキレン鎖が網目構造の中に組み込まれることになり、硬化物の表面に効果的にフッ素原子を配置することが困難であり、また表面張力低下能に大きく寄与する−CF基が存在しないためフッ素原子由来の表面特性が不足する。
また、2個の(メタ)アクリロイル基を有するフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、水酸基を有するフッ素含有アクリル酸エステルとアクリロイル基を有するイソシアネートとの反応物が提案されている(例えば、特許文献5参照)。前記特許文献5に提案された化合物は、硬化反応により生成する三次元構造にフッ素化アルキル基がペンダントするため、前記特許文献3及び4に提案された化合物と比較して、表面特性は優れるものの、架橋点同士が柔軟なアルキレン鎖を主体とする鎖状構造によって連結されることから、三次元の網目構造自身も柔軟性を有するため、硬化物の力学特性が不足する。
特開平9−157326号公報(第2−4頁) 特開2002−145936号公報(第3−5頁) 特開平9−301925号公報(第3−5頁) 特開2001−072646号公報(第3−4頁) 特開2000−044650号公報(第3−7頁)
この様な状況に鑑み、本発明の課題はフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートを含有し、得られる硬化物の表面特性、光学特性、力学特性が良好であり、更に耐加水分解性に優れることから、それらの長期安定性にも優れ、光学材料やコーティング材料等として好適に用いることが出来る含フッ素光硬化性組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、下記一般式(1)で表される末端にフッ素化アルキル基を有する官能基と、2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有し、1分子中のフッ素原子含有率が25重量%以上で分子量が500〜4000の(メタ)アクリレートを用いる含フッ素光硬化性組成物は、分子の末端にフッ素化アルキル基を有することから硬化物の表面にフッ素原子を効果的に配置できるために表面特性が優れ、且つ、分子量が500〜4000であって1分子内に2個以上の架橋点を有することから力学特性が優れ、フッ素原子含有率が高い点から硬化物の光学特性・表面特性に優れ、更に、エステル結合中のカルボニル炭素とフッ素化アルキル基との間にアルキレン鎖等が介在するために耐加水分解性が優れるために前記性能の長期安定性が優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)と光重合開始剤(B)とを含有する含フッ素光硬化性組成物であり、該フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)が下記一般式(1)
Figure 0003697636
〔式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはヘテロ原子を有していても良いアルキレン鎖、又は下記一般式(2)
Figure 0003697636
{式(2)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていても良い1〜4の整数であり、Rfはフッ素化アルキル基である。}
で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
で表される末端にフッ素化アルキル基を有する官能基(A−i)と、2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−ii)とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25重量%以上で分子量が500〜4000の(メタ)アクリレートであることを特徴とする含フッ素光硬化性組成物を提供するものである。
本発明の含フッ素光硬化性組成物を用いて得られる硬化物は表面特性、光学特性、力学特性が良好であり、且つ耐加水分解性に優れることから前記性能の長期安定性を有し、光学材料、コーティング材料等に好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基とメタクリロイル基を総称するものである。また、フッ素化アルキル基は、アルキル基中の全ての水素原子がフッ素原子に置換されたもの(パーフルオロアルキル基)と、アルキル基中の一部の水素原子がフッ素原子で置換されたもの(例えば、HCFCFCFCF−等)との総称である。尚、該フッ素化アルキル基中に酸素原子を含むもの(例えば、CF−(OCFCF−等)も本定義中に含めるものとする。
本発明で用いるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は下記一般式(1)
Figure 0003697636
〔式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはヘテロ原子を有していても良いアルキレン鎖、又は下記一般式(2)
Figure 0003697636
{式(2)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていても良い1〜4の整数であり、Rfはフッ素化アルキル基である。}
で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
で表される末端にフッ素化アルキル基を有する官能基(A−i)を含有することを必須とする。
前記一般式(1)で表される構造は、エステル結合中のカルボニル炭素とフッ素化アルキル基との間にアルキレン鎖等が介在するため、加水分解による劣化の問題が少なく、硬化物の性能の長期安定性に優れるものである。また、該構造中のフッ素化アルキル基は分子の末端に存在することにより、架橋した際の網目の一部として取り込まれることが無い。更に表面張力低下能に大きく寄与する−CF基を有する。このため、例えば、コーティング材料として用いた際にはその表面にフッ素原子を効果的に配置することができ、フッ素原子由来の表面特性を効率よく発現することが可能となる。
更に本発明で用いるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−ii)を有することを必須とする。これは、硬化反応時の架橋点を1分子中に2個以上有することであり、強固な三次元網目構造を形成するために必要とするものである。
更に1分子中のフッ素原子含有率が25重量%以上であることを必須とするが、これはフッ素原子由来の表面特性と光学特性を発現させるために必要とするものである。フッ素原子含有率が25重量%未満のものを使用した場合には、十分な表面特性・光学特性を発現させるために、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの使用量を多くしたり、その他のフッ素原子含有率が高い反応性化合物、及び/又は非反応性化合物を併用したりすることが必要となり、経済的に不利であるとともに、光学特性を発現させるためには組成物としたときの相溶性を十分に検討したうえで詳細な配合比を決定しなければならないといった問題が生じる。
又、更に該(メタ)アクリレートの分子量としては500〜4000であることを必須とする。分子量が4000より大きくなると、架橋密度が低下し、力学特性が不足するため好ましくなく、分子量が500より小さいものは十分にフッ素原子を導入することができないため好ましくない。
以上の条件を満たしたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートを用いることによって、フッ素原子由来の性能である硬化物の優れた表面特性、光学特性を発揮すると共に、架橋密度が高く、より剛直な三次元網目構造を形成することが出来、力学特性(機械的強度)が向上し、結果として、これらの性能を兼備する硬化物を得ることができ、更に耐加水分解性にも優れる硬化物となる。
これらの中でも特に、前記性能に優れる点から、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)のフッ素原子含有率が30〜65重量%であることが好ましく、又、分子量が600〜3500であることが好ましい。
また、更に前記官能基(A−i)と前記2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−ii)が、それぞれ独立に、同一又は異なる酸素原子を有していても良い炭素原子数1〜5個のアルキレン鎖(A−iii)を介して、4級炭素、シアヌレート環又はホスホリル基(A−iv)に結合し、且つ、前記官能基(A−i)が前記アルキレン鎖(A−iii)を介して結合している該4級炭素、シアヌレート環又はホスホリル基(A−iv)には前記2個以上の(メタ)アクリロイル基中の少なくとも1個が前記アルキレン鎖(A−iii)を介して結合している構造であることが、三次元網目構造を形成した際に、架橋点同士を連結する部分に自由度の低い4級炭素、シアヌレート環又はホスホリル基を配置でき、三次元網目構造それ自身をより剛直にして硬化物の力学特性を発現させるとともに、架橋点の近傍にフッ素化アルキル基を配置することによって、硬化物の力学特性と光学特性とを兼備させられる点から好ましい。上記の理由から、前記アルキレン鎖(A−iii)としては短いものであることが好ましく、特に炭素数1〜3のアルキレン鎖又は炭素数1〜3のオキシアルキレン鎖であることが好ましい。
前記一般式(1)中のXとしては下記一般式(3)
−(CH−Z−(CH− (3)
〔式(3)中、Zは水素原子若しくは炭素数1〜24のアルキル基を有する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−SO−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕
で表されるアルキレン鎖であることが、得られる硬化物の耐加水分解性に優れる点から好ましく、特に前記一般式(1)中のXが前記一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、Zが水素原子若しくは炭素数1〜24のアルキル基を有する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−SO−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕、或いは、前記一般式(2)で表される連結基〔但し、Rfが−C2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfがRfと同一又は異なる−C2n+1(nは1〜20の整数である。)である化合物は、後述のマイケル付加反応によって製造可能である点から工業的生産に好適であり、また、フッ素化アルキル基がパーフルオロアルキル基であることから効果的にフッ素原子由来の性能を発現できる点から好ましいものである。なお、パーフルオロアルキル基以外のフッ素化アルキル基を用いた場合は、必要に応じて配合される後述するその他の成分との相溶性が向上し、ひいては透光性等が向上する効果を有するものであり、又、硬化物の柔軟強靭性や密着性が求められる用途等に用いる際に効果を有するものであり、必要とされる性能のレベルや用途等によってフッ素化アルキル基の構造や種類を選択することが好ましい。
更に、前記一般式(3)中のZが水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を有する窒素原子、硫黄原子、又は−NR−SO−(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)である、或いは前記一般式(2)中のYが硫黄原子であり、Rfの炭素数nが4、6、又は8であり、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6、又は8である化合物を用いる場合には、表面特性、光学特性、力学特性が特に優れたものになるため、最も好ましいものである。また、前記一般式(1)中のRとしては、原料の工業的入手容易性、及びマイケル付加反応によって製造可能である点から、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
本発明で用いるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)としては、例えば、下記一般式(I)〜(X)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0003697636
〔式(I)〜(III)中、Rは水酸基、炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH=CHCOCH−、CH=C(CH)COCH−、又は炭素数1〜3のアルキロール基であり、Rは(メタ)アクリロイル基であり、mとnは同一でも異なっていても良い1〜4の整数であり、tは4、6、又は8であり、iは1又は2であり、jは2又は3であり、且つi+j=4である。〕
Figure 0003697636
〔式(IV)中、R、Rは式(I)〜(III)中のそれと同じであり、Rは(メタ)アクリロイル基にHS(CH2t+1又はHN(C)(CH2t+1(式中tは4、6又は8を示す。)がマイケル付加した基である。〕
Figure 0003697636
〔式(V)中、R、Rは式(I)〜(IV)中のそれと同じであり、mは1又は2であり、nは2又は3であり、且つm+n=4である。〕
Figure 0003697636
〔式(VI)中、R、Rは式(I)〜(IV)中のそれと同じであり、pは1〜4の整数であり、qは2〜5の整数であり、rは0〜3の整数であり、且つp+q+r=6である。〕
Figure 0003697636
〔式(VII)〜(VIII)中、R、Rは式(I)〜(IV)中のそれと同じであり、wは1〜4の整数であり、w’は2〜5の整数であり、且つw+w’=6であり、yは1〜8の整数であり、y’は2〜9の整数であり、且つy+y’=10である。〕
Figure 0003697636
〔式(IX)中、R、Rは式(I)〜(IV)中のそれと同じである。〕
Figure 0003697636
〔式(X)中、R、Rは式(I)〜(IV)中のそれと同じである。〕
前記フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。尚、下記具体例はいずれもアクリレートの場合を示したものであり、式中のアクリロイル基は何れもメタクリロイル基に変更可能である。更に、下記具体例は前記一般式(1)中のRとして水素原子のもののみを記載しており、カルボニル炭素に結合するメチレン基中の水素原子の1つは何れもメチル基に変更可能である。
Figure 0003697636
Figure 0003697636
Figure 0003697636
Figure 0003697636
Figure 0003697636
前記フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)の製造方法としては、特に限定するものではないが、例えば、3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物(a1)とフッ素化アルキル基と活性水素とを有する化合物とのマイケル付加反応によって合成する方法や、フッ素化アルキル基を有するアルキルカルボン酸と多価アルコールと(メタ)アクリル酸とを原料として用い、ハイドロキノン等の重合禁止剤を添加して、塩酸、硫酸等の酸触媒の存在下で、80〜120℃で縮合反応により生成した水分を除去しながら3〜10時間反応させる方法等が挙げられる。
特に前者のマイケル付加反応を利用した製造方法は、付加反応であるため、反応により副生する化合物はなく、後述するように温和な条件下で進行させることが可能であると共に、分子中のフッ素原子含有率や(メタ)アクリロイル基の官能基数等を容易に調整することが可能であるため、本発明の含フッ素光硬化性組成物に用いるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートを得る方法として好ましいものである。
以下、マイケル付加反応を用いたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの合成方法について詳述する。
前記3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)としては、分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有していれば特に制限はなく、目的とする用途により適宜選択されるものであるが、原料の入手容易性、温和な条件で反応が速やかに進行する等の観点から下記一般式(6)
Figure 0003697636
〔式(6)中、Rは水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH=CHCOCH−、CH=C(CH)COCH−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子若しくは炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基、又は炭素数1〜12のアルキロール基であり、Rは(メタ)アクリロイル基である。〕
で表される化合物(a1−1)、
下記一般式(7)
Figure 0003697636
(式中、Rは(メタ)アクリロイル基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)
で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)、又はリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)であることが好ましい。
これらの中でも、前記一般式(6)〔但し、Rが炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH=CHCOCH−、CH=C(CH)COCH−、若しくは炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、前記一般式(7)〔但し、Rが水素原子若しくは炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、又は2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)と脂環構造を有するイソシアネート化合物(x2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
3個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物(a1)としては、具体的には以下の如き化合物が挙げられる。
3官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレンオキシド(EO)変性グリセロールアクリレート(例えば、第一工業製薬株式会社製ニューフロンティアGE3A等)、プロピレンオキシド(PO)変性グリセロールトリアクリレート(例えば、荒川化学株式会社製ビームセット720)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(例えば、第一工業製薬株式会社製ニューフロンティアPET−3等)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMTPA)(例えば、第一工業製薬株式会社製ニューフロンティアTMTP等)、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、ダイセルUCB株式会社製Ebecryl2047等)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、日本化薬株式会社製カヤラッドTHE―330等)、(EO)或いは(PO)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、大日本インキ化学工業株式会社製LUMICURE ETA−300、第一工業製薬株式会社製ニューフロンティアTMP−3P等)、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート(例えば、日本化薬株式会社製カヤラッドD−330等)等、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(例えば、日立化成株式会社製ファンクリルFA−731A等)、EO変性リン酸トリアクリレート(例えば、大阪有機化学株式会社製ビスコート3A)等が挙げられる。
4官能の(メタ)アクリレートしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)(例えば、大日本インキ化学工業株式会社製LUMICURE DTA−400等)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート(例えば、三菱レーヨン株式会社製ダイヤビームUK−4154等)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(例えば、新中村化学株式会社製NKエステルA−TMMT等)等が挙げられる。
5官能または6官能(メタ)アクリレートしては、例えば、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート(例えば、化薬サートマー株式会社製SR−399E等)、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(例えば、日本化薬株式会社製カヤラッドD−310)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(例えば、大日本インキ化学工業株式会社製DAP−600等)、ジペンタエリスリトールペンタおよびヘキサアクリレートベース・多官能モノマー混合物(例えば、大日本インキ化学工業株式会社製LUMICURE DPA−620等)等が挙げられる。
これらは単独での使用、或いは(メタ)アクリロイル基数以外の構造も含めて異なる複数の化合物を併用してもよい。また、一般に市販入手可能な前記化合物としては、主成分となる目的化合物に対して(メタ)アクリロイル基数の異なる化合物の混合物であることが多い。使用に際しては、各種クロマトグラフィー、抽出等の精製方法で目的とする(メタ)アクリロイル基数の化合物を取り出して用いてもよいが、混合物のまま用いてもよい。
また、本発明で用いる前記化合物(a1)としては、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)を使用することも可能である。前記ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)の製造方法としては何ら制限はなく、例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)とイソシアネート化合物との重付加反応等により得ることが可能である。
前記反応は、無触媒で行うことも可能であるが、反応効率等の観点からウレタン化触媒等の反応助剤等も使用できる。前記ウレタン化触媒としては、例えば、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられ、原料として用いる水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)とイソシアネート化合物(x2)との総重量に対して、0.01〜10重量%用いるのが好ましい。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート(例えば、日本油脂株式会社製ブレンマーGAM等)等が挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物の何れも用いることは可能であり、例えば、トルエンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、アダマンチルジイソシアネート等が挙げられ、得られる硬化物のガラス転移温度の高さ、硬化物の耐擦傷性などの観点から、脂環構造を有するものであることが好ましく、例えばノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、アダマンチルジイソシアネートを用いることが好ましい。即ち、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)と脂環構造を有するイソシアネート化合物(x2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましい。尚、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)にマイケル付加によってフッ素化アルキル基を導入して得られる化合物は、前記化合物(a1−1)及び化合物(a1−2)として水酸基を有するものを使用し、これにマイケル付加反応によってフッ素化アルキル基を導入した後、イソシアネート化合物と反応させることによっても合成することが可能であり、反応順序としては特に制限されるものではない。
次に、フッ素化アルキル基と活性水素とを有する化合物について説明する。
前記化合物としては原料の工業的入手の容易性、マイケル付加反応の容易性の点から、下記一般式(4)
Rf(CHZH (4)
〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、Rfは−C2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、Zは水素原子若しくは炭素数1〜24のアルキル基を有する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は−SO−NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕
で表される化合物、又は下記一般式(5)
Figure 0003697636
〔式(5)中、Yは酸素原子、又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、RfとRfは同一でも異なっていてもよい−C2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕
で表される化合物(a2)であることが好ましく、より温和な反応条件を選択でき、得られる硬化物の物性に優れる点から、前記一般式(4)中のZが水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を有する窒素原子、硫黄原子、又は−SO−NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である、或いは、前記一般式(5)中のYが硫黄原子であり、Rf及びRf中の炭素数nが4、6、又は8であることが特に好ましい。
前記一般式(4)又は前記一般式(5)で表わされる含フッ素化合物を用いて製造したフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)は、応用的な観点、即ち、光硬化性組成物に応用した場合に必要に応じて併用するその他の成分との相溶性、得られる硬化物の透明性等とフッ素原子に由来する表面特性、光学特性の両立に対しても有利である。
前記一般式(4)で表わされる含フッ素化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられ、これらは単独でも、2種以上の混合物として使用しても良い。
SON(CH)H (a2−1)
SON(C)H (a2−2)
CHCHN(C17)H (a2−3)
CHCHSH (a2−4)
13CHCHSON(C17)H (a2−5)
13CHCHSH (a2−6)
13CHCHN(C)H (a2−7)
17CHCHSH (a2−8)
17CHN(C)H (a2−9)
19CHCHSH (a2−10)
1021CHCHCHN(C)H (a2−11)
1225CHCHSH (a2−12)
また、前記一般式(5)で表される含フッ素化合物の製造方法としては、例えば、2−ヒドロキシコハク酸(以下、リンゴ酸と記す。)、2−メルカプトコハク酸(以下、チオリンゴ酸と記す。)にフッ素化アルキル基含有アルコールまたはフッ素化アルキル基含有メルカプタンを反応させてジエステル体とする方法が挙げられ、具体的には下記の化合物が挙げられる。
Figure 0003697636
前記化合物(a1)と前記化合物(a2)との仕込み比としては、得られる光硬化性組成物の使用用途、目的とする物性により適宜調整されるものであり、マイケル付加反応後に(メタ)アクリロイル基が2個以上残存する仕込み比であれば、なんら制限されるものではない。具体的には得られる硬化物の表面特性、光学特性等のフッ素原子由来の効果を効率よく発現するため、前記化合物(a1)1モルに対して、通常前記化合物(a2)を[0.01〜(k−2)〔kは前記化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕]モルで使用し、[0.1〜(k−2)]モルで使用することが好ましく、[1.0〜(k−2)]モルで使用することがより好ましい。
前記化合物(a1)と前記化合物(a2)との反応は、通常のマイケル付加反応の方法に従えば良く、フッ素原子を有することによる特別の配慮は特に必要ではなく、無溶媒でも溶媒存在下でも製造できる。溶媒を使用する場合には、前記化合物(a1)及び前記化合物(a2)の溶解性、沸点、使用する設備等を考慮し適宜、選択されるものであるが、具体的には、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン(以下、MEKと略記する。)、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略記する。)等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素類等が挙げられ、単独でも2種以上の溶媒を混合して使用しても良い。これらの中でもエステル類、芳香族系炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エーテル類、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を用いることが好ましく、エステル類、ケトン類、アルコール類、エーテル類を用いることが特に好ましい。
この反応は、無触媒で行うことも可能であるが、反応効率の面から、適宜、触媒等の反応助剤を選択して使用することも可能である。前記反応助剤として、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラート類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]−オクタン等のアミン類、水素化ナトリウム、水素化リチウム等の金属水素化物類、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラアンモニウムフルオライド等のアンモニウム塩、過酢酸等の過酸化物等が挙げられる。好ましくは金属アルコラート類、アミン類、アンモニウム塩であり、特に好ましくはアミン類である。前記反応助剤の使用量としては、特に制限されるものではないが、原料として用いる前記化合物(a1)1モルに対して0.01〜50モル%、好ましくは0.1〜20モル%である。
さらに、用いる化合物(a1)及び化合物(a2)によっては、熱も反応活性化エネルギー源として単独使用または併用使用することが可能である。反応温度としては通常、0℃〜還流温度であり、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは20〜70℃である。反応時、溶媒などを使用した場合、溶質濃度としては通常2〜90重量%であり、好ましくは20〜80重量%である。反応資材の投入順序としては特に制限されない。このようにして得られた生成物は、抽出などによる洗浄、およびカラムクロマトグラフィー等で精製して使用することも可能であるが、そのまま使用することも可能である。特に(メタ)アクリロイル基数の多い化合物(a1)を用いた場合には、前記化合物(a2)が付加する場所を制御することは通常困難であり、付加した場所が異なる種々の化合物からなる混合物であるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートが得られるが、この場合においても、単離・精製によって単一物質を取り出す必要はなく、マイケル付加反応の位置が異なる種々の化合物からなる混合物として使用することが可能である。
以上の如く、前記化合物(a1)と、前記化合物(a2)とのマイケル付加反応を経由することで、強酸触媒などを必要とした縮合反応を経ることなく、より簡便且つ穏和な条件下で本発明で用いるフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)を製造できる。また、現在市販品として入手が容易である、或いは合成が容易である様々な多官能(メタ)アクリレートを出発原料として使用することが可能であるため、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)を含有する光硬化性組成物の使用目的、用途また要求特性に対して、構造或いは1分子中のフッ素原子含有率や(メタ)アクリロイル基数を適宜調整するといった変更が容易であり、より有効な製造方法といえる。
本発明で用いる光重合開始剤(B)としては、種々の化合物を使用することが出来、例えば、
B−1:ベンゾフェノン
B−2:アセトフェノン
B−3:ベンゾイン
B−4:ベンゾインエチルエーテル
B−5:ベンゾインイソブチルエーテル
B−6:ベンゾインジメチルケタール
B−7:アゾビスイソブチロニトリル
B−8:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
B−9:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
等が挙げられる。必要に応じてアミン化合物、又はリン化合物などの光増感剤を添加し、重合をより迅速化することも可能である。これらは、単独でも、2種類以上を同時に併用してもよい。
本発明者らの知見によれば、光源の種類、目的とする硬化速度、硬化させる雰囲気、硬化させる構造(例えば、石英ガラス越しに硬化させる構造であるか、ポリエチレンテレフタレートのような高分子フィルム越しに硬化させる構造)により2種類以上の開始剤を併用する方が好ましい場合がある。
光硬化性組成物中に占める光重合開始剤(B)の好適な割合は、0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜7重量%である。
このようにして得られる含フッ素光硬化性組成物の使用方法、用途としては、特に制限されるものではなく、使用する用途、目的、要求性能等に応じて、他の化合物を配合した光硬化性組成物とすることも可能であり、この場合、フッ素原子由来の性能である光学特性や表面特性を発揮させるためには、該光硬化性組成物中におけるフッ素原子含有率として0.5重量%以上、好ましくは、2重量%以上になるように配合することが好ましい。る。特に得られる硬化物の高ガラス転移点(耐熱性)、強度等の力学特性と経済性の観点から、非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)を併用することが好ましい。
前記非フッ素モノ(メタ)アクリレート(C)としては、分子中にフッ素原子を含まずに、アクリロイル基及び/またはメタクリロイル基を含む化合物であれば、種々の化合物を制限なく用いることができる。このような化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イシステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族エステル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アロニックス M−5700(東亞合成工業株式会社製)、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングルコール(メタ)アクリレート、AR−200、MR−260、AR−200、AR−204、AR−208、MR−200、MR−204、MR−208(以上、大八化学株式会社製)、ビスコート 2000、ビスコート 2308(以上、大阪有機化学工業株式会社製)、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ライトエステルHOA−MS、ライトエステル HOMS(以上、共栄社化学株式会社製)、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、FANCRYL FA−512A、FANCRYL FA−512M(以上、日立化成工業株式会社製)等が挙げられ、単独でも2種以上の混合物としても用いることが出来る。
これらの化合物の中でも、少量の導入により光硬化性組成物中の他の成分との相溶性が改良され、且つ得られる硬化物の透明性、透光性を向上させる効果があるものとして、エステル部置換基が環状構造を有する、
C−1 : ベンジル(メタ)アクリレート
C−2 : シクロヘキシル(メタ)アクリレート
C−3 : ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート
C−4 : ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
C−5 : イソボルニル(メタ)アクリレート
C−6 : メトキシ化シクロデカリン(メタ)アクリレート
C−7 : フェニル(メタ)アクリレート
C−8 : FANCRYL FA−512A(日立化成工業株式会社製ジシクロペンテニルアクリレート)
C−9 : FANCRYL FA−512M(日立化成工業株式会社製ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート)
C−10 : アダマンチル(メタ)アクリレート
C−11 : ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート
等が好ましい。
更に非フッ素多官能性モノマー(D)を併用することも可能である。非フッ素多官能性モノマー(D)としては、分子中にフッ素原子を含有せずに2個以上の光重合性官能基を持つ化合物であれば、種々の化合物を制限なく用いることが可能であるが、光硬化性組成物中の他の成分との相溶性と、得られる硬化物の透光性が良好である点から、(メタ)アクリロイル基を含有するものが好ましい。この様な化合物の具体例としては、
D−1 : エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−2 : ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−3 : トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−4 : ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
(数平均分子量:150〜1000)
D−5 : プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−6 : ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−7 : トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
D−8 : ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
(数平均分子量:150〜1000)
D−9 : ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
D−10 : 1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート
D−11 : 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート
D−12 : 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
D−13 : ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート
Figure 0003697636
D−16 : ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
D−17 : トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
D−18 : ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート
D−19 : ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート
D−20 : ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
D−21 : トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート
D−22 : ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート
D−23 : ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
更に、上記以外の市販品としては、例えば、ネオマー NA−305、ネオマー BA−601、ネオマー TA−505、ネオマー TA−401、ネオマー PHA−405X、ネオマー TA705X、ネオマー EA400X、ネオマー EE401X、ネオマー EP405X、ネオマー HB601X、ネオマー HB605X(以上、三洋化成工業株式会社製)、KAYARAD HY−220、KAYARAD HX−620、KAYARAD D−310、KAYARAD D−320、KAYARAD D−330、KAYARAD DPHA、KAYARAD DPCA−20、KAYARAD DPCA−30、KAYARAD DPCA−60、KAYARAD DPCA−120(以上、日本化薬株式会社製)等も挙げられる。
このような非フッ素多官能性モノマー(D)としては1種類だけを用いても良いし、2種類以上をどのような組み合わせで用いても構わない。
また、本発明の光硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、前記フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)以外の含フッ素(メタ)アクリレート(E)を併用することができる。前記含フッ素(メタ)アクリレート(E)としては特に制限はないが、例えば、
E− 1 : CH=CHCOOCHCH17
E− 2 : CH=C(CH)COOCHCH17
E− 3 : CH=CHCOOCHCH1225
E− 4 : CH=C(CH)COOCHCH1225
E− 5 : CH=CHCOOCHCH1021
E− 6 : CH=C(CH)COOCHCH1021
E− 7 : CH=CHCOOCHCH13
E− 8 : CH=C(CH)COOCHCH13
E− 9 : CH=CHCOOCHCH
E−10 : CH=CFCOOCHCH13
E−11 : CH=C(CH)COOCHCH2041
E−12 : CH=C(CH)COOCHCH
E−13 : CH=C(CF)COO(CH1021
E−14 : CH=C(CH)COOCHCF
E−15 : CH=CHCOOCHCF
E−16 : CH=CHCOOCH17
E−17 : CH=C(CH)COOCH17
E−18 : CH=C(CH)COOCH2041
E−19 : CH=CHCOOCH2041
E−20 : CH=C(CH)COOCHCF(CF
E−21 : CH=C(CH)COOCHCFHCF
E−22 : CH=CFCOOCH
E−23 : CH=CHCOOCH(CHCF(CF
E−24 : CH=C(CH)COOCHCFCFHCF
E−25 : CH=C(CH)COOCH(C)C1021
E−26 : CH=CHCOOCH(CF
E−27 : CH=C(CH)COOCH(CF
E−28 : CH=CHCOOCH(CF
E−29 : CH=CHCOOCHCF
E−30 : CH=C(CH)COO(CF
E−31 : CH=CHCOOCH(CF
E−32 : CH=C(CH)COOCH(CF
E−33 : CH=CHCOOCH(CF
E−34 : CH=C(CH)COOCH(CF
E−35 : CH=CHCOOCH(CF10
E−36 : CH=CHCOOCH(CF12
E−37 : CH=CHCOOCH(CF14
E−38 : CH=CHCOOCH(CF18
E−39 : CH=CHCOOC(CH(CF
E−40 : CH=CHCOOCHCH(CF
E−41 : CH=C(CH)COOCHCH(CF
E−42 : CH=C(CH)COOC(CH(CF
E−43 : CH=CHCOOCH(CF)C17
E−44 : CH=CHCOOCH
E−45 : CH=CHCOO(CH(CFCF(CF
等が挙げられる。
前記含フッ素(メタ)アクリレート(E)を用いた場合には、得られる硬化物の屈折率を低下させることが可能であるとともに、次に述べるフッ素系重合体(F)を導入した場合には、硬化物の透光性を低下させることなく、目的とする塗布性、成形作業性等に合致した配合物粘度に調整することが容易となる。
光硬化性組成物の透明性の維持及び得られる硬化物の低屈折率性と機械的強度の向上等のために、フッ素系重合体(F)を併用することも出来る。フッ素系重合体(F)としては、例えば、含フッ素(メタ)アクリレート(E)の単独重合体、或いは含フッ素(メタ)アクリレート(E)と1種類または2種類以上の非フッ素(メタ)アクリレート(C)とから成る共重合体等が挙げられる。
前記重合体(F)を用いる場合、その製造方法には何ら制限はなく、ラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更にエマルジョン重合法等によって、熱、光、電子線、放射線等を重合開始エネルギーとして製造できるが、工業的には、熱及び/または光を開始エネルギーとするラジカル重合法が好ましい。
重合開始エネルギーとして熱を利用する場合は、無触媒または種々の熱重合開始剤を制限なく使用することができ、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物、Mn(acac)等の金属キレート化合物等が挙げられる。また、紫外線のような光を利用する場合には光重合開始剤(例えば前述のB−1〜B−9に示す化合物)を用いることができる。また、必要に応じてアミン化合物、リン化合物等の光増感剤を添加することにより、重合を迅速化することも可能である。電子線または放射線よって重合体を得る場合には、重合開始剤の添加は必要としない。
更に、ラジカル重合を行う場合には、必要に応じて種々の連鎖移動剤を併用することにより、分子量を調整することも可能である。連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノ−ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオグリコール酸、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の化合物が挙げられる。
溶液重合を行う場合、用いる溶剤の種類にも特に制限はなく、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、MEK、MIBK、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコ−ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類、更にパーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等のいずれも使用できる。
また、フッ素系重合体(F)として共重合体を用いる場合、モノマーの組み合わせにより決定されるブロック、交互、ランダムのシークエンスの他に、重合機構、開始剤、連鎖移動剤等の選択によりこれらのシークエンスを自由に制御することが可能であり、いずれの場合も好適に用いることができる。更に、単独重合体、共重合体何れの重合体も1種類のみを用いることも、2種類以上を同時に用いることもできる。
フッ素系重合体(F)の分子量、分子量分布としても特に制限はない。該重合体(F)の分子量としては、光学材料等を作製する際の組成物の加工条件、組成物の粘度、要求される光学材料等の機械的強度等により選択されるものであるが、通常2,000〜3,000,000、好ましくは5,000〜2,000,000である。さらに、粘度、光学材料などを作製する際の作業性、光学材料等の力学特性発現等の観点から、分子量の異なる2種類以上の重合体を組成物中に配合することも可能である。
本発明で得られる光硬化性組成物は、その硬化物の使用目的に合致した形で、塗布、含浸等の成形操作を行った後、光を照射することにより、重合硬化させ、所望の硬化物を形成することができる。又、場合によっては、熱もエネルギー源として併用使用することも可能である。この時は、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾインパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシドナフテン酸コバルトなどの重合開始剤を併用しても良い。
光重合硬化する場合の光源としては、特に制限されるものではなく、殺菌等、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀ランプ、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光を光源とする紫外線、または走査型、またはカーテン型電子加速器による電線等を使用することができ、厚みが5μm以下の塗布層等を紫外線硬化させる場合は、重合の効率の点で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射することが好ましい。
本発明で得られる含フッ素光硬化性組成物の用途としては、特に限定されるものではなく、光学材料やコーティング材料等として好適に用いることが出来、例えば、光学レンズ、光ファイバーのクラッド材、光導波路、反射防止膜、ガラス又はプラスチック類のコーティング剤、LED用封止材等に用いることが出来る。また、種々の光架橋性樹脂組成物に単独で混合して使用すること、あるいは種々の界面活性剤、表面改質剤等と組み合わせて混合し使用することにより、得られる硬化物の表面特性、光学特性等を向上させることも可能である。
本発明の含フッ素光硬化性組成物は、光成形硬化させることによりその硬化物を得ることができ、低屈折率等の光学特性と寸法安定性・強度などの力学特性、更にフッ素原子由来の表面特性を兼備しながら、加水分解といった化学的劣化を受け難く、耐湿熱性も良好であり、長期での前記性能を安定維持できるものである。
次に本発明をより詳細に説明するために、実施例を掲げるが、これらの実施例によって本発明が何ら限定されるものではない。尚、下記実施例中の「%」は特に断りの無い限り重量基準である。
合成例1 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
水分離管を具備した500ml四つ口フラスコに、トリメチロールプロパン33.5g、3−パーフルオロオクチルプロピオン酸(東ソー・エフテック株式会社製)123.0g、トルエン50g、シクロヘキサン50gを投入し、濃硫酸2.5gを加え、12時間共沸脱水を行った。4.5gの水生成を確認した後、一旦25℃に冷却し、アクリル酸45.0g、ハイドロキノン0.4gを加え、空気を吹き込みながら更に共沸脱水を行った。9.0gの水生成を確認した後、25℃に冷却した。反応液にトルエンを150g加え、25%水酸化ナトリウム水溶液30gで中和洗浄、さらに20%の食塩水40gで3回洗浄を行った。減圧下、トルエン及びシクロヘキサンを留去して微黄色液体170gを得た。このものをトルエン150mlに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行った。次いで減圧下、酸素を吹き込みながらウォータバス温度50℃以下でトルエンを留去することで前記構造式(ii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−1)を得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.85(t, J=7.0Hz, 3H),
1.30−1.60(m, 2H),
2.20−2.50(m, 2H),
2.40−3.00(m, 2H),
5.80(d, J=10.2Hz, 2H),
6.0(dd, J=10.2, 17.3Hz, 2H),
6.45(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例2 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
メルカプトコハク酸ジエステルの合成
攪拌装置、Dean−starkトラップを付した500mlのフラスコにパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン 150.0g、チオリンゴ酸 30.0g、濃硫酸1.5g、トルエン200mlを仕込み、理論量の水分(7.1g)が除去できるまで加熱還流を行った。60℃まで冷却後、消石灰20gを加え同温度で30分間攪拌した。濾別後、トルエンを減圧留去することで黄色透明の粘性液体としてチオリンゴ酸ジ−(パーフルオロへキシルエチルエステル)168.0gを得た。
フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成
200ml反応フラスコにペンタエリスリトールテトラアクリレート(東亞合成株式会社製アロニックスM−450)17.6g(0.05モル)、チオリンゴ酸ジ−(パーフルオロへキシルエチルエステル)43.7g(0.05モル)、酢酸エチル10gを投入し、50℃で撹拌下、トリエチルアミン1.0gを徐々に加えた。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。反応終了後50℃以下の条件で、酢酸エチル、トリエチルアミンを減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(v)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−2)25.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.05−2.20(m、 2H)
2.30−2.90(m, 12H),
3.90−4.30(m、 9H),
5.80(d, J=10.2Hz, 3H),
6.0(dd, J=10.2, 17.3Hz, 3H),
6.45(d, J=17.3Hz, 3H)
合成例3 フッ素化アルキル基含有メタクリレートの合成 平均付加官能基数1
200ml反応フラスコにトリメチロールプロパントリメタクリレート(新中村化学株式会社製NKエステルTMTP)67.0g(0.20モル)、パーフルオロブチルエチルメルカプタン56.0g(0.20モル)を投入し、撹拌下、トリエチルアミン2gを徐々に加えた。反応温度は35℃まで上昇した。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、ウォータバス温度50℃以下で、酸素を吹き込みながら、トリエチルアミンを減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(vii)でアクリロイル基がメタクリロイル基であり、カルボニル炭素に隣接する炭素原子上にメチル基を有する構造であるフッ素化アルキル基含有メタクリレート(A−3)120.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.87(t, J=7.0Hz, 3H)
1.25(d, J=7.2Hz, 3H
1.31−1.60(m, 2H)
2.22−2.52(m, 1H)
2.43−3.00(m, 6H)
4.20−4.40(m, 6H)
5.85(d, J=10.2Hz, 2H)
6.1(dd, J=10.2, 17.3Hz, 2H)
6.45(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例4 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
200ml反応フラスコにペンタエリスリトールトリアクリレート(大日本インキ化学工業株式会社製LUMICURE PEA−300)59.7g(0.20モル)、N−プロピル−パーフルオロオクチルエチルアミン101g(0.20モル)を投入し、湯浴上で撹拌、均一とした。この中にトリエチルアミン2.0gを徐々に加えた。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。反応終了後、50℃以下の条件でエバポレーターを用いて、トリエチルアミンを減圧留去し、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(viii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−4)160.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.20−2.50(m, 2H),
2.50−2.90(m, 6H),
3.30−3.60(m, 2H),
4.10−4.30(m, 6H),
5.86(d, J=10.3Hz,2H),
6.10(dd, J=10.3, 17.3Hz, 2H),
6.40(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例5 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
合成例3において、パーフルオロブチルエチルメルカプタン56.0g(0.20モル)の代わりにパーフルオロオクチルエチルメルカプタン95.8g(0.20モル)を用いた以外は合成例3と同様の操作を行うことで、前記構造式(ix)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−5)149.5gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.85(t, J=7.0Hz, 3H),
1.30−1.60(m, 2H),
2.20−2.50(m, 2H),
2.40−3.00(m, 6H),
4.15−4.40(m, 6H),
5.80(d, J=10.2Hz, 2H),
6.0(dd, J=10.2, 17.3Hz, 2H),
6.45(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例6 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
300ml反応フラスコで、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(大日本インキ化学工業株式会社製ETA−300)85.6g(0.20モル)、トリエチルアミン3.0g、酢酸エチル50gの混合溶液に、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン96.0(0.20モル)を室温下で滴下した。反応温度は35℃まで上昇した。滴下終了後、さらに50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、ウォータバス温度50℃以下で、酸素を吹き込みながら、酢酸エチル、トリエチルアミンを減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(xii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−6)171.2gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.89(t, J=7.0Hz, 3H)
1.30−1.60(m, 2H)
2.22−3.00(m, 8H)
3.10−4.20(m, 18H)
5.85(d, J=10.1Hz, 2H)
6.10(dd, J=10.1, 17.3Hz, 2H)
6.40(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例7 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
200ml反応フラスコにペンタエリスリトールテトラアクリレート10.6g(0.03モル)、トリエチルアミン2g、酢酸エチル10gを投入し、撹拌下パーフルオロオクチルエチルメルカプタン14.4g(0.03モル)を徐々に加えた。反応温度は35℃まで上昇した。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。撹拌終了後、酢酸エチル60gを加え均一とした後、1規定塩酸100mlで有機層を洗浄した。更に水100mlで2回洗浄した後、有機層を分取した。50℃以下の条件で反応溶媒を、エバポレーターを用いて減圧留去した後、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(xiv)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−7)25.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.20−2.90(m, 8H),
3.95−4.20(m、 8H),
5.80(d, J=10.0Hz, 2H),
6.00(dd, J=10.0, 17.0Hz, 2H),
6.45(d, J=17.0Hz, 2H)
合成例8 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
合成例7において、ペンタエリスリトールテトラアクリレート10.6g(0.03モル)の代わりにジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(新中村化学株式会社製NKエステルAD−TMP)13.95g(0.03モル)を、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン14.4g(0.03モル)の代わりにパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン11.4g(0.03モル)を用いる以外は合成例7と同様にして前記構造式(xvi)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−8)25.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.85(t, J=7.0Hz, 3H),
1.30−1.60(m, 2H),
2.20−2.50(m, 2H),
2.40−3.00(m, 6H),
4.15−4.40(m, 6H),
5.80(d, J=10.2Hz, 2H),
6.0(dd, J=10.2, 17.3Hz, 2H),
6.45(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例9 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数2
合成例8において、パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン11.4g(0.03モル)の代わりにパーフルオロオクチルエチルメルカプタン28.8(0.06モル)を用いる以外は合成例8と同様にして、前記構造式(xvii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロオクチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式(xvii)とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物(A−9)42.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.85(t, J=7.0Hz, 6H),
1.45(J=7.0Hz, 4H),
2.30−2.80(m, 16H),
3.20−3.40(m, 4H),
3.95−4.20(m、 8H),
5.80(d, J=10.2Hz, 2H),
6.00(dd, J=10.2, 17.3Hz, 2H),
6.45(d, J=17.3Hz, 2H)
合成例10 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数2
合成例7において、ペンタエリスリトールテトラアクリレート10.6g(0.03モル)の代わりにジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート15.7g(0.03モル)を、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン14.4g(0.03モル)の代わりにパーフルオロオクチルエチルメルカプタン28.8g(0.06モル)を用いた以外は合成例7と同様にして、前記構造式(xviii)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロオクチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式(xviii)とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物(A−10)44.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.10−2.90(m, 16H),
3.20−3.45(m、 4H),
3.75−4.20(m、 12H),
5.85(d, J=10.2Hz, 3H),
6.10(dd, J=10.2, 17.0Hz, 3H),
6.45(d, J=17.0Hz, 3H)
合成例11 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数2
200ml反応フラスコにジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート(化薬サートマー株式会社製SR−399E)26.2g(0.05モル)、パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.1g(0.05モル)およびパーフルオロオクチルエチルメルカプタン24.1g(0.05モル)を投入し、撹拌下、トリエチルアミン1.0gを徐々に加えた。投入後、さらに50℃で3時間撹拌した。次にエバポレーター(バス温50℃以下)で減圧下、トリエチルアミンを留去することで前記構造式(xix)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン及びパーフルオロオクチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式(xix)とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物(A−11)69.4gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.20−2.50(m, 4H),
2.50−2.90(m, 12H),
3.30−3.60(m, 2H),
3.60−3.80(m, 4H),
4.10−4.30(m, 10H),
5.86(d, J=10.3Hz, 6H),
6.10(dd, J=10.3, 17.3Hz, 6H),
6.40(d, J=17.3Hz, 6H)
合成例12 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数2
200ml反応フラスコにジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(大日本インキ化学工業株式会社製LUMICURE DPA−600)28.9g(0.05モル)、トリエチルアミン1.0g、メチルイソブチルケトン(MIBK)20g混合溶液に、室温で撹拌下、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン48.2g(0.1モル)を滴下した。滴下終了後、さらに50℃で3時間撹拌し、エバポレーター(バス温50℃以下)で減圧下、MIBK、トリエチルアミンを留去することで前記構造式(xxi)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロオクチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式(xxi)とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物(A−12)76.8gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.20−2.90(m, 16H),
3.30−3.50(m, 4H),
4.10−4.40(m, 12H),
5.84(d, J=10.2Hz, 4H),
6.10(dd, J=10.2, 17.2Hz, 4H),
6.42(d, J=17.2Hz, 4H)
合成例13 フッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートの合成 平均付加官能基数3
500mlの反応フラスコ中、イソホロンジイソシアナート22.2g(0.1モル)のMIBK100ml溶液に、エアーバブリングを行いながらペンタエリスリトールトリアクリレート59.6g(0.20モル)のMIBK50ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、ジブチル錫ジラウレート0.3gを加え更に70℃で4時間加熱攪拌を行った。反応終了後、反応溶液を5%塩酸100mlで洗浄した。有機層を分取した後、40℃以下で溶媒を減圧留去することで無色透明粘調液体のウレタンアクリレート80.5gを得た。
200ml反応フラスコに、調製したウレタンアクリレート40.8g(0.05モル)、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン71.9g(0.15モル)、MIBK60gを投入し均一とした。この混合溶液に25℃でトリエチルアミン1.0gを徐々に加えた。加え終わった後、さらに50℃で3時間撹拌した。反応終了後、50℃以下の条件でエバポレーターを用いて、トリエチルアミンを減圧留去し、さらに真空ポンプで乾燥することで、前記構造式(xxiv)で示されるフッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロオクチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式(xxiv)とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物(A−13)を得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
0.80−1.20(m, 9H)
1.30−1.50(m, 6H)
2.0−3.0(m, 24H)
3.15−3.55(m, 16H)
5.5(brs, 2H)
5.85(d, J=10.2Hz, 3H),
6.1(dd, J=10.2, 17.3Hz, 3H),
6.35(d, J=17.3Hz, 3H)
合成例14 フッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートの合成 平均付加官能基数4
500mlの反応フラスコ中、水添4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート7.86g(0.03モル)、MIBK100g混合溶液に、合成例10で得た含フッ素アクリレート(A−10)88.0g(0.06モル)のMIBK50ml溶液を25℃で滴下した。滴下終了後、ジブチル錫ジラウレート0.3gを加え更に55℃で4時間加熱攪拌を行った。反応終了後、反応溶液を5%塩酸100mlで洗浄した。有機層を分取した後、40℃以下で溶媒を減圧留去することで前記構造式(xxv)で示されるロウ状のフッ素化アルキル基含有ウレタンアクリレートを含有し、アクリロイル基とパーフルオロオクチルエチルメルカプタンとの付加反応の位置が前記構造式(xxv)とは異なる化合物を更に含む混合物からなる生成物(A−14)91.4gを得た。生成物のH−NMRでのビニルプロトン(−OCOCH=CH)とエーテル結合炭素(C−CH−O−CH−C)の積分比、及びFT−IRスペクトルより目的物の生成を確認した。
H−NMR:
δ
ビニル基水素
5.85(d, J=10.2Hz, 6H),
6.1(dd, J=10.2, 17.3Hz, 6H),
6.35(d, J=17.3Hz, 6H)
エーテル結合炭素上水素
3.20−3.45(m、 8H)
FT−IR(cm−1):3370、1730、1520、1200
合成例15 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
200ml反応フラスコにトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成株式会社製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)、トリエチルアミン1.0g、酢酸エチル15g溶液に、室温でパーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)を、撹拌しながら滴下した(反応温度は35℃まで上昇した)。投入後、さらに50℃で3時間撹拌し、50℃以下で減圧下、酢酸エチル、トリエチルアミンを留去することで前記構造式(xxvi)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−15)39.4gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.22−2.52(m, 2H)
2.43−3.00(m, 6H)
4.25−4.40(m, 6H)
5.80(d, J=10.0Hz, 2H)
6.05(dd, J=10.0, 17.2Hz, 2H)
6.32(d, J=17.2Hz, 2H)
合成例16 フッ素化アルキル基含有アクリレートの合成 平均付加官能基数1
合成例15においてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(東亜合成株式会社製アロニックスM−315)21.2g(0.05モル)の代わりにEO変性リン酸トリアクリレート15.1g(0.05モル)を、パーフルオロヘキシルエチルメルカプタン19.0g(0.05モル)の代わりにパーフルオロオクチルエチルメルカプタン24.0g(0.05モル)を用いた以外は合成例15と同様にして、前記構造式(xxx)で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレート(A−16)40.0gを得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
H−NMR:
δ
2.30−2.52(m, 2H)
2.43−3.00(m, 6H)
4.10−4.30(m, 6H)
4.30−4.45(m, 6H)
5.82(d, J=10.0Hz, 2H)
6.05(dd, J=10.0, 17.2Hz, 2H)
6.30(d, J=17.2Hz, 2H)
合成例17 フッ素系重合体の合成
攪拌機及び温度計を備えた500mlのガラス製円筒フラスコに、 攪拌機及び温度計を備えた500mlのガラス製円筒フラスコに、CH=CHCOOCHCH17:60.0g、ジシクロペンタニルアクリレート:23.0g、イソボルニルアクリレート:12.0g、ジシクロペンテニルアクリレート:1.0g、及び光開始剤としてB−9(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン):0.15gを採取し、窒素置換しながら、側面から80W/cmの高圧水銀灯を1灯照射することにより、発熱により8℃昇温する迄反応を行って、フッ素系アクリル重合体(F−1)を得た。得られた重合体は、無色透明な粘ちょう液体であった。このもののゲル分率(10倍量のメタノール中への沈殿量)は7.0%であった。
比較合成例1 前記特許文献1の実施例2記載含フッ素多官能アクリレートの合成
水分離管を具備した500ml四つ口フラスコに、トリメチロールプロパン33.5g、パーフルオロオクタン酸103.5g、トルエン50g、シクロヘキサン50gを投入し、濃硫酸2.5gを加え、12時間共沸脱水を行った。4.5gの水生成を確認した後、一旦25℃に冷却し、アクリル酸44.5g、ハイドロキノン0.4gを加え、空気を吹き込みながら更に共沸脱水を行った。9.0gの水生成を確認した後、25℃に冷却した。反応液にトルエンを150g加え、25%水酸化ナトリウム水溶液30gで中和洗浄、さらに20%の食塩水40gで3回洗浄を行った。減圧下、トルエン及びシクロヘキサンを留去して淡黄色液体91gを得た。このものをトルエン150mlに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行った。次いで減圧下、酸素を吹き込みながらウォータバス温度50℃以下でトルエンを留去することで下記構造式で示される前記特許文献1の実施例2記載の含フッ素多官能アクリレート(A’−1)を得た。生成物のH−NMRスペクトルのピーク及び積分値は、合成を支持するものであった。
Figure 0003697636
H−NMR:
δ
0.85(t, J=7.0Hz, 3H),
1.30−1.60(m, 2H),
4.15−4.40(m, 6H),
5.80(d, J=10.2Hz, 3H),
6.0(dd, J=10.2, 17.3Hz, 3H),
6.45(d, J=17.3Hz, 3H)
比較合成例2 前記特許文献2の実施例1記載含フッ素多官能ウレタンアクリレートの合成
冷却器および温度計を具備した200mlフラスコに25℃で、イソホロンジイソシアネート7.5g、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン7.4g、メチルイソブチルケトン30gを順に添加し、引き続き25℃で攪拌した。2時間攪拌した後、さらにジブチル錫ジラウレート0.05gを加え、50℃で2時間攪拌した。次にペンタエリスリトールトリアクリレート16.5gとイソブチルケトン58g混合溶液およびジブチル錫ジラウレート0.04gを添加し、64〜66℃で4時間攪拌した。反応終了後、エバポレーターで溶媒を減圧留去することで下記構造式で示される含フッ素多官能ウレタンアクリレート(A’−2)を得た。得られた含フッ素多官能ウレタンアクリレートのFT−IRスペクトルは、上記特許文献2に準じた吸収を示し、目的物の生成を支持した。
Figure 0003697636
FT−IR(cm−1):3370、1730、1520、1200
比較合成例3 前記特許文献4の実施例1記載の含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステルの合成
撹拌機を備えたフラスコに、含フッ素ジエポキシドCHOCHCH(CFCHCHOCHを0.01mol、蒸留水を0.2mol、触媒として水酸化ナトリウムを0.001mol、溶媒としてテトラヒドロフラン20gを仕込み、油浴中100℃で4時間加熱し加水分解反応を行った。続いて溶媒を除去し、生成物をジエチルエーテルに溶解した後、蒸留水を用いて3回洗浄を行い、触媒を除去した。続いてエーテル層に硫酸マグネシウムを加え12時間放置した後、硫酸マグネシウムを濾別、エーテルを除去し生成物を得た。次に、撹拌機、温度計、滴下漏斗およびガス導入管を備えた三つ口フラスコに、前記生成物をクロロホルム50mlに溶解したものを仕込み、氷温下でメタアクリロイルイソシアナート0.04molをクロロホルム20mlに溶解した溶液を、滴下漏斗から反応溶液の温度が5℃を超えないように滴下した。滴下終了後氷冷のまま2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、前記特許文献4記載の下記構造式で示される生成物(A’−3)を得た。
Figure 0003697636
比較合成例4 前記特許文献5の実施例3記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物の合成
3−(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン1095.5g、アクリル酸235.4g、テトラメチルアンモニウムクロライド5.5g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5gを仕込み、90〜95℃で18時間攪拌し、反応させた。得られた反応液をトルエン2リットルに溶解し、15重量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20重量%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、トルエンを減圧留去して無色透明な液体を得た。得られた液体500.3g、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.3gを仕込み、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート153.7gをゆっくり仕込んで50〜60℃で4時間反応させ、前記特許文献5記載の下記構造式で示される生成物の混合物(A’−4)を得た。
Figure 0003697636
合成例及び比較合成例で得られたフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの1分子中の(メタ)アクリロイル基の数、フッ素含有率(重量%)、及び分子量を表1に示す。
Figure 0003697636
実施例1〜17及び比較例1〜7
前記合成例、比較合成例に従い合成したフッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A−1)〜(A−16)及び、比較用の化合物(A’−1)〜(A’−4)、光重合開始剤としてB−9(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン)、その他の配合剤として、塗膜試験用の組成物には、前記非フッ素多官能性モノマーとしてD−17(トリメチロールプロパントリアクリレート)、D−20(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)を用い、厚み1mm及び5mmの硬化物用の組成物には、前記非フッ素多官能モノマーとしてD−6(ジプロピレングリコールジアクリレート)、D−9(ネオペンチルグリコールジアクリレート)、含フッ素(メタ)アクリレートとしてE−1(CH=CHCOOCHCH17)、及び前記合成例17で得たフッ素系重合体(F−1)を表2記載の配合比で均一になるまで攪拌混合して含フッ素光硬化性組成物を得た。尚、表2中のフッ素含有率は重合開始剤を除く組成物中におけるフッ素原子含有率(重量%)を示す。
Figure 0003697636
試験例1〜9、及び比較試験例1〜3
表2に記載の含フッ素光硬化性組成物(実施例1〜9及び比較例1〜3)を用いてガラステストピース(70mm×150mm×2mm)上にアプリケーター(0.03mm)を用いて塗布し、紫外線硬化により塗膜を作成した(窒素雰囲気、高圧水銀灯、120W、10kJ/m)。得られた塗膜について以下の評価を行った。結果を表3に示す。
<接触角測定>
協和界面科学社製自動接触角測定装置CA−W150を用いて、水、ジヨードメタン、およびノルマルドデカンの接触角を測定した。
<鉛筆硬度>
鉛筆硬度試験機(ヨシミツ精機社性、モデルC221A)を用いて評価を行った。
耐加水分解性試験として、耐湿熱性試験を行った。前記で得られた塗膜を70℃、98%RHにて500時間放置し、表面の水分を除去した後、室温(25℃)になるまで放冷してから、前記と同様にして水、ジヨードメタン、およびノルマルドデカンの接触角を測定した。
Figure 0003697636
試験例10〜17、及び比較試験例4〜7
下記のサイズの硬化試験片が取れるような注型枠をガラス板を用いて作成し、各組成物中に気泡が混入しないように注入した後、ガラス板で覆い、紫外線硬化により硬化物を作製した(窒素雰囲気、高圧水銀灯、120W、10kJ/m)。得られた硬化物(板)から屈折率試験用に、10mm×40mm×1mmの試験片を、ショアD硬度試験用に15mm×15mm×5mmの試験片を切り出し、それぞれの試験を行った。結果を表4に示す。尚、屈折率はアッベ屈折率計にて測定した450nmにおける値である。
耐加水分解性試験として、耐湿熱性試験を行った。前記で得られた硬化物を70℃、98%RHにて500時間放置し、その後の硬化物のショアD硬度及び屈折率を測定した。又、450nmにおける透過率を測定し、初期値に対する透過率の維持率を評価した。尚、透過率の維持率は下式により算出した。
(透過率の維持率)=(耐湿熱試験後の透過率)/(初期の透過率)×100
Figure 0003697636

Claims (8)

  1. フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)と光重合開始剤(B)とを含有する含フッ素光硬化性組成物であり、該フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)が下記一般式(1)
    Figure 0003697636
    〔式(1)中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはヘテロ原子を有していても良いアルキレン鎖、又は下記一般式(2)
    Figure 0003697636
    {式(2)中、Yは酸素原子又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていても良い1〜4の整数であり、Rfはフッ素化アルキル基である。}
    で表される連結基であり、Rfはフッ素化アルキル基である。〕
    で表される末端にフッ素化アルキル基を有する官能基(A−i)と、2個以上の(メタ)アクリロイル基(A−ii)とを有し、且つ1分子中のフッ素原子含有率が25重量%以上で分子量が500〜4000の(メタ)アクリレートであることを特徴とする含フッ素光硬化性組成物。
  2. 前記一般式(1)中のXが下記一般式(3)
    −(CH−Z−(CH− (3)
    〔式(3)中、Zは水素原子若しくは炭素数1〜24のアルキル基を有する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−SO−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pは0〜4の整数であり、qは0又は1であり、rは0〜20の整数であり、且つ1≦p+r≦20である。〕
    で表されるアルキレン鎖である請求項1記載の含フッ素光硬化性組成物。
  3. 前記一般式(1)中のXが前記一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、Zが水素原子若しくは炭素数1〜24のアルキル基を有する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−SO−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)であり、pが1であり、qが1であり、rが0〜19の整数である。〕、或いは、前記一般式(2)で表される連結基〔但し、Rfが−C2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfが、Rfと同一又は異なる−C2n+1(nは1〜20の整数である。)である請求項1又は2記載の含フッ素光硬化性組成物。
  4. 前記一般式(1)中のXが、前記一般式(3)で表されるアルキレン鎖〔但し、Zが水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を有する窒素原子、硫黄原子、又は−NR−SO−(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)、或いは、前記一般式(2)で表される連結基〔但し、Yが硫黄原子であり、Rfの炭素数nが4、6、又は8である。〕であり、且つ前記一般式(1)中のRfの炭素数nが4、6、又は8である請求項3記載の含フッ素光硬化性組成物。
  5. フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレート(A)が、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、下記一般式(4)
    Rf(CHZH (4)
    〔式(4)中、rは0〜20の整数であり、Rfは−C2n+1(nは1〜20の整数である。)であり、Zは水素原子若しくは炭素数1〜24のアルキル基を有する窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は−SO−NR−(Rは水素原子、又は炭素数1〜24のアルキル基である。)である。〕
    で表される化合物、又は下記一般式(5)
    Figure 0003697636
    〔式(5)中、Yは酸素原子、又は硫黄原子であり、mとnは同一でも異なっていても良い1〜4の整数であり、RfとRfは同一でも異なっていても良い−C2n+1(nは1〜20の整数である。)である。〕
    で表される化合物(a2)とを、前記化合物(a1)1モルに対して、前記化合物(a2)を1.0〜(k−2)モル〔kは前記化合物(a1)1分子中の平均(メタ)アクリロイル基数〕の割合でマイケル付加反応させて得られる化合物である請求項1記載の含フッ素光硬化性組成物。
  6. 前記化合物(a2)が、前記一般式(4)で表される化合物〔但しZが、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を有する窒素原子、硫黄原子、又は−SO−NR−(Rは炭素数1〜6のアルキル基である。)であり、Rf中の炭素数nが4、6又は8である〕、或いは、前記一般式(5)で表される化合物(但し、Yが硫黄原子であり、Rf及びRf中の炭素数nが4、6、又は8である。)である請求項5記載の含フッ素光硬化性組成物。
  7. 3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が下記一般式(6)
    Figure 0003697636
    〔式(6)中、Rは水酸基、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルキルカルボニルオキシ基、CH=CHCOCH−、CH=C(CH)COCH−、繰り返し数が1以上で末端が水素原子若しくは炭素数1〜18のアルキル基で封鎖された(ポリ)オキシアルキレン基、又は炭素数1〜12のアルキロール基であり、Rは(メタ)アクリロイル基である。〕
    で表される化合物(a1−1)、
    下記一般式(7)
    Figure 0003697636
    (式中、Rは(メタ)アクリロイル基であり、Rは水素原子、又は炭素数1〜18のアルキルカルボニル基であり、mは3〜6の整数であり、nは0〜3の整数であり、且つm+n=6である。)
    で表される化合物(a1−2)、ウレタン(メタ)アクリレート(a1−3)、シアヌレート環含有トリ(メタ)アクリレート(a1−4)、又はリン酸トリ(メタ)アクリレート(a1−5)である請求項5又は6記載の含フッ素光硬化性組成物。
  8. 3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)が、前記一般式(6)〔但し、Rが炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、CH=CHCOCH−、CH=C(CH)COCH−、若しくは炭素数1〜3のアルキロール基である。〕で表される化合物、
    前記一般式(7)〔但し、Rが水素原子若しくは炭素数1〜12のアルキルカルボニル基である。〕で表される化合物、
    又は2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する水酸基含有(メタ)アクリレート(x1)と脂環構造を有するイソシアネート化合物(x2)とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである請求項7記載の含フッ素光硬化性組成物。
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