JP6219083B2 - 耐熱性および寸法精度に優れる硬化物を形成する光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

耐熱性および寸法精度に優れる硬化物を形成する光硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、特定のウレタン化アクリル化合物を含有する光硬化性樹脂組成物、当該光硬化性樹脂組成物に用いる従来にない新規なウレタン化アクリル化合物およびその製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上有する新規なウレタン化アクリル化合物を含有する光硬化性樹脂組成物、当該光硬化性樹脂組成物に用いる新規なウレタン化アクリル化合物およびその製造方法に関するものであり、本発明の光硬化性樹脂組成物は常温で液状を呈し取り扱い性に優れ、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物を形成することができ、しかも本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化して得られる硬化物は、耐熱性、硬度、力学的特性などに優れていて種々の用途に有効に用いることができる。
光硬化性樹脂は、ハードコートなどの被覆材、ホトレジスト、成形体や立体造形物の製造など、種々の用途に広く用いられている。
ウレタン化アクリル化合物は、代表的な光硬化性樹脂の1つであり、用途の拡大などに伴って、ウレタン化アクリル化合物を含有する光硬化性樹脂組成物に対しても、光硬化時の収縮が小さいこと、光硬化して得られる硬化物が耐熱性、硬度、力学的特性などに優れることなどが求められている。
耐熱性の向上した光硬化物を形成するウレタン化アクリル化合物含有光硬化性樹脂組成物としては、イソシナヌレート環を導入したウレタン化アクリル化合物を含有する光硬化性樹脂組成物(特許文献1)、ウレタン化アクリル化合物中の(メタ)アクリル基数を多くすることで光硬化性樹脂組成物の二重結合濃度を高くして光硬化反応により得られる硬化物の架橋密度を大きくして光硬化物の耐熱性および硬度を向上させるようにしたもの(特許文献2、3)などが知られている。
これらの従来技術による場合は、光硬化物の耐熱性は向上するが、光硬化時の収縮が大きくなり易く、特に光硬化性樹脂組成物中の二重結合濃度を高くして架橋密度を大きくすることによって耐熱性を向上させた場合には、光硬化時の収縮が大きくなって生成する光硬化物の寸法精度の低下、光硬化物が皮膜である場合には基材との接着不良などが生じ易いものであった。
そのような状況下において、本発明者らは、従来にない新規なウレタン化アクリル化合物を合成し、当該ウレタン化アクリル化合物を用いて光硬化性樹脂組成物を調製したところ、当該光硬化性樹脂組成物は光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物を形成することができ、しかも光硬化して得られる硬化物は耐熱性にも優れるものであった(特許文献4)。
光硬化性樹脂組成物の用途の拡大、光硬化性樹脂組成物に対する要求物性の高度化や多様化などに伴って、ウレタン化アクリル化合物およびそれを含有する光硬化性樹脂組成物においても、耐熱性、光硬化時の低収縮性、高硬度などの様々な特性を併せ持つ多様な光硬化性樹脂組成物が求められている。
特開平6−128342号公報 特開平9−227640号公報 特開2000−204125号公報 特許第4021347号公報
本発明の目的は、常温で液状を呈し取り扱い性に優れ、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物を形成でき、しかも耐熱性に優れ、硬度が高くて耐傷つき性に優れ、更に力学的特性などにも優れる光硬化物を形成することのできる、ウレタン化アクリル化合物含有光硬化性樹脂組成物を提供することである。
そして、本発明の目的は、当該光硬化性樹脂組成物の調製に有効なウレタン化アクリル化合物およびその製造方法を提供することである。
上記の目的を達成すべく本発明者らは研究を重ね、その一環として、従来にない新しいウレタン化アクリル化合物を製造した。そして、当該新規なウレタン化アクリル化合物を用いて光硬化性樹脂組成物を調製し、当該光硬化性樹脂組成物を光硬化させて硬化物を形成したところ、当該光硬化性樹脂組成物は、常温で液状を呈し取り扱い性に優れており、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物を形成することができ、しかも当該光硬化性樹脂組成物を光硬化して得られる硬化物は、熱変形温度が高くて耐熱性に優れること、各種基材との接着性に優れていて各種基材に強固に接着すること、硬度が高く、傷つきにくいことなどを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 下記の一般式(I);
Figure 0006219083
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aは1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)および光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
そして、本発明は、
(2) 前記ウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物(II)を更に含有する前記(1)の光硬化性樹脂組成物である。
また、本発明は、
(3) 上記の一般式(I)におけるAが、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれるエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基である前記(1)または(2)の光硬化性樹脂組成物である。
また、本発明は、
(4) Dが、ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート体残基である前記(1)〜(3)のいずれかの光硬化性樹脂組成物;および、
(5) イソシアヌレート体残基が、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、またはメチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートのイソシアヌレート体残基である前記(4)の光硬化性樹脂組成物;
である。
さらに、本発明は、
(6) 下記の一般式(I)
Figure 0006219083
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aは1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合また2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)である。
そして、本発明は、
(7) 下記の一般式(i−a);
Figure 0006219083
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または3である。]
で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)と、下記の一般式(i−b);
Figure 0006219083
(式中、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基を示し、bは1または2である。)
で表されるポリイソシアネート化合物(i−b)を反応させて、下記の一般式(i−c);
Figure 0006219083
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または2、bは1または2である。)
で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)をつくり、当該イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させて得られた下記の一般式(i−d);
Figure 0006219083
[式中、R2は水素原子またはメチル基、Aは1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分および水酸基部分を除いた残基を示し、eは0、1、2、3または4、gは1〜8の整数である。]
で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)と反応させて、下記の一般式(I);
Figure 0006219083
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aは1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を製造する方法。
方法である。
本発明のウレタン化アクリル化合物(I)は、上記の一般式(I)にみるように、3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、しかも当該3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基の全てが分子末端だけに存在せずに、3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基のうちの一部がウレタン結合を介することなく基Aに近い位置[ウレタン化アクリル化合物(I)分子の中央に近い位置]に存在し、残りの(メタ)アクリロイルオキシ基がウレタン結合を介してウレタン化アクリル化合物(I)の分子末端に存在していて、重合性(架橋性)の(メタ)アクリロイルオキシ基がウレタン化アクリル化合物(I)分子の全体に分布している。
そのため、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化させると、硬化物全体に架橋点が均一またはほぼ均一に分布した架橋構造(重合構造)が形成されるため、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物(光硬化膜、成形品、立体造形物など)を形成することができ、しかもそれにより得られる光硬化物は局部的な欠陥がなくて光硬化物全体での物性の均一性に優れており、それに伴って高い熱変形温度を有し耐熱性に優れ、硬度が高くて耐傷つき性に優れ、しかも力学的特性などにも優れている。
本発明のウレタン化アクリル化合物(I)は、常温(25℃)で液状を呈しているため取り扱い性に優れており、ウレタン化アクリル化合物(I)を用いて、有機溶剤を含有しない非溶剤型光硬化性樹脂組成物および有機溶剤を含有する溶剤型光硬化性樹脂組成物のいずれもが調製可能である。
ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、各種基材との接着性に優れていて各種基材に強固に接着し、しかも硬度が高くて耐傷つき性に優れており、耐候性に優れていて黄変などの変色を生じにくい。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の光硬化性樹脂組成物に用いるウレタン化アクリル化合物(I)は、下記の一般式(I)で表され、アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基を両者の合計で1分子当り3個以上有する。
ウレタン化アクリル化合物(I)では、下記の一般式(I)にみるように、3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基のうちの一部の(メタ)アクリロイルオキシ基はウレタン結合を介してウレタン化アクリル化合物(I)の分子末端に結合し、残りの(メタ)アクリロイルオキシ基はウレタン結合を介さずにグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分の形態をなして酸素原子を介して残基Aに直接結合している。
Figure 0006219083
上記の一般式(I)において、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基である。上記の一般式(I)において、R3が水素原子で、Eが直接結合で、aが2であるときは、2個のR1の両方がメチル基であるかまたは2個のR1の一方が水素原子でもう一方がメチル基であることが好ましい。R3が水素原子で、Eが直接結合でaが2であるウレタン化アクリル化合物(I)は、グリセリンジ(メタ)アクリレートを原料化合物として用いて製造されるが、グリセリンジアクリレート(R1の両方が水素原子)は発癌性、皮膚刺激性のある有毒物であるため使用しないことが好ましく、かかる点がR1の一方が水素原子でもう一方がメチル基であるか、またはR1の両方がメチル基であることが好ましい。グリセリンジ(メタ)アクリレート以外のジ(メタ)アクリレートを用いる場合(図が2のとき)は、2つのR1は共に水素原子であっても、共にメチル基であっても、または一方が水素原子でもう一方がメチル基であってもいずれでもよい。
上記の一般式(I)において、R3は水素原子または炭素数1〜4(具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基)であり、水素原子、メチル基、エチル基であることが、合成の容易さの点から好ましい。
上記の一般式(I)において、Aは、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸残りの一方または両方を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基(残りの部分)を示す。
なお、上記の一般式(I)において、エポキシ(メタ)アクリレート体における前記した「グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分」とは、上記の一般式(I)において、残基Aに結合している3種類の基(上段、中段および下段の基)のうちの上段の基[ウレタン結合を介して末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が結合している基]中の、残基Aに隣接する式「−O−CH2−CH{−CH2−O−CO−C(R2)=CH2}−O−」で表される構造部分および下段の基[すなわち、残基Aに直接結合している式「−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−C(R2)=CH2で表される構造部分」をいう。
また、上記の一般式(I)において、エポキシ(メタ)アクリレート体における前記した「イソシアネート基と反応した水酸基部分」とは、上記の一般式(I)において、中段の基「A−O−CO−NH−D−・・・」においてアンダーラインで示した酸素原子部分(イソシアネート基と反応してウレタン結合を形成している、上記の一般式(I)において向かって左側の酸素原子部分)をいう。
残基Aは、基中に未反応のグリシジル基やその他のエポキシ基を有していてもよいが、未反応のエポキシ基を有していないことが、ウレタン化アクリル化合物(I)の合成の容易性、硬化膜の硬度、長期保存安定性などの点から好ましい。そのため、上記の一般式(I)において、残基Aは、下記の一般式(i−e):
(G)g−A’−(OH)e (i−e)
(式中、A’はエポキシ化合物中のグリシジル基などのエポキシ基部分を除いた残基、Gはグリシジルオキシ基、eは0、1、2、3または4、gは1〜8の整数を示す。)
で表される1〜8個のグリシジル基を有し、0〜4個の水酸基を有するグリシジルエーテル型エポキシ化合物の全てのグリシジル基(g個のグリシジル基)が(メタ)アクリル酸と反応して(メタ)アクリル酸エステル結合を形成しているエポキシ(メタ)アクリレート体の残基A’であることが好ましい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート体を形成するための上記の一般式(i−e)で表されるグリシジルエーテル型エポキシ化合物は、常温で液状を呈するウレタン化アクリル化合物(I)を得るために、脂肪族ポリオールのモノグリシジルエーテルまたはポリグリシジルエーテルであることが好ましい。
芳香族ポリオールのグリシジルエーテルから形成したエポキシ(メタ)アクリレート体を用いて得られるウレタン化アクリル化合物は、粘度が高すぎたり、常温で固体状を呈し、取り扱い性に劣る。
限定されるものではないが、上記の一般式(I)における残基Aの具体例としては、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれるエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基などを挙げることができる。
そのうちでも、残基Aは、直鎖状または分岐状の飽和脂肪族炭化水素基であることが、ウレタン化アクリル化合物(I)を製造するための原料化合物[特にグリシジルエーテル型エポキシ化合物]の入手容易性、ウレタン化アクリル化合物(I)の合成の容易性、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する光硬化性樹脂組成物の粘度や取り扱い性、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する光硬化性樹脂組成物の光硬化時の収縮防止性、光硬化性樹脂組成物を光硬化して得られる硬化物の寸法精度、耐熱性、力学的特性、硬度などの点から好ましい。
また、上記の一般式(I)において、Dは、ジイソシアネート残基[一般式(I)においてbが1のとき]またはトリイソシアネート残基[一般式(I)においてbが2のとき]である。
残基Dが由来するジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物の種類は特に制限されず、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、芳香族トリイソシアネートのいずれであってもよい。
残基Dの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物から2個のイソシアネート基を除いた残基を挙げることができる。
また、残基Dは、ジイソシアネート化合物の3量体である下記の一般式(α−i);
Figure 0006219083
(式中、R4、R5、R6は脂肪族または芳香族の2価の炭化水素基を示す。)
で表されるイソシアヌレート体(イソシアヌレート環を有するトリイソシアネート化合物)に由来する、下記の一般式(α);
Figure 0006219083
(式中、R4、R5、R6は前記と同じ基を示す。)
で表される基であってもよい。
ウレタン化アクリル化合物(I)における複数の残基Dは、同じであってもまたは異なっていてもよい。
そのうちでも、残基Dとしては、光硬化性樹脂組成物を光硬化したときの収縮がより小さくなり、しかも耐熱性、反応性、取り扱いの容易さなどにより優れる光硬化物が得られる点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、メチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)の残基であることが好ましい。
そのため、残基Dがイソシアヌレート環を有する上記の一般式(α)で表される基である場合には、一般式(α)における基R4、R5およびR6は、ヘキサメチレン基であるか(残基Dがヘキサメチレンジイソシアネートの3量体に由来する基である場合)、メチレンビスシクロヘキシル基であるか[残基Dがメチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートの3量体に由来する基である場合]、下記の式(β)で表される基である(残基Dがイソホロンジイソシアネートの3量体に由来する基である場合)ことが好ましい。下記の式(β)で表される基では、向かって左側の結合手(シクロヘキサン環に直接結合した結合手)および向かって右側の結合手(メチレン基を介してシクロヘキサン環に結合した結合手)のうち、向かって左側の結合手がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合していてもよいし、または向かって右側の結合手がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合していてもよい。
Figure 0006219083
上記の一般式(I)において、Eは直接結合(−)であるかまたは2価の脂肪族炭化水素基である。
Eが2価の脂肪族炭化水素基である場合の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキサメチレン基などの炭素数1〜6のアルキレン基などを挙げることができる。Eが炭素数3〜6のアルキレン基である場合は直鎖状のアルキレン基であってもまたは分岐鎖状のアルキレン基であってもいずれでもよい。
そのうちでも、Eは、直接結合、メチレン基、エチレン基、直鎖状または分岐状のプロピレン基であることが、ウレタン化アクリル化合物(I)の製造の容易性、反応性、硬化膜の硬度などの点から好ましい。
上記の一般式(I)において、aは1、2または3、bは1または2である。
また、上記の一般式(I)において、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって、且つdとeの合計が2、3または4で、dとfの合計が1以上の整数である。
ウレタン化アクリル化合物(I)は、分子の末端にウレタン結合を介して式「−E−C(R33-a−CH2−O−CO−C(R1)=CH2」(式中、R1、R3、Eおよびaは前記と同じ)で表される基を2個以上有し、しかも分子の中心に近い部分に残基Aに結合した1個以上の式「−O−CH2−CH(−)−CH2−O−CO−C(R2)=CH2」(式中、R2は前記と同じ)で表される基および/または式「−O−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−C(R2)=CH2」(式中、R2は前記と同じ)で表される基を有し、重合性(架橋性)の(メタ)アクリロイルオキシ基がウレタン化アクリル化合物(I)分子の全体に分布している。
そのため、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化させると、硬化物全体に架橋点が均一またはほぼ均一に分布した架橋構造(重合構造)が形成されるため、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物(光硬化膜、成形品、立体造形物など)を形成することができ、しかもそれにより得られる光硬化物は局部的な欠陥がなくて光硬化物全体での物性の均一性に優れており、それに伴って高い熱変形温度を有し耐熱性に優れ、硬度が高くて耐傷つき性に優れ、しかも力学的特性などにも優れている。
上記の一般式(I)で表されるウレタン化アクリル化合物(I)においては、aが1、2、3、bが1または2で、dが1、2、3、eが0、1、2または3、fが0、1、2または3、dとeの合計が2、3または4、dとfの合計が1、2、3または4であることが、ウレタン化アクリル化合物(I)を製造するための原料化合物の入手容易性、ウレタン化アクリル化合物(I)の合成の容易性、ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する光硬化性樹脂組成物の粘度、硬化膜の硬度、耐熱性、力学特性などの点から好ましい。
限定されるものではないが、ウレタン化アクリル化合物(I)の代表例として、以下の式《1》〜《24》で表されるウレタン化アクリル化合物を挙げることができる。
下記の式中、A、E、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびaは上記と同じであり、R7はジイソシアネート残基である。
Figure 0006219083
Figure 0006219083
Figure 0006219083
Figure 0006219083
Figure 0006219083
Figure 0006219083
上記した式《1》〜《12》で表されるウレタン化アクリル化合物において、イソシアヌレート環を形成する窒素原子に結合した基R4、R5およびR6は、ヘキサメチレン基であるか(ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体よりなるトリイソシアネート残基である場合)、メチレンビスシクロヘキシル基であるか[メチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートの3量体よりなるトリイソシアネート基である場合]、上記の式(β)で表される基である(イソホロンジイソシアネートの3量体よりなるトリイソシアネート基である場合)ことが好ましい。基R4、R5およびR6が上記の式(β)で表される基である場合には、前記と同様に、向かって左側の結合手(シクロヘキサン環に直接結合した結合手)および向かって右側の結合手(メチレン基を介してシクロヘキサン環に結合した結合手)のうち、向かって左側の結合手がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合していてもよいし、または向かって右側の結合手がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合していてもよい。
上記の式《13》〜《24》で表されるウレタン化アクリル化合物において、ジイソシアネート残基R7の好ましい例としては、イソホロンジイソシアネート残基、ヘキサメチレンジイソシアネート残基、メチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート残基などを挙げることができる。
ウレタン化アクリル化合物の製法としては、下記の一般式(i−a);
Figure 0006219083
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または3である。]
で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)と、下記の一般式(i−b);
Figure 0006219083
(式中、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基を示し、bは1または2である。)
で表されるポリイソシアネート化合物(i−b)を反応させて、下記の一般式(i−c);
Figure 0006219083
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または2、bは1または2である。)
で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)をつくり、当該イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは水酸基を持たないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて得られた下記の一般式(i−d);
Figure 0006219083
[式中、R2は水素原子またはメチル基、Aは1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分および水酸基部分を除いた残基を示し、eは0、1、2、3または4、gは1〜8の整数である。]
で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)と反応させて、下記の一般式(I);
Figure 0006219083
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Aは1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは有しないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基を示し、aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を製造する本発明の製造方法が好ましく採用される。
上記の一般式(i−a)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールなどの炭素数1〜8の脂肪族ジオールのモノ(メタ)アクリ酸エステル、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの脂肪族トリオールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
上記の一般式(i−b)で表されるポリイソシアネート化合物(i−b)の具体例としては、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−フェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、これらのジイソシアネート化合物の3量体化したイソシアヌレート体からなるトリイソシアネート化合物などを挙げることができる。
そのうちでも、ポリイソシアネート化合物(i−b)としては、光硬化性樹脂組成物を光硬化したときの収縮がより小さくなり、しかも耐熱性、取り扱いの容易さ、硬化膜の硬度などにより優れる光硬化物が得られる点から、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)が好ましく用いられる。
上記の一般式(i−c)で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)の製造に当たっては、ポリイソシアネート化合物(i−b)がジイソシアネート化合物である場合は、ジイソシアネート化合物1モルに対して水酸基含有有する(メタ)アクリレート化合物(i−a)を1モルまたはほぼ1モル、特にジイソシアネート化合物:水酸基含有有する(メタ)アクリレート化合物(i−a)=1:0.9〜1.2のモル比で用いることが好ましい。また、ポリイソシアネート化合物(i−b)がトリイソシアネート基化合物である場合は、トリイソシアネート化合物1モルに対して水酸基含有有する(メタ)アクリレート化合物(i−a)を2モルまたはほぼ2モル、特にトリイソシアネート化合物:水酸基含有有する(メタ)アクリレート化合物(i−a)=1:1.8〜2.4のモル比で用いることが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)とポリイソシアネート化合物(i−b)の反応は、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸鉛、酢酸カリウム、有機チタン、有機ジルコニウム、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロウンデセン、テトラアルキレンジアミン、トリエチルホスフィンなどのウレタン化触媒を用いて行うことがウレタン化反応の促進の点から好ましく、その際に必要に応じて(メタ)アクリレート基の重合禁止剤(例えば、メチルヒドロキノン、ヒドロキノンなど)を更に用いてもよい。
水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)とポリイソシアネート化合物(i−b)の反応に当たっては、一般に50〜150℃、特に70〜120℃の温度が好ましく採用される。
上記の一般式(i−d)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)は、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは水酸基を持たないグリシジルエーテル型エポキシ化合物にアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方を反応させて、グリシジルエーテル型エポキシ化合物中のグリシジル基(エポキシ基)を(メタ)アクリル酸エステル基に転換して得られた化合物である。
エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造に当たっては、グリシジルエーテル型エポキシ化合物中のグリシジル基の全てをアクリル酸および/またはメタクリル酸によってエステル化することが好ましく、そのために、一般的にはグリシジルエーテル型エポキシ化合物中のエポキシ基(グリシジル基)1個(1当量)に対して、アクリル酸および/またはメタクリル酸を1個(1モル)またはほぼ1個(1モル)の割合で反応させることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどの炭素数1〜10の脂肪族ジオールのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した炭素数1〜10の脂肪族ジオールのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;グリセリン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ヘプタントリオール、オクタントリオール、デカンジオールなどの炭素数1〜10の脂肪族トリオールのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族トリオールのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族トリオールのトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールなどの脂肪族テトラオールのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族テトラオールのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族テトラオールのトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールなどの脂肪族テトラオールのテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレートなどの脂肪族ペンタオールのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ペンタオールのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ペンタオールのトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ペンタオールのテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ペンタオールのペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールなどの脂肪族ヘキサオールのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ヘキサオールのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ヘキサオールのトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;前記した脂肪族ヘキサオールのテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ヘキサオールのペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート;前記した脂肪族ヘキサオールのヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれるエポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
本発明では、ウレタン化アクリル化合物(I)の製造に当たって、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)として、前記したエポキシ(メタ)アクリレートの1種または2種以上を用いることができる。
そのうちでも、本発明では、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)として、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基の全てに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレートなどが、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の入手が容易であり、しかもウレタン化アクリル化合物(I)を含有する光硬化性樹脂組成物が寸法精度に優れ、硬化膜の耐溶剤性が良好なことから好ましく用いられる。
上記の一般式(i−d)で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造に当たっては、1個以上のグリシジルエーテル基を有し、水酸基を有するかまたは水酸基を持たないグリシジルエーテル型エポキシ化合物とアクリル酸およびメタクリル酸の一方または両方との反応を、必要に応じて、トリフェニルホスフィン、4級アンモニウム塩、3級アミンなどのエステル化触媒の存在下で行ってもよく、エステル化触媒を用いると、グリシジルエーテル型エポキシ化合物とアクリル酸および/またはメタクリル酸との反応が促進される。
また、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造反応を重合禁止剤(例えば、メチルイドロキノン、ヒドロキノン など)の存在下で行うことが好ましい。
また、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の製造反応を反応液中に空気を吹き込みながら行うと、ポリマー成分の生成を抑制することができ好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)とイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を反応させてウレタン化アクリル化合物(I)を製造するに当たっては、エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)中の水酸基(イソシアネート反応性の水酸基)の量に対するイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)の使用量を変化・調整することによって、上記の一般式(I)におけるd、eおよびfの数値が変化した種々のウレタン化アクリル化合物(I)が得られる。
一般的には、[エポキシ(メタ)アクリレート(i−d)が有するイソシアネート反応性水酸基の合計]:[イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)中のイソシアネート基]のモル比(当量比)が、1:0.1〜1であることが好ましく、1:0.1〜1であることがより好ましく、1:0.1〜0.3であることが更に好ましい。
前記範囲から外れてイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)の使用割合が多すぎると、未反応のイソシアネート基が残り、ウレタン化アクリル化合物(I)の安定性の低下、硬化物の濁りなどが生ずる。一方、前記範囲から外れてイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)の使用割合が少なすぎると、硬化物の強度不足になり易い。
イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)とエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の反応は、溶媒を用いずに行ってもよいが、非反応性の有機溶媒(例えば、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、など)中で行うことが、反応の円滑な進行、塗工性などの点から好ましい。その際の有機溶媒の使用量は、イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)とエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の合計100質量部に対して、5〜95質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)とエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)の反応は、ウレタン化触媒の存在下で行うことが好ましく、また反応温度としては一般に50〜150℃、特に70〜120℃の温度が好ましく採用される。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ウレタン化アクリル化合物(I)として、上記の一般式(I)の範疇に含まれる1つのウレタン化アクリル化合物(I)のみを含有してもよいし、または上記の一般式(I)の範疇に含まれる2つ以上のウレタン化アクリル化合物(I)を含有していてもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ラジカル重合化合物として、ウレタン化アクリル化合物(I)のみを含有してもよいし、またはウレタン化アクリル化合物(I)と共に、ウレタン化アクリル化合物(I)以外の他のラジカル重合性化合物(II)[以下、「他のラジカル重合性化合物(II)」ということがある]を含有していてもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共に他のラジカル重合性化合物(II)を含有する場合は、他のラジカル重合性化合物(II)として、光照射を行った際にウレタン化アクリル化合物(I)と反応するかおよび/またはラジカル重合性化合物(II)同士が反応して硬化物を形成することのできる炭素―炭素間不飽和結合を有するラジカル重合性化合物であればいずれも用いることができ、そのうちでも(メタ)アクリル化合物および/またはアリル系化合物が好ましく用いられる。
他のラジカル重合性化合物(II)は、単官能性化合物のみを使用しても、多官能性化合物のみを使用しても、または単官能性化合物と多官能性化合物を併用してもよい。
また、他のラジカル重合性化合物(II)は、低分子量のモノマー、オリゴマーまたはある程度分子量の大きな化合物であってもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、他のラジカル重合性化合物(II)として、1種類のラジカル重合性化合物のみを含有していてもよいし、または2種類以上のラジカル重合性化合物を含有していてもよい。
限定されるものではないが、本発明の光硬化性樹脂組成物で用い得る他のラジカル重合性化合物(II)の具体例としては、エチレングリコール(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどのモノ(メタ)アクリレート類、モルホリン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルカプロラクトン、スチレンなどの単官能性ラジカル重合性化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、エトキシ化変性ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化変性ビスフェノールAジアクリレートなどの2個以上の不飽和基を有する多官能ラジカル重合性化合物;ウレタン化アクリル化合物(I)以外のウレタン化アクリル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート以外のエステル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、他のラジカル重合性化合物(II)として、上記したラジカル重合性化合物の1種または2種以上を用いることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共に他のラジカル重合性化合物(II)を含有する場合は、他のラジカル重合性化合物(II)として、モノホリン(メタ)アクリルアミドおよび/またはジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレートが、光で硬化した際に体積収縮がより小さくて寸法安定性により優れるようになり、しかも光硬化して得られる硬化物の耐熱性および力学的特性がより良好になることから好ましく用いられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物がウレタン化アクリル化合物(I)と共に他のラジカル重合性化合物(II)を含有する場合は、ウレタン化アクリル化合物(I)と他のラジカル重合性化合物(II)を、ウレタン化アクリル化合物(I):他のラジカル重合性化合物(II)=90:10〜10:90の質量比で含有することが好ましく、80:20〜20:80の重量比で含有することがより好ましい。
ウレタン化アクリル化合物(I)と他のラジカル重合性化合物(II)を前記した重量比で含有することによって、光硬化して得られる硬化物の耐熱性、硬度、力学的特性などが優れたものとなる。
ウレタン化アクリル化合物(I)の含有割合が前記した範囲よりも少ないと[他のラジカル重合性化合物(II)の含有割合が前記範囲よりも多いと]、光硬化して得られる硬化物の耐熱性、硬度、力学的特性などが低下し易くなり、また硬化物の収縮が大きくなることがある。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、光重合性化合物として、ウレタン化アクリル化合物(I)だけを含有してもよいし、ウレタン化アクリル化合物(I)と他のラジカル重合性化合物(II)だけを含有してもよいし、或いはウレタン化アクリル化合物(I)と共に、またはウレタン化アクリル化合物(I)および他のラジカル重合性化合物(II)と共に、エポキシ化合物、オキセタン化合物、その他のカチオン重合性化合物の1種または2種以上を含有していてもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、ウレタン化アクリル化合物(I)と共に、またはウレタン化アクリル化合物(I)および他のラジカル重合性化合物(II)と共に、光ラジカル重合開始剤を含有する。
光重合開始剤(III)としては、ラジカル重合性化合物を含有する光硬化性樹脂組成物において従来から用いられている光ラジカル重合開始剤であればいずれも使用でき特に制限されない。
特定されるものではないが、本発明の光硬化性樹脂組成物で用い得る光ラジカル重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、2−ヒドロキシメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−アジドベンザルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトノ、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ミヒラースケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾールなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
光ラジカル重合開始剤の使用量は、光硬化性樹脂組成物に含まれるラジカル重合性化合物の合計質量に基づいて、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物が、ウレタン化アクリル化合物(I)と共に、またはウレタン化アクリル化合物(I)および他のラジカル重合性化合物(II)と共に、カチオン重合性化合物を更に含有する場合は、光カチオン重合開始剤を更に含有させる。その際の光カチオン重合開始剤としては、カチオン重合性化合物を含有する光硬化性樹脂組成物において従来から用いられている光カチオン重合開始剤のいずれもが使用できる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、溶媒を含有しない非溶媒型の光硬化性樹脂組成物であってもよいし、または有機溶媒を含有する溶媒型光硬化性樹脂組成物であってもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物が溶媒型光硬化性樹脂組成物である場合には、光硬化性樹脂組成物の光硬化特性、得られる光硬化物の物性などを損なわない有機溶媒であればいずれも使用でき、本発明の光硬化性樹脂組成物で用い得る有機溶媒の例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
有機溶媒を使用する場合の使用量は、光硬化性樹脂組成物に含まれる重合性化合物の合計質量に基づいて、0.1〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記した成分以外にも必要に応じて他の成分を含有することができ、当該他の成分としては、例えば、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子改質剤、有機可塑剤、有機または無機の固体微粒子などを挙げることができ、これらの11種または2種以上を必要に応じて含有することができる。
前記した有機固体微粒子の例としては、架橋ポリスチレン系微粒子、架橋型ポリメタクリレート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリプロピオン系微粒子などを挙げることができ、また無機固体微粒子の例としてはガラスビーズ、タルク微粒子、酸化ケイ素微粒子などを挙げることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物に有機固体微粒子および/または無機固体微粒子を含有させる場合は、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシランなどのシラン系カップリング剤で処理したものを用いると、光硬化して得られる硬化物の機械的強度が向上することが多く好ましい。シラン系カップリング剤処理を施したポリエチレン系固体微粒子および/またはポリプロピレン系固体微粒子を含有させる場合は、アクリル酸系化合物を1〜10質量%程度共重合させたポリエチレン系固体微粒子および/またはポリプロピレン系固体微粒子を用いると、シラン系カップリング剤との親和性が高くなるので好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物の粘度は用途や使用態様などに応じ調節し得るが、一般的は回転式B型粘度計を用いて測定したときに、常温(25℃)おいて100〜500000mPa・s程度の粘度を有することが取り扱い性、製膜性、成形性、立体造形性などの点から好ましく300〜400000mPa・s程度であることがより好ましい。
例えば、本発明の光硬化性樹脂組成物を光学的立体造形に用いる場合は、上記した常温(25℃)における粘度を300〜10000mPa・sの範囲にすると、光学的に立体造形物を製造する際の取り扱い性が良好になり、しかも目的とする立体造形物を高い寸法精度で円滑に製造することができる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物を光硬化膜の製造に用いる場合は、上記した常温(25℃)における粘度を10〜100000mPa・sの範囲にすると、光硬化膜を形成する際の塗工性、平滑性、ハンドリングなどが良好になる。
光硬化性樹脂組成物の粘度は、ウレタン化アクリル化合物(I)および他のラジカル重合性化合物(II)の種類の選択、両者の配合割合の調整、有機溶媒の使用の有無や使用量などを調整することによって調整することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光を遮断し得る状態に保存することによって、通常10〜40℃の温度で約6〜18ヶ月の長期にわたって、変性や重合を防止しながら良好な光硬化性能を保ちながら安定に保存することできる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、光学的立体造形による立体造形物の製造、成形体の製造、ハードコートなどの硬化膜(被覆材)の形成、ホトレジストなどの種々の用途に有効に使用することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて光学的立体造形物や立体造形物を製造した場合には、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れ、しかも熱変形温度が高くて耐熱性に優れ、更に硬度が高く、力学的特性に優れる立体造形物や成形体を良好な作業性で円滑に製造することができる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化膜(被覆材)の形成に用いた場合には、光硬化時の収縮が小さく、しかも耐熱性、硬度、力学特性、耐傷つき性に優れる光硬化膜を各種基材の上に形成することができる。その際の基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン系ポリマーなどの各種プラスチックからなるフィルム、シート、成形体などを挙げることができる。
耐傷つき性の向上などのために本発明の光硬化性樹脂組成物を用いて各種プラスチックからなるフィルム、シート、成形品などの表面に硬化膜を形成するに当たっては、従来既知の光硬化性樹脂組成物の塗装方法であるロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、カーテンコート法など公知の方法が適用できる。
基材上に形成させる硬化膜の厚さ(硬化後の膜厚)は、表面硬度の向上、活性エネルギー線を照射して形成される硬化膜の反り防止(カール防止)、充分な膜強度、生産コストなどの観点から、0.5〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、1〜20μmであることが更に好ましい。
本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させる際に照射する活性エネルギー線は、光重合開始剤を活性化できるエネルギー量を有するエネルギー光線であれば限定されず、例えば、可視光線、紫外線、電子線、X線、放射線などを挙げることができる。そのうちでも、取り扱い性、経済性、工業化適正などの点から紫外線が好ましく使用され、その線源としては、紫外線レーザー(半導体励起固体レーザー、Arレーザー、He−Cdレーザーなど)、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、紫外線LED(発行ダイオード)、蛍光灯などを用いることができる。紫外線の照射量は、10〜5000mJ/cm2が好ましく、100〜2000mJ/cm2がより好ましい。
以下に、実施例によって本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の例中、ウレタン化アクリル化合物および光硬化性樹脂組成物の粘度の測定、光硬化時の体積収縮率の測定、光硬化して得られた硬化物の耐熱性の評価(熱変形温度の測定)、硬度および力学的特性(引っ張り特性)の測定、光硬化して得られた硬化膜の硬度(鉛筆硬度)の測定および耐傷つき性の評価は、次のようにして行った。
(1)ウレタン化アクリル化合物および光硬化性樹脂組成物の粘度:
JIS K7117−2に準じて、測定試料(ウレタン化アクリル化合物または光硬化性樹脂組成物)の温度制御が可能な恒温水槽を付属した円錐−平板型回転粘度計(コーン・プレート型粘度計)を使用して、25℃における粘度を測定し、3回測定の平均値を採って粘度の値とした。
(2)光硬化性樹脂組成物の光硬化時の体積収縮率:
光硬化させる前の光硬化性樹脂組成物の比重(d0)と、光硬化して得られた光硬化物を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものの比重(d1)から、下記の数式(1)により収縮率を求めた。
収縮率(%)={(d1−d0)/d1}×100 (1)
(3)光硬化物の耐熱性(熱変形温度):
以下の実施例で作製した光硬化物(JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片)に紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用い、東洋精機社製「HDTテスタ6M−2」を使用して、試験片に1.81MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)および試験片に0.45MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)に準拠して、試験片の熱変形温度を測定した。
(4)光硬化物の硬度:
以下の実施例で作製した光硬化物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものの硬度(ショアD硬度)を、高分子計器社製の「アスカーD型硬度計」を使用して、JIS K−6253に準拠して、デュロメーター法により測定した。
(5)光硬化物の力学的特性(引張破断強度、引張破断伸度、引張弾性率):
以下の実施例で作製した光硬化物(JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片)を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用いて、JIS K−7113にしたがって、試験片の引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定した。
(6)硬化膜の鉛筆硬度:
JIS K5600−5−4に準じ、芯の硬度が2B〜4Hの鉛筆を使用し、鉛筆を45度の角度に傾けて、鉛筆の上から750gの荷重をかけて、30mm/分の速度で、試験片(硬化膜を形成したポリエステルフィルム、縦×横=10cm×15cm)上の硬化膜を10mm程度引っ掻き(鉛筆を硬化膜上で10mm程度走行させ)、傷のつき具合を目視により確認した。同じ硬化膜に対して同じ硬さの鉛筆を使用して同じ試験を5回行って、5回のうち、1回も傷がつかないかまたは1回のみで傷がついた時の鉛筆芯の硬さを、その硬化膜の鉛筆硬度とした。硬化膜の鉛筆硬度はF以上であることが好ましく、H以上であることがより好ましく、2H以上であることが更に好ましい。
(7)硬化膜の耐傷つき性:
試験片(硬化膜を形成したポリエチレンテレフタレートフィルム、縦×横=10cm×15cm)の硬化膜上に2cm2のスチールウール#0000(日本スチールウール株式会社製「ボンスター」)を載せ、スチールウールを、1cm2あたり500gの荷重をかけた状態で600cm/分の移動速度で硬化膜上を100往復させ、硬化膜の中央部の縦×横=1cm×1cmの面積部分に生じた傷の本数を目視によって数えて、下記の評価基準に従って耐傷つき性を評価した。
[硬化膜の耐傷つき性の評価基準]
◎:傷の本数が10本以下である。
○:傷の本数が11〜20本である。
△:傷の本数が21〜30本である。
×:傷の本数が31本以上である。
《実施例1》[ウレタン化アクリル化合物(I)の製造]
(1) トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製「SR−TMP」、エポキシ当量=137;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル約50モル%、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル約40モル%およびトリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル約10モル%からなる混合物)137.0g(1当量)を攪拌機、温度調節器、気体導入管、温度計および還流冷却管を備えた内容量500mLの四つ口フラスコに仕込み、触媒としてトリフェニルホスフィン0.627g(0.0024モル)、重合禁止剤としてメチルヒドロキノン0.21gを添加し、液面下部の気体導入管から空気を、還流冷却管からの排気ガス中の酸素濃度が20〜21%となるように吹き込んだ。アクリル酸72.0g(1.0モル)を側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を70〜80℃に保温した前記の四つ口フラスコに攪拌しながら1時間かけて滴下し、滴下終了後100〜110℃に反応温度を上げ10時間反応を行って、酸価1.0mgKOH/gの、下記の化学式(i−da)で表されるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート(i−da)約50質量%、下記の化学式(i−db)で表されるトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルジアクリレート(i−db)約40質量%および下記の化学式(i−dc)で表されるトリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルモノアクリレート(i−dcを約10質量%からなるエポキシアクリレート体(OH当量209)を得た。
Figure 0006219083
(2)(i) 攪拌機、温度調節器、気体導入管、温度計および還流冷却管を備えた内容量2Lの四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート3量体(住化バイエルウレタン社製「デスモジュールZ−4370」、NCO当量359、濃度70質量%)359g(1.0当量)およびジブチル錫ジラウレート0.9gを仕込み、撹拌しながら内温が70〜80℃になるように加熱した。
(ii) 2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート(OH当量=214)428.0g(2.0当量)にメチルヒドロキノン0.43gを均一に混合溶解させた液を、予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(i)の四つ口フラスコ内に、当該フラスコの内温が60℃になった時点から攪拌下に滴下して混合し、当該フラスコ内に窒素ガスを導入しながら窒素雰囲気下にフラスコの内容物の温度を70〜80℃保ちながら同温度で24時間攪拌して、下記の化学式(i−ca)で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−ca)を調製した。
Figure 0006219083
[上記の化学式(i−ca)中、基R8、R9およびR10は、上記の式(β)で表される基(イソホロンジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基)であり、基R8、R9およびR10をなす当該式(β)で表される基では、向かって左側の結合手(シクロヘキサン環に直接結合した結合手)および向かって右側の結合手(メチレン基を介してシクロヘキサン環に結合した結合手)のうちのいずれか一方がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合している。]
(3) 次いで、イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−ca)を含む上記(2)のフラスコの内容物の温度を60℃に下げた後、上記(1)で得られたエポキシアクリレート体(HO当量209)209.0g(0.33当量)と酢酸ブチル272.6gを素早く添加し、フラスコの内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物(I)の範疇に包含される、下記の式(I−A)で表されるウレタン化アクリル化合物(I−A)、下記の式(I−B)で表されるウレタン化アクリル化合物(I−B)および下記の式(I−C)で表されるウレタン化アクリル化合物(I−C)を、ウレタン化アクリル化合物(I−A):ウレタン化アクリル化合物(I−B):ウレタン化アクリル化合物(I−C)=約50:40:10の質量比で含有する反応生成物(固形分70質量%)を得た。
Figure 0006219083
上記の式中(I−A)、(I−B)および(I−C)中、Xは下記の式で表される基である。
Figure 0006219083
[式中、基R8、R9およびR10は、上記の化学式(i−ca)におけるのと同じで基である。]
(4) 上記(3)で得られた反応生成物を80℃に加熱して酢酸ブチル(溶媒)を除去し、上記のウレタン化アクリル化合物(I−A)、(I−B)および(I−C)からなる粘稠な液体が得られた。
《実施例2》[ウレタン化アクリル化合物(I)と他のラジカル重合性化合物を含む組成物の製造]
(1) 実施例1の(1)と同じ操作を行って、酸価1.0mgKOH/gの、上記の化学式(i−da)で表されるトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリレート(i−da)約50質量%、上記の化学式(i−db)で表されるトリメチロールプロパンジグリシジルエーテルジアクリレート(i−db)約40質量%および上記の化学式(i−dc)で表されるトリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルモノアクリレート(i−dc)約10質量%からなるエポキシアクリレート体(OH当量209)を得た。
(2)(i) 攪拌機、温度調節器、気体導入管、温度計および還流冷却管を備えた内容量2Lの四つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート3量体(住化バイエルウレタン社製「デスモジュールZ−4370」、NCO当量359、濃度70質量%)359g(1.0当量)およびジブチル錫ジラウレート1.5gを仕込み、撹拌しながら内温が70〜80℃になるように加熱した。
(ii) ペンタエリスリトールポリアクリレート(ペンタエリスリトールトリアクリレート57質量%およびペンタエリスリトールテトラアクリレート43質量%からなる混合物:OH当量=523)1046.0g(2.0当量)にメチルヒドロキノン1.0gを均一に混合溶解させた液を、予め50℃に保温しておいた側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、上記(i)の四つ口フラスコ内に、当該フラスコの内温が60℃になった時点から攪拌下に滴下して混合し、当該フラスコ内に窒素ガスを導入しながら窒素雰囲気下にフラスコの内容物の温度を70〜80℃保ちながら同温度で2時間攪拌して、下記の化学式(i−cb)で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−cb)とペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物を得た。
Figure 0006219083
[上記の化学式(i−cb)中、基R11、R12およびR13は、上記の式(β)で表される基(イソホロンジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基)であり、基R11、R12およびR13をなす当該式(β)で表される基では、向かって左側の結合手(シクロヘキサン環に直接結合した結合手)および向かって右側の結合手(メチレン基を介してシクロヘキサン環に結合した結合手)のうちのいずれか一方がイソシアヌレート環を形成している窒素原子に結合している。]
(3) 次いで、イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−cb)を含む上記(2)のフラスコの内容物の温度を60℃に下げた後、上記(1)で得られたエポキシアクリレート体(HO当量209)209.0g(0.33当量)と酢酸ブチル537.4gを素早く添加し、フラスコの内容物の温度を80〜90℃に保って4時間反応させて、ウレタン化アクリル化合物(I)の範疇に包含される、下記の式(I−D)で表されるウレタン化アクリル化合物(I−D)、下記の式(I−E)で表されるウレタン化アクリル化合物(I−E)および下記の式(I−F)で表されるウレタン化アクリル化合物(I−F)を、ウレタン化アクリル化合物(I−D):ウレタン化アクリル化合物(I−E):ウレタン化アクリル化合物(I−F)=約50:40:10の質量比で含有し、且つペンタエリスリトールテトラアクリレートを含有する反応生成物(固形分70質量%)を得た。
Figure 0006219083
上記の式中(I−D)、(I−E)および(I−F)中、Zは下記の式で表される基である。
Figure 0006219083
[式中、基R11、R12およびR13は、上記の化学式(i−cb)におけるのと同じで基である。]
(4) 上記(3)で得られた反応生成物を80℃に加熱して酢酸ブチル(溶媒)を除去し、上記のウレタン化アクリル化合物(I−D)、(I−E)および(I−F)とペンタエリスリトールテトラアクリレートからなる粘稠な液体が得られた。
《実施例3》
(1) 実施例1で得られたウレタン化アクリル化合物(I−A)、(I−B)および(I−C)からなる液体100質量部、メチルイソブチルケトンおよびイルガキュア184(ラジカル重合開始剤)5質量部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度を上記した方法で測定したところ150000mPa・s(50℃)であった。
(2) 上記(1)で得られ光硬化性樹脂組成物を用いて、160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化を行って、縦×横×高さ=200mm×100mm×10mmの寸法を有する直方体形の光硬化物をつくり、その光硬化物を紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)してその比重を測定して、上記した数式(1)により収縮率を求めたところ下記の表1に示すとおりであった。
(3) 上記(1)で得られ光硬化性樹脂組成物を用いて、160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化を行って、JIS K−7171に準拠したバー形状の試験片をつくり、それに紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用いて、東洋精機社製「HDTテスタ6M−2」を使用して、試験片に1.81MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)および試験片に0.45MPaの荷重を加えるJIS K−7207(A法)に準拠して、試験片の熱変形温度を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(4) 上記(2)で得られた後硬化(ポストキュア)した後の光硬化物の硬度(ショアD硬度)を、高分子計器社製の「アスカーD型硬度計」を使用して、JIS K−6253に準拠して、デュロメーター法により測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(5) 上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化を行って、JIS K−7113に準拠したダンベル形状の試験片(光硬化物)をつくり、それに紫外線(高圧水銀灯)(波長365nm;強度3.0mW/cm2)を20分間照射して後硬化(ポストキュア)したものを用いて、JIS K−7113にしたがって、試験片の引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(6) 厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に上記(1)で得られた光硬化性樹脂組成物を塗布した後160W 70mW/cm2×500mJ/cm2の条件下で光硬化させて厚さ約4μmの硬化膜を形成し、この硬化膜の鉛筆硬度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(7) 上記(6)で形成した硬化膜の耐傷つき性を上記した方法で評価したところ、下記の表1に示すとおりであった。
《実施例4》
(1) 実施例2で得られたウレタン化アクリル化合物(I−D)、(I−E)および(I−F)からなる液体73質量部、とペンタエリスリトールテトラアクリレート(他のラジカル重合性化合物)27質量部およびイルガキュア184(ラジカル重合開始剤)5質量部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製した。この光造形用樹脂組成物の粘度を上記した方法で測定したところ300000mPa・s(25℃)であった。
(2) 上記(1)で得られ光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例3の(2)〜(7)と同様にして、光硬化時の収縮率、光硬化物の熱変形温度、硬度(ショアD硬度)、引張破断強度(引張強度)、引張破断伸度(引張伸度)および引張弾性率を測定し、また光硬化膜の鉛筆硬度および耐傷つき性を調べたところ、下記の表1に示すとおりであった。
Figure 0006219083
ウレタン化アクリル化合物(I)を含有する本発明の光硬化性樹脂組成物は、常温で液状を呈し取り扱い性に優れ、光硬化時の収縮が小さくて寸法精度に優れる光硬化物を形成でき、耐熱性に優れ、硬度が高くて耐傷つき性に優れ、更に力学的特性などにも優れる光硬化物を形成することができるので、光学的立体造形の製造、成形体の製造、光硬化膜の形成用などの種々の用途に有用である。

Claims (6)

  1. 下記の一般式(I);
    Figure 0006219083

    [式中、R1およびR2それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、
    3水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、
    Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体から、グリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基であり、
    Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり
    Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり
    aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
    で表されるウレタン化アクリル化合物(I)および光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ウレタン化アクリル化合物(I)以外のラジカル重合性化合物(II)を更に含有する請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. Dが、ジイソシアネート化合物の3量体であるイソシアヌレート体残基である請求項1または2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. イソシアヌレート体残基が、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体残基、またはメチレンビス(シクロヘキサンジイル)ジイソシアネートのイソシアヌレート体残基である請求項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 下記の一般式(I)
    Figure 0006219083

    [式中、R1およびR2それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり
    3水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり
    Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基であり、
    Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり
    Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり
    aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
    で表されるウレタン化アクリル化合物(I)。
  6. 下記の一般式(i−a);
    Figure 0006219083

    (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、Eは直接結合また2価の脂肪族炭化水素基であり、aは1、2または3である。]
    で表される水酸基含有(メタ)アクリレート化合物(i−a)と、下記の一般式(i−b);
    Figure 0006219083

    (式中、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり、bは1または2である。)
    で表されるポリイソシアネート化合物(i−b)を反応させて、下記の一般式(i−c);
    Figure 0006219083

    (式中、R1は水素原子またはメチル基、R3は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基、Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり、aは1、2または3、bは1または2である。)
    で表されるイソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)をつくり
    当該イソシアネート基含有ウレタン化アクリル化合物(i−c)を、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテル;脂肪族ジオールジグリシジルエーテル;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテル;脂肪族トリオールジグリシジルエーテル;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテル;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテル;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテル;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテル;および脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルから選ばれる脂肪族グリシジルエーテル型エポキシ化合物中の全てのグリシジル基にアクリル酸および/またはメタクリル酸を反応させて得られた下記の一般式(i−d);
    Figure 0006219083

    [式中、R2は、水素原子またはメチル基であり
    Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分および水酸基部分を除いた残基であり
    は0、1、2、3、4または5、gは1〜の整数である。]
    で表されるエポキシ(メタ)アクリレート(i−d)と反応させて、下記の一般式(I);
    Figure 0006219083

    [式中、R1およびR2それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり
    3水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり
    Aは、脂肪族ジオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ジオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基のそれぞれに(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族トリオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族テトラオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ペンタオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールモノグリシジルエーテルのグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールジグリシジルエーテルの2個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールトリグリシジルエーテルの3個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールテトラグリシジルエーテルの4個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;脂肪族ヘキサオールペンタグリシジルエーテルの5個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体;および、脂肪族ヘキサオールヘキサグリシジルエーテルの6個のグリシジル基に(メタ)アクリル酸が反応したエポキシ(メタ)アクリレート体から選ばれる脂肪族エポキシ(メタ)アクリレート体からグリシジル基と(メタ)アクリル酸との反応により生成した構造部分およびイソシアネート基と反応した水酸基部分を除いた残基であり
    Dはジイソシアネート残基またはトリイソシアネート残基であり
    Eは直接結合または2価の脂肪族炭化水素基であり
    aは1、2または3、bは1または2、dは0、1、2、3または4、eは0、1、2、3または4、fは0、1、2、3または4であって且つdとeの合計が2、3または4であり、dとfの合計が1以上の整数である。]
    で表されるウレタン化アクリル化合物(I)を製造する方法。
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