JP2015120676A - 含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート、硬化性組成物及び反射防止フィルム - Google Patents

含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート、硬化性組成物及び反射防止フィルム Download PDF

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JP2015120676A
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Abstract

【課題】低反射、耐擦傷性に優れる硬化層が得られるウレタン(メタ)アクリレートと、これを用いて得られる硬化性組成物と、反射防止フィルムを提供すること。
【解決手段】一般式(I)で表わされ含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート、該アクリレートを含有する硬化性組成物及び該硬化性組成物の硬化塗膜を有する反射防止フィルム。
Figure 2015120676

(RはFが直接結合したCの数が3〜6のフッ素化アルキル基又は、Oを介して連結されたフッ素化アルキル基で、該フッ素化アルキル中のFが直接結合した炭素原子の数が合計で3〜6であるフッ素化アルキル基;R又はRは各々H又はメチル基;AはC3〜C6の分岐鎖アルキル基の三価の連結基;XはO,S又は−OS−N(R)−R−D−の二価の連結基)
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化塗膜の反射率が低く、しかも、耐擦傷性にも優れる反射防止層が得られる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートと、これを用いて得られる硬化性組成物と、反射防止フィルムに関する。
近年、液晶ディスプレイは、屋内だけでなく屋外で使用する機器が増えている。その為、外光が液晶ディスプレイの画面で反射することを防ぐ反射防止性(低反射率化)が従来以上に求められている。また、屋内で使用される液晶ディスプレイについても4K−TVに代表されるように画素の高精細化が進み、よりきれいな画像が求められてきており、その為、より高度な反射防止性が求められてきている。
液晶ディスプレイ表面に反射防止性を付与するには、例えば、液晶ディスプレイの画面の最表面となる偏光板の表層に低反射層(Low Reflection層、LR層)を設ける方法がある。LR層を得るための組成物には、層の低屈折率化を実現する為、中空シリカ粒子を配合することがよく行われる。しかしながら、更なる低屈折率化を求めて中空シリカ粒子の含有量を増量しすぎると、組成物中の中空シリカ粒子を固定化するためのバインダー樹脂の量が中空シリカ粒子の量に対して相対的に不足してしまい、十分な耐擦傷性を有するLR層が得にくい問題がある。その為、耐擦傷性を有しつつ反射防止性に優れるLR層を得るには、硬化性のバインダー樹脂を用い、しかも、該バインダー樹脂の屈折率をできるだけ下げることが有力な方法となる。
バインダー樹脂の屈折率を下げる最も有力な方法として、バインダー樹脂にフッ素原子を導入する方法が知られている。このようなバインダー樹脂を用いた組成物として、例えば、フッ素化アルキル基と環式脂肪族構造を有する多官能アクリレートを含む硬化性組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、LR層を形成する組成物用途としては、直接開示されてはいないが、コーティング用のバインダー樹脂として、二つのフッ素化アルキル基とウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有するモノ(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物も知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの開示された多官能アクリレートやモノ(メタ)アクリレートを用いた硬化性組成物では、屈折率が十分に低く、且つ、耐擦傷性に優れる硬化塗膜を得ることは困難であった。
特開2009−167354号公報 特開2008−115258号公報
本発明が解決しようとする課題は、硬化塗膜の反射率が低く、しかも、耐擦傷性にも優れる反射防止層が得られるフッ素原子含有の重合性単量体と、これを用いて得られる反射防止塗料用途として好適な硬化性組成物と反射防止フィルムを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートであり、該ウレタン結合を介して、フッ素化アルキル基と二つの(メタ)アクリロイル基を有し、更に、フッ素原子を特定量有するウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、屈折率が低い硬化塗膜が得られる硬化性組成物が得られること、前記中空シリカ粒子の含有量を極端に増加させずとも光の反射率が低い硬化塗膜が得られること、組成物中の重合性不飽和基の量を相対的に多くできるので、得られる硬化塗膜の耐擦傷性も向上すること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(I)
Figure 2015120676
(Rはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のフッ素化アルキル基または、酸素原子を介して連結されたフッ素化アルキル基で、該フッ素化アルキル中のフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が合計で3〜6であるフッ素化アルキル基を表す。RまたはRは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。Aは下記構造式(A1)〜(A4)で表されるいずれかの三価の連結基を表す。Xは下記構造式(a)、(b)または(c)で表される二価の連結基を表す。)
Figure 2015120676
Figure 2015120676
〔構造式(c)中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。〕
で表され、且つ、フッ素原子の含有率が25〜60質量%であることを特徴とする含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを提供するものである。
また、本発明は、前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)を含有することを特徴とする硬化性組成物を提供するものである。
更に、本発明は、前記硬化性組成物の硬化塗膜を有することを特徴とする反射防止フィルムを提供するものである。
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを用いることにより、反射率が低く、耐擦傷性にも優れる硬化塗膜が得られる。その為、本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを用いて反射防止塗料組成物を好適に得ることができる。
図1は、実施例1で得られた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(1)のIRスペクトルのチャート図である。 図2は、実施例1で得られた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(1)の13C−NMRスペクトルのチャート図である。 図3は、実施例1で得られた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(1)のH−NMRスペクトルのチャート図である。 図4は、実施例1で得られた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(1)の19F−NMRスペクトルのチャート図である。 図5は、実施例1で得られた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(1)のGPCのチャート図である。
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは、下記の構造を有することを特徴とする。
Figure 2015120676
(Rはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のフッ素化アルキル基または、酸素原子を介して連結されたフッ素化アルキル基で、該フッ素化アルキル中のフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が合計で3〜6であるフッ素化アルキル基を表す。RまたはRは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。Aは下記構造式(A1)〜(A4)で表されるいずれかの三価の連結基を表す。Xは下記構造式(a)、(b)または(c)で表される二価の連結基を表す。)
Figure 2015120676
Figure 2015120676
〔構造式(c)中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。〕
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは、フッ素原子の含有率が25〜60質量%であることを特徴とする。フッ素原子の含有率が25質量%よりも小さいと低い屈折率の硬化塗膜が得にくいことから好ましくない。また、フッ素原子の含有率が60質量%よりも大きいと架橋密度が低下し、その結果、硬化塗膜の強度が損なわれることから好ましくない。フッ素原子の含有率は30〜60質量%が好ましく、35〜60質量%がより好ましい、40〜55質量%が更に好ましい。ここで、本発明において、含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート中のフッ素原子の含有率とは、原料組成から計算した値を言う。
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート中のRは、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のフッ素化アルキルである必要がある。炭素原子数が2のものだと低い屈折率が得られない。炭素原子数が7以上のものだと環境中での分解物に生体蓄積性が懸念されるため好ましくない。
は、より低い屈折率を有するウレタン(メタ)アクリリレートが得られることから、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4〜6のフッ素化アルキル基が好ましい。
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、下記構造式で表されるものを挙げることができる。
Figure 2015120676
Figure 2015120676
Figure 2015120676
Figure 2015120676
Figure 2015120676
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、RがC2n+1CH基(nは3〜6の整数)、C2n+1CHCH基(nは3〜6の整数)またはCOCF(CF)CH基であるものが好ましい。更に、工業的に得やすく硬化性が良好で、しかも、屈折率が低い硬化塗膜が得られることからRがC13CHCH基またはCCHCH基で、前記R、Rがそれぞれ水素原子で、前記Aが前記構造式(A2)で表される連結基で、前記Xが前記(a)で表される連結基のものがより好ましい。
即ち、本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、前記に例示した(I−5)及び(I−9)が好ましい。
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、下記一般式(II)で表される含フッ素化合物と下記一般式(III)で表されるイソシアネートジ(メタ)アクリレートとを反応させることにより得ることができる。
Figure 2015120676
(上記式中、Rはそれぞれ独立してフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のフッ素化アルキル基または、酸素原子を介して連結されたフッ素化アルキル基で、該フッ素化アルキル中のフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が合計で3〜6であるフッ素化アルキル基を表す。RまたはRはそれぞれ水素原子又はメチル基を表す。Aは前記構造式(A1)〜(A4)で表される三価の連結基を表す。Xは、前記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。)
前記一般式(II)中の「R−X−」として具体的には、例えば、CCHO−、CCHO−、C11CHO−、C13CHO−、CCHCHO−、CCHCHO−、C11CHCHO−、C13CHCHO−、CCHCHS−、C13CHCHS−、CSON(C)CHCHO−、CSON(C)CHCHO−、CSON(C13)CHCHO−、COCF(CF)CHO−、COCF(CF)CHCHO−、COCF(CF)CHS−等が挙げられる。「R−X−」は単独でも2種以上のものであっても良い。
前記一般式(II)で表される含フッ素化合物としては、例えば、以下の構造の含フッ素化合物等を挙げることができる。
Figure 2015120676
Figure 2015120676
前記一般式(III)で表されるイソシアネートジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015120676
前記したイソシアネートジ(メタ)アクリレート(III)の中でも、工業的に入手しやすいことから(III−2)が好ましい。
前記本発明のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法において、前記一般式(II)であらわされる含フッ素化合物と一般式(III)で表されるイソシアネートジ(メタ)アクリレートとを反応させる際には、前記一般式(II)で表される含フッ素化合物1モルに対して、一般式(III)で表されるイソシアネートジ(メタ)アクリレート(III)を、0.80〜1.20モルになるように仕込むのが好ましく、より好ましくは1.0〜1.05モルとなるように仕込むのが好ましい。該反応(ウレタン化反応)においては、前記一般式(II)であらわされる含フッ素化合物の活性水素基と一般式(III)で表されるイソシアネートジ(メタ)アクリレートの末端イソシアネート基の反応を促進させるために、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート、2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物を触媒として用いて行うことができる。
前記触媒の添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1質量%で、更に好ましくは0.02〜0.2質量%である。反応時間は1〜10時間が好ましい。また反応温度は30〜120℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃である。
前記製造方法にて本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを製造する際は、反応は無溶剤あるいは、イソシアネート基に不活性なアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤を反応溶剤として用いることができる。
本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは屈折率が低い特徴を有する。具体的には、本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの屈折率は、1.440以下となり、好ましくは、1.420以下、更に好ましくは1.400以下となる。そのため、本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート〔含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)と略記することがある。〕を含有し、低屈折率であることを特徴とする硬化性組成物を提供することができる。
本発明の硬化性組成物は、低屈折率である特徴を利用して種々の用途に用いることができる。具体的には、例えば、光ファイバーのクラッド材、マイクロレンズアレイ用接着剤、レンズシート用接着剤、屈折率調整剤、低屈折率充填剤等の用途を例示することができる。
前記本発明の硬化性組成物は、また、低い反射率を有する硬化塗膜を得ることが出来る。その為、反射防止塗膜を得るための反射防止塗料用途として好ましく使用する事ができる(本発明において、反射防止塗料用途に用いる本発明の硬化性組成物を反射防止用塗料と呼ぶ。)。前記反射防止用塗料には、更に、低屈折率剤(II)を含有させることにより、より好ましい反射防止塗料とすることができる。
前記低屈折率剤(II)としては、屈折率が1.44以下のものが好ましく、1.40以下のものがより好ましい。また、低屈折率剤(II)は、無機系又は有機系のいずれのものであってもよい。
前記低屈折率剤(II)のうち、無機系の低屈折率剤としては、例えば、空隙を有する微粒子、金属フッ化物微粒子等が挙げられる。前記空隙を有する微粒子としては、例えば、微粒子の内部に気体が充填されたもの、気体を内部に含む多孔質構造のもの等が挙げられる。具体的には、例えば、中空シリカ微粒子、ナノポーラス構造を有するシリカ微粒子等が挙げられる。また、前記金属フッ化物微粒子としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム等が挙げられる。
これらの無機系の低屈折率剤の中でも中空シリカ微粒子が好ましい。さらに、これらの無機系の低屈折率剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。これらの無機系の低屈折率剤は、結晶性のもの、ゾル状のもの、ゲル状のもののいずれのものも用いることができる。
前記中空シリカ微粒子の形状は、球状、鎖状、針状、板状、鱗片状、棒状、繊維状、不定形状のいずれであってもよいが、これらの中でも球状又は針状のものが好ましい。また、シリカ微粒子の平均粒子径は、形状が球状の場合、5〜100nmが好ましく、20〜80nmがより好ましく、40〜70nmがさらに好ましい。球状の微粒子の平均粒子径がこの範囲にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することができる。
一方、前記低屈折率剤(II)のうち、有機系の低屈折率剤としては、例えば、空隙を有する微粒子、含フッ素共重合体等が挙げられる。前記空隙を有する微粒子としては、中空高分子微粒子が好ましい。中空高分子微粒子は、例えば、分散安定剤の水溶液中で、(1)少なくとも1種の架橋性モノマー、(2)重合開始剤、(3)少なくとも1種の架橋性モノマーから得られる重合体又は少なくとも1種の架橋性モノマーと少なくとも1種の単官能性モノマーとの共重合体、並びに、前記(1)〜(3)に対して相溶性の低い水難溶性の溶媒からなる混合物を分散させ、懸濁重合を行うことにより製造することができる。なお、ここで、架橋性モノマーとは重合性基を2つ以上有するものであり、単官能性モノマーとは重合性基を1つ有するものである。
前記有機系の低屈折率剤として用いる含フッ素共重合体は、樹脂中にフッ素原子を多く含有していることで低屈折率となっている樹脂である。この含フッ素共重合体としては、例えば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとをモノマー原料とした共重合体が挙げられる。
前記含フッ素共重合体の原料である各モノマーの比率は、フッ化ビニリデンの比率が30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましく、40〜70質量%がさらに好ましく、ヘキサフルオロプロピレンの比率が5〜50質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜45%がさらに好ましい。この他のモノマーとして、テトラフルオロエチレンを0〜40質量%の範囲で使用してもよい。
前記含フッ素共重合体には、その他の原料のモノマー成分として、フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエチレン、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロエチレン、3−ブロモ−3,3−ジフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、α−トリフルオロメタクリル酸等のフッ素原子を有する重合性モノマーを用いることができる。これらのその他の原料のモノマー成分は、含フッ素共重合体の原料モノマー中に20質量%以下の範囲で用いるのが好ましい。
前記含フッ素共重合体中のフッ素含有率は、60〜70質量%であることが好ましく、62〜70質量%であることがより好ましく、64〜68質量%であることがさらに好ましい。含フッ素共重合体のフッ素含有率がこの範囲であると、溶剤に対する溶解性が良好となり、種々の基材に対して優れた密着性を発揮し、高い透明性、低い屈折率、優れた機械的強度を有する薄膜が形成できる。
前記含フッ素共重合体の分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜100,000であることがより好ましい。含フッ素共重合体の分子量がこの範囲であると、得られる樹脂の粘度が優れた塗布性を有する範囲となる。また、含フッ素共重合体自体の屈折率が、1.44以下のものが好ましく、1.42以下のものがより好ましく、1.40以下であるものがさらに好ましい。
前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)と低屈折率剤(II)との質量比率は(I):(II)=10:90〜80:20の範囲が、塗膜の低屈折率化と塗膜強度との両立が図れることから好ましく、20:80〜70:30の範囲がより好ましく、30:70〜60:40の範囲が更に好ましい。
本発明の反射防止塗料組成物には、前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)以外に、紫外線等の活性エネルギー線照射により重合又は架橋反応可能な光重合性官能基を有する化合物〔活性エネルギー線硬化性化合物(III)〕を含ませても良い。
前記活性エネルギー線硬化性化合物(III)として、まず、活性エネルギー線硬化性単量体(III−1)が挙げられる。前記単量体(III−1)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が150〜1000の範囲にあるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、数平均分子量が150〜1000の範囲にあるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールペンタ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等の脂肪族アルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリスチリルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
これらのなかでも特に硬化塗膜の硬度に優れることからトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが好ましい。これらの活性エネルギー線硬化性単量体(III−1)は、これらは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいい、「(メタ)アクリロイル基」とは、メタクリロイル基とアクリロイル基の一方又は両方をいい、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方をいう。
また、前記活性エネルギー線硬化性化合物(III)として、活性エネルギー線硬化型樹脂(III−2)も用いることができる。この活性エネルギー線硬化型樹脂(III−2)としては、例えば、前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外のウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられるが、本発明では、特に透明性や低収縮性等の点からウレタン(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
ここで用いるウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン結合と(メタ)アクリロイル基とを有する樹脂が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等が挙げられ、また、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等が挙げられる。
一方、水酸基を有するアクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート等の3価のアルコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、あるいは、これらのアルコール性水酸基の一部をε−カプロラクトンで変性した水酸基を有するモノ及びジ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の1官能の水酸基と3官能以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、あるいは、該化合物をさらにε−カプロラクトンで変性した水酸基を有する多官能(メタ)アクリレート;ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレン−ポリオキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等のブロック構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物;ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等のランダム構造のオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
上記した脂肪族ポリイソシアネート化合物又は芳香族ポリイソシアネート化合物と水酸基を有するアクリレート化合物との反応は、ウレタン化触媒の存在下、常法により行うことができる。ここで使用し得るウレタン化触媒は、具体的には、ピリジン、ピロール、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィンなどのホフィン類、ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫などの有機錫化合物、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。
これらのウレタンアクリレート樹脂の中でも特に脂肪族ポリイソシアネート化合物と水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるものが硬化塗膜の透明性に優れ、かつ、活性エネルギー線に対する感度が良好で硬化性に優れる点から好ましい。
次に、不飽和ポリエステル樹脂は、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物、及び、グリコール類の重縮合によって得られる硬化性樹脂であり、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及びこれらのエステル等が挙げられる。芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。脂肪族あるいは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれらのエステル等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げられ、その他にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同様に使用できる。
次に、エポキシビニルエステル樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させて得られるものが挙げられる。これらの活性エネルギー線硬化型樹脂(III−2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、前記活性エネルギー線硬化性単量体(III−1)と活性エネルギー線硬化型樹脂(III−2)はそれぞれ単独で使用しても良いし、組合せて使用しても良い。
前記活性エネルギー線硬化性化合物(III)を使用する際の使用量としては、例えば、含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)100質量部に対して100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。
紫外線等の活性エネルギー線を照射して、本発明の反射防止塗料組成物を硬化させる場合には、本発明の反射防止塗料組成物に重合開始剤(IV)を配合する。この重合開始剤(IV)としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルメチルケタール、アゾビスイソブチロニトリル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4’−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4’−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’’−ジエチルイソフタロフェン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられ、単独でも2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じてアミン化合物又はリン化合物等の光増感剤を添加し、光重合を促進することもできる。
前記重合開始剤(IV)の配合量は、含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)、低屈折率剤(II)及び必要に応じて添加することができる活性エネルギー線硬化性化合物(III)の合計100質量部に対して、0.01〜15質量部の範囲であることが好ましく、0.3〜7質量部の範囲であることがより好ましい。
さらに、本発明の反射防止塗料組成物は、用途、特性等の目的に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶剤、重合禁止剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤等の添加剤を配合することができる。
また、本発明の反射防止塗料組成物に塗布適性を付与するため、有機溶剤を添加して粘度調整を行っても構わない。ここで使用し得る有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤;エトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;トルエン、キシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤;ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤;カルバミン酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
ここで有機溶媒の使用量は、用途や目的とする膜厚や粘度によって異なるが、前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)、低屈折率剤(II)及び必要に応じて添加することができる活性エネルギー線硬化性化合物(III)の合計質量に対して、4〜200倍量の範囲であることが好ましい。
本発明の反射防止塗料組成物を硬化させる活性エネルギー線としては、光、電子線、放射線等の活性エネルギー線が挙げられる。具体的なエネルギー源又は硬化装置としては、例えば殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧又は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等を光源とする紫外線、又は走査型、カーテン型電子線加速器による電子線等が挙げられる。なお、電子線で硬化させる場合には、本発明の反射防止塗料組成物への前記重合開始剤(IV)の配合は不要である。
これらの活性エネルギー線の中でも特に紫外線であることが好ましい。また、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射すると塗膜の表面硬化性が向上するため好ましい。また、必要に応じて熱をエネルギー源として併用し、活性エネルギー線にて硬化した後、熱処理を行ってもよい。
本発明の反射防止塗料組成物の塗布方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、カーテンコーター、シャワーコーター、スピンコーター、スリットコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター等を用いた塗布方法が挙げられる。
本発明の反射防止フィルムは、本発明の反射防止塗料組成物の硬化塗膜を有することを特徴とする。本発明の反射防止フィルムは、具体的には、例えば、下記のような方法で作製することができる。
(1)まず基材にハードコート材を塗布・硬化してハードコート層を形成する。
(2)上記のハードコート層に本発明の反射防止塗料組成物を塗布・硬化して低屈折率層の塗膜を形成する。この低屈折率層が反射防止フィルムの最表面となる。
なお、上記ハードコート層と低屈折率層との間に、中屈折率層及び/又は高屈折率層を設けても構わない。
前記ハードコート材は、比較的表面硬度が高い硬化塗膜が得られるものであれば、特に制限なく用いることができるが、前記活性エネルギー線硬化性化合物(III)として例示した活性エネルギー線硬化性単量体(III−1)と活性エネルギー線硬化型樹脂(III−2)とを組み合わせたものが好ましい。
上記のハードコート層の厚さは、0.1〜100μmの範囲にあることが好ましく、1〜30μmの範囲にあることがより好ましく、3〜15μmの範囲にあることがさらに好ましい。ハードコート層の厚さがこの範囲にあれば、基材との密着性、反射防止フィルムの表面硬度が高くなる。また、ハードコート層の屈折率は、特に制限はないが、屈折率が高いと、上記の中屈折率層や高屈折率層を設けなくても、良好な反射防止が可能となる。
本発明の反射防止塗料組成物を塗布・硬化して形成する低屈折率層の厚さは、50〜300nmの範囲にあることが好ましく、50〜150nmの範囲にあることがより好ましく、80〜120nmの範囲にあることがさらに好ましい。低屈折率層の厚さがこの範囲であれば、反射防止効果を向上することができる。また、低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.45の範囲にあることが好ましく、1.23〜1.42の範囲にあることがより好ましい。低屈折率層の屈折率がこの範囲であれば、反射防止効果を向上することができる。
上記の中屈折率層又は高屈折率層の厚さは、10〜300nmの範囲にあることが好ましく、30〜200nmの範囲にあることがより好ましい。また、中屈折率層又は高屈折率層屈折率は、その上下に存在する低屈折率層及びハードコート層の屈折率によって選択されるが、1.40〜2.00の範囲内で任意に設定することができる。
上記の中屈折率層又は高屈折率層を形成するための材料としては、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シアネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂等の熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化できる樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、これらの樹脂に、高屈折率の無機微粒子を配合することがより好ましい。
前記高屈折率の無機微粒子としては、屈折率が1.65〜2.00であるものが好ましく、例えば、1.90である酸化亜鉛、屈折率が2.3〜2.7であるチタニア、屈折率が1.95であるセリア、屈折率が1.95〜2.00である錫ドープ酸化インジウム、屈折率が1.75〜1.85であるアンチモンドープ酸化錫、屈折率が1.87であるイットリア、屈折率が2.10であるジルコニア等が挙げられる。これらの高屈折率の無機微粒子は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
また、中屈折率層又は高屈折率層を形成する方法としては、本発明の反射防止塗料組成物と同一とすることで、生産性を向上することができるため、本発明の反射防止塗料組成物を紫外線で硬化する場合は、紫外線硬化性組成物が用いて中屈折率層又は高屈折率層を形成することが好ましい。
本発明の反射防止フィルムに用いる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテンー1等のポリオレフィンフィルム;トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系フィルム;ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム(例えば、日本ゼオン株式会社製「ゼオノア」)、変性ノルボルネン系樹脂フィルム(例えば、(JSR株式会社製「アートン」)、環状オレフィン共重合体フィルム(例えば、三井化学株式会社製「アペル」)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリルフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは2種以上貼り合わせて用いても良い。また、これらのフィルムは、シート状であっても良い。フィルム基材の厚さは、20〜500μmが好ましい。
本発明の反射防止フィルムの反射率は、2.0%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
本発明の反射防止フィルムは、液晶ディスプレイのみならず、種々の画像表示装置に使用する事ができる。具体的には、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極管表示装置(CRT)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)等に使用することができる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。例中、断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。尚、得られた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートのIRスペクトル、13C−NMRスペクトル、H−NMRスペクトル、19F−NMRスペクトル、及びGPCの測定条件は下記の通りである。
[IRスペクトル測定条件]
装置:日本分光株式会社製「FT/IR−6100」
測定方法:KBr法
13C−NMRスペクトル、H−NMRスペクトル、19F−NMRスペクトルの測定条件]
装置:日本電子株式会社製「JNM−ECA500」
溶媒:重水素化クロロホルム
[GPC測定条件]
測定装置:東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HHR−H」(6.0mmI.D.×4cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)+東ソー株式会社製「TSK−GEL GMHHR−N」(7.8mmI.D.×30cm)
検出器:ELSD(オルテックジャパン株式会社製「ELSD2000」)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン(THF)
流速 1.0ml/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(5μl)。
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIデータ解析バージョン4.30」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(単分散ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
東ソー株式会社製「F−550」
実施例1〔本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート〕
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール119.8g、p−メトキシフェノール0.02g及び2−エチルヘキサン酸スズ0.2gを仕込み、乾燥空気気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート80.2gを滴下装置にセットし、フラスコ内を60℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で1時間攪拌した後、90℃に昇温して4時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定によりイソシアネート基の消失が確認されたので、フィルターで濾過して本発明の含フッ素ウレタンアクリレート(I−1)200gを得た。含フッ素ウレタンアクリレート(I−1)をGPCで測定した結果、数平均分子量573、重量平均分子量575であった。25℃の屈折率を測定した結果、1.399であった。また、フッ素含有量は、原料組成から計算した結果、40.6質量%であった。なお、含フッ素ウレタンアクリレート(I−1)のIRスペクトルのチャート図を図1に、13C−NMRスペクトルのチャート図を図2に、H−NMRスペクトルのチャート図を図3に、19F−NMRスペクトルのチャート図を図4に、GPCのチャート図を図5に示す。
実施例2(同上)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキサノール104.0g、p−メトキシフェノール0.02g及び2−エチルヘキサン酸スズ0.2gを仕込み、乾燥空気気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート96.0gを滴下装置にセットし、フラスコ内を60℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で1時間攪拌した後、90℃に昇温して4時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定によりイソシアネート基の消失が確認されたので、フィルターで濾過して本発明の含フッ素ウレタンアクリレート(I−2)200gを得た。含フッ素ウレタンアクリレート(I−2)をGPCで測定した結果、数平均分子量478、重量平均分子量480であった。25℃の屈折率を測定した結果、1.416であった。また、フッ素含有量は、原料組成から計算した結果、33.7質量%であった。
実施例3(同上)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンタノール93.5g、p−メトキシフェノール0.02g及び2−エチルヘキサン酸スズ0.2gを仕込み、乾燥空気気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート106.5gを滴下装置にセットし、フラスコ内を60℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で1時間攪拌した後、90℃に昇温して4時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定によりイソシアネート基の消失が確認されたので、フィルターで濾過して本発明の含フッ素ウレタンアクリレート(I−3)200gを得た。含フッ素ウレタンアクリレート(I−3)をGPCで測定した結果、数平均分子量430、重量平均分子量432であった。25℃の屈折率を測定した結果、1.427であった。また、フッ素含有量は、原料組成から計算した結果、29.1質量%であった。
比較例1〔比較対照用含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート〕
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクタノール143.4g、p−メトキシフェノール0.02g及び2−エチルヘキサン酸スズ0.2gを仕込み、乾燥空気気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、アクリロイルオキエチルイソシアネート80.2gを滴下装置にセットし、フラスコ内を60℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で1時間攪拌した後、90℃に昇温して4時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定によりイソシアネート基の消失が確認されたので、フィルターで濾過して比較対照用含フッ素ウレタンアクリレート(I´−1)200gを得た。比較対照用含フッ素ウレタンアクリレート(I´−1)をGPCで測定した結果、数平均分子量480、重量平均分子量482であった。25℃の屈折率を測定した結果、1.383であった。また、フッ素含有率は、原料組成から計算した結果,48.6質量%であった。
比較例2(同上)
撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコに、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブタノール80.4g、p−メトキシフェノール0.02g及び2−エチルヘキサン酸スズ0.2gを仕込み、乾燥空気気流下にて攪拌しながら60℃に昇温した。次いで、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート119.6gを滴下装置にセットし、フラスコ内を60℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で1時間攪拌した後、90℃に昇温して4時間攪拌することにより反応を行った結果、IRスペクトル測定によりイソシアネート基の消失が確認されたので、フィルターで濾過して比較対照用含フッ素ウレタンアクリレート(I´−2)200gを得た。比較対照用含フッ素ウレタンアクリレート(I´−2)をGPCで測定した結果、数平均分子量383、重量平均分子量385であった。25℃の屈折率を測定した結果、1.441であった。また、フッ素含有量は、原料組成から計算した結果、23.3質量%であった。
実施例4〔反射防止塗料組成物及び反射防止フィルム〕
<反射防止塗料組成物の調製>
中空シリカ微粒子(平均粒子径60nm)を20%含有するメチルイソブチルケトン分散液12.2部、含フッ素ウレタンアクリレート(I−1)2.0部、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン株式会社製「イルガキュア127」)0.1部及び溶剤としてメチルイソブチルケトン85.7部を混合し溶解させて、本発明の反射防止塗料組成物(1)を調製した。反射防止塗料組成物(1)を用いて下記に示す方法にて反射防止フィルムを作成した。
<反射防止フィルムの調製>
5官能無黄変型ウレタンアクリレート50部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50部、酢酸ブチル25部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュア184」)5部、溶剤としてトルエン54部、2−プロパノール28部、酢酸エチル28部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル28部を混合し溶解させて、ハードコート層用塗料組成物を得た。
得られたハードコート層用塗料組成物をバーコーターNo.13を使用して、厚さ80μmのTACフィルムに塗布した後、60℃の乾燥機に5分間入れて溶剤を揮発させ、紫外線硬化装置(窒素雰囲気下、高圧水銀灯使用、紫外線照射量2kJ/m2)にて硬化させ、膜厚10μmのハードコート層を片面に有するハードコートフィルムを作製した。
上記で得られたハードコートフィルムのハードコート層上に反射防止塗料組成物(1)を2g/m2の塗布量となるようにバーコーターNo.2で塗布した後、60℃の乾燥機に5分間入れて溶剤を揮発させ、紫外線硬化装置(窒素雰囲気下、高圧水銀灯使用、紫外線照射量2kJ/m)にて硬化させ、膜厚10μmのハードコート層上に膜厚0.1μmの反射防止層を有する反射防止フィルム(1)を作製した。
上記で得られた反射防止フィルム(1)上の反射防止塗料組成物の硬化塗膜表面について、耐擦傷性の評価を行った。また、反射防止フィルム(1)の反射率を測定した。耐擦傷性の評価及び反射率の測定方法を以下に表す。また、評価結果を第1表に表す。
<耐擦傷性の評価方法>
トライボギア HEIDON 往復磨耗試験機 TYPE:30S(新東科学株式会社製)を用いて、直径27mmの円形の治具にボンスター No,0000(日本スチールウール株式会社製)を取り付けた磨耗試験機(300g/cm2荷重)にて、10往復磨耗させて試験を行った。試験後の塗膜表面に付いた傷の本数を数えて、下記の基準によって耐擦傷性を評価した。
○:傷の本数が10本未満である。
△:傷の本数が10本以上50本未満である。
×:傷の本数が50本以上である。
<反射率の測定>
5℃正反射測定装置を備えた分光光度計(株式会社島津製作所製「UV−3100PC」)を用いて反射率の測定を行った。なお、反射率は波長550nm付近で極小値(最低反射率)となったときの値とした。
実施例5及び6(同上)
含フッ素ウレタンアクリレート(I−1)を2.0部用いる代わりに、含フッ素ウレタンアクリレート(I−2)〜含フッ素ウレタンアクリレート(I−3)を2.0部用いた以外は実施例1と同様にして反射防止塗料組成物(2)〜(3)を得た。実施例1と同様にして反射防止フィルム(2)〜(3)を得た。実施例1と同様にして反射防止フィルム(2)〜(3)上の反射防止塗料組成物の硬化塗膜表面について、耐擦傷性の評価を行うと共に、フィルムの反射率を測定した。評価結果を第1表に表す。
比較例3及び比較例4〔比較対照用反射防止塗料組成物及び反射防止フィルム〕
含フッ素ウレタンアクリレート(I−1)を2.0部の代わりに、比較対照用含フッ素ウレタンアクリレート(I´−1)〜比較対照用含フッ素ウレタンアクリレート(I´−2)を2.0部用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用反射防止塗料組成物(1´)〜(2´)を得た。実施例1と同様にして比較対照用反射防止フィルム(1´)〜(2´)を得た。実施例1と同様にして比較対照用反射防止フィルム(1´)〜(2´)上の反射防止塗料組成物の硬化塗膜表面について、耐擦傷性の評価を行うと共に、フィルムの反射率を測定した。評価結果を第2表に表す。
Figure 2015120676
Figure 2015120676

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2015120676
    (Rはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のフッ素化アルキル基または、酸素原子を介して連結されたフッ素化アルキル基で、該フッ素化アルキル中のフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が合計で3〜6であるフッ素化アルキル基を表す。RまたはRは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。Aは下記構造式(A1)〜(A4)で表されるいずれかの三価の連結基を表す。Xは下記構造式(a)、(b)または(c)で表される二価の連結基を表す。)
    Figure 2015120676
    Figure 2015120676
    〔構造式(c)中、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。〕
    で表され、且つ、フッ素原子の含有率が25〜60質量%であることを特徴とする含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。
  2. 前記フッ素原子の含有率が35〜60質量%である請求項1記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。
  3. 前記RがC2n+1CH基(nは3〜6の整数)、CF2n+1CHCH基(nは3〜6の整数)またはCOCF(CF)CH基である請求項1記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。
  4. 前記RがC13CHCH基またはCCHCH基で、前記R、Rがそれぞれ水素原子で、前記Aが前記構造式(A2)で表される連結基で、前記Xが前記(a)で表される連結基である請求項1記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(I)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  6. 反射防止塗料用途である、請求項5記載の硬化性組成物。
  7. 更に低屈折率剤(II)を含有する請求項5または請求項6記載の硬化性組成物。
  8. 前記低屈折率剤(II)が中空シリカ微粒子である請求項7記載の硬化性組成物。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項記載の硬化性組成物の硬化塗膜を有することを特徴とする反射防止フィルム。
  10. 前記硬化塗膜の膜厚が50〜300nmである請求項9記載の反射防止フィルム。
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