JP3688563B2 - アトロプ異性ビス(ホスフィンオキシド)化合物のラセミ化の方法 - Google Patents

アトロプ異性ビス(ホスフィンオキシド)化合物のラセミ化の方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3688563B2
JP3688563B2 JP2000203499A JP2000203499A JP3688563B2 JP 3688563 B2 JP3688563 B2 JP 3688563B2 JP 2000203499 A JP2000203499 A JP 2000203499A JP 2000203499 A JP2000203499 A JP 2000203499A JP 3688563 B2 JP3688563 B2 JP 3688563B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
racemization
carried out
polyethylene glycol
process according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000203499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001039993A (ja
Inventor
フランク・キーンツレ
ミシェル・ラロンデ
ルドルフ・シュミット
シャオニン・ワン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
F Hoffmann La Roche AG
Original Assignee
F Hoffmann La Roche AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by F Hoffmann La Roche AG filed Critical F Hoffmann La Roche AG
Publication of JP2001039993A publication Critical patent/JP2001039993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3688563B2 publication Critical patent/JP3688563B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/53Organo-phosphine oxides; Organo-phosphine thioxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/53Organo-phosphine oxides; Organo-phosphine thioxides
    • C07F9/5329Polyphosphine oxides or thioxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/28Phosphorus compounds with one or more P—C bonds
    • C07F9/50Organo-phosphines
    • C07F9/505Preparation; Separation; Purification; Stabilisation
    • C07F9/5054Preparation; Separation; Purification; Stabilisation by a process in which the phosphorus atom is not involved

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
本発明は、式I
【0002】
【化3】
Figure 0003688563
【0003】
のアトロプ異性化合物のラセミ化の新規方法に関する。
【0004】
上記の式Iの光学活性化合物は、公知であり、遷移金属と一緒になって光学活性錯体を形成する式II
【0005】
【化4】
Figure 0003688563
【0006】
の光学活性ビスホスフィンリガンドの調製のための中間生成物である。これらの錯体は、数多くの不斉反応において触媒として用いられる。
【0007】
公知の方法によって実施される、式Iの光学活性中間生成物および式IIのリガンドの合成においては、通常、生産物のラセミ混合物(両方のエナンチオマーが等量ずつの混合物)を得て、触媒の調製に用いられる式IIの光学活性リガンドの調製のために分離しなければならない。すなわち、式IIの光学活性ビスホスフィンリガンドの合成は、式Iのビス(ホスフィンオキシド)のラセミ混合物の形成、それに引き続く、目的のエナンチオマーを得るためのラセミ分離および還元、または式IIのラセミ体ビスホスフィンへの還元の後のラセミ分離を含む。本発明の目的は、式IIの光学活性リガンドの合成効率を改良するための、式Iの中間生成物の望ましくないエナンチオマーを利用する方法を提供することである。
【0008】
本発明はすなわち、(R)もしくは(S)体、または(R)および(S)体の非ラセミ混合物で存在している式I
【0009】
【化5】
Figure 0003688563
【0010】
(ここで、
1が、C1-8−アルコキシを表し、
2が、水素、C1-8−アルキル、C1-8−アルコキシを表すか、または
1およびR2が一緒になって、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
3は、水素、C1-8−アルキルまたはC1-8−アルコキシを表し、そして
4は、フェニルまたは置換されたフェニルを表す)のアトロプ異性化合物のラセミ化のための新規方法において、ラセミ化が熱的であり、260〜400℃、好ましくは280〜380℃で行われることを特徴とする方法に関する。
【0011】
「ラセミ化」の用語は、光学活性化合物の、対応するラセミ体(両方のエナンチオマーを等量の混合物を表す)への変化を表す。
【0012】
「アトロプ異性」の用語は、結合の周りの自由回転が妨害され、光学活性を生じる化合物の立体化学を示す。
【0013】
「C1-8−アルキル」の用語は、本発明の範囲において、炭素原子が1〜8個の炭化水素、すなわち、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert.−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、tert.−ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルのような、直鎖状または分岐鎖状アルキル基を表す。
【0014】
「C1-8−アルコキシ」の用語は、酸素原子を介して結合している、上で定義したC1-8−アルキル基を表す。メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、およびその類似体が例として挙げられる。
【0015】
「置換されたフェニル」の用語は、本発明の範囲において、メタ−またはパラ−位において、好ましくはパラ−位においてモノ置換されたフェニル基を表す。フェニル基に対する好ましい置換基はC1-8−アルキル、好ましくはメチル;またはC1-8−アルコキシ、好ましくはメトキシ;またはジ−C1-8−アルキルアミノ、好ましくはジメチルアミノ;またはトリアルキルシリル、好ましくはトリメチルシリルであり、またはフェニル基によって置換されている。
【0016】
本発明によれば、式Iの化合物のラセミ化は、260〜400℃の温度の溶媒中または溶融中で化合物を熱することにより行われる。加熱は、400℃まで加熱ができる装置中で行われる。少量の系では、加熱は例えば加熱/攪拌炉、アルミニウムヒートブロック、電熱反応器またはオートクレーブ等、またはマイクロ波の照射で行うことができる。より大きな系では、加熱は反応器またはオートクレーブで行うことができる。反応は、バッチ形式で(batchwise)または連続的方式で行うことができる。
【0017】
好ましい方法においては、式Iの化合物のラセミ化は、260〜400℃の温度の高沸点溶媒中で、バッチ形式でまたは連続的方式で、および場合により105〜3.5×107Pa、または好ましくは105〜107Paの圧力下において行われる。
【0018】
好ましい高沸点溶媒は式III
5O(CH2CH2O)nCH2CH2OR6 III
(ここで、R5およびR6はそれぞれ独立して水素または低級アルキル(C1〜C4)であり、nは2、3、4、5、6、7またはそれ以上のポリエチレンオキシ鎖を表す)の化合物である。
【0019】
式IIIの溶媒の例としては、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル350、ポリエチレングリコールジメチルエーテル400、またはポリエチレングリコール350、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール550およびポリエチレングリコール725が挙げられる。
【0020】
さらに好ましい高沸点溶媒は式IV
5O(CH2CH(CH3)O)nCH2CH(CH3)OR6 IV
(ここで、R5およびR6は前述したとおりであり、nは前述のとおりポリプロピレンオキシ鎖を表す)の溶媒である。
【0021】
式IVの好ましい溶媒は、ポリプロピレングリコール725である。
【0022】
さらに好ましい溶媒はポリオキシエチレン−ソルビタン−モノオレートである。反応は無機塩溶解中でも行うことができる。
【0023】
本発明の、他の好ましい側面は、式Iの化合物のラセミ化が、105〜3.5×107Pa、好ましくは105〜107Paの圧力下において低沸点有機溶媒中で行われることである。好ましい溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族溶媒、またはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールのようなアルコール、または言及した溶媒の混合物である。好ましい溶媒は、トルエン、エタノールまたは両溶媒の混合物である。
【0024】
本発明によれば、ラセミ化は、バッチ形式で、すなわち反応物を1度に反応系(例えば丸底フラスコ)に添加し、そして反応後に生成物を分離する反応によって、行われる。本発明による、別の方法では、ラセミ化は、連続的方式、すなわち反応物を反応系(例えば反応器)に連続的に添加し、生成物を連続的に分離する連続的運転の反応により行われる。
【0025】
さらに好ましい実施態様において、ラセミ化は、通常の、もしくは105〜3×105Paに上昇させた圧力下において、260〜400℃の温度での溶融中で、または同じ気圧で280〜380℃で好ましい方法で行われる。
【0026】
好ましい実施態様においては、ラセミ化は特定量の式Iの中間体の光学活性または非ラセミ混合物を、高もしくは低沸点溶媒またはアルゴン下もしくは窒素下での溶融体中で加熱される。加熱は、400℃までの加熱ができる装置中で行われる。少量の系では、加熱は例えば加熱/攪拌炉、アルミニウムヒートブロック、電熱反応器またはオートクレーブおよび類似物またはマイクロ波の照射によって行うことができる。より大きな系では、加熱は例えば反応器またはオートクレーブで行うことができる。低沸点溶媒を用いる場合は、式Iの化合物は105〜3.5×107Paに上昇させた圧力下でオートクレーブ中で加熱する。
【0027】
反応はバッチ形式で、または連続的方式で行われる。反応後、ラセミ分離を行ない、式Iのビス(ホスフィンオキシド)の(R)または(S)体は、式IIのビスホスフィンリガンドの(R)または(S)体に還元する。または別の方法においては、ラセミ化の後、式Iの化合物のラセミ混合物の、式IIのリガンドへの還元を行ない、次にラセミ分離を行って式IIのビスホスフィンリガンドの(R)または(S)体とする。
【0028】
本発明は、さらに、純粋な、(R)または(S)体での、式II
【0029】
【化6】
Figure 0003688563
【0030】
(ここで、符号は上で定義したとおりである)、のアトロプ異性リガンドの、発明的な調製方法であって、
a)式Iのビス(ホスフィンオキシド)のラセミ混合物を分離し、そして
b)式Iのビス(ホスフィンオキシド)の(R)または(S)体を、式IIのビスホスフィンリガンドの(R)または(S)体に還元するか、または
a)式Iのビス(ホスフィンオキシド)のラセミ混合物を還元して、式IIのビスホスフィンリガンドのラセミ混合物を形成し、そして
b)式IIのリガンドのラセミ混合物のラセミ分離を行い、式IIのビスホスフィンリガンドの(R)または(S)体を得る、
ことを特徴とする方法の使用に関する。
【0031】
式Iの化合物の調製方法は公知であり、例えばUS5,274,125に記載されいている。
【0032】
ラセミ分離および式Iの化合物の式IIの化合物への還元は公知であり、例えばHelvetica Chimica Acta Vol.74(1991)p.370 et seqに記載されている。
【0033】
典型的な反応において、熱的ラセミ化は、式Iの化合物(ここで、R1はメトキシを表し、R2およびR3は水素を表し、R4はフェニル((R)または(S)−MeOBIPHEPO)を表す)と共に高沸点溶媒中で、または通常の、もしくは105〜3.5×107Paに上昇された圧力下での、260〜400℃の温度の溶融中で、もしくは低沸点有機溶媒中で105〜3.5×107Paに上昇させた圧力下で、同じ温度で行われる。
【0034】
式Iの化合物は、式IIのビスホスフィンリガンドの製造の種々の中間生成物であり、遷移金属、特に例えばルテニウム、ロジウムまたはイリジウムのようなVIII族の遷移金属との錯体の形成に用いられる。これらの錯体は、不斉水素化のような不斉反応において、触媒として有用である。ジホスフィンリガンドと遷移金属の錯体、ならびにそれらの不斉水素化のような不斉反応へのそれらの使用は公知であり、例えば米国特許5,430,191に記載されている。
【0035】
以下の実施例は本発明を説明するものであり、いかなる意味においてもそれの限定を表すものではない。これらの実施例において用いられている略語は以下の意味である。
Figure 0003688563
全ての温度はセ氏温度で与えられている。
【0036】
実施例1
ポリエチレングリコール中における(S)−MeOBIPHEPOのラセミ化
1.1)攪拌棒および蒸留ブリッジを備えた100ml二口丸底フラスコに、アルゴン下において(S)−MeOBIPHEPO〔99.2%e.e.;HPLC−純度:99.6%〕を10.0g(16.28mmol)およびポリエチレングリコール50mlを入れた。混合物を2時間加熱した。中間反応温度は、1時間以内に室温から317℃に上昇した。生じた混合液をさらに1時間攪拌し、それにより温度は344℃に上昇し、蒸留によって約5mlの黄色の液体を回収した。反応混合液を室温に冷却し、ジクロロメタン100mlを添加して、溶液を水(3×40ml)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥し、ろ過して、ろ過液を約50mlまで濃縮した。次に、メタノール50mlを添加し、混合液を約30mlの体積まで濃縮した。この工程をさらに2回繰り返した。生じた懸濁液を冷蔵庫に一晩置き、結晶をろ過し、冷却メタノール(2×10ml)で洗浄し、乾燥して(RS)−(MeOBIPHEPO)9.64gを、オフホワイトの固体として得た、HPLC−純度:96.4%;融点310〜312℃。キラルカラム上でのHPLC分析(キラルHPLC)によれば、この物質は(S)−(MeOBIPHEPO)50.4%および(R)−(MeOBIPHEPO)49.6%からなる。〔α〕20 D=−0.09(c=1.12、CHCl3
【0037】
類似の実験において(S)−(MeOBIPHEPO)10gを最高温度337℃で2.5時間処理して(RS)−(MeOBIPHEPO)9.56gを得た;HPLC−純度:95.6%;キラルHPLC:(S)−(MeOBIPHEPO)50.5%および(R)−(MeOBIPHEPO)49.5%。
【0038】
実施例1.2−1.8
以下の実施例においては、(S)−MeOBIPHEPOを、以下の高沸点溶媒でラセミ化した:テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、それぞれポリエチレングリコール350、400および550、ポリプロピレングリコール725およびTween80。結果を表1にまとめた。全ての実施例において、溶媒2.0ml中の(S)−MeOBIPHEPO150mg(0.24mmol)の懸濁液を、アルミニウムヒートブロック中のガラス管で330℃で70分または350℃で40分加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を取り出し、HPLCで分析した。
【0039】
【表1】
Figure 0003688563
【0040】
a)手順1:CH2Cl2に溶解し、H2Oで洗浄し、Na2SO4上で乾燥して、ろ過および蒸発した。
手順2:ヘキサンを添加して沈殿させ、ろ過により回収した。
手順3:ヘキサン/トルエンを添加して沈殿させた。沈殿は、ろ過により回収し、ヘキサンで3回洗浄し、乾燥した。
b)キラルカラム上でのHPLC分析
【0041】
実施例2
エタノール中での、(R)−MeOBIPHEPOの連続的ラセミ化
100gの(R)−MeOBIPHEPOを、アルゴン下において1500mlのエタノールに溶解し、ポンプで200℃のプレヒーター、続いて350℃に加熱された筒状反応器に通した。筒状反応器中での残留時間は、流量8ml/分で15.6分であり、圧力は3×106Paに上昇した。反応溶液を室温まで冷却した。結晶をろ過して63.21gの白色粉末を得た;HPLC純度(RS)−MeOBIPHEPO94.7%;キラルHPLC(R)−MeOBIPHEPOおよび(S)−MeOBIPHEPOの50:50混合物;収率計算値60%。母液からは、追加の29.75gの固体物質が単離された;HPLC純度(RS)−MeOBIPHEPO60.4%;キラルHPLC(R)−MeOBIPHEPOおよび(S)−MeOBIPHEPOの50:50混合物;合計収率78%。
【0042】
類似実験においては、反応は流量12.2ml/分において、筒状反応器中の残留時間10.2分で達成された。
【0043】
実施例3
エタノール中における、(R)−MeOBIPHEPOのバッチ形式でのラセミ化
3.1)オートクレーブに1.0gの(R)−MeOBIPHEPOおよびエタノール12.5mlを入れ、密閉してアルゴンと共にフラッシュした。メタルバス中で350℃まで加熱した後、圧力を1.37×107に上昇させた。30分後、反応を中止した。茶色の溶液を、減圧下(52℃/5.1×103Pa)において蒸発させ、(RS)−MeOBIPHEPOの茶色の残渣1.0gを得た;HPLC純度84%;キラルHPLC(R)−MeOBIPHEPO53.5%および(S)−MeOBIPHEPO46.5%。
【0044】
圧力下における(R)−MeOBIPHEPOの更なるラセミ化を、実施例3.2〜3.8に記載された種々の溶媒で行った。結果を表2にまとめた。
【0045】
【表2】
Figure 0003688563
【0046】
a)それぞれ蒸発後または水性の精製後(実施例3.2および3.4)に得られた原料。
b)キラルカラム上でのHPLC分析による。
【0047】
実施例4
溶融中における、(S)−MeOBIPHEPOのラセミ化
4.1)10本の試験管にそれぞれ1.0g、合計10.0g(16.3mmol)の(S)−MeOBIPHEPOを入れた。試験管をアルミニウムブロック中で350℃で20分間加熱した。冷却後、オイル状の茶色の試験管内容物を、塩化メチレン約200mlおよびメタノール200mlを用いて丸底フラスコに移した。溶液を約50mlの量に濃縮してメタノール200mlを添加した。約50mlに濃縮した後、生じた懸濁液を冷蔵庫に一晩置いた。結晶をろ過により回収し、冷却メタノールで洗浄し、乾燥して8.9gの(RS)−MeOBIPHEPOをオフホワイトの粉末として得た;HPLC純度97%;キラルHPLC(S)−MeOBIPHEPO51%および(R)−MeOBIPHEPO49%;収率計算値:86%
【0048】
4.2)攪拌棒付きのオートクレーブに(R)−MeOBIPHEPOを50.0g入れ、密閉してアルゴンと共にフラッシュした。反応は350℃まで加熱した。加熱は45分後に中止した。室温に冷却した後、得られた明るい黄色の固体化合物を150mlのCH2Cl2に溶解し、溶液を丸底フラスコに移して減圧下(50℃/4×103Pa)において蒸発させた。固体残渣を150mlのMeOH(70℃、還流)に溶解し、4℃の冷蔵庫中で一晩、結晶化した。結晶をろ過により回収し、冷却メタノール(50ml)で洗浄し、乾燥(70℃/6.5×103Pa)して42.56g(収率85.1%)の(RS)−MeOBIPHEPOをオフホワイトの粉末として得た;キラルHPLC(S)−MeOBIPHEPO49.9%および(R)−MeOBIPHEPO50.1%。
【0049】
実施例5〜8
【0050】
【表3】
Figure 0003688563
【0051】
a)テトラエチレングリコール中におけるMeOBIPHEPO類似体の濃度
b)キラルカラム上でのHPLC分析
c)実施例1に記載された実験手順
d)実施例4に記載された実験手順
e)TLC解析による若干の分解
【0052】
実施例9
マイクロ波照射下における有機溶媒中での(S)−MeOBIPHEPOのラセミ化
機械式攪拌機、還流濃縮機およびアルゴン取り込み管が付いた40×260mmの反応管に10.0g(16.3mmol)の(S)−MeOBIPHEPOおよび50mlのポリエチレングリコール400を入れた。反応管をマイクロ波反応器中に設置した。懸濁液を、マイクロ波照射下において攪拌した。内部反応温度は6分の間に室温から280℃に上昇した。この温度を、追加の64分間維持した。その後、反応管を取り出して冷却した。生じた茶−黒色の溶液をキラルカラム上のHPLCによって分析すると、52.4%の(S)−MeOBIPHEPOおよび46.6%の(R)−MeOBIPHEPOを含むことがわかった。精製およびメタノールからの結晶化により、8.9g(89%)の(RS)−MeOBIPHEPOをオフホワイトの固形物として得た;キラルHPLC(S)−MeOBIPHEPO50.4%および(R)−MeOBIPHEPO49.6%。

Claims (12)

  1. (R)もしくは(S)体、または(R)および(S)体の非ラセミ混合物として存在する式I
    Figure 0003688563
    (式中、
    1が、C1-8−アルコキシを表し、および
    2が、水素、C1-8−アルキル、C1-8−アルコキシを表すか、または
    1およびR2が一緒になって、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
    3は、水素、C1-8−アルキルまたはC1-8−アルコキシを表し、
    4は、フェニルまたは置換されたフェニルを表す)
    のアトロプ異性化合物のラセミ化の方法において、ラセミ化が熱的であり、260〜400℃で行われることを特徴とする方法。
  2. ラセミ化が、280〜380℃の温度で行われる、請求項1記載の方法。
  3. ラセミ化が、溶媒または溶融中で行われる、請求項1または2記載の方法。
  4. ラセミ化が、加熱またはマイクロ波照射により熱的に行われ、反応が、バッチ形式または連続的方式で行われる、請求項3記載の方法。
  5. ラセミ化が、高沸点溶媒中で、260〜400℃の温度、かつ105〜3.5×107Paの圧力下において行われる、請求項4記載の方法。
  6. ラセミ化が、式III
    5O(CH2CH2O)nCH2CH2OR6 III
    (式中、R5およびR6は、それぞれ独立して水素または低級アルキル(C1〜C4)を表し、およびnは、2、3、4、5、6、7またはそれ以上でポリエチレンオキシ鎖を表す)の高沸点溶媒または式IV
    5O(CH2CH(CH3)O)nCH2CH(CH3)OR6 IV
    (式中、R5およびR6は上述のとおりであり、nは、上述のとおりでポリプロピレン鎖を表す)の高沸点溶媒中で行われる、請求項5記載の方法。
  7. 高沸点溶媒が、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル350、ポリエチレングリコールジメチルエーテル400、ポリエチレングリコール350、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール550、ポリエチレングリコール725、ポリプロピレングリコール725またはポリオキシエチレン−ソルビタン−モノオレートである、請求項5または6記載の方法。
  8. ラセミ化が、低沸点溶媒中、105〜3.5×107Paの圧力下において行われる、請求項4記載の方法。
  9. ラセミ化が、低沸点溶媒中、105〜107Paの圧力下において行われる、請求項8記載の方法。
  10. 低沸点溶媒が、芳香族溶媒、アルコール、または芳香族溶媒とアルコールとの混合物である、請求項8または9記載の方法。
  11. 純粋な、(R)または(S)体での、請求項1で定義した式II
    Figure 0003688563
    のアトロプ異性リガンドの調製のための、請求項1記載の方法の使用において、
    a)請求項1〜10のいずれか1項記載の方法により調製した、式Iのビス(ホスフィンオキシド)のラセミ混合物を分離し、そして
    b)式Iのビス(ホスフィンオキシド)の(R)または(S)体を、式IIのビスホスフィンリガンドの(R)または(S)体に還元するか、または
    a)請求項1〜10のいずれか1項記載の方法により調製した、式Iのビス(ホスフィンオキシド)を還元して、式IIのビスホスフィンリガンドのラセミ混合物を形成させ、そして
    b)式IIのビスホスフィンリガンドの(R)または(S)体を得るために、式IIのリガンドのラセミ混合物のラセミ分離を行うことを特徴とする使用。
  12. 請求項11で定義した、純粋な、(R)または(S)体での式IIのアトロプ異性ジホスフィンリガンドをVIII族の遷移金属と反応させる、光学活性遷移金属錯体を生産する方法において、純粋な、(R)または(S)体での式IIのアトロプ異性ジホスフィンリガンドが、請求項1〜10いずれか1項記載の式Iのアトロプ異性化合物のラセミ化によって調製され、次に請求項11記載のラセミ分離および還元反応、または還元反応およびラセミ分離が行われることを特徴とする方法。
JP2000203499A 1999-07-09 2000-07-05 アトロプ異性ビス(ホスフィンオキシド)化合物のラセミ化の方法 Expired - Lifetime JP3688563B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP99113306.7 1999-07-09
EP99113306 1999-07-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001039993A JP2001039993A (ja) 2001-02-13
JP3688563B2 true JP3688563B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=8238553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000203499A Expired - Lifetime JP3688563B2 (ja) 1999-07-09 2000-07-05 アトロプ異性ビス(ホスフィンオキシド)化合物のラセミ化の方法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US6288280B1 (ja)
EP (1) EP1067133B1 (ja)
JP (1) JP3688563B2 (ja)
KR (1) KR100385800B1 (ja)
CN (1) CN1163499C (ja)
AT (1) ATE250072T1 (ja)
BR (2) BRPI0002650B8 (ja)
CA (1) CA2313338C (ja)
DE (1) DE60005257T2 (ja)
DK (1) DK1067133T3 (ja)
ES (1) ES2204411T3 (ja)
JO (1) JO2284B1 (ja)
MX (1) MXPA00006740A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003273926A1 (en) * 2002-10-01 2004-04-23 Dieter Arlt Isomerisation of chiral homogeneous o,o'-dihydroxybiphenyl derivatives
JP4375997B2 (ja) * 2003-05-19 2009-12-02 三洋電機株式会社 有機化合物の製造方法及び製造装置
JP5009613B2 (ja) * 2003-06-13 2012-08-22 ベーリンガー・インゲルハイム・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 不斉合成における使用のためのキラル配位子
CN100497297C (zh) * 2005-01-24 2009-06-10 南京大学 光学活性氨基酸或其盐的微波消旋方法
CN108303385B (zh) * 2017-10-21 2021-12-24 聊城鲁西多元醇新材料科技有限公司 一种测定双膦配体铑催化剂中铑含量的方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3204667B2 (ja) 1991-03-15 2001-09-04 エフ・ホフマン―ラ ロシユ アーゲー キラルなホスフイン
US5334766A (en) * 1991-04-29 1994-08-02 Hoffmann-La Roche Inc. Process for the resolution of racemic diphosphine oxides
EP0579797B1 (de) 1992-01-31 1999-04-21 F. Hoffmann-La Roche Ag Diphosphinliganden
JP3898220B2 (ja) * 1994-09-23 2007-03-28 ダーウィン・ディスカバリー・リミテッド レボブピバカインおよびその類似体の製造に使用するラセミ化と不斉変換法
JP3148136B2 (ja) * 1996-12-26 2001-03-19 高砂香料工業株式会社 新規なキラルジホスフィン化合物、その製造中間体、該ジホス フィン化合物を配位子とする遷移金属錯体並びに該錯体を含む 不斉水素化触媒
US6162929A (en) * 1997-12-23 2000-12-19 Hoffmann-La Roche Inc. Process for the manufacture of bisphosphine oxide and bisphosphonate compounds

Also Published As

Publication number Publication date
BR0002650A (pt) 2001-03-13
BRPI0002650B8 (pt) 2019-02-26
CA2313338C (en) 2008-12-30
DE60005257T2 (de) 2004-07-01
CN1163499C (zh) 2004-08-25
ES2204411T3 (es) 2004-05-01
US6288280B1 (en) 2001-09-11
KR100385800B1 (ko) 2003-06-02
DK1067133T3 (da) 2004-01-19
DE60005257D1 (de) 2003-10-23
CA2313338A1 (en) 2001-01-09
JO2284B1 (en) 2005-09-12
EP1067133A1 (en) 2001-01-10
KR20010049732A (ko) 2001-06-15
EP1067133B1 (en) 2003-09-17
MXPA00006740A (es) 2005-04-14
JP2001039993A (ja) 2001-02-13
CN1281860A (zh) 2001-01-31
ATE250072T1 (de) 2003-10-15
BR0002650B1 (pt) 2011-12-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008239629A (ja) 新規なベンラファクシン塩酸塩多型形状、ならびにその調製方法
US5399722A (en) Process for preparing tert-butyl (3R,5S)-6-hydroxy-3,5--O--isopropylidene-3,5-dihydroxyhexanoate
JP3688563B2 (ja) アトロプ異性ビス(ホスフィンオキシド)化合物のラセミ化の方法
JP2579677B2 (ja) イソキノリン誘導体
CN113244951B (zh) 介孔分子筛负载的催化剂及其应用
CN113896674A (zh) 一种阿普斯特的合成方法
CN107032972B (zh) 具有2’-羟基查尔酮结构Diels-Alder产物的制备方法
JP2014051461A (ja) 光学活性2,3−ジヒドロファルネサールの製造方法
IL212918A (en) Process for Synthesis of Amino Derivatives - Methyl Tetralin
CN112250567B (zh) 一种AMG837及手性γ-甲基苯戊醇的合成方法
JPS6344544A (ja) ジヒドロシクロシトラ−ル及びジヒドロシクロシトラ−ルの光学活性立体異性体の製法
TW200304825A (en) Process for making chiral 1,4-disubstituted piperazines
CN109651437B (zh) 一种手性氮磷配体及其制备方法,及一种拆分消旋薄荷醇的方法
EP0322236B1 (en) Catalytic process for preparing optically active threonine
KR100340760B1 (ko) (알)-(-)-무스콘의 입체선택적 제조 방법
JP2004506628A (ja) ビタミンeの調製に用いるための中間体
WO2008044702A1 (fr) Procédé de production d'un dérivé azabicycloalcanol
JP4373933B2 (ja) (1s,2s)−または(1r,2r)−シス−1−アリールホスホラン−2−カルボン酸・ボラン錯体とその製造方法
JP2683809B2 (ja) 1−ベンジル−3−ベンジルアミノピロリジン類の製造法
Chen et al. An efficient and enantioselective synthesis of d-biotin
JP4178345B2 (ja) スチレンオリゴマー分析用1−フェニル−4−(1−フェニルエチル)テトラリン類の標準品
CN117229136A (zh) 一种壬二酸的制备方法
JPS6058934A (ja) エポキシドの異性化方法
JPH05255220A (ja) 光学活性ヒドロキシルアミンの製造法
JPH0390050A (ja) 光学活性な1―アルキルアミノ―3―アリールオキシ―2―プロパノール類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040113

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20040413

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20040420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050607

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3688563

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090617

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100617

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110617

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120617

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130617

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term