JP3688389B2 - 車両用ワイパ制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイパモータの断電時にワイパを所定の待機位置に停止させるための定位置停止スイッチを備えた車両用ワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウインドウオッシャ機能付きの車両用ワイパ制御装置においては、一般的には、ウオッシャスイッチの操作期間中だけウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータを駆動するように構成される。また、ウオッシャスイッチが操作されたときにワイパモータの通電路形成用のリレースイッチを動作させると共に、その動作状態をウオッシャスイッチの操作が停止された後に所定時間だけ保持するタイマ回路を設けることにより、ワイパによる払拭動作が所定回数だけ連動して行われるように構成される。従って、このような構成では、リレーの動作停止タイミングが、タイマ回路に設定されたタイマ時間により一義的に決まることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両用ワイパ制御装置にあっては、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられている。従って、タイマ回路によりリレーが動作停止された後においても、ワイパが待機位置へ戻っていない状態では、ワイパモータの通電路が上記定位置停止スイッチを通じて形成された状態となる。
【0004】
ところで、ワイパの待機位置の範囲は、極めて狭い範囲に厳密に設定できるものではなく、ある程度以上の幅(ワイパ駆動系の慣性による回動範囲より大きい幅)が必要になるものであるが、リレーの動作停止タイミングが前述のようにタイマ回路に設定されたタイマ時間により一義的に決まる構成とされていた場合には、その動作停止タイミングの如何によっては、ワイパが待機位置からオーバーランすることがある。具体的には、ワイパが待機位置を脱出する寸前にリレーが動作停止されたときには、直ちにワイパモータが断電されるものの、ワイパ駆動系の慣性によりワイパが待機位置からオーバーランすることになり、このような状態となったときには、ワイパ(ワイパブレード)の存在が車両運転者にとって煩わしくなる虞が出てくる。
【0005】
また、このような問題点は、車両が走行状態から停止状態となったときにワイパの払拭モードを一段低い状態へ自動的に切換えるという所謂停動機能を備えた車両用ワイパ制御装置においても同様に惹起される場合がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウインドウオッシャ機能や停動機能が設けられる場合であっても、ワイパのオーバーランを効果的に防止できるようになる車両用ワイパ制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は上記目的を達成するために、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられた車両用ワイパ制御装置において、
動作状態でオンされる常開接点を有したスイッチング手段と、オンされたときに前記スイッチング手段を動作状態に切換えるスイッチング素子と、オン操作に応じてウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータの通電路を形成するウオッシャスイッチと、
このウオッシャスイッチのオン操作に応じて前記スイッチング素子をオンさせると共に、そのオン操作が解除された後に上記スイッチング素子のオン状態を所定時間だけ保持するタイマ手段と、
少なくとも停止位置へ操作された状態で、前記ワイパモータの通電路を前記スイッチング手段の常開接点を介して形成するための接点回路を有したワイパスイッチと、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間毎に充電されると共に、当該定位置停止スイッチが動作された期間毎に上記充電電荷をワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電する遅延機能用コンデンサを有し、その遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間は前記スイッチング素子をオン状態に保持するように構成された補助回路とを備えた構成としたものである。
【0008】
このような構成によれば、ウオッシャスイッチがオン操作されたときには、ポンプモータの通電路が形成されて当該ポンプモータが駆動されるため、ウインドウオッシャ液の噴射動作が行われる。また、ウオッシャスイッチがオン操作されたときには、タイマ手段が、スイッチング素子をオンさせると共に、そのオン状態をウオッシャスイッチのオン操作が解除された後にも所定時間だけ保持するようになる。
【0009】
上記のようにスイッチング素子がオンされた期間には、スイッチング手段が動作状態に切換えられて、その常開接点がオンされる。この場合、ワイパスイッチが停止位置にあった場合には、当該常開接点及びワイパスイッチの接点回路を介してワイパモータの通電路が形成されるようになる。これにより、ワイパの払拭動作が、ウオッシャポンプモータの駆動に連動して所定時間だけ実行される。
【0010】
この場合、スイッチング素子のオフタイミングは、タイマ手段の設定時間に応じて決まることになる。但し、上記タイマ手段によるスイッチング素子のオフタイミングが、定位置停止スイッチの動作停止期間(ワイパが待機位置にある期間)と重なる場合には、補助回路の働きによってスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされるようになる。
【0011】
具体的には、定位置停止スイッチが動作停止された期間には、補助回路内の遅延機能用コンデンサに充電されるようになり、また、その充電電荷は、当該定位置停止スイッチが動作された期間においてワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電されるようになる。そして、補助回路にあっては、上記遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間には、前記スイッチング素子をオン状態に保持するようになるから、定位置停止スイッチの動作停止期間中にスイッチング素子がオフすることがなくなる。
【0012】
上記スイッチング素子は、その後において遅延機能用コンデンサの放電が進行してその充電電位が所定レベルより低くなったときにオフされるものであり、結果的にスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされることになる。この場合、ワイパモータの通電路は、スイッチング素子のオフ後においても、定位置停止スイッチにより維持されるようになり、ワイパが待機位置へ戻ったときに初めてワイパモータの通電路が遮断されてワイパの払拭動作が停止される。
【0013】
従って、定位置停止スイッチが動作停止された期間、つまりワイパが待機位置にある期間には、スイッチング手段の常開接点を通じたワイパモータの通電路がスイッチング素子のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータが断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0014】
請求項2記載の発明は、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられた車両用ワイパ制御装置において、
動作状態でオンされる常開接点を有したスイッチング手段と、オンされたときに前記スイッチング手段を動作状態に切換えるスイッチング素子と、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間に当該定位置停止スイッチを介して正方向に充電されると共に、その充電電荷を定位置停止スイッチが動作されたときに放電する間欠払拭モード用コンデンサと、
間欠払拭モード位置へ操作された状態で、前記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧を前記スイッチング素子に印加することにより当該スイッチング素子をオンさせる第1接点回路、及びそのオンに応じて動作状態に切換えられる前記スイッチング手段の常開接点を介して前記ワイパモータの通電路を形成する第2接点回路を有したワイパスイッチと、
車両の走行状態で電圧信号を出力する車速検知回路と、オンされた状態で前記車速検知回路からの電圧信号を前記ワイパスイッチの第1接点回路を介して前記スイッチング素子に与えることにより当該スイッチング素子をオンさせる切換スイッチと、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間毎に充電されると共に、当該定位置停止スイッチが動作された期間毎に上記充電電荷をワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電する遅延機能用コンデンサを有し、その遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間は前記スイッチング素子をオン状態に保持するように構成された補助回路とを備えた構成としたものである。
【0015】
このような構成によれば、間欠払拭モード用コンデンサは、定位置停止スイッチが動作停止された期間(つまりワイパが待機位置にある期間)において、その定位置停止スイッチを介して正方向に充電された状態にある。
【0016】
また、切換スイッチがオフされている状態において、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された場合には、そのワイパスイッチが有する第1接点回路が、上記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧を前記スイッチング素子に印加することにより、当該スイッチング素子をオンさせるようになり、斯様なオンに応じてスイッチング手段が動作状態に切換えられる。
【0017】
このため、上記スイッチング手段の常開接点がオンされるのに応じて、上記常開接点及びワイパスイッチの第2接点回路を介してワイパモータの通電路が形成されるようになり、ワイパの払拭動作が開始される。
【0018】
このようにワイパの払拭動作が開始されたときには、定位置停止スイッチが動作状態となって前記間欠払拭モード用コンデンサの充電電荷が放電されるため、定位置停止スイッチが動作停止された段階で前記スイッチング素子がオフ状態に戻されて、スイッチング手段が動作停止されるようになり、これに応じてスイッチング手段の常開接点を介したワイパモータの通電路形成状態が解除される。
【0019】
上記のように定位置停止スイッチが動作停止されたときには、前記間欠払拭モード用コンデンサが正方向に再充電されるようになり、所定時間経過後に当該コンデンサの充電レベルが所定レベル以上となったときには、ワイパスイッチの第1接点回路が、上記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧によりスイッチング素子を再オンさせるようになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサの充電及び放電に応じてワイパモータの通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が継続されるようになる。
【0020】
以上のように、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された状態において、切換スイッチがオフされている場合にはワイパによる間欠払拭動作が行われることになる。
【0021】
これに対して、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された状態において、切換スイッチがオンされている場合には、以下のような動作が行われる。 つまり、車両が走行している状態では、車速検知回路から電圧信号が継続的に出力されるようになり、この場合において、上記のように切換スイッチがオンされていたときには、その電圧信号が、ワイパスイッチの第1接点回路を介して前記スイッチング素子に与えらえるため、当該スイッチング素子が強制的にオンされるようになる。
【0022】
このため、車両の走行状態では、上記スイッチング素子が間欠払拭モード用コンデンサの充放電と無関係に連続的にオンされるようになって、スイッチング手段の動作状態、つまり当該スイッチング手段の常開接点がオンされた状態が保持される。この結果、上記常開接点及びワイパスイッチの第2接点回路を介してワイパモータの通電路が形成された状態が保持されるようになり、ワイパの連続的な払拭動作が行われる。
【0023】
この状態から車両が停止したときには、車速検知回路からの電圧信号が消失して前記スイッチング素子の強制的なオン状態が解消されるため、これ以降は、前述したような間欠払拭モード用コンデンサの充電及び放電動作が再開されるようになり、以てワイパが間欠払拭動作される状態に戻されることになる。
【0024】
上記のように、切換スイッチがオンされ、且つワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された状態においては、車両の走行状態ではワイパの連続払拭動作が行われると共に、車両の停止状態ではワイパが間欠払拭動作状態へ自動的に変更されるという停動機能が得られるものである。
【0025】
この場合、上述のようなスイッチング素子の強制的なオン状態を解消するタイミングは、車速検知回路からの電圧信号が消失するタイミング、つまり、車両が走行停止するタイミングに応じて決まることになる。但し、上記のような車両の走行停止に応じたスイッチング素子のオフタイミングが、定位置停止スイッチの動作停止期間(ワイパが待機位置にある期間)と重なる場合には、補助回路の働きによってスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされるようになる。
【0026】
具体的には、定位置停止スイッチが動作停止された期間には、補助回路内の遅延機能用コンデンサに充電されるようになり、また、その充電電荷は、当該定位置停止スイッチが動作された期間においてワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電されるようになる。そして、補助回路にあっては、上記遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間には、前記スイッチング素子をオン状態に保持するようになるから、定位置停止スイッチの動作停止期間中にスイッチング素子がオフすることがなくなる。
【0027】
上記スイッチング素子は、その後において遅延機能用コンデンサの放電が進行してその充電電位が所定レベルより低くなったときにオフされるものであり、結果的にスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされることになる。この場合、ワイパモータの通電路は、スイッチング素子のオフ後においても、定位置停止スイッチにより維持されるようになり、ワイパが待機位置へ戻ったときに初めてワイパモータの通電路が遮断されてワイパの払拭動作が停止される。
【0028】
従って、定位置停止スイッチが動作停止された期間、つまりワイパが待機位置にある期間には、スイッチング手段の常開接点を通じたワイパモータの通電路がスイッチング素子のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータが断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照しながら説明する。 即ち、図1において、ワイパ制御装置1は、端子1a〜1hを備えており、端子1aはワイパモータ2の高速回転端子Hに接続され、端子1bは当該ワイパモータ2の低速回転端子Lに接続される。また、端子1cはイグニッションスイッチ3を介して車載バッテリ4のプラス側端子に接続される。この場合、車載バッテリ4のマイナス側端子及びワイパモータ2の共通端子Cはグランド端子に接続される。
【0030】
さらに、端子1dは周知構成の定位置停止スイッチ5の共通接点cに接続され、端子1eはウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータ6を介して端子1cに接続され、端子1fはグランド端子に接続される。また、端子1gは、後述する車速検知回路7の端子7aに接続され、端子1hは、後述する切換スイッチ8の接点T10に接続される。
【0031】
この場合、上記定位置停止スイッチ5は、ワイパが待機位置にあるときに接点(c−b)間をオンした動作停止状態に保持されると共に、ワイパモータ2に一旦通電されてワイパが上記待機位置から移動されたときに接点(c−a)間をオンした動作状態に切換えられるものであり、その常開接点aが端子1cに接続され、常閉接点bがグランド端子に接続される。
【0032】
上記ワイパ制御装置1には、ワイパスイッチ9、ワイパモータ2の通電路を形成するためのリレー10(本発明でいうスイッチング手段に相当)、このリレー10の動作を制御するためのnpn形トランジスタ11(本発明でいうスイッチング素子に相当)、ワイパの間欠払拭モード時におけるインターバル時間を決定する間欠払拭モード用コンデンサ12、間欠払拭動作時にインターバル時間を調節するためのボリューム13、ウオッシャスイッチ14などが設けられる。
【0033】
上記ワイパスイッチ9は、図示しない操作レバーの操作に応じて、停止位置OFF、間欠払拭モード位置INT、低速払拭モード位置LO、高速払拭モード位置HIへそれぞれ切換え可能な構成となっている。この場合、ワイパスイッチ9は、接点T1〜T7を備えており、上記した各位置OFF、INT、LO、HIへそれぞれ切換えられた状態では、接点T1〜T7間を、図中に「○−○」印で示すように選択的に接続する。尚、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INT及び低速払拭モード位置LO間で切換えられるときには、図中に「×−×」印で示すように接点T1・T4間がショートしない構成となっている。
【0034】
また、ワイパスイッチ9において、間欠払拭モード位置INTへ操作された状態で互いに接続された状態となる接点T5・T6間が請求項2記載の発明でいう第1接点回路に相当し、同じく互いに接続された状態となる接点T3・T4間が請求項1記載の発明でいう接点回路並びに請求項2記載の発明でいう第2接点回路に相当する。
【0035】
ワイパスイッチ9の接点T1と端子1cとの間には電源ライン+Bが接続されるものであり、この電源ライン+Bは端子1gにも接続される。ワイパスイッチ9の接点T2及びT3は、それぞれ端子1a及び1bに接続され、接点T4は、前記リレー10が有するリレースイッチ10aの共通接点cに接続される。尚、上記リレースイッチ10aは、常開接点a及び常閉接点bを備えたトランスファ形のもので、その常閉接点bは、端子1dに直接的に接続され、常開接点aは、電源ライン+Bに接続される。また、この電源ライン+Bは、端子1dに対して、抵抗15、インターバル時間調節用の前記ボリューム13及び間欠払拭モード用コンデンサ12を直列に介して接続される。
【0036】
ワイパスイッチ9の端子T5は、端子1hに抵抗16を介して接続されると共に、前記ボリューム13及び間欠払拭モード用コンデンサ12の共通接続点に対して、抵抗17a及び図示極性のダイオード17bを直列に介して接続される。端子T6は、抵抗18を介してグランド端子(端子1f)に接続されると共に、前記トランジスタ11のベースに接続される。また、端子T7は開放状態とされる。
【0037】
上記トランジスタ11のコレクタは、前記リレー10の励磁コイル10bを介して電源ライン+Bに接続され、エミッタはグランド端子(端子1f)に接続される。尚、トランジスタ11のコレクタ・エミッタ間には過電圧保護のための図示極性の定電圧ダイオード19が接続される。
【0038】
前記ウインドウオッシャスイッチ14は、オン位置ONへ操作された期間のみ接点T8及びT9間を橋絡するモーメンタリ形のもので、その接点T8は端子1eに接続され、接点T9はグランド端子(端子1f)に接続される。
【0039】
タイマ手段としてのタイマ回路20は、ポンプモータ6の動作に連動してワイパによる払拭動作を所定時間だけ実行するためのもので、そのタイマ要素としてコンデンサ20aを備えて成り、次のような構成とされている。
【0040】
即ち、タイマ回路20にあっては、電源ライン+Bとグランド端子(端子1f)との間に、pnp形トランジスタ20bのエミッタ・コレクタ間、充電用の抵抗20c及び上記コンデンサ20aを直列に接続すると共に、抵抗20c及びコンデンサ20aの共通接続点を、放電用の抵抗20dを介して前記トランジスタ11のベースに接続している。
【0041】
また、電源ライン+Bと端子1eとの間に、抵抗20e及び20fを直列に接続し、これら抵抗20e及び20fの共通接続点を上記トランジスタ20bのベースに接続している。尚、この場合において、充電用の抵抗20cを通じたコンデンサ20aの充電時定数は比較的小さな値に設定されるが、放電用の抵抗20d及び18を通じたコンデンサ20aの放電時定数は比較的大きな値に設定される。
【0042】
さて、ワイパ制御装置1内には、上記のような各回路要素の他に、本発明の要旨に直接関係した補助回路21が設けられており、以下これについて説明する。即ち、補助回路21にあっては、ワイパスイッチ9の接点T4(リレースイッチ10aの共通接点c)とグランド端子(端子1f)との間に、pnp形トランジスタ21aのエミッタ・コレクタ間、図示極性のダイオード21b及び抵抗21cを直列に接続すると共に、その抵抗21cと並列に抵抗21d及び遅延機能用コンデンサ21eの直列回路を接続している。
【0043】
また、上記トランジスタ21aのベースを抵抗21f及び図示極性のダイオード21gを介して端子1dに接続すると共に、その抵抗21aのコレクタ・ベース間に抵抗21hを接続している。さらに、前記ダイオード21bのカソードを抵抗21iを介して前記トランジスタ11のベースに接続している。
【0044】
尚、この場合において、抵抗21dを通じた遅延機能用コンデンサ21eの充電時定数は比較的小さな値に設定されるが、抵抗21c、21d、21f、18などを通じた遅延機能用コンデンサ21eの放電時定数は比較的大きな値に設定される。
【0045】
前記切換スイッチ8は、前記ワイパスイッチ9内に組み込まれた状態、若しくは当該ワイパスイッチ9とは独立した状態で設けられるものであり、オン位置ONへ操作された状態で接点T10及びT11間を橋絡した状態を保持する構成となっており、その接点T10は、前述したようにワイパスイッチ9の端子1hに接続され、接点T11は車速検知回路7の端子7bに接続される。
【0046】
尚、切換スイッチ8をワイパスイッチ9内に組み込む場合には、例えば、インターバル時間調節用のボリューム13が最小抵抗値位置(インターバル時間が最も短くなる位置)へ操作されるのに連動して、当該切換スイッチ8が接点T10・T11間を接続したオン状態に切換えられる構成とすることができる。
【0047】
しかして、以下においては、車速検知回路7の構成について説明する。即ち、車速検知回路7は、前記端子7a、7bの他に端子7c、7dを有し、その端子7cは、周知構成の車速センサを構成するリードスイッチ22を介してグランド端子に接続され、端子7dはグランド端子に直接的に接続される。
【0048】
端子7aは、抵抗23a及び図示極性の定電圧ダイオード23bの直列回路を介してグランド端子(端子7d)に接続されており、その定電圧ダイオード23bのカソードからは定電圧電源ライン+Vccが引き出されている。上記定電圧電源ライン+Vccと端子7cとの間には、抵抗24、25、微分パルス発生用のコンデンサ26及び図示極性のダイオード27が直列に接続される。また、定電圧電源ライン+Vccと上記抵抗25及びコンデンサ26の共通接続点との間には、抵抗28及び図示極性のダイオード29の直列回路が接続され、定電圧電源ライン+Vccと前記ダイオード27のアノードとの間には抵抗30が接続される。
【0049】
さらに、定電圧電源ライン+Vccとグランド端子(端子7d)との間には、pnp形トランジスタ31のエミッタ・コレクタ間、図示極性のダイオード32、抵抗33及び積分用コンデンサ34の直列回路が接続される。上記トランジスタ31のベースは抵抗24及び25の共通接続点に接続される。また、抵抗33及びコンデンサ34の直列回路と並列に抵抗35が接続され、抵抗33及び35の共通接続点は端子7bに接続される。
【0050】
この場合、コンデンサ34と共に積分回路を構成する充電用の抵抗33の抵抗値は比較的小さい値に設定され、同じく放電用の抵抗35の抵抗値は比較的大きい値に設定される。
【0051】
このように構成された車速検知回路7にあっては、リードスイッチ22が間欠的にオンされる状態(車両の走行状態)では、コンデンサ26に対し抵抗24及び25を通じて充電される動作と、その充電電荷がダイオード29などを通じて放電される動作とが交互に行われて微分パルスが間欠的に発生するものであり、その微分パルスによりトランジスタ31のオンオフ動作が反復して行われる。
【0052】
このとき、トランジスタ31のオン期間には、コンデンサ34に対し抵抗33を通じて比較的小さい時定数で充電されるようになる。また、トランジスタ31のオフ期間には、コンデンサ34の充電電荷が抵抗35を通じて放電されるようになるが、その放電時定数は比較的大きな値に設定されているため、結果的に、車両走行状態では、コンデンサ34の充電電位は、定電圧電源ライン+Vccの電位レベル近くまで上昇することになり、端子7bから電圧信号Vsが出力されることになる。
【0053】
また、リードスイッチ22がオフされたままの状態(車両の停止状態)では、トランジスタ31がオフ状態に保持されるため、コンデンサ34の充電電荷が抵抗33及び35を通じて放電された状態となって、前記電圧信号Vsが消失することになる。
【0054】
次に、上記構成の作用のうち、本発明の要旨に直接的に関係した部分について図2も参照しながら説明する。尚、図2は、ウオッシャスイッチ14のオンオフ状態、コンデンサ20aの充電電位、トランジスタ11のコレクタ電位、リレースイッチ10aの共通接点cの電位、定位置停止スイッチ5の共通接点cの電位、トランジスタ21aのオンオフ状態、遅延機能用コンデンサ21eの充電電位の変化状態を示したものである。
【0055】
イグニッションスイッチ3がオンされている状態において、ウオッシャスイッチ14がオン位置ONへ操作された場合には、その操作期間(図2のタイミングt1〜t2)において、ポンプモータ6に対し、車載バッテリ4からイグニッションスイッチ3、ウオッシャスイッチ14を介して通電されてウインドウオッシャ液の噴射動作が行われる。
【0056】
また、上記操作期間には、タイマ回路20内のトランジスタ20bのベース電流が抵抗20f及びウオッシャスイッチ14を介して流れるため、当該トランジスタ20bがオン状態に保持されるようになる。これにより、タイマ回路20内のコンデンサ20aに対し、電源ライン+Bからトランジスタ20b、抵抗20cを介して充電されるようになる。
【0057】
この場合の充電時定数は、前にも述べたように比較的小さな値に設定されており、そのコンデンサ20aの充電電位は図2(b)のように比較的短い時間で立ち上がる。このため、上記のようにコンデンサ20aの充電が行われた場合には、その端子電圧によりトランジスタ11が比較的早い時期にオンされるようになり(図2(c)参照)、当該トランジスタ11を介してリレー10の励磁コイル10bに通電されて、リレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされるようになる。
【0058】
ここで、ウオッシャスイッチ14の操作時点において、ワイパスイッチ9が停止位置OFF及び間欠払拭モード位置INTの何れかへ操作された状態にあった場合には、上述のようにリレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされたときに、ワイパモータ2の通電路が、上記接点(c−a)間、ワイパスイッチ9の接点T4・T3間及び当該ワイパモータ2の低速回転端子Lを通じて形成されるようになり、以てワイパの払拭動作が開始される。
【0059】
ウオッシャスイッチ14のオン位置ONへの操作が解除された場合には、タイマ回路20内のトランジスタ20bがオフされるため、コンデンサ20aの充電電荷が主に抵抗20d及び18を介して放電されるようになる。
【0060】
この場合の放電時定数は、前にも述べたように比較的大きな値に設定されているから、そのコンデンサ20aの充電電位は比較的緩やかに立ち下がる。このため、トランジスタ11は、当該放電時定数に応じた比較的長い時間が経過するまでオン状態に保持される。
【0061】
そして、上記のような放電に応じてコンデンサ20aの充電電位が所定レベル以下に低下したときに初めてトランジスタ11がオフされるため、励磁コイル10bの断電に応じてリレースイッチ10aが接点(c−b)間をオンした状態に復帰し、リレースイッチ10aの接点(c−a)間を介したワイパモータ2の通電路が遮断される。但し、ワイパが待機位置へ復帰するまでの期間は、ワイパモータ2の通電路が、定位置停止スイッチ5の接点(c−a)間、リレースイッチ10aの接点(c−b)間、ワイパスイッチ9の接点T4・T3間を通じて形成されるようになる。
【0062】
以上のようにして、ワイパスイッチ9が停止位置OFF及び間欠払拭モード位置INTの何れかへ操作された状態にあった場合には、ポンプモータ6の駆動に連動してワイパによる払拭動作が所定時間だけ実行されるものである。
【0063】
この場合、本実施例では、タイマ回路20内のコンデンサ20aの充電電位が所定レベル以下に低下した時点(トランジスタ11が上述したようにオフされるべき時点)において、ワイパが待機位置に存した状態にあった場合には、補助回路21の動作に応じて、トランジスタ11のオフタイミングが引き延ばされる構成となっている。
【0064】
具体的には、ワイパが待機位置にある期間、つまり、定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間には、補助回路21内のトランジスタ21aのベース電流が、抵抗21f、ダイオード21g及び上記接点(c−b)間を通じて流れるようになって当該トランジスタ21aがオンされる(図2(e)、(f)参照)。このため、そのトランジスタ21aのオン期間毎に、遅延機能用コンデンサ21eに充電されるようになり、そのコンデンサ21eの充電電位は、図2(g)のように定位置停止スイッチ5の動作周期に連動して周期的に変化するようになる。
【0065】
この場合、遅延機能用コンデンサ21eの充電電位が所定レベル以上ある期間には、そのコンデンサ21eからの放電電流がトランジスタ11のベースに供給されるため、当該期間中に前記タイマ回路20内のコンデンサ20aの充電電位が所定レベル(図2中にVmin で示す)以下に下がった場合でも、トランジスタ11のオン状態が保持される。これにより、ワイパが待機位置にある期間中にトランジスタ11がオフすることがなくなる。
【0066】
そして、この後に、遅延機能用コンデンサ21eの充電電位が所定レベルVmin 以下に下がった時点(図2中にt3で示すタイミング)において、初めてトランジスタ11gがオフされて励磁コイル10bが断電されるものであり、これに応じてリレースイッチ10aが接点(c−b)間をオンした初期状態に復帰する。この場合、ワイパモータ2の通電路は、トランジスタ11のオフ後においても、定位置停止スイッチ5及び上記接点(c−b)間などを通じて維持されるようになり、ワイパが待機位置へ戻ったときに初めてワイパモータ2の通電路が遮断されてワイパの払拭動作が停止される。
【0067】
以上の結果、トランジスタ11のオフタイミングが引き延ばされることになって、励磁コイル10bの断電動作は、定位置停止スイッチ5が接点(c−a)間をオンした動作状態にある期間、つまりワイパが待機位置以外にある期間においてのみ行われるようになる。従って、定位置停止スイッチ5が動作停止された期間、つまりワイパが待機位置にある期間には、リレースイッチ10aの常開側の接点(c−a)間を通じたワイパモータ2の通電路が、トランジスタ11のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータ2が断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0068】
次に、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作されたときの作用のうち、まず、切換スイッチ8がオフされている状態での作用を説明する。
今、イグニッションスイッチ3がオンされた状態において、定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間には、間欠払拭モード用コンデンサ12に対し、電源ライン+Bから抵抗15、ボリューム13及び定位置停止スイッチ5の接点(c−b)間を通じて正方向(矢印A方向)に充電された状態にある。
【0069】
この状態から、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作されたときには、間欠払拭モード用コンデンサ12が既に充電された状態にあるため、電源ライン+Bの出力が、抵抗15、ボリューム13、ダイオード17b、抵抗17a、ワイパスイッチ9の接点T5・T6間を通じてトランジスタ11のベースに直ちに与えられることにより、そのトランジスタ11がオンされる。すると、斯様なオンに応じてリレー10の励磁コイル10bに通電されて、リレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされるようになる。
【0070】
このため、ワイパモータ2の通電路が、上記接点(c−a)間、ワイパスイッチ9の接点T4・T3間及び当該ワイパモータ2の低速回転端子Lを通じて形成されるようになり、以てワイパの払拭動作が開始される。
【0071】
このようにワイパの払拭動作が開始されたときには、定位置停止スイッチ5が接点(c−a)間をオンした動作状態に切換わる。従って、間欠払拭モード用コンデンサ12の両端が、上記接点(c−a)間、ボリューム13及び抵抗15を介して電源ライン+Bの両端に接続された状態となって、当該コンデンサ12の充電電荷が放電されるようになるが、トランジスタ11のオン状態は、抵抗15、ボリューム13、ダイオード17b、抵抗17a及びワイパスイッチ9の接点T5・T6間などを通じてそのまま保持されるため、ワイパモータ5への通電が継続される。
【0072】
このような通電継続に応じてワイパが待機位置まで復帰し、以て定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンさせた状態に戻ると、このときには、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電電荷が放電されているから、抵抗15及びボリューム13を介して上記コンデンサ12に対する再充電が行われることになる。このようにして、ワイパが待機位置へ復帰した瞬間にコンデンサ12への充電が開始される結果、トランジスタ11のベース電位が低下するようになって、そのトランジスタ11がオフされるため、励磁コイル10bの断電に応じてリレースイッチ10aが接点(c−b)間をオンした状態に復帰し、ワイパモータ2が断電される。
【0073】
尚、この場合には、ワイパモータ2の低速回転端子L及びコモン端子C間が、ワイパスイッチ9の接点T3・T4間、リレースイッチ10aの接点(c−b)間、定位置停止スイッチ5の接点(c−b)間を介して短絡されるようになるから、ワイパモータ2に制動がかけられてワイパが待機位置に確実に停止するようになる。
【0074】
上記のように間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電が開始された後には、所定時間(抵抗15及びボリューム13を通じた充電時定数に応じた時間)が経過して、そのコンデンサ12の端子電圧が所定レベル以上となった段階でトランジスタ11が再オンされることになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電に応じてワイパモータ2の通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が行われる。
【0075】
以上のように、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作された状態において、切換スイッチ8がオフされている場合にはワイパによる間欠払拭動作が行われることになる。
【0076】
以下においては、切換スイッチ8がオンされている状態でワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作された場合の作用について説明する。
今、車両が走行している状態では、車速検知回路7から電圧信号Vsが継続的に出力されるようになり、この場合において、上記のように切換スイッチ8がオンされていたときには、その電圧信号Vsが、当該切換スイッチ8、抵抗16、ワイパスイッチ9の接点T5・T6間を介してトランジスタ11のベースに与えらえるため、当該トランジスタ11が強制的にオンされるようになる。
【0077】
このため、車両の走行状態では、上記トランジスタ11が間欠払拭モード用コンデンサ12の充放電と無関係に連続的にオンされるようになって、励磁コイル10bに対する通電状態、つまりリレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされた状態が保持される。この結果、上記接点(c−a)間及びワイパスイッチ9の端子T4・T3間を介してワイパモータ2の通電路が形成された状態が保持されるようになり、ワイパの連続的な払拭動作が行われる。
【0078】
このような状態から車両が停止したときには、車速検知回路7からの電圧信号Vsが消失して前記トランジスタ11の強制的なオン状態が解消されるため、これ以降は、前述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電動作が再開されるようになり、以てワイパが間欠払拭動作される状態に戻されることになる。
【0079】
上記のように、切換スイッチ8がオンされ、且つワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作された状態においては、車両の走行状態ではワイパの連続払拭動作が行われると共に、車両の停止状態ではワイパの間欠払拭動作が行われる状態へ自動的に変更されるという停動機能が得られるものである。
【0080】
この場合、上述のようなトランジスタ11の強制的なオン状態を解消するタイミングは、車速検知回路7からの電圧信号Vsが消失するタイミング、つまり、車両が走行停止するタイミングに応じて決まることになる。但し、上記のような車両の走行停止に応じたトランジスタ11のオフタイミングが、定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間(ワイパが待機位置にある期間)と重なる場合には、前述同様に、補助回路21の働きによってトランジスタ11のオフタイミングが引き延ばされて、励磁コイル10bの断電動作は、ワイパが待機位置以外にある期間においてのみ行われるようになる。
【0081】
従って、上記のような停動機能が働いた場合においても、ワイパが待機位置にある期間には、リレースイッチ10aの常開側の接点(c−a)間を通じたワイパモータ2の通電路が、トランジスタ11のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータ2が断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0082】
尚、上記停動機能は必要に応じて設ければ良く、その機能が不要な場合には、本発明の第2実施例を示す図3のように構成すれば良い。つまり、図3の構成では、車速検知回路7及び切換スイッチ8を除去した上で、ワイパ制御装置1内の接続を一部変更するようにしている。具体的には、ワイパスイッチ9の接点T5をボリューム13及び間欠払拭モード用コンデンサ12の共通接続点に直接的に接続し、同じく接点T6を図示極性のダイオード17b及び抵抗17aを介してトランジスタ11のベースに接続し、さらに、接点T7を抵抗36を介して電源ライン+Bに接続する。
【0083】
尚、上記した各実施例では、スイッチング手段として機械的なリレーを使用する構成としたが電子リレーなど他のスイッチング手段を利用しても良い。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば以上の説明によって明らかなように、スイッチング素子のオンに応じてワイパモータの通電路が形成された状態から当該スイッチング素子がオフされる場合において、定位置停止スイッチが動作停止された期間には、上記スイッチング素子のオフタイミングを引き延ばすように機能する補助回路を設ける構成としたから、ウインドウオッシャ機能や停動機能が設けられる場合であっても、ワイパのオーバーランを効果的に防止できるという有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回路構成図
【図2】作用説明のための各部波形を示すタイミングチャート
【図3】本発明の第2実施例を示す回路構成図
【符号の説明】
1はワイパ制御装置、2はワイパモータ、3はイグニッションスイッチ、5は定位置停止スイッチ、6はポンプモータ、7は車速検知回路、8は切換スイッチ、9はワイパスイッチ、10はリレー(スイッチング手段)、11はトランジスタ(スイッチング素子)、12は間欠払拭モード用コンデンサ、14はウオッシャスイッチ、20はタイマ回路(タイマ手段)、21は補助回路、21eは遅延機能用コンデンサを示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイパモータの断電時にワイパを所定の待機位置に停止させるための定位置停止スイッチを備えた車両用ワイパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウインドウオッシャ機能付きの車両用ワイパ制御装置においては、一般的には、ウオッシャスイッチの操作期間中だけウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータを駆動するように構成される。また、ウオッシャスイッチが操作されたときにワイパモータの通電路形成用のリレースイッチを動作させると共に、その動作状態をウオッシャスイッチの操作が停止された後に所定時間だけ保持するタイマ回路を設けることにより、ワイパによる払拭動作が所定回数だけ連動して行われるように構成される。従って、このような構成では、リレーの動作停止タイミングが、タイマ回路に設定されたタイマ時間により一義的に決まることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
車両用ワイパ制御装置にあっては、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられている。従って、タイマ回路によりリレーが動作停止された後においても、ワイパが待機位置へ戻っていない状態では、ワイパモータの通電路が上記定位置停止スイッチを通じて形成された状態となる。
【0004】
ところで、ワイパの待機位置の範囲は、極めて狭い範囲に厳密に設定できるものではなく、ある程度以上の幅(ワイパ駆動系の慣性による回動範囲より大きい幅)が必要になるものであるが、リレーの動作停止タイミングが前述のようにタイマ回路に設定されたタイマ時間により一義的に決まる構成とされていた場合には、その動作停止タイミングの如何によっては、ワイパが待機位置からオーバーランすることがある。具体的には、ワイパが待機位置を脱出する寸前にリレーが動作停止されたときには、直ちにワイパモータが断電されるものの、ワイパ駆動系の慣性によりワイパが待機位置からオーバーランすることになり、このような状態となったときには、ワイパ(ワイパブレード)の存在が車両運転者にとって煩わしくなる虞が出てくる。
【0005】
また、このような問題点は、車両が走行状態から停止状態となったときにワイパの払拭モードを一段低い状態へ自動的に切換えるという所謂停動機能を備えた車両用ワイパ制御装置においても同様に惹起される場合がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウインドウオッシャ機能や停動機能が設けられる場合であっても、ワイパのオーバーランを効果的に防止できるようになる車両用ワイパ制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は上記目的を達成するために、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられた車両用ワイパ制御装置において、
動作状態でオンされる常開接点を有したスイッチング手段と、オンされたときに前記スイッチング手段を動作状態に切換えるスイッチング素子と、オン操作に応じてウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータの通電路を形成するウオッシャスイッチと、
このウオッシャスイッチのオン操作に応じて前記スイッチング素子をオンさせると共に、そのオン操作が解除された後に上記スイッチング素子のオン状態を所定時間だけ保持するタイマ手段と、
少なくとも停止位置へ操作された状態で、前記ワイパモータの通電路を前記スイッチング手段の常開接点を介して形成するための接点回路を有したワイパスイッチと、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間毎に充電されると共に、当該定位置停止スイッチが動作された期間毎に上記充電電荷をワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電する遅延機能用コンデンサを有し、その遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間は前記スイッチング素子をオン状態に保持するように構成された補助回路とを備えた構成としたものである。
【0008】
このような構成によれば、ウオッシャスイッチがオン操作されたときには、ポンプモータの通電路が形成されて当該ポンプモータが駆動されるため、ウインドウオッシャ液の噴射動作が行われる。また、ウオッシャスイッチがオン操作されたときには、タイマ手段が、スイッチング素子をオンさせると共に、そのオン状態をウオッシャスイッチのオン操作が解除された後にも所定時間だけ保持するようになる。
【0009】
上記のようにスイッチング素子がオンされた期間には、スイッチング手段が動作状態に切換えられて、その常開接点がオンされる。この場合、ワイパスイッチが停止位置にあった場合には、当該常開接点及びワイパスイッチの接点回路を介してワイパモータの通電路が形成されるようになる。これにより、ワイパの払拭動作が、ウオッシャポンプモータの駆動に連動して所定時間だけ実行される。
【0010】
この場合、スイッチング素子のオフタイミングは、タイマ手段の設定時間に応じて決まることになる。但し、上記タイマ手段によるスイッチング素子のオフタイミングが、定位置停止スイッチの動作停止期間(ワイパが待機位置にある期間)と重なる場合には、補助回路の働きによってスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされるようになる。
【0011】
具体的には、定位置停止スイッチが動作停止された期間には、補助回路内の遅延機能用コンデンサに充電されるようになり、また、その充電電荷は、当該定位置停止スイッチが動作された期間においてワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電されるようになる。そして、補助回路にあっては、上記遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間には、前記スイッチング素子をオン状態に保持するようになるから、定位置停止スイッチの動作停止期間中にスイッチング素子がオフすることがなくなる。
【0012】
上記スイッチング素子は、その後において遅延機能用コンデンサの放電が進行してその充電電位が所定レベルより低くなったときにオフされるものであり、結果的にスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされることになる。この場合、ワイパモータの通電路は、スイッチング素子のオフ後においても、定位置停止スイッチにより維持されるようになり、ワイパが待機位置へ戻ったときに初めてワイパモータの通電路が遮断されてワイパの払拭動作が停止される。
【0013】
従って、定位置停止スイッチが動作停止された期間、つまりワイパが待機位置にある期間には、スイッチング手段の常開接点を通じたワイパモータの通電路がスイッチング素子のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータが断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0014】
請求項2記載の発明は、ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられた車両用ワイパ制御装置において、
動作状態でオンされる常開接点を有したスイッチング手段と、オンされたときに前記スイッチング手段を動作状態に切換えるスイッチング素子と、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間に当該定位置停止スイッチを介して正方向に充電されると共に、その充電電荷を定位置停止スイッチが動作されたときに放電する間欠払拭モード用コンデンサと、
間欠払拭モード位置へ操作された状態で、前記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧を前記スイッチング素子に印加することにより当該スイッチング素子をオンさせる第1接点回路、及びそのオンに応じて動作状態に切換えられる前記スイッチング手段の常開接点を介して前記ワイパモータの通電路を形成する第2接点回路を有したワイパスイッチと、
車両の走行状態で電圧信号を出力する車速検知回路と、オンされた状態で前記車速検知回路からの電圧信号を前記ワイパスイッチの第1接点回路を介して前記スイッチング素子に与えることにより当該スイッチング素子をオンさせる切換スイッチと、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間毎に充電されると共に、当該定位置停止スイッチが動作された期間毎に上記充電電荷をワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電する遅延機能用コンデンサを有し、その遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間は前記スイッチング素子をオン状態に保持するように構成された補助回路とを備えた構成としたものである。
【0015】
このような構成によれば、間欠払拭モード用コンデンサは、定位置停止スイッチが動作停止された期間(つまりワイパが待機位置にある期間)において、その定位置停止スイッチを介して正方向に充電された状態にある。
【0016】
また、切換スイッチがオフされている状態において、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された場合には、そのワイパスイッチが有する第1接点回路が、上記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧を前記スイッチング素子に印加することにより、当該スイッチング素子をオンさせるようになり、斯様なオンに応じてスイッチング手段が動作状態に切換えられる。
【0017】
このため、上記スイッチング手段の常開接点がオンされるのに応じて、上記常開接点及びワイパスイッチの第2接点回路を介してワイパモータの通電路が形成されるようになり、ワイパの払拭動作が開始される。
【0018】
このようにワイパの払拭動作が開始されたときには、定位置停止スイッチが動作状態となって前記間欠払拭モード用コンデンサの充電電荷が放電されるため、定位置停止スイッチが動作停止された段階で前記スイッチング素子がオフ状態に戻されて、スイッチング手段が動作停止されるようになり、これに応じてスイッチング手段の常開接点を介したワイパモータの通電路形成状態が解除される。
【0019】
上記のように定位置停止スイッチが動作停止されたときには、前記間欠払拭モード用コンデンサが正方向に再充電されるようになり、所定時間経過後に当該コンデンサの充電レベルが所定レベル以上となったときには、ワイパスイッチの第1接点回路が、上記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧によりスイッチング素子を再オンさせるようになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサの充電及び放電に応じてワイパモータの通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が継続されるようになる。
【0020】
以上のように、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された状態において、切換スイッチがオフされている場合にはワイパによる間欠払拭動作が行われることになる。
【0021】
これに対して、ワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された状態において、切換スイッチがオンされている場合には、以下のような動作が行われる。 つまり、車両が走行している状態では、車速検知回路から電圧信号が継続的に出力されるようになり、この場合において、上記のように切換スイッチがオンされていたときには、その電圧信号が、ワイパスイッチの第1接点回路を介して前記スイッチング素子に与えらえるため、当該スイッチング素子が強制的にオンされるようになる。
【0022】
このため、車両の走行状態では、上記スイッチング素子が間欠払拭モード用コンデンサの充放電と無関係に連続的にオンされるようになって、スイッチング手段の動作状態、つまり当該スイッチング手段の常開接点がオンされた状態が保持される。この結果、上記常開接点及びワイパスイッチの第2接点回路を介してワイパモータの通電路が形成された状態が保持されるようになり、ワイパの連続的な払拭動作が行われる。
【0023】
この状態から車両が停止したときには、車速検知回路からの電圧信号が消失して前記スイッチング素子の強制的なオン状態が解消されるため、これ以降は、前述したような間欠払拭モード用コンデンサの充電及び放電動作が再開されるようになり、以てワイパが間欠払拭動作される状態に戻されることになる。
【0024】
上記のように、切換スイッチがオンされ、且つワイパスイッチが間欠払拭モード位置へ操作された状態においては、車両の走行状態ではワイパの連続払拭動作が行われると共に、車両の停止状態ではワイパが間欠払拭動作状態へ自動的に変更されるという停動機能が得られるものである。
【0025】
この場合、上述のようなスイッチング素子の強制的なオン状態を解消するタイミングは、車速検知回路からの電圧信号が消失するタイミング、つまり、車両が走行停止するタイミングに応じて決まることになる。但し、上記のような車両の走行停止に応じたスイッチング素子のオフタイミングが、定位置停止スイッチの動作停止期間(ワイパが待機位置にある期間)と重なる場合には、補助回路の働きによってスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされるようになる。
【0026】
具体的には、定位置停止スイッチが動作停止された期間には、補助回路内の遅延機能用コンデンサに充電されるようになり、また、その充電電荷は、当該定位置停止スイッチが動作された期間においてワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電されるようになる。そして、補助回路にあっては、上記遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間には、前記スイッチング素子をオン状態に保持するようになるから、定位置停止スイッチの動作停止期間中にスイッチング素子がオフすることがなくなる。
【0027】
上記スイッチング素子は、その後において遅延機能用コンデンサの放電が進行してその充電電位が所定レベルより低くなったときにオフされるものであり、結果的にスイッチング素子のオフタイミングが引き延ばされることになる。この場合、ワイパモータの通電路は、スイッチング素子のオフ後においても、定位置停止スイッチにより維持されるようになり、ワイパが待機位置へ戻ったときに初めてワイパモータの通電路が遮断されてワイパの払拭動作が停止される。
【0028】
従って、定位置停止スイッチが動作停止された期間、つまりワイパが待機位置にある期間には、スイッチング手段の常開接点を通じたワイパモータの通電路がスイッチング素子のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータが断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照しながら説明する。 即ち、図1において、ワイパ制御装置1は、端子1a〜1hを備えており、端子1aはワイパモータ2の高速回転端子Hに接続され、端子1bは当該ワイパモータ2の低速回転端子Lに接続される。また、端子1cはイグニッションスイッチ3を介して車載バッテリ4のプラス側端子に接続される。この場合、車載バッテリ4のマイナス側端子及びワイパモータ2の共通端子Cはグランド端子に接続される。
【0030】
さらに、端子1dは周知構成の定位置停止スイッチ5の共通接点cに接続され、端子1eはウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータ6を介して端子1cに接続され、端子1fはグランド端子に接続される。また、端子1gは、後述する車速検知回路7の端子7aに接続され、端子1hは、後述する切換スイッチ8の接点T10に接続される。
【0031】
この場合、上記定位置停止スイッチ5は、ワイパが待機位置にあるときに接点(c−b)間をオンした動作停止状態に保持されると共に、ワイパモータ2に一旦通電されてワイパが上記待機位置から移動されたときに接点(c−a)間をオンした動作状態に切換えられるものであり、その常開接点aが端子1cに接続され、常閉接点bがグランド端子に接続される。
【0032】
上記ワイパ制御装置1には、ワイパスイッチ9、ワイパモータ2の通電路を形成するためのリレー10(本発明でいうスイッチング手段に相当)、このリレー10の動作を制御するためのnpn形トランジスタ11(本発明でいうスイッチング素子に相当)、ワイパの間欠払拭モード時におけるインターバル時間を決定する間欠払拭モード用コンデンサ12、間欠払拭動作時にインターバル時間を調節するためのボリューム13、ウオッシャスイッチ14などが設けられる。
【0033】
上記ワイパスイッチ9は、図示しない操作レバーの操作に応じて、停止位置OFF、間欠払拭モード位置INT、低速払拭モード位置LO、高速払拭モード位置HIへそれぞれ切換え可能な構成となっている。この場合、ワイパスイッチ9は、接点T1〜T7を備えており、上記した各位置OFF、INT、LO、HIへそれぞれ切換えられた状態では、接点T1〜T7間を、図中に「○−○」印で示すように選択的に接続する。尚、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INT及び低速払拭モード位置LO間で切換えられるときには、図中に「×−×」印で示すように接点T1・T4間がショートしない構成となっている。
【0034】
また、ワイパスイッチ9において、間欠払拭モード位置INTへ操作された状態で互いに接続された状態となる接点T5・T6間が請求項2記載の発明でいう第1接点回路に相当し、同じく互いに接続された状態となる接点T3・T4間が請求項1記載の発明でいう接点回路並びに請求項2記載の発明でいう第2接点回路に相当する。
【0035】
ワイパスイッチ9の接点T1と端子1cとの間には電源ライン+Bが接続されるものであり、この電源ライン+Bは端子1gにも接続される。ワイパスイッチ9の接点T2及びT3は、それぞれ端子1a及び1bに接続され、接点T4は、前記リレー10が有するリレースイッチ10aの共通接点cに接続される。尚、上記リレースイッチ10aは、常開接点a及び常閉接点bを備えたトランスファ形のもので、その常閉接点bは、端子1dに直接的に接続され、常開接点aは、電源ライン+Bに接続される。また、この電源ライン+Bは、端子1dに対して、抵抗15、インターバル時間調節用の前記ボリューム13及び間欠払拭モード用コンデンサ12を直列に介して接続される。
【0036】
ワイパスイッチ9の端子T5は、端子1hに抵抗16を介して接続されると共に、前記ボリューム13及び間欠払拭モード用コンデンサ12の共通接続点に対して、抵抗17a及び図示極性のダイオード17bを直列に介して接続される。端子T6は、抵抗18を介してグランド端子(端子1f)に接続されると共に、前記トランジスタ11のベースに接続される。また、端子T7は開放状態とされる。
【0037】
上記トランジスタ11のコレクタは、前記リレー10の励磁コイル10bを介して電源ライン+Bに接続され、エミッタはグランド端子(端子1f)に接続される。尚、トランジスタ11のコレクタ・エミッタ間には過電圧保護のための図示極性の定電圧ダイオード19が接続される。
【0038】
前記ウインドウオッシャスイッチ14は、オン位置ONへ操作された期間のみ接点T8及びT9間を橋絡するモーメンタリ形のもので、その接点T8は端子1eに接続され、接点T9はグランド端子(端子1f)に接続される。
【0039】
タイマ手段としてのタイマ回路20は、ポンプモータ6の動作に連動してワイパによる払拭動作を所定時間だけ実行するためのもので、そのタイマ要素としてコンデンサ20aを備えて成り、次のような構成とされている。
【0040】
即ち、タイマ回路20にあっては、電源ライン+Bとグランド端子(端子1f)との間に、pnp形トランジスタ20bのエミッタ・コレクタ間、充電用の抵抗20c及び上記コンデンサ20aを直列に接続すると共に、抵抗20c及びコンデンサ20aの共通接続点を、放電用の抵抗20dを介して前記トランジスタ11のベースに接続している。
【0041】
また、電源ライン+Bと端子1eとの間に、抵抗20e及び20fを直列に接続し、これら抵抗20e及び20fの共通接続点を上記トランジスタ20bのベースに接続している。尚、この場合において、充電用の抵抗20cを通じたコンデンサ20aの充電時定数は比較的小さな値に設定されるが、放電用の抵抗20d及び18を通じたコンデンサ20aの放電時定数は比較的大きな値に設定される。
【0042】
さて、ワイパ制御装置1内には、上記のような各回路要素の他に、本発明の要旨に直接関係した補助回路21が設けられており、以下これについて説明する。即ち、補助回路21にあっては、ワイパスイッチ9の接点T4(リレースイッチ10aの共通接点c)とグランド端子(端子1f)との間に、pnp形トランジスタ21aのエミッタ・コレクタ間、図示極性のダイオード21b及び抵抗21cを直列に接続すると共に、その抵抗21cと並列に抵抗21d及び遅延機能用コンデンサ21eの直列回路を接続している。
【0043】
また、上記トランジスタ21aのベースを抵抗21f及び図示極性のダイオード21gを介して端子1dに接続すると共に、その抵抗21aのコレクタ・ベース間に抵抗21hを接続している。さらに、前記ダイオード21bのカソードを抵抗21iを介して前記トランジスタ11のベースに接続している。
【0044】
尚、この場合において、抵抗21dを通じた遅延機能用コンデンサ21eの充電時定数は比較的小さな値に設定されるが、抵抗21c、21d、21f、18などを通じた遅延機能用コンデンサ21eの放電時定数は比較的大きな値に設定される。
【0045】
前記切換スイッチ8は、前記ワイパスイッチ9内に組み込まれた状態、若しくは当該ワイパスイッチ9とは独立した状態で設けられるものであり、オン位置ONへ操作された状態で接点T10及びT11間を橋絡した状態を保持する構成となっており、その接点T10は、前述したようにワイパスイッチ9の端子1hに接続され、接点T11は車速検知回路7の端子7bに接続される。
【0046】
尚、切換スイッチ8をワイパスイッチ9内に組み込む場合には、例えば、インターバル時間調節用のボリューム13が最小抵抗値位置(インターバル時間が最も短くなる位置)へ操作されるのに連動して、当該切換スイッチ8が接点T10・T11間を接続したオン状態に切換えられる構成とすることができる。
【0047】
しかして、以下においては、車速検知回路7の構成について説明する。即ち、車速検知回路7は、前記端子7a、7bの他に端子7c、7dを有し、その端子7cは、周知構成の車速センサを構成するリードスイッチ22を介してグランド端子に接続され、端子7dはグランド端子に直接的に接続される。
【0048】
端子7aは、抵抗23a及び図示極性の定電圧ダイオード23bの直列回路を介してグランド端子(端子7d)に接続されており、その定電圧ダイオード23bのカソードからは定電圧電源ライン+Vccが引き出されている。上記定電圧電源ライン+Vccと端子7cとの間には、抵抗24、25、微分パルス発生用のコンデンサ26及び図示極性のダイオード27が直列に接続される。また、定電圧電源ライン+Vccと上記抵抗25及びコンデンサ26の共通接続点との間には、抵抗28及び図示極性のダイオード29の直列回路が接続され、定電圧電源ライン+Vccと前記ダイオード27のアノードとの間には抵抗30が接続される。
【0049】
さらに、定電圧電源ライン+Vccとグランド端子(端子7d)との間には、pnp形トランジスタ31のエミッタ・コレクタ間、図示極性のダイオード32、抵抗33及び積分用コンデンサ34の直列回路が接続される。上記トランジスタ31のベースは抵抗24及び25の共通接続点に接続される。また、抵抗33及びコンデンサ34の直列回路と並列に抵抗35が接続され、抵抗33及び35の共通接続点は端子7bに接続される。
【0050】
この場合、コンデンサ34と共に積分回路を構成する充電用の抵抗33の抵抗値は比較的小さい値に設定され、同じく放電用の抵抗35の抵抗値は比較的大きい値に設定される。
【0051】
このように構成された車速検知回路7にあっては、リードスイッチ22が間欠的にオンされる状態(車両の走行状態)では、コンデンサ26に対し抵抗24及び25を通じて充電される動作と、その充電電荷がダイオード29などを通じて放電される動作とが交互に行われて微分パルスが間欠的に発生するものであり、その微分パルスによりトランジスタ31のオンオフ動作が反復して行われる。
【0052】
このとき、トランジスタ31のオン期間には、コンデンサ34に対し抵抗33を通じて比較的小さい時定数で充電されるようになる。また、トランジスタ31のオフ期間には、コンデンサ34の充電電荷が抵抗35を通じて放電されるようになるが、その放電時定数は比較的大きな値に設定されているため、結果的に、車両走行状態では、コンデンサ34の充電電位は、定電圧電源ライン+Vccの電位レベル近くまで上昇することになり、端子7bから電圧信号Vsが出力されることになる。
【0053】
また、リードスイッチ22がオフされたままの状態(車両の停止状態)では、トランジスタ31がオフ状態に保持されるため、コンデンサ34の充電電荷が抵抗33及び35を通じて放電された状態となって、前記電圧信号Vsが消失することになる。
【0054】
次に、上記構成の作用のうち、本発明の要旨に直接的に関係した部分について図2も参照しながら説明する。尚、図2は、ウオッシャスイッチ14のオンオフ状態、コンデンサ20aの充電電位、トランジスタ11のコレクタ電位、リレースイッチ10aの共通接点cの電位、定位置停止スイッチ5の共通接点cの電位、トランジスタ21aのオンオフ状態、遅延機能用コンデンサ21eの充電電位の変化状態を示したものである。
【0055】
イグニッションスイッチ3がオンされている状態において、ウオッシャスイッチ14がオン位置ONへ操作された場合には、その操作期間(図2のタイミングt1〜t2)において、ポンプモータ6に対し、車載バッテリ4からイグニッションスイッチ3、ウオッシャスイッチ14を介して通電されてウインドウオッシャ液の噴射動作が行われる。
【0056】
また、上記操作期間には、タイマ回路20内のトランジスタ20bのベース電流が抵抗20f及びウオッシャスイッチ14を介して流れるため、当該トランジスタ20bがオン状態に保持されるようになる。これにより、タイマ回路20内のコンデンサ20aに対し、電源ライン+Bからトランジスタ20b、抵抗20cを介して充電されるようになる。
【0057】
この場合の充電時定数は、前にも述べたように比較的小さな値に設定されており、そのコンデンサ20aの充電電位は図2(b)のように比較的短い時間で立ち上がる。このため、上記のようにコンデンサ20aの充電が行われた場合には、その端子電圧によりトランジスタ11が比較的早い時期にオンされるようになり(図2(c)参照)、当該トランジスタ11を介してリレー10の励磁コイル10bに通電されて、リレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされるようになる。
【0058】
ここで、ウオッシャスイッチ14の操作時点において、ワイパスイッチ9が停止位置OFF及び間欠払拭モード位置INTの何れかへ操作された状態にあった場合には、上述のようにリレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされたときに、ワイパモータ2の通電路が、上記接点(c−a)間、ワイパスイッチ9の接点T4・T3間及び当該ワイパモータ2の低速回転端子Lを通じて形成されるようになり、以てワイパの払拭動作が開始される。
【0059】
ウオッシャスイッチ14のオン位置ONへの操作が解除された場合には、タイマ回路20内のトランジスタ20bがオフされるため、コンデンサ20aの充電電荷が主に抵抗20d及び18を介して放電されるようになる。
【0060】
この場合の放電時定数は、前にも述べたように比較的大きな値に設定されているから、そのコンデンサ20aの充電電位は比較的緩やかに立ち下がる。このため、トランジスタ11は、当該放電時定数に応じた比較的長い時間が経過するまでオン状態に保持される。
【0061】
そして、上記のような放電に応じてコンデンサ20aの充電電位が所定レベル以下に低下したときに初めてトランジスタ11がオフされるため、励磁コイル10bの断電に応じてリレースイッチ10aが接点(c−b)間をオンした状態に復帰し、リレースイッチ10aの接点(c−a)間を介したワイパモータ2の通電路が遮断される。但し、ワイパが待機位置へ復帰するまでの期間は、ワイパモータ2の通電路が、定位置停止スイッチ5の接点(c−a)間、リレースイッチ10aの接点(c−b)間、ワイパスイッチ9の接点T4・T3間を通じて形成されるようになる。
【0062】
以上のようにして、ワイパスイッチ9が停止位置OFF及び間欠払拭モード位置INTの何れかへ操作された状態にあった場合には、ポンプモータ6の駆動に連動してワイパによる払拭動作が所定時間だけ実行されるものである。
【0063】
この場合、本実施例では、タイマ回路20内のコンデンサ20aの充電電位が所定レベル以下に低下した時点(トランジスタ11が上述したようにオフされるべき時点)において、ワイパが待機位置に存した状態にあった場合には、補助回路21の動作に応じて、トランジスタ11のオフタイミングが引き延ばされる構成となっている。
【0064】
具体的には、ワイパが待機位置にある期間、つまり、定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間には、補助回路21内のトランジスタ21aのベース電流が、抵抗21f、ダイオード21g及び上記接点(c−b)間を通じて流れるようになって当該トランジスタ21aがオンされる(図2(e)、(f)参照)。このため、そのトランジスタ21aのオン期間毎に、遅延機能用コンデンサ21eに充電されるようになり、そのコンデンサ21eの充電電位は、図2(g)のように定位置停止スイッチ5の動作周期に連動して周期的に変化するようになる。
【0065】
この場合、遅延機能用コンデンサ21eの充電電位が所定レベル以上ある期間には、そのコンデンサ21eからの放電電流がトランジスタ11のベースに供給されるため、当該期間中に前記タイマ回路20内のコンデンサ20aの充電電位が所定レベル(図2中にVmin で示す)以下に下がった場合でも、トランジスタ11のオン状態が保持される。これにより、ワイパが待機位置にある期間中にトランジスタ11がオフすることがなくなる。
【0066】
そして、この後に、遅延機能用コンデンサ21eの充電電位が所定レベルVmin 以下に下がった時点(図2中にt3で示すタイミング)において、初めてトランジスタ11gがオフされて励磁コイル10bが断電されるものであり、これに応じてリレースイッチ10aが接点(c−b)間をオンした初期状態に復帰する。この場合、ワイパモータ2の通電路は、トランジスタ11のオフ後においても、定位置停止スイッチ5及び上記接点(c−b)間などを通じて維持されるようになり、ワイパが待機位置へ戻ったときに初めてワイパモータ2の通電路が遮断されてワイパの払拭動作が停止される。
【0067】
以上の結果、トランジスタ11のオフタイミングが引き延ばされることになって、励磁コイル10bの断電動作は、定位置停止スイッチ5が接点(c−a)間をオンした動作状態にある期間、つまりワイパが待機位置以外にある期間においてのみ行われるようになる。従って、定位置停止スイッチ5が動作停止された期間、つまりワイパが待機位置にある期間には、リレースイッチ10aの常開側の接点(c−a)間を通じたワイパモータ2の通電路が、トランジスタ11のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータ2が断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0068】
次に、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作されたときの作用のうち、まず、切換スイッチ8がオフされている状態での作用を説明する。
今、イグニッションスイッチ3がオンされた状態において、定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間には、間欠払拭モード用コンデンサ12に対し、電源ライン+Bから抵抗15、ボリューム13及び定位置停止スイッチ5の接点(c−b)間を通じて正方向(矢印A方向)に充電された状態にある。
【0069】
この状態から、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作されたときには、間欠払拭モード用コンデンサ12が既に充電された状態にあるため、電源ライン+Bの出力が、抵抗15、ボリューム13、ダイオード17b、抵抗17a、ワイパスイッチ9の接点T5・T6間を通じてトランジスタ11のベースに直ちに与えられることにより、そのトランジスタ11がオンされる。すると、斯様なオンに応じてリレー10の励磁コイル10bに通電されて、リレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされるようになる。
【0070】
このため、ワイパモータ2の通電路が、上記接点(c−a)間、ワイパスイッチ9の接点T4・T3間及び当該ワイパモータ2の低速回転端子Lを通じて形成されるようになり、以てワイパの払拭動作が開始される。
【0071】
このようにワイパの払拭動作が開始されたときには、定位置停止スイッチ5が接点(c−a)間をオンした動作状態に切換わる。従って、間欠払拭モード用コンデンサ12の両端が、上記接点(c−a)間、ボリューム13及び抵抗15を介して電源ライン+Bの両端に接続された状態となって、当該コンデンサ12の充電電荷が放電されるようになるが、トランジスタ11のオン状態は、抵抗15、ボリューム13、ダイオード17b、抵抗17a及びワイパスイッチ9の接点T5・T6間などを通じてそのまま保持されるため、ワイパモータ5への通電が継続される。
【0072】
このような通電継続に応じてワイパが待機位置まで復帰し、以て定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンさせた状態に戻ると、このときには、間欠払拭モード用コンデンサ12の充電電荷が放電されているから、抵抗15及びボリューム13を介して上記コンデンサ12に対する再充電が行われることになる。このようにして、ワイパが待機位置へ復帰した瞬間にコンデンサ12への充電が開始される結果、トランジスタ11のベース電位が低下するようになって、そのトランジスタ11がオフされるため、励磁コイル10bの断電に応じてリレースイッチ10aが接点(c−b)間をオンした状態に復帰し、ワイパモータ2が断電される。
【0073】
尚、この場合には、ワイパモータ2の低速回転端子L及びコモン端子C間が、ワイパスイッチ9の接点T3・T4間、リレースイッチ10aの接点(c−b)間、定位置停止スイッチ5の接点(c−b)間を介して短絡されるようになるから、ワイパモータ2に制動がかけられてワイパが待機位置に確実に停止するようになる。
【0074】
上記のように間欠払拭モード用コンデンサ12に対する充電が開始された後には、所定時間(抵抗15及びボリューム13を通じた充電時定数に応じた時間)が経過して、そのコンデンサ12の端子電圧が所定レベル以上となった段階でトランジスタ11が再オンされることになる。従って、これ以降においては、上述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電に応じてワイパモータ2の通電路が間欠的に形成されるものであり、以てワイパによる間欠払拭動作が行われる。
【0075】
以上のように、ワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作された状態において、切換スイッチ8がオフされている場合にはワイパによる間欠払拭動作が行われることになる。
【0076】
以下においては、切換スイッチ8がオンされている状態でワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作された場合の作用について説明する。
今、車両が走行している状態では、車速検知回路7から電圧信号Vsが継続的に出力されるようになり、この場合において、上記のように切換スイッチ8がオンされていたときには、その電圧信号Vsが、当該切換スイッチ8、抵抗16、ワイパスイッチ9の接点T5・T6間を介してトランジスタ11のベースに与えらえるため、当該トランジスタ11が強制的にオンされるようになる。
【0077】
このため、車両の走行状態では、上記トランジスタ11が間欠払拭モード用コンデンサ12の充放電と無関係に連続的にオンされるようになって、励磁コイル10bに対する通電状態、つまりリレースイッチ10aの接点(c−a)間がオンされた状態が保持される。この結果、上記接点(c−a)間及びワイパスイッチ9の端子T4・T3間を介してワイパモータ2の通電路が形成された状態が保持されるようになり、ワイパの連続的な払拭動作が行われる。
【0078】
このような状態から車両が停止したときには、車速検知回路7からの電圧信号Vsが消失して前記トランジスタ11の強制的なオン状態が解消されるため、これ以降は、前述したような間欠払拭モード用コンデンサ12の充電及び放電動作が再開されるようになり、以てワイパが間欠払拭動作される状態に戻されることになる。
【0079】
上記のように、切換スイッチ8がオンされ、且つワイパスイッチ9が間欠払拭モード位置INTへ操作された状態においては、車両の走行状態ではワイパの連続払拭動作が行われると共に、車両の停止状態ではワイパの間欠払拭動作が行われる状態へ自動的に変更されるという停動機能が得られるものである。
【0080】
この場合、上述のようなトランジスタ11の強制的なオン状態を解消するタイミングは、車速検知回路7からの電圧信号Vsが消失するタイミング、つまり、車両が走行停止するタイミングに応じて決まることになる。但し、上記のような車両の走行停止に応じたトランジスタ11のオフタイミングが、定位置停止スイッチ5が接点(c−b)間をオンした動作停止状態にある期間(ワイパが待機位置にある期間)と重なる場合には、前述同様に、補助回路21の働きによってトランジスタ11のオフタイミングが引き延ばされて、励磁コイル10bの断電動作は、ワイパが待機位置以外にある期間においてのみ行われるようになる。
【0081】
従って、上記のような停動機能が働いた場合においても、ワイパが待機位置にある期間には、リレースイッチ10aの常開側の接点(c−a)間を通じたワイパモータ2の通電路が、トランジスタ11のオフに応じて遮断されることがなくなるものであり、これにより、ワイパが待機位置を脱出する寸前にワイパモータ2が断電されて、当該ワイパがその駆動系の慣性により待機位置からオーバーランする事態を確実に防止できるようになる。
【0082】
尚、上記停動機能は必要に応じて設ければ良く、その機能が不要な場合には、本発明の第2実施例を示す図3のように構成すれば良い。つまり、図3の構成では、車速検知回路7及び切換スイッチ8を除去した上で、ワイパ制御装置1内の接続を一部変更するようにしている。具体的には、ワイパスイッチ9の接点T5をボリューム13及び間欠払拭モード用コンデンサ12の共通接続点に直接的に接続し、同じく接点T6を図示極性のダイオード17b及び抵抗17aを介してトランジスタ11のベースに接続し、さらに、接点T7を抵抗36を介して電源ライン+Bに接続する。
【0083】
尚、上記した各実施例では、スイッチング手段として機械的なリレーを使用する構成としたが電子リレーなど他のスイッチング手段を利用しても良い。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば以上の説明によって明らかなように、スイッチング素子のオンに応じてワイパモータの通電路が形成された状態から当該スイッチング素子がオフされる場合において、定位置停止スイッチが動作停止された期間には、上記スイッチング素子のオフタイミングを引き延ばすように機能する補助回路を設ける構成としたから、ウインドウオッシャ機能や停動機能が設けられる場合であっても、ワイパのオーバーランを効果的に防止できるという有益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回路構成図
【図2】作用説明のための各部波形を示すタイミングチャート
【図3】本発明の第2実施例を示す回路構成図
【符号の説明】
1はワイパ制御装置、2はワイパモータ、3はイグニッションスイッチ、5は定位置停止スイッチ、6はポンプモータ、7は車速検知回路、8は切換スイッチ、9はワイパスイッチ、10はリレー(スイッチング手段)、11はトランジスタ(スイッチング素子)、12は間欠払拭モード用コンデンサ、14はウオッシャスイッチ、20はタイマ回路(タイマ手段)、21は補助回路、21eは遅延機能用コンデンサを示す。
Claims (2)
- ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられた車両用ワイパ制御装置において、
動作状態でオンされる常開接点を有したスイッチング手段と、
オンされたときに前記スイッチング手段を動作状態に切換えるスイッチング素子と、
オン操作に応じてウインドウオッシャ液噴射用のポンプモータの通電路を形成するウオッシャスイッチと、
このウオッシャスイッチのオン操作に応じて前記スイッチング素子をオンさせると共に、そのオン操作が解除された後に上記スイッチング素子のオン状態を所定時間だけ保持するタイマ手段と、
少なくとも停止位置へ操作された状態で、前記ワイパモータの通電路を前記スイッチング手段の常開接点を介して形成するための接点回路を有したワイパスイッチと、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間毎に充電されると共に、当該定位置停止スイッチが動作された期間毎に上記充電電荷をワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電する遅延機能用コンデンサを有し、その遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間は前記スイッチング素子をオン状態に保持するように構成された補助回路とを備えたことを特徴とする車両用ワイパ制御装置。 - ワイパの払拭動作開始後から当該ワイパが待機位置へ戻るまでの期間だけ動作されてワイパモータの通電路形成状態を保持する定位置停止スイッチが設けられた車両用ワイパ制御装置において、
動作状態でオンされる常開接点を有したスイッチング手段と、
オンされたときに前記スイッチング手段を動作状態に切換えるスイッチング素子と、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間に当該定位置停止スイッチを介して正方向に充電されると共に、その充電電荷を定位置停止スイッチが動作されたときに放電する間欠払拭モード用コンデンサと、
間欠払拭モード位置へ操作された状態で、前記間欠払拭モード用コンデンサの端子電圧を前記スイッチング素子に印加することにより当該スイッチング素子をオンさせる第1接点回路、及びそのオンに応じて動作状態に切換えられる前記スイッチング手段の常開接点を介して前記ワイパモータの通電路を形成する第2接点回路を有したワイパスイッチと、
車両の走行状態で電圧信号を出力する車速検知回路と、
オンされた状態で前記車速検知回路からの電圧信号を前記ワイパスイッチの第1接点回路を介して前記スイッチング素子に与えることにより当該スイッチング素子をオンさせる切換スイッチと、
前記定位置停止スイッチが動作停止された期間毎に充電されると共に、当該定位置停止スイッチが動作された期間毎に上記充電電荷をワイパの払拭動作周期より小さい時定数で放電する遅延機能用コンデンサを有し、その遅延機能用コンデンサの充電電位が所定レベル以上ある期間は前記スイッチング素子をオン状態に保持するように構成された補助回路とを備えたことを特徴とする車両用ワイパ制御装置。
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